JP2008509224A - 炎症状態を治療するためのオリーブ組成物及び方法 - Google Patents

炎症状態を治療するためのオリーブ組成物及び方法 Download PDF

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Abstract

ヒドロキシチロソールに富む組成物で炎症状態を治療する方法。ホモシステイン又はC反応性タンパク質などのバイオマーカーのレベルの減少として、改善をモニターする。組成物は、バイオマーカーのレベルの低下をもたらすのに十分な量及び期間で投与することができる。

Description

地中海地方の食事の主要な脂肪成分であるオリーブ油は、冠動脈性心疾患(Owenら、Eur.J.Cancer、36巻、1235〜1247頁、2000年b;Parthasarathyら、PNAS USA、87巻、3894〜3898頁、1990年;Mattson及びGrundy、J.Lipid Res、26巻、194〜202頁、1985年)、並びにある種の癌(d’Amicis及びFarchi、「Advances in Nutrition and Cancer 2」、Zappiaら編集、67〜72頁、Kluwer Academic/Plenum Publishers、New York、1999年;Bragaら、Cancer、82巻、448〜453頁、1998年;Martin−Morenoら、Int.J.Cancer、58巻、774〜780頁、1994年)の発生率の低下と関連づけられていた。いくつかの研究機関は、オリーブ油のフェノール性のオレウロペイン及び他のファミリーメンバーを加水分解すると、化学的保護活性の強い小型のフェノール成分がもたらされることを報告している(Owenら、J.Can.Res.Clin.Onc、125巻、S31頁、2000年a;Mannaら、FEBS Letters、470巻、341〜344頁、2000年)。特にオリーブ油のフェノール性のヒドロキシチロソールは、低比重リポタンパク質(LDL)の酸化(Visioli及びGalli、Nutr Rev、56巻(5Pt1)142〜147頁、1998年)、血小板凝集(Petroniら、Thromb Res、78巻、151〜160頁、1995年)を防ぎ、5−及び12−リポキシゲナーゼを阻害する(de la Puertaら、Biochemical Pharmacology、57巻、445〜449頁、1999年;Kohyamaら、Biosci Biotechnol Biochem、61巻、347〜350頁、1997年)。ヒドロキシチロソールは、過酸化亜硝酸依存のDNA塩基修飾、及びチロシンのニトロ化に阻害作用を表すことも見出されており(Deianaら、Free Radic Biol Med、26巻、762〜769頁、1999年)、またヒトの様々な細胞システムで反応性酸素種により誘導される細胞毒性に対抗する(Mannaら、FEBS Letters、470巻、341〜344頁、2000年)。オリーブ油から得られたヒドロキシチロソール及びオレウロペインの、それぞれ単一の及びポリフェノールの使用は、皮膚の損傷の治療にさらに用いられてきた(Perricone、米国特許第6437004号)。バイオアベイラビリティーを評価する試験は、ヒドロキシチロソールは、経口摂取後、ヒトでは用量依存的に吸収されることを示している(Visioliら、FEBS Letters、468巻、159〜160頁、2000年)。オリーブ由来のフェノール類は、また、炎症又は炎症に関連する状態の治療について記載されている(Crea、米国特許公開第2004/0039066号A1)。最後に、オリーブ油に富む食事、及び調理された野菜は、関節リウマチの危険を低下させることがある(Linosら、Am J Clin Nutr、70巻(6)、1077〜1082頁、1999年)。
一態様では、ヒト対象における炎症状態を治療する方法を記載する。この方法は、(i)ヒドロキシチロソールに富む組成物を対象に投与するステップと、(ii)対象のホモシステインレベルの低下により対象における改善をモニターするステップと、(iv)少なくとも7.5%のホモシステインレベルにおける低下をもたらすのに十分な量及び期間で、ヒドロキシチロソールに富む組成物の投与を継続するステップとを含む。一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物のヒドロキシチロソール対オレウロペインの重量比は、約10:1と約100:1の間である。別の一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物は、純粋な、又は実質的に純粋なヒドロキシチロソールである。
一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物を経口投与する。一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物を、1日約5.4から10.8mgの間の全ポリフェノールを送達するのに有効な投与量で投与する。別の一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物を、1日約2.5から5mgの間のヒドロキシチロソールを送達するのに有効な投与量で投与する。
改善をモニターするステップは、対象のバイオマーカーの血漿、血清、及び/又は唾液のレベルをモニターすることを含んでもよい。一実施形態では、バイオマーカーはホモシステインである。この実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物を、治療前のレベルに対して少なくとも約12.5%のホモシステインの低下を達成するまで、ある投与量及び期間で投与することができる。炎症状態は、関節リウマチであってよく、この場合、ヒドロキシチロソールに富む組成物を、治療前のレベルに対して少なくとも約15%のホモシステインの低下を達成するまで投与する。別の一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物を、治療前のレベルに対して少なくとも約20%のホモシステインの低下を達成するまで投与する。さらに別の一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物を、ホモシステインレベルが正常又は実質的に正常になるまで投与する。
別の一実施形態では、炎症状態は血管疾患であり、治療前のレベルに対して少なくとも約20%のホモシステインの低下を達成するまでヒドロキシチロソールに富む組成物を投与する。
別の一態様では、ホモシステインレベルの上昇に関連する炎症疾患の危険にあるヒトにおけるホモシステインの血漿レベルを低下させるための方法を記載する。この方法は、(i)血漿ホモシステインレベルをホモシステインの正常範囲内に低下させるのに有効な量及び期間でヒドロキシチロソールに富む組成物をヒトに投与するステップを含む。一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物のヒドロキシチロソール対オレウロペインの重量比は、約10:1と約100:1の間である。別の一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物は純粋な、又は実質的に純粋なヒドロキシチロソールである。
一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物を経口投与する。一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物を、1日約2.5から5mgの間のヒドロキシチロソールを送達するのに有効な投与量で投与する。
ヒドロキシチロソールに富む組成物を、治療前のホモシステインのレベルに対して少なくとも約7.5%のホモシステインの低下を達成するまである投与量及び期間で投与することができる。
さらに別の一態様では、血漿ホモシステインレベルの上昇を有する患者における心臓血管疾患の危険を低下させるための方法は、患者の血漿ホモシステインレベルをホモシステインの正常範囲内に低下させるのに有効な量及び期間で、ヒドロキシチロソールに富む組成物を対象に投与するステップを含む。別の一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物を、治療前のホモシステインのレベルに対して少なくとも約7.5%のホモシステインの低下を達成するまで、ある投与量及び期間で投与する。
ヒドロキシチロソールに富む組成物では、ヒドロキシチロソール対オレウロペインの重量比が、約10:1と約100:1の間であることができる。
一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物を経口投与する。別の一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物を、1日約2.5から5mgの間のヒドロキシチロソールを送達するのに有効な投与量で投与する。
さらに別の一態様では、血漿C反応性タンパク質(CRP)のレベルの上昇を有する対象における心臓血管疾患の危険を低下させるための方法は、ヒドロキシチロソールに富む組成物を、患者のCRPレベルを正常範囲内に低下させるのに有効な投与量及び期間で対象に投与するステップを含む。
別の一態様は、炎症状態に関連する血漿ホモシステインレベルの上昇を有するヒト対象の集団から、ヒドロキシチロソールに富む組成物を経口投与することにより治療に最も大きな反応を示すであろう反応性の対象を同定する方法である。この方法には、(i)反応性の対象における血漿ホモシステインレベルを実質的に低下させるのに有効な投与量及び期間で、ヒドロキシチロソールに富む組成物を投与するステップと、(ii)対象のホモシステインレベルをモニターするステップと、(iii)対象のホモシステインレベルが正常範囲内に低下した場合に、対象を反応性の対象として同定するステップとを含む。
モニターするステップは、対象の血清、血漿、及び/又は唾液のホモシステインレベルをモニターすることを含むことができる。
さらなる一態様では、(i)ヒドロキシチロソールに富む組成物を対象に投与するステップと、(ii)対象のC反応性タンパク質(CRP)レベルの低下により、対象における改善をモニターするステップと、(iii)少なくとも50%のCRPレベルの低下をもたらすのに十分な量及び期間で前記投与するステップを継続するステップとを含む、ヒト対象における炎症状態を治療する方法を記載する。
一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物のヒドロキシチロソール対オレウロペインの重量比は、約10:1と約100:1の間である。別の一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物は、純粋な、又は実質的に純粋なヒドロキシチロソールである。
一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物を経口投与する。一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物を、1日約5.4から10.8mgの間の全ポリフェノールを送達するのに有効な投与量で投与する。別の一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物を、1日約2.5から5mgの間のヒドロキシチロソールを送達するのに有効な投与量で投与する。
改善をモニターするステップは、対象の血漿、血清、及び/又は唾液のCRPレベルをモニターすることを含むことができる。一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物を、治療前のレベルに対して少なくとも約75%のCRPの低下を達成するまで、ある投与量及び期間で投与することができる。
一実施形態では、状態は関節リウマチである。
本出願に引用するすべての出版物、特許、特許出願、又は他の参考文献は、個々の出版物、特許、特許出願、又は参考文献が、特に、且つ個々に、参照として組み入れられることを指摘するように、その全文が参照により本明細書に組み入れられる。
I.定義
別段の指摘がなければ、本明細書に用いられる用語はすべて、本発明の当業者にとっての意味と同じ意味を有する。記載されている特定の方法論、プロトコル、及び試薬は、変化することがあるので、本発明は、これらに限定されるものではないことを理解されたい。
用語「治療」は、患者、特にヒトにおける疾患若しくは状態の発症を阻害若しくは停止すること、疾患若しくは状態の後退をもたらすこと、又は、疾患若しくは状態に関連する症状を軽減することを意味する。用語「治療する」は、身体の状態の予防、或いは、一旦確立した発症した状態の改善及び/又は除去、或いはこのような状態の特徴的な症状の緩和を含む。
「経口」は、口による投与、或いは胃内投与を含めた胃又は小腸内への直接投与を含む、あらゆる経路を意味する。
「オレウロペイン」は、セコイリドイドグルコシドオレウロペイン(図1の構造II)を意味する。
「ヒドロキシチロソール」は、3,4−ジヒドロキシフェネチルアルコール(図1の構造VIII)を意図する。
本明細書で用いる用語「有効量」は、炎症反応を受けやすい対象又は炎症反応に罹患している対象に投与した後、このような対象を予防又は治療するのに必要な物質の量を表す。この用語はさらに、バイオマーカーの血漿、血清、及び/又は唾液のレベルを変更するのに必要なヒドロキシチロソールに富む組成物の量を表す。有効化合物は、広い投与量範囲にわたり有効であることができる。実際に投与する化合物の量は、治療すべき状態、年齢、体重、及び個々の患者の反応、患者の症状の重症度、及び選択した投与経路を含めた、関連した状況を考慮して医師が決定することが理解されよう。
本明細書で用いる用語「実質的に精製した」は、その天然の環境から取り除き、単離し、又は分離した化合物又は化合物類を意味し、それらが天然に伴う他の化合物が、少なくとも60%含まず、好ましくは75%含まず、より好ましくは85%含まず、さらにより好ましくは90%含まず、なおより好ましくは95%含まず、最も好ましくは99%含まない。
略語:IL6:インターロイキン−6、IL8:インターロイキン−8、IL2:インターロイキン−2、IL1β:インターロイキン−1β、MMP:マトリックスメタロプロテイナーゼ、TIMP:メタロプロテイナーゼの組織阻害剤、HA:ヒアルロナン、COMP:軟骨オリゴマーマトリックス(oligomatrix)タンパク質、CRP:C反応性タンパク質、関節リウマチ:RA、骨関節炎:OA
II.方法
A.ヒドロキシチロソールに富む組成物
一態様では、本発明は、炎症状態を治療するためのバイオマーカーの血漿、血清、及び/又は唾液のレベルを変更するのに効果的な組成物を提供する。別の一態様では、本発明は、心臓血管疾患の危険を低下させるためのバイオマーカーのレベルを変更するのに有効な組成物を提供する。
ヒドロキシチロソールに富む組成物は、当業者には周知の方法により、合成し、抽出し、及び/又は精製することができる。好ましい一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物を、オリーブからの果汁水分から得る。
1.果汁水分からのヒドロキシチロソールに富む組成物の生成
オリーブパルプの水性分画から生成されたヒドロキシチロソールに富む組成物は、ポリフェノール類が高レベルである天然の抗酸化剤として記載されている(Quilesら、2002年)。
従来、オリーブ油生成は、種を含むオリーブを破砕して濃厚なペーストを生成することを伴う。この手順の間中、破砕されたオリーブは水で絶えず洗浄され、この過程は「練和」(malaxation)として知られている。次いで、ペーストを機械的に圧搾して油分を絞り出す。オリーブ油を提供する他に、圧搾によりペーストの水分も絞り出す。このような洗浄及び圧搾のステップにより、「果汁水分」と呼ばれるかなりの量の水が生じる。
オリーブの種も果肉も、水溶性のフェノール性化合物が豊富である。このような化合物は、これらの分配係数にしたがって練和の間中オリーブから抽出され、最終的に果汁水分中にある。これは、オリーブ果肉で生成されるオレウロペイン及びその誘導体などの様々なフェノール性化合物を、果汁水分中に豊富に見ることができる理由の説明となっている。同様に、オリーブの種で生成されるチロソール及びその誘導体などの数々のモノフェノール性の化合物も、果汁水分中に豊富に見ることができる。
オリーブの果汁水分からのヒドロキシチロソールに富む組成物は、酸を加えて果汁水分を安定化することにより調製することができ、この場合、発酵を防ぐというさらなる利点もある。このやり方で、果汁水分におけるオレウロペインの少なくとも一部分がヒドロキシチロソールに変換される(Crea、米国特許第6416808号、及び関連の米国公開第2003/0108651号)。
オリーブは、栽培者などの、従来の、及び/又は市販の供給源から得ることができる。好ましくは、果汁水分を、種を取り除いたオリーブから得る。オリーブにおける種はチロソールを含むが、チロソールは、果汁水分では一般的には望ましくない成分であり、さらに下記に記載するヒドロキシチロソールに富む組成物に関して記載する酸処理によって、認め得るほどに破壊することができない。種は、以下に記載するように手動で、又は自動化したやり方で果肉から分離することができる。種は、好ましくは、このような手段は種を破壊しないで隔離することができなければならず、そうでなければ果汁水分におけるチロソールの濃度をより高くすることがあり得る。別の一実施形態では、果汁水分を、種を取り除いていないオリーブから得る。
果汁水分を生成するために、オリーブからのオリーブ果肉を最初に圧搾して、オリーブ油、果汁水分、及び固体の副生成物を含む液相の混合物を得る。その後、果汁水分を、残りの液相混合物から分離し、回収する。果汁水分を得る例示の方法は、共同所有の米国特許出願第6165475号、及び第6197308号に記載されており、その両方とも、その全文が参照として本明細書に明確に組み入れられる。
商業生産の目的では、本発明の様々な態様を自動化することが望ましいことがある。この点に関しては、一実施形態が、各々がFinchらに対し、その各々が本明細書に参照として明確に組み入れられる米国特許第4452744号、第4522119号、及び第4370274号に開示されている装置の使用を企図している。手短に述べると、Finchらは、オリーブからオリーブ油を回収するための装置を教示している。最初に、オリーブからオリーブの種を分離するパルパーにオリーブを送って、種のないオリーブの食用部を得る。次いで、食用部を、油、水、及びより少ない割合のオリーブ果肉を含む液相を取り除くのに十分な抽出圧力に食用部をかける抽出スクリューによって食用部を取り込む。液相を容器中に回収し、次いで、果肉を液相から分離する浄化遠心機に送り、オリーブ油と果汁水分を含む混合物を得る。精製用遠心機を用いて、混合物から、果汁水分とわずかな割合の固体物質を分離することができる。
本発明を実践するのに用いることができるさらなるデバイスは、イタリア特許第1276576号、及び第1278025号に開示されており、その各々が参照として本明細書に明確に組み入れられる。上記のように、これらのデバイスを用いて、果肉を種から分離し、その後、破砕されたオリーブ果肉を油、水、及び固体残留物に処理加工することができる。
上記に記載したように、果汁水分は、水溶性のフェノール性化合物に富む。オリーブ果肉抽出物は、約6〜9%の全フェノール性化合物を含む。オリーブ油で検出されるフェノール性化合物、及びそれらの前駆物質の構造を、図1に示す。リグストロサイド(ligstroside)(I)、オレウロペイングルコシド(II)、リグストロサイドのアグリコン(III)、オレウロペイングルコシドのアグリコン(IV)、カルボキシメチル基を欠くリグストロサイドアグリコンのジアルデヒド形態(V)、カルボキシメチル基を欠くオレウロペイングルコシドのアグリコンのジアルデヒド形態(VI)、チロソール(VII)、及びヒドロキシチロソール(VIII)。ヒドロキシチロソールは、通常、オリーブ果肉固体抽出物に、約40〜50%の全フェノール性化合物を含む。組成物は、1つの、いくつかの、又はすべてのフェノール性組成物を、様々な割合で含むことができることが理解されよう。果汁水分組成物は、任意の組合せのフェノール性化合物を、望ましい量、及び/又は割合で含むように配合することができることが、さらに理解されよう。
好ましくは、果汁水分に含まれる少なくとも1部分のオレウロペインをヒドロキシチロソールに変換して、ヒドロキシチロソールに富む組成物を調製する。一実施形態では、共同所有の米国特許第6416808号、及び米国特許出願第2003/0108651号に記載されているように、酸を加えることにより果汁水分のpHを低下させることができ、オレウロペインのヒドロキシチロソールへの酸加水分解を促進する条件下で果汁水分をインキュベートする。次いで、サンプルを分留又は抽出して、他の化合物からヒドロキシチロソールを分離することができる。
果汁水分に酸を加えて、好ましくはpHを1と5の間に調節し、より好ましくはpHを2と4の間に調節する。好ましくは、クエン酸を用いて果汁水分のpHを調節する。固体のクエン酸を加えることができ、果汁水分約1000リットルにつき約10から20kgの酸の量で絶えず撹拌する。得られた溶液のpHをモニターすることができ、さらなる酸の添加などによりpHを調節して望ましいpHを達成し維持することができる。
他の実施形態では、酸は、クエン酸以外の有機酸又は無機酸であることができる。例示的な酸には、硫酸、硝酸、塩酸、及びリン酸を含む鉱酸として知られている無機物質が含まれる。さらなる例示の酸は、カルボキシル酸、スルホン酸、及びフェノール(ベンジル)グループに属する有機化合物である。
一実施形態では、ヒドロキシチロソールが、オレウロペイン及びヒドロキシチロソールの全組合せの約75〜90%を構成するまで、混合物をインキュベートする。別の一実施形態では、オリジナルの混合物における実質的にすべてのオレウロペインがヒドロキシチロソールに変換される。
2.精製
オレウロペインをヒドロキシチロソールに変換した後、インキュベートした果汁水分を、当技術分野で知られているあらゆる適切な方法により、精製し、又は分留することができる。分留の例示的な方法には、酢酸エチルなどの有機溶剤との分配、ゲルクロマトグラフィー及び高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を含むクロマトグラフィー法、又は二酸化炭素などの超臨界の液体での液体抽出が含まれる。他の実施形態では、超臨界の液体は、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、エテン、プロペン、ヒドロフルオロカーボン、テトラフルオロメタン、クロロジフルオロメタン、一酸化二窒素、六フッ化イオウ、アンモニア、及び塩化メチルから選択される。2つ以上の超臨界の液体を組み合わせて使用できることが理解されよう。
超臨界の液体で抽出する前に、果汁水分は、溶液に添加した、マルトデキストラン及び/又はポリプロピレンのビーズなどの担体を有することができる。上記に記載したように、本発明にしたがって、さらなる精製方法も用いることができる。ヒドロキシチロソールのHPLC単離は、Ficarraら、Farmaco、46巻、803〜815頁、1991年;Romaniら、J Agric Food Chem、47巻、964〜967頁、1999年;及びTsimidou、Food Chem、44巻、53〜60頁、1992年に記載されており、その各々が本明細書に参照として明確に組み入れられる。
別の一実施形態では、所望のポリフェノールの抽出又は精製の前又は後に、溶液を乾燥することができる。乾燥のステップにより、好ましくは少なくとも約90%、より好ましくは少なくとも約95%、さらにより好ましくは少なくとも約98%の水分を果汁水分から除去する。
一実施形態では、果汁水分を上記に記載したように得、酸性化して、低分子量の単一のフェノール及びポリフェノール、特にヒドロキシチロソールに富む溶液を提供する。好ましい一実施形態では、果汁水分は、他の成分の存在なしに、選択的にヒドロキシチロソールを濃縮する。このようにして、主要なポリフェノール成分であるヒドロキシチロソールを、果汁水分に含まれているポリフェノールのファミリーの他のメンバー、不純物、懸濁した固体、タンニン、及び他の分子から、単離し、又は濃縮する。
さらに別の一実施形態では、組成物は、純粋な、又は実質的に純粋なヒドロキシチロソールからなる。
B.治療
さらに以下に記載するように、一態様では、ヒドロキシチロソールに富む組成物は、ヒト対象における炎症状態を治療する方法に有用であり、その結果、組成物の投与が、血漿、血清、及び/又は唾液の1つ又は複数のバイオマーカーのレベルにおける変化をもたらす。適切なバイオマーカーには、それだけには限定されない、サイトカイン、MMP、C反応性タンパク質、及び/又はホモシステインが含まれる。バイオマーカーのレベルにおける変更は、マーカーに基づいて低下又は上昇であることができることが理解されよう。血漿、血清、及び/又は唾液のレベルの測定は、さらに実施例1に記載した通りに、及び/又は当技術分野では周知の方法によることができる。
一実施形態では、炎症状態は関節炎である。関節炎は、身体の骨関節の健康に影響を及ぼす一群の炎症状態である。米国では成人5人当たり1人が、何らかの形態の関節炎に罹患している(Vital Health Stat、10巻(222)、2004年)。最近の統計では、18〜44歳のヒトの7.9%(850万人)、45〜64歳のヒトの28.8%(1850万人)、及び65歳以上のヒトの47.8%(1570万人)が、医師が診断した関節炎を報告していることが示されている(MMWR、54巻(5)、119〜123巻、2005年)。
関節炎疾患には、関節リウマチ(RA)、骨関節炎(OA)、若年性関節炎、乾癬性関節炎、ライター症候群、及び狼瘡を含めて100以上の型が存在する。関節炎疾患の原因は様々であり、関節リウマチ及び乾癬性関節炎などの自己免疫疾患、化膿性関節炎などの関節の炎症、より一般的な骨関節炎、即ち変形性関節疾患が含まれる。関節炎は、主に、高齢の個体に罹患する疾患であるが、16歳未満の子供の約1000人に1人が関節炎に罹患しているので、単なる成人の疾患ではない(www.arthritis.ca)。多くの関節炎疾患における一般的な症状は、関節の炎症である。
最近10年にわたり、オリーブ油に由来するポリフェノールの抗酸化特性に、多くの関心が寄せられている。ポリフェノールは、炎症性の障害、及びストレス関連障害に対する酸素フリーラジカルの有害な作用を低減するのに有益であるということを示唆する価値ある文献がある(Carluccioら、2003年)。
1.関節リウマチ
関節リウマチ(RA)は、滑膜又は関節を裏打ちする組織が炎症を起こす自己免疫疾患であり、滑膜炎と呼ばれる。時が経つにつれて、この炎症は関節組織を破壊し、身体障害をもたらすことがある(www.webmd.com)。関節リウマチは、最も重症で身体障害性の型の関節炎の1つであると、一般的に考えられている。関節リウマチには、男性よりも女性が罹患することが多い、というのは、関節リウマチの70%は女性に生じ(www.arthritis.org)、40歳と60歳の間に始まることが多い(www.webmd.com)からである。
関節リウマチの原因は、未だ完全に理解されていない。関節リウマチを発症する遺伝的な素因が存在するようであるが、細菌感染、ウィルス感染、又は他の外来物質が免疫反応を引き起こす可能性がある。
異常な免疫反応が、関節を裏打ちする組織の炎症の進行、軟骨の破壊、並びに関節を支持している靭帯及び腱の弛みを引き起こす。炎症が進行すると、また、滑膜の、パンヌスと呼ばれる、厚く、異常な組織への成長を引き起こす。これらの過程は、関節、靭帯、及び腱を取り囲む、根底をなす骨である軟骨の破壊をもたらし、ついには関節の変形を引き起こすことがある。
関節リウマチを診断するために用いられる実験室の試験は、1つもない。その代わりに、関節リウマチは、通常、症状に基づいて、また同様の症状を引き起こすことがある他の疾患を除外することにより診断される(www.webmd.com)。
2.骨関節炎
骨関節炎(OA)は、関節における軟骨の疾患である。骨関節炎は、通常軟骨により分離されている骨が相互にこすれあうまで、軟骨の進行性の破壊をおこす。これは、組織、及び根底をなす骨に損傷をもたらし、これが骨関節炎の苦痛のある関節の症状を引き起こす。
骨関節炎は、最も一般的な形態の関節炎であり、高齢の成人における疼痛及び身体障害の主な原因である。これには、指、股関節、膝、足、又は脊椎の関節が罹患することが最も多い。骨関節炎は、通常、関節リウマチなどの他のタイプの関節炎よりも、炎症を引き起こすことが少ない。
骨関節炎は、生成され得るよりも速い破壊を引き起こす、軟骨における化学的変化に起因する。ほとんどの場合では、この軟骨の破壊の原因は知られていない。いくつかの場合では、別の状態の結果として、2次性の骨関節炎が発症することがある(www.webmd.com)。
骨関節炎には治療法がないが、多くの人は投薬及び生活様式の変化でその症状を管理することができる。少数の人では、摩耗した関節を置換し、又は融合するための外科手術を必要とするほど、骨関節炎が非常に重症になる。
関節リウマチ及び骨関節炎には、いくつかの共通の病理学的特徴がある。炎症は、両疾患で結果として起こる軟骨及び骨の損傷のきっかけとなるが、OAの場合には、炎症は他の開始因子に2次的であると考えられている(Quilesら、2002年、Carluccioら、2003年、Leenenら、2002年、Mannaら、1997年)。炎症は、その基質に細胞外マトリックスを構成するコラーゲン、プロテオグリカン、及び他の非コラーゲンタンパク質を含む多くの軟骨の構造タンパク質が含まれるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)を含めた、多くのタンパク質分解性の酵素の過剰発現を誘発することは十分に支持されている(Kanekoら、2000年、Sakitoら、1995年、Duff、1994年)。他の炎症化合物の中で、炎症誘発性のサイトカイン、特にIL−1β及びTNF−αは、関節の軟骨細胞、滑膜細胞、及び線維芽細胞を刺激してMMPの発現及び活性を上方制御するのに重要な役割を果たしていることを、多くの報告が示している。OA患者もRA患者も、罹患している関節の滑液では、いくつかのMMP及び炎症誘発性のサイトカインのレベルが上昇している。MMP及びサイトカインの血漿レベルの上昇は、RA罹患者で、またOA患者でもある程度、報告されている。関節炎患者の血漿及び滑液におけるこれらの化合物の測定は、これらの疾患の診断及び予後診断で使用するための可能なバイオマーカーとして検討されている。
一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物は、関節炎の症状を治療し、又は改善するのに有用である。別の一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物は、関節炎に関連する炎症を低減するのに有用である。
理論によって拘泥されることはないが、ヒドロキシチロソールに富む組成物は、(1)炎症誘発性サイトカインの阻害により、且つ抗炎症性のサイトカインの刺激により疼痛及び炎症を直接低減し、且つ/又は(2)ホルモンの変化により、特にコルチゾール及びプロラクチンの血漿レベルにおける変化を引き起こすことにより間接的に作用することにより、疾患活動性を低減するように作用することがあると仮定されている。
実施例1に表した結果から示されるように、バイオマーカーにおける低下により測定されるように、ヒドロキシチロソールに富む組成物は疾患活動性を低減するのに著しい効果があった。バイオマーカーのレベルは、本明細書に記載した方法、及び/又は当技術分野で周知の方法により、血漿、血清、及び/又は唾液から決定することができる。
一実施形態では、バイオマーカーはホモシステインである。好ましくは、ヒドロキシチロソールに富む組成物は、血漿ホモシステインレベルを、少なくとも7.5%、12.5%、15%、又は20%低下させるのに有用である。別の一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物は、血漿ホモシステインレベルを正常レベルに、又は正常レベル未満に低下させるのに有用である。
別の一実施形態では、バイオマーカーは、炎症のマーカーであるC反応性タンパク質(CRP)である。好ましくは、ヒドロキシチロソールに富む組成物は、血漿CRPレベルを少なくとも50%低下させるのに有用である。別の一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物は、血漿CRPレベルを少なくとも63又は65%低下させるのに有用である。別の一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物は、血漿CRPレベルを正常レベルに、又は正常レベル未満に低下させるのに有用である。
しばしば、サプリメント又は治療の効果の最も強力なデータ、又は最も関連のある尺度は、HAQ(健康評価質問票)における変化により測定される。HAQは、関節リウマチ及び他の疾患における臨床試験の結果の尺度として頻繁に用いられる。HAQは、質問票により、日常生活の身体機能を行う際に患者が経験する困難の度合いを決定するものである。これには、着衣、摂食、起床、歩行、衛生、把握、及び伸びに対するデータが含まれている。これは最初の自己申告の機能の状態(身体障害)の尺度の1つであり、成功した加齢、骨関節炎に対する危険因子モデルの発症を予想するのに、また、関節リウマチ患者における死亡の危険性を調べるのに広く用いられている。
表4に見られるように、ヒドロキシチロソールに富む組成物を摂取する患者はすべて、日常の生活の活動において著しい改善を報告し、可動性における改善などを指摘した。このデータは、HAQスコアにおける改善によって指摘される日常生活の活動における変化を特に示している。表5及び6に見られるように、ヒドロキシチロソールに富む群とプラセボ群の間のHAQスコアの差は、同じまま、悪くなった、又は改善を示した各群におけるパーセント値により比較した。これらの結果は、文献で確立されたように、医師が注目し、患者のライフスタイルにおける実質的な変化をもたらす量(>0.22)の改善を示している。ヒドロキシチロソールに富む群のヒトの55%が生活の質の変化がよくなったと報告しているのに対し、プラセボ群では38%であったことを、結果は指摘している。ヒドロキシチロソールに富む群の37%が、>0.22の量において改善を示したが、プラセボ群では29%だけしかこの変化を示さなかった。この分析は、ヒドロキシチロソールに富む組成物は、関節炎の患者に有効であることを示している。
HAQスコアにおけるこれらの低下は、統計学的有意性(p<.05)及び臨床的有意性、即ちHAQスコアにおける>.20の変化を示すものである。ヒドロキシチロソールに富む組成物の投与量は1日当たり4カプセルが適量であり、試験自体は2カ月という期間で比較的短かったことを考慮すると、これらの変化は特に意義深い。
この結果は、ヒドロキシチロソールに富む治療群対プラセボ治療群における対象の自己評価における、統計学的に有意な改善(p=0.0085)も示している。表5及び6に見られるように、HAQ応答における差は、疾患の診断(OA対RA)に強力に依存している。OA対象はRA対象よりも、そのHAQスコアにおいて3.16倍の改善に性向を有していた(p=0.047)。OA患者は、疾患活動性において統計学的に有意な改善を示した。さらに、8週目までに、〜40%の患者は少なくとも>75%の改善を報告し、〜90%の患者は少なくとも>20%の改善を報告した。
HAQにおいて、.22又はそれを超える絶対的変化は、臨床的に関連があると医師が注目する身体障害における変化を表すので、>20%のHAQスコアの変化は注目に値する。RAを有するさらなる患者は、機能状態における差として.22又はそれを超える変化を認知する(Kosinskiら、2000年)。
ヒドロキシチロソールに富む治療の対象でのHAQスコアにおける改善は、RA対象よりもOA対象で、より明らかだった。これは、RAが、OAとは対照的に自己免疫疾患であり、OAは関節に局在化した疾患活動性(炎症)をもたらす関節の損傷の結果であることが多いという事実によることができる。ヒドロキシチロソール組成物が免疫機能の刺激物質である場合は、RA患者における疾患活動性は低減しないが、ヒドロキシチロソールに富む組成物は炎症及び疼痛を低減する作用を有することが可能である。この結果が示唆しているのは、炎症などに関連する関節にはより特異的な経路に関与する作用機序があることがあるということである。
気分プロフィール検査(POMS)は、怒り、混乱、抑うつ、疲労、活気、及び緊張を測定することにより、個体の現在の感情の状態を決定するものである。対象は、6領域に関連する60語の無作為のリストに対して自分の感情を0(まったくそうでない)から4(大変そうである)に評価するよう求められる。結果は、気分の状態を決定する各6領域におけるスコアに対して総計される。
図2に見られるように、全対象に対するPOMSの比較を行って、週ごとの対象の全体的な気分を評価した。下記に示すように、最初は全対象が、異常に高い障害スコア(約7)を有し、これは怒り及び緊張の測定値である。このスコアは、2週目に約3に低減され(定常状態)、研究の残りの間は0又は0未満であった。
最初の訪問の間の対象における高度な障害は、おそらく、新しい環境、並びに新しい場所に行き、新しい人々と新しい環境などで新しい研究に参加することの不確実さ及び不安によるものであった。これを制御するために、対象のデータを時間V2(治療1週間後)とV5(治療8週間後)との間で比べて、気分の変動に困惑しなかった対象における変化の尺度を得た。3つの従属変数に対する結果を、時間V2対時間V5の比較に基づいて計算した。これらの比較に対して対応のあるt検定を用いて、訪問2(1週間後)と訪問5(サプリメントの8週間後)との間の変化を評価した。対応のあるt検定を用いることにより、各個体を各自の対照として用いて、経時の変化を評価した。疾患の重傷度、薬物投与、ライフスタイル、社会的支援、食事、及び運動など、疾患活動性に影響を及ぼすことがある数々の変数を考慮すると、各自の対照として個体を用いることは、これらの変動の影響を制限する助けとなることができる。
2つの独立した尺度(HAQ及び医師の評価)により示されるように、時間をまたがる疾患活動性における著しい改善(対応のあるt検定により測定して)が、ヒドロキシチロソールに富む組成物を摂取した群に観察されたが、プラセボを摂取した群には観察されなかった。図3に見られるように、医師の疾患の評価は、プラセボを摂取した患者で約18%だったのに比べて、有効成分を摂取した患者で少なくとも25%低下した。
実施例1に示した結果は、ヒドロキシチロソールに富むものは、未だに同定されていないが、ある機序により、疼痛及び炎症を低減するように働き、骨関節炎及び関節リウマチの患者の可動性及び活動を増大するように働くことを示している。
図3は、2回目の訪問(V2)及び5回目の訪問(V5)における医師の疾患の評価に対するスコアを、プラセボ及びコントロール群における個体に対する平均+/−標準誤差で示している。評価には、疼痛、運動、及び関節の腫脹、罹患した関節の数、及び関節炎の重症度などの因子の評価が含まれている。時間V2対時間V5における個々のスコアを比べる対応のあるt検定は、ヒドロキシチロソールに富む群のスコアで有意な低下(p<.049)を示すが、プラセボ群では有意な変化はなかったこと(スコアにおける約18%の減少)を示している。OA患者もRA患者も分析に含まれている。これは、医師の疾患活動性の評価により測定して、ヒドロキシチロソールに富む群では、時間2から時間5ではスコアに有意な低下があることを示しており、医師による測定でヒドロキシチロソールに富む組成物の疾患活動性を低減する効果を指摘している。結果は、疾患活動性における少なくとも15%から36%の低減を示しており、さらなる実施形態では疾患活動性に23〜25%の低減を示している。
図4に見られるように、日周期性のコルチゾールレベルのプロファイルは、V1(◆)及びV5(■)の間で類似していた。両プロファイルとも、目覚めから約30分でコルチゾールが上昇し、起床から約9時間までにコルチゾールレベルが低下し、コルチゾールレベルは約0.5〜1μg/dlで安定化したことを示している。
上記に記載したように、一実施形態ではバイオマーカーはホモシステインであり、この場合、炎症状態を治療する上での改善はモニターされ、ホモシステインレベルを低下させるのに有効である。ホモシステインは、タンパク質の形成に関与しない含硫アミノ酸である。それよりも、これは2つの異なる代謝経路、即ち、メチオニンの形成に関与する経路、及びシスタチオニン(ホモシステインとセリンとの縮合物)をシステインとa−ケトブチレートとに変換する経路の有効成分である。
図6に見られるように、ホモシステインレベルは、訪問1から訪問5までの値の比較より分かるように、ヒドロキシチロソールに富む組成物を摂取した群における関節リウマチ患者で有意に低下した(p<.015)。これらの試験では、ホモシステインレベルは、ヒドロキシチロソールに富む組成物で治療したRA患者対プラセボで治療したRA患者において有意に低下した。図に見られるように、RA患者におけるホモシステインレベルはヒドロキシチロソールに富む治療群では約7.5%から20%に低下し、具体的には12.5%及び15%であった。一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物は、血漿及び/又は唾液のレベルを正常範囲内に低下させるのに有効である。正常範囲は変化することがあるが、1リットル当たり4〜17マイクロモル(μmol/l)が、正常範囲内であると一般的に考えられている(www.webmd.com)
ホモシステインの血漿レベルの上昇は血管疾患と関連しており、ホモシステインは様々な心臓血管疾患及び脳血管疾患の独立した危険因子として記載されている。さらに、血中のホモシステインレベルの上昇は、血管におけるプラークの増強を促進することがあり、これはアテローム性動脈硬化、及びそれに続く冠状動脈疾患の危険性を増大させる。ホモシステインレベルが上昇すると、血管の裏打ちを損傷することもあり、これは凝血の形成をもたらすことがあり、これらは、今度は、脳卒中、心臓発作(心筋梗塞)、及び肺塞栓症の危険性を増大することがある。また、ホモシステインレベルが上昇すると、脚の深部の静脈における凝血の形成を促進することがある(深部静脈血栓症、即ちDVTと呼ばれる)。(www.webmd.com.)。ホモシステインは、次にNOを消費して過酸化亜硝酸を形成するスーパーオキシドラジカルを生成する、そのスルフヒドリル基の自己酸化に関与する、血管に対する酸化ストレス作用を有すると考えられている。したがって、血漿のホモシステインレベルを低下させると、ホモシステインレベルの上昇に関連する心臓血管疾患の危険性を低減させる。
別の一実施形態では、バイオマーカーはC反応性タンパク質(CRP)である。CRPは、CRPレベルが全身性の炎症で上昇する場合の急性期の反応物のクラスのメンバーである。CRP値の測定及び記録は、疾患の進行又は治療の有効性を決定するのに用いられており、CRPは炎症のマーカーと考えられている。CRPは心臓疾患で役割を担っていること、及びCRPのレベルは心臓血管の危険性とともに上昇することがさらに最近見出されている(Abbateら、Semin Vasc Med、2003年)。CRPレベルの上昇は、心臓発作の危険性を3倍増大させることと関連していたことも、さらに示されている(医師の健康調査臨床試験((Physicians Health Study clinical trial))。CRPのベースレベルの上昇した患者は、高血圧及び心臓血管疾患の危険性が上昇している。心臓血管の健康に関連するCRPレベルは、「高感度」CRP(hs−CRP)血液試験で一般的に測定する。これは、低レベルのCRPをより優れた正確さで測定するようにデザインされている自動化された血液試験であり、これにより医師は心臓血管の危険性を評価することができる。低リスクの範囲は、<1mg/Lであると一般的に考えられている(www.wikipedia.com)。CRPの正常値は検査室によって異なるが、一般的には血中に検出可能なCRPがほとんどないか、又はまったく存在しないことである(hs−CRP試験で、0.6mg/dL未満)(www.nlm.nih.gov)。hs−CRP試験で測定したCRPレベルが1.0と3.0mg/Lの間であれば、心臓血管の危険性の平均的な範囲であるとみなされる。レベルが3.0mg/Lを超えると(hs−CRPにより)、患者の心臓血管の危険性は高いと考えられる(www.americanheart.com)。血清CRPの正常レベルは、一般のCRP血液試験により測定して、10mg/L未満である。ほとんどの感染症及び炎症では、CRP血液試験により測定して100mg/Lを超えるCRPレベルとなる。したがって、血漿CRPレベルを低下させれば、CRPレベルの上昇に関連する心臓血管疾患の危険性を低下させる。
実施例1に記載するように、CRPレベルは、ヒドロキシチロソールに富む組成物で治療したRA患者対プラセボで治療したRA患者で著しく低下した。図5に見られるように、RA患者におけるCRPレベルは、ヒドロキシチロソールに富む治療群で約50%から63%に低下した。対象のOA及びRAサブグループを分析すると、CRPレベルにおける著しい差は、ヒドロキシチロソールに富む組成物に起因することが指摘される。CRPレベルは、最初RA患者、並びにその診療記録及びその疾患歴に基づいて大きな心臓血管疾患の兆候のある個体で、最も高かった。
炎症誘発性のサイトカイン及び抗炎症性のサイトカイン、並びにメタロプロテイナーゼにおける変化を、可能なバイオマーカーとして、また、ヒドロキシチロソールに富む組成物の作用機序を同定するために、さらに試験した。表8及び9に見られるように、これらのマーカーを、試験参加者のサブグループで測定した。データを検討し、HAQで最も著しい変化を示した対象の群を選択した。これらを試験における「反応者」と決定し、これらの対象からのサンプルを用いて、ヒドロキシチロソールに富む組成物の作用の尺度として炎症誘発性のマーカー及び抗炎症マーカーを探索した。
サイトカインを評価して、炎症誘発性のサイトカインと抗炎症サイトカインとのバランスの変化を決定した。サイトカインは以下にさらに記載するように、ELISA又はLUMINEXシステムを用いて測定した。血漿におけるサイトカインの値は比較的低かったが、RA患者では、その根底にある自己免疫疾患を反映してより高かった。時間2を時間5と比べて、ANOVAを使用して、また対応のあるt検定分析により決定すると、サイトカインにおける有意な変化は存在しなかった(表9)。しかし、サイトカインにおける変化の検出は、血漿におけるレベルが低いこと、及びアッセイの感度の限界により妨げられることがある。
軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質(COMP)は、文献では炎症の疾患活動性と関連することが示されているので、COMPの血漿レベルの変化を評価した。COMPは、プラセボでもヒドロキシチロソールに富む群でもいくぶん低下したが、どちらの群でも著しく低下しなかった。
ヒドロキシチロソールに富む組成物の可能な作用機序を決定するために、HAの血漿レベルを測定したが、表7に見られるように、時間2から5に著しい効果又は変化があったことは指摘されなかった。
マトリックスメタロプロテイナーゼ即ちMMPは、その潜在の、前酵素の形態で細胞から分泌され、様々なマトリックスタンパク質の分解に関与する、Ca2+によって活性化される亜鉛結合性タンパク質である。MMPは、RAの病原性に関連づけられている。RA患者の滑液及び血清の両方で、MMP3及びMMP1のレベルの上昇が見出されている。実施例1に記載するように、MMP2、MMP3、及びMMP9の血漿レベルをELISAにより評価し、図7に結果を示す。
プラセボ治療群ではMMP2レベルでもMMP3レベルでも、ヒドロキシチロソールに富む治療患者には観察されなかった上昇があった。さらに、プラセボ治療群では、OA患者でもRA患者でも、時間2から時間5にMMP1の上昇があった。ヒドロキシチロソールに富む治療群では、OA患者でMMP1の低下が、RA患者ではわずかな上昇があった。
MMP9では、観察されたレベルはアッセイの感度に近かったこと、及びELISAアッセイは酵素の前酵素型と活性型を区別しないことを留意すべきであり、したがって、これらの結果から、患者は活性型をより多く摂取したのかより少なく摂取したのか、したがってより病原性のある状態にあるかを決定することはできない。
活性型にのみ結合するMMPの特異的阻害剤である、メタロプロテイナーゼの組織阻害剤(TIMP)レベルも、評価した。RA患者の滑液及び血清でTIMP−1レベルが上昇することは、文献に記載されている(Giannelliら、Clin Exp Rheumatol、2004年、22巻(3)、335〜338頁)。しかし、記載されているように、TIMPの活性型MMP酵素に対する比率は、病原性の予測に決定的であると思われる。
TIMP−1レベルは、プラセボ治療群ではわずかな低下が観察され、又はまったく変化がなかったが、ヒドロキシチロソールに富む治療群では、OA患者でもRA患者でもわずかな上昇が観察された(図8)。
上記のマーカーは、一般的に生物マーカーの血漿レベルに関して記載したが、血清及び/又は唾液のレベルも適宜用いることができることが理解されよう。
別の一態様では、炎症又は心臓血管の状態に関連するバイオマーカーのレベルの上昇を有するヒト対象の集団から同定する方法が企図されている。この方法では、反応性のある対象は、ヒドロキシチロソールに富む組成物の投与による治療に最も大きな反応を示す対象とみなされる。好ましい一実施形態では、ヒドロキシチロソールに富む組成物を経口投与する。組成物を、対象におけるバイオマーカーのレベルを実質的に低下させるのに効果的な投与量及び期間で投与する。バイオマーカーのレベルを、当技術分野では周知の方法によりモニターし、バイオマーカーのレベルが低下した場合に、対象は反応性であると同定する。一実施形態では、バイオマーカーの投与により、バイオマーカーのレベルは正常範囲内に低下する。この方法は、適宜バイオマーカーのレベルの上昇をもたらすことにより、反応性の対象を同定するのに用いることができることが理解されよう。好ましい一実施形態では、バイオマーカーは、ホモシステイン及び/又はCRPから選択される。
IV.投与
送達の経路には、それだけには限定されない、経口及び非経口の経路(静脈内、皮下、腹腔内、及び筋肉内)を含めた、様々な全身性の経路が含まれる。これらの経路による投与は、組成物を適切な投与量形態に配合することにより実現される。非限定的な例には、丸剤、錠剤、カプセル剤、懸濁剤、シロップ剤、滴剤などが含まれる。このような投与量形態の調製は、当業者には慣例である。好ましい一実施形態では、組成物を経口投与する。
組成物は、実質的に純粋な形態(オリーブ果肉固体又は抽出物)で、又は薬学的に許容できる担体とともに投与することができる。一実施形態では、組成物を有効成分として担体中に溶解又は懸濁し、従来的に行っている通りに配合する。担体は、有効成分に対してビヒクル、担体、又は媒体として働く、固体の形態でも、半固体でも、又は液体の材料でもよい。或いは、担体は、経口投与を促進するためのカプセル又は他の容器の形態であることもできる。したがって、本発明にしたがって投与するための経口投与量形態には、錠剤、丸剤、粉末剤、カプセル剤、シロップ剤、液剤、及び硬又は軟ゼラチンカプセル剤が含まれる。担体は、当業者が使用する、様々な標準の生理学的に許容できる担体の任意のものであることができる。適切な生理学的に許容できる担体の選択は、選択する投与の様式に応じて変化することが理解されよう。
ヒドロキシチロソールに富む組成物は、様々な重量比のフェノール性化合物を含むようにさらに配合することができることが理解されよう。一実施形態では、組成物を、様々な重量比のヒドロキシチロソール対オレウロペインを含むように配合する。好ましい一実施形態では、ヒドロキシチロソール対オレウロペインの重量比は、4:1と200:1の間であり、より好ましくは約10:1と約100:1の間である。ヒドロキシチロソール対オレウロペインの好ましい比は、約10:1と約100:1とを含む。
別の一実施形態では、組成物は精製したヒドロキシチロソールを含む。さらに別の一実施形態では、組成物は、精製したヒドロキシチロソールを薬学的に許容できる担体と組み合わせて含む。さらなる一実施形態では、組成物は、他の治療の組成物及び方法と組み合わせて投与する精製したヒドロキシチロソールを含む。
本発明で投与するための組成物は、当技術分野では知られている、他の一般的な薬学的に許容できる賦形剤と配合することができる。さらに、本発明の組成物は、対象に投与した後、有効成分の急速な、持効の、又は遅延の放出をもたらすように配合することができる。持効の、又は遅延の放出は、フィルム又はマイクロカプセルなどの造形品の形態の半透性のポリマーマトリックスを含む、あらゆる周知の方法を用いて実現することができる。
本発明にしたがって用いるための非経口の製剤を、当技術分野における標準の技術を用いて調製する。本明細書で用いる用語非経口には、皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内注射、又は注入の技術が含まれる。
一実施形態では、組成物を規則的な間隔で、例えば、毎日、1日2回、又は1日3回投与することができる。別の一実施形態では、組成物をある期間にわたって、例えば、1から12カ月、又はそれを超えて投与する。組成物の投与は、無期限に継続することができることが理解されよう。さらに別の一実施形態では、炎症状態の改善を示すバイオマーカーにおける変化をもたらすのに十分な期間、組成物を投与する。一例として、組成物を1から2カ月、又はそれを超えて投与することができる。さらなる一例として、ヒドロキシチロソールに富む組成物を、血漿ホモシステインレベルを少なくとも7.5%若しくはそれを超えて血漿ホモシステインレベルを低下させるのに十分な期間、及び/又は血漿CRPレベルを少なくとも50%低下させるのに十分な期間、投与することができる。別の一実施形態では、バイオマーカーのレベルを正常に低下させ、又は上昇させる期間、組成物を投与する。
組成物の投与量は、組成物に用いる化合物に応じて変化することが理解されよう。組成物の経口投与に好ましい投与量には、(i)毎日、すべての単一のフェノール及びポリフェノールを約5〜22mgで、特定の実施形態では、5、5.4、10、10.8、16、16.2、21.6、若しくは22mgが企図され、及び/又は(ii)毎日、ヒドロキシチロソールを約2.5〜5mg又は2.5〜10mgで、特定の実施形態では、2.5、5、7.5、及び10mgが企図される。
投与量は、患者の年齢、健康、性別、大きさ、及び体重、投与経路、並びに化合物の有効性などの因子にしたがって変化する。必要に応じて、より多い量の化合物も、より少ない量の化合物も投与することができる。
他の構成成分又は有効成分を、治療の化合物と組み合わせて投与することができることが理解されよう。他の治療方法を、治療化合物の投与と組み合わせて用いることができることがさらに理解されよう。
以下の実施例は、ヒドロキシチロソールに富む組成物を対象に投与するステップ、及びバイオマーカーのレベルの低下により対象における改善をモニターするステップを含む、ヒト対象における炎症状態を治療する方法を説明するものである。組成物を、バイオマーカーのレベルの低下をもたらすのに十分な量及び期間で投与した。実施例は、例示を意図しているが、本発明の範囲を決して制限するものではない。
A.材料と方法
治療組成物の調製
表1のように、有効成分を含むカプセルを、オリーブからの果汁水分から得た組成物で配合した。
表1:カプセル製剤
Figure 2008509224
各カプセルには、オリーブ果肉抽出物(固体)90mg、全ポリフェノール5.4mg、及びヒドロキシチロソール〜2.5mgが含まれていた。
血液サンプリング:
血液を採取し、3000rpmで30分間遠心分離して血漿を分離し、血漿を多数のアリコートに取り、−50℃で貯蔵した。血漿サンプルを、製造元により推薦される(例えば、Luminexに対する、MMP及びサイトカインの測定プロトコル)10℃、3000rpmで15分間さらに遠心分離した。血漿サンプルを、微小遠心分離管に分取し、アッセイするまで−80℃で貯蔵した。サンプルは、測定するアリコートに分配して、サンプルの正確な測定を妨げることがある凍結解凍の複数のサイクルを避け、したがって測定に用いるサンプルの解凍は1回だけであった。
サンプルで、以下のバイオマーカーを測定した。
1.マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)及びサイトカイン
多分析物プロファイリングキット(Multianalyte profiling kits)(R&D Systems、Minneapolis MN and Biosource International、カリフォルニア州、Camerillo)をLuminex 100分析器と組み合わせて用いて、MMP(MMP−1、MMP−2、MMP−3、MMP−9、及びMMP−13)並びにサイトカイン(IL−1β、IL−6、IL−8、IL−17、TNF−α、及びGM−CSF)の血漿レベルを測定した。手短に述べると、この技術は、カラーコードしたビーズ上にプレコーティングした、分析物に特異的な抗体を用いる。これらの微粒子を、スタンダード及びサンプルを含むウェルに加えた。インキュベート期間及び数回の洗浄の後、分析物に特異的なビオチン化した抗体をウェルに加えた。微粒子を再度洗浄し、その後ストレプトアビジン−フィコエリトリン複合体を加えた。微粒子を洗浄し、バッファーに再懸濁し、Luminex 100分析器で分析した。分析器は2つのレーザーを使用している。第1のレーザーは、どの分析物を測定するかを決定し、第2のレーザーは蛍光シグナルの強度を決定するが、これは微粒子に結合している分析物の量に直接比例する。
MMPアッセイは、プロの、成熟型の、及びTIMP−1と複合しているMMPを認識する。MMPの最小検出可能投与量の平均は、以下の通りである:MMP−1:4.4pg/ml、MMP−2:25.4pg/ml、MMP−3:1.3pg/ml、MMP−9:7.4pg/ml、及びMMP−13:159pg/ml。全MMPに対するアッセイ内アッセイの変動係数(CV)の平均は<10%であり、アッセイ間アッセイのCVは<15%であった。サイトカインの最小検出可能投与量の平均は以下の通りである:IL−1β:0.27pg/ml、IL−6:0.36pg/ml、IL−8:3pg/ml、TNF−α:0.47pg/ml、GM−CSF:15pg/ml、及びIL−17:0.39pg/ml。R&Dキットに対するアッセイ内アッセイのCVの平均は<10%であり、Bio Source Kitに対してアッセイ間アッセイ及びアッセイ内アッセイのCVの平均は、それぞれ<10%及び<15%であった。
2.TIMP−1
メタロプロテアーゼの組織阻害剤−1(TIMP−1)の血漿レベルを、標準のサンドイッチELISAアッセイ(R&D Systems)を用いて、製造元の示すプロトコルを用いて測定した。このアッセイは、天然のTIMP−1も、リコンビナントのTIMP−1も認識する。最小検出可能投与量は、80pg/mlであり、アッセイ間アッセイ及びアッセイ内アッセイのCVは、両方とも<10%であった。
3.ヒアルロナン
血漿中のヒアルロナン(HA)を、比色法のシグナルがサンプル中のHAの濃度に逆比例する競合的ELISAアッセイ(Echelon Biosciences Inc.、ユタ州、Salt Lake City)を用いて測定した。アッセイは、完全なHA及びHAフラグメントを認識する。アッセイ間アッセイの変動係数は<15%であった。最小検出可能投与量は、提供されなかった。
4.軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質
血漿中の軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質(COMP)を、2つのモノクローナル抗体がCOMP分子上の2つの抗原決定基に対して向けられているELISAキット(AnaMar Medical、スウェーデン、Uppsala)を用いて測定した。アッセイは、完全なCOMPもCOMPフラグメントも認識する。最小検出限界は<0.1U/Lであり、アッセイ内アッセイ及びアッセイ間アッセイのCVは、両方とも10%未満であった。
5.C反応性タンパク質
C反応性タンパク質の血漿中レベルを、高感度ELISAアッセイ(MP Biochemical、ニューヨーク州、Orangeburg)を用いて測定した。サンプルをすべて1:500に希釈することにより、製造元のプロトコルを調節した。アッセイの検出可能な範囲は、約0.01mg/mlから100mg/mlである。アッセイ内アッセイ及びアッセイ間アッセイのCVは、両方とも、それぞれ<15%及び<10%であった。
6.IL2R
血漿サンプル中のII−2受容体拮抗物質のレベルを、標準のサンドイッチELISAキット(R&D Systems)を用いて検出した。以下のプロトコルは、製造元が示したものであった。アッセイの最小検出可能投与量は<10pg/mlである。アッセイ間アッセイのCVは<10%であった。
(実施例1)
日常的な薬剤療法が安定している活動性のRA又はOAと診断された55〜75歳の患者100名が、二重盲式の無作為化したコントロール試験に参加した。以下にさらに記載する、疾患活動性、疼痛、炎症、血液マーカー、サイトカイン、及び他のタンパク質の測定を、ベースライン時(時間0)、試験開始後1週目(V2)、2週目(V3)、4週目(V4)、及び8週目(V5)に、患者で測定した。
15名の対象が、最終の訪問の前に試験から落伍した。全85名の対象が、全5回の訪問を完了した。
全5回の訪問を完了した85名の参加者のうち、44名の患者(RAと診断された13名、OAと診断された31名)に、不活性な内容物のプラセボカプセルを投与した。さらに、41名の患者(RAと診断された13名、OAと診断された28名)に、有効(ヒドロキシチロソールに富む)成分を含むカプセルを投与した。患者には2カ月間、有効成分又はプラセボのいずれかの2カプセルを、1日当たり2回投与した。全般的に、参加者は、プラセボにもヒドロキシチロソールに富む組成物にも耐用性が良好だった。
急性作用を調べるために、ベースライン時(時間0)、1週目、及び2週目に測定を得、より慢性の作用を調べるために、4週目及び8週目に測定を得た。炎症マーカー、サイトカイン、血液化学、脂質、グルコース、沈降速度、ヘモグロビン、及びホモシステインレベルについて、血液サンプルを測定した。IL6、IL8、TNF、IL1B、IL2、MMP1、MMP3、MMP9、TIMP1、HA、及びCOMPについて特定のレベルを評価した。
さらに、二重エネルギーX線吸収測定法(DEXA)スキャンを用いて身体組成を評価し、唾液のサンプリングから日周期性のコルチゾールレベルを、ベースライン時(時間0)及び試験の終了時(8週目)に記録した。
0週目と8週目とに代謝の血液パネルを記録して、安全を評価するために肝機能及び腎機能におけるあらゆる変化を評価した。
表2:患者の記述
Figure 2008509224
試験で患者に投与された薬物療法の概要を、以下の表3に詳しく述べる。用いた薬物投与及びサプリメントはすべて、試験の間にわたってモニターした。グループ分けした薬物療法では、プラセボ群と有効成分群との間には薬物療法に実際の差はなかったが、患者間で、その薬物療法の量及びタイプに明らかな差があったことをデータは指摘している。
表3:薬物療法の概要
Figure 2008509224
参加者が、カプセル摂取を中断しなければならなくなる有害事象が3つあった。プラセボ群及び有効成分群の各々で1名の患者にアレルギー反応があった。いずれの場合もサプリメントを中止し、対象は試験から脱落した。また、プラセボ群では1名の患者が、突然で痛みを伴う発赤の疾患活動性のため脱落した。
A.疾患の評価
圧痛のある腫脹した関節の数、疾患活動性の患者の評点、疾患活動性の医師の評点を含めた、疾患に関連する炎症の程度を評価するようにデザインされた標準の質問票を、医師が施した。生活の質の変化を、健康評価質問票(HAQ)により測定し、結果を以下の表4に示した。OA患者及びRA患者に対する別々の結果を、それぞれ表5及び6に示す。気分の変化の程度は、気分プロフィール検査(POMS)質問票により評価した。障害スコアを、時間の関数としてプロットし、結果を図2に表した。最初は、全対象とも、異常に高い障害スコア(約7)であり、これは怒り及び緊張の測定値である。障害スコアは、3回目の訪問(2週目)までに定常状態レベルに落ち着いた(約−2から0)。
表4:HAQ生活の質の変化
Figure 2008509224
表5:OA患者に対するHAQの結果
Figure 2008509224
表6:RA患者に対するHAQの結果
Figure 2008509224
さらに、医師の疾患の評価を、文献における周知の測定に基づいて確立した。評価は、1)運動時の圧痛及び疼痛、並びに関節の腫脹に対して各関節を0〜3の疼痛に格付けすること、2)重症度を示すための水平線を用いた関節炎の重症度の医師の評価、並びに3)患者の自身の疾患の評価及び関節数を医師が用いて図3に表した疾患の全体の評価を提供することからなった。
B.バイオマーカー
MMP、サイトカイン、TIMP、ヒアルロナン、COMP、CRP、及びIL2Rを含むバイオマーカーを、血漿のアリコートから測定し、結果を以下の表7に示した。OA及びRAの患者におけるCRPの血漿レベルを、それぞれ表8及び9に表す。OA及びRAの患者におけるホモシステインの血漿レベルを、それぞれ表10及び11に表す。
表7:バイオマーカーの血漿レベル
Figure 2008509224
表8:OA患者に対する血漿CRPレベル(mg/L)
Figure 2008509224
表9:RA患者に対する血漿CRPレベル(mg/L)
Figure 2008509224
表10:OA患者に対する血漿ホモシステインレベル(μM/L)
Figure 2008509224
表11:RA患者に対する血漿ホモシステインレベル(μM/L)
Figure 2008509224
C.血液化学
血液中の脂質(全脂質、トリグリセリド、HDL、LDL、及び総コレステロール/HDL)、沈降速度、血中グルコース、ホモシステイン、ヘモグロビン(HGB)、ヘマトクリット(HCT)、及び赤血球沈降速度(ESR)を、採血24時間以内に、Sonora Qwest Laboratoriesにより分析し、OA及びRAの患者の結果をそれぞれ表12及び表13に表した。
表12:OA患者に対する血液化学統計
Figure 2008509224
表13:RA患者に対する血液化学統計
Figure 2008509224
D.DEXAスキャン身体組成及び人体測定
二重エネルギーX線吸収測定法(DEXA)を用いて、体脂肪パーセント及び体脂肪分布を含む身体組成を測定した。骨密度も測定したが、この短期間では骨密度における変化は予想されなかった。全骨密度はg/cmで、また表14に見られるように年齢にマッチさせた標準のパーセント値として報告した。
表14:骨密度(g/cm
Figure 2008509224
E.日周期性の唾液中コルチゾール
日周期性の唾液中コルチゾールを、8つの時間点で、遠心分離管の内側の小型のコットンスワブからなる、唾液サンプリング装置であるSalivettes(Sarstedt Inc.、ドイツ、Rommelsdorf)で測定した。サンプリング時間は、患者の覚醒時間と同時にした。1回目のサンプルは、覚醒時即座に採取し、次の45分にわたり15分間隔で3サンプルを採取した。最後の4サンプルは、やはり覚醒と同時にして3時間間隔で採取した。対象は、擦過及び血管漏出を避けるために、最初の4サンプルの間は歯を磨かず、又は何も経口摂取をせず、また、残りのサンプリング期間に対して30分以内の摂食は控えた。患者は、サンプリングの日は運動、又は力を尽くすことはしなかった(Edwardsら、2001年)。サンプルが検査室に返却されたら、Salivettesを、4℃、3000rpmで、30分間遠心分離し、唾液サンプルを微小遠心管に移し、分析時まで−80℃で貯蔵した。唾液のコルチゾールを、市販のキット(ICN Pharmaceuticals、カリフォルニア州、Costa Mesa)から、コーティングチューブRIAを用いて分析した。結果を図4に示す。
F.唾液中コルチゾールのプロトコル
唾液中コルチゾールのサンプルを、2つの時間点:a)第1回の(即ち、ベースライン時の)訪問後であるが、プラセボ又はサプリメントのいずれかの治療を開始する前、及びb)最終の訪問の1から2週間前、サプリメント又はプラセボのいずれかを1〜2カ月継続後に対象から回収した。表15に略述したように、唾液サンプルを、各サンプリング日の9つの時間点で回収した。
各時間点で、対象は、適当なサンプル番号(1〜9)をラベリングしたSalivetteサンプリング装置(Sarstedt Ltd.)からのコットンスワブを口腔内に配置し、1〜1.5分間穏やかに咀嚼した。最初の4回の「覚醒」サンプル(表1、サンプル1〜4)の間中、対象は、サンプルへの微小血管の漏出を避けるためにサンプリングの45分間は、歯を磨かず、朝食を食べず、コーヒーを飲まず、うがいなどをしなかった。残りのサンプルを、3時間間隔で回収し、対象に摂食30分以内は回収を避けるように指示した。検査室では、サンプルを遠心分離し、唾液を回収し、コルチゾールをアッセイするまで−80℃で貯蔵した。
表15:コルチゾール測定のための唾液回収のサンプリング時間
Figure 2008509224
唾液サンプルを解凍し、MP Biomedicals(カリフォルニア州、Costa Mesa)からのImmuChem Coated Tube Cortisolアッセイを用いて遊離のコルチゾールをアッセイした。唾液の手順を、サンプルを5℃で24時間インキュベートし、その後吸引及び計測することをわずかに変更して行うことを、製造元は示唆し、結果を表16に示した。
血漿中プロラクチンを、Immuchem Coated Tubeキット(MP Biomedicals、カリフォルニア州、Costa Mesa)を用いて測定し、結果を表16に示した。行った手順は、製造元が示唆したものであった。
表16:コルチゾール及びプロラクチンのレベル
Figure 2008509224
前述から、本発明の様々な態様及び特徴がどのように対応するかを見ることができる。当業者であれば、前述の記載から、本発明の広範な教示を様々な形態で実行することができることを、理解することができる。本明細書に記載した実施形態及びサブグループを、方法及び組成物で組み合わせることができることが理解されよう。したがって、本発明を、特定の実施形態及びその実施例に関して記載してきたが、本発明の真の範囲は、そのように制限されるものではない。添付の特許請求の範囲で定義するように、本発明の範囲から逸脱しないで、様々な変更及び修正を行うことができる。
本発明を、特定の実施形態に関して記載してきたが、本発明から逸脱しないで様々な変更及び修正を行うことができることは、当業者であれば明らかであろう。
オリーブオイルで検出されるフェノール性化合物及びそれらの前駆物質の構造を示す図である。リグストロサイド(I)、オレウロペイングルコシド(II)、リグストロサイドのアグリコン(III)、オレウロペイングルコシドのアグリコン(IV)、カルボキシメチル基を欠くリグストロサイドアグリコンのジアルデヒド形態(V)、カルボキシメチル基を欠くオレウロペイングルコシドのアグリコンのジアルデヒド形態(VI)、チロソール(VII)、ヒドロキシチロソール(VIII) POMS障害指数を示すグラフである。 V2及びV5における、プラセボ及び有効成分に対する医師の疾患の評価を示す図である。 V1及びV5における、全患者の日周期性のコルチゾールレベルを、経時のコルチゾールのμg/dlで示すグラフである。 V1又はV5における、プラセボ又はヒドロキシチロソールに富む組成物を投与したOA及びRAの患者に対するCRPレベルをmg/Lで示す図である。 V1又はV5における、プラセボ又はヒドロキシチロソールに富む組成物を投与したOA及びRAの患者に対するホモシステインレベルをμM/Lで示す図である。 プラセボ又はヒドロキシチロソールに富む組成物を投与した患者に対する、V2及びV5からのMMP2、MMP3、又はMMP9の血漿中の平均値をng/ml±SEで示す図である。 プラセボ又はヒドロキシチロソールに富む組成物を投与したOA及びRAの患者に対する、V2及びV5からのTIMPの血漿中の平均値をng/ml±SEで示す図である。

Claims (26)

  1. ヒドロキシチロソールに富む組成物を対象に投与するステップと、
    対象のホモシステインレベルの低下により、対象における改善をモニターするステップと、
    少なくとも7.5%のホモシステインレベルにおける低下をもたらすのに十分な量及び期間で前記投与を継続するステップと
    を含む、ヒト対象における炎症状態を治療する方法。
  2. 前記ヒドロキシチロソールに富む組成物の、ヒドロキシチロソール対オレウロペインの重量比が約10:1と約100:1の間である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記投与するステップが、1日約5.4から10.8mgの間の全ポリフェノールを送達するのに有効な投与量の経口投与を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記投与するステップが、1日約2.5から5mgの間のヒドロキシチロソールを送達するのに有効な投与量の経口投与を含む、請求項2に記載の方法。
  5. 前記モニターするステップが、対象の血漿又は唾液のホモシステインレベルをモニターすることを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記投与するステップを、治療前のレベルに対して少なくとも約12.5%のホモシステインの低下を達成するまで継続する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記投与するステップを、治療前のレベルに対して少なくとも約15%のホモシステインの低下を達成するまで継続する、関節リウマチの治療に使用するための、請求項1に記載の方法。
  8. 前記投与するステップを、治療前のレベルに対して少なくとも約20%のホモシステインの低下を達成するまで継続する、関節リウマチの治療に使用するための、請求項7に記載の方法。
  9. 前記投与するステップを、治療前のレベルに対して少なくとも約20%のホモシステインの低下を達成するまで継続する、血管疾患の炎症状態の治療に使用するための、請求項1に記載の方法。
  10. 血漿ホモシステインレベルをホモシステインの正常範囲内に低下させるのに有効な量及び期間で、ヒドロキシチロソールに富む組成物を対象に投与するステップ
    を含む、ホモシステインレベルの上昇に関連する炎症疾患の危険のある対象におけるホモシステインの血漿レベルを低下させるための方法。
  11. 前記ヒドロキシチロソールに富む組成物の、ヒドロキシチロソール対オレウロペインの重量比が約10:1と約100:1の間である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記投与するステップが、1日約2.5から5mgの間のヒドロキシチロソールを送達するのに有効な投与量の経口投与を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記投与するステップを、治療前のレベルに対して少なくとも約7.5%のホモシステインの低下を達成するまで継続する、請求項10に記載の方法。
  14. 患者の血漿ホモシステインをホモシステインの正常範囲内に低下させるのに有効な投与量及び期間で、ヒドロキシチロソールに富む組成物を対象に投与するステップ
    を含む、血漿ホモシステインレベルの上昇を有する患者における心臓血管疾患の危険を低下させるための方法。
  15. 前記ヒドロキシチロソールに富む組成物の、ヒドロキシチロソール対オレウロペインの重量比が約10:1と約100:1の間である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記投与するステップが、1日約2.5から5mgの間のヒドロキシチロソールを送達するのに有効な投与量の経口投与を含む、請求項14に記載の方法。
  17. 前記投与するステップを、治療前のレベルに対して少なくとも約7.5%のホモシステインの低下を達成するまで継続する、請求項14に記載の方法。
  18. 患者のC反応性タンパク質(CRP)レベルを正常範囲内に低下させるのに有効な投与量及び期間で、ヒドロキシチロソールに富む組成物を対象に投与するステップ
    を含む、血漿CRPレベルの上昇を有する対象における心臓血管疾患の危険を低下させるための方法。
  19. ヒドロキシチロソールに富む組成物を、反応性の対象における血漿ホモシステインレベルを実質的に低下させるのに有効な投与量及び期間で投与するステップと、
    対象のホモシステインレベルをモニターするステップと、
    対象のホモシステインレベルが正常範囲内に低下した場合に、対象を反応性の対象として同定するステップと
    を含む、炎症状態に関連する血漿ホモシステインレベルの上昇を有するヒト対象の集団から、ヒドロキシチロソールに富む組成物を経口投与することにより治療に最も大きな反応を示すであろう反応性の対象を同定する方法。
  20. 前記モニターするステップが、対象の血漿又は唾液のホモシステインレベルをモニターすることを含む、請求項19に記載の方法。
  21. ヒドロキシチロソールに富む組成物を対象に投与するステップと、
    対象のC反応性タンパク質(CRP)レベルの低下により、対象における改善をモニターするステップと、
    少なくとも50%のCRPレベルの低下をもたらすのに十分な量及び期間で前記投与するステップを継続するステップと
    を含む、ヒト対象における炎症状態を治療する方法。
  22. 前記ヒドロキシチロソールに富む組成物の、ヒドロキシチロソール対オレウロペインの重量比が約10:1と約100:1の間である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記投与するステップが、1日約5.4から10.8mgの間の全ポリフェノールを送達するのに有効な投与量の経口投与を含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記投与するステップが、1日約2.5から5mgの間のヒドロキシチロソールを送達するのに有効な投与量の経口投与を含む、請求項22に記載の方法。
  25. CRPレベルの前記低下が治療前のレベルに対して少なくとも約75%である、請求項22に記載の方法。
  26. 前記炎症状態が関節リウマチである、請求項22に記載の方法。
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