JP2008517262A - ボルタンメトリーイオンセンサー - Google Patents

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Abstract

流体中のイオンを定量的に決定する方法および装置であって、支持基質で被覆された表面を有する導電性支持体を含む検出電極を用いて、流体をボルタンメトリーに付す工程を含み、支持基質は、酸化または還元されて荷電種を形成することが可能な電気活性種、およびイオノホアを含む。

Description

発明の分野
本発明は、流体中のイオン性材料を定量的かつ選択的に測定する方法に関する。本発明は、そのような測定を実施するための装置および電極にも関する。
発明の背景
イオンの定量的かつ選択的な検出の最も一般的な方法は、イオノホアを基材とするイオン選択性電極(ISE)を用いることによっている。イオノホア基材ISEは、1960年代から、広範囲の分野で日常的な分析手法へと発展してきた。この種のISEでは、イオノホアを、重合体で支持される水不混和性有機溶媒または可塑剤に、他の何らかの添加剤、たとえば有機支持電解質(たとえばテトラヘプチルアンモニウム(4−クロロフェニル)ボラート)とともに溶解させる。優れた選択性は、基本的に、イオノホアの固有のイオン結合過程によって達成される。理想的な条件下では、ISEと参照電極との間の電位差ΔEは、基本的に、水相中の標的イオンの濃度によって基本的に支配される、水/膜界面を横切るドナン電位によって変動する。
ISEを用いて信頼できる測定を得るために、平衡状態を得ることが必要である。これは、ISEを分析対象流体に挿入し、検出されるイオンが膜を移動して、平衡に達するのに数分間を許すことによって達成される。したがって、測定の時間的基準は、平衡に達するための時間によって表され、望ましくないまでに遅い。したがって、より迅速な応答時間を有するセンサーが望まれる。
公知のISEを伴う更なる困難は、測定に必要とされる大きなサンプルサイズに関する。製造することができるISEの最小のサイズは、実際的な要件によって限定される。したがって、測定は、十分なサンプル流体の量が存在する場合、実施することができるにすぎない。しかし、非常に少量のサンプルで作動することができるイオン選択性微小電極を提供することが望ましいと思われる。
イオノホアISEの問題を解決するための試みがなされている。たとえば、2種類の不混和性電解質溶液の界面を横切る促進されたイオン移動の原理に基づく、ボルタンメトリーセンサーが公知である。しかし、ボルタンメトリーセンサーの選択性は、適切ではなく、したがって、それらの使用は、イオノホアISEより好ましいとはとても言えない。
上記により、イオノホアISEに付随する問題を解決し、高い選択性を提供する新規なセンサーが必要とされる。
発明の要約
本発明は、迅速な応答時間、少ないセンサー容積、および高い選択性でのイオン検出のための新規な方法を提供において、これらの困難を解決する。したがって、本発明は、流体中のイオンの定量的な決定のための方法であって、支持基質(たとえば膜)で被覆された表面を有する導電性支持体を含む検出電極を用いて、流体をボルタンメトリーに付す工程を含み、支持基質が、酸化または還元されて荷電種を形成することが可能な電気活性種、およびイオノホアを含有する方法を提供する。
本発明は、流体中のイオンの定量的な決定のための装置であって、本発明による検出電極、および1以上の更なる電極を含む装置も提供する。装置は、ボルタンメトリーによる決定方法に用いるためのものである。
本発明は、支持基質(たとえば膜)で被覆された表面を有する導電性支持体を含み、支持基質が、酸化または還元されて荷電種を形成することができる電気活性種、およびイオノホアを含有する電極も提供する。
本発明の技術は、いかなるサイズまたは形式の電極にも適用することができる。したがって、一つの実施態様では、本発明は、イオン選択的微小電極を含み、そのため、少量のサンプル中のイオンの定量的な検出のための方法を提供する。
本発明の装置は、当技術に公知のイオノホアISEより有意に短い応答時間を有する。したがって、信頼できる測定が、一般的に、本発明の電極に流体を加えて約10秒以内に完了することができる。
更に、応答時間が短縮されるばかりでなく、当業者は、実施される試験の特定の要件に応じて、応答時間を制御する可能性も与えられる。支持基質の厚さを変えることによって、装置の応答時間を変えることができ、そのため、用途に適合するよう調整することができる。
本発明の一つの実施態様は、電気化学的反応が可逆的であって、特に正確な結果を与える。これは、走査の電位を検出電極に印加し、電流のピークが陰極および陽極の双方の走査で生じる電位を決定することによって達成される。二つの結果を平均することによって、より正確な測定を達成することができる。これが中間電位(Em)である。この実施態様は、系が化学的平衡に完全に達する前でさえ、信頼できる測定を行うことができるという利点も有する。
したがって、本発明の方法は、迅速で信頼できる検出手法を与え、支持基質中の特定のイオノホアを用いることによって、検出される特定のイオンに対して高度に選択的であることができる。
発明の詳細な説明
本発明は、二つの基本的な工程を含む方法に基づく。これらを、電気活性種としてのテトラシアノキノジメタン(TCNQ)、および支持基質としての膜の例を用いて下記に説明する。
1.電気活性種の、電気化学的に引き起こされる最初の酸化還元反応;
Figure 2008517262
2.電気的中性に達する(換言すれば、電気化学的に生成された電荷を中和する)ための膜へのイオンの移動。図示された例では、この電荷は負であり、陽イオン(X+)は、膜に取り込まれる(流入する)。
Figure 2008517262
特定の陽イオンの取込みは、支持基質中の各陽イオンに付随するエネルギーに影響を及ぼす、特定のイオノホアの選択によって、特定の標的陽イオンの取込みが、いかなる他のものより、はるかに好ましいという結果で提供される。
検出は、参照系と比較した、電気化学的な酸化還元過程の電位(ΔE)を測定することに基づく。これは、支持基質へのイオン移動の自由エネルギーに関する情報、したがってサンプル中の標的イオンの濃度に関する情報を提供する。実際には、ボルタンメトリー走査を検出電極に適用し、電気活性種に関するピーク電流が生じる電位を測定する。このピークの位置は、支持基質に出入りするイオンの移動、したがって流体中のイオンの濃度に依存する。
本発明の検出電極は、導電性支持体を含むが、その性質は重要ではない。一般的には金属または炭素で製造され、たとえば、導電性の媒体を重合体のコーティングまたはインクに組み込むことによって形成される、プリントされた導電性電極を包含するだろう。用いることができる適切な金属は、銀、金、白金、銅およびニッケル、たとえば金、白金およびニッケルならびに、最終的な電極に導電性を提供するその他の金属を包含する。あるいは、導電性の炭素が特に効果的であることもできる。これらは、粒状の形態、または一般的に、アスペクト比を有する黒鉛状の形態のいずれであることもできる。電極は、好ましくは、少なくとも一つの50μm未満の寸法を有する。この大きさの電極の使用は、少量の、たとえば僅か1μlのサンプルで測定を実施することを可能にする。
導電性支持体は、少なくとも、電気活性種およびイオノホアを含有する支持基質(たとえば膜)で被覆された表面を有する。これらの種を「含有する」支持基質とは、我々は、電気活性種およびイオノホア、ならびに場合によりその他の物質が、支持基質構造中の小孔内に存在することを意味する。したがって、支持基質は、電気活性種、イオノホア、および場合によりその他の材料を電極表面で捕捉するよう作用する。少なくとも電気活性種およびイオノホアを含有する支持基質は、本明細書中で、「支持基質相」(または支持基質が膜であるときは、「膜相」)とも称する。
支持基質は、電気活性種およびイオノホアのような材料を基質構造中に含有することができる、基質構造を有するいかなる材料から製造してもよい。たとえば、支持基質は、膜であってもよい。一般的に、支持基質は、PVCのような重合性材料、絶縁インク、ポリエチレンもしくはポリエステル、または水不溶性の膜を形成する、その他いかなる適切な材料もあり得る。一つの実施態様では、支持基質は、PVCのような重合体材料の膜である。支持基質の厚さは、装置の応答時間に影響を及ぼして、より薄い材料は、より迅速な応答時間を提供する。したがって、支持基質の厚さは、必要とされる応答時間によって選択することができる。
本発明の一つの実施態様では、単一層の支持基質を用いる。更なる実施態様では、支持基質は、フルオロホアを含有しない。
電気活性種は、酸化または還元されて、荷電種を形成することが可能である。これは、電気活性種の酸化が荷電した生成物をもたらすことを生じてもよいか、または電気活性種の還元が荷電した生成物をもたらすことを生じてもよいか、いずれかを意味する。電気活性種は、電位の印加の際に検出電極で酸化または還元されて、したがって支持基質相中に荷電種の形成を生じることができる。支持基質相中での電荷の蓄積は、水相から支持基質相への対イオンの流入/流出へと導く。
好適な電気活性種は疎水性であり、より好ましくは電気活性種の酸化および還元の両方の形態が、疎水性である。これは、電気活性種を支持基質中に保持し、一般的には水性である流体中への漏出を防止するのに役立つ。電気活性物質は、それがより正確な測定を実施するのを可能にするとした可逆的な電気化学を受けることが更に好ましい。電気活性種は、また好ましくは、支持基質内に捕捉されたとき、化学的に安定であるべきである。
適切な電気活性種の例は、ときには合成金属と称される化合物である。好ましくは、電気活性種は半導体である。特に、官能性の実質的部分がシアノ基からなる、様々なシアノ炭素を含有する種は、陽イオンを検出するのに適切である。大量のシアノ基の結果として、シアノ炭素は、高度に反応性がある求電子性分子である。本発明に用いられてもよい特定の例は、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、N,N’−ジシアノ−p−キノジイミン(DCNQI)およびN,7,7−トリシアノキノメタンイミンを包含する。これらの類似体(いかなるキニン)ならびにこれらの多くの誘導体も、ハロゲン化、たとえばフッ素化誘導体、たとえばテトラシアノテトラフルオロキノジメタン、およびアルキル化、たとえばメチル化誘導体、たとえばテトラシアノキノエチレン(TCNE)、および2,4,6,8−テトラシアノアズレン、ならびにその他のキノイド化合物を包含する類似体、たとえば2,3−ジクロロ−5,6−ジベンゾ−1,4−キノンである。陰イオンを検出するのに適切な種は、テトラチアフルバレン(TTF)、テトラチアフルバレン類似体、ならびにアルキル化誘導体を包含するその誘導体、たとえばメチル置換誘導体、たとえばテトラメチルテトラチアフルバレン(TMTTF)、ならびにエチレンおよびメチレン誘導体、たとえばビス(エチレンジチオ)テトラチアフルバレン(ET)およびビス(メチレンジチオ)テトラチアフルバレン(BMDT−TTF)であり、対応するセレンまたはその他のヘテロ原子の化合物も包含する。用いることができる他の種は、C60、C70、C76およびC84フラーレンを包含する、フラーレンファミリーを包含する。用いることができる他の種は、白金フタロシアニンのようなフタロシアニン、および下記のような一定のテルル誘導体を包含する:
Figure 2008517262
更なる詳細は、たとえば、J. Am. Chem. Soc. 93, 2258 (1971)、97, 2291 (1975)および98, 1596 (1976), Synth. Met., 114, 209 (2000)ならびにChem. Mater., 6, 1378 (1994)などに見出すことができる。
電気活性種の好ましい例は、デカメチルフェロセン(DMFc)、1,1’−ジメチルフェロセン(DiMFc)および7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)を包含する。
本発明の一つの実施態様では、電気活性種は、フタロシアニンまたはフタロシアニン誘導体ではない。
イオノホアは、イオノホアISEで用いることが公知である、いかなるイオノホアであってもよい。一般的な例は、バリノマイシン、ジベンゾ−18−クラウン−6(DB18C6)、ビス[(ベンゾ−15−クラウン−4)−4’−イルメチル]ピメラート、および[2−ドデシル−2−メチル−1,3−プロパンジイル−ビス[N−5’−ニトロ(ベンゾ−15−クラウン−5)−4’−イル]カルバマート](BME44)を包含し、たとえば、K+センサーのためのバリノマイシンまたはジベンゾ−18−クラウン−6(DB18C6);ビス[(12−クラウン−4)メチル]ドデシルメチルマロナートまたは4−tert−ブチルカリクス[4]アレーン四酢酸テトラエチルエステル、たとえば、Na+センサーのためのビス[(12−クラウン−4)メチル]ドデシルメチルマロナート;ならびにCl-センサーのための[4,5−ジメチル−3,6−ジオクチルオキシ−1,2−フェニレン]−ビス(トリフルオロ酢酸水銀)(ETH9009)、塩化トリクロロヘキシルスズ、塩化トリドデシルメチルアンモニウムおよびモジュラーポダンド(podand)、1,3,5−トリス(3−((フェロセニルメチル)アミノ)ピリジニウミル)−2,4,6−トリエチルベンゼン=ヘキサフルオロホスファート([PD][PF63)を包含する。更に一つの例として、N,N,N’,N’−テトラシクロ−3−オキサペンタンジアミド(ETH129)を、Ca2+センサーのために用いることができる。
しかし、これらまたは他のイオンに対して選択的である、代替的なイオノホアを用いることもできる。上に述べられたイオノホアの大部分は、商業的に入手可能である。[PD][PF63は、Abouderbalaら(Chem. Commun. 2002, 358およびProc. Natl. Acad. Sci. USA 2002, 99, 5001)によって記載された手法によって製造することができる。
例示されたイオノホアのいくつかの構造は、以下のとおりである:
Figure 2008517262
これらの与えられたイオンに対するイオノホアの選択性は、様々な方法を用いて測定することができる。2つのそのような方法、混合溶液法(Fixed Interferent Method)および適合電位法(Matched Potential Method)を以下に説明する。
混合溶液法:
この方法では、選択係数を、ニコルスキー−アイゼンマン(Nicolsky−Eisenman)方程式によって分析する:
Figure 2008517262
式中、Em 0'は、酸化還元過程の中間電位であり、ciは、イオンiの濃度、cjイオンjの濃度であり、ZiおよびZjは、それぞれ、イオンi(一次イオン)およびイオンj(干渉イオン)の電荷であり、sは、選択度(2.303RT/nF)を意味し、Kijは、選択係数である。
Kが1より大きければ、ISEは、一次イオンより選択的に干渉イオンに応答する。Kが1より小さければ、ISEは、干渉イオンより選択的に一次イオンに応答する。ニコルスキー−アイゼンマン方程式は、ネルンストの式が一次イオンばかりでなく、干渉イオンに対しても応答すると仮定している。
適合電位法(MPM):
MPMは、第一の工程で、一次分析対象物の濃度(ai)の増加に伴う電位の上昇を測定することを含む。次いで、第二の工程で、一次分析対象物(αi)の濃度を一定に保ちつつ、系の電位の、第一の工程で一次分析対象物の添加の際に得られたのと類似する移動が観察されるまで、干渉イオン濃度(αj)を増加させる。これを図5に示す(ここで、Δα=αi'−αi、ただしai=一次分析対象物の初期濃度;ai'=電位移動後の一次分析対象物の濃度;αj=干渉イオン濃度の変化)。MPMは、ニコルスキー−アイゼンマンの選択係数に直接関連付けることはできないが、異なる荷電イオンで決定される選択性を許し、算出するのが混合溶液法または分離溶液法より容易である。次いで、選択係数
Figure 2008517262
は、下式(1)によって決定される:
Figure 2008517262
NaイオノホアVIによる薄膜の選択性を決定するためのMPM法の例を、実施例5(a)に記載のセンサーを用いて、図6に示す(一次分析対象物i=Na+、上の線;干渉イオンj=K+、下の線)。Na+濃度を、0.65mM(αi)から6.5mM(αi')に変化させたとき(Δα=5.85)、応答の約54mVの移動が認められ、K+濃度を1mMのNa+の存在下で(aj=919)1mMから920mMまで変化させることによって、対応する54mVの移動が引き起こされる。したがって、
Figure 2008517262
となり、これは、他の公表された結果に非常に類似し、血中のNa+の決定について充分である。
本発明の好ましい実施態様では、支持基質は、電気活性種およびイオノホアを少なくとも部分的に溶解することができる溶媒も含有する。溶媒は、不活性の有機溶媒であってよい。あるいは、この溶媒は、電気活性種およびイオノホアを溶解するばかりでなく、支持基質が脆くないことを確実にするように作用する、可塑剤であってもよい。可塑剤は、これらの特性を提供するいかなる材料であってもよく、多くの例が商業的に入手可能である。可塑剤として用いるのに適切な材料は、ジグルタル酸ビス(1−ブチルペンチル)デカン−1,10−ジイル(ETH469)、2−ニトロフェニルオクチルエーテル(NPOE)、セバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)およびアジピン酸ビス(1−ブチルペンチル)を包含する。
本発明の代替的な実施態様では、イオン液体を溶媒として用いる。イオン液体は、無視できる蒸気圧、低い毒性、高い化学的、電気的および熱的安定性、高い導電率、ならびに広範囲の有機および無機化合物を溶解できる能力を有する。これらの特性は、それぞれ、対応する利点を本発明の装置に提供する。特に、イオン液体の高い導電率は、膜の導電率を増加させるため、有利である。イオン液体は、水性液体への低い溶解度も有してよく、したがって、一般的には水性である流体中へ漏れるのではなく、むしろ支持基質内に留まるだろう。
溶媒として用いることができるイオン液体の例は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(emim.tfsa)、N−ブチルメチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(P14.tfsa)およびトリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスファート(aph4.cph12)を包含する。更なる例は、トリヘキシル−テトラデシルホスホニウムビス(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィナート;1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド;1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド;1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド;1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド;3−メチル−1−プロピルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド;メチル−トリオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド;トリヘキシル−テトラデシルホスホニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド;トリヘキシル−テトラデシルホスホニウムクロリド;デカン酸トリヘキシル−テトラデシルホスホニウム;トリヘキシル−テトラデシルホスホニウムジシアナミド;ヘキサフルオロリン酸1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム;ヘキサフルオロリン酸1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム;1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスファートテトラブチルアンモニウム;スルホン酸ヘプタデカフルオロオクタン;およびチオサリチル酸トリオクチルメチルアンモニウムを包含する。
本発明の支持基質相は、高い導電率を有するのが好ましい。イオン液体を溶媒として用いる場合、導電率は、本質的に高いのが一般的である。しかし、その他の溶媒、たとえば可塑剤を用いるか、または溶媒が非存在の場合は、支持基質は、導電率を高めるために、イオン塩を含有するのが好ましい。好ましいイオン塩は、支持基質相に用いられるいかなる溶媒にも高い溶解度を有するが、流体(一般的には、これらは水に実質的に不溶性である)には実質的に不溶性である。これは、イオン塩を支持基質相中に保つ助けとなる。
イオン塩は、一般的には、検出用測定に用いられる電位で電気的に不活性である。
陽イオン選択性電極のためには、電極への電位の印加は、支持基質中の負電荷の蓄積を生じる。電荷は、検出される陽イオンの水溶液から支持基質内への流入/流出によって中和される。陽イオンが流体から支持基質内に移動するのを確実にするために、電荷がその他の手段、たとえば、支持基質から、また流体へと、移動するイオン塩の陰イオンによって中和されないことを確実にするのが重要である。したがって、イオン塩の陰イオンが流体中に移動する過程は、検出される陽イオンが支持基質内に移動する過程より不利でなければならない。一般的には、これは、大きい陰イオンをイオン塩に用いることによって達成される。同様に、陰イオンセンサーのために、イオン塩の陽イオンは、大きいイオンであるのが一般的であり、陽イオンが流体中に移動する過程が、検出される陰イオンが支持基質中に移動するそれより不利であることを確実にする。一般的には、大きい陽イオンおよび陰イオン成分を有するイオン塩を、支持基質からのいずれのイオンの拡散も低いように用いる。
本発明では、多数の異なるイオン塩を用いることができ、当業者は、上記の説明に基づいて、適切な塩を選択することができるだろう。大きい陽イオン成分を有する適切なイオン塩の例は、たとえば、テトラ(C4〜C16アルキル)アンモニウム塩、たとえばテトラ(C4〜C8アルキル)アンモニウム塩を包含する。大きい陰イオン成分を有する適切なイオン塩の例は、テトラ(C4〜C16アルキル)またはテトラフェニルボラート、カルボランおよび過塩素酸、たとえばテトラ(C4〜C16アルキル)もしくはテトラフェニルボラートおよび過塩素酸を包含する。イオン塩の特定の例は、テトラブチルアミニウムテトラフェニルボラート(TBATPB)、過塩素酸テトラヘキシルアンモニウム(THAClO4)および過塩素酸テトラヘプチルアンモニウム(THAClO4)(たとえばTBATPBおよび過塩素酸テトラヘキシルアンモニウム)を包含する。テトラヘキシルおよびテトラヘプチルアンモニウムボラート、およびテトラフェニルボラートを用いることもできる。
検出電極は、ドロップコーティング法によって製造することができる。導電性支持体は、場合によりたとえば研磨および/または洗浄によって製造される。次いでコーティング液を、支持体の表面に導入し、乾燥する。乾燥は、一般的には、たとえば10分までの、空気乾燥によって実施する。
コーティング液は、支持基質材料、電気活性種、イオノホア、および適切な溶媒に溶解して使用される、他のいかなる試薬、たとえばTHPを含む。一般的には、イオノホア(5〜50、好ましくは20〜30mmol・dm-3の濃度)、電気活性種(0.5〜5、好ましくは2〜3mmol・dm-3の濃度)および場合によりイオン塩(50mmol・dm-3までの濃度)を、初めに可塑剤またはイオン液体(または適切ならば他の溶媒)に溶解する。次いで、可塑剤またはイオン液体(または適切ならばその他の溶媒)を、支持基質の溶液と併せる。一般的には、支持基質溶液:可塑剤またはイオン液体の比は、100:1〜50:1である。
本明細書に記載の実施態様では、イオン塩をドロップコーティング法によって、すなわちイオン塩を溶媒に溶解し、続いて、電極表面に載せ、溶媒を蒸発させることによって支持基質に組み込むが、当業者は、イオン塩を用いて支持基質を形成するその他の方法にも気づくだろう。
本発明の装置は、上記の少なくとも一つの検出電極を、一つ以上の更なる電極と一緒に含む。一般的には、装置は、電位を印加する対向電極、および電位の参照を提供する参照電極を含み(すなわち三極系)、所望ならば、対向電極および参照電極を併せ(すなわち二極系)、単一の擬似参照電極としてもよい。適切な参照化合物、たとえばルテニウム化合物、たとえばルテニウムヘキサアミンクロリドも使用してもよい。本発明の装置は、一つより多くの検出電極を含んでもよい。
好ましい実施態様では、電極のすべては、ただ一つの基材に、たとえば、絶縁基材上に導電性インクを使用して二つ(または望みどおりにそれ以上)の導電性トラックをプリントすることによって形成する。支持基質は、上記のとおり、検出電極上に析出させる。好ましい実施態様では、検出電極は、炭素電極であり、対向電極は、金属、たとえば白金であるが、参照(または擬似参照)電極は、銀/塩化銀で形成する。
本発明の方法は、試験される流体を検出電極ならびに、対向電極および参照(または擬似参照)電極にも接触させることによって実施する。次いで、時変電位を検出電極に印加し、電位の印加の間の電流を測定する。電流がピークになる電位を決定する。一般的には、電位を、初めに、印加電位を決定された最大値から実質的にゼロまで減少させ、場合により、たとえば前記決定された最大値まで、増加させることによって走査する。あるいは、走査は、初めに、印加電位を実質的にゼロから決定された最大値まで増加させ、次いで印加電位を実質的にゼロまで減少させることを包含してもよい。そのような方法を使用して決定された、一般的なボルタモグラムを図1に示す。この測定は、実施例2に記載のK+ボルタンメトリーセンサーで実施した。電流ピークは、酸化についてはほぼ0.5V、および還元については0.45Vで観測することができる。1回を超える走査の平均を使用してもよい。
走査は、一般的には、銀/塩化銀参照に関して、上記のとおり適用する。しかし、Ru(NH36Cl3参照をはじめとする、代替的な参照を用いてもよい。当業者は、試験下にあるイオンの濃度に対して感度がない、用いるのに適切な参照を決定することができるだろう。したがって、たとえば、銀/塩化銀参照は、塩化物濃度を測定するときは避けなければならず、代わりにRu(NH36Cl3参照を用いてもよい。
走査は、ゼロ以外の電位の周辺で実施してもよい。たとえば、電位を、決定された最大値から決定された最小値(ゼロであってもなくてもよい)まで減少させ、次いで、その後再び決定された最大値まで増加させてもよい。
電位走査のための最大電位は、使用される電気活性物質ならびに、検出されるイオンのような他の因子にも依存するだろう。最大電位は、いかなる場合も、電流のピークが観測される電位より高くなければならない。当業者は、個々の場合のそれぞれに印加するのに適切な電位を、試験的な電圧走査を実施し、電流がピークに達する適切な準位を決定することによって決定することができるだろう。
走査速度は、一般的には、毎秒0.005〜5V、好ましくは毎秒0.01〜1Vである。
本発明の好ましい実施態様では、電気活性物質は、可逆的に酸化および還元される。この場合、電位走査の実施は、二つの電流ピーク、すなわち酸化ピークおよび還元ピークを導く。これを図1に示すと、ピークは、0.5Vおよび0.45Vで観測された。この実施態様では、より正確な測定は、ピークが発生する電位を平均することによって得ることができる。この実施態様は、系が真の平衡に達する前に電位を印加できるという利点を有するが、それは、このようにして二つの電位を平均することは、非平衡系の結果として認められる、測定における誤差を軽減するからである。
本発明の方法は、多種多様な流体に対して実施することができるが、水性液体が好ましい。好ましい流体は、検出されるイオン(たとえば、K+、Na+、Ca2+またはCl-、たとえばK+、Na+またはCl-)の濃度が0.1μmol・dm-3〜1.0mol・dm-3である。より好ましくは、流体は、検出されるイオン(たとえば、K+、Na+、Ca2+またはCl-、たとえばK+、Na+またはCl-)の濃度が0.1mmol・dm-3〜1.0mol・dm-3である。試験することができる流体の例は、血液、尿および唾液のような身体サンプル、環境性液体または飲料、たとえば身体サンプルを包含する。本発明の方法は、他の血液成分に比して選択性が非常に高いことから、血中のK+、Na+、Ca2+およびCl-(たとえばK+、Na+およびCl-)の定量的な決定に特に有用である。本発明の代替的な使用は、海水または飲料水のような水サンプル、および飲物および食料品中の陰イオンまたは陽イオンの定量的な検出を包含する。
実施例
実施例1:装置の製造
直径1.5mmのガラス状炭素(GC)電極を検出電極として、またPt線を対向電極として備えた、慣用の三極電池を用いた。Ag/AgCl(3MNaCl)電極を用いて、参照電位の規準を与えた。GC検出電極を、0.3μmのAl23(Buehler)スラリーで研磨し、水およびアセトンで連続的に洗浄し、ティシュペーパーで乾燥した。
次いで、PVC溶液1ml(PVC0.15gをTHF8mlに溶解)を、2.5mMのTCNQ(電気活性種)、25mMのバリノマイシン(イオノホア)および10mMのTBATPB(イオン塩)を含有するNPOE37.5μl(可塑剤)と併せることによって、コーティング組成物を調製した。ガラス状炭素(GC)電極の表面に、少量(1μl未満)のコーティング溶液をマイクロピペットを用いて導入した。次いで、センサーを空中に約5分間放置して、THFを蒸発させた。
実施例2:K + センサー
KClの0.1mol・dm-3溶液を流体として用いて、測定を実施した。実施例1に従って製造した装置の電極に、流体を接触させ、電位走査を検出電極に適用したが、走査は、印加電位を実質的にゼロから0.8Vまで増加させ、次いで印加電位を再びゼロに減少させることを含んだ。走査の適用の際に、電流を測定した。結果を示すボルタモグラムを、図1に示す。毎秒10mV〜1Vの走査速度を用い、測定は、この範囲内では走査速度に無関係であることが見出された。
IUPACが推奨する混合溶液法[Morf: The Principles of Ion Selective Electrodes and of Membrane Transport, Elsevier: Amsterdam, 1981]を用いて、このセンサーの選択性をNa+、NH4 +およびCa2+イオンに関して決定した。干渉イオンの濃度は、1.0mol・dm-3で固定し、標的イオン(K+)の濃度は、10-3mmol・dm-3〜0.1mol・dm-3に変動させた。この実験の結果を図2に示す。この図で、K+センサーの標準曲線を、干渉イオンの存在下でKClの異なる濃度を用いて得た。その他の3種類の曲線は、1.0mol・dm-3のNa+(O)、NH4 +(Δ)またはCa2+(▽)の存在下で、KCl濃度を変動させて得た。Na+、NH4 +およびCa2+の存在下で得られたIgKの値は、それぞれ、−4.05、−2.07および−3.97であった。
実施例3:代替的なK + センサー
実施例1に記載したのと同じ方法で、センサーを製造したが、NPOEの可塑剤をイオン液体aph4.cph12に置き換え、イオン塩(TBATPB)を除外した。実施例2に記載したのと同じ方法で、KClの0.1mol・dm-3溶液を流体として用いて、測定を実施した。得られたボルタモグラムを図3に示す。実線は、上記に記載されたセンサーについての結果を示し、点線は、イオノホアを用いなかったことのみが上記と異なるセンサーについての結果を示す。イオノホアの不在下では、膜へのK+の移動が、より不利となって、水相への酸化還元活性種の移動に起因する、酸化および還元ピークの移動、およびサイクル数とともにピーク電流の減少を引き起こした。
実施例4:Na + センサー
実施例1に記載したのと同じ方法で、センサーを製造したが、バリノマイシンのイオノホアを25mmol・dm-3のビス[(12−クラウン−4)メチル]ドデシルメチルマロナートに置き換えた。実施例2に記載したのと同じ方法で、NaClの0.1mol・dm-3溶液を流体として用いて、測定を実施した。得られたボルタモグラムを図4に示す。
実施例5:ボルタンメトリーISE(VISE)の代替的な実施態様
Autolab PGSTAT100(ECO−Chemie)の電気化学ワークステーションまたは、標準的な四ネック電気化学セルを用い、自動ピーク検出ソフトウエアを有するLabVIEWによって制御される自家製ポテンシオスタットを用いて、ボルタンメトリーの実験を実施した。直径3mmのガラス状炭素(GC)(IJ Cambria)を作用電極として用い、Microclothなる研磨布上の0.3μmのアルミナスラリーで研磨し、脱イオン水中で洗浄し、使用に先立って乾燥した。Ag/AgCl(3MKCl水溶液)の参照電極は、K+およびCa2+イオンセンサーを試験するときは、3MNaClの内部充填液を、またその他すべてのイオンセンサーを試験するときは、3MKClのそれを有して、内部充填液による試験液の汚染を防いだ。補助電極は、白金メッシュから作成した。
PVC50mgをTHF4mlに溶解し、TCNQ1mgをTHF2mlに溶解し、テトラヘキシルアンモニウムテトラフェニルボラート(THATPB)2.6mgをTHF1mlに溶解することによって、薄膜を調製した。次いで、PVC溶液1ml(または絶縁インク50mg)を、THATPB溶液100ml、TCNQ溶液40μl、NPOE(ニトロフェニルオクチルエーテル)37.5μl、およびイオノホアと併せた。次いで、1μlを電極表面に載せ、THFを蒸発させて、10mMのTHATPB、2.5mMのTCNQおよび20mMのイオノホアを含有するPVC担持NPOE膜を得た。電極は、(a)NaイオノホアVI、(b)KイオノホアIII、および(c)CaイオノホアIIを用いて製造した。
様々なイオンセンサーを試験する際、薄膜を適切な流体サンプルに接触させ、時変電位を印加した。初期印加電位は、0.8Vであり、これをゼロまで低下させ、再び0.8Vまで上昇させた。電位の印加の際に、電流を記録し、一般的には、Em(中間電位)を決定した。薄膜測定は、すべて、電位の第一のサイクル中に、1μlの厚さに対して毎秒100mVの走査速度で実施した。これらの条件は、別途示した場合以外はすべて、実施例6〜10に適用した。
実施例6:代替的なNa + センサー
2.5mMのTCNQ、10mMのTHATPB、および20mMのNaイオノホアVIを含有する薄膜に対して、サイクリックボルタンメトリーを実施した。その他の態様は、すべて、実施例5に記載したとおりであった。変動する濃度のNa+イオンを含有するいくつかの水溶液に、薄膜を接触させ、実施例5の電位走査を適用した。Na+ (aq)濃度の1〜1,000mMの変動は、反応のEmを移動した(図7(a))。薄膜を置き換える際に生じる場合がある誤差を低減するために、同じ薄膜を用いて各溶液について測定を実施した。こうして、試験は、1mMのNaCl溶液で開始し、次いで、薄膜を蒸留水で洗浄し、10mMのNaCl溶液などについて再使用した。1枚の薄膜を反復的に用いたために、少量のTCNQが水相に移動して、より小さなピーク高をその後のサンプルに与えた。薄膜センサーは、電流が非常に少なく、そのため、1mMNa+までのIRu(IR低下、すなわち電流と補償されない抵抗との積)からは影響されない。Em対logNa+濃度のプロット(図7(b))は、一桁あたり56.34mVの勾配で線形の応答を示している。
実施例7:Ru(NH 3 6 Cl 3 を参照化合物として用いたセンサー
ボルタンメトリー、およびピーク位置の測定によるイオン濃度の決定は、Ru(NH36Cl3のような内部標準の使用を許す。Ag/AgCl対向電極を擬似参照電極として用いる電極系を有することは、一般的である。理想的には、この参照系は、試験下のイオンに対して感度がないべきである。すなわち、塩化物を測定するとき、Ag/AgClは、測定下の流体(たとえば血液)中のCl-濃度によって影響されるため、用いないのが好ましい。この問題を克服するために用いることができる酸化還元対の例は、Ru(NH36Cl3であって、これは、流体中の塩化物イオン濃度に関して不活性であり、電極系を修正するのに用いることができる。そうするために、実施例5の方法に従って、VISEを製造した。薄膜VISEでは、薄膜が電極を被覆して、電極表面へのRu(NH36Cl3の浸透を防ぐことから、溶液に入れる前に、小孔を薄膜に刻み込んで電極を露出させた。走査速度は、実施例5に記載したとおりであった。次いで、VISEおよびRu(NH36Cl3の双方について応答を得て、VISEのEmをRu(NH36Cl3のEmと参照するのを許した(図8)。これは、VISEを修正する可能な方法であるが、膜に孔を設置することは、再現可能ではない場合があり、薄膜の感度または選択性に影響する可能性もある。VISEを修正するためのRu(NH36Cl3mの決定に、別個の作用電極を用いることも可能である。
実施例8:海水および飲料サンプルへのVISEの適用
複雑なサンプルに対して薄膜VISEを用いることが確実にできるようにするため、海水およびゲータレードを得て、そのNa+およびK+濃度を決定した。実施例5のNaおよびKセンサーを用いた。得られた値を、飲料ボトルのラベル、および商業的な電位差測定用の膜ISE(Metrohm)を用いて得られた結果と比較した(表1)。ISEは、初めに、既知のNaまたはKイオン濃度の溶液を用いて、濃度対Emのプロットを作成することによって修正し、次いで、複雑なサンプルのEm値を測定して、分析対象物の濃度を算出するのに用いた。
Na+VISEは、ゲータレードについて21mMのNa+濃度を示したが、これは、商業的センサー、およびボトルに公称される濃度と充分に一致する。海水は、VISEによって測定された298mMのNa+濃度を有したが、電位差測定用ISEは、480mMのNa+濃度の濃度を示した(測定は、1〜2分後であり、安定化の時間を必要としたため、ドリフトに対する調整はなかった)。しかし、電位差測定用センサーが平衡を必要としたため、海水の測定は、その他の溶液についての1〜2分間とは対照的に、安定化するのに5分間を必要とした。安定化が生じる間の更に3〜4分間にわたるドリフトは、〜10mVであった。より正確な結果を得るために、この量を測定された電位から差し引いたとき、〜300mMのNa+濃度が得られたが、これは、一般的な海水のNa+濃度と充分に一致する。電位差測定用の膜ISEが平衡に達するのに要する時間、およびそれに付随する誤差は、VISEが、より正確な結果をより迅速に得ることができることを示している。
+VISEは、MetrohmのISE、および一般的な海水のK+の濃度と充分に一致して、海水のK+濃度を8.9mMであると決定した。ゲータレードは、やはりMetrohmのISE、および公称されるK+の濃度と充分に一致して、21mMのK+濃度を有した。
Figure 2008517262
実施例9:絶縁インクを用いて支持基質を形成したセンサー
実施例5に記載したのと同じ方法で、二つの電極を製造したが、NPOE、TCNQ(THFに溶解)、THATPB(THFに溶解)と併せた絶縁インク12.5mg、および20mMのイオノホアを用いて、薄膜を形成した。一方の電極には、NaイオノホアVIをイオノホアとして用い、第二のそれにはKイオノホアIIIをイオノホアとして用いた。この溶液0.2μlを、ガラス状炭素の作用電極へと滴下注型し、THFを蒸発させて、TCNQ、THATPBおよびイオノホアを含有する絶縁インク/NPOE支持基質を得た。
(a)NaイオノホアのためのNa+、および(b)KイオノホアのためのK+の変動する濃度を有する水溶液中の両電極に対して、適合電位法によるサイクリックボルタンメトリーを実施した。結果を図9に示す。
図9(a)に示したとおり、20mMのNaイオノホアVIを有する絶縁インク担持VISEの感度は、実施例5のPVC担持VISEと同じであって、一桁につき49.3mVであった。K+に対する選択性は、PVC担持VISEよりわずかに高くて、下記のとおりであった:
Figure 2008517262
図9(b)に示したとおり、20mMのKイオノホアIIIを有する絶縁インク担持VISEの感度も、PVC担持VISEと同様であって、一桁につき61.4mVであった。Na+に対する選択性は、下記のとおりであった:
Figure 2008517262
実施例10:全血および血漿中のCa 2+ を測定するためのVISEの適用
本発明のCa2+VISEを用いて得られた結果の精度を評価するために、AEROSET2なる研究室用分析装置からの測定値を用いた。AEROSET2は、殆どの化学的分析を、分光測光法の手法によって実施するが、例外は、ナトリウムおよびカリウムであって、それは、ISEによって実施される。AEROSET2は、ナトリウムおよびカリウムの活性を、直接決定するが、カルシウムについては、遊離カルシウムではなく総カルシウムを測定する。式(下記に示す)は、一般的には、総カルシウム濃度およびアルブミン濃度から遊離カルシウムを決定するのに用いられる。
遊離カルシウム(mM)=総カルシウム(mM)+0.02(40−アルブミン(g/l))
ナトリウム、カリウム、カルシウムおよび塩化物の活性に関する一般的な範囲を、血漿について列挙する(表2)。血漿中のISEの応答に影響を与えることができるいくつかの要因がある。20%を越える血液希釈は、血漿のイオン強度に影響を与え、適切なイオン溶液を用いるべきである。ヘパリンナトリウムの添加は、サンプル中のナトリウムの濃度を上昇させるだろう。ヘパリン添加血漿は、カリウム濃度を初めに低下させ、次いで上昇させるだろう。凍結または血液凝固は、カリウム濃度を上昇させるだろう。遊離カルシウムレベルは、長期の止血帯の適用および運動(乳酸による結合のため)、空気との接触(CO2との錯体形成)、ヘパリンとの接触(ヘパリン1IUは、カルシウム活性を0.01mM低下させるだろう)、ならびに凍結の後にやはり低下するだろう。
Figure 2008517262
ナトリウム、カリウムおよびカルシウムの決定のため、9例の血漿サンプルを採集した。これらのサンプルのうち2例は、全血としても試験し、更に2例は、凍結および解凍した。実施例5に記載のCaVISEを用いて、Ca2+濃度を測定した。初めに、既知濃度の分析対象物の塩(Ca2+)を有する水溶液を用いて、VISEを修正し、次いで、各サンプルを、Ag/AgCl(3MNaCl)参照電極でカルシウムについて試験した。測定は、それぞれ、三重に実行した。サイクリックボルタンメトリーを、血漿中20mMのCaイオノホアIIを有する薄膜VISEで、毎秒20、50、100および500mVの走査速度にて実施した(図10a)。実験は、1、2および4μlの異なる薄膜の厚さのISEを用い、毎秒100mVの走査速度を用いて繰り返した(図10b)。4μlの膜厚のISEは、充分に明確にされた還元および酸化のピークを生じた(しかし、測定中のIRuおよび誤差を増加させた)。
20mMのCaイオノホアIIを有する薄膜VISE4μlを毎秒100mVの走査速度で用いて、血液および血漿中のCa2+レベルを試験し、表3に示したとおり、結果をAEROSET2の結果と比較した。
血漿中の遊離Ca2+活性の一般的な範囲は、1.12〜1.32mMであり、総Ca2+は、2.25〜2.57mMである。AEROSET2で試験した9例のサンプルは、すべて、アルブミン濃度について補正したとき、総Ca2+の範囲内であった(表3)。CaVISEは、0.3mM前後の遊離Ca2+のレベルを示した。血液は、ヘパリンリチウムの管内に採集したため、Ca2+活性は、ヘパリンとの結合によって低下したと思われる。管にはヘパリン119IUを含有するとしてラベルされており、一度これについて補正したところ、Ca2+レベルは、一般的な遊離Ca2+範囲に非常に近似して(表3)、修正切片の移動は、すべての血漿、全血、ならびに凍結および解凍サンプルを一般的な範囲内に収めると思われた。
Figure 2008517262
実施例11:Ag/AgCl参照溶液を用いた代替的なNa + センサー
実施例4に記載したのと同じ方法で、しかしAg/AgClの飽和参照溶液を用いて、センサーを製造した。
本発明の一つの実施態様によるK+センサーを用いて得られたボルタモグラムである。 Na+、NH4 +およびCa2+の存在下での、本発明によるK+センサーについての選択係数の測定結果を示すグラフである。 本発明の代替的な実施態様によるK+センサーを用いて得られたボルタモグラムである。 本発明の一つの実施態様によるNa+センサーを用いて得られたボルタモグラムである。 ISEの選択係数を決定するための適合電位法を示すグラフである。 20mMのNaイオノホアVI、毎秒100mVの走査速度で、KClを加えて、1mMのNaの定常的バックグラウンドで、適合電位法に従って測定した薄膜の選択性を示すグラフである。S=グラフの勾配(傾斜)、R=相関係数、RD=標準偏差、T=温度。 実施例6のセンサーを用いたサイクリックボルタンメトリーの結果を示すグラフである。図7(a)では、1mM(実線)、10mM(破線)、100mM(点線)および1000mM(点および破線)のNaCl濃度を有する溶液で測定したサイクリックボルタンメトリーを示す。 実施例6のセンサーを用いたサイクリックボルタンメトリーの結果を示すグラフである。図7(b)は、20mMのNaイオノホアVI、毎秒100mVの走査速度、変動するNaCl濃度での薄膜の感度を示すグラフである。S=グラフの勾配(傾斜)、R=相関係数、RD=標準偏差。 毎秒100mVの走査速度で、1000mMのNaCl中10mMのナトリウムイオノホアVIでの薄膜対Ru(NH36Cl3の、修正を含んだ実施例7の結果を示グラフである。 0.2μl絶縁インク担持薄膜の毎秒100mVの走査速度でのサイクリックボルタンメトリーを含んだ実施例9の結果を示すグラフであって、図9(a)は、Na+の水溶液の存在下で、適合電位法に従って測定した、NaイオノホアVIの感度および選択性を示す。S=グラフの勾配(傾斜)、R=相関係数、RD=標準偏差。Na+およびK+についての傾斜間の比較は、選択性を示唆する。 0.2μl絶縁インク担持薄膜の毎秒100mVの走査速度でのサイクリックボルタンメトリーを含んだ実施例9の結果を示すグラフであって、図9(b)は、K+の存在下でのKイオノホアIIIの感度および選択性を示す。S=グラフの勾配(傾斜)、R=相関係数、RD=標準偏差。Na+およびK+についての傾斜間の比較は、選択性を示唆する。たとえば、図9(b)では、Na+濃度の変化は、電位に対して非常にわずかな効果を有するにすぎないが、K+濃度の変化は、電位の有意な変化と相関させることができて、K+イオノホアIIIがNa+よりK+に対して選択的であることを示す。 血漿中20mMのCaイオノホアIIによる薄膜ボルタンメトリーISEのサイクリックボルタンメトリーを含んだ実施例10の結果を示すグラフであって、図10(a)は、1μlの薄膜による毎秒20、50、100および500mVの走査速度による。 血漿中20mMのCaイオノホアIIによる薄膜ボルタンメトリーISEのサイクリックボルタンメトリーを含んだ実施例10の結果を示すグラフであって、図10(b)は、毎秒100mVの走査速度での1、2および4μlの薄膜による。

Claims (21)

  1. 流体中のイオンを定量的に決定する方法であって、支持基質で被覆された表面を有する導電性支持体を含む検出電極を用いて、流体をボルタンメトリーに付す工程を含み、支持基質が、酸化または還元されて荷電種を形成することができる電気活性種、およびイオノホアを含む方法。
  2. 支持基質が、電気活性種およびイオノホアを少なくとも部分的に溶解することができる溶媒を更に含有する、請求項1記載の方法。
  3. 溶媒が可塑剤である、請求項2記載の方法。
  4. 支持基質が、流体に実質的に不溶性であるイオン塩を更に含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. イオン塩がテトラ(C4〜C16アルキル)アンモニウム塩から選ばれる、請求項4記載の方法。
  6. イオン塩がテトラブチルアンモニウムテトラフェニルボラート(TBATPB)、テトラヘキシルアンモニウムテトラフェニルボラート(THATPB)、過塩素酸テトラフェニルアンモニウム(THAClO4)およびテトラヘプチルアンモニウムボラートから選ばれる、請求項5記載の方法。
  7. 溶媒がイオン液体である、請求項2記載の方法。
  8. イオン液体が1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(emim.tfsa)、N−ブチルメチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(P14.tfsa)およびトリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスファート(aph4.cph12)から選ばれる、請求項7記載の方法。
  9. 電気活性種が疎水性である、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  10. 電気活性種が可逆的酸化/還元を受ける、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  11. 電気活性種がデカメチルフェロセン(DMFc)、1,1’−ジメチルフェロセン(DiMFc)および7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)から選ばれる、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  12. 検出電極が少なくとも一つの50μm未満の寸法を有する、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  13. 支持基質が絶縁インクを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  14. 流体を測定電極、および一つ以上の更なる電極に接触させ、時変電位を検出電極に与え、得られる電流が最大になる電位を決定する工程を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  15. 流体が、血液、尿および唾液から選ばれる体液である、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  16. 流体中のイオンの濃度が0.1μmol・dm-3〜1.0mol・dm-3、好ましくは0.1mmol・dm-3〜1.0mol・dm-3である、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  17. 流体中のイオンを定量的に決定する装置であって、請求項1〜13のいずれか一項に記載の検出電極、および一つ以上の更なる電極を含む装置。
  18. 電極がただ一つの基材上の導電性トラックとして存在する、請求項17記載の装置。
  19. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の二つ以上の検出電極を含む、請求項17または18記載の装置。
  20. 支持基質で被覆された表面を有する導電性支持体を含み、支持基質が、酸化または還元されて荷電種を形成することができる電気活性種、およびイオノホアを含有する電極。
  21. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の検出電極である、請求項20記載の電極。
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