JP2008515509A - 人工プロテーゼ - Google Patents
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Abstract
SEPなどの非生体再吸収性密封材が間に介挿された2つの管状多孔質層から形成された人工大動脈管について記載されている。人工大動脈管は、大動脈起始部代替プロテーゼを形成するために異種移植弁等の大動脈弁に対して取り付けることができる。人工大動脈弁は、分解することなく組織に必要な防腐溶液中で保管できるという利点を有している。
【選択図】 図4
【選択図】 図4
Description
本発明は、人工大動脈管、人工大動脈管を備える大動脈起始部代替プロテーゼ、心疾患を治療する方法での大動脈起始部代替プロテーゼの使用に関する。特に、本発明は、非生体再吸収性密封材を備える人工大動脈管に関するが、これに限らない。
大動脈及び/又は大動脈弁に影響を及ぼす疾病を治療する好ましい方法は、大動脈起始部全体を交換する(Bentallら、Thorax,1968,23:338−9)ことであり、これは代替大動脈弁及び代替動脈管の移植を必要とする。異種移植片(生体)弁、機械弁、異種移植管及び人工管を含む大動脈起始部交換(ARR)のために様々な装置が使用されている。
一般的には、機械弁及び人工管を備える移植片が使用される。弁は一般にカーボン及びバイリーフレットであり、管は一般に織りポリエステルから形成される。失血を最小限に抑えるため、織りポリエステル管は生体再吸収性密封材でシールされることが好ましい。これは、ゼラチン(Lucianiら、Ann Thorac Surg,1999,68:2258−62)又はコラーゲン(Girardiら、Ann Thorac Surg,1997,64:1032−5)であってもよい。機械大動脈弁の移植には幾つかの問題が関連付けられる。特に、機械大動脈弁を移植した患者は、機械弁の非自然的な面及び流量特性により引き起こされる凝固及び塞栓を防止するために系統的な抗凝固療法を必要とする。
組織から形成される弁(死体からの自家移植片又は異種移植片)の使用も当分野において既知である。異種移植片は、一般に、無傷で使用される動物弁(通常は豚の弁)であり、或いは、心膜(通常は牛の心膜)を弁へと形成することにより作られる。いずれの場合も、材料は、大部分がコラーゲンであり、分解しないように安定化されなければならない。これは、一般にグルタルアルデヒドとの架橋結合により達成される。
コラーゲン表面の血液適合性及び生体弁のより自然な血行動態は、移植における系統的な抗凝固療法の必要性を排除する。異種移植弁に関連する重大な限界は、それらの限られた耐久性である。コラーゲンは比較的短期間で石灰化の対象となって生物分解する。しかしながら、組織処理及び抗石灰化処理の改善により、生体弁の耐用年数は、生体弁の使用が機械弁を追い越す程度にまで延びてきており、組織系の移植片の移植率は増大し続けている。
機械弁と異なり、生体弁は乾燥した環境内で保管することができない。コラーゲン構造及び架橋結合を維持するため、生体弁は防腐溶液中で保管される。これは、通常、グルタルアルデヒド及び/又はホルムアルデヒドの希釈溶液である。
前述したように、人工大動脈管は、既知であり、通常は弁交換中に選択して使用する管である。人工大動脈管は、一般に、織りポリエステルから形成され、生体再吸収性密封材を用いて大動脈弁に取り付けられる。このタイプの既知の人工大動脈管は、生体弁を保管するために使用される防腐溶液に適合しない。これは、既知の生体再吸収性密封材が、生体弁のために必要とされる防腐溶液と反応するからである。生体再吸収性密封材の架橋結合は一般に防腐溶液に晒されることにより増大され、それにより、密封材の生体再吸収率に影響が及ぶ。防腐溶液をそれが管密封材に適合するように改質することは厄介である。なぜなら、生体弁に対する長期的な影響を考慮しなければならないからである。密封材に影響を与えない任意の溶液は、弁を適切に保つ可能性が低い。生体再吸収率の変化に伴う問題を回避するため、人工管は、通常、使用時点で、すなわち、移植時に、生体弁に対してのみシールされる。これは、不都合であるとともに、外科処置に不必要な遅れをもたらし、それにより、患者に対する危険が増大する。
本発明者らは、現時点で、生体弁のための保管条件に適合する大動脈管を見出した。その結果、本発明は、大動脈管及び当該管に既に取り付けられた生体弁を備える複合プロテーゼを提供する。
これまでは、常に、人工大動脈管のために非生体再吸収性密封材を使用すると管内への組織の内部成長が妨げられ、これにより回復が困難になると考えられてきた。しかしながら、本発明者らは、現時点で、非生体再吸収性密封材を大動脈管において使用できることを見出した。
本発明の第1の態様によれば、
i)多孔質材料から成る第1の内側管状層と、
ii)多孔質材料から成る第2の外側管状層と、
上記第1及び第2の管状層間に介挿された非生体再吸収性密封層と、
を備える人工大動脈管が提供される。
i)多孔質材料から成る第1の内側管状層と、
ii)多孔質材料から成る第2の外側管状層と、
上記第1及び第2の管状層間に介挿された非生体再吸収性密封層と、
を備える人工大動脈管が提供される。
非生体再吸収性密封材は、生体弁を保管するために使用される防腐溶液に適合するように選択され、また、人工大動脈管は防腐溶液に長期にわたって晒されても依然として影響を受けず、好ましい。その結果、生体弁及びこれに取り付けられた人工大動脈管を備えるプロテーゼは、必要とされるまで標準的な防腐溶液中で保管されてもよい。生体弁と同じ条件下で大動脈管を保管できることにより、保管前に大動脈管と弁とを互いに予め取り付けて大動脈起始部代替プロテーゼを形成しておくことができ、それにより、時間遅延及び使用間際に人工大動脈管を生体弁に取り付けるという不都合を回避できる。機械大動脈弁の使用に関連する抗凝血剤の必要性も回避される。
人工大動脈管は、グルタルアルデヒド及び/又はホルムアルデヒドから成る溶液などのアルデヒドを含む防腐溶液と反応せず且つ当該防腐溶液中で非生体再吸収性があることが好ましい。
本発明の人工大動脈管は、2つの管状層の隙間のある多孔質構造が移植片の両側からの組織成長能力を維持するという利点を有している。
第1及び第2の管状層は、同じ材料から形成されてもよく、異なる材料から形成されてもよい。第1及び第2の管状層を形成する材料は同じ又は異なる多孔率を有していてもよい。
管の一方又は両方の管状層を形成する際に使用される多孔質材料は、ポリエステル、適切に編まれた或いは織られたポリエステルであると都合良い。他の適した多孔質材料としてはePTFE(発泡ポリテトラフルオロエチレン)が挙げられる。
第1及び第2の管状層の多孔質材料は、漏れに耐える浸透率を有している必要はない。管内において、水密性又は血液の耐漏れ性は、エラストマーから成る無孔質の不浸透層により一般に形成される密封層によって与えられる。
一実施形態において、人工大動脈管の内側管腔面を形成する第1の管状層は患者の血液と接触している。
一実施形態において、第1の管状層は、組織の内部成長を可能にし且つ仮性内膜をうまく確実に取り付けることができる十分な多孔率を有する材料から成っている。内側管状層の水浸透率は高く、一般に120mmHgの圧力で4000〜10000ml/分/cm2である。殆どの用途においては、120mmHgで8000〜10000ml/分/cm2の浸透率が適している。
一実施形態において、第2の外側管状層は組織の内部成長を可能にする十分な多孔率を有する多孔質材料から形成されるが、これは第1の内側層の場合ほど重要ではない。一実施形態において、第2の外側層の水浸透率は、120mmHgで1000〜3000ml/分/cm2である。殆どの用途においては、120mmHgで1800〜2000ml/分/cm2の水浸透率が適している。
場合によって、第1の内側管状層は、120mmHgの圧力で4000〜10000ml/分/cm2の水浸透率を有しており、第2の外側管状層は、120mmHgの圧力で1000〜3000(好ましくは1800〜2000)ml/分/cm2の水浸透率を有している。
一実施形態において、第2の外側管状層は、移植片に対して寸法安定性を与えるとともに、径方向の拡張に耐える。
一実施形態では、第2の外側管状層の材料が織り材料であり、第1の内側管状層の材料が編み材料である。
別の実施形態において、第1及び第2の管状層はいずれも編み材料から形成されている。
場合によって、第1及び第2の管状層はいずれもポリエステルから形成される。したがって、人工大動脈管は、編みポリエステルの第1の内側管状層と織りポリエステルの第2の外側管状層とを備えていてもよい。或いは、これらの層がそれぞれ編みポリエステルであってもよい。
非生体再吸収性密封材は、生体適合性を有し、柔軟であり、耐久性があることが適切である。非生体再吸収性密封材は第1及び第2の管状層に対してうまく結合することが好ましい。非生体再吸収性密封材は、一般に高分子であり、典型的にシリコンなどのエラストマー高分子である。スチレンオレフィンブロック重合体が特に興味深く、特に、場合によってスクアレンで可塑化されたスチレン−エチレン−ポロピレン−スチレン共重合体(SEPS)である。SEPS材料は、優れた耐化学性を有しており、生体心臓弁のために使用される保管溶液によって影響を受けない。
一実施形態において、人工大動脈管は3つ以上の層を有する「サンドイッチ」構造の形態を成している。したがって、人工大動脈管は、外側織り管状層と、内側編み層と、これらの層間に介挿されたSEPSから成る非生体再吸収性密封層とを備えていてもよい。
人工大動脈管がバルサルバ洞に似た形状を成していることが適切である(米国特許第6,352,554号;欧州特許第955019号参照)。これにより、大動脈弁のリーフレット動作及び血行動態を改善することができる。
場合によって、移植片にはクリンプが形成される。
本発明の第2の態様によれば、人工大動脈管を形成する方法であって、
a)非生体再吸収性密封層を第1の管状層と第2の管状層との間に介挿して複合構造を形成するステップと、
b)ステップa)の複合構造を50〜150℃で15〜60分間にわたって加熱して人工管を形成するステップと、
を備える方法が提供される。
a)非生体再吸収性密封層を第1の管状層と第2の管状層との間に介挿して複合構造を形成するステップと、
b)ステップa)の複合構造を50〜150℃で15〜60分間にわたって加熱して人工管を形成するステップと、
を備える方法が提供される。
一実施形態において、ステップb)は、ステップa)の複合構造を30分間にわたって110℃まで加熱することを含む。
一実施形態では、ステップa)の複合構造が裏返しに形成される。この場合、ステップa)の複合構造の外側管状面が、形成される人工大動脈管の内側管腔面を形成する。この実施形態において、方法は、複合構造を反転させて(すなわち、複合構造を曲げて裏返して)、複合構造の外側管状面が反転された複合構造の内側層となり且つ複合構造の内側管状面が反転された複合構造の外側層となるようにするステップを更に含む。この反転ステップはステップb)の後に行なわれることが適している。
場合によっては、その後に大動脈管にクリンプが形成される。クリンプ形成は、管の外面上にビーズを螺旋状に巻回した後に加熱する(例えば、50〜150℃で30〜90分間)ことにより都合良く達成されてもよい。
本方法は、
a)非生体再吸収性密封層を第1の管状層と第2の管状層との間に介挿して複合構造を形成するステップと、
b)ステップa)の複合構造を50〜100℃で15〜60分間にわたって加熱するステップと
c)内側管状層が外側管状層となり且つ外側管状層が内側管状層となるように複合構造を裏返すステップと、
d)複合構造の外周に第1のピッチで螺旋状の巻線を巻き付けるステップと、
e)ステップd)の螺旋状に巻かれた複合構造を40〜80℃で30〜60分間にわたって加熱するステップと、
f)ステップe)の巻き付けられた複合構造を100〜150℃で10〜30分間にわたって加熱するステップと、
g)螺旋状の巻線を複合構造から除去するステップと、
を適切に備えていてもよい。
a)非生体再吸収性密封層を第1の管状層と第2の管状層との間に介挿して複合構造を形成するステップと、
b)ステップa)の複合構造を50〜100℃で15〜60分間にわたって加熱するステップと
c)内側管状層が外側管状層となり且つ外側管状層が内側管状層となるように複合構造を裏返すステップと、
d)複合構造の外周に第1のピッチで螺旋状の巻線を巻き付けるステップと、
e)ステップd)の螺旋状に巻かれた複合構造を40〜80℃で30〜60分間にわたって加熱するステップと、
f)ステップe)の巻き付けられた複合構造を100〜150℃で10〜30分間にわたって加熱するステップと、
g)螺旋状の巻線を複合構造から除去するステップと、
を適切に備えていてもよい。
ステップb)は、ステップa)の複合構造を110℃で30分間加熱する工程を備えることが適切である。
ステップe)は、ステップd)の螺旋状に巻かれた複合構造を60℃で40分間加熱する工程を含むことが適切である。
ステップf)は、ステップe)の螺旋状に巻かれた複合構造を110℃で20分間加熱する工程を備えることが適切である。
本発明の更なる態様によれば、治療で使用するための、特に大動脈及び/又は大動脈弁に影響を与える心臓の異常、心疾患及び/又は欠陥の治療で適切に使用するための上記人工大動脈管が提供される。
本発明の更なる態様によれば、大動脈及び/又は大動脈弁に影響を与える心臓の異常、病気及び/又は欠陥を治療する方法であって、治療を要する被検体の心臓に上記人工大動脈管を移植するステップを備える方法が提供される。
当該治療方法は、特に、人間の患者のための心臓手術での使用を対象にしているが、必ずしもそれに限らない。
医学的治療方法は、通常、心臓の異常、病気及び/又は特に大動脈起始部が交換されるべき欠陥を緩和するように行なわれる。
本発明の更なる態様によれば、大動脈弁と前述した人工大動脈管とを備える大動脈起始部代替プロテーゼが提供される。
一実施形態において、大動脈弁は移植組織片であり、例えば異種移植片である。大動脈起始部代替プロテーゼは、異種移植大動脈弁に取り付けられた人工大動脈管を備えることが有益である。移植組織片は、典型的には、移植組織片の表面を架橋結合することにより、好ましくはグルタルアルデヒド及び/又はホルムアルデヒドと接触させることによって、分解しないように安定化されることが適切である。
更なる実施形態では、大動脈弁が機械的な移植片である。
人工大動脈管は、接着、縫合、クリップ(特に機械的なクリップタイプの装置を使用して)又はこれらの組み合わせ等の任意の都合の良い方法を使用して大動脈弁に取り付けられてもよい。
一実施形態では、人工大動脈管が大動脈弁に対して縫合される。
場合によって、人工大動脈管は、米国特許第6,852,554号及び/又は欧州特許第955019号に記載されるように、バルサルバ洞に似た形状を成している。
本発明の更なる態様によれば、治療で使用するための、特に大動脈及び/又は大動脈弁に影響を与える心臓の異常、心疾患及び/又は欠陥の治療で使用するための前述した大動脈起始部代替プロテーゼが提供される。
本発明の更なる態様によれば、大動脈及び/又は大動脈弁に影響を与える心臓の異常、病気及び/又は障害を治療する方法であって、治療を要する被検体の心臓に前述した大動脈起始部代替プロテーゼを移植するステップを備える方法が提供される。
当該治療方法は、特に、人間の患者のための心臓手術での使用を対象にしているが、必ずしもそれに限らない。
医学的治療方法は、通常、心臓の異常、病気及び/又は特に大動脈起始部が交換されるべき欠陥を緩和するように行なわれる。
本発明の更なる態様によれば、耐漏れ性の容器内の防腐溶液中に保持される大動脈起始部代替プロテーゼを備えるパッケージが提供される。パッケージは、必要とされるまで、大動脈起始部代替プロテーゼを保管するのに特に適している。
防腐溶液は一般にグルタルアルデヒド及び/又はホルムアルデヒドの溶液である。
ここで、以下、図面を参照しながら、本発明を単なる一例として説明する。
人工大動脈管は、織りポリエステルから成る内側管腔層と、編みポリエステルから成る外側管状層と、これらの層間に介挿されたSEPS非生体再吸収性密封層とを有する複合構造を備えて形成されている。移植片には、以下に列挙されたステップにより、螺旋状に巻き付けられたビーズを使用してクリンプが形成され、ビーズはクリンプがヒートセットされた後に除去される。
1)外側(織り)繊維及び内側(編み)繊維を加熱洗浄する。
2)19mmの外側繊維(織り)を曲げて裏返す。
3)外側層を18mmの製造マンドレル上に配置する。ラインを真っ直ぐに確保する。
4)18mm×0.2mmのSEPS/スクアレン膜を拡張させて移植片上に置く。
5)ロール方法を使用して18mmの内側層を膜上に配置する。
6)引き伸ばしてマンドレルに貼り付ける。固定するためにケーブルタイを使用する。
7)110℃の炉内に30分間配置して、膜を繊維に対して溶着する。
8)マンドレルから除去して裏返す。
9)クリンピング機によりクリンプを形成する。
10)クリンプをオートクレーブ内に30分間セットする(最大温度=136℃)。
11)マンドレルから除去して冷却洗浄する。
1)外側(織り)繊維及び内側(編み)繊維を加熱洗浄する。
2)19mmの外側繊維(織り)を曲げて裏返す。
3)外側層を18mmの製造マンドレル上に配置する。ラインを真っ直ぐに確保する。
4)18mm×0.2mmのSEPS/スクアレン膜を拡張させて移植片上に置く。
5)ロール方法を使用して18mmの内側層を膜上に配置する。
6)引き伸ばしてマンドレルに貼り付ける。固定するためにケーブルタイを使用する。
7)110℃の炉内に30分間配置して、膜を繊維に対して溶着する。
8)マンドレルから除去して裏返す。
9)クリンピング機によりクリンプを形成する。
10)クリンプをオートクレーブ内に30分間セットする(最大温度=136℃)。
11)マンドレルから除去して冷却洗浄する。
人工大動脈管は、大動脈起始部代替プロテーゼを形成するために異種移植大動脈弁に対して縫い付けられる。
[実施例1]
本発明に係る人工大動脈管が形成された。人工大動脈管は、編みポリエステルにより形成された第1及び第2の管状層と、第1の管状層と第2の管状層との間に介挿された生体再吸収性膜とを備えている。
本発明に係る人工大動脈管が形成された。人工大動脈管は、編みポリエステルにより形成された第1及び第2の管状層と、第1の管状層と第2の管状層との間に介挿された生体再吸収性膜とを備えている。
人工大動脈管が患者に移植された。
[実施例2]
28mmの内径を有する管状のポリエステル綾織(破れ斜文/システム2エッジ)繊維が加熱洗浄されて600mmの長さにカットされた。繊維壁を曲げて裏返し、直径が28.2mmの800mmのマンドレル上に配置した。繊維が真直ぐにされて長手方向に引き伸ばされ所定位置に貼り付けられた。31mm真空管を使用して、内径が26mmで厚さが0.23mmの管状SEP膜が繊維上に配置された。その後、内径が35mmのePTFE管状移植片が、膜上に置かれて長手方向に引き伸ばされ、マンドレルに貼り付けられた。アセンブリ全体は、25mmシリコンチューブ(500mm長×32mm直径の真空管を使用して配置される)で覆われた後、30分間にわたって110℃まで加熱された。冷却すると直ぐにシリコンチューブが除去され、移植片の端部が剥がされ、切り取って形が整えられた。
28mmの内径を有する管状のポリエステル綾織(破れ斜文/システム2エッジ)繊維が加熱洗浄されて600mmの長さにカットされた。繊維壁を曲げて裏返し、直径が28.2mmの800mmのマンドレル上に配置した。繊維が真直ぐにされて長手方向に引き伸ばされ所定位置に貼り付けられた。31mm真空管を使用して、内径が26mmで厚さが0.23mmの管状SEP膜が繊維上に配置された。その後、内径が35mmのePTFE管状移植片が、膜上に置かれて長手方向に引き伸ばされ、マンドレルに貼り付けられた。アセンブリ全体は、25mmシリコンチューブ(500mm長×32mm直径の真空管を使用して配置される)で覆われた後、30分間にわたって110℃まで加熱された。冷却すると直ぐにシリコンチューブが除去され、移植片の端部が剥がされ、切り取って形が整えられた。
[実施例3]
従来の技術を使用して、実施例2の移植片が28mmマンドレル上に置かれてクリンプ形成された。移植片は、15%だけ引き伸ばされた後、130℃で20分間にわたってヒートセットされた。その結果、クリンプが形成された160mmの長さが185mmまで引き伸ばされた。冷却時、移植片は、3mmピッチの最終クリンプサイズまで引き伸ばされてマンドレルにクリップ留めされ、90℃の炉内に15分間にわたって配置された。弛緩された移植片のクリンプピッチは約3mmであった。
従来の技術を使用して、実施例2の移植片が28mmマンドレル上に置かれてクリンプ形成された。移植片は、15%だけ引き伸ばされた後、130℃で20分間にわたってヒートセットされた。その結果、クリンプが形成された160mmの長さが185mmまで引き伸ばされた。冷却時、移植片は、3mmピッチの最終クリンプサイズまで引き伸ばされてマンドレルにクリップ留めされ、90℃の炉内に15分間にわたって配置された。弛緩された移植片のクリンプピッチは約3mmであった。
Claims (34)
- i)多孔質材料から成る第1の内側管状層と、
ii)多孔質材料から成る第2の外側管状層と、
前記第1及び第2の管状層間に介挿された非生体再吸収性密封層と、
を備える人工大動脈管。 - 前記第1の内側管状層が編みポリエステル又は織りポリエステル又はePTFEから形成されている、請求項1に記載の人工大動脈管。
- 前記第2の外側管状層が編みポリエステル又は織りポリエステル又はePTFEから形成されている、請求項1又は2に記載の人工大動脈管。
- 前記第1の内側管状層が前記第2の外側管状層と異なる多孔率を有している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の人工大動脈管。
- 前記第1の内側管状層が、組織の内部成長を可能にする十分な多孔率を有している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の人工大動脈管。
- 第1の内側管状層が、120mmHgの圧力で4000〜10000ml/分/cm2の水浸透率を有している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の人工大動脈管。
- 前記第2の外側管状層が、組織の内部成長を可能にする十分な多孔率を有している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の人工大動脈管。
- 第2の外側管状層が、120mmHgの圧力で1000〜3000ml/分/cm2の水浸透率を有している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の人工大動脈管。
- 第2の外側管状層が織り材料から形成され、第1の内側管状層が編み材料から形成されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の人工大動脈管。
- 第2の外側管状層が織りポリエステルから形成され、第1の内側管状層が編みポリエステルから形成されている、請求項9に記載の人工大動脈管。
- 前記非生体再吸収性密封層がエラストマー高分子である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の人工大動脈管。
- 前記非生体再吸収性密封層が、シリコン、ポリウレタン又はポリエステル熱可塑性エラストマー或いはスチレンオレフィンブロック重合体である、請求項11に記載の人工大動脈管。
- 前記非生体再吸収性密封層がスチレン−エチレン−ポロピレン−スチレン共重合体(SEPS)である、請求項12に記載の人工大動脈管。
- バルサルバ洞に似た形状を成している、請求項1〜13のいずれか一項に記載の人工大動脈管。
- クリンプが形成されている、請求項1〜14のいずれか一項に記載の人工大動脈管。
- 人工大動脈管を形成する方法であって、
a)非生体再吸収性密封層を第1の管状層と第2の管状層との間に介挿して複合構造を形成するステップと、
b)ステップa)の複合構造を50〜150℃で15〜60分間にわたって加熱して人工管を形成するステップと、
を備える方法。 - ステップb)では、複合構造が30分間にわたって110℃まで加熱される、請求項16に記載の方法。
- ステップa)の複合構造が裏返しに形成され、前記方法が、形成された複合構造を1回裏返すステップを含む、請求項16又は17に記載の方法。
- 複合構造にクリンプを形成するステップを更に含む、請求項16〜18のいずれか一項に記載の方法。
- a)非生体再吸収性密封層を第1の管状層と第2の管状層との間に介挿して複合構造を形成するステップと、
b)ステップa)の複合構造を50〜100℃で15〜60分間にわたって加熱するステップと
c)内側管状層が外側管状層となり且つ外側管状層が内側管状層となるように複合構造を反転させるステップと、
d)複合構造の外周に第1のピッチで螺旋状の巻線を巻き付けるステップと、
e)ステップd)の螺旋状に巻かれた複合構造を40〜80℃で30〜60分間にわたって加熱するステップと、
f)ステップe)の巻き付けられた複合構造を100〜150℃で10〜30分間にわたって加熱するステップと、
g)螺旋状の巻線を複合構造から除去するステップと、
を備える、請求項16〜19のいずれか一項に記載の方法。 - 治療で使用するための、請求項1〜15のいずれか一項に記載の人工大動脈管。
- 大動脈及び/又は大動脈弁に影響を与える心臓の異常、病気及び/又は欠陥を治療する方法であって、治療を要する被検体の心臓に前記人工大動脈管を移植するステップを備える方法。
- 前記被検体が人間である、請求項22に記載の方法。
- 大動脈弁と請求項1〜15のいずれか一項に記載の人工大動脈管とを備える大動脈起始部代替プロテーゼ。
- 大動脈弁が生体弁である、請求項24に記載の大動脈起始部代替プロテーゼ。
- 大動脈弁が異種移植弁である、請求項25に記載の大動脈起始部代替プロテーゼ。
- 生体弁が分解しないように安定化される、請求項25又は26に記載の大動脈起始部代替プロテーゼ。
- 生体弁の安定化が、弁をグルタルアルデヒド及び/又はホルムアルデヒドと接触させることによって達成される、請求項27に記載の大動脈起始部代替プロテーゼ。
- 前記人工大動脈管が、接着、縫合、クリップ又はこれらの組み合わせによって大動脈弁に取り付けられる、請求項24〜28のいずれか一項に記載の大動脈起始部代替プロテーゼ。
- 治療で使用するための、請求項24〜29のいずれか一項に記載の大動脈起始部代替プロテーゼ。
- 大動脈及び/又は大動脈弁に影響を与える心臓の異常、病気及び/又は障害を治療する方法であって、治療を要する被検体の心臓に請求項24〜29のいずれか一項に記載の大動脈起始部代替プロテーゼを移植するステップを備える方法。
- 前記被検体が人間である、請求項31に記載の方法。
- 耐漏れ性の容器内の防腐溶液中に保持される大動脈起始部代替プロテーゼを備えるパッケージ。
- 前記防腐溶液がグルタルアルデヒド及び/又はホルムアルデヒドの溶液である、請求項33に記載のパッケージ。
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