JP2008508957A - 角膜の表面から上皮層を分離するための装置 - Google Patents

角膜の表面から上皮層を分離するための装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008508957A
JP2008508957A JP2007525073A JP2007525073A JP2008508957A JP 2008508957 A JP2008508957 A JP 2008508957A JP 2007525073 A JP2007525073 A JP 2007525073A JP 2007525073 A JP2007525073 A JP 2007525073A JP 2008508957 A JP2008508957 A JP 2008508957A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
separator
edge
eye
epithelial layer
epithelial
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007525073A
Other languages
English (en)
Inventor
イオアニス ジー パリカリス
ハリラオス ギニス
スコット エム ハンプトン
スティーブン ピー ウッズ
Original Assignee
サイトレイト ベースローテン フェンノートシャップ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US10/971,727 external-priority patent/US20050288696A1/en
Application filed by サイトレイト ベースローテン フェンノートシャップ filed Critical サイトレイト ベースローテン フェンノートシャップ
Publication of JP2008508957A publication Critical patent/JP2008508957A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F9/00Methods or devices for treatment of the eyes; Devices for putting-in contact lenses; Devices to correct squinting; Apparatus to guide the blind; Protective devices for the eyes, carried on the body or in the hand
    • A61F9/007Methods or devices for eye surgery
    • A61F9/013Instruments for compensation of ocular refraction ; Instruments for use in cornea removal, for reshaping or performing incisions in the cornea
    • A61F9/0133Knives or scalpels specially adapted therefor
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F9/00Methods or devices for treatment of the eyes; Devices for putting-in contact lenses; Devices to correct squinting; Apparatus to guide the blind; Protective devices for the eyes, carried on the body or in the hand
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F9/00Methods or devices for treatment of the eyes; Devices for putting-in contact lenses; Devices to correct squinting; Apparatus to guide the blind; Protective devices for the eyes, carried on the body or in the hand
    • A61F9/007Methods or devices for eye surgery
    • A61F9/013Instruments for compensation of ocular refraction ; Instruments for use in cornea removal, for reshaping or performing incisions in the cornea

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Ophthalmology & Optometry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Prostheses (AREA)
  • Eye Examination Apparatus (AREA)

Abstract

矯正手術のために患者の眼を処理する方法であって、縁部を有するセパレータを提供する段階と、患者の眼の上皮層を縁部で侵入する段階とを含む。患者の眼に対してセパレータを移動させる。セパレータを移動させながら、上皮層の少なくとも一部を分離し、分離された上皮層の少なくとも一部は分離中に巻かれる。
【選択図】図32A

Description

本出願は、35U.S.C.119(e)により2004年8月6日に出願された米国仮特許出願第60/599,368号の前記出願日の優先権に対する利益を主張し、引用によりその内容全体は本明細書に組み込まれ、更に本出願は、2001年7月23日に出願された米国特許出願第09/911,356号の一部継続出願である、2002年3月12日に出願された米国特許出願第10/098,167号の一部継続出願である、2004年10月22日に出願された米国特許出願第10/971,727号の一部継続出願であり、これらの各々の内容全体は引用により本明細書に組み込まれる。
LASIK(角膜内レーザーカット形成術)は、眼鏡又はコンタクトレンズへの依存を軽減させることを目的とする外科手術である。LASIKは、エキシマレーザーを使用して、角膜すなわち眼の前部の透明な被膜の形状を永久的に変化させる。マイクロケラトームと呼ばれる装置を使用して、角膜にフラップを形成する。フラップの一端にはヒンジ部を残す。フラップを折り返し、角膜の中央部分である実質を露出させる。コンピュータ制御されたレーザー光源からのパルスにより、実質の一部を蒸発させ、フラップを元に戻す。LASIK手術中に使用されるブレードは、鋭利であることが重要であり、さもなければ手術の質が劣り、治癒時間が長引く。加えて、ブレードは、不変で再生可能なフラップを形成するために鋭利でなければならない。図20は、LASIK手術に伴うカットに使用することができる既知のブレード2000の斜視図を示す図である。
マイクロケラトームを使用することに関連した幾つかの問題がある。一般的な問題は、例えばハーフフラップ、ボタンホール、又はトータルカップなどの不規則なフラップの形成を含む。これらの問題は、角膜の不規則な切開、すなわち視力を永久的に低下させる可能性のある状況を意味する。
或いは、LASIKよりも早期に開発された技術であるPRK(レーザー屈折矯正角膜切除術)を使用して、角膜の曲率を矯正することができる。PRKでは、医師は、角膜の表層、例えば上皮を削り取る。表層を取り除いた後、角膜の露出表面にレーザー処理を施す。しかしながら、PRKの欠点は、眼の治癒期間が通常、LASIKの治癒期間よりもはるかに長い1週間にわたることである。また、患者は、治癒中に幾分痛みを経験する。通常PRKでは、使い捨てのコンタクトレンズを使用して、角膜の処理部位を覆い、術後の痛みを軽減する助けとする。
別の技術であるLASEK(レーザー角膜上皮曲率形成術)では、角膜の表面から上皮層を分離し、分離された上皮層を保存できるようにする。最初に、上皮をアルコール溶液で処理し、上皮を部分的に失活させる。正確な処置範囲が決まると、弱アルコール溶液を数滴、角膜の表面に付け、数秒間上皮と接触させたままにする。次いで、この弱アルコール溶液を眼の表面から洗い流す。弱アルコール溶液の機能は、上皮層(50ミクロン)を緩めて、手持ち式スパーテルによってシート状の上皮細胞層の形態でフラップとして引き剥がすことができるようにし、これによって下にある角膜を露出させることである。LASEKは、経験を積んだ医師が角膜を損傷しないようにしながらフラップを形成するのに数分を要するので、実施するのが難しい手術である。医師は、この手術を手で行うため、形成されるフラップは手術毎に形状が異なる可能性がある。LASEK法は、実際にはマイクロケラトーム機器を使用して、上皮とほぼ130から180ミクロンの大きさがある実質組織の前部との両方のフラップを形成するLASIKと混同すべきではない。従ってLASEKは、不規則フラップの形成、角膜の不規則な切開などの前述のLASIKの問題の幾つかを防止する。角膜は、迅速には治癒されず再生もされない永久組織であるので、かかる不規則切開は、視力を永久に低下させる可能性がある点が認識された。
LASEKでは、上皮単独の層は、LASIKと同様に戻されるが、角膜実質ではなく上皮のみからなる。上皮細胞を進路外に置くと、PRKと全く同様にして角膜表面にレーザーを当てる。レーザー処置が完了すると、上皮層を所定位置に戻す。上皮層は、角膜に付着しないので、ソフトコンタクトレンズを上皮層を覆ってPRKと同様に眼の上に置き、傷当てとして機能するようにする。弱アルコール溶液によって部分的に失活された上皮細胞は、処置部位を覆って置かれ、その下の新しい上皮の治癒の促進材としての役目を果すことができる。アルコールで失活された上皮は、かさぶたと同様、5〜10日で眼から剥がれ落ちる。これらの失活された上皮細胞は、眼の新しい表面にはならないが、快適さ及び下にある新しい上皮の治癒を促進するためにコンタクトレンズに加えて単に保護剤として働く。上皮のアルコール処理は、上皮の一体性/安定性を低下させ、及び/又は耐久性及び角膜への接着性を低減させることに起因して、かなりの量の上皮細胞の喪失、すなわち実際に上皮ディスクを使用不能にする可能性があることになる。本発明では、医師の経験をあまり必要とせず、フラップが数秒で自動的に形成され、はるかに活力がある。epi−LASIKでも傷当てとしてコンタクトレンズを用いる。
本発明のフラップは、LASEKよりも良好に再生可能であり、実行が容易で、はるかに短時間で形成される。また、上皮に対して有害であることが知られているアルコールを使用しない。
従って、実質的に無傷で、又は全体が機械的方法で、化学薬品、特に失活させる薬品を使用することなく上皮層を分離することによって、上記の問題に対処する自動角膜上皮セパレータに対するニーズがある。更に、それぞれの患者で容易に再現可能であり、短時間で最小限の技能で行うことができる手術に対するニーズがある。加えて、角膜実質に実質的に侵入、又はこれを実質的にカットする(切る)ことなくかかる分離を行うことにより得られる利点がある。
機械装置は、実質的に角膜実質を切ることなく患者の眼の角膜実質から上皮物質を分離し、分離された上皮への損傷がLASEKよりもはるかに少なくする。上皮層を分離した後、角膜の欠陥を矯正するのに役立つように使用されるレーザーを用いるなどして、眼に医療的処置を行う。その後、視力リハビリテーション期間及び術後の痛みを軽減するために、剥離された角膜上に上皮層を戻す。
本発明の第1の態様は、上部平面と、水平面に対して約マイナス20度ないし約30度の範囲の角度で配向された下部平面とを含み、上部平面と下部平面が0度ないし約90度の範囲の角度で互いに離れているセパレータシステムに関する。上部平面と下部平面との間は鈍い縁部であり、少なくともこの鈍い縁部は、眼の角膜実質から上皮層の一部分を上皮層のこの部分を実質的に損傷することなく分離する構造を含み、角膜実質をカットしない。
本発明の第2の態様は、湾曲した形状を有する上部面と、上部面に対して角度をなして配向された下部平面とを含み、上部面と下部平面が、これらの間に眼の一部分を除去する構造を形成する縁部を定める眼の分離した部分を移動させるためのセパレータに関する。
本発明の第3の態様は、矯正手術のために患者の眼を処理する方法に関し、縁部を有するセパレータを提供する段階と、患者の眼の上皮層に縁部を侵入させる段階と、患者の眼に対してセパレータを移動させる段階とを含む。この方法は更に、セパレータを移動させるときに該上皮層の少なくとも一部を分離することを含み、該分離した上皮層の少なくとも一部は分離中に巻かれる。
本発明の第4の態様は、矯正手術のために患者の眼を処理する方法に関し、患者眼の角膜に対してセパレータを移動させる段階と、角膜に付随する上皮層を分離する段階と、を含み、分離された上皮層は、角膜にヒンジを形成し、上皮層の自由端がヒンジを中心に枢動して患者の眉の近くに置かれるようにする。
本発明の第5の態様は、矯正手術のために患者の眼を処理する方法に関し、患者眼の角膜に相対的にセパレータを移動させる段階と、セパレータによって移動される距離を自動制御する段階と、を含む。
本発明の第6の態様は、上面と、上面の前部に一体的に装着された縁部と、縁部の後方で上面の下方に位置付けられたポストアプラネータと、を含むセパレータシステムに関する。
本発明の第7の態様は、矯正手術のために患者の眼を処理する方法に関し、患者眼の一部から上皮層を分離して眼の角膜基質の一部を露出させるようにする段階と、分離に続いて角膜基質の一部をアプラネートする段階とを含む。
上記の態様の1つ又は複数は、視力リハビリテーション期間、及び/又は上皮層、その一部、もしくは上皮層の一部(基底膜の一部、またボーマン層の一部を含むこともある)を含むが基質の実質部分を含まない他の「ストリップ」の除去を含む手術に付随する術後の痛みを軽減する利点をもたらす。
眼12の視力を向上させる処置において、上皮セパレータ装置12(図1〜図9に示す)が、角膜基質18上に位置する上皮層すなわち上皮物質16の少なくとも一部を分離する。本特許出願全体を通じて定義されるように、図19に示す角膜基質18は、少なくとも角膜実質1910を含み、更に、本特許出願においてより詳細に後述される、(1)ボーマン層1908、及び(2)基底膜1900の1方又は両方を含むことがある。従って、本発明に関して本明細書で説明する様々な分離方法は、ボーマン層及び/あるいは基底膜が角膜実質の上に位置する場合、またはボーマン層及び/あるいは基底膜が対象となる眼に存在しない場合のいずれかで行うことができる。通常の状況では、基底膜の2つの主層間で分離が生じる。後者の状況は通常、例えば、眼のPRK、LASEK、又は本発明に関して本明細書で説明したような表面切除手術をこれまで受けたことがある場合に発生する。同様に、及び少なくとも部分的にはこの理由において(更に、分離は、以下に説明するように基底膜の2つの主層間で起こることが多いと考えられているように、1つの理論に結びつけるつもりはないが、分離は様々な接合部で発生する場合があるので)、本出願が分離した上皮又は上皮層もしくは上皮物質に言及する場合には、ボーマン層及び/又は基底膜物質もこれに付着することができるものと理解される。
典型的に矯正のようなレーザー切除に備えて眼の準備をするために使用されると同時に、セパレータ装置12はまた、レンズ挿入のような他の外科手術に使用することもできる。切除手術では、上皮層16が矯正を必要とする眼10の領域の上にあり、医師が遮られることなくこの部位に接触する必要があるので、上皮層16の一部は除去される。
上皮層16の分離される部分の厚さは、層16の全厚みに相当するのが好ましい。分離される部分の厚さが薄くなるように、セパレータ装置12を調整することもできるが、これは、上皮層16の薄い層が角膜上に残存し、レーザー切除を行うために除去する必要があるので、レーザー切除処理にとって理想的ではない。本特許出願で以下で説明するように、セパレータ装置12は、一度適切に調整されると一度の角膜の横断中に上皮層16全体を除去することができる。
本発明に関する上記及び下記の分離方法は、LASIK及びLASEKに対する幾つかの利点をもたらす。例えば、LASEKのようにアルコールを使用する先行技術とは違って、装置12は、分離した部分に対してあまり上皮細胞を失うことなく上皮を分離する。角膜実質から完全に除去される上皮層16の場合、多くの場合5〜10%未満の上皮細胞が喪失し、これは層16が生存可能であることを保証する。従って、装置12によって上皮細胞の喪失を少なくすることができることで、角膜基質18上に戻した後、より生存可能な上皮層16が実現される。レーザー切除を行って上皮層16が角膜実質又はボーマン層上に戻された後のLASEKと比べると、このようなより存続可能な上皮層16によって眼10の治癒を改善することができる。
LASIKと比べると、本発明は、角膜基質18から多量の角膜実質物質を除去することはない(理想的には全く除去しない)。本発明が、LASEKの鋭利なブレードと同様に角膜実質物質を切って除去しないことにより、LASIK手術で残存する実質物質と比べると、より機械的に安定した角膜実質をもたらす。
同様に、LASIK手術と比べて、角膜実質物質を切り込んで除去しないことにより、視覚異常を生じるリスクもより小さくなる。本明細書で説明する手術とは異なり、LASIKで使用されるマイクロケラトームは、より「永久的な」組織である角膜実質のかなりの部分を含んだフラップを形成し、切除後にフラップを眼10に戻す。マイクロケラトームが、切除/矯正手術を行うのに必要とされるのとは異なる量の角膜実質を取り出した場合、患者はこの損傷を永久に抱えて生きるか、又は角膜移植のような矯正手術を更に受なければならない可能性がある。従って要約すると、同じ眼に関してLASIKのフラップが形成される場合と比較すると、レーザー切除前の角膜実質は、本発明の手術により上皮層16が除去された後、構造においてはるかに機械的に安定しており、その視覚的特性があまり影響を受けない。
本発明の別の利点は、本発明を使用して起きる障害の結果は、LASIKのような他の外科技術におけるものほど重大ではないことである。前述のように、LASIK手術中に角膜実質が不適切に手術された場合、永久的な視力障害が生じる可能性があり、又は追加の手術を必要とする場合がある。一方、本発明を利用している間に上皮フラップの分離で何か失敗した場合には、医師は単にフラップを処分することができ、フラップは数日中に再生される。
本発明の更に別の利点は、手術が簡単であること、手術が迅速であること、及び他の技術よりも手術の所要トレーニングがはるかに少ないことを含む。
図14〜図18、及び図35〜図36に示すようなセパレータ装置12’、2700の幾つかの実施形態では、ドラム42又はフィルム2740のようなホルダの追加による更に別の利点を含む。これらは、上皮層16の分離部分、又は分離された上皮層16全体をセパレータ14からディスク34の形態で受け取り、次いで、上皮層16を角膜基質18上に戻す必要があるまで、上皮層を破ることなく保持する。幾つかの実施形態では、ホルダはまた、水和及び/又は調整基材により、分離された上皮層16の一部又は全部をディスク34の形態(ただし、分離された上皮層は他の形状も可能である)で保存する。
図1Aは、患者の眼10と上皮セパレータ装置12とを示す。上皮セパレータ装置12は、セパレータ支持体28と、セパレータ支持体28によって支持されている鋭利でないすなわち鈍い縁部102、又はワイヤとを含むことができるセパレータ14を含む。セパレータ14は、鈍い縁部102又はワイヤ或いは他の分離用構造物が、最初に上皮層16のような組織層の接触縁部に接触し、適切な力及び/又は6000Hzから15,000Hzなどの適切な振動がセパレータに加えられると、セパレータ14は、角膜実質1910中に侵入/カットせずに、層16のような1つ又は複数の組織の層を角膜実質1910から(例えば押すことにより)分離させることができるよう構造的に設計されている。鈍い縁部102は、最初に、図1A及び図2に示すP方向に沿って横方向に0.5mmから2mm、より好ましくは0.8mmから1.6mm、或いは1.25mmから1.6mm、最も好ましくは1.25mmの振幅で振動する点に留意されたい。また、鈍い縁部102を図2に示すM方向に沿って振動させることもできる。いずれの場合も、振動する鈍い縁部102は同時にX方向に沿って並進し、角膜基質18に接触するまで上皮層16を穿刺するようになる。(前述のように角膜基質は基底膜を含む)この時点で、鈍い縁部102は、横方向の振動とX方向に沿った並進運動を続け、鈍い縁部102が上述の方法で層16を押すようになる。上皮層16の角膜基質18からの分離は、鈍い縁部102及びセパレータ14が異なる力学的性質を有する2つの物質、すなわち上皮層16と角膜基質18との間に劈開を生成する結果である点に留意されたい。劈開の位置は、(1)上皮層16と基底膜1900との間、(2)基底膜1900の中、(3)基底膜1900とボーマン層1908との間、及び(4)ボーマン層1908と角膜実質1910との間のいずれかとすることができる。特定の理論に縛られることなく、縁部102は、固体コラーゲン繊維を含む角膜基質18のセクションを分離し、この部分に分散した力が加わることで上皮層16が角膜実質1910から押し出されるようになると考えられる。劈開面は、ほとんどの場合基底膜で生じる点に留意されたい。
ここでは、鈍い縁部102が上皮層16とどのように接触するかに関しての幾つかの概念を理解することが役立つであろう。最初に、本出願全体を通して定義されるように、カットという動作は、物理的物体をカット面で定められる経路に沿って分離させる圧縮力及び剪断力を物理的物体上に発生させるようにカット器具のカット面に鋭角に向けられた力を印加することによって、物理的物体を2つの部分に分離する動作として定義される。これは、前述の鈍い縁部102による穿刺とは対照的であり、かかる穿刺は、鈍い縁部102により定められる経路に沿って層16を分離させる。縁部のカット能力は、縁部の表面とカット領域との相互作用によってカット領域に生じる応力に関係する点に留意されたい。応力は、力を加える表面積に反比例するので、角膜実質1910と接触している面積が拡大することで応力が軽減される。面積を十分に拡大すると、縁部のカットが防止され、その結果、本出願で定義する「鋭利でない」又は「鈍い」ものとして適格になる。例えば、図20に示した先行技術の「鋭利な」縁部2002は、図33〜図34に示し以下で説明する機械2500に対して縁部2002を適用することによって、「鋭利でない」又は「鈍い」縁部102に変換することができる。詳細には、機械2500は、丸みのある鈍い縁部が形成されたどの時点でも最初の縁部の様々な部分を屈曲させる。図23は、かかる屈曲の実施例を与え、丸みのある鋭利でない/鈍い縁部2100''の面積の大きさは、プレート15'''の先端の面積よりも大きいことを示している。
カットを避ける別の可能性は、角膜実質1910に加えられる力を弱めることである。極めて一般的な認識では、加えられる力は、プレート15により伝えられ、角度θに向けられた力Fの垂直成分であると仮定すると、加えられる力はFsinθの大きさを有する。従って、角度θを0度のように十分に小さく選択すると、加えられる力の大きさはカットが避けられる程度まで低減される。この状況ではプレート15は、矩形の垂直断面を有し、プレート15の平面底辺が角膜面上に平らに(θ=0)なり、遠位端の垂直断面が層16を押す。底辺と側辺との交差として定められる直角の下方のコーナーは「鋭利」であるが、角膜実質1910に対してどのようにもカット力を加える角度ではない。従って、直角の下方のコーナーは、角膜実質1910を切り取る能力に関しては事実上「鋭利でない」又は「鈍い」ものである。結局、角度は、プレート15に関して重要な要因ではない点に留意されたい。プレート15を介して加わる力が、眼により生じる圧力及び上皮層16により生じる分離への抵抗力を超えることができるかどうかが鍵である。プレート15がこれらの力に打ち勝つと、縁部102は、角膜実質1910を切り取ることを含まずに効果的な方法で上皮16を分離することができる。いかなる理論にも縛られることなく、本発明により行われる分離は、別個の全体の実体を互いに結びつける結合要素又は力を分断させることを含む。このような分断の結果、もはや互いに付着されていない別個の実体となると同時に、別個の実体の特性及び一体性が維持される。
上記の分析を用いると、プレート15が台形状の側断面を有し、プレートの底部は角膜表面に対し平らになり、力は底部に平行にプレートに加えられる場合に、プレートの底部と側部との間の角度のあるコーナーもまたカット効果において「鋭利でない」又は「鈍い」とみなされる。
セパレータ装置12によって行われる上述の押出処理の間、セパレータ14は、鈍い縁部102などによって、現在、縁部102と接触している層16の縁部であるいわゆる接触縁部19で上皮層16を押す。図1A、図4、図6、図8、及び図9に示すように、接触縁部19は、直線形状とすることができる。鈍い縁部102は、図1A、図4、図6、図8、及び図9に示すように、分離されていない上皮層19の外側境界部分を定め、接触縁部19とは反対側に位置する組織の外側縁部45に向かって接触縁部19を押す。図19に示すように、セパレータがX方向に沿って移動するにつれて、鈍い縁部102は、接触縁部19を持ち上げ、角膜実質1910から分離し、プレート15の上部部分に沿って移動する。前述のプレート15の上部部分は、分離された上皮層16の支持面として機能する。押出処理は、鈍い縁部102が角膜実質1910に切り込むことができないようにされ、押出処理が完了した後に元の状態と比較すると、組織層は実質的に無傷である。アルコール又は他の失活薬品を使用しないので、本発明の処理中に損なわれる上皮細胞の量は通常、LASEK手術を受けて損なわれる上皮細胞の量よりも少ない。
押出処理の終わりには、セパレータ14は、組織層全体を除去するのに十分な距離を移動しているか、又は組織層が未だ角膜基質18に付着しているよう少ない距離を移動している。後者の場合、上皮層16の分離した部分は、図9〜11に示すようにヒンジHによって上皮層16の残部に付着している。図9及び図10に示すように、ヒンジは直線的であって、鈍い縁部102が分離を開始する前の最初の位置に対して角膜に沿って移動した最も遠い地点に位置している。分離される上皮層16の最後の部分が依然としてヒンジHに付着している場合、最後の部分は通常、ヒンジHGにより定められる直線に平行な方向に沿って測定して約8.5mmから10mmの最大直径と、ヒンジHにより定められる直線に平行な方向に垂直な方向で測定して約9mmの最大直径とを有する大きさである点に留意されたい。
図1Bに示すセパレータの場合、セパレータは、矩形ブロックAの形態のセパレータ支持体28を含む。セパレータ支持体28は、金属及びプラスチックのような幾つかの硬質の滅菌材料で作ることができる点に留意されたい。プラスチックの場合、材料は、使用者がセパレータ支持体28の真下の眼10の部分を見ることができるように透明にすることができる。
矩形ブロックAは、分離処理中に大きく変形しないように十分な硬さを有する材料で作られる。許容可能な材料の例は、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、セラミック、又は公知の手術器具用金属である。矩形ブロックAは、高さが約3mm、長さが約12mm、幅が約2mmから6mmを有する。矩形ブロックAの底面47は、幅wが約2mmから6mm、前方縁部41に平行に測定した長さが約12mmである。矩形ブロックAの底部は、底部と眼との間の摩擦を低減するために研磨され、及び/又はパリレンのような材料でコーティングされる点に留意されたい。当然ながら、本発明の精神から逸脱することなく底面47及びブロックAについて他の形状及び向きにすることができる。例えば、ブロックAの底部が角膜基質18に触れないように、ブロックAを再設計することができる。
図1Bに示すように、セパレータ14は、セパレータ支持体28のブロックAに形成された傾斜した凹部17内に位置付けられた平面状プレート15を更に含む。凹部は、プレートの高さ/厚さ及び幅と実質的に一致する高さ/厚さh及び幅を有する寸法にされ、プレート15が凹部17を含む平面に平行な方向に沿って移動するように制限されるのが好ましい。方向Pのプレート15の移動(図1A及び図2)が所望される場合、凹部の幅は所望量だけ大きくすることができる。
プレート15は、ポリマー、金属、及びプラスチックなどの幾つかの実質的に硬質の滅菌材料で作ることができる。プレート15は、分離処理中に振動を防止し上皮層16を押すことができる特性を有しながら、できるだけ軽量であるように設計される。好適な材料の例は、PMMAであり、この場合プレートは、約0.5gの質量を有する。プレート15は、プレート15と眼との間の摩擦を低減するために、研磨され、及び/又はパリレンのような摩擦低減材料でコーティングすることができる点に留意されたい。
プレート15の厚さは、約100から400μmの範囲、好ましくは200から300μm、更に好ましくは250μmである。プレートの幅は約10mmである。プレート15の鈍い縁部102は、上皮層16の単一の細胞の半分の厚さから層16の全厚にわたることができる厚さを有する。また、層16の全厚よりも大きな厚さを有してもよい。より好ましくは、プレート15の鈍い縁部102は、2つから3つの細胞層の厚さを有する。プレート15は、0°から90°、好ましくは10°から60°、最も好ましくは20°から40°の範囲にわたる角度θで延びる。プレート15の遠位端では、鋭利でない/鈍い縁部102が、以下に説明する一定の力及び振動を受けたときに、組織層の下にある角膜実質1910中に貫通することなく、上皮層16などの除去される組織の1つ又は複数の層に接触するように成形及び設計されている。言い換えれば、装置12の使用中に、縁部102は、上皮セパレータ装置12の作動中にかかる組織をカット又は切り取るように角膜実質1910中に貫通するほど鋭利ではない。従って、図20に関連して前述したブレード2000の前縁部2002は鋭利であり、角膜実質1910から層16を分離するのに使用される場合に角膜実質1910を切り取る危険があるので、この鈍い縁部102は、前縁部2002とは全く対照的である。鈍い縁部102は、最初に層16を貫通した後及び後続の分離処理の間に、上皮層16と接触するプレート15の遠位端部分である点に留意されたい。また鈍い縁部102は、カットせずに角膜基質18と接触しているプレート15の隣接部分も含む。従って、プレート15は、上皮層16(移動/分離処理中に層16を実質的に損傷しないので)及び角膜実質1910(角膜実質1910に接しているプレート15表面が分離処理中に実質を損傷しないので)に対して共に鈍い縁部を定める。
図1Aに示すように、セパレータ支持体28及び底面35は、最初は患者の眼から離れた位置にある。図1A〜B及び図2に示すように、セパレータ14のセパレータ支持体28は、(移動中に層16の穿刺又はカットを避けるために)極めて丸みを帯びた形状であることにより極めて鈍い遠位端33とスロート領域Bを介して一体的に連結されており、この遠位端は、アプラネータとして働き三角形断面を有する。(当然ながら、端部33には他の形状も考えられる。)
セパレータ支持体28及び底面35は、X方向に沿って並進され、図3に示すように底面35が、上皮層16の外周縁の内側の位置で眼の外面と最初に接触するようにする。かかる接触の間、遠位端33及び底面35は、共にアプラネータとして働きながら、上皮層16の外面及びその下の角膜基質18の対応する部分を圧迫する。このような圧迫により、層16は、図3、5、及び7に示すように、鈍い縁部102から少なくとも遠位端33の前縁部41まで比較的平らであるようにされる。このように遠位端33の底面35は、アプラネータとして働く。
遠位端33の底面35は、底面35が層16の上部に沿って移動するにつれて層16の構造的一体性を低下させる可能性を低減するために、可能な限り滑らかに研磨される必要がある点に留意されたい。加えて、実質的に平坦な底面35は、分離中に縁部102と角膜との間の所望の角度を維持する助けとなる。底面35は、底面35と眼との間の摩擦を低減するために、パリレンのような摩擦低減材料でコーティングすることができる。遠位端33は、何らかのポストアプリネータすなわちブロックAによって印加される必要のある圧力を減少させる。本明細書に記載した実施形態の各々では、アプリネーション及び/又はポストアプリネーションを行うことができ、或いはいずれも行わない場合もある点に留意されたい。
遠位端33の底面35は、底面47と水平であるように実質的に水平(ただし、わずかに角度を有する場合がある)であり、端部33の底面35が最初に上皮層16の最も外側の細胞と接触するように(図19参照)、鈍い縁部102に対して高くなり且つオフセットされている。底面35は、様々な形状を有することができ、縁部102に対し平行に延びて1mmから10mmにわたる幅を有する。詳細には、鈍い縁部102は、底面35の後方縁部から約300μmの距離dだけ横方向にオフセットされ、底面35の下に約240μmから300μmの距離にわたる距離だけ垂直方向にオフセットされている。横方向のオフセットは、縁部がどの程度鈍いかに応じたものである点に留意されたい。例えば、縁部102が鈍いほど横方向のオフセットdが大きくなる。横方向のオフセットdが広がるほど、縁部102が更に上皮/角膜に押しつけられることになる。そのため、縁部102が極めて鈍く、通常では処理の開始時に上皮層16に最初に侵入できないと判明した場合、圧力を増大させて縁部102が上皮層16を侵入することができるようにオフセットdを大きくすることができる。同様に、縁部102の鈍さが、縁部102に軽い圧力を加えるだけで上皮層16を侵入することができる場合は、オフセットdを小さくすることができる。
図1に示すように、セパレータ装置12は、チタンを含む金属のような滅菌可能な硬質材料で作られた環状リング20を含む。リング20は、上方円形開口23及び下方円形開口25を定めるハウジング21に支持され取り付けられている。上方開口23は、リング20の内径と一致する直径を有する。底部開口25は、外壁27で構成され、該底部開口は16mmないし21mmの直径を有する。外壁27の底部は、眼10の一部の曲率の外半径に適合するように湾曲している。別の方法では、外壁27は、外壁27の直径に応じて湾曲する代わりに傾斜させることができる。ハウジング21は、リング20の材料のような滅菌可能な硬質材料で作られ、且つ目に適合させるのに必要な高さを有し、壁27の直径及び眼の平均の解剖学的データに基づいている。図1A及び図2に示すように、外壁27の底部は、ハウジング21の上面31が眼10の縁に平行になるように、眼10の外面に置かれる。外壁27の底部及び上面31は、特定の個人の目により良好に適合し、外壁27の底部が角膜基質18に切り込むのを防止するためにわずかに傾斜させることができる。その結果、上皮セパレータ装置12のリング20が眼10の上に置かれ、リングの面もまた眼10の縁に実質的に平行になる。図2に示すように、リング20は、約10から約12mmにわたる直径を有する内円周22と、約13から約16mmにわたる直径を有する外円周24とを定め、溝26(図15で最もよくわかる)を含む。溝26は、以下では内径と呼ぶ内円周22の直径よりも広い寸法にされている。セパレータ支持体28の矩形ブロックA内に形成された雄部材37は、溝26内部で好適に適合して摺動し、決定された直線移動経路上でセパレータ14を搬送する。同様の溝/雄部材構造は、図24A〜B及び図25の上皮セパレータ装置400で用いられている。
図1A〜Bに示すように、セパレータ支持体28及びプレート15は、(1)縁部102に直線及び振動運動を与える振動装置30、又は(2)直線運動装置のような運動装置に結合されている。振動装置30の場合、装置30は、凹部17及びプレート15の長さに沿って延びる平面と一致して延びる平面内にある力Fの線に沿ってプレート15上に力を発生させる。力Fは、振動装置30によって引き起こされるX方向に沿ったセパレータ14の並進運動によって発生されるのが好ましい。
振動装置30は、プレート15を図1Aに示すP方向に沿って振動させると同時に、プレート15をX方向に沿って並進させるのが好ましい。かかる振動のためには、ブロックAの凹部の幅を所望量だけ拡大することができ、振動装置30は、プレート15がP方向に沿って自由振動できるように変更される(当業者には容易に理解されるであろう)。P方向に沿った振動の周波数は、約10Hzから約10KHzにわたり、かかる振動の振幅は、0.5mmから2mm、好ましくは0.8mmから1.6mm、又は1.25mmから1.6mmにわたり、最も好ましくは1.25mmである。かかる振動は、縁部102に角膜実質1910から層16を分離させる助けとなる。振動は、P方向の代わり又はP方向に加えてM方向に沿うことができる点に留意されたい。
プレート15上の電磁気力又は圧電力により振動をもたらすことができ、或いは外部の回転又は振動ワイヤにより振動をもたらすことができる。例えば、シャフトの一端を、シャフト自体に平行な軸の周りにシャフトを回転させるモーターに連結することができる。ワイヤは、シャフトの他端に連結され、オハイオ州クリーブランドのRefractive Technologies,Inc社により商標FlapMakerで販売されているマイクロケラトームで用いられているように回転シャフトにより回転される。
別の実施形態では、振動装置30内に2つの別個のモーターがある。すなわち、振動装置30は、第1のモーターを介してセパレータ支持体28に別個に結合されて、遠位端33及び鈍い端部102を含むセパレータ支持体28に対し一定の並進速度を発生するようにし、すなわち該定速度は、眼10の中心に向かって約0.8から3mm/s、好ましくは約1.2から2mm/sにわたり、最も好ましくは約1.5又は1.6mm/sである。プレート15の端部に最も近い第2のモーターは、プレート15に結合され、M方向に沿ってプレート15を振動させるようにする。従って、第1のモーターがX方向に沿って並進すると、第2のモーター及び結合プレート15(及びプレート15に結合された支持体14全体)は、X方向に沿って並進する。当然ながら、振動装置30ではなく、別個の装置を使用して支持体28を並進移動させてもよい。
振動及び並進運動の最終的な影響は、力Fが、縁部102によりプレート15及び凹部17の縦方向の範囲に沿って層16に加えられることである。理想的には、発生した力Fの垂直成分が、眼の中の圧力により生じた上向きの力を相殺し、発生した力Fの水平成分が、上皮層16により生じた水平摩擦力を相殺する。力Fの水平成分と摩擦力との相殺の結果、セパレータは一定の速度で移動するようになる。
例えば振動及び並進中にリング20を眼10の上に維持するために、ハウジング21及びリング20は、眼10に好適に適合してシールが形成されるようにし、内部キャビティ39内の空気は、眼10の側部に位置付けられた円周溝32を介して排気される。この円周溝32に吸引を加えてキャビティ39内の空気を排気し、リング20を眼10に安定して取り付けることを確実にすることができる。排気されたキャビティ39内の大気圧よりも低い圧力は、300mmHgから700mmHgに及ぶ。
図3及び図4は、眼10、及び眼に対して第2の位置にあるセパレータ14のそれぞれ側面図及び上面図である。この第2の位置は、眼10と縁部102及び端部33の両方とが最初に接触する時点を表している。この位置では、プレート15及び縁部102は、最初にP方向に沿って振動され、セパレータ支持体28はX方向に沿って移動されて縁部102が上皮層16に侵入するようにする。前述のように、セパレータ14が移動して眼10と接触すると、上皮層16の一部及びその下にある対応する角膜基質18は、端部33の縁部41及び底面35により定められるアプラネータによって平坦化される。同時に、鈍い縁部102が層16を押し始める。このように押すことにより、層16が眼の中心に向かって押されるようにする。
セパレータ14の角膜全体にわたる前述の移動に対応するために、セパレータ支持体28は、図15の雄部材37のような雄部材を有することができ、該部材はリング20内に形成された図15の溝26のような対応する底部溝と係合する。セパレータ支持体28は、振動装置30がセパレータ支持体28を押して支持体28が溝26内で自由に摺動するように装置30に結合される。従って、プレート15及び縁部33は、振動装置30を介してM方向に沿って並進する。
図5及び図6は、眼10及び第3の位置にあるセパレータ14の側面図及上面図である。セパレータ14が角膜10に沿って移動すると、セパレータ14の鈍い縁部102は、角膜18に侵入、又はこれをカットすることなく上皮層16を分離する。端部33の縁部41及び底面35は、上皮層16の一部を連続的にアプリネートする。底面47が上皮層の分離された部分の下にある角膜基質18と接触すると、底面47によって更にアプリネーションが可能とされる。セパレータ14が角膜にわたって移動すると、より多くの底面47が角膜基質18に接触し、上皮層16が角膜から分離することにより、底面47によって行われるアプリネーションは漸次的に増大する。適用がこのように増大すると、眼間圧力が徐々に増大するようになると考えられる。眼間圧力を増大させることにより、分離の初めと終わりにおけるセパレータと非接触角膜との間の角度関係の差異を補正することができるので、眼間圧力をこのように増大させることは、完全な分離の達成において役割を果すことができる。特定の理論に縛られることなく、圧力を増大させることにより角膜を縁部に押し付け、分離処理の終わりにおいて、分離方法が始まった端部とは反対側の眼の端部近くでセパレータが上皮層16を貫通して延びるのが阻止されると考えられる。
より詳細には、図19は、眼10の角膜実質1910から上皮層16を除去しているプレート15及びその鈍い縁部102の拡大側面図である。上皮層16は、上皮細胞1902で構成されている。上皮層16は、基底膜1900の上にある。基底膜1900は、基底上皮細胞1922、すなわち上皮16の基底/底部にある上皮細胞により形成されている。基底上皮細胞1922が成長すると、基底膜1900も成長する。基底膜1900は、厚さ約50nmの基底層1904、及び下にある厚さ約25nmの透明層1906から形成されている。基底層1906は、ボーマン層1908の上にある。上皮層16は、係留繊維(VII型コラーゲン)と、基底層1904及びボーマン層1908のコラーゲン繊維と相互に作用する係留プラーク(VI型コラーゲン)との複合メッシュを介してボーマン層1908に係留される。ボーマン層1908は、角膜実質1910の上にある。
上皮層16は層状であり、上皮細胞1902の5から6層を有する。上皮層16は、厚さが約50から60マイクロメートルである。隣接する上皮細胞1902は、デスモソーム1912によって互いに保持される。上皮細胞1902は、ヘミデスモソーム1914及び係留フィラメントにより下にある基底膜1900に保持される。上皮層16の底面は、多くの微絨毛及び微小ひだ、すなわち隆起部を含み、その糖衣コートが角膜前涙液層と相互作用して、これを安定させる助けとなる。新しい上皮細胞1902は、基底膜1900層の有糸分裂活性に由来する。新しい上皮細胞1902は、既存の細胞を外面方向及び中心方向に向かって変位させる。
上述のように、プレート15は、鈍い前縁部102を含み、プレート15及び鈍い縁部102が上皮層16の下で移動するときに上皮細胞1902を押す。プレート15は、上皮細胞1902を押し、デスモソームのような細胞間の結合を分断することができる力を加えないのが好ましい。従って、プレート15は、角膜実質1910を切り取ることなく上皮層16を実質的に無傷で分離することができるので、以下に説明するように、レーザー切除処理が終了すると、残っている細胞上の元の静止領域に戻すことができる。上皮層16を分離する部分は、多くの場合、基底層1904と透明層1906との境界部で生じることがわかっている点に留意されたい。他の例では、基底膜1900及び/又はボーマン層1908の幾らかの破片もしくは一部分が、上皮層16の分離された部分に付着して残っている場合がある。更なる例では、上皮層の全厚より小さい厚さを有する上皮層の一部が除去される可能性がある。しかしながら、前述のようにかかる部分的な除去は、本発明を実施するのに望ましくない。プレート15は、場合によっては上皮層16の剪断強度の大部分を含む上皮細胞1902の底部の2から3層を押すのが好ましい。
図7及び図8は、眼10及び第4の位置にあるセパレータ14の側面図及び上面図である。一実施形態では、セパレータ14の移動は、分離された上皮層16の円形状領域が角膜縁又は瞳孔と同心で形成されるように制御される(瞳孔は一般的に角膜の中心ではなく、多くの眼ではわずかに偏心している可能性がある)。セパレータ14及びその鈍い縁部102の移動は、鈍い縁部102が層16を円形に形成する直前など、所望の位置で停止するようにプログラムされている。かかる停止により、角膜基質18から分離された層16の部分と角膜18から分離されていない層16の部分との間にヒンジ領域が生成される。この段階では、層16の分離された部分は、「D」型の形状を有し、当然ながら「D」の直線部分は、「D」の高さよりもかなり小さい。例えば、図1〜図8に示した段階的移動の最終段階の間、セパレータ14及び鈍い縁部102は、円形ディスクが完全に分離する少し前に移動を停止して、図8に示すように目の左部分の層16の縁部36に位置付けたヒンジに取り付けられるD形の上皮ディスク34が形成される。別の実施形態では、上皮ディスク34は、以下に説明するように、例えば角膜実質1910から完全に切り離される。D形の上皮ディスク34、又は完全に切り離されたディスクのいずれも、レンズを受けるためのポケットを形成するように成形することができる点に留意されたい。
上述の除去処理は、層16の引き上げ/操作を行う手持ち式スパーテルと組み合わせて行うことができる点に留意されたい。手持ち式スパーテルは、前述したLASEK手術中に使用するものと同様である。更に、除去処理全体は、上皮層16と相互作用して緩めるためにアルコールなどの薬品を使用しないという点において、機械的なものである。数滴の生理食塩水をセパレータ装置に加えて生理食塩水の液滴が縁部102及び眼に作用し、分離処理中に層が表面2204に固着しないようにすることができる点に留意されたい。生理食塩水の液滴は、上皮層16と角膜基質18との結合を緩めるように上皮層16に相互作用することはない。
図9は、眼10と、上皮ディスク34が形成された後の後退位置にあるセパレータ14との上面図である。セパレータ14のこの実施形態では、アプラネータ及び鈍い縁部102は、図1〜図8のアプラネータ及び鈍い縁部102よりも図1Aの面31に対して高い位置に形成されている。すなわち、アプラネータ及び鈍い縁部14は、眼の頂点により近接した平面に沿って眼と接触する。従って、より高い面により交差される眼の断面積は、低い位置の平面により形成される断面積よりも小さい。その結果、アプラネータ及び縁部がより高い位置に形成される場合には、より小さい上皮ディスク36が分離される。分離直径とは、上皮細胞を剥離された角膜基質18の部分の直径を意味するように示されている点に留意されたい。従って、上に与えられた実施例において、分離直径は、角膜基質18と鈍い縁部102により移動方向で定められる面との交差に対応するほぼ円形領域の直径に等しい。
セパレータ14が後退した後、円周溝32の吸引を止めて、上皮セパレータ装置12を眼10から取り除く。また図10を参照すると、上皮セパレータ装置12が取り除かれた後に、脱上皮化領域38が露出し、これは実質的に、セパレータ14及び縁部33が移動中に接した領域の形状及び大きさに相当する。上皮層が角膜の表面から分離されたこの時点で、医師が露出した領域に手術を行うことができる。例えば、医師は、レーザーメーカーに従って、領域38に適用するレーザー切除に集中することができる。
図11は、脱上皮化領域38にレーザー切除を行った後の図10の眼10の上面図を示している。レーザー切除は、眼10に照射領域40を形成する。図12を参照すると、その後、上皮ディスク34は、眼10の角膜基質18の残存部分に戻されて、治癒過程の助けとなる。LASIKのフラップを扱うのに一般滴に使用される公知のスパーテルを使用して上皮ディスク34を戻すことができる点に留意されたい。またスパーテルは、分離処理中に上皮層16を引き上げ/操作するのにも使用することができる。図13を参照すると、上皮ディスク34は、角膜基質18の残存部分に戻されると、マニピュレータ、スパーテル、ピンセット、又はスポンジなどの公知の外科用器具によって所定の位置に滑らかに延伸されるのが好ましい。上皮ディスク34は巨視的には一体性があるので、所定の位置に容易に操作することができる。上皮層は、角膜に付着しないので、傷当てとして機能するようにPRKと同じく上皮層を覆って目にソフトコンタクトレンズが置かれる。上皮ディスク34を戻すことにより、眼10の露出した神経が上皮ディスク34で覆われるため、PRKのように眼10の切除部分が露出したままにされる場合と比べてより痛みのない回復が可能になる。戻された上皮ディスク34の下で新しい上皮細胞が成長すると共に、上皮ディスク34の細胞は死ぬ。分離された上皮ディスク34は通常、約3〜6日で新しい細胞と完全に入れ替わる。
図21は、プレート15’で使用することができる前縁部2100の実施形態の側面図である。プレート15’は、前縁部2100を使用すること以外は、図1〜図9のプレート15と同様の構造である。プレート15’は、セパレータ支持体28により支持されて、プレート15’及びセパレータ支持体28が、図1のセパレータ14に代わるセパレータの別の実施形態を定める。プレート15’は、図1〜図9に関して前述したプレート15と同様に、振動装置30によって移動される。上皮層16を除去する間、プレート15’の底部平面3000は、基底膜1900の下にある角膜に隣接して平行に位置付けられ、平坦な前縁部2100は層16と接触する。角膜実質1910の切り取りを避けるために、このような配向を用いることができる。従って、平坦な前縁部2100、上面3002、及び底面3000は、上皮層16が実質的に損傷なしに移動され、底面3000及び前縁部2100の移動中に角膜が損傷されないので、上皮層16及び角膜に対して鈍い縁部を形成するものとして共に扱うことができる。前縁部2100が移動して層16の一部を除去/分離するときに底面3000はアプラネータとして働く。上面3002は支持面として働き、分離処理中、分離された上皮層16をこの上に置くことができる。セパレータ14の前縁部2100は、縁部2100が上皮層16に侵入する可能性が大きくなるほど大きな幅wを有するべきではない。前縁部2100は、好ましくは5から25マイクロメートルにわたる幅w、更に好ましくは約15マイクロメートルの幅wを含むが、50マイクロメートルよりも大きい場合もある。図21の実施形態は、セパレータの端部を丸くする必要はないので、図22の実施形態よりも有利である点を留意されたい。
図22は、プレート15”で使用することができる前縁部2100’の第2の実施形態の側面図である。プレート15''は、上皮層の部分を分離するために前縁部2100’を使用すること以外は、図1〜図9のプレート15と同様の構造である。プレート15''は、セパレータ支持体28により支持され、プレート15''及びセパレータ支持体28が、図1のセパレータ14に代わる別のセパレータの実施形態を形成する。プレート15''は、図1〜図9について前述したプレート15と同様に、振動装置30によって移動される。上皮層16を除去する間、プレート15''の底部平面3000’は、基底膜1900の下にある角膜に隣接して実質的に平行に位置付けられると共に、前縁部2100’は層16と接触する。従って、前縁部2100’、上面3002’、及び底面3000’は、上皮層16が実質的な損傷なしに移動され、底面3000’と前縁部2100’の移動中に角膜が損傷されないので、上皮層16及び角膜に対して鈍い縁部を定めるものとして共に扱うことができる。前縁部2100’は、平坦ではなく丸みがある。前縁部2100’は、図21の前縁部2100と同様の幅wを有する。前縁部2100’は、1ミクロンから20ミクロン又は縁部2100’の厚さの約半分の値を有する曲率半径rを有する。
底面3000’は、前縁部2100’が移動して層16を除去するときにポストアプラネータとして機能する。本発明の実施形態及び本明細書で説明する他の実施形態で使用する用語「ポストアプラネータ」及び「ポストアプリネートする」は、縁部が上皮層16を分離した後に存在する角膜実質18の残存部分をアプラネートする面をセパレータが含む状況に関連する点に留意されたい。かかるポストアプラネータは、幾つかの利点をもたらす。例えば、ポストアプラネータは、単一の部品として具現化され、複数部品の組立体と比較すると、眼に対する位置決めにおいて有意な許容誤差がない。第2の利点は、ポストアプラネータが、上皮ではなく角膜基質18の残存部分と接触しており、これによって縁部2100’と角膜基質18の残存部分との一定の関係を確保することである。この第2の利点は、以前に外科的処置を受けたことがない眼において明らかになる。詳細には、患者ごとの上皮層の厚さの変化は、同じ患者の角膜の寸法の変化よりも大きい。上皮の厚さのかかる変化の結果、プリアプリネータが縁部2100’の位置付けに影響を与えることになる可能性があり、他方、ポストアプラネータは、縁部2100’の位置付けにはほとんど影響を与えない。上述の処理及び実施形態は、一貫した方法で容易に繰り返すことができる安全な分離処理を提供する。
平面3000’は、図1Aに示すものと同様に角度を付けることができる点に留意されたい。図22の平坦な方向、又は斜めの方向のいずれにおいても、プレート15''から加えられる力は、眼に生じる圧力及び上皮層16に生じる分離に対する抗力に打ち勝つことができる。
図23は、プレート15'''で使用することができる前縁部2100''の第3の実施形態の側面図である。プレート15'''は、前縁部2100''を使用すること以外は、図1〜図9のプレート15と同様の構造である。プレート15'''は、セパレータ支持体28により支持され、プレート15'''及びセパレータ支持体28が、図1のセパレータ14に代わるセパレータの別の実施形態を形成する。プレート15'''は、図1〜図9について前述したプレート15と同様に、振動装置30によって移動される。上皮層16を除去する間、プレート15'''の底部平面3000''は、基底膜1900の下にある角膜に隣接して平行に位置付けられると共に、前縁部2100''は層16と接触する。角膜実質1910の切り取りを避けるために、このような配向を用いることができる。従って、前縁部2100''及び底面3000''は、上皮層16が実質的な損傷なしに移動され、底面3000''及び前縁部2100''の移動中に角膜が損傷されないので、上皮層16及び角膜に対して鈍い縁部を定めるものとして共に扱うことができる。前縁部2100''は、例えば図20に示すブレード2000の前縁部2002を屈曲することにより構成される。前縁部2100''は、約5から25マイクロメートルの直径、又は2から13マイクロメートルの半径を含むのが好ましく、15マイクロメートルの直径を含むのが更に好ましい。底面3000''は、前縁部2100''が移動して層16を除去するときにポストアプラネータとして働く。上面3002''は支持面として働き、この上に分離処理中に分離された上皮層16を置くことができる。前縁部及び底面は、角膜実質に対して傾斜させることができる点に留意されたい。
図24A〜B及び図25は、上皮セパレータ装置4000の第2の実施形態を示す。上皮セパレータ装置4000は、金属のような硬質材料で作られたハウジング4002を含む。ハウジング4002は、互いに一体に取り付けられたトラック4004と駆動カップリング4006とを形成する。トラック4004は、平面4008と、約12mmから16mm、より好ましくは13mmから15mm、最も好ましくは14mmの距離だけ互いから離れている2つの垂直側壁4010及び4012とによって形成される。トラック4004の一端には、約11mmの直径を有する円形開口4014が、面4008内に形成されている。面4008の底部には、開口4041を中心とする直径19mmの環状スカート4011が形成される。スカート4011は、面4008と同じ材料で形成され、これに一体的に取り付けられている。スカート4011内には、図23Bに示すように面4008の底部から突出した7つの弧状突起部4016がある。突起部4016は、長さが等しく、同じ角度で互いから離間し、開口4014を中心としている。突起部4016の各々は、傾斜した自由端部を有し、これは、角膜と接触するときに眼の一部の曲率の外半径に適合するように湾曲している。突起部4016は、(1)結膜を所定の位置に保ち、(2)スカート4011の外周の真空を均一に分布させるよう機能する。結膜は、スカート4011が取り付けられている部分において眼を覆っている膜のような組織である。結膜は、何らかの理由で遊離し、その結果、スカート内を真空にされるときに盛り上がる場合がある。結膜が、吸引リング内で盛り上がった場合、吸引ポート(ここでチューブ4034が吸引リングに入る)まで進み、これを閉塞する可能性がある。この場合、真空は吸引リングの周りで均等に分布されず、装置全体が眼の上で安定しないことになる。
装置4000は、図24〜図25に示すようなセパレータ4018を含む。装置4000では、セパレータ4018ではなく他のセパレータを使用することができる。例えば、図1〜図9のセパレータ14、図21〜23のプレート15’、15''、及び15'''を含むセパレータ支持体28、並びに図30〜31のセパレータ14’及び14''を装置4000に使用することができる。図25に示すように、セパレータ4018は、平面2200及び2210の端部に形成された鈍い前縁部2100'''を含む。平面2200及び2202は、0から90度、好ましくは10から60度、好ましくは約10から30度にわたる量だけ互いから角度的に離される。底部平面2202は、平面の底面2210に対して20から60度までの範囲、好ましくは約26度で配向されており(移動方向に沿った幅約300μm)、約1.5mmの長さdを有する。前縁部2100'''が層16を押すと同時に、底面2210がアプラネータとして機能して、セパレータ14が移動する間に眼を平坦にする。前縁部2100'''及び面2200、2202、及び2210は、分離処理中に上皮層16を実質的に損傷せず、角膜を傷付け又はカットしないので、面2210並びに面2200及び2202の少なくとも一部は、合わせて鈍い縁部とみなすことができる。更に、面2200は、分離処理中に分離した上皮層を支持するための支持面として機能することができる。
セパレータ4018は、金属ホルダ4020内に位置付けられ、(1)面4008上を摺動する平坦な支持面4022と、(2)U字状の側壁4024と、(3)回転可能な上面4026とを含む。支持面4022は、図15の雄部材37と同様の、平行な底部側面の雄部材を含み、これは図15の溝26と同様、側壁4010、4012に形成された対応する底部溝と係合する。上面4026が、開放位置まで回転した後、セパレータ4018は、ホルダ4020により定められたキャビティ中に摺動し、矩形凹部4027が、面4022の上面に形成された矩形雄部材(図示せず)によって好適に係合され、セパレータ4018の前縁部がホルダ4020から外方に延びるようになる。適切に位置付けられると、上面4026は、閉鎖位置まで回転され、ここで上面4026がセパレータ4018の上面のすぐ上に位置する。次に、セパレータ4018は、上面4026のネジ4028を締め、閉鎖上面4026の下に位置するホルダ4020の本体内に形成された開口部と螺合すると、所定位置で保持される。このようなねじ動作により、面4026の底部をセパレータ4018の上面と係合させて、セパレータ4018をホルダ4020内に捕捉する。
セパレータ4018は、上皮の下に位置する角膜組織を切開することなく上皮層16に接触してこれを除去するように設計される。セパレータ4018は、図1〜図9に関するセパレータ14について前述したものと同様に、眼10の角膜実質1910の上にある上皮層16を除去する。セパレータ4018は、上皮セパレータ装置4000の操作中に角膜組織を削り取るほど鋭利ではない。
図24Aに示すように、セパレータ4018は、端部の一方をホルダ4020の後部に取り付けたロッド4032を介して振動装置4030に結合される。ロッド4032の他端は、駆動カップリング4006内に形成された開口を貫通し、振動装置4030に直接結合される。ロッド4032の他端は、カップリング4006に対してロッド4032が並進できる距離を制限するストップ部を形成する。ストップ部が、開口を定める駆動カップリング4006の部分と係合すると、セパレータ4018の前縁部は、装置4000の端部4034に最も近い開口の傍を通る。振動装置4030は、面4008に平行な力をセパレータ4018に発生させる。
操作中、スカート4011及び突起部4016は、眼10の外面に置かれてシールを形成するようにし、面4008は眼10の角膜縁と平行になる。例えば振動中に、眼10の上にスカート4011を維持するために、内部キャビティの中の空気は、眼の側部に位置付けられた入口4034から排出される。キャビティ39内の空気が排出されてスカート4011を眼10に安定して取り付けることが確実になるように、入口4034を介して吸引を行うことができる。
装置4000と同様の装置は、米国特許出願公開番号2005/0055041 A1に記載されており、その内容全体が引用により本明細書に組み込まれる。
吸引を行うと結膜組織のような組織が眼から変位し、入口4034を塞ぐようになる可能性があることが知られている点に留意されたい。これを克服するために、図26に示すようにC型ガード5000を用いる。ガード5000は、滅菌可能金属又は硬質プラスチックなどの弾性材料で作られ、スカート4011の内部の直径よりもわずかに大きい直径を有する。従って、ガード5000が、スカート4011により定められるキャビティ内に配置されると、ガード5000の底部5002は、バネ様にスカート4011の底部に係合し、シールを形成するようになる。ガードの上部5004は環状形状であり、底部5002の外面に対し内方にわずかに凹状である。上部5004は、幾つかの矩形開口5006を形成させ、複数の弧状ガード5008を定める。ガード5000がスカート4010内に挿入されると、ガード5008のうちの1つが入口4034の前部に位置付けられる。作動中、ガード5000により、凹状の上部5004、スカート4011、及び開口5006によって定められる通路を介して吸引を行うことが可能となる。ガード5008は、組織が入口4034を塞ぐ前に該組織を捕獲/阻止する。ガード5000は、同様に図1の装置と共に用いることができる点に留意されたい。
装置4000が眼の上に置かれると、振動装置4030は、セパレータ4018に並進運動及び振動を与えるために、振動装置30に関して前述したのと同様に動作される。更に、上皮層16は、角膜18を切り取ることなく図3〜図8の装置に関して前述したのと同様に取り除かれる。セパレータ4018単独で角膜10のアプラネーションを行う場合、図27〜図29に示すように、ホルダ4020の前面に装着されて間隔を置いて配置された金属のアプラネータ6000を用いることでセパレータ4018と連続してアプラネーションを行うことが可能である点に留意されたい。従って、動作中、上述のように層16の一部が分離/除去される間、角膜は、アプラネータ6000によって最初にアプラネートされ、次いでセパレータ4018によってポストアプラネートされる。
前述及び後述の実施形態の全てにおいて、上皮層16の分離は依然として、プリアプリネーション及び/又はポストアプリネーションを利用することなく行うことができる点に留意されたい。
アプラネータ6000は、X方向に沿って測定すると約2mmの幅を有する。図29に示すように、アプラネータ6000の下方部分は丸みがあり、研磨されている。図27及び28に示すように、アプラネータ6000は、垂直部分6002の端部が、前述した側壁4010、4012の底部の溝に嵌り、この中で摺動するように垂直部分6002が曲げられた「H」形状である。支持面4022の雄部材6004が部分6002へ延びて、金属ホルダ4020が前方へ移動したときに、雄部材が垂直部分6002に係合し、更にアプラネータ6000を押すようにされる点に留意されたい。しかしながら、支持面4022が反対方向に後退する場合、アプラネータ6000は移動せず、従って後退しない。
動作中、角膜は、上述のようにして層16が除去されている間に、最初にアプラネータ6000によってアプラネートされ、次いでセパレータ4018によってポストアプラネートされる。アプラネータは、鈍い縁部が目に達する前に眼を平坦にする。アプラネータ6000は、上述と同様に動作するように、図1に示す装置で使用されるよう適合することができる点に留意されたい。上述のように、かかるポストアプリネーションは、複数部品の組立体と比べると有意な許容誤差がなく、縁部2100’の位置決めにほとんど影響がないといった利点をもたらす。
層16が除去された後、セパレータ4018は、図9に示すセパレータと同様に後退する。セパレータ4018が後退した後、吸引を止めて、上皮セパレータ装置4000を眼10から取り除く。上皮セパレータ装置4000が取り除かれた後、図10に示すような、セパレータ4018が移動中に接触した領域の形状及び大きさに相当する脱上皮化領域38が露出する。
次に、露出した領域のレーザー切除を行い、図11に示すように照射された領域40を眼10の上に形成する。図12を参照すると、その後、上皮ディスク34は、眼10の角膜基質18の残存部分状に戻されて、治癒過程の助けとなる。図13を参照し、角膜基質18の残存部分に戻されると、上皮ディスク34は所定の位置に滑らかに延伸されるのが好ましい。ディスク34は、図14〜図18に関して前述した装置を用いて除去することができる点に留意されたい。
図30は、図24A〜Bの上皮セパレータ装置4000において、セパレータ4018(図25参照)に代わることができるセパレータ4018’の第2の実施形態の側面図を示す。詳細には、セパレータ4018’は、ホルダ4020によって定められるキャビティ内に摺動することができ、矩形凹部4027が面4022の上部に形成された矩形雄部材(図示せず)により好適に係合され、セパレータ4018’の前縁部2100’が外方に延びるようになる。また、セパレータ4018’は、図1〜図9のセパレータ14及び上皮装置12の端部33と代わることができることも想定される。セパレータ4018’の鈍い前縁部2100’は丸みがあり、0から90度、好ましくは10から60度、最も好ましくは約10から30度にわたる量で互いから角度的に離れた平面2200’及び2202’の端部に形成されている。底面2202’は、ハウジング21の上面31に対して約20から60度、好ましくは26度に向けられ、約1.5mmの長さdを有する。セパレータ14が移動する間、前縁部2100’が層16を押すと同時に、底面2002’はアプラネータとして機能し眼を平坦にする。前縁部2100’並びに面2200’及び2202’は、上皮層16を実質的に傷付けず、分離処理中に角膜を傷付け又はカットしないので、前縁部2100'''並びに面2200’及び2202’の少なくとも一部は、合わせて鈍い縁部とみなすことができる。更に、面2200’は、分離処理中に、分離した上皮層を支持するための支持面として機能することができる。
図31A〜Bは、図24A〜Bの上皮セパレータ装置4000のセパレータ4018(図25参照)に代わることができるセパレータ4018''の第3の実施形態の側面図を示す。詳細には、セパレータ4018''は、矩形凹部4027が面4022の上部に形成された矩形雄部材(図示せず)により好適に係合されるように、ホルダ4020によって定められるキャビティ内に摺動され、セパレータ4018の前縁部2100''は外方に延びる。また、セパレータ4018''は、図1〜図9の上皮装置14のセパレータ14に代わることができる。この実施形態は、2004年8月6日に出願された米国仮特許出願番号60/599,368に開示されており、この内容全体は引用により本明細書に組み込まれる。セパレータ4018''の鈍い前縁部2100''は、0から90度の間、好ましくは30から60度の間にわたり、更に好ましくは約40度の量で互いから角度的に離れている平面2204及び2206の端部に形成されている。底面2206は、0から0.4mmにわたり、好ましくは約0.3mm又は0.15mmにわたる長さbを有し、図1Aに示すように面31に平行に向けられている。bの大きさが減少するにつれて、面2206を介して眼に加わる圧力の量が増大する。底面2206は、約1.2mmの長さcを有する傾斜した底面2208に対して20から40度、好ましくは約26度に向けられる。セパレータ14が移動する間、前縁部2100''が層16を押すと同時に、底面2206がアプラネータとして機能して、眼を平坦にする。図25及び図30のセパレータの鈍い縁部がアプラネーションとして用いられる場合と比べると、底面2206はアプラネーションを強化する。底面2206に角度を付けることにより、面2206によって眼に適切な圧力が加わるようにし、縁部の適切な向きを可能にし、角膜と面2206との間の摩擦量を低減させる点に留意されたい。前縁部2100''並びに面2204、2206、及び2208は、上皮層16を実質的に傷付けず、分離処理中に角膜を傷付け又はカットしないので、前縁部2100''、面2206、並びに面2204及び2208の少なくとも一部は、合わせて鈍い縁部とみなすことができる。更に、面2204は、分離処理中に、分離した上皮層を支持するための支持面として機能することができる。
セパレータ4018'''の変形形態を図31Cに示し、ここでは面2204、2206、及び2208を含むセパレータ4018'''の遠位端はセパレータ4018''''と置き換えられ、該セパレータ4018''''は、遠位端の材料が台形状垂直断面形状を有することを除いてセパレータ4018'''と同様である。セパレータ4018は、その縁部を丸くすることができる点に留意されたい。この材料は、前縁部2100'''を定める面2204’、2206’、及び2208’を含む。面2206’は、約0から400μm、好ましくは50μmから350μm、更に好ましくは150又は300μmの長さb’を有する。前縁部2100'''並びに面2204’、2206’、及び2208’は、上皮層16を実質的に傷付けず、また分離処理中に角膜を傷付け又はカットしないので、前縁部2100'''、面2206’、及び面2204’の少なくとも一部は、合わせて鈍い縁部とみなすことができる。更に、面2204’は、分離処理中に、分離した上皮層を支持するための支持面として機能することができる。
図31Dは、セパレータ4018の変形形態をセパレータ4018''''として示す。セパレータ4018''''は、前縁部2100''''を定める面2204''、2206''、及び2208''を含む。面2206''は、約0から400μm、好ましくは50μmから350μm、更に好ましくは150又は300μmの長さb''を有する。前縁部2100''''並びに面2204''、2206''、及び2208''は、上皮層16を実質的に傷付けず、また分離処理中に角膜を傷付け又はカットしないので、前縁部2100''''、面2206''、及び面2204''の少なくとも一部は、合わせて鈍い縁部とみなすことができる。加えて、面2204''は、分離処理中に、分離した上皮層を支持するための支持面として働くことができる。上面2204''は、底面2206''に対して約0から90度、好ましくは30から60度、最も好ましくは40度の角度Φを向いている。底面2206''は、セパレータ4018''''のセパレータ支持体28’に対するような、水平面に対して約マイナス20から30度、好ましくはマイナス10から10度、最も好ましくは0度の角度Θで向けられている。傾斜した底面2208''は、水平面に対して約0から40度の角度γで向けられている。この場合もまた、前縁部2100''''並びに面2204''、2206''、及び2208''は、上皮層16を実質的に傷付けず、また分離処理中に角膜を傷付け又はカットしないので、前縁部2100''''、面2206''、及び面2204''の少なくとも一部は、合わせて鈍い縁部とんみなすことができる。加えて、面2204''は、分離処理中に、分離した上皮層を支持するための支持面として働くことができる。
図31Eは、眼10にわたってTに沿って移動するときの、それぞれ前縁部2100、2100’、2100''、2100'''、2100''''を有するセパレータ4018、4018’、4018''、4018'''、及び4018''''を示す。セパレータ4018、4018’、4018''、4018'''、及び4018''''は、開始位置3110から終了位置3120まで移動し、再び戻ることができる。移動につれて、セパレータ4018、4018’、4018''、4018'''、及び4018''''は、眼10の角膜から上皮層16を分離することができる。セパレータ4018、4018’、4018''、4018'''、及び4018''''の面2206、2206’は、眼10の表面をアプラネート又は平坦化するように機能することができる。セパレータ4018、4018’、4018''、4018'''、及び4018''''が終了位置3120にたどり着いた時には、開始位置3110時点よりも眼10の多くの部分が平坦にされるので、眼10の圧力は、セパレータ4018、4018’、4018''、4018'''、及び4018''''が開始位置3110から終了位置3120まで移動するにつれて増大する可能性がある。セパレータ4018、4018’、4018''、4018'''、及び4018''''が、移動の終了位置3120に到達すると、ヒンジ3130を残すことができ、上皮層16の除去された部分3140は、未だ眼10に取り付けられている部分3150とつながっている。面2206の長さbは、残るヒンジ3130の所望の厚さ又は強さに応じて変えることができる。より大きな長さbよりも小さい長さの方が、除去した部分3140の付着部分3150からの分裂を最小限にし、より厚いヒンジ3130が残るようにすることができる。
図25及び図30〜図31の前縁部2100、2100’、2100''、2100'''、及び2100''''は、セパレータ4018、4018’、4018''、4018'''、及び4018''''からそれぞれ形成され、金属及びプラスチックのような幾つかの硬質で滅菌可能な材料で作られている点に留意されたい。当然ながら、他の材料も利用可能である。2つのつながった面の間の交線は、ガラスビーズを収容する容器内にセパレータを置くことによって鈍くすることが可能であり、容器を回転させて、ガラスビーズをタンブルすることにより交線の鋭さを軽減させるようにする。それぞれ前縁部2100、2100’、2100''2100'''、2100''''を有するセパレータ4018、4018’、4018''、4018'''、及び4018''''は、角膜を切り取ることなく上皮層16を実質的に無傷で分離することができ、以下に説明するように、レーザー切除処理を終了した後、残存する組織上の残部の元の領域に上皮層を移すことができる。ボーマン層1908は、以下に説明するように、レーザー切除処理を終了すると除去することができる点に留意されたい。
図32A〜Bは、図24A〜Bの上皮セパレータ装置4000のセパレータ4018(図25参照)に代わることができるセパレータ4018''''''の第4の実施形態の側面図である。セパレータ4018''''''は、セパレータ装置12(図1〜図9)のような他のセパレータ、並びに図14〜図16、図19、図21〜図25、図27〜図31、図33、及び図36〜図37に示すセパレータのような他のセパレータに代わることができる。詳細には、上面2204'''が、ほぼプラウ又は半円筒形に湾曲している。外面は、弧すなわち曲線に実質的に一致する断面形状を有する。弧は、約0.3mmから2mm、より好ましくは0.5から1,5mm、更に好ましくは0.8から1.4mmの半径Rを有する円の一部に適合することができる。湾曲形状は、楕円、パラボラ、双曲線、又は他の円錐形状のような、円形以外の形状に適合することができる。また曲線形状は、対数型、アルキメデスの螺旋(http://mathworld.wolfram.com/ArchimedesSpiral.html参照)のように曲率が漸次的に変化する曲線、又は三次スプラインの多項式によって加えられる全ての前述の曲線の組み合わせのような、他の形状を含むことができる。図32A〜Bに示す曲線は凸状であり、層が図32A〜Bのセパレータで起こるはずのものとは反対に丸くなるようにすることができる。加えて、前述の弧は、「>」のような横向きのV字形である2つの平面に代わることができる。2つの平面間に形成される鋭角は、5から170度に及ぶ。分離縁部及び2つの平面の交差する点からの距離は、15ミクロンから4mmに及ぶ距離である。また、ほぼ曲線で立ち上がる複数のステップを利用できることは想定される。曲線は、前縁部2100''''’から始まり、上部傾斜面3200に達するまで続く。上部傾斜面3200は、支持面28''に対する曲面2204'''に接線方向のライン間の角度シータが約90度となるところから始まる。一実施形態では、曲率3202の中心から面2206の水平面3204までの距離hは、約半径Rよりも小さい。距離hは、水平面3204に対する接平面Tの角度ωが約40度となるように実装することができる。接平面Tは、前縁部2100''''’における曲面2204'''の正接である。曲率の所与の半径について、角度ωが0から90まで、好ましくは15から60まで、更に好ましくは30から40まで変わるように高さhを変更することができる。
曲面2204'''は、層が眼10から分離されるときに上皮層を巻くのに役立つことができる。湾曲した上面2204'''の長さは、上皮層を上面の上に巻くために十分な曲率となるように変えることができる。縁部2100''''’が眼10に触れると、縁部2100''''’は角膜実質に入ることなく上皮を貫通する。縁部2100''''’が眼10を横断すると、眼10を覆っている上皮の少なくとも一部が除去される。上皮層は、上皮の取り除かれる部分である。上皮層は、1つ又は複数の上皮の細胞層を含む。上皮層は、眼10から完全に取り除くか、又は例えばヒンジで連結された端部などで眼10に付着したままにすることができる。セパレータ4018''''’が後退すると、巻いた上皮層は、セパレータ4018''''’と共に戻らず、最後に押された場所に留まる。巻いた上皮層は、医師がレーザーなどで眼10を切除する前に上皮層を更に操作する必要がないので有利とすることができる。上皮層が巻かれていない場合、医師は切除の前に上皮層を押し動かすことを必要とすることができる。セパレータ4018''''’が後退したときに、巻かれた上皮層を広げることができる、縁部2100''''’から離間したアプラネータを使用しないのが好ましい。縁部2100''''’は、アプラネーションを行うことができる。更に、縁部2100''''’の移動の終点に留まり、縁部2100''''’と共に移動しないアプラネータを使用することができる。セパレータ15’、15''、15'''、4018’、4018''、4018'''、4018''''、及び2400(図21、図22、図23、図25、図30、図31A〜D、及び図33)のようなセパレータは、ほぼプラウ形状を含むように適合させることができる。上記の実施例は、鈍い縁部を使用すると考えるが、縁部がLASIK処理で使用されるようなカット機能を行う場合には鋭利な縁部を同様に使用することもできる。
縁部2100''''’は、他の前縁部2100、2100’、2100''、2100'''、2100''''と同様に、縁部2100、2100’、2100''、2100'''、2100''''、2100''''’を粗くするように凹凸を付けることができる。凹凸処理は、縁部を粗い凹凸及び/又は波形にするように制御することができる。1つの可能な処理では、波線を機械加工した後、研磨及び制御研磨を行って表面に光沢を持たせるが、波形を完全には除去しない。ディンプルパターンのような、他のパターン及び/又は不規則な凹凸加工を用いることができる。光沢のあり過ぎる表面は、少なくとも幾分粗さを含む表面と同じ程度まで一貫して上皮層16を除去することはできない。図1〜図9、図14〜図16、図19、図21〜図25、図27〜図31、図33、及び図36〜図37の実施形態のセパレータのような他のセパレータには、粗い凹凸を用いることができる。
図33は、好ましい実施形態による、セパレータ14、4018、4018’、4018''、及び4018'''に代わるものとして使用することができるワイヤ2400の斜視図である。このワイヤ2400は、ほぼ楕円形又は円形の断面形状を含む。このワイヤ2400は、約5から25マイクロメートルの幅を有する前縁部3002を含む。ワイヤ2400は、折れることなく上皮を押すのに十分な強さがある材料から製造されるのが好ましい。例示的なワイヤの材料には、チタン及びその合金、タングステン及びその合金、スチール合金、並びにカーボンファイバーがある。ワイヤ2400の2つの縁部3004及び3006は、振動装置14に結合されるヨーク3008に取り付けられるのが好ましい。ヨーク3008は、前縁部3002が上皮層16を押している間に相対的に直線のままであるように、ワイヤ2400の張力を維持する。
図1〜図33に示したセパレータの実施形態の全てにおいて、セパレータ及び関連する振動装置は、セパレータが患者の鼻のブリッジBの方へ移動するように位置付けられている点に留意されたい(図2参照)。この移動により上皮フラップは、鼻のブリッジ上に位置付けられる。かかる位置は、患者が眼を瞬いた場合にフラップに損傷を与える可能性がある。
別の方法として、セパレータ及び振動装置を90度回転させ、セパレータを患者の眉の方へ移動させるようにすることができる。この場合、上皮フラップは、患者の眉上のより有利な位置に位置付けられる(図2参照)。図1〜図33の振動装置は、眼にリングを位置付ける妨げとなる可能性がある患者の頬骨に接触する可能性がある。これは、吸引リングをより深くすること、又は振動装置のハウジング構造が頬を避けるように再設計することのいずれかにより、修正することができる。
図1〜図33に示したセパレータの実施形態の全てにおいて、振動装置は、閉ループ制御系7000によって制御されるように変更可能である点に留意されたい。かかる制御系は、セパレータがX方向に沿って移動する距離を制御するように設計されることになる。制御系は、振動子30のような移動装置を停止機構を介して制御することができる。かかる停止機構は、移動装置に電気的に接続されて、セパレータが予め決められた距離を過ぎて進まないことを保証するために移動装置に信号を送る電子制御装置とすることができる。また停止機構は、移動するセパレータの経路内に位置付けられたストップとして具現化することができ、セパレータが接触すると、セパレータは、予め決められた距離を進まないようにそれ以上の移動が阻止される。加えて、制御系7000は、X方向に沿ったセパレータの速度を制御し、全分離処理の間、すなわちセパレータが角膜及び上皮層に接する場合でも速度が一定であるようにする。また制御系7000は、M又はP方向に沿った振動周波数を制御することができ、全分離処理の間、セパレータが角膜及び上皮層に接する場合でも周波数が一定であるようにする。
図14は、眼10と、回転ドラム42を含む上皮セパレータ装置12’の実施形態との側面図を示す図である。装置12’は、図1〜図9の上皮セパレータ装置12の構造を以下に説明するドラム構造と本質的に組み合わせる。詳細には、装置12’は、U字形のヨーク51を含み、アクスル軸53を介して間にあるドラム42を支持する。アクスル53は、自転車の車輪のようにヨーク51の両脚部で、又はペンキローラーのように脚部の1つだけで支持することができる。ドラム42を回転させるために、上皮セパレータ装置12’は、回転ギア44を含むことができる。またギア44は、図1Bに示したセパレータ支持体28と同様のセパレータ支持体28’に動きを与えるために用いることができる。セパレータ28’は、ヨーク51を含むことを除いて、図1のセパレータ28と同様の構造である。
また上皮セパレータ装置12’のそれぞれ正面図及び上面図である図15及び16を参照すると、回転ギア44は、セパレータ14’のセパレータ支持体28’の両側に対称的に配置することが可能である。振動装置30は、ギア44の回転を可能にし、ギア44は、例えば溝26に並行に動作する歯状レールのようなレール上を移動することができる。加えて、ドラム42は、図14に示したアプラネータとして働く。図27〜図29のアプラネータ6000と同様の第2のアプラネータは、ドラム42の前及びドラム42’と連続して位置付けるように装置12’で使用することができる。
上皮ディスク34の通常の厚さは、約50ミクロンを含むので、上皮ディスク34を保護するために、上皮ディスク34はドラム42の上に巻かれる。ドラム42は、約3から約9mmにわたる直径と、約12mmの長さとを含むことができる。また図17を参照すると、一実施形態では、上皮ディスク34の一体性を維持するために、ドラム42は、水和及び/又は調整基材をコーティングすることができる。基材を使用することなく層16をドラム42に接着することができると同時に、基材は、層16をドラム42に制御可能に接着することを可能にする。水和及び/又は調整基材には、例えば、HEMAコンタクトレンズ、組織培養基、シリコーン、及び生体適合ヒドロゲルを含むことができる。水和及び/又は調整基材は、上皮ディスク34をドラムに付着させた後に、ドラムから除去することができる。その後、上皮ディスク34は、上述のようにドラム46から取り除かれて、角膜表面16に戻すことができる。
図18は、図14〜図17の装置12’のドラム42に代わることができるドラム42’の別の実施形態を示す。ドラム42’は、穴46と、吸引源(図示せず)につながるコネクタ48とを含む。ドラム42の穴46に吸引を加えることにより、上皮ディスク34をドラム42に巻くことができる。その後、上皮ディスク34は、上述のようにドラム46から取り除かれて、角膜表面16に戻すことが可能である。
図36は、図21〜図23及び図30〜図31に示すような鈍い縁部を使用して、図1〜9及び24〜25のセパレータ装置12及び4000によって押され/分離された上皮層16を分離及び保護するための装置2700の一実施形態の側面図を示す。装置2700は、本体2705と、第1のドラム2720及び第2のドラム2730と、第1のドラム2720を第2のドラム2730に連結するベルト2730とを含む。装置2700は、フィルム2740のような基材を収容する。フィルム2740は、上皮層16が眼10から除去されたときに上皮層16を実質的に保護するのに使用される。フィルム2740は、棒又はクリップ2750を用いてドラム2710に保持することが可能である。或いはフィルム2740は、ドラム2720及び2730を連結するのに役立ち、従ってベルト2730の使用を不要にすることができる。
図37は、装置2710の上面図及び装置2700がクリップ2750でどのように使用されるかを示している。一実施形態では、フィルム2740は、ドラム2710上でクリップ2750の下に巻かれる(図35も参照)。第1のドラム2710と第2のドラム2720とはベルト2730で連結されているので、第1のドラム2710は、第2のドラム2720の回転につれて回転する。フィルム2740は、ベルト2730上にあって、第1のドラム2710及び第2のドラム2720が移動するにつれて動く。フィルム2740は、粘着力によってベルト2730に取り外し可能に付着するのが好ましい。2つのドラム2710及び2720を使用することにより、小さい方のドラム2720を図1〜図9、図21〜図23、及び図30〜図31のセパレータに極めて近付けることができ、それゆえアプラネータとして機能することができる。更にベルト2730は、除去された上皮層16全体を収容するのに十分な大きさである。
フィルム2740は、外面2760を含む。外面2760は、上皮層16が眼10から分離されたときに上皮層16に機械的安定性を与えるために、上皮層16に付着するように構成されている。フィルム2740は、天然又は合成ポリマーを含む。例示的なポリマーは、HEMA(ポリ2ヒドロキシエチルメタクリレート)がある。フィルム2740は、約20から約100マイクロメートルの厚さを含む。フィルム2740が、フィルムのストリップの形状である場合、フィルム2740の長さ(a)及び幅(b)は、分離された上皮層16の直径より長く且つ幅広であるのが好ましい。
フィルム2740は、上皮層16をフィルム2740に付着させるために水和させるのが好ましい。フィルム2740の水和レベルが、フィルム2740への付着を制御する。水和されたフィルム2740はまた、除去された上皮層16に亀裂が形成されないようにする助けとなり、除去された上皮層16の引き裂き又は収縮を防止する助けとなる。一実施形態では、上皮層16の表面は、例えばスポンジ又は圧縮空気流を用いて乾燥される。その後、上皮層16の上にフィルム2740を置く。上皮層16は、上皮層とフィルムとの水和レベルの差異により、乾燥したフィルム2740に付着する。その後、セパレータ14を使用して、上皮層16を角膜基質18から分離する。フィルム2740及び付着した上皮層16は、第1及び第2のドラム2710、2720に巻かれる。
フィルム2740のストリップは、必ずしも装置2700に適用される必要はなく、またストリップは、コーティングを含む必要がないことを理解されたい。更に、フィルム2740は、上皮層16を除去する前後で適用することが可能であり、装置2700を使用する代わりに手動で適用することもできる。
フィルム2740は、ディスクの形状のような他の形状を含むことができる。上皮層16を、コンタクトレンズのようなディスクに付着させる方法は、上皮層16を眼10から分離させて、上皮層16を側部に取り除くことである。次いで、上皮層16は、スポンジを用いて滑らかにされ、スポンジ、圧縮空気、又は両方を用いて乾燥される。次に、除去された上皮層16をフィルム2740の上に置く。次いで、上皮層16及びフィルム2740は、例えば圧縮空気で乾燥される。約30秒の乾燥の後、上皮層16はフィルム2740に付着されて、損傷の危険が低減してより容易に操作することができる。
上皮層16がフィルム2740に付着された後、PRKに関して前述したものと同様の方法で、角膜の表面にレーザーを照射する。レーザー処置が完了すると、角膜表面は乾燥され、上皮層が実質的に眼10の上の元の場所に置かれるようにフィルム2740を眼10上に配置する。次に、フィルム2740の前面に水滴を加える。加えられた水は、フィルム内で拡散し、その結果フィルム及び上皮層16に隣接するフィルムの側面が湿潤される。この段階で、フィルム2740は上皮16から下ろされ、上皮層16は眼10に接着される。
図34は、セパレータ14、4018、4018’、4018''を調整するのに使用される例示的な機械2500の実施形態の斜視図を示す。機械2500は、例えば図23、図25、及び図30〜図31に示すセパレータ14、4018、4018’、4018''の前縁部のようにほぼ屈曲した縁部を含むように鋭利な縁部のセパレータを変えることによって、セパレータ14、4018、4018’、4018''を調整する。
図35Aは、機械2500及びセパレータ14、4018の前面図を示し、図35Bは、機械2500及びセパレータ14、4018の側面図を概略的に示す。図34及び図35を参照すると、機械2500は、モーター2510と、回転シリンダ2520と、重量体2530或いは図21及び図22の前縁部2100及び2100’と関連するブレード/セパレータ14,4018を保持する他の方法、並びにブレード/セパレータホルダ2540とを含む。モーター2510及びシリンダ2520のハウジング2544は、プラットフォーム2546上に載る。図21〜図22の前縁部2100又は2100’と関連するセパレータは、それぞれ、例えばクランプで保持されている。各場合において、前縁部2100、2100’は、シリンダ2520の回転軸と実質的に平行である。図35Bに示すように、ブレードの面Bは、シリンダ2520の軸とブレードの縁部とによって定められる平面Pと、0から20度の間の角度Ψを形成する。モーター2510は、ベルト2550を介してシリンダ2520に連結され、シリンダ2520を回転させる。別の実施形態では、モーター2510は、シリンダ2520に直接連結し、シリンダを回転させる。
シリンダ2520は、螺旋ワイヤ2560を含む。螺旋ワイヤ2560及びシリンダ2520は、スチールから製造される。この螺旋ワイヤ2560は、回転ドラムの螺旋の突起部として働く。この螺旋突起部は、セパレータ/ブレードの前縁部の長さに等しいピッチを有する。螺旋により、セパレータ/ブレードの前縁部の1点だけが任意の所与の時点(前縁部と螺旋ワイヤとの接触時)で調整されるようになる。螺旋ワイヤ2560がドラム2520と共に回転すると、接触点は前縁部の長さに沿って移動するが、調整量は、前縁部の全長に等しい。重量体2530の量、並びにシリンダ2520の稼働時間及び回転によって、関連するセパレータの前縁2100の形状及び幅が変わる。例えば、重量体2530を増やすと、屈曲がより大きくなる。一実施形態では、好ましいセパレータは、セパレータにかかる20mNの力をシリンダ2520に対して行使して、シリンダを0.7(10分の7)回転/秒で約45秒間運転することによって調整される。形成される前縁部は、図31Aに示す前縁部2100''に相当する。
本発明を様々な実施形態を参照して上記で説明してきたが、本発明の範囲を逸脱することなく多くの変更及び修正を行うことができる点を理解されたい。例えば、眼と接触又は分離上皮層と接触するセパレータの実施形態の全ての表面は、上皮層又は角膜実質のいずれもカットしないように滑らかである。従って、前述した詳細な説明は、本発明の定義としてではなく、本発明の現時点で好ましい実施形態の例証として理解されることが意図される。本発明の範囲を限定するものは、あらゆる均等物を含む添付の請求項だけが本発明の範囲を定めるものとする。
眼及び好ましい実施形態による第1の位置にあるセパレータを備えた上皮セパレータ装置の側面図である。 図1Aの上皮セパレータ装置に使用されるセパレータの一実施形態の側面図である。 図1Aの上皮セパレータ装置に使用されるセパレータ支持体の一実施形態の概略的な上面斜視図である。 眼及び好ましい実施形態による第1の位置にあるセパレータの上面図である。 眼及び好ましい実施形態による第2の位置にあるセパレータの側面図である。 眼及び好ましい実施形態による第2の位置にあるセパレータの上面図である。 眼及び好ましい実施形態による第3の位置にあるセパレータの側面図である。 眼及び好ましい実施形態による第3の位置にあるセパレータの上面図である。 眼及び好ましい実施形態による第4の位置にあるセパレータの側面図である。 眼及び好ましい実施形態による第4の位置にあるセパレータの上面図である。 眼及び好ましい実施形態による第5の位置にあるセパレータの上面図であって、セパレータは上皮分離後に後退し、アプラネータ及び縁部が図1〜8のアプラネータ及び縁部よりも高い位置に形成されて、より小さいディスクが分離されるようになっている図である。 セパレータを取り除いた眼の上面図である。 レーザーで切除を行った後の眼の上面図である。 上皮を眼に戻した眼の上面図である。 上皮を所定の位置に滑らかに延伸した眼の上面図である。 眼及び回転ドラムを含む上皮セパレータ装置の側面図である。 眼及び回転ドラムを含む上皮セパレータ装置の正面図である。 眼及び回転ドラムを含む上皮セパレータ装置の上面図である。 一実施形態によるドラムの図である。 別の実施形態によるドラムの図である。 眼の角膜表面から上皮層を取り除いているセパレータの側面図である。 既知のブレードの斜視図である。 一実施形態によるセパレータの前縁部の側面図である。 別の実施形態によるセパレータの前縁部の側面図である。 更に別の実施形態によるセパレータの前縁部の側面図である。 本発明による上皮セパレータ装置の第2の実施形態の上面斜視図である。 図24Aの上皮セパレータ装置の底部斜視図である。 図24A〜Bの上皮セパレータ装置に使用されるセパレータの一実施形態の側面図である。 図1A〜B及び24A〜Bの上皮セパレータ装置に使用されるガードの一実施形態の斜視図である。 アプラネータの一実施形態を第1の位置において使用しているときの図24の上皮セパレータ装置の上面斜視図である。 図27のアプラネータを第2の位置において使用しているときの図24の上皮セパレータ装置の上面斜視図である。 図27のアプラネータを使用しているときの図24の上皮セパレータ装置の底面斜視図である。 別の実施形態によるセパレータの側面図である。 更に別の実施形態によるセパレータの側面図である。 図31Aに示すセパレータの前縁部の一部の拡大側面図である。 セパレータの別の実施形態の前縁部の一部の拡大側面図である。 セパレータの別の実施形態の前縁部の一部の拡大側面図である。 図31Dのセパレータを使用する分離方法の概略図、並びに分離処理の開始段階及び最終段階の拡大図である。 更に別の実施形態によるセパレータの側面図である。 寸法を付加して示した、図32Aに示すセパレータの側面図の一部である。 ワイヤの形態であるセパレータの別の実施形態の斜視図である。 一実施形態によるセパレータを調整するために使用される機械の斜視図である。 セパレータを含む図34の機械の前面図である。 セパレータを含む図34の機械の概略的な側面図である。 2つの回転ドラムを有するセパレータ装置の一実施形態の側面図である。 図36のセパレータ装置の上面図である。
符号の説明
28 セパレータ支持体
2100 前縁部
3200 上部傾斜面
4018 セパレータ

Claims (46)

  1. セパレータシステムであって、
    上部平面と、
    水平面に対し約マイナス20度ないし約30度の範囲の角度で配向された下部平面であって、前記上部平面と下部平面とが0度ないし約90度の範囲の角度で互いに離れている下部平面と、
    前記上部平面と前記下部平面との間の鈍い縁部と、を備え、
    少なくとも前記鈍い縁部が、眼の角膜実質から前記眼の上皮層の一部を前記上皮層の一部を実質的に損傷することなく分離する構造を含み、前記角膜実質をカットしない、
    ことを特徴とするセパレータ装置。
  2. 前記上部平面及び前記下部平面が、前記角膜実質をカットできない、
    ことを特徴とする請求項1に記載のセパレータシステム。
  3. 前記下部平面に取り付けられた第3の平面を更に含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載のセパレータシステム。
  4. 前記第3の平面が、前記下部平面に対して約20度ないし約40度の角度の範囲で配向されている、
    ことを特徴とする請求項3に記載のセパレータシステム。
  5. 前記下部平面が、約30ミクロンから約300ミクロンの長さを含む、
    ことを特徴とする請求項3に記載のセパレータシステム。
  6. アプリネータを更に含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載のセパレータシステム。
  7. 前記アプリネータが、前記縁部と一体になっている、
    ことを特徴とする請求項6に記載のセパレータシステム。
  8. 前記鈍い縁部が粗い凹凸を含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載のセパレータシステム。
  9. 前記縁部が経路に沿って移動することを拘束するトラックを更に含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載のセパレータシステム。
  10. 角膜に対し相対的にセパレータを移動させる段階を含む矯正手術のために眼を処理する方法であって、
    前記セパレータは、
    上部平面と、
    水平面に対して約マイナス20度ないし約30度の範囲の角度で配向された下部平面であって、前記上部平面と下部平面とが、0度ないし約90度の範囲の角度で互いに離れている下部平面と、を含み、
    前記上部平面と前記下部平面とがこれらの間に鈍い縁部を形成し、前記鈍い縁部部分は、眼の上皮層の一部を前記眼の角膜の角膜実質から前記上皮層の一部を実質的に損傷することなく分離する構造を含み、前記鈍い縁部が前記角膜実質をカットしない、
    ことを特徴とする方法。
  11. 前記移動中に前記鈍い縁部が前記上皮層の一部を前記角膜から除去し、同時にアプラネーション表面が前記角膜をアプラネートする、
    ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 前記除去された上皮層を前記角膜上に戻す段階を更に含む、
    請求項11に記載の方法。
  13. 前記アプラネーションが、前記上皮層が除去される前に前記上皮層の一部に対して行われる、
    ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
  14. 前記アプリネーションが、前記上皮層の一部が既に除去された前記角膜領域に対して行われる、
    ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
  15. 前記鈍い縁部が粗い凹凸を含む、
    ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
  16. 前記下部平面が、約30ミクロンから約300ミクロンの長さを含む、
    ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
  17. 眼の分離した部分を移動させるためのセパレータであって、
    湾曲した形状を有する上面と、
    前記上面に対して角度をなして配向された下部平面と、を含み、
    前記上面及び前記下部平面が眼の一部を除去する構造をこれらの間に有する縁部を形成している、
    ことを特徴とするセパレータ。
  18. 前記縁部が、前記上皮層を実質的に損傷することなく前記眼の上皮層を前記眼の角膜実質から分離する構造を含み、前記鈍い前縁部が前記角膜実質をカットすることが不可能である、
    ことを特徴とする請求項17に記載のセパレータ。
  19. 前記上面及び前記下面が各々前記角膜実質をカットしない、
    ことを特徴とする請求項17に記載のセパレータ。
  20. 前記縁部が粗い凹凸を含む、
    ことを特徴とする請求項17に記載のセパレータ。
  21. 前記粗い凹凸が波線を含む、
    ことを特徴とする請求項20に記載のセパレータ。
  22. 前記弧が、約0.5mmから3mmの半径を有する円の一部と一致する、
    ことを特徴とする請求項18に記載のセパレータ。
  23. 前記弧が、約1.7の半径を有する円の一部と一致する、
    ことを特徴とする請求項23に記載のセパレータ。
  24. 前記円の中心から前記下部平面に水平な面までの距離が、前記半径の大きさよりも小さい、
    ことを特徴とする請求項23に記載のセパレータ。
  25. 前記円の中心から前記下部平面に水平な前記面までの距離は、前記水平面に対する接平面の角度が約15度から約90度にわたる値を有するように決定される、
    ことを特徴とする請求項25に記載のセパレータ。
  26. 前記水平面に対する前記接平面の前記角度が約40度の値を有する、
    ことを特徴とする請求項26に記載のセパレータ。
  27. 矯正手術のために患者の眼を処理する方法であって、
    縁部を有するセパレータを提供する段階と、
    前記患者の前記眼の上皮層に前記縁部を侵入させる段階と、
    前記患者の前記眼に対して前記セパレータを移動させる段階と、
    前記セパレータが移動するときに前記上皮層の少なくとも一部を分離する段階と、を含み、
    前記分離した上皮層の前記少なくとも一部が前記分離中に巻かれる、
    ことを特徴とする方法。
  28. 前記セパレータが前記分離された上皮層から離れて後退するときに、前記分離された上皮層が所定位置のまま留まる、
    ことを特徴とする請求項28に記載の方法。
  29. 前記前縁部とは別個に行われるアプラネーションはない、
    ことを特徴とする請求項28に記載の方法。
  30. 前記分離された上皮層が、少なくとも一端により前記眼に付着されたまま留まる、
    ことを特徴とする請求項28に記載の方法。
  31. 矯正手術のために患者の眼を処理する方法であって、
    前記患者の前記眼の角膜に対してセパレータを移動させる段階と、
    前記角膜に付随する上皮層を分離する段階と、を含み、
    前記分離された上皮層が前記角膜上にヒンジを形成し、前記上皮層の自由端が前記ヒンジを中心に枢動して前記患者の眉付近に位置付けられるようにする、
    ことを特徴とする方法。
  32. 矯正手術のために患者の眼を処理する方法であって、
    前記患者の前記眼の角膜に相対的にセパレータを移動させる段階と、
    前記セパレータによって移動される距離を自動制御する段階と、を含む、
    ことを特徴とする方法。
  33. 前記方法の間常に一定となるように前記移動距離に沿った前記セパレータの速度を自動制御する段階を更に含む、
    請求項33に記載の方法。
  34. 前記セパレータが第2の直線方向に振動し、前記方法が更に、前記方法の間常に一定となるように前記第2の直線方向に沿った前記振動の周波数を自動制御する段階を含む、
    請求項33に記載の方法。
  35. 前記セパレータが第2の直線方向に振動し、前記方法が更に、前記方法の間、常に一定となるように前記第2の直線方向に沿った前記振動の周波数を自動制御する段階を含む、
    請求項34に記載の方法。
  36. セパレータシステムであって、
    上面と、
    前記上面の前方部分に一体的に取り付けられた縁部と、
    前記縁部の後方で前記上面の下方に位置付けられたポストアプラネータと、を含む、
    ことを特徴とするセパレータシステム。
  37. 前記縁部が鈍く、少なくとも前記鈍い縁部が、眼の上皮層の一部を前記眼の角膜実質から前記上皮層の一部を実質的に損傷することなく分離する構造を含み、且つ前記角膜実質をカットしない、
    ことを特徴とする請求項37に記載のセパレータシステム。
  38. 前記ポストアプラネータが平坦である、
    ことを特徴とする請求項37に記載のセパレータシステム。
  39. 前記ポストアプラネータが縁部と一体になっている、
    ことを特徴とする請求項37に記載のセパレータシステム。
  40. 前記ポストアプラネータが縁部と一体になっている、
    ことを特徴とする請求項39に記載のセパレータシステム。
  41. 矯正手術のために患者の眼を処理する方法であって、
    前記患者の前記眼の一部から上皮層を分離して、前記眼の角膜基質の一部を露出させるようにする段階と、
    前記分離段階に続いて前記角膜基質の前記部分をアプラネートする段階と、を含む、
    ことを特徴とする方法。
  42. 眼の分離した部分を移動させるためのセパレータであって、
    互いに交わる2つの平面を有する上面と、
    前記上面に対して角度をなして配向された下部平面と、を含み、
    前記上面及び前記下部平面が眼の一部を除去する構造をこれらの間に有する縁部を形成している、
    ことを特徴とするセパレータ。
  43. 前記2つの平面が、横向きのV字形を形成する、
    ことを特徴とする請求項43に記載のセパレータ。
  44. 制御システムであって、
    経路に沿って移動させる移動装置に結合されたセパレータと、
    前記セパレータが予め決められた距離を移動するのを防ぐための停止機構と、を含む、 制御装置。
  45. 前記停止機構が、前記経路に沿って配置されたストップ部である、
    ことを特徴とする請求項45に記載の制御装置。
  46. 前記停止機構が、前記移動装置に電気的に接続され、前記移動装置に信号を送信して前記セパレータが前記予め決められた距離を移動するのを防ぐようにする、
    ことを特徴とする請求項45に記載の制御装置。
JP2007525073A 2004-08-06 2005-08-08 角膜の表面から上皮層を分離するための装置 Pending JP2008508957A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US59936804P 2004-08-06 2004-08-06
US10/971,727 US20050288696A1 (en) 2001-07-23 2004-10-22 Device for separating the epithelial layer from the surface of the cornea of an eye
PCT/US2005/028188 WO2006017835A2 (en) 2004-08-06 2005-08-08 Device for separating the epithelial layer from the surface of the cornea of eye

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008508957A true JP2008508957A (ja) 2008-03-27

Family

ID=35839979

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007525073A Pending JP2008508957A (ja) 2004-08-06 2005-08-08 角膜の表面から上皮層を分離するための装置

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP1784148A2 (ja)
JP (1) JP2008508957A (ja)
KR (1) KR20070065313A (ja)
CA (1) CA2576006A1 (ja)
WO (1) WO2006017835A2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016157326A1 (ja) * 2015-03-27 2016-10-06 株式会社日立製作所 分割・剥離部材、培養容器、及び装置
WO2016157324A1 (ja) * 2015-03-27 2016-10-06 株式会社日立製作所 細胞コロニーの分割・剥離方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20070265650A1 (en) * 2001-07-23 2007-11-15 Ioannis Pallikaris Device for separating the epithelial layer from the surface of the cornea of an eye
JP5189090B2 (ja) * 2006-07-05 2013-04-24 ジエイエムエス・ノース・アメリカ・コーポレイション 部位調製尖端を備える針カバー
WO2015069189A1 (en) * 2013-11-07 2015-05-14 Nanyang Technological University An ocular surgical device
KR101679510B1 (ko) 2015-04-22 2016-12-12 아이리움헬스케어 (주) 라섹용 안구 상피 제거 브러시 장치

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000501002A (ja) * 1995-12-04 2000-02-02 カイロン ビジョン コーポレイション 角膜組織切除用器具
WO2003009789A1 (en) * 2001-07-23 2003-02-06 Fos Holding S.A. Device for separating the epithelium layer from the surface of the cornea of an eye
JP2003180726A (ja) * 2001-12-12 2003-07-02 Nidek Co Ltd 角膜手術器具

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4731079A (en) * 1986-11-26 1988-03-15 Kingston Technologies, Inc. Intraocular lenses
US4834750A (en) * 1987-09-17 1989-05-30 Ioptex Research, Inc. Deformable-elastic intraocular lens
US5376099A (en) * 1992-09-17 1994-12-27 Kmi, Inc. Undercut diamond surgical blade and method of using the same

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000501002A (ja) * 1995-12-04 2000-02-02 カイロン ビジョン コーポレイション 角膜組織切除用器具
WO2003009789A1 (en) * 2001-07-23 2003-02-06 Fos Holding S.A. Device for separating the epithelium layer from the surface of the cornea of an eye
JP2003180726A (ja) * 2001-12-12 2003-07-02 Nidek Co Ltd 角膜手術器具

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016157326A1 (ja) * 2015-03-27 2016-10-06 株式会社日立製作所 分割・剥離部材、培養容器、及び装置
WO2016157324A1 (ja) * 2015-03-27 2016-10-06 株式会社日立製作所 細胞コロニーの分割・剥離方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2006017835A3 (en) 2007-11-08
CA2576006A1 (en) 2006-02-16
KR20070065313A (ko) 2007-06-22
EP1784148A2 (en) 2007-05-16
WO2006017835A2 (en) 2006-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7004953B2 (en) Device for separating the epithelium layer from the surface of the cornea of an eye
AU2003207603B2 (en) Methods for producing epithelial flaps on the cornea and for placement of ocular devices and lenses beneath an epithelial flap or membrane, epithelial delaminating devices, and structures of epithelium and ocular devices and lenses
JP2008512208A (ja) 複合型上皮剥離・挿入具
AU2003207603A1 (en) Methods for producing epithelial flaps on the cornea and for placement of ocular devices and lenses beneath an epithelial flap or membrane, epithelial delaminating devices, and structures of epithelium and ocular devices and lenses
JP2002500522A (ja) 角膜レーザー外科療法の方法
JP2008512205A (ja) 眼科用デバイスアプリケーター
US20050288696A1 (en) Device for separating the epithelial layer from the surface of the cornea of an eye
US20070265649A1 (en) Epithelial delaminating device
JP2008508957A (ja) 角膜の表面から上皮層を分離するための装置
EP1898853A2 (en) Epithelial delaminating device (v) and blades useful in that device
US20040002722A1 (en) Ultrasonic microkeratome
US20070265650A1 (en) Device for separating the epithelial layer from the surface of the cornea of an eye
JP4189320B2 (ja) 角膜手術用医療器具
US6146405A (en) Ophthalmic applanator
CN101198282A (zh) 用于从眼角膜的表面分离上皮层的设备
RU2222299C1 (ru) Способ повторной операции сублоскутной фотокератэктомии после ранее выполненной радиальной кератотомии
JPH11276513A (ja) 角膜手術装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100419

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100927