JP2008516663A - ダニを摘出するためのデバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】少なくとも係合手段の係合中、ホストの皮膚に平行に、ホストの皮膚上にデバイスを定着させるための定着手段を備えたデバイスを提供する。
【解決手段】本発明は、ホストの皮膚から寄生虫を摘出するためのデバイスに関する。このデバイスは、寄生虫に係合してホストの皮膚から寄生虫を摘出するための係合手段、そして、ホストの皮膚上にデバイスを固定するための定着手段からなり、係合手段が移動可能である。デバイスは、少なくとも寄生虫へ冷却媒体を供給する目的で、投与手段を備えることが好ましい。本発明は、また、皮膚から寄生虫を摘出するための方法に関する。この方法は、寄生虫に係合させること、ホストの皮膚から寄生虫を摘出すること、寄生虫へ冷却媒体を供給すること、ホストの皮膚上にデバイスを定着させること、そして寄生虫に係合させるために係合手段を移動させることからなる。
【選択図】図9

Description

本発明は、ホストとして機能している人間または動物の皮膚から、ダニ等の寄生虫を摘出するためのデバイスに関する。このデバイスは、寄生虫に係合して、ホストの皮膚から寄生虫を摘出するための係合手段からなる。
そのようなデバイスは、ダニ・プライヤやダニ・ピンセットとして知られている。これらは、係合手段が寄生虫に係合すると、寄生虫は、刺激を受けるため、その消化器内の内容物の少なくとも一部を、そのホストの血流内へ放出するという欠点を持つ。寄生虫は、しばしば病原体、例えばライム病の病原体に感染しているので、これは、あまり望ましいことではない。
これを回避するために、本発明は、少なくとも係合手段の係合中、ホストの皮膚に平行に、ホストの皮膚上にデバイスを定着させるための定着手段を備えた、そのようなデバイスを提供する。このデバイスでは、係合手段は、寄生虫への係合中、定着手段に対して移動するように適応している。
これらの手段によって、寄生虫に係合させる前に、デバイスを皮膚上に配置して定着させることができる。その後にのみ、寄生虫に係合できる。係合の際、デバイスが既に定着されているので、係合前の寄生虫との接触、それゆえの感染の危険性の可能性は、大いに制限できる。結局、寄生虫に触れるのは係合のときだけであり、その後すぐに、寄生虫をホストの皮膚から摘出できる。したがって、係合プロセスのより良い制御が得られる。さらに、プロセスは、より正確に実行できる。
しかしながら、寄生虫への接触と、その皮膚から除去と間に(短い)時間が経過するので、感染の危険は依然として残存する。さらにこの危険性を少なくするために、本発明の好適実施例は、少なくとも寄生虫へ冷却媒体を供給する目的で、投与手段を備える。
本発明のこの好適実施例では、係合手段によって係合する前に、寄生虫を冷却または凍結することが可能である。冷却または冷凍状態では、寄生虫は、少しの感染作用もほとんど実行できないため、感染の危険は大いに減少する。さらに、寄生虫は崩壊し難いため、寄生虫全体の除去がより容易である。また、ホストの皮膚内に取り残される寄生虫の残留物による危険性も大いに減少する。
ダニに係合するためのデバイスは、他に、DE−U−20307382から既知である。このデバイスでは、冷却エアロゾルを実際に適用するが、定着手段は存在しない。
定着手段の使用は、寄生虫の冷却前に、係合手段のずれを防止できるので、寄生虫への接触を回避することもできる。
注目すべきは、DE−U−20012032では、皮膚上に配置されるキャップが存在する。書類には、キャップの機能は、冷却液の投与中、皮膚を保護することである、と記載がある。さらに、キャップには小さな開口が存在するため、寄生虫上にキャップ付きのデバイスを配置したときに、寄生虫に触れて感染作用に至る最小の可能性がある。この書類によるデバイスは、また、キャップなしで使用することもできる。
本発明によるデバイスは、ホストの皮膚に付く多くの種類の寄生虫への応用に適当であるが、本発明の利点は、特にダニのケースで顕著であることが分かっている。
ホストの皮膚に付くダニ等の寄生虫は、広いボディを持ち、狭い部分でホストの体に結合する。ホストの体から寄生虫を摘出するためには、狭い部分で寄生虫に係合することを勧める。なぜなら、ホストの皮膚から遠ざける移動中、寄生虫の広い部分に対して、てこの作用を得ることができるからである。係合手段を配置するときに、寄生虫の広い部分が係合手段を妨げないよう、係合手段が、寄生虫への係合中、皮膚に対して実質的に平行に移動するように適応することを勧める。
もう一つの好適実施例は、係合手段が、縁にノッチを備えた実質的に平坦な構造からなるという方策を提供する。この場合、ノッチは、構造の縁から一点へ収束する二つの縁を備え、そして係合手段が、定着手段に対して、ノッチの縁間に包囲される方向へ前記構造を移動させるためのドライブ手段からなる。この方策は、デバイスの構造の簡略化につながる。なぜなら、先行技術の係合部材は、結局のところ概して、両側からダニに接近する二つのエレメントからなるが、本実施例による構造は、単一の係合エレメントのみを必要とする。しかしながら、この場合は、皮膚に対して固定基準を設けるために、定着エレメントが必要であり、このエレメントに対して、係合エレメントが移動する。しかし、本発明は、係合エレメントのこの実施例に限定されない。プライヤやピンセット形状等の他の係合エレメントを、同様に適用することもできる。
係合手段の厚さには制限があるので、それらは薄い形状でなければならない。これは、それらが寄生虫に係合するときに寄生虫を切断し、ホストの皮膚に残留した寄生虫の部分の摘出がほぼ不可能になるという危険性を伴う。この欠点を回避するために、ノッチ側に位置する平坦な構造の縁には丸味を施す。
係合手段として機能する構造は、定着手段に対して、定義された移動を実行しなければならない。この目的で、本発明は、平坦な構造が、誘導可能な移動のために、誘導手段によって定着手段に結合されるという方策を提供することが好ましい。ここで、誘導は、移動中の、ストリップの位置を定着手段に対して定義することを意味すると理解すべきである。この誘導機能は、スライド誘導によって実行できるが、例えば、レバーまたは平行四辺形機構によっても可能である。
もう一つの好適実施例は、定着手段が、開口を備えホストの皮膚に対して実質的に平坦な側面で配置されるように適応したエレメントからなり、誘導手段が、エレメントの少なくとも開口の位置で、平坦な構造をエレメントの平坦な側面に平行にスライド可能に誘導するように適応した第一の部分からなるという方策を提供する。これによって、構造をプラスチックから製造することが可能になる。プラスチックに対する現代の設計技術は、関連構成要素を低コストで製造することを可能にする。
また、誘導手段に、一端で収束する形状を施すことが可能である。誘導手段の収束経路は、係合手段として機能するストリップの移動の終端で、ストリップのノッチの両側に位置するピースが、相互へ向かって移動することで、追加の包囲運動が得られるように配置する。これによって、係合プロセスは改善する。しかしながら、この場合は、ストリップのピースが相互へ向かって移動できるよう、ストリップが柔軟な形態をとることが必要である。
ダニや他の寄生虫は、自然の中で予想外に襲ってくることがある。したがって、本発明によるデバイスを、田園地方での散歩に携帯することは賢明である。その携帯を容易にするために、デバイスを、可能な限り最もコンパクトな形状にすることは魅力的である。この目的のために、好適実施例は、前記構造が、柔軟な素材から製造されて誘導手段にスライド可能に結合したストリップからなり、誘導手段が、ある角度で平坦な側面へ開口の付近から少し離れて延びる第二の部分からなり、誘導手段の第一の部分および第二の部分が、屈曲した第三の部分によって連結するという方策を提供する。これらの方策は、ストリップが曲がることを可能にするため、デバイスを、皮膚に接触する面に対してある角度の方向へ延ばすことができるようになる。これによって、実質的に皮膚を横切って延びるデバイスと、小容積とを組み合わせることが可能になる。このため、本発明によるデバイスは、容易に携帯できる。
この後者は、ストリップの作動を容易にするために、エレメントの外側へ延びることが好ましい。そして、ストリップはエレメントの外側でドライブ部材に結合する。
投与手段は、エアロゾル噴流の形態で、寄生虫へ冷却媒体を供給するように適応することが好ましい。冷却効果は、蒸発、すなわち液体の相転移により得られる。小さい液滴(エアロゾル)の形態で液体を供給することによって、小出しを容易にすることができる。
さらにもう一つの実施例は、投与手段が、エアロゾル容器、その上に配置したバルブ、そしてスプレーノズルからなり、バルブが開かれたときにノズルから噴出するエアロゾル噴流の方向を定めるために、定着手段の開口内にスプレーノズルが配置されるという方策を提供する。これらの方策は、単純な構造をもたらす。
冷却エアロゾルの過剰投与を回避するために、エアロゾルを調整可能な様式で投与することを勧める。このため、エアロゾル容器に配置するバルブは、調整針弁であることを勧める。冷却媒体が容器を出て寄生虫に到達するまでの間、エアロゾル粒子は、特定な経路を移動しなければならない。これらの液体粒子は、エアロゾル容器を出た後に圧力減少にさらされ、蒸発する傾向がある。早すぎる蒸発を防止し、可能な限り有効な冷却効果を得るために、スプレーノズルは、エアロゾル噴流を大きな滴で発生させるように適応していることが好ましい。
デバイスの扱い易さを最適にするため、エアロゾル容器は、実質的に円筒であり、エアロゾル容器の円筒軸は、エレメントの外側におけるストリップの移動の方向に実質的に平行に延びる。この場合、ドライブ部材が、エアロゾル容器によって誘導されるように適応させれば、構造的に単純な解決策が達成できる。
本発明によるデバイスを使用するには、皮膚上にデバイスを配置した後に二つの操作、すなわち冷却エアロゾルを投与すること、そして寄生虫を除去することを実行しなければならない。第一の操作を実行可能とするために、作動エレメントの軸方向への移動によってバルブを作動させる目的で、作動エレメントをエアロゾルのバルブに連結することが好ましい。
デバイスの構造を可能な限り単純に保つためには、エアロゾル容器の周りにハウジングを設け、このハウジングとエアロゾル容器との間でドライブ部材を誘導するように構成し、そしてハウジングを通して作動エレメントを延ばす。
ほとんどのエアロゾル・バルブは、軸方向への移動によって開くように適応している。一般的に原価を上昇させる効果を持つ特定な、特別な構造を適用する必要がないよう、バルブは、ハウジングの外側から作動が可能な作動エレメントによって作動させることができる。この場合、作動エレメントは、バルブから距離を置いた軸の周りに回転するようにハウジングに連結したレバーに連結する。
エレメントは実質的に円筒であることが好ましく、円筒の軸はエアロゾル・ハウジングの軸に一致し、そしてエレメントの外面には、開口が設けられる。これによって、デバイスの使用中に寄生虫を見ることが可能になり、ユーザは、寄生虫に何が起こっているのかを観察することができる。
除去操作中、ダニが最もよく見えるように、ダニ観察用の開口は、可能な限り大きいことが重要である。この目的のため、開口が誘導手段まで延びることを勧める。これは、実際、エアロゾル・ハウジングと定着手段とを連結するのが誘導手段のみであるということを伴う。
また、開口と組み合わせて、ハウジングの少なくとも一部を透明なプラスチックから製造することも可能である。透明なプラスチックの使用は、プラスチックを拡大効果が得られるように成形するというオプションをも提供する。これによりユーザは、エレメント内で起こっているプロセスを容易に観察することができる。
もう一つの好適実施例によれば、デバイスは、実質的に円筒形状を持ち、ホストの皮膚に接触するように適応した端面が、その円筒の軸から90°以外の角度で延びる。このデザインは、傾斜面がデバイスの傾斜位置をもたらすため、取り扱いが容易なユニットを提供する。この傾斜位置は、円筒エレメントの開口を通して、寄生虫を観察することを可能にしながら、デバイスを保持している手が疲れ難い姿勢を提供する。
さらにもう一つの好適実施例は、デバイスを、摘出した寄生虫の貯蔵室と組み合わせるという方策を提供する。これによって、摘出した寄生虫を保持することが可能になり、寄生虫が病原体を抱えているか、また、感染の危険性があるかどうかのチェックも可能となる。この貯蔵室は、デバイスのボディ内に設けた空間によって形成できるが、貯蔵室は、異なる複数の部屋を備えた、分離した箱によって形成することもできる。
本発明は、また、ホストとして機能している人間または動物の皮膚から寄生虫、例えばダニを摘出するための方法に関する。この方法は、寄生虫に係合させてホストの皮膚から寄生虫を摘出すること、そして寄生虫へ冷却媒体を供給することからなる。また、この方法は、少なくとも冷却媒体の投与中、ホストの皮膚に平行な方向で、ホストの皮膚上にデバイスを定着すること、そして寄生虫に係合させる目的で、係合手段を定着手段に対して移動させることを特徴とする。本発明による方策と同様に、この方法で同じ利点を達成できる。
凍結あるいは冷却の前に寄生虫が感染症を発生させること防止するために、寄生虫に係合させる前に、冷却媒体を寄生虫へ供給することを勧める。
他の興味深い実施例に関しては、残りの従属請求項に明示する。
本発明を、次の添付図面を参照して以下に説明する。
本発明によるデバイスは、実質的に円筒なハウジング1からなり、その中に、同様に円筒なエアロゾル容器2が受容されている。ハウジング1には、エアロゾル容器2をハウジング内にセットするために、位置決め端部3および4が設けられており、上側位置決め端部4が、ハウジング1内にエアロゾル容器2を固定する。ハウジング1は、プラスチックから製造することが好ましい。
スナップ結合6によってハウジング1へ結合するように配置されているのが、ハウジング1を区画する円筒の延長を形成するカプリング・ピース5である。カプリング・ピース5も、同様にプラスチックから製造することが好ましい。
カプリング・ピース5へ結合するように定着エレメント7が設けられている。定着エレメントも、ハウジング1を区画する円筒内に延びる。定着エレメントは、傾斜した定着壁8によって、その遠位端が閉じられている。定着エレメント7は、カプリング・ピース5へ、スナップ結合によって結合されている。定着エレメント7は、透明なプラスチックから製造することが好ましい。
定着壁8には、開口9が設けられており、定着エレメント7の円筒面壁における軸方向の全長が最も長い側には、開口10が設けられている。
エアロゾル容器2には、スプレーノズルと一体に形成されたバルブ11が設けられている。バルブ11は、軸方向へ押圧することによって開く。典型的に、バルブ11は、エアロゾル容器内の圧力によってバルブ11が閉位置へ付勢されるように構成されている。バルブの作動のために、バルブにはカラー12が設けられている。バルブのノズルは、開口9へ向けてエアロゾル噴流13を発生するように適応している。
レバー14は、バルブを作動させる目的で設けられている。レバー14は、突起15によって回転可能にカプリング・ピース5に結合している。突起は、カプリング・ピース5に設けられ、レバー14に設けられた窪みに係合する突出部を備える。他の枢軸回転構造も可能である。レバー14は、その中をバルブ11が延びる開口を備える。レバー14は、さらに、レバーを作動させたときにカラー12を押圧し、バルブ11を開けるように適応した、一対の突起部16を備える。レバー14は、カプリング・ピース5に設けた開口17を通り、さらに、レバーの遠位端部は、円筒ハウジング1の軸へ実質的に平行に延びる。レバーは、遠位端に作動エレメント18を備え、また、その内側にブロック突起部19を備える。
図2および図3に示すように、本発明によるデバイスは、定着エレメント7に対して移動可能な係合エレメントで、寄生虫に係合するように適応している。本実施例においては、係合エレメントは、柔軟な素材、例えばプラスチックのストリップ20から形成され、定着エレメントに対して可動に設けられる。定着エレメント20は、その端部に、二つの舌状エレメント21を備え、それらの間にノッチ22が形成されている。ノッチ22は、定着エレメント8の端部の縁から一点へ収束する。このため、ダニ23等の寄生虫に係合することが容易である。ダニは、ボディ24からなり、その口25で、ホストの皮膚26に取り付く。ボディ24のサイズは、口25よりも大きい。このことは、寄生虫の口25の両側に、二つの舌状部21を配置できる可能性を提供する。この場合、口はノッチ22内に延びる。この状態を図3に示す。寄生虫のボディ・サイズが比較的に大きいため、皮膚26の方向を横切るように構成要素を移動させることによって、寄生虫を摘出することが可能である。
ホストの皮膚と寄生虫のボディとの係合を効果的に行うためには、ノッチ側のストリップが薄くなければならない。考慮すべきは、寄生虫が切断されることを防止するために、縁は鋭利でなくてもよいということである。解決策は、したがって、ノッチ側に丸い縁を持つ薄いストリップである。
図3に示す状態へ到達するための開始点は、図2に示す状態である。この目的のために、係合エレメント21を形成するストリップは、その長さ方向へ移動しなければならない。本発明によるデバイスは、柔軟な素材のストリップ20と、ストリップ20をその長さ方向へ誘導するための誘導手段とを適用することによって、この移動を可能にする。この目的のために、ストリップ20は、定着エレメント7、カプリング・ピース5を通って、そしてハウジング1内を延び、曲げられている。ストリップ20をその長さ方向へ変位させると、その誘導手段に曲げられたストリップ20の部分が変位することになるため、柔軟なストリップ20が必要である。
図4に、ストリップ20の開口9に近い部分をより詳細に示す。この図面は、ストリップ20を誘導する目的で、定着エレメントの厚さ内にガイド溝23が設けられることを示している。ストリップ20は、開口9の全長に渡って延びるだけではないため、定着エレメント8の残りの部分には、ストリップが通るためのチャンネル24が穿たれている。このチャンネルは、定着エレメント8に限定されることなく、カプリング・ピース5およびハウジング1を通って延びる。注目すべきは、チャンネル24が物理的にこれらの構成要素に穿たれる必要はないということである。チャンネルを、ストリップ20が前記構成要素8、5、1内部に延びるために既に利用可能である空間によって間接的に形成することも可能である。後者の場合、ストリップ20を誘導するために誘導手段が存在し、それが、機能不全をもたらす折り畳みを防止するので魅力的である。
図1に示すように、ストリップ20の、舌状部21から遠隔な端部は、エアロゾル容器2の周りに延びるスリーブ25に結合している。この場合、このスリーブ25は、ストリップ20のためのガイドとして機能する。スリーブ25の代わりに、他のガイド部材を設けることができることは明白である。スリーブ25は、また、ストリップ20を、係合手段として機能するように作動させるための作動エレメント26との連結としても機能する。作動エレメント26を円筒の軸方向へ滑動させることによって、定着手段8に対して係合手段20を変位させ、寄生虫に係合させることができる。
定着壁8の開口9の形状を、さらに図5から図8に示す。図5は、ストリップの反対側、開口の終端におけるガイド溝23に、収束部27が設けられていることを示している。このため、ストリップ20をその最遠位へ付勢したときに、ストリップ20の舌状部21は、相互へ向かって移動する。このとき、舌状部21の間のノッチ22は狭くなり、寄生虫は、しっかりと把持される。
本発明によるデバイスの作動を、以下に説明する。初めに、寄生虫が開口9内に位置するよう、ホストの皮膚に対してデバイスの定着壁8を配置する。ここで開口10を通して、適切な配置を確認する。定着部7の透明なプラスチックは、観察をさらに容易にする。
定着壁8をホストの皮膚に設定すると、細長い、実質的に円筒なデバイスは、30°から90°のある角度で延びることになる。このことは、寄生虫の観察を容易にする。ここで指摘すべきことは、最も一般的な寄生虫、例えばダニが、開口内に容易に配置できるように開口が選択されていることである。ダニの最大サイズは約12mmに達するため、開口は、10mmから15mmの径を持つ。開口のサイズは、デバイスを適用する寄生虫のサイズへ適応させることができる。
それから、レバーを介してバルブに結合した作動エレメント18によって、バルブを作動させることができる。これによって、数量のエアロゾルがバルブから出る。寄生虫がエアロゾル噴流内に位置するようにバルブのスプレー・ヘッドが配置されている。したがって、エアロゾルからの液滴が寄生虫のボディに付着する。エアロゾルを構成する液体は、それが寄生虫のボディに接触するとすぐに蒸発するように選択される。各状況において、その消化器官をホストへもはや放出しそうにない、または寄生虫がもはや容易に崩壊しえない温度へと、寄生虫を冷却するだけの数量のエアロゾルを供給するために、作動エレメント18を数回押さなければならないことも起こりうる。
寄生虫は、所望の温度に到達した後、摘出できる。この目的のために、ストリップの形態にある係合デバイスは、作動エレメント26を使用して、寄生虫の方へ移動できる。この場合、寄生虫がストリップ20の舌状部21間に包囲されるように、ストリップを移動する。そして、二つの舌状部21が相互に接触する点が寄生虫に触れるまで、この移動を継続する。そのとき、寄生虫は、ストリップおよび舌状部による3側面で包囲される。この拘束は、収束ガイド27によって舌状部が相互へ向けて押圧される好適実施例において、より強力である。
それから、ユニット全体を皮膚から遠ざけて、寄生虫を皮膚から摘出する。皮膚からの分離移動中は、定着面の縁を、てこの原理を利用するための支持面として使用することができる。寄生虫の崩壊を防止するために、ホストの皮膚の方向に対して、できるだけ垂直に皮膚から寄生虫を移動させることを勧める。ダニは、その後、内部から取り出し、後の病原体試験を可能にするため、関連貯蔵室に入れる。デバイスの、この特定な傾斜形状は、皮膚からの分離移動中、この形状がてことして作用するように使用できる。
ここで指摘すべきことは、上記の説明では、常に、係合デバイスと、蒸発によるエアロゾル冷却を投与するための投与手段との組み合わせを参照している。本発明は、また、寄生虫に係合することのみに適応したデバイスに関する。本発明は、また、寄生虫に係合し、ホストの皮膚から除去するための本デバイスで実行する方法に関する。本デバイスの使用は、オプションとして、蒸発によるエアロゾル冷却を投与することと組み合わせることができる。
定着エレメントは、汚染を防止するために、使用しない場合、分離したカバー、または分離したキャップで覆うこともできる。
図9は第二の実施例を示す。ここでは、対応する構成要素に、対応番号が付与されている。第一のものと同様に、この実施例は、エアロゾル容器2を入れたハウジング1からなる。エアロゾル容器2とハウジング1との間には、円筒空間が存在し、その空間内を、ストリップ20に結合したスリーブ25が軸方向に移動可能である。ハウジング1には、スリーブに結合した突起部31が通るスロット30が設けられている。突起部31には、スリーブ25を介してストリップ20を移動可能なスライド・アクチュエータ32が取り付けられている。
ユーザにダニがよく見えるように、先の実施例の定着エレメントおよびカプリング・ピースは、スナップ結合34によってハウジング1に結合される集合的なアタッチメント・ピース33で置換されている。この結合は、オプションとして、接着剤で固定してもよい。ハウジング1から延びるアタッチメント・ピース33は、最初は実質的に円筒であり、それから傾斜面35を備える。その傾斜面には、開口36が設けられており、その開口を通って管33が延びる。
傾斜面は、チャンネル38を備えた、屈曲した舌状エレメント37へ連結しており、このチャンネルを通って、ストリップ20が延びている。また、チャンネル内で、ストリップ20は、図1を参照して説明したように、ダニに係合するという機能を満たす目的で移動可能である。この構造の結果として、定着手段の近くの円筒部を省略し、定着手段と、そこで起こるプロセスとがよく見えるようになっている。視界を制限する側壁も、もはや存在しない。アタッチメント・ピースは、ストリップ20の誘導を可能にするために、舌状エレメント37の位置で二重壁の形状をとる。これによって、特定な強度も得られる。これは、生産技術における問題を生じるが、二つの別個に形成した構成要素から、接着によって接合してカプリング・ピースを組み付けることによって解決できる。
第一の実施例のように、エアロゾル容器2には、この実施例では本質的に既知の調整針弁から形成されるバルブ11が配置され、このバルブを作動させるためのレバー14が設けられている。また、バルブ11から放出したエアロゾルを誘導するための管33を備えたカラー12も使用している。レバーは、同様に、ストリップ20および管20を妨げないよう、フォーク状の形状をとる。この場合、フォークの両端は、アタッチメント・ピース内に形成した軸受38に取り付ける。
この後者デバイスで実行すべき作動は、上記第一の実施例で実行すべき作動に対応する。
本発明から逸脱することなく、図示および説明のデバイスに対して、多数の変更を加えることが可能なことは自明である。
本発明の第一の実施例の長さ方向における断面図である。 寄生虫に係合する前の、ホストの皮膚に平行な、本発明によるデバイスの断面図である。 寄生虫に係合した後の、図2に対応する図である。 図1の内容の一部を示す詳細図である。 図2および図3の内容の一部を示す詳細図である。 図5のラインVI−VIにおける断面図である。 図5のラインVII−VIIにおける断面図である。 図5のラインVIII−VIIIにおける断面図である。 図1に対応する、第二の実施例の断面図である。

Claims (26)

  1. ホストとして機能している人間または動物の皮膚から寄生虫を摘出するためのデバイスであって、
    ・寄生虫に係合させて、ホストの皮膚から寄生虫を摘出するための係合手段、そして
    ・少なくとも前記係合手段の係合中、ホストの皮膚上に、ホストの皮膚に平行に前記デバイスを固定するための定着手段からなり、
    前記係合手段が、寄生虫への係合中、前記定着手段に対して移動するように適応していることを特徴とする、デバイス。
  2. 少なくとも寄生虫に冷却媒体を供給するために投与手段を備える、請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記デバイスが、ダニ(マダニ)を摘出するために寸法決定されることを特徴とする、請求項1または2に記載のデバイス。
  4. 前記係合手段が、寄生虫への係合中、ホストの皮膚に実質的に平行に移動するように適応していることを特徴とする、請求項1、2または3に記載のデバイス。
  5. 前記係合手段が、縁にノッチを備えた実質的に平坦な構造からなり、前記ノッチが、前記構造の縁から一点へ収束する二つの縁を備え、前記係合手段が、前記ノッチの前記縁間に包囲された方向へ、前記構造を前記定着手段に対して移動させるためのドライブ手段からなることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のデバイス。
  6. 前記ノッチ側に位置する前記平坦な構造の縁が、丸味を帯びていることを特徴とする、請求項5に記載のデバイス。
  7. 前記平坦な構造が、誘導可能な移動のために、誘導手段によって前記定着手段へ結合されることを特徴とする、請求項5または6に記載のデバイス。
  8. 前記定着手段が、開口を備えたエレメントからなり、このエレメントが、ホストの皮膚に対して、実質的に平坦な側面で配置されるように適応しており、前記誘導手段が、前記エレメントにおける少なくとも前記開口の位置で、前記エレメントの平坦な側面に平行に前記平坦な構造をスライド可能に誘導するように適応した第一の部分からなることを特徴とする、請求項7に記載のデバイス。
  9. 前記構造が、柔軟な素材から製造されて前記誘導手段にスライド可能に結合されたストリップからなり、前記誘導手段が、前記平坦な側面に対してある角度で、前記開口の付近から少し離れて延びる第二の部分からなり、前記誘導手段の第一の部分および前記誘導手段の第二の部分が、屈曲した第三の部分によって結合されていることを特徴とする、請求項8に記載のデバイス。
  10. 前記ストリップが前記エレメントの外側へ延び、前記ストリップが、前記エレメントの外側でドライブ部材に結合される、請求項9に記載のデバイス。
  11. 前記投与手段が、エアロゾル噴流の形態で寄生虫へ冷却媒体を供給するように適応していることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のデバイス。
  12. 前記投与手段が、エアロゾル容器、その上に配置したバルブおよびスプレーノズルからなり、前記スプレーノズルが、前記定着手段の開口内に、前記バルブが開けられるとノズルから出るエアロゾル噴流を導くように配置されることを特徴とする、請求項11に記載のデバイス。
  13. 前記エアロゾル容器に配置されるバルブが、調整針弁であることを特徴とする、請求項11または12に記載のデバイス。
  14. 前記エアロゾル容器が、実質的に円筒であり、前記エアロゾル容器の円筒軸が、前記エレメントの外側における前記ストリップの移動の方向に実質的に平行に延びることを特徴とする、請求項12または13に記載のデバイス。
  15. 前記ドライブ部材が、前記エアロゾル容器の軸方向へ移動可能な、そして手作業で操作可能な作動エレメントからなることを特徴とする、請求項14に記載のデバイス。
  16. 前記エアロゾル容器の周りにハウジングが設けられ、前記ドライブ部材が、前記エアロゾル容器と前記ハウジングとの間で誘導されるように適応しており、そして前記作動エレメントが前記ハウジングを通って延びることを特徴とする、請求項11から15のいずれかに記載のデバイス。
  17. 前記バルブが、前記ハウジングの外側から操作可能な作動エレメントによって作動可能であり、この作動エレメントが、前記バルブから離れて配置した軸の周りに回転するよう前記ハウジングに結合したレバーに連結していることを特徴とする、請求項11から16のいずれかに記載のデバイス。
  18. 前記エレメントが実質的に円筒であり、前記円筒の軸が、エアロゾル・ハウジングの軸に一致し、そして前記エレメントの外面には開口が設けられていることを特徴とする、請求項14から17のいずれかに記載のデバイス。
  19. 前記開口が前記誘導手段まで延びることを特徴とする、請求項18に記載のデバイス。
  20. 前記エレメントのハウジングが、少なくとも部分的に、透明なプラスチックから製造されることを特徴とする、請求項18または19に記載のデバイス。
  21. 前記デバイスが実質的に円筒形状を持ち、この円筒形状の端面が、ホストの皮膚に接触するように適応すると共に、前記円筒の軸から90°以外の角度で延びることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のデバイス。
  22. 前記デバイスが、摘出した寄生虫のための貯蔵室と組み合わされていることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のデバイス。
  23. ホストとして機能している人間または動物の皮膚からダニ等の寄生虫を摘出するための方法であって、
    ・寄生虫に係合し、ホストの皮膚から寄生虫を摘出するステップ、そして
    ・寄生虫へ冷却媒体を供給するステップからなり、
    前記冷却媒体の投与中、少なくともホストの皮膚に平行な方向で、ホストの皮膚上にデバイスを固定し、そして
    寄生虫に係合させるために、定着手段に対して係合手段を移動させることを特徴とする、方法。
  24. 寄生虫に係合させる前に、冷却媒体を寄生虫へ供給することを特徴とする、請求項23に記載の方法。
  25. エアロゾルの形態で冷却媒体を寄生虫へ供給することを特徴とする、請求項23または24に記載の方法。
  26. 寄生虫に係合させた後に、それを、ホストの皮膚に垂直な構成要素を持つ移動によって、ホストの皮膚から摘出することを特徴とする、請求項23から25のいずれかに記載の方法。
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