JP2008520084A - 偏光遅延機構及びマイクロリソグラフィ投影露光機 - Google Patents
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Abstract
【課題】遅延機構であって、それを使用することにより、それを備えた光学系を非常に好都合に構成できるようにする遅延機構を提供する。
【解決手段】 遅延機構の入力側から入射する入力光ビームを、遅延機構の影響を受けることができる偏光状態の空間分布であって、入力光の偏光状態の空間分布と異なる空間分布を断面全体にわたって有する出力光ビームに変換するための遅延機構が、反射遅延機構として構成されている。遅延機構の有効断面は、異なった遅延効果を備える多数の遅延区画を有する。位置に応じて変化する遅延効果を有するそのような鏡機構を使用して、入力光ビームの断面全体における偏光状態の望ましくない変動を補償し、かつ/又は、たとえば半径方向又は接線方向偏光を設定するように、特定の出力偏光状態を設定することができる。
【選択図】図2
【解決手段】 遅延機構の入力側から入射する入力光ビームを、遅延機構の影響を受けることができる偏光状態の空間分布であって、入力光の偏光状態の空間分布と異なる空間分布を断面全体にわたって有する出力光ビームに変換するための遅延機構が、反射遅延機構として構成されている。遅延機構の有効断面は、異なった遅延効果を備える多数の遅延区画を有する。位置に応じて変化する遅延効果を有するそのような鏡機構を使用して、入力光ビームの断面全体における偏光状態の望ましくない変動を補償し、かつ/又は、たとえば半径方向又は接線方向偏光を設定するように、特定の出力偏光状態を設定することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、遅延機構の入力側から入射する入力光ビームを、遅延機構の影響を受ける偏光状態の空間分布であって、入力光ビームの偏光状態の空間分布と異なる空間分布を断面全体にわたって有する出力光ビームに変換するための遅延機構と、少なくとも1つのそのような遅延機構を有するマイクロリソグラフィ投影露光機とに関する。
マイクロリソグラフィ用の投影露光機の結像力を高めるために、照明系内及び/又は投影対物レンズの場合に的を絞って偏光状態を設定することがしばしば有利である。たとえば、主光源の放射光によって与えられる偏光状態が、投影露光機を通過中に、制御に困難が伴う望ましくない変化を生じる可能性がある。これの原因は、たとえば、遠紫外線(DUV)域内で透明光学素子用に使用されることができるフッ化カルシウム(CaF2)及び他の材料の固有複屈折(IDB)又は機械的ひずみによって発生するひずみ複屈折(SDB)であろう。同様に、反射防止コーティング及び反射コーティング(鏡コーティング)が放射光の偏光状態を不都合に変化させ、それにより、たとえば照明系の入力の直線偏光状態が、投影対物レンズの出口で不定楕円偏光状態に変換される。素子の偏光効果は一般的に、すべてが同一というわけではないので、出力偏光状態も一般的に、放射光ビームの断面全体で一定というわけではない。一般的な遅延機構は、そのような効果の補償に役立つことができる。
結像品質を向上させるために、像生成に使用される放射光の偏光状態には、しばしば的を絞った影響も与えられる。照明系及び/又は投影対物レンズでは、この目的のために一般的な遅延機構が利用されるであろう。
ドイツ特許第19535392号(欧州特許第0764858B1号に対応)は、遠紫外線域で作動する投影露光機の照明系で使用される、断面全体でほぼ半径方向に偏光された放射光を含む出力光ビームを発生する一般的な遅延機構を開示している。半径方向偏光は、像側の通常の開口数(NA)が約0.5≦NA≦0.7であり、かつレジスト材料への結合効率を最適化するために反射防止コーティングを設けていないフォトレジストを備える対物レンズに非常に適する。局部的な好適な偏光方向がビームの半径方向にほぼ垂直である接線方向偏光が、非常に高い開口数の場合の2ビーム干渉を最適化するのにしばしば好まれ、同様に適当な遅延機構によって設定されることができる。直線偏光している入力光を半径方向偏光した出力光に変換するための、透過に有効な実施形態は、複屈折材料から作製された多数の六角形半波長板を有し、この半波長板は表面を埋め尽くすように配置され、またその主結晶軸が入力光の入射方向に垂直に並べられ、それにより、各半波長板が局部的入射光の偏光方向を、その半波長板が交差する半径の方向に偏向させて、遅延機構の光軸に向かわせるようにする。
ドイツ特許第10124803号(米国特許出願第2002/0176166A1号に対応)は、同様の目的で設けられた遅延機構を開示しており、これは、透過に有効であって、入口側及び出口側にそれぞれ、格子の形の偏向構造体又は屈折構造体を設けた小領域がある、複屈折材料からなる透明板の一実施形態にある。複屈折板材料の主結晶軸は、遅延機構の光軸に平行に、従って入力光ビームの照射方向にほぼ平行に並べられている。偏向構造体は、放射光が板材料を斜めに通過するようにする。移動方向及び主結晶軸間の適当な傾斜角とともに、適当な傾斜方向及び板厚を局部的に変化させて設定することにより、たとえば入射する円偏光又は直線偏光から円筒対称的偏光分布(接線又は半径方向)を有する出力光ビームを生じることができる。
本出願人によるまだ未公開のドイツ特許出願第10324468.9号は、配置が有効断面全体で局部的に変化する形状複屈折格子構造体を有する透明遅延素子を使用して、放射光の所望の偏光状態を設定することができるようにしたマイクロリソグラフィ投影露光機を記載している。
ドイツ特許第10124803号
米国特許出願第2002/0176166A1号
ドイツ特許出願第10324468.9号
本発明の目的は、冒頭に述べたタイプの遅延機構であって、それを使用することにより、それを備えた光学系を非常に好都合に構成できるようにする遅延機構を提供することである。本発明の別の目的は、極紫外(EUV)線用のリソグラフィシステム内で使用することができる遅延機構を提供することである。
上記及び他の目的を達成するために、1つの形態によれば、本発明は、遅延機構において、遅延機構の入力側から入射する入力光ビームを、遅延機構の影響を受けることができる偏光状態の空間分布であって、入力光ビームの偏光状態の空間分布と異なる空間分布を断面全体にわたって有する出力光ビームに変換するための遅延機構であって、遅延機構は、反射遅延機構として構成されており、また遅延機構の有効断面は、異なった遅延効果を備える多数の遅延区画を有する、遅延機構を提供する。
遅延効果が位置に応じて変化するそのような鏡機構を使用して、たとえば入力光ビームの断面全体にわたる偏光状態の望ましくない変動を補償し、それにより、その断面全体でほぼ均一である偏光を有する出力光ビームを生成することができる。それはまた、個々の遅延領域内に局部的に異なる偏光状態を設定し、それにより、たとえば半径方向偏光又は接線方向偏光を有する出力光束を発生するためにも使用されることができる。位置に応じて変化する出力光の偏光状態の分布の偏光補償及び的を絞った設定を組み合わせることも可能である。
反射遅延機構として構成されているため、折り曲げられたビーム路を有する光学系を構成することが可能であり、その場合、放射光の偏光状態への介入が折り曲げ領域内で行われる。放射光がほぼ垂直に入射する実施形態も可能であり、その場合、入力ビームの方向は、出力ビームの方向とほぼ逆平行に延び、垂直でない入射用の遅延機構の例もあり、その場合、入力ビーム及び出力ビームは、遅延機構の光軸を基準にして互いに対して一定角度をなして斜めに進む。
反射遅延機構は、たとえば偏光鏡のように、設置空間に関する問題の解決に貢献することができ、また他の製造方法も可能にする。反射屈折投影対物レンズ又は他の結像系用の、空間分解式に変化する遅延効果を有する凹面鏡機構も同様に可能である。
1つの発展によれば、遅延機構は、少なくとも1つの透明な複屈折透過素子と、透過素子の、遅延機構の入口側と反対の位置の側に配置された反射面を有する鏡であって、それにより、入射光が、透過素子の1回目の通過後に再帰反射されて、透過素子の2回目の通過を行うようにする鏡とを有する。それにより、2回通過するように複屈折透過素子を使用することができ、それにより、1回の通過と比べて、より長い遅延を、すなわち放射光の互いに垂直に偏光された電場成分間により大きい経路差を得ることが可能である。
反射面は、透過素子の、まさに遅延機構の入口側と反対の位置の出口側に配置されることができ、それにより、遅延機構を後面鏡のように構成することができる。透過素子の出口面と反射面との間に隙間が存在する実施形態もある。透過素子と反射面との間の隙間は、それから材料をなくすか、少なくとも部分的に透明材料で満たすことができ、それにより、たとえば入射角を減少させ、かつ/又は位相誤差を補償することができる。反射面及び/又は透過素子は平坦でも湾曲していてもよく、たとえば凹状に湾曲させることができる。
遅延機構の偏光変化特性が、ほとんど又は専ら複屈折透過素子の特性によって決定されることを確実にするために、反射面の反射特性は、入射面に対して垂直及び平行に偏光された放射光で、反射率が、また適当であれば位相遅れ効果もほぼ等しいように設計されるべきである。鏡自体が反射光に遅延効果を加える場合、複屈折透過素子を設計するとき、位置に応じて変化する所望の遅延効果を全体的に達成するために、透過素子の遅延特性を鏡の遅延効果に確実に適合させなければならない。
本発明の範囲内で、複屈折透過素子を実現するための多くの可能性がある。特に、一軸及び二軸結晶の複屈折などの体積偏光効果を利用することが可能であり、これは、位相遅延を発生するために、固有複屈折(IDB)及び/又は機械的ひずみによって誘起されたひずみ複屈折(SDB)を使用する。
一実施形態では、複屈折透過素子は、互いに隣り合わせて配置された、透明の複屈折材料製の多数の遅延素子を有し、遅延素子の各々は、(遅延機構の光軸に平行に測定した)軸方向厚さ、及び透照方向に対して特定の傾斜角に位置する主結晶軸を有し、軸方向厚さ及び傾斜角は、遅延素子を2回通過する場合、放射光の、互いに垂直に並べられた電場成分間に事前設定可能な経路差を生じるように設計される。
1つの変更例は、遅延素子の主結晶軸が、遅延機構の光軸に垂直である異なった方向に並べられることを特徴とする。ほぼ垂直な放射光入射(遅延機構の光軸に対してほぼ平行な放射光入射)用に構成された実施形態では、複屈折透過素子は、実質的にドイツ特許第19535292号に記載されているように構成されることができる。ドイツ特許第19535292号の開示内容は参照によって本説明の内容に組み込まれる。しかしながら、ここに記載したタイプの反射遅延機構の場合、放射光が透明の複屈折材料を2回通過することが起きるので、遅延素子の軸方向厚さを、それに示されている実施形態と比べて減少させる、たとえば半分にすることができる。(たとえば、複数の作動波長の位相遅れを伴う)より高次の遅延機構も同様に可能であり、それに対応してより厚くすることができる。
別の実施形態では、主結晶軸及び軸方向厚さを有する少なくとも1つの複屈折透過素子が設けられており、遅延機構の有効断面、すなわち被照明断面は、多数の遅延区画に分割される。遅延区画の少なくとも1つは、遅延区画内の複屈折透過素子を通過する放射光の移動方向が、遅延区画の主結晶軸の方向に対して斜めに通り、それにより、移動方向は主結晶軸に対して0°より大きく、かつ90°より小さい傾斜角をなすように構成されている。移動方向及び主結晶軸の方向が、移動平面を画定する。少なくとも1つの遅延区画について軸方向厚さ及び傾斜角を互いに適合させ、それにより、遅延素子を2回通過した後の遅延区画内の電場成分の光路長差が事前設定された経路差に対応し、また各遅延区画について移動平面の向きが、その遅延区画に局部的に望ましい好適な偏光方向を生じるように設定されるようにする。遅延区画の各々が、好ましくはこのように構成される。
斜めに透照される遅延区画の各々において、遅延機構は遅延板のように作用し、その遅延板では、1回の通過で、経路差Gは、移動方向に入口及び出口間を横切る経路長Wと、互いに垂直に偏光された2つの電場成分(常光線及び異常光線)での屈折率no及びnaoの差の大きさとの積からG=W×|nao−no|に従って得られる。したがって、この差は、屈折率楕円の向きの関数である。ここで、経路差を共同決定する電場成分の屈折率の差は、傾斜角NWの関数であるとともに、複屈折材料の種類に応じて決まり、入射角を選択することによって設定されることができる。光線を再帰反射させるとき、2回の通過でほぼ2倍の経路差が生じる。
たとえば、主結晶軸に対して小さい傾斜角を設定する場合、主結晶軸の方向で消える屈折率の差が比較的小さく、このため、所望の経路差を達成するために、軸方向厚さを適当に大きく選択することができる。これは、本発明による遅延機構の製造及び取り扱いを容易にして、任意選択であるが、遅延機構を自立形部品として構成することができる。軸方向厚さを選択することにより、遅延機構の作動モードを入射光の偏光状態に適合させるとともに、所望の偏光分布を出力放射光に適合させることが可能である。たとえば、四分の一波長(又はその奇数倍)の(2回通過での)経路差を設定する場合、遅延区画の各々を通って入射する円偏光を出射直線偏光に変換することができる。各遅延区画について、遅延機構の入口側に位置する出口平面上での好適な偏光方向、たとえば接線又は半径方向の配列を遅延機構の光軸に設定するために、傾斜方向を利用することができる。2回通過後の二分の一波長(又はその奇数倍)の経路差を設定する場合、入射直線偏光を出射直線偏光に局部回転させることが可能である。遅延区画内、たとえば各遅延区画内で傾斜方向を適当に局部的に設定することにより、これを光軸に対して半径方向又は接線方向に並べることができる。有効断面全体にわたってほぼ均一に並んだ直線偏光も同様に可能である。この場合、一般的に角度と遅延効果との間に関数関係が存在することに留意されたい。
1つの有利な発展は、複屈折透過素子が、遅延機構の光軸にほぼ平行な主結晶軸を備え、また複屈折透過素子が、各遅延区画について、少なくとも1つの偏向構造体を割り当てられ、この偏向構造体は、入力光を偏向して、その光が遅延区画を、その遅延区画用に指定された傾斜角及び傾斜方向に貫通するようにしたことを特徴とする。したがって、製造が特に容易である簡単な構成の遅延機構が、遅延機構の断面を満たす単一の複屈折透過素子によって可能である。
光出口が光入口に平行になるようにするために、入射光を斜め移動方向に偏向させるための偏向構造体を複屈折透過素子の入力側に設け、かつ偏向を打ち消すように割り当てられた偏向構造体を出口側に設けことが好ましい。たとえば、複屈折透過素子は、フッ化マグネシウム又は水晶製の平行平面板によって形成されることができ、その入口側及び/又は出口側に、偏向構造体が構造化表面領域に対応する形に作製される。これにより、単一の光学的活性透過素子によって構成され、実質的に薄い板の形をしており、したがって、投影露光機の内部の適当な位置の狭い設置空間内でも、たとえばひとみ面の近く、又はひとみ面上に小さいビーム角の範囲内で設置されることができる遅延機構が可能になる。
各遅延区画の偏向構造体は、遅延区画内に入射した放射光を、この遅延区画用に指定された移動方向に偏向させる、又はこの偏向を打ち消すのに役立つ。ここで、この構造体は、たとえば直線回折格子のタイプの回折構造体、たとえばフレネル表面のタイプの屈折構造体、又は、たとえばブレーズド回折格子のタイプの、光学回折及び屈折の両方が偏向に寄与する構造体であることができる。ホログラフィック構造体も可能である。
割り当てられた反射層は、透過素子の出口側の後方に距離をおいて、たとえば個別の鏡に配置されることができる。それは、たとえば薄い反射コーティングの形で、直接的に透過素子の出口側に位置付けられることもできる。
被照明有効断面を、遅延機構の被照明断面をほとんど隙間なく埋め尽くす一定偏向の小さいフィールド又は区画に、たとえば小さい六角形区画に分割することが好都合である。他に、好ましくは多角形、たとえば正方形又は三角形の区画も可能である。遅延区画は、環形又は部分環形又は部分円の形に作製されることもできる。区画又はフィールドの数は、好ましくは10又は100以上の大きさであり、そのため、区画は好ましくは、有効断面の総面積の10%未満、特に10%〜1%の一般的な平均断面積を有する。この場合、区画の寸法を、局部的に望ましい好適な偏光方向の、用途に応じて許容される方向許容差に適合させることができる。好適な実施形態の場合、これは±2%以下の範囲内である。より小さい範囲の寸法にすることで、所望の局部的半径方向又は接線方向偏光をほぼ連続的に分布させることができる。規定された範囲限界を伴わない構造体の連続移行も可能である。特に遅延機構を照明系に使用するとき、許容されることができる小さい隙間が活性遅延区画間に残ることも同様に可能である。
放射光の斜め入射用に設けられた本発明による遅延機構の実施形態の場合、複屈折透過素子の軸方向厚さ及び遅延区画の側方広がりを入射光の入射角に適応させ、それにより、遅延区画に入射する光の主要部分も再び同じ遅延区画から出射し、近傍の遅延区画に透過放射されないようにすることを念頭に置くべきである。それにより、斜め入射の場合の近傍の遅延区画との境界領域内での混乱の減少又は回避が可能である。この目的のため、遅延素子の側方広がりが、複屈折透過素子の軸方向厚さと比べて大きいことが好ましい。遅延素子の側方広がり及び軸方向厚さの比は、たとえば50を超える、又は100を超える、又は1000を超える、又は10,000を超えることができる。
本発明による別の分類の遅延機構は、複数の複屈折透過素子が、遅延機構の有効断面に、好ましくは表面を埋め尽くすようにして配置されており、複屈折透過素子の各々で、主結晶軸が遅延機構の光軸に斜めに傾斜して、それにより、所望の傾斜角及び傾斜方向の範囲で(脱落)生じる。このため、これらは多数部分構造を有するセグメント化遅延機構であり、その構造は、ドイツ特許第19535392号の図1に示されている実施形態のものに似ているが、本発明で考える遅延機構では、遅延区画の主結晶軸が遅延機構の光軸に、かつ板の平面に斜めに並ぶという違いがある。
別の実施形他の場合、遅延機構は、基板(キャリヤ)、及び基板上に配置された反射コーティングを有しており、異なった遅延効果を有する遅延区画を形成するために、反射コーティングは、局部的に変化する偏光変化反射効果を有する。位置に応じて変化する偏光変化特性を有するそのような反射コーティングを、たとえば基板の、遅延機構の入口側に面する前側に直接的に塗布することができる(前面鏡)。
一実施形態では、反射コーティングは、反射コーティングの異方性に空間的変化を有する異方性反射コーティングとして構成される。異方性の変化は、入射光の、コーティングによって生じる分相の方向及び/又は絶対量に影響を及ぼすことができる。
異方性反射コーティングは、誘電補強された金属鏡のように構成されることができる。一実施形態では、1つ又は複数の個別層を有する少なくとも1つの透明誘電体から作製された異方性誘電層を塗布した金属層が、キャリヤに塗布される。金属層を伴わない異方性誘電多層反射コーティングも可能である。
遅延効果の空間分布は、遅延機構の光軸に関してほぼ回転対称的である有効複屈折分布(遅延分布)を生じるように構成されることができる。半径方向に増加又は減少する複屈折を有する有効複屈折分布を設定することも可能である。場合によって、たとえばフッ化物結晶の固有複屈折によって生じる偏光効果を補償するために、複屈折分布が回転対称的でないことが有利であろう。たとえば、遅延機構の光軸に関して好ましくは多重対称性、特に2つ折り、3つ折り、4つ折り又は6つ折り対称性を示す複屈折の強度の方位変調を与えることが可能である。この場合、遅延区画は、対応の角範囲の部分円のような形状であることができる。遅延区画は、多角形(たとえば、六角形、三角形、矩形)の隣接セルのように、隙間を介在させて、又は表面を埋め尽くすようにして互いに隣り合わせて配置されることもできる。
異方性誘電層を作製するために、コーティング材料を基板表面の少なくとも1つの領域に大きい被覆角度で、たとえば蒸着によって40°以上の大きい蒸着角度で塗布することができる。適当な寸法及び形状を有する遅延区画を作製するために、ビネット絞りを用いたマスキング技法をコーティング時に使用することができる。
本発明の好適な適用分野は、紫外線域、特に260nm未満(たとえば、248nm、193nm又は157nm)の波長の電磁放射光が利用されるマイクロリソグラフィ用の投影露光機である。透明材料は、複屈折透過素子の作製及び誘電干渉層の作製の両方に利用可能であるので、上記実施形態はこの波長に特に適している。しかしながら、本発明はこれらの波長に制限されないで、極紫外線域(EUV)の放射光でも使用されることができ、たとえばマイクロリソグラフィ用の純粋反射投影系では約13nmの波長の放射光も利用される。
一実施形態では、遅延機構は、基板、及び基板に塗布された反射コーティングを有しており、その反射コーティングは、極紫外線(EUV)域の放射光に有効であり、かつ異なった遅延効果を有する遅延区画を形成するために、局部的に異なる偏光変化反射効果を有する。反射コーティングは、適当な材料(たとえば、モリブデン及びケイ素)の層を互いに上下に重ねた多層反射コーティングとして構成されることができる。
多層反射コーティングは、従来型EUV多層鏡のような鏡基板の近傍に構成されることができる。偏光依存型位相伝達性を生じるために、この層構造の上に、間隔をおいて互いに隣り合って延びる細い構造体であって、本来的に多層のように構成され、たとえば下に位置する鏡の層順序を継続する細い構造体の格子構造を設けることが可能である。少なくとも一部の領域では、格子構造体が、放射光の波長の大きさ程度の周期長の周期性を有するが、周期長は好ましくは放射光波長より短い(サブλ構造体)。それにより、透明光学素子から既知である構造誘起複屈折(形状複屈折)に似た複屈折効果を生じることが可能である。異なった遅延効果の遅延区画を形成するために、回折構造素子の構造、すなわち特にそれらの配列、それらの周期間隔及び/又は構造深さを局部的に変化させることができる。
この場合に使用される形状複屈折は、主に回折構造体内の不均一な材料分布に起因する特性であって、構造素子の間隔が入射光の波長より小さいときはいつも、特に強く出現する。十分に小さい格子構造体であれば、たとえばゼロ次回折でも伝播に十分である(ゼロ次回折格子)。したがって、構造素子の間隔は好ましくは、作動波長の90%又は80%又は70%未満である。
本発明による反射遅延機構は、多くの光学系に好都合に使用されることができる。マイクロリソグラフィ投影露光機の照明系及び/又は投影対物レンズでの適用が好ましい。
上記及びさらなる特徴は、特許請求の範囲から、かつ説明及び図面からも明らかになり、個々の特徴を単独で、または幾つかを小組み合わせの形で本発明の実施形態及び他の分野で実現すること、及び本質的に保護が可能である実施形態を有利に構成することも可能である。
大規模集積半導体部品の製造用に設けられたウェハステッパ1の形のマイクロリソグラフィ投影露光機が図1に概略的に示されている。投影露光機は、光源としてエキシマレーザ2を有し、これは、157nmの作動波長λを有する紫外線を放出し、またこれは、他の実施形態の場合、それより上で、たとえば、193nmまたは248nmであるか、またはそれより下であることもできる。下流側の照明系4が、下流側の投影対物レンズ5のテレセントリック要件に合致する大きく鮮明な境界を定めて均一照明された像視野を生じる。照明系は、照明モードを選択するための装置を有し、たとえば、コヒーレンスの度合いが可変である従来型照明、角視野照明、及び双極又は四重極照明間で切り換えることができる。
照明系の後方には、マスク7の保持及び操作を行う装置6が配置されており、これにより、マスクを投影対物レンズの物体面8上に位置させて、スキャナ操作のためにスキャナ駆動部によってこの平面上を横方向9(y方向)に移動させることができる。
マスク面8の後方に投影対物レンズ5が続き、これは、縮小対物レンズとして機能し、マスク上に配置されたパターンの像を縮小して、たとえば、1:4または1:5の縮尺で、縮小対物レンズの像面11上に配置されている、フォトレジスト層をコーティングしたウェハ10上に結像する。他の縮尺、たとえば、1:20または1:200まで下げたより強い縮尺も可能である。
ウェハをレチクル7と同期させてそれに平行に移動させるために、ウェハ10は、スキャナ駆動部を有する装置12によって保持されている。これらの系はすべて、制御ユニット13によって制御される。
投影対物レンズ5は、幾何学的ビームスプリッティングで機能し、その物体面(マスク面8)及びその像面(ウェハ面11)間に、第1偏向鏡16及び凹面鏡17を有する反射屈折対物レンズ部分15を備え、平面偏向鏡16は投影対物レンズの光軸18に対して傾斜し、それにより、物体面から進む放射光が偏向鏡16によって凹面鏡17の方向に偏向される。投影対物レンズを機能させるために必要なこの鏡16に加えて、第2平面偏向鏡19が設けられ、これは光軸に対して傾斜し、それにより、凹面鏡17によって反射した光が偏向鏡19によって像面11の方向に偏向されて、下流の屈折対物レンズ部分20のレンズに送られる。互いに直交する平面鏡面16、19は、反射プリズムとして構成されたビーム偏向装置21(図2)上に設けられて、光軸18に直交する平行な傾斜軸を有する。鏡16、19を互いに物理的に分離した鏡として構成することも可能である。
球状に湾曲した凹面鏡17は、斜めに位置付けられた側部アーム25の端部に配置されている。側部アームを斜めに位置付けることにより、特に対物レンズの全幅にわたって十分な作動距離を確保することができる。同様にして、平面が互いに垂直である偏向鏡16、19の設定角度は、光軸18に対して45°から数度だけずれることができる。
図示の例では、反射屈折対物レンズ部分は、第2偏向鏡19の領域内に中間像を形成するように構成されており、中間像は好ましくは、鏡面と一致しないで、凹面鏡17の方向でそれの後方または前方のいずれかに位置することができる。したがって、投影対物レンズ5は2つのひとみ面を有し、1つのひとみ面35が凹面鏡17のすぐ近傍に位置し、1つのひとみ面40が屈折対物レンズ部分20内に位置している。
対物レンズ構造の特別な特徴は、ビーム偏向装置21と対物レンズの斜めに位置付けられた側部アーム25内の凹面鏡17との間の、光が2回横切る領域内で凹面鏡17の直前に複屈折透過素子30が配置され、それが凹面鏡17と協働して、その有効断面全体で空間的に変化する遅延作用を有する反射遅延機構50を形成することにある。遅延機構50は、一方ではそれぞれ第1及び第2偏向鏡16及び19間の光路上で光の好適な偏光方向を約90°だけ広域回転させる偏光回転装置として機能する。それはさらに、空間的に変化する遅延効果によって放射光ビームの断面全体にわたって偏光状態の位置依存設定を行う補償機構として働く。その目的についてはさらに詳細に後述する。
偏向鏡16、19の反射面を高反射性コーティング23、24でコーティングして、高い反射率が得られるようにする(図2)。これらは、入射角に使用される範囲内で反射の増幅を生じるように屈折率及び層厚さが選択される、誘電体からなる1つまたは複数の層を有する。
これらの層は、入射角と、反射光の電場ベクトルの、互いに垂直に並んだ電場成分間の偏光(それぞれs偏光及びp偏光)とによって決まる位相差をもたらす。これは、s及びp偏光用の層が、入射角によって決まる、光線の入射角に応じて異なる光路を構成するために発生する。さらに、従来型多重層は、入射角に応じてs及びp偏光について異なった反射率を有する。従来型反射層では、s偏光での反射率が、角度範囲全体にわたってp偏光より大きい場合が多く、約45°にあるブルースター角の付近でおそらく反射率に特に大きい差が生じる。
振幅及び位相のこれらの効果は、一方で、対物レンズを通過中に電場のp成分がs成分より強く減衰され、そのため、たとえば入口側の場合、像面に当たる光である無偏光すなわち円偏光が、より強いs成分を有することにつながるであろう。他方で、ビーム断面全体で変化する偏光状態が発生する可能性がある。それにより、構造方向によって決まる分解能の差が発生するであろう。
これらの問題は、図示の実施形態の場合、光の偏光を偏向鏡16、19間の反射遅延機構50によって全体で約90°だけ広域回転させること、さらに偏光状態の位置依存型補正をひとみ面35の領域内に導入することによって回避される。
説明のために、第1偏向鏡16に当たる入射光27が円偏光しており、s偏光及びp偏光の、矢印の長さで表されている振幅がほぼ等しい例を図2に示す。斜めに位置付けられた鏡16で反射した後、電場の、入射面に平行に振動する成分は、s成分より強く減衰される。この光は複屈折透過素子30を横切り、これは変更形四分の一波長板として構成されて、有効断面全体で1回通過の場合に電場成分の位相を互いに対して四分の一波長だけ遅らせ、さらに、適当であれば、位置に応じてさらなる小さい位相遅延(<<λ/4)を生じさせる。偏光状態がほぼ変更されないままである凹面鏡17での反射後、反射光は透過素子30を再び通過し、そのため、それを2回横切り、約四分の一波長のさらなる位相遅れが、考えられる小さい位置依存型正又は負の遅延貢献に加えて起きる。したがって、板30を2回通過することにより、全体で、好適な偏光方向が90°だけ回転することに相当する二分の一波長の遅れと、断面全体で変化し、大きさの点では主遅延と比べて一般的に小さく(たとえば、四分の一波長の10〜20%未満)、それに重ね合わされるさらなる遅延とがもたらされる。変化は、偏向構造体によって生じる移動方向の異なった傾斜効果及び/又はその傾斜方向によって設定されることができる。
その結果、一方で、第2偏向鏡19に関連してs偏光された光は、第1偏向鏡の下流でp偏光された成分の(より弱い)振幅を有するが、このとき、p成分はより大きい振幅を有する。上述した反射率の差に基づいて、このp成分はこのとき、(より弱い)s成分より強く減衰され、そのため、s及びp偏光について振幅の一致が起きる。第2偏向鏡16の下流ではs及びp偏光のほぼ同一の振幅が生じるように、多重層23及び24を構成することが有利である。それにより、この光を利用して、構造方向によって決まるコントラスト差がない結像が可能である。
また、位置依存型偏光補正が、ひとみ面35の領域内に導入され、これにより、フィールド付近で発生し得る、入射角によって決まる偏光のすべての変化を補償することができる。
図3は、遅延機構50の詳細図を示す。それは実質的に、複屈折透過素子30と、そのすぐ後方に配置された凹面鏡17とを有し、凹面鏡の鏡面51の多層反射コーティング52が、板30の、遅延機構の入口側53と反対側に位置する出口54の後方に短い距離をおいて位置する。透明の複屈折平行平面板30は、1つの光軸を有する単一の異方性結晶であって、その主結晶軸55が平行平面板表面53、54にほぼ垂直であり、かつ遅延機構50の光軸56に平行である異方性結晶からなる。板の材料は、与えられる作動波長、好ましくは紫外線域にある、約260nm未満の作動波長の光を透過する。一体状の板30は、たとえば波長が157nmの光用にはフッ化マグネシウム、波長が193nmの光用にはフッ化マグネシウム又は石英(二酸化ケイ素)、あるいは機械的ひずみフッ化カルシウム又は石英からなる。板30は、影響を受ける放射光のビーム路内に、主結晶軸55が投影対物レンズの光軸18に平行である、又は板面53、54がその光軸18に垂直であるように設置される。ひずみ板の場合、主結晶軸の機能が、ひずみによって生じた主軸に置き換えられる。板の軸方向厚さDは一般的に10分の数ミリメートルの大きさ程度であり、適当であれば、板を自立式に設置することができるほどの大きさ(たとえば、約0.5mm〜10mm)でもよい。板を支持するために、等方性透明材料(たとえば、シリカガラス又はフッ化カルシウム)から作製されたキャリヤを設け、それに板がもたれかかるようにすることも可能である。
板の入口側53及び出口側54には、互いに調整された偏向特性を有する偏向構造体60、61が互いに割り当てて構成されている。本例の場合、偏向構造体は、同一寸法の六角形領域の形で存在して、表面を満たすように入口側53及び出口側54全体を覆っている。ブレーズド回折格子のように作用する偏向構造体が各六角形領域に設けられ、平行な格子構造体の配列は一般的に、隣接する遅延区画65、66間で2〜3°の角度だけ異なっている。偏向構造体は、直接的に隣接し、かつ異なった遅延効果を有する遅延区画を画定する。遅延区画間の区画境界が破線で示されている。
次に、互いに側方にわずかにずれている、互いに割り当てられた回折構造体(入口側53の)60及び(出口側54の)61を利用して、透過素子30の作動モードをより詳細に説明する。光学系の光軸に平行に入射した光(入射光ビーム70)は、入力側53の偏向構造体60に当たる。この透過型回折格子は、回折によって放射光を偏向させ、それにより、結晶板30の内部の一次回折の移動方向71が、主結晶軸55に対して斜めに進む。ここで、「斜め」とは、主結晶軸55に対して平行でも垂直でもない任意の移動方向を表す。そのような移動方向は、0°より大きく、かつ90°より小さい傾斜角NWで特徴付けられる。入力側構造体60と同じ格子定数に基づいて、出力側54の回折構造体61がこの偏向を再び打ち消し、そのため、出射光67は、対応の入射光に平行にずれた状態で、光学系の光軸に平行に出射する。これらの関係が、図3に誇張して示されている。主結晶軸55の方向及び移動方向71は、入射方向を画定する移動平面に広がり、その平面と板の入口側53との交差部分72は、偏向回折格子構造体60の線に垂直に延びる。移動方向71に結晶内部を光が通る経路長Wは、板厚をD、傾斜角をNWとするとき、W=D/cos(NW)に従って決まる。
板材料の複屈折特性に基づいて、光波が板30内を2つの直交する振動方向に、すなわち、互いに垂直に偏光された電場成分の形で伝播し、一方の成分の振動方向75は移動平面上を進み、他方の成分の振動方向76は移動平面に垂直に進む。本出願のために、移動平面上で振動する成分75を常光線(屈折率o)として表し、それに垂直に振動する成分76を異常光線(屈折率ao)として表す。複屈折材料の場合、常光線でno、異常光線でnaoの異なった屈折率が、移動方向に応じてこれらの2つの成分に対して全般的に保持される。負の複屈折結晶の場合について、それらの比が図4に概略的に示されている。一般的に既知であるように、屈折率noはすべての方向で同一であるが、屈折率naoは、主結晶軸55に対する角度NWに応じて変化する。このずれ(nao=no)は、主結晶軸55の方向で消えるが、それに垂直な方向で大きさの差Δn=|nao−no|が最大(Δnmax)である。遅延板の理論から既知であるように、互いに垂直に偏光された2つの電場成分は、方向の差を伴わないが、G=W・x|nao−no|に従った経路差Gで複屈折材料を離れる。
板30を最初に通過した後、出射光67は凹面鏡17の反射面51に当たり、それによって板30の方向とほぼ逆の方向に再帰反射される。屈折構造体61はその出口側54で、放射光を偏向させ、それにより、それは移動方向71にほぼ平行に、したがって主結晶軸55に対して斜めに板を再び通過する(相反則)。板の入口側53から出射する場合、偏向構造体60はそこで、出射光(出力ビーム80)が入射光70にほぼ平行に進んでビーム偏向装置21の方向に確実に戻るようにする。複屈折透過板30を2回目に通過する際に、直交電場成分の経路差Gが再び発生し、そのため、全体で発生する遅延は経路差Gのほぼ2倍に相当する。
そのような機構は、濾過によるのではなく、入射光に対する遅延効果だけによって、局部的に異なる偏向状態の所望分布を生じる。それにより、高い透過効率が達成される。
遅延機構の特別な特徴は、偏向構造体の寸法又は構造により、傾斜角NWを一定限界内に設定することができることにあり、図示の直線格子構造体の場合、格子定数(線の方向に垂直な隣接格子線間の間隔)が小さいほど、傾斜角が増加する。図4から、小さい傾斜角の範囲内、すなわち、移動方向71が主結晶軸55に対して極めて鋭角をなすとき、屈折率の差Δnは非常に小さい値をとり、これは、光の伝播方向71と主結晶軸55との間が直角である場合に生じる屈折率の最大差Δnmaxの何分の1かにすぎない。本発明によって生じる、(ある板材料における)屈折率差を非常に小さく設定する可能性により、板30の出力部における偏光成分の所望の経路差Gに必要な板厚Dを、本発明の遅延機構の場合には、光の入射方向が主結晶軸55に垂直である従来の遅延板の場合の倍にすることができる。したがって、本発明によれば、複屈折板を不都合なほど薄くすることを回避することができ、このことは、特に大きい断面の使用に関して有利な効果を有する。傾斜方向は、偏向構造体によって的を絞って設定されることもできる。
図3に示されている実施形態では、1回目の通過中に、入射光70の波長の約四分の一の経路差Gが、移動光の電場成分75、76間の経路Wに沿って生じるように、板厚D及び傾斜角NWが(偏向格子の適当な格子定数によって)選択される。その結果、四分の一波長板と同様に、入射円偏光が出射直線偏光に変換される。円偏光は凹面鏡17によって再帰反射され、帰路で、すなわち板30を2回目に通過する間に四分の一波長の遅延を再び経験し、そのため、遅延区域65、66の各々でほぼ円偏光された状態で遅延機構から離れる。
遅延機構からの鏡側出口の下流の、各区画の好適な偏光方向の向きは、各区画について偏向構造体の向きの影響を受けることができる。それらの向きは、各区画について、すなわち局部的に移動平面の向きを定め、したがって、互いに垂直に偏光された電場成分の振動の方向75、76の向きも定める。これらの方向75、76は、誘起結晶軸とも表される。
このため、反射遅延機構50は、入力ビーム70の光と出力ビーム80の光との間の第1次近似まで二分の一波長位相遅れ(原文のまま)を生じる。しかしながら、有効断面全体での遅延効果の局部変化は、断面全体に分布した遅延区画65、66によって設定することもできる。この目的のために、個々の六角形セル65、66内の偏向構造体は、上記二分の一波長遅延全体で小さいずれが局部的に生じることができるように設定されることができる。この偏光状態の空間分解式の影響は、投影対物レンズのひとみ面35の近傍で起きるので、投影対物レンズのフィールド面の領域内にビーム角度に応じて発生する偏光不均一性を補償することが可能である(図6に関する説明と比較されたい)。
専ら補償手段として働く実施形態もある。これらでは、有効断面全体で変化する遅延作用は、四分の一波長と比較したとき、絶対量が圧倒的に、または大幅に少ないであろう。これは、たとえば透過素子の板厚を適当により薄くすること、及び/又はより小さい傾斜角を設定することによって可能である。
上記タイプの遅延機構は、高コスト効率かつ高品質に製造されることができる。複屈折板を製造するために二酸化ケイ素又はフッ化マグネシウムから作製された開始結晶が、正確に主結晶軸の必要向きで、かつ大寸法で、特に二酸化ケイ素では20〜30cmの直径まで入手可能である。遅延機構を作製するために必要なことは、一般的な厚さが10分の2〜3ミリメートルであるため、あまり繊細ではなく、処理中に効率的に取り扱うことができる板を処理することだけである。偏向、すなわち回折及び/又は屈折構造体を板表面上に形成することは、適当なリソグラフィ処理を用いて行われることができ、そのため、作製コストは、多い部品数と組み合わせても低く抑えられることができる。原則的には、構造体を機械的に製造することも可能である。
反射遅延機構150の別の実施形態が、図5に概略的に示されている。この構造は、図3の遅延機構50と似ており、その理由から、対応機能に対して対応の参照番号に100を加えた番号を選択している。遅延機構は一体状の平行平面透過板130を有し、これは、主結晶軸155が板の平面に垂直である、すなわち遅延機構の光軸156に平行である複屈折材料から作製されている。上記タイプの偏向構造体を有する六角形セルが、入口側153に形成されている。多層反射コーティング152が、入口側153と反対側に位置する板表面154に直接的に塗布されている。図3に従った実施形態の場合と同様に、板130の、反射表面151に面する側154に偏向構造体161が設けられている。
遅延機構の光軸にほぼ平行に入射する入力ビーム170は、遅延区画166の入口側偏向構造体160で、軸155に対して斜めに延びる移動方向に偏向され、その結果、上記説明に従って、反射表面154まで1回目に通過する際に、板厚D及び傾斜角NWに応じて位相遅れが生じる。放射光は反射面154で反射され、偏向構造体161は、放射光をその内部に確実に再帰反射させることができる。2回目の通過時に、再帰反射された光は、結晶軸155に対してほぼ同一の傾斜角で板130を横切り、やがて入口側に設けられている屈折構造体160に当たり、屈折構造体160によって偏向されて、入射方向にほぼ平行に延びる出射方向を有する出力ビーム180になる。
おそらくは空間分解式に変化する遅延効果を有する反射遅延機構150は、たとえば、反射屈折投影対物レンズ内で凹面鏡として機能するために曲線形状を有することができ、凹面鏡は同時に、反射した放射光に対して、その断面全体で変化する遅延効果を有する。図6により、例示的な使用をより詳細に説明する。
図6は、偏光ビームスプリッタを有する反射屈折投影対物レンズ200の構造の概略図を示す。それは、その物体面201上に配置されたレチクルなどのパターンをその像面202に縮尺して、たとえば1:4の比で結像する一方、正確に1つの実中間像(図示せず)を生成するのに役立つ。λ=157nmの作動波長用に設計された投影対物レンズは、物体面と像面との間に第1反射屈折対物レンズ部分203を、またその下流側に第2純粋屈折対物レンズ部分204を有する。反射屈折対物レンズ部分は、光軸に対して斜めに並べられた平坦な偏光ビームスプリッタ表面207を有する物理的ビームスプリッタ205と共に、同時に空間的に変化する反射リターダとして(すなわち、局部的に変化する遅延効果を有する遅延機構として)機能する結像凹面鏡又は中空鏡250を有する鏡群とを備える。縮小する機能を果たす第2対物レンズ部分204は、光軸に対して傾斜した平坦な偏向鏡210を有しており、この偏向鏡210は、ビームスプリッタ表面207での反射と協働して、物体面上に配置されたマスクを、像面202上に配置された感光性基板と、たとえばフォトレジスト層をコーティングした半導体ウェハと平行に並べることができるようにする。これにより、マスク及びウェハのスキャナ動作が容易になる。屈折鏡がない実施形態、又は複数の偏向鏡を備える変更例も可能である。
このタイプの投影対物レンズの特徴は、(それぞれの対物レンズ領域内で直線又は円偏光されている)偏光紫外線で作動することであり、偏光状態は、ビームスプリッタ層207の特性に適合されている。偏光選択ビームスプリッタ層は、実質的に1つの偏光方向を通過させ、かつその他を遮断するようになっている。この場合、ビームスプリッタ層207が透過に、又は反射に使用されるかに応じて、偏光成分(光学素子へのそれぞれの入射面にそれぞれ垂直及び平行な電場ベクトルの成分)の役割が入れ替わる。
対物レンズの透過率を高めるために、レンズ及び偏光ビームスプリッタの入口面及び出口面のすべてに多層誘電反射防止干渉層システム(AR層)がコーティングされている。鏡250、210の反射面には、高反射性の誘電反射干渉層システム(HR層)252、212がコーティングされている。
凹面鏡機構250は、本光学系の独特の特徴である。それは球面鏡基板260を備え、それの凹面側に多層反射コーティング252が塗布されているとともに、球面複屈折透過素子230が直接的に反射コーティング252に付着されている。それの有効断面全体にわたって、透過素子230はほぼ四分の一波長板の遅延作用を有し、この広域遅延効果にさらに、さまざまな遅延区画270、271、272の各々において空間分解式に変化する、四分の一波長と比べて小さい遅延効果が重ね合わされる。この目的のために、凹面鏡機構250は、図5の遅延機構150と同様に構成される。したがって、それは、ビームスプリッタに面する入口表面に、遅延区画270、271、272の各々に対して、それぞれの場合に入射光を局部的に透過板230の主結晶軸255に対して斜めの方向に偏向させる偏向構造体を有する。さらに、反射ビームを内部に再帰反射させる偏向構造体が、透過素子230の鏡側出口に形成されている。
投影対物レンズ200は、物体面201の上方に配置された照明系によって与えられる円偏光入射光で作動するように構成されている。物体面上に配置されたマスク、及びその下流側に配置された四分の一波長板220を通過した後、光はビームスプリッタ層207でs偏向され、それによって凹面鏡機構250の方向に反射される。1つ又は複数の概略的に示されたレンズ225を通過した後、入力光ビーム280は複屈折透過素子230に当たる。透過素子を1回目に通過する間、四分の一波長の位相遅れが、実質的に電場成分間の有効断面全体にわたって起き、そのため、放射光はほぼ円偏光状態で反射コーティング252に当たり、それにより、ビーム偏向装置の方向に再帰反射される。透過素子230を2回目に通過する際に、さらなる四分の一波長遅延が生じ、そのため、凹面鏡機構250からビームスプリッタ205に進む出力光ビームは、透過素子230を2回目に通過した後にビームスプリッタ層207でp偏向される。p偏向された光は、ビームスプリッタ層207を透過して偏向鏡210に当たり、この偏向鏡210によって像面202の方向に偏向される。この鏡210の特別な特徴については、図7を参照しながらより詳細に説明する。
上記の偏光区別は、理想的には完全なものであり、個々の光学素子に当たる、又はそれを通過する光は、それぞれの所望の偏光状態を有する。しかしながら、使用される入射角全体にわたる干渉層システムの偏光依存効果のために、透明光学素子のひずみ誘起及び/又は固有複屈折のために、及び/又は幾何学的効果のために、偏光状態の望ましくない変化が、放射光ビームの断面全体に起きる可能性がある。
従来の光学系では、これはたとえば、凹面鏡によってビームスプリッタの方向に再帰反射された光は、完全にはp偏光されないだけでなく、ビーム断面の小領域内に他の偏光成分を有するという効果を有するであろう。ビームスプリッタ層は、これらの他の偏光成分を完全には透過せず、そのため、ビームスプリッタ層で、一方では光の一部がマスクの方向に再帰反射され、他方では偏向鏡に透過された放射光が断面全体で不均一に偏光される可能性がある。
本実施形態では、凹面鏡機構250を、同時に断面全体で変化する遅延効果を有する反射遅延機構として構成することにより、これらの問題が回避される。ここで、本例の場合、個々の遅延区画270、271、272の遅延効果を光学系の残り部分に適応させて、そのため、凹面鏡用の入力光280がその断面全体に偏光状態のばらつきを有する場合でも、鏡機構250からビームスプリッタに到達する放射光は、断面全体にわたってほぼ完全にp偏光される。したがって、最適透過効率を有するビームスプリッタ205を使用することが可能である。
例示的な説明のために、ビーム断面全体での、ビーム路の対応位置における偏光状態の局部分布を図6のサブ図6−1、6−2及び6−4に概略的に示す。サブ図6−3は、サブ図6−2(すなわち、凹面鏡の上流側)の好適な偏光方向の「ひずみ」空間分布を凹面鏡の下流側の均一偏光(サブ図604)に変化させるために、有効断面全体にわたる遅延機構250の遅延効果の局部的変化を概略的に示す。ビームスプリッタ205に入る前、放射光は、放射光ビーム断面全体にわたって均一に直線偏光、具体的には入射面に関してs偏光(サブ図6−1)されている。ビームスプリッタ表面は、入射角によって決まる偏光効果を加えるために、その表面で反射した後、位置によって決まる偏光の好適な方向の変化が生じる(サブ図6−2)。このひずみを補償し、かつ断面全体にわたって均一な偏光に戻すために、遅延機構250の遅延区画270、271、272内の遅延効果に有効な結晶軸の方向(サブ図6−3内の破線)は、それぞれの場合に局部的入射偏光方向に対して45°に局部的に並べられる。これは、露出した入口表面、及び透過素子230の反射コーティング252に面する出口表面の回折構造体を適当に構成することによって達成される。これらは、出力光ビーム290が、サブ図6−2に従った偏光分布に垂直に偏光される(サブ図6−4)ように、断面全体において変化するように構成される。したがって、位置に依存した放射光損失を伴わずに、放射光ビームを、ビーム断面全体で均一に偏向鏡210の方向にほぼ完全に透過させることが可能である。
偏向鏡210は、図示の偏向鏡210の実施形態の場合、高反射性の反射コーティングを有する「通常の」偏向鏡として構成されることができるが、偏向鏡210は同様に、その有効断面全体で空間的に変化する遅延効果を有する反射遅延機構として構成され、それにより、偏向の進行中に、反射面でp偏光した入力光ビーム290から、ほとんど損失がない状態で円筒対称的な(半径方向又は接線方向)偏光状態分布の出力光ビーム291を形成することができる。図7により、構成及び機能をより詳細に説明する。
空間分解式に変化する遅延効果を有する反射遅延機構として構成された偏向鏡210は、平行平面板の形の複屈折透過素子230を有し、入力光と反対側に位置するその後側231に、高反射性の多層反射層システム212が付着されている。その全体は、機械的及び熱的に安定した鏡基板211に付着されている。透過素子230は、複屈折材料からなる多数の六角形板232、233を有し、それらは表面を埋め尽くすように配置され、その主結晶軸234、235は、遅延機構の光軸236に垂直に、又は平坦な板表面に平行に延びている。
セル又は遅延区画232、233の主軸234、235はそれぞれ、全体的に等しく直線状に偏光された入射光の偏光方向Pと、各セルの中心を通って光軸236に向かう方向のそれぞれの半径との間の角度の二等分線の方向に並べられている(図8)。板230の厚さは、斜め透照かつ2回通過の場合、全体で二分の一波長遅延が生じるような寸法である。さらに、反射層によって考えられる遅延は、複屈折セルの構造に組み込まれるという特殊な特徴がある。したがって、2回通過時に、各セルで偏光方向が上記半径の方向に回転する。したがって、反射出力光291は、半径方向に偏光される。
この効果は、図6のサブ図6−5に概略的に示されている。放射光ビームの丸い断面内に、部分放射光ビームの局部的に存在する好適な偏光方向を表す半径方向の破線が示されている。サブ図6−6は、接線方向出力偏光の関係を示す。
六角形セルの格子レイアウトは1つの例示的な実施形態にすぎない。特にセルのファンタイプの扇形分割を含めた他の格子レイアウトも合理的可能性がある。
である。もちろん、鏡に考えられる偏光効果(s及びp偏光における反射率の差)を複屈折セルによって補償することはできない。それは、位相にだけ作用する。
入射した直線x偏光についての方程式1〜3の計算により、適当なパラメータの組み合わせ(φ、α、β)によって任意の所望出力偏光状態を生じることができることがわかる。ここで、βは鏡の遅延を表し、αは透過板の遅延を表し、φは平面上の主結晶軸の向きを表す。
斜め入射の場合、セル境界での混乱を避けるために、複屈折層はできる限り薄く(たとえば2〜3μm)すべきである。複屈折セルがΔn=0.009のMgF2から作製される場合、λ=193nmにおいて45°で四分の一波長板を実現するために必要な厚さは約10μmである。
図9により、空間分解式に変化する遅延効果を有する反射遅延機構300のさらなる実施形態を説明する。遅延機構30は、熱膨張率が低い材料、たとえばZERODUR(登録商標)の商標で知られる結晶化ガラス、又は熱膨張率が低い他の材料からなる鏡基板301を有する。高反射性の誘電多層反射コーティングシステム310が、蒸着によって平坦な基板表面302に付着される。反射コーティング310は異方性コーティングであって、その場合、個々の誘電単層は、概ね異なった屈折率を有する二分の一波長層として構成されている。斜め蒸着(一般的な蒸気入射角は40°以上)のため、個々の層の材料は、構造的に誘起された偏光依存型屈折率を有する。コーティング処理により、反射コーティング内の異方性の変化が位置に応じて生じており、そのため、異なった偏光効果を有する区画360、361、362が並置されている。その結果、遅延機構300の有効断面全体に、遅延効果の局部的変化が生じ、これは、反射された放射光ビームの断面全体での偏光状態の所望分布を設定するために利用されることができる。
図10に示された実施形態では、反射遅延機構400が、誘電補強金属鏡として構成されている。これは、鏡基板401を有し、その基板表面402に200〜300nmの薄いアルミニウム層405が蒸着、スパッタリング又は他の何らかの方法で付着されている。金属層405の広帯域反射効果を補強するために、誘電多層システム401が塗布されており、これは金属層405と協働して反射コーティング410を形成する。誘電多層システム408は、図9に示されている実施形態と同様に、異なった遅延効果を有する遅延区画460、461、462を並置して設けた異方性コーティングとして構成されており、この場合、偏光及び光学効果の局部的差異がコーティングの異方性の差によっても生じる。
位置に応じて変化する遅延効果を有する、図9及び図10に示されたタイプの鏡は、たとえばマイクロリソグラフィ投影露光機の投影対物レンズ又は照明系内の平坦な偏向鏡として、たとえば折り曲げビーム路を有する照明系4内の90°反射鏡28(図1)として使用されることができる。
図1に従った露光機内で使用されることができるDUV照明系500が、より詳細な説明のために図11に概略的に示されている。照明系は、レーザ502から来る光を受け取るひとみ整形ユニット501を有し、このひとみ整形ユニットは、放射光の所望の二次元強度分布がひとみ整形表面503上に存在するように、形状及びビーム角度の分布を作り直す。ひとみ整形ユニット503内の光学素子をコンピュータ制御で適当に設定することにより、ひとみ整形表面503上に照明光のすべての現在の2次元照明分布を、たとえば異なった直径の従来型照明、環状設定、あるいは双極又は四重極設定などの極設定を設定することができる。ひとみ整形表面503は、照明系のひとみ面である。ひとみ整形表面503の近傍又はその表面上に、屈折格子素子の二次元格子構造504が配置されており、これは、全体で矩形放出特性を有し、照明系の光コンダクタンスの大部分を発生し、かつ照明系の下流の結合光学系505を介して光コンダクタンスを照明系の下流側のフィールド面506上の所望のフィールド有効範囲に適応させる。ひとみ整形表面503は、下流側フィールド面506に対するフーリエ変換面であり、そのため、ひとみ整形表面上での空間強度分布は、フィールド面506上の角分布に変換される。
フィールド面506上には、ロッド形の光インテグレータ510の矩形入口面が位置し、これは合成石英ガラス又はフッ化カルシウムから作製されて、通過する光を多重内部反射によって混合し、かつその処理中に均一化して、ロッドインテグレータの出口面にほぼ均一の強度分布が存在するようにし、その角分布は、ロッドインテグレータの入口面での角分布に対応している。まさにロッドインテグレータの出口面に中間フィールド面520が位置し、この面上に、調節可能なフィールド絞りとして機能するラジカルマスキングシステム(REMA)521が配置されている。下流側の結像対物レンズ530が、中間フィールド面520をマスキングシステムとともに、レチクル面(マスク面)540上に結像し、このレチクル面は同時に下流側の投影対物レンズの物体面である。対物レンズ530は、第1レンズ群531と、フィルタ又は絞りを差し込むことができるひとみ中間面532と、第2及び第3レンズ群533、534と、その間に位置する平坦な偏向鏡550とを有し、偏向鏡550は、ひとみ面532付近でほぼ平行な放射光の領域内に配置されることができ、かつ大きい照明装置を水平に設置し、レチクルを水平に支持することができるようにする。
別の実施形態の場合、図11に示されているように、個別の光混合素子を用いないで、すなわち、インテグレータロッド又はハニカムコンデンサを用いないで、照明系が構成される。この場合、結合光学系505の後のフィールド面506が、レチクルマスキングシステム521の面と一致する、または適当なリレー光学素子によってブリッジされる。本実施形態の場合、格子素子504のタイプの適当な構造の格子素子を、フィールド面506上に十分に均一な放射強度がすでに存在しているように変更することができる。
照明系の、レーザ光源502と対物レンズ530の物体面520との間の光学素子は、ほぼ偏光を維持するように作動することができ、それにより、対物レンズ530に入る放射光は、断面全体にわたってほぼ直線偏光されている(サブ図11−1)。そのような偏光はレチクルの照明には不都合であり、構造方向に依存した結像特性をもたらす可能性があるので、偏向鏡550は、直線偏光の入力光を接線方向偏光の出力光(サブ図11−2)に変換するために、位置に応じて変化する遅延効果を有する反射遅延機構として構成される。偏向鏡550の構造は、図6に従った偏向鏡210の構造に対応することができ、その理由から、その説明が参照される。
光路上で、偏向鏡の上流側に位置する光学素子が全体的に偏光変化効果を有し、それにより、偏向鏡に入射した光が、放射光ビームの断面全体にわたって均一である無偏光である場合、これらの偏光の変化が断面全体で補償されるように、偏向鏡550を構成することもできる。
図12及び図13により、本発明が、極紫外線域(EUV)の放射光で作動する投影露光機でも有用であり得ることを説明する。図12は、これに関して例示として、本出願人の米国特許出願第2003/0099034A1号に記載されている構造の投影系600を示す。この特許出願の開示内容は、参照によって本説明の内容に援用される。投影対物レンズは、反射レチクルの、物体面602上に配置されたパターンを、物体面に平行に並べられた像面603上に、たとえば4:1の比の縮尺で投影することができる。作動波長は約13.4nmである。湾曲した反射面を備え、それによって投射される合計で6個の鏡604〜609が、物体面と像面との間に互いに同軸的に、それらが像面及び物体面に垂直な共通光軸610を画定するようにして配置されている。鏡基板は、回転対称的な非球面の形を有し、その対称軸が共通の機械的軸10と一致している。結像中、実中間像511が生成され、そのため、投影対物レンズは2つのひとみ面を有し、その一方は鏡605の近傍に位置し、第2のひとみ面は鏡609の近傍に位置する。鏡604〜609のすべての反射面は、ケイ素及びモリブデンからなる層を交互させた多数対を有する多層反射コーティングでコーティングされている。
凹面鏡609は、有効断面全体で局部的に変化する遅延効果を有する反射遅延機構として構成されている。それは、隙間なく反射面を覆う、互いに隣接した小さい遅延区画に分割されている。遅延区画は、たとえば六角形又は部分円の形を有することができる。
凹面鏡609の概略的な断面図が図13に示されている。ケイ素から作製された鏡基板620に、鏡基板を絶え間なく覆う、モリブデン及びケイ素の交互する個別層から構成された多層反射コーティングシステム621が付着されている。反射層システム621は、比較的薄い構造化多層鏡622で被覆されている。回折構造体として作用する構造化領域622は多数のウェブ623、624を有し、これらは互いに平行に配置され、かつそれぞれMo−Si交互層パッケージとして構成されている。ウェブにより、本例の場合は周期長625が13nmであり、したがって紫外線の作動波長(13.5nm)よりわずかに短い周期格子構造体が形成される。本例の場合、格子622の構造体は全体で42の個別層を有する一方、反射層621は全体で84層を有する。幾何学的層厚さは、Moの個別層が約2.478nm、Siの個別層が4.406nm(周期13nm)である。
回折構造体622の領域で材料分布が不均一であるために、ウェブによって形成されるゼロ次格子は、偏光依存型位相伝達性を有する。したがって、反射光の位相は偏光の関数であり、そのため、鏡はその遅延区画の各々の内部でリターダのように作用する。光が垂直入射する場合、格子構造体に平行に偏光された電場(TE)及びそれに垂直に偏光された電場(TM)での位相差のシミュレーションは、TE偏光で約−0.024λ、TM偏光で約−0.034λの絶対位相の場合、λ/100の位相差を示す。それに対して、両方の偏光方向での反射率はほぼ同一(TE偏光で73.7%、TM偏光で73.6%)である。
構造化表面622内の複屈折効果の局部的変化は、さまざまな方法で実現することができる。たとえば、回折構造体が表面内に一定の構造深さ(ウェブ623、624、625の高さ)を有するが、局部的に変化する充填率を有することが可能である。充填率は、たとえば周期625を一定に保ちながら、構造幅(ウェブ623、624の幅)を変化させることによって変化させることができる。構造化表面内の充填率を一定にしながら、構造深さを変化させることも可能である。局部複屈折効果を入力光の偏光分布に適合させ、それにより、像面603に入射する光がほぼ均一に偏光されるようにすることができる。
Claims (48)
- 遅延機構において、遅延機構の入力側から入射する入力光ビームを、遅延機構の影響を受けることができる偏光状態の空間分布であって、入力光の偏光状態の空間分布と異なる空間分布を断面全体にわたって有する出力光ビームに変換するための遅延機構であって、遅延機構は、反射遅延機構として構成されており、また遅延機構の有効断面は、異なった遅延効果を備える多数の遅延区画を有する、遅延機構。
- 少なくとも1つの透明な複屈折透過素子と、透過素子の、遅延機構の入口側と反対の位置の側に配置された反射面を有する鏡であって、それにより、入力光が、透過素子の1回目の通過後に再帰反射されて、透過素子の2回目の通過を行うようにする鏡とを有する、請求項1に記載の遅延機構。
- 反射面は、透過素子の、まさに遅延機構の入口側と反対の位置の出口側に配置されている、請求項2に記載の遅延機構。
- 透過素子の出口面と反射面との間に隙間が存在している、請求項2に記載の遅延機構。
- 鏡は、凹面鏡である、請求項2に記載の遅延機構。
- 透過素子は、凹面鏡に適応した湾曲形状を有する、請求項5に記載の遅延機構。
- 反射面の反射特性は、入射面に対して垂直及び平行に偏光された放射光について、反射及び/又は位相遅れ効果がほぼ等しいように設計されている、請求項2に記載の遅延機構。
- 位置に応じて変化する所望の遅延効果を全体的に達成できるようにして、鏡の遅延効果を透過素子の遅延特性に適合させる、請求項2に記載の遅延機構。
- 複屈折透過素子は、互いに隣り合わせて配置された、透明の複屈折材料製の多数の遅延区画を有し、遅延区画の各々は、軸方向厚さ及び透照方向に対して特定の傾斜角に位置する主結晶軸を有し、軸方向厚さ及び傾斜角は、遅延素子を2回通過する場合、放射光の、互いに垂直に並べられた電場成分間に事前設定可能な経路差を生じるように設計されている、請求項2に記載の遅延機構。
- 遅延区画の主結晶軸は、遅延機構の光軸に垂直である異なった方向に並べられる、請求項9に記載の遅延機構。
- 主結晶軸及び軸方向厚さを有する少なくとも1つの複屈折透過素子が設けられており、遅延機構の有効断面が多数の遅延区画に分割され、遅延区画は、遅延区画内の複屈折透過素子を通過する放射光の移動方向が、遅延区画の主結晶軸の方向に対して斜めに通り、それにより、移動方向は主結晶軸に対して0°より大きく、かつ90°より小さい傾斜角をなし、かつ移動方向及び主結晶軸の方向によって画定された移動平面上に位置するように構成されており、少なくとも1つの遅延区画について軸方向厚さ及び傾斜角を互いに適合させ、それにより、遅延素子を2回通過した後の遅延区画内の電場成分の光路長差が事前設定された経路差に対応し、また各遅延区画について移動平面の向きが、その遅延区画に局部的に望ましい好適な偏光方向を生じるように設定されるようにした、請求項2に記載の遅延機構。
- 複屈折透過素子が、遅延装置の光軸にほぼ平行な主結晶軸を備えており、複屈折透過素子は、各遅延区画について少なくとも1つの偏向構造体を割り当てられ、この偏向構造体が入力光を偏向し、その光が遅延区画をその遅延区画用に設定された傾斜角及び傾斜方向で貫通するようにした、請求項11に記載の遅延機構。
- 入射光を斜めの移動方向に偏向させるための偏向構造体が、複屈折透過素子の入力側に設けられ、かつ偏向を打ち消すように割り当てられた偏向構造体が、複屈折透過素子の出口側に設けられている、請求項12に記載の遅延機構。
- 複屈折透過素子は、複屈折材料製の板によって形成されており、偏向構造体は、直接的にその板の入口側及び/又は出口側の上に形成されている、請求項12に記載の遅延機構。
- 少なくとも1つの偏向構造体は、回折構造体である、請求項12に記載の遅延機構。
- 少なくとも1つの偏向構造体は、屈折構造体である、請求項12に記載の遅延機構。
- 少なくとも1つの偏向構造体は、回折かつ屈折構造体である、請求項12に記載の遅延機構。
- 遅延機構の有効断面は、一定偏向及び/又は等しい傾斜角を有する多数の遅延区画に分割されており、該遅延区画は、ほぼ隙間なく遅延機構の有効断面を埋め尽くす、請求項12に記載の遅延機構。
- 複数の複屈折透過素子が有効断面上に配置され、透過素子の各々が遅延区画を形成し、かつ軸方向厚さを有しており、(脱落)複屈折透過素子の各々で、主結晶軸は放射光の移動方向に対して斜めに傾斜し、それにより、主結晶軸及び移動方向が移動平面に広がり、また透過素子の少なくとも2つの主結晶軸は異なった向きに並べられる、請求項11に記載の遅延機構。
- 入射するほぼ円偏光した放射光を部分的に直線偏光された出射光に変換するように構成されている、請求項1に記載の遅延機構。
- 出力光ビームがほぼ接線方向又は半径方向に偏光されるように構成されている、請求項1に記載の遅延機構。
- 2回通過する際の所定の経路差は、入射光の波長の四分の一にほぼ対応する、請求項11に記載の遅延機構。
- 断面全体にわたって一方向に直線偏光されている入射光を、接線方向又は半径方向に偏光されている、部分的に直線偏光された出射光に変換するように構成されている、請求項1に記載の遅延機構。
- 2回通過する際の所定の経路差は、入射光の波長の半分にほぼ対応する、請求項11に記載の遅延機構。
- 透過素子は、100μmを超える軸方向厚さを有する、請求項2に記載の遅延機構。
- 遅延区画は、多角形の形状を有する、請求項1に記載の遅延機構。
- 有効断面は、同一寸法及び/又は形状の小さい遅延区画に分割される、請求項1に記載の遅延機構。
- 遅延区画の数は、10又は100以上の大きさである、請求項1に記載の遅延機構。
- 基板、及び基板上に配置された反射コーティングを有しており、異なった遅延効果を有する遅延区域を形成するために、反射コーティングは、局部的に変化する偏光変化反射効果を有する、請求項1に記載の遅延機構。
- 反射コーティングは、反射コーティングの異方性に空間的変化を有する異方性反射コーティングとして構成される、請求項29に記載の遅延機構。
- 遅延効果の空間分布は、遅延機構の光軸に関してほぼ回転対称的である有効遅延分布が生じるように構成される、請求項1に記載の遅延機構。
- 遅延効果の空間分布は、遅延機構の半径方向に増加又は減少する遅延効果を有する有効遅延分布が生じるように構成される、請求項1に記載の遅延機構。
- 遅延効果の空間分布は、非回転対称的である有効遅延分布が生じるように構成される、請求項1に記載の遅延機構。
- 非回転対称的な遅延分布は、遅延機構の光軸に関して多重対称性を有する、請求項33に記載の遅延機構。
- 基板、及び基板に塗布された反射コーティングを有しており、該反射コーティングは、極紫外線(EUV)域の放射光に有効であり、かつ異なった遅延効果を有する遅延区域を形成するために、局部的に異なる偏光変化反射効果を有する、請求項1に記載の遅延機構。
- 反射コーティングは、交互に高屈折率材料及び低屈折率材料の層を互いに上下に重ねた多層反射コーティングとして構成され、また構造体の回折構造素子が、放射光の波長より小さい間隔を与えられて互いに隣り合って延びており、局部的に変化する異なった遅延効果を有する遅延区画を形成するための構造体の配置がある、請求項35に記載の遅延機構。
- マスクを照明するための、放射光源を備えた照明装置を有し、かつ照明装置の下流側に配置された投影対物レンズであって、マスクによって与えられるパターンを投影対物レンズの像面上に投影するための投影対物レンズを有するマイクロリソグラフィ投影露光機であって、投影露光機は、遅延機構であって、遅延機構の入力側から入射する入力光ビームを、遅延機構の影響を受けることができる偏光状態の空間分布であって、入力光の偏光状態の空間分布と異なる空間分布を断面全体にわたって有する出力光ビームに変換するための少なくとも1つの遅延機構を有し、遅延機構は、反射遅延機構として構成されており、また遅延機構の有効断面は、異なった遅延効果を備える多数の遅延区画を有する、マイクロリソグラフィ投影露光機。
- 遅延機構は、偏向鏡として構成され、かつ照明装置内の放射光源とマスクとの間に配置されている、請求項37に記載の投影露光機。
- 遅延装置は、放射光の流れ方向において最後の偏光光学素子の後方に配置されている、請求項37に記載の投影露光機。
- 投影対物レンズは、反射屈折投影対物レンズであり、その場合、凹面鏡及びビーム反射装置を有する少なくとも1つの反射屈折対物レンズ部分が、物体面と像面との間に配置されており、凹面鏡は反射遅延機構として構成されており、また凹面鏡の有効断面は、異なった遅延効果を備える多数の遅延区画を有する、請求項37に記載の投影露光機。
- 遅延機構は、少なくとも1つの透明な複屈折透過素子と、透過素子の、遅延機構の入口側と反対の位置の側に配置された反射面を有する鏡であって、それにより、入力光ビームが、透過素子の1回目の通過後に再帰反射されて、透過素子の2回目の通過を行うようにする鏡とを有しており、複屈折透過素子は、互いに隣り合わせて配置された、透明の複屈折材料製の多数の遅延区画を有し、遅延区画の各々が、軸方向厚さ及び透照方向に対して特定の傾斜角に位置する主結晶軸を有し、軸方向厚さ及び傾斜角は、遅延素子を2回通過する場合、放射光の、互いに垂直に並べられた電場成分間に事前設定可能な経路差を生じるように設計されている、請求項40に記載の投影露光機。
- 遅延区画の主結晶軸は、遅延機構の光軸に垂直である異なった方向に並べられる、請求項41に記載の投影露光機。
- 主結晶軸及び軸方向厚さを有する少なくとも1つの複屈折透過素子が設けられており、遅延機構の有効断面が多数の遅延区画に分割され、遅延区画は、遅延区画内の複屈折透過素子を通過する放射光の移動方向が、遅延区画の主結晶軸の方向に対して斜めに通り、それにより、移動方向は主結晶軸に対して0°より大きく、かつ90°より小さい傾斜角をなし、かつ移動方向及び主結晶軸の方向によって画定された移動平面上に位置するように構成されており、少なくとも1つの遅延区画について軸方向厚さ及び傾斜角を互いに適合させ、それにより、遅延素子を2回通過した後の遅延区画内の電場成分の光路長差が事前設定された経路差に対応し、また各遅延区画について移動平面の向きが、その遅延区画に局部的に望ましい好適な偏光方向を生じるように設定されるようにした、請求項41に記載の投影露光機。
- 複屈折透過素子が、遅延装置の光軸にほぼ平行な主結晶軸を備えており、複屈折透過素子は、各遅延区画について少なくとも1つの偏向構造体を割り当てられ、この偏向構造体が入力光を偏向し、その光が遅延区画をその遅延区画用に設定された傾斜角及び傾斜方向で貫通するようにした、請求項41に記載の投影露光機。
- 投影対物レンズは、反射屈折投影対物レンズであり、その場合、少なくとも1つの平坦な偏向鏡が、物体面と像面との間に配置されており、偏向鏡は反射遅延機構として構成されており、また偏向鏡の有効断面は、異なった遅延効果を備える多数の遅延区画を有する、請求項37に記載の投影露光機。
- 反射マスクを照明するための、極紫外線(EUV)用の放射光源を有する照明装置を有し、かつ照明装置の下流側に配置された投影対物レンズであって、マスクによって与えられるパターンを投影対物レンズの像面上に投影するための投影対物レンズを有する投影露光機であって、投影露光機は、遅延機構であって、遅延機構の入力側から入射する入力光ビームを、遅延機構の影響を受けることができる偏光状態の空間分布であって、入力光の偏光状態の空間分布と異なる空間分布を断面全体にわたって有する出力光ビームに変換するための少なくとも1つの遅延機構を有し、遅延機構は、反射遅延機構として構成されており、また遅延機構の有効断面は、異なった遅延効果を備える多数の遅延区画を有する、投影露光機。
- 遅延機構は、基板、及び基板に塗布された反射コーティングを有しており、該反射コーティングは、極紫外線(EUV)域の放射光に有効であり、かつ異なった遅延効果を有する遅延区画を形成するために、局部的に異なった偏光変化反射効果を有する、請求項46に記載の投影露光機。
- 反射コーティングは、交互に高屈折率材料及び低屈折率材料の層を互いに上下に重ねた多層反射コーティングとして構成され、また構造体の回折構造素子が、放射光の波長より小さい間隔を与えられて互いに隣り合って延びており、異なった遅延効果を有する遅延区画を形成するための構造体の局部的に変化する配置がある、請求項47に記載の投影露光機。
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