JP2008515102A - 多重周波数rfid装置およびrfidタグ読み取り方法 - Google Patents

多重周波数rfid装置およびrfidタグ読み取り方法 Download PDF

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Abstract

遠距離モードと近距離モードから選択される読み取りモードを選択的に動作するように構成された処理モジュールと、処理モジュールに結合された指向性アンテナアレイを有する、携帯用/ハンドヘルドデバイスが提供される。指向性アンテナアレイは、電磁(EM)放射を遠距離に放射するように構成された第一のアンテナ要素と、第一のアンテナ要素に結合された第二のアンテナ要素を含む。第二のアンテナ要素は、EM放射を近距離で放射するように構成されている。第二のアンテナ要素は、第一のアンテナ要素から遠距離EM放射を選択的にキャンセルするように構成されたアンテナ変換器を含む。方法はまた、誘導的に結合されたラジオ周波数識別(RFID)タグを読み取るために提供される。

Description

本発明は、一般に多重周波数アンテナに関連し、さらに特別には、ラジオ周波数識別(RFID)のための指向性アンテナアレイに関連する。
Yagi−Udaアンテナは、もともとは、英語で、H. Yagiによって書かれた論文に記述されている(非特許文献1を見よ)。一般にYagiアンテナと呼ばれる、これらの指向性双極子アンテナは、長い間多くの応用に使用されて来た。例えば、Yagiアンテナは、テレビ信号の受信、二地点間の通信、および、他の電子的応用に使用されて来た。
基本的なYagiアンテナは、一般に、ドリブン要素を含み、通常は半波双極子であり、それは、電磁エネルギーのソースから作動され、または、電磁エネルギーのシンクを作動する。アンテナはまた、ドリブン要素と共に整列された、非ドリブンまたは寄生的な要素を含む。これらの非ドリブンまたは寄生的な要素は、一般に、ドリブン要素の一方の側のリフレクタ要素と、ドリブン要素の他方の側の少なくとも一つのディレクター要素を備える(すなわち、ドリブン要素は、リフレクタ要素とディレクター要素の間に置かれる)。ドリブン要素、リフレクタ要素、および、ディレクター要素は、常に、アンテナ軸に沿って、ドリブン要素から、送信または受信方向に伸びる、ディレクター要素または複数の要素と共に、間隔をあけて配置される。ドリブン、リフレクタ、および、ディレクター要素の長さと、これらのアンテナ要素の間の間隔は、アンテナシステムのボアサイト方向に、アンテナシステムの最大有効等方性放射パワー(EIRP)(すなわち、指向性ゲイン)を指定する。
アンテナ設計の最新の傾向は、例えばYagiアンテナを用いて達成可能であるような高度な指向性のアンテナパターンを提供する一方で、低プロフィールのデザイラビリティ(desirability)、モバイルまたは携帯用のユニットに対する多数の形状に従い得る指向性アンテナの構成を反映している。さらに加えて、アンテナ設計の最新の傾向は、表面衝撃のような外力の適用の後で構造的な形と完全な状態を維持するためのアンテナのデザイラビリティを反映する。このようなアンテナ設計は、携帯電話、衛星電話、および、RFIDシステムのラジオ周波数識別(RFID)呼び掛け器のような、自動識別(オートID)システムの非接触呼び掛け器のような、携帯用またはハンドヘルドデバイスに特に望ましい。
RFIDシステムは、様々な周波数範囲の応答を有する異なるタグを含み得る。例えば、いくつかのRFIDタグは、そのようなタグの対応する周波数指示に基づいて、近距離タグまたは遠距離タグとして分類され得る。さらには、RFIDタグは、異なる周波数で動作し得る。RFIDシステムに対する一つの設計考慮は、そのようなタグを読むために使用されるRFIDアンテナは、アンテナのサイズが物理的に大きいとき、一般に、満足な読み取り動作を有するということである。RFIDシステムに対する別の設計考慮は、RFIDアンテナを組み込んだハンドヘルドおよびハンズフリーRFID読み取り器と共に、最小化されたアンテナサイズは一般に、携帯性のために望まれるということである。さらなる関心は、RFIDアンテナの人体の一部への接近は、アンテナの性能を減少させる傾向にあるということである。
したがって、高度な指向性アンテナパターンを有する多重周波数、低いプロフィール、指向性アンテナを提供することは望ましい。さらに、比較的小型のサイズを維持する一方で、近距離および遠距離の要素を有する、多重周波数、指向性アンテナを提供することは望ましい。さらには、ユーザーの近接から低いデチューニング感度を有する携帯用またはハンドヘルドデバイスに対し、そのようなアンテナを提供することは望ましい。さらには、本発明の望ましい特徴と特質が、後に続く詳細な記述と付加される請求項から、添付される図面と前の技術分野と背景に関連して、明らかになる。
H. Yagi, 「Beam Transmission of the Ultra Short Waves」, Proc. IRE. Vol. 16, pp. 715−741, June 1928
(簡単な要旨)
様々な例示的な実施形態にしたがって、ラジオ周波数識別(RFID)のための携帯用/ハンドヘルドデバイスおよび誘導的に結合されたラジオ周波数識別(RFID)タグを読み込む方法が提供される。一つの例示的な実施形態では、携帯用/ハンドヘルドデバイスは、遠距離モードと近距離モードとから選択された読み込みモードに選択的に動作するように構成された処理モジュールと、処理モジュールに結合された指向性アンテナアレイを含む。指向性アンテナアレイは、電磁(EM)放射を遠距離で放射するように構成された第一のアンテナ要素と、第一のアンテナ要素と結合した第二のアンテナ要素を含む。第二のアンテナ要素は、EM放射を近距離で放射するように構成され、第一のアンテナ要素から選択的に遠距離EM放射をキャンセルするように構成されているアンテナ変換器を含む。
第二の例示的な実施形態では、RFIDタグのために周波数帯をスキャンし、スキャンされた周波数帯に基づく読み取りモード周波数帯を選択するように構成されたプロセッサーと、プロセッサーに結合したスイッチと、プロセッサーに結合した第一のアンテナ要素と、第一のアンテナ要素と結合した第二のアンテナ要素とを有する、多重周波数ラジオ周波数識別(RFID)デバイスが提供される。スイッチは、少なくとも一つの読み取りモード周波数帯を選択するように構成されている。第一のアンテナ要素は、電磁(EM)放射を遠距離で放射するように構成されている。第二のアンテナ要素は、EM放射を近距離で放射するように構成され、第一のアンテナ要素から選択的に遠距離EM放射をキャンセルするように構成されているアンテナ変換器を含む。第一のアンテナ要素と第二のアンテナ要素との一つは、さらに、少なくとも一つの読み取りモード周波数帯に共鳴するように構成されている。
第三の例示的な実施形態では、RFIDタグを検出するために少なくとも一つの周波数帯をスキャンするステップと、検出されたRFIDタグに基づいて近距離EM場と遠距離EM場との少なくとも一つの電磁(EM)場を選択的に放射するステップとを有する、誘導的に結合されたラジオ周波数識別(RFID)タグを読み取ることの方法がまた、提供される。
(詳細な説明)
以下の詳細な説明は本質的には単に例示的であり、本発明または本発明の応用および使用を制限することは意図されていない。さらには、前の技術分野、背景技術、課題を解決するための手段、または、以下の詳細な説明に表される、表現された、または、含蓄された理論によって縛られるという意図は存在しない。
図1を参照すると、本発明の例示的な実施形態にしたがって、指向性アンテナアレイ100の平面図が提供されている。一般に、指向性アンテナアレイ100は、ドリブン要素102および少なくとも一つの寄生的な要素またはディレクター要素104を含み、一つの例示的な実施形態においては、ディレクター要素104に加えて、第二の寄生的な要素またはリフレクタ要素106を含み得る。ドリブン要素102に加えて、二つの寄生的な要素(すなわち、ディレクター要素104とリフレクタ要素106と)のみが図1に示されているが、任意の個数の寄生的な要素が、本発明の例示的な実施形態にしたがって提供され得る。例えば、指向性アンテナアレイ200が、四つのさらなる寄生的な要素(202,204,206,208)と、図2で示されていて、それら四つのさらなる寄生的な要素は、図1に示すように、ディレクター要素104とリフレクタ要素106とに加えて、一つ以上の追加のディレクターまたはリフレクタ要素となり得る。他の例示的な実施形態の例は、ドリブン要素とリフレクタ要素と、ドリブン要素とディレクター要素と、ドリブン要素とマルチプルリフレクタと、ドリブン要素とマルチプルディレクターと、および、一つ以上のディレクター要素とリフレクタ要素との組み合わせを伴うドリブン要素、を有する指向性アンテナアレイ100を含むが、しかし、それに制限されない。さらに加えて、これらの一つ以上の追加のディレクターまたはリフレクタ要素は、第三のリフレクタの上に位置する第一のリフレクタと、第三のリフレクタの下に位置する第二のリフレクタとを有する三角形リフレクタシステムのような、平面内の要素、または、平面外の要素になり得る。
図1の参照を続けると、ドリブン要素102は、一つの例示的な実施形態でのセンターフェド半波双極子アンテナと等価になり得る。ドリブン要素102がディレクター要素104とリフレクタ要素106の間に置かれるように、ディレクター要素104はドリブン要素102の一方の側に位置しブーム108に接続されていて、リフレクタ要素106はディレクター要素102の他方の側に位置し別のブーム110に接続されている。さらには、ディレクター要素102とリフレクタ要素106は、ドリブン要素102に関しては、少なくとも実質的には平行な関係に位置され得、好適には、ドリブン要素102に関しては平行な関係に位置し得る。
この例示的な実施形態では、指向性アンテナアレイ100はYagiアンテナである。したがって、当業者に公知のように、指向性アンテナアレイ100の設計は、ドリブン要素102、ディレクター要素104、および/または、リフレクタ要素106のパラメータの選択、および、そのような要素が存在すれば、指向性アンテナアレイ100の追加の寄生的な要素の他のパラメータを含む。例えば、指向性アンテナアレイの設計は、要素間の間隔(例えば、ドリブン要素102とディレクター要素104との間の間隔(Sdir1)112、および、ドリブン要素102とリフレクタ要素106との間の間隔(Sref)114)、要素長さ(例えば、ドリブン要素長さ(Ldri)116、ディレクター要素長さ(Ldir1)118、および、リフレクタ要素長さ(Lref)120)、ここで使用されるように、要素の直径を含む要素幅、(例えば、ドリブン要素幅(Wdri)122、ディレクター要素幅(Wdir1)124、および、リフレクタ要素幅(Wref)126)の選択を含み得る。しかしながら、他のパラメータおよび追加のアンテナの構造のパラメータは、当業者に公知の技術(例えば、ブーム幅(Wb1)128,(Wb2)130)にしたがって、指向性アンテナアレイ100において使用され得る。
要素の形(すなわち、円形、正方形、三角形、五角形、六角形、など)、ドリブン要素長さ(Ldri)116、リフレクタ要素長さ(Lref)120、ディレクター要素長さ(Ldir)118、ディレクター要素間隔(Sdir1)112、および、リフレクタ要素間隔(Sref)114は、当業者に公知の技術にしたがって、要素の電気的共鳴周波数にしたがって選択される。例えば、指向性アンテナアレイ100のパラメータは、ディレクター要素104の共鳴の電気的周波数が好適にも自由空間波長よりも大きくて、リフレクタ要素106の共鳴の電気的周波数が自由空間波長よりも小さいように、選択される。
当業者に公知のように、本発明の例示的な実施形態にしたがって、自由空間の波長への幅の関係と共に指向性アンテナアレイ(すなわち、Yagiアンテナ)に対して、任意の設計バリエーションが存在する。例えば、およそ902メガヘルツ(902MHz)から約928メガヘルツ(928MHz)の周波数範囲に対しての、例示的なブーム幅(Wb1)128、ドリブン要素102、ディレクター要素104、および、リフレクタ要素106の長さと間隔は、表1に提供される。
Figure 2008515102
ただし、%Width、%Spacing、および、%Lengthは、自由空間波長のパーセンテージであり、ディレクター間隔はドリブン要素102とディレクター要素104との間の間隔(Sdir1)112であり、リフレクタ間隔はドリブン要素102とリフレクタ要素106との間の間隔(Sref)114である。
本発明の例示的な実施形態にしたがうと、表1に示された説明的な例、および、本発明にしたがって設計された他の指向性アンテナアレイは、好適には、指向性アンテナアレイ100の動作周波数における、およそ皮一枚分の深さよりも大きな厚さを有するモノリシック(monolithic)な材料から形成される。モノリシックな材料は、スプリングスチール、ベリリウム銅、ステンレススチール、および、それらの組み合わせなどのように、任意の個数の材料であり得、モノリシックな材料は、好適には約0.1×10−6オームメートルより大きい抵抗率を有し得、好適には0.2×10−6オームメートルより大きい抵抗率、さらに好適には0.4×10−6オームメートルより大きく、もっとさらに好適には0.8×10−6オームメートルより大きく、そして最も好適には1.0×10−6オームメートルと2.0×10−6オームメートルより大きい。例えば、表1に説明的に表示された寸法の指向性アンテナアレイは、厚さ1/16インチFR−10 P.C.ボード(PCB)と、PCBの少なくとも一つの側に形成された0.002インチ銅テープで形成される。
追加のアンテナは、指向性アンテナアレイ100で統合され得る。一つの例示的な実施形態では、13.56MHzまたは135kHzのようなより低い周波数で有効な、フェライトアンテナ134が、ディレクター要素104の中央付近で設置されるかまたは結合される。フェライトアンテナ134は、カプタンテープ、または、他の電気的絶縁材料のシートなどで、絶縁され、ブーム108に沿っての同軸ケーブルに結合される。一つの例示的な実施形態では、フェライトアンテナ134は、フェライトアンテナ134の主要な軸が、図1に最良に示されるように、ディレクター要素104の最長の寸法と実質的に平行になるように、向けられる。
立体交差のネットワーク(図示されていない)が、フェライトアンテナ134に取り付けられ、単一の同軸ケーブルが指向性アンテナアレイ100をフィードする。例えば、立体交差のネットワークの一つの出力がYagiアンテナを(例えば、約915MHzで)フィードし得、立体交差のネットワークの別の出力がフェライトアンテナを(例えば、約13.56MHzまたは約135kHzで)フィードし得る。同軸ケーブルが様々なアンテナ要素または構成要素を結合させるために使用されうるのだが、ストリップライン、マイクロストリップ、ツインリード、平板ライン、トリアキシアル、コプラナーウェーブガイド、ウェーブガイド(例えば、長方形、正方形、卵型、円形、など)、フィンライン、トラフラインを含むが、それに制限されない、様々な異なるRF伝送ラインタイプが使用され得る。
一つのフェライトアンテナ要素134が、前の例示的な実施形態に記述されているが、フェライトアンテナ要素のアレイもまた構成される。例えば、マルチプルフェライトロッドはドリブン要素102とリフレクタ106の近くに、「エンドファイヤ」アレイとして配置され得る。一つの例示的な実施形態では、指向性アンテナアレイ100の垂直寸法における任意の増加を最小化させる一方で、915MHzフェライトアンテナ要素の「エンドファイヤ」アレイは、垂直の分極を提供するのに適している。
別の例示的な実施形態では、以下に詳細が記述されているように、スロットアンテナは、指向性アンテナアレイ100と統合され得る。例えば、縦のスロットまたは2.45GHzまたは5.6GHZに応答するスロットのアレイは、指向性アンテナアレイ100の、ディレクター要素104またはブーム108、または、他の要素102,106のどれかで、形成され得る。この例示的な実施形態では、スロットアンテナ要素またはスロットアンテナ要素のアレイは、Yagiアンテナのブーム108、または、Yagiアンテナの要素に沿って通る別々の同軸ケーブルに、要素へ別々の伝送ラインで、または立体交差のネットワークへ結合して、結合し得る。2.45GHzまたは5.6GHzで動作する、マルチプルスロッテッド要素は、アンテナ指向性を増大させるため、または、そのような周波数の放射信号の電気的なビームを向けるために、使用され得る。
2.45GHzおよび5.6GHzの放射要素が、Yagiアンテナのスロットラジエーターとしてここに記述されるが、例えばシート金属の様々な位置で、そのような周波数で有効な放射要素の他のタイプが使用され得る。例えば、単極子、双極子、折りたたまれた双極子、半分折りたたまれた双極子、プリント回路パッチアンテナ、プリンテッドインバーテッド「F」アンテナ(PIFA)、および、Yagiシート金属に適用され得るようなものである。さらには、Yagiアンテナは他の材料から、シート金属からは別にして、他の構成から形成され得る。例えば、金属チューブ(例えば、円形、正方形、三角形、など)、プラスチック、または、金属をコーティングしてある他の繊維質の材料(例えば、RF「スキン効果」は硬い外観を生成する)などである。Yagi要素は、ループ、三角形、正方形、または、そのようなものとして構成され得る。例えば、「ループ」Yagi要素の電子的性能は、伝統的な双極子タイプYagi要素と実質的に似ている。代わりの要素構成は、機械的強さ、および、水滴(例えば、雨)のデチューニングに対する免疫性などのような、非電子的な性能の考慮から選択され得る。後者の場合、水滴はループの下の中央に落ちる傾向があり、水滴からの加えられたキャパシタンスは、一般に要素をデチューニングしない。
スロットアンテナの物理的大きさは、当業者によって認識され得るように、誘電性の負荷または磁気的負荷を使用することで、最小化され得る。スロットアンテナは、ディレクター要素の対応する長さと同様に、縦のスロットの長さに、幾分基づく所望の周波数範囲に反応するように構成し得る。その代わりに、スロットアンテナに結合された、LC(インダクタンス−キャパシタンス)マッチングネットワークは、アンテナで、または、フィードラインを通じて、動作の周波数で、共鳴を供給し得る。
打ち抜かれた、レーザーカットされた、ウォータージェットカットされた、エッチングされた、または、モノリシックな材料から他の方法で形成された、指向性アンテナアレイ100を伴って、ドリブン要素102は、非平面の折りたたまれた構成で形成され得る。例えば、ドリブン要素102の末端の終端(302,304)は、図3に示される非平面の折りたたまれた構成300を形成するために、ブーム108に対して約90°の角度を提供するように、折り曲げられる。その代わりに、そして例だけで、別の非平面構成400が、ドリブン要素102の末端の終端(302,304)を、図4に示されるように、その終端が実質的に隣接し好適にも直接にブーム108の下にされるか、図4の楕円形以外の任意の個数の他の形(円、正方形、三角形、など)に折り曲げられるまで、折り曲げ続けることによって形成される。さらには、ディレクター要素102および/またはリフレクタ要素104は、図3に示されるドリブン要素と同様のまたは同じ方法で、図4に示されるドリブン要素と同様でない異なる方法で、または、特別なアンテナ特徴またはアンテナ美学を提供する他の方法で、折り曲げられ得る。
別の例示的な実施形態では、指向性アンテナアレイ100の要素(すなわち、ドリブン要素102、ディレクター要素104、および、リフレクタ要素106)は、プリントコイル構造から構成され得る。この例示的な実施形態では、境界線の寸法のような、外の寸法、および、プリントコイル構造の長さの寸法は、約915MHzで共鳴するように構成され得、プリントコイル構造自身は約13.56MHzで共鳴するように構成され得る。
ドリブン要素102が半分折り曲げられた双極子構成で示されているが、ドリブン要素は、例えば、双極子、折りたたまれた双極子、T整合双極子、ガンマ整合双極子、デルタ整合双極子、など、様々な構成を取り得る。当業者に認識されるように、相互要素(inter−element)結合係数または要素間隔は、要素のチューニングを変化させることなしに変化され得、アンテナは様々な形を取り得る。例えば、ブームの広い範囲は、一般に、近くの要素間の結合係数を減少させる結果をもたらす。
図1を参照すると、ドリブン要素102は、電磁場エネルギーのソース(図示されていない)に結合され、および/または、電磁場エネルギーのシンク(図示されていない)に結合される。本発明の指向性アンテナアレイ100は本質的に平衡アンテナであって、指向性アンテナアレイ100は好適には、バランまたはバランニング構造500を使用して、非平衡コネクター(例えば、同軸伝達ライン(図示されていない))へ、電磁場エネルギーのソースおよび/またはシンクに結合される。バラン構造500は、好適には、インピーダンス整合ラジオ周波数(RF)エネルギーが、同軸伝達ラインの外側へRFエネルギーを導入することなしに、同軸伝達ライン内で、どちらかの方向へ流れるように、構成される。認識され得るように、同軸伝達ラインの外側のRFエネルギー流れは、本質的に、不経済で、一般に指向性アンテナアレイの指向性のパターンをゆがめ、したがって、ボアサイトゲインの最大値を減少させる。
図5を参照すると、ドリブン要素102の拡大された図が示され、それは、本発明の例示的な実施形態にしたがう、バラン構造500の例示的な実施形態を表している。バラン構造500は、この詳細な説明に前に記述されたように、モノリシックな材料から形成され、双極子構造502と二つのフィードポイント(すなわち、第一フィードポイント504と第二フィードポイント506と)を含み、二つのフィードポイントは非平衡なコネクターを受け取るために構成され、非平衡なコネクターはこの例では同軸伝達ラインである。さらに加えて、バラン構造は、図1に示されるように、ドリブン要素102の第一幅(Wdri)122とドリブン要素102の第二幅(Wdri2)132との間の差をまた含み得、それは、同軸伝達ラインの外のコンダクターに別な方法で現れるRFエネルギーの無効に伴って援助するために調整され得る電気的なオフセットを生成する。例えば、第一幅(Wdri)122は、ドリブン要素102の第二幅(Wdri2)132より大きい。しかしながら、非平衡コネクター構成の任意の個数は、本発明にしたがって使用され得る。
続けて図5を参照すると、第一フィードポイント506は、双極子構造502から延びており、同軸伝達ラインの中心コンダクターを受け取る(すなわち、同軸伝達ラインの中心コンダクターは第一フィードポイント506に接続されている)。第二フィードポイント504は、リフレクタ要素106から延びており、同軸伝達ラインの外のコンダクターを受け取る(すなわち、同軸伝達ラインの外のコンダクターは第二フィードポイント504に接続されている)。しかしながら、第一フィードポイント506と第二フィードポイント504は、指向性アンテナアレイの他の場所に存在し得る。
双極子構造502は、指向性アンテナアレイの中心ライン508(すなわち、中心から外れた)をバイアスされ、双極子構造502は、先細りにさせられる半分の折りたたまれた双極子で、それは、ドリブン要素102へRFエネルギーをフィードする。半分の折り畳まれた双極子をテーパ(taper)することは、いくつかの目的に役に立つ。上記目的は、同軸伝達ラインの中心に対する取り付けポイントの近傍において、シャントキャパシタを統合すると共に、ブロードバンドがテーパされたインピーダンスマッチングをドリブン要素102に提供することを含むが、それには限定されない。このことは、多くの望ましい特徴を提供し、その中には、制限されることなく、動作の広いバンド幅上で電圧静置波率(VSWR)を有意に下げることが含まれる。
バラン構造500の中心から外れた取り付けは、以下の方法で受信された信号を伝送するように構成され、アンテナ相互関係の原理が、信号受信の間、原理の等しい確実性を指摘する。指向性アンテナアレイが電磁信号を伝送している時間の間、同軸伝達ラインの中央コンダクターによって発生させられた正の電流は、第二フィードポイント504で指向性アンテナアレイに発生させられる実質的に等しい強度の電流を正常に引き起こす。しかしながら、バラン構造500の補正的な活動なしで、RFエネルギーは一般に、同軸伝達ライン外部コンダクターに発生させられる。ドリブン要素102が約10の回路Qと動作している際、それは、巡回しているRFエネルギーが、伝達ラインによって供給されているそれよりも約10倍大きいことを意味するのだが、中心から外れたフィードポイント(504,506)は、同軸伝達ラインの外部コンダクターに発生させられる少量の逆位相巡回RFエネルギーを引き起こす。
フィードポイント(504,506)の位置的なまたは電気的なオフセットが適切に確立されるとき、複合RFエネルギーのキャンセルは、同軸伝達ラインの外部コンダクターに発生する結果となる。二つのフィードポイント(504,506)によって提供される電気的オフセットの微細な調整は、指向性アンテナアレイの他の要素の共鳴周波数を変更することなしに、一方の側の長さの調整と他の側に伝導性テープの一片を設置することで、図5に示されるように、ドリブン要素102および/またはリフレクタ要素106の電気的位置をオフセットするなどの、いくつもの技術を使って、達成される。代わりに、これらの要素の左と右側の相対的幅が適宜調整され得る。電気的なオフセット手続きが完了して、バラン構造500は、最小のRF電流が外側のコンダクターで感知され得るとき、実質的な平衡に達する。
バラン構造500、この詳細な説明の前に記述された指向性アンテナアレイの要素幅および/またはモノリシックな性質は、多くの望ましい特徴を提供する。例えば、本発明の指向性アンテナアレイは、低いプロフィールを有し、任意の個数の形に従い得る。さらには、本発明の指向性アンテナアレイは、構造的な形と完全な状態とを維持し得、外力の適用後の構造的な形と完全な状態との維持を含む。
図6は、本発明の第一の例示的な実施形態にしたがう、エラストマーカバーを付けた図3の指向性アンテナアレイである。構造的な形と完全な状態とを維持するために、指向性アンテナの能力を改善するために、外力の適用後の構造的な形と完全な状態との維持を含む、指向性アンテナアレイ600の部分と、さらに好適には、指向性アンテナアレイ600の実体のある部分、または実質的に全部、または全部が、図6に最良に示されるように、エラストマー602で覆われる。指向性アンテナアレイ600は、少なくともエラストマー602の構造的支持の部分を提供するように構成され得、図7に示されるように、開口部702が、指向性アンテナアレイ700の、一つの、いくつかの、または、全部の要素に形成され得る。このことは、表面の衝撃から打ち克つために、指向性アンテナアレイ700の能力を増加させ、それは、多数の環境と応用について有益である。例えば、このプロフィールの低い頑丈な指向性アンテナアレイは、多くの電気的応用に有益で、セルラー電話、衛星電話、および、自動認識(オートID)システムの非接触呼び掛け器、RFIDシステムのRFID呼び掛け器、のような、携帯用またはハンドヘルドデバイスを含む。
第一の例示的な実施形態では、指向性アンテナアレイ600は、誘導的に結合されたRFIDタグ(例えば125kHzおよび13.56MHz)を読むために使用され得る、近距離アンテナ612を含む。近距離アンテナは、エラストマー602と合同した、図1に示されるディレクター要素104のような、寄生的な要素に位置する、伝導性電流ループ(604,606)を含む。伝導性電流ループ(604,606)はまた、寄生的な要素104に形成される他の基板に設置され得る。この例示的な実施形態では、伝導性電流ループ(604,606)はローブ(608,610)の対に設置され、ローブ(608,610)は、エラストマー602と、伝導性電流ループ(604,606)のそれぞれが対応するローブ(608,610)に存する指向性アンテナアレイ600によって形成される。ローブ(608,610)は、図6に図示される幅のように、それぞれ、寄生的な要素の最長の寸法の反対側の終端に配置される。この例示的な実施形態では、遠距離電磁場を取り消す一方で、伝導性電流ループ(604,606)は、近距離電磁場を最大化するために配置される。伝導性電流ループ(604,606)は、遠距離放射強度を最小化するために構成され、より強い近距離パターンを許す。例えば、強い近距離を維持する一方で、遠距離のキャンセルが、伝導性電流ループ(604,606)において逆の極性の電流を生成することによって達成され得る。
先に上で述べたように、13.56MHzまたは135kHzなどのより低い周波数で有効なフェライトアンテナ614や、図1に示されるフェライトアンテナ134は、指向性アンテナアレイ600と統合され得る。例えば、フェライトアンテナ614は、ディレクター要素の中央近く、この例示的な実施形態では、伝導性電流ループ(604,606)の間に、設置され得る。
図8を参照すると、本発明の第一の例示的な実施形態にしたがう、携帯用/ハンドヘルドデバイス800が図示されている。この説明的な例では、RFIDシステムのRFID呼び掛け器である、携帯用/ハンドヘルドデバイス800は、この詳細な説明の前に記述されたように、指向性アンテナアレイ802の一つ以上の実施形態にしたがって、処理モジュール804(例えば、当業者に公知の任意の構成を有するRFID処理モジュール)と指向性アンテナアレイ802を含む。しかしながら、当業者によって認識され得るように、本発明にしたがって他の電子システムの携帯用/ハンドヘルドデバイスが形成され得、または、本発明にしたがって非携帯用非ハンドヘルドデバイスが形成され得る。
第一の例示的な実施形態では、指向性アンテナアレイ802は、915MHz付近で動作することが前に議論されているYagiタイプのような、遠距離アンテナ816を有する。指向性アンテナアレイ802は、図1に示されるディレクター要素104のような、図6に示されるローブ(608,610)と同じようなローブ(810,812)を有する、寄生的な要素を含むように構成されている。近距離アンテナ814は、上で前に議論したようにエラストマーを通すなどして、遠距離アンテナ816と結合している。一つの実施形態では、近距離アンテナ814は、図6に示される伝導性電流ループ(604,606)のように、ローブ(810,812)の境界線付近に設置された、伝導性電流ループ(806,808)を有する。
伝導性電流ループ(806,808)は、約125kHzおよび約13.56MHz、または、他の望ましい周波数帯で、対応する周波数で誘導的に結合したタグを読むために、共鳴する。さらなるアンテナ要素(図示されていない)は、遠距離アンテナ要素のように、指向性アンテナアレイ802に付加され得る。例えば、2.45GHzと5.6GHzの折りたたまれた双極子は、915MHz遠距離アンテナのように、同じ基板に共に設置され得る。ここで特別に詳しく述べないが、当業者は、他の周波数帯は、特別なRFIDタグに対して指定された周波数に基づく識別に使用され得ることを、認識する。指向性アンテナアレイの様々なアンテナ要素が、折りたたまれた双極子要素の文脈で記述されているが、スロットアンテナタイプ要素、非折りたたみ双極子要素、プリント回路パッチアンテナ要素、単極子アンテナ要素、および、それらと似た様なものを含むがそれらには限定されないその他のタイプの放射要素が使用され得る。
別の例示的な実施形態では、図1に示されるフェライトアンテナ134のように、フェライトアンテナ818は、伝導性電流ループ(806,808)の間の中央領域で近距離アンテナ814に取り付けられる。フェライトアンテナ818は、指向性アンテナアレイ802のブーム108(図1)に沿って通される同軸ケーブル(図示されていない)によってフィードされ得る。上で前に述べられたように、立体交差ネットワークの一つの出力がYagiアンテナを(例えば、約915MHzで)フィードし、立体交差ネットワークの別の出力がフェライトアンテナを(例えば、約13.56MHzまたは約135kHzで)フィードするように、単一の同軸ケーブルが指向性アンテナアレイ802をフィードし得るように、立体交差ネットワーク(図示されたいない)はフェライトアンテナ818と共に取り付けられ得る。
伝導性電流ループ(604,606)は、電流、または、電源(図示されていない)、または、携帯用/ハンドヘルドデバイス800に入れられ得る、前に議論された電磁場源と結合させられる。動作周波数の望みの放射レベルに対して、125kHzのように、伝導性電流ループは、最大のB場に基づいて設計され得る。磁場誘導のビオ−サバールの法則から、以下のアンペア−回転を伴う、伝導性電流ループまたはコイルは、ループの中央に望みの最大場の強さを生成する。
Figure 2008515102
ただし、Nはループの回転数、Iは電流、aはループの半径、Bは磁場の強さ、μは空間の透磁率である。
電源は、固定電圧ドライブまたは定電流ドライブであり得る。固定電圧ドライブの実施形態では、直列共鳴RLC回路は、抵抗値R、インダクタンスL、キャパシタンスCを有する送信機ネットワークに対して、使用され得る。固定電圧ドライブは、一般に、共鳴周波数の最大電流と、動作周波数帯の外側の抑えられた偽の高調波を手渡すのに有効である。固定電圧ドライブ実施形態を使用することで、送信機ネットワークは、RFIDタグのように、受信ネットワークの共鳴周波数に調整できる。
定電流ドライブの実施形態に対しては、直列RLC回路はまた、上で前に議論したように固定電圧ドライブの実施形態に関して、送信機ネットワークのために使用される。定電流ドライブは一般に、場の生成に逆らう傾向のある誘導されたバック電磁場(EMF)効果にもかかわらず、一定の結果としてなる場の強さを維持する。定電流ドライブ実施形態と共に、最大パワー移動は、一般に、送信機ネットワークと受信機ネットワークとの間の結合にかまわず、維持される。
プロセッサーモジュール804は、独立したRFIDタグに関連して、特別な周波数帯を決定する。プロセッサーモジュール804は、近距離アンテナ814、遠距離アンテナ、および、追加のアンテナ要素のそれぞれから、RFIDタグに対する周波数帯を決定するための特別な構成に含まれる場合、EM放射を制御し得る。例えば、プロセッサーモジュール804は、RFIDタグまたはそれの検出からの応答に対して、周波数帯(例えば、125kHz,13.56MHz,915MHz,2.45GHz、および、5.6GHz)のそれぞれを調査するために、一つ以上の近距離アンテナ要素と遠距離アンテナ要素とに動作する。一度、RFIDタグから応答が検出されたなら、プロセッサーモジュール804は、適切な周波数帯に携帯用/ハンドヘルドデバイス800の調子を合わせる。
一つの例示的な実施形態では、独立したRFIDタグと共に伝導性電流ループ(604,606)の共鳴周波数を整合させるために、伝導性電流ループ(604,606)に結合された送信機ネットワークのチューニングは、ベラクター(veractor)または同様の電圧または、一連の共鳴キャパシタCと平行に置かれた電流制御キャパシタ要素を使用して達成され得る。精密なチューニングのための調整可能キャパシタと粗いチューニングのための高品質キャパシタのネットワークの組み合わせもまた、利用される。チューニングの一つの例では、プロセッサーモジュール804は、駆動周波数と、ベラクターなどと結合した任意のキャパシタンスを含む一連のRLC回路の全キャパシタンスとの両方を変化させることによって、新しい共鳴周波数を設定する。キャパシタ電圧に基づいて、プロセッサーモジュール804は、送信機と受信機との回路が最大限に結合したとき、周波数を変化させる一連の共鳴のために、適切なベラクター設定(すなわち、キャパシタンス)を決定し得る。プロセッサーモジュール804はまた、望ましい場の強さを維持するために、伝導性電流ループ(604,606)へ、電流を規制し得る。
別の例示的な実施形態では、プロセッサーモジュール804は、ユーザーに一つ以上の動作のための周波数帯を選択することを許可する、選択スイッチなどの、ユーザー入力デバイス(図示されていない)に結合される。例えば、ユーザーは、携帯用/ハンドヘルドデバイス800の動作のために、125kHzと915MHzの周波数帯を選択し得る。この例では、プロセッサーモジュール804は、一つ以上の近距離アンテナ814、遠距離アンテナ、および、もし含まれるなら、追加的なアンテナ要素からのEM放射を制御し、RFIDタグからの応答に対し、125kHz帯および915MHz帯の各々をポーリング(poll)する。他の周波数帯と同様に,前述の様々な周波数帯の任意の組み合わせは、ユーザーによって選択され得る。
図9は、本発明の第二の例示的な実施形態にしたがって、エラストマーカバー852を伴う指向性アンテナアレイ850である。指向性アンテナアレイ850の部分、および、さらに好適には、指向性アンテナアレイ850の実体のある部分、または、実質的に全て、または、全ては、エラストマー852で覆われている。指向性アンテナアレイ850は、少なくともエラストマー852の構造的支持の部分を提供するように構成され得る。この第二の例示的な実施形態では、指向性アンテナアレイ850は、誘導的に結合したRFIDタグ(例えば、125kHzと13.56MHz)を読むために使用され得る、近距離アンテナ854を含む。近距離アンテナ854は、エラストマー852と組み込まれた、寄生的な要素と設置された、図1に示されるディレクター要素104のような、伝導性電流ループ856を含む。伝導性電流ループ856は、寄生的な要素104について形成される他の基板にもまた、設置される。この例示的な実施形態では、伝導性電流ループ856は、図9に図示されている幅のように、ディレクター要素の境界線付近に設置され、ディレクター要素の最長の寸法を取り囲む。この例示的な実施形態では、伝導性電流ループ856は、より強い近距離電磁場を生成するように設置される。
この例示的な実施形態では、2.45GHzまたは5.6GHzに応答する穴を開けられたアンテナ820は、指向性アンテナアレイ850に形成される。縦の穴820、または穴のアレイは、ブームの領域に形成され得、ブームまたは他のアンテナ要素に沿って通される一つ以上の分離された同軸ケーブル(図示されていない)によってフィードされる。これは、上で前に議論されたように、立体交差ネットワーク(図示されていない)と結合されるか、一つ以上の同軸ケーブルに分離されてフィードされるかである。
図10は、本発明の第二の例示的な実施形態にしたがって、図9の指向性アンテナアレイを有する携帯用/ハンドヘルドデバイスである。この第二の例示的な実施形態では、携帯用/ハンドヘルドデバイス860は図8に示される携帯用/ハンドヘルドデバイス800と同様であり、処理モジュール862と指向性アンテナアレイ864を有するRFIDシステムのRFID呼び掛け器でもある。
指向性アンテナアレイ864は、約915MHzで動作する上で前に議論されたYagiタイプのような、遠距離アンテナ866を有する。指向性アンテナアレイ864は、図1に示されるディレクター要素104のような、寄生的な要素を含むように構成される。近距離アンテナ868は、遠距離アンテナ866に、上で前に議論されたように例えばエラストマーを通じて、結合される。一つの実施形態では、近距離アンテナ868は、伝導性電流ループ870を、ディレクター要素104の境界線付近に設置された、図6に示される伝導性電流ループ856のように、含む。伝導性電流ループ870は、約125kHzと約13.56MHz、または、他の望ましい周波数帯で、対応する周波数で誘導的に結合されたタグを読むために、共鳴する。
追加のアンテナ要素が、指向性アンテナアレイ864に、上で前に述べたように、遠距離アンテナ要素のように、付加され得る。例えば、穴の開いたアンテナ822は、図9で示された穴の開いたアンテナ820のように、指向性アンテナアレイ864に形成される。穴の開いたアンテナ820は、穴の開いたアンテナ820の長さに基づく2.45GHzまたは5.6GHzに応答するように構成され得る。
別の例示的な実施形態では、アレイのような、2.45GHzおよび5.6GHzに応答するようにされた、多重放射要素が、指向性アンテナアレイに取り付けられる。そのような放射要素のアレイは、寄生的に駆動、部分的に全駆動、ほとんど全駆動、または、2.45GHzおよび5.6GHz周波数のそれぞれで全駆動、または、そのような周波数の多重の集合で、構成され得る。この例示的な実施形態は、増加された指向性、有効放射パワー(ERP)、および、対応するRFIDタグ読み込み範囲によって、アンテナゲインの増加を提供し得る。
さらには、このような多重放射要素は、電気的に操縦可能であるように構成され得る。この例示的な実施形態では、処理モジュール862は、ERPが望ましい方向に最大化され、望まない方向に最小化され得るように、多重放射要素から放射ビームを向けるように構成され得る。例えば、放射ビームは、呼び掛け器の間の干渉を最小化するように、処理モジュール862によって、隣接する呼び掛け器から、向けられ得る。この特徴は、多くのドッキングポータルが同時に呼び掛け器を動作する、大きな分布中心で特に役立つ。放射要素の他のアレイの例は、制限されることなく、動作の多重周波数のために使用され得る異なるサイズの穴のアレイ、および、増加された指向性のために集合的に使用され得る同様のサイズの穴のアレイを含む。
図11は、本発明の例示的な実施形態にしたがって、誘導的に結合されたRFIDタグを読む方法の流れ図である。方法は、ステップ100から始まる。ステップ105で、処理モジュール804(図8)は、RFIDタグを検出するために、少なくとも一つの周波数帯をスキャンする。上で前に議論されたように、送信機と受信機回路(例えば、RFIDタグ)が最大限に結合されるとき、処理モジュール804(図8)は、周波数を変化させることの一連の共鳴のために、適切なベラクター設定(すなわち、キャパシタンス)を決定する。一つの例示的な実施形態では、処理モジュール804(図8)は、制限されることなく、915MHz,125kHz,13.56MHz,2.45GHz、および、5.6GHzを含む、前に述べられた近距離と遠距離のEM場から選択された周波数帯に対してスキャンする。
ステップ110で、処理モジュール804(図8)は、検出されたRFIDタグに基づく近距離EM場および遠距離EM場の少なくとも一つのEM場を選択的に放射するために、一つ以上の近距離および遠距離アンテナ要素を動作する。例えば、処理モジュール804(図8)は、図8に示される遠距離アンテナ816のような、915MHz遠距離アンテナ要素、および、図8に示される近距離アンテナ814のような、125kHz近距離アンテナ要素に動作し得る。一つの例示的な実施形態では、図8に示される伝導性電流ループ806,808を有する近距離アンテナ814のような、近距離要素は、図8に示される遠距離アンテナ816のような、遠距離要素から、遠距離取り消しを達成する、または、遠距離EM放射を最小化する、近距離EM放射を最大化するために動作され得る。
少なくとも一つの例示的な実施形態が前の詳細な説明で示されているが、非常に多くの数のバリエーションが存在することは認識されるべきである。一つの例示的な実施形態または複数の例示的な実施形態は、単に例であって、本発明の範囲、適応性、または、構成を、いかなる方法でも制限することを意図していないことは、認識されるべきである。むしろ、前の詳細な説明は、当業者に、一つの例示的な実施形態または複数の例示的な実施形態をインプリメントするための、便利なロードマップを提供する。添付の請求項と法律上の均等物とに述べられているような、本発明の範囲から外れることなく、様々な変更が、要素の機能と配列になされ得ることが、理解されるべきである。
本発明が以下の図面に関連して記述され、同じ番号は同じ要素を示す。
図1は、本発明の例示的な実施形態にしたがう、指向性アンテナアレイの平面図である。 図2は、図1に図示される寄生的な要素を加えた、寄生的な要素を伴う指向性アンテナアレイの平面図である。 図3は、本発明の例示的な実施形態にしたがう、図1の指向性アンテナアレイの非平面折りたたみ構成の第一の例である。 図4は、本発明の例示的な実施形態にしたがう、図1の指向性アンテナアレイの非平面折りたたみ構成の第二の例である。 図5は、本発明の例示的な実施形態にしたがう、図1の指向性アンテナアレイのバラン構造である。 図6は、本発明の第一の例示的な実施形態にしたがう、エラストマーカバーを伴った図3の指向性アンテナアレイである。 図7は、穴を伴った図1の指向性アンテナアレイである。 図8は、本発明の第一の例示的な実施形態にしたがう、図6の指向性アンテナアレイを有する携帯用/ハンドヘルドデバイスである。 図9は、本発明の第二の例示的な実施形態にしたがう、エラストマーカバーを伴った指向性アンテナアレイである。 図10は、本発明の第二の例示的な実施形態にしたがう、図9の指向性アンテナアレイを有する携帯用/ハンドヘルドデバイスである。 図11は、本発明の例示的な実施形態にしたがう、誘導的に結合されたラジオ周波数識別タグを読み取ることの方法の流れ図である。

Claims (34)

  1. 携帯用/ハンドヘルドデバイスであって、
    遠距離モードと近距離モードとから選択された読取りモードを選択的に動作するように構成された処理モジュールと、
    該処理モジュールと結合した指向性アンテナアレイと
    を備え、該指向性アンテナアレイが、
    遠距離に電磁(EM)放射を放射するように構成された第一のアンテナ要素と、
    該第一のアンテナ要素と結合した第二のアンテナ要素であって、該第二のアンテナ要素は、近距離に該EM放射を放射するように構成され、該第二のアンテナ要素は、該第一のアンテナ要素から、選択的に遠距離のEM放射をキャンセルするように構成されたアンテナ変換器を備える、第二のアンテナ要素と
    を備える、携帯用/ハンドヘルドデバイス。
  2. 前記携帯用/ハンドヘルドデバイスが、ラジオ周波数識別(RFID)呼び掛け器である、請求項1に記載の携帯用/ハンドヘルドデバイス。
  3. 前記第一のアンテナ要素と前記第二のアンテナ要素とが、共に、前記処理モジュールから実質的に前記EM放射を放射するように構成されている、請求項1に記載の携帯用/ハンドヘルドデバイス。
  4. 前記第一のアンテナ要素が、ドリブン要素と該ドリブン要素から分離された寄生的な要素を備え、該寄生的な要素が、リフレクタ要素およびディレクター要素から選択された少なくとも一つの要素を備える、請求項1に記載の携帯用/ハンドヘルドデバイス。
  5. 前記寄生的な要素の前記少なくとも一つの要素の第一の要素が、約915MHzで共鳴するように構成され、
    前記第二のアンテナ要素が、125kHzと13.56MHzとから選択された周波数で共鳴するように構成される、
    請求項4に記載の携帯用/ハンドヘルドデバイス。
  6. 前記寄生的な要素の前記少なくとも一つの要素の第二の要素が、約2.45GHzと約5.6GHzとから選択される周波数で共鳴するように構成される、請求項5に記載の携帯用/ハンドヘルドデバイス。
  7. 前記第二のアンテナ要素の前記アンテナ変換器が、少なくとも一つの伝導性電流ループを備える、請求項4に記載の携帯用/ハンドヘルドデバイス。
  8. 前記少なくとも一つの伝導性電流ループが、前記寄生的な要素の前記少なくとも一つの要素の一つの境界線を取り囲む、請求項7に記載の携帯用/ハンドヘルドデバイス。
  9. 前記第二のアンテナ要素の前記アンテナ変換器が、第一の伝導性電流ループと、該第一の伝導性電流ループから一定の間隔だけ離れた第二の伝導性電流ループを備え、該第一の伝導性電流ループと該第二の伝導性電流ループとのそれぞれが、前記寄生的な要素の最大寸法の軸を取り囲み、該第一の伝導性電流ループと該第二の伝導性電流ループとが共に、遠距離のキャンセルを生成するように構成されている、請求項7に記載の携帯用/ハンドヘルドデバイス。
  10. 前記寄生的な要素の前記少なくとも一つの要素の前記第二の要素が、2.45GHz放射要素と5.6GHz放射要素の少なくとも一つを備える、請求項5に記載の携帯用/ハンドヘルドデバイス。
  11. 前記寄生的な要素の前記少なくとも一つの要素が、穴の開いたアンテナ、双極子要素、プリント回路パッチアンテナ要素、および、単極子アンテナ要素から選択される、請求項5に記載の携帯用/ハンドヘルドデバイス。
  12. 前記第一のアンテナ要素が、放射要素の配列を備え、該放射要素の配列が、寄生的に駆動、部分的に全駆動、および、全駆動の一つとして構成され、該放射要素の配列が、さらに、約2.45GHzと約5.6GHzから選択された少なくとも一つの周波数で動作するように構成された、請求項1に記載の携帯用/ハンドヘルドデバイス。
  13. 前記放射要素の配列がビームを放射するように構成され、前記プロセッサーモジュールがさらに、該放射ビームを電気的に向けるように構成される、請求項12に記載の携帯用/ハンドヘルドデバイス。
  14. 前記第一のアンテナ要素と前記第二のアンテナ要素のうちの一つは、穴の開いたアンテナのアレイであり、該穴の開いたアンテナのアレイのそれぞれは、異なる動作周波数に基づく異なるサイズを有する、請求項1に記載の携帯用/ハンドヘルドデバイス。
  15. 前記第一のアンテナ要素と前記第二のアンテナ要素のうちの一つは、穴の開いたアンテナのアレイであり、該穴の開いたアンテナのアレイのそれぞれは、同様のサイズを有する、請求項1に記載の携帯用/ハンドヘルドデバイス。
  16. 前記プロセッサーモジュールがさらに、RFIDタグに対する周波数帯をスキャンするように構成される、請求項2に記載の携帯用/ハンドヘルドデバイス。
  17. 前記プロセッサーモジュールがさらに、
    ユーザー選択周波数帯を指示し、
    RFIDタグに対する該ユーザー選択周波数帯をスキャンする
    ように構成される、請求項2に記載の携帯用/ハンドヘルドデバイス。
  18. 多重周波数ラジオ周波数識別(RFID)デバイスであって、該デバイスが、
    RFIDタグに対する周波数帯をスキャンし、該スキャンされた周波数帯に基づき読み取りモード周波数帯を選択するように構成されたプロセッサーと、
    該プロセッサーに結合されたスイッチであって、少なくとも一つの読み取りモード周波数帯を選択するように構成されたスイッチと、
    該プロセッサーと結合した第一のアンテナ要素であって、遠距離に電磁(EM)放射を放射するように構成された該第一のアンテナ要素と、
    該第一のアンテナ要素と結合した第二のアンテナ要素であって、該第二のアンテナ要素は、近距離に該EM放射を放射するように構成され、該第二のアンテナ要素は、該第一のアンテナ要素から、選択的に該遠距離EM放射をキャンセルするように構成されたアンテナ変換器を備え、該第一のアンテナ要素と該第二のアンテナ要素とのうちの一つがさらに、該少なくとも一つの読み取りモード周波数帯に共鳴するように構成される、該第二のアンテナ要素と
    を備える、デバイス。
  19. 前記第一のアンテナ要素が、ドリブン要素と該ドリブン要素から分離された寄生的な要素とを備え、前記第二のアンテナ要素の前記アンテナ変換器が、該寄生的な要素と結合する、請求項18に記載の多重周波数RFIDデバイス。
  20. 前記寄生的な要素が、リフレクタ要素およびディレクター要素から選択される少なくとも一つの要素を備える、請求項19に記載の多重周波数RFIDデバイス。
  21. 前記第二のアンテナ要素の前記アンテナ変換器が、第一の伝導性電流ループを備え、該第一の伝導性電流ループが、前記寄生的な要素の前記少なくとも一つの要素の一つの境界線を取り囲む、請求項18に記載の多重周波数RFIDデバイス。
  22. 前記第二のアンテナ要素の前記アンテナ変換器が、さらに、前記第一の伝導性電流ループから一定の間隔だけ離れた第二の伝導性電流ループを備え、該第一の伝導性電流ループと該第二の伝導性電流ループとのそれぞれが、前記寄生的な要素の最大の寸法の軸を取り囲む、請求項21に記載の多重周波数RFIDデバイス。
  23. 前記第一の伝導性電流ループが、前記第二の伝導性電流ループと実質的に平行であり、該第一の伝導性電流ループと該第二の伝導性電流ループとが、第一の方向に電流を伝導するように構成される、請求項22に記載の多重周波数RFIDデバイス。
  24. 前記第二のアンテナ要素の前記アンテナ変換器が、さらに、前記第一の伝導性電流ループから一定の間隔だけ離れた第二の伝導性電流ループを備え、
    前記寄生的な要素が第一のローブと該第一のローブから一定間隔だけ離れた第二のローブを備え、該第一の伝導性電流ループが該第一のローブを取り囲み、該第二の伝導性電流ループが該第二のローブを取り囲む、請求項21に記載の多重周波数RFIDデバイス。
  25. 前記寄生的な要素の前記少なくとも一つの要素の一つは、約915MHzの周波数で共鳴するように構成され、前記第二のアンテナ要素は、約125kHzと約13.56MHzとから選択される周波数で共鳴するように構成される、請求項20に記載の多重周波数RFIDデバイス。
  26. 前記寄生的な要素の前記少なくとも一つの要素の一つは、約2.45GHzと約5.6GHzとから選択される周波数で共鳴するように構成される、請求項25に記載の多重周波数RFIDデバイス。
  27. 前記第一のアンテナ要素が、さらに、実質的に180度未満の指向性を有する指向性パターンを放射するように構成された、請求項18に記載の多重周波数RFIDデバイス。
  28. 放射要素のアレイであって、該放射要素のアレイが、約135kHz、約13.56MHz、約915MHz、約2.45GHz、および、約5.6GHzから選択される周波数のセットで、寄生的駆動、部分的全駆動、および、全駆動の一つとして構成される、放射要素のアレイ
    を備える、多重周波数呼び掛け器アンテナアセンブリ。
  29. 前記放射要素のアレイが、
    約2.45GHzおよび約5.6GHzの一つで、共鳴するように構成された第一の放射要素と、
    約135kHzおよび約13.56MHzの一つで、共鳴するように構成された第二の放射要素と、
    約915MHzで共鳴するように構成された第三の放射要素と
    を備える、請求項28に記載の多重周波数呼び掛け器アンテナアセンブリ。
  30. 前記放射要素のアレイの各放射要素は、穴の開いたアンテナ、双極子アンテナ、パッチアンテナ要素、および、単極子アンテナ要素から選択される、請求項28に記載の多重周波数呼び掛け器アンテナアセンブリ。
  31. 誘導的に結合されたラジオ周波数識別(RFID)タグを読み取る方法であって、該方法が、
    RFIDタグを検出するために、少なくとも一つの周波数帯をスキャンするステップと、
    検出されたRFIDタグに基づいて、近距離EM場と遠距離EM場の少なくとも一つの電磁(EM)場を選択的に放射するステップと
    を包含する、方法。
  32. 前記選択的に放射するステップが、
    近距離EM放射を最大化することと、
    遠距離EM放射を最小化することと
    を包含する、請求項31に記載の誘導的に結合されたRFIDタグを読み取る方法。
  33. 前記スキャンするステップが、915MHz帯、125kHz帯、13.56MHz帯、2.45GHz帯、および、5.6GHz帯から選択された周波数帯をスキャンすることを包含する、請求項31に記載の誘導的に結合されたRFIDタグを読み取る方法。
  34. 915MHz帯、125kHz帯、13.56MHz帯、2.45GHz帯、および、5.6GHz帯のうちの一つで、前記RFIDタグを読み取るステップをさらに包含する、請求項31に記載の誘導的に結合されたRFIDタグを読み取る方法。
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