JP2008509088A - ベンズイミダゾロンカルボン酸誘導体 - Google Patents

ベンズイミダゾロンカルボン酸誘導体 Download PDF

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幸司 安藤
聡 井口
徳晃 村瀬
好徳 村田
豊治 沼田
大紀 曽根
力 内田
達生 上木
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ファイザー株式会社
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Abstract

本発明は、式(I)の化合物(式中、R、R、R、Aおよびmはそれぞれ本明細書に記載の通りである)またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物、ならびにそのような化合物を含む組成物、および胃食道逆流疾患、胃腸疾患、胃運動障害、非潰瘍性消化不良、機能性消化不良、過敏性腸症候群(IBS)、便秘、消化不良、食道炎、胃食道疾患、悪心、中枢神経系疾患、アルツハイマー病、認知障害、嘔吐、片頭痛、神経系疾患、疼痛、心不全および不整脈などの心血管障害、糖尿病および無呼吸症候群などが挙げられるがそれだけに限定されない5−HT受容体活性により媒介される状態の治療におけるそのような化合物の使用に関する。
【化1】

Description

本発明はベンズイミダゾロンカルボン酸誘導体に関する。これらの化合物は選択的5−HT受容体アゴニスト活性を有する。本発明はまた、5−HT受容体活性、特に5−HT受容体アゴニスト活性により媒介される疾患状態の治療用の上記誘導体を含む、医薬組成物、治療方法および使用に関する。
一般に、5−HT受容体アゴニストは、胃食道逆流疾患、胃腸疾患、胃運動障害、非潰瘍性消化不良、機能性消化不良、過敏性腸症候群(IBS)、便秘、消化不良、食道炎、胃食道疾患、悪心、中枢神経系疾患、アルツハイマー病、認知障害、嘔吐、片頭痛、神経系疾患、疼痛、心血管障害、心不全、不整脈、糖尿病および無呼吸症候群などの各種疾患の治療に有用であることがわかっている(TiPs,1992,13,141;Ford A.P.D.W.et al.,Med.Res.Rev.,1993,13,633;Gullikson G.W.et al.,Drug Dev.Res.,1992,26,405;Richard M.Eglen et al,TiPS,1995,16,391;Bockaert J.Et al.,CNS Drugs,1,6;Romanelli M.N.et al.,Arzheim Forsch./Drug Res.,1993,43,913;Kaumann A.et al.,Naunyn−Schmiedeberg’s.1991,344,150;およびRomanelli M.N.et al.,Arzheim Forsch./Drug Res.,1993,43,913を参照)。
WO94/00449では、5−HTアゴニストもしくはアンタゴニストおよび/または5−HTアンタゴニストとしてのベンズイミダゾロン化合物が開示されている。特に、下記式で表される化合物が実施例10として開示されている。
Figure 2008509088
良好な薬物候補である新規の5−HTアゴニストを提供することが求められている。特に、好ましい化合物は、他の受容体に対する親和性をほとんど示さずに5−HT受容体に強力に結合し、アゴニストとしての機能的活性を示さなければならない。好ましい化合物は、胃腸管からよく吸収され、代謝的に安定であり、有利な薬物動態特性を有さなければならない。中枢神経系の受容体を標的とする場合、好ましい化合物は血液脳関門を自由に横断しなければならず、末梢神経系の受容体を選択的に標的とする場合、好ましい化合物は血液脳関門を横断してはならない。好ましい化合物は、非毒性であり、副作用が少なくなければならない。さらに、理想の薬物候補は、安定で、非吸湿性であり、容易に調剤される物理的形態で存在する。
本発明では、(1)キヌクリジン環の代わりにピペリジン/ピロリジン環を用いることで5−HT受容体に対する親和性が向上し、かつ/または(2)カルボキシ部分の導入によりドフェチリドに対する親和性が低下するためQT延長が予防されることがわかった。
したがって、驚くべきことに、本発明の化合物は、従来技術に比べて強力な選択的5−HTアゴニスト活性および/または向上したドフェチリドに対する親和性を有するため、(特にオピオイド投与により引き起こされる)胃食道逆流疾患、胃腸疾患、胃運動障害、非潰瘍性消化不良、機能性消化不良、過敏性腸症候群(IBS)、便秘、消化不良、食道炎、胃食道疾患、悪心、中枢神経系疾患、アルツハイマー病、認知障害、嘔吐、片頭痛、神経系疾患、疼痛、心血管障害、心不全、不整脈、糖尿病および無呼吸症候群などの5−HT活性により媒介される疾患状態の治療に有用であることがわかった。
本発明は、下記式(I)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を提供する。
Figure 2008509088
(式中、Aは炭素数1〜4のアルキレン基であり、前記アルキレン基は非置換であるか、またはハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基からなる群から独立に選択される1〜4個の置換基で置換されており、任意の2個の非ハロゲン置換基は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい3、4、5または6員環を形成することができ、
はイソプロピル基またはシクロペンチル基であり、
は水素原子、ハロゲン原子またはヒドロキシ基であり、
はカルボキシ基、テトラゾリル基、5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基または5−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル基であり、
mは1または2の整数である。)
本発明の一実施形態は、
Aが炭素数1〜4のアルキレン基であり、前記アルキレン基が非置換であるか、またはハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基からなる群から独立に選択される1〜4個の置換基で置換されており、任意の2個の非ハロゲン置換基が、それらが結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい6員環を形成することができ、
がイソプロピル基またはシクロペンチル基であり、
が水素原子、ハロゲン原子またはヒドロキシ基であり、
がカルボキシ基、テトラゾリル基、5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基または5−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル基であり、
mが1または2の整数である、上記の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を提供する。
本発明の一実施形態は、
Aが炭素数1〜4のアルキレン基であり、前記アルキレン基がハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基からなる群から独立に選択される1〜4個の置換基で置換されており、任意の2個の非ハロゲン置換基が、それらが結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい5員環を形成することができ、
がイソプロピル基またはシクロペンチル基であり、
が水素原子、ハロゲン原子またはヒドロキシ基であり、
がカルボキシ基、テトラゾリル基、5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基または5−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル基であり、
mが1または2の整数である、上記の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を提供する。
本発明の一実施形態は、
Aが炭素数1〜4のアルキレン基であり、前記アルキレン基がハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基からなる群から独立に選択される1〜4個の置換基で置換されており、任意の2個の非ハロゲン置換基が、それらが結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい3〜4員環を形成することができ、
がイソプロピル基またはシクロペンチル基であり、
が水素原子、ハロゲン原子またはヒドロキシ基であり、
がカルボキシ基、テトラゾリル基、5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基または5−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル基であり、
mが1または2の整数である、上記の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を提供する。
本発明はまた、5−HT受容体活性、特に5−HTアゴニスト活性により媒介される状態の治療用の医薬を製造するための、それぞれ本明細書に記載される式(I)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
好ましくは、本発明はまた、胃食道逆流疾患、胃腸疾患、胃運動障害、非潰瘍性消化不良、機能性消化不良、過敏性腸症候群(IBS)、便秘、消化不良、食道炎、胃食道疾患、悪心、中枢神経系疾患、アルツハイマー病、認知障害、嘔吐、片頭痛、神経系疾患、疼痛、心血管障害、心不全、不整脈、糖尿病および無呼吸症候群から選択される疾患の治療用の医薬を製造するための、それぞれ本明細書に記載される式(I)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
本発明はまた、それぞれ本明細書に記載される式(I)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を、前記化合物の薬学的に許容できる担体と共に含む医薬組成物を提供する。
本発明はさらに、哺乳動物の対象における5−HT受容体活性により媒介される状態の治療方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に治療有効量のそれぞれ本明細書に記載される式(I)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を投与するステップを含む方法を提供する。
5−HT受容体活性により媒介される状態としては例えば、胃食道逆流疾患、胃腸疾患、胃運動障害、非潰瘍性消化不良、機能性消化不良、過敏性腸症候群(IBS)、便秘、消化不良、食道炎、胃食道疾患、悪心、中枢神経系疾患、アルツハイマー病、認知障害、嘔吐、片頭痛、神経系疾患、疼痛、心血管障害、心不全、不整脈、糖尿病および無呼吸症候群が挙げられるが、それだけに限定されない。
本発明はまた、式(XI)の化合物またはその塩を提供する。
Figure 2008509088
(式中、Rは水素原子、ヒドロキシ基またはハロゲン原子であり、
は水素原子またはアミノ保護基であり、
Yは炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜8のジアルキルアミノ基、イミダゾリル基、フタルイミジル基、スクシンイミジル基またはスルホニル基であり、
mは1または2である。)
本発明はまた、式(IXa)の化合物またはその塩を提供する。
Figure 2008509088
(式中、Aは炭素数1〜4のアルキレン基であり、前記アルキレン基は非置換であるか、またはハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基からなる群から独立に選択される1〜4個の置換基で置換されており、任意の2個の非ハロゲン置換基は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい3〜6員環を形成することができ、
は水素原子、ヒドロキシ基またはハロゲン原子であり、
はヒドロキシ基またはカルボキシ保護基であり、
は水素原子またはアミノ保護基であり、
mは1または2である。)
本発明の化合物は、より少ない毒性、良好な吸収、分配、良好な溶解度、より少ないタンパク質結合親和性、より少ない薬物−薬物相互作用、および良好な代謝安定性を示すことができる。
本発明の化合物では、以下の通りである。
Aが炭素数1〜4のアルキレン基である場合、これは直鎖基であることができ、例えばメチレン、エチレン、トリメチレンおよびテトラメチレンが挙げられるが、それだけに限定されない。これらのうち、メチレンおよびエチレンが好ましく、エチレンが最も好ましい。
Aの置換基が炭素数1〜4のアルキル基である場合、これは直鎖または分枝鎖基であることができ、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルが挙げられるが、それだけに限定されない。これらのうち、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル、エチル、プロピルおよびイソプロピルがより好ましく、メチルおよびエチルが最も好ましい。
Yの置換基が炭素数1〜4のアルコキシ基である場合、これは前記アルキル基により置換された酸素原子を表し、例えばメトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、イソブチルオキシ、sec−ブチルオキシおよびtert−ブチルオキシが挙げられるが、それだけに限定されない。これらのうち、炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、メトキシがより好ましい。
Yの置換基が炭素数2〜8のジアルキルアミノ基である場合、これは前記アルキル基2個により置換されたアミノ基を表し、例えばジメチルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジイソブチルアミノおよびN,N−ジ(1−メチルプロピル)アミノが挙げられるが、それだけに限定されない。これらのうち、炭素数2〜4のジアルキルアミノ基が好ましく、ジメチルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノおよびジエチルアミノがより好ましい。
Aの置換基が炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基である場合、これは直鎖または分枝鎖基であることができ、例えばヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピルおよび3−ヒドロキシ−1−メチルプロピルが挙げられるが、それだけに限定されない。これらのうち、炭素数1〜3のヒドロキシ−アルキル基が好ましく、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチルおよび2−ヒドロキシプロピルがより好ましく、ヒドロキシメチルおよび2−ヒドロキシエチルが最も好ましい。
Aの置換基が炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基である場合、これは直鎖または分枝鎖基であることができ、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、1−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、3−エトキシプロピル、2−メトキシプロピル、2−メトキシ−1−メチルエチル、4−メトキシブチル、4−エトキシブチル、3−メトキシブチル、2−メトキシブチル、3−メトキシ−2−メチルプロピルおよび3−メトキシ−1−メチルプロピルが挙げられるが、それだけに限定されない。これらのうち、炭素数2〜4のアルキルオキシ−アルキル基が好ましく、メトキシメチル、2−メトキシエチルおよび3−メトキシプロピルがより好ましく、2−メトキシエチルおよび3−メトキシプロピルが最も好ましい。
Aの任意の2個の非ハロゲン置換基が、それらが結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい3、4、5または6員環を形成することができる場合、そのような環はシクロアルキルまたはヘテロシクリル基であることができ、例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロブチル、シクロヘキシル、メチルシクロプロピル、エチルシクロプロピル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、エチルシクロヘキシル、ヒドロキシシクロプロピル、ヒドロキシシクロブチル、ヒドロキシシクロペンチル、ヒドロキシシクロヘキシル、メトキシシクロプロピル、メトキシシクロブチル、メトキシシクロペンチル、メトキシシクロヘキシル、テトラヒドロフリルおよびテトラヒドロピラニル、好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシシクロヘキシルおよびテトラヒドロピラニル、最も好ましくはシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびテトラヒドロピラニルが挙げられる。
がアミノ保護基である場合、これは水素化分解、加水分解、電気分解または光分解などの化学的手段により開裂可能な保護基を表す。そのようなアミノ保護基は、T.W.Greeneら編、Protective Groups in Organic Synthesis(John Wiley & Sons,1999)に記載され、例えばベンジル、CO(C=O)−、CH(C=O)−、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、ベンジルオキシカルボニルおよびt−ブトキシカルボニルが挙げられるが、それだけに限定されない。これらの基のうち、t−ブトキシカルボニルが好ましい。
がカルボキシ保護基である場合、これは水素化分解、加水分解、電気分解または光分解などの化学的手段により開裂可能な保護基を表す。そのようなカルボキシ保護基は、T.W.Greeneら編、Protective Groups in Organic Synthesis(John Wiley & Sons,1999)に記載され、例えばメトキシ、エトキシ、t−ブチルオキシ、メトキシメトキシ、2,2,2−トリクロロエトキシ、ベンジルオキシ、ジフェニルメトキシ、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシおよびアリルオキシが挙げられる。これらの基のうち、t−ブチルオキシ、メトキシまたはエトキシが好ましい。
およびAの置換基がハロゲン原子を表す場合、これらはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子であることができる。これらのうち、フッ素または塩素原子が好ましい。
本明細書で使用する「治療すること」(treating)および「治療」(treatment)という用語は、そのような用語が当てはまる障害または状態、あるいはそのような障害または状態の1種または複数の症状の逆転、緩和、進行の阻害または予防を含む、治癒的、対症的または予防的治療を意味する。
本明細書で使用する冠詞「a」または「an」は、特記なき限り、それが指す対象の単数形と複数形の両方を意味する。
本発明の化合物の好ましいクラスは、それぞれ本明細書に記載される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物であり、式中、
(A)Rはイソプロピル基であり、
(B)Rは水素原子、フッ素原子またはヒドロキシ基であり、
(C)Rは水素原子であり、
(D)Rはカルボキシ基またはテトラゾリル基であり、
(E)Rはカルボキシ基であり、
(F)Aは炭素数1〜2のアルキレン基であり、前記アルキレン基は非置換であるか、またはハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基からなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換されており、任意の2個の非ハロゲン置換基は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい6員環を形成することができ、
(G)Aは炭素数1〜2のアルキレン基であり、前記アルキレン基はハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基からなる群から独立に選択される2個のジェミナル置換基で置換されており、非ハロゲンジェミナル置換基は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい6員環を形成することができ、
(H)Aは炭素数1〜2のアルキレン基であり、前記アルキレン基は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基からなる群から独立に選択される2個の置換基で置換されており、任意の2個の前記置換基は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい5員環を形成することができ、
(I)Aは炭素数1〜2のアルキレン基であり、前記アルキレン基は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基からなる群から独立に選択される2個のジェミナル置換基で置換されており、前記ジェミナル置換基は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい5員環を形成することができ、
(J)Aは炭素数1〜2のアルキレン基であり、前記アルキレン基は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基からなる群から独立に選択される2個の置換基で置換されており、前記置換基は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい3〜4員環を形成することができ、
(K)Aは炭素数1〜2のアルキレン基であり、前記アルキレン基は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基からなる群から独立に選択される2個のジェミナル置換基で置換されており、前記ジェミナル置換基は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい3〜4員環を形成することができ、
(L)Aは
Figure 2008509088
であり、
(M)Aは
Figure 2008509088
であり、
(N)Aは
Figure 2008509088
であり、
(O)Aは
Figure 2008509088
であり、
(P)Aは
Figure 2008509088
であり、あるいは
(Q)mは2の整数である。
本発明の特に好ましい化合物は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物であり、式中、
(R)Rはイソプロピル基であり、Rは水素原子、フッ素原子またはヒドロキシ基であり、Rはカルボキシ基またはテトラゾリル基であり、Aは炭素数1〜2のアルキレン基であり、前記アルキレン基は非置換であるか、またはハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基からなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換されており、任意の2個の非ハロゲン置換基は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい6員環を形成することができ、mは2の整数であり、
(S)Rはイソプロピル基であり、Rは水素原子であり、Rはカルボキシ基またはテトラゾリル基であり、Aは炭素数1〜2のアルキレン基であり、前記アルキレン基はハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基からなる群から独立に選択される2個のジェミナル置換基で置換されており、前記ジェミナル置換基は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい6員環を形成することができ、mは2の整数であり、
(T)Rはイソプロピル基であり、Rは水素原子であり、Rはカルボキシ基またはテトラゾリル基であり、Aは
Figure 2008509088
であり、
mは2の整数であり、
(U)Rはイソプロピル基であり、Rは水素原子、フッ素原子またはヒドロキシ基であり、Rはカルボキシ基であり、Aは炭素数1〜2のアルキレン基であり、前記アルキレン基は非置換であるか、またはハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基からなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換されており、任意の2個の非ハロゲンジェミナル置換基は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい6員環を形成することができ、mは2の整数であり、
(V)Rはイソプロピル基であり、Rは水素原子、フッ素原子またはヒドロキシ基であり、Rはカルボキシ基であり、Aは
Figure 2008509088
であり、
mは2の整数であり、
(W)Rはイソプロピル基であり、Rは水素原子、フッ素原子またはヒドロキシ基であり、Rはカルボキシ基またはテトラゾリル基であり、Aは炭素数1〜2のアルキレン基であり、前記アルキレン基は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基からなる群から独立に選択される2個の置換基で置換されており、任意の2個の前記置換基は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい5員環を形成することができ、mは2の整数であり、
(X)Rはイソプロピル基であり、Rは水素原子であり、Rはカルボキシ基またはテトラゾリル基であり、Aは炭素数1〜2のアルキレン基であり、前記アルキレン基は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基からなる群から独立に選択される2個のジェミナル置換基で置換されており、前記ジェミナル置換基は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい5員環を形成することができ、mは2の整数であり、
(Y)Rはイソプロピル基であり、Rは水素原子であり、Rはカルボキシ基またはテトラゾリル基であり、Aは
Figure 2008509088
であり、
mは2の整数であり、
(Z)Rはイソプロピル基であり、Rは水素原子、フッ素原子またはヒドロキシ基であり、Rはカルボキシ基であり、Aは炭素数1〜2のアルキレン基であり、前記アルキレン基は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基からなる群から独立に選択される2個の置換基で置換されており、任意の2個の前記置換基は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい5員環を形成することができ、mは2の整数であり、
(AA)Rはイソプロピル基であり、Rは水素原子、フッ素原子またはヒドロキシ基であり、Rはカルボキシ基であり、Aは
Figure 2008509088
であり、
mは2の整数であり、
(AB)Rはイソプロピル基であり、Rは水素原子、フッ素原子またはヒドロキシ基であり、Rはカルボキシ基またはテトラゾリル基であり、Aは炭素数1〜2のアルキレン基であり、前記アルキレン基は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基からなる群から独立に選択される2個の置換基で置換されており、前記置換基は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい3〜4員環を形成することができ、mは2の整数であり、
(AC)Rはイソプロピル基であり、Rは水素原子であり、Rはカルボキシ基またはテトラゾリル基であり、Aは炭素数1〜2のアルキレン基であり、前記アルキレン基は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基からなる群から独立に選択される2個のジェミナル置換基で置換されており、前記ジェミナル置換基は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい3〜4員環を形成することができ、mは2の整数であり、
(AD)Rはイソプロピル基であり、Rは水素原子であり、Rはカルボキシ基またはテトラゾリル基であり、Aは
Figure 2008509088
であり、
mは2の整数であり、
(AE)Rはイソプロピル基であり、Rは水素原子、フッ素原子またはヒドロキシ基であり、Rはカルボキシ基であり、Aは炭素数1〜2のアルキレン基であり、前記アルキレン基はハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基からなる群から独立に選択される2個の置換基で置換されており、任意の2個の非ハロゲン置換基は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい3〜4員環を形成することができ、mは2の整数であり、
(AF)Rはイソプロピル基であり、Rは水素原子、フッ素原子またはヒドロキシ基であり、Rはカルボキシ基であり、Aは
Figure 2008509088
であり、
mは2の整数であり、
(AG)Rはイソプロピル基であり、Rは水素原子、フッ素原子またはヒドロキシ基であり、Rはカルボキシ基であり、Aは
Figure 2008509088
であり、
mは2の整数であり、あるいは
(AH)Rはイソプロピル基であり、Rは水素原子であり、Rはカルボキシ基またはテトラゾリル基であり、Aは
Figure 2008509088
であり、
mは2の整数である。
本発明の一実施形態は、
4−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸、
1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロヘキサンカルボン酸、
1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロペンタンカルボン酸、
1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロプロパンカルボン酸、
1−{[4−ヒドロキシ−4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロヘキサンカルボン酸、
1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロブタンカルボン酸からなる群から選択される化合物、およびその薬学的に許容できる塩または溶媒和物を提供する。
本発明の一実施形態は、
4−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸、
1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロヘキサンカルボン酸からなる群からの化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物を提供する。
本発明の一実施形態は、
1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロペンタンカルボン酸からなる群からの化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物を提供する。
本発明の一実施形態は、
1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロプロパンカルボン酸、
1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロブタンカルボン酸からなる群からの化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物を提供する。
式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩は、その(ジ塩を含む)酸付加および塩基塩を含む。
好適な酸付加塩は、無毒の塩を形成する酸から形成される。例えば、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、硫酸水素塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物塩、臭化水素酸塩/臭化物塩、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、サッカリン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩およびトリフルオロ酢酸塩が挙げられる。
好適な塩基塩は、無毒の塩を形成する塩基から形成される。例えば、アルミニウム塩、アルギニン塩、ベンザチン塩、カルシウム塩、コリン塩、ジエチルアミン塩、ジオールアミン塩、グリシン塩、リシン塩、マグネシウム塩、メグルミン塩、オラミン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、トロメタミン塩および亜鉛塩が挙げられる。
好適な塩に関する考察はStahl and Wermuth,“Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use”(Wiley−VCH,Weinheim,Germany,2002)を参照。式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩は、式(I)の化合物の溶液と所望の酸または塩基を適宜一緒に混合することで容易に調製することができる。塩は、溶液から析出させて濾取してもよく、溶媒の蒸発により回収してもよい。塩のイオン化の程度は、完全イオン化からほぼ非イオン化まで変動し得る。
本発明の化合物は、非溶媒和物と溶媒和物の両方で存在し得る。本明細書で「溶媒和物」という用語は、本発明の化合物および1種または複数の薬学的に許容できる溶媒分子、例えばエタノールを含む分子錯体を記述するのに使用する。「水和物」という用語は、前記溶媒が水である場合に使用する。
本発明の薬学的に許容できる溶媒和物としては、再結晶溶媒が同位体置換されていてもよい水和物および溶媒和物、例えばDO、d−アセトン、d−DMSOが挙げられる。
包接化合物、すなわち、上記の溶媒和物とは対照的に、薬物およびホストが化学量論的または非化学量論的量で存在する薬物−ホスト包接錯体などの錯体が本発明の範囲に含まれる。化学量論的量でも非化学量論的量でもよい2種以上の有機および/または無機成分を含む薬物の錯体も含まれる。得られた錯体はイオン化、部分イオン化または非イオン化されていてもよい。このような錯体に関する考察はHaleblian,J Pharm Sci,64(8),1269−1288(August 1975)を参照。
以下、式(I)の化合物に対するすべての言及は、その塩、溶媒和物および錯体、ならびにその塩の溶媒和物および錯体に対する言及を含む。
「本発明の化合物(compound)」または「本発明の複数の化合物(compounds)」という用語は、特記なき限り、上記定義の式(I)の化合物、下記定義のその多形、プロドラッグおよび異性体(光学、幾何および互変異性体を含む)、ならびに式(I)の同位体標識化合物を意味する。
式(I)の化合物のいわゆる「プロドラッグ」も本発明の範囲に含まれる。したがって、それ自体ほとんどまたは全く薬理活性を有さないことがある式(I)の化合物のある種の誘導体は、身体中または身体上に投与された際に、例えば加水分解による開裂で所望の活性を有する式(I)の化合物に変換され得る。そのような誘導体を「プロドラッグ」と呼ぶ。プロドラッグの使用に関するさらなる情報は‘Pro−drugs as Novel Delivery Systems,Vol.14,ACS Symposium Series(T Higuchi and W Stella)および‘Bioreversible Carriers in Drug Design’,Pergamon Press,1987(ed.E B Roche,American Pharmaceutical Association)に見ることができる。
本発明のプロドラッグは例えば、式(I)の化合物に存在する適切な官能基を、例えばH Bundgaardの“Design of Prodrugs”(Elsevier,1985)に記載されている「プロ部分」(‘pro−moieties’)として当業者に公知であるある種の部分で置換することにより製造することができる。本発明のプロドラッグのいくつかの例としては、以下のプロドラッグが挙げられる。
(i)式(I)の化合物がカルボン酸官能基(−COOH)を含む場合、例えば水素を(C〜C)アルキルで置換することによるそのエステル。
(ii)式(I)の化合物がアルコール官能基(−OH)を含む場合、例えば水素を(C〜C)アルカノイルオキシメチルで置換することによるそのエーテル。
(iii)式(I)の化合物が第1級または第2級アミノ官能基(−NHまたはR≠Hである−NHR)を含む場合、例えば1個または両方の水素を(C〜C10)アルカノイルで置換することによるそのアミド。
上記の例に係る置換基のさらなる例、および他のプロドラッグの種類の例は、上記の参考文献に見ることができる。
最後に、式(I)のある種の化合物は、それ自体式(I)の他の化合物のプロドラッグとして働くことができる。
1個または複数の不斉炭素原子を含む式(I)の化合物は2種以上の立体異性体として存在することができる。式(I)の化合物がアルケニルまたはアルケニレン基を含む場合、幾何シス/トランス(またはZ/E)異性体が可能である。該化合物が例えばケトもしくはオキシム基または芳香族部分を含む場合、互変異性(‘tautomerism’)が生じ得る。したがって、単一の化合物は2種以上の異性を示すことができる。
2種以上の異性を示す化合物を含む、式(I)の化合物のすべての立体異性体、幾何異性体および互変異性体、ならびにその1種または複数の混合物が本発明の範囲に含まれる。対イオンが光学的に活性である酸付加または塩基塩、例えばD−乳酸塩またはL−リシン、あるいは対イオンがラセミ的である酸付加または塩基塩、例えばDL−酒石酸塩またはDL−アルギニンも含まれる。
シス/トランス異性体は、当業者に公知である従来の技法、例えばクロマトグラフィーおよび分別再結晶により分離することができる。
個別の鏡像異性体を調製/単離するための従来の技法としては、好適な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、あるいは例えばキラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いたラセミ体(または塩もしくは誘導体のラセミ体)の分割が挙げられる。
あるいは、ラセミ体(またはラセミ前駆体)を、好適な光学活性化合物、例えばアルコール、または、式(I)の化合物が酸性もしくは塩基性部分を含む場合は、酒石酸もしくは1−フェニルエチルアミンなどの酸もしくは塩基と反応させることができる。得られたジアステレオマー混合物はクロマトグラフィーおよび/または分別再結晶で分離することができ、ジアステレオマーの一方または両方を当業者に公知の手段で対応する純粋な鏡像異性体に変換することができる。
本発明のキラル化合物(およびそのキラル前駆体)は、鏡像異性体が高濃度の形態で、炭化水素、通常はヘプタンまたはヘキサンからなる移動相を有し、0〜50%、通常は2〜20%のイソプロパノールおよび0〜5%のアルキルアミン、通常は0.1%のジエチルアミンを含む不斉樹脂上のクロマトグラフィー、通常はHPLCを用いて得ることができる。溶離液の濃縮により高濃度の混合物が得られる。
立体異性体の集合体は、当業者に公知である従来の技法で分離することができる。例えばE L Eliel,“Stereochemistry of Organic Compounds”(Wiley,New York,1994)を参照。
本発明は、1つまたは複数の原子が、原子番号が同じであるが、原子質量または質量数が自然界に通常見られる原子質量または質量数と異なる原子で置換されている、すべての薬学的に許容できる式(I)の同位体標識化合物を含む。
本発明の化合物に好適に含まれる同位体としては、例えばHおよびHなどの水素同位体、11C、13Cおよび14Cなどの炭素同位体、36Clなどの塩素同位体、18Fなどのフッ素同位体、123Iおよび125Iなどのヨウ素同位体、13Nおよび15Nなどの窒素同位体、15O、17Oおよび18Oなどの酸素同位体、32Pなどのリン同位体、ならびに35Sなどの硫黄同位体が挙げられる。
式(I)の化合物のある種の同位体標識化合物、例えば放射性同位体を含む同位体標識化合物は、薬物および/または基質組織分配研究に有用である。放射性同位体であるトリチウム、すなわちH、および炭素14、すなわち14Cは、その取り込みが容易であり、検出手段として手軽に使用できるため、この目的に特に有用である。
重水素、すなわち2Hなどのより重い同位体での置換は、より大きい代謝安定性に起因するある種の治療上の利点、例えばin vivo半減期の増大または必要用量の減少をもたらすことができるため、ある状況では好ましいと思われる。
11C、18F、15Oおよび13Nなどの陽電子放出同位体による置換は、基質受容体占有率を検査する陽電子放出断層撮影(PET)研究で有用であり得る。
式(I)の同位体標識化合物は一般に、当業者に公知である従来の技法、または下記の実施例および調製例に記載の方法と類似した方法により、これまで使用されてきた非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を用いて調製することができる。
すべての式(I)の化合物は、下記に提示する一般的方法に記載の手順、または実施例のセクションおよび調製例のセクションに記載の具体的方法、またはそれらの日常的な改変形態により調製することができる。本発明はまた、式(I)の化合物を調製するこれらの方法のうち任意の1つまたは複数、ならびにその方法で使用する任意の新規中間体を含む。
一般的合成
本発明の化合物は、例えば下記方法A〜Gに示すような、この種の化合物を調製する各種公知の方法により調製することができる。
下記方法AおよびBは式(I)の化合物の調製を例示する。方法C〜Gは各種中間体の調製を例示する。
特記なき限り、下記方法でのR、R、R、mおよびAは上記定義の通りである。以下で使用する「保護基」という用語は、T.W.Greeneら編、Protective Groups in Organic Synthesis(John Wiley & Sons,1999)に記載の典型的なヒドロキシ、カルボキシまたはアミノ保護基から選択されるヒドロキシ、カルボキシまたはアミノ保護基を意味する。下記の一般的合成でのすべての出発原料は、市販されているか、またはその開示内容が参照により本明細書に組み込まれるEuropean Journal of Medicinal Chemistry,12(1),87−91;1977などの当業者に公知である従来の方法により得ることができる。
方法A
この方法は式(I)の化合物の調製を例示する。
反応スキームA
Figure 2008509088
反応スキームAでは、R3aは、上記定義のR、または式−C(=O)−Rの基であり、Rはカルボキシ保護基である。
本明細書で使用する「カルボキシ保護基」という用語は、水素化分解、加水分解、電気分解または光分解などの化学的手段により開裂可能な保護基を意味し、そのようなカルボキシ保護基はT.W.Greeneら編、Protective Groups in Organic Synthesis(John Wiley & Sons,1999)に記載されている。典型的なカルボキシ保護基としては、メトキシ、エトキシ、t−ブチルオキシ、メトキシメトキシ、2,2,2−トリクロロエトキシ、ベンジルオキシ、ジフェニルメトキシ、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシおよびアリルオキシが挙げられるが、それだけに限定されない。これらの基のうち、t−ブチルオキシ、メトキシまたはエトキシが好ましい。
ステップA1
このステップでは、式(II)の化合物を式(III)の化合物でカルボニル化することで所望の本発明の式(I)の化合物を調製する。式(II)の化合物は市販されている。式(III)の化合物は下記の方法Cに従って調製することができる。
反応は通常、また好ましくは溶媒の存在下で行われる。反応または関与する試薬に悪影響を与えず、試薬を少なくともある程度溶解可能である限り、使用する溶媒の性質には特別な制限はない。好適な溶媒としては例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素および1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエンおよびニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル;ならびにN,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミドが挙げられるが、それだけに限定されない。これらの溶媒のうち、ジクロロメタンが好ましい。
使用されるカルボニル化剤の性質にも特別な制限はなく、この種の反応に一般的に使用されるどのカルボニル化剤でもここでは等しく使用することができる。そのようなカルボニル化剤としては例えば、N,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI)などのイミダゾール誘導体;クロロギ酸トリクロロメチルおよびクロロギ酸4−ニトロフェニルなどのクロロギ酸塩;尿素;ならびにトリホスゲンが挙げられるが、それだけに限定されない。これらのうち、クロロギ酸4−ニトロフェニルが好ましい。
反応は広範な温度で行うことができ、正確な反応温度は本発明では重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒および出発原料の性質などの要因に依存する。しかし、一般には、約−78℃〜約120℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に要する時間も、多くの要因、特に反応温度ならびに使用する出発原料および溶媒の性質に応じて大きく変化する場合がある。しかし、上記で概説した好ましい条件下で反応を行う限り、約5分〜約24時間で通常は十分である。
3aが式−C(=O)−Rの基である場合、脱保護反応を続けて行いカルボキシ基を得る。この反応は、T.W.Greeneら、Protective Groups in Organic Synthesis,369−453,(1999)に詳述されており、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。以下では保護基t−ブチルを含む典型的な反応を例示する。
脱保護反応は通常、また好ましくは溶媒の存在下で行われる。反応または関与する試薬に悪影響を与えず、試薬を少なくともある程度溶解可能である限り、使用する溶媒の性質には特別な制限はない。好適な溶媒としては例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素および1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;ならびにベンゼン、トルエンおよびニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素が挙げられるが、それだけに限定されない。これらの溶媒のうち、ハロゲン化炭化水素が好ましい。
脱保護反応は酸の存在下で行う。使用される酸の性質にも特別な制限はなく、この種の反応に一般的に使用されるどの酸でもここでは等しく使用することができる。そのような酸としては例えば、塩酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸またはトリフルオロ酢酸などの酸が挙げられるが、それだけに限定されない。これらのうち、トリフルオロ酢酸が好ましい。
脱保護反応は好適なラジカルスカベンジャーの存在下で行うことができる。使用されるラジカルスカベンジャーの性質にも特別な制限はなく、この種の反応に一般的に使用されるどのラジカルスカベンジャーでもここでは等しく使用することができる。そのようなラジカルスカベンジャーとしては例えば、HBr、ジメチルスルホキシドまたは(CHCHSiHが挙げられるが、それだけに限定されない。これらのうち、(CHCHSiHが好ましい。
脱保護反応は広範な温度で行うことができ、正確な反応温度は本発明では重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒および出発原料の性質などの要因に依存する。しかし、一般には、約0℃〜約100℃、より好ましくは約0℃〜約50℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に要する時間も、多くの要因、特に反応温度ならびに使用する出発原料および溶媒の性質に応じて大きく変化する場合がある。しかし、上記で概説した好ましい条件下で反応を行う限り、約5分〜約24時間、より好ましくは約1時間〜約24時間で通常は十分である。
方法B
この方法は所望の式(I)の化合物の代替的調製を例示する。
反応スキームB
Figure 2008509088
反応スキームBでは、R3aは上記定義の通りであり、Rはアミノ保護基であり、Aは、上記定義のA、または炭素数1〜3のアルキレン基であり、前記アルキレン基は非置換であるか、またはハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基からなる群から独立に選択される1〜4個の置換基で置換されており、2個の前記置換基は、炭素原子と一緒になって3〜6員環を形成してもよく、Xはヨウ素原子、塩素原子または臭素原子などのハロゲン原子である。
本明細書で使用する「アミノ保護基」という用語は、水素化分解、加水分解、電気分解または光分解などの化学的手段により開裂可能な保護基を意味する。そのようなアミノ保護基はT.W.Greeneら編、Protective Groups in Organic Synthesis(John Wiley & Sons,1999)に記載されている。典型的なアミノ保護基としては、ベンジル、CO(C=O)−、CH(C=O)−、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、ベンジルオキシカルボニルおよびt−ブトキシカルボニルが挙げられるが、それだけに限定されない。これらの基のうち、t−ブトキシカルボニルが好ましい。
ステップB1
このステップでは、式(IV)の化合物の脱保護により式(V)の化合物を調製する。式(V)の化合物は、例えば式(II)の化合物から式(I)の化合物を調製する方法Aに記載の方法と同様な方法により調製することができる。この脱保護方法はT.W.Greeneら[Protective Groups in Organic Synthesis,494−653,(1999)]に詳述されており、その開示内容は本明細書に参照により組み込まれる。以下では保護基t−ブトキシカルボニルを含む典型的な方法を例示する。
反応は通常、また好ましくは溶媒の存在下で行われる。反応または関与する試薬に悪影響を与えず、試薬を少なくともある程度溶解可能である限り、使用する溶媒の性質には特別な制限はない。好適な溶媒としては例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素および1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;ならびにメタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノールおよびブタノールなどのアルコールが挙げられるが、それだけに限定されない。これらの溶媒のうち、アルコールが好ましい。
反応は過剰量の酸の存在下で行う。使用される酸の性質にも特別な制限はなく、この種の反応に一般的に使用されるどの酸でもここでは等しく使用することができる。そのような酸としては例えば、塩酸またはトリフルオロ酢酸などの酸が挙げられるが、それだけに限定されない。これらのうち、塩酸が好ましい。
反応は広範な温度で行うことができ、正確な反応温度は本発明では重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒および出発原料の性質などの要因に依存する。しかし、一般には、約0℃〜約100℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に要する時間も、多くの要因、特に反応温度ならびに使用する出発原料および溶媒の性質に応じて大きく変化する場合がある。しかし、上記で概説した好ましい条件下で反応を行う限り、約5分〜約24時間で通常は十分である。
ステップB2
このステップでは、ステップB1に記載のように調製した式(V)の化合物と式(VI)の化合物のカップリング(B2−a)により、または式(VII)の化合物を用いた式(V)の化合物の還元アミン化(B2−b)により、所望の式(I)の化合物を調製する。
(B2−a)式(V)の化合物とのカップリング
反応は通常、また好ましくは溶媒の存在下で行われる。反応または関与する試薬に悪影響を与えず、試薬を少なくともある程度溶解可能である限り、使用する溶媒の性質には特別な制限はない。好適な溶媒としては例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素および1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル;N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、N,N−ジメチルアニリンおよびN,N−ジエチルアニリンなどのアミン;ならびにN,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミドが挙げられるが、それだけに限定されない。これらのうち、N,N−ジメチルホルムアミドまたはN−メチルピロリジンが好ましい。
反応は塩基の存在下で行う。使用される塩基の性質にも特別な制限はなく、この種の反応に一般的に使用されるどの塩基でもここでは等しく使用することができる。そのような塩基としては例えば、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、ピコリン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ(t−ブチル)−4−メチルピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)などのアミン;水素化リチウム、水素化ナトリウムおよび水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物;ならびにナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドが挙げられるが、それだけに限定されない。これらのうち、ジイソプロピルエチルアミンが好ましい。
反応は広範な温度で行うことができ、正確な反応温度は本発明では重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒および出発原料の性質などの要因に依存する。しかし、一般には、約0℃〜約120℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に要する時間も、多くの要因、特に反応温度ならびに使用する出発原料および溶媒の性質に応じて大きく変化する場合がある。しかし、上記で概説した好ましい条件下で反応を行う限り、約5分〜約48時間で通常は十分である。
(B2−b)還元アミン化
反応は通常、また好ましくは溶媒の存在下で行われる。反応または関与する試薬に悪影響を与えず、試薬を少なくともある程度溶解可能である限り、使用する溶媒の性質には特別な制限はない。好適な溶媒としては例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素および1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル;メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノールおよびブタノールなどのアルコール;酢酸;ならびに水が挙げられるが、それだけに限定されない。これらの溶媒のうち、ハロゲン化炭化水素が好ましい。
反応は還元試薬の存在下で行う。使用される還元試薬の性質にも特別な制限はなく、この種の反応に一般的に使用されるどの還元試薬でもここでは等しく使用することができる。そのような還元試薬としては例えば、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムおよびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムが挙げられるが、それだけに限定されない。これらのうち、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムが好ましい。反応に要する還元試薬の量も、多くの要因、特に反応温度ならびに使用する出発原料および溶媒の性質に応じて大きく変化する場合がある。しかし、好ましい条件下で反応を行う限り、還元試薬の出発原料に対する化学当量比が1〜3であれば通常は十分である。
反応は広範な温度で行うことができ、正確な反応温度は本発明では重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒および出発原料の性質などの要因に依存する。しかし、一般には、約−20℃〜約60℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に要する時間も、多くの要因、特に反応温度ならびに使用する出発原料および溶媒の性質に応じて大きく変化する場合がある。しかし、上記で概説した好ましい条件下で反応を行う限り、約5分〜約24時間で通常は十分である。
3aが式−C(=O)−Rの基である場合、脱保護反応を続けて行いカルボキシ基を得る。反応は、方法AのステップA1に記載した条件と同じ条件下で行うことができる。
方法C
この方法は式(III)の化合物の調製を例示する。
反応スキームC
Figure 2008509088
反応スキームCでは、X、A、A、およびR3a、Rはそれぞれ上記定義の通りである。したがって、R3aが−C(=O)−Rである場合、上記式(IX)の化合物は以下の通りである。
Figure 2008509088
ステップC1
このステップでは、式(VIII)の化合物と式(VI)の化合物のカップリングにより、または式(VII)の化合物を用いた式(VIII)の化合物の還元アミン化により、式(IX)の化合物を調製する。式(III)の化合物は下記の方法FおよびGに従って調製することができるか、または市販されている。
ステップC2
このステップでは、ステップC1に記載のように調製した式(IX)の化合物の脱保護により式(III)の化合物を調製する。反応は、方法BのステップB1に記載した条件と同じ条件下で行うことができる。
方法D
この方法は式(IIIa)の化合物の調製を例示する。
反応スキームD
Figure 2008509088
反応スキームDでは、R3a、R、RおよびYはそれぞれ上記定義の通りであり、Rはt−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、トリエチルシリルまたはトリメチルシリルなどのシリル基、好ましくはトリメチルシリルであり、RおよびRは独立にハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基を表し、RおよびRはそれらが結合する炭素原子と一緒になって3〜6員環を形成してもよく、Aは上記定義のAであるが、但しメチレン基および置換メチレン基を除く。
ステップD1
このステップでは、パラホルムアルデヒドの存在下、式(VIII)の化合物と式(X)の化合物を縮合させることにより式(XI)の化合物を調製する。式(VIII)の化合物は方法FおよびGに従って調製することができるか、または市販されている。
Yがアルコキシ基でない場合、反応は通常、また好ましくは溶媒の存在下で行われる。反応または関与する試薬に悪影響を与えず、試薬を少なくともある程度溶解可能である限り、使用する溶媒の性質には特別な制限はない。好適な溶媒としては例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素および1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;ならびにメタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノールおよびブタノールなどのアルコールが挙げられるが、それだけに限定されない。これらの溶媒のうち、ジクロロメタンまたはエタノールが好ましい。
反応は広範な温度で行うことができ、正確な反応温度は本発明では重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒および出発原料の性質などの要因に依存する。しかし、一般には、約0℃〜約120℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に要する時間も、多くの要因、特に反応温度ならびに使用する出発原料および溶媒の性質に応じて大きく変化する場合がある。しかし、上記で概説した好ましい条件下で反応を行う限り、約5分〜約48時間で通常は十分である。
ステップD2
このステップでは、式(XI)の化合物と式(XII)の化合物のマンニッヒ反応により式(IIIa)の化合物を調製する。
反応は通常、また好ましくは溶媒の存在下で行われる。反応または関与する試薬に悪影響を与えず、試薬を少なくともある程度溶解可能である限り、使用する溶媒の性質には特別な制限はない。好適な溶媒としては例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素および1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルおよびベンゾニトリルなどのニトリル;ならびにホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびヘキサメチルホスホリックトリアミドなどのアミドが挙げられるが、それだけに限定されない。これらの溶媒のうち、ジクロロメタンが好ましい。
反応はルイス酸の存在下で行う。使用されるルイス酸の性質にも特別な制限はなく、この種の反応に一般的に使用されるどのルイス酸でもここでは等しく使用することができる。そのようなルイス酸としては例えば、BF、AlCl、FeCl、MgCl、AgCl、Fe(NO、CFSOSi(CH、Yb(CFSOおよびSnClが挙げられるが、それだけに限定されない。これらのうち、Yb(CFSO、MgClまたはCFSOSi(CHが好ましい。
反応は広範な温度で行うことができ、正確な反応温度は本発明では重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒および出発原料の性質などの要因に依存する。しかし、一般には、約0℃〜約100℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に要する時間も、多くの要因、特に反応温度ならびに使用する出発原料および溶媒の性質に応じて大きく変化する場合がある。しかし、上記で概説した好ましい条件下で反応を行う限り、約5分〜約24時間で通常は十分である。
方法E
この方法は、Rが水素原子であり、AがAである、式(III)の化合物の調製を例示する。
反応スキームE
Figure 2008509088
反応スキームEでは、A、AおよびR3aはそれぞれ上記定義の通りであり、RおよびR’はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、好ましくはメチル基、またはベンジルもしくはフェネチル基などのアラルキル基、好ましくはベンジル基である。
ステップE1
このステップでは、市販されている式(XIII)の化合物のシアノ基を還元することにより式(XIV)の化合物を調製する。
反応は通常、また好ましくは溶媒の存在下で行われる。反応または関与する試薬に悪影響を与えず、試薬を少なくともある程度溶解可能である限り、使用する溶媒の性質には特別な制限はない。好適な溶媒としては例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル;ベンゼン、トルエンおよびニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素;ならびにメタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノールおよびブタノールなどのアルコールが挙げられるが、それだけに限定されない。これらのうち、メタノールが好ましい。
反応は還元剤の存在下で行う。使用される還元剤の性質にも特別な制限はなく、この種の反応に一般的に使用されるどの還元剤でもここでは等しく使用することができる。そのような還元剤としては例えば、水素化ホウ素ナトリウムおよびシアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの金属水素化ホウ素;水素ガスとパラジウム−炭素、白金およびラネーニッケルなどの触媒の組み合わせ、ならびに水素化アルミニウムリチウムおよび水素化ジイソブチルアルミニウムなどの水素化化合物が挙げられるが、それだけに限定されない。これらのうち、ラネーニッケルが好ましい。
反応は広範な温度で行うことができ、正確な反応温度は本発明では重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒および出発原料の性質などの要因に依存する。しかし、一般には、約0℃〜約100℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に要する時間も、多くの要因、特に反応温度ならびに使用する出発原料および溶媒の性質に応じて大きく変化する場合がある。しかし、上記で概説した好ましい条件下で反応を行う限り、約5分〜約24時間で通常は十分である。
ステップE2
このステップでは、市販されている式(XV)の化合物と式(XIV)の化合物を反応させることにより式(XVI)の化合物を調製する。
反応は通常、また好ましくは溶媒の存在下で行われる。反応または関与する試薬に悪影響を与えず、試薬を少なくともある程度溶解可能である限り、使用する溶媒の性質には特別な制限はない。好適な溶媒としては例えば、水;ならびにメタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノールおよびブタノールなどのアルコールが挙げられるが、それだけに限定されない。これらのうち、水とエタノールの混合物が好ましい。
反応は塩基の存在下で行う。使用される塩基の性質にも特別な制限はなく、この種の反応に一般的に使用されるどの塩基でもここでは等しく使用することができる。そのような塩基としては例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド;ならびに炭酸リチウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩が挙げられるが、それだけに限定されない。これらのうち、炭酸カリウムが好ましい。
反応は広範な温度で行うことができ、正確な反応温度は本発明では重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒および出発原料の性質などの要因に依存する。しかし、一般には、約0℃〜約120℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に要する時間も、多くの要因、特に反応温度ならびに使用する出発原料および溶媒の性質に応じて大きく変化する場合がある。しかし、上記で概説した好ましい条件下で反応を行う限り、約5分〜約24時間で通常は十分である。
ステップE3
このステップでは、p−トルエンスルホニルメチルイソシアニドの存在下で式(XVI)の化合物のカルボニル基をシアノ基に変換することにより式(XVII)の化合物を調製する。
反応は通常、また好ましくは溶媒の存在下で行われる。反応または関与する試薬に悪影響を与えず、試薬を少なくともある程度溶解可能である限り、使用する溶媒の性質には特別な制限はない。好適な溶媒としては例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル;ならびにメタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノールおよびブタノールなどのアルコールが挙げられるが、それだけに限定されない。これらのうち、エチレングリコールジメチルエーテルとエタノールの混合物が好ましい。
反応は塩基の存在下で行う。使用される塩基の性質にも特別な制限はなく、この種の反応に一般的に使用されるどの塩基でもここでは等しく使用することができる。そのような塩基としては例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドおよびカリウムt−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドが挙げられるが、それだけに限定されない。これらのうち、カリウムt−ブトキシドが好ましい。
反応は広範な温度で行うことができ、正確な反応温度は本発明では重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒および出発原料の性質などの要因に依存する。しかし、一般には、約0℃〜約100℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に要する時間も、多くの要因、特に反応温度ならびに使用する出発原料および溶媒の性質に応じて大きく変化する場合がある。しかし、上記で概説した好ましい条件下で反応を行う限り、約5分〜約24時間で通常は十分である。
ステップE4
このステップでは、式(XVII)の化合物のシアノ基を還元することにより式(IIIb)の化合物を調製する。反応は、方法EのステップE1に記載した条件と同じ条件下で行うことができる。
方法F
この方法は、Rがハロゲン原子である式(VIII)の化合物の調製を例示する。
反応スキームF
Figure 2008509088
反応スキームFでは、R2aはハロゲン原子であり、Rは上記定義の通りであり、R10はアミノ保護基、好ましくはベンゾイル基である。
ステップF1
このステップでは、式(XVIII)の化合物のカルボニル基をエポキシド基に変換することにより式(XIX)の化合物を調製する。
反応は通常、また好ましくは溶媒の存在下で行われる。反応または関与する試薬に悪影響を与えず、試薬を少なくともある程度溶解可能である限り、使用する溶媒の性質には特別な制限はない。好適な溶媒としては例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびヘキサメチルホスホリックトリアミドなどのアミド;ジメチルスルホキシドまたはスルホランなどのスルホキシドが挙げられるが、それだけに限定されない。これらの溶媒のうち、ジメチルスルホキシドが好ましい。
反応は塩基の存在下で行う。使用される塩基の性質にも特別な制限はなく、この種の反応に一般的に使用されるどの塩基でもここでは等しく使用することができる。そのような塩基としては例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドおよびカリウムt−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド;ならびに炭酸リチウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩が挙げられるが、それだけに限定されない。これらのうち、カリウムt−ブトキシドが好ましい。
反応は広範な温度で行うことができ、正確な反応温度は本発明では重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒および出発原料の性質などの要因に依存する。しかし、一般には、約0℃〜約100℃、より好ましくは約10℃〜約50℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に要する時間も、多くの要因、特に反応温度ならびに使用する出発原料および溶媒の性質に応じて大きく変化する場合がある。しかし、上記で概説した好ましい条件下で反応を行う限り、約5分〜約24時間、より好ましくは約60分〜約12時間で通常は十分である。
ステップF2
このステップでは、ハロゲン化水素と式(XIX)の化合物を反応させることにより式(XX)の化合物を調製する。
反応は通常、また好ましくは溶媒の存在下で行われる。反応または関与する試薬に悪影響を与えず、試薬を少なくともある程度溶解可能である限り、使用する溶媒の性質には特別な制限はない。好適な溶媒としては例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびヘキサメチルホスホリックトリアミドなどのアミドが挙げられるが、それだけに限定されない。これらの溶媒のうち、テトラヒドロフランが好ましい。
反応は広範な温度で行うことができ、正確な反応温度は本発明では重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒および出発原料の性質などの要因に依存する。しかし、一般には、約0℃〜約100℃、より好ましくは約10℃〜約50℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に要する時間も、多くの要因、特に反応温度ならびに使用する出発原料および溶媒の性質に応じて大きく変化する場合がある。しかし、上記で概説した好ましい条件下で反応を行う限り、約5分〜約24時間、より好ましくは約60分〜約12時間で通常は十分である。
ステップF3
このステップでは、式(XX)の化合物とナトリウムアジドを反応させた(F3−a)後、アジド基を還元する(F3−b)ことにより式(XXI)の化合物を調製する。
(F3−a)ナトリウムアジドとの反応
反応は通常、また好ましくは溶媒の存在下で行われる。反応または関与する試薬に悪影響を与えず、試薬を少なくともある程度溶解可能である限り、使用する溶媒の性質には特別な制限はない。好適な溶媒としては例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素および1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびヘキサメチルホスホリックトリアミドなどのアミド;ならびにジメチルスルホキシドおよびスルホランなどのスルホキシドが挙げられるが、それだけに限定されない。これらの溶媒のうち、N,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
ナトリウムアジドを加える前に、塩化トリフルオロメタンスルホニル、塩化メシルおよび塩化トシルなどの試薬を加えることで、ヒドロキシ基をメチルスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基および4−メチルフェニルスルホニル基などの脱離基に変換する。これらの試薬のうち、塩化メシルが好ましい。
反応は広範な温度で行うことができ、正確な反応温度は本発明では重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒および出発原料の性質などの要因に依存する。しかし、一般には、約0℃〜約120℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に要する時間も、多くの要因、特に反応温度ならびに使用する出発原料および溶媒の性質に応じて大きく変化する場合がある。しかし、上記で概説した好ましい条件下で反応を行う限り、約5分〜約24時間で通常は十分である。
(F3−b)還元
反応は、方法EのステップE1に記載した条件と同じ条件下で行うことができる。
ステップF4
このステップでは、アミノ保護基Rを第1級アミノ基に導入し(F4−a)、第2級アミノ基のアミノ保護基R10を選択的に脱保護する(F4−b)ことにより、式(VIIIa)の化合物を調製する。
(F4−a)アミノ保護基の導入
この反応はT.W.Greeneら[Protective Groups in Organic Synthesis,494−653,(1999)]に詳述されており、その開示内容は本明細書に参照により組み込まれる。以下では保護基t−ブトキシカルボニルを含む典型的な反応を例示する。
反応は通常、また好ましくは溶媒の存在下で行われる。反応または関与する試薬に悪影響を与えず、試薬を少なくともある程度溶解可能である限り、使用する溶媒の性質には特別な制限はない。好適な溶媒としては例えば、水;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル;ならびにジメチルスルホキシドおよびスルホランなどのスルホキシドが挙げられるが、それだけに限定されない。これらの溶媒のうち、テトラヒドロフランが好ましい。
反応は試薬の存在下で行う。使用される試薬の性質にも特別な制限はなく、この種の反応に一般的に使用されるどの試薬でもここでは等しく使用することができる。そのような試薬としては例えば、炭酸ジ−t−ブチルおよび1−(t−ブトキシカルボニル)ベンズトリアゾールが挙げられるが、それだけに限定されない。これらのうち、炭酸ジ−t−ブチルが好ましい。
反応は広範な温度で行うことができ、正確な反応温度は本発明では重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒および出発原料の性質などの要因に依存する。しかし、一般には、約0℃〜約120℃、より好ましくは約20℃〜約80℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に要する時間も、多くの要因、特に反応温度ならびに使用する出発原料および溶媒の性質に応じて大きく変化する場合がある。しかし、上記で概説した好ましい条件下で反応を行う限り、約5分〜約24時間、より好ましくは約60分〜約12時間で通常は十分である。
(F4−b)脱保護
この方法はT.W.Greeneら、Protective Groups in Organic Synthesis,494−653,(1999)に詳述されており、その開示内容は本明細書に参照により組み込まれる。以下ではベンゾイル保護基を水素ガスとパラジウム−炭素または白金などの触媒の組み合わせの存在下で含む典型的な方法を例示する。
反応は通常、また好ましくは溶媒の存在下で行われる。反応または関与する試薬に悪影響を与えず、試薬を少なくともある程度溶解可能である限り、使用する溶媒の性質には特別な制限はない。好適な溶媒としては例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素および1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノールおよびブタノールなどのアルコール;ならびにジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテルが挙げられるが、それだけに限定されない。これらの溶媒のうち、メタノールが好ましい。
反応は広範な温度で行うことができ、正確な反応温度は本発明では重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒および出発原料の性質などの要因に依存する。しかし、一般には、約0℃〜約120℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に要する時間も、多くの要因、特に反応温度ならびに使用する出発原料および溶媒の性質に応じて大きく変化する場合がある。しかし、上記で概説した好ましい条件下で反応を行う限り、約5分〜約24時間で通常は十分である。
方法G
この方法は、Rがヒドロキシ基である式(VIII)の化合物の調製を例示する。
反応スキームG
Figure 2008509088
反応スキームGでは、RおよびR10はそれぞれ上記定義の通りである。
ステップG1
このステップでは、市販されている式(XVIII)の化合物のカルボニル基とシアン化トリメチルシリルを反応させることにより式(XXII)の化合物を調製する。
反応は通常、また好ましくは溶媒の存在下で行われる。反応または関与する試薬に悪影響を与えず、試薬を少なくともある程度溶解可能である限り、使用する溶媒の性質には特別な制限はない。好適な溶媒としては例えば、ベンゼン、トルエンおよびニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素および1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルおよびベンゾニトリルなどのニトリル;ならびにメタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノールおよびブタノールなどのアルコールが挙げられるが、それだけに限定されない。これらのうち、トルエンが好ましい。
反応は試薬の存在下で行う。使用される試薬の性質にも特別な制限はなく、この種の反応に一般的に使用されるどの試薬でもここでは等しく使用することができる。そのような試薬としては例えば、BF、AlCl、FeCl、AgCl、ZnI、Fe(NO、CFSOSi(CH、Yb(CFSOおよびSnClなどのルイス酸;CaOなどの塩基;18−クラウン−6などのエーテル;アンバーライトXAD−4樹脂などの酸が挙げられるが、それだけに限定されない。これらのうち、ZnIが好ましい。
反応は広範な温度で行うことができ、正確な反応温度は本発明では重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒および出発原料の性質などの要因に依存する。しかし、一般には、約0℃〜約100℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に要する時間も、多くの要因、特に反応温度ならびに使用する出発原料および溶媒の性質に応じて大きく変化する場合がある。しかし、上記で概説した好ましい条件下で反応を行う限り、約5分〜約24時間で通常は十分である。
ステップG2
このステップでは、式(XXII)の化合物のシアノ基をアミノ基に変換した後、アミノ保護基R10を脱保護することにより式(XXIII)の化合物を調製する。反応は、方法EのステップE1および方法FのステップF4に記載した条件と同じ条件下で行うことができる。
ステップG3
このステップでは、式(XXIII)の化合物のアミノ基を保護および脱保護することにより式(VIIIb)の化合物を調製する。反応は、方法FのステップF4に記載した条件と同じ条件下で行うことができる。
式(I)の化合物および上記調製方法での中間体は、蒸留、再結晶またはクロマトグラフィー精製などの従来の手順で単離および精製することができる。
薬学的使用が意図される本発明の化合物は結晶または無定形品として投与することができる。これらの化合物は、例えば固体栓、粉末またはフィルムとして、析出、再結晶、凍結乾燥、噴霧乾燥または蒸発乾燥などの方法で得ることができる。マイクロ波または超音波乾燥をこの目的で使用することができる。
これらの化合物は単独で、あるいは本発明の1種または複数の他の化合物との併用で、あるいは1種または複数の他の薬物との併用で(またはそれらの任意の併用として)投与することができる。一般に、これらの化合物は、1種または複数の薬学的に許容できる担体または賦形剤を伴う医薬組成物または製剤として投与される。本明細書で「担体」または「賦形剤」という用語は、本発明の化合物以外の任意の成分を記述するために使用される。担体または賦形剤の選択は、特定の投与様式、賦形剤が溶解度および安定性に与える影響、ならびに投与形態の特性などの要因に大きく依存する。
本発明の化合物の送達に適した医薬組成物およびその調製方法は、当業者には自明であろう。そのような組成物およびその調製方法は、例えば‘Remington’s Pharmaceutical Sciences’,19th Edition(Mack Publishing Company,1995)に見ることができる。
経口投与
本発明の化合物は経口投与することができる。経口投与は、該化合物を胃腸管に入り込ませる嚥下を伴ってもよく、あるいは該化合物を口から直接血流に入り込ませる口腔内または舌下投与を用いてもよい。
経口投与に適した製剤としては、例えば錠剤、粒子、液体または粉末を含むカプセル、ロゼンジ(液体充填形を含む)、咀嚼剤、多粒子およびナノ粒子、ゲル、固溶液、リポソーム、フィルム(粘膜付着剤を含む)、腔坐剤、スプレーなどの固形製剤、ならびに液体製剤が挙げられる。
液体製剤としては例えば、懸濁液、溶液、シロップおよびエリキシルが挙げられる。このような製剤は軟カプセルまたは硬カプセルの充填剤として使用することができ、通常は担体、例えば水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロースまたは適切な油、および1種または複数の乳化剤および/または懸濁化剤を含む。液体製剤は、例えばサッシェから固体を再構成することで調製してもよい。
本発明の化合物は、Liang and Chen,Expert Opinion in Therapeutic Patents,11(6),981−986(2001)に記載のような速溶性、速崩壊性の投与形態で使用してもよい。
錠剤の投与形態では、用量にもよるが、薬物は投与形態の約1重量%〜約80重量%、より典型的には投与形態の約5重量%〜約60重量%を構成することができる。錠剤は一般に、薬物以外には崩壊剤を含む。崩壊剤としては例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化デンプンおよびアルギン酸ナトリウムが挙げられる。一般に、崩壊剤は投与形態の約1重量%〜約25重量%、好ましくは約5重量%〜約20重量%を構成する。
結合剤は一般に、錠剤製剤に凝集性を付与するために使用される。好適な結合剤としては、微結晶セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成ゴム、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースならびにヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。錠剤は、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥された一水和物、無水物等)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶セルロース、デンプンおよびリン酸水素カルシウム二水和物などの希釈剤を含んでいてもよい。
錠剤は、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベート80などの界面活性剤、ならびに二酸化ケイ素およびタルクなどの流動促進剤を含んでいてもよい。存在する場合は、界面活性剤は錠剤の約0.2重量%〜約5重量%を構成することができ、流動促進剤は錠剤の約0.2重量%〜約1重量%を構成することができる。
また、錠剤は一般にステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリルフマル酸ナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムの混合物などの潤滑剤を含む。潤滑剤は一般に錠剤の約0.25重量%〜約10重量%、好ましくは約0.5重量%〜約3重量%を構成する。
他の可能な成分としては、酸化防止剤、着色剤、着香料、防腐剤および矯味剤が挙げられる。
通常の錠剤は、薬物を最大約80%、結合剤を約10重量%〜約90重量%、希釈剤を約0重量%〜約85%、崩壊剤を約2重量%〜約10重量%、潤滑剤を約0.25重量%〜約10重量%含む。
錠剤ブレンドを直接またはロールで圧縮して錠剤を成形することができる。あるいは、錠剤ブレンドまたはブレンドの一部について、錠剤化の前に湿式、乾式もしくは溶融造粒、溶融凝固または押出を行ってもよい。最終製剤は1つまたは複数の層を含んでもよく、コートされていてもコートされていなくてもよい。カプセルに入れてもよい。
錠剤の調剤はH.Lieberman and L.Lachman,“Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Vol.1”,Marcel Dekker,N.Y.,N.Y.,1980(ISBN0−8247−6918−X)で論じられている。
経口投与用の固形製剤は即時および/または調節放出製剤として調剤することができる。調節放出製剤としては遅延、持続、パルス、制御、標的およびプログラム放出製剤が挙げられる。
本発明用の好適な調節放出製剤は米国特許第6,106,864号に記載されている。高エネルギー分散液および浸透圧性のコートされた粒子など他の好適な放出技術の詳細はVerma et al,Pharmaceutical Technology On−line,25(2),1−14(2001)に見られる。制御放出を実現するためのチューインガムの使用はWO00/35298号に記載されている。
非経口投与
本発明の化合物は直接血流、筋肉または臓器に投与してもよい。非経口投与の好適な手段としては静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内および皮下手段が挙げられる。非経口投与用の好適なデバイスとしては、針(顕微針を含む)注射器、無針注射器および注入技術が挙げられる。
非経口製剤は通常、塩、炭水化物および緩衝剤(好ましくはpH約3〜約9にする)などの賦形剤を含み得る水溶液であるが、ある用途では、発熱物質を含まない滅菌水などの好適な媒体と併用される滅菌非水溶液または乾燥形態としてさらに好適に調剤することができる。
例えば凍結乾燥による滅菌条件下での非経口製剤の調製は、当業者に公知の標準的薬学技術を用いて容易に行うことができる。
非経口溶液の調製に使用される式(I)の化合物の溶解度は、溶解度向上剤の組み込みなどの適切な調剤技術の使用により上昇させることができる。
非経口投与用製剤は即時および/または調節放出製剤として調剤することができる。調節放出製剤としては遅延、持続、パルス、制御、標的およびプログラム放出製剤が挙げられる。したがって、本発明の化合物は、有効化合物を調節放出する埋込型デポー製剤として投与される固体、半固体またはチキソトロピー液として調剤することができる。そのような製剤としては例えば薬物がコートされたステントおよびPGLA小球体が挙げられる。
局所投与
本発明の化合物を皮膚または粘膜に局所投与する、すなわち皮膚または経皮投与することもできる。この目的での典型的な製剤としては、ゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏、散布剤、包帯、発泡体、フィルム、皮膚パッチ、ウェーハ、インプラント、スポンジ、繊維、絆創膏およびマイクロエマルションが挙げられる。リポソームを使用してもよい。典型的な担体としてはアルコール、水、鉱油、液体ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールが挙げられる。浸透促進剤を含むこともできる。例えばFinnin and Morgan,J Pharm Sci,88(10),955−958(October 1999)を参照。
他の局所投与手段としては、エレクトロポレーション、イオントフォレーシス、フォノフォレーシス、ソノフォレーシスおよび顕微針または無針(例えばPowderject(商標)、Bioject(商標)など)注射による送達が挙げられる。
局所投与用製剤は即時および/または調節放出製剤として調剤することができる。調節放出製剤としては遅延、持続、パルス、制御、標的およびプログラム放出製剤が挙げられる。
吸入/鼻腔内投与
本発明の化合物は、鼻腔内にまたは吸入によって、通常は乾燥粉末吸入器から乾燥粉末の形態で(単独で、混合物、例えばラクトースとの乾燥ブレンドとして、または例えばホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合された混合成分粒子として)、あるいは加圧容器、ポンプ、スプレー、噴霧器(好ましくは電気流体力学を用いて微細なミストを生成する噴霧器)またはネブライザーからのエアロゾルスプレーとして、1,1,1,2−テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなどの好適な噴霧剤を使用するかまたは使用せずに投与することもできる。鼻腔内で使用する粉末は生体接着剤、例えばキトサンまたはシクロデキストリンを含むことができる。
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザーまたはネブライザーは、例えばエタノール、含水エタノール、または有効成分を分散、可溶化もしくは持続放出する好適な代替薬剤、溶媒としての噴霧剤、およびソルビタントリオレエート、オレイン酸またはオリゴ乳酸などの任意選択の界面活性剤を含む本発明の化合物の溶液または懸濁液を含む。
乾燥粉末または懸濁製剤中で使用する前に、製剤を吸入送達に適したサイズに微粉化する(通常は5ミクロン未満)。これは、スパイラルジェット粉砕、流体床ジェット粉砕、ナノ粒子形成用の超臨界流体処理、高圧均質化または噴霧乾燥などの任意の適切な微粉砕法で行うことができる。
吸入器または注入器で使用される(例えばゼラチンまたはHPMCで作られた)カプセル、ブリスターおよびカートリッジは、本発明の化合物、ラクトースまたはデンプンなどの好適な粉末基剤、およびl−ロイシン、マンニトールまたはステアリン酸マグネシウムなどの性能調整剤の混合粉末を含むように調剤することができる。ラクトースは無水でも一水和物の形態でもよいが、後者が好ましい。他の好適な賦形剤としてはデキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロースおよびトレハロースが挙げられる。
電気流体力学を用いて微細なミストを生成するアトマイザーで使用される好適な溶液製剤は、作動単位で本発明の化合物を約1μg〜約20mg含むことができ、作動容量は約1μl〜約100μlの間で変化し得る。典型的な製剤は式(I)の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノールおよび塩化ナトリウムを含むことができる。プロピレングリコールの代わりに使用できる代替溶媒としてはグリセリンおよびポリエチレングリコールが挙げられる。
好適なメントールおよびレボメントールなどの香料またはサッカリンもしくはサッカリンナトリウムなどの甘味料を、吸入/鼻腔内投与用の本発明のこれらの製剤に加えることができる。吸入/鼻腔内投与用の製剤は、例えばポリ(DL−乳酸−co−グリコール酸(PGLA)を用いて即時および/または調節放出製剤として調剤することができる。調節放出製剤としては遅延、持続、パルス、制御、標的およびプログラム放出製剤が挙げられる。
乾燥粉末吸入器およびエアロゾルの場合、計量された量を送達するバルブにより単位用量を決定する。通常は、本発明に準拠する単位を準備して、式(I)の化合物約1〜約100μgを含む計量された用量または「パフ」を投与する。通常、1日当たりの全用量は約50μg〜約20mgの範囲であり、1日を通じて単一用量、またはより通常には複数用量で投与することができる。
直腸/膣内投与
本発明の化合物は、例えば坐剤、ペッサリーまたは浣腸の形態で経直腸または経腟投与することができる。ココアバターが慣習的な坐剤基剤であるが、各種代替物を適宜使用できる。
直腸/膣内投与用製剤は即時および/または調節放出製剤として調剤することができる。調節放出製剤としては遅延、持続、パルス、制御、標的およびプログラム放出製剤が挙げられる。
経眼/経耳投与
本発明の化合物は直接目または耳に、通常は等張性でpH調整済みの滅菌食塩水中で微粉化された懸濁液または溶液の液滴の形態で投与することもできる。経眼または経耳投与に適した他の製剤としては、軟膏、生分解性(例えば吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)および非生分解性(例えばシリコーン)インプラント、ウェーハ、レンズ、ならびにニオソームまたはリポソームなどの粒子または小胞系が挙げられる。架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース系ポリマー、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースもしくはメチルセルロース、またはヘテロ多糖ポリマー、例えばジェラン(gelan)ガムなどのポリマーを、塩化ベンザルコニウムなどの防腐剤と共に組み込むことができる。そのような製剤はイオントフォレーシスで送達してもよい。
経眼/経耳投与用製剤は即時および/または調節放出製剤として調剤することができる。調節放出製剤としては遅延、持続、パルス、制御、標的またはプログラム放出製剤が挙げられる。
他の技術
本発明の化合物をシクロデキストリンおよびその好適な誘導体またはポリエチレングリコール含有ポリマーなどの可溶性高分子体と組み合わせて、前記投与様式のいずれかで使用する上でのその溶解度、溶解速度、矯味性、バイオアベイラビリティおよび/または安定性を向上させることができる。
例えば、薬物−シクロデキストリン錯体が大部分の投与形態および投与経路で一般に有用であることがわかっている。包接および非包接錯体の両方を使用することができる。薬物との直接の錯体形成に代わるものとして、シクロデキストリンを補助添加剤、すなわち担体、希釈剤または可溶化剤として使用することができる。この目的ではα−、β−およびγ−シクロデキストリンが一般的に使用され、その例は国際特許出願WO91/11172号、WO94/02518号およびWO98/55148号に見られる。
キット−オブ−パーツ
例えば特定の疾患または状態の治療に活性化合物の組み合わせを投与することが望ましいことがあるため、少なくともその1種が本発明の化合物を含む2種以上の医薬組成物を組成物の同時投与に適したキットの形態で簡便に組み合わせることができることは本発明の範囲内である。
したがって、本発明のキットは、少なくともその1種が本発明の式(I)の化合物を含む2種以上の別個の医薬組成物、および容器、分割されたボトルまたは分割されたホイル袋などの前記組成物を別個に保持する手段を含む。そのようなキットの一例は、錠剤、カプセル等の包装に使用されるよく知られたブリスターパックである。
本発明のキットは異なる投与形態、例えば経口および非経口投与形態の投与、異なる投与間隔での別個の組成物の投与、または別個の組成物の互いに対する滴定に特に適している。服薬遵守を支援するために、キットは通常、投与説明書を備えており、いわゆる記憶補助を備えていてもよい。
用量
ヒト患者に対する投与では、本発明の化合物の1日当たりの全用量は、当然ながら投与様式によるが、通常約0.05mg〜約100mgの範囲、好ましくは約0.1mg〜約50mgの範囲、より好ましくは約0.5mg〜約20mgの範囲である。例えば、経口投与では1日当たりの全用量が約1mg〜約20mg必要である可能性があるが、静脈投与では約0.5mg〜約10mgの用量しか必要ではない可能性がある。1日当たりの全用量は、単一または複数用量で投与することができる。
これらの用量は、体重が約65kg〜約70kgの平均的なヒト対象に基づいている。医師であれば、乳児および高齢者などの体重がこの範囲に収まらない対象について用量を容易に決定できるであろう。
組み合わせ
上記で論じたように、本発明の化合物は5−HTアゴニスト活性を示す。本発明の5−HTアゴニストは、特に胃食道逆流疾患の治療において、少なくとも1種の他の薬理活性物質または化合物と有用に組み合わせることができる。例えば、5−HTアゴニスト、特に上記定義の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物は、下記から選択される1種または複数の薬理活性物質と組み合わせて同時、順次または個別投与することができる。
(i)ヒスタミンH受容体アンタゴニスト、例えばラニチジン、ラフチジン、ニザチジン、シメチジン、ファモチジンおよびロキサチジン。
(ii)プロトンポンプ阻害剤、例えばオメプラゾール、エソメプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール、テナトプラゾール、イラプラゾールおよびランソプラゾール。
(iii)アシッドポンプアンタゴニスト、例えばソラプラザン、レバプラザン(YH−1885)、AZD−0865、CS−526、AU−2064およびYJA−20379−8。
(iv)経口制酸剤混合物、例えばマーロックス(登録商標)、アルドロックス(登録商標)およびガビスコン(登録商標)。
(v)粘膜保護剤、例えばポラプレジンク、エカベトナトリウム、レバミピド、テプレノン、セトラキサート、スクラルファート、クロロピリン−銅およびプラウノトール。
(vi)GABAアゴニスト、例えばバクロフェンおよびAZD−3355。
(vii)α2アゴニスト、例えばクロニジン、メデトミジン、ロフェキシジン、モキソニジン、チザニジン、グアンファシン、グアナベンズ、タリペキソールおよびデクスメデトミジン。
(viii)キサンチン誘導体、例えばテオフィリン、アミノフィリンおよびドキソフィリン。
(ix)カルシウムチャネル遮断薬、例えばアラニジピン、ラシジピン、ファロジピン、アゼルニジピン、クリニジピン、ロメリジン、ジルチアゼム、ガロパミル、エホニジピン、ニソルジピン、アムロジピン、レルカニジピン、ベバントロール、ニカルジピン、イスラジピン、ベニジピン、ベラパミル、ニトレンジピン、バルニジピン、プロパフェノン、マニジピン、ベプリジル、ニフェジピン、ニルバジピン、ニモジピンおよびファスジル。
(x)ベンゾジアゼピンアゴニスト、例えばジアゼパム、ザレプロン、ゾルピデム、ハロキサゾラム、クロナゼパム、プラゼパム、クアゼパム、フルタゾラム、トリアゾラム、ロルメタゼパム、ミダゾラム、トフィソパム、クロバザム、フルニトラゼパムおよびフルトプラゼパム。
(xi)プロスタグランジン類似体、例えばプロスタグランジン、ミソプロストール、トレプロスチニル、エソプロステノール、ラタノプロスト、イロプロスト、ベラプロスト、エンプロスチル、イブジラストおよびオザグレル。
(xii)ヒスタミンHアゴニスト、例えばR−α−メチルヒスタミンおよびBP−294。
(xiii)抗胃酸剤、例えば抗ガストリンワクチン、イトリグルミドおよびZ−360。
(xiv)5−HTアンタゴニスト、例えばドラセトロン、パロノセトロン、アロセトロン、アザセトロン、ラモセトロン、ミトラザピン、グラニセトロン、トロピセトロン、E−3620、オンダンセトロンおよびインジセトロン。
(xv)三環式抗うつ薬、例えばイミプラミン、アミトリプチリン、クロミプラミン、アモキサピンおよびロフェプラミン。
(xvi)GABAアゴニスト、例えばガバペンチン、トピラメート、シノラゼパム、クロナゼパム、プロガビド、ブロチゾラム、ゾピクロン、プレガバリンおよびエスゾピクロン。
(xvii)オピオイド鎮痛薬、例えばモルヒネ、ヘロイン、ヒドロモルホン、オキシモルホン、レボルファノール、レバロルファン、メタドン、メペリジン、フェンタニル、コカイン、コデイン、ジヒドロコデイン、オキシコドン、ヒドロコドン、プロポキシフェン、ナルメフェン、ナロルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、ナルブフィンおよびペンタゾシン。
(xviii)ソマトスタチン類似体、例えばオクトレオチド、AN−238およびPTR−3173。
(xix)Clチャネル活性化剤、例えばルビプロストン。
(xx)選択的セロトニン再取り込み阻害剤、例えばセルトラリン、エスシタロプラム、フルオキセチン、ネファゾドン、フルボキサミン、シタロプラム、ミルナシプラン、パロキセチン、ベンラファキシン、トラマドール、シブトラミン、デュロキセチン、デスベンラファキシンおよびダポキセチン。
(xxi)抗コリン作動薬、例えばジサイクロミンおよびヒヨスチアミン。
(xxii)緩下薬、例えばトリフィバ(登録商標)、フィボゲル(登録商標)、コンシル(登録商標)、イソゲル(登録商標)、レグラン(登録商標)、セレバック(登録商標)およびノルマコール(登録商標)。
(xxiii)繊維製品、例えばメタムシル(登録商標)。
(xxiv)鎮痙薬、例えばメベベリン。
(xxv)ドーパミンアンタゴニスト、例えばメトクロプラミド、ドンペリドンおよびレボスルピリド。
(xxvi)コリン作動薬、例えばネオスチグミン。
(xxvii)AChE阻害剤、例えばガランタミン、メトリホナート、リバスチグミン、イトプリドおよびドネペジル。
(xxviii)タキキニン(NK)アンタゴニスト、特にNK−3、NK−2およびNK−1アンタゴニスト、例えばネパズタント、サレズタント、タルネタント、(αR,9R)−7−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−8,9,10,11−テトラヒドロ−9−メチル−5−(4−メチルフェニル)−7H−[1,4]ジアゾシノ[2,1−g][1,7]ナフトリジン−6−13−ジオン(TAK−637)、5−[[(2R,3S)−2−[(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ−3−(4−フルオロフェニル)−4−モルホリニル]メチル]−1,2−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(MK−869)、ラネピタント、ダピタントおよび3−[[2−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチルアミノ]−2−フェニル−ピペリジン(2S,3S)。
生物活性の評価法
本発明の化合物の5−HT受容体結合親和性を下記の手順で測定する。
ヒト5−HT結合(1)
ヒト5−HT4(d)を形質移入されたHEK293細胞を調製し、室内で増殖させた。回収した細胞を、プロテアーゼ阻害剤カクテル(Boehringer、1:1000希釈液)を補充した50mM HEPES(4℃でpH7.4)中に懸濁させ、最大出力に設定した手持ち型のPolytron PT 1200破砕機を用いて氷上で30秒間均質化した。ホモジネートを40,000×g、4℃で30分間遠心分離した。次に、ペレットを同様に50mM HEPES(4℃でpH7.4)中に再懸濁させ、再度遠心分離した。最終ペレットを適量の50mM HEPES(25℃でpH7.4)中に再懸濁させ、均質化し、分取し、使用まで−80℃で保管した。膜画分の一定分量を、BCAタンパク質アッセイキット(PIERCE)およびARVOsxプレートリーダー(Wallac)を用いたタンパク質濃度測定に使用した。
結合実験用に、試験化合物25μlを、[H]−GR113808(Amersham、最終0.2nM)25μl、ならびに膜ホモジネートおよびWGA−SPAビーズ(Amersham)懸濁溶液(ウェル当たりタンパク質10μgおよびSPAビーズ1mg)150μlを用いて、室温で60分間インキュベートした。非特異的結合を最終濃度で1μM GR113808(Tocris)により測定した。1000rpmでの遠心分離によりインキュベーションを終了した。
受容体結合放射能を、MicroBetaプレートカウンター(Wallac)での計数により定量した。
すべての実施例の化合物は5HT受容体親和性を示した。
ヒト5−HT結合(2)
ヒト5−HT4(d)を形質移入されたHEK293細胞を調製し、室内で増殖させた。回収した細胞を、プロテアーゼ阻害剤カクテル(Boehringer、1:1000希釈液)を補充した50mMトリス緩衝液(4℃でpH7.4)中に懸濁させ、最高出力に設定した手持ち型のPolytron PT 1200破砕機を用いて氷上で30秒間均質化した。ホモジネートを40,000×g、4℃で10分間遠心分離した。次に、ペレットを同様に50mMトリス緩衝液(4℃でpH7.4)中に再懸濁させ、再度遠心分離した。最終ペレットを、10mM MgClを含む適量の50mMトリス緩衝液(25℃でpH7.4)中に再懸濁させ、均質化し、分取し、使用まで−80℃で保管した。膜画分の一定分量を、BCAタンパク質アッセイキット(PIERCE)およびARVOsxプレートリーダー(Wallac)を用いたタンパク質濃度測定に使用した。
結合実験用に、試験化合物50μlを、[H]5−HT(Amersham、最終8.0nM)50μlおよび膜ホモジネート(タンパク質300μg/管)400μlを用いて、室温で60分間インキュベートした。非特異的結合を最終濃度で50μM GR113808(Tocris)により測定した。すべてのインキュベーションは、0.2%PEIで浸したガラス繊維濾紙上でのBRANDELハーベスターを用いた迅速な減圧濾過と、それに続く50mMトリス緩衝液(25℃でpH7.4)での3回の洗浄により終了した。受容体結合放射能を、Packard LSカウンターでの液体シンチレーション計数により定量した。
すべての実施例の化合物は5HT受容体親和性を示した。
ヒト5−HT4(d)を形質移入されたHEK293細胞でのアゴニストにより誘発されるcAMP上昇
ヒト5−HT4(d)を形質移入されたHEK293細胞を室内に配置した。10%FCS、20mM HEPES(pH7.4)、ハイグロマイシンB(Gibco)200μg/ml、ペニシリン100単位/mlおよびストレプトマイシン100μg/mlを補充したDMEM中で、細胞を37℃および5%COで増殖させた。
細胞を60〜80%集密まで増殖させた。化合物で処理する前日に、通常のFCSを透析FCS(Gibco)に置き換え、細胞を終夜インキュベートした。
化合物を96ウェルプレート(12.5μl/ウェル)中で調製した。細胞をPBS/1mM EDTAで収集し、遠心分離し、PBSで洗浄した。アッセイの初めに、細胞ペレットを、20mM HEPES、10μMパージリン(Sigma)および1mM 3−イソブチル−1−メチルキサンチン(Sigma)を補充したDMEM中に1.6×10細胞/mlの濃度で再懸濁させ、室温で15分間放置した。プレートに細胞を加えることで反応を開始した(12.5μl/ウェル)。室温で15分間インキュベートした後、1% Triton X−100を加えて反応を停止し(25μl/ウェル)、プレートを室温で30分間放置した。均一な時間分解蛍光ベースcAMP(Schering)検出を製造者の説明書に従って行った。ARVOsxマルチラベルカウンター(Wallac)を使用してHTRFを測定した(励起320nm、発光665nm/620nm、遅延時間50μ秒、猶予時間400μ秒)。
620nmおよび665nmでの各ウェルの蛍光強度の比に基づいてデータを分析した後、cAMP標準曲線を用いてcAMP定量を行った。各化合物により誘発されるcAMP産生の増加は、1000nMセロトニン(Sigma)により産生されるcAMPの量に正規化された。
すべての実施例の化合物は5HT受容体アゴニスト活性を示した。
ヒトドフェチリド結合
ヒトHERGを形質移入されたHEK293S細胞を調製し、室内で増殖させた。回収した細胞を、50mMトリスHCl(4℃でpH7.4)中に懸濁させ、全出力に設定した手持ち型のPolytron PT 1200破砕機を用いて氷上で20秒間均質化した。ホモジネートを48,000×g、4℃で20分間遠心分離した。次に、ペレットを同様に再懸濁させ、再度均質化し、遠心分離した。最終ペレットを適量の50mMトリスHCl、10mM KCl、1mM MgCl(4℃でpH7.4)中に再懸濁させ、均質化し、分取し、使用まで−80℃で保管した。膜画分の一定分量を、BCAタンパク質アッセイキット(PIERCE)およびARVOsxプレートリーダー(Wallac)を用いたタンパク質濃度測定に使用した。
結合アッセイを96ウェルプレート中、全量200μlで行った。試験化合物20μlを、[H]−ドフェチリド(Amersham、最終5nM)20μlおよび膜ホモジネート(タンパク質25μg)160μlを用いて、室温で60分間インキュベートした。非特異的結合を最終濃度で10μMドフェチリドにより測定した。インキュベーションは、0.5%予浸GF/B Betaplateフィルター上での50mMトリスHCl、10mM KCl、1mM MgCl(4℃でpH7.4)と共にSkatronセルハーベスターを用いた迅速な減圧濾過により終了した。フィルターを乾燥させ、サンプルバッグに入れ、Betaplate Scintを充填した。フィルターに結合した放射能をWallac Betaplateカウンターで計数した。
Caco−2透過率
Caco−2透過率はShiyin Yee,Pharmaceutical Research,763(1997)に記載の方法に従って測定した。
Caco−2細胞は、フィルター支持体(Falcon HTSマルチウェルインサートシステム)上で14日間増殖させた。培地を頂端区画と側底区画の両方から除去し、単層を、予め温めた頂端緩衝液0.3mlおよび側底緩衝液1.0mlを用い、振盪機水浴中50サイクル/分で、37℃で0.5時間プレインキュベートした。頂端緩衝液は、Hanks平衡塩類溶液、25mM D−グルコース一水和物、20mM MES生理的緩衝液、1.25mM CaClおよび0.5mM MgCl(pH6.5)から構成されていた。側底緩衝液は、Hanks平衡塩類溶液、25mM D−グルコース一水和物、20mM HEPES生理的緩衝液、1.25mM CaClおよび0.5mM MgCl(pH7.4)から構成されていた。プレインキュベーションの終わりに培地を除去し、緩衝液中の試験化合物溶液(10μM)を頂端区画に加えた。挿入物を新鮮な側底緩衝液を含むウェルに1時間で移した。緩衝液中の薬物濃度をLC/MS分析で測定した。
流動速度(F、質量/時間)は受取側の基質の累積的出現の勾配から計算し、見掛け透過係数(Papp)は下記式から計算した。
app(cm/秒)=(F×VD)/(SA×MD)
(式中、SAは輸送用表面積(0.3cm)であり、VDは供与量(0.3ml)であり、MDはt=0での供与側の薬物の全量である。)すべてのデータは2つの挿入物の平均を表す。単層の完全性はルシファーイエローの輸送により測定した。
ヒト肝臓ミクロソーム(HLM)中半減期
試験化合物(1μM)を、100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)中の3.3mM MgClおよび0.78mg/mL HLM(HL101)を用い、96ディープウェルプレート上、37℃でインキュベートした。反応混合物を非P450群とP450群という2つの群に分割した。NADPHをP450群の反応混合物にのみ加えた。P450群のサンプルの一定分量を0、10、30および60分の時点で回収した。なお、0分の時点は、NADPHをP450群の反応混合物に加えた時点を示すものとした。非P450群のサンプルの一定分量を−10および65分の時点で回収した。回収した一定分量を、内部標準を含むアセトニトリル溶液で抽出した。析出したタンパク質を遠心分離機中で沈降させた(2000rpm、15分)。上清中の化合物濃度をLC/MS/MSシステムで測定した。
半減期の値は、化合物/内部標準対時間のピーク面積比の自然対数をプロットすることで得た。各地点を通じた最良適合線の勾配により代謝速度(k)が得られる。これを下記式を用いて半減期の値に変換した。
半減期=ln 2/k
本発明を以下の非制限的な実施例により説明する。実施例では、特記なき限り、すべての試薬は市販されており、すべての操作は室温または周囲温度、すなわち約18〜25℃の範囲で行い;溶媒の蒸発はロータリーエバポレーターを用い、減圧下、最大約60℃の浴温度で行い;反応は薄層クロマトグラフィー(tlc)で監視し、反応時間は例示のみを目的として示され;所与の融点(m.p.)は未訂正であり(多形により結果として融点が異なる場合がある);すべての単離された化合物の構造および純度は、以下の技術、すなわちtlc(Merckシリカゲル60 F254プレコートTLCプレートまたはMerck NH254sプレコートHPTLCプレート)、質量分析、核磁気共鳴(NMR)、赤外線吸収スペクトル(IR)または微量分析の少なくとも1つにより保証された。収率は例示のみを目的として示される。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、Merckシリカゲル60(230〜400メッシュ、ASTM)または富士シリシアChromatorex(登録商標)DU3050(アミノ型、30〜50μm)を用いて行った。低分解能質量スペクトルデータ(EI)は、Integrity(Waters)質量分析計またはAutomass120(日本電子)質量分析計上で得た。低分解能質量スペクトルデータ(ESI)は、ZMD2(Waters)質量分析計またはQuattro II(Micromass)質量分析計上で得た。NMRデータは、270MHz(JEOL JNM−LA270分光計)または300MHz(JEOL JNM−LA300)で、特記なき限りは溶媒として重水素化クロロホルム(99.8%D)またはジメチルスルホキシド(99.9%D)を用い、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対して、百万分率(ppm)単位で測定した。使用する慣習的略語は以下の通りである。s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、m=多重項、br.=ブロードなど。IRスペクトルは島津赤外分光計(IR−470)で測定した。旋光度はJASCO DIP−370デジタル旋光計(日本分光(株))で測定した。化学記号はその通常の意味を有し、b.p.(沸点)、m.p.(融点)、l(リットル)、mL(ミリリットル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、eq.(当量)である。粉末X線回折(PXRD)パターンは、オートサンプルチェンジャー、2θ−θ角度計、ビーム発散スリット、二次モノクロメーターおよびシンチレーションカウンターを装着した理学RINT−TTR粉末X線回折計を用いて測定した。サンプルは粉末をアルミニウムサンプルホルダーに詰め込むことで分析用に調製した。試料は60.00rpmで回転させ、Cu−Kα照射により室温で4°/分走査した。
(実施例1)
4−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸
Figure 2008509088
ステップ1 4−シアノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸tert−ブチル
NaH(17.7g、0.443mol)のDMF(200mL)中撹拌懸濁液に、DMF(100mL)中シアノ酢酸tert−ブチル(25.0g、0.177mol)をN下0℃で滴下した。混合物を周囲温度に温め、1時間撹拌した。次に、ビス(2−ブロモエチル)エーテル(49.3g、0.177mol)を混合物に加え、得られた混合物を90℃で24時間撹拌した。0℃に冷却後、混合物を水(100mL)でクエンチした。揮発性成分を蒸発除去し、残渣をEtOAc−トルエン(1:2、500mL)と水(500mL)の混合物で析出させた。有機相を水(500mL)で3回洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥させて標記化合物19.0g(57%)を白色結晶として得た。
H−NMR(CDCl)δ:3.96(2H,dt,J=3.9Hz,12.3Hz)、3.73(2H,dt,J=2.6Hz,12.3Hz)、2.20〜1.94(4H,m)、1.52(9H,s)。
ステップ2 4−(アミノメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸tert−ブチル
4−シアノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸tert−ブチル(18.95g、0.0897mol、ステップ1)とラネーNi(1.00g)のメタノール(200mL)中混合物を室温で12時間水素化(3気圧)した。次に、混合物をセライトのパッドで濾過し、濾液を減圧濃縮して標記化合物16.01g(83%)を黄色シロップとして得た。
H−NMR(CDCl)δ:3.86(2H,dt,J=4.1Hz,11.4Hz)、3.48(2H,dt,J=2.5Hz,11.5Hz)、2.75(2H,s)、2.03(2H,br d,J=10.7Hz)、1.55〜1.35(13H,m,9Hを含む,s,1.49ppm)。
ステップ3 4−[(4−オキソピペリジン−1−イル)メチル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸tert−ブチル
4−(アミノメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸tert−ブチル(8.00g、0.0372mol、ステップ2)とKCO(0.51g、0.0372mol)のEtOH−HO(2:1、240mL)中還流混合物に、EtOH−HO(2:1、150mL)中ヨウ化1−エチル−1−メチル−4−オキソピペリジニウム(12.0g、0.0445mol、J.Org.Chem.1995,60,4324−4330)を滴下し、得られた混合物を同温(還流)で1時間撹拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去した。残渣を飽和NaHCO水溶液(200mL)に注ぎ、混合物をCHCl(200mL×3回)で抽出した。抽出物をNaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をヘキサン/酢酸エチル(3:1→2:1)で溶出するシリカゲルカラム上のクロマトグラフィーにかけて標記化合物10.77g(98%)を無色シロップとして得た。
MS(ESI)m/z:298(M+H)
H NMR(CDCl)δ3.84(2H,br d,J=11.4Hz)、3.50(2H,dt,J=2.0Hz,11.7Hz)、2.85(4H,t,J=5.9Hz)、2.61(2H,s)、2.39(4H,t,J=6.1Hz)、2.05(2H,d,J=11.5Hz)、1.75〜1.45(11H,m,9Hを含む,s,1.49ppm)。
ステップ4 4−[(4−シアノピペリジン−1−イル)メチル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸tert−ブチル
4−[(4−オキソピペリジン−1−イル)メチル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸tert−ブチル(8.77g、0.0295mol、ステップ3)の1,2−ジメトキシエタン(250mL)中撹拌溶液に、イソシアン化p−トルエンスルホニルメチル(11.51g、0.0590mol)、EtOH(3.96mL、0.0678mol)およびt−BuOK(11.58g、0.1032mol)を0℃で加えた。得られた混合物を50℃で16時間撹拌した。冷却後、反応混合物を飽和NaHCO水溶液(200mL)に注ぎ、混合物をCHCl(200mL×3回)で抽出した。抽出物をNaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をヘキサン/酢酸エチル(2:1)で溶出するシリカゲルカラム上のクロマトグラフィーにかけて標記化合物5.76g(63%)を黄色シロップとして得た。
MS(ESI)m/z:309(M+H)。
H−NMR(CDCl)δ:3.81(2H,dt,J=3.1Hz,11.0Hz)、3.48(2H,dt,J=2.1Hz,11.7Hz)、2.76〜2.64(2H,m)、2.64〜2.52(1H,m)、2.50〜2.35(4H,m,2Hを含む,s,2.46ppm)、1.98(2H,br d,J=11.9Hz)、1.92〜1.70(4H,m)、1.65〜1.40(11H,m,9Hを含む,s,1.47ppm)。
ステップ5 4−{[4−(アミノメチル)ピペリジン−1−イル]メチル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸tert−ブチル
4−[(4−シアノピペリジン−1−イル)メチル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸tert−ブチル(5.76g、0.0187mol、ステップ4)とラネーNi(3.00g)のメタノール(100mL)中混合物を室温で12時間水素化(3気圧)した。次に、混合物をセライトのパッドで濾過し、濾液を減圧濃縮して標記化合物5.72g(98%)を黄色シロップとして得た。
MS(ESI)m/z:313(M+H)。
H−NMR(CDCl)δ:3.80(2H,dt,J=3.1Hz,11.5Hz)、3.49(2H,dt,J=2.1Hz,12.2Hz)、2.80(2H,br d,J=11.5Hz)、2.58〜2.40(4H,m,2Hを含む,s,2.43ppm)、2.15(2H,br t,J=7.3Hz)、1.98(2H,br d,J=13.7Hz)、1.70〜1.40(16H,m,9Hを含む,s,1.47ppm)、1.30〜1.10(2H,m)。
ステップ6 4−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸tert−ブチル
クロロギ酸p−ニトロフェニル(4.14g、0.0205mol)、1−イソプロピル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン(3.62g、0.0205mol、J.Med.Chem.1999,42,2870−2880)およびEtN(7.81mL、0.0560mol)のCHCl(100mL)中混合物を室温で4時間撹拌した。次に、4−{[4−(アミノメチル)ピペリジン−1−イル]メチル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸tert−ブチル(5.72g、0.0187mol、ステップ5)を加え、得られた混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO水溶液(300mL)で希釈し、CHCl(300mL)で3回抽出した。合わせた抽出物をNaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をヘキサン/酢酸エチル(1:1)で溶出するNH−シリカゲルカラム上のクロマトグラフィーにかけて標記化合物9.83g(100%)を黄色シロップとして得た。
MS(ESI)m/z:515(M+H)H NMR(CDCl)δ8.90(1H,t,J=4.9Hz)、8.31〜8.21(1H,m)、7.25〜7.10(3H,m)、4.80〜4.60(1H,m)、3.80(2H,dt,J=3.1Hz,11.5Hz)、3.49(2H,dt,J=1.7Hz,11.4Hz)、3.28(2H,t,J=6.4Hz)、2.81(2H,br d,J=10.4Hz)、2.44(2H,s)、2.16(2H,t,J=10.4Hz)、1.98(2H,d,J=12.4Hz)、1.81〜1.20(22H,m,6Hを含む,d,J=7.1Hz,1.56ppmおよび9H,s,1.47ppm)。
ステップ7 4−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸
4−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸tert−ブチル(3.67g、7.13mmol、ステップ6)のTHF(80mL)中撹拌溶液に濃HCl(40mL)を0℃で加え、得られた混合物を室温で20時間撹拌した。混合物を濃縮して溶媒を除去し、残渣を飽和NaHCO水溶液に注いだ。混合物をCHClで3回抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。溶媒を除去して得られた残渣をMeOH/CHCl(1:10)で溶出するシリカゲルカラム上でクロマトグラフィーにかけて標記化合物3.01g(92%)を得た。生成物をTHFから再結晶させて標記化合物(0.893g)を白色結晶として得た。
MS(ESI)m/z:459(M+H)
H NMR(CDCl)δ8.99(1H,t,J=5.6Hz)、8.30〜8.15(1H,m)、7.25〜7.105(3H,m)、4.80〜4.60(1H,m)、3.95〜3.70(4H,m)、3.34(2H,t,J=6.3Hz)、3.14(2H,br d,J=12.0Hz)、2.65〜2.45(4H,m,2Hを含む,s,2.59ppm)、1.92(4H,t,J=13.8Hz)、1.85〜1.40(11H,m,6Hを含む,d,J=6.9Hz,1.57ppm)。
融点:176℃
IR(KBr)ν:3281、2947、1720、1688、1611、1595、1547、1481、1447、1375、1200、1159、1136、1105、760cm−1
2434の分析計算値:C,62.86;H,7.47;N,12.22.実測値:C,62.77;H,7.42;N,12.16。
4−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸を合成する代替経路を下記に記載する。
ステップ8 {[1−(エトキシメチル)ピペリジン−4−イル]メチル}カルバミン酸tert−ブチル
(ピペリジン−4−イルメチル)カルバミン酸tert−ブチル(7.0g、33mmol)のエタノール(19mL)中撹拌溶液に、パラホルムアルデヒド(1.2g、39mmol)および炭酸カリウム(5.4g、39mmol)を周囲温度で加えた。混合物を周囲温度で4時間撹拌した。混合物を濾過し、フィルターケーキをエタノール(50mL)で洗浄した。揮発性成分を蒸発除去して標記化合物8.9g(定量)を白色粉末として得た。
H−NMR(CDCl)δ:4.60(1H,brs)、4.07(2H,s)、3.49(2H,q,J=7.1Hz)、3.08〜2.83(4H,m)、2.50〜2.36(2H,m)、1.75〜1.60(2H,m)、1.44(9H,s)、1.52〜1.35(1H,m)、1.19(3H,t,J=7.1Hz)、1.31〜1.12(2H,m)。
ステップ9 [メトキシ(テトラヒドロ−4H−ピラン−4−イリデン)メトキシ](トリメチル)シラン
ジイソプロピルアミン(1.6g、0.016mol)のテトラヒドロフラン(4mL)中撹拌溶液にn−ブチルリチウム(ヘキサン中1.59M、9.2mL、0.014mol)を窒素下0℃で滴下し、20分間撹拌した。次に、反応混合物を−40℃に冷却し、テトラヒドロフラン(1mL)中テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸メチル(1.9g、0.013mol)および塩化トリメチルシリル(2.0mL、0.015mol)を加え、得られた混合物を3時間かけて徐々に室温に温めた。揮発性成分を蒸発除去し、残渣をセライトパッドで濾過し、ヘキサンで洗浄した。濾液を減圧乾燥して標記化合物2.9g(定量)を明黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:3.64〜3.59(4H,m)、3.52(3H,s)、2.24(2H,t,J=5.2Hz)、2.15(2H,t,J=5.3Hz)、0.22(9H,s)。
ステップ10 4−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)メチル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸メチル
{[1−(エトキシメチル)ピペリジン−4−イル]メチル}カルバミン酸tert−ブチル(4g、14mmol、ステップ8)および[メトキシ(テトラヒドロ−4H−ピラン−4−イリデン)メトキシ](トリメチル)シラン(2.9g、13mmol、ステップ9)のジクロロメタン(30mL)中撹拌溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(0.24mL、1.3mmol)を0℃で滴下し、得られた混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150mL)でクエンチし、ジクロロメタン(30mL×2)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去して得られた残渣を酢酸エチル/ヘキサン(1:1)で溶出するシリカゲルカラム上でクロマトグラフィーにかけて標記化合物6.3g(64%)を透明な無色油状物として得た。
MS(ESI)m/z:371(M+H)H−NMR(CDCl)δ:4.57(1H,br s)、3.84〜3.78(2H,m)、3.70(3H,s)、3.49〜3.41(2H,m)、2.99〜2.95(2H,m)、2.73〜2.68(2H,m)、2.47(2H,s)、2.19〜2.11(2H,m)、2.06〜2.01(2H,m)、1.61〜1.51(5H,m)、1.44(9H,s)、1.24〜1.11(2H,m)。
ステップ11 4−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)メチル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸
4−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)メチル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸メチル(6.47g、17.5mmol、ステップ10)のMeOH(32mL)溶液に、5N NaOH水溶液(10mL)を室温で加えた(発熱性)。得られた溶液を60℃で7時間撹拌した後、氷冷浴中で5〜10℃に冷却した。この溶液に5N HCl水溶液(10mL)を加え、得られた溶液(pH値は約6)を濃縮した。残渣に2−プロパノール(80mL)を加えた。この溶液を濃縮した。残渣に2−プロパノール(80mL)を加え、再度濃縮した。残渣をEtOH(80mL)で希釈し、混合物を室温で2時間撹拌した。セライトパッド(5.0g)で濾過してNaClを除去した。セライトパッドをEtOH(20mL)で洗浄し、合わせた濾液を濃縮した。残渣にCHCN(40mL)を加え、濃縮した。この手順の間、白色析出物の形成が認められた。残渣にCHCN(40mL)を加え、得られた懸濁液を室温で2時間撹拌した。この混合物を濾過し、得られた固体をCHCN(10mL)で洗浄した後減圧乾燥させて標記化合物4.1g(65%)を白色粉末として得た。
H NMR(300MHz,CDCl)δ4.66(1H,m)、3.93〜3.82(3H,m)、3.15〜2.99(4H,m)、2.58(2H,s)、2.58〜2.45(2H,m)、1.98〜1.76(4H,m)、1.55〜1.35(6H,m)、1.44(9H,s)
融点129℃
ステップ12 4−{[4−(アミノメチル)ピペリジン−1−イル]メチル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸4−メチルベンゼンスルホン酸塩
下の300mL三つ口丸底フラスコ中に4−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)メチル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸(10g、28mmol、ステップ11)を入れ、p−TsOH HO(16g、84mmol)のIPA(150mL)溶液を室温で注いだ。得られた混合物をN下60℃で7時間撹拌し、EtN(8.6mL、62mmol)を2時間シード添加でゆっくり滴下した。EtNの添加中に白色析出物が形成された。得られた白色懸濁液を60℃で3時間、50℃で5時間、室温で10時間撹拌した。懸濁液を濾過し、得られた固体をIPA(100mL)で洗浄し、50℃で5時間乾燥させて標記化合物10.5g(87%)を白色粉末として得た。
H−NMR(DO)δ7.54(2H,d,J=7.4Hz)、7.22(2H,J=7.4Hz)、3.80〜3.65(2H,m)、3.55〜3.40(4H,m)、3.20〜2.75(6H,m)、2.24(3H,s)、1.90〜1.80(6H,m)、1.55〜1.35(4H,m)
融点247℃
ステップ13 4−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸
1−イソプロピル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン(1.0g、5.7mmol)とクロロギ酸4−ニトロフェニルエステル(1.14g、5.7mmol)のCHCl(20mL)中混合物をN下室温で5分間撹拌した。この混合物にEtN(1.7mL、12.5mmol)をゆっくり加え、この生成した混合物を、4−{[4−(アミノメチル)ピペリジン−1−イル]メチル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸4−メチルベンゼンスルホン酸塩(2.4g、5.7mmol、ステップ12)のCHCl(15mL)中混合物に室温で加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。この混合物を0.5N HCl水溶液(100mL)で洗浄し、有機層を飽和NaHCO水溶液(75ml)で洗浄した後、有機層を濃縮した。残渣をEtOAc(75mL)で希釈し、約15mLまで濃縮した。生成物のシード添加後、この混合物を室温で30分間撹拌した。この手順の間に固体が形成され、この混合物を濾過した。得られた固体をEtOAc(10mL)で洗浄し、50℃で減圧乾燥させて標記化合物1.9g(73%)を白色固体として得た。
ステップ14 4−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸ベンゼンスルホン酸塩
4−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸(750mg、ステップ13)のCHCN(5mL)懸濁液に、ベンゼンスルホン酸一水和物(288mg)のCHCN(5mL)溶液を室温で加えた。得られた混合物を室温で2日間撹拌し、濃縮した。残渣を乾燥させて標記化合物909mg(90%)を固体として得た。
H−NMR(CDOD)δ9.10(1H,t,J=5.7Hz)、8.11(1H,dt,J=8.0,0.8Hz)、7.88〜7.76(2H,m)、7.46〜7.36(3H,m)、7.32(1H,dt,J=8.0,0.8Hz)、7.22(1H,td,J=7.8,1.4Hz)、7.13(1H,td,J=7.8,1.4Hz)、4.70(1H,六重線,J=6.9Hz)、3.85〜3.55(5H,m)、3.50〜3.38(4H,m)、3.23〜3.05(2H,m)、2.15〜1.90(5H,m)、1.78〜1.58(5H,m)、1,55(6H,d,J=6.9Hz)
融点223℃
3040Sの分析計算値:C,58.42;H,6.54;N,9.08:実測値:C,58.50;H,6.51;N,9.11。
PXRD(2θ(+/−0.1):5.3,12.6,21.4,21.9)
(実施例2)
1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロヘキサンカルボン酸
Figure 2008509088
ステップ1 4−シアノシクロヘキサンカルボン酸tert−ブチル
1,5−ジブロモペンタンを用いて、実施例1のステップ1に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
H−NMR(CDCl)δ:2.07(2H,d,J=13.0Hz)、1.85〜1.57(7H,m)、1.50(9H,s)、1.35〜1.15(1H,m)。
ステップ2 1−(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸tert−ブチル
実施例1のステップ2に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:214(M+H)
H−NMR(CDCl)δ:2.69(2H,s)、2.02(2H,d,J=13.2Hz)、1.65〜1.05(19H,m,9Hを含む,s,1.47ppm)。
ステップ3 1−[(4−オキソピペリジン−1−イル)メチル]シクロヘキサンカルボン酸tert−ブチル
実施例1のステップ3に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:296(M+H)
H−NMR(CDCl)δ:2.84(4H,t,J=6.1Hz)2.57(2H,s)、2.38(4H,t,J=6.1Hz)、2.04(2H,d,J=12.2Hz)、1.65〜1.15(17H,m,9Hを含む,s,1.47ppm)。
ステップ4 1−[(4−シアノピペリジン−1−イル)メチル]シクロヘキサンカルボン酸tert−ブチル
実施例1のステップ4に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:307(M+H)
H−NMR(CDCl)δ:2.53〜2.66(2H,m)、2.53〜2.48(1H,m)、2.48〜2.30(4H,m,2Hを含む,s,2.41ppm)、1.97(2H,d,J=12.5Hz)、1.92〜1.70(4H,m)、1.65〜1.10(19H,m,9Hを含む,s,1.45ppm)。
ステップ5 1−{[4−(アミノメチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロヘキサンカルボン酸tert−ブチル
実施例1のステップ5に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:311(M+H)。
H−NMR(CDCl)δ:2.81(2H,d,J=11.37Hz)、2.55(2H,d,J=5.8Hz)、2.39(2H,s)、2.11(2H,t,J=11.0Hz)、2.03〜1.85(5H,m)、1.65〜1.10(21H,m,9Hを含む,s,1.45ppm)。
ステップ6 1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロヘキサンカルボン酸tert−ブチル
実施例1のステップ6に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:513(M+H)H NMR(CDCl)δ8.89(1H,t,J=5.3Hz)、8.33〜8.20(1H,m)、7.23〜7.10(3H,m)、4.80〜4.60(1H,m)、3.27(2H,t,J=6.3Hz)、2.82(2H,d,J=11.5Hz)、2.39(2H,s)、2.12(2H,t,J=11.4Hz)、1.97(2H,d,J=13.2Hz)、1.73〜1.10(28H,m,6Hを含む,d,J=6.9Hz,1.56ppmおよび9H,s,1.45ppm)。
ステップ7 1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロヘキサンカルボン酸
実施例1のステップ7に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:457(M+H)
H NMR(CDCl)δ8.98(1H,t,J=5.8Hz)、8.28〜8.18(1H,m)、7.25〜7.10(3H,m)、4.80〜4.60(1H,m)、3.34(2H,t,J=6.3Hz)、3.11(2H,d,J=11.9Hz)、2.61(2H,s)、2.48(2H,t,J=12.2Hz)、2.05〜1.20(21H,m,6Hを含む,d,J=6.9Hz,1.57ppm)。
融点:151℃
IR(KBr)ν:3291、2930、1732、1690、1545、1481、1373、1298、1202、1134、762cm−1
2536の分析計算値:C,65.76;H,7.95;N,12.27.実測値:C,65.41;H,8.18;N,12.18。
(実施例3)
1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロペンタンカルボン酸
Figure 2008509088
ステップ1 1−(ヨードメチル)シクロペンタンカルボン酸メチル
HN(iPr)(1.31mL、9.36mmol)のTHF(5mL)中撹拌溶液に、n−BuLi(ヘキサン中1.58M、5.43mL、8.58mmol)をN下−10℃に保ちながら加え、混合物を−10℃で1時間撹拌した。次に、この混合物にシクロペンタンカルボン酸メチル(1.00g、7.80mmol)のTHF(3mL)溶液を0℃で滴下し、混合物を0℃で2時間撹拌した。最後に、この混合物にCH(0.628mL、7.80mmol)を0℃で加え、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を飽和NHCl水溶液(50mL)でクエンチし、EtO(75mL)で2回抽出し、合わせた有機層をブライン(75mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。溶媒を除去して得られた残渣をEtOAc/ヘキサン(1:20→1:10)で溶出するシリカゲルカラム上でクロマトグラフィーにかけて標記化合物1.085g(52%)を無色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ3.73(3H,s)、3.42(2H,s)、2.30〜2.15(2H,m)、1.80〜1.55(6H,m)。
ステップ2 1−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)メチル]シクロペンタンカルボン酸メチル
1−(ヨードメチル)シクロペンタンカルボン酸メチル(5.52g、0.0206mol、ステップ1)、(ピペリジン−4−イルメチル)カルバミン酸tert−ブチル(8.83g、0.0412mol)およびiPrNEt(10.76mL、0.0618mol)のN−メチルピロリドン(70mL)中混合物を120℃で24時間撹拌した。冷却後、反応混合物を飽和NaHCO水溶液(200mL)で希釈し、AcOEt(200mL)で3回抽出し、合わせた有機層を水(200mL)およびブライン(200mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。溶媒を除去して得られた残渣をEtOAc/ヘキサン(1:1)で溶出するシリカゲルカラム上でクロマトグラフィーにかけて標記化合物4.91g(67%)を黄色シロップとして得た。
MS(ESI)m/z:355(M+H)
H−NMR(CDCl)δ4.58(1H,br s)、3.66(3H,s)、2.97(2H,t,J=6.3Hz)、2.77(2H,br d,J=11.5Hz)、2.55(2H,s)、1.70〜1.50(9H,m)、1.44(9H,s)、1.25〜1.08(2H,m)。
ステップ3 1−{[4−(アミノメチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロペンタンカルボン酸メチル
1−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)メチル]シクロペンタンカルボン酸メチル(1.16g、3.27mmol、ステップ2)のCHCl(25mL)およびトリフルオロ酢酸(5mL)溶液を室温で1.5時間撹拌した。次に、反応混合物を濃縮し、飽和NaHCO水溶液(100mL)で塩基性にし、CHCl(100mL)で5回抽出した。合わせた抽出物を乾燥、濃縮して標記化合物0.831g(100%)を黄色シロップとして得た。
MS(ESI)m/z:255(M+H)
H−NMR(CDCl)δ3.66(3H,s)、2.78(2H,d,J=11.5Hz)、2.62〜2.50(4H,m)、2.15〜1.98(4H,m)、1.80〜1.40(9H,m)、1.30〜1.05(2H,m)。
ステップ4 1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロペンタンカルボン酸メチル
実施例1のステップ6に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:457(M+H)H NMR(CDCl)δ8.94(1H,t,J=5.7Hz)、8.28〜8.20(7.25〜7.10(3H,m)、4.80〜4.60(1H,m)、3.66(3H,s)、3.27(2H,t,J=6.4Hz)、2.84(2H,d,J=11.6Hz)、2.62(2H,s)、2.20〜2.00(4H,m)、1.75〜1.50(15H,m,6Hを含む,d,J=7.0Hz,1.56ppm)、1.40〜1.20(2H,m)。
ステップ5 1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロペンタンカルボン酸
1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロペンタンカルボン酸メチル(1.33g、2.90mmol、ステップ4)の4N−HCl(6mL)および酢酸(6mL)中混合物を18時間還流下撹拌した。冷却後、反応混合物を濃縮し、飽和NaHCO水溶液(100mL)で塩基性にし、CHCl(150mL)で3回抽出した。合わせた抽出物をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をMeOH/CHCl(1:10)で溶出するシリカゲルカラム上のクロマトグラフィーにかけて標記化合物1.12g(85%)を白色固体として得た。粗化合物をEtOAc×2から再結晶させ、50℃で2日間減圧乾燥させて標記化合物610mgを白色結晶として得た。
MS(ESI)m/z:443(M+H)
融点:165℃
IR(KBr)ν:3271、2934、1736、1684、1607、1558、1483、1454、1379、1358、1298、1209、1167、1097、758cm−1
H NMR(CDCl)δ9.00(1H,t,J=5.5Hz)、8.30〜8.18(1H,m)、7.25〜7.10(3H,m)、4.80〜4.60(1H,m)、3.34(2H,t,J=11.0Hz)、2.32〜2.17(2H,m)、2.00〜1.30(17H,m,6Hを含む,d,7.0Hz,1.57ppm)。
元素分析:C2434・0.2 HOの計算値:C,64.61;H,7.77;N,12.56。実測値:C,64.34;H,7.79;N,12.48。
1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロペンタンカルボン酸を合成する代替経路を下記に記載する。
ステップ6 1−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)メチル]シクロペンタンカルボン酸メチル
[メトキシ(テトラヒドロ−4H−ピラン−4−イリデン)メトキシ](トリメチル)シランの代わりに[シクロペンチリデン(メトキシ)メトキシ](トリメチル)シラン(Synthesis,1982,1,58−60)を用いて、実施例1のステップ10に記載の手順に従って標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:355(M+H)
H−NMR(CDCl)δ4.58(1H,br s)、3.66(3H,s)、2.97(2H,t,J=6.3Hz)、2.77(2H,br d,J=11.5Hz)、2.55(2H,s)、2.18〜1.95(4H,m),1.70〜1.50(9H,m)、1.44(9H,s)、1.25〜1.08(2H,m)。
ステップ7 1−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)メチル]シクロペンタンカルボン酸
1−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)メチル]シクロペンタンカルボン酸メチル(2.8g、8.0mmol、ステップ6)のMeOH(11mL)溶液に、2N NaOH水溶液(6mL)を室温で加えた(発熱性)。得られた溶液を70℃で4時間撹拌した後、氷冷水浴中で5〜10℃に冷却した。溶液に5N HCl水溶液(6mL)を滴下した。得られた溶液(pH値は約6)を濃縮し、残渣に2−プロパノール(40mL)を加えた。この溶液を濃縮し、残渣にCHCN(40mL)を加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌し、セライトパッド(5.0g)で濾過してNaClを除去した。濾液を濃縮して標記化合物2.4g(定量)を白色固体として得た。
H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ6.90〜6.75(1H,m)、2.95〜2.80(2H,m)、2.79(2H,t,J=6.4Hz)、2.58(2H,s)、2.25〜2.05(2H,m)、2.05〜1.85(2H,m)、1.65〜1.50(6H,m)、1.50〜1.25(3H,m)、1.37(9H,s)、1.20〜0.95(2H,m)。
融点150℃
ステップ8 1−{[4−(アミノメチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロペンタンカルボン酸4−メチルベンゼンスルホン酸塩
100mL二つ口丸底フラスコ中の、1−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)メチル]シクロペンタンカルボン酸(5g、14.7mmol、ステップ7)のTHF(25mL)中混合物に、p−TsOH HO(8.4g、44mmol)のTHF(25mL)溶液を室温で加えた。得られた混合物をN下70℃で3時間撹拌し、室温に冷却した。この溶液にEtN(6mL、44mmol)をゆっくり滴下した。EtNの添加中に白色析出物が形成され、得られた混合物を室温で14時間撹拌した。懸濁液を濾過し、得られた固体をTHF(10mL)で洗浄し、50℃で5時間乾燥させて標記化合物5.9g(97%)を白色固体として得た。
H−NMR(DO)δ7.51(2H,J=8.2Hz)、7.19(2H,J=8.2Hz)、3.38(2H,d,J=11.0Hz)、3.09(2H,d,J=2.6Hz)、2.88(2H,t,J=12.1Hz)、2.79(2H,t,J=6.6Hz)、2.21(3H,s)、1.94〜1.75(5H,m)、1.61〜1.27(9H,m)
ステップ9 1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロペンタンカルボン酸
1−イソプロピル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン(10g、56.8mmol)とクロロギ酸4−ニトロフェニルエステル(11.4g、56.8mmol)のCHCl(150mL)中混合物を室温で5分間撹拌した。この混合物にEtN(17.4mL、125mmol)をゆっくり加え、得られた混合物を、1−{[4−(アミノメチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロペンタンカルボン酸4−メチルベンゼンスルホン酸塩(23.4g、56.8mmol、ステップ8)のCHCl(75mL)中混合物に室温で加えた。10分間撹拌後、EtN(7.9mL、56.8mmol)を加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。この混合物を1N HCl水溶液(100mL)で洗浄した。有機層を約5体積になるまで50℃で濃縮し、約5体積になるまでアセトン(50mL×3)により80℃で置き換えた。この混合物にHO(100mL)を80℃で加え、得られた混合物を100℃で濃縮した。50℃に冷却後、20%N,N−ジメチルアミノエタノール水溶液(100mL)をこの混合物に加え、固体が観察された。得られた混合物を氷冷浴中で冷却し、その温度で18時間撹拌した。この混合物を濾過し、得られた固体をHO(100mL)で洗浄し、50℃で減圧乾燥させて標記化合物17.9g(71%)を白色固体として得た。
融点166℃
PXRD(2θ(+/−0.1):4.4,8.8,13.2,17.6)
(実施例4)
1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロプロパンカルボン酸塩酸塩
Figure 2008509088
ステップ1 1−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)メチル]シクロプロパンカルボン酸tert−ブチル
シクロペンタンカルボン酸メチルの代わりにシクロプロパンカルボン酸tert−ブチル(J.Organomet.Chem.,1983,252,267−274)を用いて、実施例3のステップ1に記載の手順に従って1−(ヨードメチル)シクロプロパンカルボン酸tert−ブチル(出発原料を含む、3:2混合物)を調製した。これをさらに精製せず次のステップに使用した。
実施例3のステップ2に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:369(M+H)
H NMR(CDCl)δ4.59(1H,br s)、2.99(2H,d,J=5.9Hz)、2.89(2H,br d,J=11.5Hz)、2.57(2H,s)、2.00(2H,t,J=11.7Hz)、1.62(2H,d,J=12.9Hz)、1.55〜1.35(1H,m)、1.44(9H,s)、1.42(9H,s)、1.30〜1.15(2H,m)、1.13(2H,dd,J=3.8Hz,6.6Hz)、0.74(2H,dd,J=3.5Hz,6.3Hz)。
ステップ2 1−{[4−(アミノメチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロプロパンカルボン酸tert−ブチル
実施例3のステップ3に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:269(M+H)
H NMR(CDCl)δ2.96(2H,br d,J=11.5Hz)、2.60〜2.50(4H,m)、2.00(2H,t,J=11.4Hz)、1.75〜1.35(14H,m,2Hを含む,br d,J=9.6Hz,1.66ppmおよび9H,s,1.43ppm)、1.33〜1.16(2H,m)、1.13(2H,dd,J=4.0Hz,6.9Hz)、0.74(2H,dd,J=3.8Hz,6.6Hz)。
ステップ3 1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロプロパンカルボン酸tert−ブチル
実施例3のステップ4に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:471(M+H)
H NMR(CDCl)δ8.91(1H,br t,J=5.5Hz)、8.32〜8.20(1H,m)、7.25〜7.10(3H,m)、4.80〜4.60(1H,m)、3.30(2H,t,J=6.4Hz)、2.91(2H,br d,J=11.6Hz)、2.57(2H,s)、2.01(2H,br t,J=9.5Hz)、1.73(2H,br d,J=12.1Hz)、1.67〜1.50(10H,m,6Hを含む,d,J=7.0Hz,1.56ppm)、1.43(9H,s)、1.34〜1.20(2H,m)、1.12(2H,dd,J=4.0Hz,7.0Hz)、0.73(2H,dd,J=3.9Hz,6.8Hz)。
ステップ4 1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロプロパンカルボン酸塩酸塩
実施例1のステップ7に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:415(M+H)
融点:206℃
IR(KBr)ν:2936、2700、1732、1688、1556、1485、1383、1359、1182、1164、758cm−1
H NMR(DMSO−d)δ8.86(1H,t,J=6.3Hz)、8.07(1H,dd,J=1.0Hz,7.8Hz)、7.45(1H,d,J=7.1Hz)、7.22(1H,dt,J=1.3Hz,7.6Hz)、7.15(1H,dt,J=1.2Hz,7.7Hz)、4.95〜4.60(1H,m)、3.70〜3.10(6H,m)、3.10〜2.90(2H,m)、1.86(3H,m,2Hを含む,d,J=11.2Hz,1.86ppm)、1.70〜1.53(2H,m)、1.49(6H,d,J=6.9Hz)、1.35〜1.15(4H,m)。
元素分析:C2230・HCl・0.2 HOの計算値:C,58.13;H,6.96;N,12.33。実測値:C,57.93;H,6.97;N,12.18。
(実施例5)
3−[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]プロパン酸塩酸塩
Figure 2008509088
ステップ1 4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
1−イソプロピル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2オン(J.Med.Chem.1999,42,2870−2880)(3.00g、17.02mmol)およびトリエチルアミン(7.12ml、51.06mmol)のテトラヒドロフラン70ml中撹拌溶液に、テトラヒドロフラン14ml中トリホスゲン(5.15g、17.02mmol)を室温で加えた。反応混合物を19時間還流した。次に混合物を室温に冷却し、テトラヒドロフラン10ml中4−(アミノメチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(J.Prugh,L.A.Birchenough and M.S.Egbertson,Synth.Commun.,1992,22,2357−60)(3.28g、15.32mmol)を加えた。反応混合物をさらに24時間還流した。次に冷却し、飽和NaHCO水溶液50mlで塩基性にし、酢酸エチル100mlで3回抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=5/1→1/2)により無色油状物3.99g(62%)を標記化合物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:9.04〜8.88(1H,m)、8.83〜8.20(H,m)、7.26〜7.10(3H,m)、4.80〜4.60(H,m)、4.28〜4.02(2H,m)、3.32(2H,t,J=6.1Hz)、2.82〜2.60(2H,m)、1.94〜1.10(5H,m)、1.57(6H,d,J=7.1Hz)、1.45(9H,s)。
ステップ2 3−イソプロピル−2−オキソ−N−(ピペリジン−4−イルメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−カルボキサミド
4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(3.992g、9.58mmol)の、メタノール中10%塩酸50mlおよび濃塩酸10ml中溶液を、室温で18時間撹拌した。次に、混合物を濃縮し、NaCO水溶液で塩基性にし、CHCl(100mL)で3回抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(NH−シリカゲル、溶離液:CHCl/メタノール=100/1)により無色油状物2.272g(75%)を標記化合物として得た。
MS(ESI)m/z:317(M+H)
H−NMR(CDCl)δ:8.93(H,br)、8.32〜8.22(H,m)、7.24〜7.02(3H,m)、4.80〜4.61(H,m)、3.31(2H,t,J=6.0Hz)、3.20〜3.05(2H,m)、2.79〜2.54(2H,m)、1.84〜1.52(3H,m)、1.57(6H,d,J=6.9Hz)、1.36〜1.13(2H,m)。
ステップ3 3−[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]プロパン酸tert−ブチル
3−イソプロピル−2−オキソ−N−(ピペリジン−4−イルメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−カルボキサミド(0.50g、1.58mmol、ステップ2)、アクリル酸tert−ブチル(0.340mL、2.37mmol)およびiPrNEt(0.275mL、2.37mmol)のTHF(20mL)中混合物を18時間還流させた。冷却後、反応混合物を飽和NaHCO水溶液(100mL)で希釈し、CHCl(100mL)で3回抽出した。合わせた抽出物をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をMeOH/CHCl(1:20→1:10)で溶出するシリカゲル、次いでEtOAc/ヘキサン(1:5→1:2)で溶出するNH−シリカゲルのカラム上のクロマトグラフィーにかけて標記化合物0.111g(16%)を無色シロップとして得た。
MS(ESI)m/z:445(M+H)
H NMR(CDCl)δ8.94(1H,br s)、8.30〜8.20(1H,m)、7.25〜7.11(3H,m)、7.11〜7.00(1H,m)、4.80〜4.62(1H,m)、3.31(2H,t,J=6.2Hz)、2.95(2H,br t,J=11.6Hz)、2.68(2H,t,J=7.2Hz)、2.43(2H,t,J=7.7Hz)、2.03(2H,br t,J=11.4Hz)、1.98〜1.82(1H,m)、1.79(2H,d,J=12.1Hz)、1.56(6H,d,J=7.2Hz)、1.50〜1.30(11H,m,9Hを含む,s,1.44ppm)。
ステップ4 3−[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]プロパン酸塩酸塩
実施例1のステップ7に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:389(M+H)
IR(KBr)ν:2939、2637、1724、1682、1542、1466、1373、1217、1194、953、762cm−1
H NMR(DMSO−d)δ8.86(1H,t,J=5.9Hz)、8.07(1H,dd,J=0.8Hz,7.7Hz)、7.49(1H,d,J=7.6Hz)、7.22(1H,dt,J=1.3Hz,7.6Hz)、7.15(1H,dt,J=1.0Hz,7.6Hz)、4.75〜4.60(1H,m)、3.70〜3.10(6H,m)、2.93(2H,br t,J=11.2Hz)、2.85〜2.70(2H,m)、1.95〜1.75(3H,m,2Hを含む,d,J=11.5Hz,1.87ppm)、1.65〜1.40(8H,m,6Hを含む,d,J=7.1Hz,1.49ppm)。
元素分析:C2028・HCl・0.8 HOの計算値:C,54.68;H,7.02;N,12.75。実測値:C,54.67;H,6.88;N,12.70。
(実施例6)
1−{[4−ヒドロキシ−4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロヘキサンカルボン酸
Figure 2008509088
ステップ1 1−(ヨードメチル)シクロヘキサンカルボン酸メチル
シクロヘキサンカルボン酸メチルを用いて、実施例3のステップ1に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
H NMR(CDCl)δ3.73(3H,s)、3.32(2H,s)、2.20〜2.05(2H,m)、1.70〜1.20(8H,m)。
ステップ2 1−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)メチル]シクロヘキサンカルボン酸メチル
[(4−ヒドロキシピペリジン−4−イル)メチル]カルバミン酸tert−ブチル(Chem.Pharm.Bull.,2002,50(9)1187−1194)および1−(ヨードメチル)シクロヘキサンカルボン酸メチル(実施例6のステップ1)を用いて、実施例3のステップ2に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:385(M+H)
H NMR(CDCl)δ4.86(1H,br s)、3.66(3H,s)、3.11(2H,d,J=6.3Hz)、2.55〜2.45(6H,m)、2.03(2H,br d,J=10.4Hz)、1.70〜1.15(18H,m,9Hを含む,s,1.44ppm)。
ステップ3 1−{[4−(アミノメチル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル]メチル}シクロヘキサンカルボン酸メチル
実施例3のステップ3に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:285(M+H)
H NMR(CDCl)δ3.66(3H,s)、2.61(1H,br s)、2.57〜2.45(5H,m)、2.35〜2.11(3H,m)、2.04(2H,br d,J=11.5Hz)、1.65〜1.45(6H,m)、1.45〜1.20(4H,m)。
ステップ4 1−{[4−ヒドロキシ−4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロヘキサンカルボン酸メチル
実施例3のステップ4に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:487(M+H)
H NMR(CDCl)δ9.12(1H,t,J=5.6Hz)、8.30〜8.20(1H,m)、7.25〜7.10(3H,m)、4.80〜4.65(1H,m)、3.66(3H,s)、3.54(2H,d,J=5.9Hz)、2.60〜2.45(6H,m)、2.03(2H,br d,J=9.1Hz)、1.75〜1.47(12H,m)、1.47〜1.15(6H,m)。
ステップ5 1−{[4−ヒドロキシ−4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロヘキサンカルボン酸
実施例3のステップ5に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:473(M+H)
融点:184℃
IR(KBr)ν:3437、3273、2943、1732、1688、1601、1533、1479、1452、1371、1134、978、762cm−1
H NMR(DMSO−d)δ8.94(1H,t,J=5.6Hz)、8.09(1H,d,J=7.7Hz)、7.43(1H,d,J=7.7Hz)、7.22(1H,t,J=7.8Hz)、7.14(1H,t,J=7.4Hz)、4.75〜4.58(1H,m)、4.59(1H,s)、2.47(2H,s)、4.00〜3.00(6H,m)、1.86(2H,d,J=11.4Hz)、1.60〜1.10(18H,m,6Hを含む,d,J=6.9Hz,1.49ppm)。
元素分析:C2536・0.5 HOの計算値:C,62.35;H,7.74;N,11.63。実測値:C,62.52;H,7.70;N,11.66。
(実施例7)
1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロブタンカルボン酸
Figure 2008509088
ステップ1 1−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)メチル]シクロブタンカルボン酸メチル
(ピペリジン−4−イルメチル)カルバミン酸tert−ブチル(12.8g、60mmol)および1−ホルミルシクロブタンカルボン酸メチル(2.13g、15mmol、Davis,Charles R.;Swenson,Dale C.;Burton,Donald J.,J.Org.Chem.,1993,58,6843)のテトラヒドロフラン中撹拌混合物に酢酸(8.6mL、150mmol)を周囲温度で加えた。30分後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(12.7g、60mmol)を混合物に加えた。次に、混合物を2時間かけて60℃に加熱した。
冷却後、反応混合物を飽和NaHCO水溶液に注いだ。水層をジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をヘキサン/酢酸エチル(1:1)で溶出するシリカゲルカラム上のクロマトグラフィーにかけて標記化合物4.25g(83%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:341(M+H)。
H−NMR(CDCl)δ:3.69(3H,s)、2.96(2H,t,J=6.2Hz)、2.75(2H,d,J=11.4Hz)、2.67(2H,s)、2.37〜2.46(2H,m)、1.78〜2.05(6H,m)、1.45〜1.65(2H,m)、1.43(9H,s)、1.09〜1.21(2H,m)、
ステップ2 1−{[4−(アミノメチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロブタンカルボン酸メチル
1−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)メチル]シクロブタンカルボン酸メチル(実施例7のステップ1)から、実施例3のステップ3に記載の手順に従って標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:241(M+H)。
H−NMR(CDCl)δ:3.67(3H,s)、2.72〜2.78(2H,m)、2.66(2H,s)、2.54(2H,d,J=6.2Hz)、2.34〜2.47(2H,m)、1.79〜2.04(8H,m)、1.54〜1.64(2H,m)、1.05〜1.35(3H,m)。
ステップ3 1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロブタンカルボン酸メチル
1−イソプロピル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オンおよび1−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)メチル]シクロブタンカルボン酸メチル(実施例7のステップ2)から、実施例1のステップ6に記載の手順に従って標記化合物を調製した。
H−NMR(CDCl)δ:8.92〜8.86(1H,m)、8.28〜8.24(1H,m)、7.20〜7.12(3H,m)、4.75〜4.62(1H,m)、3.70(3H,s)、3.27(2H,t,J=6.4Hz)、2.85〜2.72(2H,m)、2.68(2H,s)、2.47〜2.35(2H,m)、2.05〜1.92(4H,m)、1.92〜1.76(2H,m)、1.71〜1.61(2H,m)、1.56(6H,d,J=7.0Hz)、1.32〜1.17(2H,m)、
MS(ESI)m/z:443(M+H)。
ステップ4 1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロブタンカルボン酸
1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロブタンカルボン酸メチル(実施例7のステップ3)から、実施例3のステップ5に記載の手順に従って標記化合物を調製した。
IR(KBr)ν:3293、2979、2937、2875、1732、1687、1610、1548、1479、1375、1298、1203、1099、761、704cm−1
H−NMR(CDCl)δ:9.02〜8.95(1H,m)、8.26〜8.22(1H,m)、7.22〜7.12(3H,m)、4.76〜4.62(1H,m)、3.33(2H,t,J=6.2Hz)、3.10〜3.00(2H,m)、2.77(2H,s)、2.58〜2.48(2H,m)、2.44〜2.24(2H,m)、1.92〜1.79(2H,s)、1.99〜1.80(5H,m)、1.56(6H,d,J=7.0Hz)、1.50〜1.33(3H,m)。
MS(ESI)m/z:429(M+H)。
元素分析:C23H32N4O4の計算値:C,64.46;H,7.53;N,13.07。実測値:C,64.47;H,7.43;N,12.93。
1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロブタンカルボン酸を合成する代替経路を下記に記載する。
ステップ5 1−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)メチル]シクロブタンカルボン酸エチル
[メトキシ(テトラヒドロ−4H−ピラン−4−イリデン)メトキシ](トリメチル)シランの代わりに[シクロブチリデン(エトキシ)メトキシ](トリメチル)シラン(Chem.Commun.,1971,136−137)を用いて、実施例1のステップ10に記載の手順に従って標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:355(M+H)
H−NMR(CDCl)δ:4.55(1H,br)、4.17(2H,q,J=7.1Hz)、2.96(2H,t,J=6.3Hz)、2.76(2H,d,J=11.4Hz)、2.48〜2.33(2H,m)、2.05〜1.80(6H,m)、1.43(9H,s)、1.25(3H,q,J=7.1Hz)、1.40〜1.05(7H,m)。
ステップ6 1−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)メチル]シクロブタンカルボン酸
1−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)メチル]シクロブタンカルボン酸エチル(4.2g、11.9mmol、ステップ5)、2N NaOH(18mL)およびEtOH(12mL)の混合物を50℃で4時間加熱した。得られた溶液を氷浴中で冷却し、2N HCl(約19mL)を、混合物のpHが約5〜6になるまで加えた。全体をCHClPrOH(3:1、30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過した。濾液を濃縮して標記化合物3.8g(98%)を黄色固体として得た。
H NMR(300MHz,CDCl)δ4.08(1H,m)、3.20〜3.10(2H,m)、3.08〜2.99(2H,m)、2.91(2H,s)、2.60〜2.38(4H,m)、2.35〜2.16(2H,m)、2.05〜1.76(6H,m)、1.65(1H,m)、1.44(9H,s)。
融点160℃
ステップ7 1−{[4−(アミノメチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロブタンカルボン酸4−メチルベンゼンスルホン酸塩
下の500mL三つ口丸底フラスコ中で、1−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)メチル]シクロブタンカルボン酸(30g、92mmol、ステップ6)のTHF(150mL)中混合物を室温で10分間撹拌した。この懸濁液にp−TsOH HO(52.4g、276mmol)のTHF(150mL)溶液を室温で加えた。その温度で10分間撹拌後、得られた溶液を還流条件下で3時間加熱した。室温に冷却後、EtN(28.1mL、202mmol)をシード添加により1時間かけて非常にゆっくりと加えた。EtNの添加中に白色析出物が形成された。得られた白色懸濁液を室温で6時間撹拌し、濾過し、得られた固体をTHF(100mL×2)で洗浄し、50℃で5時間乾燥させて標記化合物35g(96%)を白色粉末として得た。
H−NMR(DO)δ7.40(2H,d,J=7.2Hz)、7.07(2H,d,J=7.2Hz)、3.28〜3.00(4H,m)、2.80〜2.57(4H,m)、2.09(3H,s)、2.18〜1.97(2H,m)、1.85〜1.58(8H,m)、1.36〜1.12(2H,m)
融点:210℃
ステップ8 1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロブタンカルボン酸
1−イソプロピル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン(486mg、2.8mmol)とクロロギ酸4−ニトロフェニルエステル(556mg、2.8mmol)のCHCl(10mL)中混合物を室温で5分間撹拌した。この混合物にEtN(0.84mL、6.1mmol)をゆっくり加え、この混合物は溶液となった。この溶液を1−{[4−(アミノメチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロブタンカルボン酸4−メチルベンゼンスルホン酸塩(1.1g、2.8mmol、ステップ7)のCHCl(5mL)中混合物に室温で加えた。10分間撹拌後、EtN(0.38mL、2.8mmol)を加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。この混合物を0.5N HCl水溶液(10mL)および飽和NaHCO水溶液(10ml)で洗浄した後、有機層を濃縮した。残渣に飽和NaHCO水溶液(15mL)およびヘプタン(15mL)を室温で加え、その温度で6時間撹拌した。固体が観察され、この混合物を濾過した。得られた固体をHOおよびヘプタンで洗浄した。乾燥後、粗原料(1.0g、82%)を白色固体として得た。この粗原料(4.0g)をトルエン(36mL)からの再結晶により精製して標記化合物2.6g(66%)を白色固体として得た。
融点:173℃
PXRD(2θ(+/−0.1):10.8,16.9,18.9,26.5)
(実施例8)
N−({1−(2−オキシカルボニル−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル}メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−カルボキサミド
Figure 2008509088
ステップ1 [{1−(2−ベンジルオキシカルボニル−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル}メチル]カルバミン酸tert−ブチル
(ピペリジン−4−イルメチル)カルバミン酸tert−ブチル(38.8g、181mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(100mL)中撹拌溶液に、塩化3−クロロピバロイル(25.6g、165mmol)およびベンジルアルコール(19.6g、181mmol)から調製した3−クロロピバリン酸ベンジル(14.2g、124mmol)、エチルジイソプロピルアミン(64.0g、495mmol)ならびにヨウ化ナトリウム(27.1g、181mmol)を周囲温度で加えた。得られた混合物を120℃で14時間撹拌した。揮発性成分を蒸発除去し、得られた残渣をヘキサン/酢酸エチル(1:1)で溶出するシリカゲルカラム上のクロマトグラフィーにかけて標記化合物640mg(1%)を淡黄色油状物として得た。
MS(ESI)m/z:405(M+H)。
H NMR(CDCl)δ7.43〜7.23(5H,m)、5.10(2H,s)、4.58(1H,br t)、2.95(2H,m)、2.71(2H,m)、2.46(2H,br s)、2.06(2H,m)、1.57〜1.36(3H,m)、1.44(9H,s)、1.12(2H,m)、1.17(6H,s)。
ステップ2 N−({1−(2−ベンジルオキシカルボニル−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル}メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−カルボキサミド
1−イソプロピル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン(J.Med.Chem.1999,42,2870−2880)(411mg、2.33mmol)およびトリエチルアミン(1.00mL、7.17mmol)のジクロロメタン(20.0mL)中撹拌混合物にクロロギ酸4−ニトロフェニル(470mg、2.33mmol)を室温で加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。混合物に1−(2−ベンジルオキシカルボニル−2−メチルプロピル)−4−アミノメチルピペリジン塩酸塩[[{1−(2−ベンジルオキシカルボニル−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル}メチル]カルバミン酸tert−ブチル(実施例1のステップ1)(640mg、1.49mmol)とMeOH(20.0mL)中10%HClとの混合物の濃縮により調製]およびトリエチルアミン(1.00mL、7.17mmol)のジクロロメタン(5.00mL)中懸濁液を加えた。得られた混合物を室温で13時間撹拌し、0.5M NaOH水溶液を混合物に加えた。混合物をジクロロメタンで抽出した。抽出物を0.5M NaOH水溶液およびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール(10:1)で溶出)で精製して標記化合物508mg(63%)を淡黄色油状物として得た。
MS(ESI)m/z:507(M+H)。
H NMR(CDCl)δ8.89(1H,br t,J=5.7Hz)、8.26(1H,m)、7.43〜7.05(8H,m)、5.10(2H,s)、4.70(1H,七重線,J=7.0Hz)、3.26(2H,m)、2.75(2H,m)、2.48(2H,br s)、2.11(2H,m)、1.61(2H,m)、1.56(6H,d,J=7.0Hz)、1.52(1H,m)、1.26(2H,m)、1.18(6H,s)。
ステップ3 N−({1−(2−オキシカルボニル−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル}メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−カルボキサミド
N−({1−(2−ベンジルオキシカルボニル−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル}メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−カルボキサミド(実施例8のステップ2)(418mg、0.825mmol)と20% Pd(OH)/C(58.0mg)のメタノール(80mL)中混合物を水素ガス雰囲気下、室温で12時間撹拌した。触媒をセライトパッド上で濾去し、濾液を減圧蒸発させた。得られた固体をヘキサン−CHClで再結晶させて無色固体285mg(84%)を標記化合物として得た。
MS(ESI)m/z:417(M+H)
H NMR(DMSO−d)δ8.80(1H,br t,J=5.8Hz)、8.05(1H,m)、7.42(1H,m)、7.20(1H,m)、7.12(1H,m)、4.65(1H,七重線,J=7.0Hz)、3.20(2H,m)、2.85(2H,m)、2.44(2H,br s)、2.18(2H,m)、1.61(2H,m)、1.50(1H,m)、1.47(6H,d,J=7.0Hz)、1.20(2H,m)、1.04(6H,s)。カルボン酸に対応するシグナルは認められなかった。
元素分析:C2232・0.1 HOの計算値:C,63.17;H,7.76;N,13.39。実測値:C,62.78;H,7.74;N,13.11。
カルボン酸に対応する信号は観察されなかった。
2232・0.1HOの分析計算値:C,63.17;H,7.76;N,13.39.実測値:C,62.78;H,7.74;N,13.11。
(実施例9)
N−({1−(2−テトラゾール−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル}メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−カルボキサミド
Figure 2008509088
ステップ1 2−ベンジル−α,α−ジメチル−2H−テトラゾール−5−酢酸エチルエステル
α,α−ジメチルテトラゾール−5−酢酸エチルエステル(J.Med.Chem.1996,39,2354−2366.)(6.87g、37.3mmol)とKCO(12.3g、89.0mmol)のアセトン(200mL)中撹拌混合物に臭化ベンジル(4.45mL、37.4mmol)を周囲温度で加えた。得られた混合物を50℃で18時間撹拌し、減圧濃縮した。得られた残渣をヘキサン/酢酸エチル(10:1)で溶出するシリカゲルカラム上のクロマトグラフィーにかけて標記化合物6.14g(60%)を無色油状物として得た。
MS(ESI)m/z:275(M+H)。
H NMR(CDCl)δ7.45〜7.23(5H,m)、5.73(2H,s)、4.11(2H,q,J=7.2Hz)、1.70(6H,s)、1.13(3H,t,J=7.2Hz)。
ステップ2 2−ベンジル−α,α−ジメチル−2H−テトラゾール−5−アセトアルデヒド
2−ベンジル−α,α−ジメチル−2H−テトラゾール−5−酢酸エチルエステルアセトアルデヒド(実施例9のステップ1)(6.14g、22.4mmol)のジクロロメタン(100mL)中撹拌混合物に−78℃でDIBAL(トルエン中1.0M、50.0mL、50.0mmol)を加えた。得られた混合物を−78℃で4時間撹拌した。反応混合物にDIBAL(トルエン中1.0M、25.0mL、25.0mmol)を加え、得られた混合物を−78℃で8時間撹拌した。混合物に2M HCl水溶液(100mL)および飽和NHCl水溶液(20mL)を加えた。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧濃縮した。得られた残渣をヘキサン/酢酸エチル(10:1)で溶出するシリカゲルカラム上のクロマトグラフィーにかけて標記化合物3.45g(67%)を無色油状物として得た。
MS(ESI)m/z:231(M+H)。
H NMR(CDCl)δ9.68(1H,s)、7.45〜7.23(5H,m)、5.74(2H,s)、1.56(6H,s)。
ステップ3 [{1−(2−(2−ベンジルテトラゾール)−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル}メチル]カルバミン酸tert−ブチル
2−ベンジル−α,α−ジメチル−2H−テトラゾール−5−アセトアルデヒド(実施例9のステップ2)(1.28g、5.56mmol)および(ピペリジン−4−イルメチル)カルバミン酸tert−ブチル(2.40g、11.2mmol)のテトラヒドロフラン(300mL)中撹拌溶液にNaBH(OAc)(5.90g、27.8mmol)およびAcOH(1.67g、27.8mmol)を加えた。得られた混合物を60℃で9時間撹拌し、減圧濃縮した。撹拌した残渣の油状物および固体に飽和NaHCO水溶液およびジクロロメタンを加えた。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧濃縮した。得られた残渣をヘキサン/酢酸エチル(1:1)で溶出するシリカゲルカラム上のクロマトグラフィーにかけて標記化合物830mg(35%)を無色油状物として得た。
MS(ESI)m/z:429(M+H)
H NMR(CDCl)δ7.43〜7.23(5H,m)、5.72(2H,s)、4.50(1H,br t)、2.91(2H,m)、2.58(2H,br s)、2.49(2H,m)、2.05(2H,m)、1.68〜1.14(3H,m)、1.44(9H,s)、1.38(6H,s)、1.00(2H,m)。
ステップ4 N−({1−(2−(2−ベンジルテトラゾール)−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル}メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−カルボキサミド
1−イソプロピル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オンおよび[{1−(2−(2−ベンジルテトラゾール)−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル}メチル]カルバミン酸tert−ブチル(実施例9のステップ3)から、実施例8のステップ2に記載の手順に従って標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:531(M+H)。
H NMR(CDCl)δ8.86(1H,br t,J=5.7Hz)、8.26(1H,m)、7.43〜7.08(8H,m)、5.72(2H,s)、4.70(1H,七重線,J=7.0Hz)、3.21(2H,m)、2.59(2H,br s)、2.51(2H,m)、2.07(2H,m)、1.65〜1.32(3H,m)、1.56(6H,d,J=7.0Hz)、1.38(6H,s )、1.10(2H,m)。
ステップ5 N−({1−(2−メチル−2−テトラゾールプロピル)ピペリジン−4−イル}メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−カルボキサミド
N−({1−(2−(2−ベンジルテトラゾール)−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル}メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−カルボキサミド(実施例9のステップ4)から、実施例8のステップ3に記載の手順に従って標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:441(M+H)
H NMR(DMSO−d)δ8.77(1H,br t,J=5.9Hz)、8.04(1H,m)、7.40(1H,m)、7.18(1H,m)、7.11(1H,m)、4.63(1H,七重線,J=7.0Hz)、3.15(2H,m)、2.54(2H,br s)、2.43(2H,m)、2.10(2H,m)、1.60〜1.25(3H,m)、1.45(6H,d,J=7.0Hz)、1.32(6H,s )、1.14(2H,m)。
テトラゾールに対応する信号は観察されなかった。
2232・0.95HOの分析計算値:C,57.74;H,7.47;N,24.48.実測値:C,58.03;H,7.43;N,24.10。
(実施例10)
N−({1−(2−シクロペンチル−2−テトラゾールエチル)ピペリジン−4−イル}メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−カルボキサミド
Figure 2008509088
ステップ1 α−シクロペンチルテトラゾール−5−酢酸エチルエステル
1−シアノ−1−シクロペンタンカルボン酸エチルエステル(Bioorg.Med.Chem.Lett.1999,9,369−374.)(6.19 g、37.0mmol)の1,4−ジオキサン(100mL)中撹拌溶液にBuSnN(12.3g、37.0mmol)を周囲温度で加えた。得られた混合物を15時間還流し、減圧濃縮した。得られた残渣に1,4−ジオキサン(50mL)中4M HClを加え、減圧濃縮した。得られた油状物をヘキサンで2回洗浄して標記化合物の粗生成物を黄色油状物として得、さらに精製せずに次のステップに使用した。
ステップ2 2−ベンジル−α−シクロペンチル−2H−テトラゾール−5−酢酸エチルエステル
α−シクロペンチルテトラゾール−5−酢酸エチルエステル(実施例10のステップ1)から、実施例9のステップ1に記載の手順に従って標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:301(M+H)。
H NMR(CDCl)δ7.45〜7.23(5H,m)、5.73(2H,s)、4.11(2H,q,J=7.1Hz)、2.55〜2.35(4H,m)、1.88〜1.56(4H,m)、1.12(3H,t,J=7.1Hz)。
ステップ3 2−ベンジル−α−シクロペンチル−2H−テトラゾール−5−アセトアルデヒド
2−ベンジル−α−シクロペンチル−2H−テトラゾール−5−酢酸エチルエステル(実施例10のステップ2)から、実施例9のステップ2に記載の手順に従って標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:257(M+H)。
H NMR(CDCl)δ9.71(1H,s)、7.50〜7.30(5H,m)、5.74(2H,s)、2.45〜2.18(4H,m)、1.85〜1.66(4H,m)。
ステップ4 [{1−(2−(2−ベンジルテトラゾール)−2−シクロペンチルエチル)ピペリジン−4−イル}メチル]カルバミン酸tert−ブチル
2−ベンジル−α−シクロペンチル−2H−テトラゾール−5−アセトアルデヒド(実施例10のステップ3)から、実施例9のステップ3に記載の手順に従って標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:455(M+H)
H NMR(CDCl)δ7.43〜7.23(5H,m)、5.72(2H,s)、4.67(1H,br t)、2.88(2H,m)、2.66(2H,br s)、2.48(2H,m)、2.24(2H,m)、1.93(2H,m)、1.83(2H,m)、1.78〜1.48(4H,m)、1.43(9H,s)、1.37(2H,m)、1.23(1H,m)、0.94(2H,m)。
ステップ5 N−({1−(2−(2−ベンジルテトラゾール)−2−シクロペンチルエチル)ピペリジン−4−イル}メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−カルボキサミド
1−イソプロピル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オンおよび[{1−(2−(2−ベンジルテトラゾール)−2−シクロペンチルエチル)ピペリジン−4−イル}メチル]カルバミン酸tert−ブチル(実施例10のステップ4)から、実施例8のステップ2に記載の手順に従って標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:557(M+H)。
H NMR(CDCl)δ8.85(1H,br t,J=5.5Hz)、8.26(1H,m)、7.43〜7.08(8H,m)、5.73(2H,s)、4.70(1H,七重線,J=7.0Hz)、3.19(2H,m)、2.70(2H,br s)、2.53(2H,m)、2.25(2H,m)、2.15〜1.35(11H,m)、1.56(6H,d,J=7.0Hz)、1.07(2H,m)。
ステップ6 N−({1−(2−シクロペンチル−2−テトラゾールエチル)ピペリジン−4−イル}メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−カルボキサミド
N−({1−(2−(2−ベンジルテトラゾール)−2−シクロペンチルエチル)ピペリジン−4−イル}メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−カルボキサミド(実施例10のステップ5)から、実施例8のステップ3に記載の手順に従って標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:467(M+H)
H NMR(DMSO−d)δ8.76(1H,br t,J=5.9Hz)、8.04(1H,m)、7.40(1H,m)、7.18(1H,m)、7.11(1H,m)、4.64(1H,七重線,J=7.0Hz)、3.14(2H,m)、2.63(2H,br s)、2.54(2H,m)、2.08(2H,m)、2.00(2H,m)、1.76(2H,m)、1.68〜0.96(9H,m)、1.46(6H,d,J=7.0Hz)。
テトラゾールに対応する信号は観察されなかった。
2434・1.0HO・0.5CHClの分析計算値:C,55.83;H,7.08;N,21.26.実測値:C,55.71;H,7.48;N,20.86。
(実施例11)
N−({1−(2−シクロヘキシル−2−テトラゾールエチル)ピペリジン−4−イル}メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−カルボキサミド
Figure 2008509088
ステップ1 α−シクロヘキシルテトラゾール−5−酢酸エチルエステル
1−シアノ−1−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(Bioorg.Med.Chem.Lett.1999,9,369−374.)から、実施例10のステップ1に記載の手順に従って標記化合物を調製した。
ステップ2 2−ベンジル−α−シクロヘキシル−2H−テトラゾール−5−酢酸エチルエステル
α−シクロヘキシルテトラゾール−5−酢酸エチルエステル(実施例11のステップ1)から、実施例9のステップ1に記載の手順に従って標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:315(M+H)。
H NMR(CDCl)δ7.45〜7.23(5H,m)、5.75(2H,s)、4.11(2H,q,J=7.1Hz)、2.36〜2.16(4H,m)、1.70〜1.44(6H,m)、1.12(3H,t,J=7.1Hz)。
ステップ3 2−ベンジル−α−シクロヘキシル−2H−テトラゾール−5−アセトアルデヒド
2−ベンジル−α−シクロヘキシル−2H−テトラゾール−5−酢酸エチルエステル(実施例11のステップ2)から、実施例9のステップ2に記載の手順に従って標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:271(M+H)。
H NMR(CDCl)δ9.55(1H,s)、7.45〜7.25(5H,m)、5.75(2H,s)、2.34〜2.16(2H,m)、2.14〜1.94(2H,m)、1.70〜1.32(6H,m)。
ステップ4 [{1−(2−(2−ベンジルテトラゾール)−2−シクロヘキシルエチル)ピペリジン−4−イル}メチル]カルバミン酸tert−ブチル
2−ベンジル−α−シクロヘキシル−2H−テトラゾール−5−アセトアルデヒド(実施例11のステップ3)から、実施例9のステップ3に記載の手順に従って標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:469(M+H)
H NMR(CDCl)δ7.43〜7.23(5H,m)、5.74(2H,s)、4.55(1H,br t)、2.87(2H,m)、2.62〜1.05(17H,m)、2.49(2H,br s)、1.43(9H,s)、0.93(2H,m)。
ステップ5 N−({1−(2−(2−ベンジルテトラゾール)−2−シクロヘキシルエチル)ピペリジン−4−イル}メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−カルボキサミド
1−イソプロピル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オンおよび[{1−(2−(2−ベンジルテトラゾール)−2−シクロヘキシルエチル)ピペリジン−4−イル}メチル]カルバミン酸tert−ブチル(実施例11のステップ4)から、実施例8のステップ2に記載の手順に従って標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:571(M+H)。
H NMR(CDCl)δ8.86(1H,br t,J=5.7Hz)、8.26(1H,m)、7.43〜7.08(8H,m)、5.73(2H,s)、4.70(1H,七重線,J=7.0Hz)、3.18(2H,m)、2.51(2H,br s)、2.45〜1.15(17H,m)、1.56(6H,d,J=7.0Hz)、1.04(2H,m)。
ステップ6 N−({1−(2−シクロヘキシル−2−テトラゾールエチル)ピペリジン−4−イル}メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−カルボキサミド
N−({1−(2−(2−ベンジルテトラゾール)−2−シクロヘキシルエチル)ピペリジン−4−イル}メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−カルボキサミド(実施例11のステップ5)から、実施例8のステップ3に記載の手順に従って標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:481(M+H)
H NMR(DMSO−d)δ8.76(1H,br t,J=5.9Hz)、8.04(1H,m)、7.41(1H,m)、7.18(1H,m)、7.12(1H,m)、4.64(1H,七重線,J=7.0Hz)、3.14(2H,m)、2.38(2H,br s)、2.33〜2.10(4H,m)、1.98(2H,m)、1.65〜0.96(13H,m)、1.46(6H,d,J=7.0Hz)。
テトラゾールに対応する信号は観察されなかった。
(実施例12)
1−[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]シクロヘキサンカルボン酸塩酸塩
Figure 2008509088
ステップ1 1−(4−オキソピペリジン−1−イル)シクロヘキサンカルボン酸tert−ブチル
1−アミノシクロヘキサンカルボン酸tert−ブチル(Kenner et al.,J.Chem.Soc.,1965,6239,6243.)を用いて、実施例1のステップ3に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:282(M+H)。
H−NMR(CDCl)δ:2.92(4H,t,J=5.9Hz)、2.41(4H,t,J=6.0Hz)、2.01〜1.89(2H,m)、1.76〜1.62(4H,m)、1.45(9H,s)、1.53〜1.33(4H,m)。
ステップ2 1−(4−シアノピペリジン−1−イル)シクロヘキサンカルボン酸tert−ブチル
1−(4−オキソピペリジン−1−イル)シクロヘキサンカルボン酸tert−ブチルを用いて、実施例1のステップ4に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:293(M+H)。
H−NMR(CDCl)δ:2.94〜2.85(2H,m)、2.67〜2.56(1H,m)、2.55〜2.42(2H,m)、1.96〜1.72(6H,m)、1.70〜1.23(8H,m)、1.48(9H,s)。
ステップ3 1−[4−(アミノメチル)ピペリジン−1−イル]シクロヘキサンカルボン酸tert−ブチル
1−(4−シアノピペリジン−1−イル)シクロヘキサンカルボン酸tert−ブチルを用いて、実施例1のステップ5に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
H−NMR(CDCl)δ:3.07〜3.18(2H,m)、2.55(2H,d,J=6.4Hz)、2.15〜1.94(4H,m)、1.47(9H,s)、1.76〜1.19(13H,m)、1.19〜1.03(2H,m)、。
MS(ESI)m/z:297(M+H)。
ステップ4 1−[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]シクロヘキサンカルボン酸tert−ブチル
1−イソプロピル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オンおよび1−(4−シアノピペリジン−1−イル)シクロヘキサンカルボン酸tert−ブチルを用いて、実施例1のステップ6に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
H−NMR(CDCl)δ:8.97〜8.86(1H,m)、8.29〜8.24(1H,m)、7.21〜7.11(3H,m)、4.78〜4.64(1H,m)、3.29(2H,t,J=6.2Hz)、3.19〜3.09(2H,m)、2.16〜2.05(2H,m)、2.04〜1.93(2H,m)、1.83〜1.73(2H,m)、1.56(6H,d,J=7.0Hz)、1.46(9H,s)、1.70〜1.39(2H,m)、1.38〜1.16(7H,m)。
MS(ESI)m/z:499(M+H)。
ステップ5 1−[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]シクロヘキサンカルボン酸塩酸塩
1−[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]シクロヘキサンカルボン酸tert−ブチル(400mg、0.802mmol)のジクロロメタン(5mL)中撹拌溶液にトリフルオロ酢酸(5mL、65.2mmol)を室温で加えた。12時間後、揮発性成分を減圧除去した。残渣にジオキサン(5.0mL)中4N HClを加え、10分間撹拌した。次に揮発性成分を減圧除去した。
残渣をジエチルエーテル/エタノール中に析出させて標記化合物370mgを無色粉末として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:8.94〜8.82(1H,m)、7.45(1H,d,J=7.9Hz)、7.27〜7.10(2H,m)、4.73〜4.61(1H,m)、3.71〜3.19(7H,m)、2.98〜2.81(2H,m)、2.38〜2.26(2H,m)、1.98〜1.53(10H,m)、1.49(6H,d,J=7.0Hz)、1.38〜1.03(2H,m)、
MS(ESI)m/z:443(M+H)。
元素分析:C24H35N4O4・2H2Oの計算値:C,55.97;H,7.63;N,10.88。実測値:C,55.61;H,7.51;N,10.48。
(実施例13)
2−エチル−2−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}ブタン酸
Figure 2008509088
ステップ1 2−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)メチル]−2−エチルブタン酸メチル
2−エチル−2−ホルミルブタン酸メチル(Okano,K.;Morimoto,T.;Sekiya,M.Journal of the Chemical Society,Chemical Communications,1985,3,119)を用いて、実施例7のステップ1に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
H−NMR(CDCl)δ:4.62〜4.48(1H,br)、3.65(3H,s)、3.01〜2.93(2H,m)、2.73〜2.65(2H,m)、2.46(2H,s)、2.13〜2.02(2H,m)、1.73〜1.50(6H,m)、1.44(9H,s)、1.28〜1.10(3H,m)、0.76(6H,t,J=7.5Hz)
MS(ESI)m/z:357(M+H)。
ステップ2 2−エチル−2−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}ブタン酸メチル
1−イソプロピル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オンおよび2−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)メチル]−2−エチルブタン酸メチル(実施例13のステップ1)から、実施例8のステップ2に記載の手順に従って標記化合物を調製した。
H−NMR(CDCl)δ:8.92〜8.86(1H,m)、8.28〜8.23(1H,m)、7.20〜7.12(3H,m)、4.77〜4.61(1H,m)、3.65(3H,s)、3.27(2H,t,J=6.4Hz)、2.75〜2.66(2H,m)、2.47(2H,s)、2.16〜2.05(2H,m)、1.72〜1.49(10H,m)、1.38〜1.21(5H,m)、0.76(6H,d,J=7.5Hz)
MS(ESI)m/z:459(M+H)。
ステップ3 2−エチル−2−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}ブタン酸
2−エチル−2−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}ブタン酸メチル(実施例13のステップ3)から、実施例3のステップ5に記載の手順に従って標記化合物を調製した。
H−NMR(CDCl)δ:8.03〜8.94(1H,m)、8.27〜8.21(1H,m)、7.20〜7.12(3H,m)、4.76〜4.63(1H,m)、3.34(2H,t,J=6.2Hz)、3.16〜3.05(2H,m)、2.60(2H,s)、2.55〜2.38(2H,m)、1.94〜1.38(2H,m)、1.80〜1.38(15H,m)、0.88(6H,d,J=7.5Hz)
MS(ESI)m/z:445(M+H)。
元素分析:C24H37N4O4Cl・0.2H2Oの計算値:C,59.48;H,7.78;N,11.56。実測値:C,59.38;H,7.74;N,11.29。
(実施例14)
1−[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]シクロペンタンカルボン酸塩酸塩
Figure 2008509088
ステップ1 1−(4−オキソピペリジン−1−イル)シクロペンタンカルボン酸tert−ブチル
1−アミノシクロペンタンカルボン酸tert−ブチル(WO9105796)を用いて、実施例1のステップ3に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:268(M+H)。
H−NMR(CDCl)δ:2.93(4H,t,J=5.9Hz)、2.41(4H,t,J=6.0Hz)、2.39〜2.26(2H,m)、1.85〜1.54(8H,m)、1.46(9H,s)。
ステップ2 1−(4−シアノピペリジン−1−イル)シクロペンタンカルボン酸tert−ブチル
1−(4−オキソピペリジン−1−イル)シクロペンタンカルボン酸tert−ブチルを用いて、実施例1のステップ4に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:279(M+H)。
H−NMR(CDCl)δ:2.94〜2.82(2H,m)、2.67〜2.49(3H,m)、2.33〜2.21(2H,m)、1.96〜1.72(5H,m)、1.70〜1.40(6H,m)、1.48(9H,s)。
ステップ3 1−[4−(アミノメチル)ピペリジン−1−イル]シクロペンタンカルボン酸tert−ブチル
1−(4−シアノピペリジン−1−イル)シクロペンタンカルボン酸tert−ブチルを用いて、実施例1のステップ5に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
H−NMR(CDCl)δ:3.07〜2.95(2H,m)、2.60〜2.52(2H,m)、2.41〜1.19(4H,m)、1.76〜1.62(4H,m)、1.61〜1.40(12H,m)、1.19〜1.03(2H,m)。
MS(ESI)m/z:283(M+H)。
ステップ4 1−[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]シクロペンタンカルボン酸tert−ブチル
1−イソプロピル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オンおよび1−[4−(アミノメチル)ピペリジン−1−イル]シクロペンタンカルボン酸tert−ブチルを用いて、実施例1のステップ6に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
H−NMR(CDCl)δ:8.96〜8.84(1H,m)、8.29〜8.22(1H,m)、7.21〜7.11(3H,m)、4.77〜4.56(1H,m)、3.29(2H,t,J=6.2Hz)、3.07〜2.94(2H,m)、2.37〜2.17(4H,m)、1.82〜1.63(6H,m)、1.56(6H,d,J=7.1Hz)、1.46(9H,s)、1.61〜1.49(2H,m)、1.38〜1.16(3H,m)。
MS(ESI)m/z:485(M+H)。
ステップ5 1−[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]シクロペンタンカルボン酸塩酸塩
1−[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]シクロペンタンカルボン酸tert−ブチルを用いて、実施例12のステップ5に示した方法と同様の方法で標記化合物を調製した。
H−NMR(DMSO−d)δ:8.91〜8.82(1H,m)、8.07(1H,d,J=7.5Hz)、7.45(1H,d,J=7.7Hz)、7.26〜7.09(2H,m)、4.74〜4.56(1H,m)、3.60〜3.00(6H,m)、2.26〜2.10(4H,m)、1.96〜1.57(9H,m)、1.49(6H,d,J=7.0Hz)。
MS(ESI)m/z:429(M+H)。
元素分析:C23H33N4O4Clの計算値:C,59.41;H,7.15;N,12.05。実測値:C,59.14;H,7.22;N,11.82。
(実施例15)
N−({1−[(4−オキシカルボニルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−4−フルオロピペリジン−4−イル}メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−カルボキサミド
Figure 2008509088
ステップ1 テトラヒドロピラン−4−イル−カルボン酸ベンジル
テトラヒドロピラン−4−yl−カルボン酸(910mg、6.99mmol)とSOCl(5.0mL)の混合物を60℃で1時間撹拌し、減圧濃縮した。残渣にベンジルアルコール(1.52g、14.1mmol)およびテトラヒドロフラン(5.0mL)を周囲温度で加えた。得られた混合物を周囲温度で13時間撹拌し、減圧濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル(2:1)で溶出)で精製して標記化合物1.08g(70%)を淡黄色油状物として得た。
H NMR(CDCl)δ7.45〜7.25(5H,m)、5.13(2H,s)、3.95(2H,m)、3.42(2H,m)、2.59(1H,m)、1.94〜1.68(4H,m)。
ステップ2 4−ヨードメチルテトラヒドロピラン−4−イル−カルボン酸ベンジル
テトラヒドロピラン−4−イル−カルボン酸ベンジル(実施例15のステップ1)から、実施例3のステップ1に記載の手順に従って標記化合物を調製した。
H NMR(CDCl)δ7.45〜7.25(5H,m)、5.19(2H,s)、3.80(2H,m)、3.47(2H,m)、3.31(2H,s)、2.18(2H,m)、1.56(2H,m)。
ステップ3 N−ベンゾイル−4−tert−ブトキシカルボニルアミノメチル−4−フルオロピペリジン
N−ベンゾイル−4−アミノメチル−4−フルオロピペリジン(J.Med.Chem.1999,42,1648−1660.)(3.54g、15.0mmol)と二炭酸ジ−tert−ブチル(4.91g、22.5mmol)のメタノール(80mL)中混合物を室温で15時間撹拌し、減圧濃縮した。得られた残渣をヘキサン/酢酸エチル(1:1)で溶出するシリカゲルカラム上のクロマトグラフィーにかけて標記化合物4.52g(89%)を無色油状物として得た。
MS(ESI)m/z:337(M+H)
H NMR(CDCl)δ7.55〜7.25(5H,m)、5.16(1H,br t,J=6.3Hz)、4.51(1H,m)、3.62(1H,m)、3.55〜3.00(4H,m)、2.10〜1.25(4H,m)、1.43(9H,s)。
ステップ4 4−tert−ブトキシカルボニルアミノメチル−4−フルオロピペリジン
N−ベンゾイル−4−tert−ブトキシカルボニルアミノメチル−4−フルオロピペリジン(実施例15のステップ3)(4.42g、13.1mmol)、NaOH(2.62g、65.5mmol)、HO(9.00mL)およびエタノール(90.0mL)の混合物を15時間還流し、減圧濃縮した。得られた残渣に水およびクロロホルムを加えた。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧濃縮した。得られた固体をヘキサン−CHClで再結晶させて無色固体1.77g(58%)を標記化合物として得た。
MS(ESI)m/z:233(M+H)
H NMR(CDCl)δ4.93(1H,m)、3.30(2H,dd,J=21.5,6.3Hz)、2.91(4H,m)、1.88〜1.34(4H,m)、1.45(9H,s)、
アミノ基に対応する信号は観察されなかった。
ステップ5 ({1−[(4−ベンジルオキシカルボニルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−4−フルオロピペリジン−4−イル}メチル)カルバミン酸tert−ブチル
4−tert−ブトキシカルボニルアミノメチル−4−フルオロピペリジン(実施例15のステップ4)および4−ヨードメチルテトラヒドロピラン−4−イル−カルボン酸ベンジル(実施例15のステップ2)から、実施例3のステップ2に記載の手順に従って標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:465(M+H)
H NMR(CDCl)δ7.45〜7.25(5H,m)、5.16(2H,s)、4.78(1H,br t)、3.80(2H,m)、3.46(2H,m)、3.23(2H,dd,J=21.9,6.3Hz)、2.64〜2.32(4H,m)、2.52(2H,s)、2.08(2H,m)、1.90〜1.35(6H,m)、1.45(9H,s)。
ステップ6 N−({1−[(4−ベンジルオキシカルボニルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−4−フルオロピペリジン−4−イル}メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−カルボキサミド
1−イソプロピル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オンおよび({1−[(4−ベンジルオキシカルボニルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−4−フルオロピペリジン−4−イル}メチル)カルバミン酸tert−ブチル(実施例15のステップ5)から、実施例1のステップ6に記載の手順に従って標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:567(M+H)。
H NMR(CDCl)δ9.08(1H,br t,J=6.0Hz)、8.25(1H,m)、7.46〜7.06(8H,m)、5.16(2H,s)、4.71(1H,七重線,J=7.0Hz)、3.80(2H,m)、3.54(2H,dd,J=20.9,6.0Hz)、3.46(2H,m)、2.65〜2.36(4H,m)、2.53(2H,br s)、2.08(2H,m)、1.88〜1.44(6H,m)、1.56(6H,d,J=7.0Hz)。
ステップ7 N−({1−[(4−オキシカルボニルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−4−フルオロピペリジン−4−イル}メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−カルボキサミド
N−({1−[(4−ベンジルオキシカルボニルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−4−フルオロピペリジン−4−イル}メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−カルボキサミド(実施例15のステップ6)から、実施例1のステップ3に記載の手順に従って標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:477(M+H)
H NMR(CDOD)δ7.93(1H,m)、7.12(1H,m)、7.02(1H,m)、6.93(1H,m)、4.49(1H,七重線,J=7.0Hz)、3.65〜3.36(6H,m)、3.15〜2.82(4H,m)、2.80(2H,br s)、1.98〜1.70(6H,m)、1.35(6H,d,J=7.0Hz)、1.34(2H,m)。
アミドおよびカルボン酸に対応する信号は観察されなかった。
本出願で引用された、発行特許、特許出願および雑誌論文を含むがそれだけに限定されないすべての刊行物は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
上記では本発明を開示された実施形態を参照して説明したが、詳述した特定の実験は本発明の例示にすぎないことが当業者には容易に認識されよう。各種の変形を本発明の精神から逸脱せずに行うことができると理解されたい。したがって、本発明は以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。

Claims (12)

  1. 下記式の化合物、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物。
    Figure 2008509088
    (式中、Aは炭素数1〜4のアルキレン基であり、前記アルキレン基は非置換であるか、またはハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基からなる群から独立に選択される1〜4個の置換基で置換されており、任意の2個の非ハロゲン置換基は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい3〜6員環を形成することができ、
    はイソプロピル基またはシクロペンチル基であり、
    は水素原子、ハロゲン原子またはヒドロキシ基であり、
    はカルボキシ基、テトラゾリル基、5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基または5−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル基であり、
    mは1または2の整数である。)
  2. がイソプロピル基であり、
    が水素原子、フッ素原子またはヒドロキシ基であり、
    がカルボキシ基またはテトラゾリル基であり、
    Aが炭素数1〜2のアルキレン基であり、前記アルキレン基が非置換であるか、またはハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基からなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換されており、任意の2個の非ハロゲン置換基が、それらが結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい3〜6員環を形成することができ、
    mが2の整数である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物。
  3. がイソプロピル基であり、
    が水素原子であり、
    がカルボキシ基またはテトラゾリル基であり、
    Aが炭素数1〜2のアルキレン基であり、前記アルキレン基がハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基からなる群から独立に選択される2個のジェミナル置換基で置換されており、前記ジェミナル置換基が、それらが結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい3〜6員環を形成することができ、
    mが2の整数である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物。
  4. がイソプロピル基であり、
    が水素原子であり、
    がカルボキシ基またはテトラゾリル基であり、
    Aが
    Figure 2008509088
    であり、
    mが2の整数である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物。
  5. がイソプロピル基であり、
    が水素原子、フッ素原子またはヒドロキシ基であり、
    がカルボキシ基であり、
    Aが
    Figure 2008509088
    であり、
    mが2の整数である、請求項2に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物。
  6. 4−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸、
    1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロヘキサンカルボン酸、
    1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロペンタンカルボン酸、
    1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロプロパンカルボン酸、
    1−{[4−ヒドロキシ−4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロヘキサンカルボン酸、
    1−{[4−({[(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−イル]メチル}シクロブタンカルボン酸から選択される請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物、および薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物。
  8. 別の薬理活性物質をさらに含む、請求項7に記載の医薬組成物。
  9. ヒトを含む哺乳動物の対象における5−HT受容体活性により媒介される状態の治療方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に治療有効量の請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を投与するステップを含む方法。
  10. 前記状態が、胃食道逆流疾患、胃腸疾患、胃運動障害、非潰瘍性消化不良、機能性消化不良、過敏性腸症候群(IBS)、便秘、消化不良、食道炎、胃食道疾患、悪心、中枢神経系疾患、アルツハイマー病、認知障害、嘔吐、片頭痛、神経系疾患、疼痛、心血管障害、心不全、不整脈、糖尿病または無呼吸症候群である、請求項9に記載の方法。
  11. 下記式の化合物またはその塩。
    Figure 2008509088
    (式中、Rは水素原子、ヒドロキシ基またはハロゲン原子であり、
    は水素原子またはアミノ保護基であり、
    Yは炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜8のジアルキルアミノ基、イミダゾリル基、フタルイミジル基、スクシンイミジル基またはスルホニル基であり、
    mは1または2である。)
  12. 下記式の化合物またはその塩。
    Figure 2008509088
    (式中、Aは炭素数1〜4のアルキレン基であり、前記アルキレン基は非置換であるか、またはハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ−アルキル基および炭素数2〜6のアルコキシ−アルキル基からなる群から独立に選択される1〜4個の置換基で置換されており、任意の2個の非ハロゲン置換基は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい3〜6員環を形成することができ、
    は水素原子、ヒドロキシ基またはハロゲン原子であり、
    はヒドロキシ基またはカルボキシ保護基であり、
    は水素原子またはアミノ保護基であり、
    mは1または2である。)
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