JP2008509890A - 遺伝子または薬剤送達系 - Google Patents

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Abstract

本発明は、標的器官または組織を、1もしくは複数の有効成分を含んでなるカチオン性リポソーム装填した中性に荷電した脂質のマイクロバブルを含んでなる、有効成分をカプセル化したマイクロバブルと接触させ、そしてマイクロバブルを標的で超音波に暴露することにより標的で有効成分を選択的に放出することにより生体内に1もしくは複数の有効成分を送達する組成物および方法を含み、ここで有効成分は標的で選択的に放出されるまでマイクロバブル中で保護されている。

Description

発明の技術分野
本発明は有効成分(active agent)を送達するための組成物および方法、そしてより詳細には超音波とマイクロバブルの組み合わせを使用した有効成分の制御された局所化送達に関する。
発明の背景
カチオン性リポソームは、標的細胞への高分子の生体外および生体内送達に応用可能であると報告されてきた。特許文献1;特許文献2;および特許文献3は、DNA、RNA,タンパク質のような負に荷電した高分子、および小さい化学化合物に結合し、そして標的細胞との接触で高分子を標的細胞の内側または標的細胞膜上のいずれかに送達するリポソーム、一枚膜小胞、多重層小胞およびミセルのようなカチオン性の脂質凝集物の組成物および使用法を開示する。遺伝子のトランスフェクションでは、リポソーム送達を用いたトランスフェクション効率は生体外では高いが、生体内では低いと報告されている。
また超音波媒介型のマイクロバブル破壊も、薬物、タンパク質、シグナリング分子または遺伝子(プラスミドベクターまたはウイルスベクターを含む)を特異的組織(特許文献4)に:ラットの骨格筋に送達される標識した赤血球細胞およびポリマー性微小球を(Skyba,et al.1998;およびPrice,et al.1988);オリゴヌクレオチドをイヌの腎臓(Porter,et al.1996)へ;イヌ心筋(Wei,et al.1997)へ;およびクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子を含む培養したHeLa、NIH/3T3およびC1271細胞(Unger,et al.1997)ヘ送達する生体外または生体内の方法として報告されてきた。1つの実験では、β−ガラクトシダーゼを構成的プロモーターの制御下に含有する組換えアデノウイルス導入遺伝子が、アルブミンを被覆したペルフルオロプロパンを充填したマイクロバブルの表面に付けられ、そして超音波媒介型のマイクロバブル破壊によるラット心筋へのマイクロバブルの送達により、対照動物と比べてβ−ガラクトシダーゼ活性に10倍の増加をもたらした(Shohet,et al.2000)。
超音波標的型のマイクロバブル破壊の報告では、生物有効成分は油懸濁液を使用してマイクロバブルの芯内に封入されるか、または化学的、静電的もしくは機械的手段によりマイクロバブル殻に付けられるかのいずれかである。マイクロバブルは典型的には直径約2〜4ミクロンであり、そして球状である。それらは殻内に内包されたガス状の芯を含み、ここでガスは通常、ペルフルオロカーボンであるが、空気、窒素または六フッ化硫黄も使用されてきた。マイクロバブルの殻はアルブミン、リン脂質またはポリマーから作られて来た。電子顕微鏡の調査により、多くのマイクロバブル殻は約30〜50nm厚であり、超音波波のような正または負の圧の波に暴露されると振動するネット様の可塑性を有する。適用した超音波波の振幅および振動数に依存して、マイクロバブルはキャビテーションを受け、マイクロバブル殻にカプセル化されているか、または付いている生物有効成分を放出する。
たとえ有効成分の標的部位へのリポソームまたはマイクロバブル送達が報告されても、これらの方法は所望するほどには生体内で効率的ではなかった。生物活性DNAの送達の場合、トランスフェクション効率、すなわちその効力を制限する幾つかの因子がある。マイクロバブルに付いた生物活性DNAは循環しているデオキシリボヌクレアーゼ(DNase)により中和され得る。脂質のマイクロバブルからの放出で、DNAは標的器官の内
側に自由に入るが、細胞膜または核膜には入ることができない。さらにマイクロバブル殻の一部がDNA分子に付いたままであり、これがその翻訳を妨げる。送達中、他の種類の生物有効成分も同様にプロテアーゼ、リパーゼ、炭水化物−切断酵素および他の分解経路の影響を受け易い。
参考文献
米国特許第4,897,355号明細書 米国特許第5,334,761号明細書 米国特許第6,034,137号明細書 米国特許第5,580,757号明細書
発明の要約
ここで今、薬剤、ペプチド、遺伝物質または化学療法剤のような有効成分を、哺乳動物の特異的器官または組織のような標的部位に、これまでに報告されているよりも高い効率で送達できることが分かった。有効成分送達系は、マイクロバブルと予めリポソームに集成された有効成分を含む複合体との間の複合体を含むと記載される。リポソーム複合体は所望の時点で破壊されて、有効成分を標的部位に放出できるようにすることができる。
また本発明は超音波標的型マイクロバブル崩壊(ultrasound−targeted microbubble destruction:UTMD)を使用することにより、生体内の標的器官または組織に生物有効成分を送達する方法も含み、ここで中性に荷電した脂質のマイクロバブルには、生物有効成分が装填されたナノ球状(nanospheric)のカチオン性リポソームがすでに装填されている。
本発明は1もしくは複数の有効成分を生体内に送達する組成物および方法を含み、これは標的器官または組織を、1もしくは複数の有効成分を含んでなる前配合リポソームを含んでなる中性に荷電した脂質のマイクロバブルを有するマイクロバブルに内包された有効成分と接触させ;そしてマイクロバブルを標的で超音波に暴露することにより標的で有効成分を選択的に放出する工程を含んでなり、ここで有効成分は標的で選択的に放出されるまでマイクロバブル中で保護されている。有効成分は組織特異的プロモーターの制御下に1もしくは複数の分子、例えば核酸セグメントを含むことができる。他の例は、組織特異的プロモーターの制御下、活性化可能なプロモーターの制御下、アポトーシスを引き起こす遺伝子の発現を駆動する活性化可能なプロモーターの制御下に、組織特異的遺伝子を含む核酸セグメントを含む。有効成分の他の例には、ホルモン、増殖因子、酵素、アポリポタンパク質凝固因子、腫瘍サプレッサー、腫瘍抗原、ウイルスタンパク質、バクテリア表面タンパク質および寄生生物細胞表面タンパク質からなる群から選択される遺伝子をコードする1もしくは複数の核酸セグメントを含む。
一般にマイクロバブルは製薬学的に許容され得る賦形剤中に配されている。有効成分は、変異体または野生型の:p53、p16、p21、MMAC1、p73、zacl、C−CAM、BRCAI、Rb、Harakiri、Ad E1 B、ICE−CED3プロテアーゼ、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、TNF、GMCSF、β−インターフェロン、γ−インターフェロン、VEGF、EGF、PDGF、CFTR、EGFR、VEGFR、IL−2受容体、エストロゲン受容体、Bcl−2もしくはBcl−xL、ras、myc、neu、raf、erb、src、fms、jun,trk、ret、gsp、hst、abl、p53、p16、p21、MMAC1、p73、zacl、BRCAI、BRCAII、Rb、成長ホルモン、神経成長因子、インスリン、副腎皮質刺激ホルモン、パラホルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体化ホルモンおよび甲状腺刺激ホルモンからなる群から選択される発現可能な遺伝子であることができる。また有効成分は、CMV IE、LTR、SV40 IE、HSV tk、β−アクチン、インスリン、ヒトグロビンα、ヒトグロビンβおよびヒトグロビンγプロモーターからなる群から選択されるプロモーターおよびプロモーターの制御下の遺伝子を含むことができる。
送達および/または使用のための広範な種々の超音波装置および方法、周波数、様式、エネルギー等を本発明と共に使用することができる。例えば超音波はパルスおよび集束様式で適用され得る。超音波はウルトラハーモニック様式(ultraharmonic mode)等で適用され得る。マイクロバブルの例には当該技術分野で周知のものを含み、1例では、マイクロバブルは生分解性ポリマー、生物適合性の両親媒性物質、生物学的に適合性の両親媒性物質の外層および生分解性ポリマーの内層を含んでなる外殻を有するマイクロバブル、および/またはコラーゲン、ゼラチン、アルブミンまたはグロブリンから選択される両親媒性物質から作られるマイクロバブルでよい。
1組の具体例では、有効成分がインスリンプロモーターの制御下にヘキソキナーゼ遺伝子を含んでなる核酸ベクターであるか、あるいはRIPプロモーターの制御下にヘキソキナーゼ遺伝子Iを含んでなる核酸ベクターを含んでなることもできる。本明細書で教示する組成物および方法を使用して送達するための有効成分の別の例には、hVEGFタンパク質、hVEGFmRNAまたはhVEGFタンパク質およびhVEGFmRNAの両方を含んでなる核酸ベクターを含むか、あるいはhVEGF165タンパク質、hVEGF165mRNAまたはhVEGF165タンパク質およびhVEGF165mRNAの両方を含んでなる核酸ベクターをも含む。
リポソームの作成およびそれらの装填で使用するための脂質は当該技術分野で周知であり、そして以下の1もしくは複数を含むことができる:例えばベクターおよび/またはプラスミドと混合された1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリンおよび1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルエタノールアミングリセロール。広範な市販されている脂質(1もしくは複数)、混合物、キット等が周知であり、そして利用可能である。
また本発明は1もしくは複数の生物有効成分を予め装填したカチオン性リポソームを装填した中性に荷電した脂質のマイクロバブルを含む有効量の組成物を哺乳動物に投与し、そして生物有効成分(1もしくは複数)を超音波を使用して哺乳動物に放出することを含む、そのような処置が必要な哺乳動物の処置法も含む。哺乳動物は製薬学的に許容され得る賦形剤中でマイクロバブルを提供されることができ、そして送達部位に集束される超音波エネルギーに暴露される患者であることができる。
本発明の別の態様は、中に予め集成したリポソーム−核酸複合体および約1個のマイクロバブルを含む、標的部位での超音波標的型のマイクロバブル破壊のための薬剤送達組成物である。リポソーム−核酸複合体はカチオン性脂質、アニオン性脂質またはその混合物および組み合わせを含むことができる。装填されたマイクロバブルは一般に、例えば液体または乾燥状態の製薬学的に許容され得る賦形剤中に配される。マイクロバブルは製薬学的に許容され得る担体、例えば食塩水中に再懸濁され得る。たとえばキット用に、およびその一部として乾燥で提供される場合、乾燥粉末は1もしくは複数の配可能な単回もしくは多回使用容器および送達系、例えばシリンジおよび/または針と一緒に提供されることができ、そしてさらに使用説明書を含むことができる。一般にキット成分は予め滅菌される。
前配合マイクロバブルは、生物有効成分を予め装填したナノ球状カチオン性リポソームを装填した中性に荷電した脂質のマイクロバブルを有する有効量の組成物を提供し、超音
波標的型のマイクロバブル破壊を使用して、標的部位でマイクロバブルを破壊することによる、そのような処置が必要な哺乳動物の処置法に使用することができる。
有効成分の例には、例えば原子もしくは低分子薬剤、タンパク質、ペプチド、核酸、脂質、脂肪酸、炭水化物、サッカライド、多糖、ビタミン、ミネラルおよびその組み合わせおよび混合物を含む。核酸の例には、センスもしくはアンチセンス方向の、線状もしくは環状の、ベクターの一部としての(例えば構成的および/または組織特異的プロモーター、エンハンサー、サイレンサー、相同的組換え領域等を有する)、リボ酢酸、デオキシリボ核酸を含むことができる。例えばT細胞活性化抗原、ホルモン、伝達物質等であるペプチドを含んでもよい。タンパク質は前駆体タンパク質、抗原、抗体、融合タンパク質、構造タンパク質、レポーター、検出可能なマーカー、酵素(例えばプロテアーゼ、ヌクレアーゼ、キナーゼ、ホスファターゼ、代謝酵素)ケモカイン、リンホカイン、インターフェロン、インターロイキン、アゴニスト、アンタゴニスト、受容体、トラップおよびその混合物および組み合わせであることができる。脂質は伝達物質、膜の成分、エネルギー源、アゴニスト、アンタゴニスト、ケモカイン等であることができる。また栄養補助物質、例えば栄養的に有効量のDNA、タンパク質、脂質、サッカライド前駆体、ビタミン、ミネラル等も本発明を使用して送達することができる。
本発明の別の態様は、生物有効成分を装填したナノ球状カチオン性リポソームを装填した中性に荷電した脂質のマイクロバブルを含む超音波標的型のマイクロバブル崩壊のための送達組成物である。
発明の詳細な説明
本発明の種々の態様を作成し、そして使用することは以下に詳細に検討するが、本発明が広範な様々の具体的文脈で具現化され得る多くの応用可能な発明の概念を提供すると考えるべきである。本明細書で検討する具体的態様は、本発明を作成し、そして使用するための具体的な方法の具体的説明にすぎず、本発明の範囲を制限しない。
本発明を理解し易くするために、多くの用語を以下に定義する。本明細書で定義する用語は、本発明に関連する分野の当業者が通常に理解している意味を有する。“a”、“an”および“the”は単数の物体を指すだけではなく、具体的説明のために具体例を使用することができる一般的な種類も含む。本明細書での用語法は、本発明の具体的態様を記載するために使用するが、それらの使用法は特許請求の範囲で境界を引く場合を除き、本発明を限定しない。
本明細書を通して使用するように、以下の略号を使用する:TF、転写因子;ORF、オープンリーディングフレーム;kb、キロベース(対);UTR、非翻訳領域;kD、キロダルトン;PCR、ポリメラーゼ連鎖反応;RT、逆転写酵素。
用語「遺伝子」は、機能的タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドをコードする単位を指す。当業者に理解されているように、この機能的用語にはゲノム配列、cDNA配列、フラグメトンおよび/またはその組み合わせ、ならびに人の手により改変されたものを含め、遺伝子産物を含む。精製された遺伝子、核酸、タンパク質等は、通常付随する核酸またはタンパク質を含有する少なくとも1つから同定され、そして分離された時に、これらの物体を指すために使用する。
本明細書で使用する用語「ベクター」は、1つの細胞から別の細胞へDNAセグメント(1もしくは複数)を転移する核酸分子を指すために使用する。ベクターはさらに遺伝子配列を増幅するように設計されたものとして、または遺伝子配列に操作可能に連結されたプロモーターを含む発現ベクターとして定義され得るか、または導入されるべきそのよう
なプロモーターを生じるように設計されたものであることができる。ベクターは宿主細胞の染色体からは独立した状態で存在することができ、または宿主細胞の染色体に組み込まれることができる。
本明細書で使用する用語「プロモーター」は、RNAポリメラーゼが結合するDNA鎖上の認識部位を指す。通常プロモーターは、キャップ部位または転写開始部位の上流の5’フランキングDNA中の約100〜200塩基対(bp)のDNAフラグメントである。プロモーターはRNAポリメラーゼと開始複合体を形成して、転写活性を開始し、そして駆動する。複合体は「エンハンサー」と呼ばれる活性化配列または「サイレンサー」と呼ばれる抑制配列により修飾されることができる。通常、特異的な調節配列または要素がDNAのタンパク質コード領域に隣接して、またはその中にはめ込まれる。遺伝子に隣接して配置される要素は、シス作用性(cis−acting)要素と呼ばれる。これらのシグナルは他の拡散可能な生体分子によりトランスで認識されて、転写活性を強化する。これらの生体分子はトランス作用因子(transacting factor)と呼ばれる。トランス作用因子およびシス作用因子の存在は、遺伝子の発生的発現の時期およびパターンに寄与する。シス作用性要素は通常、転写を調節するものと考えられ、そしてプロモーター領域および他の上流DNAフランキング配列内に見いだされる。
本明細書で使用する用語「リーダー」は、遺伝子と一緒に転写される構造遺伝子の5’末端のDNA配列を指す。リーダーは通常、プロ−配列と呼ばれることもあるN−末端のペプチド延長を有するタンパク質を生じる。細胞外媒質または膜のいずれかに分泌される予定のタンパク質に関して、大部分が疎水性であるこのシグナル配列がタンパク質を小胞体に向け、ここから適切な目的地に放出される。
本明細書で使用する用語「イントロン」は、遺伝子産物中のアミノ酸をコードしない遺伝子の中間に存在するDNAの区分を指す。イントロンの前駆体RNAは切り出され、したがってMRNAに転写されないし、タンパク質に翻訳されることもない。
用語「カセット」は、発現されるべき核酸配列を含む本発明の配列を指す。カセットはカセットテープと同じ概念である。各カセットは独自の配列を有する。すなわちカセットを取り換えることにより、ベクターは異なる配列を発現する。5’および3’末端の制限部位により、カセットは容易に挿入、取り出し、または別のカセットと置き換えることができる。
本明細書で使用する「3’非翻訳領域」または「3’UTR」は、遺伝子で通常転写される構造遺伝子の3’末端の配列を指す。この3’UTR領域は通常、ポリA配列を含む。3’UTRはDNAから転写されるが、タンパク質へ翻訳される前に切り出される。本発明では、筋形成特異的3’UTRを有することが好ましい。これは筋形成組織中での特異的安定性を可能とする。本明細書で使用するように、用語「非−コード領域」または「NCR」は、構造遺伝子の3’UTR領域に連続している領域を指す。NCR領域は、転写終結シグナルを含む。本明細書で使用する用語「制限部位」は、制限エンドヌクレアーゼの切断部位に特異的な配列を指す。
本明細書で使用する用語「ベクター」は、DNAフラグメントが宿主生物または宿主組織に導入され得る幾つかの手段を指す。プラスミド、バクテリオファージおよびコスミドを含む様々な種類のベクターが存在する。
本明細書で使用する用語「有効量」とは、標的組織または細胞、例えば膵臓のベータ細胞、筋形成組織もしくはカルチャー、脈管形成細胞等にUTMDにより送達され、十分なレベルのポリペプチドを生産する有効成分、例えば遺伝子またはプロモーターと遺伝子と
の組み合わせの量を指す。当業者はこの実際のレベルはMVSの使用に依存することを理解している。レベルは処置、ワクチン生産またはワクチン接種で異なる。
「プラスミド」は大文字に先行する小文字のpにより表され、かつ/または大文字および/または数字が続く。市販されている本明細書の出発プラスミドは自由な基準で公的に利用可能であり、または公開されている手順に従いそのような利用可能なプラスミドから構築することができる。さらに他の均等なプラスミドが当該技術分野では知られており、そして当業者には明白である。
本明細書で使用する用語「導入遺伝子」は、哺乳動物のゲノム、例えば生きている動物の哺乳動物細胞に人工的に挿入することができる遺伝物質を記載するために使用する。本明細書では用語「トランスジェニック動物」は、染色体外要素としてその細胞の一部に存在するか、または生殖系DNA(すなわちそのほとんどまたはすべての細胞のゲノム配列中)に安定に組み込まれた非内因性の(すなわちヘテロロガスな)核酸配列を有する非ヒト動物、通常は哺乳動物を記載するために使用する。ヘテロロガスな核酸は遺伝子操作により、そのようなトランスジェニック動物の生殖細胞系、例えば当該技術分野で周知な方法に従い宿主動物の胚または胚性幹細胞に導入される。
本明細書で使用する用語「ノック−アウト」には、例えば条件付きノックアウト(ここで標的遺伝子の改変は、動物を標的遺伝子改変、標的遺伝子部位での組換えを促進する酵素の導入(例えばCre−lox系におけるCre)を促進する物質に暴露することにより活性化され得る)、または標的遺伝子の改変を支配する他の方法を含む。
本明細書で使用する用語「ノック−イン」は、例えば標的遺伝子のさらなるコピーの導入により、または標的遺伝子の内因性コピーの強化された発現を提供する調節配列を操作可能に挿入することにより、標的遺伝子の改変された発現(例えば増加または低下した発現)をもたらす宿主細胞ゲノム中での改変を指す。ノック−イントランスジェニックには、標的遺伝子のヘテロ接合性ノック−イン、または標的遺伝子のホモ接合性ノック−インを含み、そして条件付きノック−インを含む。
1つの観点では、本発明は生物有効成分を含有するナノ球状カチオン性リポソームを装填したマイクロバブルを使用して、超音波標的型のマイクロバブル破壊(UTMD)を使用することにより生体内の標的器官または組織に生物有効成分を送達する方法である。例示的なマイクロバブルは限定するわけではないが、生体内の超音波標的型のマイクロバブル破壊に適する中性に荷電した脂質、ポリマー、金属またはアクリル酸殻を含んでなる。1つの態様では、生物有効成分が最初にナノ球状サイズ(10〜60nm)の薄いカチオン性リポソーム内にカプセル化されるか、または結合され(今後、生物有効成分を「装填した」または「含む」いずれかのナノ球状カチオン性リポソームは、リポソーム、例えばカチオン性リポソームにカプセル化されているか、または結合している任意の生物有効成分を指す)、そして次いでリポソームは中性に荷電した脂質コーティングまたはアルブミンコーティングされた、超音波標的型のマイクロバブル破壊技術に適するガス、例えばペルフルオロプロパンが充填されたマイクロバブルに結合される。リポソームはマイクロバブル殻の外面に結合され、マイクロバブル殻内に包含され、かつ/またはマイクロバブル殻内にカプセル化されることができる。本発明では、1もしくは複数の生物有効成分が、生物有効成分を含有するナノ球状カチオン性リポソームを装填した中性に荷電した脂質のマイクロバブルを使用した超音波標的型のマイクロバブル破壊により同時に、またはその後続いて送達され得る。別の観点では、本発明は生物有効成分を含有するナノ球状のカチオン性リポソームを装填した中性に荷電した脂質のマイクロバブルを含んでなる有効量の組成物を、超音波標的型のマイクロバブル破壊を介して投与することを含んでなる、そのような処置が必要な哺乳動物の処置法である。
本発明に適する生物有効成分の例には、医薬品および薬剤、生物活性合成有機分子、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、ビタミン、ステロイド、ポリアニオン性剤、遺伝物質および診断薬を含む。生物活性ビタミン、ステロイド、タンパク質、ペプチドおよびポリペプチドは、天然起源または合成であることができる。ポリアニオン性剤の例には限定するわけではないが、硫黄化多糖、負に荷電した血清アルブミンおよびミルクタンパク質、合成の硫黄化ポリマー、重合化アニオン性表面有効成分およびポリホスフェートを含む。適切な診断薬には限定するわけではないが、患者の磁気共鳴造影、超音波もしくはコンピューター連動断層撮影と関連して使用するための色素および造影剤を含む。
適切な遺伝物質には、単離されたゲノム、合成もしくは組換え物質のいずれか;一本もしくは二本鎖のいずれか;および塩基、炭水化物残基もしくはホスホジエステル結合に修飾があるか、または無いセンスもしくはアンチセンス方向のいずれかであり得る核酸、ヌクレオシド、ヌクレオチドおよびポリヌクレオチドを含む。遺伝物質の供給源の例には、限定するわけではないがデオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、相補的DNA(cDNA)、メッセンジャーRNA(mRNA)、リボゾームRNA(rRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、リボザイムおよびRNAおよびDNAの混合二本鎖および三本鎖を含む。
遺伝物質は、限定するわけではないがヘルパーウイルス、プラスミド、ファジェミド、コスミドおよび酵母人工染色体を含む発現ベクターに運ばれる遺伝子である。本発明に適する遺伝物質は治療用、調節および/または診断用タンパク質の少なくとも一部をコードすることができる。さらに遺伝物質は好ましくは1より多くのタンパク質をコードすることができる。例えば生物有効成分は、治療用タンパク質およびプラスミドDNAの送達を監視するための選択可能または診断用マーカーをコードする遺伝物質を含んでなるプラスミドDNA、例えばpDsRed−ヒトインスリンプロモーターを含んでなることができる。そのようなタンパク質には限定するわけではないが組織適合性抗原、細胞接着分子、増殖因子、凝固因子、ホルモン、インスリン、サイトカイン、ケモカイン、抗体、抗体フラグメント、細胞受容体、細胞内酵素、転写因子、疾患または悪性細胞を排除することができる毒性ペプチドを含む。この技術により送達できた他の遺伝物質には、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス、RNA、siRNA、またはポリアミドもしくはペプチドフラグメントのような特異的遺伝子を選択的に入れるか、または切る化学物質を含んだ。野生型バリアントのアゴニストまたはアンタゴニストを生じる野生型タンパク質への修飾は、本発明のこの範囲に属する。また遺伝物質は、組織特異的プロモーター、または転写プロモーター、エンハンサー、転写ターミネーター、オペレーターまたは他の制御配列のような発現制御配列を含んでなることもできる。
本発明と共に使用するための有効成分の例には、予めリポソームに装填され、そしてマイクロバブルと会合した1もしくは複数の以下の治療薬を含み、それらには限定するわけではないがバソプレッシンおよびオキシトシンおよびそれらの誘導体、グルカゴン、およびヨウ素生成物のような甲状腺薬および抗甲状腺薬のようなホルモン生成物;錯化剤および水銀利尿薬および強心配糖体のような心血管生成物;キサンチン誘導体(テオフィリンおよびアミノフィリン)のような呼吸生成物;アミノグリコシド、抗菌・カビ剤(例えばアンホテリシン)、ペニシリンおよびセファロスポリン抗生物質、抗ウイルス剤(例えばジドブジン、リバビリン、アマンタジン、ビダラビンおよびアシクロビル)、駆虫薬、抗マラリア薬および抗結核薬のような抗感染薬;抗体(例えば抗毒素および抗蛇毒素)、ワクチン抗原(例えばバクテリアワクチン、ウイルスワクチン、トキソイド)のような生物製剤;抗腫瘍薬(例えばニトロソウレア、ナイトロジェンマスタード、代謝拮抗物質(フルオロウラシル、ホルモン、プロゲスチンおよびエストロゲンアゴニストおよび/またはアンタゴニスト);有糸分裂阻害剤(例えばエトポシドおよび/またはビンカアルカロイ
ド)、放射性医薬品(例えば放射性ヨウ素およびリン生成物);およびインターフェロン、ヒドロキシウレア、ペロカルバジン、ダカルバジン、ミトーテン、アスパラギナーゼおよびシクロスポリン(それらの混合物および組み合わせを含む)がある。
他の適切な治療薬には、限定するわけではないが:ウロキナーゼのような血栓崩壊薬;トロンビンのような凝固薬;白金化合物(例えばスピロプラチン、シスプラチンおよびカルボプラチン)、メトトレキセート、アドリアマイシン、タキソール、マイトマイシン、アンサミトシン(ansamitocin)、ブレオマイシン、シトシン アラビノシド、アラビノシル アドスニン(adsnine)、メルカプトポリリシン、ビンクリスチン、ブスルファン、クロラムブシル、メルファラン(例えばPAM、L−PAMまたはフェニルアラニン マスタード)、メルカプトプリン、ミトタン、プロカルバジン塩酸塩 ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ダウノルビシン塩酸塩、ドキソルビシン塩酸塩、マイトマイシン、プリカマイシン(plicamycin)(ミトラマイシン)、アミノグルテチミド、エストラムスチンリン酸ナトリウム、フルタミド、酢酸ロイプロリド、酢酸メゲストロール、クエン酸タモキシフェン、テストラクトン、トリロスタン、アムサクリン(amsacrin)(m−AMSA)、アスパラギナーゼ(L−アスパラギナーゼ)、Erwina菌アスパラギナーゼ、エトポシド(VP−16)、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロン アルファ−2b、テニポシド(VM−26)、硫酸ビンブラスチン(VLB)、硫酸ビンクリスチン、ブレオマイシン、硫酸ブレオマイシン、メトトレキセート、アドリアマイシンおよびアラビノシルのような抗腫瘍薬;非経口鉄、ヘミンのような血液製剤;ムラミルジペプチド、ムラミルトリペプチド、微生物細胞壁成分、リンホカイン(例えばリポ多糖、マクロフィージ活性化因子のようなバクテリアの内毒素)、バクテリアのサブユニット(マイコバクテリア、コリネバクテリアのような)、合成ジペプチドN−アセチル−ムラミル−L−アラニル−D−イソグ−ルタミンのような生物学的応答モディファイヤー;ケトコナゾール、ニスタチン、グリセオフルビン、フルシトシン(5−fc)、ミコナゾール、アンフォテリシンB、リシンおよびベータラクタム抗生物質(例えばペニシリン、アンピシリン、スルファゼシン)のような抗菌・カビ剤;成長ホルモン、PDGF、EGF、CSF、GM−CSF、メラノサイト刺激ホルモン、エストラジオール、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ベタメタゾン、酢酸ベタメタゾンおよびリン酸ナトリウムベタメタゾン、リン酸二ナトリウムベタメタゾン、リン酸ナトリウムベタメタゾン、酢酸コルチゾン、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、リン酸ナトリウムデキサメタゾン、フルンソリド(flunsolide)、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンシピオネート、リン酸ナトリウムヒドロコルチゾン、コハク酸ナトリウムヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸ナトリウムメチルプレドニゾロン、酢酸パラメタゾン、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、リン酸ナトリウムプレドニゾロン、プレドニゾロンレブテート(rebutate)、プレドニゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロン アセトニド、二酢酸トリアムシノロン、トリアムシノロン ヘキサセトニドおよび酢酸フルドロコルチゾンのようなホルモン;ビタミンC、E、A、K、アスシアノコバラミン(ascyanocobalamin)、ニコチン酸、レチノイドおよびパルミチン酸レチノールのような誘導体、およびアルファ−トコフェロール(類)のようなビタミン;ペプチド(例えばMAGE、GAGE、DAGE等のようなT細胞エピトープ);マンガン スーパーオキシドジムターゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、一酸化窒素シンターゼのようなタンパク質;アルカリホスファターゼのような酵素;アメレキサノックス(amelexanox)のような抗アレルギー薬;フェンプロクーモンおよびヘパリンのような抗凝固薬;プロプラノロールのような循環薬;アスグルタチオン(asglutathione)のような代謝強化剤;パラ−アミノサリチル酸、イソニアジド、硫酸カプレオマイシン シクロセリン、エタンブトール 塩酸塩 エチオナミド、ピラジナミド(pyrazinamide)、リファンピンおよび硫酸ストレプトマイシンのような抗結核薬;アシクロビル、アマンタジン アジドチミジン(AZTまたはジドブジン)、リバビリンおよびビダラビン1水和物(アデニン アラビノシド、ara−A)のような抗ウイルス剤;アスジルチアゼム、ニフェジピン、ベラパミル、四硝酸エリトリチル、二硝酸イソイルビド、ニトログリセリン(三硝酸グリセリル)および四硝酸ペンタエリスリトールのような抗狭心症薬(antianginal);フェンプロクーモン、ヘパリンのような抗凝固剤;ダプソン、クロラムフェニコール、ネオマイシン、セファクロール、セファドロキシル、セファレキシン、セフラジン エリスロマイシン、クリンダマイシン、リンコマイシン、アモキシリン、アンピシリン、バカンピシリン、カルベニシリン、ジクロキサシリン、サイクラシリン(cyclacillin)、ピクロキサシリン(picloxacillin)、ヘタシリン(hetacillin)、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン(oxacillin)、ペニシリンG、ペニシリンV、チカルシリン リファンピンおよびテトラサイクリンのような抗生物質;ジフニサル、イブプロフェン、インドメタシン、メクロフェナメート、メフェナム酸、ナプロキセン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク、トルメチン、アスピリンおよびサリチレートのような抗炎症薬;クロロキン、ヒドロキシクロロキン、メトロニダゾール、キニンおよびアンチモン酸メグルミンのような抗原生生物剤(antiprotozoans);ペニシラミンのような抗リウマチ薬;アヘン安息香酸チンキのような麻酔薬;コデイン、ヘロイン、メタドン、モルヒネおよびオピウムのようなアヘン剤;デスラノシド、ジギトキシン、ジゴキシン、ジギタリンおよびジギタリスのような強心配糖体;アトラクリウム ベシレート、ガラミントリエチオダイド、臭化ヘキサフルオレニウム、ヨウ化メトクリン、臭化パンクロニウム、塩化スクシニルコリン(塩化スキサメトニウム)、塩化ツボクラリンおよび臭化ベクロニウムのような神経遮断薬;アモバービタル、アモバービタルナトリウム、アプロバービタル(aprobarbital)、ブタバービタルナトリウム、抱水クロラール、エトクロルビノール、エチナメート(ethinamate)、塩酸フルラゼパム、グルテチミド、塩酸メトトリメプラジン、メチプリロン、塩酸ミダゾラム、パラアルデヒド、ペントバルビタール、ペントバルビタールナトリウム、フェノバルビタールナトリウム、セコバルビタールナトリウム、タルブタール(talbutal)、テマゼパムおよびトリアゾラムのような鎮静薬(催眠性);塩酸ブピバカイン、塩酸クロロプロカイン、塩酸エチドカイン、塩酸リドカイン、塩酸メピバカイン、塩酸プロカインおよび塩酸テトラカインのような局所麻酔薬;アスドロペリドール(asdroperidol)、エトミデート、ドロペリドールとのクエン酸フェンタニール、塩酸ケタミン、メトヘキシタールナトリウムおよびチオペンタールナトリウムのような全身麻酔薬;およびストロンチウム、ヨウ化レニウムおよびイットリウム、およびそれらの組み合わせおよび混合物のような放射性粒子またはイオンを含む。
プロドラッグはマイクロバブルに結合させる前にリポソームに前以て装填することができる。プロドラッグは当該技術分野では周知であり、そして代謝されて有効成分を形成する不活性な薬剤前駆体を含む。当業者は、例えばSinkula,et al.,J.Pharm.Sci.1975 64,181−210(その関連する部分を引用により編入する)に記載されているような適切なプロドラッグ(および必要ならばそれらの塩形)を認識している。例えばプロドラッグは有効成分の不活性形を含み、ここでプロドラッグを不活性にし、かつ/または溶解性もしくは幾つかの他の特性を薬剤に付加する化学基がプロドラッグ上に存在する。この形態ではプロドラッグは一般に不活性であるが、いったん化学基が周辺環境またはそうではない熱、キャビテーション、圧および/または酵素によりプロドラッグから切断されれば有効成分が生成される。そのようなプロドラッグは当該技術分野では十分に記載され、そしてエステルのような結合を介して化学基に、短、中または長鎖脂肪族カーボネート、有機リン酸エステルのヘミエステル、ピロホスフェート、スルフェート、アミド、アミノ酸、アゾ結合、カルバメート、ホスファミド、グルコシドウロネート、N−アセチルグルコサミンおよびベータ−グルコシドに結合している広範な薬剤を含んでなる。元の分子および可逆性修飾または結合を含む薬剤の例は以下の通りである:ケタールとのコンバルラトキシン(convallatoxin)、アルキルエステルとのヒダントイン、グリシンまたはアラニンエステルとのクロルフェネシン、カフェイン錯体とのアセトアミノフェン、THAM塩とのアセチルサリチル酸、アセトアミドフェニルエステルとのアセチルサリチル酸、硫酸エステルとのナロキソン、メチルエステルとの15−メチルプロスタグランジンFサブ2、ポリエチレングリコールとのプロカイン、アルキルエステルとのエリスロマイシン、アルキルエステルもしくはリン酸エステルとのクリンダマイシン、ベタイン塩とのテトラサイクリン、環−置換アシルオキシベンジルエステルとの7−アシルアミノセファロスポリン、フェニルプロピオン酸デカン酸エステルとのナンドロロン、エノールエーテルアセタールとのエストラジオール、酢酸エステルとのメチルプレドニゾロン、n−アセチルグルコサミニドグルコシドウロネート(トリメチルシリル)エーテルとのテストステロン、21−リン酸エステルとのコルチゾールまたはプレドニゾロンまたはデキサメタゾン。またプロドラッグは可逆性薬剤誘導体として設計されることもでき、そして部位特異的組織への薬剤輸送を強化するためのモディファイヤーとして使用することができる。部位特異的組織への輸送に影響を及ぼし、そして治療効果を強化するための可逆性モディファイヤーまたは結合を含む担体分子の例には、ハロアルキルニトロソウレアとのイソシアネート、プロピオン酸エステルとのテストステロン、ジアルキルエステルとのメトトレキセート(3−5’ジクロロメトトレキセート−e)、5’−アシレートとのシトシンアラビノシド、ナイトロジェンマスタード(2,2’−ジクロロ−N−メチルジエチルアミン)、アミノメチルテトラサイクリンとのナイトロジェンマスタード、コレステロールまたはエストラジオールまたはデヒドロエピアンドロステロンエステルとのナイトロジェンマスタード、およびアゾベンゼンとのナイトロジェンマスタードがある。
当業者は、上記薬剤中で修飾され得る特定の化学基は、薬剤をマイクロバブルの殻または内部のいずれかに配させることに影響を及ぼすように選択できると認識している。化学基を薬剤に結合するために選択される結合は、所望の代謝速度(例えばマイクロバブルから放出された後の血清エステラーゼの存在下でのエステル結合の場合の加水分解)を有するために選択することができる。さらに特定の化学基は、マイクロバブル中に使用される薬剤の生物分布に影響を及ぼすように選択することができる(例えば卵巣腺ガン用に環式ホスホルアミドを含むN,N−ビス(2−クロロエチル)−ホスホロジアミド酸)。さらにマイクロバブル中に使用されるプロドラッグは、延長された(prolong)または貯蔵作用効果を提供するために、活性期間のモディファイヤーとして使用される可逆性誘導体を含むように設計することができる。
例えばニコチン酸はデキストランおよびカルボキシメチルデキストランエステルで、ストレプトマイシンはアルギン酸塩で、ジヒドロストレプトマイシンはパモ酸塩で、シタラビン(ara−C)は5’−アダマント酸エステルで、ara−アデノシン(ara−A)は5−パルミチノ酸および5’−安息香酸エステルで、アンホテリシンBはメチルエステルで、テストステロンは17−ベータ−アルキルエステルで、エストラジオールはギ酸エステルで、プロスタグランジンは2−(4−イミダゾリル)エチルアミン塩で、ドーパミンはアミノ酸アミドで、クロラムフェニコールはモノ−およびビス(トリメチルシリル)エーテルで、およびシクログアニルはパモ酸塩で修飾することができる。この状態では、長期作用薬剤の貯蔵またはリザーバーが、マイクロバブルを持つプロドラッグから生体内に放出され得る。治療薬の特定の化学構造は、マイクロバブル中に、マイクロバブルで、または1個のマイクロバブルを結合または装填する前に治療薬をリポソームに装填するように、所望の溶解性を達成するために選択または修飾することができる。同様に他の治療薬は、マイクロバブルの表面に包含するための芳香族またはステロール構造である疎水性基と配合してもよい。
本発明の使用に適するカチオン性リポソームは、場合により1もしくは複数の中性もしくはヘルパー脂質と組み合わせてもよい1もしくは複数のモノカチオン性またはポリカチ
オン性脂質を含んでなる。本発明に適するカチオン性脂質は市販されているか、または当該技術分野で知られている技術により作成することができる。カチオン性リポソームの形成に適するカチオン性脂質は当該技術分野で知られており、そして限定するわけではないがレシチン、ホスファチジルエタノールアミン、リゾレシチン、リゾホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、セファリン、カルジオリピン、ホスファチジン酸、セレブロシド、ジセチルホスフェート、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン5−カルボキシスペルミルアミド(DPPES)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、パルミトイルオレオイルホスファチジルエタノールアミン(POPE)およびジオレオイルホスファチジル−エタノールアミン4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(DOPE−mal)のような任意のリン脂質関連物質を含む。さらなる非リン含有脂質には限定するわけではないが、ステアリルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、アセチルパルミテート、グリセロール レシノレート、ヘキサデシルステアレート、イソプロピルミリステート、両性アクリル酸ポリマー、トリエタノールアミン−ラウリル硫酸、硫酸アルキル−アリールポリエチルオキシル化脂肪酸アミド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムブロミドおよびコレステロール、エルゴステロール、エルゴステロールB1、B2およびB3、アンドロステロンのようなステロイド、コール酸、デスオキシコール酸、ケノデスオキシコール酸、リトコール酸、N−[1−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド(DOTMA)、1,2−ビス(オレオイルオキシ)−3−3−(トリメチルアンモニア)プロパン(DOTAP)、および5−カルボキシスペルミルグリシン ジオクタデシルアミド(DOGS)を含む。好適なリポソーム製剤は、(3:1、重量/重量)のポリカチオン性脂質2,3−ジオレイルオキシ−N−[2−(スペルミンカルボキサイド)エチル]−N,N−ジメチル−1−プロパンアミナム トリフルオロ酢酸(DOSPA)および中性脂質ジオレオイル ホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、およびその混合物および組み合わせ物を含んでなる。
本発明の方法では、カチオン性リポソームに生物有効成分が装填される。1つの態様では、1もしくは複数の有機溶媒に溶解された1もしくは複数の脂質のカチオン性脂質製剤が最初に乾燥または凍結乾燥されて有機溶媒(1もしくは複数)が除去され、脂質フィルムを生じる。使用直前に脂質フィルムは、乾燥した脂質フィルムからリポソームを形成するために、適切な水性媒質中に懸濁された本発明に適する生物有効成分と混合される。例えば水、水性バッファー溶液または組織培養基を脂質フィルムの再水和に使用することができる。適切なバッファーはリン酸緩衝化塩溶液、すなわち0.9%NaCl溶液中で7.4のpHを有する10mMリン酸カリウムである。別の態様では、乾燥した脂質フィルムを適切な水性媒質で再水和してリポソームを形成した後、生物有効成分を加える。この方法は生物有効成分が遺伝物質を含んでなる場合に好適である。生物有効成分のカチオン性リポソームへの包含は、しばしば約0〜30℃の範囲内の温度、例えば室温で、約5、10〜20分内で行われる。
本発明の方法では、結合した生物有効成分(1もしくは複数)を含むカチオン性リポソームを次いで中性に荷電したマイクロバブルに装填する。好適な態様では、これは結合した生物有効成分(1もしくは複数)を含むカチオン性リポソームに、マイクロバブル殻を作成するために適する脂質組成物を加え、十分に混合し、次いでマイクロバブル殻によるカプセル化に適切なガスを加え、続いて約5〜60秒間、好ましくは約20秒間激しく振盪することにより達成される。好適な態様では、脂質組成物は約0〜30℃に維持された後、結合した生物有効成分(1もしくは複数)を含むカチオン性リポソームが加えられる。
マイクロバブル殻を形成するために、超音波標的型マイクロバブル破壊に有用であることが知られている天然もしくは合成起原の任意の生物適合性脂質は、本発明の一部と考える。国際公開第2000/45856号パンフレットに見いだされ、そして限定するわけではないが含むことができる例示的脂質は、脂肪酸、ホスファチド、糖脂質、グリコスフィンゴリピド、スフィンゴリピド、脂肪族アルコール、脂肪ワックス、テルペン、セスキテルペンおよびステロイドを含む。好適な脂質はホスホコリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスフソチジルグリセロールおよびホスファチジルイノシトールである。より好適な脂質は1,2−パルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリンまたは1,2−パルミトイル−sn−グリセロ−ホスファチジルエタノールアミンである。最も好適であるのは、L−1,2−パルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリンおよびL−1,2−パルミトイル−sn−グリセロ−ホスファチジルエタノールアミンである。
本発明に適するガスは一般に不活性であり、そして生物適合性であり、それらには限定するわけではないが空気;二酸化炭素;窒素;酸素;フッ素;ヘリウム、ネオン、アルゴンおよびキセノンのような希ガス;硫黄に基づくガス;弗化ガス;およびそれらの混合物である。ガスはペルフロオロプロパン、例えばオクタフルオロプロパンでよい。
当業者には周知であるように、標的リガンドをマイクロバブルに結合してさらなる組織適合性を付与することもできる。そのようなリガンドにはモノクローナル抗体、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、糖タンパク質、ホルモンまたはホルモン類似体、単糖、多糖、ステロイドまたはステロイド類似体、ビタミン、サイトカインまたはヌクレオチドを含むことができる。
1もしくは複数の生物有効成分を含有するナノ球状カチオン性リポソームを装填した中性に荷電したマイクロバブルを含んでなる本発明の送達法は、リポソーム送達系のすべての利点を組み合わせた超音波標的型のマイクロバブル送達系のすべての利点を提供する。超音波標的型のマイクロバブル送達系は、薬剤/遺伝子生物有効成分の特異的器官もしくは組織への送達を可能とする一方、他の器官もしくは組織の生物有効成分への暴露を最小にする。送達中、生物有効成分(1もしくは複数)は保護的なカチオン性リポソーム中に留まり、このリポソームは生物有効成分(1もしくは複数)をプロテアーゼ、ヌクレアーゼ、リパーゼ、炭水化物−切断酵素、フリーラジカルまたは他の化学的改変から保護する。この方法は生物有効成分およびその生物利用性の標的組織への送達を上げる。例えばプラスミドDNAを含有するナノ球状カチオン性リポソームを装填した中性に荷電したマイクロバブルの送達では、標的部位での遺伝子発現のレベルは、同じプラスミドDNAのマイクロバブル送達もしくはリポソーム送達のいずれかで可能な発現のレベルより増加する。
1つの観点では、本発明は生物有効成分を含有するナノ球状カチオン性リポソームを装填した中性に荷電した脂質のマイクロバブルを含んでなる有効量の組成物を、超音波標的型マイクロバブル破壊を介して投与することを含んでなる、そのような処置が必要な哺乳動物の処置法である。生物有効成分を含有するナノ球状カチオン性リポソームを装填した中性に荷電した脂質のマイクロバブルを含んでなる組成物、および生物有効成分を放出するためのこれらマイクロバブルの超音波標的型マイクロバブル破壊は、当該技術分野で既知の任意の手段により達成することができる。マイクロバブルの反復投与は、特に治療効果の期間を延ばすために可能である。例えば超音波標的型マイクロバブル破壊による心筋細胞の反復トランスフェクションは、心臓におけるルシフェラーゼ活性のピーク期間を4日から12日へ延長することが示された(Bekeredjian et al,200
3)。この潜在能力は、遺伝子または薬剤送達の期間を特異的な生物学的または医学的必要性にあつらえることを可能にする。
本発明の組成物および使用法は、以下に提供する実施例でさらに詳細に説明されるが、これらの実施例は本発明の範囲をどのようにも限定するとは解釈されない。これらの実施例は本発明を記載するが、組成物および方法に対する修飾は当該技術分野内にあり、そしてそのような修飾は本発明の範囲内にあると理解される。
実施例1:カチオン性リポソーム溶液の調製。生物活性成分の装填。プラスミドDNAであるpCMV−lucを装填したカチオン性リポソーム溶液を調製するために、2ミリグラムのプラスミドDNAを含有する50〜100マイクロリットルを、使用直前に50マイクロリットルのカチオン性リポソーム溶液(Lipofectamine2000;インビトロジェン(Invitrogen)、カールスバット、カリフォルニア州)に加え、そして室温で10〜20分間インキュベーションした。生じたリポソームはプラスミドDNAをカプセル化し、そして直径は約250ナノメートルであった。リポソームは−20度Cで後に使用するまで保存することができる。
実施例2:プラスミドDNAを含有するマイクロバブル製剤の調製。プラスミドDNAであるpCMV−lucをマイクロバブル殻に包含するマイクロバブル製剤(今後「製剤2」と言う)を、Unger et al.の以前に記載された方法(Unger,et al.1997、「超音波はリポソームトランスフェクションの遺伝子発現を強化する」Invest Radiol 32:723−727;米国特許第6,521,211号明細書)の変法に従い調製した。簡単に説明すると、密閉可能な試験管中、PBSに溶解し、そして42度Cに前以て暖めた250マイクロリットルの2%の1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(C16)を、1ミリグラムのプラスミドDNA pCMV−lucと混合し、そして40度Cで30分間インキュベーションした。PBSを必要に応じて加えて、500マイクロリットルの全最終容量とした。次いで試験管にオクタフルオロプロパンガスを充填し、そして歯科用混汞器(VIALMIX(商標);ブリストン−マイヤーズ スクイッブ メディカル イメージング社(Briston−Myers Squibb Medical Imaging,Inc.)、ノースビレリカ、マサチューセッツ州)中で20秒間、激しく振盪した。非結合DNApCMV−lucを含んでなる液体サブナタント(subnatant)を除去し、そして捨て、脂質が被覆されたマイクロバブル懸濁液の乳白色の上清層が残った。生じたマイクロバブル懸濁液は注入前にPBSで1:1に希釈した。
実施例3:プラスミドDNAを含有するナノ球状カチオン性リポソームを装填した中性に荷電した脂質のマイクロバブルの調製。カチオン性リポソーム/DNA複合体(今後「製剤1」と言う)を装填した中性に荷電した脂質のマイクロバブルを、以下のように調製した。実施例1に与えたように調製した50マイクロリットルの装填したカチオン性リポソーム/DNA複合体を含有する試験管に、250マイクロリットルの2%の1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(C16)(42度Cに予め暖めた)および5マイクロリットルの10%アルブミン溶液および50マイクロリットルのグリセロールを加えた。混合物は、ピペットを使用して穏やかに、しかし十分に混合した。PBSを必要に応じて加えて、500マイクロリットルの全最終容量とした。次いで混合物を含有する試験管にオクタフルオロプロパンガスを充填し、そして歯科用混汞器(VIALMIX(商標))で0〜4度Cにて15〜35秒間、激しく振盪した。この工程中、プラスミドDNAが最初にカチオン性リポソーム中にカプセル化され、次いで装填されたカチオン性リポソームがマイクロバブル殻に結合された。生じたマイクロバブル懸濁液は注入前にPBSで1:1に希釈した。
実施例4:プラスミドDNAを含有するナノ球状カチオン性リポソームを装填した中性に荷電した脂質のマイクロバブル(製剤2)、およびプラスミドDNAを含有するマイクロバブル(製剤1)の比較。実施例3の方法に従い調製したプラスミドDNAを含有するナノ球状カチオン性リポソームを装填したマイクロバブル(「製剤1」)の物理的特徴を、実施例2の方法に従い調製したプラスミドDNAを含有するマイクロバブル製剤(製剤2)と比較した。バブルサイズおよびマイクロバブル濃度は、コールターカウンターにより測定した。マイクロバブルのDNA装填量を測定するために、各製剤をPBSで3回洗浄して非結合DNApCMV−lucを除去した。DNAはクロロホルム:フェノール:イソプロパノール(25:24:1)を用いてマイクロバブルから抽出し;DNA濃度は260nmの波長で光学密度により測定し;そしてDNAの完全性はゲル電気泳動により確認した。製剤2のマイクロバブルに関して、蛍光標識したプラスミドを使用した共焦点顕微鏡を用いて、プラスミドDNAがマイクロバブルのリン脂質殻に包含されたことを確認した。製剤1に関して、蛍光標識したプラスミドを使用した共焦点顕微鏡を用いて、プラスミドDNAがマイクロバブルのリン脂質殻に結合したリポソームに包含されたことを確認した。表Iにまとめた結果により、プラスミドDNAを含有するマイクロバブル中に装填されたDNAの量に比べて(製剤2)、プラスミドDNAを含有するナノ球状カチオン性リポソームを装填したマイクロバブル(製剤1)に装填されたDNAの量にかなりの改善があった。
実施例5:ラットを対象としたインビボ実験:プラスミドDNApCMV−lucを装填したナノ球状カチオン性リポソームを装填した中性に荷電した脂質マイクロバブル(製剤1)またはプラスミドDNApCMV−lucを含有するマイクロバブル製剤(製剤2)の送達。超音波媒介型のマイクロバブル破壊による生体内でのプラスミドDNAの送達を、体重200〜300gのオスSprague−Dawleyラットを使用して調査した。1つの実験群では、遺伝子送達媒体は実施例3の手順に従い調製したプラスミドDNApCMV−lucを装填したナノ球状カチオン性リポソームを装填した中性に荷電した脂質マイクロバブルであった。第2の実験群では、遺伝子送達媒体は実施例2の手順に従い調製したプラスミドDNApCMV−lucを装填したマイクロバブル製剤であった。各実験群について各群3匹のラットを用いて以下の手順を行った。
体重が200から300グラムの間のラットに、2〜3mlの4X Avertin(38.76mlのHO中に2グラムの2,2,2−トリブロメタノールおよび1.24mlの2−メチル−2−ブタノール)をi.p.で麻酔をかけた。いったん麻酔をかけたら、ラットの胸および首のすべての毛髪を除去した。5mmの切開を首に対して中外側の頸静脈に作成し、そしてカテーテルを血管切開により頸静脈に挿入した。監視のためにEKGプローブを3つの足に付け、1〜2センチメートルの音響カップリングゲルを胸に適用し、そしてS3変換器を音響カップリングゲル上の胸に挟んだ。心エコー検査はS12変換器(Sonos5500、フィリップス ウルトラサウンド(Philips Ultrasound)、アンドオーバー、マサチューセッツ州)を使用して心臓の位置を探し、そして中短軸視野(mid short axis view)で左心室の機能を記録することにより行い、心筋および腔を明確に区別した。1ミリリットルのマイクロバブル懸濁液は、カテーテルに連結した注入ポンプを使用して3mL/時間の一定速度で15〜20分にわたりラットの頸静脈に注入した。マイクロバブルの注入中、ラットの胸に挟んだS3変換器をウルトラハーモニック様式で操作して(設定:伝達1/3MHz、そして受信3.6MHz;メカニカルインデックス1.6;深度3cm;4回毎の心拍で撮影を誘起;R波のピーク後80msのディレイ;0へのすべての分節利得(segmental gains);50での受信利得;75での圧縮;および線状の処理後曲線)、心臓へのマイクロバブル破壊を標的とした。左心室静脈は、高いメカニカルインデックスの超音波の前および後に4心拍毎に監視した。
マイクロバブル注入中にハーモニック様式で誘起されたラットの左心室を中短軸視野で示す例示的な読み取りは、左の視野で高いメカニカルインデックスの超音波前の左心室を示し、そして右の視野で高いメカニカルインデックスの超音波後の左心室を示す(データは示さず)。マイクロバブルの破壊は、心筋の混濁化を低下させることにより示された。
実験後、カテーテルを取り出し、切開を縫合し、そして動物を起こした。4日後、ラットを屠殺した;動脈、肝臓、肺および後脚骨格筋を陽性および陰性対照として回収した。左心室を慎重に切開することにより単離し、次いで前方および後方切片に分けた。すべての組織を液体窒素で軽く凍結し、そして−70度Cでルシフェラーゼ活性をアッセイするまで保存した。
実施例6:ラットを対照とした生体内実験:プラスミドDNApCMV−lucを含有するナノ球状カチオン性リポソームを装填した中性に荷電した脂質のマイクロバブル(製剤1)およびプラスミドDNApCMV−lucを含有するマイクロバブル製剤(製剤2)のルシフェラーゼ活性の比較。以前に記載された(Chen,2003)ルシフェラーゼアッセイを使用して、単離した各組織について導入遺伝子の発現を実施例5で与えたように測定した:前方左心室、後方左心室、動脈、肝臓、肺および後脚骨格筋。各組織は乳鉢および乳棒で粉末とし、次いでルシフェラーゼ溶解バッファー(0.1%NP−40、0.5%デオキシコレートおよびプロテアーゼインヒビター、プロメガ社(Promega Corp.)、マジソン、ウィスコンシン州)中でPolytronで破壊した。生じたホモジネートは10,000gで10分間遠心し、そして100マイクロリットルのルシフェラーゼ反応バッファー(プロメガ)を、20マイクロリットルの透明な上清に加えた。発光はルミノメーター(TD20/20、ターナーデザイン社(Turner Designs,Inc.)、サニーヴァレ、カリフォルニア州)により、1分あたりの相対的光単位(RLU)で測定した。総タンパク質含量は、市販のキット(ピアス エンドーゲン(Pierce Endogen):ロックフォード、イリノイ州)(Brown,1989)を使用してローリー法の変法により測定した。表IIに示すように、結果はプラスミドDNAを含有するカチオン性リポソームを装填したマイクロバブルについて、プラスミドDNAの動脈、前方左心室、後方左心室および肺への増加した送達を示す。本質的に肝臓および筋肉で送達は観察されず、超音波標的型マイクロバブル破壊技術がプラスミドDNAで器官特異性を達成したことを示す。
実施例7:プラスミドDNAを含有するナノ球状カチオン性リポソームを装填した種々の中性に荷電した脂質のマイクロバブルの調製および特性決定。実施例3に与えた手順を使用して、カチオン性リポソーム/DNA複合体を装填した中性に荷電した脂質マイクロバブルは、2%1,2−ジフェノイル−sn−グリセロ−ホスホコリン(製剤1−C12)、2%1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−ホスホコリン(製剤1−C16)または2%1,2−ジデカノイル−sn−グリセロ−ホスホコリン(製剤1−C20)のいずれかを使用して調製した。
製剤1=実施例3で調製したようなpCMV−lucを含有するカチオン性リポソームを装填したマイクロバブル;製剤2=実施例2で調製したようなpCMV−lucを含有するマイクロバブル製剤;LV=左心室
各々のマイクロバブルの物理的特性を実施例4の与えるように測定し、そして表IIIにまとめる。3種すべての製剤のバブルサイズおよびミリリットルあたりの濃度は同様であった。マイクロバブルあたりのDNA量は、炭素数が増すに連れて増加した:C20>C16>C12。
各マイクロバブル製剤を実施例5に与えた手順に従いラットに投与した(各実験群あたり2匹のラット)。ルシフェラーゼアッセイは実施例6の手順に従い回収した組織について行い、そして結果を表IVに与える。製剤1−C16を用いた処置は、標的組織へのプラスミドDNAのより高い送達をもたらした。
製剤1−C12=2%1,2−ジフェノイル−sn−グリセロ−ホスホコリン(C12)で作成したカチオン性リポソーム/DNA複合体を装填した中性に荷電した脂質のマイクロバブル;製剤1−C16=2%1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−ホスホコリン(C16)で作成したカチオン性リポソーム/DNA複合体を装填した中性に荷電した脂質のマイクロバブル;製剤1−C20=2%1,2−ジデカノイル−sn−グリセロ−ホスホコリン(C20)で作成したカチオン性リポソーム/DNA複合体を装填した中性に荷電した脂質のマイクロバブル;LV=左心室
実施例8:プラスミドDNApCMV−lucを装填したカチオン性リポソームを装填したOPTISON(商標)の調製および特性決定。カチオン性リポソーム/プラスミドDNA複合体を装填したOPTISON(商標)(アマシャム ヘルス(Amersham
Health)、プリンストン、ニュージャージー州)マイクロバブル(今後「オプチゾン(Optison)製剤」と呼ぶ)を以下のように調製した。1.5mlの遠心管に、1.5mlのOPTISON(商標)(懸濁液)を加えた(OPTISON(商標)は0.9%の水性塩化ナトリウム中に、mlあたり5.0〜8.0×10のヒトアルブミン微小球;10mgのヒトアルブミン、USP;0.22±0.11mg/mLのオクタフルオロプロパン;0.2mgのN−アセチルトリプトファン;および0.12−mgのカプリル酸を含む)。Optison(商標)懸濁液を1000rpmで1分間遠心し、そしてサブナタントを除去し、そして捨てた。使用直前に、2ミリグラムのプラスミドDNApCMV−lucを100マイクロリットルのカチオン性リポソーム溶液(Lipofectamine2000;インビトロジェン、カールスバッド、カリフォルニ州)に加え、そして室温で15分間インキュベーションした。生じたカチオン性リポソーム/プラスミドDNA複合体をOptison(商標)上清に加え、そして混合物はピペットを使用して穏やかに、しかし十分に混合した。次いで混合物を含有する試験管にオクタフルオロプロパンガスを充填し、そして歯科用混汞器にて20秒間、激しく振盪した。生じたオプチゾン製剤は、アルブミン殻に結合したDNA含有リポソームを有した。
オプチゾン製剤を実施例5に与えた手順に従いラットに投与した(実験群について3匹のラット)。ルシフェラーゼアッセイは回収した組織について実施例6の手順に従い行い、そして結果を表Vに提示する。製剤1−C16での処置は標的組織へのプラスミドDNAのより高い送達を生じた。増大したタンパク質発現が標的組織で得られたが、発現レベルはリン脂質で調製したマイクロバブルで観察されたレベルに達しなかった。
実施例9:プラスミドDNApDsRed−RIPを含有するナノ球状カチオン性リポソームを装填した中性に荷電した脂質のマイクロバブルの調製および活性。pDsRed−RIPを含有するカチオン性リポソームを装填した中性に荷電した脂質のマイクロバブルは、プラスミドDNAを置き換えて実施例3に与えた手順に従い調製した。
実施例5に概説した超音波標的型マイクロバブル破壊技術の修飾した変法を使用して、新規製剤をラットの膵臓に送達した。結果は膵臓中の70%の小島のトランスフェクションを示し、そしてトランスフェクションがベータ細胞(インスリン−生産細胞)に特異的であったことを示した。
実施例9.超音波マイクロバブル破壊技術を用いた膵臓小島への効率的な遺伝子送達。この実施例は超音波標的型マイクロバブル破壊(UTMD)技術により成体の生きている動物の膵臓小島に遺伝子を送達する新規方法を記載する。この技術にはガス充填マイクロバブルを装填する前にプラスミドのリン脂質殻への包含が関与する。ついで複合体はラットに注入され、そして超音波を使用して膵臓の微小循環内で破壊された。UTMDによる遺伝子の小島ベータ細胞への特異的送達は、ラットインスリンプロモーター(RIP)を含有するプラスミドの使用により達成され、そしてレポーター遺伝子の発現はRIPルシフェラーゼプラスミドを受容した動物中のグルコースにより適切に調節された。生物学的効力を証明するために、UTMDを使用してRIP−ヘキソキナーゼIプラスミドを送達した。これにより小島でのヘキソキナーゼIタンパク質発現に明確な上昇、血液中の増加したインスリンレベル、および循環しているグルコースレベルの低下がもたらされた。まとめると本明細書に記載するUTMD小胞および構築物は、遺伝子を膵臓小島に十分な効率で特異的に送達して、生きている動物におけるベータ細胞機能のモジュレート(modulate)を可能とした。
糖尿病の2つの主な状態には、ベータ細胞の破壊および機能不全が関与する。米国で約100万人の患者が罹患しているI型糖尿病は、インスリンを生産する小島ベータ細胞の自己免疫破壊によりもたらされる完全なインスリン欠損状態である。2型糖尿病は1600万人のアメリカ人が罹患し、そしてこの糖尿病に付随する高血糖は、インスリン分泌能力がもはや末梢のインスリン抵抗性を補うことができない時に発症する。両状態の糖尿病の潜在的な新規処置は、遺伝子または他の分子物質(cargo)を膵臓小島に送達して、インスリンの分泌またはベータ細胞の生存を強化することが可能ならば開発できるだろう。ウイルスベクターはex vivoで膵臓小島への効率的な遺伝子送達のために使用されてきたが3,4、ベータ細胞への生体内標的化は内皮バリアを通り抜けることが難しいので成功しなかった。さらにほとんどのウイルス遺伝子転移ベクターは肝毒性、免疫原的特性、炎症および低い組織特異性、ならびに大量の純粋なウイルスを生産する難しさ、および経費により制限される。裸のDNAまたはリポソーム担体の使用は低いトランスフェクション効率の欠点および直接注入による侵襲的送達の必要性を有する。
遺伝子または薬剤を特異的組織に送達するための超音波標的型マイクロバブル破壊(UTMD)を使用する新規技術が開発された6−11。簡単に説明すると、遺伝子がカチオ
ン性リポソームに包含され、次いでガスを充填したマイクロバブルのリン脂質またはアルブミン殻に結合または装填されて送達小胞−マイクロバブル複合体を形成する。次いで送達小胞−マイクロバブル複合体は静脈内に注射され、そして超音波により標的器官の微小血管内で破壊された。また本明細書で教示する組成物および方法は、マイクロバブルを細胞特異的なリガンドで修飾すること12、導入遺伝子構築物中の細胞特異的13または病因特異的14プロモーターの使用、およびカテーテルに基づく方法15,16により標的組織におけるベクターの物理的配置、または直接的注入17−19のように組織特異性を強化するためにも使用された(他の実施例を参照にされたい)。
UTMDは、ラット心筋へのレポーター遺伝子およびVEGF−媒介型脈管形成を標的するためにも使用されてきた(以下の実施例を参照にされたい)4−7。本発明は高レベルの小島およびベータ細胞特異性、ならびにグルコース供給による送達された導入遺伝子の小島内での調節を達成するために、ラットのインスリンプロモーターを使用して、膵臓小島へのレポーター遺伝子の安全かつ成功裏の標的化を示す。さらにUTMDによるヘキソキナーゼI遺伝子のベータ細胞特異的送達は、上昇したインスリン分泌をもたらす。これらのデータはUTMDが導入遺伝子を成体の生きている動物の小島ベータ細胞に、ベータ細胞機能を改変するに十分なレベルで送達し、これにより糖尿病の設定において小島に治療薬を標的化するための有力な手段を提供することを示す。簡単に説明すると、CMVまたはRIPプロモーターのいずれかの制御下のレポーター遺伝子LacZ、DsRedまたはルシフェラーゼ、またはヘキソキナーゼI遺伝子を含むプラスミドDNAをカチオン性リポソームに包含させ、これを次いでリン脂質殻内にペルフルオロプロパンガスを含有するマイクロバブルに結合させた。マイクロバブルの平均直径および濃度は、それぞれ1.9±0.2μmおよび5.2±0.3×10バブル/mlであった。マイクロバブルに吸着したプラスミドの量は、250±10μg/mlであった。1ミリリットルのプラスミド−マイクロバブル溶液または対照(プラスミドを含まないマイクロバブル)が、麻酔をかけたSprague−Dawleyラット(250g)の右内側頸動脈を介して20分間にわたり注入された。膵臓の微小循環内のこれらマイクロバブルを破壊するために、超音波を膵臓に向けた:対照として超音波を用いないマイクロバブル注入も使用した。
プラスミドDNA用のIn Situ PCR。図1(上パネル)は、プラスミドDNAに対するin situPCRの結果を示す。プラスミドDNAは核パターンで小島を含む膵臓全体に見られる。プラスミドの均一な核組織局在化の類似パターンが、超音波ビーム内にある左腎臓、脾臓および肝臓の一部で観察された。プラスミドは右の腎臓または骨格筋、超音波ビームの外にある器官には存在しなかった。これはプラスミドがCMVまたはRIPプロモーターのいずれか、およびLacZまたはDsRedマーカー遺伝子のいずれかを含む場合であった。対照(プラスミドを含まないマイクロバブル、または超音波をかけないプラスミド−マイクロバブル)は、膵臓内にプラスミドの証拠を示さなかった。この図は、超音波処置がプラスミドを膵臓内およびその直近に放出したことを示す。
mRNA用のIn Situ RT−PCR。小島特異的な発現を付与するために、ラットのインスリンプロモーター(RIP)により駆動するレポーター構築物をUTMDにより送達した。図1(下パネル)は、RIPプロモーターの制御下で発現したDsRed転写物に対応するmRNAに対するin situ RT−PCRの代表例を示す。DsRed mRNAは小島全体に見られるが、膵臓実質には見られず、RIPプロモーターが内分泌膵臓にのみUTMDで送達したDsRed cDNAの転写を駆動したことを示す。プラスミドを含まないマイクロバブル、LacZプラスミド−マイクロバブルまたは超音波をかけないDsRedプラスミド−マイクロバブルを含む対照では、シグナルは検出されなかった。
DsRedの小島ベータ細胞への特異的標的化の共焦点顕微鏡による証明。次にDsRedタンパク質の発現を、発現が膵臓小島内のインスリン生産ベータ細胞に限定されているかどうかを決定するために調査した。図2は、ラット小島内のベータ細胞の既知の局在化と一致する小島細胞の中央コア(central core)内DsRedタンパク質の発現を示す。DsRedタンパク質(左パネル、上)は、568nmの励起波長および590〜610nmの発光波長での赤色フィルターで同定された。ベータ細胞は488nmの励起波長および490〜540nmの発光波長で、インスリンに対して向けられた蛍光標識抗体での免疫組織化学的染色により特異的に同定された(中央パネル、上)。DsRedおよびインスリンシグナルの同時局在化(右パネル、上)で、DsRedプラスミド発現が小島ベータ細胞に存在したことを確認する。DsRedシグナルは抗インスリンで同時に染色される小島組織にのみ存在し、高度なベータ細胞特異性を示した。加えて、DsRed発現を示さないインスリン染色により同定される小島があった。対照のマイクロバブル(プラスミドを含まない)または対照プラスミド(LacZ)を注入したラットの切片の調査では、検出可能なDsRedシグナルが示されなかった(データは示さず)。
グルカゴン生産アルファ細胞に対して、DsRed発現の場所も図2に示す(下パネル)。DsRedタンパク質は赤色フィルターを使用して左下のパネルで示す。アルファ細胞は、グルカゴンに対する蛍光抗体での免疫組織化学的染色により小島周辺上で同定される(明るい緑色のシグナル、中央パネル、下)。共焦点顕微鏡(右パネル、下)は、DsRedシグナルがグルカゴンシグナルと同時に位置しないことを示し、これは明るい緑色のままであり、そして小島周辺に位置する。
小島トランスフェクションの効率は、DsRed−陽性小島数のカウントを小島の総数で割り、100を掛けることにより算出した(抗−インスリン陽性)×100。結果を表1に示す。トランスフェクション効率は、CMV−DsRedプラスミドに比べてRIP−DsRedで処理した小島で有意に高かった(67±7%対20±5%、F=235.1、p<0.0001)。上に記載したように、対照マイクロバブル(プラスミド無し、またはLacZプラスミド)で処置した小島は、検出可能なトランスフェクションを示さなかった。
まとめると、これらのデータはUTMDと導入遺伝子の発現がRIPにより制御されるプラスミドを組み合わせると、生きているラットの小島β−細胞と両立しない様式でなければ、高度に標的化された遺伝子の効率的送達がもたらされることを示す。
定量的なルシフェラーゼ遺伝子発現。また膵臓での定量された遺伝子発現も、超音波ビーム中(左腎臓、脾臓、肝臓)および超音波ビーム外(右腎臓、後脚骨格筋)の他の器官と比較した。ラットはUTMDから4日後に屠殺され、そして各器官のルシフェラーゼ活性を測定し、そしてRLU/mgタンパク質としてタンパク質含量に関して指数化した。図3は3群のラットについて(1群あたりn=3のラット)、これら器官中のルシフェラーゼ活性の比較を示す。3群のラットがこの実験に含まれた:CMV−ルシフェラーゼマイクロバブル、標準食および水を受けた動物、RIP−ルシフェラーゼマイクロバブル、標準食および水を受けた動物、ならびにRIP−ルシフェラーゼマイクロバブルを受け、そして標準食に加えて20%グルコースを補充した水を受けた動物)。動物には屠殺4日前にこれらの餌が提供された。CMV−ルシフェラーゼを受けた動物は、超音波ビーム内のすべての器官に低レベルの活性が検出された。超音波ビーム外にある骨格筋または右腎臓では活性は検出されなかった。他の器官に比べて膵臓での顕著に高い活性により、ANOVAによる器官間の膵臓ルシフェラーゼ活性の差異は統計的に有意であった(F=42.4,p<0.0001)。中でも特に重要なのは、RIP−ルシフェラーゼプラスミドは、肝臓に比べて100倍高く膵臓の活性を上げ(298±168RLU/mgタンパク質対2.9±0.8RLU/mgタンパク質)、この技法がウイルスベクターで見られる肝臓の取り込みの問題を回避することを示す。
RIP−ルシフェラーゼプラスミドは、CMV−ルシフェラーゼに比べて膵臓のルシフェラーゼ活性を4倍まで上昇させた(298±168RLU/mgタンパク質対68±34RLU/mgタンパク質、p<0.0001)。グルコースの供給は膵臓ルシフェラーゼの活性を、RIP−ルシフェラーゼのみよりもさらに3.5倍まで増加させ(1084±192RLU/mgタンパク質対298±168RLU/mgタンパク質、p<0.0001)、RIP−ルシフェラーゼ導入遺伝子はUTMDにより小島に送達された後、グルコースにより適切に調節されたことを示す。驚くことに、グルコースの供給はRIP−ルシフェラーゼのみに比べて左腎臓でのルシフェラーゼ発現の調節を引き起こし(172±102RLU/mgタンパク質対53±23RLU/mgタンパク質、p=0.0057)、ラットのインスリンプロモーターがたとえ腎臓に局在化された時でもグルコースに応答することを示唆する。このように本発明は制御された発現を1より多くの器官に提供するために使用できる。
UTMDによる遺伝子発現のタイムコース。別のラット群で、UTMDによる遺伝子発現のタイムコースをRIP−ルシフェラーゼプラスミドを使用して測定した。ルシフェラーゼ活性はUTMDから各々4、7、14、21および28日に3匹のラットを屠殺することにより測定した。図4に示すように、ルシフェラーゼ活性は4〜7日に半分まで低下し、そして21日にはほとんど検出できない(F=234、p<0.0001)。
ヘキソキナーゼ−1遺伝子のUTMD媒介型送達によるインスリン分泌および循環グルコースレベルの調節。以前の実験では、低いKmのヘキソキナーゼ(例えばヘキソキナーゼ−I)の過剰発現が低グルコースで刺激/分泌共役の上昇により、インスリン分泌に関するグルコース用量応答に左へのシフトをもたらすことが示された3,20。したがってヘキソキナーゼI遺伝子を使用して、UTMDによる小島β−細胞への遺伝子送達が、全動物(whole animal)の状況で小島機能に識別可能な変化を可能とするに十分な効率で起こるかどうかを決定した。6匹のラットは、RIPプロモーターの制御下にヘキソキナーゼ1遺伝子をもつプラスミドを含有するマイクロバブルを注入された。対照にはRIP−DsRedを含有するマイクロバブル(n=3)を注入されたラット、および偽操作正常ラット(n=3)を含んだ。グルコースおよびインスリンの血清測定は、ベースライン、UTMDから5日および10日後に得た。
図5に示すように、RIP−DsRedまたは偽手術対照群の血清インスリンまたはグルコースレベルに、経時的に有意な変化は無かった。対照的に、RIP−ヘキソキナーゼ−I=処理群では血清インスリンが5日で4倍まで上昇し、そして10日まで上昇したままであった(F=11.5、反復測定ANOVAによりp=0.0033、処置群対対照)。インスリンの上昇と相関して、血清グルコースレベルはRIP−ヘキソキナーゼI−処置ラットでは5日までにほぼ30%まで低下し(F=19.8、反復測定ANOVAによりp=0.0005、処置群対対照)、次いで10日まで低いままであった。さらにUTMDによるヘキソキナーゼI遺伝子の膵臓小島への高効率送達の証拠は、10日に単離された小島中のヘキソキナーゼIタンパク質レベルのイムノブロット分析により提供される。これらのデータは、いずれかの対照群と比べて、RIP−ヘキソキナーゼIプラスミドを持つUTMDに供された3匹のラットの小島での免疫検出可能なヘキソキナーゼIタンパク質の明白な上昇を示す。まとめると、図5のデータは生きている動物の膵臓小島β−細胞への高効率遺伝子送達にUTMDの用途を明らかに証明している。
UTMDの安全性。膵臓の組織学的切片は、UTMD後の炎症または壊死の証拠を表さなかった。4匹のラットで、血清アミラーゼおよびリパーゼはUTMDから1時間および24時間後にベースラインの程度であった;値は正常であり、そしてUTMDで上昇しなかった。UTMDに供したラットは体重が正常に増加し、そして異常な行動を示さなかった。さらにRIP−DsRedプラスミドを受けたラットは、循環グルコースまたはインスリンレベルに有意な変化を体験せず、正常な代謝恒常性の維持を示唆した。
この実施例は、膵臓小島への効率的な遺伝子送達に関する新規方法を記載する。プラスミドDNAの送達およびそれに続く発現を、プラスミドおよびそのmRNAに対するin
situ PCRおよびin situ RT−PCRにより示す。さらにRIPが導
入遺伝子発現を支配するために使用されるプラスミドと一緒にUTMDが適用される時、膵臓での遺伝子発現はベータ細胞に限定された。さらにグルコース供給がレポーター遺伝子活性に明らかな上昇を引き起こすので、RIP−ルシフェラーゼプラスミドは、UTMDを介する小島への送達後に生理学的シグナルに対する応答性を保持することが示された。受精胚のマイクロインジェクションにより達成される齧歯類の膵臓小島における導入遺伝子発現の例はあるが21−27、これは生きている成体動物の膵臓小島へのインビボ遺伝子送達の最初の例である。
遺伝子送達のためのUTMD法の効率を、ベータ細胞機能のモジュレーションを示すために測定した。ヘキソキナーゼI遺伝子はこの目的に選択した。膵臓小島のベータ細胞は通常、それらの主要なグルコースリン酸化酵素としてヘキソキナーゼIV(グルコキナーゼとして知られている)を発現し、そしてグルコースに関する酵素の高いS0.5(約6mM)によりグルコース代謝の速度を調節し、そして生理的グルコース濃度でのグルコース−刺激化インスリン分泌を制御することを可能とする。対照的にヘキソキナーゼIはグルコースに関する低いS0.5(約0.5mM)を有する。比較のために、ラット小島におけるヘキソキナーゼIのアデノウイルス媒介型発現は、グリコリシスおよびグルコース刺激化インスリン分泌において、グルコース濃度依存的変化に左側へのシフトを生じることが知られている20。さらにトランスジェニックマウスのベータ細胞中で低Kmの酵母ヘキソキナーゼの発現は、高インスリン血症および低血糖を引き起こすことが示された。これらの知見に基づき、高インスリン血症および低血糖の類似表現型により示されるように、本発明ではUTMDによるベータ細胞へのヘキソキナーゼIの効率的送達が見いだされ、これは図5で考察し、そしてまとめられた。
またこの実施例は幾つかの利点により、DNA構築物のベータ細胞への安全かつ効率的な送達も記載した:1)効率的な遺伝子転移にウイルスベクターを必要とせず、炎症応答または挿入突然変異に関する配慮を限定する;2)これらのプラスミド構築物中でのRIPプロモーターの使用は、グルカゴン生産アルファ細胞でのDsRedレポーター遺伝子の発現がほとんど無いか、または無く、小島内で注目すべきベータ細胞特異性の程度を提供する;3)プラスミドを装填したマイクロバブルは、全身性の循環を介して送達されることができ、膵臓血管への局所的送達に必要とされるような侵襲的手術の必要性を回避する;および4)膵臓中のマイクロバブルの注入および超音波の局所的適用の結果として生じる膵臓傷害の証拠は無かった。
この技法の大変良い特徴に対して、1つの予期せぬ知見が考量される。ルシフェラーゼ導入遺伝子の有意な発現は、膵臓を処置する時に超音波の経路に必然的に存在する腎臓でのRIPプロモーターの制御下で達成されることが見いだされた。さらに腎臓のレポーター遺伝子発現が、グルコースに応答性であることが見いだされた。強化されたラットインスリンプロモーターは、マウスの脳、胸腺および腎臓でヒト成長ホルモン(hGH)を発現することが示された28。インスリンは腎臓でのアデノシン29およびアンギオテンシノーゲン30の発現に影響を与えることが知られている。本発明を使用して、遺伝子および薬剤送達のために、例えばRIP−強化型腎臓遺伝子発現の送達のために腎臓を標的とすることも可能である。
腎臓での発現を低下または回避するために、集束超音波変換器を使用して、予め特定した目的領域にマイクロバブルの破壊を限定することができる。これらの実験では、マイクロバブルの破壊が超音波ビームの長さ、幅および広さ全体で起こる臨床用の心エコー検査用に開発された変換器を使用することができる。あるいはベータ細胞発現が腎臓での導入遺伝子発現の不存在下で維持されるように、RIPプロモーターを修飾するか、または切り詰めることが可能かもしれない。
この実施例に記載した組成物および方法は、糖尿病の主要な2つの状態の処置に使用することができ、そしてまた内分泌膵臓での候補疾患遺伝子の関連性を評価する方法も表す。I型糖尿病には膵臓小島ベータ細胞の自己免疫破壊が関与する。幾つかの取り組みで、ベータ細胞を免疫媒介性破壊から保護することが示唆され、それらには細胞/細胞相互作用の防止によるT−細胞およびマクロファージ媒介型の破壊の遮断、あるいは炎症性サイトカインまたは反応性酸素種により引き起こされる傷害に対して保護することができる遺伝子の点滴注入を含む。しかしこれらの取り組みの試験は、膵臓小島のトランスジェニック(生殖細胞系)操作、または臓器移植に先立つエクスビボ工作に限定されてきた。この実施例で教示する方法は、in situで小島の遺伝子工学を提供するので、小島の生存を強化するための種々の方法を前糖尿病段階での1型糖尿病の動物モデルで試験することができる。
本明細書で教示する組成物および方法は、2型糖尿病に使用することもできる。この疾患では、ベータ細胞が機能不全および漸次の(しかし完全ではない)細胞塊の減損という二重の病変に罹患するようである31。2型糖尿病におけるベータ細胞の機能不全の発症およびベータ細胞塊の損失に関与するメカニズムは完全に解明されていないが、慢性的な高脂血症およびベータ細胞中の脂質の過剰蓄積(「脂肪毒性(lipotoxicity)」32,33、ならびにグルコースへの慢性的暴露の傷害効果(「糖毒性(glucotoxicity)34」の役割の可能性に関する理論が展開した。本明細書に教示する技術は、脂質またはグルコース代謝をモジュレートする遺伝子の2型糖尿病のモデル中の小島への送達を可能とする。さらに若年者の成人発症型糖尿病(MODY)として知られている糖尿病の群は、ベータ細胞機能を制御する転写因子または代謝酵素が関与する1組の単一遺伝子変異を含むようである35。本発明は成体動物という意味で、ヒトの遺伝子実験から現れるベータ細胞候補遺伝子を試験する迅速な方法を可能とする。最後に低分子干渉RNA(siRNA)のような遺伝子発現の抑制に関する技術の出現、およびそれらの膵臓小島への応用により36,37、UTMD−媒介型のsiRNA含有プラスミドの送達が、ベータ細胞機能における特異的遺伝子の対照(アップレギュレーション、ダウンレギュレーション)、および生きている動物での生存に使用することができる。
ラットのUTMDプロトコール。Sprague−Dawleyラット(250〜350g)はケタミン(100mg/kg)およびキシラジン(5mg/kg)を腹腔内投与することにより麻酔をかけた。ポリエチレン試験管(PE50、ベクトンデッキンソン(Becton Dickinson)、メリーランド州)を右内側頸動脈に血管切開により挿入した。前方腹部の毛髪を剃り、そしてS3プローブ(Sonons500、フィリップウルトラサウンド、アンドオーバー、マサチューセッツ州)を配置して、容易に同定される左腎臓および脾臓を撮影した。脾臓はそれらの間にあるので、プローブは膵臓を標的とするように調整し、そして正しい場所で挟んだ。1mlのマイクロバブル溶液を3ml/時間の一定速度で20分間、注入ポンプを使用して注入した。注入期間を通して、マイクロバブル破壊はウルトラハーモニック様式(伝達1.3MHz/受信3.6MHz)を使用して、1.2〜1.4のメカニカルインデックス、および4cmの深度で行った。超音波のパルスはECGで誘起され(R波のピークから80ms後に)、4心拍サイクル毎に4フレイムの超音波のバーストを送達した。これらの設定はUTMDを使用して遺伝子を送達するために最適な超音波パラメーターになることがすでに示されている。各実験の終わりに、頸動脈を結び、そして皮膚を閉じた。すべてのラットは実験後に正常な行動について監視した。ラットを4日後に屠殺し、そして膵臓を回収した。
プラスミドを含有する脂質安定化マイクロバブルの製造。特定の脂質安定化マイクロバブルを、本発明者により以前に記載されたように調製した5,6。本発明では、2.5mg/mlのDPPC(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリン、シグマ、セントルイス、ミズーリ州);0.5mg/mlのDPPE(1,2−ジ
パルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルエタノールアミン、シグマ、セントルイス、ミズーリ州);および10%グリセロールの溶液を、2mgのプラスミド溶液と2:1の比率で混合した。このリン脂質−プラスミド溶液の0.5mlのアリコートを、1.5mlの透明バイアルに入れた;残る頭頂空間にペルフルオロプロパンガス(エアープロダクツ社(Air Products Inc.)、アレンタウン、ペンシルバニア州)を充填した。各バイアルを40℃で30分間インキュベーションし、次いで20秒間、歯科用の混汞器(VialmixTM、ブリストル−マイヤーズ スクイブ メディカル イメージング、N.Billerica、マサチューセッツ州)により20秒間、機械的に振盪した。脂質安定化マイクロバブルは、非結合プラスミドDNAを含有する液体層の上で浮遊する乳白色の懸濁液として現れる。サブナタントを捨て、そしてマイクロバブルを3回、PBSで洗浄して非結合プラスミドDNAを除去した。上層のマイクロバブルの平均直径および濃度は、粒子カウンターにより測定した(ベックマン(Beckman)Coulter MultisizerIII)。
プラスミド構築物。ラットのゲノムDNAはラット末梢血からQIAamp Bloodキット(キアゲン社(Qiagen Inc.)、バレンシア、カリフォルニア州)を用いて、製造元の使用説明に従い抽出した。ラットのインスリンIプロモーター(RIP)、エキソン1、イントロン1(唯一のイントロン)およびエキソン2(−412から+165)の5’末端の3bp(GTC)を含有するDNAフラグメントは、Sprague−DawleyラットのDNAから、5’末端に制限部位を含む以下のPCRプライマーを使用してPCR増幅した(制限部位に下線を付す):
プライマー1 (XhoI) 5’−CAACTCGAGGCTGAGCTAAGAATCCAG−3’ (配列番号1);
プライマー2 (EcoRI) 5’−GCAGAATTCCTGCTTGCTGATGGTCTA−3’ (配列番号2)。
対応するPCR産物はアガロースゲル電気泳動により確認し、そしてQIAquick
Gel Extractionキット(キアゲン)により精製した。配列を確認するために、PCR産物の直接的シークエンシングをdRhodamine Terminator Cycle Sequencing キット(PEアプライド バイオシステムズ(Applied Biosystems)、フォスターシティ、カリフォルニア州)を用いてABI 3100 Genomic Analyzerで行った。PCR増幅フラグメントをXhoIおよびEcoRIで消化し、そしてpDsRed−発現1(プロモーターが無いディスコソーマ種(Discosoma sp.)の赤色蛍光タンパク質(DsRed)プラスミド(BD バイオサイエンス(Biosciences))のXhoI−EcoRI部位に連結した。連結反応は20mM Tris−HCl、0.5mMATP、2mMジチオスレイトールおよび1単位のT4DNAリガーゼの20μl中で行った。このプラスミドのクローニング、単離および精製は、標準的な手順により行い、そして再度、シークエンシングして人工的な突然変異が存在しないことを確認した。
RIPプロモーターの下でヘキソキナーゼ1遺伝子を発現するプラスミドは、以下のように作成した:全mRNAはSprague−Dawleyラットの膵臓からQIAampキット(キアゲン社、バレンシア、カリフォルニア州)を用いて、製造元の使用説明に従い抽出した。次いでmRNAは、RT−PCRキット(インビトロジェン)用のSuper−Script第1鎖合成系を用いてcDNAに逆転写した。ヘキソキナーゼ1 cDNAの完全長のcDNAは、5’末端に制限部位を含む以下のPCRプライマーを使用することによりPCR増幅された(制限部位に下線を付す):
プライマー1 (EcoRI) 5’−AAAGAATTCATGATCGCCGCGCAACTACTGGCCTAT−3’ (配列番号3);
プライマー2 (Not I) 5’−AAAGCGGCCGCTTAGGCGATC
GAAGGGTCTCCTCT−3’ (配列番号4)。
産物はシークエンシングにより確認した。DNAをEcoRIおよびNotIで消化し、次いでpRIP3.1ベクターの対応する部位に連結した。プラスミドのクローニング、単離および精製は、標準的手順により行い、そして再度、シークエンシングして人工的な突然変異が存在しないことを確認した。
DsRed DNAを検出するためのIn Situ−PCR。DsRedプライマー。DsRed DNAに対して1対のDsRedプライマーを使用した:それらはDsRed 125(5’−GAGTTCATGCGCTTCAAGGTG−3’)(配列番号5)およびDsRed 690(5’−TTGGAGTCCACGTAGTAGTAG−3’)(配列番号6)である。
屠殺直後、200mlの動脈内冷却塩溶液によりラットから血液を取り出し、続いて100mlの2%パラホルムアルデヒドおよび0.4%グルタルアルデヒドを用いて潅流固定した。膵臓は0.5cmの小片に切断し、そして4℃で20%シュクロース溶液中に一晩置き、次いで−86℃でOTCモールドに入れた。5μm厚の凍結切片は、塩水をコートしたスライド上に置き、そして4%パラホルムアルデヒドを用いて4℃で15分間固定し、PBS中の10mMグリシンで5分間クエンチし、PBSですすぎ、PBS中の0.5%TritonX−100で10分間透過し、そしてPBSで10分間すすいだ。PCR DIG Prob Synthesisキット(ロッシュ社(Roche Co.);Cat.NO:1636090)を使用した。カバースリップの片側に1滴のマネキュア液を付けた。次いでスライドはアルミニウムの「ボート(boat)」中でサーモサイクラーのブロック上に直接置いた。50μlのPCR反応溶液(0.8単位のTaq DNAポリメラーゼ、2μlのDsRedプライマー、3μlのDIG−dNTP、5μlの10×バッファーおよび40μlの水)を各スライドに加え、そして製造元の使用説明に従いAssembly Tool(パーキンエルマー:Perkin Elmer)を使用して、AmpliCover Disc and Clipsにより覆った。in situ PCRはパーキンエルマーのGeneAmpシステム1000を以下のように使用して行った:最初に94℃で維持した後(1分間)、PCRを11サイクル行った(94℃で1分、54℃で1分、そして72℃で2分)。増幅後、スライドを2×SSCに10分間、そして0.5%パラホルムアルデヒドに5分間、そしてPBSに5分間を2回、浸した。ジゴキシゲニン包含DNAフラグメントは、DIG検出用に設定された蛍光抗体エンハンサー(ロッシュ)を使用し、次いで組織化学的染色により検出した。最初に切片をブロック溶液と30分間インキュベーションして、抗体の膵臓組織への非特異的結合を減らした。次いで切片を50μlの抗−DIG溶液(1:25)と37℃で1時間、加湿器中でインキュベーションした。次いでスライドを振盪しながらPBSで3回、各5分間洗浄し、再度スライドを50μlの抗−マウス−IgG−ジゴキシゲニン抗体溶液(1:25)と37℃で1時間インキュベーションした。スライドを再度PBSで3回、各5分間、振盪しながら洗浄した。スライドは50μlの抗−DIG−蛍光溶液(1:25)と37℃で1時間、インキュベーションした。スライドは振盪しながらPBSで3回、各5分間、再度洗浄した。最後に切片を70%EtOH、95%EtOH、そして100%EtOHで各2分間づつ脱水し、キシレン中で透明化し、そしてカバースリップをかけた。
DsRed mRNAの検出用in Situ RT−PCR。DsRedプライマー。1対のDsRedプライマーをDsRed cDNAに対して直接使用し、それらは125(5’−GAGTTCATGCGCTTCAAGGTG−3’)(配列番号7)およびDsRed 690(5’−TTGGAGTCCACGTAGTAGTAG−3’)(配列番号8)である。
潅流固定した凍結切片は、上記のように調製した。DNase処理は50μlのカクテル溶液(インビトロジェン)(5μlのDNaseI、5μlの10×DNaseバッファー、および40μlの水)を用いて各スライド上で行い、カバースリップをかけ、25℃で一晩インキュベーションし、次いでPBSで5分間、2回洗浄した。
逆転写:第1鎖cDNA合成は各スライド上で50μlの総容量中、50μlのカクテル溶液(RT−PCR用のSuperscript First−strand synthesisシステム、インビトロジェンキット#11904−018)(1μlのDsRed727プライマー(5’−GATGGTGATGTCCTCGTTGTG−3’)(配列番号9)、5μlのDTT溶液、2.5μlのdNTP、5μlの10×バッファー、5μlの25mM MgCl、29μlの水、および2.5μlのSuperscriptII RT)を用いて行った。カバースリップを配置し、そしてスライドを42℃で2時間インキュベーションした;PBSで5分間、2回洗浄し、100%ETOHで1分間すすぎ、そして乾燥させた。
DsRedタンパク質を検出するための免疫組織化学。インスリンおよびグルカゴン。5μm厚のクリオスタット切片を、4%パラホルムアルデヒド中で4℃にて15分間固定化し、そしてPBS中の10mM グリシンで5分間クエンチした。次いで切片をPBSで3回すすぎ、そしてPBS中0.5%TritonX−100で透過した。切片を10%ヤギ血清で37℃にて1時間ブロックし、そしてPBSで3回洗浄した。1次抗体(シグマ社:Sigma Co.)(ブロック溶液中で1:50希釈)を加え、そして4℃で一晩インキュベーションした。PBSで3回、5分間洗浄した後、2次抗体(シグマ社、FITCに結合した抗−マウスIgG)(ブロック溶液中で1:50希釈)を加え、そして37℃で一晩インキュベーションした。切片をPBSで10分間、5回すすぎ、そしてのせた。
ルシフェラーゼアッセイ。ルシフェラーゼ導入遺伝子の発現を定量するために、膵臓、両腎臓、脾臓および骨格筋をPolytronで粉末状とし、そしてルシフェラーゼ溶解バッファー(プロメガ社)、0.1%NP−40および0.5%デオキシコレートおよびプロテアーゼインヒビターとインキュベーションした。生じたホモジネートを10,000gで10分間遠心し、そして100μlのルシフェラーゼ反応バッファー(プロメガ)を20μlの透明な上清に加えた。発光はルミノメーター(TD−20/20、ターナーデザインズ社(Turner Designs Co.)によりRLU(相対的光単位)で測定した。総タンパク質含量は、ローリー法(BCAタンパク質アッセイ試薬、ピアス社)により各サンプルのアリコートから測定した。ルシフェラーゼ活性はRLU/mgタンパク質で表した。
ヘキソキナーゼIウエスタンブロット。全膵臓の切片は各ラットから屠殺の日(UTMD遺伝子送達から10日後)に回収し、そしてTrisバッファーで均一化した。これらのホモジネートから等量のタンパク質を、12%BioRadゲルを使用した電気泳動にかけ、ブロックし、そしてマウス抗−ヘキソキナーゼI抗体とインキュベーションした。免疫反応性バンドを化学発光基質(ECL、アマシャム、ピスカタウェイ、米国)で視覚化した。
統計分析。実験群間のルシフェラーゼ活性の差異は、2元ANOVAにより比較した。反復測定ANOVAを使用して、タイムコース実験の結果を評価した。2元反復測定ANOVAを使用して、ヘキソキナーゼI処理ラットと対照群との間の血清インスリンおよびグルコースの一時的変化を評価した。p値<0.05は統計的に有意であると考えた。Post−hoc Scheffe試験は、ANOVA F値が統計的に有意である時にの
み行った。
実施例10。VEGF媒介型脈管形成のマイクロバブルの超音波破壊を使用したラット心筋への標的化。ヒトVEGF165cDNAにより媒介される心筋の脈管形成は、超音波標的型マイクロバブル破壊(UTMD)として知られているインビボの標的型遺伝子送達系を使用してラットの心筋において促進された。hVEGF165をコードするプラスミドを持つマイクロバブル、または対照溶液を、心筋内でマイクロバブルの超音波破壊中にi.v.潅流した。遺伝子発現および脈管形成の生化学的および組織学的評価は、UTMDから5、10および30日後に行った。UTMD処置心筋は、hVEGF165タンパク質およびmRNAを含んだ。UTMD処置動物の心筋は、hVEGF165発現に付随する細胞過多巣(hypercellular foci)および内皮細胞マーカーを示した。UTMD処置での毛細管密度は5日目に18%、そして10日目に33%上昇し、30日で対照レベルに戻った(p<0.0001)。同様に、小動脈密度は5日目に22%、そして10日目に86%、30日目に31%上昇した(p<0.0001)。このようにhVEGF165のラット心筋へのUTMDによる非侵襲的送達は、心筋の毛細管および小動脈密度に有意な上昇をもたらした。
血管増殖因子および/またはそれらを発現する遺伝子による新規血管の成長の刺激は、心筋虚血の有力な処置として長い間、提案されてきた38−41。多くの実験が脈管形成(新規毛細管の発生)および動脈形成(arteriogenesis:内膜、中膜および外膜を含有する大血管の発生)の解明になされてきたが、基本化学の臨床的に有用な治療への移行は、未だに起こっていない。脈管形成療法の最近の臨床試験で大いに失望した結果が指摘され42−52、これは患者の選択、最適な脈管形成剤または薬剤の組み合わせに関する不完全な理解、処置の限定されたタイムコース(通常は単回の固定用量)、および最適ではない送達技術を含む様々な要因により説明することができる。後者の2つの論点は、現行の脈管形成剤の送達法が直接的な心筋注射または冠動脈内注入といった、反復処置にはあまり適さない侵襲的技術に限定されているという点と相関づけられる。
この実施例は非侵襲的方法である超音波標的型のマイクロバブル破壊(UTMD)が、心臓への遺伝子治療の特異的標的化を可能とすることを示す。簡単に説明すると、プラスミドDNAを含有するカチオン性リポソームが直径2〜4μmのガス充填マイクロバブルのリン脂質殻に結合されている。これらのマイクロバブル−リポソーム複合体は静脈内に注入され、そして低周波の超音波により心筋の微小循環内で破壊される。これまでに示したように、UTMDは膵臓および腎臓にレポーター遺伝子を選択的に送達するために使用することができる。他の例では心臓への送達が示されたが53−55、生物学的効果を達成するためのその使用は報告されてこなかった。UTMDを使用してヒト血管内皮増殖因子165(hVEGF165)の非侵襲的送達によりラットの心筋で脈管形成を促進した。
オスのSprague−Dawleyラットは、hVEGF165遺伝子をコードするプラスミドを含有するマイクロバブル、または3種の対照、マイクロバブルを含まないhVEGF165プラスミド、プラスミドを含まないマイクロバブル単独、または食塩を用いたラットUTMD処置を受けた。すべてのラットは合併症無しでUTMDの手順に耐え、そしてこの手順から5、10または30日後のいずれかの計画された屠殺日まで生存した。左心室質量およびフラクショナル エリア ショートニング(fractional area shortening)は、UTMD処置または対照ラットの間で有意な差異を示さず(表7)、左心室の肥大または収縮期の機能不全がUTMDの結果として生じなかったことを示した。屠殺時に、動物は活動または食物摂取に変化がなく、そして水腫、血管腫または他の腫瘍が無かった。
ラット心筋のhVEGF165の存在。イムノブロッティングでは処置から10日後の心臓組織のホモジネート中に、hVEGF165に相当する主要な37kDaバンドが明らかとなった(図6)。恐らく内因性のVEGFを表すかすかなバンドが対照動物で見られた。hVEGF165タンパク質の増加は、UTMDにより標的とされた組織に限定されていた。肝臓、肺および脾臓のような、超音波の標的化に隣接するが、外側にある器官のホモジネートは、hVEGF165タンパク質に類似の増加を示さなかった。これらの知見は、高周波をあてた領域に制限された外因性の脈管形成遺伝子の組織特異性を確認するものである。hVEGF165はいかなる対照動物中にも検出されなかった。
ウエスタンブロットの結果と一致して、RT−PCRはhVEGF165の発現が5日および10日の群、ならびに30日の群の1匹のラットで明らかとなったが(図7)、対照群では無かった。いかなる相互混入も回避するために、PCR陽性対照はhVEGF165に使用しなかった。ヒトVEGF165RT−PCR産物は、シークエンシングにより確認された(データは示さず)。
処置から10日後、組織学ではUTMD処置動物の心筋において細胞過多巣が明らかとなったが(図8)、対照動物には無かった。これらの細胞過多巣は抗−VEGF抗体での染色を示し、外因性の脈管形成遺伝子の成功裏の転移および発現が確認された。加えて、これらの巣は内皮細胞特異的マーカーであるCD−31およびBS−1レクチンでの染色を示した。これらの領域での内皮細胞は、主要な核および時々の有糸分裂図を表した。平滑筋のα−アクチン染色は、脈管形成のさらなる証拠である血管を覆う血管周囲細胞を示した。好中球、単球、プラスマ細胞およびリンパ球は明らかに稀であり、そして筋細胞の壊死は無かった。しかし弱い炎症と一致する筋原細胞構造の解体を含む繊維芽細胞の増殖があった。30日までに、これらの巣は炎症の解消を現した。これらの細胞過多巣は対照動物には存在しなかった。
心筋の毛細管密度は、BS−1レクチン染色を使用して組織学的に評価した(図9の上パネル)。毛細管密度は、すべての3期間にわたり3つの対照群で顕著に類似し、平均2606±150/mmであった(図9、下パネル)。UTMD処置ラットでは、毛細管密度は5日までに18%まで(3079±86/mm)、そして10日までに33%(3465±283毛細管/mm)増加したが、30日には対照レベルに戻った(2683±145/mm)。ANOVAにより、処置群間の毛細管密度の変化は、統計的に有意であった(F=19.25、p<0.0001)。
小動脈密度は、平滑筋α−アクチン(sm−α−アクチン)染色を使用して評価した(図10、上パネル)。小動脈密度は実験した3つの時点で対照群間に有意な差異は無く、平均71±10/mmであった(図10、下パネル)。UTMD処置ラットでは、小動脈密度は5日に23%まで(87±3/mm)、10日に86%(132±43/mm)、そして30日に31%(93±7/mm)まで増加した。ANOVAにより、処置群間の小動脈密度の変化は統計的に有意であった(F=11.05、p<0.0001)。
この実施例は、脈管形成遺伝子を非侵襲的に心臓に標的化することができ、そして心筋の微小血管を修飾できることを証明した。具体的には毛細管密度に一過性の上昇、および小動脈密度にはより持続的な上昇があった。これは導入遺伝子の心臓への非侵襲的送達が、心筋における遺伝子発現および生物学的変化の両方をもたらす点で治療的な潜在能力を有するという最初の証拠である点で注目に値すある。
毛細管および小動脈密度の増加は、hVEGF165プラスミド遺伝子転移後に心筋中で示された。限定されたプラスミド発現(hVEGF165タンパク質は遺伝子送達からわずか10日後にすべての処置ラットにのみ検出可能であった)は、処置から10日で毛細管および小動脈の両方を増加させた。しかし30日までに、毛細管のベースラインレベルへの後退が観察された。おそらくこれは虚血性心筋というよりは正常な設定におけるプラスミドの発現またはその後の毛細管の脱増加(derecruitment)の一過性の性質によるものだろう。
また小動脈も処置後10日のピークから30日までに減少した。しかし30日目の小動脈密度は、それでも対照より有意に高く、hVEGF165治療後の持続的な脈管形成を示した。これは直接注射または冠動脈内注入よりも長いUTMD後のhVEGF165発現に関連し得る新たな重大な知見である。VEGFの条件付き切り替えのマウスモデルでは、VEGFへの簡単な暴露がVEGF離脱後に消える脈管の一過性の成長を引き起こす56。対照的に、VEGFの刺激から10〜14日に、成熟脈管が吸着しない小動脈応答を生じた56。この実施例では、UTMDは処置から10日後にラットの心筋でウエスタンブロットにより容易に検出可能なhVEGF165タンパク質を生じた。またUTMDを用いた長期間のhVEGF165発現は、前に記載した新たに形成された微小循環に及ぼす平滑筋細胞−内皮細胞相互作用の保護的効果、および脈管リモデリングにおけるその重要な役割を助長することができる57−60
毛細管または小動脈密度の増加は、hVEGF165プラスミド単独またはマイクロバブル破壊単独のいずれでも観察されなかった。循環しているDNaseの効果および内皮バリアを渡る循環しているプラスミドのメカニズムがないので、i.v.VEGFが脈管形成を促進しないことは驚くべきことではない。しかしSong et al61は、アルブミンマイクロバブルの静脈内注射後に低周波の超音波に暴露したラット骨格筋における脈管形成を示し、マイクロバブル破壊が脈管のリモデリングに貢献し得ることを示唆した。超音波マイクロバブル破壊はキャビテーション、熱的効果、微小流、およびフリーラジカル生産、内皮細胞の活性化を導くそれらと相互作用する能力がある因子を生じることが知られている62−65。また微小脈管内でのマイクロバブルの機械的破壊は、毛細管の破裂66,67を生じ;これらの破裂部位の治癒がそれらのモデルにおける動脈形成の幾つかの観点に貢献するかもしれない。この実験においてUTMD単独による脈管形成効果の不存在は、骨格筋と比べて心筋におけるマイクロバブルの破壊に対する異なる応答、アルブミンと脂質のマイクロバブル殻間の差異、または他の未知の実験的変動による可能性がある。
UTMD群で特記された軽い炎症および筋細胞構造の破壊は、UTMDによるVEGF
媒介型の脈管形成の結果らしい。VEGFは内皮細胞の接着マーカー、マトリックス メタロプロテアーゼおよびアルファ−デェフェンシンを含む幾つかのメカニズムを介して炎症を促進することが知られている68−70。対照群にこれらの組織学的知見が無いことは、マイクロバブル単独の単純な破壊も、マイクロバブル担体無しのVEGFプラスミド単独の注入も炎症を引き起こすには十分でなかったことを示す。しかしVEGFプラスミドとマイクロバブル破壊との組み合わせが炎症応答の発生に相乗的である可能性がある。この炎症応答は、左心室の肥大も収縮期の機能不全も生じなかったことを特記することは重要であり、心臓においてマイクロバブル破壊の有意な生物効果は無いという本発明者の以前の実験からの結果を確認する71。またこの実施例は、マイクロバブル破壊がここで使用したものに類似するマイクロバブル濃度および音波ホログラフィー出力では、インビボで心臓の遺伝子発現を誘導しないことも示す72。最後に、UTMDにより心臓に送達されるレポーター遺伝子を使用した以前の実験では、我々は組織学71または遺伝子発現72による炎症の証拠を見いださなかった。
hVEGF165発現構築物のUTMD送達を使用して、正常な心筋の毛細管および小動脈成長を刺激した。組織学的評価の必要性から、UTMDの効果は3つの特定した時点、5、10および30日での血管の成長に関する実験だけであった。導入遺伝子発現の最大量の時期の確立は、中間時点で毛細管または小動脈応答が最大量となり得るので、過度な実験を行わなくても本明細書に教示する組成物および方法を使用して当業者により測定され得る。同様に小動脈密度がベースラインレベルに戻るかどうか、またはウサギの後脚虚血モデルにおいてHershey,et al.により記載されたように72、低酸素条件が脈管形成プロセスを持続できるかどうかを決定するために、さらに長い時間枠で、例えば30日以降を観察することができる。心臓におけるレポーター構築物の発現は、UTMDの反復適用により長期化することができる75。動脈形成は、既存の小さい毛細管の成長74または新規小動脈のデノボ形成75により生じることができる。
恐らくVGEFとの幾つかの炎症的因果関係無しにUTMDを用いて優れた脈管形成または動脈形成応答を生じることができる繊維芽細胞増殖因子(FGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、アンギオポエチン−2または低酸素誘導性因子1−α(HIF−1α)76のような多くの他の既知の脈管形成因子がある。また脈管の脈管における脈管形成は、この実験では取り扱わないVGEF−遺伝子療法の潜在的副作用であるアテローム硬化症77−81を促進または助長することを特記すべきである。
UTMDは大きな哺乳動物、例えばヒト、サル、イヌまたはブタの心臓に遺伝子を成功裏に送達するために使用できる。ラットはサイズが小さいので、心臓も超音波ビームの幅により完全に包含されるに十分に小さく、しかも組織弱毒化または肺の妨害が少ないので、UTMDにより一層適するようになる。
超音波標的型マイクロバブル破壊(UTMD)はhVEGF165発現をラットの心筋に向け、毛細管および小動脈密度の両方に上昇をもたらした。この方法は非侵襲的であり、しかも遺伝子発現の心臓および他の器官への特異的標的化を可能とする。またLV機能の有害効果はなく安全であると思われる。UTMDによる心筋トランスフェクションの正確な分子メカニズムの確定が待たれる。
動物の準備および遺伝子送達。動物実験はNIHの推薦および実験動物の研究委員会の認可に従い行った。オスのSprague Dawleyラット(200〜250g、Harlan)はケタミン(60mg/kg)およびキシラジン(5mg/kg)を腹腔内投与することにより麻酔をかけた。毛髪は前胸部および首から剃り、そしてポリエチレン試験管(PE50、ベクトンデッキンソン、メリーランド州)を右内側頸動脈に血管切開により挿入した。ラットは4種の処置のうちの1つを受けた:hVEGF165遺伝子を
強化型CMVプロモーターの制御下にコードするプラスミドを装填したマイクロバブル(0.6mgDNA/kg)、マイクロバブルに結合していないこれらと同じプラスミド(0.6mg/kg)、結合したプラスミドを含まないマイクロバブルのみ、または標準食塩水。バブル溶液を受けた動物は、ポンプ(Genie、ケントサイエンティフィック(Kent Scientific))を介して20分間にわたり注入される0.5mlのPBSと混合した0.5mlのバブルを有した。1mlの非バブルプラスミドまたは食塩溶液は、全1mlを20分間にわたり同様に非希釈状態で注入された。
注入中、超音波は市販されている超音波変換器(S3、Sonos5500、フィリップウルトラサウンド、ボーセル、ワシントン州)を使用して心臓に向けた。心臓の中央心室、短軸視野を得、そして撮影平面を至適化した後、プローブを正しい場所に挟んだ。次いで超音波は1.6のメカニカルインデックスでウルトラハーモニック様式(伝達1.3MHz/受信3.6MHz)で適用した。超音波の4つのバーストは、R波のピーク後、45〜70msのディレイを使用してECGにより4回目の収縮期の終わり(end−systole)毎に誘起した。これらの設定はこの装置を使用したUTMDによるプラスミド送達に最適となることがすでに示されている54
バブルの破壊はすべてのラットで視覚的に明らかであった。第4パルスによるエコー定常シグナルは視覚では心筋に存在しなかった。UTMD後、頸静脈を結び、皮膚を閉じ、そして動物を回復させた。動物はペントバルビタールナトリウム(120mg/kg)の過剰投与を使用して、UTMDから5日(n=12)、10日(n=12)または30(n=12)に屠殺された。これらの時点はUTMD後のレポーター遺伝子の発現について、本発明者の以前の知見に基づき選択された54,55。心臓、肺、肝臓、脾臓および腎臓を組織学用に回収し、そしてウエスタンブロットおよびRT−PCRによるmRNAによりhVEGF165タンパク質を評価した。
免疫組織化学。回収した組織をメチルカルノシルで固定し、次いで70%エタノールに固定し、そしてパラフィンに包埋した。5μm切片を得、脱パラフィン化し、そして電子レンジにより900Wで20分間、0.01Mのクエン酸ナトリウム、pH6.0中で加熱することにより、CD31、hVEGF165および平滑筋α−アクチンは抗原賦活(antigen retrieval)にかけた。切片は10%ヤギ血清でブロックし、そして内因性のペルオキシダーゼ活性をメタノール中0.3%のHでクエンチした。切片は1次モノクローナル抗体と製造元の推薦に従いインキュベーションした:抗−CD31(1:50希釈)、抗−平滑筋α−アクチン(1:20希釈)および抗−ヒトVEGF−165(1:100希釈)、続いてビオチン化2次抗体とインキュベーションした:CD31に対する抗−マウスIgGおよびVEGFに関する平滑筋α−アクチンおよび抗−ヤギIgG。レクチン染色はグリフォニア シンプリシホリア(Griffonia simplicifolia)のアグルチニンI:BS−Iレクチンビオチン化抗体(シグマ−アルドリッチ、セントルイス、ミズーリ州、米国)を用いて、10%ヤギ血清でのブロッキング後に抗原賦活をせずに行い、そして上記のようにクエンチした。すべての染色はHRP−ストレプトアビジン、続いてDAB色原体で発色させ、そしてヘマトキシリンでカウンター染色した。
RT−PCR。全RNAはRNasey Mini キット(キアゲン)を製造元の使用説明に従い使用して調製した。cDNA合成は30ngの全RNAを含む全20μlの反応中で、Sensiscript RTキット(キアゲン)を使用して行った。PCRは、すべてのサンプルについてGeneAmpPCRシステム9700(PE ABI)を使用して、2μlのcDNA、25μlのHotStarTaq Master Mix(キアゲン)および20pmolの各プライマー:
5’GGAGGAGGGCAGAATCATCAC 3’ (センス) (配列番号1
0);
5’ CGCTCTGAGCAAGGCCCACAGG 3’ (アンチセンス) (配列番号11)
を含む50μl容量中で、以下の条件下で行った:94℃で10分間の初期加熱、次いで94℃で20秒、56℃で20秒、72℃で30秒の48サイクル、次いで72℃で5分。次いでRT−PCR産物を2%アガロースゲルで分析した。ラットVEGFプライマー
5’ ACAGAAGGGGAGCAGAAAGCCCAT 3’ (センス プライマー) (配列番号12);
5’ CGCTCTGACCAAGGCTCACAGT 3’ (アンチセンス プライマー) (配列番号13)
を使用したPCR反応を陽性対照として役立てた。
VEGFウエスタンブロット。遺伝子送達から各時点(5、10および30日)で回収した組織ホモジネートからの等量のタンパク質を、12%SDSポリアクリルアミドゲルを通す電気泳動にかけ、そしてポリビニリデンフロオリド膜(Immobilon、ミリポア(Millipore)、ビルレリカ、マサチューセッツ州、米国)に移し、ブロッキングし、そして抗−ヒト−VEGF抗体とインキュベーションした。免疫反応性のバンドを化学発光基質(ECL、アマシャム、ピスカタウェイ、ニュージャージー州、米国)で視覚化した。
毛細管および小動脈密度の測定。免疫組織化学により視覚化した直径<10μmのBS−Iレクチン陽性脈管、および直径>30μmの平滑筋α−アクチン陽性脈管は、それぞれ毛細管および小動脈と考えた。毛細管は400Xの倍率で光学顕微鏡の使用によりカウントした。5個の顕微鏡写真を各スライドから取り、そして格子を各顕微鏡写真の上に配置した。無作為な符号機(random numbering generator)を使用して、各格子から5つの区画を計数のために選択し、各ラットあたり全部で25の場を得た。毛細管密度はmmあたりの数として表した。脈の周囲に配列した切片のみを計数した。小動脈密度は毛細管よりも小動脈がはるかに少ないので200X倍率を使用して、類似様式で計数した。毛細管および小動脈密度を読み取る調査者は、処置群および屠殺時期について知らなかった。
心エコー検査。LV質量およびフラクショナル エリア ショートニングの心エコー検査は、12MHzのブロードバンド変換器(S12プローブ、フィリップ ウルトラサウンド、ボーセル、ワシントン州)で獲得したデジタル画像から作成した。LV質量は以下のように面積−長さ法により算出した:
LV質量=1.05{[5/6A(L+t)]−[5/6A(L)]}
式中、終末拡張期に短軸視野から得たA=噴門上部域、およびA=心臓内域:L=LV頂点から僧帽弁輪の中央への左心室(LV)長(終末拡張期の長軸視野からの):短軸空洞域から逆計算したt=心筋厚。
フラクショナル エリア ショートニングは、以下の式から評価した:
FS=(LVEDA−LVESA)/LVEDA
式中、LVEDA=左心室の終末拡張期領域(cm)およびLVESA=左心室の終末収縮期領域(cm)。
データ分析。データはStatviewソフトウェア(SAS、カリー、ノースカロライナ州)で分析した。結果は平均±1の標準偏差で表す。差異はANOVAによりFisherのpost−hoc試験で分析し、そしてp<0.05で有意と考えた。
プラスミドを含有する脂質−安定化マイクロバブルの製造。脂質安定化マイクロバブルは、本発明者により前に記載されたように調製した54,55。簡単に説明すると、2.5mg/mlのDPPC(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリン、シグマ、セントルイス、ミズリー州);0.5mg/mlのDPPE(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルエタノールアミン、シグマ、セントルイス、ミズーリ州);および10%グリセロールの溶液を、1.5mlの透明バイアルに入れた;残る頭頂空間にペルフルオロプロパンガス(エアープロダクツ社、アレンタウン、ペンシルバニア州)を充填した。各バイアルを室温で30分間インキュベーションし、次いで20秒間、歯科用の混汞器(VialmixTM、ブリストル−マイヤーズ
スクイブ メディカル イメージング、N.Billerica、マサチューセッツ州)により機械的に振盪した。脂質安定化マイクロバブルは、液体層の上で浮遊する乳白色の懸濁液として現れる。液体サブナタントを捨て、そして上層のマイクロバブルの平均直径および濃度を粒子カウンターにより測定した(ベックマン(Beckman)Coulter MultisizerIII)。プラスミドDNAを含有するカチオン性リポソームは、2mgのプラスミドDNAと混合した50μlのカチオン性リポソーム溶液(リポフェクタミン2000、インビトロジェン)を用いて作成し、そして室温で15分間インキュベーションした。これによりプラスミドDNAを包含するナノ球状サイズのカチオン性リポソーム複合体が形成する79。カチオン性リポソーム−プラスミド複合体を含むマイクロバブルは、50μlのリポソームを250μlのリン脂質被覆マイクロバブルに加え、そして室温にて混汞器中で20秒間振盪することにより上記のように作成し、ペルフルオロプロパンガスをバイアルの頭頂に充填した。
プラスミド構築物およびDNA調製。イントロンを含む強化型CMVプロモーターの下でhVEGF165遺伝子を発現するプラスミドは以下のように作成した:全mRNAは健康な有志の血液からQIAamp Bloodキット(キアゲン社、バレンシア、カリフォルニア州)を用いて、製造元の使用説明に従い抽出した。次いでmRNAはRT−PCRキット(インビトロジェン)用のSuperScript第1鎖合成系を用いてcDNAに逆転写された。hVEGF165 cDNAの完全長のcDNAは、5’末端に制限部位を含む以下のPCRプライマーを使用することによりPCR増幅された(制限部位に下線を付す):
プライマー1 (XhoI) 5’−TTCCTCGAGAATGAACTTTCTGCTGCTGTCTTG−3’ (配列番号14);
プライマー2 (Sma1) 5’−AAACCCGGGTCACCGCCTCGGCTTGTCA−3’ (配列番号15)。
産物はシークエンシングにより確認した。DNAをXhoIおよびSmaIで消化し、次いでpCI−neo(プロメガ)の対応する部位に連結した。このプラスミドのクローニング、単離および精製は標準的手順80により行い、そして再度、シークエンシングして人工的な突然変異が存在しないことを確認した。
本明細書に記載した特定の態様は、具体例として示し、そして本発明を限定するものではないと考えられる。本発明の原理的特徴は、本発明の範囲から逸脱せずに種々の態様で使用することができる。当業者は日常的な実験を使用するだけで本明細書に記載する特定の手順対する多くの均等物を認識し、または確認することができるだろう。そのような均等物は本発明の範囲に含まれ、そして特許請求の範囲に網羅されると考える。
本明細書中で言及したすべての刊行物および特許出願は、本発明に関連する分野の当業者のレベルを示す。すべての刊行物および特許出願は、個々の各刊行物または特許出願が具体的および個別に引用により包含されることを示す場合に、それと同程度まで引用により本明細書に編入される。
特許請求の範囲において、「含んでなる」、「含む」、「持つ」、「有する」、「含有する」、「関与する」等のようなすべての前後を接続する句は限度を設定しない、すなわち含むが限定しないことを意味すると理解される。前後を接続する句である「からなる」および「本質的に〜からなる」のみ、それぞれ閉鎖型または半閉鎖型の前後を接続する句である。
本明細書に開示、そして特許請求するすべての組成物および/または方法は、本開示に照らして過度に実験を行わなくても作成し、そして実行することができる。本明細書に記載した組成物および方法は好適な態様という意味で記載してきたが、当業者は本発明の概念、精神および範囲から逸脱せずに本明細書に記載した組成物および/または方法に、および方法の工程または工程の順序に変更を適用することができることは明らかである。より詳細には、化学的および生理学的の両方に関連する特定の作用物質を本明細書に記載する作用物質と置き換えることができ、同じかまたは類似の結果が得られることは明らかである。当業者には明白なそのようなすべての類似的置換および修飾は、添付する特許請求の範囲に定めるように、本発明の精神、範囲および概念の中にあると見なす。
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本発明の特徴および利点を一層完全に理解するために、これから添付する図面と一緒に
本発明の詳細な説明の参照を作成する。
上のパネルは対照ラット(左)およびUTMD−処理ラット(右)からの顕微鏡切片(100X)である4パネルを含む。in−situ PCRハイブリダイゼーションを使用して、LacZプラスミドDNAについて染色し、これは処理した膵臓全体に見られる。小島が明らかに見える(矢印)。下のパネル。対照ラット(左)およびRIP−LacZを使用してUTMDで処置したラット(左)からの切片(400X)。in−situ PCRハイブリダイゼーションを使用して、LacZ mRNAについて染色し、これは小島中央に局在する。 RIPプロモーターの下、DsRedプラスミドを含むUTMDにより処置した小島を示す高出力共焦点顕微鏡(400X)下で見られる膵臓の凍結切片の6パネルを含む。上パネル。ベータ細胞に関してDsRedタンパク質を同定するために、異なるフィルター設定を使用した同じ小島からの画像。上左パネル。小島中のDsRedの存在。上中央パネル。インスリンに対する蛍光抗体は、緑色フィルターを使用して小島中心のベータ細胞を同定する。上右パネル。共焦点画像はDsRed発現のベータ細胞への同時局在化を確認する。下パネル。アルファ細胞に関するDsRedタンパク質を同定するために、異なるフィルター設定を使用して同じ小島の隣接片からの画像。左下パネル。小島中のDsRedの存在。下中央パネル。グルカゴンに対する蛍光抗体は、緑色フィルターを使用して小島周囲に沿ったアルファ細胞を同定する。下右パネル。共焦点画像はDsRed発現がアルファ細胞へ同時局在しないことを確認する。 CMV−luc(斜交棒)、RIP−ルシフェラーゼ(白色棒)またはUTMD後4日間20%グルコース餌を加えたRIP−ルシフェラーゼ(黒棒)で処置したラットの全膵臓ルシフェラーゼ活性を示すグラフである。グルコース餌はRIPのみに比べて、RIP−ルシフェラーゼ発現の4倍のアップレギュレーションをもたらした。ルシフェラーゼ発現の顕著な膵臓特異性に注目されたい。超音波の経路にある肝臓および脾臓には些細な活性が記録されただけであった。これも超音波ビームの経路にある左腎臓は、膵臓よりも大変少ない活性を示すが、RIP−ルシフェラーゼの調節可能な発現を有する。超音波経路の外にある右腎臓は、ルシフェラーゼ発現を示さない。各群3匹のラットであった。器官間のルシフェラーゼ活性の差異は、ANOVAにより統計的に有意であった(F=74.86、p<0.0001)。プラスミドの差異(CMV対RIP対グルコース餌を含むRIP)も統計的に有意であった(F=42.36、p<0.0001)。 RIP−ルシフェラーゼ発現のタイムコースを示すグラフである。ルシフェラーゼ活性はそのピークから4日で下降し、そして28日には無視できる。ルシフェラーゼ活性における一過性の低下は、ANOVAにより統計的に有意であった(F=236.4、p<0.0001)。 正常対照およびDsRed処置対照において、UTMDでの処置後に単離されたラットの膵臓で、ヘキソキナーゼ−1活性の確認を示すウエスタンブロットの上パネルを含む。下左。UTMDによりヘキソキナーゼIで、UTMDによりDsRed対照で、そして偽操作対照で処置したラットの血清インスリンレベル。群の差異は、反復測定ANOVAによりp=0.0033で有意であり、post−hoc Scheffの試験では5および10日で有意な差異を示した。下右パネルはUTMDによりヘキソキナーゼIで、UTMDによりDsRed対照で、そして偽操作対照で処置したラットにおける血清グルコースレベルを示すグラフである。群の差異は、反復測定ANOVAによりp=0.0005で有意であり、post−hoc Scheffの試験では5および10日で有意な差異を示した。データは平均±1の標準偏差として表し、群あたりn=6(UTMDヘキソキナーゼ)、3(UTMD対照)および3(正常対照)のラットであった。 ラット心筋に由来する組織ホモジネート中のhVEGH165タンパク質の存在をイムノブロティングにより示す。hVEGH165と一致する主要バンドは、10日のUTMD−hVEGF165で処置した3匹のラットすべてに見られるが、対照ラット(UTMDのみ、hVEGF165プラスミドのみ、または食塩水)にはかすかなバンドかし見られない。陽性対照バンドも表す(+C)。 ラット心筋の組織ホモジネート中のヒトVEGF165mRNA(上パネル)およびラットVEGF165mRNA(下パネル)の存在のRT−PCRからの結果を示す。hVEGF165mRNAバンドは、5日(#1−3)および10日(#7−9)にUTMDで処置した3匹のラットで、30日(#13−15)にUTMDで処理した1匹のラット(#14)で見られるが、対照ラットでは見られない(#4−6、10−12、16−18)。表示する目的で、3つの各対照群から1匹のラットを時間ごとに示す。ラットVEGF165mRNAを標的としたバンドは(下パネル)、すべての実験ラットで見られる。 8a〜8dはUTMD処置から10日後の心筋の組織額切片である。8aは、心筋の細胞過多領域を示す低出力(100x)ヘマトキシリン−エオシン染色である。8bはVEGFの存在を確認する抗−VEGF抗体で染色された細胞過多領域の低出力(100X)画像である。細胞過多領域において:8cはBS−レクチンで染色された細胞過多領域の高出力画像(400X)である。赤い矢印は脈管形成と一致する毛細管内皮細胞中の主要な核を表す。また軽い炎症と一致する無秩序な心筋構造がある。8dは平滑筋α−アクチンで染色された細胞過多領域の高出力(400X)画像である。赤い矢印は新たな血管を覆う血管周囲細胞を指す。黄色い矢印は小動脈平滑筋細胞中の主要な核を指す。棒は100μmを示す。 処置後のラット心筋の毛細管密度の変化を示す組織学およびグラフの混成図である。上のパネルはBS−レクチンで染色された200Xの代表的切片を表す。対照の心筋(左パネル)に比べて、UTMD−VEGF処置心筋には毛細管密度の増加がある(右パネル)。下パネルはUTMD後の時間にわたり毛細管密度(レクチン+血管<10μm)に関する平均値を示すグラフである。毛細管密度の平均値は、すべての3回の時点ですべての対照で顕著に安定である。しかしUTMD−VEGF処置ラットでは、毛細管密度は5および10日で有意に増加する。誤差棒は1標準偏差を表す。 処置後のラット心筋の小動脈密度の変化を示す組織学およびグラフの混成図である。上のパネルは平滑筋α−レクチンで染色された100Xの代表的切片を表す。対照の心筋(左)に比べて、小動脈密度の増加がある(右)。下パネルはUTMD後の時間にわたり小動脈密度(平滑筋α−アクチン+血管>30μm)に関する平均値を示す。小動脈密度の平均値は、すべての3回の時点で対照に有意な差異がない。しかしUTMD−VEGF処置ラットでは、小動脈密度は5、10および30日で有意に増加する。誤差棒は1標準偏差を表す。

Claims (34)

  1. 1もしくは複数の有効成分を生体内に送達する方法であって:
    標的器官または組織を、1もしくは複数の有効成分を含んでなる前配合リポソームを含む中性に荷電した脂質のマイクロバブルを含んでなるマイクロバブルに内包された有効成分と接触させ;そして
    マイクロバブルを標的で超音波に暴露することにより標的で有効成分を選択的に放出し、ここで有効成分は標的で選択的に放出されるまでマイクロバブル中で保護されている、工程を含んでなる上記方法。
  2. 有効成分が組織特異的プロモーターの制御下に核酸セグメントを含んでなる請求項1に記載の方法。
  3. 有効成分が組織特異的プロモーターの制御下に組織特異的遺伝子を含んでなる核酸セグメントを含んでなる請求項1に記載の方法。
  4. 有効成分が活性化可能なプロモーターの制御下に核酸セグメントを含んでなる請求項1に記載の方法。
  5. 有効成分がアポトーシスを引き起こす遺伝子の発現を駆動する活性化可能なプロモーターの制御下に核酸セグメントを含んでなる請求項1に記載の方法。
  6. 有効成分が、ホルモン、増殖因子、酵素、アポリポタンパク質凝固因子、腫瘍サプレッサー、腫瘍抗原、ウイルスタンパク質、バクテリア表面タンパク質および寄生生物細胞表面タンパク質からなる群から選択される遺伝子をコードする核酸セグメントを含んでなる請求項1に記載の方法。
  7. マイクロバブルが製薬学的に許容され得る賦形剤中に配されている請求項1に記載の方法。
  8. 有効成分が、p53、p16、p21、MMAC1、p73、zacl、C−CAM、BRCAI、Rb、Harakiri、Ad E1 B、ICE−CED3プロテアーゼ、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、TNF、GMCSF、β−インターフェロン、γ−インターフェロン、VEGF、EGF、PDGF、CFTR、EGFR、VEGFR、IL−2受容体、エストロゲン受容体、Bcl−2もしくはBcl−xL、ras、myc、neu、raf、erb、src、fms、jun,trk、ret、gsp、hst、abl、p53、p16、p21、MMAC1、p73、zacl、BRCAI、BRCAII、Rb、成長ホルモン、神経成長因子、インスリン、副腎皮質刺激ホルモン、パラホルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体化ホルモンおよび甲状腺刺激ホルモンからなる群から選択される発現可能な遺伝子を含んでなる、請求項1に記載の方法。
  9. 有効成分が、CMV IE、LTR、SV40 IE、HSV tk、β−アクチン、インスリン、ヒトグロビンα、ヒトグロビンβおよびヒトグロビンγプロモーターからなる群から選択されるプロモーターおよびプロモーターの制御下の遺伝子を含んでなる、請求項1に記載の方法。
  10. 超音波がパルスおよび集束様式で適用される請求項1に記載の方法。
  11. 超音波がウルトラハーモニック様式で適用される請求項1に記載の方法。
  12. マイクロバブルが生分解性ポリマーを含んでなる請求項1に記載の方法。
  13. マイクロバブルが生物学的適合性の両親媒性物質を含んでなる請求項1に記載の方法。
  14. マイクロバブルが、生物学的に適合性のある両親媒性物質の外層および生分解性ポリマーの内層を含んでなる外殻を有するマイクロバブルを構成する請求項1に記載の方法。
  15. マイクロバブルの両親媒性物質がコラーゲン、ゼラチン、アルブミンまたはグロブリンから選択される、請求項1に記載の方法。
  16. 有効成分がインスリンプロモーターの制御下にヘキソキナーゼ遺伝子を含んでなる核酸ベクターを含んでなる、請求項1に記載の方法。
  17. 有効成分がRIPプロモーターの制御下にヘキソキナーゼ遺伝子Iを含んでなる核酸ベクターを含んでなる、請求項1に記載の方法。
  18. 有効成分がhVEGFタンパク質、hVEGFmRNA、またはhVEGFタンパク質およびhVEGFmRNAの両方を含んでなる核酸ベクターを含んでなる、請求項1に記載の方法。
  19. 有効成分がhVEGF165タンパク質、hVEGF165mRNA、またはhVEGF165タンパク質およびhVEGF165mRNAの両方を含んでなる核酸ベクターを含んでなる、請求項1に記載の方法。
  20. リポソームがプラスミドと混合された1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリンおよび1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルエタノールアミングリセロールを含んでなる、請求項1に記載の方法。
  21. 1もしくは複数の生物有効成分を含んでなるカチオン性リポソームを装填した中性に荷電した脂質のマイクロバブルを含んでなる有効量の組成物を哺乳動物に投与し、そして生物有効成分を超音波を使用して哺乳動物に放出することを含んでなる、そのような処置が必要な哺乳動物の処置法。
  22. 患者に製薬学的に許容されうる賦形剤中でマイクロバブルが提供され、そして超音波が送達部位に集束される請求項21に記載の方法。
  23. 中に予め集成したリポソーム−核酸複合体および約1個のマイクロバブルを含んでなる超音波標的型マイクロバブル破壊のための薬剤送達組成物。
  24. リポソーム−核酸複合体がカチオン性脂質、アニオン性脂質またはその混合物および組み合わせを含んでなる請求項23に記載の組成物。
  25. マイクロバブルが製薬学的に許容され得る賦形剤中に配されている請求項23に記載の組成物。
  26. 有効成分が、p53、p16、p21、MMAC1、p73、zacl、C−CAM、BRCAI、Rb、Harakiri、Ad E1 B、ICE−CED3プロテアーゼ
    、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、TNF、GMCSF、β−インターフェロン、γ−インターフェロン、VEGF、EGF、PDGF、CFTR、EGFR、VEGFR、IL−2受容体、エストロゲン受容体、Bcl−2もしくはBcl−xL、ras、myc、neu、raf、erb、src、fms、jun,trk、ret、gsp、hst、abl、p53、p16、p21、MMAC1、p73、zacl、BRCAI、BRCAII、Rb、成長ホルモン、神経成長因子、インスリン、副腎皮質刺激ホルモン、パラホルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体化ホルモンおよび甲状腺刺激ホルモンからなる群から選択される発現可能な遺伝子を含んでなる、請求項23に記載の組成物。
  27. 有効成分が、CMV IE、LTR、SV40 IE、HSV tk、β−アクチン、インスリン、ヒトグロビンα、ヒトグロビンβおよびヒトグロビンγプロモーターからなる群から選択されるプロモーターおよびプロモーターの制御下の遺伝子を含んでなる、請求項23に記載の組成物。
  28. 有効成分がインスリンプロモーターの制御下にヘキソキナーゼ遺伝子を含んでなる核酸ベクターを含んでなる、請求項23に記載の組成物。
  29. 有効成分がRIPプロモーターの制御下にヘキソキナーゼ遺伝子Iを含んでなる核酸ベクターを含んでなる、請求項23に記載の組成物。
  30. 有効成分がhVEGFタンパク質、hVEGFmRNA、またはhVEGFタンパク質およびhVEGFmRNAの両方を含んでなる核酸ベクターを含んでなる、請求項23に記載の組成物。
  31. 有効成分がhVEGF165タンパク質、hVEGF165mRNA、またはhVEGF165タンパク質およびhVEGF165mRNAの両方を含んでなる核酸ベクターを含んでなる、請求項23に記載の組成物。
  32. リポソームがプラスミドと混合された1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリンおよび1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルエタノールアミングリセロールを含んでなる、請求項23に記載の組成物。
  33. さらにコーティングを含んでなる請求項23に記載の組成物。
  34. さらに1もしくは複数の鉄剤を含んでなる請求項23に記載の組成物。
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