JP2008514651A - 上皮増殖因子(egf)を含んで成る再水和組成物 - Google Patents

上皮増殖因子(egf)を含んで成る再水和組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、1)経口再水和組成物又は溶液を含み、上皮増殖因子(EGF)及び上皮増殖因子受容体に対するアゴニストから選択される化合物の有効量を含んで成る経口組成物、2)上皮増殖因子及び上皮増殖因子受容体に対するアゴニストから選択される化合物の有効量を含有する経口再水和組成物を含んで成るキット、並びに3)脱水症及び下痢の治療及び予防、並びに下痢罹患動物における腸治癒を向上し、バクテリアの定着を減少させ、体重損失の発生を減少させ、食物摂取を増加させ、再水和を向上させ、粘膜治癒を向上させるための方法を含む。

Description

発明の分野
本発明は全般として、脱水症及び下痢を治療また予防するための組成物、キット及び方法に係る。
背景
経口再水和(補水)療法が、脱水症を治療するために施される。脱水症は、水損失が水摂取を上回った場合に生起する。これは、運動又は高温露出の際の発汗による過剰な体液損失によるものであり得るが、臨床上では胃腸障害の際に最も頻繁に観察される。これらの障害は、分泌、即ちコレラにおいて見られるような多量の漿液性下痢を起こす病原体による毒素の放出による分泌性下痢、即ち吸収不良(吸収機能が減少したため、腸管の内腔において浸透性負荷が増加することによって、身体から水分が引き出され、その結果下痢又は水及び栄養素の不適当な吸収が惹起せられる、ある種のバクテリア感染症又は例えば短腸症候群などの吸収不良状態である)に関連する可能性がある。現行の経口再水和療法は、小腸におけるNaと栄養素との能動的な複合吸収、及び吸収された溶質の動きに後続して、その後に起こる水の流入に基づいている(55)。
多くの水溶性栄養素の腸上皮経由吸収は、基底側膜(basolateral membrane)内のNaATPアーゼによって生成される、頂端膜(apical membrane)を横切るNaの電気化学勾配によって駆動される(1)。グルコース及びガラクトースは、Na依存性グルコーストランスポーター(SGLT1)によって頂端膜を横切って能動的に輸送される(87)。これに対してフルクトースは、グルコーストランスポーターGLUT5に媒介されたNa非依存性の促進拡散によって頂端膜を横切って輸送される。次いで糖分子は、GLUT2を介した促進拡散によって小腸上皮細胞の基底側膜から出る(1)。水は、吸収された溶質の動きに受動的に従う(24;44)。水が実際に腸上皮を横切る機構/経路は、明らかでない。最も可能性のある経路は、腸上皮の細胞同士の接続部を形成する緊密な接合部を水が受動的に貫流することから成る(「傍細胞(paracellular)」経路と称する)(39;44;52)。しかし、水チャンネルタンパク質が腸上皮細胞上において同定された結果、これらのタンパク質が細胞を貫通する「経細胞(transcellular)」水移動においてある役割を果している可能性が示唆されている(51)。最終的には多くの報告が、SGLT1などのナトリウム結合栄養素トランスポーターが、輸送される溶質の周りに水和シェル(殻)を形成することによって水を共輸送し得ることを示唆している(49;50)。
多くの研究の結果、粘膜上皮増殖因子(EGF)が、空腸の栄養素(9;38;40;54;61;71;72;76;82)と水(61;71;72)の輸送の急激なアップレギュレーションにおいて一定の役割を果たすことが明らかになった。EGFは、数分のうちに生起する刷子縁表面積の増加に関連したグルコース及びアミノ酸輸送を急速に増加させる(34;38)ため、予め形成された細胞内プールからの頂端側の迅速な挿入が示唆されている(34)。EGF受容体に結合する関連ペプチドであるトランスフォーミング増殖因子アルファ(TGFα)は、グルコース輸送、即ち頂端表面積に対して全く影響を及ぼすことはなく、かかる効果を媒介する受容体相互作用は、EGFに特異的であることが判明している(36)。尤も、いくつかの研究においては、TGFα投与後の小腸吸収の増加が報告されている(71)。その後の研究の結果、粘膜EGFが、刷子縁膜小胞(BBMV)内へのグルコース及びプロリン吸収に対するVmaxを増加させることが明らかにされている(38)。BBMVグルコース吸収に対するVmaxがEGFに誘導されて増加することは、BBMVのSGLT1含有量が顕著に増加することに関連性があるのである(26)。最近の研究において、小腸上皮細胞ミクロソーム膜においてSGLT1タンパク質が同定された(25)。EGF処置の結果、ミクロソーム画分におけるSGLT1含有量が減少し、同時に刷子縁SGLT1含有量が増加した。さらに、SGLT1免疫蛍光法をEGF処置した組織における絨毛の下方に及ぼしたところ、グルコース輸送区画内に小腸上皮細胞が追加して補充取り込まれることが示唆された(25)。またEGFは、空腸内でのグルタミン、アラニンガラクトースとグリシンの輸送(73)及び回腸内での電気的中性であるNaClの吸収並びに刷子縁Na/H交換(29)を増加させる旨報告がなされている。これらの知見によれば、EGFが、栄養素トランスポーター内で濃縮された膜プールの急激な挿入を介して行われる栄養素輸送の全般的増加を急激に刺激・促進させることが示唆される。
またEGFは、強力な抗感染性を示す。いくつかの研究の結果、EGFは、極めて多様な病原性生物による粘膜表面の定着(colonization)を顕著に減少させる能力を有することが明らかとなった(15)。インビトロで、EGFは、Escherichia coli(12−14)及びSalmonella typhimurium(12−14)の病原性菌株による上皮へのバクテリアの移動及び進入を阻害し、また原生動物Cryptosporidium parvum(18;21;22)による上皮への定着を減少させることが示されている。さらに、腸病原性大腸菌感染症のモデルにおいて、EGF処置は、バクテリアの定着を顕著に阻害し、上皮の傷害を減少させ、かかる疾患に関連する下痢及び体重増加の減少を防止している(12−14;16;20)。C. parvum感染症のモデルにおいて、EGFは、糞便由来卵細胞の透過を減少させた(21)。ランブル鞭毛虫症のモデルにおいて、EGF処置は、未処置動物に比べて栄養型原虫の定着を阻害し、腸機能を増進させた(37)。重要なことにEGFは、直接的な殺菌(20;30;31)又は抗原生動物(18;21)効果を有さないため、抗生物質耐性に関連する問題を回避するのである。
脱水症は、通常下痢性疾患に関連している。分泌性下痢は、Clの能動分泌の刺激・促進を含み、その結果腸内腔への水の流入を誘導する。これらの臨床状態においては、吸収機構は、損なわれることなく完全であるため、Na、グルコース、電解質及び水を含有する経口再水和溶液(ORS)の投与によって、Cl分泌による水損失を中和することが出来る。コレラ、サルモネラ及び多くの形態の旅行者下痢などの感染性疾患は分泌性下痢を誘発する(60)。逆に、浸透圧による吸収不良性下痢は、腸における吸収機能の喪失に由来する。Yersinia enterocolitica(58;59)、Giardia種(11;17;79)、Cryptosporidium(22)及びロタウイルス(60)が原因となる感染症は、吸収不良性下痢を起こすことが判っている。吸収不良はしばしば、吸収性表面積の減少・喪失の結果もたらされる。またいくつかの研究の結果、浸透圧によるある種の吸収不良性下痢疾患、即ちYersinia、腸病原性大腸菌(20)、及びGiardia感染(17;19;60)において刷子縁の拡散短縮が生起することが明らかにされている。腸内腔における栄養素の吸収不良は、浸透圧付加が過大となりまたその後の内腔への水の流入をもたらす。従来の経口再水和療法は、吸収機能に依存しているため、吸収機能が損なわれた吸収不良性下痢状態にはあまり有効でない(5;74)。さらに、経口再水和溶液は、等張性の内腔内容からの流体及び電解質の腸吸収を刺激・促進するが、腸から分泌された流体の再吸収には資することはないため、下痢の重篤度を感知可能に低減させることはない(5;56)。加えて、現行の経口再水治療(ORSs)は全て、腸機能回復・修復を促進することはない(56;70)。
経口再水和の領域における試験研究は、栄養素と電解質の最適なバランスを見出すこと(27;42)、種々の栄養素供給源の相対的な効率性を探求すること(4;5;53;86)、及び吸収機能を増加させ及び/又は下痢の期間と頻度を減少させ又は腸機能回復を向上させるように設計された機能性栄養素及び薬剤の添加又は使用を行って経口再水和を補完すること(2;8;67;68;70;74)に焦点を当てるものであった。グルタミン(23;43;47;68;70)、アラニン(69;74)、グリシン(6;83)、亜鉛(2;7;8;70)、銅(63)、可溶性ファイバー(68)、アラビアゴム(85)、酸化窒素(3)、キジムシロ根抽出物(78)、及びプロバイオティクス(67;70)は、経口再水和溶液を補足・補充する潜在的可能性について検討された機能性栄養素及び薬剤の内のいくつかである。
発明の概要
本発明は、EGF、EGF受容体アゴニスト又はその薬学的に受容可能な塩の形態を含んで成る経口組成物に係る。該経口組成物は、水性経口再水和組成物であってもよく、その場合該経口再水和組成物は、EGF、EGF受容体アゴニスト又はその薬学的に受容可能塩形態を、水と胃腸管の内腔からの水吸収を能動的に高める単一又は複数の成分とを組合せて含んで成るものであればよい。例えば、経口再水和組成物は、次の溶質の内の少なくとも一つを含んでなるものであればよい:即ち、(i)再水和のための溶液においてそれぞれの帯電イオン/電解質に解離する塩類、(ii)炭水化物類、又は(iii)その他の代替的なナトリウム結合栄養素類若しくはナトリウム結合栄養素類の供給源(即ちアミノ酸類、又はアミノ酸類の供給源、例えばペプチド類及びポリペプチド類、若しくは短鎖脂肪酸類若しくは腸管内のバクテリア発酵によって短鎖脂肪酸に代謝され得る非消化性炭水化物の供給源など)である。例えば、経口再水和組成物はEGFが補充されたゲータレード(Gatorade)(登録商標)又はスポーツドリンクであってもよい。通常、該水性経口再水和組成物は、ある形状の炭水化物、又はその他の代替的なナトリウム結合栄養素若しくはナトリウム結合栄養素類の供給源(即ちアミノ酸類、又はアミノ酸類の供給源、例えばペプチド類及びポリペプチド類、若しくは短鎖脂肪酸類若しくは腸管内のバクテリア発酵によって短鎖脂肪酸類に代謝され得る非消化性炭水化物の供給源など)を含んで成る。該水性再水和組成物はまた、風味料、保存剤及び着色剤を含んでもよい。又はその代りに、該経口再水和組成物は、経口再水和溶液(ORS)である。本発明の経口再水和溶液は、EGF、EGF受容体アゴニスト又はその薬学的に受容可能塩形状を、ORSの成分、例えば水、ナトリウム、カリウム、クロライド、塩基の供給源及び炭水化物類又はアミノ酸類の供給源などと組合せて含んでもよい。塩基の供給源の一例はクエン酸塩であり、これは代謝されて重炭酸塩、即ち酸−塩基バランスの維持に資する血中の塩基となる。クエン酸塩は、優れた塩基供給源であるが、本発明の実施においては再水和溶液に通常処方される如何なる塩基でも用いられる。
上皮増殖因子とは、あらゆる上皮増殖因子、又はその変異体、類似体、断片、若しくは誘導体をいう。上皮増殖因子受容体アゴニストとは、EGF、トランスフォーミング増殖因子アルファ、アンフィレグリン、ヘパリン結合性EGF及びエピレグリンを含んでもよいが、これらに制限されない。
本発明は、上皮増殖因子(EGF)、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能塩形状を含んで成る経口組成物を提供する。本発明は、経口組成物を記載するが、該組成物は、同一結果を達成するために、例えば鼻腔胃管によって腸から送達することも出来る。これは当業者に公知である。
本発明の一つの局面は、下痢を治療し、下痢の重篤度を低減させ、下痢の継続時間を減少させ、下痢に関連する腸傷害の腸治癒を促進し、下痢に関連する脱水症を治療し、確立された下痢感染症における細菌定着を減少させ、下痢罹患動物における体重減量を低減させ、下痢罹患動物における食物摂取を増加させ、下痢罹患動物における再水和を高め、下痢罹患動物における糞便物質における水分含量を減少させ、下痢罹患動物における絨毛の高さを増加させ、下痢罹患動物における粘膜治癒を改善しまた下痢罹患動物における粘膜湿潤重量を高めることを目的とした、上皮増殖因子(EGF)、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能塩形状を含んで成る経口組成物の使用を提供することである。例えば該下痢は、感染性吸収不良性下痢、新生児下痢、又は分泌性下痢であり得る。該組成物は、ORSの一種であってもよい。該組成物は、溶液、懸濁液、コロイド、濃縮物、粉末、顆粒、錠剤、圧縮錠剤又はカプセルであってもよい。
該組成物は、約1ng/kg/日乃至約10mg/kg/日の上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト又はその薬学的に受容可能塩形状を含んで成っていてもよい。該組成物は、約0.1μg/kg/日乃至約1mg/kg/日の上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト又はその薬学的に受容可能塩形状を含んで成っていてもよい。又はその代りに該組成物は、約1μg/kg/日乃至約1mg/kg/日の上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト又はその薬学的に受容可能塩形状を含んでもよい。最終的には該組成物は、約1μg/kg/日乃至約0.1mg/kg/日の上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト又はその薬学的に受容可能塩形状を含んで成っていてもよい。
本発明の別の局面は、(i)上皮増殖因子(EGF)、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能塩形状;(ii)炭水化物及び(iii)塩類と代替的なナトリウム結合栄養素又はナトリウム結合栄養素類の供給源からなる群から選択される少なくとも一つの溶質を含んで成る水性経口再水和組成物を提供することである。ナトリウム結合栄養素又はナトリウム結合栄養素類の供給源は、アミノ酸類、アミノ酸類の供給源、ペプチド類、ポリペプチド類、短鎖脂肪酸、及び腸管内のバクテリア発酵によって短鎖脂肪酸に代謝され得る非消化性炭水化物の供給源からなる群から選択される。該組成物は、1ミリリットル当り約100ピコグラムから約1ミリグラムまでの上皮増殖因子若しくは上皮増殖因子受容体アゴニストを含んで成っていてもよく、又は1ミリリットル当り約1ナノグラムから約100マイクログラムまでの上皮増殖因子若しくは上皮増殖因子受容体アゴニストを含んで成っていてもよく、又は1ミリリットル当り10ナノグラムから約10マイクログラムまでの上皮増殖因子若しくは上皮増殖因子受容体アゴニストを含んで成っていてもよい。再水和組成物は、経口再水和溶液(ORS)の一種であってもよい。
ORSは、ナトリウム、カリウム、クロライド、塩基の供給源、及び炭水化物又はナトリウム結合栄養素若しくはナトリウム結合栄養素類の供給源を含んで成っていてもよい。ナトリウムは、約30mEq/Lから約95mEq/Lまで存在すればよく、カリウムは、約10mEq/Lから約30mEq/Lまで存在すればよく、炭水化物は、約5%w/w未満で存在すればよく、(d)塩基の供給源は、約10mEq/Lから約40mEq/Lまでで存在し、クロライドは約30mEq/Lから約80mEq/Lまで存在すればよい。又はその代りに、ナトリウムは、約30mEq/Lから約70mEq/Lまで存在すればよく、カリウムは、約15mEq/Lから約25mEq/Lまで存在すればよく、炭水化物は、約3%w/w未満存在すればよく、塩基の供給源は、約20mEq/Lから約40mEq/Lまで存在すればよく、クロライドは約30mEq/Lから約75mEq/Lまで存在すればよい。又はその代りに、ナトリウムは約40mEq/Lから約60mEq/Lまで存在すればよく、カリウムは約15mEq/Lから約25mEq/Lまで存在すればよく、炭水化物は約2%から約3%w/wまで存在すればよく、塩基の供給源は約25mEq/Lから約35mEq/Lまで存在すればよく、クロライドは約30mEq/Lから約70mEq/Lまで存在すればよい。塩基の供給源は、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸及びその混合物からなる群から選択されればよく、炭水化物は、グルコース、デキストロース、フルクトオリゴ糖、フルクトースポリマー、グルコースポリマー、コーンシロップ、高フルクトースコーンシロップ、スクロース、マルトデキストリン、米、米粉及びその混合物からなる群から選択されればよく、ナトリウムは、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及びその混合物からなる群から選択されればよく、カリウムは、クエン酸カリウム、塩化カリウム、重炭酸カリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム及びその混合物からなる群から選択されればよく、クロライドは、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化亜鉛及びその混合物からなる群から選択されればよい。最後に、ナトリウム結合栄養素又はナトリウム結合栄養素類の供給源は、アミノ酸類、アミノ酸類の供給源、ペプチド類、ポリペプチド類、短鎖脂肪酸類、及び腸管内のバクテリア発酵によって短鎖脂肪酸類に代謝され得る非消化性炭水化物の供給源からなる群から選択されればよい。
該経口再水和組成物は、亜鉛、グルタミン、消化不能オリゴ糖、アミジン誘導体類、追加の医薬有効成分、吸収性成分、及び/又は糖脂質をさらに含んで成っていてもよい。該組成物は凍結されても、又はゲルの形状であってもよい。該組成物は、甘味料、風味料、保存剤、賦形剤、希釈剤、又は補助剤をさらに含んで成っていてもよい。
本発明の別の局面は、(a)治療量の上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能塩形状、(b)ナトリウム、カリウム、クロライド、塩基の供給源、炭水化物、代替的なナトリウム結合栄養素、及びナトリウム結合栄養素の供給源からなる群から選択される少なくとも一つの溶質、並びに(c)指示書を含んで成るキットを提供することである。
本発明の別の局面は、上皮増殖因子、及び上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能塩形状を組成物中に付与すること及び経口組成物を製造することとを含んで成る、経口組成物を製造する方法を提供することである。該経口組成物は、ORSの一種であってもよい。
本発明の別の局面は、(a)治療的な量の上皮増殖因子、及び上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能塩形状、(b)ナトリウム、カリウム、クロライド、塩基の供給源、炭水化物、代替的なナトリウム結合栄養素、及びナトリウム結合栄養素の供給源からなる群から選択される少なくとも一つの溶質、並びに(c)指示書を与える工程を含む、キットを製造する方法を提供することである。
本発明の別の局面は、(a)治療的な量の上皮増殖因子、(b)ナトリウム、カリウム、クロライド、塩基の供給源、炭水化物、ナトリウム結合栄養素、及びナトリウム結合栄養素の供給源からなる群から選択される少なくとも一つの溶質、並びに(c)指示書を与える工程を含む、キットを製造する方法を提供することである。
本発明の別の局面は、下痢罹患動物において下痢を治療し、下痢の重篤度を低減させ、下痢の継続時間を短縮し、腸治癒を促進し、脱水症を治療し、バクテリアの定着を減少させ、食物摂取を増加させ、再水和を向上し、糞便中の含水量を減少させ、絨毛の高さを増加させ、粘膜治癒を改善し且つ粘膜湿潤重量を増大させるための方法であって、下痢罹患動物に対して有効量の上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能塩形状を投与することを含んで成る前期方法を提供することである。例えば、該下痢は、感染性吸収不良性下痢、新生児下痢、又は分泌性下痢であってもよい。該動物は、ヒト、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウサギ、ミンク、ラマ、アルパカ、エルク、バイソン、魚及び家禽からなる群から選択されればよい。上皮増殖因子は、上述の組成物のいずれか一つであればよい。該方法は更には、下痢罹患動物における体重損失を減少させるために用いられてもよい。
本発明のまた別の局面は、胃腸手術、胃腸切除、小腸移植、手術後の外傷からの回復、短腸症候群、火傷、口腔粘膜炎(oral mucositis)、エイズ、炎症性疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病、壊死性小腸結腸炎、腸管未成熟、骨髄移植、化学療法又は放射線療法による腸傷害、敗血症、腸感染症、及び完全非経口栄養(TPN)を必要とする対象からなる群から選択される症状を有する動物における下痢を治療する方法であって、上述の組成物を投与することを含んで成る前記方法を提供することである。
本発明の別の局面は、経口再水和溶液との混合物として用いるための、上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能塩形状の単位用量を提供することである。
本発明の別の局面は、上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能塩形状を含んで成る、経腸送達される組成物を提供することである。この腸組成物は、上述の方法又は使用のいずれかにおける用途を有する。
EGF、EGF受容体アゴニスト又はその塩形状で経口再水和溶液を補足・補充することによって、顕著な臨床的便益が得られる。上述のとおり、経口EGFは、小腸におけるグルコース輸送(38;61)及び微絨毛表面積(34)を迅速に高める。EGFは、コレラトキシンの存在下で小腸上皮グルコース輸送を増加させ(54)、ソマトスタチン類似体オクトレオチド(octreotide)の投与に続いて観察されるグルコース輸送における欠陥を反転・復帰させる(48;75)ことが示された。グルコース輸送及び吸収性表面積を刺激・促進することによって、分泌性及び吸収不良性、浸透圧性下痢症状の双方におけるORSの効力が増加する。さらに、EGFの抗感染性は、病原体による粘膜の定着を減少させ、疾患の重篤度を制約するように作用する(15)。最後にEGFは、粘膜の完全性を維持しまた粘膜創傷の修復・回復を向上させるうえで一定の役割を果たすことが示されている(33;64;66;84)。これらの特性は、経口再水和溶液という文脈において更なる便益を付与することになろう。
発明の説明
本発明を記述するに先だって、本明細書の以下において用いられる特定の用語を定義することが本発明の理解に役立つであろう。
本明細書において用いられる「脱水症」とは、流体の流出が流体の摂取を超えた場合に生起する体液の過剰な損失から生じる症状を意味する。このことは、流体喪失、流体の過剰損失、電解質総量の減少、又は高張液の注入から生じ得る。
本明細書において用いられる「下痢」とは、異常に水分の多い腸排泄物の頻繁な通過を特徴とする胃腸症状を意味する。
本明細書において用いられる「EGF受容体アゴニスト」とは、erbB(1−4)受容体のいずれか、特にerbB1受容体に結合したときに生化学的効果を発揮して次の効果のいずれか又は全てが生起するような、如何なる分子をも意味する:即ち、腸グルコース輸送が増大すること、小腸上皮細胞(小腸の内腔を裏打ちする細胞)の頂面が変化すること、粘膜表面の病原性生物の定着及び移動が阻害されること、腸管成熟が誘導されること。例えば、該分子は次のものであってもよい:すなわち、上皮増殖因子、抗体、小分子、タンパク質、ペプチド、ペプチド類似体、又はペプチドミメティック(peptidomimetic)である。
本明細書において用いられる「上皮増殖因子」又はEGFとは、あらゆる上皮増殖因子、又はその変異体、類似体、断片、若しくは誘導体をいう。例えば、本明細書において用いられるEGFは、正常なヒトの十二指腸及び唾液腺で合成され、ヒト母乳において発現することが知られる53アミノ酸のタンパク質であってもよい。ヒトEGFのアミノ酸配列は、次のとおりである:
Asn Ser Asp Ser Glu Cys Pro Leu Ser His Asp Gly Tyr Cys Leu His Asp Gly Val Cys Met Tyr Ile Glu Ala Leu Asp Lys Tyr Ala Cys Asn Cys Val Val Gly Tyr Ile Gly Glu Arg Cys Gln Tyr Arg Asp Leu Lys Trp Trp Glu Leu Arg (SEQ ID NO:1) (10)。
本明細書において記載される実験において用いられるタンパク質は、前記配列を有するものであった。ヒトにおいてEGFとして作用・機能するヒト由来でないEGF配列も意図される。EGFの種変異体、例えばネズミ、ラット及びブタに対して報告・記載されたもの(45;57;62;77)、又は米国特許出願20030059802において引用されたウシEGF、又は異なるEGF受容体リガンドのいわゆるスープラアゴニスティック(supra−agonistic)キメラ(46)なども含まれる。この定義は、精製された天然の上皮増殖因子と実質的に同一配列及び活性を有するポリペプチドをも示す。これは組換えによって、及び化学的に合成されたペプチド又はタンパク質を含む。この用語は、EGF生物活性が実質的に保存されている限り、他のアミノ酸による置換又は一つ若しくはそれ以上のアミノ酸の欠失によって天然の配列から変化したタンパク質をも示す。この定義は、EGF生物活性が実質的に保存されている限り、EGFの断片、ペプチド類似体及びペプチドミメティックも含む。EGF生物活性は受容体結合アッセイによってスクリーニングでき、受容体アゴニストに関連して上記した方法のいずれかを用いて確認出来る。よって、例えば位置21のメチオニン(Met)がイソロイシン(Ile)に置換されたヒトEGFタンパク質も“EGF”の範囲に入る。このようなタンパク質は一般的にhEGF−I21と表示され、組換えによって調製されていれば一般的にrhEGF−I21と表示される(化学合成されたhEGFは“hEGF”なる用語に含まれる)。同様に、位置11のAspがGluに置換されたhEGFは一般的にhEGF−E11と表示される。カルボキシ末端近くで短小化されたいくつかのEGFタンパク質は生物活性を保持しており、保持された最後のペプチド残基を示す下付文字によって一般的に表示される。よって、通常の53ペプチドのうち最後の二つを欠いたEGFは一般的にEGF51と示される。例えばTrp49がないなどの一つのアミノ酸を欠失したタンパク質は、一般的に“del”(又は.DELTA.)という用語及び位置を示す下付文字によって表示され、残りのアミノ酸の番号は変わらない。よって、もしTrp49が欠失すれば、その結果得られるタンパク質はEGF−.DELTA.49と示される。鎖長を増加させる挿入は、一つのアミノ酸を置換する二つ又はそれ以上のアミノ酸置換として一般的に示され、例えばrhEGF−L/G15は、天然のLeu15の後ろにGlyが挿入されていることを示す。最後に、His16が別のアミノ酸に置換された本発明のEGFは、他の修飾を有無に係わらず、一般的にEGF−X16と総称して表示される。例えば2001年2月20日に発行された米国特許第6,191,106号(Mullenbachら)に記載されるようなEGFの突然変異タンパク質も、必要なEGF活性を有していればこの定義に含まれる。
本明細書において用いられる「感染症」とは、病原体が身体又はその一部に侵入し、有利な条件下で増殖して有害な影響をもたらす状態又は状況を意味する。病原体は、微生物及びウイルスを含み、感染症は、痛み、熱、変色、腫れ及び機能障害に関連してもよい。
本明細書において用いられる「1ミリ当量(mEq)」とは、一定の容積中の濃度によって定められる溶液中のイオン数を示す。この尺度は、1リットル当りのミリ当量数(mEq/L)として表される。mEqに無機質の原子量を掛けてから、その数を無機質の原子価で割ることによって、ミリ当量をミリグラムに変換してもよい。
本明細書において用いられる「経口再水和」とは、口から流体を与えることによって、流体欠乏、流体の過剰損失、電解質総量の減少、又は高張液の注入の結果である脱水症を予防及び/又は修復することを意味する。
本明細書において用いられる「経口組成物」とは、経口により又は鼻腔胃管若しくは経口供給管によって摂取されるあらゆる組成物を意味する。
本明細書において用いられる「経口再水和組成物」とは、再水和のためのあらゆる水性経口組成物を意味し、経口再水和溶液を含む。経口再水和組成物は、胃腸管の内腔からの水の吸収を能動的に高める成分を含む。例えば、経口再水和組成物は、次の溶質のうち少なくとも一つを含んでもよい。(i)再水和のための溶液においてそれぞれの帯電イオン/電解質に解離する塩類、(ii)炭水化物類、又は(iii)その他の代替的なナトリウム結合栄養素若しくはナトリウム結合栄養素類の供給源(即ちアミノ酸、又はアミノ酸類の供給源、例えばペプチド類及びポリペプチド類、若しくは短鎖脂肪酸類若しくは腸管内のバクテリア発酵によって短鎖脂肪酸類に代謝され得る非消化性炭水化物の供給源など)。例えば、経口再水和組成物はゲータレード(登録商標)、スポーツドリンク及びその類似物を含んでもよい。
本明細書において用いられる「経口再水和溶液」とは、当業者に公知の経口再水和溶液(ORS)を意味し、水、再水和のための溶液においてそれぞれの帯電イオン/電解質に解離する塩類、炭水化物類の供給源、及び/又はその他の代替的なナトリウム結合栄養素若しくはナトリウム結合栄養素類の供給源(即ち、アミノ酸類、又はアミノ酸類の供給源、例えばペプチド類及びポリペプチド類、若しくは短鎖脂肪酸類若しくは腸管内のバクテリア発酵によって短鎖脂肪酸に代謝され得る非消化性炭水化物類の供給源など)、及び塩基の供給源を含む。
本明細書において用いられる「完全非経口栄養(TPN)」とは、経口的に食物を摂取することのできない患者に対して、静脈経路によって総熱量必要量を与えることを意味する。
本発明は、脱水症に対する治療を含む。治療の対象者は、既に次の症状のいずれか一つ又はそれ以上によって示されるような症状に罹患する可能性があればよい:即ち、水分の多い下痢、尿排出の減少、尿比重の増加、渇きの増加、目のくぼみ、皮膚トルゴールの逸失、頬粘膜の乾燥、大泉門の凹み、速い呼吸、嗜眠、昏睡、早く弱い脈、低血圧、四肢末端の冷え、及び乏尿性無尿症(oligo−anuria)。
本発明は、下痢に対する治療を含む。治療の対象者は、既に下痢に罹患しているか、又は下痢を発症する危険性を有する可能性があればよい。
本発明はまた、下痢の重篤度を低減させ、腸治癒を促進するための方法を含む。治療の対象者は、既に下痢に罹患しているか、又は下痢を発症する危険性を有する可能性があればよい。かかる対象者は、既に腸傷害に到る症状に罹患しているか、又はそうした症状を発症する危険性を有している可能性があればよい。
EGFを含む経口再水和溶液(ORS)は、上皮増殖因子又は上皮増殖因子受容体アゴニストがORSとの組合せにおいて有益であり得るようなあらゆる症状に対して用いられ得る。こうした症状は、胃腸手術、胃腸切除又は小腸移植又はその他の手術後の外傷からの回復、短腸症候群、火傷、口腔粘膜炎、エイズ、クローン病及び潰瘍性大腸炎などの炎症性疾患、セリアック病、壊死全腸炎、腸管未成熟、骨髄移植、化学療法又は放射線療法による腸傷害、敗血症、並びに腸感染症を含み得る。完全非経口栄養(TPN)を必要とする対象者も、該治療を受けることが有益であり得る。
脱水症及び下痢の治療は、上皮増殖因子又は上皮増殖因子受容体アゴニストの使用を伴う。本発明の治療は、経口的に、経口若しくは鼻腔胃管によって、又は経腸的に施されてもよい。本発明は、溶液、懸濁液、コロイド、濃縮物、粉末、顆粒、錠剤、圧縮錠剤、カプセル(被覆及び非被覆錠剤又はカプセルを含む)、及び類似物として調製され得る組成物であってもよい。遅延放出性(delayed release)又は徐放性(controlled release)製剤も含まれる。
該治療において用いられる上皮増殖因子又は上皮増殖因子受容体アゴニストの量は、広範に変動し得る。典型的には、経口組成物は、約20ng/kg/日(0.0032nmol/kg/日)から約20mg/kg/日(3.2umol/kg/日)まで、又はその代わりに、約0.2ug/kg/日(0.032nmol/kg/日)から約2mg/kg/日(0.32umol/kg/日)まで、又はその代りに、約1ug/kg/日(0.16nmol/kg/日)から約1mg/kg/日(0.16mmol/kg/日)まで、又はその代りに、約2ug/kg/日(0.32nmol/kg/日)から約0.2mg/kg/日(32nmol/kg/日)までの上皮増殖因子又は上皮増殖因子受容体アゴニストを含む。
又はその代りに経口組成物は、約1ng/kg/日から約10mg/kg/日まで、又はその代りに、約0.1ug/kg/日から約1mg/kg/日まで、又はその代りに、約1ug/kg/日から約1mg/kg/日まで、又はその代りに、約1ug/kg/日から約0.1mg/kg/日までの上皮増殖因子又は上皮増殖因子受容体アゴニストを含む。
典型的にはORSを含む経口再水和組成物は、1ミリリットル当り約100ピコグラムの上皮増殖因子若しくは上皮増殖因子受容体アゴニストから約1ミリグラムの上皮増殖因子若しくは上皮増殖因子受容体アゴニストまで、又はその代りに、1ミリリットル当り約1ナノグラムの上皮増殖因子若しくは上皮増殖因子受容体アゴニストから約100マイクログラムの上皮増殖因子若しくは上皮増殖因子受容体アゴニストまで、又はその代りに、1ミリリットル当り約10ナノグラムの上皮増殖因子若しくは上皮増殖因子受容体アゴニストから約10マイクログラムの上皮増殖因子若しくは上皮増殖因子受容体アゴニストまでを含有する。該治療はおそらくは、少なくとも1日に1回、1日当り3若しくは4回又はそれ以上、又は継続的に施されることが予期される。断続的な用量が、あらゆる好便の経路、例えば塊状注入(bolus infusion)又は本明細書において別途に考察されるさまざまな経口製剤などによって投与されてもよい。
一般的に言って、EGFは合成プロセスによって調製され、従来のバイオテクノロジー又は化学技術によって製造される。EGFは天然供給源から得られる可能性もあるであろう。
製剤は、必要に応じて粘度調節剤、浸透圧(osmosity)調節剤、緩衝液、pH調節剤、風味料、安定剤、着色剤、保存剤などの添加剤を含んでもよい。
本発明の治療は、適切な経路による投与を必要とする。本薬剤は、投与されることによって腸の上皮細胞の自由内腔側に生物学的に利用可能な状態になる必要があるため、経口投与が最も好ましい。従って、薬剤の単位用量は、簡単に開放且つ輸送され且つ栄養食品又は経口再水和製品などの薬学的に受容可能な溶液と混合されるための好適な容器に入れて提供すればよい。本発明の組成物の好適量は、栄養食品に直接加えられる粉末状若しくは顆粒の形状で、又はヒトの消費に好適な液体として、又は経口再水和溶液として提供されてもよい。又はその代りに、本発明の組成物は、例えばEGFを含むホイル小包(パケット)などのキットとして提供されてもよい。パケットはまた、一定の容積の水で復元するための脱水粉末形状に塩、炭水化物、風味料などを含んでもよい。該キットは、有効量のEGF、グルコース、フルクトース又はデキストロースなどの炭水化物供給源、代替的なナトリウム結合栄養素又はナトリウム結合栄養素類(即ち、アミノ酸類、又はアミノ酸類の供給源、例えばペプチド類及びポリペプチド類、若しくは短鎖脂肪酸若しくは腸管内のバクテリア発酵によって短鎖脂肪酸に代謝され得る非消化性炭水化物の供給源など)の供給源、ナトリウム、カリウム、クロライドの供給源、塩基の供給源(例えばクエン酸塩)及び指示書とを含んでもよい。当業者に公知であるように、水溶液に塩類及び塩基類を加えると、それらは解離してそれぞれの帯電イオン/電解質類になる。したがって、キット又は製造プロセスはさまざまな塩の使用を含むが、また一方では再水和組成物又はORSとして水に復元・再構成されると、ナトリウム、クロライド、カリウム及びクエン酸塩はイオンの形状となる。該キットは、本発明の経口組成物、経口再水和組成物又は経口再水和溶液を構成するものとしてもよい。
好適な栄養製品又は液体の例としては、水、食塩水、緩衝液、小児用調合乳や搾った母乳、その他の好適な担体、又はその組合せが挙げられる。経口投与に好適な溶液は如何なるものでも用いられ得る。膵臓プロテアーゼによる酵素分解からEGFを守るバイスタンダー(bystander)タンパク質(即ち非活性タンパク質の「充填剤」)として作用する添加剤を添加してもよい(65)。例えば、カゼイン(乳タンパク質)はこのために実験的に用いられている(65)。他の問題解決策としては、EGF構造及び活性を保存するためプロテアーゼ阻害剤との組み合わせ投与を含んでもよい。
経口再水和組成物又は溶液は、栄養素の吸収がナトリウムの能動エネルギ駆動吸収と一対になっている場合は、ナトリウム結合栄養素の供給源を含有してもよい。典型的には、またすべての推奨され商業的に製造されるORSにおいて、このナトリウム結合栄養素は炭水化物である。なぜなら、グルコース及びガラクトース(フルクトースとともにほとんどの炭水化物を構成する基本的な糖単位であり、ほとんどの複雑な炭水化物が吸収前に消化されて成る基本単位である)の吸収は、ナトリウムの吸収に非常に密接に結び付いているためである。アミノ酸及びアミノ酸の供給源(例えばペプチド及びポリペプチド)が用いられてもよく、また短鎖脂肪酸が用いられてもよい(これらのナトリウム結合栄養素は、近位の結腸において、例えばセルロースなどの未消化又は非消化性炭水化物のバクテリア発酵によって内因的に生成される)。
経口再水和溶液は当業者に公知である。本発明において用いられる経口再水和溶液は典型的には、すべての電解質を、米国において販売されるORSに対する推奨される濃度又は世界保健機関による発展途上国における使用のために推奨されるレベルで含有してもよい。ナトリウム(Na)、カリウム(K)、塩素(Cl)及びクエン酸イオンに加えて、経口再水和溶液はグルコース、フルクトース又はデキストロースなどの炭水化物供給源を含有する。ORSは典型的には、水、炭水化物、ナトリウムイオン、カリウムイオン、塩素イオン及びクエン酸イオンを含む。ナトリウムは20−100mEq/Lで加えられてもよく、好ましい濃度は、急激な脱水症の治療のための調合物に対して40−60mEq/Lであり、脱水症の予防又は水和の維持のための製剤については75−90mEq/Lである。好ましいカリウム濃度は、20−30mEq/Lであり、10−100mEq/Lの広い範囲が実施可能である。塩素アニオンは通常、30−80mEq/Lで加えられ、25−100mEq/Lの広い範囲が実施可能である。塩基の供給源は一般的に、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩又は重炭酸塩からなる群から選択され、通常25−40mEq/Lの範囲で加えられ、10−50mEq/Lの広い範囲が実施可能である。
ORSに用いられるナトリウムイオンの量は、当業者に公知であるように広範に変動し得る。典型的にはORSは、約30mEq/Lから約95mEq/Lまでのナトリウムを含有してもよい。さらなる一つの実施態様において、ナトリウム含有量は、約30mEq/Lから約70mEq/Lまでであり、又はその代りに約40mEq/Lから約60mEq/Lまで変動可能である.好適なナトリウム供給源は、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、及びその混合物を含むが、これらに制限されない。
ORSはまた、カリウムイオンの供給源を含有してもよい。カリウムの量は、広範に変動し得る。しかし一般的なガイドラインとして、ORSは典型的には、約10mEq/Lから約30mEq/Lまでのカリウムを含有する。さらなる一つの実施態様においては、ORSは、約15mEq/Lから約25mEq/Lまでのカリウムを含有してもよい。好適なカリウム供給源は、クエン酸カリウム、塩化カリウム、重炭酸カリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、及びその混合物を含むが、これらに制限されない。
ORSはまた典型的には、塩素イオンの供給源を含有してもよい。当該技術分野において公知のとおり、クロライドの量は変動し得る。典型的にORSは、約30mEq/Lから約80mEq/Lまで、又はその代りに約30mEq/Lから約75mEq/Lまで、又はその代りに約30mEq/Lから約70mEq/Lまでの量のクロライドを含有する。好適な塩素供給源は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、及びその混合物を含むが、これらに制限されない。
ORSはまた、炭水化物の供給源又はアミノ酸の供給源を含有してもよい。用いられる炭水化物の量は重要である。その量は、通常約5%w/w、またはその代りに約3%w/w、またはその代りに約2.5%w/wよりも低く維持されるべきである。約3%w/wから約2.0%w/wまでの範囲の量が好適である。過剰な炭水化物は、下痢に関連する流体及び電解質の損失を悪化させる。
あらゆる炭水化物が、本発明を実施するために用いられ得る。好適な炭水化物は、単純及び複合炭水化物、グルコース、デキストロース、フルクトオリゴ糖、フルクトース及びグルコースポリマー、コーンシロップ、高フルクトースコーンシロップ、スクロース、マルトデキストリン、及びそれらの混合物を含むが、これらに制限されない。
ORSはまた典型的には、下痢による損失を補充するための塩基の供給源を含んでいてもよい。このような結果を達成・実現するために、ORSには典型的にクエン酸塩を混入する。クエン酸塩は、代謝されて同等量の重炭酸塩、即ち酸−塩基バランスの維持を助ける血中の塩基となる。クエン酸塩は、好ましい塩基の供給源であるが、本発明の実施においては、再水和溶液に適した、又は通常混するあらゆる塩基を用いてもよい。クエン酸塩は、亜鉛の金属味をマスキングするさらなる利便を有する。当該技術分野において周知のとおり、クエン酸イオンの量は変動し得る。典型的には、クエン酸塩含有量は約10mEq/Lから約40mEq/Lまで、又はその代りに、約20mEq/Lから約40mEq/Lまで、又はその代りに、約25mEq/Lから約35mEq/Lまでの範囲である。好適なクエン酸塩供給源は、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸及びそれらの混合物を含むが、これらに制限されない。
上記にて詳述した炭水化物の供給源に加えて、ORSは、下痢の治療において有益であり得る米粉又は米のその他の成分を含有してもよい。米補充経口再水和溶液は、文献によく記載されており、かかる米補充経口再水和溶液を用いる方法は、当業者に公知である。こうした米補充経口再水和溶液は、本明細書において参照文献として引用により一体化・合体する米国特許第5,489,440号及び米国特許第5,096,894号に記載されたものを含む。
米粉は、煮沸して、殻を取り、粉砕した米粒から製造出来る。米粉を用いた経口再水和溶液は、まず米粉を冷水又は室温の水に、混合物が合計6%の固体を含有するまで撹拌しながら加えることによって調製出来る。混合物をゼラチン化するために米スラリーを205°−210°F(96°−99℃)にまで5分から10分間加熱し、酵素消化のために120°−130°F(49°−55℃)に冷却する。米粉を加水分解するためにセルラーゼ及びプロテアーゼを加え、加えられた酵素の量に依存して変動する期間加水分解を進行させる。米粉の繊維含有量の重量比1%のセルラーゼを添加し、米粉のタンパク質含有量の重量比3%のプロテアーゼを添加した場合、加水分解には1時間が必要である。当業者は酵素濃度を定めて、異なる条件下での加水分解に必要な時間を定めることが出来るであろう。スラリーを200°−205°F(94°−96℃)にまで5分から10分間加熱することによって酵素を不活性化する。次いでスラリーを155°−165°F(68°−74℃)に冷却する。カルボキシメチルセルロース(CMC)、ミネラル類及びクエン酸を加えて、溶液は、4000/500PSIG(27579.028/3447.3785kPa)において均質化することが出来る。
又はその代りに、清澄化した米デキストリンを溶液に加えて、10から80g/lまで、典型的には10−35g/Lの米デキストリンを与えてもよい。最も好ましい米デキストリン系ORSは、1リットル当りに次のものを含む:ナトリウム――50mEq:カリウム――25mEq:クロライド――45mEq:クエン酸塩――34mEq;米デキストリン――30g。米デキストリングルコースポリマー(GP)プロファイルは、50から90%の2から6グルコース単位、及び典型的には55から80%、又はその代わりに65から75%(Wt./Wt.ベース)からなる短鎖グルコースポリマーの分布を有する。
本発明のORSにおける使用に好適な米デキストリンは、本明細書に全体が一体化・合体されるPuskiらの米国特許第4,830,861号の可溶化米デンプンから得ることが出来る。Puskiらは、米粉中の炭水化物をアミラーゼ酵素によって可溶化し、遠心分離によって不溶性の米タンパク質及び炭水化物から分離する手順を記載している。その結果得られた可溶性画分は、約98%の炭水化物と、1%未満だが0.1%よりも多いタンパク質とを含有する。加工及び滅菌の際の起泡及び褐色化の問題並びに貯蔵の際の微細な沈殿の形成に寄与する微量の粒状物質及び残余タンパク質を減少又は除去するために、Puskiらの可溶化米炭水化物は、次の工程を含むプロセスによって清澄化出来る:
(a)中性pHにて酵素加水分解によって米粉から得られた可溶化米炭水化物画分を35℃から50℃にてろ過助剤を用いてろ過する工程:次いで
(b)ろ液を、80℃を超える温度にてろ過助剤及び活性炭を用いた第二のろ過に供する工程。
所望であれば、清澄化溶液は、4.0−4.8、典型的には4.5にpH調節した後に噴霧乾燥することが出来る。
Sil Flo Corporation製のアモルファスシリカ(シルフロー(Silflow)(登録商標))などの従来のろ過助剤、及びAmerican Norit製の活性炭ダーコ(Darco)S−51(登録商標)が用いられる。当該プロセスの清澄化米デキストリンは、噴霧乾燥されて、重量比0.1%未満のタンパク質を有する米デキストリン固体としてもよい。
ORSには不消化性オリゴ糖が混入されてもよい。不消化性オリゴ糖は、胃腸管の微生物フロラに有益な効果を有し、非病原性微生物の生育を促進してClostridium difficileなどの病原性生物の生育を阻害する。こうしたORSは、本明細書に引用により一体化・合体される米国特許第5,733,579号に記載されている。典型的に、かかるオリゴ糖は、キシロオリゴ糖、フルクトオリゴ糖、又はラフチロース(raftilose)などのイヌリンである。不消化性オリゴ糖の量は、広範に変動し得るが、水溶液1リットル当り1から100グラムまで、より典型的には1リットル当り3から30グラムまでの範囲であればよい。
本明細書において用いられる「不消化性オリゴ糖」とは、ヒトの上部消化管における内因性消化に耐性のある小型の炭水化物部分(重合度が20未満、及び/又は分子量が3,600未満)をいう。本発明の好ましい実施態様において用いられ得る不消化性オリゴ糖は、フルクトオリゴ糖及びキシロオリゴ糖である。本発明の最も好ましい実施態様において用いられ得る不消化性オリゴ糖は、1−ケトース、ニストース(nystose)及び1−β−フルクトフラノシルニストースフルクトオリゴ糖からなる群から選択されるフルクトオリゴ糖、並びにキシロビオース(xylobiose)、キシロトリオース及びキシロテトロースキシロオリゴ糖からなる群から選択されるキシロオリゴ糖である。
フルクトオリゴ糖(FOS)は、(2−>1)−βグルコシド結合によって連結されたフルクトース残基の鎖からなる炭水化物ポリマーであり、通常はスクロースと同様に(1−>2)−α結合された鎖の非還元末端に単一のD−グルコシル残基を有する。
FOSは、バナナ、トマト、タマネギ、コムギ、オオムギ、ハチミツ、アスパラガス及びアーティチョークを含む多くの種類の植物中に天然に存在する。FOSはまた、真菌Aspergillus nigerから得られる酵素などのトランスフルクトシル化(transfructosylating)酵素の使用によってスクロースから合成出来る。スクロースをこの酵素で処置すると、2、3又は4フルクトース残基を含有するフルクトオリゴ糖の混合物が得られる。その結果得られるフルクトオリゴ糖は、それぞれ1−ケトース(GF)、ニストース(GF)、及び1−β−フルクトフラノシルニストース(GF)と称される。工業的にFOSを製造する方法は、Adachiらの米国特許第4,681,771号に開示されている。
キシロオリゴ糖(XOS)は、トウモロコシ、サトウキビ及び綿実由来のキシランの酵素加水分解によって調製される。キシランは、Trichoderma由来の酵素キシラナーゼ(xylanase)によって加水分解されてXOSを生成する。キシロオリゴ糖は主に、β1−4結合を有する2、3及び4個のキシロース単位、キシロビオース、キシロトリオース及びキシロテトロースから構成される。XOSの主成分であるキシロビオースは、タケノコに比較的豊富に含まれる。
経口再水和溶液に亜鉛を混入してもよい。亜鉛は、下痢の継続時間及び重篤度、並びにこれに関連した流体損失を減少・低減させる。本発明のORSにおいて用いられる亜鉛の量は、広く変動し得る。その目的は、根底となる下痢及び/又は嘔吐によって失われた亜鉛を代替・補充するに充分な亜鉛を付与することである。ORS1リットル当り約0.3mEqから約95mEqまでの亜鉛を混入することで、かかる結果が典型的に達成される。典型的にはORSは、1リットル当り約0.6mEqから約3mEqまでの亜鉛を含有する。又はその代りに、ORSは、1リットル当り約0.6mEqから約1.2mEqまでの亜鉛を含有してもよい。亜鉛イオンの供給源は重要ではない。ヒトの消費に好適なあらゆる亜鉛塩が、本発明のORSに用いられ得る。好適な亜鉛供給源の例としては、グルコン酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、重炭酸亜鉛、炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、乳酸亜鉛、酢酸亜鉛、フッ化亜鉛、臭化亜鉛、及びスルホン酸亜鉛が挙げられる。こうした亜鉛補充ORSは、その内容が本明細書に引用により一体化・合体される2001年6月4日に出願された米国特許出願2003/0077333に記載されている。
グルタミンもまた、N−アセチル−グルタミン又はその栄養的に受容可能な塩のいずれかとして経口再水和溶液に混入されてもよい。グルタミンは、腸治癒に役割を果たすことが示されており、また腸上皮細胞に対する主要な代謝燃料である。「栄養的に受容可能な塩」なる用語は、ヒトへの投与に好適な液体組成物に使用するために受容可能なN−アセチル−L−グルタミンの塩を意味する。N−アセチル−L−グルタミンの栄養的に受容可能な塩は、カルボキシル基の水素が別の正のカチオンで置換された塩である。こうした塩は、N−アセチル−L−グルタミンの最終単離及び精製の際に調製出来るか、又はカルボキシル基を金属カチオンの水酸化物、炭酸塩、若しくは重炭酸塩などの好適な塩基と、又はアンモニア若しくは有機第一、第二若しくは第三アミンと反応させることによって別途
に調製出来る。栄養的に受容可能な塩カチオンは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、及びアルミニウムなど、並びに非毒性の第四アンモニア及びアミンカチオン、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N−ジベンジルフェネチルアミン、1−エフェンアミン(ephenamine)、及びN,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどを用いたものであってもよい。塩基添加塩の形成に有用なその他の代表的な有機アミンには、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、及びピペラジンが含まれる。こうしたN−アセチル−グルタミン補足・補充ORSは、その内容が本明細書に引用により一体化・合体される2002年10月8日に出願された米国特許出願2003/0134851に記載されている。
N−アセチル−グルタミン又はその栄養的に受容可能な塩の有効量は、典型的には1日当り約10−50gの総グルタミン、又は代替的には1日当り体重1kg当り少なくとも約140mgの総グルタミン、又はその代りに、1日当り体重1kg当り少なくとも約250mg(mg/kg/日)の総グルタミンを与えるために充分な量である。N−アセチル−L−グルタミンは、患者が毎日消費する総グルタミンの約1−100%、典型的には約10−95%、又はその代りに、患者が毎日消費する総グルタミンの約75−90%を与える。
N−アセチル−L−グルタミン又はその栄養的に受容可能な塩が、患者が消費するグルタミンの唯一の供給源を与えるとき、N−アセチル−L−グルタミン又はその栄養的に受容可能な塩の有効量は典型的には、少なくとも約0.7mモル/kg/日である。又はその代りに、N−アセチル−L−グルタミン又はその栄養的に受容可能な塩の有効量は、少なくとも約1.0mモル/kg/日であればよい。N−アセチル−L−グルタミンの有効量は、少なくとも約1.5mモル/kg/日であればよい。
上述のとおり、250mg/kg/日の総グルタミンを与えるために必要なN−アセチル−L−グルタミン又はその栄養的に受容可能な塩の量は、患者が消費しているあらゆる他のタンパク質成分に存在するグルタミンの量に依存して変動する。一般的なガイドラインとして、本発明の完全な利益を得るためには、患者は、1日当りkg当り少なくとも約0.7から約4.0mモルまでのN−アセチル−L−グルタミン又はその栄養的に受容可能な塩を消費すべきである。タンパク質系の他の成分の総グルタミン含有量に依存して、これより少ない量も有益であり得る。一般的に、患者に充分なN−アセチル−L−グルタミンを与えることによって、1日当り体重1kg当り少なくとも約140mgの総グルタミン、典型的には1日当り体重1kg当り少なくとも約250mgの総グルタミンを送達する必要がある。
ORSなどの水溶液に混入され得るN−アセチル−L−グルタミンの量は、広範に変動し得る。典型的には、ORSは、溶液1リットル当り少なくとも約5.0mモルのN−アセチル−L−グルタミン又はその栄養的に受容可能な塩を含有し、少なくとも水と、グルコースと、ナトリウムとをさらに含有する。典型的にはORSは、1リットル当り約20から約300mモルまでのN−アセチル−L−グルタミン又はその栄養的に受容可能な塩を含有し、より典型的には約25から約200mモルまでを含有する。クールエード(Kool−Aid)(登録商標)又はゲーターレード(Gator−Aid)(登録商標)などの液体が用いられる場合、そのN−アセチル−L−グルタミン量は、ORSにおいて記載される量に匹敵することになろう。
又はその代りに、酸性環境下での分解に対して安定な化合物を提供するために、オリゴペプチドを与えるための一つ又はそれ以上の付加的なアミノ酸と、若しくはグルコースと、若しくはその両方とグルタミンを結合することによって、又は2から6個の炭素原子を有するカルボン酸でグルタミンをアシル化することによって、安定なグルタミン誘導体を調製出来る。グルタミンに結合される付加的なアミノ酸としてあらゆる天然に存在するアミノ酸が用いられてもよいが、付加的なアミノ酸としてアラニン又はグルタミンを単独又は組合せて用いることが好ましい。該方法において用いられる化合物中に存在するアミノ酸基の好ましい総数は、2から5までの範囲であり(1から4個までのアミノ酸をグルタミンと結合することによって形成される)、ジペプチド及びトリペプチドが最も好ましい。最も好ましい化合物には、アラニルグルタミン、アラニルグルタミニルグルタミン及びガンマグルタミルグルタミンが含まれる。該化合物は公知であり、固相ペプチド合成装置におけるもの、又は溶液結合(solution coupling)における1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(DIPCDI)活性化を用いるものなどの従来のペプチド結合反応を用いて調製出来る。
安定なグルタミン誘導体は、腸のナトリウム共輸送の改善を惹起するために有効な用量範囲で投与される。グルタミン同等物(Glnの分子量は146である)の好ましい用量範囲は、患者の体重に対して0.05から0.8g/kg/日までであり、約0.5から0.6g/kg/日まで、又は約13g/Lグルタミン同等物の溶液(この溶液は、充分なグルタミン誘導体を有することによって、13g/Lグルタミンの溶液と同等の有効グルタミンレベルを与える)又は1−10mMグルタミン誘導体が最も好ましい。安定なグルタミン誘導体は、その内容が本明細書に引用により一体化・合体される米国特許第5,561,111号に記載されている。
米国特許第4,505,926号、第4,539,319号、第4,558,063号及び第4,594,195号は、腸毒素誘発下痢の治療、及び胃腸管の腸病原性大腸菌感染による死亡を予防するための薬学的活性成分(即ち薬物)を含有するさまざまな経口再水和溶液を開示する。これらの先行技術再水和溶液に組入れられる薬物には、第四アミノフェニルイミノイミダゾリジン、2−アミノイミダゾリン誘導体、及び5,6,7,8−テトラヒドロ−ナホニトリル(naphonitrile)中間体が含まれる。
第四級アミノフェニルイミノイミダゾリジンは、ヒトの下痢及び動物の白痢(scours)の治療、特に腸毒素誘発下痢の治療に有用である。投与される薬物の量は勿論、所望の効果を引起すために充分である必要があり、また服用者の体重及び選択される投与経路にも依存する。典型的な用量は、0.1から100mg/kgまで、特に1から50mg/kgまでの範囲である。かかる用量に基づく有用な用量単位は、0.1mgから2500mgまで、より好適には1mgから2500mgまでの薬物を含有する。勿論、動物の療法に対してはしばしば複数の動物を迅速に治療出来ることが最も望ましいため、本発明の多くの好ましい組成物は、多回投与(multi−dose)形態であることが理解されるであろう。かかる多数回投与組成物は、例えば少なくとも10mgの薬物を含有する。前期多数回投与組成物の正確な性質に依存して、かかる組成物は、しばしば少なくとも250mg、時には25gもの薬物を含有する。用量は、毎日1回又は数回投与されてもよい。第四級アミノフェニルイミノイミダゾリジンは、本明細書に引用により一体化・合体される米国特許第4,505,926号に記載されている。
いくつかの新規のアミジン誘導体は、小腸内への腸毒素誘発分泌を阻害するために、ヒトの腸毒素誘発下痢及び動物の白痢の治療に有用であることが示されている。投与される薬物の量は勿論、所望の効果を惹起するために十分である必要があり、また服用者の体重及び選択される投与経路にも依存する。典型的な用量は、0.1から100mg/kgまで、特に1から10mg/kgまでの範囲である。こうした用量に基づく有用な用量単位は、0.1mgから5gまで、より好適には1mgから500mgまでの薬物を含有する。勿論、動物の療法に対してはしばしば複数の動物を迅速に治療出来ることが最も望ましいため、本発明の多くの好ましい組成物は、多数回投与形状であることが理解されるであろう。かかる多数回投与組成物は、例えば少なくとも1mgの薬物を含有する。該多数回投与組成物の正確な性質に依存して、該組成物は、しばしば少なくとも50mg、時には50gもの薬物を含有する。用量は、毎日1回又は数回投与されてもよい。新規のアミジン誘導体は、本明細書に引用により一体化・合体される米国特許第4,539,319号に記載されている。
2−アミノイミダゾリン誘導体は、類似構造のアルファ−アゴニストよりもCNS活性が低いが、小腸分泌を阻害する。本発明の組成物は、この有効用量を都合の良い態様で投与出来るような充分な薬物を含有する。例として、組成物の有用な用量単位は1μgから50mgまで、より好適には20μgから20mgまでの薬物を含有してもよい。勿論、動物の療法に対してはしばしば複数の動物を迅速に治療出来ることが最も望ましいため、本発明の多くの好ましい組成物は、多数回投与形状であることが理解されるであろう。かかる多数回投与組成物は、例えば少なくとも1mgの薬物を含有する。該多数回投与組成物の正確な性質に依存して、それはしばしば少なくとも50mg、時には1gもの薬物を含有する。2−アミノイミダゾリン誘導体は、本明細書に引用により一体化・合体される米国特許第4,558,063号に記載されている。
5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフトニトリル(napthonitrile)中間体は、小腸への腸毒素誘発分泌を阻害するために、ヒトの腸毒素誘発下痢及び動物の白痢の治療に有用である。投与される薬物の量は、勿論所望の効果を惹起するために充分である必要があり、また服用者の体重及び選択される投与経路にも依存する。典型的な用量は、0.1から100mg/kgまで、特に1から10mg/kgまでの範囲である。こうした用量に基づく有用な用量単位は、0.1mgから5gまで、より好適には1mgから500mgまでの薬物を含有する。動物の療法に対してはしばしば複数の動物を迅速に治療出来ることが最も望ましいため、本発明の多くの好ましい組成物は多数回投与形状であることが理解されるであろう。かかる多数回投与組成物は、例えば少なくとも1mgの薬物を含有する。該多数回投与組成物の正確な性質に依存して、該組成物は、しばしば少なくとも50mg、時には50gもの薬物を含有する。用量は毎日1回又は数回投与されてもよい。5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフトニトリル中間体は、本明細書に引用により一体化・合体される米国特許第4,594,195号に記載されている。
米国特許第4,942,042号は、吸収性成分及び電解質/糖成分を含む抗下痢組成物に関する。吸収性材料は、熱により活性化され、微細粉末化された、病原性腸バクテリアを吸収出来る含水マグネシウムアルミニウムケイ酸塩クレーである。この吸収性材料は、下痢に関連するウイルス類、腸トキシン類及びガス類も吸収可能である。好適な吸収性材料は、スメクタイト(SiAl20OH)などのクレーである。他のかかるクレーは、粘土質のクレー、例えば不活性化形状においてモルモワロン(mormoiron)アタパルジャイトとして知られ、さらに活性化形状においてATTAと命名されたクレーなどである。これは、抗下痢吸収性材料としても周知である。
かかる吸収性材料は、下痢の治療に有効であると認められる量でパッケージ内に提供され、該パッケージの内容物は、200mlの水で復元されることになる。外吸収性材料は、復元後に2.5−15g/lの濃度で含まれるような量で提供される。この組成物は、固形状で包装され、投与の前に水と混合することによって復元される。米国特許第4,942,042号を本明細書に引用により一体化・合体する。
米国特許第5,192,551号は、中性糖脂質、特にガングリオテトラコシルセラミド(gangliotetracosylceramide)を含有する再水和及び小児用栄養調合乳を開示する。糖脂質は、ヒトに対する病原性を有する例えばロタウイルスなどの腸ウイルスに結合する。ロタウイルスは、ヒトを含む広範囲の動物種の腸上皮細胞において複製することが知られるRNAウイルスである。GA1糖脂質は、例えばSigma Chemical Co.,St. Louis、Mo.などから商業的に入手可能である。Dahmsら(28)に記載されるように、GA1はGM1糖脂質の酸加水分解によっても調製出来る。この中性糖脂質は酸安定性であるため、胃腸管において残存するために保護される必要がない。しかし、この中性糖脂質を非吸収性支持体に結合させることが望ましいかもしれない。支持体の選択は、当該技術分野の範囲内であり、かかる支持体には、ビーズ、樹脂、天然又は合成ポリマーが含まれる。特に好ましい非吸収性支持体の一つは、コレスチラミンであり、これはバクテリア病原体に対する止しゃ剤として有効であることが既に以前に示されている。中性糖脂質は、簡単な吸収又は共有結合を介して非吸収性支持体に結合されてもよい。両方のこうしたタイプの結合を行なうための方法は、当該技術分野において周知である(例えばTiemeyerら(81)及びTakiら(80)を参照。)。付着の手段として吸収が用いられるときには、疎水性ビーズが好ましい。米国特許第5,192,551号を本明細書に引用により一体化・合体する。
本発明に従ったガングリオテトラオシルセラミド(gangliotetraosylceramide)の有効量は、標的ウイルスに結合するために有効な量である。一般的に、経口投与に対する有効量は約10μMから約1mMの間である。約12μgから1.2mgの間が子供に投与され、約200μgから10mgの間が成人に投与される。
本発明のORSは、当業者に周知の技術を用いて製造出来る。一般的なガイドラインとして、すべての成分をともに乾燥混合し;撹拌しながら水中に分散させ;任意に適切な温度に加熱してすべての構成要素を溶解してもよい。ORSは、次いで包装されて、当該技術分野において公知であるように食品等級規格(food grade standards)に滅菌される。
任意には、保存剤を貯蔵期間を延長するために添加してもよい。適切な保存剤及びこの結果を達成するために必要な濃度は当業者に公知である。典型的な保存剤は、ソルビン酸カリウム及び安息香酸ナトリウムを含み得るが、これらに制限されない。
本発明のORSはまた典型的には、特に小児における嗜好性を高めるための風味剤を含むことになろう。かかる風味剤は、ORSの有する塩味をマスクすべきものである。有用な風味剤は、チェリー、オレンジ、グレープ、フルーツパンチ、風船ガム、リンゴ、ラズベリー及びイチゴを含むが、これらに制限されない。人口甘味料を添加して風味を補完し且つ塩味をマスクしてもよい。有用な人口甘味料は、サッカリン、ニュートラスウィート(nutrasweet)(登録商標)、スクラロース(sucralose)、アセスルファン(acesulfane)−K(ace−K)などが含まれる。
上述の成分は、ORSに関して記載されているが、本発明の経口組成物及び経口再水和組成物もこれらの成分を含み得ることが理解されるべきである。例えばかかる経口再水和組成物は、EGF、炭水化物の供給源、ナトリウム、カリウム及び亜鉛を含んでもよい。又はその代りに、該経口再水和組成物は、EGF、アミノ酸及びナトリウムを含んでもよい。該経口組成物は、EGF受容体アゴニスト、ナトリウム及び吸収性成分を含んでもよい。
該経口組成物、経口再水和組成物又はORSは、患者の好みに依存して当業者に公知である、さまざまな形状で投与されてもよい。子供によっては、経口組成物、経口再水和組成物及びORSは、例えばポプシクル(アイスキャンデー)の形状などのように凍結されていればより消費しやすいだろう。該経口組成物を調製後、製品を密封可能で凍結可能な包装材料内に封入し、ヒートシールなどによって密封する。本発明の好ましい実施態様においては、単一用量の組成物が、気密シールの凍結可能なパウチに包装される。伝統的なアイスキャンデー(freezer pops)に使用されるものなど、本発明を実施するために使用出来るさまざまな種類の包装材料は、当業者に容易に明らかであろう。包装材料は典型的には、その外表面に位置すべき製品の識別、成分などの印字を可能にする種類のものである。かかる製剤は、この状態で複数の単位で出荷され、保存される。商業化の目的のために複数の単位又はアイスキャンデーが一緒に包装されることが意図される。
例えば、投与に先立って、液体の経口組成物、経口再水和組成物又は経口再水和溶液の包装が凍結される。凍結の後に、包装が開けられ、その内容物が摂取される。凍結組成物/溶液は通常は常温にて投与されるため、各包装に含有される液体の量は典型的には、まだ凍結状態のままで全部が消費出来る量である。一包装当り典型的には20−35オンス、又はその代りに2.0から2.5オンスである。特に好ましい実施態様においては、2.1オンスの滅菌組成物が、例えば1“X8”などの、矩形の凍結可能な包装材料に封入される。透明なプラスチック包装材料が好ましい。
本発明の凍結製剤は、伝統的なアイスキャンデーと同じ態様で摂食される。本発明を以下において再水和アイスキャンデーについて説明・記載するが、凍結組成物の送付するための他の包装システムも、本発明に包含されてその範囲内に含まれることが理解されるべきである。経口再水和溶液ポプシクル(Popsicle)は、その内容が本明細書に引用により一体化・合体される米国特許第5,869,459号に記載されている。
経口組成物は、患者の服用遵守を高めるためにゲルに形成することも出来る。ゲル化した経口再水和溶液は、その内容が本明細書に引用により一体化・合体される米国特許第6,572,898号に記載されている。経口組成物、水性経口再水和組成物及びORSは、流動可能なゲルに形成されても、又はその代わりに自己支持ゲル構造に形成されてもよい。好適なゲル化剤は、寒天、アルギン酸及び塩、アラビアゴム(gum arabic)、アカシアゴム(gum acacia)、タルハゴム(gum talha)、セルロース誘導体、カードラン(curdlan)、発酵ゴム、ファーセレラン(furcellaran)、ゼラチン、ゲランガム(gellan gum)、ガッチガム、グアーガム、イオタカラゲナン、トチャカ、カッパカラゲナン、コンニャク(konjac)粉、カラヤガム、ラムダカラゲナン、カラマツガム/アラビノガラクタン、イナゴマメガム、ペクチン、タマリンドシードガム、タラガム(tara gum)、トラガカントガム、天然及び修飾デンプン、キサンタンガム、並びにその混合物を含むが、これらに制限されない。該ゲル化剤の使用割合は約0.05から約50wt./wt.%までの範囲である。適切なゲル化剤及びこの結果を達成するために必要な濃度は、当業者に公知である。
例えば本発明のゲル経口組成物は、まず経口組成物、経口再水和組成物又は経口再水和溶液を調製することによって製造され得る。次いで組成物/溶液に構造化剤(structuring agent)が添加される。本明細書において用いられる構造化剤なる用語は、他の必要な成分と組合せて室温における好ましい製品粘稠性(コンシステンシー)を有するゲル組成物を与えることの出来るあらゆるゲル化又は濃化剤を意味する。本明細書において用いられる、室温における好ましい製品粘稠性なる用語は、1cm当り約20から約1000グラムまで、典型的には1cm当り約100から約200グラムまでの範囲のゲル強度を有するものとして定義される。ゲル強度は、当業者に公知のあらゆる便利な方法によって測定され、典型的にはゲルメーターによって測定される。
典型的なゲル強度テストのためのゲル組成物を調製する場合、水の一部を加熱して、すべての非水成分を加える。構造化剤を含むすべての非水成分が溶解するまで、混合物を高温で撹拌する。最後に残りの水を加え、得られた混合物を約185°Fに加熱を継続して撹拌する。次いで混合物を加熱から取出し、四つの50mlビーカーに注ぎ入れ、各々40mlの印まで満たす。ビーカーを45°Fの冷蔵庫に入れて2時間平衡化させる。次いで冷蔵庫からビーカーを取出し、スティーブンス(Stevens)1CM2ゲルメーターを用いてゲル強度の目盛りを即座に読み取る。測定ゲル強度は、四つの読取値の平均である。
例示的な構造化剤は、寒天、アルギン酸塩、カッパ、イオタ又はラムダ型のカラゲナン、セルロース誘導体、滲出物ゴム、ゲランガム、ゼラチン、グアーガム、コンニャクガム、イナゴマメガム、ミクロクリスタリンセルロース、修飾デンプン、ペクチン、シードガム、及びキサンタンガムを含むがこれらに制限されない。好ましい構造化剤は、寒天、アルギン酸塩、カラゲナン及びペクチンなどのゲル化剤を含むが、これらに制限されない。好ましい構造化剤はまた、アラビアガム、トラガカントガム、タマリンドガム、タラガム、グアー、イナゴマメガム、及びキサンタンガムなどの増粘剤を含むが、これらに制限されない。最も好ましい構造化剤は、TIC Gums Inc.,Belcamp,Md.から市販されているティカゲル(Ticagel)(登録商標)550である。ティカゲル(登録商標)550は、カラゲナン及びイナゴマメゴムの混合物を含み、1リットル当り約4.5グラムの量で用いた場合に室温において好ましい組成物粘稠性を生成する。
あらゆる数値範囲は、その範囲内の部分集合(サブセット)に対するクレームについて根拠を与えるものと考えられるべきである。例えば、1から10までの範囲の開示は、明細書及びその範囲(部分集合、即ち2−9、3−6、4−5、2.2−3.6、2.1−9.9などの範囲)におけるあらゆる部分集合に対するクレームの根拠を与えるものであるべきである。電解質の量に対する明細書又は請求項中でのあらゆる言及は、ORS中の電解質の最終濃度に言及するものと解釈されるべきである。水道水は、しばしば残留ナトリウム、塩素などを含有する。本出願においてはナトリウムの40mEqなる値は、添加されたナトリウム及びORSの製造に用いられた水中に存在するナトリウムの両方が考慮して、ORS中に存在する総ナトリウムが40mEqに等しいことを意味する。このことは、該治療・処置のすべての電解質及び成分について当てはまり、成立する。
EGFを含むORSによる動物の治療は、従来の再水和治療方式に従ってもよい。こうした動物には、下痢に罹患している患者、静脈輸液又は静脈栄養補給を長期間受け続けている患者、又は感染、化学療法若しくは外科手術介入により腸粘膜の損傷若しくは機能障害を受けた患者が含まれる。再水和療法における治療を開始する必要性は、従来の基準によって判断される。該療法は、患者が最小限の水和要求を超越して改善するまで、又は臨床評価によって指示される限り継続される。
本発明の治療による利益を受け得る動物は、ヒト、家畜、たとえばウマ、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウサギ、ミンク、ラマ、アルパカ、エルク、バイソン、魚及び家禽など、並びに家庭用動物、例えばネコ及びイヌなどを含むが、これらに制限されない。治療において用いられる上皮増殖因子又は上皮増殖因子受容体アゴニストの量は、広範に変動し得る。動物は、本発明のEGF、EGF受容体アゴニスト又はその薬学的に受容可能な塩形状が補足・補充された経口組成物、経口再水和組成物又はORSで治療され得る。例えば典型的には、ORSは、1ミリリットル当り約100ピコグラムの上皮増殖因子若しくは上皮増殖因子受容体アゴニストから約1ミリグラムの上皮増殖因子若しくは上皮増殖因子受容体アゴニストまで、又はその代りに、1ミリリットル当り約1ナノグラムの上皮増殖因子若しくは上皮増殖因子受容体アゴニストから約100マイクログラムの上皮増殖因子若しくは上皮増殖因子受容体アゴニストまで、又はその代りに、1ミリリットル当り約10ナノグラムの上皮増殖因子若しくは上皮増殖因子受容体アゴニストから約10マイクログラムの上皮増殖因子若しくは上皮増殖因子受容体アゴニストまでを含有する。該治療は、おそらく少なくとも1日につき1回、1日当り3若しくは4回又はそれ以上、又は継続的に施されることが意図される。断続的な用量が、あらゆる好都合の経路、例えば塊状注入又は本明細書において別途考察されるさまざまな経口調製物などによって投与されてもよい。上皮増殖因子受容体アゴニストは、EGF、トランスフォーミング増殖因子アルファ、アンフィレグリン、ヘパリン結合性EGF、及びエピレグリンを含んでもよいが、これらに制限されない。
有効な治療としての本発明の実行可能性を確立する実験を行い、これらを以下に記載する。
実施例1:感染性吸収不良性下痢を治療するためのEGFの使用
これらの研究では、ウサギにおいて腸病原性大腸菌感染の確立されたモデルを利用した(20)。経口再水和療法は、小腸におけるナトリウム及びグルコースの結合吸収に依存する。吸収不良性下痢疾患においては、グルコース輸送が損なわれる。過去の研究によって、上皮増殖因子(EGF)が空腸の上皮表面に適用されると、内腔からのグルコース、ナトリウム及び水の吸収を迅速に増加させることが明らかとなっていた(38;61)が、EGFが、輸送機能を妨げる下痢疾患の進行下で腸吸収を増加出来るかどうかは知られていなかった。
方法
付着−除去(attaching−effacing)大腸菌(RDEC−1)に感染させたウサギを用いた(20)。簡単にいえば、実験用ウサギ(400−600g)に、1mLの10%重炭酸ナトリウム中の5x10の大腸菌生菌を経口的に接種した。対照は、重炭酸ナトリウムのみの投与を受けた。動物は、レベルB封じ込め室に個別に収容され、市販の飼料で飼育し、随意に摂水した。感染10日後に、動物は全て、ハロタンによる麻酔後ペンタバルビトンナトリウム(sodium pentabarbitone)の腹膜内過剰投与によって殺戮した。次いで、トライツの靭帯から5cm遠位で始まる空腸の20cm部分を摘出し、氷冷クレブス緩衝液で洗浄した。長手方向及び円形の筋肉層の双方を下層粘膜から剥がし、空腸組織の四つの隣接する断片をウッシングチャンバ(Ussing chambers)内に短絡条件下において搭載した。粘膜及び漿膜表面の双方を10mlの酸素添加クレブス緩衝液に入れ、漿膜表面には10mMグルコースを加えて組織に代謝エネルギーを与え、粘膜表面には10mMマンニトールを加えて浸透圧的にグルコース溶液のバランスを取り、双方の表面に20mMの3−O−メチルグルコースを加えた。搭載直後に漿膜又は粘膜表面のいずれかに10μCiの3−O−メチル[H]グルコースを加え、20分間平衡化させた。3−O−メチルグルコースは、代謝されないグルコース類似体である。次いで、粘膜レザバー(mucosal reservoir)に100ng/mlのヒト組換え型上皮増殖因子(rhEGF)(Austral Biologicals、San Ramon、CA)又はビヒクルを添加する前後に、三回連続した5分間流量間隔及び全15分間流量間隔を測定することによって、粘膜から漿膜(Jms)及び漿膜から粘膜(Jsm)への一方向性流量を求めた。漿膜から粘膜への流量Jsmを粘膜から漿膜への流量Jmsから引くことによって正味の流量(Jnet)を算出した。糞便によるバクテリア放散を含む臨床的症候・徴候をモニターした。
結果
この研究において用いた全ての感染動物は、殺戮日におけるRDEC−1の糞便排出が陽性であった。試験した対照動物は、いずれもRDEC−1に陽性ではなかった。図1に示すように、感染の結果として、3−O−メチルグルコースの粘膜から漿膜への流量の減少による正味の3−O−メチルグルコース輸送の顕著な減少が起こった。粘膜EGFの適用は、感染組織における3−O−メチルグルコースの粘膜から漿膜への流量及び正味の流量を顕著に増加させた。粘膜から漿膜への、及び正味の3−O−メチルグルコース輸送は、EGF処置された感染組織において、対照から得られた流量値と異ならなかった。
結論
吸収不良性疾患のウサギモデルにおいて行なわれた研究の結果、EGFを腸の内腔表面に適用した場合、未適用の疾患動物において観察されるグルコース吸収の障害を迅速に逆転することが実証された。腸の水吸収及び臨床的再水和は、腸からの栄養素の吸収に密接に結び付いているため、これらの研究の結果、性能が強化された経口再水和溶液にEGFを使用するという概念の証拠が確立された。
実施例2:下痢の継続時間を減少させるための経口組成物にEGFを使用すること。
実験を行って、コブタの腸病原性大腸菌感染のモデルにおいて、下痢の継続時間に対して経口組成物として投与されたEGFが及ぼす影響を調べた。
方法
獣医額病理研究所(Veterinary Pathology Laboratories)(VPL)―Edmonton、Alberta―から入手した腸病原性大腸菌単離体をこれらの実験において用いた。この菌株は、元来下痢罹患コブタから単離されたもので、Stb、Lt及びK88(F4)に対して陽性である。この菌株はK88陽性大腸菌称される。腸病原性大腸菌感染は、主に吸収不良性下痢を起こすが、分泌成分は少ない。
バクテリアをLB(登録商標)培養液(Difco Laboratories、Detroit、MI)中で培養し、−70℃にてマイクロバンク(Microbank)(登録商標)多孔性ビーズ(Pro−Labs Diagnostics、Richmond Hill、ON)上で凍結した。各種菌調製物に対して1個のビーズを解凍し、20mlの滅菌LB(登録商標)培養液中で37℃、200rpmにて5時間インキュベートした。次いで、この20mlのスターター培養物を980mlのLB(登録商標)培養液に入れ、37℃、200rpmにて15時間インキュベートした。LB(登録商標)培養液を18本の滅菌ポリスチレン50ml管(Falcon)にアリコートし、3000rpm(フロアソーバル(floor Sorval))にて10分間遠心分離し、すべてのペレットをプールして、50mlの10%NaOHCO−滅菌PBS中に再懸濁した。
種菌:コブタに後期対数増殖期(late log phase)の1x1010(分光光度法、600nm、A=1.9により算出)のK88陽性大腸菌生菌を投与した。細菌種菌は、10%NaHCO/滅菌PBS(5ml)に続く乳酸塩リンゲル液(5ml)において送達された。接種材料(10ml)は、20cc注射器に接続された40cmの口胃(orogastric)挿管を介して送達された。種菌中の総細菌数は、LB(登録商標)寒天上に塗布して37℃、5%COにて一晩インキュベートした連続希釈を介して算出された。
妊娠したメスブタを、期日の約一週間前に地元の販売業者(Doug Hall、Airdrie、AB)から購入した。メスブタは、カルガリー大学農場にて分娩用檻に収容した。メスブタには水及びブタ飼料(Doug Hall、Airdrie、AB)を自由に摂取させた。二日齢のコブタを体重により分類して、各実験グループ(下記を参照)にランダムに割当て、その日(Day−1)に処置・治療を開始した。K88陽性大腸菌生菌の接種は、翌日(Day0)に行なった。コブタはその母ブタとともに、カルガリー大学農場における実験期間中は隔離動物施設に別々に収容した。収容檻は、20℃で、約8:16時間の光周期とした。
コブタは、下記する実験群の一つに割当てられた:1)感染−未処置実験群、生後3日齢(Day0)に5mLの10%NaHCO−滅菌PBS中1x1010個のK88陽性大腸菌生菌を接種し、その後5mLの乳酸塩リンゲル液を投与した。感染の1日前及び感染後毎日、コブタに滅菌PBSを経口的に胃管投与(gavaged)した;及び2)感染―EGF処置実験群、3日齢(0日)において5mLの10%NaHCO−滅菌PBS中1x1010のK88陽性大腸菌生菌を接種し、その後5mLの乳酸塩リンゲル液を投与した。感染の1日前及び感染後は毎日、コブタに100μg/kg体重の濃度の滅菌PBS中rhEGFを経口的に胃管投与した。
この実験研究をDay10に終了した。合計11匹のコブタを検討対象とし、5匹に毎日EGFを与え、6匹はビヒクルの投与を受けた(未処置)。
コブタの体重増加、下痢の発生及び全体の臨床症状(機敏さ、体姿勢、状態)を毎日チェックした。加えて、毎日の糞便スコア付けを毎日2回(午前9:00及び午後3:00)下記の通り行なった:0=固体の形のある便、1=軟便で会陰部の汚れなし、2=非血便性下痢で会陰部の汚れあり、3=血便性下痢で会陰部の汚れあり。
全ての午前観察は、午前7:00から午後12:00の間に行ない、日内変動を回避した。付加的な糞便スコア付けを一回午後3:00に行なった。
結果
コブタは、LB(登録商標)寒天プレート上に一晩生育させた種菌の連続希釈によって実証された通り、1x1010個のK88陽性大腸菌生菌の投与を受けた。この種菌の吸光度は、1.9(600nmにて読取)であった。
1x1010個のK88陽性大腸菌を接種した結果、新生児コブタに疾患が誘発された。この感染動物は、感染から24時間以内に嗜眠性になって下痢に罹患したが、このことは、糞便スコアの増加によって確認された(図2)。血便性下痢によって汚れた動物はおらず、この実験研究において測定された最高の糞便スコアは、2だった。EGF処置した動物においては糞便スコアは、Day3までに正常に戻った(即ちすべての動物の糞便スコアが0)のに対し、未処置の動物においては糞便スコアはDay4までに正常に戻った(即ちすべての動物の糞便スコアが0であった)(図2)。この実験研究の過程において、いずれのグループ間でも体重増加は異ならなかった。
要約すれば、K88陽性大腸菌生菌の実験的接種によって、健康な新生児コブタに下痢が惹起される。EGF処置は、全ての処置動物における正常な糞便粘稠性(コンシステンシー)への回復を1日早めた(未処置動物が4日までだったが、3日までになった)。
結論
下痢に罹患した新生児コブタにおいて、EGFを治療目的に毎日経口的投与することによって、下痢症状の回復及び除去が促進され、下痢の継続時間が減少する。
実施例3:下痢の重篤度を治療及び減少させるための経口組成物におけるEGFの使用。
これらの実験研究では、確立された下痢の重篤度及び継続時間に対する経口組成物中のEGFによる処置の影響を調べた。
方法
妊娠したメスブタを、期日の約一週間前に地元の販売業者(Doug Hall、Airdrie、AB)から購入した。メスブタは、カルガリー大学農場にて分娩用檻の中に収容した。メスブタには水及びブタ飼料(Doug Hall、Airdrie、AB)を自由に与えた。二日齢のコブタを体重により分類して、各実験グループ(下を参照)にランダムに割当て、その日(Day0)に処置を開始し、24時間後に動物を評価した。実験参入時にコブタは、自然発生新生児下痢の兆候を示した。コブタは母ブタとともに、カルガリー大学農場における実験期間中は、隔離動物施設に別々に収容された。檻は、20℃で、約8:16時間の光周期とした。
コブタは、次の実験グループの一つに割当てられた:1)Day0から毎日5mLの滅菌PBSを経口的に胃管投与した未処置動物、及び2)EGF処置、Day0から毎日100μg/kg体重の濃度での5mL滅菌PBS中のrhEGFを経口的に胃管投与した。
この実験研究はDay1に終了した。合計10匹のコブタを研究に供し、5匹にEGFを与え、5匹はビヒクルの投与を受けた(未処置)。
コブタの体重増加、下痢の発生、及び全体の臨床症状(機敏さ、体姿勢、状態)を毎日チェックした。更に、毎日の糞便スコア付けを一日二回(午前9:00及び午後3:00)次のように行なった:0=固体の形のある便、1=軟便で会陰部の汚れなし、2=血便性下痢で会陰部の汚れあり、3=血便性下痢で会陰部の汚れあり。
全ての午前中の観察は、午前7:00から午後12:00の間に行なった。付加的な糞便スコア付けを一回午後3:00に行なった。
結果
10匹中9匹のコブタが生後2日(Day0)までに原因不明の新生児下痢を有した(7匹の動物の糞便スコアが2で、1匹の動物のスコアが1)。翌日(Day1)、3匹の動物が死亡した。このうち1匹のコブタが前日にEGFの投与を受けていたが、2匹は未処置だった。グループ割当て及び処置開始の日に、双方のグループの動物の糞便スコアが高かった(新生児下痢)が、両グループ間に相違はなかった(図3)。処置開始の一日後(Day1)に、EGFを投与されたコブタは、ビヒクルのみを投与されたコブタに比べて糞便スコアが有意に(P<0.05)減少した(図3)。二つの実験研究グループの間で体重増加は相違しなかった。要約すると、原因不明の新生児下痢を示す動物においては、EGFの治療目的投与は、24時間以内に下痢の重篤度を顕著に減少させた。
結論
原因不明の新生児下痢に罹患した新生児コブタにおいて、進行中の感染を治療するためのEGFの治療目的の投与は、24時間以内に下痢の重篤度を顕著に減少させた。
実施例4:再水和を向上させ、下痢を治療し、腸治癒を促進するためのEGFを補足・補充したORSの使用。
これらの実験研究は、ウサギにおける腸病原性大腸菌感染の確立されたモデルを利用した(20)。本実験研究では、再水和の生理学的パラメータを調べ、感染動物における下痢及び腸治癒に対してEGF補足・補充ORSが及ぼす影響を評価した。
方法
大腸菌:腸病原性大腸菌ATCC49106(RDEC−1)をATCCから入手した。ATCC標準手順に従って、凍結乾燥バクテリアを10%ウシ胎児血清(FBS)中のトリプシンダイズ培養液(Tryptic Soy Broth)(TBS)4mLに再水和した。37℃における一晩の培養増殖後、ブロス培養物をマッコンキー(MacConkey)寒天(Difco Laboratories、Detroit,Michigan)プレート上に単一コロニーのためにすじ状に付け、37℃にて一晩インキュベートした。約10コロニーを用いて、10%FBS中のTSB125mLに接種し、37℃の振とう培養器中で19時間インキュベートした。(10%FBS中の滅菌TSB125mLを加えることによって)視覚密度(OD405)が1.45になるまで培養液を希釈した。PBS中の10%NaHCOの80mLに希釈培養物4mLを加えることによって、最終種菌を調製した。各動物に投与されたバクテリアの数は、投与された2.5mLの10%NaHCO中において1.232x10のオーダであった。
長期保存のためのバクテリアは、上述の種菌と同様に調製された一晩ブロス培養物に希釈することなく20%v/vグリセリンを添加し、次いで500uLアリコートにて−70℃で凍結/保存することによって調製した。
バクテリア単離体の生育曲線を、ウサギを感染させる前に得た。以前に報告された通りに(20)調製された10%FBS中のTSBにおける接種後の0時間と24時間の間のさまざまな時点において、マッコンキー寒天における連続希釈から生バクテリア数を算出した(20)。簡潔に言えば、種菌を調製するために前述したようにバクテリアブロス培養を開始した。6、19及び24時間において、ブロス培養物を滅菌PBS中で連続希釈し、マッコンキー寒天プレートに20uLをスポット接種した。37℃にて一晩インキュベートした後にコロニーをカウントし、各時点に対してコロニー形成単位(CFU)を算出した。更に各時点においてブロスの視覚密度(OD405)を測定した。
実験設計:離乳した、四週齢のニュージーランドシロウサギ(Vandermeer Inc.,Edmonton、AB)を購入して、カルガリー大学(Calgary、AB、Canada)の生命環境科学動物資源センター(Life and Environmental Sciences Animal Resources Centre)(LESARC)施設において実験研究に先立って4日間順化させた。実験研究を開始するに際して、すべての動物は外観は健康であり、如何なる動物も一切の下痢兆候を有さなかった。前述よりも高い用量(〜10)の大腸菌RDEC生菌(20)を動物に接種した以外は以前に報告した通り、アメリカ型培養保存所(ATCC)から入手した非侵襲的な付着−除去大腸菌去015(RDEC−1)をウサギに感染させた。動物を次の3つのグループの一つに割当てた:即ち、
1)非感染の擬似処置対照、5mlのビヒクル(滅菌PBS)のみを経口的に胃管投与;
2)感染、5mlの標準ORSを経口的に胃管投与;
3)感染、12μg/mlの組換えヒトEGF(rhEGF)を5ml中に合計60μgのEGFとなるように補足・補充した5mlの標準ORSを経口的に胃管投与。
Day0に動物を感染させ、感染後(PI)Day3からDay7まで、さまざまな処置物を1日1回経口的に胃管投与した。非感染の対照は、擬似的に胃管投与された。Day7PIに動物は、ユーサニル(Euthanyl)(ペントバルビタールナトリウム)の致死的心臓内注入によって殺戮し、さらなる分析のために血液及び小腸組織を採取した。7匹の対照動物を用いて、また6匹の動物を感染グループ毎に使用した。これらの実験研究にはProtein Express(日本)から入手した組換え型ヒトEGFを使用した。動物には随意に水および飼料(食事)が与えられた。用いたORS製剤は、世界保健機関が推奨するモル浸透圧濃度(osmolality)が低い経口再水和溶液(88)であった。簡潔に言えば、ORSを次のように調製した:2.6gのNaCl、13.5gのグルコース、1.5gのKCl、及び2.9gのNaを1Lの二重蒸留水に溶解した。
測定:体重増加、食物摂取及び糞便スコア付けを毎日記録した。糞便スコア付けは3点スケールで行った:1)正常;2)軽度の下痢/軟らかい糞;3)会陰部の汚れを伴う重度の下痢。大腸菌RDEC−1の糞便通過は、毎日の直腸の綿棒採取試料(Swabs)をマッコンキー寒天に接種して評価した。ヘマトクリット並びに血清電解質及びモル浸透圧濃度を求めるために、PI3、5及び7日に血液を採取した。ヘマトクリットは標準的な毛細管技術によって求め、血清電解質は炎光光度計及びクロライド分析器によって求めた(89)。血清モル浸透圧濃度は、浸透圧計によって測定した(90)。Day7PIに動物を殺戮した。末端直腸から新鮮な糞便物質を採取して、糞便含水量を評価した。トライツの靭帯から5cm遠位にて始まる10cmの空腸組織を得た。組織の最初の1センチメートル(cm)は捨てて、次の2cmを組織学用10%緩衝ホルマリン(H&E)中に固定した。空腸組織のその次の1cmを次に粘膜病原体カウントのために取った。空腸組織の残りは、確立された技術による粘膜スクラーゼ及びマルターゼ活性並びにタンパク質含有量のその後の分析のために凍結した(20)。空腸の絨毛の高さを光学顕微鏡法によって求め(34)、以前に記載したとおりに粘膜湿潤重量を評価した(20)。
統計的解析:統計的解析は、Tukeypost−testを用いた分散分析(ANOVA)によって行なわれた。糞便スコア付けの解析に対しては、非パラメトリックデータに対するDunn‘s post−testを行った。P<0.05を有意とみなした。
結果
1匹の対照動物が、マッコンキー寒天上にて出所不明のバクテリアコロニーが存在したために実験研究から除外され、感染ORS+EGFグループの1匹の動物が、胃管投与障害のために除去された。すべての感染動物は、3日までにバクテリアを排出し、研究の残余期間においても排出し続けた。
臨床的評価:ORSのみで処置された感染動物は、Day7に対照動物に比べて各動物の元の体重のパーセンテージとして表わされる体重増加が有意に(P>0.05)減少した。ORS+EGFで処置された動物の体重増加は、どの時点においても対照と相異しなかった(図4)。食物摂取は、感染ORS+EGF処置動物において実験研究の期間中は感染ORS処置動物に比べて多く、処置のDay1からDay3までは対照よりも多かったが、この効果が、統計的有意性に達したのはDay3であり、感染ORS+EGF処置動物における食物摂取が感染ORS処置動物及び対照の双方において実測されたものよりも多かった場合だけであった(図5)。図6に示されるように、糞便スコアは、処置のDay7において、感染ORS処置動物においては対照動物に比べて有意に増加した(P<0.01)。対照及びORS+EGF処置動物の間では糞便スコアの有意差はなかった。
脱水症及び下痢:ORS+EGFで処置された感染動物においては、ORSのみで処置された感染動物に比べて経口再水和も増加した。図7は、Day5に採取した血液からのヘマトクリット値を示す。ヘマトクリットは、5日に感染ORS処置動物において対照に比べて有意に増加した(P<0.05)。感染ORS+EGF処置動物のDay5ヘマトクリットは対照と違わなかった。Day3及びDay7においては、3グループ間のヘマトクリット値の相異は観察されなかった。同様に、Day3、5又は7のいずれにおいても、三つのグループ間の血清クロライド及びナトリウム濃度又は血清モル浸透圧濃度の相異は観察されなかった。図8は、解剖の際に動物の直腸から得られた糞便試料の糞便含水量を示す。糞便含水量は、感染ORS処置動物において対照に比べてわずかだが有意に増加した(P<0.001)。糞便含水量は、感染ORS+EGF処置動物において、ORSのみで処置した感染動物に比べて有意に減少した(P<0.001)。
組織学、粘膜測定及び酵素:空腸の形態計測分析が行なわれた。図9は、三つのグループにおける空腸絨毛高さを示す。絨毛高さは、ORSのみで処置した感染動物において対照動物に比べて有意に(P<0.01)減少した。絨毛高さは、ORS+EGFで処置した感染動物においてORSのみを与えた動物に比べて有意に(P<0.05)増加した。対照動物及びORS+EGFで処置した感染動物の間では絨毛高さは相異しなかった。陰窩の深さ及び絨毛幅はいずれのグループ間でも相異しなかった。図10は、対照動物及びORS又はORS+EGFで処置した感染動物における空腸粘膜湿潤重量を示す。粘膜湿潤重量は、ORSで処置した感染動物において対照に比べて減少したが、この効果は有意性に達さなかった。粘膜湿潤重量は、ORS+EGFで処置した感染動物においてORSのみを投与した動物に比べて有意に(P<0.05)増加した。対照動物及びORS+EGFで処置した感染動物の間では粘膜湿潤重量は統計的差異はなかった。粘膜タンパク質含有量はいずれのグループ間でも統計的差異はなかった(データを示さず)。空腸スクラーゼ及びマルターゼ活性は、それぞれ図11及び図12に示される。空腸スクラーゼ及びマルターゼ活性は、対照と比べてORS又はORS+EGFで処置した感染動物において有意に減少した。いずれかの処置を与えられた感染動物の間ではスクラーゼ及びマルターゼ活性は相異しなかった。空腸粘膜バクテリアカウントも、対照と比べたときに、ORS又はORS+EGFで処置した感染動物において有意に上昇した(図13)。ORS処置グループに比べてORS+EGFグループにおける空腸粘膜バクテリアカウントが減少する傾向があったが、この効果は統計的有意に達さなかった。しかし、処置をより長く進行させることによって、ORS処置グループに比べてORS+EGFグループにおける空腸粘膜バクテリアカウントが有意に減少する結果が得られたであろうと考えられる。
結論
ORSのみで処置した感染動物は、体重増加の減少及び顕著な下痢を示した。EGFを補足・補充したORSで感染動物を処置することによって、体重増加の正常化並びに下痢の重篤度及び継続時間の減少がもたらされた。また、EGFを補足・補充したORSによって、ORSのみで処置した感染動物に比べて経口再水和の向上及び糞便含水量の減少がもたらされた。最後に、ORSのみで処置した感染動物は、顕著な粘膜損傷を示した。EGFを補足・補充したORSで感染動物を処置することによって、ORSのみで処置した動物に比べて粘膜治癒が顕著に改善された。ORS+EGFグループにおける空腸粘膜バクテリアカウントはORS処置グループと統計的に違わなかったが、処置をより長く進行させることによって、ORS処置グループに比べてORS+EGFグループにおける空腸粘膜バクテリアカウントが有意に減少する結果が得られたと考えられる。EGFを補足・補充したORSは、胃腸感染、脱水症及び下痢の治療において、ORSのみでの処置よりも顕著な臨床上及び組織学上の利益を与える。
実施例5:下痢を治療するためのEGFを補足・補充したORSの使用
これらの実験研究は、ウサギにおける腸病原性大腸菌感染の確立されたモデルを利用する(20)。実験では再水和の生理的パラメータを調べ、EGF補足・補充ORSが感染動物における腸管の内腔からの水吸収を刺激する能力を直接的に測定する。
方法
離乳したての4週齢のニュージーランドシロウサギに、アメリカ型培養保存所(ATCC)から得られた非侵襲的な付着−除去大腸菌(RDEC−1)を感染させる。簡潔的に言えば、実験用ウサギ(400−600g)に、1mLの10%重炭酸ナトリウム中の5x10個の大腸菌生菌を経口的に接種する(20)。対照は、重炭酸ナトリウムのみの投与を受ける。動物は、レベルB封じ込め室に個別に収容され、市販の飼料を供給され、随意に水を与えられる。ある一連の実験において、動物には感染後(PI)Dayから1日に3回、100ng/mlの組換え型ヒトEGF(rhEGF)(Austral Biologicals、San Ramon、CA)を補足・補充した5mlの標準ORS(ペディアライト(Pedialyte)(登録商標)、Ross Products、Columbus、OH)又はビヒクルを経口的に胃管投与する。以前に記載されたようにヘマトクリット並びに血清電解質及びモル浸透圧濃度を求めるために、Days3、5及び7PIに採血する(32)。第二の一連の実験においては、動物を感染させて、100ng/mlのrhEGFを補足・補充した標準ORS溶液又はビヒクルの単一パス(single pass)灌流によって、Day7PIに水、Na、K及びClのインビボ小腸吸収を調べる(61)。簡潔に言えば、動物に麻酔をかけて、トライツの靭帯から10cm遠位にて始まる空腸の10から15cm部分を分離し、各端部においてカニューレ挿入する。次いで、100ng/mlのrhEGF(Austral Biologicals、San Ramon、CA)を補足・補充した標準ORS(ペディアライト(登録商標)、Ross Products、Columbus、OH)又はビヒクルを0.1ml/分の一定速度で該部分に灌流させる。非吸収性マーカとして、すべての溶液に5g/lのポリエチレングリコール(PEG)4000及び10μCi/lの[14C]PEGを加える。標準ORSを用いた最初の60分間の平衡化期間の後、三つの連続的な20分間の灌流液試料を末端部位から回収する。次いで100ng/mlのrhEGFを含むように灌流液を交換し、10分間EGF溶液をループに通過させた後、さらに6つの連続的な10分間の試料を回収する。Na、Kの吸収は炎光光度計によって定められ、Clはクロライド分析器によって求め、水吸収はシンチレーション分光測定法によって非吸収性マーカ[14C]ポリエチレングリコールの濃度を測定することによって求める(59)。
結果
EGF補足・補充ORSで処置された感染動物においては、ORSのみの投与を受ける動物に比べて再水和が向上する。ヘマトクリット、血清電解質及び血清モル浸透圧濃度は全て、EGF補足・補充ORSで処置された動物において、ORSのみの投与を受ける動物に比べて改善される。最後に、水及びナトリウムの吸収は、EGF補足・補充ORSが灌流された動物において、ORSのみが灌流された動物に比べて有意に増加する。
結論
EGF補足・補充ORSは、確立された下痢の動物モデルにおける経口再水和を標準ORSのみよりも有意に改善することが期待される。
実施例6:下痢の重篤度及び継続時間を減少させるためのEGFを補足・補充したORSの使用
これらの実験研究では、ウサギにおける腸病原性大腸菌感染症の確立されたモデル(20)における下痢の重篤度及び継続時間を減少させるEGF補足・補充ORSの能力を調べる。
方法
離乳した4週齢のニュージーランドシロウサギをアメリカ型培養保存所(ATCC)から入手した非侵襲的な付着−除去大腸菌015(RDEC−1)に感染させる。簡潔的に言えば、実験用ウサギ(400−600g)に、1mLの10%重炭酸ナトリウム中の5x10個の大腸菌生菌を経口的に接種する(20)。対照は、重炭酸ナトリウムのみの投与を受ける。動物は、レベルB封じ込め室に個別に収容され、市販の飼料を給餌され、随意に水を与えられる。全ての動物には感染後(PI)3日(Days3PI)に開始して一日に3回、100ng/mlのrhEGF(Austral Biologicals、San Ramon、CA)を補足・補充した5mlの標準ORS(ペディアライト(登録商標)、Ross Products、Columbus、OH)又はビヒクルを経口的に胃管投与する。毎日体重増加及び食物摂取を測定し、糞便含水量を求め、糞便スコア付けを4点スケールで行い(41)、また直腸の綿棒採取試料をマッコンキー寒天(Difco Laboratories、Detroit、Mich.)に接種したものから病原体カウントを評価する(20)。
結果
EGF補足・補充ORSによる処置は、標準ORSのみで処置した感染動物に比べて感染動物における体重増加を改善し、糞便含水量及び糞便スコア、及び病原体カウントを減少させることが予期される。
結論
EGF補足・補充ORSは、確立された下痢の動物モデルにおける下痢の重篤度及び継続時間をORSのみよりも有意に減少させることが期待される。
実施例7:腸治癒を促進するためのEGFを補足・補充したORSの使用
この実験研究では、ウサギにおける腸病原性大腸菌感染症の確立されたモデルにおける腸傷害を調べる。腸治癒をEGFを補足・補充した標準ORSで処置した感染動物と比べて、標準ORSで処置した感染動物において評価する。
方法
離乳した4週齢のニュージーランドシロウサギに、アメリカ型培養保存所(ATCC)から入手した非侵襲的な付着−除去大腸菌015(RDEC−1)を感染させる。簡潔的に言えば、実験用ウサギ(400−600g)に、1mLの10%重炭酸ナトリウム中の5x10個の大腸菌生菌を経口的に接種する(20)。対照は、重炭酸ナトリウムの投与のみを受ける。動物はレベルB封じ込め室に個別に収容され、市販の飼料を給餌され、随意に水を与えられる。すべての動物には感染後(PI)Day3から始めて一日に3回、100ng/mlのrhEGF(Austral Biologicals、San Ramon、CA)を補足・補充した5mlの標準ORS(ペディアライト(登録商標)、Ross Products、Columbus、OH)又はビヒクルを経口的に胃管投与する。以前に報告されたように、90mgのCr−EDTAを経口胃管投与した後に尿を測定することによって、Day4及び6PIに粘膜透過性を評価する(41)。光学(35)及び透過型電子顕微鏡法(20)並びに確立された技術による粘膜スクラーゼ及びマルターゼ活性の測定(20)のために、Day7PIに動物を殺戮し、トライツの靭帯から10cm遠位及び回盲弁に対して10cm近位から始まる10cmの小腸組織を採取する。
結果
粘膜透過性は、Day6PIにおけるEGF補足・補充ORSで処置した動物において、標準ORSで処置した動物に比べて減少することが予想される。加えて、EGF補足・補充ORSによる処置は、ORSのみで処置した感染動物において見られるものよりも、感染動物の小腸における組織学的傷害並びにスクラーゼ及びマルターゼ活性を改善する。
結論
EGF補足・補充ORSは、確立された下痢の動物モデルにおける粘膜透過性、ラクターゼ活性及び腸傷害を標準ORSのみよりも有意に改善することが期待される。
実施例8:経口再水和を向上し、下痢の重篤度及び継続時間を減少させ、腸治癒を促進するための経口組成物におけるEGFの使用
研究では、ウサギにおける腸病原性大腸菌感染症の確立されたモデルにおいて経口再水和を向上し、下痢の重篤度及び継続時間を減少させ、腸治癒を促進するための経口組成物におけるEGFの使用を調べる。
方法
離乳した4週齢のニュージーランドシロウサギをアメリカ型培養保存所(ATCC)から入手した非侵襲的な付着−除去大腸菌015(RDEC−1)に感染させる。簡潔的に言えば、実験用ウサギ(400−600g)に、1mLの10%重炭酸ナトリウム中の5x10個の大腸菌生菌を経口的に接種する(20)。対照は重炭酸ナトリウムのみの投与を受ける。動物は、レベルB封じ込め室に個別に収容され、市販の飼料を給餌され、随意に水を与えられる。すべての動物には感染後(PI)3日から始めて一日に3回、100ng/mlのrhEGF(Austral Biologicals、San Ramon、CA)及びバイスタンダータンパク質としての10mg/mlのカゼインを補足・補充した5mlの水又はビヒクル(10mg/mlのカゼインを含有する水)を経口的に胃管投与する。以前に報告されたように、90mgのCr−EDTAを経口胃管投与した後に尿を測定することによって、Day4及び6PIに粘膜透過性を評価する(41)。光学(35)及び透過型電子顕微鏡法(20)並びに確立された技術による粘膜スクラーゼ及びマルターゼ活性の測定(20)のために、Day7PIに動物を殺戮し、トライツの靭帯から10cm遠位及び回盲弁に対して10cm近位から始まる10cmの小腸組織を採取する。毎日体重増加及び食物摂取量を測定し、糞便含水量を求め、糞便スコア付けを4点スケールで行い(41)、また直腸の綿棒採取試料をマッコンキー寒天(Difco Laboratories、デトロイト、Mich.)に接種したものから病原体カウントを評価する(20)。第二の一連の実験においては、動物を感染させて前述のとおり処置し、標準ORS溶液の単一パス灌流によって、Day7PIに水、Na、K及びClのインビボ小腸吸収を調べる(61)。簡潔に言えば、動物に麻酔をかけて、トライツの靭帯に対して10cm遠位にて始まる空腸の10から15cm部分を分離し、各端部においてカニューレ挿入する。次いで、標準ORS(ペディアライト(登録商標)、Ross Products、Columbus、OH)を0.1ml/分の一定速度で該部分に灌流させる。非吸収性マーカとして、全ての溶液に5g/lのポリエチレングリコール(PEG)4000及び10μCi/lの[14C]PEGを加える。最初の60分間の平衡化期間の後、3つの連続的な20分間の灌流液試料を末端部位から回収する。Na、Kの吸収は炎光光度計によって求め、Clはクロライド分析器によって求め、水吸収はシンチレーション分光測定法によって非吸収性マーカ[14C]ポリエチレングリコールの濃度を測定することによって求める。
結果
粘膜透過性は、Day6PIにおける経口EGF組成物で処置した動物において、ビヒクルで処置した動物に比べて減少することが予期される。更に、経口EGF組成物による処置は、ビヒクルのみの投与を受ける動物に比べて、小腸における組織学的傷害並びにスクラーゼ及びマルターゼ活性を改善し、体重増加を改善し、糞便含水量、糞便スコア及び病原体カウントを減少させ、感染動物の小腸からの水及びナトリウムの吸収を改善する。
結論
経口EGF組成物は、確立された下痢の動物モデルにおける粘膜透過性、ラクターゼ活性、腸傷害、下痢の重篤度及び継続時間、並びにナトリウム及び水の吸収をビヒクルのみよりも顕著に改善することが期待される。
現在好ましい実施例と考えられるものに言及して発明を記載したが、本発明は開示される実施例に制限されないことが理解されるべきである。逆に本発明は、添付の請求項の趣旨及び範囲内に含まれる種々の変更・修正及び同等の構成を包含することが意図される。
全ての出版物、特許及び特許出願は、個別の出版物、特許又は特許出願のそれぞれが、全体を引用により一体化・合体されることを具体的かつ個別に明示されたのと同程度に全体が本明細書において引用により一体化・合体される。
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対照ウサギ、付着−除去(attaching−effacing)大腸菌(RDEC−1)に感染したウサギ、及びその後のEGF投与を受けた感染ウサギから得られた組織における空腸3−O−メチルグルコース輸送。値は平均±SEM(対照はn=5、感染グループはn=4)。 大腸菌K−88(1×1010)に感染したEGF処置コブタ(I.EGF.T)及び未処置コブタ(I.UT.)の平均糞便スコア。Day−1にEGF処置を開始し、Day0に動物に感染させた。値は、平均±SEM(対照はn=6、試験群はn=5)。 自然発生新生児下痢のEGF処置コブタ(EGF処置)及び未処置コブタ(未処置)の平均糞便スコア。Day0(t=0)にEGF処置を開始して24時間(t=24hr)継続。値は平均±SEM。*P<0.05対t=0におけるEGF処置グループ。(対照はn=5、試験群に対してn=5。) 付着−除去大腸菌(RDEC−1)による感染及びORS又はORS+EGFによる処置のパーセント体重増加に対する影響。値は平均±SEM。=P<0.05感染ORS対対照。 ORS又はORS+EGFで処置した、付着−除去大腸菌(RDEC−1)に感染した動物及び対照における食物摂取。値は平均±SEM。=P<0.05感染ORS+EGF、感染ORS及び対照の両方との比較。 ORS又はORS+EGFで処置した、付着−除去大腸菌(RDEC−1)に感染した動物及び対照における糞便スコア。値は平均±SEM。=P<0.01感染ORS対対照。 ORS又はORS+EGFで処置した、付着−除去大腸菌(RDEC−1)に感染した動物及び対照におけるDay5のヘマトクリット。値は平均±SEM。=P<0.05感染ORS対対照。 ORS又はORS+EGFで処置した、付着−除去大腸菌(RDEC−1)に感染した動物及び対照から解剖において集められた糞便試料の糞便含水量。値は平均±SEM。=P<0.001感染ORS対対照。+=P<0.001感染ORS、感染ORS+EGFとの比較。 ORS又はORS+EGFで処置した、付着−除去大腸菌(RDEC−1)に感染した動物及び対照からの空腸組織における絨毛高さ。値は平均±SEM。=P<0.01感染ORS対対照。+=P<0.05感染ORS、感染ORS+EGFとの比較。 ORS又はORS+EGFで処置した、付着−除去大腸菌(RDEC−1)に感染した動物及び対照動物における空腸粘膜湿潤重量。値は平均±SEM。=P<0.05感染ORS、感染ORS+EGFとの比較。 ORS又はORS+EGFで処置した、付着−除去大腸菌(RDEC−1)に感染した動物及び対照動物における空腸スクラーゼ活性。値は平均±SEM。=P<0.001、対照との比較。 ORS又はORS+EGFで処置した、付着−除去大腸菌(RDEC−1)に感染した動物及び対照動物における空腸マルターゼ活性。値は平均±SEM。=P<0.05、対照との比較。+=P<0.001、対照との比較。 ORS又はORS+EGFで処置した、付着−除去大腸菌(RDEC−1)に感染した動物及び対照動物における、CFU’s/cm空腸として表わされた空腸バクテリアカウント。値は平均±SEM。=P<0.01、対照との比較。

Claims (102)

  1. 上皮増殖因子(EGF)、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を含んで成る経口組成物の、下痢を治療するための使用。
  2. 上皮増殖因子(EGF)、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を含んで成る経口組成物の、下痢の重篤度を低減させるための使用。
  3. 上皮増殖因子(EGF)、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を含んで成る経口組成物の、下痢の継続時間を短縮させるための使用。
  4. 上皮増殖因子(EGF)、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を含んで成る経口組成物の、下痢に関連する腸損傷の治癒を促進するための使用。
  5. 上皮増殖因子(EGF)、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を含んで成る経口組成物の、下痢に関連する脱水症を治療するための使用。
  6. 上皮増殖因子(EGF)、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を含んで成る経口組成物の、確立された下痢感染におけるバクテリアの定着を減少させるための使用。
  7. 上皮増殖因子(EGF)、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を含んで成る経口組成物の、下痢罹患動物における体重損失を減少させるための使用。
  8. 上皮増殖因子(EGF)、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を含んで成る経口組成物の、下痢罹患動物における食物摂取を増加させるための使用。
  9. 上皮増殖因子(EGF)、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を含んで成る経口組成物の、下痢罹患動物における再水和を向上させるための使用。
  10. 上皮増殖因子(EGF)、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を含んで成る経口組成物の、下痢罹患動物における糞便物質における含水量を減少させるための使用。
  11. 上皮増殖因子(EGF)、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を含んで成る経口組成物の、下痢罹患動物における絨毛高さを増加させるための使用。
  12. 上皮増殖因子(EGF)、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を含んで成る経口組成物の、下痢罹患動物における粘膜治癒を改善するための使用。
  13. 上皮増殖因子(EGF)、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を含んで成る経口組成物の、下痢罹患動物における粘膜湿潤重量を高めるための使用。
  14. 該下痢が感染性吸収不良性下痢である、請求項1乃至13の内のいずれか一項に記載の使用。
  15. 該下痢が新生児下痢である、請求項1乃至13の内のいずれか一項に記載の使用。
  16. 該下痢が分泌性下痢である、請求項1乃至13の内のいずれか一項に記載の使用。
  17. 該組成物がORSである、請求項1乃至16の内のいずれか一項に記載の使用。
  18. 該組成物が上皮増殖因子を含んで成る、請求項1乃至17の内のいずれか一項に記載の経口組成物の使用。
  19. 該上皮増殖因子がヒト上皮増殖因子である、請求項18に記載の経口組成物の使用。
  20. 該組成物が上皮増殖因子受容体アゴニストを含んで成る、請求項1乃至17の内のいずれか一項に記載の経口組成物の使用。
  21. 該上皮増殖因子受容体アゴニストが、トランスフォーミング増殖因子アルファ、アンフィレグリン、ヘパリン結合性EGF、又はエピレグリンである、請求項20に記載の経口組成物の使用。
  22. 該組成物が、溶液、懸濁液、コロイド、濃縮物、粉末、顆粒、錠剤、圧縮錠剤及びカプセルからなる群から選択される、請求項1乃至17の内のいずれか一項に記載の経口組成物の使用。
  23. 該組成物が、約1ng/kg/日から約10mg/kg/日までの上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト又はその薬学的に受容可能な塩形状を含んで成る、請求項1乃至22の内のいずれか一項に記載の経口組成物の使用。
  24. 該組成物が、約0.1μg/kg/日から約1mg/kg/日までの上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト又はその薬学的に受容可能な塩形状を含んで成る、請求項1乃至22の内のいずれか一項に記載の経口組成物の使用。
  25. 該組成物が、約1μg/kg/日から約1mg/kg/日までの上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト又はその薬学的に受容可能な塩形状を含んで成る、請求項1乃至22の内のいずれか一項に記載の経口組成物の使用。
  26. 該組成物が、約1μg/kg/日から約0.1mg/kg/日までの上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト又はその薬学的に受容可能な塩形状を含んで成る、請求項1乃至22の内のいずれか一項に記載の経口組成物の使用。
  27. (i)上皮増殖因子(EGF)、上皮増殖因子受容体アゴニスト又はその薬学的に受容可能な塩形状;(ii)炭水化物、並びに(iii)塩類及び代替ナトリウム結合栄養素又はナトリウム結合栄養素の供給源からなる群から選択される少なくとも一つの溶質を含んで成る、水性経口再水和組成物。
  28. 該ナトリウム結合栄養素又はナトリウム結合栄養素の供給源が、アミノ酸類、アミノ酸類の供給源、ペプチド類、ポリペプチド類、短鎖脂肪酸類、及び腸管内のバクテリア発酵によって短鎖脂肪酸類に代謝され得る非消化性炭水化物の供給源からなる群から選択される、請求項27に記載の水性経口再水和組成物。
  29. 上皮増殖因子を含んで成る、請求項28に記載の経口再水和組成物。
  30. 該上皮増殖因子がヒト上皮増殖因子である、請求項29に記載の経口再水和組成物。
  31. 1ミリリットル当り約100ピコグラムから約1ミリグラムまでの上皮増殖因子又は上皮増殖因子受容体アゴニストを含んで成る、請求項28に記載の経口再水和組成物。
  32. 1ミリリットル当り約1ナノグラムから約100マイクログラムまでの上皮増殖因子又は上皮増殖因子受容体アゴニストを含んで成る、請求項31に記載の経口再水和組成物。
  33. 1ミリリットル当り約10ナノグラムから約10マイクログラムまでの上皮増殖因子又は上皮増殖因子受容体アゴニストを含んで成る、請求項32に記載の経口再水和組成物。
  34. 該再水和組成物が経口再水和溶液(ORS)である、請求項27乃至33の内のいずれか一項に記載の経口再水和組成物。
  35. 該ORSが、ナトリウム、カリウム、クロライド、塩基供給源、及び炭水化物又はナトリウム結合栄養素もしくはナトリウム結合栄養素類の供給源を含んで成る、請求項34に記載の経口再水和組成物。
  36. (a)約30mEq/Lから約95mEq/Lまでのナトリウムが存在し、(b)約10mEq/Lから約30mEq/Lまでのカリウムが存在し、(c)該炭水化物が約5%w/w未満で存在し、(d)該塩基供給源が約10mEq/Lから約40mEq/Lまでのカリウムが存在し、また(e)約30mEq/Lから約80mEq/Lまでのクロライドが存在する、請求項28に記載のORS。
  37. (a)約30mEq/Lから約70mEq/Lまでのナトリウムが存在し、(b)約15mEq/Lから約25mEq/Lまでのカリウムが存在し、(c)該炭水化物は約3%w/w未満で存在し、(d)約20mEq/Lから約40mEq/Lまでの該塩基供給源が存在し、また(e)約30mEq/Lから約75mEq/Lまでのクロライドが存在する、請求項29に記載のORS。
  38. (a)約40mEq/Lから約60mEq/Lまでのナトリウムが存在し、(b)約15mEq/Lから約25mEq/Lまでのカリウムが存在し、(c)該炭水化物が約2%から約3%w/wまでで存在し、(d)約25mEq/Lから約35mEq/Lまでの該塩基供給源が存在し、また(e)約30mEq/Lから約70mEq/Lまでのクロライドが存在する、請求項30に記載のORS。
  39. (a)該塩基供給源が、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸及びその混合物からなる群から選択され、(b)該炭水化物が、グルコース、デキストロース、フルクトオリゴ糖類、フルクトースポリマー類、グルコースポリマー類、コーンシロップ、高フルクトースコーンシロップ、スクロース、マルトデキストリン、米、米粉及びその混合物からなる群から選択され、(c)ナトリウムが、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及びその混合物からなる群から選択され、(d)カリウムが、クエン酸カリウム、塩化カリウム、重炭酸カリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム及びその混合物からなる群から選択され、また(e)クロライドが、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化亜鉛及びその混合物からなる群から選択される、請求項35乃至38の内のいずれか一項に記載のORS。
  40. 該ナトリウム結合栄養素又はナトリウム結合栄養素類の供給源が、アミノ酸類、アミノ酸類の供給源、ペプチド類、ポリペプチド類、短鎖脂肪酸類、及び腸管内のバクテリア発酵によって短鎖脂肪酸類に代謝され得る非消化性炭水化物の供給源からなる群から選択される、請求項35乃至39の内のいずれか一項に記載のORS。
  41. 亜鉛をさらに含んで成る、請求項27乃至40の内のいずれか一項に記載の経口再水和組成物。
  42. グルタミンをさらに含んで成る、請求項27乃至40の内のいずれか一項に記載の経口再水和組成物。
  43. 消化不能オリゴ糖をさらに含んで成る、請求項27乃至40の内のいずれか一項に記載の経口再水和組成物。
  44. アミジン誘導体をさらに含んで成る、請求項27乃至40の内のいずれか一項に記載の経口再水和組成物。
  45. 追加の医薬有効成分をさらに含んで成る、請求項27乃至40の内のいずれか一項に記載の経口再水和組成物。
  46. 吸収性成分をさらに含んで成る、請求項27乃至40の内のいずれか一項に記載の経口再水和組成物。
  47. 糖脂質をさらに含んで成る、請求項27乃至40の内のいずれか一項に記載の経口再水和組成物。
  48. 該組成物が凍結される、請求項27乃至40の内のいずれか一項に記載の経口再水和組成物。
  49. 該組成物がゲルの形状である、請求項27乃至40の内のいずれか一項に記載の経口再水和組成物。
  50. 甘味料、風味料、保存剤、賦形剤、希釈剤、又は補助剤をさらに含んで成る、請求項27乃至49の内のいずれか一項に記載の経口再水和組成物。
  51. (a)治療的な量の上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト又はその薬学的に受容可能な塩形状、(b)ナトリウム、カリウム、クロライド、塩基の供給源、炭水化物、代替ナトリウム結合栄養素、及びナトリウム結合栄養素の供給源からなる群から選択される少なくとも一つの溶質、並びに(c)指示書を含んで成るキット。
  52. 上皮増殖因子、及び上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を組成物に付与する工程、並びに経口組成物を製造する工程とを含んで成る、該経口組成物を製造する方法。
  53. 該上皮増殖因子がヒト上皮増殖因子である、請求項52に記載の方法。
  54. 該組成物が経口再水和溶液(ORS)である、請求項52又は53に記載の方法。
  55. (a)治療的な量の上皮増殖因子、及び上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状、(b)ナトリウム、カリウム、クロライド、塩基の供給源、炭水化物、代替的なナトリウム結合栄養素、及びナトリウム結合栄養素類の供給源からなる群から選択される少なくとも一つの溶質、並びに(c)指示書を付与することを含んで成る、キットを製造する方法。
  56. (a)治療的な量の上皮増殖因子、(b)ナトリウム、カリウム、クロライド、塩基の供給源、炭水化物、ナトリウム結合栄養素、及びナトリウム結合栄養素類の供給源からなる群から選択される少なくとも一つの溶質、並びに(c)指示書を付与することを含んで成る、キットを製造する方法。
  57. 該上皮増殖因子がヒト上皮増殖因子である、請求項56に記載の方法。
  58. 有効量の上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を下痢罹患動物に投与することを含んで成る、下痢を治療する方法。
  59. 有効量の上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を下痢罹患動物に投与することを含んで成る、下痢の重篤度を低減する方法。
  60. 有効量の上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を下痢罹患動物に投与することを含んで成る、下痢の継続時間を短縮する方法。
  61. 有効量の上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を下痢罹患動物に投与することを含んで成る、下痢罹患動物における腸損傷の治癒を促進する方法。
  62. 有効量の上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を下痢に関連する脱水症に罹患した動物に投与することを含んで成る、下痢罹患動物における脱水症を治療する方法。
  63. 有効量の上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を下痢罹患動物に投与することを含んで成る、下痢罹患動物におけるバクテリアの定着を低減させる方法。
  64. 有効量の上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を下痢罹患動物に投与することを含んで成る、下痢罹患動物において食物摂取を増大させる方法。
  65. 有効量の上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を下痢罹患動物に投与することを含んで成る、下痢罹患動物において再水和を向上させる方法。
  66. 有効量の上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を下痢罹患動物に投与することを含んで成る、下痢罹患動物において糞便物質中の含水量を減少させる方法。
  67. 有効量の上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を下痢罹患動物に投与することを含んで成る、下痢罹患動物において絨毛の高さを増大させる方法。
  68. 有効量の上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を下痢罹患動物に投与することを含んで成る、下痢罹患動物において粘膜治癒を改善する方法。
  69. 有効量の上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を下痢罹患動物に投与することを含んで成る、下痢罹患動物において粘膜湿潤重量を増加させる方法。
  70. 該下痢が感染性吸収不良性下痢である、請求項58乃至69の内のいずれか一項に記載の方法。
  71. 該下痢が新生児下痢である、請求項58乃至69の内のいずれか一項に記載の方法。
  72. 該下痢が分泌性下痢である、請求項58乃至69の内のいずれか一項に記載の方法。
  73. 有効量の上皮増殖因子を投与することを含んで成る、請求項58乃至72の内のいずれか一項に記載の方法。
  74. 該上皮増殖因子受容体アゴニストが、トランスフォーミング増殖因子アルファ、アンフィレグリン、ヘパリン結合性EGF、又はエピレグリンである、請求項58乃至72の内のいずれか一項に記載の方法。
  75. 該上皮増殖因子がヒト上皮増殖因子であり、また該動物がヒトである、請求項58乃至72の内のいずれか一項に記載の方法。
  76. 該動物が、ヒト、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウサギ、ミンク、ラマ、アルパカ、エルク、バイソン、魚及び家禽からなる群から選択される、請求項58乃至74の内のいずれか一項に記載の方法。
  77. 請求項27乃至50の内のいずれか一項に記載の組成物の有効量を下痢罹患動物に投与することを含んで成る、下痢を治療する方法。
  78. 請求項27乃至50の内のいずれか一項に記載の組成物の有効量を下痢罹患動物に投与することを含んで成る、下痢の重篤度を低減させる方法。
  79. 請求項27乃至50の内のいずれか一項に記載の組成物の有効量を下痢罹患動物に投与することを含んで成る、下痢の継続時間を短縮させるための方法。
  80. 請求項27乃至50の内のいずれか一項に記載の組成物の有効量を下痢罹患動物に投与することを含んで成る、下痢罹患動物における腸損傷の治癒を促進する方法。
  81. 請求項27乃至50の内のいずれか一項に記載の組成物の有効量を下痢罹患動物に投与することを含んで成る、下痢罹患動物にいて脱水症を治療する方法。
  82. 請求項27乃至50の内のいずれか一項に記載の組成物の有効量を下痢罹患動物に投与することを含んで成る、下痢罹患動物におけるバクテリアの定着を減少させるための方法。
  83. 請求項27乃至50の内のいずれか一項に記載の組成物の有効量を下痢罹患動物に投与することを含んで成る、下痢罹患動物における体重損失を減少させるための方法。
  84. 請求項27乃至50の内のいずれか一項に記載の組成物の有効量を下痢罹患動物に投与することを含んで成る、下痢罹患動物において食物摂取を増加させる方法。
  85. 請求項27乃至50の内のいずれか一項に記載の組成物の有効量を下痢罹患動物に投与することを含んで成る、下痢罹患動物において再水和を向上させる方法。
  86. 請求項27乃至50の内のいずれか一項に記載の組成物の有効量を下痢罹患動物に投与することを含んで成る、下痢罹患動物において糞便物質中の含水量を減少させる方法。
  87. 請求項27乃至50の内のいずれか一項に記載の組成物の有効量を下痢罹患動物に投与することを含んで成る、下痢罹患動物において絨毛の高さを増大させる方法。
  88. 請求項27乃至50の内のいずれか一項に記載の組成物の有効量を下痢罹患動物に投与することを含んで成る、下痢罹患動物において粘膜治癒を改善する方法。
  89. 請求項27乃至50の内のいずれか一項に記載の組成物の有効量を下痢罹患動物に投与することを含んで成る、下痢罹患動物において粘膜湿潤重量を増大させる方法。
  90. 請求項27乃至50の内のいずれか一項に記載の組成物の有効量を下痢罹患動物に投与することを含んで成る、下痢罹患動物においてバクテリアの定着を減少させるための方法。
  91. 該下痢が感染性吸収不良性下痢である、請求項77乃至90の内のいずれか一項に記載の方法。
  92. 該下痢が新生児下痢である、請求項77乃至90の内のいずれか一項に記載の方法。
  93. 該下痢が分泌性下痢である、請求項77乃至90の内のいずれか一項に記載の方法。
  94. 請求項20乃至43の内のいずれか一項に記載の組成物を動物に投与することを含んで成る、胃腸手術、胃腸切除、小腸移植、手術後の外傷からの回復、短腸症候群、火傷、口腔粘膜炎、エイズ、炎症性疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病、壊死全腸炎、腸管未成熟、骨髄移植、化学療法又は放射線療法による腸損傷、敗血症、腸感染、及び完全非経口栄養(TPN)を必要とする対象からなる群から選択される症状を呈する動物において下痢を治療する方法。
  95. 該組成物が上皮増殖因子を含んで成る、請求項77乃至94の内のいずれか一項に記載の方法。
  96. 該上皮増殖因子受容体アゴニストが、トランスフォーミング増殖因子アルファ、アンフィレグリン、ヘパリン結合性EGF、又はエピレグリンである、請求項77乃至94の内のいずれか一項に記載の方法。
  97. 該上皮増殖因子がヒト上皮増殖因子であり、また該動物がヒトである、請求項77乃至94の内のいずれか一項に記載の方法。
  98. 該動物が、ヒト、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウサギ、ミンク、ラマ、アルパカ、エルク、バイソン、魚及び家禽からなる群から選択される、請求項77乃至94の内のいずれか一項に記載の方法。
  99. 経口再水和溶液との混合物において使用するための、上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状の単位用量。
  100. 該用量は上皮増殖因子である、請求項99に記載の単位用量。
  101. 該上皮増殖因子がヒト上皮増殖因子である、請求項100に記載の単位用量。
  102. 下痢を治療し、下痢の重篤度を低減させ、下痢の継続時間を短縮させ、腸治癒を促進し、下痢に関連するバクテリアの定着を減少させ、下痢罹患動物における体重損失を減少させ、下痢罹患動物における食物摂取を増加させ、下痢罹患動物における再水和を向上し、下痢罹患動物における糞便物質中の含水量を減少させ、下痢罹患動物における粘膜治癒を改善し、下痢罹患動物における絨毛高さを増加させ、又は下痢罹患動物における粘膜湿潤重量を高めることに用いるための、上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体アゴニスト、又はその薬学的に受容可能な塩形状を含んで成る、経腸送達される再水和組成物。
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