JP2008507990A - Fviiの抱合体 - Google Patents

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Abstract

新規なFVIIポリペプチドおよびFVIIa誘導体、そのようなペプチドの使用、ならびにこれらのペプチドおよび誘導体を製造する方法を提供する。
【選択図】 なし

Description

発明の分野
本発明は、FVIIa、またはその変種、軽鎖のC末端における誘導体化ならびに前記誘導体化を達成するための方法に関する。前記修飾は、遅延性の性質またはさらなる修飾を可能にする官能基を有する部分を導入する。
発明の背景
ペプチドの性質を変化させるペプチドに対する結合基により、ペプチドの性質および特性を修飾することは周知である。そのような結合は、一般的に、結合基におけるもう1つの官能基と反応するためにペプチド中にいくつかの官能基を必要とする。典型的に、N末端アミノ基またはリジンのε-アミノ基のようなアミノ基が適切なアシル化試薬と組み合わせて用いられる。抱合反応を制御すること、すなわち結合化合物が付加する場所を制御することおよびいくつの結合基が付加するかを制御することを可能にすることが、しばしば望まれ、または必要とさえされる。これは、しばしば選択性として示される。本発明は、特にC末端においてFVIIaを抱合するための方法を提供する。
発明の概要
本発明は、選択された酵素による切断部位を含む新規のFVIIポリペプチドを提供する。本発明は、そのような新規のアミノ酸配列の変種をコード化するDNAおよびそのようなペプチドを発現する方法を提供する。
本発明は、FVIIaの誘導体P’-R-Xを得る方法であって、R’-Xの存在下でFVIIまたはFVIIの変種を酵素的に切断するステップを含んでなり、酵素的に生成したFVIIaのC末端において-R-Xを抱合する方法を提供する:
Figure 2008507990
ここで、PはFVIIまたはFVIIの変種を意味し、P’は切断による生成物を意味し、R’-XはP’と反応する化合物を意味し、XはP’と結合する基を表すか、またはXは官能基を表す。R’は、求核性の基(-NH2、-OH、または-SH)を含んでなるRを意味し、P’-R-Xにおいて、リンカー部分(-NH-、-O-、または-S-)としてRに組み込まれるであろう。
本発明は、上記の側面において、Xが官能基を表す得られた生成物P’-R-Xを一般式Y-E-Zの化合物とさらに反応させて、生成物P’-R-A-E-Zを得る方法を提供する:
ここでのRは、リンカーまたは結合を意味し;
ここでのP’は、FVIIの酵素的な切断による生成物を意味し;
Xは、Yと反応することができる官能基を含むラジカルを意味し;
Yは、Xと反応することができる1以上の官能基を含んでなるラジカルを意味し;
Eは、リンカーまたは結合を意味し;
Aは、XおよびYに含まれる官能基間の反応により形成される部分を意味し;且つ
Zは、ペプチドと結合する部分である。
定義
本文脈において、「オキシム結合」という用語は、式-C=N-O-の部分を示すものである。
本文脈において、「ヒドラゾン結合」という用語は、式-C=N-N-の部分を示すものである。
本文脈において、「フェニルヒドラゾン結合」という用語は次式の部分を示すものである。
Figure 2008507990
本文脈において、「セミカルバゾン結合」という用語は、式-C=N-N-C(O)-N-の部分を示すものである。
「アルカン」という用語は、飽和した、直鎖状、分枝状、および/または環状の炭化水素を指すものである。他の炭素原子数を特定しない限り、前期用語は、例えば1〜20(両方含まれる)、1〜10(両方含まれる)、1〜5(両方含まれる)のように、1〜30(両方含まれる)の炭素原子を有する炭化水素を指すものである。
「アルケン」という用語は、少なくとも1の炭素-炭素二重結合を含む、直鎖状、分枝状、および/または環状の炭化水素を指すものである。炭素原子の数を他に特定しない限り、前記用語は、例えば2〜20(両方含まれる)、2〜10(両方含まれる)、2〜5(両方含まれる)のように、2〜30(両方含まれる)の炭素原子を有する炭化水素を指すものである。
「アルキン」という用語は、少なくとも1の炭素-炭素三重結合を含む直鎖状、分枝状、および/または環状の炭化水素を指すものであり、任意に、1以上の炭素-炭素二重結合を含んでよい。炭素原子数を他に特定しない限り、前記用語は、例えば2〜20(両方含まれる)、2〜10(両方含まれる)、2〜5(両方含まれる)のように、2〜30(両方含まれる)の炭素原子を有する炭化水素を指すものである。
「単素環芳香族化合物」という用語は、ベンゼンおよびナフタレンのような芳香族炭化水素を指すものである。
「複素環化合物」という用語は、5、6、または7の環原子を含んでなり、そのうちの1、2、3、または4つがN、O、および/またはSから選択されるヘテロ原子である環状化合物を指すものである。複素環化合物の例には、チオフェン、フラン、ピラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、イソチアゾール、イソキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ならびにそれらを部分的もしくは完全に水素化したピペリジン、ピラゾリジン、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペラジン、およびモルフォリンのような対応物が含まれる。
「ヘテロアルカン」、「ヘテロアルケン」、および「ヘテロアルキン」という用語は、上記で定義したようなアルカン、アルケン、およびアルキンであって、1以上のへテロ原子または基が前記部分の構造に組み込まれたものを指すものである。ヘテロ基およびヘテロ原子の例には、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-C(O)-、-C(S)-、および-N(R*)-が含まれ、ここでのR*は、水素またはC1〜C6-アルキルを意味する。ヘテロアルカンの非限定的な例には以下が含まれる:
Figure 2008507990
「ラジカル」または「ビラジカル」という用語は、それぞれ1または2の水素原子が除去された化合物を指すものである。明確に述べると、ラジカルは、例えばヒドロキシルのようなより大きな原子基を化合物から除去することにより形成される部分を指してもよい。
「ハロゲン」という用語は、F、Cl、Br、およびIを指すものである。
「PEG」という用語は、分子量が500〜150,000 Daのポリエチレングリコールを指すものであり、例えば、末端OH基がメトキシ基で置換された(mPEGと呼ばれる)ような、それらの類似体も含まれる。
本文脈において、「アリール」という用語は、環の少なくとも1つが芳香族である、炭素環式芳香環ラジカルまたは融合した芳香環系ラジカルを指すものである。典型的なアリール基には、フェニル、ビフェニリル、ナフチル等が含まれる。
「ヘテロアリール」という用語は、ここで用いられる場合、単独または組み合わせて、例えば5〜7員の原子を有する芳香環ラジカル、または例えば7〜18員の原子を有する融合芳香環系ラジカルを指し、ここで、少なくとも1の環は芳香族であり、且つ窒素、酸素、または硫黄へテロ原子から選択される1以上のへテロ原子を環原子として含み、ここでのN-オキシドならびに一酸化硫黄および二酸化硫黄は、芳香族複素環の置換を可能にする。例には、フラニル、チエニル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、およびインダゾリル等が含まれる。
名詞としての「抱合体」という用語は、修飾されたペプチド、すなわち、前記ペプチドの性質を修飾するためにそれに結合した部分を有するペプチドを指すものである。動詞としては、前記用語は、ペプチドの性質を修飾するために、該ペプチドにある一定の部分が結合する過程を指すものである。
ここで用いられる場合、「プロドラッグ」という用語は、生物加水分解性のアミドおよび生物加水分解性のエステルを指し、a)そのようなプロドラッグ中の生物加水分解性の官能基が、本発明による化合物中に包まれる化合物、およびb) 本発明による薬物実体を得るために、与えられた官能基において生物学的に酸化または還元されてよい化合物も包含する。このような官能基の例には、1,4-ジヒドロピリジン、N-アルキルカルボニル-1,4-ジヒドロピリジン、1,4-シクロヘキサジエン、tert-ブチル等が含まれる。
ここで用いられる場合、「生物加水分解性のエステル」という用語は、薬物実体(この場合には本発明による化合物)のエステルであって、a)親物質の生物学的活性とは相互作用しないが、その物質に、作用の持続、作用の開始等のようなインビボの有利な性質を与えるか、またはb)生物学的に不活性であるが、対象によってインビトロで容易に生物学的に活性を有する成分に変換されるエステルである。利点は、例えば、溶解性が増大することまたは生物加水分解性のエステルは腸から経口的に吸収されること、および血漿中で本発明による化合物に変換されることである。そのような多くの例が当該分野において既知であり、例えば、低級アルキルエステル(例えばC1〜C4)、低級アシルオキシアルキルエステル、低級アルコキシアシルオキシアルキルエステル、アルコキシアシルオキシエステル、アルキルアシルアミノアルキルエステル、およびコリンエステルが含まれる。
ここで用いられる場合、「生物加水分解性のアミド」という用語は、薬物実体(この場合には本発明による化合物)のアミドであって、a) 親物質の生物学的活性とは相互作用しないが、その物質に、作用の持続、作用の開始等のようなインビボの有利な性質を与えるか、またはb) 生物学的に不活性であるが、対象によってインビトロで容易に生物学的に活性を有する成分に変換されるアミドである。利点は、例えば、溶解性が増大することまたは生物加水分解性のアミドは腸から経口的に吸収されること、および血漿中で本発明による化合物に変換されることである。そのような多くの例が当該分野において既知であり、例えば、低級アルキルアミド、α-アミノ酸アミド、アルコキシアシルアミド、およびアルキルアミノアルキルカルボニルアミドが含まれる。
本文中において、「薬学的に許容可能な塩」という用語は、患者に対して有害でない塩を指すものである。そのような塩には、薬学的に許容可能な酸付加塩、薬学的に許容可能な金属塩、アンモニウムおよびアルキル化アンモニウム塩が含まれる。酸付加塩には、無機酸および有機酸の塩が含まれる。適切な無機酸の代表例には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、硝酸等が含まれる。適切な有機酸の代表例には、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、ケイ皮酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、シュウ酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモン酸、ビスメチレンサリチル酸、エタンジスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等が含まれる。薬学的に許容可能な無機または有機酸付加塩のさらなる例には、本明細書の一部として援用されるJ. Pharm. Sci. 1977, 66, 2の中に挙げられている薬学的に許容可能な塩が含まれる。金属塩の例には、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム塩等が含まれる。アンモニウムおよびアルキル化アンモニウム塩の例には、アンモニウム、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ヒドロキシエチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ブチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム塩等が含まれる。
ここで用いられる場合、化合物の「治療的に有効な量」は、与えられた疾患およびその合併症の臨床症状を治療、軽減、または部分的に抑止するのに十分な量を意味する。これを達成するのに適当な量は、「治療的に有効な量」として定義されている。それぞれの目的に対して有効な量は、疾患または傷害の重症度、ならびに患者の体重および全身の状態に依存するであろう。適切な用量の決定は、すべて訓練した医師または獣医師の通常の技術の範囲内である、値のマトリックスを作成することおよびマトリックスにおいて異なる点で試験することにより、決まった実験を用いてなされてよい。
「治療」および「治療すること」という用語は、ここで用いられる場合、疾患または障害のような状態と闘うことを目的とする患者の管理および看護を意味する。前記用語は、症状もしくは合併症を軽減するため、疾患、障害、もしくは状態の進行を遅延させるため、症状および合併症を軽減するもしくは除去するため、および/または疾患、障害、もしくは状態を治療もしくは除去するため、ならびに前記状態を予防するための活性化合物の投与のような、患者が苦しんでいる状態に対する治療の全範囲を含むものであり、前記予防は、疾患、状態、もしくは障害と闘うことを目的とした患者の管理および看護として理解されるべきであり、症状または合併症の発症を予防するために活性化合物を投与することが含まれる。治療されるべき患者は、好ましくは哺乳動物、特にヒトであるが、イヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、およびブタのような動物も含まれてよい。
「機能的なインビトロの半減期」という用語は、その通常の意味、すなわち、ポリペプチドもしくは抱合体の生物学的活性の50%が体内/標的器官においてまだ存在する時間、またはポリペプチドもしくは抱合体の活性が、その最初の値の50%となる時間の意味で用いられる。機能的なインビトロの半減期を決定することに代わるものとして、「血清半減期」、すなわち、消失する前に、ポリペプチドもしくは抱合体分子の50%が血漿もしくは血流中を循環している時間が決定されてもよい。血清半減期の決定は、しばしば、機能的半減期の決定よりも簡単であり、血清半減期の長さは、通常、機能的なインビトロ半減期の長さのよい指標となる。血清半減期に代わる用語には、血漿半減期、循環半減期、血清クリアランス、血漿クリアランス、およびクリアランス半減期が含まれる。保持されるべき機能性は、通常、プロコアギュラント、タンパク分解性、補因子結合、受容体結合活性、または特定のタンパク質に付随する他の型の生物学的活性から選択される。「増大した」という用語は、機能的なインビトロ半減期または血漿半減期について用いられる場合、ポリペプチドもしくは抱合体に関連する半減期が、比較可能な条件下で測定された非抱合糖タンパク質のような基準分子の半減期と比較して統計学的に有意に増加することを指すように用いられる。例えば、関連する半減期は、少なくとも約50%、少なくとも約100%、150%、200%、250%、または500%のように、少なくとも約25%増大してよい。
「高分子」もしくは「高分子基」もしくは「高分子部分」もしくは「ポリマー分子」という用語は、アミノ酸残基でない2以上のモノマーの共有結合によって形成される分子を包含する。好ましいポリマーは、デンマーク特許出願 PA 2003 01145号に開示されているデンドリマー、ポリエチレングリコール(PEG)およびポリプロピレングリコール(PPG)のようなポリアルキレングリコール(PAG)を含むポリアルキレンオキシド(PAO)、分枝状PEG、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカルボキシレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン-co-マレイン酸無水物、ポリスチレン-co-マレイン酸無水物、およびデキストランからなる群より選択される高分子であり、PEGが特に好ましい。
製剤の「免疫原性」は、ヒトに対して投与された場合に、体液性、細胞性、または両方の有害な免疫反応を誘発する製剤の能力について示す。ヒトの亜集団において、投与された特定のタンパク質に対して感受性を示す固体が存在する可能性がある。免疫原性は、当該分野において既知の通常の方法を用いて、感受性の個体における抗タンパク質抗体および/またはタンパク質反応性T細胞の存在を定量することにより測定されてよい。いくつかの実施形態において、本発明の製剤は、感受性の個体において、参照製剤のその個体に対する免疫原性と比較して、少なくとも約10%の免疫原性の減少を示し、好ましくは少なくとも約25%であり、より好ましくは少なくとも約40%であり、最も好ましくは少なくとも約50%の減少を示す。
「遅延性の基」または交換可能な「遅延性の部分」という用語は、タンパク質に共有結合性に結合した場合、非抱合タンパク質と比較して抱合タンパク質の血清半減期を延長する基を含むものである。活性の延長は、特定の糖タンパク質の消失を妨げるまたは低下させる(特異的または非特異的)ことにより達成される。抱合された糖タンパク質は、その生物学的活性を実質的に保存するべきである。非限定的な例には、例えば、デンマーク特許出願PA 2003 01145号に開示されているデントリマー、ポリアルキレンオキシド(PAO)、ポリアルキレングリコール(PAG)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、分枝状PEG、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカルボキシレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン-co-マレイン酸無水物、ポリスチレン-co-マレイン酸無水物、デキストラン、カルボキシメチルデキストランのような高分子基;脂肪酸、C5〜C24 脂肪酸、脂肪族系二価酸(例えば C5〜C24)のように、アルブミンに結合する化合物のような血清タンパク質結合性リガンドが含まれる。アルブミン結合剤は、デンマーク特許出願PA 2004 01083、PA 2003 01788、およびPA 2003 01366に記載されている。アルブミン結合剤には、次式の化合物もある:
Figure 2008507990
遅延性の基の他の例には、カルボン酸もしくはアミン、またはより小さなアルキル置換基(すなわちC1〜C5 アルキル)のようなグリカン特異認識を阻害する中性置換基のように、生理学的な条件下で電荷特性を変化させる部分を含む小さな有機分子が含まれる。
本文脈において、「ペプチド」および「ポリペプチド」および「タンパク質」という語は、交換可能に用いられ、同じものを指すものである。
発明の説明
本発明は、FVIIaの予め決められた部位に官能基を組み込む方法を提供する。
本発明は、FVIIが、高い程度の選択性でFVIIa軽鎖のC末端において抱合されてよい方法を提供する。1つの方法は、FVII軽鎖のC末端で特異的に切断することにより、自己触媒的な方法でFVIIをFVIIaに変換するFVIIaの能力を利用する。この切断反応において、水以外の求核剤、例えば1級アミンは、FVIIaの脱アシル化において利用されてよく、その結果として、FVIIa軽鎖のC末端に官能基が組み込まれ、前記官能基は、続いて抱合点として用いられる。上記の反応は、2つの非常に特異的な切断酵素の能力、すなわち、FVIIの軽鎖および重鎖の間で特異的に切断する能力および脱アシル化を触媒するために水以外の求核剤を利用する能力を必要とし、多くの他の酵素が、FVIIaの代わりに前記反応を触媒/惹起するために用いられてよい。これらの酵素には、FXa、FSAP、ヘプシン等が含まれる。代替のシナリオにおいて、アミン求核剤に依存する酵素、すなわちソルターゼは、遺伝的に導入された認識部位を含むFVII変種と組み合わせて利用されてよい。
例えば末端アミノ基またはリジンのε-アミノ基のように既にペプチド中に存在する官能基を利用する他の抱合方法と比較して、本発明の方法は、選択性の改善という利点を提供する。1以上の近づきにくい官能基をペプチド中に組み込むことは、特定の位置のみで抱合が起こることが保証される。さらに、本発明は、FVII中のある一定の位置における誘導体化を提供し、それは、完全に機能的なペプチドを得るための本来の切断点である。
模式的に表すと、前記反応は以下のように進行する:
Figure 2008507990
FVIIまたはFVIIの変種は、R152 およびIle153の間で特異的に切断され、その結果として活性型であるFVIIaを形成する。R’-Xは、FVIIaと反応する化合物を意味する。Xは、FVIIaを抱合する基を意味するか、またはXは官能基を意味する。R’は、求核性の基(-NH2、-OH、もしくは-SH)を含むRを意味し、FVIIa-R-Xにおいては、リンカー部分(-NH-、-O-、もしくは-S-)としてRに組み込まれるであろう。
原理的には、天然の活性化部位(PQGR152-I153VGG)を切断することができる一方で、R152にHO以外の求核剤を付加することができるセリン/チオールプロテアーゼが用いられてよい。あるいは、別の酵素に対して最適な部位を作るために、例えばソルターゼ (ref. Kruger et al. Biochemistry. 2004 Feb 17;43(6):1541-51)のような別のプロテアーゼまたはタンパク質トランスフェラーゼに適した配列が、配列I153VGGの前に導入されてよい。
理論的に、アシル基転移は、それぞれ、酵素に対して動態学的に制御されたまたは平衡的に制御されたメカニズムにより、共有結合性の中間体を経るかまたは経ることなく、全てのタンパク質分解酵素によって媒介されてよい。FVIIaに対して、我々は、共有結合性のエステル/チオエステル中間体の存在に依存する酵素、すなわち触媒的な装置にセリンまたはシステインが含まれる酵素に焦点を合わせてきた。この場合の作用メカニズムは、基質が結合し、共有結合性の中間体が形成され(アシル化)、続いて、水以外の求核試薬により中間体において求核攻撃が起こる(アシル基転移)という2段階の反応となる。本来、酵素の大部分がペプチド結合を加水分解するようにデザインされるので、アシル基転移は、加水分解または脱アシル化と競合して起こる。
切断タンパク質の数および型は、FVIIへの特異的切断部位の挿入によりさらに拡大される。本発明の実施において、アミノ酸配列IVGGが切断部位のアミノ末端側において許容され、且つ前記酵素がポリペプチド全体において単一の切断のみを提供するのに十分選択的である限り、任意のタンパク質分解酵素が用いられてよく、切断はFVIIaの活性化部位で起こる。一連の実施形態において、前記切断部位は、それぞれソルターゼAまたはソルターゼBに対する基質として作用するために、LPXTG-IVGGまたはNPXTN-IVGGに修飾されてよい(Kruger et al. Biochemistry. 2004; 43:1541-51)。
関連する酵素には、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、バチルス・セレウス(Baccilus cereus)、バチルス・ハロデュラン(Bacillus halodurans)、クロストリジウム・アセトブチリカム(Clostridium acetobutylicum)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、破傷風菌(Clostridium tetani)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、リステリア・イノキュア(Listeria innocua)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、表皮ブドウ球菌(Stephylococcus epidermis)、B群連鎖球菌(Streptococcus agalactiae)、ストレプトコッカス・ゴルドニイ(Streptococcus gordonii)、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus phenumoniae)、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・スイス(Streptococcus suis)に由来するソルターゼAが含まれる。
関連する酵素には、黄色ブドウ球菌、炭疽菌、バチルス・セレウス、バチルス・ハロデュラン、ウェルシュ菌、リステリア・イノキュア、リステリア・モノサイトゲネスに由来するソルターゼBが含まれる。
本発明の1つの実施形態において、黄色ブドウ球菌由来のソルターゼAおよびBが用いられる。
本来の切断部位が用いられる場合、修飾のためのプロテアーゼの明らかな群には、FVIIを活性化できることが前もって示されている酵素、すなわち、FVIIa自体、ならびにFIXa (JBC 272, 17467-72)、FXa、FSAP (Romisch, Biol Chem. 2002, 383:1119-24)、ヘプシン (Kazama et al. J Biol Chem. 1995, 270:66-72.)、およびマトリプターゼ(matriptase) (H.R. Stennicke -未発表)が含まれる。
上記のどちらの場合においても中間体は形成され、遅延性の基または官能基により軽鎖のC末端において修飾されたFVIIaの活性化誘導体となり、さらに修飾されてよい。官能基の場合、FVIIa誘導体は、引き続いて、活性化FVIIa誘導体と特異的に反応する1以上の官能基を含んでなる他の化合物と反応する。
原理的には、1級アミンは、R-Xとして脱アシル化反応において作用することができるべきであるが、pKa、立体障害、結合性、および溶解度のような因子は、求核剤の効力および効率に影響を与えるであろう。
多くの求核性の化合物は、本発明の方法によってペプチド中に組み込むことができることが既知であり、α-アミノ酸は、そのようなタイプの求核性化合物の1つである。本発明の目的のために、しかしながら、求核性化合物は、反応生成物それ自体が酵素に適合する基質でないように選択されることが好ましい。
化合物が与えられた酵素に対する基質であるかどうかは、原理的には、例えば反応が起こっている時間のような条件に依存する。十分な時間が与えられれば、実際に多くの化合物は酵素に対する基質となるが、通常の条件下ではそのようにみなされない。生成物自体が酵素の基質になるべきでないと上記で述べられる場合、生成物自体は、次に続く本発明の方法における反応が妨害される程度の酵素に対する基質でないことを表すものである。実際に、生成物が酵素に対する基質である場合、反応後に、例えば酵素阻害剤によって前記酵素は除去されるかまたは不活化されてよい。
ペプチドおよび求核剤の反応は、C末端アミノ酸残基またはペプチド(FVIIの場合、ペプチドは重鎖)が求核性の化合物と交換されたアシル基転移ペプチドを与え、それは、抱合されるべきペプチド中に近づきにくい1以上の官能基を含んでなる。この反応(またはこの一連の反応)の全体的な結果は、ペプチド中の唯一の位置に存在するペプチドへの1以上の官能基の組み込みである。ペプチドを抱合するべき部分およびアシル基転移反応においてペプチドに加えられた官能基のみと反応する1以上の官能基を含んでなる化合物との引き続く反応(または一連の反応)は、抱合されるべきペプチドの選択的抱合を成し遂げる。
本発明の1つの側面において、R’-Xはα-アミノ酸誘導体であり、
Figure 2008507990
FVIIをFVIIaに切断するために選択された酵素の存在下で、次式の化合物を形成する。
Figure 2008507990
式中のP’はFVIIaを表す
本発明のもう1つの実施形態において、R-Xは、C末端および任意に1以上のアミノ酸において修飾されたペプチドである。非修飾のN末端は、求核剤として作用し、C末端アミドを有するペプチド配列であるペプチドP’に結合する。それ故、配列中のアミノ酸の1つは、さらなる付加がなされてもよい修飾Xを含む。原理的には、ペプチドは任意の長さであり、1以上の修飾されたアミノ酸を含んでよい。
FVIIaまたは中間体P’-R-Xと反応する化合物は、リンカーであるRおよびEを含み、それぞれ求核性の基を含んでなる。これらのリンカーは、相互に独立しており、存在しないかまたはアルカン、アルケン、もしくはアルキンのジラジカルならびにヘテロアルカン、ヘテロアルケン、およびヘテロアルキンのジラジカルから選択され、1以上の任意に置換された芳香族単素環式ビラジカルもしくは複素環式化合物のビラジカル、例えばフェニレンもしくはピペリジンビラジカルが前記ビラジカルに挿入されてよい。前記リンカーは、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシル、アリール、アルキル、およびヘテロアリールから選択される基による置換を含んでもよいと理解されるべきである。本発明の1つの側面において、前記リンカーには、小さなペプチドを形成するアミノ酸も含まれる。上記で述べたような官能基XまたはYは、アミノ酸配列の内部にあってもどちらかの末端にあってもよい。X’およびY’は、望ましい官能基を有するアミノ酸誘導体として、任意に挿入される。
本発明の1つの側面において、R’-Xは、ペプチドアミドの小さな配列であり、ここでのアミノ酸の1つは、上述したような基Xを含むように誘導体化される。本発明の1つの側面において、前記ペプチドは1〜20のアミノ酸である。
R’-Xの一般的な例は(AA)a-(Ax)-(AA)b-NH2であり、ここでのAAはアミノ酸を意味し、AxはXを含む誘導体を意味し、aおよびbは0を含む任意の数字を示す。
Y-E-Zは、基Zを導入した部分を意味する。Yは、P’-R-X中のXと反応してP’-R-A-E-Z中のAを形成するように選択される。
XおよびYの官能基間の反応において形成された部分Aは、原理的には、最終的に抱合されたペプチドにどのような性質が望まれるかに依存した種類であってよい。いくつかの状況において、後の段階で、例えば酵素的作用または光分解により切断され得る不安定な結合を有していることが望ましい。他の状況においては、安定に抱合されたペプチドを得るために安定な結合を有していることが望ましい。オキシム、ヒドラゾン、フェニルヒドラゾン、およびセミカルバゾン部分のような、アミン誘導体およびカルボニル基の間の反応により形成されたタイプの部分について特別な言及がなされている。
1つの実施形態において、XおよびYの官能基は、ケトおよびアルデヒド基のようなカルボニル基、ならびに以下に示すようなアミノ誘導体から選択される:
ヒドラジン誘導体 -NH-NH2,
ヒドラジンカルボキシレート誘導体 -O-C(O)-NH-NH2,
セミカルバジド誘導体 -NH-C(O)-NH-NH2,
チオセミカルバジド誘導体 -NH-C(S)-NH-NH2,
炭酸ジヒドラジド誘導体 -NHC(O)-NH-NH-C(O)-NH-NH2,
カルバジド誘導体 -NH-NH-C(O)-NH-NH2,
チオカルバジド誘導体 -NH-NH-C(S)-NH-NH2,
アリールヒドラジン誘導体 -NH-C(O)-C6H4-NH-NH2、および
ヒドラジド誘導体 -C(O)-NH-NH2
-O-NH2、-C(O)-O-NH2、-NH-C(O)-O-NH2、および-NH-C(S)-O-NH2のようなオキシルアミン誘導体。
X中に含まれる官能基がカルボニル基である場合、Y中に含まれる官能基はアミン誘導体であり、逆もまた同じであると理解されるべきである。
本発明の1つの側面において、Yは、-O-NH2の形態の基である。
XおよびYの適切な組のもう1つの例は、トリアゾール部分を形成するように反応するアジド誘導体(-N3)およびアルキンである。
式P’-R-A-E-ZにおけるEおよびRは共に、結合またはリンカーを意味し、本文中において「リンカー」という用語は、ZからYおよびペプチドからXを分離するための手段として機能する部分を指すものである。リンカーEおよびRの1つの機能は、ペプチドおよび抱合部分Zとの間の結合において適切な可動性を与えることであってよい。EおよびR’の典型的な例には、直鎖状、分枝状、および/または環状のC1〜10アルキレン、C2〜10アルケニレン、C2〜10アルキニレン、C1〜22へテロアルキレン、C2〜10へテロアルケニレン、C2〜10へテロアルキニレンが含まれ、1以上の単素環式芳香族化合物ビラジカルまたは複素環式化合物ビラジカルが挿入されてよい。EおよびRの特別な例には、以下のものが含まれてよい:
Figure 2008507990
および(AA)a(ここでのAAはアミノ酸であり、aは任意の数である)。
本発明の1つの実施形態において、Zは遅延(protractor) 基である。本発明の1つの実施形態において、ZはPEG基である。本発明によりペプチドを抱合するPEGは、任意の分子量であってよい。特に、前記分子量は、500および100,000 Daの間であってよく、例えば500および60,000 Daの間、1000および40,000 Daの間、5,000および40,000 Daの間であってよい。特に、10,000 Da、20,000 Da、または40,000 KDaの分子量を有するPEGが本発明において用いられてよい。全ての場合において、PEGは直鎖または分枝状であってよい。
Zは、1より多い標識またはラジカルを含むように分枝状であってよい。分枝状のPEGには、例えば、それぞれ10,000 KDaもしくは20,000 KDaの2つのPEG分子、または異なる分子量の2つのPEGの組み合わせが含まれてよい。
1つの実施形態において、Zは、例えばアルブミンのような血漿タンパク質と結合することが既知である1以上の部分を含んでなる。アルブミンに結合する化合物の能力は、本明細書の一部として援用されるJ.Med.Chem, 43, 2000, 1986-1992に記載されているように決定されてよい。本文脈において、J.Med.Chem, 43, 2000, 1986-1992に記載されているように測定した場合、Daで測定した場合の分子量(MW)に対する共鳴ユニット(Ru)の割合が0.05以上である場合にアルブミンに結合すると定義され、例えば、0.10以上、0.12以上、または0.15以上である。
本発明のもう1つの実施形態において、アルブミン結合部分は、40未満のアミノ酸残基を含むペプチドのようなペプチドである。アルブミン結合部分である多数の小さなペプチドは、本明細書の一部として援用されるJ. Biol Chem. 277, 38 (2002) 35035-35043において開示されている。
アルブミン結合剤は、デンマーク特許出願 PA 2004 01083、PA 2003 01788、およびPA 2003 01366に述べられている。アルブミン結合剤(括弧中のタンパク質およびリンカーとともに以下に表されている)は、次式の化合物でもある。
Figure 2008507990
本発明の1つの実施形態において、PEG化ヒト因子VIIaは本発明に従って調製される。
Zの特別な例には、フルオレセインラジカル、ローダミンラジカル、テキサスレッド(登録商標)ラジカル、およびフィコビリンタンパク質ラジカル等のような蛍光マーカー等の標識;p-ニトロフェノールアセテートラジカルのような酵素基質;Cu-64, Ga67, Ga-68, Zr-89, Ru-97, Tc-99, Rh-105, Pd-109, In-111, I-123, I-125, I-131, Re-186, Re-188, Au-198, Pb-203, At-211, Pb-212、およびBi-212のような放射性同位元素との複合体における有機リガンド;PEGもしくはmPEGラジカルおよびそれらのアミノ誘導体のような有機部分;直鎖状、分枝状、および/または環状のC1〜22アルキル、C2〜22アルケニル、C2〜22アルキニル、C1〜22へテロアルキル、C2〜22へテロアルケニル、C2〜22へテロアルキニルであって、1以上の単素環式芳香族化合物ビラジカルまたは複素環式化合物ビラジカルが挿入されてよく、前記C1〜C22またはC2〜C22ラジカルは、ヒドロキシル、ハロゲン、カルボキシル、ヘテロアリール、およびアリールから選択される1以上の置換基で任意に置換されてよく、前記アリールまたはヘテロアリールは、ヒドロキシル、ハロゲン、およびカルボキシルから選択される1以上の置換基で任意にさらに置換されてよい基;ステロイドラジカル;脂質ラジカル;例えばデキストランのようなポリサッカライドラジカル;例えばポリアミノ酸ラジカルのようなポリアミドラジカル;PVPラジカル;PVAラジカル;ポリ(1-3-ジオキサラン);ポリ(1,3,6-トリオキサン);エチレン/無水マレイン酸ポリマー;シバクロン(Cibacron)ブルー 3GAのようなシバクロン色素、および本明細書の一部として援用されるWO 00/12587において開示されている、特定の長さのポリアミド鎖が含まれる。
C15およびC17のようなC10〜20アルキル、ならびに次式のベンゾフェノン誘導体について、特別な言及がなされている。
Figure 2008507990
式Y-E-Zの化合物の特別な例には、次式の化合物が含まれる:
Figure 2008507990
式中のnは、1、2、3、4、5、または6であり、mPEGは、10kDa、20 kDa、30kDa、または40kDaの分子量である
Figure 2008507990
式中のmは、1、2、3、4、5、または6であり、mPEGは、10kDa、20 kDa、30kDa、または40kDaの分子量である
Figure 2008507990
式中のmPEGは、10kDa、20 kDa、30kDa、または40kDaの分子量である
Figure 2008507990
式中のmPEGは、10kDa、20 kDa、30kDa、または40kDaの分子量である
Figure 2008507990
式中のnは、0、1、2、3、4、5、または6であり、mは、1、2、3、4、5、または6であり、mPEGは、10kDa、20 kDa、30kDa、または40kDaの分子量である
Figure 2008507990
式中のmPEGは、10kDa、20kDa、30kDa、または40kDaの分子量である
Figure 2008507990
式中のnは、1、2、3、4、5、または6であり、mPEGは、10kDa、20 kDa、30kDa、または40kDaの分子量である
Figure 2008507990
式中のmPEGは、10kDa、20 kDa、30kDa、または40kDaの分子量である
Figure 2008507990
式中のmPEGは、10kDa、20 kDa、30kDa、または40kDaの分子量である
Figure 2008507990
式中のmPEGは、10kDa、20 kDa、30kDa、または40kDaの分子量である
Figure 2008507990
式中のmPEGは、10kDa、20 kDa、30kDa、または40kDaの分子量である
Figure 2008507990
式中のYは、-O-NH2、NH-NH2であり、
n、m、およびsは、0〜20の数から独立に選択され、例えば2以上であり;
Q’およびQ’’は、独立に、例えば、水素、メチル、フェニル、ビフェニル、フェノキシフェニル、フェニルカルボキシフェニルを意味する。
上記の式中のアルキル鎖における適切な位置において、式-SO2-、-C(O)NH-、-C(O)NHSO2-、-SO2-フェニル-、-C(O)NHSO2-フェニル-の基は、どちらの方向にも挿入されてよい。任意に、上記式における基C(O)NHは、次式で置換されてよい。
Figure 2008507990
本発明の1つの実施形態において、誘導体Zの導入は、1段階で導入される。この場合、R-Xは、FVIIaに導入されるべき誘導体を含み、R-A-E-Zとして表すことができる。求核剤は、例えばアミノ酸を意味し、誘導体を含むように修飾される。原理的には、アミノ酸のいずれの配列が用いられてもよい。本発明の1つの側面において、例えばG(1〜5) -PEG、G(1〜5)-脂質、G(1〜4) -NH-CH2-CHO、G(1-4) -NH-(CH2)n-O-NH2 であって、ここでのnは、2以上であって、例えば2である求核剤が用いられる。
ペプチドを修飾する必要性は、多数の理由から生じ、これは、本発明の方法によりペプチドを抱合し得る化合物の種類においても反映される。例えば、治療的なペプチドのバイオアベイラビリティを修飾するために溶解性を増大させる(または減少させる)ことのように、ペプチドの物理化学的性質を変化させるためにペプチドを修飾することが望ましい可能性がある。もう1つの実施形態において、化合物を例えばアルブミンのような血漿タンパク質に結合するペプチドに結合させることにより、体内における消失速度を修飾すること、または腎臓を通って排泄されるのを防ぐもしくは遅延させるために、ペプチドのサイズを増加させることが望ましい可能性がある。もう1つの実施形態において、ペプチドの分析を促進するために標識を結合させることが望ましい可能性がある。このような標識の例には、放射性同位元素、蛍光マーカー、および酵素基質が含まれる。さらにもう1つの実施形態において、化合物は、ペプチドの分離を容易にするためにペプチドと結合する。例えば、ある特定のカラム物質に対して特異的な親和性を有する化合物がペプチドと結合してもよい。例えば、ペプチドにおける1以上の免疫原のエピトープを隠す、遮蔽する、または覆うようにペプチドを抱合することにより、ペプチドの免疫原生を修飾することが望ましい可能性もある。本発明の1つの側面において、得られたペプチドは、改善された生物学的半減期を有する。本発明の1つの側面において、得られたペプチドは、天然のペプチドと比較して改善された活性を有する。本発明の1つの側面において、得られたペプチドは、天然のペプチドと比較してその活性を維持できる。
本発明の1つの実施形態において、機能的なインビボ半減期は、FVIIaのC末端に重合体分子を付加することにより増加する。本発明の1つの実施形態において、これはprotractor基である。本発明の1つの実施形態において、これはPEG基である。本発明によりペプチドに結合したPEGは、いずれの分子量でもよい。特に、前記分子量は、500および100,000 Daの間であってよく、例えば、500および60,000 Daの間、1000および40,000 Daの間、5,000および40,000 Daの間であってよい。特に、10,000 Da、20,000 Da、または40,000 KDaの分子量のPEGが本発明において使用されてよい。全ての場合において、前記PEGは直鎖もしくは分枝状であってよい。
「因子VII誘導体」という用語は、ここで用いられる場合、野生型因子VII、野生型因子VIIと比較して実質的に同じまたは改善された生物学的活性を示す因子VIIの変種、および因子VII関連ポリペプチドであって、親ペプチドの1以上のアミノ酸が、例えばアルキル化、PEG化、アシル化、エステル形成、またはアミド形成等により化学的に修飾されたものを表すように意図されている。これには、限定するものではないが、PEG化ヒト因子VIIa、システイン-PEG化ヒト因子VIIa、およびそれらの変種が含まれる。
ここで用いられる場合、「因子VII関連ポリペプチド」は、変種を含むポリペプチドを包含し、因子VIIa生物学的活性は実質的に修飾されるか、または野生型因子VIIaの活性と比較して減少する。これらのポリペプチドには、限定するものではないが、ポリペプチドの生理活性を修飾または乱すように特定のアミノ酸配列の変化が導入された因子VIIまたは因子VIIaが含まれる。
野生型因子VIIaと比較して、実質的に同じまたは改善した生物活性を有する因子VII変種は、上記で述べたような凝固試験、タンパク質分解試験、またはTF結合試験のうち1以上で試験した場合に、同じ細胞型において産生される因子VIIaの特異的な活性の、少なくとも約25%、好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約75%、および最も好ましくは少なくとも約90%を示すものが包含される。野生型因子VIIaと比較して実質的に減少した生物活性を有する因子VII変種は、上記で述べたような凝固試験、タンパク質分解試験、またはTF結合試験のうち1以上で試験した場合に、同じ細胞型において産生される野生型因子VIIaの特異的な活性の、約25%未満、好ましくは約10%未満、より好ましくは約5%未満、および最も好ましくは約1%未満を示すものである。野生型因子VIIと比較して、実質的に修飾された生物活性を有する因子VIIの変種には、限定するものではないが、TF非依存性因子Xタンパク質分解活性を示す因子VIIの変種およびTFに結合するが因子Xを切断しない因子VIIの変種が含まれる。
野生型因子VIIと比較して実質的に同じまたはよりよい生物活性を示すか、あるいは、野生型因子VIIと比較して実質的に修飾されたまたは減少した生物活性を示すかにかかわらず、因子VIIの変種には、限定するものではないが、1以上のアミノ酸の挿入、欠損、または置換により、野生型因子VIIの配列とは異なるアミノ酸配列を有するペプチドが含まれる。
「変種」という用語は、ここで用いられる場合、野生型因子VIIの配列を有する因子VIIであり、親タンパク質の1以上のアミノ酸が他のアミノ酸により置換され、および/または親タンパク質の1以上のアミノ酸が欠損し、および/または1以上のアミノ酸がタンパク質中に挿入され、および/または1以上のアミノ酸が親タンパク質に付加される。そのような付加は、親タンパク質のN末端もしくはC末端で起こるか、または両方で起こり得る。この定義に含まれる「変種」は、その活性化された形態においてFVII活性も有する。1つの実施形態において、変種は、野生型因子VIIの配列と70%は同一である。1つの実施形態において、変種は、野生型因子VIIの配列と80%は同一である。もう1つの実施形態において、変種は、野生型因子VIIの配列と90%は同一である。さらなる実施形態において、変種は、野生型因子VIIの配列と95%は同一である。
組み換え型の野生型ヒト因子VIIaと比較して、実質的に同じまたは増大したタンパク質分解活性を有する因子VIIの変種の非限定的な例には、S52A-FVIIa、S60A-FVIIa ( Lino et al., Arch. Biochem. Biophys. 352: 182-192, 1998); 米国特許第5,580,560号において開示されているような、増大したタンパク質分解安定性を示すFVIIaの変種; 残基290および291の間または残基315および316の間でタンパク質分解性に切断される因子VIIa (Mollerup et al., Biotechnol. Bioeng. 48:501-505, 1995); 因子VIIaの酸化型 (Kornfelt et al., Arch. Biochem. Biophys. 363:43-54, 1999); PCT/DK02/00189(WO 02/077218に対応)において開示されているようなFVIIの変種;ならびにWO 02/38162において開示されているような、増大したタンパク質分解安定性を示すFVIIの変種 (スクリップス研究所(Scripps Research Institute)); WO 99/20767、米国特許第6017882号および第6747003号、米国特許出願第20030100506号 (ミネソタ大学)およびWO 00/66753、米国特許出願第20010018414号、第 2004220106号、および第200131005号、米国特許第6762286号および第6693075号 (ミネソタ大学)において開示されているように、修飾されたGla-ドメインを有し、且つ増大した膜結合性を示すFVIIの変種;ならびにWO 01/58935、米国特許第6806063号、米国特許出願第20030096338号 (マキシゲン(Maxygen) ApS)、WO 03/93465 (マキシゲン ApS)、WO 04/029091 (マキシゲン ApS)、WO 04/083361 (マキシゲン ApS)、WO 04/111242 (マキシゲン ApS)、およびWO 04/108763 (カナディアンブラッドサービス)において開示されているようなFVIIの変種が含まれる。
野生型FVIIaと比較して増大した生物活性を有するFVIIの変種の非限定的な例には、WO 01/83725、WO 02/22776、WO 02/077218、PCT/DK02/00635 (WO 03/027147に対応)、デンマーク特許出願PA 2002 01423 (WO 04/029090に対応)、デンマーク特許出願PA 2001 01627 (WO 03/027147に対応); WO 02/38162 (スクリップス研究所)において開示されているようなFVIIの変種; およびJP 2001061479 (ケモ-セロ-治療研究所(Chemo-Sero-Therapeutic Res Inst.))において開示されているような増強された活性を有するFVIIaの変種が含まれ、これらは全て本明細書の一部として援用される。
因子VIIの変種の例には、限定するものではないが、以下が含まれる:L305V-FVII, L305V/M306D/D309S-FVII, L305I-FVII, L305T-FVII, F374P-FVII, V158T/M298Q-FVII, V158D/E296V/M298Q-FVII, K337A-FVII, M298Q-FVII, V158D/M298Q-FVII, L305V/K337A-FVII, V158D/E296V/M298Q/L305V-FVII, V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII, V158D/E296V/M298Q/L305V/K337A-FVII, K157A-FVII, E296V-FVII, E296V/M298Q-FVII, V158D/E296V-FVII, V158D/M298K-FVII, and S336G-FVII, L305V/K337A-FVII, L305V/V158D-FVII, L305V/E296V-FVII, L305V/M298Q-FVII, L305V/V158T-FVII, L305V/K337A/V158T-FVII, L305V/K337A/M298Q-FVII, L305V/K337A/E296V-FVII, L305V/K337A/V158D-FVII, L305V/V158D/M298Q-FVII, L305V/V158D/E296V-FVII, L305V/V158T/M298Q-FVII, L305V/V158T/E296V-FVII, L305V/E296V/M298Q-FVII, L305V/V158D/E296V/M298Q-FVII, L305V/V158T/E296V/M298Q-FVII, L305V/V158T/K337A/M298Q-FVII, L305V/V158T/E296V/K337A-FVII, L305V/V158D/K337A/M298Q-FVII, L305V/V158D/E296V/K337A-FVII, L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII, L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A-FVII, S314E/K316H-FVII, S314E/K316Q-FVII, S314E/L305V-FVII, S314E/K337A-FVII, S314E/V158D-FVII, S314E/E296V-FVII, S314E/M298Q-FVII, S314E/V158T-FVII, K316H/L305V-FVII, K316H/K337A-FVII, K316H/V158D-FVII, K316H/E296V-FVII, K316H/M298Q-FVII, K316H/V158T-FVII, K316Q/L305V-FVII, K316Q/K337A-FVII, K316Q/V158D-FVII, K316Q/E296V-FVII, K316Q/M298Q-FVII, K316Q/V158T-FVII, S314E/L305V/K337A-FVII, S314E/L305V/V158D-FVII, S314E/L305V/E296V-FVII, S314E/L305V/M298Q-FVII, S314E/L305V/V158T-FVII, S314E/L305V/K337A/V158T-FVII, S314E/L305V/K337A/M298Q-FVII, S314E/L305V/K337A/E296V-FVII, S314E/L305V/K337A/V158D-FVII, S314E/L305V/V158D/M298Q-FVII, S314E/L305V/V158D/E296V-FVII, S314E/L305V/V158T/M298Q-FVII, S314E/L305V/V158T/E296V-FVII, S314E/L305V/E296V/M298Q-FVII, S314E/L305V/V158D/E296V/M298Q-FVII, S314E/L305V/V158T/E296V/M298Q-FVII, S314E/L305V/V158T/K337A/M298Q-FVII, S314E/L305V/V158T/E296V/K337A-FVII, S314E/L305V/V158D/K337A/M298Q-FVII, S314E/L305V/V158D/E296V/K337A-FVII, S314E/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII, S314E/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A-FVII, K316H/L305V/K337A-FVII, K316H/L305V/V158D-FVII, K316H/L305V/E296V-FVII, K316H/L305V/M298Q-FVII, K316H/L305V/V158T-FVII, K316H/L305V/K337A/V158T-FVII, K316H/L305V/K337A/M298Q-FVII, K316H/L305V/K337A/E296V-FVII, K316H/L305V/K337A/V158D-FVII, K316H/L305V/V158D/M298Q-FVII, K316H/L305V/V158D/E296V-FVII, K316H/L305V/V158T/M298Q-FVII, K316H/L305V/V158T/E296V-FVII, K316H/L305V/E296V/M298Q-FVII, K316H/L305V/V158D/E296V/M298Q-FVII, K316H/L305V/V158T/E296V/M298Q-FVII, K316H/L305V/V158T/K337A/M298Q-FVII, K316H/L305V/V158T/E296V/K337A-FVII, K316H/L305V/V158D/K337A/M298Q-FVII, K316H/L305V/V158D/E296V/K337A-FVII, K316H/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII, K316H/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A-FVII, K316Q/L305V/K337A-FVII, K316Q/L305V/V158D-FVII, K316Q/L305V/E296V-FVII, K316Q/L305V/M298Q-FVII, K316Q/L305V/V158T-FVII, K316Q/L305V/K337A/V158T-FVII, K316Q/L305V/K337A/M298Q-FVII, K316Q/L305V/K337A/E296V-FVII, K316Q/L305V/K337A/V158D-FVII, K316Q/L305V/V158D/M298Q-FVII, K316Q/L305V/V158D/E296V-FVII, K316Q/L305V/V158T/M298Q-FVII, K316Q/L305V/V158T/E296V-FVII, K316Q/L305V/E296V/M298Q-FVII, K316Q/L305V/V158D/E296V/M298Q-FVII, K316Q/L305V/V158T/E296V/M298Q-FVII, K316Q/L305V/V158T/K337A/M298Q-FVII, K316Q/L305V/V158T/E296V/K337A-FVII, K316Q/L305V/V158D/K337A/M298Q-FVII, K316Q/L305V/V158D/E296V/K337A-FVII, K316Q/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII, K316Q/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A-FVII, F374Y/K337A-FVII, F374Y/V158D-FVII, F374Y/E296V-FVII, F374Y/M298Q-FVII, F374Y/V158T-FVII, F374Y/S314E-FVII, F374Y/L305V-FVII, F374Y/L305V/K337A-FVII, F374Y/L305V/V158D-FVII, F374Y/L305V/E296V-FVII, F374Y/L305V/M298Q-FVII, F374Y/L305V/V158T-FVII, F374Y/L305V/S314E-FVII, F374Y/K337A/S314E-FVII, F374Y/K337A/V158T-FVII, F374Y/K337A/M298Q-FVII, F374Y/K337A/E296V-FVII, F374Y/K337A/V158D-FVII, F374Y/V158D/S314E-FVII, F374Y/V158D/M298Q-FVII, F374Y/V158D/E296V-FVII, F374Y/V158T/S314E-FVII, F374Y/V158T/M298Q-FVII, F374Y/V158T/E296V-FVII, F374Y/E296V/S314E-FVII, F374Y/S314E/M298Q-FVII, F374Y/E296V/M298Q-FVII, F374Y/L305V/K337A/V158D-FVII, F374Y/L305V/K337A/E296V-FVII, F374Y/L305V/K337A/M298Q-FVII, F374Y/L305V/K337A/V158T-FVII, F374Y/L305V/K337A/S314E-FVII, F374Y/L305V/V158D/E296V-FVII, F374Y/L305V/V158D/M298Q-FVII, F374Y/L305V/V158D/S314E-FVII, F374Y/L305V/E296V/M298Q-FVII, F374Y/L305V/E296V/V158T-FVII, F374Y/L305V/E296V/S314E-FVII, F374Y/L305V/M298Q/V158T-FVII, F374Y/L305V/M298Q/S314E-FVII, F374Y/L305V/V158T/S314E-FVII, F374Y/K337A/S314E/V158T-FVII, F374Y/K337A/S314E/M298Q-FVII, F374Y/K337A/S314E/E296V-FVII, F374Y/K337A/S314E/V158D-FVII, F374Y/K337A/V158T/M298Q-FVII, F374Y/K337A/V158T/E296V-FVII, F374Y/K337A/M298Q/E296V-FVII, F374Y/K337A/M298Q/V158D-FVII, F374Y/K337A/E296V/V158D-FVII, F374Y/V158D/S314E/M298Q-FVII, F374Y/V158D/S314E/E296V-FVII, F374Y/V158D/M298Q/E296V-FVII, F374Y/V158T/S314E/E296V-FVII, F374Y/V158T/S314E/M298Q-FVII, F374Y/V158T/M298Q/E296V-FVII, F374Y/E296V/S314E/M298Q-FVII, F374Y/L305V/M298Q/K337A/S314E-FVII, F374Y/L305V/E296V/K337A/S314E-FVII, F374Y/E296V/M298Q/K337A/S314E-FVII, F374Y/L305V/E296V/M298Q/K337A-FVII, F374Y/L305V/E296V/M298Q/S314E-FVII, F374Y/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII, F374Y/V158D/E296V/M298Q/S314E-FVII, F374Y/L305V/V158D/K337A/S314E-FVII, F374Y/V158D/M298Q/K337A/S314E-FVII, F374Y/V158D/E296V/K337A/S314E-FVII, F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q-FVII, F374Y/L305V/V158D/M298Q/K337A-FVII, F374Y/L305V/V158D/E296V/K337A-FVII, F374Y/L305V/V158D/M298Q/S314E-FVII, F374Y/L305V/V158D/E296V/S314E-FVII, F374Y/V158T/E296V/M298Q/K337A-FVII, F374Y/V158T/E296V/M298Q/S314E-FVII, F374Y/L305V/V158T/K337A/S314E-FVII, F374Y/V158T/M298Q/K337A/S314E-FVII, F374Y/V158T/E296V/K337A/S314E-FVII, F374Y/L305V/V158T/E296V/M298Q-FVII, F374Y/L305V/V158T/M298Q/K337A-FVII, F374Y/L305V/V158T/E296V/K337A-FVII, F374Y/L305V/V158T/M298Q/S314E-FVII, F374Y/L305V/V158T/E296V/S314E-FVII, F374Y/E296V/M298Q/K337A/V158T/S314E-FVII, F374Y/V158D/E296V/M298Q/K337A/S314E-FVII, F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q/S314E-FVII, F374Y/L305V/E296V/M298Q/V158T/S314E-FVII, F374Y/L305V/E296V/M298Q/K337A/V158T-FVII, F374Y/L305V/E296V/K337A/V158T/S314E-FVII, F374Y/L305V/M298Q/K337A/V158T/S314E-FVII, F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII, F374Y/L305V/V158D/E296V/K337A/S314E-FVII, F374Y/L305V/V158D/M298Q/K337A/S314E-FVII, F374Y/L305V/E296V/M298Q/K337A/V158T/S314E-FVII, F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A/S314E-FVII, S52A-因子VII, S60A-因子VII; R152E-因子VII, S344A-因子VII, T106N-FVII, K143N/N145T-FVII, V253N-FVII, R290N/A292T-FVII, G291N-FVII, R315N/V317T-FVII, K143N/N145T/R315N/V317T-FVII;および233Thrから240Asnのアミノ酸配列において置換、付加、または欠失を有するFVII; 304Argから329Cysのアミノ酸配列において置換、付加、または欠失を有するFVII;および153Ileから223Argのアミノ酸配列において置換、付加、または欠失を有するFVII。
野生型因子VIIと比較して、実質的に減少または修飾された生物活性を有する因子VIIの変種の例には、S344A-FVIIa (Kazama et al., J. Biol. Chem. 270:66-72, 1995), FFR-FVIIa (Holst et al., Eur. J. Vasc. Endovasc. Surg. 15:515-520, 1998)、およびGlaドメインを欠く因子VIIa(Nicolaisen et al., FEBS Letts. 317:245-249, 1993)、ならびに国際出願WO 92/15686において開示されているような、完全に不活化された因子VIIaが含まれ、これらは全て本明細書の一部として援用される。
「PEG化ヒト因子VIIa」という用語は、ヒト因子VIIaポリペプチドにPEG分子が結合したヒト因子VIIaを意味する。PEG分子は、因子VIIaポリペプチドのアミノ酸残基または糖部分を含む因子VIIaポリペプチドのいずれの部分に結合してもよい。「システイン-PEG化ヒト因子VIIa」という用語は、ヒト因子VIIaに導入されたシステインのスルフヒドリル基にPEG分子が結合した因子VIIaを意味する。
血液凝固における因子VIIaの生物活性は、(i)組織因子(TF)に結合する能力、および(ii)活性化因子IXまたはX(それぞれ因子IXaまたはXa)を産生するために、因子IXまたは因子Xのタンパク質分解性の切断を触媒する能力に由来する。本発明の目的において、因子VIIaの生物活性は、例えば米国特許第5,997,864において述べられているように、因子VII欠乏性血漿およびトロンボプラスチンを用いて、血液凝固を促進する試料の能力を測定することにより定量されてよい。この試験において、生物活性は、対照試料と比較した凝固時間の減少として表され、1単位/mlの因子VII活性を含む蓄えられたヒト血清標準と比較することにより、「因子VII単位」に変換される。あるいは、因子VIIa生物活性は、(i)脂質膜に包埋されたTFおよび因子Xを含む系において、因子Xaを産生する因子VIIaの能力を測定すること(Persson et al., J. Biol. Chem. 272:19919-19924, 1997);(ii)水性の系における因子Xの加水分解を測定すること、(iii)表面プラズモン共鳴に基づく機器を用いて、TFに対する物理的結合を測定すること(Persson, FEBS Letts. 413:359-363, 1997)、および(iV)合成基質の加水分解を測定することにより定量されてよい。
因子VIIは、血液凝固に関する疾患の治療に結び付けられ、生物活性を有する因子VII化合物は、特に、血友病、因子VIIIおよびIXに対する阻害剤を伴う血友病、血小板減少症の患者、グランツマン血小板無力症による血小板の放出欠損および貯蔵欠損のような血小板病の患者、ウォンウィルブランド病の患者、肝臓疾患の患者、ならびに外傷または手術に付随する出血の問題と結び付けられる。生物学的に不活性な因子VII化合物は、敗血症、深部静脈血栓の患者のように凝固能亢進性の状態にある患者、心筋梗塞もしくは血栓性の脳卒中、肺塞栓症の危険がある患者、急性冠血管症候群の患者、冠血管の狭心症を経験した患者、心臓症状および血管形成術を受けた患者の再狭窄の予防、末梢血管疾患の患者、ならびに急性呼吸器疾患症候群の治療と結び付けられる。それ故、1つの実施形態において、本発明は、上述した疾患または状態の治療方法であって、本発明による治療的に有効な量の因子VII化合物抱合体を、それを必要とする患者に対して投与することを含んでなる方法を提供する。
もう1つの実施形態において、本発明は、上述の疾患または状態の治療に用いられる薬剤の製造における、本発明による因子VII抱合体の使用を提供する。
野生型因子VIIaと比較して、実質的に同じまたは改善した生物活性を有する因子VIIの変種は、上述したような凝固試験、タンパク質分解試験、またはTF結合試験のうち1以上で試験した場合に、同じ細胞型において産生される因子VIIaの特異的な活性の、少なくとも約25%、好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約75%、および最も好ましくは少なくとも約90%を示すものを包含する。野生型因子VIIaと比較して実質的に減少した生物活性を有する因子VIIの変種は、上述したような凝固試験、タンパク質分解試験、またはTF結合試験のうち1以上で試験した場合に、同じ細胞型において産生される野生型因子VIIaの特異的な活性の、約25%未満、好ましくは約10%未満、より好ましくは約5%未満、および最も好ましくは約1%未満を示す。野生型因子VIIと比較して、修飾された生物活性を有する因子VIIの変種には、限定するものではないが、TF非依存性因子Xタンパク質分解活性を示す因子VIIの変種およびTFに結合するが因子Xを切断しない因子VIIの変種が含まれる。
本明細書において、アミノ酸は、表1に示すようにIUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclature (CBN)に認可されている略語を用いて表される。異性体を有するアミノ酸等は、名前で表されるか、または以下の略語は、他に示さない限り天然のL型である。さらに、ペプチドのアミノ酸配列の左および右端は、他に断らない限り、それぞれN末端およびC末端である。
Figure 2008507990
本発明は、上述したようなFVII関連ポリペプチドまたは変種の調製方法にも関する。FVII関連ポリペプチドまたは変種は、組み換えDNA技術により製造されてよい。この終わりには、ヒトFVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種をコード化するDNA配列は、ゲノムもしくはcDNAライブラリを準備することおよび標準的な技術による合成オリゴヌクレオチドプローブを用いたハイブリダイゼーションによって、タンパク質の全部もしくは一部をコードするDNA配列をスクリーニングすることにより単離されてよい(Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York, 1989を参照されたい)。この目的において、タンパク質をコード化するDNA配列は、好ましくはヒト起源であり、すなわち、ヒトゲノムのDNAまたはcDNAライブラリに由来する。
ヒトFVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種をコード化するDNA配列は、例えばBeaucageおよびCaruther, Tetrahedron Letters 22 (1981), 1859 - 1869において述べられているホスホアミド化法または Matthes et al., EMBO Journal 3 (1984), 801 -805において述べられている方法のような、確立された標準法により合成的に調製されてもよい。ホスホアミド化法によると、例えば自動DNA合成装置においてオリゴヌクレオチドが合成され、精製され、アニールされ、ライゲートされ、適切なベクター中でクローン化される。
前記DNA配列は、例えば、米国特許第4,683,202号、 Saiki et al., Science 239 (1988), 487 - 491、またはSambrook et al.,同上において述べられているように、特異的なプライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応により調製されてもよい。
FVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種をコード化するDNA配列は、通常、いずれのベクターであってもよい組み換えベクターに挿入され、都合よく組み換えDNAの手順に供され、ベクターの選択は、しばしば、それが導入される宿主細胞に依存してよい。それ故、前記ベクターは、自己複製ベクター、すなわち、染色体外の独立体として存在しており、その複製が染色体の複製から独立しているベクターであってよく、例えばプラスミドである。あるいは、前記ベクターは、宿主細胞に導入された場合、宿主細胞ゲノムに組み込まれ、組み込まれた染色体とともに複製されてもよい。
前記ベクターは、好ましくは発現ベクターであり、FVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種をコード化するDNA配列は、DNAの転写に必要な付加的なセグメントと動作可能に結合する。一般的に、前記発現ベクターは、プラスミドもしくはウイルスDNAに由来するか、または両方の要素を含んでよい。「動作可能に結合した」という用語は、例えば、転写はプロモーターにおいて開始され、ポリペプチドをコード化するDNA配列を介して行われるというような、意図された目的と機能が一致するようにセグメントが配列されることを指す。
プロモーターは、選択した宿主細胞中で転写活性を示すいずれのDNA配列でもよく、宿主細胞に対して相同性または異種性のタンパク質をコード化する遺伝子に由来してよい。
哺乳動物細胞におけるヒトFVIIポリペプチドをコード化するDNAの転写を指示する適切なプロモーターの例は、SV40プロモーター(Subramani et al., Mol. Cell Biol. 1 (1981), 854-864)、MT-1 (メタロチオネイン遺伝子)プロモーター(Palmiter et al., Science 222 (1983), 809 - 814)、CMVプロモーター(Boshart et al., Cell 41:521-530, 1985)、またはアデノウイルス2型主要後期プロモーター(Kaufman and Sharp, Mol. Cell. Biol, 2:1304-1319, 1982)である。
昆虫細胞において使用するための適切なプロモーターの例は、ポリヘドリンプロモーター(US 4,745,051; Vasuvedan et al., FEBS Lett. 311, (1992) 7 - 11)、P10 プロモーター (J.M. Vlak et al., J. Gen. Virology 69, 1988, pp. 765-776)、オートグラフカリフォルニア(Autographa californica)多角体病ウイルス塩基性タンパク質プロモーター (EP 397 485)、バキュロウイルス即時型遺伝子1プロモーター(米国特許第5,155,037号; 米国特許第5,162,222号)、またはバキュロウイルス39K遅延型初期遺伝子プロモーター(米国特許第5,155,037号; 米国特許第5,162,222号)である。
酵母宿主細胞において使用される適切なプロモーターの例には、酵母解糖遺伝子由来のプロモーター(Hitzeman et al., J. Biol. Chem. 255 (1980), 12073 - 12080; Alber and Kawasaki, J. Mol. Appl. Gen. 1 (1982), 419 - 434)もしくはアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子由来のプロモーター (Young et al., in Genetic Engineering of Microorganisms for Chemicals (Hollaender et al, eds.), Plenum Press, New York, 1982)、またはTPI1 (US 4,599,311) もしくはADH2-4c (Russell et al., Nature 304 (1983), 652 - 654)プロモーターが含まれる。
糸状菌宿主細胞において使用される適切なプロモーターの例は、例えば、ADH3プロモーター(McKnight et al., The EMBO J. 4 (1985), 2093 - 2099)またはtpiAプロモーターである。他の有用なプロモーターの例は、A. オリゼ(oryzae) TAKA アミラーゼ、 リゾムコール・ミーハイ(Rhizomucor miehei) アスパラギン酸タンパク質分解酵素、 A. ニガー(niger) 中性α-アミラーゼ、A. ニガー 酸安定性α-アミラーゼ、A. ニガー または A. アワモリグルコアミラーゼ(gluA)、 リゾムコールミーハイリパーゼ、 A. オリゼ アルカリプロテアーゼ、A. オリゼトリオースリン酸イソメラーゼ、または A. ニデュラン(nidulans)アセトアミダーゼをコード化する遺伝子に由来するものである。好ましくは、TAKA-アミラーゼおよびgluAプロモーターである。適切なプロモーターは、欧州特許第238 023号および第383 779号に記載されている。
FVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種をコード化するDNA配列は、必要な場合、ヒト成長ホルモンターミネーター(Palmiter et al., Science 222, 1983, pp. 809-814)またはTPI1 (Alber and Kawasaki, J. Mol. Appl. Gen. 1, 1982, pp. 419-434)もしくはADH3 (McKnight et al., The EMBO J. 4, 1985, pp. 2093-2099)ターミネーターのような適切なターミネーターと動作可能に結合してもよい。ベクターは、プロモーターから下流でありFVII配列自体の挿入部位からは上流に位置する一組のRNAスプライス部位を含んでもよい。好ましいRNAスプライス部位は、アデノウイルスおよび/または免疫グロブリン遺伝子から得られてよい。発現ベクター中には、前記挿入部位の下流に位置するポリアデニル化シグナルも含まれてよい。特に好ましいポリアデニル化シグナルには、SV40に由来する早期または遅発型のポリアデニル化シグナル (Kaufman and Sharp, ibid.)、アデノウイルス5 Elb領域、ヒト成長ホルモン遺伝子ターミネーターに由来するポリアデニル化シグナル(DeNoto et al. Nuc. Acids Res. 9:3719-3730, 1981)、またはヒトFVII遺伝子もしくはウシFVII遺伝子に由来するポリアデニル化シグナルが含まれる。発現ベクターには、プロモーターおよびRNAスプライス部位の間に位置するアデノウイルス2 三分節系リーダー配列のような非翻訳ウイルスリーダー配列;およびSV40エンハンサーのようなエンハンサー配列も含まれる。
組み換えベクターは、ベクターが問題とする宿主細胞中で複製することを可能にするDNA配列をさらに含んでよい。そのような配列の例は(宿主細胞が哺乳動物の細胞の場合)、複製のSV40開始点である。
宿主細胞が酵母細胞である場合、ベクターが複製することを可能にする適切な配列は、酵母プラスミド2μ複製遺伝子REP1-3および複製開始点である。
ベクターは、例えば、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHER)をコード化する遺伝子もしくはシゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)TPI遺伝子 (described by P.R. Russell, Gene 40, 1985, pp. 125-130)のように、その産物が宿主細胞中において欠陥を補完する遺伝子、または、例えばアンピシリン、カナマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、ネオマイシン、ハイグロマイシン、もしくはメトトレキサートのような薬物に対する耐性を与える遺伝子のような選択可能なマーカーも含んでよい。糸状菌については、選択可能なマーカーにはamdS、pyrG、argB、niaD、またはsCが含まれる。
本発明のヒトFVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種を宿主細胞の分泌経路に向けるために、分泌シグナル配列(リーダー配列、プレプロ配列、またはプレ配列としても既知である)は、組み換えベクター中に提供されてよい。前記分泌シグナル配列は、適切な読み取り枠において、FVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種をコード化するDNA配列に連結される。分泌シグナル配列は、一般に、ペプチドをコード化するDNA配列の5’に位置する。前記分泌シグナル配列は、通常、タンパク質に付随するか、または他の分泌タンパク質をコード化する遺伝子に由来してよい。
酵母細胞からの分泌のために、前記分泌シグナル配列は、シグナルペプチドをコード化してよく、発現したFVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種の細胞の、分泌経路への効果的な方向付けを保証する。シグナルペプチドは、自然発生のシグナルペプチドもしくはその機能部分であるか、または合成ペプチドであってよい。適切なシグナルペプチドは、α-因子シグナルペプチド(米国特許第4,870,008号を参照)、マウスの唾液アミラーゼのシグナルペプチド(O. Hagenbuchle et al., Nature 289, 1981, pp. 643-646を参照)、修飾されたカルボキシペプチダーゼシグナルペプチド(L.A. Valls et al., Cell 48, 1987, pp. 887-897を参照)、酵母BAR1シグナルペプチド(WO 87/02670を参照)、または酵母アスパラギン酸プロテアーゼ3 (YAP3)シグナルペプチド(M. Egel-Mitani et al., Yeast 6, 1990, pp. 127-137を参照)であることが見出されている。
酵母における効率的な分泌のために、リーダーペプチドをコード化する配列は、シグナル配列の下流であり、且つFVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種をコード化するDNA配列の上流に挿入されてもよい。リーダーペプチドの機能は、発現したペプチドが、小胞体からゴルジ体へ、さらに媒質への分泌のための分泌小胞へと向かわせる(すなわち、細胞壁を横切って、または少なくとも細胞膜を通って、酵母細胞の細胞膜周辺腔へとFVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種を運び出す)ことを可能にする。前記リーダーペプチドは、酵母α-因子リーダー(例えば、米国特許第4,546,082号、第4,870,008号、欧州特許第16 201号、第123 294号、第123 544号、および第163 529号において述べられているものの使用)であってよい。あるいは、前記リーダーペプチドは、合成リーダーペプチド、すなわち天然において見出されないリーダーペプチドであってよい。合成リーダーペプチドは、例えば、WO 89/02463またはWO 92/11378に記載されているように構築される。
糸状菌において使用する場合、シグナルペプチドは、好都合なことに、アスペルギルスsp. アミラーゼもしくはグルコアミラーゼをコード化する遺伝子、 リゾムコールミーハイリパーゼもしくはプロテアーゼまたはフミコーララヌギノーサ(Humicola lanuginosa) リパーゼをコード化する遺伝子に由来するものであってよい。前記シグナルペプチドは、好ましくはA. オリゼ TAKA アミラーゼ、A. ニガー 中性α-アミラーゼ、A. ニガー 酸安定性アミラーゼ、またはA. ニガー グルコアミラーゼをコード化する遺伝子に由来する。適切なシグナルペプチドは、例えば、欧州特許第238 023号および第215 594号に開示されている。
昆虫細胞において使用する場合、前記シグナルペプチドは、好都合なことに、鱗翅目 マンジュカ・セクスタ(Manduca sexta) アジポキニンホルモン前駆物質シグナルペプチド(米国特許第5,023,328号を参照)のように昆虫細胞(WO 90/05783を参照)に由来してよい。
FVII関連ポリペプチドもしくはFVIIの変種をコード化するDNA配列、プロモーターおよび任意にターミネーターおよび/または分泌シグナル配列をそれぞれライゲートするため、ならびにそれらを複製のために必要な情報を含む適切なベクター中へ挿入するための方法は、当業者に周知である(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor, New York, 1989を参照されたい)。
哺乳動物の細胞を形質移入する方法および細胞に導入されたDNA配列を発現する方法は、例えば、Kaufman and Sharp, J. Mol. Biol. 159 (1982), 601 - 621; Southern and Berg, J. Mol. Appl. Genet. 1 (1982), 327 - 341; Loyter et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79 (1982), 422 - 426; Wigler et al., Cell 14 (1978), 725; Corsaro and Pearson, Somatic Cell Genetics 7 (1981), 603, Graham and van der Eb, Virology 52 (1973), 456; および Neumann et al., EMBO J. 1 (1982), 841 - 845に記載されている。
選択可能なマーカーは、問題とする遺伝子と同時に別々のプラスミドの細胞へ導入されてよく、または同じプラスミドへ導入されてもよい。同じプラスミドの場合、前記選択可能なマーカーおよび問題とする遺伝子は、異なるプロモーターまたは同じプロモーターの制御下であってよく、後者の配列は、ジシストロニックなメッセージを生じる。このタイプの構築物は、当該分野において既知である(例えば、Levinson and Simonsen, 米国特許第 4,713,339号)。細胞に導入される混合物に、「キャリアDNA」として既知の付加的DNAを加えることは、有益である可能性がある。
細胞がDNAを取り込んだ後、問題とする遺伝子の発現を開始するために、それらを適切な増殖培地において、典型的には1〜2日間増殖させる。ここで用いられる場合、「適切な増殖培地」という用語は、細胞の増殖および問題とするFVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種の発現に必要な栄養素および他の成分を含む培地を意味する。培地には、一般的に、炭素源、窒素源、必須アミノ酸、必須糖、ビタミン、塩、リン脂質、タンパク質、および成長因子が含まれる。γ-カルボキシル化タンパク質の産生のために、前記培地には、ビタミンKが好ましくは約0.1μg/ml〜約5μg/mlの濃度で含まれるであろう。薬剤選択は、その後、選択可能なマーカーを安定に発現する細胞の培養のための選択に適用される。増幅可能である選択可能なマーカーを形質移入した細胞に対して、薬剤濃度は、増加したコピー数のクローン化配列を選択するために増大してよく、その結果として、発現レベルが増加する。安定に形質移入された細胞のクローンは、その後、問題とするヒトFVIIポリペプチドの発現のためにスクリーニングされる。
FVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種をコード化するDNA配列を導入した宿主細胞は、翻訳後の修飾されたFVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種を産生することができるいずれの細胞でもよく、酵母、菌類、および高次の真核細胞が含まれる。
本発明において用いられる哺乳動物の細胞株の例は、COS-1 (ATCC CRL 1650)、ハムスター幼児腎臓(BHK)、および293 (ATCC CRL 1573; Graham et al., J. Gen. Virol. 36:59-72, 1977)細胞株である。好ましいBHK細胞株は、tk- ts13 BHK 細胞株(本明細書の一部として援用されるWaechter and Baserga, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79:1106-1110, 1982)であり、以下ではBHK 570 細胞と称される。前記BHK 570細胞株は、ATCC 受付番号 CRL 10314として、アメリカンタイプカルチャーコレクション(American Type Culture Collection), 12301 Parklawn Dr., Rockville, Md. 20852に蓄積されている。tk- ts13 BHK細胞株は、受付番号CRL 1632としてATCCからも入手可能である。加えて、多数の他の細胞株が本発明の範囲内で使用されてよく、Rat Hep I (Rat 肝細胞腫; ATCC CRL 1600)、 Rat Hep II (Rat 肝細胞腫; ATCC CRL 1548)、TCMK (ATCC CCL 139)、ヒトの肺(ATCC HB 8065)、NCTC 1469 (ATCC CCL 9.1)、CHO (ATCC CCL 61)、およびDUKX細胞(Urlaub and Chasin, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216-4220, 1980)が含まれる。
適切な酵母細胞の例には、酵母菌属(Saccharomyces spp.)または分裂酵母菌属(Schizosaccharomyces spp.)の細胞、特に、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae) または サッカロマイセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)の菌株が含まれる。異種性のDNAを用いて酵母細胞を形質転換するための方法およびそれから異種性のポリペプチドを産生するための方法は、例えば、米国特許第 4,599,311号、第4,931,373号、第4,870,008号、第5,037,743号、および第4,845,075号に記載されており、これらは全て本明細書の一部として援用される。形質転換細胞は、選択可能なマーカー、一般に、薬剤耐性、または例えばロイシンのような特定の栄養分の非存在下における増殖能により決定される表現型によって選択される。
酵母において用いるための好ましいベクターは、米国特許第4,931,373号に開示されているPOT1ベクターである。ヒトFVIIポリペプチドをコード化するDNA配列は、例えば上記で述べたような、シグナル配列および任意にリーダー配列により先行されてよい。適切な酵母細胞のさらなる例は、K. ラクティスのようなクルイベロマイセス(Kluyveromyces)、例えば H. ポリモルファ(polymorpha)のようなハンセヌラ(Hansenula)、または例えばP. パストリス(pastoris)のような ピッチア(Pichia)の菌株である(Gleeson et al., J. Gen. Microbiol. 132, 1986, pp. 3459-3465; 米国特許第4,882,279号を参照されたい)。
他の菌類細胞の例は、例えば、アスペルギルス属、バンカビ属、フサリウム属、またはトリコデルマ属のような糸状菌の細胞、特にA. オリゼ、A. ニデュラン 、またはA. ニガーの菌株の細胞である。タンパク質の発現に対するアスペルギルス属の使用については、例えば、欧州特許第272 277号、第238 023号、第184 438号に記載されている。フザリウムオキシスポラムの形質転換は、例えば、Malardier et al., 1989, Gene 78: 147-156に述べられているように実施されてよい。トリコデルマ属の形質転換は、例えば、欧州特許第244 234号に記載されているように行われてよい。
糸状菌が宿主細胞として用いられる場合、本発明のDNA構築物を用いて組み換え宿主細胞を得るために、宿主染色体にDNA構築物を組み込むことにより形質転換されてよい。この組み込みは、一般的に、細胞内において、どちらかと言えばDNA配列としての利点が安定に維持される傾向がある。宿主染色体へのDNA構築物の組み込みは、例えば、相同性または非相同性の組み換えにより、通常の方法で行われてよい。
昆虫細胞の形質転換およびそこでの異種性ポリペプチドの産生は、米国特許第4,745,051号; 第4,879,236号; 第5,155,037号; 第5,162,222号; 欧州特許第397,485号において述べられているように行われてよく、これらは全て本明細書の一部として援用される。宿主として用いられる昆虫細胞株は、スポドプテラ・フルジペルダ(Spodoptera frugiperda) 細胞またはトリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni) 細胞(米国特許第5,077,214を参照)のような隣翅目の細胞株が適切である。培養条件は、例えば、WO 89/01029 もしくは WO 89/01028、または上述した参考文献の何れにおいて記載された通りであってよい。
上述した形質転換または形質移入された宿主細胞は、その後、FVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種の発現が可能な条件下、適切な栄養培地中で培養され、その後、得られたペプチドの全てまたは一部が培養液から回収されてよい。細胞を培養するために用いる培地は、適切な補充を含む最小または複合培地のように、宿主細胞を増殖させるのに適切な通常の培地であってよい。適切な培地は、商業的な供給業者から入手可能であるか、または公表された方法(例えば、アメリカンタイプカルチャーコレクションのカタログ)により調製されてよい。細胞により産生されたFVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種は、その後、通常の方法により培養液から回収されてよく、遠心分離もしくはろ過により培地から宿主細胞を分離し、例えば硫酸アンモニウムのような塩を用いて、上清またはろ液のタンパク質水性成分を沈殿させ、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー等のような、問題とするポリペプチドのタイプに依存した種々のクロマトグラフ法により精製することが含まれる。
組み換えFVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種の調製のために、クローン化された野生型FVIIのDNA配列が用いられる。この配列は、望ましいFVIIの変種をコード化するために修飾されてよい。ヒトFVIIに対する完全なヌクレオチドおよびアミノ酸配列は既知である。本明細書の一部として援用される、米国特許第4,784,950号を参照すると、組み換えヒトFVIIのクローニングおよび発現について記載されている。ウシFVII配列は、Takeya et al., J. Biol. Chem, 263:14868-14872 (1988)に記載されており、本明細書の一部として援用される。
アミノ酸配列の変化は、種々の技術により行うことができる。DNA配列の修飾は、部位特異的な突然変異誘発によりなされてよい。部位特異的な突然変異に対する技術は、当該分野において周知であり、例えばZollerおよびSmith (DNA 3:479-488, 1984)で述べられている。それ故、FVIIのヌクレオチドおよびアミノ酸配列を用いることにより、選択した変化を導入してよい。
本発明の範囲内で用いられるDNA配列は、典型的に、適切な翻訳後のプロセッシング(例えば、グルタミン酸残基のγ-カルボキシル化)および宿主細胞からの分泌を得るために、FVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種のアミノ末端においてプレプロペプチドをコード化するであろう。前記プレプロペプチドは、FVIIまたは因子IX、因子X、プロトロンビン、タンパク質C、もしくはタンパク質Sのような他のビタミンK依存性血漿タンパク質のものであってよい。当業者によって認められる場合、FVIIのアミノ酸配列において付加的な修飾がなされ得る。例えば、一般的に、本明細書の一部として採用される米国特許第5,288,629において述べられているように、触媒三連構造におけるFVIIは、チモーゲンFVIIのその活性化二本鎖への変換を阻止するために、活性化切断部位において修飾されてもよい。
本発明の範囲内において、トランスジェニック動物技術は、FVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種を産生するために用いられてよい。宿主の雌性の動物の乳腺中でタンパク質を産生することが好ましい。乳腺における発現およびそれに続く問題とするタンパク質の乳汁中への分泌は、他の物質からタンパク質を分離するときに直面する多くの問題を克服する。乳汁は容易に回収され、大量に入手でき、且つ生化学的によく特徴付けられる。さらに、主要な乳汁タンパク質は、高濃度(典型的に、約1〜15g/l)の乳汁中に存在する。商業的な観点から、大量の乳汁を産生する種を宿主として使用することが明らかに好ましい。マウスおよびラットのようなより小さな動物を用いることはできる(原理段階の試験においては好ましい)が、本発明の範囲内において、限定するものではないが、ブタ、ヤギ、ヒツジ、およびウシが含まれる家畜の哺乳動物を使用することが好ましい。ヒツジは、この種における遺伝子導入の前歴、乳汁の産生、コスト、およびヒツジの乳汁を回収するための設備の迅速な使用可能性のような因子により、特に好ましい。宿主種の選択に影響する因子の比較については、WIPO公報WO 88/00239を参照されたい。イーストフリースラントシープ(East Friesland sheep)のように酪農用に飼育された宿主動物の種を選択すること、または後日の遺伝子組み換え系統の繁殖による酪農家畜を用いることが一般的に望ましい。いずれの場合にも、既知の動物は、よい健康状態のものが用いられるべきである。
乳腺中での発現を得るために、乳汁タンパク質遺伝子由来の転写プロモーターが用いられる。乳汁タンパク質遺伝子には、カゼイン(本明細書の一部として援用される、米国特許第5,304,489号を参照)、βラクトグロブリン、αラクトアルブミン、および乳清酸性タンパク質をコード化する遺伝子が含まれる。前記ベータラクトグロブリン(BLG)プロモーターが好ましい。ヒツジのベータラクトグロブリン遺伝子の場合、5’フランキングプロモーターおよびベータラクトグロブリン遺伝子のコード化しない部分を包含する約4.25kbpの DNAセグメントのように、その遺伝子の5’フランキング配列の少なくとも基部の406bpの領域が一般的に用いられるが、5’フランキング配列のより大きい部分であって、約5kbpまでが好ましい。Whitelaw et al., Biochem. J. 286: 31 39 (1992)を参照されたい。他の種に由来するプロモーターDNAの同様の断片も適している。
ベータラクトグロブリン遺伝子の他の領域は、発現される遺伝子のゲノム領域として構築物中に組み入れられてもよい。例えば、イントロンを欠いている構築物は、そのようなDNA配列を含有するものと比較して発現が不十分であるが、一般的には当該分野において容認される( Brinster et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85: 836 840 (1988); Palmiter et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88: 478 482 (1991); Whitelaw et al., Transgenic Res. 1: 3 13 (1991); WO 89/01343; および WO 91/02318を参照されたい。これらはそれぞれ、本明細書の一部として援用されている)。この点について、可能であれば、問題のタンパク質またはポリペプチドをコード化する遺伝子の天然のイントロンの全てまたは一部を含むゲノム配列を用いることが一般的には好ましく、その結果として、例えばβラクトグロブリン遺伝子由来の少なくともいくつかのイントロンがさらに含まれることが好ましい。そのような領域の1つは、ヒツジのβラクトグロブリン遺伝子の3’非翻訳の領域に由来する、イントロンのスプライシングおよびRNAのポリアデニル化を提供するDNAセグメントである。遺伝子の天然の3’非翻訳配列に対して置換した場合、このヒツジのβラクトグロブリンセグメントは、問題とするタンパク質およびポリペプチドの発現レベルを増強し且つ安定化することができる。他の実施形態において、FVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種をコード化する配列の開始ATGを囲む領域は、乳汁の特異的なタンパク質遺伝子に由来する対応する配列に置換される。このような置換は、発現を増強するための推定上の組織特異的な開始環境を提供する。より小さい領域を置換してもよいが、FVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種のプレプロ配列および5’非翻訳配列の全体を、例えばBLG遺伝子のそれらで置換することは好都合である。
トランスジェニック動物中におけるFVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種の発現のために、FVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種をコード化するDNAセグメントは、発現ユニットを生成するために、発現に必要とされる付加的DNAセグメントに動作可能に結合する。このような付加的セグメントには、上記プロモーター、ならびにmRNAの転写およびポリアデニル化の終結を提供する配列が含まれる。発現ユニットにはさらに、FVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種をコード化するセグメントに動作可能に結合した、分泌性シグナル配列をコード化するDNA配列が含まれてよい。前記分泌性シグナル配列は、ヒトFVIIポリペプチドの天然の分泌シグナル配列でよく、または乳汁タンパク質のように、他のタンパク質のものでもよい。例えば、本明細書の一部として採用される、von Heijne, Nucl. Acids Res. 14: 4683 4690 (1986); および Meade et al., 米国特許第4,873,316号を参照されたい。
発現ユニットは、基本的にはライゲーションの任意の配列により構成されてよいが、トランスジェニック動物において使用される発現ユニットの構築は、FVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種をコード化する配列を、付加的DNAセグメントを含むプラスミドまたはファージベクターに挿入することにより好都合に実行される。乳汁タンパク質をコード化するDNAセグメントを含むベクターを提供すること、および乳汁タンパク質に対するコード化配列をヒトFVIIポリペプチドのそれと置換することは特に都合がよく、それによって、乳汁タンパク質遺伝子の発現制御配列を含む遺伝子融合を生成する。いずれにしても、プラスミドまたは他のベクター中への発現ユニットのクローニングは、FVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種の増幅を促進する。増幅は、細菌性(例えば大腸菌)宿主細胞において都合よく行われ、それ故、ベクターには典型的に、細菌性の宿主細胞において機能する複製開始点および選択可能なマーカーが含まれてよい。
発現ユニットはその後、選択した宿主種の受精卵(早期段階の胚を含む)に導入される。異種DNAの導入は、いくつかのルートのうちの1つにより達成することができ、マイクロインジェクション(例えば米国特許第4,873,191号)、レトロウイルス感染(Jaenisch, Science 240: 1468 1474 (1988))、または胚幹(ES)細胞を用いた部位特異的な組み込み(Bradley et al., Bio/Technology 10: 534 539 (1992)により概説されている)が含まれる。前記卵をその後、偽妊娠の雌の卵管または子宮に移植し、期日まで発育させる。生殖系列において導入されたDNAを保有する子孫は、その遺伝子を彼らの子孫に、通常のメンデルの様式で継承させることができ、それによりトランスジェニック家畜の発生を可能にする。
トランスジェニック動物を作り出す一般的な方法は、当該分野において既知である。例えば、本明細書の一部として援用される、Hogan et al., Manipulating the Mouse Embryo: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, 1986; Simons et al., Bio/Technology 6: 179-183 (1988); Wall et al., Biol. Reprod. 32: 645-651 (1985); Buhler et al., Bio/Technology 8: 140-143 (1990); Ebert et al., Bio/Technology 9: 835-838 (1991); Krimpenfort et al., Bio/Technology 9: 844-847 (1991); Wall et al., J. Cell. Biochem. 49: 113-120 (1992); 米国特許第4,873,191号および第4,873,316号; WIPO 公報 WO 88/00239, WO 90/05188, WO 92/11757; ならびに GB 87/00458を参照されたい。外来性のDNA配列を哺乳類およびそれらの生殖細胞に導入する技術は、最初にマウスにおいて発達した。例えば、Gordon et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77: 7380-7384 (1980); Gordon and Ruddle, Science 214: 1244-1246 (1981); Palmiter and Brinster, Cell 41: 343-345 (1985); および Brinster et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82: 4438-4442 (1985)を参照されたい。これらの技術は、引き続いて家畜種を含むより大きな動物に使われるように順応した(例えば、WIPO公報WO 88/00239、 WO 90/05188、および WO 92/11757; ならびにSimons et al., Bio/Technology 6: 179 183 (1988)を参照されたい)。要約すると、トランスジェニックマウスまたは家畜の産生において現在まで用いられてきた最も効率的な経路において、問題とするDNAの数百の直鎖状分子が、確立された技術に従って、受精卵の前核の1つに注入される。接合体の細胞質へのDNAの注入も用いられ得る。トランスジェニック植物における合成が用いられてもよい。発現は、植物体の全体、または塊茎のような特定の器官に向けられてよい。Hiatt, Nature 344:469-479 (1990); Edelbaum et al., J. Interferon Res. 12:449-453 (1992); Sijmons et al., Bio/Technology 8:217-221 (1990); および欧州特許庁公報EP 255,378を参照されたい。
本発明により作られたFVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種は、抗-FVII抗体カラムを用いた親和性クロマトグラフィーにより精製されてよい。免疫吸着カラムは、高特異性モノクローナル抗体を含むことが好ましい。本明細書の一部として援用されるWakabayashi et al., J. Biol. Chem. 261:11097-11108, (1986)および Thim et al., Biochemistry 27: 7785-7793, (1988)により述べられているようなカルシウム依存性モノクローナル抗体の使用は、特に好ましい。付加的な精製は、高速液体クロマトグラフィーのような通常の化学的精製法によりなされてよい。クエン酸バリウム沈殿を含む他の精製方法は、当該分野において既知であり、ここで述べられているFVIIの精製に適用可能である(例えば、Scopes, R., Protein Purification, Springer-Verlag, N.Y., 1982を参照されたい)。実質的に、薬学的な使用のためには、少なくとも約90〜95%、および98〜99%の相同性、またはそれ以上の相同性を有する純粋なFVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種が好ましい。上述したように、部分的または均一になるまで一度精製されると、FVII関連ポリペプチドまたはFVIIの変種は、その後、本発明に従って用いられてよい。
α-アミノ酸アミドは、既に述べたように、本発明の方法における求核剤として特によく適合する。1つの実施形態において、本発明は、それ故、次式(I)の化合物を提供する:
Figure 2008507990
ここで、式中のAおよびEは、独立に、C1〜6アルキレン、C2〜6アルケニレン、C2〜6アルキニレン、またはアリーレンを意味し、これらの全ては、ハロゲン、アミノ、シアノ、およびニトロから選択される1以上の置換基で任意に置換されてよく;
BおよびDは、独立に、原子価結合、-O-、-S-、-NH-、-C(O)-NH-、または-NH-C(O)-を意味し;
且つFは、水素を意味するか、またはC1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、もしくはアリールを意味し、これらは全て、ハロゲン、アミノ、シアノ、およびニトロから選択される1以上の置換基で任意に置換されてよい。
原理的には、前記α-アミノ酸アミドは、一般的に、以下のようなアミノ酸の配列を含んでなる:
Figure 2008507990
ここで、式中のAAはいずれのアミノ酸を意味し、aおよびbは0を含む任意の数であり、且つA、B、D、E、およびFは、上述した通りの意味を有する。
それ故、以下の記述において、P’に付加させるための化合物および一般構造は、モノマーもしくはペプチドのC末端として用いられるアミノ酸アミド、またはアミノ酸の配列中に内部的に挿入されるアミノ酸誘導体として見なされるべきである。
1つの実施形態において、AおよびEは、独立に、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、もしくはヘキシレンのようなC1〜6アルキレン、またはフェニレンのようなアリーレンを意味する。
1つの実施形態ににおいて、Fは、水素、またはメチル、エチル、プロピル、もしくはブチルを意味する。
式Iの化合物の特別な例には、以下が含まれる:
(2S)-2-アミノ-6-(4-オキソ-4-フェニルブチリルアミノ)へキサン酸
4-アセチル-N-((5S)-5-アミノ-5-カルバモイルペンチル)安息香酸
(2S)-2-アミノ-6-(4-オキソ-4-(4-クロロフェニルブチリルアミノ)へキサン酸
3-アセチル-N-((5S)-5-アミノ-5-カルバモイルペンチル)安息香酸、および
2-アセチル-N-((5S)-5-アミノ-5-カルバモイルペンチル)安息香酸、
ならびにそれぞれのアミド誘導体。
もう1つの実施形態において、本発明は、次式IIによる化合物を提供する:
Figure 2008507990
ここで、式中のJおよびLは、独立に、C1〜6アルキレン、C2〜6アルケニレン、C2〜6アルキニレン、またはアリーレンを意味し、これら全ては、ハロゲン、アミノ、シアノ、およびニトロから選択される1以上の置換基で任意に置換されてよく;
且つ、Mは、水素またはC1〜6アルキルを意味する。
1つの実施形態において、JおよびLは、独立に、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、もしくはヘキシレンのようなC1〜6アルキレン、またはフェニレンのようなアリーレンを意味する。
1つの実施形態において、Mは、水素またはメチル、エチル、プロピル、もしくはブチルを意味する。
1つの実施形態において、式IIの化合物は、
(2S)-アミノ-3-[4-(2-オキソプロポキシ)フェニル]プロピオンアミド、
(2S)-アミノ-3-[4-(2-オキソブトキシ)フェニル]プロピオンアミド、
(2S)-アミノ-3-[4-(2-オキソペントキシ)フェニル]プロピオンアミド、および
(2S)-アミノ-3-[4-(4-オキソペントキシ)フェニル]プロピオンアミド、
ならびにそれぞれの酸誘導体から選択される。
さらにもう1つの実施形態において、本発明は、次式IIIによる化合物を提供する:
Figure 2008507990
ここで、式中のQは、C1〜6アルキレン、C2〜6アルケニレン、C2〜6アルキニレン、またはアリーレンを意味し、これら全ては、ハロゲン、アミノ、シアノ、およびニトロから選択される1以上の置換基で任意に置換されてよく;
且つ、Tは、水素またはC1〜6アルキルを意味する。
1つの実施形態において、Qは、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、もしくはヘキシレンのようなC1〜6アルキレン、またはフェニレンのようなアリーレンを意味する。1つの実施形態において、Tは、水素、またはメチル、エチル、プロピル、もしくはブチルを意味する。
例えば次式の化合物のような求核剤または対応する酸は、商業的に得られるか、または一般的方法A〜Fにおける以下のガイドラインに従って合成される。
Figure 2008507990
一般的方法(A):
以下の一般式の化合物または対応する酸:
Figure 2008507990
[ここで、式中のR’’およびR’’’は、独立に、C1〜15アルキレン、C2〜15アルケニレン、C2〜15アルキニレン、C1〜15へテロアルキレン、C2〜15へテロアルケニレン、C2〜15へテロアルキニレンを意味し、ここでの1以上の単素環式芳香族化合物ビラジカルまたは複素環式化合物ビラジカルが挿入されてよい]
前記化合物は、α-アミノ基において適切な保護基PGにより保護されている適切なアミノ酸メチルエステルであって、当業者に既知であり、文献(例えば、T. W. Greene, P. G. M. Wuts, Protective groups in organic synthesis, 2nd ed., 1991 John Wiley & Sons, Inc. New York)に記載されている、例えば次式で表されるようなアミノ酸メチルエステルから、
Figure 2008507990
例えば次式で表される化合物のような適切な酸であって、当業者に既知であり、文献に記載されている酸(例えば、T. W. Greene, P. G. M. Wuts, Protective groups in organic synthesis, 2nd ed., 1991 John Wiley & Sons, Inc. New York)を用いたアシル化法により、当業者によって調製されてよく、
Figure 2008507990
[式中のXは、適切な保護基により保護されてよく、またはされなくてもよい]
例えば、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシベンゾトリアジン-4-オン、もしくは7-アザベンゾトリアゾールのようなカップリング剤を、例えば、ジイソプロピルカルボジイミドもしくは1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドヒドロクロリドのようなカルボジイミドと組み合わせて、例えば、トリエチルアミンもしくはエチルジイソプロピルアミンのような適切な塩基の存在下または非存在下で反応させ、次式のようにエステルを形成する。
Figure 2008507990
前記エステルは、例えば、水もしくはN,N-ジメチルホルムアミドのような適切な溶媒または溶媒混合物において、例えばアンモニアと反応させることにより、対応するアミドに変換されてよい。
Figure 2008507990
酸が望ましい化合物である場合、前記エステルは加水分解される。
保護基の除去は、当業者に既知であり、文献(例えばT. W. Greene, P. G. M. Wuts, Protective groups in organic synthesis, 2nd ed., 1991 John Wiley & Sons, Inc. New York)に記載されている方法により、1以上のステップで行われてよい。
Figure 2008507990
一般的方法(A)においては、以下のように定義される。
Figure 2008507990
アミノ酸メチルエステルは、一般的に、商業的に入手可能であるか、またはそれらは、周知の方法で合成されてよい。
一般的方法(B):
以下の一般式の化合物:
Figure 2008507990
[ここで、式中のR’’およびR’’’は、上記で定義した通りである]
前記化合物は、適切な保護基PGによりα-アミノ基が保護された適切なアミノ酸メチルエステルであって、当業者に既知であり、文献(例えば T. W. Greene, P. G. M. Wuts, Protective groups in organic synthesis, 2nd ed., 1991 John Wiley & Sons, Inc. New York)に記載された、例えば次式で表される化合物のようなアミノ酸メチルエステルを、
Figure 2008507990
当業者に既知であり、文献(例えば T. W. Greene, P. G. M. Wuts, Protective groups in organic synthesis, 2nd ed., 1991 John Wiley & Sons, Inc. New York)に記載されている、例えば次式で表されるような適切なアルコールを用いて、芳香族ヒドロキシル基をアルキル化することにより、当業者によって調製されてよく、
Figure 2008507990
例えば、トリフェニルホスフィンおよびジエチルアゾジカルボキシレート等のミツノブ(Mitsunobu)条件のように、当業者に既知であり、文献に記載されているような、アルキル化に影響を与える条件下で、次式のようにエステルを形成する。
Figure 2008507990
前記エステルは、例えば、水もしくはN,N-ジメチルホルムアミドのような適切な溶媒または溶媒混合物中で、例えばアンモニアと反応させることにより、対応するアミドに変換されてよい。
Figure 2008507990
または、前記エステルは、単に、酸誘導体に加水分解される。
全ての保護基の除去は、当業者に既知であり、文献(例えば T. W. Greene, P. G. M. Wuts, Protective groups in organic synthesis, 2nd ed., 1991 John Wiley & Sons, Inc. New York)に記載されている方法によって、1以上のステップで行われてよい。
Figure 2008507990
一般的方法(B)においては、以下のように定義される。
Figure 2008507990
一般的方法(C)
以下の一般式で表される化合物:
Figure 2008507990
[ここで、式中のR’’およびR’’’は、上記で定義した通りである]
前記化合物は、適切な保護基PGによってα-アミノ基が保護されている適切なアミノ酸メチルエステルであって、当業者に既知であり、文献(例えば T. W. Greene, P. G. M. Wuts, Protective groups in organic synthesis, 2nd ed., 1991 John Wiley & Sons, Inc. New York)に記載されている、例えば次式で表されるようなアミノ酸メチルエステルを、
Figure 2008507990
当業者に既知であり、文献(例えば T. W. Greene, P. G. M. Wuts, Protective groups in organic synthesis, 2nd ed., 1991 John Wiley & Sons, Inc. New York)に記載されているように、次式で表されるような適切なアルキル化剤を用いて芳香族ヒドロキシル基をアルキル化することにより、当業者により調製されてよい。
Figure 2008507990
[ここで、式中のLG’のアニオンは、ハロゲン化物またはスルホネートのような適切な脱離基であり、Xは、適切な保護基により保護されてよく、または保護されなくてもよい]
前記反応は、例えば、炭酸カリウム、ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ-5-エン、またはtert-ブチルテトラメチルグアニジンのような塩基を用いて、塩基性条件下で、典型的には−78℃および200℃の間の適切な温度で行われてよい。
Figure 2008507990
前記エステルは、例えば、水もしくはN,N-ジメチルホルムアミドのような適切な溶媒または溶媒混合物中で、例えばアンモニアと反応させることにより、対応するアミドに変換されてよい。
Figure 2008507990
または、前記エステルは、酸誘導体を得るために加水分解される。
全ての保護基の除去は、当業者に既知であり、文献(例えば T. W. Greene, P. G. M. Wuts, Protective groups in organic synthesis, 2nd ed., 1991 John Wiley & Sons, Inc. New York)に記載されているような方法により、1以上のステップで行われてよい。
Figure 2008507990
一般的方法(C)においては、以下のように定義される。
Figure 2008507990
一般的方法(D):
以下の一般式の化合物:
Figure 2008507990
[ここで、式中のR’’およびR’’’は、上記で定義した通りである]
前記化合物は、適切な保護基PGによりα-アミノ基を保護されている適切な酸であって、当業者に既知であり、文献(例えば T. W. Greene, P. G. M. Wuts, Protective groups in organic synthesis, 2nd ed., 1991 John Wiley & Sons, Inc. New York)に記載されている、例えば次式のような酸を、
Figure 2008507990
例えば、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシベンゾトリアジン-4-オンまたは7-アザベンゾトリアゾール等のカップリング試薬を、例えば、ジイソプロピルカルボジイミドまたは1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドヒドロクロリド等のカルボジイミドと組み合わせて、例えば、トリエチルアミンまたはエチルジイソプロピルアミン等の適切な塩基の存在下または非存在下で行う当業者に既知のアシル化条件を用いて、適切な1級または2級アミンと反応させることにより、アミドを形成する。
Figure 2008507990
[ここで、式中のXは、適切な保護基により保護されるかまたはされなくてもよい]
全ての保護基の除去は、当業者に既知であり、文献(例えばT. W. Greene, P. G. M. Wuts, Protective groups in organic synthesis, 2nd ed., 1991 John Wiley & Sons, Inc. New York)に記載されている方法により、1以上のステップで行われてよい。
Figure 2008507990
一般的方法(D)においては、以下のように定義される。
Figure 2008507990
一般的方法(E):システインからのケト基含有アミノ酸アミドの合成
都合のよいN-保護システイン誘導体(例えば、エステル、N-(2,4-ジメトキシベンジル)アミド、もしくはN-ビス(シクロプロピル)メチルアミド)または都合のよいN-保護システインアミドを、カルボニル基含有アルキル化剤(R50CO(CH2)nLG’’, LG’’ =ハロゲン、スルホネート(-O-SO2-R51)、ジアルキルスルホニウム、フェニルヨードニウム、またはヒドロキシから選択される求核置換反応に対する脱離基であり、R51は、C1〜6アルキル、部分的または完全にフッ化されたC1〜6アルキル、もしくはアリールを意味し、アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、もしくはアセトアミドで任意に置換され、R50は、水素、アルキル、アリール、またはヘテロアリールを意味し、前記アリールまたはヘテロアリールは、低級アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アシル、アルキル、もしくはニトロで1回以上任意に置換される)を用いて、S-アルキル化システイン誘導体を生じるのに適切な反応条件下で処理する。この誘導体は、酸誘導体のアミドへの変換およびα-アミノ基の脱保護により、アミノ酸アミドへと変換される。適切なN-保護基は、例えば、トリチル、フタロイル、またはtert-ブチルオキシカルボニルのようなアルコキシカルボニル基である。
Figure 2008507990
ここで、式中のnは、1〜10の整数を意味する
一般的方法(F):アスパラギン酸またはグルタミン酸からのケト基含有アミノ酸アミドの合成
アスパラギン酸またはグルタミン酸は、N-アルコキシカルボニル誘導体をホルムアルデヒドで処理することにより選択的に保護され、以下に示すような環状エステルを産生する。
Figure 2008507990
R60が、tert-ブチル、ベンジル、2-クロロベンジル、アリル、2-(トリメチルシリル)エチル、2,2,2-トリクロロエチル、またはベンズヒドリルを意味するこれらの誘導体は、カルボン酸の活性化(LvGはハロゲン、アリールオキシ、もしくはヘテロアリールオキシを意味する)および任意に適切な触媒存在下における炭素求核剤R80-M1との反応により、保護されたケトン含有アミノ酸誘導体に変換することができ、ここでのR80は、アルキル、アリール、またはヘテロアリールを意味し、前記アリールまたはヘテロアリールは、低級アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アシル、アルキル、またはニトロで、1回以上任意に置換され、ここでのM1は、アルカリ金属、Mg、Zn、Ti、Zr、Mn、Cu、Ce、またはCaを意味する。生成物のアンモニアとの反応および脱保護により、以下の所望のアミノ酸アミドを生成し得る:
Figure 2008507990
同様に、R70がtert-ブチル、ベンジル、2-クロロベンジル、アリル、2-(トリメチルシリル)エチル、2,2,2-トリクロロエチル、またはベンズヒドリルを意味し、且つR90が低級アルキルを意味するN-アルコキシカルボニルピログルタミン酸エステルの、求核性の炭素試薬との反応は、保護されたケト基含有アミノ酸誘導体を合成することができる。生成物のアンモニアとの反応および脱保護により、所望のアミノ酸アミドが得られてよい:
Figure 2008507990
同様に、以下に示すような、R90が低級アルキルを意味する適切なN-保護グルタミン酸ジエステルは、加水分解および脱炭酸の後、保護されたケト基含有アミノ酸の誘導体を得るために炭素において選択的にアシル化されてよく、それは、有機化学の分野において周知の標準方法を用いてアミノ酸アミドへと変換され得る。
Figure 2008507990
同様に、以下に示すような、R90が低級アルキルを意味する適切なN-保護グルタミン酸ジエステルの反応は、加水分解および脱炭酸の後、ケト基含有アミノ酸の保護された誘導体を得るために、炭素において選択的にアシル化されてよく、それは有機化学の分野において周知の標準方法を用いてアミノ酸アミドへと変換され得る。
抱合部分、すなわち式Y-E-Zの化合物を含む化合物は、商業的な出所から得るか、または以下のガイドラインに従って、容易に入手可能な物質から合成されてよい。
一般的方法(G)
以下の一般式の化合物:
Figure 2008507990
[ここで、式中のR’’’は、C1〜15アルキレン、C2〜15アルケニレン、C2〜15アルキニレン、C1〜15へテロアルキレン、C2〜15へテロアルケニレン、C2〜15へテロアルキニレンを意味し、1以上の単素環式芳香族化合物ビラジカルまたは複素環式化合物ビラジカルが挿入されてよい]
前記化合物は、次式のような適切な保護された1級または2級アミンから調製されてよく、
Figure 2008507990
ここでのPGは、当業者に既知であり、文献(例えばT. W. Greene, P. G. M. Wuts, Protective groups in organic synthesis, 2nd ed., 1991 John Wiley & Sons, Inc. New York)に記載されている適切な保護基であってよく、ここでのLG’’’のアニオンは、例えば、ハロゲン化物またはスルホネートのような脱離基である。
このアミンは、次式で表される適切な保護されたヒドロキシアミンと反応させる。
Figure 2008507990
[ここで、式中のPG’は、保護基であって、ヒドロキシルアミンからPG’を除去することなくPGがアミンから除去され得るかどうかで選択される]
この例は、文献(例えば T. W. Greene, P. G. M. Wuts, Protective groups in organic synthesis, 2nd ed., 1991 John Wiley & Sons, Inc. New York)において見られる。
前記2つの成分は、例えば水素化ナトリウムのような塩基性条件下、例えば−78℃〜200℃のような適切な温度で反応させる。
Figure 2008507990
アミンの保護基は、文献に記載されており、当業者に周知の方法を用いて選択的に除去されてよい。
Figure 2008507990
アミンは、適切な酸および例えば、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシベンゾトリアジン-4-オン、または7-アザベンゾトリアゾールのようなカップリング試薬を、例えば、ジイソプロピルカルボジイミドまたは1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドヒドロクロリドのようなカルボジイミド等と組み合わせて用いて、例えば、トリエチルアミンまたはエチルジイソプロピルアミンの存在下または非存在下でアシル化され、アミドを与えてよい。
Figure 2008507990
最後に、ヒドロキシアミンの保護基は、文献(e.g. . T. W. Greene, P. G. M. Wuts, Protective groups in organic synthesis, 2nd ed., 1991 John Wiley & Sons, Inc. New York)に記載されており、当業者に既知の方法を用いて除去され、以下のヒドロキシルアミンを与えてよい。
Figure 2008507990
一般的方法(H)
以下の一般式の化合物:
Figure 2008507990
前記化合物は、エタノールのような適切な溶媒中でヒドラジン水和物を加えることにより、RIV がC1〜10アルキルである適切なエステルから調製されてよい。
Figure 2008507990
一般的方法(J)アシル基転移反応
例えば、5〜50℃または室温のような適切な温度で、問題とするペプチドの溶液(最終濃度1〜10mM)および問題とする求核剤(最終濃度10mM〜2M)を、低濃度のEDTAを含む水に溶解または懸濁する。
有機溶媒は、反応物の溶解性を改善するために加えられてよい。混合物は、例えば、リン酸緩衝液、ヘペス (2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル)エタンスルホン酸のような適切な緩衝液を用いて、pH1およびpH14の間、例えば、pH3.5およびpH9の間、pH6およびpH8.5の間のような適切なpH値に緩衝されるか、またはpHは、塩基または酸を加えることにより維持されてよい。適切な酵素は、ペプチドおよび求核剤の前記混合物に加えられる。前記反応は、例えば5分および10日のような適切な時間後、温度もしくはpH値を変化させることにより、有機溶媒を加えることにより、または透析もしくはゲルろ過により停止されてよい。
Figure 2008507990
pHの選択は、例えば、抱合されるペプチドの溶解性および使用される酵素の活性により決定される。ペプチドの溶解性は、ペプチドのpKaにより大きい範囲で決定される。通常、与えられたペプチドの溶解性は、pHが前記ペプチドのpKaと等しい場合に最小となる。上記考察に対して当然払われるべき注意を払って上記反応を行うことは、pHに対する当業者の技術の範囲内である。
一般的方法(K)オキシム形成
オキシム部分は、問題とするアシル基転移ペプチドを水中に溶解することにより形成されてよく、ここでのRV は、置換型もしくは非置換型の芳香環、置換型もしくは非置換型の芳香族複素環、水素、またはC1〜10アルキルであってよい。溶解性を増加させるために、有機溶媒を加えてよい。前記溶液は、例えばpH 0およびpH 14の間、pH 3およびpH 6またはpH 5の間のような適切なpH値に緩衝され、例えば0〜60℃のような適切な温度に維持される。問題とするヒドロキシルアミンが加えられ、オキシム部分は、以下の反応スキームに従って形成される。
Figure 2008507990
pHの選択は、例えば、ペプチドの溶解性によって決定される。ペプチドの溶解性は、ペプチドのpKaによって大きい範囲で決定される。通常、与えられたペプチドの溶解性は、pHとペプチドのpKaが等しい時に最小となる。上記考察に対して当然払われるべき注意を払って上記反応を行うことは、pHに対する当業者の技術の範囲内である。
一般的方法(K)ヒドラゾン形成
アシルヒドラゾン形成(I)
ヒドラゾン部分は、問題とするアシル基転移ペプチドを水に溶解することにより形成され、ここでのRVIは、置換型もしくは非置換型の芳香環、置換型もしくは非置換型の芳香族複素環、水素、またはC1〜10アルキルである。溶液は、例えばpH 2およびpH 14の間またはpH 0およびpH 4の間のような適切なpH値に緩衝され、例えば0〜60℃のような適切な温度に維持される。問題とするヒドラジドが加えられ、その結果としてヒドラゾンが形成される。
Figure 2008507990
ヒドラゾン形成(II)
ヒドラゾンは、問題とするアシル基転移ペプチドを水に溶解することにより形成され、式中のRVIIは、置換型もしくは非置換型の芳香環、置換型もしくは非置換型の芳香族複素環、水素、またはC1〜10アルキルであってよい。溶液は、例えばpH 2およびpH 14の間またはpH 0およびpH 4の間のような適切なpH値に緩衝され、例えば0〜60℃のような適切な温度に維持される。問題とするヒドラジンが加えられ、その結果としてヒドラゾンが形成される。
Figure 2008507990
医薬組成物
本発明のもう1つの目的は、0.0001 mg/ml〜1000 mg/mlの濃度である、本発明による化合物を含んでなる医薬製剤を提供することであり、ここでの前記製剤は、2.0〜10.0のpHを有する。前記製剤は、緩衝系、保存剤、張性剤、キレート剤、安定剤、および界面活性剤をさらに含んでもよい。本発明の1つの実施形態において、前記医薬製剤は、水性製剤、すなわち水を含む製剤である。そのような製剤は、典型的に、溶液または懸濁液である。本発明のさらなる実施形態において、前記医薬製剤は水溶液である。「水性製剤」という用語は、少なくとも50%w/wの水を含んでなる製剤として定義される。同様に、「水溶液」という用語は、少なくとも50%w/wの水を含んでなる溶液として定義され、「水性懸濁液」という用語は、少なくとも50%w/wの水を含んでなる懸濁液として定義される。
もう1つの実施形態において、前記医薬製剤は凍結乾燥製剤であり、使用前に医師または患者が溶媒および/または希釈剤を加える。
もう1つの実施形態において、前記医薬製剤は、事前の溶解なく使用可能な乾燥製剤である(例えば、凍結乾燥またはスプレードライ)。
さらなる側面において、本発明は、FVIIa誘導体の水溶液および緩衝液を含んでなる医薬製剤に関し、ここでの前記FVIIa誘導体は、0.01 mg/ml以上の濃度で存在し、ここでの前記製剤は、約2.0〜約10.0のpHを有する。
本発明のもう1つの実施形態において、製剤のpHは、2.0, 2.1, 2.2, 2.3, 2.4, 2.5, 2.6, 2.7, 2.8, 2.9, 3.0, 3.1, 3.2, 3.3, 3.4, 3.5, 3.6, 3.7, 3.8, 3.9, 4.0, 4.1, 4.2, 4.3, 4.4, 4.5, 4.6, 4.7, 4.8, 4.9, 5.0, 5.1, 5.2, 5.3, 5.4, 5.5, 5.6, 5.7, 5.8, 5.9, 6.0, 6.1, 6.2, 6.3, 6.4, 6.5, 6.6, 6.7, 6.8, 6.9, 7.0, 7.1, 7.2, 7.3, 7.4, 7.5, 7.6, 7.7, 7.8, 7.9, 8.0, 8.1, 8.2, 8.3, 8.4, 8.5, 8.6, 8.7, 8.8, 8.9, 9.0, 9.1, 9.2, 9.3, 9.4, 9.5, 9.6, 9.7, 9.8, 9.9、および10.0からなる群より選択される。
本発明のさらなる実施形態において、前記緩衝液は、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸塩、グリシルグリシン、ヒスチジン、グリシン、リジン、アルギニン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、ビシン、トリシン、リンゴ酸、スクシネート、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、アスパラギン酸、またはそれらの混合物からなる群より選択される。これらの特異的な緩衝液のそれぞれが、本発明の代替の実施形態を構成する。
本発明のさらなる実施形態において、前記製剤は、薬学的に許容可能な保存剤をさらに含んでなる。本発明のさらなる実施形態において、前記保存剤は、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、メチルp-ヒドロキシベンゾエート、プロピルp-ヒドロキシベンゾエート、2-フェノキシエタノール、ブチル p-ヒドロキシベンゾエート、2-フェニルエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、チオメロサール、ブロノポール、安息香酸、イミドウレア、クロロヘキシジン、デヒドロ酢酸ナトリウム、クロロクレゾール、エチルp-ヒドロキシベンゾエート、塩化ベンゼトニウム、クロルフェネシン(3p-クロロフェノキシプロパン-1,2-ジオール)、またはそれらの混合物からなる群より選択される。本発明のさらなる実施形態において、前記保存剤は、0.1 mg/ml〜20 mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる実施形態において、前記保存剤は、0.1 mg/ml〜5 mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる実施形態において、前記保存剤は、5 mg/ml〜10 mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる実施形態において、前記保存剤は、10 mg/ml〜20 mg/mlの濃度で存在する。これらの保存剤のそれぞれは、本発明の代替の実施形態を構成する。医薬組成物中における保存剤の使用は、当業者に周知である。好都合に、参考文献がRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995に記載されている。
本発明のさらなる実施形態において、前記製剤は等張化剤をさらに含んでなる。本発明のさらなる実施形態において、前記等張化剤は、塩(例えば塩化ナトリウム)、糖または糖アルコール、アミノ酸(例えば、L-グリシン、L-ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、スレオニン)、アルジトール(例えば、グリセロール(グリセリン)、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール)、ポリエチレングリコール(例えば PEG400)、またはそれらの混合物からなる群より選択される。例えば、フルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、ショ糖、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、可溶性デンプン、ヒドロキシエチルスターチ、およびカルボキシメチルセルロース-Naを含む、モノ-、ジ-、もしくはポリサッカライドまたは水溶性グルカンのような任意の糖が使用されてよい。1つの実施形態において、前記糖添加物はショ糖である。糖アルコールは、少なくとも1のOH基を有するC4〜C8炭化水素と定義され、例えば、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクチトール、ダルシトール、キシリトール、およびアラビトールが含まれる。1つの実施形態において、前記糖アルコール添加物はマンニトールである。上述の糖または糖アルコールは、単独または組み合わせて用いられてよい。糖または糖アルコールが液体製剤に溶解し、本発明の方法を用いて達成される安定作用に不利に影響を与えない限り、使用量に固定された制限はない。1つの実施形態において、前記糖または糖アルコールの濃度は、約1 mg/mlおよび約150 mg/mlの間である。本発明のさらなる実施形態において、前記等張化剤は、1 mg/ml〜50 mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる実施形態において、前記等張化剤は、1 mg/ml〜7 mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる実施形態において、前記等張化剤は、8 mg/ml〜24 mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる実施形態において、前記等張化剤は、25 mg/ml〜50 mg/mlの濃度で存在する。これら特異的な等張化剤のそれぞれは、本発明の代替の実施形態を構成する。医薬組成物中の等張化剤の使用は、当業者に周知である。都合よく、参考文献がRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995に記載されている。
本発明のさらなる実施形態において、前記製剤は、さらにキレート化剤を含んでなる。本発明のさらなる実施形態において、前記キレート化剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸、およびアスパラギン酸、ならびにそれらの混合物から選択される。本発明のさらなる実施形態において、前記キレート化剤は、0.1 mg/ml〜5 mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる実施形態において、前記キレート化剤は、0.1 mg/ml〜2 mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる実施形態において、前記キレート化剤は、2 mg/ml〜5 mg/mlの濃度で存在する。これら特異的なキレート化剤のそれぞれは、本発明の代替の実施形態を構成する。医薬組成物におけるキレート化剤の使用は、当業者に周知である。都合よく、参考文献がRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995に記載されている。
本発明のさらなる実施形態において、前記製剤は、安定剤をさらに含んでなる。医薬組成物における安定剤の使用は、当業者に周知である。都合よく、参考文献がRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995に記載されている。
より詳細には、本発明の組成物は、安定化した液体医薬組成物であり、治療的な活性成分には、液体医薬製剤中に貯蔵される間に凝集体形成を示す可能性があるポリペプチドが含まれる。「凝集体形成」によって、結果として可溶性のままでよいオリゴマーの形態を生じるポリペプチド間の物理的相互作用または溶液から沈殿する大きな可視の凝集体が意図される。「貯蔵の間」により、一度調製され、すぐには患者に投与されない液体医薬組成物または製剤が意図される。むしろそれは、調製後に、液体形態、凍結状態、または液体形態もしくは患者に対する投与に適した他の形態に後で再構成するための乾燥形態で、貯蔵のために包装される。「乾燥形態」により、液体医薬組成物または製剤は、フリーズドライ(すなわち凍結乾燥;例えばWilliams and Polli (1984) J. Parenteral Sci. Technol. 38:48-59を参照)、スプレードライ (Masters (1991) in Spray-Drying Handbook (5th ed; Longman Scientific and Technical, Essez, U.K.), pp. 491-676; Broadhead et al. (1992) Drug Devel. Ind. Pharm. 18:1169-1206; および Mumenthaler et al. (1994) Pharm. Res. 11:12-20を参照)、もしくは風乾(Carpenter and Crowe (1988) Cryobiology 25:459-470; および Roser (1991) Biopharm. 4:47-53を参照)により乾燥することが意図される。液体医薬組成物の貯蔵の間のポリペプチドによる凝集体形成は、ポリペプチドの生物活性に不利な影響を与える可能性があり、結果として医薬組成物の治療効果の減少を生じる。さらに、凝集体形成は、注入システムを用いてポリペプチド含有医薬組成物が投与される場合に、チューブ、膜、またはポンプの詰まりのような他の問題を引き起こし得る。
本発明の医薬組成物には、該組成物の貯蔵の間のポリペプチドによる凝集体形成を減少させるのに十分な、ある一定量のアミノ酸塩基も含まれてよい。「アミノ酸塩基」により、アミノ酸またはアミノ酸の組み合わせが意図されており、与えられたアミノ酸は、遊離塩基またはその塩の形態である。アミノ酸の組み合わせが使用される場合、全てのアミノ酸が遊離塩基の形態であるか、全てが塩の形態であるか、またはいくつかは遊離塩基の形態であり、残りが塩の形態であってもよい。1つの実施形態において、本発明の組成物の調製において用いられるアミノ酸は、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、およびグルタミン酸のような電荷を帯びた側鎖を有している。特定のアミノ酸(例えば、グリシン、メチオニン、ヒスチジン、イミダゾール、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、スレオニン、およびそれらの混合物)の立体異性体(すなわち、L、D、もしくはDL異性体)またはこれらの立体異性体の組み合わせは、前記特定のアミノ酸がその遊離塩基の形態またはその塩の形態である限り、本発明の医薬組成物中に存在してよい。1つの実施形態において、L-立体異性体が用いられる。本発明の組成物は、これらのアミノ酸の類似体を用いて配合されてもよい。「アミノ酸類似体」により、本発明の液体医薬組成物の貯蔵の間のポリペプチドによる凝集体形成を減少させる望ましい効果をもたらす、天然アミノ酸の誘導体が意図される。適切なアルギニン類似体には、例えば、アミノグアニジン、オルニチン、およびN-モノエチル L-アルギニンが含まれ、適切なメチオニン類似体には、エチオニンおよびブチオニンが含まれ、適切なシステイン類似体には、S-メチル-L-システインが含まれる。他のアミノ酸を用いた場合、前記アミノ酸類似体は、それらの遊離塩基の形態またはそれらの塩の形態で組成物に組み込まれる。本発明のさらなる実施形態において、前記アミノ酸またはアミノ酸類似体は、タンパク質の凝集を防ぐまたは遅延させるのに十分な濃度で用いられる。
本発明のさらなる実施形態において、メチオニン(または他の含硫アミノ酸もしくはアミノ酸類似体)は、治療薬として作用するポリペプチドが少なくとも1の酸化されやすいメチオニン残基を含んでなる場合、メチオニン残基の酸化を阻止するために、メチオニンスルホキシドに加えられてよい。「阻止する」とは、一定時間に渡る、メチオニン酸化種の最小の蓄積が意図される。メチオニン酸化を阻害することは、適切な分子形態におけるポリペプチドのより良い保持を結果として生じる。メチオニンの立体異性体(L、D、もしくはDL異性体)またはそれらの組み合わせが用いられてよい。加えられる量は、メチオニンスルホキシドの量が調節性の媒体に対して許容可能であるように、メチオニン残基の酸化を阻害するのに十分な量であるべきである。典型的に、これは、前記組成物が約10%〜約30%以下のメチオニンスルホキシドを含むことを意味する。一般的にこれは、メチオニン残基に加えられるメチオニンの割合が、約10:1〜約100:1のように、約1:1〜1000:1の範囲になるようにメチオニンを加えることにより達成することができる。
本発明のさらなる実施形態において、前記製剤は、高分子量ポリマーまたは低分子化合物の群から選択される安定剤をさらに含んでなる。本発明のさらなる実施形態において、前記安定剤は、ポリエチレングリコール(例えばPEG 3350)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、カルボキシ-/ヒドロキシセルロースまたはそれらの誘導体(例えばHPC、HPC-SL、HPC-L、およびHPMC)、シクロデキストリン、モノチオグリセロール、チオグリコール酸、および2-メチルチオエタノールのような硫黄含有物質、ならびに異なる塩 (例えば塩化ナトリウム)から選択される。これらの特異的な安定剤のそれぞれは、本発明の代替の実施形態を構成する。
前記医薬組成物には、治療的に活性のあるポリペプチドの安定性をさらに強化する付加的な安定化剤も含まれてよい。本発明に特に関連する安定化剤には、限定するものではないが、メチオニン酸化に対してポリペプチドを保護するメチオニンおよびEDTA、ならびに凍結-融解または機械的せん断に付随する凝集に対してポリペプチドを保護する非イオン性界面活性剤が含まれる。
本発明のさらなる実施形態において、前記製剤は、さらに界面活性剤を含んでなる。本発明のさらなる実施形態において、前記界面活性剤は、洗剤、エトキシル化ヒマシ油、ポリグリコール化グリセリド、アセチル化モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンブロックポリマー (例えば、プルロニック(Pluronic)F68(登録商標)、ポロキサマー 188および407、トリトン X-100のようなポロキサマー)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキル化およびアルコキシル化誘導体のようなポリオキシエチレンおよびポリエチレン誘導体(例えば、ツイーン-20、ツイーン-40、ツイーン-80のようなツイーンおよびBrij-35)、モノグリセリドもしくはそれらのエトキシル化誘導体、ジグリセリドもしくはそれらのポリオキシエチレン誘導体、アルコール、グリセロール、レクチンおよびリン脂質(例えば、ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ジホスファチジルグリセロール、およびスフィンゴミエリン)、リン脂質の誘導体(例えばジパルミトイルホスファチジン酸)およびリゾリン脂質の誘導体(例えば、パルミトイルリゾホスファチジル-L-セリンおよびエタノールアミン、コリン、セリン、もしくはスレオニンの1-アシル-sn-グリセロ-3-リン酸エステル)、例えばリゾホスファチジルコリンのラウロイルおよびミリストイル誘導体、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ならびにコリン、エタノールアミン、ホスファチジン酸、セリン、スレオニン、グリセロール、イノシトールである極性頭部の修飾のようなリゾホスファチジルおよびホスファチジルコリンのアルキル、アルコキシル(アルキルエステル)、アルコキシ(アルキルエーテル)-誘導体、、および陽性に帯電したDODAC、DOTMA、DCP、BISHOP、リゾホスファチジルセリンおよびリゾホスファチジルスレオニン、およびグリセロリン脂質(例えばセファリン)、グリセロ糖脂質(例えばガラクトピラノシド)、スフィンゴ糖脂質(例えばセラミド、ガングリオシド)、ドデシルホスホコリン、雌鶏卵リゾレシチン、フシジン酸誘導体- (例えば、タウロ-ジヒドロフシジン酸ナトリウム等)、長鎖脂肪酸およびそれらのC6〜C12の塩 (例えば、オレイン酸およびカプリル酸)、アシルカルニチンおよび誘導体、リジン、アルギニン、もしくはヒスチジンのNα-アシル化誘導体、またはリジンもしくはアルギニンの側鎖アシル化誘導体、リジン、アルギニン、もしくはヒスチジンおよび中性もしくは酸性アミノ酸の任意の組み合わせを含むジペプチドのNα-アシル化誘導体、中性アミノ酸および2つの電荷を有するアミノ酸の組み合わせを含んでなるトリペプチドのNα-アシル化誘導体、DSS (ドキュセートナトリウム;CAS 登録番号[577-11-7])、ドキュセートカルシウム;CAS 登録番号[128-49-4])、ドキュセートカリウム;CAS登録番号[7491-09-0])、SDS (ドデシル硫酸ナトリウムもしくはラウリル硫酸ナトリウム)、カプリル酸ナトリウム、コール酸もしくはそれらの誘導体、胆汁酸およびそれらの塩ならびにグリシンもしくはタウリン抱合体、ウルソデオキシコール酸、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、N-ヘキサデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホネート、陰イオン性(アルキル-アリール-スルホネート)一価界面活性剤、両性イオン性界面活性剤(例えば、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニオ-1-プロパンスルホネート、3-コールアミド-1-プロピルジメチルアンモニオ-1-プロパンスルホネート、陽イオン性界面活性剤(4級アンモニウム塩基) (例えば、セチル-トリメチルアンモニウムブロミド、セチルピリジニウムクロリド)、非イオン性界面活性剤(例えばドデシルβ-D-グルコピラノシド)、ポリエチレンオキシドおよびエチレンオキシドの、エチレンジアミンに対する逐次付加に由来する四官能ブロック共重合体であるポロキサミン(例えばテトロニクス(Tetronic’s))、またはイミダゾリン誘導体の群から選択されてよい界面活性剤、あるいはそれらの混合物から選択される。これらの特異的な界面活性剤のそれぞれは、本発明の代替の実施形態を構成する。
医薬組成物における界面活性剤の使用は、当業者に周知である。都合よく、参考文献がRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995に記載されている。
本発明のペプチド医薬製剤中に他の成分が存在することは可能である。そのような付加的成分には、湿潤剤、乳化剤、酸化防止剤、充填剤、張度調節因子、キレート化剤、金属イオン、油性溶媒、タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン、ゼラチン、またはタンパク質)、および双性イオン(例えば、ベタイン、タウリン、アルギニン、グリシン、リジン、およびヒスチジンのようなアミノ酸)が含まれてよい。そのような活性成分は、もちろん、本発明の医薬製剤の全体的な安定性に不利な影響を与えるべきでない。本発明によるFVIIa誘導体を含む医薬組成物は、治療を必要とする患者に対していくつかの部位に投与されてよく、例えば、皮膚および粘膜のような局所的な部位、例えば、動脈、静脈、心臓への投与のような吸収をバイパスする部位、ならびに例えば、皮膚、皮下、筋肉内、または腹部における投与のように吸収に関する部位に投与されてよい。
本発明による医薬組成物の投与は、例えば、舌、舌下、頬、口内、経口、筋肉内および腸内、鼻腔、肺のようないくつかの投与経路を介して、例えば、細気管支および肺胞またはそれらの組み合わせ、表皮、真皮、経皮、膣、直腸、目を介して、例えば、結膜、尿管を介して、および非経口的に、治療を必要とする患者に対して投与されてよい。
本発明の組成物は、いくつかの剤形で投与されてよく、例えば、溶液、懸濁液、乳濁液、ミクロエマルジョン、複合エマルジョン、気泡、軟膏、ペースト剤、硬膏剤、軟膏剤、錠剤、被覆錠、リンス剤、例えば、硬ゼラチンカプセルおよび軟ゼラチンカプセルのようなカプセル剤、坐剤、直腸カプセル、液滴、ゲル、スプレー、散剤、エアロゾル、吸入剤、点眼剤、眼軟膏、目のすすぎ液、膣坐剤、膣リング、膣軟膏、注射溶液、例えば、インサイチューゲル化、インサイチュー硬化、インサイチュー沈殿、インサイチュー結晶化のようなインサイチュー形質転換溶液、注入溶液、およびインプラントである。
本発明の組成物は、FVIIa誘導体の安定性をさらに増強し、バイオアベイラビリティーを増大し、溶解性を増大し、副作用を減少し、当業者に周知の時間治療を行い、且つ患者のコンプライアンスを増大するためまたはそれらの組み合わせのために、例えば、共有結合性、疎水性、および電気的な相互作用、薬物キャリア、ドラッグデリバリーシステム、および進歩したドラッグデリバリーシステムを介して、さらに配合されるか、または結合してよい。キャリア、ドラッグデリバリーシステム、および進歩したドラッグデリバリーシステムの例には、限定するものではないが、例えばセルロースおよび誘導体のようなポリマー、例えばデキストランおよび誘導体のようなポリサッカライド、デンプンおよび誘導体、ポリ(ビニルアルコール)、アシル化およびメタクリル化ポリマー、ポリ乳酸およびポリグリコール酸ならびにそれらのブロック共重合体、ポリエチレングリコール、例えばアルブミンのようなキャリアタンパク質、例えば熱ゲル化システムのようなゲル、例えば当業者に周知のブロック共重合体システム、ミセル、リポソーム、ミクロスフェア、ナノ微粒子、液晶およびそれらの分散、当業者に既知の脂質-水系における相挙動であるL2相およびそれらの分散、重合体ミセル、複合エマルジョン、自己乳化剤、自己ミクロ乳化、シクロデキストリンおよびそれらの誘導体、およびデンドリマーが含まれる。
本発明の組成物は、化合物の肺投与のために、例えば、全て当該分野において周知の装置である、定量吸入器、ドライパウダー吸入器および噴霧器を用いて、個体、半個体、粉末、および溶液の形態で投与される。
本発明の組成物は、制御された、持続性の、延長性の、遅延性の、および遅い放出のドラッグデリバリーシステムの形態で特に有用である。より詳細には、限定するものではないが、組成物は、当業者に周知の非経口的な放出制御および徐放システム(両方のシステムは多数の投与において、何倍もの減少を引き起こすにおいて)の形態において有用である。さらに詳細に言うと、皮下に投与される放出制御および徐放システムである。本発明の範囲を限定することなく、有用な放出制御システムおよび組成物の例は、ヒドロゲル、油性ゲル、液晶、重合体ミセル、ミクロスフェア、ナノ微粒子である。
本発明の組成物に対して有用な放出制御システムを作る方法には、限定するものではないが、結晶化、縮合、共結晶化、沈殿、共沈殿、乳化、分散、高圧均質化、封入、スプレードライ、マイクロカプセル化、コアセルベーション、相分離、ミクロスフェアを製造するための溶媒蒸発、押し出し、および超臨界流体抽出法が含まれる。一般的な参考文献は、Handbook of Pharmaceutical Controlled Release (Wise, D.L., ed. Marcel Dekker, New York, 2000) and Drug and the Pharmaceutical Sciences vol. 99: Protein Formulation and Delivery (MacNally, E.J., ed. Marcel Dekker, New York, 2000)である。
非経口的な投与は、シリンジ、任意にペン様シリンジを用いて、皮下、筋肉内、腹腔内、または静脈内に注射されてよい。あるいは、非経口的な投与は、輸液ポンプを用いて行われてよい。さらなる選択肢としては、鼻腔または肺のスプレー剤の形態で化合物を投与するための溶液または懸濁液であってよい組成物である。さらなる選択肢として、本発明のタンパク質化合物を含む医薬組成物は、例えば針なしの注射もしくはパッチ、任意にイオン泳動的なパッチを用いた経皮投与、または、例えば頬のような経粘膜投与も適用され得る。
「安定化した製剤」という用語は、増大した物理的安定性、増大した化学的安定性、または増大した物理的および化学的安定性を有する製剤を指す。
タンパク質製剤の「物理的安定性」という用語は、ここで用いられる場合、生物学的に不活性および/または不溶性のタンパク質の凝集体を形成するタンパク質の傾向であって、タンパク質を温度機械的なストレスおよび/または疎水性の表面および界面のような、不安定化する界面または表面との相互作用に曝す結果としての傾向を指す。水性タンパク質製剤の物理的安定性は、適切な容器(例えば、カートリッジまたはバイアル)に満たした製剤を、種々の時間、異なる温度で、機械的/物理的ストレス(例えば撹拌)に曝した後、視覚的な検査および/または濁度測定により評価される。前記製剤の視覚的な検査は、暗い背景を用いて、鋭く焦点を合わせた光において行われる。製剤の濁度は、例えば0〜3の規模の濁り度(濁りを示さない製剤は視覚的スコア0に対応し、明所において視覚的濁りを示す製剤は視覚的スコア3に対応)を格付けする視覚的なスコアにより特徴付けられる。製剤は、明所において視覚的濁りを示す場合、タンパク質凝集に関して物理的に不安定であると分類される。あるいは、前記製剤の濁度は、当業者に周知の単純濁度測定により評価することができる。前記水性タンパク質製剤の物理的安定性は、タンパク質の高次構造的な状態のプローブまたは分光学的な薬剤を用いることにより評価することができる。前記プローブは、好ましくは、タンパク質の本来的でない配座異性体と優先的に結合する小分子である。タンパク質構造の小分子分光学的プローブの1つの例は、チオフラビンTである。チオフラビンTは、アミロイド原線維の検出に広く用いられる蛍光色素である。原繊維の存在下において、およびもしかすると他のタンパク質の立体配置も同様に、チオフラビンTは、原繊維タンパク質型に結合した場合、約450nmにおいて新しい励起極大を生じ、約482nmにおいて増強された発光を生じる。非結合のチオフラビンTは、前記波長において本質的に非蛍光性である。
他の小分子は、タンパク質の構造における天然の状態から天然でない状態への変化のプローブとして用いることができる。例えば、「疎水性パッチ」プローブは、タンパク質のむき出しの疎水性パッチに優先的に結合する。前記疎水性パッチは、一般的に、未変性の状態におけるタンパク質の三次構造内に埋め込まれるが、タンパク質がほどかれ、または変性し始める時に曝される。これらの小分子、分光学的プローブの例は、アントラセン、アクリジン、フェナントロリン等のような芳香族、疎水性色素である。他の分光学的プローブは、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、およびバリン等の疎水性アミノ酸のコバルト金属錯体のような金属-アミノ酸錯体である。
ここで用いられる場合、タンパク質製剤の「化学的安定性」という用語は、タンパク質構造における化学的な共有結合性の変化を指し、天然のタンパク質構造と比較して潜在的に少ない生物学的な効力および/または潜在的に増大した免疫原生の性質を有する化学分解生成物の形成を導く。種々の化学的分解生成物は、天然タンパク質の型および性質ならびにそのタンパク質が曝される環境に依存して形成され得る。化学分解の除去は、完全に避けることはおそらく不可能であり、化学分解生成物の量の増加は、貯蔵の間および当業者に周知のタンパク質製剤の使用の間によく見られる。ほとんどのタンパク質は、グルタミニルまたはアスパラギニル残基における側鎖アミノ基が加水分解され、遊離カルボン酸を生じるプロセスである脱アミドを引き起こしやすい。他の分解経路には、高分子量変換生成物の形成が含まれ、2以上のタンパク質分子が、脱アミドおよび/またはジスルフィド相互作用を介してそれぞれ共有結合性に結合し、共有結合性のダイマー、オリゴマー、およびポリマー分解生成物に導く(Stability of Protein Pharmaceuticals, Ahern. T.J. & Manning M.C., Plenum Press, New York 1992)。酸化(例えばメチオニン残基)は、他の種々の化学的分解として述べることができる。前記タンパク質製剤の化学的安定性は、異なる環境条件に曝した後、種々の時点において、化学的分解生成物の量を測定することにより評価できる(分解生成物の形成は、例えば、温度上昇によりしばしば促進され得る)。それぞれの個々の分解生成物の量は、種々のクロマトグラフィー技術(例えば、SEC-HPLCおよび/またはRP-HPLC)を用いて、分子サイズおよび/または電荷に依存して分解生成物を分離することによりしばしば決定される。
それ故、上記で概要を述べたように、「安定化した製剤」は、増大した物理的安定性、増大した化学的安定性、または増大した物理的および化学的安定性を有する製剤を指す。一般的に、製剤は、使用期限に達するまで、使用および貯蔵(推奨される使用および貯蔵条件に従う)の間に安定でなければならない。
本発明の1つの実施形態において、前記化合物を含んでなる医薬製剤は、使用について6週間より長い期間、且つ貯蔵については3年より長い期間安定である。
本発明のもう1つの実施形態において、前記化合物を含んでなる医薬製剤は、使用について4週間より長い期間、且つ貯蔵については3年より長い期間安定である。
本発明のさらなる実施形態において、前記化合物を含んでなる医薬製剤は、使用について4週間より長い期間、且つ貯蔵については2年より長い期間安定である。
本発明のさらなる実施形態において、前記化合物を含んでなる医薬製剤は、使用について2週間より長い期間、且つ貯蔵については2年より長い期間安定である。
例1:FVIIaにより媒介される自己触媒的なアシル基転移
FVIIa軽鎖の自己触媒的なアシル基転移は、反応を阻害し得る1級アミンを含まない適切な緩衝液中における10〜25uMの純粋または半純粋なFVIIチモーゲンを用いて開始され、前記緩衝液は、例えば20 mM HEPES, 100 mM NaCl, 10 mM CaCl2, pH 8.0または200 mM Na2CO3, 10 mM CaCl2, pH 9.5であり、この溶液に最終濃度が100mMになるまでL-Phe(4-COCH3)-NH2 を加え、反応混合物を25℃に置く。試料を種々の時点で回収し、重鎖から軽鎖を分離するためのTCEPにより還元した後、RP-HPLCにより進行をモニターし、その結果として、混合物の解析を容易にする。一度、チモーゲンの80%より多くがFVIIaに変換されると(典型的には48〜72時間)、前記反応は、20 mMのEDTAの添加により停止し、完成した混合物を、10カラム容積の20 mM Tris、150 mM NaCl、pH 8.0を用いて洗浄したQ-セファロースカラム上で捕獲し、結合物質を同じ緩衝液中における10カラム容積の0〜50 mM CaCl2 勾配で溶出する。
放出された物質に、その後、50倍を超えるH2N-O-PEG(20000)を加え、反応混合物を室温で16時間インキュベートする。反応完了において、未反応のPEGを除去するために、前記物質を上述のようにQ-セファロース上に再び捕捉するが、今回は、20 mM トリス、150 mM NaCl、20 mM CaCl2、pH 8.0 を用いてSuperdex 200 ゲルろ過カラムに直接溶出する。修飾されたまたは非修飾の物質は、修飾された物質が非修飾の物質の3〜4倍の見かけ上の質量を有するので、はっきりと分離するであろう。修飾された物質は、その後、全て当業者に既知の種々の分析法により、FVIIa活性、組織因子結合性、FX活性化活性、および血餅形成を引き起こす能力について特徴付けられてよい。さらに、前記物質は、PKモデルにおいて特徴付けられてよい。
例2:FVII活性化プロテアーゼにより媒介されるアシル基転移
FSAP (FVII 活性化プロテアーゼ)により媒介されるFVIIa軽鎖のアシル基転移は、本質的には、より遅いFVIIの自己活性化としての例1の加速版である。再び、反応を阻害し得る1級アミンを含まない適切な緩衝液中における10〜25uMの純粋または半純粋なFVIIチモーゲンを用いて開始し、前記緩衝液は、例えば20 mM HEPES, 100 mM NaCl, 10 mM CaCl2, pH 8.0または200 mM Na2CO3, 10 mM CaCl2, pH 9.5であり、この溶液に最終濃度がそれぞれ100mMおよび50nMになるまでL-Phe(4-COCH3)-NH2 およびFSAPを加え、反応混合物を25℃でインキュベートする。試料を種々の時点で回収し、重鎖から軽鎖を分離するためのTCEPにより還元した後、RP-HPLCにより進行をモニターし、その結果として、混合物の解析が容易になる。一度、チモーゲンの80%より多くがFVIIaに変換されると(典型的には24時間より長い)、前記反応は、20 mMのEDTAの添加により停止し、完成した混合物を、10カラム容積の20 mM Tris、150 mM NaCl、pH 8.0を用いて洗浄したQ-セファロースカラム上で捕獲し、結合物質を同じ緩衝液中における10カラム容積の0〜50 mM CaCl2 勾配で溶出する。
分離された物質に、その後、50倍を超えるH2N-O-PEG(20000)を加え、反応混合物を室温で16時間インキュベートする。反応完了において、未反応のPEGを除去するために、前記物質を上述のようにQ-セファロース上に再び捕捉するが、今回は、20 mM トリス、150 mM NaCl、20 mM CaCl2、pH 8.0 を用いてSuperdex 200 ゲルろ過カラムに直接溶出する。修飾されたまたは非修飾の物質は、修飾された物質が非修飾の物質の3〜4倍の見かけ上の質量を有するので、はっきりと分離するであろう。修飾された物質は、その後、全て当業者に既知の種々の分析法により、FVIIa活性、組織因子結合性、FX活性化活性、および血餅形成を引き起こす能力について特徴付けられてよい。さらに、前記物質は、PKモデルにおいて特徴付けられてよい。
例3:特定の修飾部位を導入するための、ソルターゼ AまたはBにより媒介されるアシル基転移
このアプローチは、FVIIaにおける修飾された活性化部位の導入を要求する。それ故、例えば、PCR (ヒグチ, 1989)またはクイックチェンジ(QuickChange:商標)(インビトロゲン社製)のような最先端の分子生物学的方法を用いて、内因性のFVIIa活性化部位KPQGR152-I153VGGは、オリゴヌクレオチド対を用いて、ソルターゼ A 認識部位(LPQTG152-I153VGG)またはソルターゼ B 認識部位(NPQTN152-I153VGG)に変化してよい:
1. F7 SrtA forw: 5'-
AAAAGAAATGCCAGCCTACCCCAAACCGGTATTGTGGGGGGCAAG-3'
F7 SrtA reverse: 5'-
CTTGCCCCCCACAATACCGGTTTGGGGTAGGCTGGCATTTCTTTT-3'
2. F7 SrtB forw: 5'-
AAAAGAAATGCCAGCAATCCCCAAACCAATATTGTGGGGGGCAAG-3'
F7 SrtB reverse: 5'-
CTTGCCCCCCACAATATTGGTTTGGGGATTGCTGGCATTTCTTTT-3'
得られた生成物は、plRES発現ベクター中でクローン化され、ABI DNAシークエンサーを用いて、色素-デオキシDNA配列決定により確認した。FVIIaは、その後発現され、前述のように精製した(参考文献)。
産生は、反応を妨害し得る1級アミンを含まない緩衝液、例えば20 mM Tris, 150 mM NaCl, 10 mM CaCl2, pH 8.0中における、10〜25uMの純粋または半純粋なFVII (SrtA) または FVII (SrtB)チモーゲンを用いて開始する。この溶液に、最終濃度が5mMになるまでGly4-HN-CH2-CH2-O-NH2 を加え、使用されるチモーゲンに依存したSrtA または B (最終濃度1 μM)を加え、還元性のRP-HPLCにより判定した場合に、前記チモーゲンの80%より多くがFVIIaに変換されるまで、混合物を25℃でインキュベートする(典型的には24時間より長い)。その後、最終濃度が20 mMになるまでEDTAを加え、完了した混合物を、10カラム容積の20 mM トリス, 150 mM NaCl, pH 8.0で洗浄したQ-セファロースカラム上に捕捉し、結合物質は、同じ緩衝液中における10カラム容積の0〜50 mM CaCl2 の勾配を用いて溶出する。
放出された物質に、その後、50倍を超えるPEG(20000)-アルデヒドを加え、反応混合物を室温で16時間インキュベートする。反応完了において、未反応のPEGを除去するために、前記物質を上述のようにQ-セファロース上に再び捕捉するが、今回は、20 mM トリス、150 mM NaCl、20 mM CaCl2、pH 8.0 を用いてSuperdex 200 ゲルろ過カラムに直接溶出する。修飾されたまたは非修飾の物質は、修飾された物質が非修飾の物質の3〜4倍の見かけ上の質量を有するので、はっきりと分離するであろう。修飾された物質は、その後、全て当業者に既知の種々の分析法により、FVIIa活性、組織因子結合性、FX活性化活性、および血餅形成を引き起こす能力について特徴付けられてよい。さらに、前記物質は、PKモデルにおいて特徴付けられてよい。
Higuchi, R. (1989) In: Erhlich HA, eds. PCR technology: 原理およびDNA増幅に対する適用。New York: Stockton, pp. 61-70。
例4:PEG 20000を導入するための、ソルターゼ AまたはBにより媒介されるアシル基転移
産生は、反応を妨害し得る1級アミンを含まない緩衝液、例えば20 mM トリス, 150 mM NaCl, 10 mM CaCl2, pH 8.0中における、10〜25μMの純粋または半純粋なFVII (SrtA) または FVII (SrtB)チモーゲン(上述のように調製)を用いて開始する。この溶液に、最終濃度が5mMになるまでGly5-PEG20000を加え、使用されるチモーゲンに依存したSrtA または B (最終濃度1 μM )を加え、還元性のRP-HPLCにより判定した場合に、前記チモーゲンの80%より多くがFVIIaに変換されるまで、混合物を25℃でインキュベートする(典型的には24時間より長い)。その後、最終濃度が20 mMになるまでEDTAを加え、完了した混合物を、10カラム容積の20 mM Tris, 150 mM NaCl, pH 8.0で洗浄したQ-セファロースカラム上に捕捉し、結合物質は、20 mM Tris, 150 mM NaCl, 20 mM CaCl2, pH 8.0を用いて、Superdex 200ゲルろ過カラム上に直接溶出する。修飾されたまたは非修飾の物質は、修飾された物質が非修飾の物質の3〜4倍の見かけ上の質量を有するので、はっきりと分離するであろう。修飾された物質は、その後、全て当業者に既知の種々の分析法により、FVIIa活性、組織因子結合性、FX活性化活性、および血餅形成を引き起こす能力について特徴付けられてよい。さらに、前記物質は、PKモデルにおいて特徴付けられてよい。
出版物、特許出願、および特許を含む、ここで示された全ての参考文献は、他の場所で別々に特定の文書が提供されることにかかわらず、それらの全ておよびそれぞれの参考文献が個別におよび特別に本明細書中に援用されることが示された場合およびここでその全てが開示された場合(法律で許容される最大範囲)と同じ範囲で、本明細書中に援用される。
本発明について記述する文脈中における、「1つの」および「その」という用語、ならびに同様の用語の使用は、ここで示さない限り、または文脈で明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含していると解釈されるべきである。
他に断らない限り、ここで与えられる全ての正確な値は、対応する近似値を代表する(例えば、特定の因子または測定値に関して提供される全ての正確な代表値は、適切な場合、「約」により修飾された対応する近似値も提供すると考えられる)。
要素に関して、「含んでなる」、「有する」、「含む」、または「含有する」のような用語を用いて、側面または本発明の側面について記載する場合、他に断らない限り、または本文脈中で明らかに矛盾しない限り、特定の成分を「〜からなる」、「本質的に〜からなる」、もしくは「実質的に含んでなる」という、同様の側面または本発明の側面に対する支持を提供するように意図される(例えば、特定の成分を含むとしてここに記載された組成物は、他に断らない限り、または本文脈中で明らかに矛盾しない限り、その成分から成る組成物について記載されているものとして理解されるべきである)。
本発明の代表的な実施形態および特徴には、限定するものではないが、以下のリストにおいて提供されるものが含まれる:
1.FVIIaの誘導体であるP’-R-Xを得る方法であって、FVIIまたはFVIIの変種をR’-Xの存在下で酵素的に切断するステップを含んでなり、酵素的に生成したFVIIaのC末端に-R-Xを結合させる方法:
Figure 2008507990
ここで、式中のPはFVIIまたはFVIIの変種を意味し、P’は切断の生成物を意味し、R’-XはP’と反応する化合物を意味し、XはP’に結合する基を意味するか、またはXは官能基を意味し、R’は求核性の基を含んでなるRを意味する。
2.Xが官能基を意味する生成物P’-R-Xが得られる実施形態1に記載の方法であって、一般式Y-E-Zの化合物とさらに反応させることにより次式の生成物を得る方法:
P’-R-A-E-Z
ここで、式中のRは、リンカーまたは結合を意味し;
式中のP’は、FVIIの酵素的な切断によるFVIIポリペプチド生成物を意味し;
Xは、Yと反応することができる官能基を含んでなるラジカルを意味し;
Yは、Xと反応することができる1以上の官能基を含んでなるラジカルを意味し;
Eは、リンカーまたは結合素意味し;
Aは、XおよびYに含まれる官能基間の反応により形成される部分を意味し;
Zは、ペプチドと結合する部分である。
3.実施形態1または2に記載の方法であって、前記FVIIは、FVIIa自体、FIXa、FSAP、ヘプシン、およびマトリプターゼ(matriptase)により切断される方法。
4.実施形態2に記載の方法であって、前記XおよびYは、ケトおよびアルデヒド基のようなカルボニル基、および以下のようなアミノ誘導体から選択される方法:アミノ酸、NH-NH2、-NH-NH2、-O-C(O)-NH-NH2、-NH-C(O)-NH-NH2、NH-C(S)-NH-NH2、-NHC(O)-NH-NH-C(O)-NH-NH2、NH-NH-C(O)-NH-NH2、-NH-NH-C(S)-NH-NH2、-NH-C(O)-C6H4-NH-NH2、C(O)-NH-NH2、-O-NH2、-C(O)-O-NH2、-NH-C(O)-O-NH2 、および-NH-C(S)-O-NH2
5.実施形態4に記載の方法であって、前記Yは、アミノ酸、または-NH-NH2、-O-C(O)-NH-NH2、NH-C(O)-NH-NH2、-NH-C(S)-NH-NH2、NHC(O)-NH-NH-C(O)-NH-NH2、-NH-NH-C(O)-NH-NH2、NH-NH-C(S)-NH-NH2、-NH-C(O)-C6H4-NH-NH2、-C(O)-NH-NH2、-O-NH2、-C(O)-O-NH2、-NH-C(O)-O-NH2、および-NH-C(S)-O-NH2の誘導体であり、Xは、ケト-またはアルデヒド-官能基である方法。
6.実施形態1に記載の方法であって、前記R’-Xは、1つのアミノ酸または多数のアミノ酸を含んでなり、該アミノ酸の1つは、誘導体化のためのさらなる官能基を含むように誘導体化されるか、または前記アミノ酸は基Zを含む方法。
7.実施形態5に記載の方法であって、前記R’-Xは、α-アミノ酸誘導体である方法:
Figure 2008507990
ここで、式中のRは適切なリンカーであり、Xは実施形態1で定義した通りである。
8.実施形態5の方法であって、前記R’-Xは、G(1〜5) -PEG、G(1〜5) -脂質、G(1〜4) -NH-CH2-CHO、およびG(1〜4) -NH-(CH2)n-O-NH2からなる群より選択され、ここでのnは、例えば2のように、2以上である方法。
9.実施形態1〜8のいずれか1に記載の方法であって、前記Zは、PEG または C5〜C24 脂肪酸、脂肪族C5〜C24二価酸である方法。
10.配列番号1または配列番号2の配列を有する、独立したFVIIポリペプチド。
11.FVIIa誘導体P’-R-X:ここでのP’は、FVIIの酵素的切断によるFVIIポリペプチド生成物を意味し;Xは、P’と結合する基を意味するか、またはXは官能基を意味し;Rは、酵素的に生成したFVIIaのC末端に対するリンカーもしくは結合を意味する。
12.FVIIa誘導体であるP’-R-A-E-Z:ここでのP’は、FVIIの酵素的切断によるFVIIポリペプチド生成物を意味し;Eは、リンカーまたは結合を意味し;Aは、化学的部分を意味し;Rは、酵素的に生成したFVIIaのC末端に対するリンカーまたは結合を意味し;Zは、ペプチドと結合する化学的部分を意味する。
13.実施形態11または12に記載のFVIIa誘導体であって、前記P’は、配列番号1または配列番号2の配列を有するFVIIポリペプチドの酵素的切断によるFVIIポリペプチド生成物である誘導体。
14.実施形態11〜13のいずれか1に記載のFVIIa誘導体であって、実施形態1〜9のいずれか1に記載の方法により作られる誘導体。
15.次式の化合物:
Figure 2008507990
Figure 2008507990
Figure 2008507990
ここで、式中のnは、1、2、または3のように1以上であり;ここでのPEG20000は、20,000Daの分子量を有するPEG部分である。
16.実施形態10に記載のFVIIポリペプチドをコード化する核酸分子。
17.実施形態16に記載の核酸分子を含んでなる組み換えベクター。
18.実施形態16に記載の核酸分子を含んでなるベクターを含む単細胞宿主生物。
19.実施形態1〜9のいずれか1に記載の方法であって、ソルターゼAおよびソルターゼBから選択される酵素が適用される方法。
20.実施形態2に記載の方法であって、前記Zは、分枝状であり、且つ約10,000 Daおよび40,000 Daの間の分子量を有する1以上のPEGを含む方法。
図1−1は、ソルターゼ Aを用いた切断に対するFVIIポリペプチドアミノ酸配列を示す(配列番号1)。 図1−2は、ソルターゼ Aを用いた切断に対するFVIIポリペプチドアミノ酸配列を示す(配列番号1)。 図2−1は、ソルターゼBを用いた切断に対するFVIIポリペプチドアミノ酸配列を示す(配列番号2)。 図2−2は、ソルターゼBを用いた切断に対するFVIIポリペプチドアミノ酸配列を示す(配列番号2)。

Claims (20)

  1. FVIIaの誘導体であるP’-R-Xを得る方法であって、FVIIまたはFVIIの変種をR’-Xの存在下で酵素的に切断するステップを含んでなり、酵素的に産生したFVIIaのC末端に-R-Xを結合させる方法:
    Figure 2008507990
    ここで、式中のPはFVIIまたはFVIIの変種を意味し、P’は切断の生成物を意味し、R’-XはP’と反応する化合物を意味し、XはP’に結合する基を意味するか、またはXは官能基を意味し、R’は求核性の基を含んでなるRを意味する。
  2. Xが官能基を意味する生成物P’-R-Xが得られる請求項1に記載の方法であって、一般式Y-E-Zの化合物とさらに反応させることにより次式の生成物を得る方法:
    P’-R-A-E-Z
    ここで、式中のRは、リンカーまたは結合を意味し;
    式中のP’は、FVIIの酵素的な切断によるFVIIポリペプチド生成物を意味し;
    Xは、Yと反応することができる官能基を含んでなるラジカルを意味し;
    Yは、Xと反応することができる1以上の官能基を含んでなるラジカルを意味し;
    Eは、リンカーまたは結合素意味し;
    Aは、XおよびYに含まれる官能基間の反応により形成される部分を意味し;
    Zは、ペプチドと結合する部分である。
  3. 請求項1または2に記載の方法であって、前記FVIIは、FVIIa自体、FIXa、FSAP、ヘプシン、およびマトリプターゼにより切断される方法。
  4. 請求項2に記載の方法であって、前記XおよびYは、ケトおよびアルデヒド基のようなカルボニル基、ならびに以下のようなアミノ誘導体から選択される方法:アミノ酸、NH-NH2、-NH-NH2、-O-C(O)-NH-NH2、-NH-C(O)-NH-NH2、NH-C(S)-NH-NH2、-NHC(O)-NH-NH-C(O)-NH-NH2、NH-NH-C(O)-NH-NH2、-NH-NH-C(S)-NH-NH2、-NH-C(O)-C6H4-NH-NH2、C(O)-NH-NH2、-O-NH2、-C(O)-O-NH2、-NH-C(O)-O-NH2 、および-NH-C(S)-O-NH2
  5. 請求項4に記載の方法であって、前記Yは、アミノ酸、または-NH-NH2、-O-C(O)-NH-NH2、NH-C(O)-NH-NH2、-NH-C(S)-NH-NH2、NHC(O)-NH-NH-C(O)-NH-NH2、-NH-NH-C(O)-NH-NH2、NH-NH-C(S)-NH-NH2、-NH-C(O)-C6H4-NH-NH2、-C(O)-NH-NH2、-O-NH2、-C(O)-O-NH2、-NH-C(O)-O-NH2、および-NH-C(S)-O-NH2の誘導体であり、Xは、ケト-またはアルデヒド-官能基である方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって、前記R’-Xは、1つのアミノ酸または多数のアミノ酸を含んでなり、該アミノ酸の1つは、誘導体化のためのさらなる官能基を含むように誘導体化されるか、または前記アミノ酸は基Zを含む方法。
  7. 請求項5に記載の方法であって、前記R’-Xはα-アミノ酸誘導体である方法:
    Figure 2008507990
    ここで、式中のRは適切なリンカーであり、Xは請求項1で定義した通りである。
  8. 請求項5に記載の方法であって、前記R’-Xは、G(1〜5) -PEG、G(1〜5) -脂質、G(1〜4) -NH-CH2-CHO、およびG(1〜4) -NH-(CH2)n-O-NH2からなる群より選択され、ここでのnは、例えば2のように、2以上である方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法であって、前記Zは、PEG または C5〜C24 脂肪酸、脂肪族C5〜C24二価酸である方法。
  10. 配列番号1または配列番号2の配列を有する、独立したFVIIポリペプチド。
  11. FVIIa誘導体P’-R-X:
    ここでのP’は、FVIIの酵素的切断によるFVIIポリペプチド生成物を意味し;Xは、P’と結合する基を意味するか、またはXは官能基を意味し;Rは、酵素的に生成したFVIIaのC末端に対するリンカーもしくは結合を意味する。
  12. FVIIa誘導体であるP’-R-A-E-Z:
    ここでのP’は、FVIIの酵素的切断によるFVIIポリペプチド生成物を意味し;Eは、リンカーまたは結合を意味し;Aは、化学的部分を意味し;Rは、酵素的に生成したFVIIaのC末端に対するリンカーまたは結合を意味し;且つ、Zは、ペプチドと結合する化学的部分を意味する。
  13. 請求項11または12に記載のFVIIa誘導体であって、前記P’は、配列番号1または配列番号2の配列を有するFVIIポリペプチドの酵素的切断によるFVIIポリペプチド生成物である誘導体。
  14. 請求項11〜13のいずれか1に記載のFVIIa誘導体であって、請求項1〜9のいずれか1に記載の方法により作られる誘導体。
  15. 次式の化合物:
    Figure 2008507990
    Figure 2008507990
    Figure 2008507990
    ここで、式中のnは、1、2、または3のように1以上であり;ここでのPEG20000は、20,000Daの分子量を有するPEG部分である。
  16. 請求項10に記載のFVIIポリペプチドをコード化する核酸分子。
  17. 請求項16に記載の核酸分子を含んでなる組み換えベクター。
  18. 請求項16に記載の核酸分子を含んでなるベクターを含む単細胞宿主生物。
  19. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法であって、ソルターゼAおよびソルターゼBから選択される酵素が適用される方法。
  20. 請求項2に記載の方法であって、前記Zは、分枝状であり、且つ約10,000 Daおよび40,000 Daの間の分子量を有する1以上のPEGを含む方法。
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