JP2008509081A - リン酸化ペプチドの分離のための方法およびキット - Google Patents

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Abstract

本発明は、シリカに基づいたキレート配位子を有した担持物質およびアルカリ性溶出緩衝液を使った複合混合物から、リン酸化ペプチドを分離するための方法とキットに関する。好ましい態様において、本発明に記載の方法は、再現的で高い収率および、同時に、高純度で複合サンプル溶液からホスホペプチドの分離を可能にし、そしてそれは効率的なイオン化および分離されたホスホペプチドの検出を、例えばサンプルのクロマトグラフ的脱塩などの、さらに必要な方法段階なしで、MALDI-TOF、およびESI質量分析によって行うことを可能にする。

Description

本発明は、シリカに基づいたキレート配位子を有した担持物質(support material)およびアルカリ性溶出緩衝液を使った複合混合物から、リン酸化ペプチドを分離するための方法とキットに関する。
好ましい態様において、本発明に記載の方法は、再現的に高い収率および、同時に、高純度で複合サンプル溶液からホスホペプチドの分離を可能にし、そしてそれは、例えばサンプルのクロマトグラフ的脱塩などの、さらに必要な方法段階なしで、効率的なイオン化および分離されたホスホペプチドの検出を、MALDI-TOF、およびESI質量分析によって行うことを可能にする。
ヒトゲノムの配列決定によって、科学はそれぞれの人間の個々の遺伝コードへのアクセスを得た。これは自己の家系および血統に関する情報を提供する。しかしながら、この情報は、個々の遺伝子または対応するタンパク質の生物学的機能の調査のためには不十分である。細胞の複雑なネットワークを、人間のゲノムDNA解読だけで特徴づけることはできない。これは、人体の動的機能を分子ベルで説明することのできる、この追加の情報だけをともなっているので、ゲノム分析の後に、ゲノムによってエンコードされるプロテインの調査を続けなければならない。
さらに、頻繁に遺伝子転写と対応する翻訳産物にはマイナーな相互関係だけがあり、したがって、どのタンパク質がどの範囲に現れるか、および場合により翻訳後に所定の影響下で変更されることができるかを判定する、プロテオーム分析だけを活用する。しかしながら、タンパク質の発現の定量分析、およびあらゆる翻訳後修飾の調査が、特定のタンパク質の機能を理解するための基本的な必須条件である。
タンパク質の可能な翻訳後修飾が考慮される場合、細胞性プロテオームの複雑性が急激に上昇する。タンパク質の動的な翻訳後修飾は、しばしタンパク質構造および機能の保存と規制のために重大である。今のところ、リン酸化が圧倒的に顕著な、数百の異なるタンパク質の翻訳後修飾が知られている。
酵素的に触媒されたリン酸化および脱リン酸化は、生細胞にとって重要な調節要素である。生物は、シグナル伝達、細胞周期、細胞骨格の組織化、代謝およびプログラムされた細胞死ならびに遺伝子発現としての、基本的な細胞過程などのコントロールのために、可逆タンパク質リン酸化を利用する。
これらの工程に関与する、対応するタンパク質の、あるアミノ酸の一過性および可逆リン酸化は、活性、安定性、局在化または相互作用の緊縮調節に役立つ。リンタンパク質の総合的解析およびリン酸化部位の判定は、したがって、病気の進行のための複合生物システムおよび分子基盤を理解するための必須条件である。
しかしながら、規制プロセスに関与する、まさにそのタンパク質は一般的に、比較的少量で、細胞内でのみ示される。さらに、タンパク質の一過性のリン酸化は、めったに化学量論でなく、したがって、リン酸化された種は、一般的に、非リン酸化型とともに起こる。リン酸化タンパク質の分析および同定、ならびにリン酸化部位の同定は、さらに一般的に、利用可能な少量のせいで、精密質量分析方法によって実行されなければならない。
これらの方法は通常、分析されるリン酸化タンパク質のフラグメント(通常トリプシンペプチド)への酵素的な開裂を要求する。しかしながら、リン酸化アミノ酸は、あるペプチドの中でだけで起こり、そして、それはリン酸化に関与する酵素のための認定配列を含んでいる。上で言及された化学量論効果に加えて、リンペプチドは、したがって、それ自身、均一性へ精製されたリン酸化プロテインの分析の場合と同じタンパク質の、非リン酸化ペプチドとの混合物の形をとる。
分析では、ペプチドはもはや、ペプチド混合物内に、ある相対存在量以下で正確に検出されることはできない。第一に、弱く、小さいシグナルは暗雑音の中に消える可能性があり、第二に、非常に大量なペプチドがイオン化エネルギーを奪い、それは、事前の濃縮なしでは、少量のペプチドは全くイオン化されない、すなわち検出されないことも意味する。
ヒトプロテオーム内の対応するタンパク質の一次配列の、約100,000のリン酸化可能な部位がエンコードされると予測されるが、現在まで、それらの約2000を同定することだけが可能であった。リン酸化タンパク質の、高い収率のタンパク質分解の抽出物から、リン酸化ペプチドの選択的で効果的な濃縮の戦略は、したがって、ホスホプロテオームの総合分析の不可欠な部分である。
しばし少量のリン酸化タンパク質、および対応するアミノ酸のリン酸化の準化学量論的な発生のせいで、ホスホプロテオームの分析のための、リン酸化ペプチドの再現可能な濃縮方法は、ここで少量のホスホペプチドの分析を可能にするためにも、対応するホスホペプチドの可能な限り最も定量的な収率を与えなければならない。同時に、濃縮方法は、上で言及された化学量論影響にもかかわらず、サンプル中のホスホペプチドの直接分析を可能にするために、定量的な純度を提供しなければならない。
典型的な哺乳類の細胞に存在する全てのタンパク質の3分の1は潜在的に、リン酸化によって翻訳後に修飾されることができると予測される。これに関与する酵素は、典型的な哺乳類の細胞の発現されたゲノムの約1〜3%を表す、キナーゼである。
リン酸化によるタンパク質の修飾がここで、アミノ酸セリン、スレオニン、チロシン、ヒスチジン、アルギニン、リジン、システイン、グルタミン酸塩およびアスパラギン酸塩の側鎖で、起こることができる。しかしながら、3つのアミノ酸、セリン(約90%)、スレオニン(約10%)およびチロシン(約0.05%)が好ましい残留物である。
リン酸化ペプチド濃縮の方法は、したがって、少なくとも3つのアミノ酸、セリン、スレオニン、およびチロシンのリン酸化された誘導体に等しい範囲で適応しなければならない。
タンパク質内のリン酸化部位を分析するための従来の方法は、引き続いて先行技術に従って、ゲル電気泳動、酵素的な消化および配列決定またはペプチドマッピングによって、サンプルを分析するために、リン酸化タンパク質を標準化するための放射性のリン同位体([P32]、[P33])を用いる可能性を使用する。2つの異なる細胞状態のホスホプロテオーム内の、定量的な違いを判定するために、2つのサンプルの放射性放射物の度合いをお互い比較する。
この種類の方法の欠点は、第一に、放射性放射物自体の使用、およびこれにともなう、例えば、計測器の汚染である。さらに、代謝活性サンプルだけがこの方法へ利用されることができる。例えば、癌患者からの組織生検などの、非代謝活性、臨床的に関連するサンプルを、この方法を使って分析することができない。
さらに、リンタンパク質は、酵素触媒されたリン酸化へ異なる反応速度を有していて、多量なタンパク質および[P32]または[P33]の取り組み率の相互関係に関する定量的な結果が不正確であってもよいことを意味する。先行技術に従って、リンタンパク質を放射性のリン同位体でラベルすることによって、本発明の意味では、定量的な収率および純度はしたがって、成し遂げられることはできない。
リン酸化タンパク質の濃縮のためのさらなる方法は、リン特異的抗体を用いることによる親和濃縮である。この目的を達成するために、ホスホセリン、スレオニンまたはチロシンのホスホアミノエピトープに特異的に結合する抗体を利用する。しかしながら、全てのホスホアミノ酸のエピトープに対する、特異的な抗体は、まだ発見されていない。
抗体、特にホスホセリンおよびスレオニンに対して作られる抗体は、しばし、立体障害のために、リン酸化アミノ酸と反応することができない。あるリンタンパク質が、利用される抗体に低い親和性で結合されるだけの場合、他の非特異的な結合、非リン酸化タンパク質の割合の高さが、タンパク質のリン酸化部位の分析を防ぐ可能性がある。
先行技術に従って、リン酸化タンパク質またはペプチドの免疫親和性濃縮が、したがって、数多くの制限にさらされている。したがって、この方法を使用して定量的な収率や純度を成し遂げることができない。
リン酸セリンまたはスレオニンを使った、タンパク質/ペプチドの濃縮のための間接方法は、タンパク質またはペプチドのリン酸基の化学変換である。ここで郡は化学的に修飾され、例えば、ビオチンなどの親和性標識を提供され、または濃縮のために共有結合で固定される。
これらの方法の欠点は、化学修飾の間の副反応の発生、例えば、好ましくないアミノ酸の修飾または非特異的なタンパク質およびペプチドの細分化が起こることを意味し、質量スペクトルによるペプチドの同定をより難しくする。さらに、多段階化学修飾は、実行するには複雑であり、たいていは比較的多い量のサンプルを必要とする。
複合混合物からのリン酸化ペプチドの濃縮のためのさらなる方法は、固定金属キレートアフィニティークロマトグラフィー(IMAC)である。IMACによるホスホペプチドの濃縮は実施するのが簡単で、原則としては、濃縮の前にサンプルの修飾を必要とせず、非代謝活性サンプルに使用でき、異なるホスホアミノ酸を区別せず、そしてさらに、実行するに比較的費用がかからない。この理由から、IMACは現在最も有利な、ホスホペプチドを同定する方法である。
先行技術に従って、金属イオンの結合のために、キレート化剤によって表面修飾されたクロマトグラフィー素材を活用して、IMACが行われる[Gaberc-Porekar V. and Menart V. (2001): “Perspectives of immobilised-metal affinity chromatography” J. Biochem. Biophys. Methods, 49, 335-360に要約されている]。
ホスホペプチド濃縮のために、イミノ二酢酸塩(IDA)、三座キレート化剤[Porath J. and Olin B (1983): “Immobilised metal ion affinity adsorption and immobilised metal ion affinity chromatography of biomaterials” Biochemistry 22, 1621-1630]、
およびニトリロ三酢酸(NTA)、四座キレート化剤[Hochuli E., Doebeli H and Schacher A (1987): “New metal chelate adsorbent selectivity for proteins and peptides containing neighbouring histidine residues” J. Chrom., 411, 177-184]、およびIPAC (immobilised phosphonic acid chelating) [Kaffashan A. and Zeng C. (2003). “Evaluation of commercially available IMAC Kits: Millipore ZipTipMC, IPAC beads and Pierce Swell Gel Gallium Chelated disks” Poster presented at the 51st ASMS Conference on Mass Spectrometry and Allied Topics, 2003, Montreal, Canada]による表面修飾が説明されている。
これらのリンペプチドの濃縮での効率に加え、配位子の接触性も考慮されなければならない。ほとんどの配位子は多段階反応でのみ利用可能なので、高価であり、調製するのが難しい。効果的な濃縮が可能なだけでなく、簡単に早く調製もでき、したがって費用が余りかからない配位子を有する担持物質が望まれる。
IMACの能率、すなわち、分離されたリンペプチドの純度と収率、適当な担持物質および配位子の選択に加え、以下の要因によって主に決定される:
1. 結合の間の緩衝液の条件の選択
2. 溶出の間の緩衝液の条件の選択
3. キレート配位子の活性化のための金属イオンの選択 。
1. に関して:
固定された金属イオンへのホスホペプチドの結合への貢献は、ポリペプチドに存在する全ての電子供与体、特にヒスチジンの側鎖だけでなく、グルタミン酸およびアスパラギン酸などの、他の塩基性アミノ酸および酸性アミノ酸、ならびにリン酸化アミノ酸の側鎖上のリン酸基によってなされる。したがって、IMACのホスホペプチドへの選択制が、分析前のホスホペプチドの所望の純度に関して問題があると予測することができる。
先行技術に従って、塩基性アミノ酸の側鎖のプロトン化によって、ホスホペプチドについてより高い選択制を得るために、固定された金属イオンへのホスホペプチドの結合は、したがって、酸性のpH(2.5〜3.5)で行われる。しかしながら、酸性アミノ酸のカルボキシル基によって促進される、固定された金属への親和性は、それによって限定されない。
非特異性の酸性ペプチドの固定された金属イオンへの結合は、したがって、先行技術に従って、ホスホペプチドの濃縮のために実施された、IMACの主な問題でもある[Kalume D.E., Molina H. and Pandey A. (2003). "Tackling the phosphoproteome: tools and strategies" Current Opinion in Chemical Biology, 7, 64-69]。
2.に関して:
ホスホペプチドのIMACのさらなる点は、固定された金属イオンからの結合したホスホペプチドの定量的溶出である。
ホスホペプチドの溶出のために、先行技術は、NaOH、NH4OHまたは0.1M炭酸塩などの、様々な塩基、またはpH8.4〜9.4で、担持物質として有機ポリマーと組み合わせた、リン酸イオンによる優位性のある溶出を説明している[Heintz et al., Electrophoresis 2004, 25, 1149-1159]。しかしながら、結合したホスホペプチドの定量的溶出はこれらの方法を使用することができない。
3.に関して:
先行技術に従って、IMACによるリン酸化ペプチドの濃縮は、その他の分離条件(例えば、配位子、結合および溶出条件)に依存して、それらの効率および選択性に関して異なる、様々な遷移金属のイオン、および第3族金属の三価のイオンを用いて行われることができる。
好ましい言及されたイオンは、例えば、ガリウム(III)、鉄(III)、アルミニウム(III)およびジルコニウム(IV)である。
徹底した研究活動にもかかわらず、しかしながら、現在まで、定量的な収率を定量的な純度と同時に可能にする方法を開発することは不可能だった。
本発明の目的は、したがって、事実上定量的な分離を高純度な生成物と同時に可能にする、ホスホペプチドの分離のための方法の開発である。
シリカに基づく担持物質の、特定の塩基性の溶出緩衝液と組み合わせた使用が、特に効率的なホスホペプチドの分離であることが、見出されている。エチレンジアミン二酢酸に基づくキレート配位子を有する新規の担持物質の使用で、特に高い効率性が明らかにされている。
本発明は、以下の段階により特徴づけられるホスホペプチドの濃縮方法に関する:
a) シリカに基づくキレート配位子を有する担持物質を提供する段階、
b) 遷移金属イオン、または遷移金属イオンの酸化物もしくは酸化水和物、または第3族金属の三価のイオンを用い、段階a)からの担持物質を活性化する段階、
c) 結合緩衝液の存在下で、ホスホペプチド含有サンプルを活性化担持物質と接触させる段階、
d) 結合緩衝液およびサンプルの非結合部分からなる上澄みを除去する段階、
e) 場合によって担持物質を洗浄する段階、
f) pH>10であり、かつチオシアン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩、ニトリト、イソシアノ、ニトリル、イソシアン酸、イソチオシアン酸、アジド、エチレンジアミン、イソニトリル、フルミナトまたはシアノ錯体配位子の酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩、および/またはリン、硫黄、バナジウム、ルテニウム、ニオブ、タンタル、タングステンまたはモリブデンの酸素酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩、および/またはEDTA、EGTAまたはサリチル酸などのキレート化剤を含む溶出緩衝液により、ホスホペプチドを溶出させる段階。
好ましい態様において、段階b)における活性化を鉄(III)イオンまたはジルコニウム(IV)イオンを用いて行う。
好ましい態様において、段階f)における溶出を、リンの酸素酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩またはチオシアン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩を0.005〜2mol/lの濃度で含む溶出緩衝液によって行う。
さらに好ましい態様において、質量分析、薄層クロマトグラフィーによって、または配列解析によって、段階f)において溶出したホスホペプチドを直接調べる(すなわち、脱塩した直後、または好ましくは脱塩せずに直接)。
好ましい態様において、式Iaおよび/またはIbのキレート配位子を有する担持物質を段階a)において提供する。
Figure 2008509081
式中、
R は C1〜C6アルキルまたはC5〜C18アリールであり、場合によって、例えばヒドロキシル、C1〜C4アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、CNまたはハロゲン基により一置換または多置換されており、
m は2〜8であり、1つまたは2つ以上の非隣接C原子がO、NH、Sまたは-C=C-により置換されていてもよい、
で表される。
特に好ましい態様において、表面が少なくとも部分的にシリカで覆われているマグネタイト粒子を含むキレート配位子をする担持物質を段階a)において提供する。
本発明はさらに、シリカに基づくキレート配位子を有する担持物質、およびpH>10であり、かつチオシアン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩、ニトリト、イソシアノ、ニトリル、イソシアン酸、イソチオシアン酸、アジド、エチレンジアミン、イソニトリル、フルミナトまたはシアノ錯体配位子の酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩、および/またはリン、硫黄、バナジウム、ルテニウム、ニオブ、タンタル、タングステンおよび/またはモリブデンの酸素酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩、および/またはEDTA、EGTAまたはサリチル酸などのキレート化剤を含有する溶出緩衝液を少なくとも含む、ホスホペプチドを濃縮するためのキットに関する。
好ましい態様において、キレート配位子を有する担持物質を、鉄(III)イオンまたはジルコニウム(IV)イオンを用いて活性化した。
好ましい態様において、キットは、少なくとも部分的にシリカで覆われているマグネタイト粒子を、担持物質として含む。
他の好ましい態様において、キットは、R=メチルおよびm=2である式Iaおよび/またはIbに属するキレート配位子を有する担持物質を含む。
さらに好ましい態様において、キットは、リンの酸素酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩またはチオシアン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩を0.005〜2mol/lの濃度で含有する緩衝液を溶出緩衝液として含む。
本発明は、式IaおよびIbで表されるキレート配位子を含むことを特徴とする、担持物質に関する。
Figure 2008509081
式中、
R は C1〜C6アルキルまたはC5〜C18アリールであり、場合によって、例えばヒドロキシル、C1〜C4アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、CNまたはハロゲン基により一置換または多置換されており、
m は2〜8であり、1つまたは2つ以上の非隣接C原子がO、NH、Sまたは-C=C-により置換されていてもよい、
で表される。
好ましい態様において、Rはエチル、特に好ましくはメチルである。
好ましい態様において、m = 2である。
本発明に関連して、ホスホペプチドは、少なくとも1つの部位がリン酸化ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質である。ホスホペプチドの長さは重大ではない。重要なただ1つの点は、濃縮のために利用された条件下で、ペプチドが可溶であるということである(すなわち、通常、結合緩衝液の中)。
したがって、一般的に、約2.5のpHで可溶なペプチドを利用することが可能である。カオトロピック物質を加えることによって、溶解度がここで補助される。ペプチドの長さは、通常、酵素的または化学的開裂(例えば、トリプシン消化)の後に得られる長さの範囲である。しかしながら、本発明に記載の方法を使用して、さらに短い、または長いホスホペプチドに濃縮することが可能である。
ホスホペプチド含有サンプルは、ホスホペプチドが存在しているか、または少なくとも仮定される溶液である。ホスホペプチド含有サンプルは、たいてい化学的または酵素的開裂の後に得られた溶液である。
担持物質は、クロマトグラフまたは抽出目的のために、通常利用される、固形物質である。シリカに基づいた担持物質は、全体にガラス、セラミックおよび/またはシリカからなる物質、または少なくとも表面が部分的にセラミックおよび/またはシリカで覆われた物質である。
用語シリカは、1つまたは2つの有機基(すなわち、例えば、C1〜C8アルキルおよび/またはC5〜C18アリル基、特に、メチル、エチル、n/イソ−プロピル、n/tertブチル、フェニル、ベンジルまたはナフチル)を保有しているシラン類を用いて調製された物質、すなわちハイブリッド材料、も含む。
担持物質は、例えば、一体化したカラム、プレート、粒子、コーティング、繊維、フィルタまたは他の多孔性または非多孔性構造の形であり得る。物質は好ましくは粒子の形である。
本発明に従って、優先度はシリカ物質のしよう用に与えられる。
担持物質は、特に好ましくは、少なくとも部分的にシリカで覆われたマグネタイト粒子からなる。
様々なマグネタイト粒子の生成ための生成工程が既知である。
例は:
- Massart, IEEE Trans. Magn. 17, 1247-1248 (1981)
- Sugimoto, Matijevic, J. Colloid Interface Sci. 74, 227-243 (1980)
- Qu et al., J. Colloid Interface Sci. 215, 190-192 (1999)
に開示される。
マグネタイト固形相は、特に好ましくは、SugimotoおよびMatijevicの方法で生成される。
磁性材料のさらなる利点は、磁場をかけることによる、液体媒体からの、それらの簡単な除去である。
表面がシリカで覆われている、マグネタイト粒子を含んでいて、本発明に従って、特に好ましい担持物質の例は、Merck KGaA, GermanyのMagPrep(登録商標)シリカ粒子である。本発明に従って、好ましいシリカ粒子の例は、Merck KGaA, GermanyのLiChrospher登録商標粒子である。
キレート配位子を有している担持物質は、キレート配位子が共有結合している担持物質である。
本発明に従って好ましい、キレート配位子を有する担持物質は、三座、四座、または五座金属キレート配位子が共有結合しているシリカに基づく担持物質である。好ましい三座、四座、または五座金属キレート配位子は、IMACの分野の当業者に既知である。例えば、イミノ二酢酸(IDA)、三座キレート化剤、および四座キレート化剤ニトリロ三酢酸(NTA)またはIPAC(immobilised phosphonic acid chelating)である。
本発明に従って、特別な優先は、エチレンジアミン二酢酸塩に基づいたキレート配位子を有する担持物質の利用へ与えられる。キレート配位子を有するこの担持物質は、活性化された担持物質対応する官能化されたエチレンジアミン二酢酸塩に基づいたリガンの反応によって、生成される。
本発明に従って、活性化された担持物質は、追加の試薬の添加をともなって、またはともなわずに、一級および/または二級アミンに共有結合することができる反応性基を有する重要な担持物質である。例えば、クロマトグラフィーのために分離エフェクターを担持物質に導入するために、対応する活性化された担持物質も使用される。活性化された担持物質の例は、アズラクトン基またはNHSエステル類を有する物質、または好ましくはエポキシド基を有する物質である。
当業者は、特定の活性化された担持物質への式IIで表されるアルキレンジアミンの共有結合を生成するために、どの反応条件および/または追加試薬が必要であるか承知している。エチレンジアミン二酢酸塩に基づくキレート配位子を有する、本発明に記載された担持物質の調製のために、活性化された担持物質、好ましくはエポキシド活性された担持物質が、アミノ官能化された式IIで表される配位子と反応する。
Figure 2008509081
式中
R は、C1〜C6アルキルまたはC5〜C18アリルであり、場合によって、例えばヒドロキシル、C1〜C4アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、CNまたはハロゲン基により一置換または多置換されており、
mは2〜8であり、1つまたは2つ以上の非隣接C原子がO、NH、Sまたは-C=C-により置換されていてもよい、
で表される。
修飾担持物質は、引き続いてモノハロ酢酸と反応する。目標は四座配位子を得ることなので、この反応は一般的に、1配位子につき、少なくとも2つに相当するハロ酢酸によって行われる。使用されるハロ酢酸は好ましくはブロモ酢酸である。
図7は、エポキシ活性された担持物質から、本発明に記載のキレート配位子を有する担持物質の合成を図式的に示している。ここでRは、式Ia/bで、X = Cl、BrまたはIの意味を持つ。明快さのために、式Iaの1つだけの配位子の合成が示されている。
反応スキームに示されるように、1つの配位子だけでなく、非常に多数の配位子が、該反応で担持物質に結合することは言うまでもない。担持物質の単位量あたりの配位子の数は、配位子の結合に利用できる担持物質上の反応性基の数に依存する。
簡単で早い調製のおかげで、エチレンジアミン二酢酸塩に基づくキレート配位子を有する、本発明に記載の担持物質が、多数のほかの配位子が、とても複雑で長い合成を利用してのみ到達できるので、IMACでの優れた特性に加え、さらなる利点を提供する。
合成の第一段階で、式IIで表される化合物の一級および二級アミノ基の両方が、活性化された担持物質と反応することができるので、エチレンジアミン二酢酸塩に基づくキレート配位子を有する、本発明に記載の担持物質は、式Iaおよび/またはIbで表される配位子を保有する。
2つのアミノ基が反応する率、およびその結果、式IaおよびIbの構造が形成される率は、とりわけ、式IIの基Rの立体的または電子的影響に依存する。しかしながら、担持物質は、一般的に、いくらかの配位子が式Iaを有し、いくらかの配位子が式Ibを有するように形成されると考えられなければならない。
Figure 2008509081
式中、
R は、C1〜C6アルキルまたはC5〜C18アリールであり、場合によって、例えばヒドロキシル、C1〜C4アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、CNまたはハロゲン基により一置換または多置換されており、
m は2〜8であり、1つまたは2つ以上の非隣接C原子がO、NH、Sまたは-C=C-により置換されていてもよい、
で表される。
特に好ましくは、m= 2である式Iaおよび/またはIbで表される配位子を有する担持物質である。好ましくは、さらに、Rが短鎖(R= エチル、メチル、ヒドロキシエチルまたはトリフルオロメチルなどの可能な限り小さい基)である式Iaおよび/またはIbで表される配位子を有する担持物質である。
特に好ましくは、m = 2およびR = エチルまたはメチル、特にR = メチルである配位子を有する担持物質である。m = 2およびR = エチルであるキレート配位子を保有する担持物質が、エチル-EDDA修飾担持物質として、以下に言及される。m = 2およびR = メチルであるキレート配位子を保有する担持物質が、メチル-EDDA修飾担持物質として言及される。
エチレンジアミン二酢酸塩に基づいた、キレート配位子を有する本発明に記載の担持物質は、慣習的に固定化されたキレート配位子が利用されている全ての用途に適している。それらは特に、タンパク質、またはペプチドの、バイオクロマトグラフィーに適しており、非常に特にホスホペプチドの濃縮に適している。
ホスホペプチドの濃縮以外への用途のために、シリカに基づいた担持物質に加えて、有機ポリマーまたは他の無機酸化物などの、他の担持物質も、エチレンジアミン二酢酸塩に基づいたキレート配位子を有する、本発明に記載の担持物質の調製に利用されることができる。
ホスホペプチドのIMACの効率は、濃縮の定量的収率、および分離されたホスホペプチドの定量的な純度によって測定される。対応するホスホペプチドの、最も定量的で可能な収率は、定量的な純度と同時であることが望まれる。
本発明の目的のために、定量的な収率は、80%、好ましくは90%、またはそれ以上のホスホペプチドの収率を示す。本発明の目的のために、定量的な純度は、80%、好ましくは90%、またはそれ以上のホスホペプチドの純度を示す。
濃縮の効率、すなわち生成物の同時の定量的な収率および定量的な純度、を判定するために、検査方法が確立された。この検査方法は、UV吸収シグナルの統一による、較正標準に関して、逆相(reversed-phase(RP))HPLC分離でのペプチドの異なる保持性質、およびサンプル溶液に存在するペプチドの量の直接定量の関連した可能性に依存する。この検査に関するさらなる詳細が、例1で与えられる。
本発明に記載の方法を活用して、実質的に完全な純度と同時に、定量的な収率をともなうホスホペプチドの濃縮を達成することが、初めて可能になった。
本発明に記載の方法は、加えて
- 異なるホスホアミノ酸を平等に扱い、
- 分離されたホスホペプチドの直接分析を可能にし、
- 実行するのが簡単であり、
- サンプル修飾なし、すなわち、ペプチド混合物の化学修飾のための、複雑な反応シークエンス、およびそれにともなう、再現性および利用されるサンプルの量に関する問題を回避して、可能な限り正常に働き、ならびに
- 例えば、生体からの組織のような、臨床的に関連するサンプルの分析を可能にするために、非代謝活性サンプルに使われることもできる、
ことも重要である。
IMACを利用した、ホスホペプチドの濃縮の効率は、一般的に、特に以下の要因に影響される:
- 担持物質の選択
- キレート配位子の選択
- キレート配位子の活性化のための金属イオンの選択
- ホスホペプチドを結合する間の緩衝液の条件
- ホスホペプチドの溶出の間の緩衝液の条件。
これらの要因の特定の選択によって、収率および生成物の純度について、特に効率的な濃縮を生じさせることが、見出されている。この理由から、初めに、一般方法で以下に個々の方法段階が与えられ、引き続いて、それぞれの要因が議論される。
IMACを利用したホスホペプチドの分離のために、以下の方法段階が、典型的に実行された:
a) キレート配位子を有する担持物質の供給
b) 金属イオンを活用した、キレート配位子の活性化
c) 結合緩衝液(結合緩衝液が、前もってサンプルおよび/または担持物質と混ぜられていてもよい。同様に、結合緩衝液が、既に担持物質に、段階b)で加えられていてもよい)の存在下での、ホスホペプチド含有サンプルの、担持物質への添加
d) 結合緩衝液およびサンプルの非結合部分からなる上澄みの除去
e) 任意で、結合ホスホペプチドを含む担持物質の洗浄
f) 担持物質からの、結合ホスホペプチドの溶出。
そして溶出されたホスホペプチドは、あらゆる好適な分析へと送られることができる。特に好適な方法は、薄層クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー、配列決定法および/または特にMALDIまたはESI質量分析などの分光測定方法である。
このため、サンプルは、直接または事前の脱塩の後に、分析へ送られることができる。いくらかの分析方法、特に、MALDI質量分析などの、質量分析方法が、塩の存在によって妨害されるので、溶出緩衝液の塩の除去が必要であるかもしれない。可能な脱塩方法は、例えば、逆相クロマトグラフィーである。
本発明に従って、好ましいチオシアン酸塩に基づいた溶出緩衝液の使用で、サンプルがMALDI質量分析の利用によって、事前の脱塩なしで、直接分析されることができ、それでもなお、優れた分析感度が達成されることが見出されている。これは、現在まで既知の溶出緩衝液では、高いホスホペプチド収率と同時には不可能であった。
個々の要因の論議:
キレート配位子の活性化
担持物質のキレート配位子が、遷移金属イオン、金属の酸化物および酸化水和物、または第3族金属の三価のイオンを使って活性化される。優先は、鉄(III)イオン、特に好ましくは、ジルコニウム(IV)イオンを使った活性化に与えられる。
このために、キレート配位子を有する担持物質が、対応する金属塩の水溶液にインキュベートされる。溶液の濃度は、通常1〜500mmol/lである。インキュベーションの期間は、通常1分から12時間である。好適な塩の例は、MnCl2、NiCl2、CuCl2、GaCl3および、特にFeCl3およびZrOCl2である。
結合緩衝液
利用される結合緩衝液は、ホスホペプチドのIMACのために先行技術分野で既知のあらゆる結合緩衝液であってよい。これらの例は、水に対して0.005〜20%の酢酸またはギ酸である。本発明に従って利用される結合緩衝液は、好ましくは、水に対して5%の酢酸またはギ酸である。
洗浄緩衝液
利用される洗浄緩衝液は、ホスホペプチドのIMACのために先行技術分野で既知のあらゆる洗浄緩衝液であってよい。これらの例は、水に対して0.001〜2%の酢酸またはギ酸である。
本発明に従って利用される洗浄緩衝液は、好ましくは、水に対して0.1%の酢酸またはギ酸である。1つまたは2つ以上の洗浄段階(一段階目で純粋な水の緩衝液が使われ、次の段階では、例えば、アセトニトリルまたはメタノールなどの有機溶媒を含んだ洗浄緩衝液が使われる)が行われる。
溶出緩衝液
本発明に従って、pH>10、好ましくは約10.5のpHを有していて、1つまたは2つ以上の、以下の化合物を含んでいる溶出緩衝液によって、ホスホペプチドが、担体から溶解される:
- チオシアン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはアンモニウム塩
- ニトリト、イソシアノ、ニトリル、イソシアン酸、イソチオシアン酸、アジド、エチレンジアミン、イソニトリル、フルミナトおよび/またはシアノ錯体配位子の酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウム塩
- リン、硫黄、バナジウム、ルテニウム、ニオブ、タンタル、タングステンおよび/またはモリブデンの酸素酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウム塩
- EDTA、EGTAまたはサリチル酸などのキレート化剤。
驚くべきことに、強いアルカリ性pHの溶出緩衝液が使われた場合、金属イオンを使って活性化された、本発明に記載のキレート配位子を有するシリカ担体からのホスホペプチドの溶出の収率を、著しく上昇させることができることが、見出された。
pH>10であるリンの酸素酸のナトリウムおよびアンモニウム塩での、ホスホペプチドの本発明に記載された溶出が、先行技術に従って、例えば、鉄(III)、ガリウム(III)およびジルコニウム(IV)両方を使った場合よりも、著しく高い収率を成し遂げることを可能にした。
本発明に従って、優先は、リンの酸素酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属および/またはアンモニウム塩を含む溶出緩衝液による溶出に与えられる。
さらに、特に効率的な溶出が、チオシアン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウム塩によって成し遂げられ、これらの溶出液が、さらなる精製なしに、質量分析によって、とくに優れて調査されることができることが見出された。本発明に従って、特に好ましい溶出緩衝液は、したがって、チオシアン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属および/またはアンモニウム塩を含む。
溶出緩衝液内の塩の濃度の範囲は、通常0.005〜2mol/lである。優先は50〜200mMの濃度、特に、約100mMに与えられる。
本発明は、シリカに基づいたキレート配位子を有する担持物質、およびpH>10、特に好ましくは約10.5のpHを有している溶出緩衝液を含んでいる、ホスホペプチドの濃縮のためのキットに関し、それは、以下の化合物の少なくとも1つまたは2つ以上を含んでいる:
- チオシアン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはアンモニウム塩
- ニトリト、イソシアノ、ニトリル、イソシアン酸、イソチオシアン酸、アジド、エチレンジアミン、イソニトリル、フルミナトおよび/またはシアノ錯体配位子の酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはアンモニウム塩
- リン、硫黄、バナジウム、ルテニウム、ニオブ、タンタル、タングステンおよび/またはモリブデンの酸素酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはアンモニウム
- EDTA、EGTAまたはサリチル酸などのキレート化剤。
担持物質は、ここで、活性化または非活性化の形であり得る。担持物質は、好ましくは、鉄(III)またはジルコニウム(IV)イオン活性型の中の水懸濁液の形である。
好ましい態様において、キットは追加で、好ましくは、結合および/または洗浄緩衝液などの、さらなる成分を含む。これはさらに、さらなる成分、例えば、担持物質の活性化のための試薬などを含んでもよい。
さらに好ましい態様において、キットは、少なくとも部分的にシリカで覆われたマグネタイト粒子の形であり、R = メチルおよびm = 2である式Iaおよび/またはIbのキレート配位子を保有する、ジルコニウム(IV)イオン活性化担持物質を含む。
さらに好ましい態様において、キットは、溶出緩衝液として、チオシアン酸アンモニウム0.005〜2mol/lを含み、pH>10、好ましくは約10.5のpHを持つ緩衝液を含む。
それ以上のコメントがなくても、当業者は上記説明の記載を最も広い範囲で活用することができると考えられる。したがって、好ましい態様および例は、単に記述による開示であると考えられるべきであって、如何なる意味においても決して限定するものではない。
本明細書中に記載する全ての出願、特許および刊行物、特に2004年5月14日に出願された、対応出願EP 0401468.8号の全ての開示内容は、参考文献の形態によって本明細書中に組み込まれる。

1.精製の収率および純度の判定のための、3つのペプチドのクロマトグラフィーの分離
この検査において、保持性質が十分に異なる、3つのペプチドをむ、低複雑性のモデルペプチド混合物が使用された。これらのペプチドの1つは塩基性で、もう1つは酸性で、3つ目はモノホスホペプチドである。ペプチドの特性は表1に示される。
表1:ホスホペプチド濃縮方法の、定量的または定性的な分析に用いられたモデルペプチドの特性
ペプチド2は、塩基性ホスホペプチド(ペプチド1)および酸性ホスホペプチド(ペプチド3)に加え、利用された唯一のホスホペプチドである。
Figure 2008509081
検査は、したがって、直接定量化可能なシグナルを活用して、混合物の中に存在するホスホペプチドからの、酸性および塩基性ペプチドの分離の調査を可能にする。
図1は、モデルペプチド混合物の分離の典型的なRP-HPLCプロファイルを示す。全てのシグナルは、十分に分離していて、それは、対応するUVシグナルの明確な積分を可能にする。
ほぼ0.05分または3秒程度の標準偏差を考慮して、個々のペプチドの正味保持時間(表2参照)は、さらに、広範囲にわたる実験のシリーズのクロマトグラムで、ペプチドの明確な割り当てが可能なほど、十分に異なり、再現可能である。モデルペプチドが、較正基準として測定される場合、これらのピークの面積が、ホスホペプチドの収率および純度の計算に、100%対応する。
表2:モデルペプチドの保持時間は、シグナルの明確な指定および統一を可能にするために、十分に異なり、再現可能である。表は、お互い独立して行われた、3回の測定からの、モデルペプチドの保持時間の平均値を示す。
Figure 2008509081
分離は、AEKTA Explorerクロマトグラフィーユニットに接続された、Chromolith(R)Performance RP 18eカラムで行われた。3ml/分の流速で0.1%TFAのバックグラウンドに逆らった、アセトニトリルから水への直線的な傾きが利用された。溶出液は、A:TFAを0.1%含んでいる水、およびB:水中80%アセトニトリルおよび0.1% TFA。
平衡: 5% Bで6 ml
傾き: 9.5% B/分の増加間の5〜100% B、引き続き1分間で5% Bまで減少
再平衡:5% Bで6 ml
2.本発明に記載のキレート配位子を有する担持物質の合成
1.エポキシ修飾磁性シリカ粒子の製造
5 gのMagPrep(登録商標)シリカHS粒子(Merck KGaA, Germany)を、繰り返し脱イオン水で洗浄して塩を除去し、続いて100 mlの脱イオン水に懸濁した。
懸濁液を、精密ガラススターラー、還流冷却器および滴下漏斗に取り付けられた、三つ首フラスコ内で攪拌した。0.01 molの酢酸ナトリウムを、磁性粒子懸濁液に溶解した。続いて15分の間に、8.3 mlのイソプロパノールに溶解された、1.25 gのグリシジルオキシプロピルトリメトキシシランを、滴下によって加えた。
混合物を80℃まで温め、この温度で3時間撹拌した。冷却の後、磁性粒子を、そのつど100 mlの脱イオン水で、5回洗浄した。すぐに粒子がさらに反応する場合、それらを水懸濁液にとどまらせることができる。もしくは、水がなくなるまで、繰り返してアセトンで洗浄し、そして、50℃の減圧下で1.5時間乾燥する。
2.IDA修飾磁性シリカ粒子の製造
1.5 gのイミノ二酢酸および0.8 gの酢酸ナトリウムを、段階1で生成されたエポキシ活性化粒子の5%懸濁液100 mlに溶解する。希水酸化ナトリウム溶液を数滴使用して、pHを9に調整し、混合物を70℃で1時間撹拌した。冷却の後、粒子を、そのつど100mlの脱イオン水で、5回洗浄した。それらを、5%懸濁液として、脱イオン水中に保存した。
3.メチル-EDDA修飾磁性シリカ粒子の製造
段階1に従って生成された、エポキシ活性化粒子の5%懸濁液100 mlを、2.65 gのN-メチルエチレンジアミンと一緒に、上記装置中、65℃で1時間撹拌した。
冷却の後、粒子を、そのつど100 mlの脱イオン水で、5回洗浄した。5.5 gのブロモ酢酸を、得られた懸濁液(100 ml)に溶解した。約0.8 gの酢酸ナトリウムを添加した後、希NaOHを使用して、pHを8に調節し、懸濁液を一晩室温で撹拌した。続いて粒子を、何度も脱イオン水で洗浄した。
4.エチル-EDDA修飾磁性シリカ粒子の製造
3.15 gのN-エチルエチレンジアミンを使用した以外、段階3と同様にして製造した。
5.ヒドロキシエチル-EDDA修飾磁性シリカ粒子の製造
3.12 gの2-(2-アミノエチルアミノ)エタノールを、脱イオン水により25 ml(約1M)とした。HClを使用して、溶液をpH10に調整した。アセトンで乾燥した、1 gのエポキシ活性化粒子をこの溶液に懸濁した。混合物を、7時間室温で振盪し、続いて脱イオン水で5回洗浄し、減圧下、50℃で1.5時間乾燥した。
6.エポキシ修飾シリカ粒子の製造
50 gのLiChrospher(登録商標)Si 300、15〜40μmの粒子(Merck KGaA, Germany)を、600 mlの0.1モル酢酸ナトリウム溶液に懸濁した。
懸濁液を、精密ガラススターラー、還流冷却器および滴下漏斗が取り付けられた、三つ首フラスコ内で攪拌した。400 mlのイソプロパノールに溶解された、80 gのグリシジルオキシプロピルトリメトキシシランを、続いて滴下により25分間で加えた。混合物を80℃まで温め、この温度で2時間撹拌した。
冷却の後、ガラスフィルターフリットに通して、シリカゲルを濾過し、そのつど200 mlの脱イオン水でまず5回、そしてそのつど200 mlのイソプロパノールで2回洗浄した。物質を減圧下、50℃で24時間乾燥した。
7.メチル-EDDA修飾シリカ粒子の製造
例6に従って生成された、25 gのエポキシ活性化シリカゲル粒子を、300 mlの脱イオン水に懸濁し、上記装置内で、75 mlのN-メチルエチレンジアミンとともに、65℃で1.5時間撹拌した。
冷却の後、ガラスフィルターフリットに通して、シリカゲルを濾過し、そのつど200 mlの脱イオン水で5回洗浄した。湿ったシリカゲルを、続いて600 mlの0.1モルの酢酸ナトリウム溶液に再懸濁した。17.6 gのブロモ酢酸を加え、10%水酸化ナトリウム溶液を使用して、懸濁液のpHを8.7に調節した。混合物を室温で20時間撹拌した。続いて、ガラスフィルターフリットに通して、シリカゲルを濾過し、脱イオン水で何度もすすいだ。
8.金属イオンを使用した、キレート修飾粒子の活性化:
5 mmolの金属塩(例えば、MnCl2、NiCl2、FeCl3、CuCl2、GaCl3、ZrOCl2)を、20 mlの脱イオン水に溶解した。必要な場合、希水酸化ナトリウム溶液または塩酸を数滴加えることで、pHを7に調節した。
溶液を、続いて20 mlの脱イオン水中で、1 gのキレート修飾粒子の懸濁液(段階2〜5および7に対応する製造)と混合し、室温で1時間振盪した。粒子を脱イオン水で10回洗浄し、5%懸濁水として保存した。
3.本発明の濃縮方法を実施するための手順
この好ましい態様において、ホスホペプチドを分離するための、本発明の方法が、以下の手順に従って行われる。一般的な方法要因、すなわち、方法段階の順序、それらの継続期間などが、その他の試薬を用いる(例えば、他の金属イオンを使用した活性化、他の緩衝液または担持物質の使用)、本発明の方法の性能に適用されることができる。
担持物質として、EDDA-メチルで磁性修飾され、ジルコニウム(IV)を使用して活性化されたシリカ粒子を使用した。水に対して5%(v/v)の粒子の懸濁液を、以下の手順に従って、使用した。
利用された溶出緩衝液は、水中でpH10.5の、100mMチオシアン酸アンモニウムである。
結合および洗浄緩衝液は、以下の組成物を有する:
o 結合緩衝液: 水に対して1.5%(v/v)の酢酸
o 洗浄緩衝液1: 水に対して0.1%の酢酸
o 洗浄緩衝液2: 水に対して0.1%の酢酸/30%のアセトニトリル
担持物質の平衡
1. 均質の粒子の懸濁液を得るために、容器の中身を、粒子と完全に混ぜ合わせる。
2. 50μlの粒子懸濁液を微量遠心分離管に取り入れ、粒子を沈殿させるために、磁気分離装置(例えば、Dynal MPC(登録商標)-S)中で、1分間、室温でインキュベートする。上澄みを廃棄する。
3. 微量遠心分離管を磁気分離装置から取り出し、粒子を200μlの水に再懸濁させる。
4. 粒子を沈殿させるため、混合物を再び、磁気分離装置(例えば、Dynal MPC(登録商標)-S)中で、1分間、室温でインキュベートする。上澄みを廃棄する。
5. 段階3および4をもう一度繰り返す。
6. 微量遠心分離管を磁気分離装置から取り出し、粒子を100μlの結合緩衝液に再懸濁させる。
7. 粒子を沈殿させるため、混合物を再び、磁気分離装置(例えば、Dynal MPC(登録商標)-S)の中で、1分間、室温でインキュベートする。上澄みを廃棄する。
ホスホペプチドサンプルの調製
1. 10〜20μlのサンプル溶液を、微量遠心分離管に取り入れ、90μlの結合緩衝液で希釈する。
ホスホペプチドの濃縮
1. 粒子を希釈されたサンプルに再懸濁し、懸濁液を10分間、室温で振盪しながらインキュベートする。
2. 粒子を沈殿させるため、混合物を再び、磁気分離装置(例えば、Dynal MPC(登録商標)-S)の中で、1分間、室温でインキュベートする。上澄みを廃棄する。
3. 粒子を100μlの洗浄緩衝液1に再懸濁させ、引き続いて、粒子を沈殿させるため、磁気分離装置(例えば、Dynal MPC(登録商標)-S)の中で、1分間、室温でインキュベートする。上澄みを廃棄する。
4. 段階3を繰り返す。
5. 粒子を100μlの洗浄緩衝液2に再懸濁させ、引き続いて、粒子の沈殿のために、磁気分離装置(例えば、Dynal MPC(登録商標)-S)の中で、1分間、室温でインキュベートする。上澄みを廃棄する。
6. 段階5を繰り返す。
7. 粒子を遠心分離器によって、1分間、室温および1000〜2000 × gで分離する。上澄みを廃棄する。
8. 粒子を25μlの溶出緩衝液に再懸濁し、懸濁液を10分間、室温で振動させながらインキュベートする。
9. 粒子を遠心分離器によって、2分間、室温および10,000 × gで分離する。
10. 上澄みが、濃縮されたホスホペプチドを含む。
図6は、本発明の方法の上記の好ましい態様を使用した、複合混合物からの、ホスホペプチドの濃縮の結果を示す。等モルの、ウシ血清アルブミンからのトリプシンペプチド、ヒストンタイプIIB1、およびアルファカゼイン、ならびに合成のセリンリン酸化モノリンペプチド(1ペプチドあたり、2× 0-10mol)の混合物を、2×10-11molの合成のチロシンリン酸化ペプチドとさらに混合した。
サンプルはしたがって、約125の予期されたペプチドを含んでいて、2つが予期されたセリンリン酸化モノリンペプチド、およびさらに1つがチロシンリン酸化モノリンペプチドであった。そしてそれは、全ての他のペプチドのモル量の10%で存在した。アルファカゼインのポリリン酸化ペプチドは、使用された質量分析計設定下で、検出されなかった。
本発明に記載の方法によるホスホペプチドの親和性濃縮の後の、未処理のサンプルおよび溶出液の典型的なスペクトルを示す。ホスホペプチドシグナルを表8に説明した。
表8:複合混合物からの、合成および自然リン酸化ペプチドの濃縮後の、ホスホペプチドシグナルの指定。
Figure 2008509081
全ての予期されたホスホペプチドは著しく濃縮され、スペクトルの主なシグナルである。セリンおよびチロシンリン酸化ペプチドの同時濃縮は、したがって、方法が異なるホスホアミノ酸を区別しないことを示す。
チロシンリン酸化ペプチドは、イオン[M+2H]+2に対してm/e = 563.7で検出され、未処理のサンプル内の非リン酸化ペプチドに比べて、著しく濃縮されている。さらに、残留不純物は事実上非検出である一方、ホスホペプチドのシグナルはスペクトルの主なシグナルを表す。
この結果は、様々なホスホアミノ酸をともなうペプチドが、本発明の濃縮方法を活用して、同時に濃縮され得ることを示す。さらに、非リン酸化ペプチドの混合物内で、準化学量論的量で存在する、ホスホペプチドが、分析のために濃縮され、事実上、定量的に不純物から分離されることができることが発見された。
4.IDA修飾クロマトグラフィー物質を使用したIMACによるホスホペプチドの濃縮
IDA修飾クロマトグラフィー物質を使用したIMACによるホスホペプチドの濃縮を、例1に説明された検査を活用して分析した。
さらに、IDA修飾磁性シリカ粒子が、製造され(例2に対応)、理想条件下で利用された(表3)。利用された金属イオンは、一例として、Ga(III)、Fe(III)およびZr(IV)である。
評価は、本発明の意味において、同時の定量的な収率および純度は、文書化された先行技術に従って、成し遂げられることはできないことを、裏付けた。最も優れた純度(たった30%の収率と同時に、85%)は、重合体の担持物質と組み合わせて、三価ガリウムイオンを使用して、成し遂げられ、より高い収率(たった44%の純度と同時に、64%)は、重合体の担持物質と組み合わせて、四価ジルコニウムイオンを使用して、成し遂げられた。
表3:IDA修飾クロマトグラフィー物質を使用したIMACによる、ホスホペプチドの濃縮での収率および純度。
Figure 2008509081
ホスホペプチドの結合および溶出のための、先行技術に従って行われた方法と組み合わせた、IDA修飾磁性シリカ粒子の使用も、ほんの少しの改良をもたらしただけだった。
特に、収率は約50%またはそれ以下であった。これらの実験の結果は、現在まで、定量的な純度および収率を成し遂げる方法が既知でなかったことを示めす。重合体の担体と比べ、シリカ担体の使用して、純度の相対的な改良が、観測されたが、成し遂げられる収率は変わらず、最高で約50%であった。
5.本発明に記載の方法によるホスホペプチドの濃縮の分析
表4は、まず、IDA修飾磁性シリカ粒子を使用した、本発明の方法(例3と同様)によるホスホペプチドの濃縮を示す。比較のために、先行技術に従って、再度、水酸化物緩衝液での溶出にデータを与えた。
表4:本発明に記載の方法は、ホスホペプチドの定量的な溶出を固定された金属イオンによって可能にする。
Figure 2008509081
表は、本発明に記載の方法が、とても優れた純度と同時に、すばらしい収率を促進することをはっきりと示す。
本発明に記載のEDDA-メチル表面修飾の評価のために、新規のシリカ表面を、例2に説明されるように生成し、分離されたホスホペプチドの収率および純度に関して、例2に説明された検査によって評価した。
3に説明された方法で濃縮を行った。
表5は、金属、鉄(III)およびジルコニウム(IV)と組み合わせた、EDDA-Me表面修飾の説明データを含む。
表5:新規のEDDA-メチル修飾クロマトグラフィー物質を使用したIMACによるホスホペプチドの濃縮での収率および純度。
Figure 2008509081
結果は、特に効果的な濃縮が、R = メチルである本発明に記載のEDDA-Me表面修飾で成し遂げられることを示す。本発明に従って、好ましい溶出方法と組み合わせた、EDDA-Me修飾磁性シリカ粒子によって、鉄(III)およびジルコニウム(IV)の使用両方において、定量的な収率および純度が同時に成し遂げられた。
したがって、IDA修飾磁性シリカ粒子(表4)と比較して、ホスホペプチドの分離の選択性の上昇が、新規のEDDA-Me修飾磁性シリカ粒子の使用を通して、再び成し遂げられた。分離されたホスホペプチドの純度は、鉄(III)の場合76%から98%に上昇し、例えば、ジルコニウム(IV)の場合87%から99%に上昇した。
6.四座キレート化剤EDDA-Meを含んでいる本発明に記載の担持物質を活用した、ホスホペプチドのIMAC濃縮のESI-LC質量分
全ての以前の分析は、同時の定量的および定性的分析を用いた、本発明に記載の方法を評価するために、低い複雑性のペプチド混合物で行われた。しかしながら、一般的に、序文で示されたように、サンプルはさらに複雑で、非リン酸化ペプチドが多数存在する中で、ホスホペプチドを含んでいる。
新規のキレート化剤EDDA-メチルを用いて、ホスホペプチド濃縮のための、本発明に記載の方法の選択性を、IDAと比較して評価するために、複合検査混合物を、等モル量の3つのタンパク質、アルファ-S1-カゼイン、ウシ血清アルブミンおよびヒストンのトリプシン消化によって、調製した。
仮定された完全なトリプシン開裂の場合、このペプチド混合物は、125の非リン酸化ペプチドの背景に、アルファカゼインのモノリンペプチドを含んでいる。分析は、一例として、LC/ESI質量分析によって行われる。アルファ-S1-カゼインのポリリン酸化ペプチドは、使用された質量分析計の設定のために、分析されることができない。
しかしながら、例1で説明された検査方法と比較して、質量分析は、結果の定量的な解釈を可能としない。あるペプチドのイオンシグナルの、相対的な強度は、その相対的な存在度、ペプチドのイオン化能力(ionisability)などの、多数のさらなる要因から離れて依存している。
それでもなお、質量分析の高い感度は、それをホスホペプチドの分析での、好まれる検出システムにする。さらに、上記の理由のために、ホスホペプチドシグナルの相対的強度は、サンプルの純度のための定量化可能基準ではないけれど、質量分析の高い感度は、ホスホペプチド濃縮のための特定の方法の選択性に関する、とても優れた結論を可能にする。
IDA修飾シリカ担体、またはEDDA-Me修飾シリカ担体のどちらかが、例2に説明されたように利用された、本発明に記載のホスホペプチド濃縮方法によって、それぞれのペプチド2x10-10molに対応する、検査混合物の量が、処理された。
溶出緩衝液が、チオシアン酸アンモニウムの代わりに、リン酸アンモニウムを含んだ、例3に説明されたように、濃縮方法が行われた。
図2によって示されるように、IDAと比較して、新規のキレート化剤EDDA-Meのより高い選択性も、上で説明された結果に一致して、複合サンプルを使って、実証化することができる。検出されたホスホペプチドシグナルを、表6に示す。
表6:複合混合物からのリン酸化ペプチドの濃縮後の、ホスホペプチドシグナルの指定。
Figure 2008509081
驚くべきことに、3つの異なるホスホペプチドが検出され、2つ(シグナル1/4および3に対応)は、アルファカゼインの不完全なトリプシン開裂によって説明され、タンパク質の同じリン酸化部位を含んでいでる。
3つ目のホスホペプチド(シグナル2に対応)は、使用されたアルファ-S1-カゼインバッチの中に、もしかすると不純物として存在する、タンパク質アルファ-S2-カゼインからの配列類似ペプチドに相対する。
優れた結果は、新規のEDDA-メチル表面修飾を使用して、および三座キレート化剤IDAを使用しても、成し遂げられることができる。しかしながら、新規のEDDA-メチル表面修飾を使用した、本発明に記載のホスホペプチド濃縮方法は、複合サンプルからのホスホペプチドの濃縮で、三座キレート化剤IDAを使用するよりも、より高い選択性もさらに可能にする。
7.MALDI-TOF質量分析を用いた、直接サンプル分析
複合サンプルからのホスホペプチド濃縮のための、有望な方法は、分離されたホスホペプチドの直接分析(特に、MALDI質量分析による)を可能にするべきである。MALDI質量分析はとても敏感であって、それは一般にESI-LC/MSよりもさらに敏感であるが、さらなる範囲で、サンプル内のイオン成分、例えば塩によって、影響される。
上で説明されたように、pH>10のオルトリン酸、リン酸水素またはリン酸二水素のアルカリ土類金属およびアンモニウム塩による、優位性のある溶出は、好ましくは、本発明に記載の方法による、固定された金属イオンによるホスホペプチドの溶出でも優れた収率を達成するために利用される。
先行技術に従って、イオン性不純物をともなうサンプルは、さらなる、不十分に再生可能な方法段階(一般的に分析前の、ペプチドの逆相精製による、サンプル脱塩など)、によって仕上げられることができる。しかしながら、これらのさらなる仕上げ段階が省略されることのできる方法は、特に有利である
MALDI質量分析による直接分析をともなう、本発明に記載のホスホタンパク質濃縮方法の互換性を評価するために、予期された質量、2193.4Da[M+H]+を有するモノリンペプチドを含む、ペプチド混合物が利用された。
様々な溶出緩衝液、および新規のEDDA-Me修飾磁性シリカ粒子を使用した、例3に説明された、本発明に記載の方法を用いて、ペプチド混合物を濃縮した。全てのサンプルを、ペプチドの逆相精製なしの、MALDI質量分析によって直接分析した。
図3Aは、濃縮前の未処理のサンプルの、MALDI-MSスペクトルを示す。ホスホペプチドは検出されなかった。リン酸アンモニウムを含む溶出緩衝液を使用した、本発明に記載の濃縮の後、ホスホペプチドは、m/e = 2193.66で、はっきりと検出されが、ペプチドの質量によって説明されることのできない、さらなる質量が、サンプルのなかに検出された(図3B)。これらのシグナルは、おそらく、サンプルに存在するリン酸イオンによって、人為的結果引き起こされた。
本発明に従って好ましい、チオシアン酸の塩を含む溶出緩衝液の使用は、したがって、顕著な改良を表わす。
表7は、オルトリン酸のアンモニア塩を含む溶出緩衝液の使用、およびチオシアン酸のアンモニア塩を含む溶出緩衝液の使用の両方によって、すばらしい濃縮結果が得られたことを示す。しかしながら、例えば、弱い酸性pHでたった3%の収率が成し遂げられたが、これは驚くべきことに、10〜10.5より大きいpH値でのみ可能である。
表7:錯体配位子を使用した、新規のEDDA-R修飾クロマトグラフィー物質を使用したIMACによるホスホペプチドの濃縮における収率および純度。
Figure 2008509081
錯体配位子のアルカリ性溶液をともなう、本発明に記載のホスホペプチド溶出の互換性が、上で説明されたように、MALDI質量分析分析を用いて調査された(例えば、チオシアン酸アンモニウム、pH10.5の場合)。全てのサンプルは、再び、ペプチドの逆相精製なしに、直接調査された。
図4によって示されるように、ホスホペプチドは、事前の濃縮なしでは、検出されなかった。発明に記載の濃縮の後、それに反して、ホスホペプチドは、m/e = 2194.91に存在する唯一のシグナルとして、はっきりと検出された。溶出のために、リン酸塩の使用と比較して(図3と比較)、説明不可能な干渉するシグナル、および人工産物ピークは、チオシアン酸を用いた、ホスホペプチドの溶出後に検出されなかった。
溶出のために、新規のEDDA-Me修飾磁性シリカ粒子、およびチオシアン酸アニオンなどの、錯体配位子を使用した、ホスホペプチドの濃縮のための、本発明に記載の方法は、したがって、MALDI質量分析との直接互換性をともった、同時の定量的な純度および収率を初めて可能にした。
8.本発明に記載の方法と、先行技術との比較
本発明に記載のリン酸化タンパク質濃縮方法と、先行技術に従って最適化された、2つの商用の方法との比較のために、3つのペプチドの混合物(例1に説明された)が利用された。
サンプルは、本発明に記載の方法(例3に対応)または先行技術に従った手順によって処理され、対応する溶出液が、LC-ESI質量分析によって分析された。図5は、未処理のサンプル(A)、および本発明に記載の方法の溶出液フラクション(B)、他に先行技術に従った方法(C、D)の典型的なスペクトルを示す。
図5Cに対応する方法は、四座、NTA類似キレート化剤および鉄(III)(SigmaのPHOS選択鉄親和性ゲル)を使用し、図5Dに対応する方法は、ガリウム(III)を、三座キレート化剤IDA(Pierceのホスホペプチド分離キット)と組み合わせて使用する。両方の方法は重合体の担体を使用し、結合ペプチドの溶出のために、水酸化アンモニウムの使用を提案する。
図5のスペクトルの中の、ホスホペプチドのシグナルの位置(DLDVPIPGRFDRRVpSVAAE、m/e = 731.3 [M+3H]+3)は、アスタリスクによって指し示され、酸性ペプチドの2つの異なって電化したイオンシグナルの位置はシャープによって指し示される。
ホスホペプチドは、本発明に記載の方法を用いて、定量的な純度で分離されただけであり、2.3 x 10AUのシグナル強度で検出されることができる。酸性ペプチドは、本発明に記載の方法の溶出液で検出されることができない。
先行技術に従った、商用の方法は両方、それに反して、それぞれ5000および1500AUの、ホスホペプチドシグナルの、顕著に低い相対強度を示す。さらに、他のペプチドのシグナルによる暗雑音は、両方のサンプルで、顕著にさらに断言され、両方のサンプルで、酸性ペプチドがはっきりと検出された。
先行技術に従って行われた方法と比較して、本発明に記載の方法を使用しても、ペプチドを定量的に分離することができ、さらに、とても高いシグナル強度でホスホペプチドを検出することを初めて可能にしたことを示す。
IMACによるホスホペプチド濃縮の方法の、同時の定性および定量分析を目的として、3つのモデルペプチドのピークを表すHPLCクロマトグラムを示す。例1にさらなる詳細が与えられる。 本発明による濃縮後の、未加工のサンプルおよび結合したペプチドのESI-LC/MSスペクトルの選集を示している。例6にさらなる詳細が与えられる。 ホスホペプチドの本発明による濃縮後の、MALDI質量分析による溶出液の分析を示す。例7にさらなる詳細が与えられる。 アルカリ性pHのチオシアン酸アンモニウム緩衝液での溶出による、ホスホペプチドの本発明による濃縮後の、MALDI質量分析による溶出液の分析を示す。例7にさらなる詳細が与えられる。 ホスホペプチドの本発明による濃縮と、先行技術との比較を示す。例8にさらなる詳細が与えられる。 本発明による方法の好ましい態様を用いた、ホスホペプチドの濃縮のESI-MSスペクトルを示す。例3にさらなる詳細が与えられる。 本発明に従って、好ましいエチレンジアミン二酢酸塩に基づいた、キレート配位子を有する担持物質の合成を一例として示す。

Claims (14)

  1. ホスホペプチドを濃縮するための方法であって、以下の段階:
    a) シリカに基づくキレート配位子を有する担持物質を提供する段階、
    b) 遷移金属イオン、または遷移金属イオンの酸化物もしくは酸化水和物、または第3族金属の三価のイオンを用い、段階a)からの担持物質を活性化する段階、
    c) 結合緩衝液の存在下で、ホスホペプチド含有サンプルを活性化担持物質と接触させる段階、
    d) 結合緩衝液およびサンプルの非結合部分からなる上澄みを除去する段階、
    e) 場合によって担持物質を洗浄する段階、
    f) pH>10であり、かつチオシアン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩、ニトリト、イソシアノ、ニトリル、イソシアン酸、イソチオシアン酸、アジド、エチレンジアミン、イソニトリル、フルミナトまたはシアノ錯体配位子の酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩および/またはリン、硫黄、バナジウム、ルテニウム、ニオブ、タンタル、タングステンまたはモリブデンの酸素酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩、および/またはEDTA、EGTAまたはサリチル酸などのキレート化剤を含む溶出緩衝液によりホスホペプチドを溶出させる段階、
    を特徴とする、前記方法。
  2. 段階b)における活性化を、鉄(III)イオンまたはジルコニウム(IV)イオンを用いて行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 段階f)における溶出を、リンの酸素酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩またはチオシアン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩を0.005〜2mol/lの濃度で含む溶出緩衝液によって行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 段階f)において溶出したホスホペプチドを、質量分析、薄層クロマトグラフィーによって、または配列解析によって直接調べることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 式Iaおよび/またはIb:
    Figure 2008509081
    式中、
    R は C1〜C6アルキルまたはC5〜C18アリールであり、場合によって、例えばヒドロキシル、C1〜C4アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、CNまたはハロゲン基により、一置換または多置換されており、
    m は2〜8であり、1つまたは2つ以上の非隣接C原子がO、NH、Sまたは-C=C-により置換されていてもよい、
    で表されるキレート配位子
    を有する担持物質を、段階a)において提供することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 表面が少なくとも部分的にシリカで覆われているマグネタイト粒子を含むキレート配位子を有している担持物質を、段階a)において提供することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. シリカに基づくキレート配位子を有する担持物質、およびpH>10であり、かつチオシアン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩、ニトリト、イソシアノ、ニトリル、イソシアン酸、イソチオシアン酸、アジド、エチレンジアミン、イソニトリル、フルミナトまたはシアノ錯体配位子の酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩、および/またはリン、硫黄、バナジウム、ルテニウム、ニオブ、タンタル、タングステンおよび/またはモリブデンの酸素酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩、および/またはEDTA、EGTAまたはサリチル酸などのキレート化剤を含有する溶出緩衝液を少なくとも含む、ホスホペプチドを濃縮するためのキット。
  8. キレート配位子を有する担持物質を、鉄(III)イオンまたはジルコニウム(IV)イオンを用いて活性化したことを特徴とする、請求項7に記載のキット。
  9. キットが、少なくとも部分的にシリカで覆われているマグネタイト粒子を、担持物質として含むことを特徴とする、請求項7または8に記載のキット。
  10. キットが、R=メチルおよびm=2である式Iaおよび/またはIbに属するキレート配位子を有する担持物質を含むことを特徴とする、請求項7〜9のいずれかに記載のキット。
  11. キットが、リンの酸素酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩またはチオシアン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩を0.005〜2mol/lの濃度で含有する緩衝液を溶出緩衝液として含むことを特徴とする、請求項7〜10のいずれかに記載のキット。
  12. 式Iaおよび/またはIb:
    Figure 2008509081
    式中
    R は C1〜C6アルキルまたはC5〜C18アリールであり、場合によって、例えばヒドロキシル、C1〜C4アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、CNまたはハロゲン基により一置換または多置換されており、
    m は2〜8であり、1つまたは2つ以上の非隣接C原子がO、NH、Sまたは-C=C-により置換されていてもよい、
    で表される、キレート配位子を含むことを特徴とする、担持物質。
  13. Rがエチルまたはメチルであることを特徴とする、請求項12に記載の担持物質。
  14. m=2であることを特徴とする、請求項12または13に記載の担持物質。
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