JP2008513541A - 多価髄膜炎菌誘導体化多糖−タンパク質複合体およびワクチン - Google Patents

多価髄膜炎菌誘導体化多糖−タンパク質複合体およびワクチン Download PDF

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Abstract

本発明は、誘導体化多糖−タンパク質複合体、そのような誘導体化多糖−タンパク質の1つ以上を含む組成物、およびそれを用いてヒト患者を免疫化する方法を記載する。誘導体化多糖タンパク質複合体は、誘導体化され化学的に活性化されおよび共有化学結合によって選択的にキャリヤータンパク質へ結合された髄膜炎菌血清群A、C、W−135、およびY由来精製莢膜多糖であり、さまざまな髄膜炎菌株に対する長期免疫を誘導する能力がある多糖−タンパク質複合体を形成する。

Description

本発明は一般的に医学の分野に、およびより具体的には微生物学、免疫学、ワクチンおよび細菌病原体による感染の免疫化による予防に関する。
従来技術の要約
髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)は世界中で細菌性髄膜炎および敗血症の主な原因である。最近三十年間の地方病性髄膜炎菌性疾患の発生率は、先進国では100,000当たり1から5、および発展途上国では100,000当たり10から25である(非特許文献1)。流行中には髄膜炎菌性疾患の発生率は1000,000当たり1000に近い。米国では年間約2,600例の細菌髄膜炎があり、および発展途上国では平均して330,000例である。致死率は10〜20%の範囲にわたる。
病原性髄膜炎菌は、その外膜表面に結合した多糖莢膜によって包まれている。髄膜炎菌の13の異なる血清群が、莢膜多糖の免疫特異性に基づいて同定されている(非特許文献2)。これらの13の血清群のうち、5つが髄膜炎菌性疾患の大部分を引き起こす;これらは血清群A、B、C、W135、およびYを含む。血清群Aは大部分の流行性疾患の原因である。血清群B、C、およびYは地方病性疾患および局地的大流行の大部分を引き起こす。
ヒト鼻口咽頭粘膜は、髄膜炎菌の唯一の既知の自然界での保有宿主である。定着は粘膜細胞の外表面および鼻咽腔の上皮下組織の両方で起こる。髄膜炎菌の保菌は何ヶ月も継続しうる。髄膜炎菌の伝播は、直接接触または飛沫によって起こる。髄膜炎菌はエンドサイトーシスの結果として食胞を介して粘膜上皮を通ることによって侵入する。侵入性髄膜炎菌の宿主防御は補体媒介性溶菌に依存する。補体媒介性溶菌を担う血清抗体は、主に莢膜表面多糖に対する。
莢膜多糖に対する免疫応答を導く、髄膜炎菌多糖に基づくワクチンが記載されている。これらの抗体は、血清群特異的髄膜炎菌の補体媒介性溶菌が可能である。髄膜炎菌多糖ワクチンは、小児および成人において有効であることが示されているが(非特許文献3および非特許文献4)、しかしその有効性は乳児および幼児では限られている(非特許文献5)。より若年の集団における多糖の以後の投与は、弱い追加免疫応答を導いたかまたは追加免疫応答を導かなかった(非特許文献6および非特許文献7)。髄膜炎菌多糖ワクチンによって導かれた保護の期間は持続性でなく、および成人および4歳以上の小児では3〜5年と推定されている(非特許文献8、非特許文献9、および非特許文献10)。1歳から4歳の小児については、保護の持続期間は3年未満である(非特許文献5)。
多糖は、Tヘルパーリンパ球への抗原提示および刺激の必要条件である主要組織適合抗原複合体分子の能力が無く、すなわち、多糖はT細胞非依存性抗原である。多糖は、Tヘルパーリンパ球の補助無しに、抗体産生のためにBリンパ球を刺激できる。Bリンパ球のT非依存性刺激の結果として、これらの抗原による免疫化後の記憶誘導を欠く。多糖抗原は成人において非常に効果的なT非依存性応答を導くことができるが、しかしこれらのT非依存性応答は、乳児および幼児の未熟な免疫系では弱い。
T非依存性多糖抗原は、タンパク質分子(「キャリヤー」または「キャリヤータンパク質」)への多糖の共有結合によって、T依存性抗原へ変換されうる。複合体ワクチンの多糖成分に結合するB細胞は、複合体化キャリヤータンパク質の一部であるペプチドに特異的なヘルパーT細胞によって活性化されうる。キャリヤータンパク質に対するTヘルパー応答は、多糖に対する抗体産生を増加させる役割を果たす。
血清群B多糖は、人口母集団においてほとんどまたは全く免疫原性でないことが示されている(非特許文献11)。この血清群多糖のタンパク質への化学結合は、実験動物において免疫応答を有意に変化させていない(非特許文献12)。この血清群多糖に対する免疫応答の欠如の理由は、血清群B多糖と、たとえば神経細胞接着分子といったポリシアリル化宿主糖タンパク質との間の構造的類似性から生じると考えられている。
血清群C多糖に基づく髄膜炎菌複合体ワクチンが記載されている。この一価ワクチンは、血清群Cに対応する髄膜炎菌株に存在する莢膜多糖に対する強い機能抗体応答を導く。そのようなワクチンは、血清群C細菌によって引き起こされた疾患に対して保護が可能であるのみである。
髄膜炎菌多糖に基づく既存のワクチンは、幼児においては使用が限られており、および成人においては持続性の保護を与えない。髄膜炎菌感染のリスクがある、小児を含むすべての群で持続性保護を導く能力があることが示されている唯一の髄膜炎菌ワクチンは、髄膜炎菌の単一の血清群に由来する多糖に基づき、および他の血清群による感染に対する保護を与えない。したがって、髄膜炎菌感染のリスクがある小児および成人において広域の長期保護を導く能力がある髄膜炎菌複合体ワクチンが必要である。本発明の多価髄膜炎菌多糖はこの必要を、髄膜炎菌の主要な病原性血清群に由来する免疫原性多糖がキャリヤータンパク質との複合体化によってT依存性抗原に変換されているワクチン処方を提供することによって解決する。
髄膜炎菌多糖に対するワクチンのFDA認可は、その認可ワクチンで免疫化されたものの血液試料について実施した仔ウサギ補体(SBA−BR)を用いた殺菌検定に基づいている。いくつかの政府および専門家会議は、たとえば、髄膜炎菌血清群AおよびCに対する髄膜炎菌ワクチンで免疫化された健常成人における殺菌抗体産生の誘導を実証するための生物学的標準化に関するWHO専門家会議(WHO1976);検定の標準化用のパラメーターを設定するための国際比較試験において、CDCSBA−BRは、その比較試験における品質管理血清試料の一つである、同一の標準参照血清であるCDCドナーR21654−3430107を使用する(非特許文献13);および、最適方法としてワクチンおよび生物物質部門WHO専門家会議によって推奨される標準化されたCDC法(WHO1999);といった、そのような検定で髄膜炎菌多糖ワクチンを評価するための現行の要件および勧告を発行している。
髄膜炎菌性疾患に対するヒト免疫が、血清殺菌検定(SBA)によって検出される補体媒介性殺菌抗体のレベルとよく相関することが示されたために認可された(非特許文献14および非特許文献15)。血清群Cに対するSBA力価の代替レベル1:4は、ヒト補体を本検定に用いて設定されている(SBA−H)。しかし,髄膜炎菌多糖ワクチンについての認可要件は、本検定における補体の起源として仔ウサギ補体(SBA−BR)を用いた血清殺菌応答の誘導に基づく(非特許文献16)。この勧告によると、髄膜炎菌多糖ワクチンを接種した被験者の少なくとも90%に由来する血清の抗体力価は、下記の標的菌株または同等の菌株に対して試験される際、免疫化の2〜4週間後に4倍以上の上昇を示すべきである:血清群AについてA1、血清群CについてC11、血清群YについてS−1975、および血清群W−135についてS−4383(非特許文献17)。生物学研究所はWHO勧告を採用し、および髄膜炎菌多糖ワクチンであるAおよびC型の組み合わせおよびA、C、Y、およびW−135型の組み合わせは、この要件に基づいて認可されている。髄膜炎菌ワクチンによって誘導される殺菌活性の施設間比較を円滑にするために、仔ウサギ補体(SBA−BR)を用いる標準化SBAが多施設試験によって確立されている(非特許文献18。
髄膜炎菌複合体Cワクチンからのデータが入手可能になり始めると、検定におけるウサギ補体の使用が、誤った高SBA力価に繋がりうるという問題が出始めた。髄膜炎菌血清群AおよびC特異的抗体についてのヒト血清の分析のための生化学検定法に関する問題を明らかにしおよび解決するための1999年3月の会合後、生物学的標準化に関するWHO専門家会議は、血清群Cに対する抗体応答を測定するためにSBAを仔ウサギ補体と共に用いることを勧告した(非特許文献19)。仔ウサギ補体を用いて保護を過大評価することを避けようとして、WHOは、ヒト補体を用いて測定されたSBA力価と相対的に、仔ウサギ補体を用いてSBA検定によって測定された閾力価を相関させる試験を実施することを勧告した。フォローアップ会合が開かれ、および、仔ウサギ補体を用いて<1:8のSBA力価は、血清群Cに対する保護の非存在に相関し、および仔ウサギ補体を用いて≧1:128のSBA力価は、ヒト補体を用いて1:4の保護SBA力価とよく相関するという一般的結論を支持する結果が提示された。A、YまたはW−135といった他の髄膜炎菌血清群について、または多糖複合体については、対応する相関SBA−BR力価に関して情報は提供されていない。
仔ウサギ補体を用いて1:8〜1:64のSBA力価は、ヒト補体を用いて1:4の保護SBA力価と必ずしもよく相関しない(非特許文献20)。WHO専門家委員会は、ワクチン接種後のSBA−BR力価1:8、1:16、1:32および1:64はヒト補体を用いて再評価することを勧告した。SBA−BR力価1:8、1:16、1:32、および1:64の不確実性を解決するための他の手段が、ワクチン接種前後の間の抗体SBA力価における4倍の上昇の評価に含められた保護の関数としての記憶の実証もまた与えられたが、しかし専門家委員会は、これらの代替値についての入手可能なデータは不適当であるかまたは限定されていることを認めた。
1:8を上回るSBA−BR力価は、免疫化後約15から約45日までの免疫化後期間のSBA−BR力価の4倍以上の上昇がそうであるように、髄膜炎菌性疾患に対するヒト免疫のより良い印である。
一実施形態では、本発明は、ヒト患者が血清SBA−BR力価1:16以上、好ましくは1:32以上、およびより好ましくは、1:64以上、およびさらにより好ましくは、1:128以上を有することを特徴とする、多価髄膜炎菌多糖複合体組成物を用いてヒト患者を免疫する方法を提供する。さらに別の実施形態では、本発明は、ヒト患者の抗体SBA力価ワクチン接種前後の間の抗体力価が4倍以上上昇することを特徴とする、髄膜炎菌多糖複合体組成物を用いてヒト患者を免疫する方法を提供する。
さらに別の一実施形態では、本発明は、組成物が髄膜炎菌血清群AおよびW−135;YおよびW−135;CおよびY;CおよびW−135;A5CおよびY;A5CおよびW−135;C5YおよびW−135;A、YおよびW−135;およびA、C、YおよびW−135から選択される二つ以上の多糖を含むことを特徴とする、多価髄膜炎菌多糖複合体組成物を用いてヒト患者を免疫することによる、髄膜炎菌の複数の血清群に対する免疫をヒト患者に提供する方法を提供する。
さらに別の実施形態では、本発明は、多糖が100,000ダルトン未満へ誘導体化されていることを特徴とする、多価髄膜炎菌(精製)多糖複合体組成物を用いてヒト患者を免疫することによる、髄膜炎菌の複数の血清群に対する免疫をヒト患者に提供する方法を提供する。本発明の一実施形態では、精製多糖は平均多糖サイズ約5,000から約75,000ダルトンへ;好ましくは、平均多糖サイズ約7,000から約50,000ダルトンへ;より好ましくは,平均多糖サイズ約8,000から約35,000ダルトンへ;さらにより好ましくは,平均多糖サイズ約12,000から約25,000ダルトンへ解重合される.本発明の一実施形態では、組成物中の平均多糖サイズは約15,000から約22,000ダルトンである。
Reido,F.X.,et al.,(1995) Ped.Infect.Pis.J.14,pp.643−657 Frasch,C.E.,et al.,(1985) Rev.Infect.Pis.7,pp.504−510 Peltola,H.,et al.,(1997) New Engl J.Med 297,pp.686−691 Artenstein,M.S.,et al.,(1970) New Engl.J.Med.282,pp.417−420 Reingold,A.L.,et al.,(1985) Lancet 2,pp.114−118 Goldschneider,L,et al.,(1973) J.Infect.Diseases 128.pp.769−776 Gold,R.,et al.,(1977) J.Infect.Diseases.136,S31−S35 Brandt,B.L.and Artenstein,M.S.(1975) J.Infect.Diseases.131,pp.S69−S72 Kyhty,H.,et al.,(1980) J1 Infect.Diseases.142,pp.861−868 Cessey,S.J.,et al.,(1993) J.Infect.Diseases.167,pp 1212−1216 Wyle,F.A.,et al,(1972) J.Infect.Diseases.126,pp.514−522 Jennings,H.J.and Lugowski,C.(1981) J.Immunol.127,pp.1011−1018 Maslanka SE,et al.,1997.Clin.Diagn.Lab.Immunol.4: 156−167 Goldschneider,I,et al.,1969,J.Exp.Med.129:1307− 1326 Goldschneider,I,et al.,1969,J.Exp.Med.129:1327−1348 World Health Organization.1976.Requirements for meningococcal polysaccharide vaccine.World Health Organization technical report series,no.594.World Health Organization,Geneva,Switzerland (WHO 1976) WHO 1976,WHO 1981,Bureau of Biologies,Food and Drug 投与 July 17,1985 Maslanka SE,et al,1997.Clin.Diagn.Lab.Immunol.4: 156−167. The World Health Organization.1999.Standardization and validation of serological 検定 for the evaluation of immune responses to Neisseria meningitidis serogroup A/C vaccines.Geneva,WHO/V&B/99.19 (WHO 1999) Jodar L,et al.,Biologicals 2002; 30: 323−329
本発明は、髄膜炎菌多糖−タンパク質複合体の免疫組成物の投与によって、病原性髄膜炎菌によって引き起こされる髄膜炎菌性疾患に対するヒト免疫を提供する方法を提供する。
本発明の一実施形態では、免疫組成物は、個々の複合体がキャリヤータンパク質と複合体化された髄膜炎菌由来莢膜多糖を含むことを特徴とする、二つ以上のタンパク質−多糖複合体を含む。好ましい一実施形態では、免疫組成物は、個々の複合体がキャリヤータンパク質と複合体化された異なる血清群の髄膜炎菌に由来する莢膜多糖を含むことを特徴とする、二つ以上の異なるタンパク質−多糖複合体を含む。
本発明は、個々の複合体がキャリヤータンパク質と複合体化された異なる血清群の髄膜炎菌に由来する莢膜多糖を含むことを特徴とする、二つ以上の異なるタンパク質−多糖複合体を含む免疫組成物の投与を含む、髄膜炎菌多糖−タンパク質複合体の免疫組成物の投与によって、病原性髄膜炎菌によって引き起こされる髄膜炎菌性疾患に対するヒト免疫を提供する方法を提供する。
本発明は、髄膜炎菌多糖−タンパク質複合体の投与を含む、病原性髄膜炎菌によって引き起こされる髄膜炎菌性疾患に対するヒト免疫を提供する方法を提供する。本発明は、個々の複合体がキャリヤータンパク質と複合体化された異なる莢膜多糖を含むことを特徴とし、および各莢膜多糖が血清群A、C、W−135およびYに由来する莢膜多糖より成る群から選択されることを特徴とする、免疫学的に有効な量の2〜4つの異なるタンパク質−多糖複合体から成る多価髄膜炎菌ワクチンを提供する。本発明はさらに、本発明の免疫組成物の免疫学的に有効な量をヒトへ投与することを含む、髄膜炎菌の莢膜多糖に対する免疫応答を誘導する方法を提供する。一実施形態では、多価髄膜炎菌ワクチンは、個々の複合体がキャリヤータンパク質と複合体化された異なる莢膜多糖を含むことを特徴とし、および各莢膜多糖が血清群A、C、W−135およびYに由来する莢膜多糖より成る群から選択され、より好ましくは、莢膜多糖AおよびW−135、AおよびY、CおよびW−135、CおよびY、およびW−135およびYを含むことを特徴とする、免疫学的に有効な量の2つの異なるタンパク質−多糖複合体を含む。一実施形態では、多価髄膜炎菌ワクチンは、個々の複合体がキャリヤータンパク質と複合体化された異なる莢膜多糖を含むことを特徴とし、および各莢膜多糖が血清群A、C、W−135およびYに由来する莢膜多糖より成る群から選択され、より好ましくは、莢膜多糖A、CおよびW−135、A、CおよびY、C、YおよびW−135、C、W−135およびY、およびA、W−135およびYを含むことを特徴とする、免疫学的に有効な量の3つの異なるタンパク質−多糖複合体を含む。別の一実施形態では、多価髄膜炎菌ワクチンは、個々の複合体がキャリヤータンパク質と複合体化された異なる莢膜多糖を含むことを特徴とし、および各莢膜多糖が血清群A、C、W−135およびYに由来する莢膜多糖より成る群から選択されることを特徴とする、免疫学的に有効な量の4つの異なるタンパク質−多糖複合体を含む。
本発明はさらに、本発明の免疫組成物の免疫学的に有効な量をヒトまたは動物へ投与することを含む、髄膜炎菌の莢膜多糖に対する免疫応答を誘導する方法を提供する。
本発明は、個々の複合体がキャリヤータンパク質と複合体化された異なる莢膜多糖を含むことを特徴とし、および各莢膜多糖が血清群A、C、W−135およびYに由来する莢膜多糖より成る群から選択されることを特徴とする、免疫学的に有効な量の2〜4つの異なるタンパク質−多糖複合体から成る多価髄膜炎菌ワクチンを提供する。
本発明は、本発明のワクチンの免疫学的に有効な用量をヒトまたは動物へ投与することを含む、髄膜炎菌の感染に感受性のヒトまたは動物を保護する方法を提供する。
さらに別の実施形態では、本発明は、髄膜炎菌ワクチンまたは免疫原性組成物の一回目、二回目、三回目などの投与後に導かれた応答を追加免疫する方法を提供する。これらの実施形態の一部では、髄膜炎菌ワクチンまたは免疫原性組成物の一回目(以上)の用量は、一つ以上の血清群の髄膜炎菌(血清群A、B、C、Y、W−135、など)に由来する莢膜多糖を含む。他の一部の実施形態では、髄膜炎菌ワクチンまたは免疫原性組成物の一回目(以上)の用量は、一つ以上のキャリヤー(たとえば、キャリヤータンパク質)と複合体化された一つ以上の血清群の髄膜炎菌(血清群A、B、C、Y、W−135、など)に由来する莢膜多糖を含む。好ましい実施形態では、キャリヤータンパク質は免疫原性であり、および/または追加の治療的またはその他の利益を提供する。一部の好ましい実施形態では、髄膜炎菌ワクチンまたは免疫原性組成物の一回以上の投与後に導かれる、対象(たとえばヒト)における一次応答は、1、2、3、4、またはそれ以上の異なる血清群の髄膜炎菌に由来する莢膜多糖を含むワクチンまたは免疫原性組成物の、一回以上の以後の投与によって追加免疫される。本発明は、しかし、非複合体化莢膜多糖を含むワクチンまたは免疫原性組成物の一回以上の初回刺激用量の一回以上の投与に限定されず、また本発明は、複合体化莢膜多糖−キャリヤータンパク質免疫原性組成物またはワクチンを含む一回以上の追加免疫用量の投与に限定されることは意図されない。同様に、本発明は、初回刺激または追加免疫用量の時間的間隔によって限定されることは意図されない。
本発明の他の実施形態は、1、2、3、または4つの異なるタンパク質−多糖複合体および、ワクチン組成物(たとえば、認可ワクチン)に由来する一つ以上の抗原または免疫原性成分を含む混合ワクチン組成物を提供する。さらに別の実施形態では、本発明は、1、2、3、または4つの異なるタンパク質−多糖複合体および、ワクチン(たとえば、認可ワクチン)組成物に由来する一つ以上の抗原または抗原性成分を含む免疫原性組成物を提供する。本発明は、1〜4つの異なる髄膜炎菌タンパク質−多糖複合体および、髄膜炎菌によって引き起こされたのではない疾患の作用を予防または改善するためのワクチンに由来する免疫原性成分(たとえば抗原)の組み合わせを考慮するがしかしそれに限定されない。たとえば、一部の実施形態では、本発明は、1、2、3、または4つの異なるタンパク質−多糖複合体および、チフス(たとえば、Typhim Vi(登録商標))、黄熱(たとえば、YF−V AX(登録商標))、ポリオなどに対するワクチンを含むがそれらに限定されない、典型的には旅行者に投与される認可ワクチンに由来する一つ以上の成分を含む免疫原性組成物を提供する。さらに別の実施形態では、本発明は、1〜4つの異なる髄膜炎菌タンパク質−多糖複合体および、ウイルス性、細菌性、および寄生虫性疾患の中でも、肝炎(たとえば、A、B、C、D、またはE)、天然痘およびワクシニア、AIDS、結核、ジフテリア、インフルエンザ菌、麻疹、おたふく風邪、百日咳、肺炎球菌疾患、ポリオ、風疹、破傷風、水痘、アデノウイルス疾患、炭疽、コレラ、脳炎(たとえば、日本脳炎、ダニ媒介性脳炎など)、ペスト、狂犬病、チフス、帯状疱疹、マラリア、寄生虫疾患、ポックスウイルス疾患、呼吸器合胞体ウイルス疾患、ロタウイルス、アルファウイルス感染症(たとえば、ベネズエラ、西部、または東部ウマ脳炎、チクングニアウイルス疾患、ロスリバーウイルス疾患など)、ブニアウイルス疾患(たとえば、リフトバレー熱、繁多ウイルス疾患)、アレナウイルス疾患(たとえば、フニンウイルス疾患)、リケッチア疾患(たとえば、Q熱)、野兎病、ブルセラ症、シュードモナス疾患、ボツリヌス中毒、西ナイル病、およびブドウ球菌感染症の作用を予防または改善するためのワクチンに由来する免疫原性組成物の組み合わせを提供する。好ましい実施形態では、本発明の異なる髄膜炎菌タンパク質−多糖複合体と併用して(たとえば同時に)投与される非髄膜炎菌免疫原性組成物は、認可ワクチンに由来する。本発明は、しかし、そのような組み合わせの組み合わせおよびそれを用いる方法に限定されない。実際、本発明はまた、1〜4つの異なる髄膜炎菌タンパク質−多糖複合体および、未認可(たとえば実験的)非髄膜炎菌ワクチンまたは免疫原性組成物に由来する免疫原性組成物の組み合わせを提供する。
1〜4つの異なる髄膜炎菌タンパク質−多糖複合体および、非髄膜炎菌ワクチンまたは免疫原性組成物に由来する免疫原性成分の投与は同時でありうる。一部の実施形態では、1〜4つの異なる髄膜炎菌タンパク質−多糖複合体および非髄膜炎菌ワクチンまたは免疫原性組成物の免疫原性成分の同時投与は、二つ以上の部位にて同様のまたは異なる投与方法を用いて達成される。これらの実施形態のうちさらに別の一部では、1〜4つの異なる髄膜炎菌タンパク質−多糖複合体および、非髄膜炎菌ワクチンまたは免疫原性組成物由来の免疫原性成分の同時投与は、二つ以上の組成物を物理的に混合して単一の集合組成物とし、それを次いで一つ以上の部位に以上の投与経路を用いて投与することによって達成される。
1〜4つの異なる髄膜炎菌タンパク質−多糖複合体および、非髄膜炎菌ワクチンまたは免疫原性組成物に由来する免疫原性成分の組み合わせの投与は、秒、分、時間、日、などで時間的に離れた2つの異なる時間に実施されうる。本発明は、投与事象の経路および/またはタイミングによって限定されないことが意図される。
ここで列挙されるすべての特許、特許出願、およびその他の出版物はその全体が参照により本開示に含まれる。
本発明は、個々の複合体がキャリヤータンパク質と複合体化された莢膜多糖複合体を含むことを特徴とする、二つ以上の異なるタンパク質−多糖複合体の免疫組成物を含む。したがって、本発明は、一つ以上のキャリヤータンパク質と複合体化された二つ以上の異なる誘導体化莢膜多糖を含む組成物を含む。
莢膜多糖は当業者に公知である標準的な方法によって調製されうる。本発明では、髄膜炎菌の血清群A、C、W−135およびYから調製される莢膜多糖が好ましい。
好ましい一実施形態では、これらの髄膜炎菌血清群複合体は別々の工程によって調製され、および単一の製剤処方に処方される。たとえば、髄膜炎菌の血清群A、C、W−135およびYに由来する莢膜多糖は別々に精製される。
本発明の好ましい一実施形態では、精製多糖は、キャリヤータンパク質との複合体化の前に解重合および活性化される。本発明の好ましい一実施形態では、髄膜炎菌由来の血清群A、C、W−135、およびYの莢膜多糖は、穏和な酸化条件を用いて部分的に解重合される。
天然の髄膜炎菌多糖は約500,000から1,500,000ダルトンである。本発明はより小さいサイズの髄膜炎菌多糖を扱う。天然多糖を精製する際、多糖の一定の割合はより小さいサイズである。しかし、より良好な収率を得るために、天然髄膜炎菌多糖を好ましいサイズ範囲、好ましくは100,000ダルトン未満へ解重合または誘導体化することが一般的に好ましい。本発明の一実施形態では、精製多糖は、平均多糖サイズ約5,000から約75,000ダルトンへ;好ましくは,平均多糖サイズ約7,000から約50,000ダルトンへ;より好ましくは,平均多糖サイズ約8,000から約35,000ダルトンへ;さらにより好ましくは,平均多糖サイズ約12,000から約25,000ダルトンへ解重合される。本発明の一実施形態では、組成物中の平均多糖サイズは、約15,000から約22,000ダルトンである。
多糖の解重合または部分的解重合は次に、活性化段階が引き続き実施されうる。「活性化」とは、キャリヤータンパク質と反応できる化学基を提供するための多糖の化学処理を意味する。好ましい活性化方法は、アジピン酸ジヒドラジドとの生理食塩水中でpH5.0±0.1にて約2時間15〜30℃での処理を含む。活性化のための一つの工程が、米国特許第5,965,714号明細書に記載されている。
一旦活性化されると、莢膜多糖は次いで一つ以上のキャリヤータンパク質と複合体化されうる。本発明の好ましい一実施形態では、各莢膜多糖は、別々に単一のキャリヤータンパク質種と複合体化される。好ましい一実施形態では、髄膜炎菌の血清群A、C、W−135およびYに由来する莢膜多糖は、それぞれ別々に、同一のキャリヤータンパク質種と複合体化される。
キャリヤータンパク質は、ジフテリア毒素といった細菌毒素、ジフテリアトキソイド、CRM197、破傷風トキソイド、百日咳トキソイド、E.coli LT、E.coli ST、および緑膿菌由来外毒素Aといった不活性化細菌毒素を含みうる。外膜複合体c(OMPC)、ポーリントランスフェリン結合タンパク質、ニューモリシス、肺炎球菌表面タンパク質A(PspA)、または肺炎球菌アドヘシンタンパク質(PsaA)といった細菌外膜タンパク質もまた使用されうる。卵白アルブミン、スカシ貝ヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)または精製ツベルクリン(PPD)といった他のタンパク質もまた、キャリヤータンパク質として使用されうる。キャリヤータンパク質は好ましくは、無毒性および非反応性および十分な量および純度で入手可能なタンパク質である。キャリヤータンパク質は、標準的な複合体化手順に従うべきである。本発明の好ましい一実施形態では、培養Corynebacteria diphtheriaeから精製されおよびホルムアルデヒドを用いて化学的に無毒化されたジフテリア毒素がキャリヤータンパク質として用いられる。代替的なキャリヤータンパク質は、H.influenzaの外膜表面露出タンパク質であるプロテインDである。
本発明の一実施形態では、各誘導体化多糖のキャリヤータンパク質に対する平均比は約1:1から約1:20(w/w)である。本発明の好ましい一実施形態では、総誘導体化多糖のキャリヤータンパク質に対する平均比は約1:2から約1:10(w/w)であり、および各誘導体化多糖のキャリヤータンパク質に対するさらにより好ましい平均比は約1:2から約1:6(w/w)である。本発明のより好ましい一実施形態では、総誘導体化多糖のキャリヤータンパク質に対する平均比は約1:(4±1);より好ましくは、1:(4±0.5)、さらにより好ましくは、1:(4±0.25)(w/w)である。
莢膜多糖のキャリヤータンパク質との複合体化後、多糖−タンパク質複合体はさまざまな方法によって精製(多糖−タンパク質複合体の量について濃縮)されうる。精製段階の一つの目標は、非結合多糖を多糖−タンパク質複合体から除去することである。硫酸アンモニウムの存在下での限外ろ過を含む、精製のための一つの方法が、米国特許第6,146,902号明細書に記載されている。代替的に、複合体は、未反応タンパク質および多糖から、特に、サイズ排除クロマトグラフィー、密度勾配遠心分離、疎水性相互作用クロマトグラフィーまたは硫酸アンモニウム分画を含む任意の数の標準的な方法によって精製されうる。たとえば、P.W.Anderson,et.al.(1986)。 J.Immunol.137: 1181−1186を参照。H.J.Jennings and C.Lugowski (1981) J.Immunol.127: 1011−1018も参照。
多糖およびキャリヤータンパク質の複合体化後、本発明の免疫組成物はさまざまな誘導体化多糖−タンパク質複合体を組み合わせることによって作製される。本発明の免疫組成物は、一つ以上のキャリヤータンパク質と複合体化された二つ以上の異なる莢膜多糖を含む。本発明の好ましい実施形態は、ジフテリア毒素またはトキソイドと別々に複合体化された、髄膜炎菌の血清群AおよびCに由来する誘導体化莢膜多糖を含む2価免疫組成物である。より好ましくは本発明は、ジフテリア毒素またはトキソイドと別々に複合体化された、髄膜炎菌の血清群A、C、W−135およびYに由来する莢膜多糖を含む4価免疫組成物である。
本発明は、一部が、各誘導体化多糖が用量当たり約0.5から約15μgで存在することを特徴とする、多成分の誘導体化多糖複合体の組成物を扱う。したがって、組成物は、1μgから60μgの総誘導体化多糖μgを含みうる。好ましい一実施形態では、組成物中の各誘導体化多糖の相対量は、±50%以内;より好ましくは、±30%以内;さらにより好ましくは、±20%以内にほぼ等しい。
キャリヤータンパク質の調製および使用、およびさまざまな可能な複合体化手順は当業者によく知られている。本発明の複合体は、本発明に含まれる教示および一般的文献に容易に入手可能な情報を用いて、そのような当業者によって容易に調製されうる。指針はまた、教示の全体が参照により本開示に含まれる、下記の米国特許のいずれかまたはすべてから得ることができる:米国特許第4,356,170号;第4,619,828号;第5,153,312号;第5,422,427号および第5,445,817号明細書。
代替的に、免疫組成物は、二つ以上の髄膜炎菌血清群を一緒に培養および同時精製、解重合、活性化および多糖を複合体化することによって、または髄膜炎菌血清群を別々に培養精製、および二つ以上の精製多糖を解重合、活性化および多糖を複合体化の段階のいずれかの前または後に混合することによって作製されうる。
本発明の免疫組成物は、異なる髄膜炎菌血清群に由来する多糖−タンパク質複合体を別々に調製し、およびその後に複合体を混合することによって作製される。本発明の免疫組成物はワクチンとして使用されうる。本発明のワクチンの処方は、本分野で認められた方法を用いて達成されうる。本発明のワクチン組成物はまた、一つ以上のアジュバントを含みうる。アジュバントは、例としておよび限定でなく、アルミニウムアジュバント(たとえば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムといったアルミニウム塩またはその組み合わせ)、フロイントアジュバント(完全または不完全)、BAY、DC−chol、pcpp、モノホスホリル脂質A、CpG、QS−21、コレラ毒素およびホルミルメチオニルペプチドを含む。たとえば、Vaccine Design,the Subunit and Adjuvant Approach,1995 (M.F.Powell and M.J.Newman,eds.,Plenum Press,N.Y.)を参照。アジュバントは好ましくは、水酸化アルミニウムまたはリン酸アルミニウムといったアルミニウムアジュバントである。
代替的なアジュバントは、水中油乳液処方、たとえばPCT国際公開第90/14837号パンフレットに記載のMF59)、10%スクアラン、0.4%Tween80、5%プルロニックブロックポリマーL121、およびthr−MDPを含むSAF、2%スクアレン、0.2%Tween80、および、モノホスホリル脂質A(MPL)、トレハロース・ジミコレート(TDM)、および細胞壁骨格(CWS)、好ましくはMPL+CWS(Detox(商標))より成る群からの一つ以上の細菌細胞壁成分を含むRibiTMアジュバント系(RAS)(Ribi Immunochem,Hamilton,MT);サポニンアジュバント、たとえばStimulon(商標)(Cambridge Bioscience,Worcester,Mass.)、またはそれから作製された粒子、たとえばISCOM(免疫刺激複合体);サイトカイン、たとえばインターロイキン(たとえば、IL−I、IL−2、IL−4、IL−5、DL−6、IL−7、IL−12など)、インターフェロン(たとえばガンマインターフェロン)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)が使用されうる。
本発明の一実施形態では、タンパク質−多糖複合体は、平均グリコシル化比(多糖のタンパク質に対する比)約0.05から約2;より好ましくは、平均比約0.08から約1.25;およびさらにより好ましくは、平均比約0.1から約0.9を有する。好ましい一実施形態では、タンパク質−多糖複合体は、平均グリコシル化比(多糖のタンパク質に対する比)約0.2から約0.8;より好ましくは、平均比約0.2から約0.6、およびさらにより好ましい実施形態では、平均比約0.3から約0.5を有する。
下記に示す通り、本発明に記載のワクチンおよび免疫組成物は、T依存性様免疫応答をさまざまな動物モデルにおいて導く一方、多糖ワクチンはT非依存性様免疫応答を導く。したがって、本発明の組成物はまた、髄膜炎菌抗原に対するT依存性様免疫応答に関与する生物学的経路および過程を研究するための有用な研究方法である。
ヒトまたは動物へ投与すべき本発明のワクチンの量、および投与計画は、薬学および獣医学の当業者によく知られた標準的な方法にしたがって、その特定の抗原、アジュバント(あれば)、その特定の動物または患者の年齢、性別、体重、種および状態、および投与経路といった因子を考慮して決定されうる。本発明では、髄膜炎菌に対するワクチン接種のための有効な用量を提供する多糖−タンパク質キャリヤーの量は、体重kg当たり約0.02μg〜約5μgでありうる。本発明の好ましい組成物および方法では、用量は体重kg当たり約0.1μg〜3μgである。たとえば、経過した感染後時間がより短い場合、細菌が増殖するための時間がより短いため、有効用量に必要な抗体はより少ない。同様に、有効用量は診断時点の細菌量に依存する。ある日数の期間にわたって投与される複数回注射が治療用途に考慮されうる。
本発明の多価複合体は、単一用量としてまたは一連で(すなわち、一または複数の「追加免疫」と共に)投与されうる。たとえば、小児疾患を予防するための他のワクチンについて現在推奨されている通り、小児は幼時に単回投与を受け、最大10年後に追加免疫投与を受けることができる。
追加免疫投与は、初回刺激済みB細胞からの抗体、すなわち、既往性応答を生じる。すなわち、多価複合体ワクチンはelicits高い一次(すなわち、ワクチンの単回投与後に)機能性抗体応答をより若年の集団において認可多糖ワクチンと比較して導き、および既往性応答(すなわち、追加免疫投与後に)を導くことができ、本発明の多価複合体ワクチンによって導かれる保護免疫応答が長期であることを示す。
本発明の組成物は、たとえば、口、鼻、肛門、膣、経口、胃内、粘膜(たとえば、舌、肺胞、歯肉、嗅器または呼吸器粘膜)などの開口部用の、懸濁剤、シロップまたはエリキシルといった投与のための液体調製物;および、非経口、皮下、皮内、筋肉内、腹腔内または静脈内投与(たとえば注射投与)用の、滅菌懸濁剤または乳剤といった調製物を含みうる。静脈内および非経口投与が好ましい。そのような組成物は、適当なキャリヤー、希釈剤、または滅菌水、生理食塩水、グルコースなどといった添加物と混合されうる。組成物はまた凍結乾燥されうる。組成物は、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、ゲル化剤または増粘添加物、保存料、香料、着色料などといった助剤を、目的の投与経路および調製物に応じて含みうる。必要以上の実験無しに適当な調製物を調製するために、参照により本開示に含まれるREMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCE",17th edition,1985といった標準的文献を参照しうる。
本発明の一実施形態では、好ましい投与経路は筋肉内または皮下であり、筋肉内経路が好ましい。投与は注射によるかまたは代替のデリバリー器具によることができる。
本発明の組成物は、たとえば、選択されたpHへ緩衝されうる、等張水溶液、懸濁液、乳液または粘性組成物のような液体調製物として便利に提供される。消化管吸収が好ましい場合、本発明の組成物は、徐放性であるかまたはたとえばゼラチン被覆された液体のようなそれによって腸への運搬のために胃でゼラチンが溶解する液体内容物を有する「固体」調製物を含む、丸剤、錠剤、カプセル、カプレットなどの「固体」剤形でありうる。鼻または呼吸器(粘膜)投与が望まれる場合、組成物は押出スプレーディスペンサー、ポンプディスペンサーまたはエアロゾルディスペンサーの剤形およびそれによって施与されうる。エアロゾルは通常、炭化水素によって加圧されている。ポンプディスペンサーは好ましくは、計量された用量または特定の粒子サイズを持つ用量を施与しうる。
液体調製物は通常は、ゲル、他の粘性組成物、および固体組成物よりも調製が容易である。加えて、液体組成物は、特に注射によってまたは経口的に、動物、小児、特に幼児、および丸剤、錠剤、カプセルなどを飲み込むのが困難なその他へ投与するのに、または反復投与の場合に、より若干便利である。粘性組成物は、一方、胃の内層または鼻粘膜といった粘膜とのより長い接触期間を提供するために、適当な粘度範囲内で処方されうる。
本発明の好ましい一実施形態では、ワクチン組成物は、保存料を含むかまたは含まない、滅菌液体、パイロジェンフリー、リン酸緩衝生理食塩水として処方される。好ましい一実施形態では、用量当たりの処方は、リン酸ナトリウム約0.3から約1.0mgおよび塩化ナトリウム約3.5から約6.0mgおよび水最大1.5mLを含む。好ましい一実施形態では、用量当たりの処方は、リン酸ナトリウム約0.6±0.2mgおよび塩化ナトリウム4.4±0.2mgおよび水最大約0.5±0.2mLを含む。明らかに、適当なキャリヤーおよびその他の添加物の選択は、正確な投与経路および具体的な剤形の性質、たとえば、液体剤形(たとえば、組成物が液剤、懸濁剤、ゲルまたは別の液体剤形に処方されるかどうか)、または固体剤形(たとえば、組成物が丸剤、錠剤、カプセル、カプレット、徐放剤形または液体充填剤形に処方されるかどうか)に依存する。
液剤、懸濁剤およびゲルは、活性成分に加えて通常は多量の水(好ましくは精製水)を含む。pH調整剤(たとえば、NaOHのような塩基)、乳化剤または分散剤、緩衝剤、保存料、湿潤剤、ゲル化剤、(たとえば、メチルセルロース)、着色料および/または香料といった他の成分の少量もまた存在しうる。組成物は等張であることができ、すなわち、組成物は、血液および涙液と等しい浸透圧を有しうる。
本発明の組成物の目的の等張性は、酒石酸ナトリウム、プロピレングリコール、または他の無機または有機溶質を用いて達成されうる。一実施形態では、組成物の好ましい等張性は、リン酸ナトリウムまたは塩化ナトリウム、またはその混合物から得られる。塩化ナトリウムは、ナトリウムイオンを含む緩衝液に特に好ましい。
組成物の粘度は、医薬品として許容される増粘剤を用いて、選択されたレベルに維持されうる。メチルセルロースは、容易におよび経済的に入手可能であり、および取り扱いが容易であるため好ましい。他の適当な増粘剤は、たとえば、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボマーなどを含む。増粘剤の好ましい濃度は、選択された物質に依存する。重要な点は、選択された粘度を維持する量を用いることである。粘性組成物は通常は、そのような増粘剤の添加によって、溶液から調製される。
医薬品として許容される 保存料 は、組成物の保存期間を改善するために使用されうる。 ベンジル アルコールが適しうるが、 しかしたとえば、パラベン,チメロサール、クロロブタノールまたは塩化ベンザルコニウムを含むさまざまな保存料もまた使用されうる。保存料の適当な濃度は、選択された物質に応じてかなりの変化が有り得るが、総重量に基づいて0.02% 〜2% となる。
当業者は、組成物の成分は髄膜炎菌多糖−タンパク質 キャリヤー 複合体に関して化学的に不活性となるように選択されなければならないことを認識する。
本発明は、本発明の概念の いくつかの 好ましい 実施形態 を詳細に示す、下記の例証となる非 限定的な実施例を参照してさらに説明される。本発明の他の例は、本発明の精神を離れることなく当業者に明らかとなる。
略語および商標は下記の通りである:ACIP、免疫化基準諮問委員会;AE、有害事象;Cetavalon(商標)、臭化セチルトリメチルアンモニウム、CTAB;CFR、米連邦規則集;CRF、症例報告書;DTP、ジフテリア破傷風百日咳;ELISA、酵素結合免疫吸着検定法;FDA、米国食品医薬品局;GCP、優良臨床試験基準;GMC、幾何平均濃度;GMT、幾何平均力価;IgG、免疫グロブリンG;IgG1、免疫グロブリンGサブクラス1;IgG2、免疫グロブリンGサブクラス2;IgM、免疫グロブリンM;ICH、医薬品規制調和国際会議;IND、治験薬;IRB、施設内審査委員会;MenA/C−Dt2価(AおよびC)髄膜炎菌多糖ジフテリア複合体ワクチン;MenPS、髄膜炎菌型特異的多糖;mLミリリットル;Menomune(商標)、認可髄膜炎菌A5CYおよびW−135多糖ワクチン;OD、光学濃度;PBS、リン酸緩衝生理食塩水;SAE、重篤有害事象;SBA、血清殺菌活性;SBA−BR、仔ウサギ補体を用いて実施する血清殺菌活性検定;SBA−HC、ヒト補体を用いて実施する血清殺菌活性検定;SIDS、乳児突然死症候群;TetraMenD、4価(A、C、Y、およびW−135)髄膜炎菌多糖ジフテリア複合体ワクチン;Td、破傷風およびジフテリアワクチン;UAE、予測できない有害事象;URI、上気道感染;μg、マイクログラム。
実施例1髄膜炎菌血清群A、C、W−135、およびY精製莢膜多糖粉末の調製
粗ペースト調製
別々に、髄膜炎菌血清群A、C、W−135、およびY湿潤凍結種培養を融解しおよび液体Watson Scherp培地を用いて回収し、およびMueller Hinton寒天培地の入ったBlakeボトルに播種する。Blakeボトルを35から37℃にてCO雰囲気中で15から19時間インキュベートする。インキュベート期間後、Blakeボトルからの増殖物を取り出しおよびWatson Scherp培地の入った4Lフラスコへ加える。フラスコを35から37℃にて3から7時間、振とう機上でインキュベートする。4Lフラスコの内容を、Watson Scherp培地の入った発酵槽容器へ移す。発酵槽容器35から37℃にて7から12時間、溶存酸素量およびpHを調節しながら添加栄養および消泡剤を添加してインキュベートする。インキュベート期間後、発酵槽容器の内容を500Lタンクへ移し、Cetavlon(商標)を添加し、および材料を1時間混合する。Cetavlon処理増殖物を約15,000から17,000xgにて流速毎時約30から70リットルで遠心分離する。粗多糖は2回目のCetavlon(商標)沈澱で上清から沈澱する。Cetavlon(商標)を上清に添加し、および材料を少なくとも1時間室温にて混合する。材料を1から5℃にて8から12時間保存する。沈澱した多糖を、約45,000から50,000xgにて流速毎分300から400mlで遠心分離で回収する。回収されたペーストを−60℃以下にて、以後の処理まで保存する。
精製多糖粉末調製
不活性化ペーストを融解しおよびブレンダーへ移す。ペーストを0.9M塩化カルシウムと混合し、均一な懸濁液を与える。懸濁液を約10,000xgにて15分間遠心分離する。上清を屑の出ないパッドを通して容器へデカントし、第一の抽出物とする。次の分量の0.9M塩化カルシウムをペーストへ加え、および混合して均一な懸濁液を与える。懸濁液を上記の通り遠心分離し、および上清を第一の抽出からの上清と合わせる。計4回の抽出を実施し、および上清を合わせる。合わせた抽出物を、限外ろ過によって、10〜30kDaMWCOスパイラル成型限外ろ過ユニットを用いて濃縮する。
塩化マグネシウムを濃縮物に添加し、およびpHを7.2から7.5へ水酸化ナトリウムを用いて調整する。DNアーゼおよびRNアーゼを濃縮物へ加え、および25から28℃にて混合しながら4時間インキュベートする。エタノールを加えて濃度30から50%とする。沈澱した核酸およびタンパク質を10,000xgにて2時間の遠心分離によって除去する。上清を回収し、およびエタノールを80%まで加えおよび1から5℃にて静置することによって多糖を沈澱する。アルコールを吸い取り、および沈澱した多糖を5分間10,000xgにて遠心分離する。沈澱した多糖をアルコールで洗浄する。多糖をアセトンで洗浄し、15から20分間10,000xgにて遠心分離する。多糖を減圧下で乾燥する。最初の多糖粉末を酢酸ナトリウム溶液に溶解する。塩化マグネシウムを添加し、およびpHを7.2から7.5へ水酸化ナトリウム溶液を用いて調整する。DNアーゼおよびRNアーゼを溶液に加え、および25から28℃にて混合しながら4時間インキュベートして残留核酸を除去する。これらの酵素とインキュベート後、等容の酢酸ナトリウム−フェノール溶液を多糖−酵素混合物に加え、および振とう機に1から5℃にて約30分置く。混合物を10,000xgにて15から20分遠心分離する。上側の水層を回収および保存する。等容の酢酸ナトリウム−フェノール溶液を水層に加え、および上記の通り抽出する。タンパク質およびエンドトキシンを多糖溶液から除去するため、計4回の抽出を実施する。合わせた水系抽出物を注射用水で最大10倍希釈し、および10容の注射用水に対してダイアフィルトレーションする。ダイアフィルトレーションされた多糖に塩化カルシウムを加える。エタノールを80%加えることによって多糖を一夜1から5℃にて沈澱する。アルコール上清を除去し、および多糖を10,000xgにて15分間の遠心分離によって回収する。精製多糖をエタノールで2回、およびアセトンで1回洗浄する。洗浄した粉末を減圧下でデシケーター内で乾燥する。乾燥した粉末を−30℃以下にて、複合体に処理するまで保存する。
実施例2髄膜炎菌血清群A、C、W135、およびY精製莢膜多糖粉末の解重合
調製に用いられる材料は、髄膜炎菌血清群A、C、W−135、およびY由来精製莢膜多糖粉末(実施例1にしたがって調製)、滅菌50mM酢酸ナトリウム緩衝液、pH6.0、滅菌1N塩酸、滅菌1N水酸化ナトリウム、30%過酸化水素、および滅菌生理食塩水(0.85%塩化ナトリウム)を含む。
各血清群多糖を別々の反応で解重合する。ステンレス鋼タンクに最大60gの精製莢膜多糖粉末を入れる。滅菌50mM酢酸ナトリウム緩衝液、pH6.0を多糖に加え、リットル当たり多糖2.5gの濃度を得る。多糖溶液を1から5℃にて12から24時間混合し溶解させる。反応タンクを熱交換ユニットに接続する。追加の50mM酢酸ナトリウム緩衝液、pH6.0を加えて多糖を希釈し、リットル当たり1.25gの反応濃度にする。多糖溶液を55℃±0.1に加熱する。30%過酸化水素の一定量を反応混合物に加え、1%過酸化水素の反応濃度を得る。
反応過程を、多糖の分子サイズの変化を経時的に追跡することによって監視する。15から20分毎に、部分標本を反応混合物から採取し、およびHPSECカラムに注入して多糖の分子サイズを測定する。多糖の分子サイズが目的の分子サイズの到達した時、加熱ユニットを停止させ、および氷水槽を通す循環によって多糖溶液を速やかに5℃へ冷却する。解重合された多糖溶液を、リットル当たり15gへ、反応タンクを3000MWCO再生セルロースカートリッジ付きの限外ろ過ユニットと接続することによって濃縮する。濃縮された解重合多糖溶液を10容の滅菌生理食塩水(0.85%塩化ナトリウム)に対してダイアフィルトレーションする。解重合された多糖を1から5℃にて、次の処理段階まで保存する。
解重合された多糖の分子サイズを、デキストラン分子サイズ標準を用いて較正された「Ultahydrogel(商標)250」の商品名で販売されているゲルろ過クロマトグラフィーカラムの通過によって、および多角度レーザー光散乱法によって測定する。多糖の量は、血清群Aについてはリン含量によってBartlet,G.R.J.(1959) Journal of Biological Chemistry,234,pp−466−468の方法を用いて、および血清群C、W135およびYについてはシアル酸含量によってSvennerholm,L.(1955) Biochimica Biophysica Acta 24,pp604−611の方法を用いて測定する。O−アセチル含量はHesterin,S.(1949) Journal of Biological Chemistry 180,p249の方法によって測定する。還元活性はPark,J.T.and Johnson,M.J.(1949 Journal of Biological Chemistry 181,pp 149−151の方法によって測定する。解重合された多糖の構造的完全性はタンパク質Hおよび13C NMRによって測定する。解重合された多糖の純度はLAL(エンドトキシン)含量および残留過酸化水素含量を測定することによって測定する。
実施例3髄膜炎菌血清群A、C、W−135、およびY解重合多糖の誘導体化
この調製に用いられる材料は、髄膜炎菌由来の過酸化水素解重合された莢膜多糖血清群A、C、W−135、およびY(実施例2にしたがって調製)、アジピン酸ジヒドラジド、血清群Aのみについて1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDAC)、水素化シアノホウ素ナトリウム、滅菌1N塩酸、滅菌1N水酸化ナトリウム、滅菌1M塩化ナトリウム、および滅菌生理食塩水(0.85%塩化ナトリウム)を含む。
各血清群多糖を別々の反応で誘導体化する。ステンレス鋼タンクに精製解重合多糖を入れ、および滅菌0.85%生理食塩水で希釈して、リットル当たり6g多糖の終反応濃度を達成する。この溶液へ、滅菌0.85%生理食塩水に溶解したアジピン酸ジヒドラジドの濃厚な一定量を加え、リットル当たり1gの反応濃度を達成する。血清群Aのみについて、EDACを滅菌0.85%生理食塩水に溶解した濃厚な一定量として加え、リットル当たり1gの反応濃度を達成する。pHを5.0±0.1に調整し、およびこのpHを2時間、滅菌1N塩酸および滅菌1N水酸化ナトリウムを用いて室温にて(15〜30℃)維持する。2時間後、0.85%生理食塩水に溶解したシアノ水素化ホウ素ナトリウムの濃厚な一定量を、反応混合物に加えて、リットル当たり2gの反応濃度を達成する。pHを5.5±0.5に維持しながら、反応を室温にて(15から30℃)44時間±4時間かくはんする。この反応期間後に、pHを6.0±0.1に調整し、および、反応タンクを3000MWCO再生セルロースカートリッジ付きの限外ろ過ユニットへ接続することによって、誘導体化多糖をリットル当たり多糖12gへ濃縮する。濃縮された誘導体化多糖を30容の1M塩化ナトリウム、次いで10容の0.15M塩化ナトリウムに対してダイアフィルトレーションする。タンクを限外ろ過ユニットから取り外し、および1から5℃にて7日間保存する。タンクを3000MWCO再生セルロースカートリッジ付きの限外ろ過ユニットへ再接続し、および30容の1M塩化ナトリウム、次いで10容の0.15M塩化ナトリウムに対してダイアフィルトレーションする。
誘導体化多糖の分子サイズ、多糖の量、およびO−アセチル含量は、解重合された多糖に使用したのと同一の方法によって測定する。ヒドラジド含量はSnyder,S.L.and Sobocinski,P.Z.(1975) Analytical Biochemistry 64,pp282− 288の2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸法によって測定する。誘導体化多糖の構造的完全性はプロトンHおよび13C NMRによって測定する。誘導体化多糖の純度は、非結合ヒドラジド、LAL(エンドトキシン)含量および残留シアノ水素化ホウ素含量を測定することによって測定する。
実施例4キャリヤータンパク質の調製
粗ジフテリアトキソイドタンパク質の調製
凍結乾燥種培養を再構成し、および16から18時間インキュベートする。培養からの一部を、増殖培地を入れた0.5リットルフラスコへ移し、および培養フラスコを34.5から36.5℃にて回転振とう機上で7から9時間インキュベートする。培養フラスコからの一部を、増殖培地の入った4リットルフラスコへ移し、および培養フラスコを34.5から36.5℃にて回転振とう機上で14から22時間インキュベートする。4リットルフラスコからの培養を用いて、増殖培地を入れた発酵槽に接種する。発酵槽を34.5から36.5℃にて70から144時間インキュベートする。発酵槽の内容をデプスフィルターを通して回収容器へろ過する。採取物に37%ホルムアルデヒド溶液の一定量を加えて濃度0.2%を達成する。pHを7.4から7.6へ調整する。採取物を、0.2ミクロンフィルターカートリッジを通して滅菌20リットル瓶へろ過する。瓶を34.5から36.5℃にて7日間インキュベートする。37%ホルムアルデヒド溶液の一定量各20リットル瓶へ加えて濃度0.4%を達成する。混合物のpHを7.4から7.6へ調整する。瓶を34.5から36.5℃にて7日間、振とう機上でインキュベートする。37%ホルムアルデヒド溶液の一定量を各20リットル瓶へ加え濃度0.5%を達成する。混合物のpHを7.4から7.6へ調整する。瓶を34.5から36.5℃にて8週間インキュベートする。粗トキソイドを無毒化について試験する。瓶を1から5℃にて被験期間中保存する。
粗ジフテリアトキソイドタンパク質の精製
粗トキソイドを室温まで温め、および20リットル瓶の内容を合わせて精製タンクに入れる。トキソイドのpHを7.2から7.4に調整し、および木炭を粗トキソイドに加えおよび2分間混合する。木炭トキソイド混合物を1時間静置し、および次いでデプスフィルターカートリッジを通して第二の精製タンクへろ過する。固体硫酸アンモニウムをろ液に加えて70%飽和を達成する。pHを6.8から7.2へ調整し、および溶液を16時間静置する。沈澱したタンパク質をろ過によって回収し、および70%飽和硫酸アンモニウム溶液、pH7.0で洗浄する。沈澱を滅菌蒸留水に溶解し、およびタンパク質溶液をステンレス鋼回収容器へろ過する。pHを6.8から7.2へ調整し、および硫酸アンモニウムを40%飽和まで加える。溶液のpHを7.0から7.2へ調整し、および溶液を16時間静置する。沈澱をろ過によって除去および廃棄する。硫酸アンモニウムをろ液へ60%飽和まで加え、およびpHを7.0から7.2へ調整する。混合物16時間静置し、および沈澱したタンパク質をろ過によって回収する。沈澱を滅菌蒸留水に溶解し、ろ過して非溶解タンパク質を除去し、および0.85%生理食塩水に対してダイアフィルトレーションする。
精製ジフテリアトキソイドタンパク質の濃縮および滅菌ろ過
タンパク質溶液をリットル当たり15gへ濃縮し、および10容の0.85%生理食塩水に対して10,000MWCO再生セルロースフィルターカートリッジを用いてダイアフィルトレーションする。濃縮されたタンパク質溶液を、0.2ミクロン膜を通すろ過によって滅菌する。タンパク質溶液を1から5℃にて、複合体に処理するまで保存する。
タンパク質濃度はLowry,O.H.et.al (1951) Journal of Biological Chemistry 193,p265−275の方法によって測定する。タンパク質の純度は、無菌性,LAL(エンドトキシン)含量,および残留ホルムアルデヒド含量によって測定する。
実施例5 髄膜炎菌血清群A、C、W−135、およびY多糖のジフテリアトキソイドタンパク質への一価複合体の調製
この調製に用いられる材料は、髄膜炎菌血清群A、C、W−135、およびY由来のアジピン酸誘導体化多糖(実施例3にしたがって調製)、滅菌ジフテリアトキソイドタンパク質(実施例4にしたがって調製)、EDAC、硫酸アンモニウム、滅菌1N塩酸、滅菌1N水酸化ナトリウム、および滅菌生理食塩水(0.85%)を含む。
各血清群多糖複合体を別々の反応によって調製する。4種類すべての複合体を下記の過程によって調製する。ステンレス鋼タンクに精製アジピン酸誘導体化多糖を、リットル当たり700から1000μmolの反応濃度の反応性ヒドラジド、およびリットル当たりタンパク質3.8から4.0gの反応濃度の精製ジフテリアトキソイドタンパク質を加える。0.85%生理食塩水を用いて開始材料を希釈して目的の反応濃度とし、およびpHを5.0±0.1に調整する。EDACの一定量を多糖タンパク質混合物に加え、リットル当たり2.28から2.4gの反応濃度を達成する。反応のpHを5.0±0.1に2時間15から30℃にて維持し、2時間後、pHを7.0±0.1へ滅菌1N水酸化ナトリウムを用いて調整し、および反応を1から5℃にて16から20時間保存する。
反応混合物を15から30℃へ温め、および反応容器を30,000MWCO再生セルロースカートリッジ付きの限外ろ過ユニットと接続する。固体硫酸アンモニウムを加えて60%飽和(血清群A、W−135およびYについて)および50%飽和(血清群Cについて)とする。複合体反応混合物を20容の60%飽和硫酸アンモニウム溶液(血清群A、W−135およびYについて)および50%飽和硫酸アンモニウム溶液(血清群Cについて)、次いで20容の0.85%生理食塩水に対してダイアフィルトレーションする。ダイアフィルトレーションされた複合体をまず1.2ミクロンおよび0.45ミクロンフィルターを含むフィルターカプセルを通して、および次に0.22ミクロンフィルターを含む第二のフィルターカプセルを通してろ過する。
多糖の量、およびO−アセチル含量は、解重合多糖および誘導体化多糖に使用したのと同一の方法によって測定する。タンパク質の量はLowry法によって測定する。複合体の分子サイズは、DNAを空隙容量マーカー、ATPを総容量マーカー、およびウシチログロブリンを参照マーカーとして用いる「TSK6000PW」の商品名で販売されているゲルろ過クロマトグラフィーカラムの通過によって測定する。加えて、TKS6000PWカラムから溶出する複合体の分子サイズは、多角度レーザー光散乱法によって測定する。複合体の抗原性は、抗多糖血清群特異的抗体への結合によって、ダブルサンドイッチELISA法を用いて測定する。複合体の純度は、疎水性相互作用クロマトグラフィーカラムからの溶出による非結合(複合体化していない)多糖の量、キャピラリー電気泳動による非複合体化タンパク質、無菌性、LAL(エンドトキシン)含量、残留EDAC含量、および残留アンモニウムイオン含量を測定することによって測定する。
実施例6多価髄膜炎菌A、C、W−135、およびY多糖ジフテリアトキソイド複合体ワクチンの処方
この調製に用いられる材料は、実施例5にしたがって調製される血清群A、C、W−135、およびY多糖−ジフテリアトキソイド複合体、滅菌100mMリン酸ナトリウム緩衝生理食塩水(0.85%塩化ナトリウム)を含む。
一定量の滅菌100〜500mMリン酸ナトリウム緩衝生理食塩水を、ステンレス鋼バルクタンク中の生理食塩水(0.85%)に加え、終ワクチン濃度10mMリン酸ナトリウムを与える。2〜4種類の滅菌一価髄膜炎菌多糖−ジフテリアトキソイド複合体のそれぞれの一定量を、10mM滅菌リン酸ナトリウム生理食塩水入りのバルクタンクに加え、緩衝液ミリリットル当たり各血清群多糖8μgの終濃度を得る。処方された4価複合体を混合しおよび0.2μmフィルターを通して第二のバルクタンクへろ過する。
多価処方中に存在する各血清群多糖の量を、成分糖分析によって、高pH陰イオン交換クロマトグラフィーをパルスアンペロメトリー検出法と共に用いて測定する。タンパク質の量はLowryの方法によって測定する。ワクチンのpHは、pH計に接続した複合電極を用いて測定する。多価複合体ワクチンの抗原性は、抗多糖血清群特異的抗体への結合によって、ダブルサンドイッチELISA法を用いて測定する。多価複合体ワクチンの免疫原性は、ワクチン中に存在する各複合体が一次および追加免疫抗多糖IgG免疫応答の両方を動物モデルにおいて導く能力を測定する。多価複合体ワクチンの純度は、高pH陰イオン交換クロマトグラフィーをパルスアンペロメトリー検出法と共に用いた非結合(複合体化していない)多糖の量、無菌性、LAL(エンドトキシン)含量、パイロジェン含量、および一般的安全性を測定することによって測定する。
実施例7水酸化アルミニウムアジュバント多価髄膜炎菌多糖ジフテリアトキソイドタンパク質複合体の調製
水酸化アルミニウムに吸着された複合体の調製。この調製に用いられる材料は、実施例5にしたがって調製される血清群A、C、W−135、およびY多糖−ジフテリアトキソイド複合体、滅菌生理食塩水(0.85%塩化ナトリウム)、および滅菌水酸化アルミニウム含有生理食塩水(0.85%塩化ナトリウム)を含む。
一定量のそれぞれの滅菌一価髄膜炎菌多糖ジフテリアトキソイド複合体を、生理食塩水入りのバルクタンクに入れ、緩衝液ミリリットル当たり各血清群多糖8μgの終濃度を得る。一定量の滅菌水酸化アルミニウム含有生理食塩水(0.85%塩化ナトリウム)を多価複合体ワクチンへ加え、ワクチンのミリリットル当たりアルミニウムイオン0.44mgの終濃度を達成する。
実施例8リン酸アルミニウム−アジュバント複合体の調製
この調製に用いられる材料は、実施例5にしたがって調製される血清群A、C、W−135、およびY多糖−ジフテリアトキソイド複合体、滅菌生理食塩水(0.85%塩化ナトリウム)、および滅菌リン酸アルミニウム含有生理食塩水(0.85%塩化ナトリウム)を含む。
一定量のそれぞれの滅菌一価髄膜炎菌多糖−ジフテリアトキソイド複合体を、生理食塩水入りのバルクタンクに入れ、緩衝液ミリリットル当たり各血清群多糖8μgの終濃度を得る。一定量の滅菌リン酸アルミニウム含有生理食塩水(0.85%塩化ナトリウム)を多価複合体ワクチンへ加え、ワクチンのミリリットル当たりアルミニウムイオン0.44mgの終濃度を達成する。
実施例9ヒト臨床試験に使用する材料および方法の概要
4価誘導体化複合体ワクチンの免疫原性
複合体ワクチンを、ヒトにおいていくつかの異なる臨床プロトコル下で免疫応答を導く能力について試験する。下記の試験は結果を要約する。下記の各試験に用いられる材料および方法は、特記されない限り、次の通りである:
TetraMenD
TetraMenDワクチンは、ジフテリアトキソイドタンパク質計48μgと共有結合した、血清群A、C、Y、およびW−135の4種類の髄膜炎菌莢膜多糖の各多糖4μgを含む。ワクチンは、保存料を含まない滅菌パイロジェンフリーリン酸緩衝生理食塩水中に処方される。処方はリン酸ナトリウム0.6mg、塩化ナトリウム4.4mgおよび最大0.5mLの水を含む。
Menomune(登録商標)
Menomune(登録商標)は、米国および他地域で2歳以上の患者への使用について認可されている。Menomuneは凍結乾燥調製物であり、各用量のワクチンが50μgのそれぞれA、C、YおよびW−135多糖を抗原として含み、チメロサールで保存される等張塩化ナトリウム溶液の希釈液で再構成され、および皮下に0.5mL用量として投与される。ワクチンの各0.5mL用量は、2.5mgから5mgの乳糖を安定剤として含む。皮下使用用Menomune(登録商標)−A/C/Y/W−135髄膜炎菌多糖ワクチン血清群A、C、Y、およびW−135混合は、髄膜炎菌血清群A、血清群C、血清群Y、および血清群W−135由来血清群特異的多糖抗原の凍結乾燥調製物である。希釈剤は滅菌パイロジェンフリー蒸留水である。ラベル表示の通りの希釈剤を用いた凍結乾燥製品の再構成後、各0.5mL用量は個々の血清群A、C、Y、およびW−135由来の50μgの「単離産物」を等張塩化ナトリウム溶液中に含むよう処方される。
成人用破傷風およびジフテリアトキソイド吸着物(登録商標)(以後Tdと呼ぶ)は、ミョウバン沈澱トキソイドの、pH調整用にリン酸ナトリウム緩衝剤を含む等張塩化ナトリウム溶液中の滅菌懸濁液である。本ワクチンは筋肉内注射用である。各0.5mL用量は破傷風トキソイド5Lf、ジフテリアトキソイド2Lf、および検定で0.28mg以下のアルミニウムを含むように処方される。破傷風およびジフテリアトキソイドは、モルモット効力試験においてそれぞれmL当たり少なくとも2単位および0.5単位の抗毒素を誘導する。来診1回目に、Tdをすべての参加者に0.5mL単回投与として筋肉内注射によってusinga1インチ25ゲージ針を用いて左腕の三角筋へ投与する。各0.5mL用量は破傷風トキソイド5Lfおよびジフテリアトキソイド2Lfを含む。
血清試料
血液標本はベースライン後の表示の日に採取する。たとえば、プロトコルが3つの時点O日目、28日目および6ヶ月を示す場合、血液標本はワクチン接種前0日目(ベースライン)、ワクチン接種後28日目(一次免疫応答を評価するため、およびワクチン接種後6ヶ月(免疫応答の寿命を評価するため)に採取する。全血約5mLを各被験者から各時点に採取する。全血を採取の4時間以内に遠心分離する。血清を採取しおよび−20℃にて保存する。「28日目」の血液試料は、0日目の注射後少なくとも28日、しかし57日後より前に採取する。「6ヶ月」の血液試料は、0日目の注射後6ヶ月プラスまたはマイナス28日に採取する。したがって、28日目血清は0日目の後28日目から56日目の間に採取された血清を表す;および6ヶ月血清は0日目の後149日目から217日目の間に採取された血清を表す。
検定法
本試験はいくつかの標準的な免疫検定を使用する。下記の説明はここで用いられる方法論を要約する。しかし、ここで示すものの変形を含む他の同様の検定は当業者によく知られておりおよび使用されうる。
仔ウサギ補体を用いた血清殺菌検定(SBA−BR)による抗髄膜炎菌抗体測定
血清群A、C、Y、およびW−135に対する抗髄膜炎菌抗体についての機能性抗体活性は血清殺菌検定を用いて測定する。2倍希釈の被験血清を滅菌96ウェルマイクロタイタープレート中に調製する。血清群特異的髄膜炎菌細菌を仔ウサギ補体と共に希釈血清へ加え、およびインキュベートする。このインキュベート期間後、寒天重層培地を血清/補体/細菌混合物へ加え、固化させ、および次いで一夜37℃にて5%COと共にインキュベートする。ウェル中に存在する細菌コロニーを計数する。Theエンドポイント力価を、補体対照ウェルの平均値と比較して50%より大の殺菌を与える血清希釈逆数によって決定する。ウサギ補体を用いたこの検定の検出限界は力価8である。
IgG抗髄膜炎菌抗体測定
血清群A、C、Y、およびW−135に対する抗髄膜炎菌抗体についてのIgG抗体活性は間接ELISAを用いて測定する。この手順は、血清中の抗体を、プラスチックマイクロタイターウェルにメチル化ヒト血清アルブミンによって吸着された過剰の髄膜炎菌型特異的多糖(MenPs)抗原と反応させることを含む。結合した抗体の量は、ペルオキシダーゼ標識化マウス抗ヒトIgG特異的モノクローナル抗体との反応によって測定する。ペルオキシダーゼ基質を用いる次の反応は、分光光度法で測定される発色産物を生じる。結果として生じる光学濃度(OD)は、マイクロタイタープレート上の髄膜炎菌多糖と結合した血清中のIgG抗体の量と相関する。IgG抗体の量を次いで、指定の値と参照(LotCDC1992または同等物)との比較によって、4パラメーターロジスティック曲線を用いて計算する。
IgM抗髄膜炎菌抗体測定
血清群A、C、Y、およびW−135に対する抗髄膜炎菌抗体についてのIgM抗体活性は間接ELISAを用いて測定する。この手順は、血清中の抗体を、プラスチックマイクロタイターウェルにメチル化ヒト血清アルブミンによって吸着された過剰のMenPs抗原と反応させることを含む。結合した抗体の量は、ペルオキシダーゼ標識化マウス抗ヒトIgM特異的モノクローナル抗体との反応によって測定する。ペルオキシダーゼ基質を用いる次の反応は、分光光度法で測定される発色産物を生じる。結果として生じるODは、マイクロタイタープレート上の髄膜炎菌多糖と結合した血清中のIgM抗体の量と相関する。IgM抗体の量を次いで、指定の値と参照(LotCDC1992または同等物)との比較によって、4パラメーターロジスティック曲線法を用いて計算する。
高結合力抗髄膜炎菌IgG抗体測定
血清群A、C、Y、およびW−135に対する抗髄膜炎菌抗体についての高結合力IgG抗体活性は、Aventis Pasteur Inc.にて改変ELISAを用いて測定する。この検定は現在Aventis Pasteur Inc.にて開発中であり、および臨床標本の試験の前に認定される予定である。要約すると、96ウェルマイクロタイタープレートを被覆MenPs抗原で被覆する。被覆プレートを吸引および洗浄後、75mMアンモニウムチオシアナートを含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)血清希釈緩衝液を用いて、臨床血清の段階希釈を直接プレート内に調製し、および一夜インキュベートする。結合した抗体の量は、ペルオキシダーゼ標識化マウス抗ヒトIgG特異的モノクローナル抗体との反応によって測定する。ペルオキシダーゼ基質を用いる次の反応は、分光光度法で測定される発色産物を生じる。結果として生じる光学濃度(OD)は、マイクロタイタープレート上の髄膜炎菌多糖と結合した血清中の高結合力IgG抗体の量と相関する。高結合力IgG抗体の量を次いで、参照(LotCDC1992または同等物)との比較によって、4パラメーターロジスティック曲線を用いて計算する。
IgG1およびIgG2サブクラス髄膜炎菌抗体測定
血清群A、C、Y、およびW−135に対する抗髄膜炎菌抗体についてのIgG1およびIgG2サブクラス抗体分布はELISAを用いて測定する。血清の段階希釈中に存在する抗体を、マイクロタイタープレートのウェルに吸着されたMenPs抗原と反応する。結合した抗体の量は、抗ヒトIgG1FcまたはIgG2Fc特異的試薬を用いて測定する。酵素基質との次の反応は、分光光度法で測定される発色産物を生じる。結果として生じるODは、マイクロタイタープレート上の髄膜炎菌多糖と結合した血清中のIgG1またはIgG2抗体の量と相関する。抗体の量は、血清標本中のIgG1:IgG2比として、または適当な参照が利用可能な場合は標本中のIgG1またはIgG2の濃度として報告される。
VERO細胞の代謝阻害による抗ジフテリア抗体測定
抗ジフテリア抗体応答は、被験血清がVERO細胞をジフテリア毒素負荷から保護する能力によって測定される。滅菌96ウェルマイクロタイタープレートを用いて、1:4希釈から開始する被験血清の2倍希釈に、ジフテリア毒素を負荷しおよびインキュベートする。VERO細胞を次いで加え、ウェルを滅菌鉱物油で封じ、および6から8日間インキュベートする。抗体レベルを次いで、細胞代謝の副産物の結果として生じる、培地中のpH指示薬の色変化を観察することによって測定する。結果は較正済みWHO参照血清との比較によって国際単位/mLとして報告され、およびジフテリア毒素の負荷用量の存在下で細胞代謝を可能にする最高の血清希釈によって決定される。検出下限は参照血清の検出可能な最小の抗毒素レベル、および被験血清の開始希釈によって決定され、および典型的には0.005IU/mLである。
Elisaによる抗破傷風抗体測定
抗破傷風抗体レベルは間接酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)によって測定される。本方法は、被験血清中の抗体を、プラスチックマイクロタイターウェルに吸着された破傷風トキソイドと反応させることを含む。結合した抗体の量は、アルカリホスファターゼと複合体化したヤギ抗ヒトIgG−特異的抗体との反応によって測定される。アルカリホスファターゼ基質との次の反応は、分光光度法で測定される発色産物を生じる。OD(光学濃度)は、抗原被覆マイクロタイタープレートと結合する、希釈血清中の抗体の量と相関する。抗体濃度を、指定の単位数と国際ヒト参照(WHOロットTE−3)との比較によって平行線分析法で計算する。結果はミリリットル当たり国際単位(IU/mL)として報告する。抗破傷風IgG ELISAの最小定量限界は0.01IU/mLであり、このレベル未満の値を結果として生じた試料は<0.01IU/mLと報告される。
ここでは、「有害事象」、「重篤有害事象」、および「予測できない有害事象」はワクチン工業でよく理解された用語である。安全性データは、ワクチンを投与されるすべての参加者を臨床試験の期間中評価することを含む標準的な臨床試験手順にしたがって要約および分析される。一般的に、個々の用語は下記の意味を有すると理解される。
有害事象(AE)は、「医薬品を投与された患者または臨床試験被験者における何らかの不都合な、およびこの処置と因果関係を必ずしも有しない医学的事象と定義される。有害事象はしたがって、医薬(治験薬)と関係するかまたは関係しない、一時的に医薬(治験薬)の使用に随伴する、任意の好ましくないおよび意図されない徴候(臨床検査異常知見を含む)、症状、または疾病でありうる」(ICHガイドライン、GCP(E6)§1.2)。
重篤有害事象(SAE)は「下記の結果のいずれかを結果として生じる、任意の用量にて起こる任意の有害な医薬事象:死亡、生命の危険のある有害な医薬事象、患者入院または既入院の延長、持続性のまたは著しい身体障害/無能力、または先天異常/先天性欠損である。結果として死亡を生じない、生命の危険のある、または入院を必要としうる重要な医学的事象は、適当な医学的判断に基づき、患者または被験者を危険にさらしうるおよびこの定義に列挙された結果のうちの一つを防ぐために医学的または外科的介入を必要としうる場合に、重篤薬物有害事象と考えることができる。そのような医学的事象の例は、救急処置室または家庭で集中治療を必要とするアレルギー性気管支けいれん、結果として入院を生じない血液疾患またはけいれん、または薬物依存または薬物乱用の発生を含む。」(21CFRCh.I、[section]312.32(a))。
予測できない有害事象(UAE)は「特異性または重症度が現行の治験薬概要書と整合しない;または、治験薬概要書が必要でないかまたは利用できない場合、特異性または重症度が、一般治験計画または修正された現行の用法の別の5ヶ所に記載されるリスク情報に合致しない、任意の薬物有害事象」である(21 CFR Ch.I,§312.32(a))。
試験は標準的な臨床手順にしたがって実施され、および患者の参加または除外の判定基準は次の通りである:
患者の選択基準:
1.参加者は病歴および健康診断による判定で健常である。
2.参加者はワクチン接種の時点で少なくとも11歳であるがしかし19歳未満である。
3.親/保護者または参加者は、適用可能な場合、施設内審査委員会(IRB)承認済みインフォームドコンセントに署名している。
4.参加者は、適用可能な場合、施設内審査委員会(IRB)承認済み同意書に署名している。
患者の除外基準:
1.重度の慢性疾患(すなわち心臓病、腎臓病、神経疾患、代謝疾患、リウマチ疾患など)。
2.判明している免疫機能の障害またはその疑い。
3.最近72時間以内の発熱を伴うかまたは伴わない急性疾患、または選択時点での口腔温>38℃(100.4°F)。
4.記録された侵襲性髄膜炎菌性疾患または以前の髄膜炎菌ワクチン接種の履歴。
5.免疫グロブリン、他の血液製剤の最近3ヶ月以内、または経口または注射副腎皮質ステロイドまたは他の免疫調節療法の、試験ワクチンの6週間以内の投与。経口ステロイドの継続期間7日未満の逓減投与スケジュールを受けた人は、参加前2週間以内にコース1回より多く投与されていない限り、治験に参加しうる。
6.ワクチン接種の72時間前以内の抗生物質治療。
7.本試験が追加のワクチン接種を注記する場合を除いて、参加前28日間に任意のワクチンを投与されているか、または参加後28日間に任意のワクチン接種が予定されている。
8.ワクチン成分のいずれかに対する判明している過敏性またはその疑い。
9.試験の全期間にわたって参加できないかまたは予定来診に来られないかまたは試験手順に従うことができない。
10.別の臨床試験に参加している。
11.治験担当医師の評価で、参加者に健康リスクをもたらすかまたはワクチンの評価に干渉する任意の状態。
12.女性では、ワクチン接種の時点での妊娠陽性または尿妊娠検査での疑い。
実施例10試験A−用量試験
試験Aは、TetraMenDワクチンの3種類の用量レベルの、3つの年齢群の参加者に投与される、非盲検オープンラベル用量増大試験である。健常成人(18から55歳)90名がステージIに参加し、およびTetraMenDワクチンの単回注射を受けた。健常小児(12から22ヶ月齢)30名がステージIIに参加し、およびTetraMenDワクチンの単回用量レベルの注射2回を受けた。健常乳児(6から12週齢)90名がステージIIIに参加し、およびTetraMenDワクチンの単回用量レベルの注射3回を受けた。
ステージI 18から55歳の成人における用量試験
この臨床試験は、TetraMenDワクチンの3種類の用量レベルの、3つの年齢群の参加者に投与される、非盲検オープンラベル用量増大試験である。ステージ1では、健常成人(18から55歳)90名がTetraMenDワクチンの単回注射を受ける。
成人参加者について、血清学的分析のための血清標本は、TetraMenD投与前のベースライン(0日目)に、およびTetraMenD投与後の28日目に得られる。すべての利用可能な標本を、髄膜炎菌多糖血清群A、C、Y、およびW−135に対するSBAについて、およびこれらの同じ血清群に対するIgG抗体に対するELISAによって分析する。すべての血清群についてのSBAおよびIgG ELISA知見が下記に要約される。一つの主要な免疫原性エンドポイントは、ベースラインからの4倍を超える上昇を有する患者の割合である。ベースラインSBA力価がSBAにおいて4より大の上昇倍数の割合に対してどのような作用を有するかを決定するために、部分集団分析を、各特定抗原についてのベースライン力価が1:64未満である成人、およびその特定抗原についてのベースライン力価が少なくとも1:64である成人について実施する。
TetraMenDの安全性プロファイルは、Menomune(登録商標)のものと同等である。この試験の結果は下記の表に要約される。
Figure 2008513541
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表A−5は、投与量、患者の年齢および血清群によるGMTを表している:
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12ヶ月から22ヶ月の幼児における第II期試験
本臨床試験は、3つの年齢群に分けた協力者に対し、3段階の投与量レベルのTetraMenDワクチンについて、盲検ではなく、ラベルを明らかにして行った増量試験である。第II期試験においては、30人の健康な小児(12〜22ヶ月)にTetraMenDワクチンを2回注射した。
幼児協力者に対しては、血清学的分析用の血清サンプルは、3つの時点で採取した:TetraMenDの1回目接種前のベースライン(0日目)、開始60日目(1回目の接種から60日後であり、2回目接種の直前)、および開始90日目(2回目接種から30日後)。分析可能なすべての検体について、髄膜炎菌血清群A、C、YおよびW-135に対するSBAに関して、ならびにこれらの血清群に対するIgG抗体についてELISA法により、分析した。結果は以下の表にまとめている:
Figure 2008513541
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表11は、投与量、患者の年齢および血清群によってGMTをまとめたものである:
Figure 2008513541
第III期試験:乳児における投与量試験
本臨床試験は、3つの年齢群に分けた協力者に対し、3段階の投与量レベルのTetraMenDワクチンについて、盲検ではなく、ラベルを明らかにして行った増量試験である。第III期試験においては、90人の健康な乳児(6〜12週)にTetraMenDワクチンを3回注射した。
乳児協力者には、月齢2ヶ月時(1回目接種)、月齢4ヶ月時(2回目接種)および月齢6ヶ月時(3回目接種)にTetraMenDを注射した。血清学的分析用の血清サンプルは、2つの時点で採取した:月齢6ヶ月時(2回目接種から2ヶ月後)、および月齢7ヶ月時(3回目接種から1ヶ月後)。分析可能なすべての検体について、髄膜炎菌血清群A、C、YおよびW-135に対するSBAに関して、ならびにこれらの血清群に対するIgG抗体についてELISA法により、分析した。すべての血清群に関するSBAおよびIgG ELISAの結果を以下にまとめている。結果は以下の表にまとめている:
Figure 2008513541
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表A−16は、投与量、患者の年齢および血清群によってGMTをまとめたものである:
Figure 2008513541
乳児においてTetraMenDと同時投与される小児科用ワクチン
現在、乳児は、最新ACIP勧告および地域の開業医により、定期的に小児科用ワクチンの接種を受けている。本試験においては、乳児に、小児科用ワクチンとともにTetraMenDを投与した。DTacP(Tripedia(登録商標))およびHib(Act HIB(登録商標))は、月齢2、4および6ヶ月時に接種した。IPVまたはOPVのいずれでも投与できる:IPVは、TetraMenDの1回目および2回目の注射(月齢2ヶ月時および4ヶ月時)とともに投与した。B型肝炎ワクチンは地域の開業医ごとに投与した;B型肝炎ワクチンは、一部の協力者に対しては月齢2ヶ月時に投与したが、月齢4ヶ月時または6ヶ月時においては、投与しなかった。乳児段階の本試験の実施中には、RotaShield(登録商標)が認可され、通常使用に関してACIP勧告を受けた。本試験実施下において、1人の協力者については、月齢4ヶ月時および6ヶ月時にRotaShieldを投与した。
定期的に投与した小児科用ワクチン抗原に対する抗体応答は、月齢6ヶ月時および7ヶ月時に評価した。結果は別異の表にまとめている。
本試験に協力した乳児は、月齢2、4および6ヶ月時にDTacPおよびPRPのワクチン接種を受け、これらのワクチンの3回目の接種から1ヶ月後の月齢7ヶ月時に採血を行った。これらのワクチン抗原(ジフテリア、破傷風、百日咳FHA、百日咳PTおよびPRP)の各々に関しては、TetraMenDの3つの投与量群間で、観察された抗体レベルに統計的有意差は認められなかった(すべてp値>0.05)(表A−17参照)。
本試験の状況においては、IPVは、月齢2ヶ月時および4ヶ月時に投与した。2回目のIPV投与から3ヶ月後の月齢7ヶ月時に採血を行った。ポリオ1型およびポリオ2型に関しては、TetraMenDの3つの投与量群間で、観察されたGMTは、NA≧1:4の集団とNA≧1:8 の集団との間に統計的有意差は認められなかった(すべてp値>0.05)。NA≧1:8 の集団の場合には、TetraMenDの3つの投与量群間すべてにおいて、少なくとも95.0%がポリオ1型およびポリオ2型に対して防御を示した。ポリオ3型に関しては、1μg、4μgおよび10μgにおけるGMTは、それぞれ、562.7、164.0および113.3であった。ポリオ3型のGMTの群間差は統計的に有意であった(p=0.001、ANOVA)。しかしながら、TetraMenDの3つの投与量群のすべてにおいて、NA≧1:8 の集団は、ポリオ3型に対して防御を示した(それぞれ、100.0%(22/22)、100.0%(21/21)、および94.1%(16/17))。これらの集団については統計的に有意差はない(p=0.283、フィッシャーの正確検定(Fisher's exact test))。さらに、本試験に使用したIPVワクチン接種スケジュールである月齢2ヶ月および4ヶ月時に行ったIPVの2回の投与後、3つのポリオ血清群に対して観察されたGMTは、文献値の範囲内であった。
月齢7ヶ月時の採血は、最終のB型肝炎ワクチン接種から5ヶ月後に行った。GMTによるB型肝炎表面抗体の観察レベルと≧10mIU/mlの集団は、TetraMenDの3つの投与量群間で統計的有意差を示さなかった(両者ともp値は≧0.649)。注目すべき点は、本試験においては、月齢6ヶ月時の来院においてB型肝炎ワクチン接種を受けた乳児はいないことである(月齢6ヶ月時というのは、B型肝炎ワクチンの3回目の接種時期として推奨されている時期のうち、最も早期である)。このことにより、B型肝炎表面抗体価が≧10mIU/mlであった月齢7ヶ月の乳児の集団は、該ワクチンの初回投与後に観察された検出可能な抗体についての文献記載範囲と一致するが、完全に3回のワクチン接種が終わった後に期待される防御抗体レベルよりも低かったことの説明がつく。本試験の結果は、以下の表にまとめている:
Figure 2008513541
Figure 2008513541
Figure 2008513541
実施例11:試験B−2〜10歳の小児における1ヶ月および6ヶ月試験
本試験は、年齢2〜10歳の健康な小児におけるランダムな活性制御試験であり、TetraMenD単回投与とMenomuneの単回投与とを比較した。血液検体は、ワクチン接種前の0日目、接種後28日目、および6ヶ月目に採取した。TetraMenDの全般的な安全性は、Menomuneと同等であった。本試験の結果は以下の表にまとめている。
SBA-BR抗体価の分布
表B−1は、各血清群におけるベースライン、接種後28日目および6ヶ月目のSBA-BR抗体価の度数分布を示す:
Figure 2008513541
Figure 2008513541
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Figure 2008513541
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表B−2は、TetraMenDに関し、対象の年齢および血清群による幾何平均力価(GMT)をまとめたものである:
Figure 2008513541
表B−3は、血清群A、C、YおよびW-135に対し、ベースラインから接種後28日目の間にSBA-BR抗体価が4倍以上上昇した協力者の数および割合を示したものである。各血清群において、これらの%は、Menomune群よりもTetraMenD群の方が高かった。割合の差異は、血清群A、C、YおよびW-135について、それぞれ、−0.0397、−0.0452、−0.1092および−0.0562であった:
Figure 2008513541
ワクチン接種後28日目において、SBA抗体価が32以上であった協力者の割合については、表B−3にまとめている:
Figure 2008513541
ワクチン接種後28日目において、SBA抗体価が128以上であった協力者の割合については、表B−4にまとめている:
Figure 2008513541
SBA-BR抗体価が少なくとも4倍上昇した協力者の割合
表B−5は接種与後28日目および6ヶ月目のSBA抗体価が4倍以上上昇した協力者の割合を示している。TetraMenDを接種後28日目から56日目においては、大多数の協力者で、ワクチンに含有されている各血清群に対して、SBA-BR抗体価が4倍以上上昇した:
Figure 2008513541
0日目に力価が検出されず(8未満)、接種後28日目にSBA-BR抗体価が4倍以上上昇した協力者の割合
両方のワクチン処置群およびすべてのワクチン血清群において、ベースラインではSBA-BR抗体価が検出できなかった(8未満)大多数の協力者は、接種後28日目にはSBA力価が4倍以上上昇した(表B−6)。0日目にSBA-BR抗体価が8未満であって、ベースラインから28日目の間に4倍以上上昇した協力者の割合は、TetraMenD接種群では86.21〜98.57%、Menomune接種群では75.00〜94.64%であった:
Figure 2008513541
SBA-BR抗体のGMTおよび上昇の平均
表B−7は、ベースライン、ならびにワクチン接種後28日目および6ヶ月目のSBA GMT、さらに、SBA GMTの上昇を示している:
Figure 2008513541
Figure 2008513541
血清群A、C、W-135およびYに関するELISA IgG
表B−8は、ベースライン、ならびにワクチン接種後28日目および6ヶ月目のIgG GMCおよびIgG GMCの上昇を示している:
Figure 2008513541
Figure 2008513541
試験ワクチンであるTetraMenDを接種してから28〜56日後には、大多数の協力者において、ワクチンに含まれている各血清群に対してSBA-BR抗体価が4倍以上上昇した。全体としては、TetraMenDを接種されたうちの77%は、すべての血清群にわたって抗体価が4倍以上上昇した。血清群Yについては、CもしくはW-135よりもワクチン接種前の抗体レベルが高かった。このことは、この年齢層における血清群Yに対する自然暴露がこれまで考えられていたよりも一般的に生じていることと関係があると考えられる。循環抗体レベルの高さは、最近、自然暴露したことを反映しており、4倍以上の抗体応答を示すワクチン接種者の割合が低下した。このことは、血清群Yを他の血清群と比較した場合にはっきりと現れる。血清群Yで4倍以上の上昇を示した協力者は56.6%であったのに対し、血清群Cでは73.4%、血清群Aでは87.7%、および血清群W-135では91.0%であった。ワクチン接種前の抗体レベルは血清群Aでも高かった。このことは、天然に存在する数種の交差反応抗原に長時間にわたって間欠的に暴露された結果だと考えられる。
既存の力価の影響をさらに評価し、セロコンバージョンの速度(投与前において任意の血清群に対する力価が<1:8である場合に、抗体価の上昇が4倍以上に達した協力者の割合によって定義される)を研究することを目的として、ワクチンに含まれている4つの血清群のうちの任意のひとつに対するワクチン接種前の抗体価が<1:8である協力者に関し、個別に分析を行った。補体源として仔ウサギを用いたSBAアッセイによる力価が<1:8であるということは、循環抗体レベルが検出不能だと考えられる。この分類を用いて協力者を評価したところ、TetraMenDワクチン接種後のセロコンバージョンの割合は、血清群Aについては98.6%、血清群Cについては87.9%、血清群W-135については96.0%、および血清群Yについては86.2%であった。
軍の新兵における知見に基づき、ゴールドシュナイダー(Goldschneider)は、ヒト補体源を用いたSBAアッセイによって示された≧1:4という最少力価は、血清群Cに対する侵襲性疾患からの防御と相関していたと提唱している。しかしながら、アッセイの標準化の必要性、およびヒト補体の信頼性のある供給源の欠如から、代替補体供給源として仔ウサギ補体が提案されている。髄膜炎菌は、ヒト補体よりも仔ウサギ補体に対して感受性が高いと考えられることから、測定された抗体価は高くなる。一部の研究者は、ウサギ補体を用いて得られた≧1:128という力価では防御が予測され、<1:8という力価では、少なくとも血清群Cに対して感受性が予測されると示唆している。多糖類ワクチンを評価する場合にはこのレベルは適切と考えられるが、コンジュゲートワクチンには適用できない可能性がある。この考えを借用すると、ワクチン接種後のSBA抗体価が8〜64を示す対象に、1価Cコンジュゲートワクチンを接種した場合には、数ヶ月後に減量(10μg)髄膜炎菌多糖類ワクチンを用いて記憶応答試験を行ったときに、これらの対象も防御されていることが示され、抗体レベルは≧1:128に達していた。TetraMenDワクチンの接種を受け、各血清群に対するSBA-BR抗体価が≧1:128であった対象に関する結果を表に示している。これらの分類をワクチンに含まれている各血清群に適用した場合には、全体としては、TetraMenDワクチンの接種を受けた協力者の96.2%においてワクチン接種後のSBASBA-BR抗体価が≧1:32に達し、90.5%においては、力価が≧1:128に達した。本臨床試験の血清の一部を用い、仔ウサギ補体を用いたSBAアッセイとヒト補体を用いたアッセイとの間の相関を評価し、結果は次の試験において示した。
総IgG応答は、血清群C、YおよびW-135に対しては、TetraMenDを接種した群よりも、Menomune接種群の方が顕著に高かった。しかしながら、血清群A、C、YおよびW-135に対するワクチン接種後のSBA GMTレベルは、TetraMenD接種群の方が顕著に高かった。
表B−9は、血清群によるGMC対GMT力価の比較を示したものである:
Figure 2008513541
コンジュゲートによって得られた低レベルのIgGは、多糖類ワクチンよりも高いレベルの殺菌活性を示したという知見から、コンジュゲートワクチンに対する抗体応答の質および親和性は、非コンジュゲート多糖類ワクチンによって得られたそれらよりも優れていることが強く示唆される。親和性の高い抗体は、機能活性および記憶応答と関連がある。この効果は、いくつかの既出研究においても観察されている。これらのデータから、TetraMenDは、2〜10歳の小児においては免疫原性が高く、TetraMenD群において観察されたGMTは、4つの血清群それぞれについて、Menomune群において観察されたそれらよりも優れており、到達した力価から防御が予測された。最後に、ワクチンに含まれている各血清群について、TetraMenDはより高い親和性抗体応答を呈すると考えられる。
安全性については、試験中、4時点でモニターした:即時応答(ワクチン接種後30分以内)、ワクチン接種後7日以内に誘起された局所および全身性反応、ワクチン接種後28日目までに生じたすべての副作用および持続性のAE(0〜28日目)、ならびにワクチン接種後0日目から6ヶ月目までに生じた重篤な副作用について報告した。
すべての協力者について、両処置群ともに、ほとんどの局所反応は、緩和なものであり、ワクチン接種から3日以内に解消したと報告されている。局所反応の出現頻度は、各処置群でほぼ同等であった。TetraMenDを接種されて群においては、58.8%で少なくともひとつの局所反応が報告されているが、Menomune接種群では58.3%であった。さらに、1価のC CRM197コンジュゲートワクチンを青年に筋肉内投与したところ、局所反応率は、本試験においてTetraMenDについて観察されたそれと非常に近似していた。
報告されているAEの大多数は重篤ではなく、一過性であり、ワクチン接種とは無関係であった。本試験においては、気管支喘息、糖尿病または自己免疫正疾患の新規発症は報告されていない。
実施例12:試験C−11〜18歳の小児における1ヶ月試験
試験Cは、11〜18歳の健康な小児に対し、0日目にTetraMenDを1回投与した場合とMenomuneを1回投与した場合の無作為化活性対照試験である。血清は、ワクチン接種前である0日目、および接種後28日目に採取して分析し、患者由来の血清のサブセットについて、結果に記載しているようにさらに評価を行った。
すべての協力者において、両処置群で誘起された局所反応のほとんどは、緩和であり、ワクチン接種から2日以内に解消したと報告されている。局所反応の出現頻度は、Menomune接種群(34.7%)よりもTetraMenD接種群(72.4%)の方が高かった。この結果は、投与経路(筋肉内投与)によるものというより寧ろコンジュゲートワクチン(ジフテリアキャリヤータンパク質)の性質によるものと考えられる。本試験の結果を以下の表にまとめている。
表C−1は、各血清群について、ベースラインおよび接種後28日目のSBA-BR抗体価の度数分布を示している:
Figure 2008513541
Figure 2008513541
Figure 2008513541
Figure 2008513541
表C−2は、TetraMenDに関し、対象の年齢および血清群によってGMTレベルをまとめたものである:
Figure 2008513541
表C−3は、血清群A、C、YおよびW-135について、ベースラインから接種後28日目の間のSBA-BR抗体価の上昇が4倍以上であった協力者の数および%を示している。各血清群において、これらの割合は、Menomune投与群よりもTetraMenD投与群の方が高かった:
Figure 2008513541
SBA-BR抗体価が32以上になる頻度
ワクチン接種後28日目におけるSBA-BR抗体価が32以上であった協力者の割合を表C−4にまとめた:
Figure 2008513541
SBA-BR抗体価が128以上になる頻度
ワクチン接種後28日目におけるSBA-BR抗体価が128以上であった協力者の割合を表C−5にまとめた:
Figure 2008513541
SBA-BR抗体価が4倍以上上昇した協力者の割合
表C−6は、28日目におけるSBA抗体価の上昇がベースラインの4倍以上であった患者の割合を示している:
Figure 2008513541
SBA-BR抗体価が0日目には検出できず(<8)、28日目には4倍以上上昇していた協力者の割合
両処置群およびすべてのワクチン血清群において、ベースラインではSBA力価が検出できなかった大多数の協力者で、28日目にはSBA力価が4倍以上上昇した。0日目のSBA-BR抗体価が<8であって、28日目におけるベースラインからの上昇が4倍以上であった協力者の割合は、98.17%〜100%であった(表C−7):
Figure 2008513541
SBA-BR抗体GMTおよび上昇倍率の平均
表C−8は、ベースラインおよびワクチン接種後28日目におけるSBA GMT、ならびにSBA GMTの上昇倍率を示す:
Figure 2008513541
血清群A、C、W-135およびYに対するELISA IgG
表C−9は、ベースラインおよびワクチン接種後28日目におけるIgG GMC(μg/ml)、ならびにIgG GMCの上昇倍率を示す:
Figure 2008513541
血清群A、C、W-135およびYに対するELISA IgM
Figure 2008513541
試験ワクチンであるTetraMenDの接種後28〜56日の間に、大多数の協力者は、ワクチンに含まれている各血清群に対するSBA-BR抗体価が4倍以上上昇した。全体としては、TetraMenDを接種した協力者の90.7%は、すべての血清群に対して抗体価が4倍以上上昇した。血清群Yに対しては、血清群CもしくはW-135よりもワクチン接種前の抗体レベルが高かった。このことは、血清群Yが、アメリカ合衆国のこの年齢層における侵襲性髄膜炎に関与している最も一般的な血清群であるという事実と関連があると思われ、この血清群に対する自然暴露が日常的に起こっていると考えられる。循環抗体レベルが高いということは、自然暴露があったことを反映しており、4倍以上上昇の抗体応答を示すワクチン協力者の割合が低下することになる。この現象は、他の血清群と比較した場合に、血清群Yの応答に現れている。4倍上昇は、血清群Yについては81.8%であったのに対し、血清群Cでは91.7%、およびW-135では96.7%であった。接種前の抗体レベルの高さは血清群Aでも観察された。これは、天然に存在する数種の交差反応抗原に長期間間欠的に暴露された結果だと考えられる。
試験前から存在していた力価による影響をさらに評価し、セロコンバージョン率(任意の血清群に対するワクチン接種前の力価が<1:8である場合に、抗体価が4倍以上上昇したワクチン接種者の割合によって定義される)を調査することを目的として、ワクチンに含まれている4つの血清群のうちのひとつに対する抗体価がワクチン接種前に<1:8であった協力者について、個別の分析を行った。補体源として仔ウサギを用いたSBAアッセイによる力価が<1:8であるということは、循環抗体のレベルは検出不可であることを示していると考えられる。この分類を用いて協力者を評価した場合、TetraMenD接種後の血清群Aに対するセロコンバージョン率は100%、血清群Cに対しては98.1%、血清群W-135に対しては98.1%、および血清群Yに対しては98.3%であった。
別の試験の項で述べたように、ゴールドシュナイダー(Goldschneider)は、ヒト補体源を用いたSBAアッセイによる最小力価である≧1:4は、軍の新兵における知見に基づき、血清群Cに対する侵襲性疾患からの防御と相関していたと提唱している。しかしながら、アッセイの標準化の必要性およびヒト補体の信頼できる供給源がないことから、仔ウサギ補体が代替供給源として示されている。髄膜炎菌は、ヒト補体よりも仔ウサギ補体に対して感受性が高いと考えられることから、測定された抗体価は高めである。ウサギ補体アッセイを用いて得られた≧1:128という力価は、防御が予測されるが、<1:8という力価は、少なくとも血清群Cに対して感受性であることが予測されると記している研究者もいる。多糖類ワクチンの評価にはこのレベルは適切であるが、コンジュゲートワクチンに対しては不適切である可能性がある。これらの提案を借用し、1価Cコンジュゲートワクチンの接種を受け、接種後のSBA力価が8〜64を示した対象において、該接種から数ヶ月後に減量(10μg)髄膜炎菌多糖類ワクチンを用いて行った記憶応答の発現から、それらの対象も防御されており、抗体レベルは≧1:128に達していたことが示された。TetraMenDワクチンの接種を受け、各血清群に対するSBA-BR抗体価が≧1:128であった対象に関する結果を表にまとめている。これらの分類をワクチンに含まれている各血清群に適用すると、全体として、TetraMenDワクチンの接種を受けた協力者の99.2%において、ワクチン投与後のSBA-BR抗体価が≧1:128に達した。
標準的なELISAアッセイを用い、協力者の一部について、IgGおよびIgM応答を評価した。ワクチン接種後は、TetraMenDワクチンの接種を受けた協力者のIgG抗体平均レベルは、各血清群に対して>2μgであった。IgM応答は、処置した両腕の各血清群に対して非常に類似していた。IgG応答は、一般的に、血清群C、YおよびW-135については、TetraMenD接種群よりもMenomune接種群の方が高かった。しかしながら、血清群C、YおよびW-135に対するワクチン接種後のSBA GMTレベルは、表C−11に示すように、各処理群において非常に類似していた:
Figure 2008513541
コンジュゲートワクチンによって産生された低レベルのIgGが、多糖類ワクチンと同等レベルの殺菌活性を発揮したという知見から、コンジュゲートワクチンに対する抗体応答の質および親和性は、多糖類ワクチンによって得られるそれらよりも優れていることが強く示唆された。機能活性および記憶応答に関与しているのは、高親和性抗体である。この効果は、いくつかの既出文献においても観察されている。
これらのデータは、青年においては、TetraMenDの免疫原性が高いことを示すものである。基本的には、GMTは、両ワクチンの4つの血清群に対して同等であり、到達力価から防御が予測され、さらに、TetraMenDは、ワクチンに含まれている各血清群に対して高親和性抗体を産生すると考えられる。
試験D
試験Dは、18〜55歳の健康な成人に対し、0日目にTetraMenDを1回投与した場合とMenomuneを1回投与した場合の無作為化活性対照試験である。血清は、ワクチン接種前である0日目、および接種後28日目に採取して分析した。
一般的に、TetraMenDの安全性プロファイルは、Menomuneのそれと同程度であり、特に、Menomuneについて報告されている、誘起された局所反応(0〜7日目)、誘起された全身反応(0日目以降)、誘起されていない副作用(0〜28日目)、誘起されていない顕著な副作用およびSAE(29日〜6ヶ月目)、重篤な副作用(0日〜6ヶ月目)はすべて2〜3%以内である。試験結果は以下の表にまとめている。
SBA-BR抗体価の分布
表D−1は、各血清群に対するベースラインおよび28日目のSBA-BR抗体価の度数分布を示す:
Figure 2008513541
Figure 2008513541
表D−2は、TetraMenDについて、対象の年齢および血清群により、幾何平均力価(GMT)をまとめたものである:
Figure 2008513541
Figure 2008513541
表D−3は、血清群A、C、YおよびW-135に対し、ベースラインから28日目のSBA-BR抗体価の上昇が4倍以上であった協力者の数および割合を示している。TetraMenD接種群における数および割合は、血清群Aについては1028/1278(80.4%);血清群Cについては1131/1278(88.5%)、血清群Yについては941/1278(73.6%)および血清群W-135については1142/1278(89.4%)であり、Menomune投与群のそれと同等(血清群Aについては929/1099(84.5%)、血清群Cについては985/1099(89.6%)、血清群Yについては872/1099(79.3%)、および血清群W-135については1036/1099(94.3%))であった:
Figure 2008513541
SBA-BR抗体価が32以上に達する頻度
ワクチン接種後28日目にSBA-BR抗体価が32以上に達した協力者の割合を表D−4にまとめた:
Figure 2008513541
SBA-BR抗体価が128以上に達する頻度
ワクチン接種後28日目にSBA-BR抗体価が128以上に達した協力者の割合を表D−5にまとめた:
Figure 2008513541
Figure 2008513541
SBA-BR抗体価が少なくとも4倍以上上昇した協力者の割合
表D−7は、ワクチン接種後28日目にSBA-BR抗体価がベースラインから4倍以上上昇した協力者の集団を示している:
Figure 2008513541
0日目の力価が検出できず(<8)、28日目にSBA-BR抗体価が4倍以上上昇した協力者の割合
表D−8は、0日目の力価が検出できず(<8)、28日目にSBA-BR抗体価が4倍以上上昇した協力者の割合を示している。両処置群において、およびワクチンに含まれているすべての血清群に対し、ベースラインではSBA力価が検出されなかった(<8)協力者の大多数において、28日目のSBA力価上昇は4倍以上に達した。0日目のSBA力価が<8であって、28日目にベースラインの4倍以上上昇した協力者の割合は、TetraMenD接種群では90.7〜100.0%、Menomune接種群では96.9〜99.3%であった:
Figure 2008513541
表D−9は、ベースラインおよびワクチン接種後28日目におけるSBA GMT、ならびにSBA GMTの上昇倍数を示している:
Figure 2008513541
試験ワクチンであるTetraMenDを接種後28〜56日目では、大多数の協力者において、ワクチンに含まれている各血清群に対し、SBA-BR抗体価が4倍以上上昇した。抗体価が4倍以上上昇したTetraMenD被接種者の割合は、血清群A、C、YおよびW-135に対してそれぞれ、80.4%、88.5%、73.6%および89.4%であった。血清群Yについては、血清群CもしくはW-135よりもワクチン接種前の抗体レベルが高かった。このことは、現在、血清群Yが、アメリカ合衆国におけるこの年齢層での侵襲性髄膜炎疾患に最も普遍的に関与していることと関係があり、該血清群への自然暴露が日常的に起こっているからである。循環抗体レベルの高さは、最近生じた天然暴露を反映しており、抗体応答が4倍以上を示すワクチン接種者の割合が低下する。他の血清群と比較した場合に、血清群Yについてはこのようなことが起こっていると考えられる。血清群Yに対する4倍上昇者率は73.6%であり、一方、血清群Cに対しては88.5%、血清群W-135に対しては89.4%であった。ワクチン接種前に抗体レベルが高い現象は、血清群Aに対しても観察された。このことは、天然に存在する数種の交差反応抗原に長期間にわたって間欠的に暴露された結果である。
既存の力価の影響をさらに評価し、セロコンバージョン率(投与前において任意の血清群に対する力価が<1:8である場合に、抗体価の上昇が4倍以上に達した協力者の割合によって定義される)を研究することを目的として、ワクチンに含まれている4つの血清群のうちの任意のひとつに対するワクチン接種前の抗体価が<1:8である協力者に関し、個別に分析を行った。補体源として仔ウサギ抗体を用いたSBAアッセイにより、力価が<1:8であるということは、検出不能なレベルの循環抗体が存在することを示していると考えられる。この分類を用いて協力者を評価したところ、TetraMenDワクチン接種後のセロコンバージョン率は、血清群Aについては、100%、血清群Cについては、99.4%、血清群W-135については96.5%、および血清群Yについては90.7%であった。
本発明に従う別の試験においてもすでに述べたように、軍の新兵における知見に基づき、ゴールドシュナイダー(Goldschneider)は、ヒト補体源を用いたSBAアッセイによって示された≧1:4という最少力価は、血清群Cに対する侵襲性疾患からの防御と相関していることを提唱している。代替補体供給源として仔ウサギ補体が提案されているが、髄膜炎菌は、ヒト補体よりも仔ウサギ補体に対して感受性が高いと考えられることから、測定された抗体価は高くなる。ウサギ補体を用いて得られた≧1:128という力価では防御が予測され、<1:8という力価では、少なくとも血清群Cに対して感受性が予測されると提案している研究者がいる。多糖類ワクチンを評価する場合にはこのレベルは適切と考えられるが、コンジュゲートワクチンには適用できない可能性がある。この考えを借用し、ワクチン接種後のSBA-BR抗体価が8〜64倍を示す対象に、1価Cコンジュゲートワクチンを接種し、数ヶ月後に減量(10μg)髄膜炎菌多糖類ワクチンを用いて記憶応答試験を行った場合には、これらの対象も防御されていることが示され、抗体レベルは≧1:128に達していた。これらの分類をワクチンに含まれている各血清群に適用した場合には、TetraMenDワクチンの接種を受けた後にSBA-BR抗体価が≧1:128に達した協力者の割合は、血清群Aについては99.8%、血清群Cについては98.7%、血清群Yについては96.9%、および血清群W-135については97.1%であった。
実施例13:試験E−10〜18歳の小児におけるTdブースター試験
本試験では、破傷風およびジフテリアのトキソイド(Td)のブースター応答に関して、実験用4価髄膜炎菌ジフテリアコンジュゲートワクチンであるTetraMenDに続いてTdを接種した群をTd+プラセボを投与した群と比較した。比較は、それぞれの破傷風およびジフテリア力価において許容される応答を示した協力者の割合を求めることによって行った。許容される応答とは、ワクチン接種後28日目において、ワクチン接種前の力価が低いとあらかじめ判断された協力者については、ベースラインから少なくとも4倍上昇、ワクチン接種前の力価が高いと判断された協力者については、ベースラインから少なくとも2倍上昇と定義した。
Tdとともに投与した場合のTetraMenD中の血清群A、C、YおよびW-135に対する抗体応答を、Tdワクチン接種から28日後にTetraMenDを投与した場合の応答と比較することを目的として、各血清群の力価の上昇が少なくとも4倍であった協力者の割合を求めた。
これは、複数研究機関における無作為化変形二重盲検活性臨床試験であり、計1024人の協力者を無作為に2つの処置群AおよびBに分けた:
Figure 2008513541
11〜17歳の年齢層を選択し、通常の小児免疫化スケジュールの一環としてTdワクチンを接種した。さらに、この年齢層は侵襲性髄膜炎の発症リスクが高いことが確認されており、承認された髄膜炎菌コンジュゲートワクチンの接種対象として最もふさわしいと考えた。安全性を適正に評価することを目的として、プラセボ対照を用いた変形二重盲検法を使用した。初回来院時、ワクチン接種を行った看護士は接種物の内容を知っており、プロトコルに従って各腕にワクチン接種を行った:右腕にTetraMenD(IM)またはプラセボ、左腕にTd。二回目の来院時には、各処置群の左腕にワクチンを接種した。評価を行った看護士は、条件を知らない状態で、局所および全身性反応、並びに副作用をモニターした。
血清学的検査用の血液検体(少なくとも5mlの全血)は、ワクチン接種前の0日目(ベースライン)および1回目のワクチン接種後28日目に採取した。3回目の採血は、2回目の来院から28日後に行った。これらの各時点において、髄膜炎菌血清群A、C、YおよびW-135、抗ジフテリア抗体ならびに抗破傷風抗体について血清をアッセイした。
TetraMenD被接種者の抗体機能の評価を目的として、ワクチンに含まれている各血清群に対し、仔ウサギ補体(SBA-BR)を用い、すべての可能な検体をSBAに関してアッセイした。ひとつの免疫学的目標点は、各処置群中において、SBA-BR抗体価が4倍以上上昇した協力者の比率である。抗ジフテリア抗体レベルは、被検血清がジフテリア毒素チャレンジからVero細胞を防御する能力によって測定した。抗破傷風抗体レベルは、間接酵素免疫測定法(ELISA法)によって測定した。
本試験では、初期試験(試験C)でTetraMenDを1回投与した協力者内のGMTから求められた血清群A、C、YおよびW-135に対するTetraMenDの抗体応答を、Tdワクチン接種後28日目にTetraMenDとTdとを同時に投与した患者における応答と比較した。
血清学的分析用の血清検体は、ワクチン接種前のベースライン(0日目)、ならびにワクチン接種後28日目(ウィンドウ:+28日)および6ヶ月目に採取した。破傷風トキソイドおよびジフテリアトキソイド(Td)のワクチンに対する抗体価は、ワクチン接種前およびワクチン接種後28日目に測定した。
髄膜炎菌血清群A、C、YおよびW-135に対するSBA-BR抗体価は、ワクチン接種前およびワクチン接種後28日目に入手できたすべての血清検体について測定した。全体としては、A群およびB群の安全性プロファイルは同等であった。本試験の結果は以下の表にまとめている。
表E−1は、対象の年齢および血清群によってGMTレベルをまとめている:
Figure 2008513541
表E−2は、28日目に破傷風およびジフテリアの抗体が少なくとも4倍または2倍上昇した協力者の数および比率を示している:
Figure 2008513541
血清群A、C、YおよびW-135に対する破傷風およびジフテリアの抗体価ならびにSBA抗体価
表E−2は、28日目に破傷風およびジフテリアの抗体が少なくとも4倍または2倍上昇した協力者の数および比率を示している。比率の差は、破傷風については2.78、ジフテリアについては−2.73であった:
Figure 2008513541
表E−3は、28日目に抗体価が少なくとも4倍上昇した協力者の数および比率を示している:
Figure 2008513541
表E−4は、ベースラインでジフテリアおよび破傷風の抗体価が高かった協力者の数、ならびに、28日目に抗体価が2倍上昇した協力者の数および比率を示している:
Figure 2008513541
表E−5は、ベースラインでジフテリアおよび破傷風の抗体価が低かった協力者の数、ならびに、28日目に抗体価が4倍上昇した協力者の数および比率を示している:
Figure 2008513541
表E−6は、破傷風およびジフテリアのワクチンをTetraMenDまたはプラセボと共に投与してから28日目において、破傷風およびジフテリアの抗体価が≧1.0IU/mlであった協力者の数および比率を示している:
Figure 2008513541
表E−7は、破傷風およびジフテリアのワクチンを接種(TetraMenDまたはプラセボと共に投与)してから28日目における、破傷風およびジフテリアに対する幾何平均抗体価(GMT)を示している:
Figure 2008513541
表E−8は、TetraMenDワクチン接種後28日目における、血清群A、C、YおよびW-135に対するSBA-BRについての幾何平均抗体価(GMT)を示している:
Figure 2008513541
表E−9は、Td+TetraMenD、プラセボ群において、TetraMenDワクチン接種後28日目における、血清群A、C、YおよびW-135に対するSBA-BRについての幾何平均抗体価(GMT)、ならびにMTA02試験から得られた対応する結果を示している。GMT比率は、血清群Aに対しては0.48、血清群Cに対しては0.38、血清群Yに対しては0.34、および血清群W-135に対しては0.39であった:
Figure 2008513541
表E−10は、Td+プラセボ、TetraMenD群において、TetraMenDワクチン接種後28日目における、血清群A、C、YおよびW-135に対するSBA-BRについての幾何平均抗体価(GMT)、ならびにMTA02試験から得られた対応する結果を示している。GMT比率は、血清群Aに対しては0.53、血清群Cに対しては0.90、血清群Yに対しては0.99、および血清群W-135に対しては1.05であった:
Figure 2008513541
表E−11は、プロトコルごとの集団(Per-Protocol Population)において、血清群ごとに0日目およびTetraMenDワクチン接種後28日目におけるSBA-BR抗体価の分布を示している(SBA-BR抗体価は<8〜1024)。
表E−12は、プロトコルごとの集団(Per-Protocol Population)において、血清群ごとに0日目およびTetraMenDワクチン接種後28日目におけるSBA-BR抗体価の分布を示している(SBA-BR抗体価は2048〜524288):
Figure 2008513541
Figure 2008513541
Figure 2008513541
関連した試験を行い、MCV-4ワクチンの安全性および免疫原性の評価を行ったが、これは、健康な10〜17歳の青年に対し、認可されたTdワクチンと共にMCV-4ワクチンを投与して行った。概説すると、複数研究施設での無作為試験において、健康な10〜17歳(平均年齢12.9歳)の集団に、TetraMenD(MCV-4)+Tdを同時(n=509)または1ヶ月の間隔をあけて別々の通院時に(n=512)接種した。別々にまたは同時に投与した2つのワクチンに対する安全性評価は、ワクチン接種後8日目および28日目に収集した。免疫応答については、ワクチン接種の4週間前および接種4週間後において、ジフテリアおよび破傷風の抗体価、ならびに髄膜炎菌血清群に対する血清殺菌活性(SBA)によって評価した。Tdを単独投与された対象に関する安全性プロファイルは、Td+TetraMenDを接種された対象のそれと類似していた。破傷風またはジフテリアのトキソイドに対する免疫応答は、Td+TetraMenDの同時投与によって干渉されなかった。4つの血清群に対するSBA応答については、以下の表E−14にまとめている:
Figure 2008513541
本試験は、TdとTetraMenDの同時投与は被検対象に対して安全かつ十分許容されることを示している。TetraMenD+Tdの同時投与は、破傷風およびジフテリアのトキソイドに対する免疫応答に悪影響を及ぼさない。血清群C、YおよびW-135多糖類に対する免疫応答は、MCV-4をTdと同時投与した場合に増強された。本試験において観察された免疫応答の増強は驚くべきことであり、予期しなかったことであった。
実施例14:髄膜炎菌血清群C、W-135およびYに関し、仔ウサギ補体を用いた血清殺菌アッセイとヒト補体を用いたそれとの比較
本試験においては、試験Aの第III期の試験で得られた血清サンプルのサブセットを用い、血清群C、W-135およびYに関して、SBA-BR力価を用いて得られた結果とSBA-HC力価を用いて得られたそれとを比較した。本試験に登録された対象は、2歳以上11歳未満であり、2つのワクチン接種群のうちのひとつに無作為に割り振った。ベースライン(ワクチン接種前)およびワクチン接種後28日目に、各対象から約5mlの全血を採取した。対象から採取した血液検体は、採血から4時間以内に遠心分離した。凝塊から血清を取り出し、ラベルを貼付した冷凍管に移し、温度管理冷凍庫中、−20℃以下で保存した。本報告中で分析に使用したすべてのサンプルは、臨床試験に登録されている最初の対象に由来する血清と対をなしており、計画されたすべての試験を遂行するのに十分な量があった。すべてのサンプルは、4歳由来のひとつを除き、2歳および3歳の対象由来である。治療目的(intent-to -treat)に属する対象が2人いた。ひとりは、TetraMenDワクチン接種群(ワクチン接種後28日目のサンプルを24日目に採取)であり、もうひとりはMenomuneワクチン接種群(ワクチン接種後28日目のサンプルを9日目に採取)である。
仔ウサギ補体(Pel-Freez(登録商標)、クリニカル・システムズ(Clinical Systems)LLC、ウィスコンシン州ブラウンディア、製品コード31038)は、各血清群特異的アッセイにおける適正について事前スクリーニングが行われている。適正に関する基準としては、事前に確認済みのウサギ補体のロットを用い、規定のセットの血清サンプル(2倍希釈以内)に対して行うSBA-BR試験結果との一致などが挙げられる。標準血清および対照サンプルについて、事前測定力価を一致させるための基準も用いた。ウサギ補体の2.5mlのアリコートは、使用まで−70℃以下で保存した。いったん溶融したアリコートは使用するかまたは廃棄した。
登録されている対象由来の血清は、ELISA法によって抗髄膜炎菌多糖類IgGおよびIgMのレベルをスクリーニングし、さらに、機能抗体に対してSBA-BRを試験し、SBA-Hで使用するための補体源としての能力を確認した。ヒト補体源の選択用に確立された基準は次のようなものである:(1)SBA-BRアッセイでアッセイした場合に、抗体が検出されない;(2)アッセイにおいて補体源として使用した場合に、内因性の殺菌活性を有しない;(3)負の対照のパネル(レイ・ボロウ(Ray Borrow)博士により、独立した外部の研究所で行われた事前の試験で陰性結果がで出ている血清を使用)と共に補体源として使用した場合に、挙動が許容できるさらに、(4)24個のサンプルからなるパネルでの再現性が許容できる。各血清群特異的アッセイにおいて使用した外部補体源は、別異の対象由来である。ひとつ以上の血清群に対して作用する補体源は見つからなかった。さらに、SBAアッセイに使用した3つの補体源は、各血清群につき一人のドナーに由来していた。
血清群C
数人の対象から得た血清が、許容される低いELISA値を示し(IgGおよびIgMに対して0.5μg/ml以下)、殺菌活性を示した。
血清群Y
血清群YのSBA-Hに対する補体源は、採取プロトコルに登録されている対象から選択した。補体源由来の血清は、ELISAにより、血清群YのIgGおよびIgM抗体のレベルが低いことが示され、SBA-BRアッセイでは陰性であった。補体源由来の血清は、SBAに使用した場合に内因性殺菌活性を示さなかった。
血清群W-135
血清群W-135のSBA-Hに対する補体源は、採取プロトコルに登録されている対象から選択した。補体源由来の血清は、ELISAにより、血清群W-135のIgGおよびIgM抗体のレベルが低いことが示され、SBA-BRアッセイでは陰性であった。補体源由来の血清は、SBAに使用した場合に内因性殺菌活性を示さなかった。
血清殺菌アッセイ
概説すると、髄膜炎菌血清群C、YおよびW-135の各株は、ジョージア州アトランタにある疾病対策センター(Centers for Disease Control:CDC)から入手した。細菌の標的株は、血清群C、YおよびW-135の有効種晶ロット(working seed lot)バイアルを用時融解したものからアッセイ用に調製した。各バイアルの内容物をサイヤー−マーチンプレート(Thayer-Martin plate)に画線し、それらを5%CO2下、37±0.5℃で一晩インキュベートした。翌日、単離したコロニーを滅菌綿棒で集め、周囲温度に暖めた新しいサイヤー−マーチンプレートプレートの全表面に接種した。プレートは、5%CO2下、37±0.5℃で4時間インキュベートすることにより、細菌の増殖がコンフルエントに達して薄膜を形成し、これらを滅菌綿棒で回収し、ダルベッコPBS+0.1%デキストロース緩衝液に懸濁させて事前に定めた吸光度(600nmにおける吸光度)にした。事前に定めた濃度の細菌を含む有効溶液(working solution)は、ダルベッコPBS+0.1%デキストロース緩衝液で調製し、周囲温度に維持し、調製から30分以内に使用した。
被検サンプルを56℃、30分間熱処理し、内因性補体を不活化した。96ウェルのマイクロタイタープレートの全ウェルにダルベッコPBS+0.1%デキストロース緩衝液を加え、次に、被検血清サンプルを加えて横に2倍段階希釈を行い、ウェルの最後の2列のみは補体および血清対照ウェル用に残した。各プレートの縦列には、補体列(11列目、血清−/補体+)および血清対照列(12列目)、血清+/補体−)が存在する。
用時融解した補体は、有効濃度の細菌と混合し、該混合物をマイクロタイタープレートの血清対照ウェル以外の全ウェルに加えた。補体を加えていない細菌を血清対照ウェルに加えた。プレートにふたをし、プレート振とう機に1分間載せ、次に、37±0.5℃のCO2インキュベーターに移した。インキュベーション時間は、血清群Aのアッセイプレートについては90分、血清群C、YおよびW-135のアッセイプレートについては60分であった。インキュベーション後、50±1℃において、全ウェルに100μlのアガロースを気泡ができないように注意して加えた。周囲温度で10分間、マイクロタイタープレートのふたを少し開けて湿気がこもるのを防ぎ、その後、ふたを閉め、乾燥(湿度を加えない)5%CO2インキュベーターに37±0.5℃、20±4時間入れた。インキュベーション後、ウェルあたりの細菌コロニー数を計数した。補体対照ウェルのウェルあたりの平均コロニー数を計算し、2で割ってT0における50%生存率を求めた。
未知の各血清の殺菌菌力価は、T0における50%生存率と比較して、細胞の50%以上が死んでいた血清の最終希釈倍率の逆数として表される。SBA-BRのサンプルの出発希釈は1:8希釈である。SBA-Hについては、元のアッセイで記載されていたように、出発希釈は1:4に下げた。
本明細書に記載している血清群Aアッセイ用のSBA-BR法、標準化SBA法(Standardized SBA procedure )(CDC)、およびマンチェスター公衆衛生研究所髄膜炎菌参照ユニット(Manchester Public Health Laboratory Services,Meningococcal Reference Unit)(英国マンチェスター(PHLS))で実施されたSBA法の比較を表14-1に示す:
Figure 2008513541
参照血清は、バイアル瓶入りの凍結乾燥粉末としてCDCのジョージ・カーローン(George Carlone)博士から供与され(CDCドナーR21654-3430107)、使用まで2〜8℃で保存した。必要があれば、バイアルに0.5mlの滅菌水を加え、100μlずつのアリコートに分けて−80〜−40℃で保存した。これらの条件下で再構成した場合の参照血清の力価は、血清群A、C、YおよびW-135用の標準化SBA-BR中で2倍希釈した場合に1:256±1であった。参照血清サンプルは、試験実施日に用意したプレートのうちの別異の2枚を用いて試験した。
血清群A、C、YおよびW-135用の血清群特異的ウサギ抗血清は、バイアル瓶入りの凍結乾燥粉末としてディフコ(Difco)社から購入し、使用まで2〜8℃で保存した。必要があれば、バイアルに1mlの滅菌水を加え、SBAにおける品質管理サンプルとして使用するために、50μlずつのアリコートに分けて−80〜−40℃で保存した。
臨床血清サンプル中の髄膜炎菌血清群C、YおよびW-135に対する補体を介した抗多糖類殺菌活性の決定のために本発明において提供された、仔ウサギ補体を用いた血清殺菌アッセイ(SBA-BR)の結果は、精度、希釈性(直線性)、特異性および検出限界に関して十分確認された。SBA-Hアッセイ(血清群C用)は、同一セットの血清サンプルを用いて5日間連続繰り返して実験し、アッセイの正確性を確立した。
SBA−BRの感度および特異性の計算
SBA-BRによって得られた力価は、SBA-Hベンチマーク力価として1:4および1:8を用い、真の陽性(TP)(および擬陽性(FP))ならびに真の陰性(TF)(および擬陰性(FN))に分類した。感度は、TP/(TP+FN)として計算し、特異性は、TN/(TN+FP)として計算した。これらの計算結果はパーセントで表した。
SBA-BRとSBA-HのSBA力価分布の比較
免疫前および免疫後28日目のSBA力価については、血清群Cは表1および表4に、血清群Yは表2および表5に、血清群W-135は表3および表6に示している。以下の項に記載しているまとめは、2つの補体源(BRとH)に関して得られた結果を比較して免疫前後のSBA力価を分析したものである。
血清群CのSBA力価分布
101個の免疫前血清サンプルのうち、63個については、SBA-Hが<1:4、およびSBA-BRが<1:8であったことから、陰性であった。免疫前サンプルのうちの27個は、SBA-Hでは陰性(<1:4)であったが、SBA-BRでは陽性(≧1:8)であった。<1:8というSBA-BRカットオフ力価を判断基準とした場合の擬陽性率は30%であった。擬陽性率は、SBA-BRカットオフ力価を高くすると低下し、カットオフ力価が1:128の場合には20%以下、1:512の場合には10%以下であった。SBA-Hで陽性(≧1:4)であった7個のサンプルは、SBA-BRでは陰性であった(<1:8)。
免疫後、48個のサンプルはSBA-Hで陰性であり、わずかに11個のサンプルがSBA-BRで陰性であった。SBA-BRで陰性と判断された11個のサンプルのうち、3個はSBA-Hで陽性であった。コンジュゲート接種群の51個の免疫後サンプルのうち、17個(32%)はSBA-Hで陰性であったが、SBA-BRでは陽性であった(≧1:8)。多糖類接種群では、50個の免疫後サンプルのうち、23個(46%)は、SBA-Hで陰性であったが、SBA-BRでは陽性であった(≧1:8)。免疫後血清中の陽性応答に関しては、101個のサンプル中90個(89%)がSBA-BRで陽性(≧1:8)であったが、SBA-H(≧1:4)では101個中53個(52%)にとどまった。2種類のワクチン接種群に対して得られたSBA力価(BR対H)を比較した場合に、陽性応答率に顕著な差があった。コンジュゲート接種群の51個のサンプルに関しては、51個のうちの33個(65%)がSBA-H(≧1:4)およびSBA-BR(≧1:8)で陽性であった。SBA力価間(BR対H)の一致度は、SBA-BR閾値が≧1:64以上の場合に向上した。多糖類接種群の50個の免疫後サンプルにおいては、50個のうちの17個(34%)がSBA-H(≧1:4)およびSBA-BR(≧1:8)で陽性であった。SBA力価間(BR対H)の一致度は、SBA-BR閾値が≧1:512以上の場合に向上した。
血清群YのSBA力価分布
血清群Cの免疫前血清とは異なり、血清群Yの免疫前サンプルでは、9個のみが、SBA-H力価<1:4、およびSBA-BR力価<1:8であったことから、陰性であった。61個の免疫前サンプルのうち、52個がSBA-Hで陰性(<1:4)であったが、SBA-BRでは陽性(≧1:8)であった。<1:8というSBA-BRカットオフ力価を判断基準とした場合の擬陽性率は85%であった。擬陽性率は、SBA-BRカットオフ力価を高くすると低下し、カットオフ力価が1:256の場合には15%以下、1:512の場合には2%以下であった。SBA-Hで陽性(≧1:4)であった2個のサンプルは、SBA-BRでは陰性であった(<1:8)。
SBA-H力価が<1:4であり、SBA-BR力価が<1:8であるような免疫後血清サンプルはなかった。SBA-Hでは陰性(<1:4)だったが、SBA-BRでは陽性(≧1:8)であったサンプルは19個あった。血清群Cについて記しているように、擬陽性率に差があった。コンジュゲート接種群に関しては、48個のうちの5個(9%)がSBA-Hで陰性(<1:4)であったが、SBA-BRでは陽性であった。多糖類接種群に関しては、52個のうちの14個(27%)がSBA-Hで陰性(<1:4)であったが、SBA-BR(≧1:8)では陽性であった。
血清群Yに対する免疫後の陽性応答については、2つのSBA力価(BR対H)の間には、良好な一致がみられた。計100個のサンプルに対し、免疫後サンプルの100個すべてにおいてSBA-BR力価が≧1:8であり、100個のうちの81個においてSBA-H力価が≧1:4であった。血清群Cに対するSBA応答に関して記しているように、コンジュゲート接種群から得られた2つのSBA力価(BR対H間では、)と多糖類接種群から得られた2つのSBA力価(BR対H)間よりも相関関係が良好であった。コンジュゲート接種群の48個の免疫後サンプルのうち、43個(90%)はSBA-H(≧1:4)およびSBA-BR(≧1:8)で陽性であった。48個のサンプルのうち、1個のみがSBA-BR力価が1:32以下であり、該サンプルは、SBA-Hでは陽性(≧1:4)であった。多糖類接種群では、SBA力価間(BR対H)の一致は良好ではなかった。52個の免疫後サンプルのうち、わずかに38個(73%)でSBA-H力価が≧1:4であり、かつSBA-BR力価が≧1:8であった。多糖類接種群においては、SBA力価間(BR対H)の一致度は、SBA-BR力価が≧1:128の場合に向上した。
血清群W-135のSBA力価分布
血清群W-135については、100個のうち54個(54%)が陰性であり、このときの力価は、SBA-Hが<1:4であり、SBA-BRが<1:8であった。免疫前サンプルについては、81個のうちの27個はSBA-Hで陰性(<1:4)であったが、SBA-BRでは陽性(≧1:8)であった。<1:8というSBA-BRカットオフ力価を用いた擬陽性率は33%であった。擬陽性率はSBA-BRカットオフ力価を高くすると低下し、カットオフ力価が1:128の場合には15%以下、1:256の場合には5%以下であった。SBA-Hで陽性(≧1:4)であった11個のサンプルは、SBA-BRでは陰性であった(<1:8)。
免疫後サンプルのうち3個は、SBA-Hで陰性(<1:4)であり、かつSBA-BRで陰性(<1:8)であった。免疫後サンプルのうち39個については、SBA-Hで陰性(<1:4)であったが、SBA-BRでは陽性(≧1:8)であった。コンジュゲート接種群では、47個のサンプルのうち11個(23%)においては、SBA-Hで陰性であったが、SBA-BRでは陽性であった。多糖類接種群では、53個のサンプルのうち28個(53%)において、SBA-Hで陰性であったが、SBA-BRでは陽性であった。
免疫後のSBA-BR力価とSBA-H力価との間の一致度は、血清群Cと同程度であったが、Yほど良好ではなかった。血清群Cおよび血清群Yと同様に、2種類のワクチン接種群を比較した場合に、2つの力価間(BR対H)の一致度に顕著な差があった。2つのSBA力価間(BR対H)の一致度については、多糖類接種群よりもコンジュゲート接種群の方が高かった。コンジュゲート接種群のSBA力価については、47個のサンプルのうちの36個(77%)においてSBA-H力価が≧1:4であったが、SBA-BRではすべて陽性(≧1:8)であった。コンジュゲート接種群のワクチン接種後の全サンプルにおいて、SBA-BR力価は≧1:32であった。多糖類接種群の免疫後力価については、2つの力価間の相関はそれほど良好ではなく、53個のサンプルのうちのわずか22個(42%)においてSBA-H力価が≧1:4であり、53個のうちの50個においてSBA-BR力価が≧1:8であった。
Figure 2008513541
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SBA-BR力価とSBA-H力価との感度および特異性の比較
SBA-BR力価とSBA-H力価間の感度および特異性の比較を行うに当たり、SBA-BR力価をSBA-H防御力価1:4および1:8と比較した。本分析では、免疫前および免疫後の血清を用いた。SBA-Hベンチマーク力価である1:4および1:8を用い、3つの血清群すべてに対して特異性および感度を計算し、表7、8および9にまとめた。次に、感度および特異性の分析について、各血清群ごとに記載する。
血清群Cに関しては、感度は、SBA-BR閾値力価1:8、1:16および1:32については、SBA-H力価1:4および1:8と比較して80%以上高かった。しかしながら、これらのSBA-BR力価における特異性は60%以下であった。特異性は、SBA-BR力価が1:64のときに60%を超え、SBA-BR力価が1:128のときに70%を超えた。後者2つのSBA-BR力価では、特異性が低下し始めた。SBA-BR閾値が1:64の時には、感度は75〜78%であったが、SBA-BR力価が1:128の時には62〜65%まで低下した。特異性は、SBA-BR力価が>1:64の場合に上昇を続け、1:128および1:256のときには73〜83%に達した。しかしながら、感度は43から20%以下に低下した。血清群Cに関してSBA-BR力価の感度と特異性のあいだで最も均衡がとれているのは、1:32〜1:128の間であった。血清群Cに関する感度と特異性の結果は、サントス(Santos)GFらが血清サンプルおよび反応試薬の別異のセットを用いて導いた結果(Clin.Diagn.Lab.Immunol.,8:616-623(2001))と非常に類似していることがわかった(表8)。サントス(Santos)の結果を参照すると、感度と特異性の均衡が最もとれていたは、SBA-BR力価で1:64〜1:128の間であったのに対し、SBA-H力価では1:4〜1:8の間であった。
Figure 2008513541
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血清群Yに関しては、感度は、SBA-BR閾値力価範囲が1:8〜1:64のときに最も高かったが、予測されたとおり、SBA-BR閾値力価が高くなると低下した。血清群Yに関する特異性は、血清群Cで得られた結果よりもかなり低く、SBA-BR閾値力価を1:128にしてようやく50%を超えた。血清群Yに関してSBA-BR力価の感度と特異性のあいだで最も均衡がとれているのは、1:64〜1:256の間であった。1:256のときには、感度は約55%に低下したが、特異性は30%台の半ばから約82〜83%に上昇した。
Figure 2008513541
血清群W-135に関しては、感度についての値は、血清群Cに関して得られた値に近似していたが、全体的な変化のパターンは3つの血清群すべてにおいて同じであった。感度は、SBA-BR閾値力価1:8において高めの値から始まり、≧1:128から低下した。同様に、特異性は、SBA-BR力価1:8において低めの値から始まり、1:256で限界に達した。血清群Yで観察されたように、血清群W-135に関してSBA-BR力価の感度と特異性の間で最も均衡がとれているのは、1:64〜1:256の間であった。
Figure 2008513541
表11は、免疫後のSBA-BR力価に関し、血清群C、YおよびW-135に対して仔ウサギ補体またはヒト補体を用いて測定したSBA力価が4倍以上上昇した割合をまとめたものである。本分析は、コンジュゲート(TetraMenD)接種群および多糖類(Menomune)接種群に分けて行い、両方の組の分析結果を表11にまとめている。3つの血清群に対して、および2つのワクチン接種群に対して誘導された殺菌応答を比較すると、4倍上昇パターンにいくつかの注目すべき差異がある。これらの応答パターンに関し、各血清群および両ワクチン接種群に対して説明する。
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血清群Cに関しては、コンジュゲート接種群では、4倍上昇において、SBA-BRとSBA-Hの間で非常に一致していた。このワクチン接種群内では、免疫後力価が低い(例えば、1:32〜1:128など)場合には、SBA-Hによる4倍上昇は、SBA−BRによる4倍上昇より遅れる傾向があった。しかし、免疫後のSBA-BR力価が≧1:256の場合には、SBA-Hによって4倍上昇した対象の数は、SBA-BRによって4倍上昇した対象の数よりも多かった。2つの補体源を比較した場合の上昇のこのような差異は微細であり、免疫前のSBA-BR力価が高いことから、4倍上昇に至る比率が変化するためだと考えられる。多糖類接種群では、4倍上昇におけるSBA-BRとSBA-Hの間の一致は、コンジュゲート接種群ほどではなかった。また、特に注目すべき傾向はなく、SBA-Hによる4倍上昇は、免疫後のSBA-BR力価が高い場合により敏感になるという傾向は、コンジュゲート接種群で観察されたものほどはっきりしていなかった。
血清群Yに関しては、SBA-HおよびSBA-BRによる4倍上昇の一致は、両ワクチン接種群で非常に近似していた。いずれのワクチン接種群においても、免疫後SBA-BR力価が1:32以下であったものは、血清群Cの免疫後SBA-BR力価に比べて非常に少なかった。この理由としては、血清群Yに対してSBA-BRおよびSBA-Hの両方で4倍上昇に至った対象は、血清群Cと比較して免疫後SBA-BR力価がより高い対象であったことが挙げられる。血清群Yに関しては、4倍以上の力価上昇は、コンジュゲート接種群では、免疫後SBA-BR力価が1:128のときに50%以上であったが、一方、血清群Cに関しては、コンジュゲート接種群の閾値SBA-BR力価は1:32であった。
血清群W-135に関しては、SBA-HおよびSBA-BRによる4倍上昇の一致は、他の2つの血清群ほどに近似していなかった。血清群Yにおいて観察されたように、いずれのワクチン接種群においても、免疫後SBA-BR力価が1:32以下であるような対象はごくわずかであった。SBA力価(BR対H)の4倍上昇の一致は、SBA-BR力価が≧1:256の場合に観察された。血清群Cのところで記載したように、2つのワクチン接種群間で4倍上昇(BR対H)の比率が異なっていた(このことは血清群Yでは明確ではなかった)。他の2つの血清群における多糖類ワクチンによるSBA力価(BR対H)の4倍上昇と比較して、血清群W-135のSBA力価の4倍上昇(BR対H)の一致は、多糖類接種群において最も良くなかった。
認可された4価の髄膜炎菌多糖類ワクチン(Menomune)または治験用4価髄膜炎菌多糖類コンジュゲートワクチン(TetraMenD)のいずれかを接種した2〜3歳の対象から採取した血清サンプル中の力価を測定することを目的として、仔ウサギ補体を用いた血清殺菌アッセイ(Serum Bactericidal Assay:SBA-BR)をヒト補体を用いた対応するSBA(SBA-H)と比較した。血清群C、YおよびW-135用のヒト補体源を確認し、それらを使用してSBAにおける比較を補助した。本比較試験から得られたSBAの結果は、2つの手法で分析した。ひとつの方法においては、両ワクチン接種群に対し、接種前および接種後の力価を測定して得られたSBA-BRおよびSBA-Hのデータを分析用にプールした。二番目の方法においては、両ワクチン接種群から得られた接種前および接種後の力価を別々に分析した。本試験のひとつの目標は、陰性のSBA-H血清力価と最も相関するSBA-BR血清力価を明らかにすることである。二番目の目標は、血清群Cに対する防御の相関関係を示すアッセイにおいて、ヒト補体を用いて得られた陽性力価と最も相関する、仔ウサギ補体を用いて得られる力価を求めること、ならびに血清群YおよびW-135に対する防御殺菌力価を推定することである。すでに他の研究室から、血清群Cに関しては、SBA-BRに相関する防御閾値を確立しようとした実験結果が公表されている。本試験の結果をこれらの既出結果と比較した。最後に、接種前および接種後の血清で測定したSBA力価の4倍上昇に関し、2つの補体源での比較を行った。
疾病の防御に対するSBA力価の関連性は、血清群Cに対してのみ確立された。血清群Cに対しては、SBAと防御の関連性はSBAアッセイにおいてヒト補体を用いて判断した。他の血清群に対しては、血清群Cに対するSBA-Hと防御との関連性(1:4のSBA力価)を他の血清群についても適用するという仮定を下した。血清群Cに対する1:4のSBA力価と相関するSBA-BR力価を求めることは、血清群間で差があると考えられる。陰性SBA-H血清力価と最も良く相関するSBA-BR力価を求める場合には、接種前および接種後の血清中の<1:8のSBA-BR力価を<1:4のSBA-H力価と比較した。<1:8のSBA-BR力価を使用した根拠は、部分的には、血清群CのSBA力価比較(BR対H)に関するWHO/CDCの試験結果であり、さらに、<1:4のSBA-BR力価は、血清群Cの疾病に対する感受性と関連があるという英国のアウトブレイク大学(University Outbreak)による最近の知見(ジョーンズ(Jones),G.R.ら、J.Infect.Dis.,(2000)181:1172-1175)である。
本試験において求められたSBA力価(BR対H)に基づくと、<1:8というSBA-BRカットオフ力価を用いた血清群Cに対する擬陽性率は30%であった。より高いSBA-BRカットオフ力価を用いることにより、擬陽性率は次のようになった:≧1:16の場合には擬陽性率は26%に低下し、≧1:32の場合には擬陽性率は24%に低下し、≧1:64の場合には擬陽性率は22%に低下し、≧1:128の場合には擬陽性率は18%に低下し、≧1:256の場合には擬陽性率は14%に低下し、さらに、≧1:512の場合には擬陽性率は2%に低下した。SBA-BRカットオフ力価を上げることにより、<1:4というSBA-H力価に対応する陰性力価確定における正確さの向上に役立つ。しかしながら、高いSBA-BRカットオフ力価を用いた場合には、陽性応答と陰性応答との間を区別する感度が非常に低下した。本明細書中のデータは、SBA-BRの感度は、カットオフ力価が1:8、1:16、または1:32のときに最も高い(81〜84%)ことを示している。SBA-BR力価が1:32以上の場合には、感度は80%以下に低下した。しかしながら、アッセイの特異性は、カットオフ力価が1:8、1:16、および1:32のときに最低であり、51〜58%であった。ヒト補体アッセイにおける負の力価と相関するカットオフ力価の選択に当たっては、感度、特異性、および擬陽性率の間の均衡を図った。SBA-BRに対するカットオフ力価として1:32を選択すると、真の陽性応答を不必要に排除してしまった。本試験の結果から、カットオフ力価としては≧1:16というSBA-BR力価がより適切であることが示唆された。WHO/CDC試験分析(<1:8)および英国アウトブレイク大学(University Outbreak)分析(<1:4)に基づき、最低でも力価より2段階上の希釈が防御性であると見なされる。
血清群W-135およびYに対するアッセイでの防御カットオフ力価の確定については、殺菌抗体防御は、血清群Cの疾病、およびヒト補体アッセイにおける陰性力価に対応する殺菌力価と類似しているという推定によって行った。血清群Yに関しては、<1:8というSBA-BRカットオフ力価を用いた場合の擬陽性率は85%と、血清群Cの30%と比較して非常に高かった。しかしながら、血清群Cと同様に、SBA-BRカットオフ力価を上げると擬陽性率は低下した。SBA-BRカットオフ力価が1:16の場合には擬陽性率は84%に低下し、1:32の場合には擬陽性率は75%に低下し、1:64の場合には擬陽性率は61%に低下し、1:128の場合には擬陽性率は38%に低下し、1:256の場合には擬陽性率は13%に低下し、さらに、≧1:512の場合には擬陽性率は2%に低下した。血清群Yに対する擬陽性率は、最初は血清群Cと比較して非常に高かったが、カットオフ力価が≧1:128の場合には、2つの血清群のアッセイにおける擬陽性率は非常に近くなった。そのような高いカットオフ力価は、陽性応答に対する閾値力価を誇張する可能性がある。感度および特異性の分析に基づくと、感度は、SBA-BRカットオフ力価が1:8〜1:32のときに最大であり、このときの感度範囲は95〜98%であった。しかしながら、血清群Cと同様に、これらのSBA-BR力価における特異性は比較的低く、11〜18%であった。次に高いSBA-BR力価である1:64においては、感度はる。95%から88%に低下したが、特異性は35%まではっきりと上昇した。血清群Yのアッセイにおける<1:64というカットオフ力価は、ヒト補体アッセイにおいて陰性力価に最も良く対応していると考えられる。
血清群W-135に関しては、SBA-BRカットオフ力価が<1:8の場合の擬陽性率は33%であり、これは血清群Cと類似している。SBA-BRカットオフ力価が高い場合に関して血清群CおよびYについて特記したように、擬陽性率は低下した。SBA-BRカットオフ力価が1:16の場合には擬陽性率は32%に低下し、1:32の場合には擬陽性率は28%に低下し、1:64の場合には擬陽性率は26%に低下し、1:128の場合には擬陽性率は12%に低下し、1:256の場合には擬陽性率は4%に低下し、さらに、1:512の場合には擬陽性率は0%であった。感度は、SBA-BRカットオフ力価が1:8〜1:64のときに最大であった(86〜81%)。予測されたように、この範囲のSBA-BR力価では、特異性は最低であった(46〜52%)。血清群W-135の擬陽性率は血清群Yと比較するとかなり低レベルから始まったが、ヒト補体アッセイにおいて陰性力価に最も良く対応しているカットオフ力価は<1:64であった。
3つの血清群に対して、ヒト補体アッセイにおける陰性力価に最も良く対応している力価を確立することを目的として、これらのレベルより上のSBA-BR力価について、陽性応答を考慮するために閾値力価を分析した。血清群Cに関しては、陽性応答に対する閾値力価は≧1:16であり、血清群Yに関しては、陽性応答に対する閾値力価は≧1:64であり、さらに、血清群W-135に関しては、陽性応答に対する閾値力価は≧1:64であった。血清群Cに関して、≧1:128というSBA-BR閾値力価は確証が高いと思われた。この力価では、防御力価に達しており、1:4もしくは1:8というSBA-H力価に対応しており、さらに、血清群Cに関しては1:4という有効なSBA-H力価と相関している。この閾値力価は、血清群Cに対するWHO/CDCデータセットおよびサントス(Santos)のデータセットに基づいて行われた分析とよく一致している。これらの試験において特記されていたように、≧1:128というSBA-BR力価では防御が強く予測されたが、1:128以下であっても防御的であった。WHO/CDCおよびサントス(Santos)のデータセットおいては、1:8、1:16、1:32、1:64というSBA-BR力価は不確定力価と称されている。血清群Cに対して本明細書に示しているデータに関しては、1:16以下のSBA-BR力価は陰性と見なしていることから、本分析に関する不確定力価は1:16〜1:64であり、それらは他の二つの試験におけるサブセットである。これらの分析にすべてにおいて、SBA-BR力価は、1960年代に収集された天然の防御データと相関しているSBA-H力価(1:4または1:8)と比較した。
最近では、1価Cコンジュゲートに関して英国で確立された効力データにSBA-BR力価を直接対応させようとする試みがなされた(ミラー(Miller),E.ら、Vaccine,(2002)20:S58-S67)。該分析においては、≧1:8および≧1:128というSBA-BR力価は、1価Cコンジュゲートを1回投与した15〜17歳の対象から集めた効力データとよく相関していることがわかった。しかしながら、ミラー(Miller)および共同研究者らが幼児(12〜30ヶ月)集団に対して同一の分析を行った場合には、≧1:8というSBA-BR力価では、効力と非常によく一致したが、≧1:128というSBA-BR力価においてはそれほど近似していないことがわかった。ミラー(Miller)らは、第13回病原性ナイセリア属(Neisseria)に関する国際会議(International Pathogenic Neisseria Conference)(2002年9月1〜6日、ノルウェー国オスロ)でさらにデータを公表し、接種後1ヶ月で≧1:64というSBA-BR力価に達する対象において予測される効力は、この年齢集団で観察された効力の95%信頼区間からはずれていた。これらのデータは、1:16〜1:64という不確定領域内のSBA-BR力価が防御に寄与できるという考えを支持している。本試験に関する分析に基づけば、同様に、1:16〜1:64というSBA-BR力価は、血清群Cに対する防御に寄与できる。
1:64というSBA-BR力価における血清群Yアッセイは、特異性はわずか35%であったが、カットオフ力価を1:125および1:256に上げると、特異性はそれぞれ59%および84%に上昇した。≧1:256という閾値力価は、ヒト補体アッセイにおける1:4および1:8という防御力価とよく一致した。しかしながら、血清群Yに関しては、1:128という閾値力価の方が感度および特異性の均衡がとれていた。血清群Yに対する1:64〜1:128というSBA-BR力価範囲は、血清群Cに対しては、SBA-H防御力価と相関している1:16〜1:64というSBA-BR力価範囲と同様に、不確定力価範囲を表す。
1:64というSBA-BR力価における血清群W-135アッセイでは、特異性は52%であったが、力価を1:125および1:256に上げると、特異性も64%および77%に上昇した。血清群Yの場合と同様に、≧1:256という閾値力価は、ヒト補体アッセイにおける1:4および1:8という防御力価とよく一致した。血清群Yの場合と同様に、血清群W-135に関しては、1:128という閾値力価の方が感度および特異性の均衡がとれていた。血清群W-135に対する1:64〜1:128というSBA-BR力価範囲は、血清群Cに対しては、SBA-H防御力価と相関している1:16〜1:64というSBA-BR力価範囲と同様に、不確定力価範囲を表す。
殺菌力価の4倍上昇は血清群ごとに計算し、両アッセイに使用したワクチン接種群ごとに個別に分析した。一般的には、3つの血清群すべてにおいて、接種後のSBA-BR力価が高い場合には、SBA力価(BRおよびH)の4倍上昇も高いことが示唆された。血清群により、およびワクチン接種群により、SBA力価の4倍上昇の様子に差があった。血清群Cに関しては、ヒト補体を用いたアッセイにおける4倍上昇は、接種後のSBA-BR力価が低い場合には、仔ウサギ補体を用いたアッセイにおける力価よりも低かった。しかしながら、接種後のSBA-BR力価が高い場合には、ヒト補体を用いたアッセイにおける力価の4倍上昇の方が高かった。このパターンは、接種後のSBA-BR力価が低い場合には、ヒト補体を用いたアッセイは、仔ウサギ補体を用いたアッセイよりも感度が低いが、接種後のSBA-BRが高い場合にはその逆であり、すなわち、ヒト補体を用いたアッセイの方が感度が高くなることを示唆していると考えられる。このパターンは、多糖類ワクチン接種群由来のサンプルをアッセイした場合には明確ではなかった。それらのサンプルにおいては、力価の4倍上昇は、アッセイにヒト補体を用いた場合に低く現れた。サンプル型間におけるこの知見に対する明確な説明はないが、ヒト補体を用いたアッセイでは、殺菌活性が低い血清サンプルについては感度に欠けることが示唆される。
血清群Yに関しては、2つの補体源を比較した場合、SBA力価の4倍上昇はよく一致していた。SBA力価(BRおよびH)の4倍上昇は、多糖類接種群よりもコンジュゲート接種群の方が若干高かったが、その差は、血清群Cの場合ほど大きくなかった。
血清群W-135に関しては、いずれのワクチン接種群に対しても、アッセイにヒト補体もしくは仔ウサギ補体を用いた場合のSBA力価の4倍上昇率は、他の2つの血清群のアッセイ結果と比較して、それほどよく一致していなかった。SBA-BR力価の4倍上昇は、いずれのワクチン接種群に対しても非常に良好だったが、SBA-H力価が4倍上昇した割合については、他の2つの血清群に比べて低かった。多糖類接種群におけるSBA-H力価の4倍上昇率は非常に低く、他の2つの血清群に対するSBA-H力価の4倍上昇率よりもかなり低かった。
BR補体を用いたSBA力価の4倍上昇は、髄膜炎菌多糖類ワクチンの登録に対するベンチマークになっている。最近では、英国において、1価Cコンジュゲートワクチンに関する認可後サーベイランスデータから得られた臨床効力(ボロー(Borrow),R.ら、Infect.Immun.,(2001)69:1568-1573)にSBA-BR力価の4倍上昇率を関連づける試みがなされている。この分析に基づき、幼児(12〜30ヶ月)における1価Cコンジュゲートワクチンの効力は、初回投与から16ヶ月以内では88%(69〜95%)であることが確認された。この年齢群では、1価のCコンジュゲートワクチンを1回投与した後にSBA-BR力価が4倍上昇した対象の割合は、89〜100%であった。
本明細書におけるSBA-BR力価は、血清群Cに対するアッセイにおいて、補体源としてヒト補体を用いて得られた値に対応する殺菌力価を提示する。故に、これらのSBA-BR力価は、血清群C髄膜炎に対する防御免疫の代用値を確立した最初の実験に適合しており、本試験において提供された臨床結果について、防御の推定を行うことを支持するものであり、さらに、血清群Cに対するSBA-BR力価は、他の研究室から報告されているそれらと同等である。血清群Yおよび血清群W-135の莢膜多糖類に対する血清群特異的応答の判断において、ヒト補体を用いてSBA測定を実施することは、血清群Cモデルと同様に、血清群YおよびW-135に対する殺菌活性の決定に関して、SBA-BRの妥当性を支持するものである。
実施例15成人におけるTetraMenD(Menomune(商標))およびTyphim Vi(登録商標)の同時投与
この実施例は、米国において18から55歳の健常者に単独でまたは認可 Typhim Vi(登録商標)ワクチンと同時投与されるTetraMenD(Menactra(商標))の第2b相修正二重盲検安全性および免疫原性試験で得られた結果を記載する。
Typhim Vi(登録商標)は米国で市販されている。Typhim Vi(登録商標)の各 0.5ml用量は、精製Vi多糖25μg、等張リン酸緩衝生理食塩水および保存料として添加される0.25%フェノールを含む。Typhim Vi(登録商標)ワクチンはまた、残留ポリジメチルシロキサンまたは脂肪酸エステル消泡剤を含む。この試験に参加した参加者は計945名であった。要約すると、試験参加者は2つの治療群のどちらか一方に無作為化された;A群はMenactra(商標)およびTyphim Vi(登録商標)を同時に来診1回目に、および生理食塩水プラセボを28日後に来診2回目に投与された;B群はTyphimVi(登録商標)およびプラセボを来診1回目に、およびMenactra(商標)を28日後に来診2回目に投与された。469参加者計469名がA群に、および476名がB群に参加した。
この試験には免疫原性の2つの主な目的があった。第一の目的は、Typhim Vi(登録商標)の単回投与後の、ワクチン接種後28日目の各試験群での抗体応答を記載および比較することであった。A群の参加者におけるTyphim Vi(登録商標)に対する抗体応答は、B群での抗体レベル>1.0mg/mLを達成するレシピエントの割合から、A群でのその割合を引いた差が10%未満であれば、B群のTyphim Vi(登録商標)に対する抗体応答と同様と考えられる。抗Vi 抗体>1.0ug/mLのレベルは、この抗体レベルが保護と考えられるため、主な血清学的エンドポイントとして選択された。2つの主な目的のうちの2番目は、ワクチン接種後28日のMenactra(商標)レシピエントにおける4つの血清群それぞれに対するSBA抗体応答を記載および比較することであった。参加者は2つの試験群間で年齢、性別および人種について均等に分布した。参加者の69%が女性であり、全対象者の年齢中央値は31歳であった。A群では432名(92.1%)が、およびB群について439名(92.2%)が、プロトコル適合集団への選択のための判定基準に適合した。
1.免疫原性結果
Typhim Vi(登録商標)ワクチンを接種後28日 目に、A群の参加者のうち81.6%およびB群の参加者のうち78.5%が、抗体レベル>1.0μg/mLを達成した。結果の要約を下記の表12に示す。
Figure 2008513541
Menactra(商標)と同時投与される際のTyphim Vi(登録商標)に対する抗体応答は、両側第1種の過誤α=0.05、誤差幅10%を用いて、Typhim Vi(登録商標)が単独で投与される際の対応する応答と同様である(図1)。これらの結果は、Typhim Vi(登録商標)単独でまたは多糖髄膜炎菌およびA型肝炎ワクチンを含む他の一般的な旅行者用ワクチンと共に投与される際の、文献で報告される抗体陽転率に基づく予測と合致した。図1はこれらの試験からの結果を示す:成人における28日目のTyphim Vi抗体力価>1.0μg/mLでの試験、%差(%Typhim Vi+プラセボ、Menactra−%Typhim Vi+Menactra、プラセボ)の95%信頼区間。
図2は、A群のMenactraがTyphim Vi(登録商標)ワクチンと同時に投与される場合のSBA抗体力価の4倍上昇を達成する参加者の割合は,B群でMenactraがTyphim Vi(登録商標)ワクチン接種の一ヶ月後に投与される場合に示された割合と同等であったことを示す(プロトコル適合集団について)。Typhim Vi(登録商標)と同時に投与される場合のMenactra(商標)に対する抗体応答は、両側第1種の過誤α=0.05、誤差幅10%を用いて、Menactra(商標)単独で投与される場合の対応する応答と同様である(図3)。
2.GMT
健常成人における別々の安全性および免疫原性試験に参加した参加者におけるMenactra(商標)の対する応答のGMTを、本試験の両方の試験群のMenactraレシピエントのGMTと比較する観察目的が追加された。免疫原性補助仮説の用いられるのと同一の判定基準をこの比較に適用した。各例において、安全性および免疫原性試験(MTA09)参加者の各血清群についてのGMTは、この試験のA群またはB群のMenactra(商標)レシピエントのものと良好に同等であった。GMT比の上側97.5%信頼限界(上側95%両側信頼限界と等しい)は、どの血清群についても2を超えなかった。加えて、両方の試験群で95%を上回る参加者が、4つすべての血清群について保護のレベルより高い抗体力価を示す(図4)。
試験参加者は、ワクチン接種の30分後の即時反応について、およびワクチン接種後7日間の局所および全身反応性について監視された。事前に指示された有害事象は局所反応(たとえば、紅斑、腫脹、硬結、および痛み)および全身症状(たとえば、口腔温で測定した発熱、頭痛、疲労、悪寒、関節痛、食欲不振、嘔吐、下痢、てんかん、倦怠感、および発疹)を含み、それらは各ワクチン接種後に評価された。これらの事象は日誌カードに毎日記録され、およびまた試験員によって各ワクチン接種8日後の電話問診を通じて回収された。もし発疹が報告されたならば、治験担当医師は別の症例報告書式に追加の詳細を記録するよう指示された。他の重篤でない予測されない有害事象は各ワクチン接種8日後および20日後の電話問診によって得られた。重篤有害事象は試験期間全体にわたって報告および記録された。試験は、Typhim Vi(登録商標)といった他のワクチンとのMenactra(商標)の混合投与は安全でありおよび重篤有害反応の率の有意な上昇を生じないことを示す。
これらのデータは、Menactra(商標)は成人集団において、単独でまたは旅行者用ワクチンTyphim Vi(登録商標)と同時に投与された場合に高度に免疫原性であることを実証する。これらのデータが主仮説に適用される場合、すべての判定基準に適合する。
図1は、成人における28日目のTyphim Vi抗体力価>1.0μg/mLでの非劣性試験(%差(%Typhim Vi+プラセボ、Menactra−%Typhim Vi+Menactra、プラセボ)の95%信頼区間)を示す。 図2は、TetraMenD接種後28日目にSBA-BR抗体力価にベースラインから4倍以上の上昇を有する参加者の数および割合を示す。 図3は、Menactra接種後28日目のSBA-BRベースライン力価の4倍上昇の非劣性試験(MTA-11)(%差(%Typhim Vi+プラセボ、Menactra−%Typhim Vi+プラセボ、Menactra)の95%信頼区間)を示す。 図4は、Menactra(商標)接種後28日目の幾何平均SBA力価を示す。

Claims (68)

  1. 多糖−タンパク質複合体であって、該複合体が一つ以上のキャリヤータンパク質に結合した髄膜炎菌血清群A、C、W−135またはYの莢膜多糖を含み、組成物は平均分子量が100,000ダルトン未満の各莢膜多糖を0.5〜15μg/ml含むことを特徴とする複合体。
  2. 莢膜多糖が5,000〜75,000ダルトンの平均分子量へ誘導体化されていることを特徴とする請求項1記載の複合体。
  3. 莢膜多糖が7,000〜50,000ダルトンの平均分子量へ誘導体化されていることを特徴とする請求項2記載の複合体。
  4. 莢膜多糖が8,000〜35,000ダルトンの平均分子量へ誘導体化されていることを特徴とする請求項3記載の複合体。
  5. 莢膜多糖が12,000〜25,000ダルトンの平均分子量へ誘導体化されていることを特徴とする請求項4記載の複合体。
  6. 莢膜多糖が15,000〜22,000ダルトンの平均分子量へ誘導体化されていることを特徴とする請求項5記載の複合体。
  7. 前記莢膜多糖のキャリヤータンパク質に対する平均比が約1:1〜約1:20(w/w)であることを特徴とする請求項1記載の複合体。
  8. 前記莢膜多糖のキャリヤータンパク質に対する平均比が約1:2〜約1:10(w/w)であることを特徴とする請求項7記載の組成物。
  9. 前記莢膜多糖のキャリヤータンパク質に対する平均比が約1:2〜約1:6(w/w)であることを特徴とする請求項8記載の組成物。
  10. 前記莢膜多糖のキャリヤータンパク質に対する平均比が約1:(4±1)(w/w)であることを特徴とする請求項9記載の組成物。
  11. 前記莢膜多糖のキャリヤータンパク質に対する平均比が約1:(4±0.5)(w/w)であることを特徴とする請求項10記載の組成物。
  12. 前記莢膜多糖のキャリヤータンパク質に対する平均比が約1:(4±0.25)(w/w)であることを特徴とする請求項11記載の組成物。
  13. キャリヤータンパク質が、細菌毒素またはトキソイド、あるいは細菌外膜タンパク質を含むことを特徴とする請求項1記載の複合体。
  14. キャリヤータンパク質が、ジフテリア毒素、ジフテリアトキソイド、CRMi97、破傷風トキソイド、百日咳トキソイド、E.coli LT、E.coli ST、外毒素A、外膜複合体c(OMPC)、ポーリン、トランスフェリン結合タンパク質、ニューモリシス、肺炎球菌表面タンパク質A(PspA)、肺炎球菌アドヘシンタンパク質(PsaA)、卵白アルブミン、スカシ貝ヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)または精製ツベルクリン(PPD)を含むことを特徴とする請求項1記載の複合体。
  15. キャリヤータンパク質が、ジフテリア毒素、ジフテリアトキソイド、CRMi97、破傷風トキソイド、外毒素A、または外膜複合体c(OMPC)を含むことを特徴とする請求項14記載の複合体。
  16. キャリヤータンパク質が、ジフテリア毒素、ジフテリアトキソイド、またはCRMi97を含むことを特徴とする請求項15記載の複合体。
  17. キャリヤータンパク質が、ジフテリア毒素、またはジフテリアトキソイドを含むことを特徴とする請求項16記載の複合体。
  18. 前記莢膜多糖が8,000〜35,000ダルトンの平均分子量へ誘導体化されていることを特徴とする請求項17記載の複合体。
  19. 前記莢膜多糖のキャリヤータンパク質に対する平均比が約1:2〜約1:10(w/w)であることを特徴とする請求項17記載の複合体。
  20. 前記莢膜多糖のキャリヤータンパク質に対する平均比が約1:(4±1)(w/w)であることを特徴とする請求項19記載の複合体。
  21. 多糖−タンパク質複合体を含む組成物であって、該複合体が一つ以上のキャリヤータンパク質に結合した血清群A、C、W−135またはYの髄膜炎菌の二つ以上の莢膜多糖を含み、該組成物が、平均分子量100,000ダルトン未満の各莢膜多糖を0.5〜15μg/ml含むことを特徴とする組成物。
  22. 莢膜多糖が5,000〜75,000ダルトンの平均分子量へ誘導体化されていることを特徴とする請求項21記載の組成物。
  23. 莢膜多糖が7,000〜50,000ダルトンの平均分子量へ誘導体化されていることを特徴とする請求項22記載の組成物。
  24. 莢膜多糖が8,000〜35,000ダルトンの平均分子量へ誘導体化されていることを特徴とする請求項23記載の組成物。
  25. 莢膜多糖が12,000〜25,000ダルトンの平均分子量へ誘導体化されていることを特徴とする請求項24記載の組成物。
  26. 莢膜多糖が15,000〜22,000ダルトンの平均分子量へ誘導体化されていることを特徴とする請求項25記載の組成物。
  27. 各記莢膜多糖のキャリヤータンパク質に対する平均比が約1:1〜約1:20(w/w)であることを特徴とする請求項21記載の組成物。
  28. 各記莢膜多糖のキャリヤータンパク質に対する平均比が約1:2〜約1:10(w/w)であることを特徴とする請求項27記載の組成物。
  29. 各記莢膜多糖のキャリヤータンパク質に対する平均比が約1:2〜約1:6(w/w)であることを特徴とする請求項28記載の組成物。
  30. 各莢膜多糖のキャリヤータンパク質に対する平均比が約1:(4±1)(w/w)であることを特徴とする請求項29記載の組成物。
  31. 各莢膜多糖のキャリヤータンパク質に対する平均比が約1:(4±0.5)(w/w)であることを特徴とする請求項30記載の組成物。
  32. 各莢膜多糖のキャリヤータンパク質に対する平均比が約1:(4±0.25)(w/w)であることを特徴とする請求項31記載の組成物。
  33. 液体であることを特徴とする請求項31記載の組成物。
  34. 液体1ミリリットル当たり約0.5〜約15ugの血清群A、C、W−135またはYに対する髄膜炎菌誘導体化多糖を含むことを特徴とする請求項33記載の組成物。
  35. 液体1ミリリットル当たり約0.5〜約15ugの血清群W−135またはYに対する髄膜炎菌誘導体化多糖を含むことを特徴とする請求項33記載の組成物。
  36. キャリヤータンパク質がジフテリア毒素またはトキソイドであることを特徴とする請求項31記載の組成物。
  37. さらにアジュバントを含むことを特徴とする請求項36記載の組成物。
  38. アジュバントが、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウムまたはその組み合わせを含むことを特徴とする請求項37記載の組成物。
  39. リン酸ナトリウム、塩化ナトリウムまたはその組み合わせを含むことを特徴とする請求項31記載の組成物。
  40. 請求項21から39記載の組成物をヒト患者へ投与することによって髄膜炎菌性疾患に対してヒト患者を免疫する方法。
  41. 前記組成物が、ジフテリア、破傷風、百日咳FHA、百日咳PT、またはPRPに対する抗原を含むことを特徴とする請求項40記載の方法。
  42. 請求項21記載の組成物である第一の組成物の投与の6ヶ月以内に、ジフテリア、破傷風、百日咳FHA、百日咳PT、またはPRPに対する抗原を含む第二の組成物をヒト患者に投与することを特徴とする請求項40記載の方法。
  43. ジフテリア、破傷風、百日咳FHA、百日咳PT、またはPRPに対する抗原を含む第二の組成物が、前記第一の組成物の投与の3ヶ月以内にヒト患者へ投与されることを特徴とする請求項42記載の方法。
  44. ジフテリア、破傷風、百日咳FHA、百日咳PT、またはPRPに対する抗原を含む第二の組成物が、前記第一の組成物の投与と同時にヒト患者へ投与されることを特徴とする請求項43記載の方法。
  45. ヒト患者が60歳未満であることを特徴とする請求項40記載の方法。
  46. ヒト患者が35〜60歳であることを特徴とする請求項45記載の方法。
  47. ヒト患者が35〜60歳であることを特徴とする請求項45記載の方法。
  48. ヒト患者が18〜35歳であることを特徴とする請求項45記載の方法。
  49. ヒト患者が18〜25歳であることを特徴とする請求項45記載の方法。
  50. ヒト患者が15〜18歳であることを特徴とする請求項45記載の方法。
  51. ヒト患者が10〜15歳であることを特徴とする請求項45記載の方法。
  52. ヒト患者が11歳未満であることを特徴とする請求項45記載の方法。
  53. ヒト患者が2〜10歳であることを特徴とする請求項45記載の方法。
  54. ヒト患者が2歳未満であることを特徴とする請求項45記載の方法。
  55. ヒト患者が6週〜1歳であることを特徴とする請求項45記載の方法。
  56. 前記莢膜多糖が、AおよびW−135;YおよびW−135、CおよびY、CおよびW−135;A、CおよびY、A、CおよびW−135、(7)C、YおよびW−135、A、YおよびW−135およびA、C、YおよびW−135より成る群から選択されることを特徴とする請求項21記載の組成物。
  57. 髄膜炎菌Aに対する免疫応答をヒト患者において誘導する方法であって、ヒト患者へ多糖−タンパク質複合体を含むワクチン組成物を投与することを含み、該組成物が100,000ダルトン未満の平均分子量へ誘導体化された血清群Aの髄膜炎菌莢膜多糖を0.5〜15μg/ml含むことを特徴とする方法。
  58. 髄膜炎菌Cに対する免疫応答をヒト患者において誘導する方法であって、ヒト患者へ多糖−タンパク質複合体を含むワクチン組成物を投与することを含み、該組成物が100,000ダルトン未満の平均分子量へ誘導体化された血清群Cの髄膜炎菌莢膜多糖を0.5〜15μg/ml含むことを特徴とする方法。
  59. 髄膜炎菌Yに対する免疫応答をヒト患者において誘導する方法であって、ヒト患者へ多糖−タンパク質複合体を含むワクチン組成物を投与することを含み、該組成物が100,000ダルトン未満の平均分子量へ誘導体化された血清群Yの髄膜炎菌莢膜多糖を0.5〜15μg/ml含むことを特徴とする方法。
  60. 髄膜炎菌W−135に対する免疫応答をヒト患者において誘導する方法であって、ヒト患者へ多糖−タンパク質複合体を含むワクチン組成物を投与することを含み、該組成物が100,000ダルトン未満の平均分子量へ誘導体化された血清群W−135の髄膜炎菌莢膜多糖を0.5〜15μg/ml含むことを特徴とする方法。
  61. 前記ワクチン組成物がアジュバントを含まないことを特徴とする請求項57から60のいずれか記載の方法。
  62. 髄膜炎菌に対してヒト患者を免疫する方法であって、請求項1から20記載の複合体を含むワクチン組成物を投与することによって、ワクチン接種の28日以内に、ヒト患者が投与前血清GMTまたはIgG力価と比較して血清GMTまたはIgG力価の4倍以上の上昇を得ることを特徴とする方法。
  63. 髄膜炎菌に対してヒト患者を免疫する方法であって、請求項1から20記載の複合体を含むワクチン組成物を投与することによって、ワクチン接種の20〜40日以内に、ヒト患者が投与前SBA−BR力価と比較して1:32以上の血清SBA−BR力価を得ることを特徴とする方法。
  64. 髄膜炎菌に対してヒト患者を免疫する方法であって、請求項1から20記載の複合体を含むワクチン組成物を投与することによって、ワクチン接種の20〜40日以内に、ヒト患者が投与前SBA−BR力価と比較して1:64以上の血清SBA−BR力価を得ることを特徴とする方法。
  65. 髄膜炎菌に対してヒト患者を免疫する方法であって、請求項1から20記載の複合体を含むワクチン組成物を投与することによって、ワクチン接種の20〜40日以内に、ヒト患者が投与前SBA−BR力価と比較して1:128以上の血清SBA−BR力価を得ることを特徴とする方法。
  66. 請求項21から39記載の組成物を一つ以上の非髄膜炎菌ワクチンと同時にヒト患者へ投与することによって髄膜炎菌に対してヒト患者を免疫する方法。
  67. 前記非髄膜炎菌ワクチンがチフスに対するワクチンを含むことを特徴とする請求項66記載の方法。
  68. 前記チフスに対するワクチンがTyphim Vi(登録商標)であることを特徴とする請求項67記載の方法。
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