JP2008519493A - データネットワークにおける往復遅延の遠隔推定 - Google Patents

データネットワークにおける往復遅延の遠隔推定 Download PDF

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Abstract

往復遅延の遠隔推定を使用したデータネットワーク輻輳診断のための技術が開示されている。モニタリングノード(110)はネットワークノードとネットワードノードの間でテストメッセージを送信し、テストメッセージがモニタリングノードから送信されたときからテストメッセージがモニタリングノードに返されるときまでの送信時間を測定する。ネットワークノードとネットワークノードの間のパス遅延は測定された時間遅延に基づいて判断される。ネットワークパス遅延を判断する技術は、ネットワーク輻輳問題を診断するための3フェーズテスト手順とも併用されて使用される。ネットワークトポロジとルーティングテーブルはさまざまであるために、第1フェーズと第2フェーズのどちらのテスト手順が特定のパスセグメントに適しているかを判断するためにある種の確認チェックが必要になる場合がある。さらに、待ち行列遅延は、トラフィック独立遅延をテストメッセージの測定された送信時間から減算することによって判断できるので、この待ち行列遅延はパス遅延を判断するために使用することができる。このトラフィック独立遅延は低ネットワークトラフィックの期間に判断することができる。

Description

本発明は、概してデータネットワークに関し、さらに詳しくは、データネットワークにおける往復パスセグメント遅延を推定することに関する。
サービス品質QoS(Quality of Service)は、インターネット(または他のデータネットワーク)上でビジネスを行なうeコマース企業にとってますます重要になっている。このような企業は、インターネット上でさまざまなサービスを顧客に提供しており、このサービスは、商業的トランザクションを遂行する能力を含む。これらの企業は、顧客にオンライン機能を提供する1以上のWebサーバを一般に保持する。これらのWebサービスのインターネットへの接続性は、インターネットサービスプロバイダISP(Internet service provider)によって提供される。eコマース企業の成功の多くは、インターネットへのWebサーバへの接続品質によるので、そのような企業は、ISPとのSLA(service level agreement)に関心がある。SLAはISPが企業に提供するサービスのレベルを規定し、なんらかの最低限のQoSをeコマース企業に保証している場合がある。
SLAの人気が高まることは、SLAをどのように実施するか、ISPによってeコマース企業に提供されるQoSをどのようにモニタするかという問題が次に起こる。感知されるネットワーク輻輳は種々のネットワーク要素のためであり、その一部はSLAに基づくISPの責任であり、その他はISPの責任ではなく、SLAによって保証されていないかもしれない。従って、ISPは、遅延を引き起こすネットワークの一部分についての責任者でないかもしれないので、エンドツーエンド(end to end)のネットワーク遅延を単に検知することは、SLAと関係しているとは限らない。
eコマース企業は、SLAに基づいてISPによって提供されるQoSをモニタするか、またはeコマース企業はISPによって提供されるQoSをモニタするために第三者のサービスに従事するかもしれない。いずれの方法でも、サービスをモニタする当事者はネットワークサービスプロバイダではなく、したがって、ネットワークプロバイダの自由になっているネットワーク診断ツールのすべてへのアクセスを有さない。そのために、第三者の監視者が遅延を引き起こすデータネットワークの一部分を正確に突き止めることは困難であるのが一般的である。
第三者の監督者がデータネットワークにおける輻輳を検知し、どのネットワークパスセグメント、または特定のリンクがネットワーク遅延の原因であるかを判断できるようにする技術が必要である。
本発明はネットワーク輻輳を診断する改良技術を提供する。
本発明の実施形態によれば、2ネットワークノード間のパス遅延を判断するために、モニタリングノードを利用する。モニタリングノードは第1テストメッセージを送信し、このテストメッセージは、第1ネットワークノードへのパス、第2ネットワークノードへのパス、第1ネットワークノードに戻るパスを通過して、モニタリングノードに戻される。モニタリングノードは、第1テストメッセージの送信と受信の間の時間遅延を測定する。モニタリングノードは、第2テストメッセージを送信し、このテストメッセージは、第1ネットワークノードへのパスを通過し、そのあとモニタリングノードに戻される。モニタリングノードは、第2テストメッセージの送信と受信の間の時間遅延を測定する。第1および第2ネットワークノード間のパス遅延は、測定された2つの時間遅延に基づいて判断することができる。
ネットワークパス遅延を判断する技術は、本発明の別の実施形態によれば、ネットワーク輻輳問題を診断するための3フェーズのテスト手順と併せて利用することもできる。第1フェーズの間、ソースノードから宛て先ノードへの順方向パスと、宛て先ノードからソースノードへの逆方向パスとの両方によって共有される、ソースノードと宛て先ノードの間のノードの第1セットが特定される。第1セットにおけるノード間のパス遅延は、その後、輻輳を引き起こす、可能性を疑われるパスセグメントの縮減されたセットを特定するために計算される。次に第2フェーズの間、ソースノードから宛て先ノードへの順方向パスと、宛て先ノードからソースノードへの逆方向パスとの両方によって共有されていない、可能性を疑われるパスセグメントの縮減されたセット内のノードの第2セットが特定される。第2セットにおけるノード間のパス遅延は、次に、可能性を疑われるパスセグメントのセットをさらに縮減するために計算される。最後に、第3フェーズの間、さらに可能性を疑われるパスセグメントの縮減されたセットに残っているリンクのリンク遅延が計算される。
テスト手順の第1フェーズの間、特定のパスセグメントに関連するパス遅延が比較的小さい場合、特定のパスセグメントを、可能性を疑われるパスセグメントのセットから除外してもよい。特定のパスセグメントに関連するパス遅延が、テスト手順の第1フェーズの間に十分に大きい場合、測定されたパスセグメントの補完パスセグメントを、可能性を疑われるパスセグメントのセットから除外してもよい。テスト手順の第2フェーズの間、パス遅延が比較的小さい場合、パスセグメントを、可能性を疑われるパスセグメントのセットから除外してもよい。第1フェーズと第2フェーズのテストは繰り返してもよく、繰り返しごとに、可能性を疑われるパスセグメントのセットは、約2分の1縮減される。
本発明の別の態様によれば、種々のネットワークトポロジとネットワークルーティングテーブルに起因して、第1フェーズと第2フェーズのどちらのテスト手順が特定のパスセグメントに適しているかを判断するためになんらかの確認チェックが必要になる場合がある。
本発明の別の態様によれば、待ち行列遅延は、テストメッセージの測定された遅延時間からトラフィック独立遅延を減算することによって判断することができ、このような待ち行列遅延を、パス遅延を判断するために使用することができる。このようなトラフィック独立遅延は低ネットワークトラフィックの期間の間に判断することができる。
本発明の上記およびその他の利点は、以下の詳細説明と添付図面を参照することによって、当業者にとって明らかとなる。
図1は、本発明の原理を実現することができるパケットデータネットワーク100を示す。ネットワーク100は、ネットワークリンクによって接続された多数のノードを含む。ネットワーク100などのネットワークは、データネットワーキングの分野ではよく知られている。このようなネットワークにおけるノード(一般に、図1において「N」として示されている)は一般に、データパケットを受信し、別のルータを介してその最終宛て先に、そのデータパケットを転送するネットワークルータである。ルータは一般に、標準ネットワークインタフェースを使用して実現され、その動作は、コンピュータプログラム命令を実行する1以上のプロセッサによって制御される。データネットワークの実装は、ネットワークルータを含めて、この分野ではよく知られていて、ここで詳細には説明しない。 ソースノード104(たとえば、eコマース企業のサーバであるかもしれない)と、宛て先ノード102(たとえば、ユーザコンピュータをデータネットワークに接続するのに使用されるPOP(point of presence)であるかもしれない)とを考える。
さらに、ネットワークにおけるパスセグメント遅延を推定するために本発明の原理に従って使用できるモニタリングノード110を考える。モニタリングノード110は、標準ネットワークインタフェースを使用するプログラマブルコンピュータを使用して実装できる。モニタリングノード110の例示実施形態を示すハイレベルブロックを図5に示す。図5において、モニタリングノード110は、モニタリングノード110の全体動作を制御するプロセッサ502(または複数のプロセッサ)を備える。このような動作はメモリ504に格納され、プロセッサ502によって実行されるプログラム命令によって定義されている。メモリ504は、任意の種類のコンピュータ可読媒体であってよく、電子、磁気、または光媒体を含むが、これらに限定されない。さらに、1つのメモリユニット504が図5に示される一方で、メモリユニット504は複数のメモリユニットを備えることができ、このようなメモリユニットは任意の種類のメモリを備えることを理解されたい。モニタリングノード110は、モニタリングノード110とデータネットワークとの間でデータパケットの通信を提供するネットワークインタフェース506も備える。モニタリングノード110は、I/O508として図5に表される、1以上の入力/出力デバイスを備え、モニタリングノード110のユーザとの対話を可能とする。図5に示すようにプログラマブルコンピュータとして実装されるネットワークノードは、この分野ではよく知られているので、このようなネットワークノードの詳細をここでさらに説明はしない。
ここで図1に戻ると、モニタリングノード110にだけアクセスを有する第三者は、ネットワーク遅延を診断し、遅延を引き起こすリンクの位置を判断するために、ソースノード104と宛て先ノード102との間のパスを監視したいかもしれない。ネットワーク100の一部(例えば、部分106)が、eコマース企業がSLAを有する場所で特定のネットワークサービスプロバイダ(例えば、ISP)の責任となる場合に、この1つの動機付けであるかもしれない。(ソースノード104と宛て先ノード102との間の)往復遅延が検知される場合、ネットワークのどの部分が遅延を引き起こしているかを判断することが望ましい。例えば、遅延の原因がネットワーク部分106内にあると判断される場合、eコマース企業はネットワークのその部分に責任のあるISPに連絡することができる。ここでeコマース企業によって管理されるネットワーク部分108を考える。遅延の原因がネットワーク100の部分108内であると判断される場合、この遅延は前述のISPの責任とはならない。任意の出来事も、図1および添付の詳細な説明からわかるように、ネットワーク遅延が存在することだけでなく、ネットワークの特定部分が遅延を引き起こしていることを検知できることは重要である。
本発明の実施形態によるネットワーク診断は2つの部分を備える。第1部分はネットワークトポロジ発見であり、第2部分は輻輳の間の実際の測定である。第1部分は、ソースノードと宛て先ノードとの間の種々のパスを判断するために必要とされる。また、この第1部分の一部として、さらなる詳細を以下で説明するように、トラフィック独立遅延の測定は、ネットワーク輻輳遅延をこの測定部分の間により隔離できるように推定される。
図2は、第1部分の間に実行されるステップのフローチャートである。最初に、ステップ202において、ネットワークトポロジが判断される。ネットワークトポロジは、tracerouteコマンド(経路探索コマンド)を使用して判断され、これは、ソースノードと宛て先ノードとの間のネットワークルートをトレースするインターネットユーティリティとしてよく知られている。「traceroute」とも呼ばれるこのtracerouteユーティリティの出力は、2エンドポイントの間の各「ホップ」(インターネットルータまたは別のホストコンピュータ)、およびパケットがそのホップからバウンスオフ(bounce off)されるのに要した往復時間を示す。したがって、tracerouteは、ネットワーク内の与えられたソースと宛て先の間のエンドツーエンドパスで使用されるルーティングと中間リンクとを発見するために使用される。一般的に、tracerouteは、traceroute dの形のコマンドに1つのパラメータを使用して実行される。ここで、traceroute dのdは、宛て先ノードであり、コマンドはソースノードにおいて実行される。
指定された宛て先に到達するためにネットワークによって使用されるネットワークルートをtracerouteコマンドが正確にトレースするために、ルート内の各ルータは、パケットの存続時間の満了についての通知をサポートしなければならない。この理由は、指定された宛て先ノードへのルートを発見するためにtracerouteコマンドがソースノードで実行されるとき、ソースノードは、パケットの存続時間フィールドに異なる値を指定して宛て先ノードに向けてテストパケットのシーケンスを発信し、これは実際には使用されるホップの数の制限であるので(要した物理的時間への制限ではない)、各パケットは宛て先へのルート上の異なるノードでその制限時間を使い果たすことになるからである。ルータがその存続時間をちょうど使い果たそうとしているパケットを受信するとき、ルータはパケットの存続時間が満了したという通知を、その満了が起こった個所のルータの通知と共に、パケットのソースに送信することを想定する。ソースノードは、すべてのテストパケットのすべての存続時間満了の通知を収集することによって、元々指定された宛て先へのルートをトレースすることができる。この技術を用いてネットワークトポロジを正確に発見するために、ネットワーク内のルータは存続時間満了の通知を、その通知内のそれ自身の識別と共に、供給するよう構成されている必要がある。
tracerouteは、ソースノードと宛て先ノードの間の前述のtracerouteコマンドによって特定されるパスとは別のパスを発見するのにも使用できる。これは、tracerouteコマンドをゆとりのあるソースルーティング併せて使用することによって達成できる。一般に、ゆとりのあるソースルーティングによって、データパケットのソースはパケットをルーティングするために、ある程度ゆとりのあるガイダンスをネットワークに与えることができる。より詳しくは、ソースノードはゆとりのあるソースルーティングオプションの使用のインジケータを、ノードのリストと共にパケットのIPヘッダに含めることができ、これは一般に、リストのすべてのノードをリストされた順にたずねるルートを使用することによって、パケットをその最終宛て先にルーティングすることを必要とする。ルーティングにゆとりがあるとは、リスト上の連続するノードがネットワーク内のすぐ近隣でない場合に、ルート上の追加ノードを採用することを、ネットワークが許容されるという意味である。ゆとりのあるソースルーティングをtracerouteユーティリティと併せて使用されるとき、ソースノードsと宛て先ノードdとの間に他のパスを発見することが可能になる。より詳しくは、ゆとりのあるソースルーティングをtracerouteと併せて使用して、tracerouteパケットを宛て先ノードへの途中の特定の中間ノードに向けることが可能となる。従って、ソースsで実行されるtraceroute -g i dの形のコマンドは、中間ノードiを経由してソースsから宛て先dへのパケットが取るルートを発見するために使用することができる。同様に、ソースsで実行されるtraceroute g d s形式のコマンドは、中間ノードとしてdを使用してsから自身に戻る往復パスを判断するために使用することができる。
以下でより詳しく説明するように、ここで説明されている実施形態は、モニタリングノードと別のネットワークノードとの間の種々の特定パスに沿ってエンドツーエンド遅延を測定する。これは、ゆとりのあるソースルーティングを利用するカスタマイズされたインターネットメッセージを使用して実行される。以下の説明からわかるように、これらの特殊化されたパスメッセージを使用すると、第三者のネットワーク監視者はソースノードsと宛て先ノードdの間の種々のエンドツーエンドパスに沿って、エンドツーエンド遅延測定を取得できる。この遅延測定は、メッセージの送信時間とその戻り時間を比較することによって判断される。
エンドツーエンド測定から監視されるネットワーク遅延は2つのコンポーネントからなることに留意されたい。すなわち、ネットワーク輻輳の結果の待ち行列遅延と、トラフィック独立遅延(例えば、送信と伝搬)である。ネットワーク動作を監視する当事者は、一般に、トラフィック独立遅延よりも待ち行列遅延のほうに関心があるので、トラフィック独立遅延を事前に知ることは、監視された遅延からトラフィック独立遅延を除くことができるので有益である。従って、図2のフローチャートの第2のステップ204は、これらのトラフィック独立遅延の判断であり、この遅延は以下のように判断することができる。
パスpを通過する際、監視された遅延は待ち行列遅延とトラフィック独立遅延の和となることに留意されたい。安定したネットワークルーティングを想定すると、複数のテストパケットは同じパスに沿って送信される。そのように、任意のパスに沿って監視されたエンドツーエンド遅延の最小値が、トラフィック独立遅延にほとんど等しくなる。さらに、テストパケットの任意がパスに沿ったすべてのホップで長さゼロの待ち行列に出会う場合、パスに沿ったエンドツーエンド遅延の最小値は、パスのトラフィック独立遅延に等しくなる。パケットの1つにこの最小遅延と出会う可能性は、発信されるパケットの数と共に上昇する。さらに、比較的軽いネットワーク負担の間にテストが実行される場合、パケットの1がこの最小遅延と出会うる可能性はさらに上昇する。従って、図2のステップ204によれば、関心のある種々のネットワークパスに沿ってトラフィック独立関連遅延は、ネットワークが輻輳していない期間の間に、「オフライン」で推定される。
図3は、本発明の実施形態によるネットワーク診断の間にネットワークにおける双方向(対称)リンク遅延を判断するために実行されるステップのフローチャートである。以下の説明で説明するように、図3併せて説明される実施形態は、測定された往復エンドツーエンド遅延に基づいて双方向リンク遅延を判断するためのステップを説明する。往復エンドツーエンド遅延は、順方向パス遅延と逆方向パス遅延の和である。理想的な解決方法は、往復測定に基づいて順方向パスと逆方向パスを個別に特徴付けることができることである。しかし、一方向の遅延を判断することは、実用的として見なされがち以上にリソースを必要とする。大部分の実用的ネットワーク実装において、対称往復リンク遅延は、輻輳問題を診断に適切である。従って、図3は、測定された往復エンドツーエンド遅延に基づいて双方向リンク遅延を判断するステップを説明する。
図4のネットワークと併せて図3のフローチャートのステップを説明する。図4を参照すると、モニタリングノードμ402とノードλ404を考える。モニタリングノードμ402とノードλ404の間のエンドツーエンドルーティングパスは、図2のステップ202で上述したように、ゆとりのあるソースルーティングオプションと共にtracerouteユーティリティを使用して発見できる。さらに詳しくは、コマンドtraceroute g λ μをモニタリングノードμ402から発信して、中間ノードとしてλを使用して、μから自身への往復パスを判断することができる。このtracerouteテストから、μからλへの順方向パスとλからμへの逆方向パスとの両方向で使用された中間ノードを判断することが可能である。関心のあるリンクが2中間ノードi406とj408を相互接続しているリンク410であるという説明の目的を想定する。双方向リンク410は、2つの単方向リンクと呼ぶこともでき、中間ノードi406から中間ノードi408へのリンクを、Lijと呼び、中間ノードi408から中間ノードi406へのリンクを、Ljiと呼ぶことにする。モニタリングノードμ402からノードλ404へのパスにおいて、他の中間ノードが存在するかもしれないことは、当業者に理解できる。これらの他の中間ノードは図4に示されていないが、ネットワーク雲412と414によって表される。さらに、リンク410の一方向だけが結果的に関心となる可能性は、μとλの間の往復ルートで使用されることを意味することも、当業者によって理解される。
ネットワーク遅延が検知されたと想定すると、パスにおけるリンクは、図3と併せて説明されるようにテストすることができる。まず、ステップ304において、特定のリンクが分析のために選択される。この例では、リンク410が評価のために選択されると想定する。ステップ306において、テストメッセージがモニタリングノードμ402から送信され、このメッセージは中間ノードi406、リンクLij、中間ノードj408、リンクLji、中間ノードi406を通過し、モニタリングノードμ402に戻される。このメッセージは中間ノードi406の最初の宛て先で、しかし、中間ノードi406に到着したあと、ルートを中間ノードj408に、中間ノードi406に、そしてモニタリングノードμ402に戻るように連続的に延長されるように、ゆとりのあるソースルーティングオプションを使用して指定したパケットのヘッダで、ゆとりのあるソースルーティングを利用することができる。この方式で、ステップ308で表されるように、遅延Xjは、モニタリングノードμ402から中間ノードj408へ、そして戻されて測定できる。関心のある遅延Xjは遅延の待ち行列部分であり、そのため、トラフィック独立遅延は図2のステップ204で行なわれた判断から分かるので、モニタリングノードμ402から中間ノードj408へおよびモニタリングノードμ402に戻るエンドツーエンドパス遅延のトラフィック独立遅延部分を除去することができる。
次に、ステップ310において、テストメッセージは、モニタリングノードμ402から送信され、このメッセージは中間ノードj408へおよび中間ノードj408からリンク410を通過することなく、中間ノードi406を通過して、モニタリングノードμ402に戻される。このテストメッセージは、中間ノードi406を最初の宛て先で、しかし、中間ノードi406に到着したあと、ルートをモニタリングノードμ402に戻るように延長することを、ゆとりのあるソースルーティングオプションを使用して指定したパケットのヘッダで、ゆとりのあるソースルーティングを利用することができる。この方式で、ステップ312で表されるように、遅延Xjは、モニタリングノードμ402から中間ノードi406へ、そして戻されて、測定されることができる。もう一度、関心のある遅延Xjは、遅延の待ち行列部分であり、そのために、トラフィック独立遅延は図2のステップ204で行なわれた判断から分かるので、モニタリングノードμ402から中間ノードi406へ、および戻されるエンドツーエンドパス遅延のトラフィック独立遅延部分は除去することができる。
図3のステップは2つの密接に関連するパス上の往復エンドツーエンド遅延の測定から双方向リンク遅延をこれまでされたことを理解すべきである。すなわち、モニタリングノードμ402から中間ノードi406へ、および戻される短いパスpxと、モニタリングノードμ402から中間ノードj408へ、および戻される長いパスPxである。短いパスpxおよび長いパスPxは、それぞれ図4に418と416として図で表わされる。パスPx上の遅延はステップ308においてx,-として測定され、パスpx上の遅延はステップ312においてXjとして測定される。従って、ステップ314において表されるように、リンク410上の対称遅延(Sy)はSy=Xj−xjとして計算することができる。
一般に、モニタリングノードμ402と中間ノードi406の間のパスセグメントは比較的に長くすることができ、2方向(中間ノードi406へおよび中間ノードi406から)で異なることも可能であるが、重要な要求条件は、モニタリングノードμ402と中間ノードi406の間の同じセグメントが、Xjとxjの両方の計算で使用され、パスPx416は、中間ノードi406と中間ノードj408の間の直接リンク410だけを使用することである。これらの要求が満たされる限り、Syは、Sy=Xj Xjとして計算することができる。
上述した技術を用いて、第三者の監視者は往復リンク遅延を判断することができる。多くのネットワーク状況において、ネットワーク問題を正確に診断するのに、往復リンク遅延の知識は十分である。例えば、ある特定リンクが、双方向遅延を過剰に有することが分かり、同じISPが、リンクの両方向に責任がある場合、遅延に関してその特定ISPに連絡すればよいと判断することができる。
個別リンクをテストするための上述したプロシージャにおいて、テストするリンクを選択するステップ304は、任意の基礎に基づいても行なうことができ、これは、関心のあるルート上のリンクのそれぞれを連続的に選択するのと基本的に同じである。しかし、大部分の実用的ネットワーク実装において、モニタリングノードと宛て先ノードとの間の多数のホップを含む比較的長いパスがある。そのために、パス内の各リンクについて図3のステップを実行することは非効率であるのが通常である。従って、図6、7A、7B、および7Cと併せてここで説明するように、有利な実施形態において、ネットワーク輻輳を診断するために3フェーズの技術が使用される。
ネットワーク輻輳診断のための3フェーズの技術のハイレベルフローチャートを図6に示し、図7A、7B、および7Cに示される例示的ネットワークと併せて3フェーズの技術を説明する。図7A、7B、および7Cは、垂直方向に図7Aが上段に、図7Bが中段に、図7Cが下段に置かれている単一図と理解すべきである(そして、図7A、7B、および7Cの全3つの図を、図7として呼ぶ)。図7はソースノード702、モニタリングノード704、および宛て先ノード706を示す。ソースノード702、モニタリングノード704、および宛て先ノード706を接続するノードを図7に示し、これらのノードの各々は、番号(N#)で示されている。図7もまた、ノードを相互接続する方向リンクを示す。図7には、関心のあるメインルートを、モニタリングノード704をメインルートと接続することができるパスのうちの1つ上リンクと共に示されるが、明確化のために、図7はネットワークの他のリンクは省かれている。ここで、ソースノード702と宛て先ノード706の間のパスを考えてみる。ソースと宛て先の間で送信されるパケットについてネットワーク遅延が監視されたときは、遅延の原因となりうることが多くの疑われるリンクが存在することは、当業者に読んで理解されるだろう。従って、図3と関連して、上述した技術を用いてリンクのそれぞれを個別にテストすることは、長い時間がかかり、大量のリソースを使用することになる。有利な実施形態によれば、図6の3フェーズの技術は、比較的少ないテストでテストする疑わしいリンクの数を縮減するために使用される。典型的な問題が発生したとき、通常、単一のリンクだけが問題の原因であることを想定することに留意されたい。
予備的な事柄として、上述したように、図3に説明される技術は双方向リンク遅延を判断したことに留意されたい。図7および図8と併せてここで説明するように、図3と併せて説明した技術と類似する技術は、リンク遅延よりむしろパス遅延を判断するためにフェーズ1(602)とフェーズ2(604)で使用される。図3で説明される技術は、以下のように、2ノードXとYの間のパス遅延を判断するために拡張できることは、当業者は理解する。ノードXとYは近隣ノードである必要はなく、XとYの間のパスには複数のノードが存在することが可能であることに留意されたい。ノードXとY間のパス遅延をモニタリングノードMから判断するために、まず次のように送信されたテストメッセージについて、遅延が測定される:M→X→Y→X→M(遅延1)。次に、次のように送信されたテストメッセージについて、遅延が測定される:M→X→M(遅延2)。遅延1−遅延2=ノードXとY間のパスセグメント遅延。この方式でパス遅延を計算する原理は、図3と併せて上述されるように、リンク遅延を計算する原理と類似している。
ここで図6を参照すると、第1フェーズ602は以下のように進める。ここで用いられている「閉じた(closed)」パスという用語は、最終ポイントが開始ポイントと等しい任意のパスに共通の意味を有することに留意されたい。また、ここで用いられている「大きな(large)」および「短い(short)」という用語は、パスの長さを説明するための相対的な用語として使用される。調査の開始時は、すべてのリンクが疑わしいリンクであり、1つの問題リンクだけが存在する場合、その問題を突き止める最も効率的な方法は、バイナリ検索を行い、調査の各ステップでテストを実行することであり、これはそのステップで残っているほぼ半分の疑わしいリンクをテストすることである。問題は、順方向ルートは常に逆方向ルートと一致しないので、疑わしいルートの正確なセットを正確にテストすることは常に可能ではない。しかしこのようなテストは、典型的には実行できる。従って、第1フェーズ602の手順では、最初に、順方向パスS→Dと逆方向パスD→Sの両方によって共有される、「大きな」閉じたパスS→D→S上のノードのリストを特定する。図7の例を使用すると、共有ノードのこのリストは、S、N4、N8、N12、N18、N28、N32、N36、N40、N44、N48、およびDである。この閉じたパスにおけるすべてのリンクが「大きな」閉じたパスS→D→S上の最初に気付かれた遅延を疑わしいリンクであるという意味において、このリスト上の任意の2つの共有ノードAとBについて、パスセグメントA→B→Aのテストは正確なテストである。「短い」閉じたパスA→B→Aのテストは、M→A→Mの遅延をM→A→B→A→Mの遅延から減算することによって行なわれ、これらの疑わしいリンクを決定づけるテストが得られる。この遅延が許容し得るほど小さい場合、A→B→Aにおけるリンクは疑わしいリンクリストから除去できる。その遅延が大きい場合、A→B→Aにおけるリンクは疑わしいリンクとして残される。さらに、2つの大きな遅延(A→B→Aの場合とS→D→Sについて、またはS→D→Sの代わりに、A→B→AとS→D→Sの間の中間セグメントA´→B´→A´について[前回のテストでは、この中間セグメントA´→B´→A´に対して疑わしいリンクの所在が突き止められていたと想定する])が十分に小さい場合、A→B→Aの外側のリンクは疑わしいリストから除去することができる。ある疑わしいリンクのセットのテストを使用して、テストされたセットの外側のリンク(つまり、補完リンク)を除去する最終的可能性であり、検索のこの初期フェーズを特徴づける。例えば、図7の例示的なネットワークについて、この第1フェーズは以下のように進めることができる。
最初に、問題リンクについての現在の疑わしいリンクリストは、S→D→Sからのパスにおけるリンクのすべてになっている。第1フェーズにおける最初のテストは、S→N28→Sからのパスセグメントがテストされることになる。このテストでN28がよい選択肢だったのは、これがSとDの間のほぼ中間ポイントであり、従って、疑わしいリンクを約半分だけ狭めることができるからである。このテストが十分に高い遅延という結果になると想定すると、疑わしいリンクの新しいセットは、パスS→N28→S上のリンクになり、パスN28→D→N28におけるリンクは疑わしいリンクとして除外される。このプロセスはその後繰り返され、次のテストは、S→N12→Sからのパスセグメントがテストされることになる。N12がこのテストで良い選択肢だったのは、これがSとDの間のほぼ中間ポイントであり、従って、この場合も、疑わしいリンクを約半分だけしぼることができるからである。このテストの結果、遅延が相対的に低いと想定すると、新しいセットの疑わしいリンクがパスS→N28→S上のリンクになり、パスN28→D→N28におけるリンクは疑わしいリンクとして除外される。そのあと、この処理は繰り返され、次のテストでは、S→N12→Sからのパスセグメントがテストされることになる。N12がこのテストで良い選択肢だったのは、これがSとN28の間のほぼ中間ポイントであり、従ってこれもまた疑わしいリンクを約半分に絞ることができるからである。このテストが相対的に低い遅延という結果であると想定すると、疑わしいリンクの新しいセットはパスN12→N28→N12上のリンクになり、パスN12→S→N12におけるリンクは疑わしいリンクとして除外される。この処理は繰り返され、次のテストでは、N12→N18→N12からのパスセグメントがテストされることになる。このテストが、相対的に低い遅延という結果になると想定すると、疑わしいリンクの新しいセットは、パスN18→N28→N18上のリンクになり、パスN12→N18→N12におけるリンクは疑わしいリンクとして除外される。疑わしいパスN18→N28→N18は、順方向パスと逆方向パス上の中間共有ノード(つまり、エンドポイントとしてのN18とN28の相対的中間である)のない「短い」閉じたパスであることに留意されたい。共有ノード間の「短い」閉じたパスのさらなるテストはさらなる情報を出せないので、この調査の第1フェーズはここで終了する。
第2フェーズ604において、元の「大きな」閉じたパスS−*D−*S上のノードXとY間の疑わしいパスセグメントについてテストが行なわれるが、XとYは元のS−*D−*Sの順方向パスと逆方向パスの両方によって共有されていないので、「短い」閉じたパスX−*Y−*Xには、X−*Y上の疑わしいリンクに加え、Y→X上の一部の「局外リンク(bystander)」(すなわち、元の「大きな」閉じたパスS−*D−*S上には生じないリンク)を含むことがある。上述したように、X−*Y−*Xのテストは、M→X−*Mの遅延をM−*X−*Y→X→Mの遅延から減算することから成る。しかし、X−*Yは疑わしいリンクで一杯である一方で、Y−*Xをおそらく「局外リンク」を処理するものとして扱うここでの議論と対称的に、同じ情報についての代替テストは、M−*Y−*Mの遅延をM→Y−*X−*Y−*Mの遅延から減算することであり、MがXよりもYに近接していれば、この代替テストは高速化され、より正確になり得ることに留意すべき価値がある。いずれの場合も、「局外リンク」の存在の意味は、遅延X−*Y−*Xが大きくなる場合、このパスの外側からどの疑わしいリンクを除去するのに、この情報を使用できないことである。それでもなお、このテストは実行する価値があり、なぜなら遅延X−*Y−*Xが小さくなる場合、元の「大きい」閉じたパスS−*D−*S(通常、X−*Yの方向と反対の方向にある)上でたまたま使用されているY−*Xのリンクと共に、X−*Yのリンクを疑わしいリンクとして除去できるからである。再度、問題リンクが1つだけ存在する可能性が与えられると、望みを高く持ち、1回のテストで多くのリンクが同時にクリアできることを期待して比較的長いセグメントX−*Yのテストを行なう価値がある。言い換えると、任意の一回のテストで残っている疑わしいリンクのほぼ「半分」をテストするテストを実行するのが適切であり、残っている疑わしいリンクのリストは断片化されるために、そして遅延が大きくもはや救いようがないという結果のために、この「半分」は、典型的には半分以下になるはずである。
上術から例を続けると、両方が1つだけのリンクよりも長く、両方が共有されていないノード間のセグメントをテストする第2フェーズは以下のように進められる。第1フェーズの終了時において、疑わしいリンクのリストはN18−*N28−*N18であり、これは第2フェーズではこれが疑わしいリンクリストで開始される。最初のテストでは、パスセグメントN22−*N18−*N22上のリンクであるかもしれなく、このテストは、M→N18→Mの遅延をM→N18→N22→Mの遅延から減算することによって実装され、なぜならMがN18に近接しているからである。このテストの結果は比較的低い遅延が返されると想定すると、テストパスセグメントM22→N18→N22におけるリンクは。疑わしいリンクリストから除去されるかもしれない。特に、N22→N18を除去することができ、N18→N22に対してネットワークによって使用されるルートによっては、特に、疑わしいリンクがたまたまこのルーと上に存在するかどうかによって、これらの疑わしいリンクも除去されるかもしれない。この例において具体的には、すでに述べたように、図7は基本的にメインルートから外れたリンクまたはノードを示していないので、N18→N22についてネットワークによって選択されたルートが一部のメインルートから外れたノードについてのN18→N20→H→N22Dであると仮定する。特に、このルートはN22→N18→N22のテストの直前に疑わしいリンクであるリンクN18→N20を含むことに留意されたい。N22→N18→N22上のすべてのリンクの疑いをこのテストによって晴らすことは、N18→N20を疑いから晴らすことを含む。結果として、新しい疑わしいリストは、N20→N28→N22になる。次のテストは、パスセグメントN25→N22→N25上のリンクであるかもしれない。このテストの結果が比較的高い遅延を返すと想定すると、このテストによって情報は判断されず、疑わしいリンクリストはN20→N28→N22のままになっている。次のテストでは、パスセグメントN28→N25→N28上のリンクであるかもしれない。このテストの結果が比較的低い遅延を返すと想定すると、テストパスセグメントN28→N25→N28上のリンクが疑わしいリンクリストから除去されるかもしれない。結果として、新しい疑わしいリストはN20→N28+N25→N22になる。次のテストは、パスセグメントN24→N28→N24上のリンクであるかもしれない。このテストの結果が比較的低い遅延を返すと想定すると、テストパスセグメントN24→N28→N24上のリンクが疑わしいリンクリストから除去されるかもしれない。結果として、新しい疑わしいリンクリストはN20→N24+N25→N22になり、疑わしいリンクをさらに縮減するためには、個別リンクのテストが当然に使用されるので第2フェーズは終了する。
最終フェーズである第3フェーズ(606)は、疑わしいリンクリストに残っている個別リンクをチェックする。個別リンクのテストは、基本的に第2フェーズでのテストと同じであり、それぞれは、元の「大きな」閉じたパスS→D→SのセグメントX→Yをテストを主に目的とする「短い」閉じたパスX→Y→Xのテストである。テストされるパスは閉じている必要があり、逆方向部分Y→Xは、典型的には元の「大きな」閉じたパスS→D→S上にないので、テストされるパスX→Y→Xは、典型的には疑わしいリンクだけに限定されない。第2フェーズとの1つの違いは、XとYが隣接ノードであり、2ルートX→YとY→Xは各々がシングルホップルートでありことが確かであり、ここで2ホップがX−Yリンクのまさに2方向である。より重要なことは、X→Y→Xのテストが過剰に大きな遅延という結果の場合、その結果は、疑わしいリンクX→Yが問題リンクであるとした「確信」として解釈される。引き続き図7の例について説明すると、3つの残っている疑わしいリンクN20→N24、N25→N23、およびN23→N22の各々は、問題リンクを判断するために別々にテストされることになる。
したがって、要約すると、図6に示されるテスト手順のフェーズは次のようになっている。第1フェーズは、元の「大きい」閉じたパスS→D→Sの順方向パスと逆方向パスによって共有されるノードXとY間の「短い」閉じたパスX→Y→Xの決定テストからなっている。第2フェーズは、双方とも共有されていないで、隣接リンクでないノードXとY間の「短い」閉じたパスX→Y→Xの準決定テストからなり、低い遅延は疑わしいリンクリストからX−Yのリンクを除外し、高い遅延は情報を得られない。第3フェーズは個別リンクX→Y→Xのテストからなり、XとYは隣接リンクであり、低い遅延は疑わしいリンクリストからX−Yリンクを除外し、遅延が高いことはX−Yリンクが問題リンクであるという判断をする結果となる。ここで留意されたいのは、第1フェーズのテストは上述の起こり得る条件について「決定的」である一方(典型的に少ない輻輳リンクであり、関心のあるエンドツーエンドルートは最大でも1つの輻輳リンクを有し、問題の遅延が常に1つの非常に輻輳したリンクだけのためであるネットワーク)、これらの条件が満たされない場合、第1フェーズのテストで測定された遅延はテストされるセグメントの疑いを晴らすのに十分に低くなく、テストされるセグメントの補完リンク(complement)の疑いを晴らすのに十分に高いが、その遅延は中間的であるので、疑わしいリンクが疑いから晴らされない。さらに留意されたいのは、高い遅延の責任のあるISPを単に特定することが診断の目的である限り、現在の疑わしいリンクリストが単一のISPの範囲内になるよう十分に縮減されると直ちに、テストは終了する。
3フェーズテスト手順全体を上述してきて留意されたいのは、多くの確認チェックが必要であり、かかるテストが失敗した場合、上述した3フェーズテスト手順に若干の調整が必要になることである。この確認チェックと必要な調整は、図8と併せて説明し、図8は、ソースノードS、宛て先ノードD、および中間ノードX、A1、A2、およびYを示す。一般的な関心は、ノードXからノードYへのパスセグメント(P1)がノードSからノードDへの長いルート(F)の一部である場合、ネットワークがDあてのパケットをXから転送するために使用するセグメントP1上を、ネットワークがYあてのパケットをノードXから転送することが必ずしも事実でないことである。例えば、図8を参照して、宛て先Dについて、Xでのルーティングテーブルは、Y宛てのパケットが次にノードA1に送信されるよう設計されているパケットを有す一方で、D宛てのパケットはノードA2に送信される。しかし、Yでのルーティングテーブルは、SとXの両方あてのパケットが同じノードA2に送信されるよう設計されているパケットを有する。このような場合、XとYはSとD間のルートの順方向セグメントと逆方向セグメントの両方に生じるが(そしてさもなければ、上述した第1フェーズテストの候補である)、X→Y→Xのテストは正しいリンクをテストしないので、このテストが第1フェーズのテストとして含まれるべきでなく、なぜなら診断されているメインルート上で使用されていないリンク(例えば、XからA1へのリンクのどちらか)をテストルートX→A1→Y→A2→Xが使用しているとき、非常に高い遅延でさえ、第1フェーズで疑わしいリンクとしてどのリンクも除外するためにも使用できないからである。同様に、第2フェーズにおいて、診断されているメインルート上にXからYへのセグメント(P1)が現れている理由だけでは、テストX→Y→Xでテストできることを意味しない。
前の段落で説明した理由により、確認テストは、X→Y→XのテストがXからYへの望みのパスをテストしていることをチェックするのに必要とされる(このテストは、XとYが隣接の場合には必要とされないことに留意されたい)。このテストは、上述のよく知られたtracerouteユーティリティを使用して実行することができる。テストが失敗した場合は(つまり、X→Y→XのテストがXからYへの望みのパスをテストしていることを確認できない場合)、上述したように3フェーズテストになんらかの調整が必要になる。最初に、XとYが共有ノードでないが、X→Y→Xによって使用されるパスが望みのパスでない場合、X→Y→Xのテストは第1フェーズの技術を用いて解釈できないが、しかし代わりに第2フェーズの技術を用いて解釈する必要があり、この手法では、測定された遅延が低い場合、X→Y→Xによって使用されたパス上に現れる疑わしいリンクが疑いから晴らされるが、測定された遅延が高い場合、補完リンクは疑いから晴らされない。同様に、第2フェーズテストの間、元のルートのXからYへのセグメントP1をテストすることが望まれるが、異なるパスセグメントが明らかになったために、X→YとY→Xのtraceroute確認テストが失敗する場合、最善でも、X→Y→Xのテストは、tracerouteがテストX→Y→Xによって採用されることを示すルート上に現れた、元のルートの疑わしいリンクだけを疑いから晴らすために使用できる。場合によって、一部の(典型的には、比較的短い)マルチホップセグメントは、セグメントの個別リンクのテストを通すことを除き、効率的にテストできない。
したがって、確認チェックと調整を要約して、第1フェーズテストは、診断されているルートの順方向パスと逆方向パスによって単に共有されているだけでなく、診断されているルートのセグメントであるルートを相互間で採用する特性も有するノードに適用される。さらに、第2フェーズは、確認テストに失敗する共有ノードと共に非共有ノードに適用され、従って第1フェーズでテストできない。このように、上述した3フェーズテストは、ここで説明するように確認の結果に基づいて調整される必要がある。
ある実施形態において、テストメッセージのパケットサイズは、図4のネットワークおよびリンク410の双方向遅延を測定するために図3と併せて説明したメッセージを参照して、以下のように指定することができる。ノードμ→i→j→i→μからのパスを通過するパケットについて、最小IPヘッダサイズは20バイトであり、ノードμ→i→j→i→μからのルートを指定するメッセージについてゆとりのあるソースの指定は16バイトが必要であり、テストパケットのシーケンス番号の推奨サイズは20バイトであり、したがってテストメッセージのサイズは40バイトという結果となる。ノードμ→i→μからのパスを通過するパケットについて、最小IPヘッダサイズは20バイトであり、ノードμ→i→μからのルートを指定するメッセージについてゆとりのあるソースの指定は8バイトが必要であり、テストパケットのシーケンス番号の推奨サイズは4バイトであり、したがってテストメッセージのサイズは32バイトという結果になる。
ここで説明している技術の精度には、この技術が双方向リンク遅延を特定するという問題を解決する一方で、1つのノード(モニタリングノード)だけからの往復エンドツーエンドパス遅延だけの測定を行ない、2ノードを結合するリンクの双方向遅延がその両方向にリンクを通過する際に出くわす遅延の和であるということから、いくつかの制限がある。品質低下したサービスの例を、ある関心のある往復エンドツーエンドパス上に過剰の遅延を監察するという形で診断するという問題が与えられているとき、ここで説明された実施形態は、関心のあるパス上のすべてのリンクのすべての双方向リンク遅延を特定し、その後、個々の双方向リンク遅延が過剰であるリンクを特定することができる。多くのケースでは、この技術は過剰のパス遅延を診断するのに成功するが、双方向リンク遅延を扱っている一方で、あるパス遅延を構築したリンク遅延がすべて単方向遅延であるために、診断エラーが発生する可能性がある。この事実は、往復エンドツーエンドパスがそのアウトバウンド部分とインバウンド部分について同じリンクを使用しないという共通ケースにおいて特に重要である。この技術は双方向遅延を扱っている一方で、単方向遅延も関係する遅延であることから、次のように3タイプのエラーが発生する可能性がある。最初に、リンクの2方向が異なるISPによって管理されていて、この技術が過剰の双方向遅延を有しているとそのリンクを判断する場合、この技術は完全な診断を提供することに失敗したことになる。次に、その診断が求められている品質低下した往復パス上でリンクの一方向だけが使用される場合、そしてリンクのその方向が適度に過剰の遅延と共に品質低下を構築し、リンクの他方の方向の遅延が適度な過剰をオフセットするのに十分に小さく、過剰でない双方向遅延という結果になる場合、この技術は、品質低下を構築するとして(つまり、リンクは偽の負である)リンクを特定することを失敗する。最後に、その診断が求められている品質低下した往復パス上でリンクの一方向だけが使用されていているが、その方向の遅延が小さく、反対方向がリンクの双方向遅延を過剰にするほどの大きさを有する場合、この技術は過剰の双方向遅延を有するとしてリンクを特定し、リンクが元の品質低下を構築した偽の印象(つまり、リンクは偽の正である)を与えることになる。このケースにおける偽(falsity)が関心のある元のパス上の品質低下の構築にのみ関係していて、なぜなら、それにもかかわらずリンクが少なくとも一方向で過剰な遅延を有するからであることに留意されたい。
上述してきた詳細説明はすべての点において例示的であって、限定的なものではないと解すべきであることを理解されたい。また、ここに開示される本発明の範囲は詳細説明から判断されるのではなく、特許法によって許容される全範囲に従って解釈されるものとして特許請求の範囲から判断されるべきである。ここで図示し、説明している実施形態は本発明の原理を示したものに過ぎず、本発明の範囲と精神から逸脱せずに、当業者によって種々な変更を実装されうる。当業者は、本発明の範囲と精神から逸脱せずに、種々な他の特徴の組み合わせを実装できる。
本発明の原理を実装できるパケットデータネットワークを示す。 ネットワーク輻輳診断の第1部分の間に実行されるステップのフローチャートを示す。 本発明の実施形態に従ってネットワーク診断の間、双方向(対称)リンク遅延を判断するために実行されるステップのフローチャートを示す。 例示的なデータネットワークトポロジを示す。 モニタリングノードの例示的な実施形態のハイレベルブロック図を示す。 ネットワーク輻輳診断のための3フェーズ技術のハイレベルフローチャートを示す。 例示的データネットワークトポロジを示す。 例示的データネットワークトポロジを示す。 例示的データネットワークトポロジを示す。 例示的データネットワークトポロジを示す。
符号の説明
100 パケットデータネットワーク
102 宛て先ノード
104 ソースノード
108 eコマース企業によって管理されるネットワーク部分
110 モニタリングノード
502 プロセッサ
504 メモリ
506 ネットワークインタフェース
508 I/O

Claims (23)

  1. 第1ネットワークノードと第2ネットワークノードの間のパス遅延を測定する方法であって、
    モニタリングノードから第1メッセージを送信し、前記第1メッセージは、前記第1ネットワークノードへのパスと、前記第2ネットワークへのパスと、前記第1ネットワークノードへと戻るパスを通過して、前記モニタリングノードに戻されるステップと、
    前記第1メッセージが前記モニタリングノードから送信されたときから前記第1メッセージが前記モニタリングノードに戻されるときまでの第1送信時間を測定するステップと、
    前記モニタリングノードから第2メッセージを送信し、前記第2メッセージは、前記第1ネットワークへのパスを通過して、前記モニタリングノードに戻されるステップと、
    第2メッセージが前記モニタリングノードから送信されたときから前記第2メッセージが前記モニタリングノードに戻されるときまでの第2送信時間を測定するステップと、
    前記第1送信時間と前記第2送信時間に基づいて、前記パス遅延を判断するステップと
    を備えたことを特徴とする方法。
  2. 前記第1送信時間のトラフィック独立遅延部分を前記測定された第1送信時間から減算することによって第1待ち行列遅延を判断するステップと、
    前記第2送信時間のトラフィック独立遅延部分を前記測定された第2送信時間から減算することによって第2待ち行列遅延を判断するステップと
    をさらに備え、
    前記パス遅延は前記第1および第2待ち行列遅延を使用して判断されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記トラフィック独立遅延は伝搬遅延を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 低ネットワークトラフィック期間の間に前記トラフィック独立遅延を判断するステップをさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  5. 前記第1および第2メッセージは、ゆとりのあるソースルーティングを利用するネットワークパスのうち少なくとも一部を指定する特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. ソースノードと宛て先ノードの間のネットワーク輻輳を診断する方法であって、
    ソースノードから宛て先ノードへの順方向パスと、宛て先ノードからソースノードへの逆方向パスとの両方によって共有される、ソースノードと宛て先ノードの間のノードの第1セットを特定するステップと、
    可能性を疑われるパスセグメントの縮減されたセットを特定するために、前記ノードの第1セットにおけるノード間のパス遅延を計算するステップと、
    ソースノードから宛て先ノードへの順方向パスと、宛て先ノードからソースノードへの逆方向パスとの両方によって共用されていない、前記可能性を疑われるパスセグメントの縮減されたセット内のノードの第2セットを特定するステップと、
    さらに可能性を疑われるパスセグメントの縮減されたセットを特定するために、前記ノードの第2セットにおけるノード間のパス遅延を計算するステップと、
    前記さらに可能性を疑われるパスセグメントの縮減されたセットに残っているリンクのリンク遅延を計算するステップと
    を備えたことを特徴とする方法。
  7. 可能性を疑われるパスセグメントの縮減されたセットを特定するために前記ノードの第1セットにおけるノード間のパス遅延を計算する前記ステップは、ある特定のパスセグメントに関連する計算されたパス遅延が比較的小さい場合、前記可能性を疑われるパスセグメントから前記特定のパスセグメントを除外するステップをさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 可能性を疑われるパスセグメントの縮減されたセットを特定するために前記ノードの第1セットにおけるノード間のパス遅延を計算する前記ステップは、補完パスセグメントに関連する計算されたパス遅延が十分に大きい場合、前記可能性を疑われるパスセグメントからパスセグメントを除外するステップをさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  9. さらに可能性を疑われるパスセグメントの縮減されたセットを特定するために前記ノードの第2セットにおけるノード間のパス遅延を計算する前記ステップは、ある特定のパスセグメントに関連する計算されたパス遅延が比較的小さい場合、前記さらに可能性を疑われるパスセグメントの縮減されたセットから前記特定のパスセグメントを除外するステップをさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  10. 可能性を疑われるパスセグメントの縮減されたセットを特定するために前記ノードの第2セットにおけるノード間のパス遅延を計算する前記ステップは、繰り返し実行され、各々の繰り返しごとに可能性を疑われるパスセグメントのセットは、ほぼ2分の1に縮減されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  11. さらに可能性を疑われるパスセグメントの縮減されたセットを特定するために前記ノードの第2セットにおけるノード間のパス遅延を計算する前記ステップは、繰り返し実行され、各々の繰り返しごとに可能性を疑われるパスセグメントのセットは、ほぼ2分の1縮減されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  12. 前記ノードの第1セットにおけるノード間の特定のパスセグメントについて計算されたパス遅延が、前記ソースノードと宛て先ノードの間の関連パスセグメントのパス遅延であるかどうかを判断することに確認チェックを実行し、パス遅延でない場合、前記パス遅延が比較的小さい場合に、前記可能性を疑われるパスセグメントから前記特定のパスセグメントを除外するが、前記パス遅延が比較的大きい場合に、前記可能性を疑われるパスセグメントから補完パスセグメントを除外しないステップ
    をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  13. 前記ノードの第2セットにおけるノード間の特定のパスセグメントについて計算されたパス遅延が前記ソースノードと宛て先ノードの間の関連パスセグメントのパス遅延であるかどうかを判断することに確認チェックを実行し、パス遅延でない場合、前記ソースノードと宛て先ノードの間の関連パスセグメントの一部分でもある特定のパスの一部分のみを前記可能性を疑われるパスセグメントから除外するステップをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  14. パスとリンクの遅延を計算する前記ステップであって、
    モニタリングノードから第1メッセージを送信し、前記第1メッセージは第1ノードへのパス、第2ノードへのパス、前記第1ノードに戻るパスを通過して、前記モニタリングノードに戻されるステップと、
    第1メッセージが前記モニタリングノードから送信されたときから前記第1メッセージが前記モニタリングノードに戻されるときまでの第1送信時間を測定するステップと、
    前記モニタリングノードから第2メッセージを送信し、前記第2メッセージは前記ネットワークノードへのパスを通過して、前記モニタリングノードに戻されるステップと、
    第2メッセージが前記モニタリングノードから送信されたときから前記第2メッセージが前記モニタリングノードに戻されるときまでの第2送信時間を測定するステップと、
    前記第1送信時間と前記第2送信時間に基づいて前記パス遅延を判断するステップと
    をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  15. 前記第1送信時間のトラフィック独立遅延部分を前記測定された第1送信時間から減算することによって第1待ち行列遅延を判断するステップと、
    前記第2送信時間のトラフィック独立遅延部分を前記測定された第2送信時間から減算することによって第2待ち行列遅延を判断するステップと
    をさらに備え、
    前記パス遅延は前記第1および第2待ち行列遅延に基づいて判断されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 前記トラフィック独立遅延は伝搬遅延を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 低ネットワークトラフィック期間の間に前記トラフィック独立遅延を判断するステップをさらに備えたことを特徴とする請求項15に記載の方法。
  18. 前記第1および第2メッセージは、ゆとりのあるソースルーティングを利用するネットワークパスのうち少なくとも一部を指定していることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  19. 第1ネットワークと第2ネットワークノードの間のパス遅延を測定するモニタリングノードであって、
    前記モニタリングノードから第1メッセージを送信し、前記第1メッセージは前記第1ネットワークノードへのパス、前記第2ネットワークノードへのパス、前記第1ネットワークノードに戻るパスを通過して、前記モニタリングノードに戻される手段と、
    前記第1メッセージが前記モニタリングノードから送信されたときから前記第1メッセージが前記モニタリングノードに戻されるときまでの第1送信時間を測定する手段と、
    前記モニタリングノードから第2メッセージを送信し、前記第2メッセージは前記第1ネットワークノードへのパスを通過して、前記モニタリングノードに戻される手段と、
    第2メッセージが前記モニタリングノードから送信されたときから前記第2メッセージが前記モニタリングノードに戻されるときまでの第2送信時間を測定する手段と、
    前記第1送信時間と前記第2送信時間に基づいて前記パスセグメント遅延を判断する手段と
    を備えたことを特徴とするモニタリングノード。
  20. 前記第1送信時間のトラフィック独立遅延部分を前記測定された第1送信時間から減算することによって第1待ち行列遅延を判断する手段と、
    前記第2送信時間のトラフィック独立遅延部分を前記測定された第2送信時間から減算することによって第2待ち行列遅延を判断する手段と
    をさらに備え、
    前記パス遅延は前記第1および第2待ち行列遅延を使用して判断されることを特徴とする請求項19に記載のモニタリングノード。
  21. 前記トラフィック独立遅延は伝搬遅延を含むことを特徴とする請求項20に記載のモニタリングノード。
  22. 低ネットワークトラフィック期間の間に前記トラフィック独立遅延を判断する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項20に記載のモニタリングノード。
  23. 前記第1および第2メッセージは、ゆとりのあるソースルーティングを利用するネットワークパスのうち少なくとも一部を指定することを特徴とする請求項19に記載のモニタリングノード。
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