JP2008506203A - 非平衡条件下での分子の量子化学モデリングのための方法およびコンピュータシステム - Google Patents

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Abstract

本発明は、1つ以上の外部パラメータの値の変化に基づいて、近似無矛盾解または無矛盾解の変化を表現するために外挿解析を使用する方法およびコンピュータシステムであって、前記無矛盾解は、少なくとも2つのプローブまたは電極を有するシステムのモデルで使用され、前記モデルは、有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数および/または有効な1電子のハミルトニアンの無矛盾決定を含む電子構造計算に基づく、前記方法およびコンピュータシステムに関する。

Description

本発明は、1つ以上の外部パラメータの値の変化に基づいて、近似無矛盾解または無矛盾解の変化を表現するために、外挿解析または技術を使用するための方法およびシステムに関する。前記無矛盾解は、少なくとも2つのプローブまたは電極を有するシステムまたはナノスケールシステムのモデルで使用することが可能であり、前記モデルは、有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数および/または有効な1電子のハミルトニアンの無矛盾決定を含む電子構造計算に基づくことが可能である。
有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数の無矛盾決定を必要とする電子構造計算にモデリングが基づいている、原子スケールモデリングの分野における方法のうちの最も一般的な例は、密度関数理論(DFT)、および、ハートリーフォック(HF)理論である。DFTの出願の多くは、外部パラメータが変化するときに、システムがどのように応答するのかを研究したものである。当該の研究では、外部パラメータのそれぞれの値に対して、無矛盾計算を行う必要があり、これは非常に時間がかかることがある。重要な出願には、ナノスケールのデバイスの電流電圧(I−U)特性の計算がある。当該の計算の一例には、非特許文献1があり、金の表面と結合させたジチオール−フェリル(DTP)分子のI−U特性を計算している。そのシステムを図2に示す。計算は、図5および6に示されるフローチャート2および3に概説されるステップに従う。計算は、各電圧に対する無矛盾ループに起因して、計算的に非常に厳しいものである。
Stokbro、Computational Materials Science 2003年、第27巻,pp.151
本発明の目的は、1つ以上の外部パラメータの変化によって生じる、無矛盾解の変化を決定するための効率的かつ合理的な正確な方法を提供することである。
本発明によれば、1つ以上の外部パラメータの値の変化に基づいて、近似無矛盾解または無矛盾解の変化を表現するために外挿解析または技術を使用する方法であって、前記無矛盾解は、少なくとも2つのプローブまたは電極を有するシステムのモデルで使用され、前記モデルは、有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数および/または有効な1電子のハミルトニアンの無矛盾決定を含む電子構造計算に基づき、前記方法は、
無矛盾ループ計算を用いて、第1の外部パラメータの第1の値に対する選択された関数の第1の無矛盾解を決定するステップと、
無矛盾ループ計算を用いて、前記第1の選択された外部パラメータの第2の値に対する前記選択された関数の第2の無矛盾解を決定するステップであって、前記第1の選択された外部パラメータの前記第2の値は、前記第1の選択された外部パラメータの前記第1の値とは異なる、ステップと、
少なくとも前記決定された第1および第2の無矛盾解および前記第1の選択された外部パラメータの前記第1および第2の値に基づく外挿法を用いて、前記第1の選択された外部パラメータの少なくとも1つの選択された値に対する、前記選択された関数の近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化を表現するステップと、を含む方法を提供する。ここで、前記近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化は、線形外挿法を用いて表現することが可能である。
本発明の一実施態様によれば、前記方法は、無矛盾ループ計算を用いて、前記第1の選択された外部パラメータの第3の値に対して前記選択された関数の第3の無矛盾解が決定され、前記第1の選択された外部パラメータの前記第3の値は、前記第1の選択された外部パラメータの前記第1および第2の値とは異なることをさらに含むことが可能である。ここで、前記第1の選択された外部パラメータの少なくとも1つの選択された値に対する、前記選択された関数の前記近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化は、少なくとも前記決定された第1、第2、および第3の無矛盾解および前記第1の選択された外部パラメータの前記第1、第2、および第3の値に基づく外挿法を用いて表現することが可能である。前記近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化は、二次外挿法を用いて表現されることが好ましい。
前記モデル化されるシステムは、ナノスケールのデバイスまたはナノスケールのデバイスを備えるシステムであることが好ましい。また、前記システムのモデリングは、前記プローブまたは電極への入力として1つ以上の前記外部パラメータを提供することを含むことが好ましい。
本発明の一実施態様によれば、前記システムは、2プローブシステムであり、前記外部パラメータは、前記2つのプローブおよび電極にかかる電圧バイアスUであり、前記2プローブシステムは、干渉領域を介して互いに接続された、2つの実質的に半無限のプローブまたは電極を有するようにモデル化される。
また、本発明の一実施態様において、前記システムは、3つのプローブまたは電極を備えた3プローブシステムであり、前記外部パラメータは、第1の選択されたパラメータおよび前記第1の選択されたパラメータと同じタイプの第2の選択されたパラメータである。ここで、モデル化される前記システムは、3つのプローブまたは電極を備えた3プローブシステムであり、前記外部パラメータは、前記電極の第1および第2の電極にかかる第1の電圧バイアスU1、および、第3および前記第1の電極にかかる第2の電圧バイアスU2であり、前記3プローブシステムは、干渉領域を介して互いに接続された、3つの実質的に半無限の電極を有するようにモデル化される。
前記モデル化されるシステムが3プローブシステムである場合に、本発明の前記方法は、
無矛盾ループ計算を用いて、前記第2の選択された外部パラメータの第1の値に対する前記選択された関数の第4の無矛盾解を決定するステップと、
無矛盾ループ計算を用いて、前記第2の選択された外部パラメータの第2の値に対する前記選択された関数の第5の無矛盾解を決定するステップであって、前記第2の選択された外部パラメータの前記第2の値は、前記第2の選択された外部パラメータの前記第1の値とは異なる、ステップと、をさらに含むことが可能であり、
前記近似無矛盾解または前記選択された関数に対する前記無矛盾解の変化を表現するステップは、少なくとも、前記第1の選択された外部パラメータの前記第1および第2の値とともに前記決定された第1および第2の無矛盾解に基づき、さらに少なくとも、前記第2の選択された外部パラメータの前記第1および第2の値とともに前記決定された第4および第5の無矛盾解に基づく外挿法を用いて、前記第1の選択された外部パラメータの前記選択された値および前記第2の選択された外部パラメータの選択された値に対して表現される。ここで、前記近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化は、線形外挿法を用いて表現することが可能である。
前記3プローブシステムに提供される本発明の上述の方法は、無矛盾ループ計算を用いて、前記第2の選択された外部パラメータの第3の値に対して前記選択された関数の第6の無矛盾解が決定され、前記第2の選択された外部パラメータの前記第3の値は、前記第2の選択された外部パラメータの前記第1および第2の値とは異なり、前記近似無矛盾解または前記選択された関数に対する前記無矛盾解を表現する前記ステップは、少なくとも、前記第1の選択された外部パラメータの前記第1、第2、および第3の値とともに前記決定された第1、第2、および第3の無矛盾解に基づき、さらに少なくとも前記第2の選択された外部パラメータの前記第1、第2、および第3の値とともに前記決定された第4、第5、および第6の無矛盾解に基づく外挿法を用いて、前記第1の選択された外部パラメータの前記選択された値および前記第2の選択された外部パラメータの前記選択された値に対して表現されること、をさらに含むことが可能である。ここで、前記近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化は、二次外挿法を用いて表現することが可能である。
前記3プローブシステムに提供される本発明の前記方法に関して、前記第2の選択された外部パラメータの前記第1の値は、前記第1の選択された外部パラメータの前記第1の値に等しくすることが可能である。
本発明によれば、前記選択された関数は、前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数、前記有効な1電子のハミルトニアン、および前記電子密度によって表現される関数から選択されることが好ましい。ここでまた、前記選択された関数は、有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数または有効な1電子のハミルトニアンであり、前記無矛盾ループ計算は、密度関数理論DFTまたはハートリーフォック理論HFに基づくものであることが好ましい。
本発明の一実施態様によれば、前記無矛盾ループ計算は、
a)前記システムのモデルの選択された領域に対する電子密度の値を選択するステップと、
b)前記選択された電子密度および前記外部パラメータの選択された値に対する前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数を決定するステップと、
c)前記決定された有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数に対応する電子密度の値を計算するステップと、
d)前記電子密度の前記選択された値と前記電子密度の前記計算値とを比較するステップと、を含み、前記電子密度の前記選択された値および前記計算値が、所与の数値的精度の範囲内で等しい場合は、
e)前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数の前記無矛盾解として、前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数の前記解を定義するステップを含み、等しくない場合は、
f)前記電子密度の新しい値を選択し、前記電子密度の前記選択された値および前記電子密度の前記計算値が、前記所与の数値的精度の範囲内で等しくなるまで、ステップb)〜f)を繰り返すステップを含む、ループ計算に基づくことが可能である。ここで、前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数の前記無矛盾解は、前記システムの前記プローブまたは電極に対して決定することが可能である。
前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数の前記無矛盾解は、前記システムの前記プローブまたは電極に対して決定される実施態様に関して、前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数に対する前記対応する決定された無矛盾解に基づいて、前記プローブまたは電極領域のそれぞれに対するグリーン関数を構成または決定することが好ましい。
本発明の一実施態様において、前記選択された関数は、前記システムの干渉領域に対する前記有効な1電子のハミルトニアンであり、前記システムの前記干渉領域の前記有効な1電子のハミルトニアンの第2の無矛盾解の決定は、前記第1の選択された外部パラメータの所与の値において、前記干渉領域に対する前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数に対して対応する無矛盾解を計算するステップを含む。ここで、前記有効な1電子のハミルトニアンの第2の無矛盾解の決定は、
aa)システムの干渉領域に対する電子密度の値を選択するステップと、
bb)前記選択された外部パラメータの所与の値に対する前記選択された電子密度の前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数を決定するステップと、
cc)ステップbb)で決定された前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数に基づいて、前記干渉領域に対する前記有効な1電子のハミルトニアンの解を決定するステップと、
dd)前記有効な1電子のハミルトニアンのステップcc)で決定された前記解に基づいて、前記干渉領域に対するグリーン関数の解を決定するステップと、
ee)前記干渉領域のための前記決定されたグリーン関数に対応する電子密度の値を計算するステップと、
ff)前記電子密度の前記選択された値と前記電子密度の前記計算値とを比較するステップと、を含み、前記電子密度の前記選択された値および前記計算値が、所与の数値的精度の範囲内で等しい場合は、
gg)前記有効な1電子のハミルトニアンの前記無矛盾解として、前記有効な1電子のハミルトニアンの前記解を定義するステップを含み、等しくない場合は、
hh)前記電子密度の新しい値を選択し、前記電子密度の前記選択された値および前記電子密度の前記計算値が、前記所与の数値的精度の範囲内で等しくなるまで、ステップbb)〜hh)を繰り返すステップを含む、ループ計算に基づくことが可能である。
本発明の一実施態様によれば、前記選択された関数は、行列の各要素が、対応する外挿的表現を用いて表現される、近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化を有する関数である、ハミルトニアン行列によって表現される、前記有効な1電子のハミルトニアンとすることが可能である。
本発明の前記方法はまた、前記選択された関数は、前記有効な1電子のハミルトニアンであり、前記外部パラメータは、前記システムの2つのプローブにかかる電圧バイアスであり、第1および第2の無矛盾解は、それぞれ前記外部電圧バイアスの選択された第1および第2の値に対する前記有効な1電子のハミルトニアンに対して決定され、それによって、外挿的表現は、前記外部電圧バイアスが変化したときに、前記有効な1電子のハミルトニアンのための前記近似無矛盾解に対して取得され、前記方法は、前記近似無矛盾解または前記有効な1電子のハミルトニアンに対する前記無矛盾解における変化を表現する、前記取得した外挿的表現を使用して、複数の異なる前記印加電圧バイアスの値に対する前記システムの2つのプローブ間の電流を決定するステップをさらに含む、一実施態様に対応する。ここで、得られた外挿的表現は、線形表現とすることが可能である。前記電流は、前記外部電圧バイアスの所与の範囲に対して、および前記外部電圧バイアスの所与の電圧ステップに対して決定することが可能であり、前記電流は、
aaa)前記最低電圧に対する前記電流を、前記外部電圧バイアスの前記所与の範囲内で決定するステップと、
bbb)前記所与の電圧ステップによって前記電圧バイアスを増加させるステップと、
ccc)新たな前記増加された電圧バイアスに対する前記電流を決定するステップと、
ddd)新たな前記増加された電圧バイアスが、前記電圧バイアスの前記所与の範囲内の最高電圧より高くなるまでステップbbb)およびccc)を繰り返すステップと、のループを使用して決定することが可能である。
また、本発明の一実施態様において、前記モデル化されるシステムは2プローブシステムであり、前記選択された関数は、前記有効な1電子のハミルトニアンであり、前記外部パラメータは、前記システムの2つのプローブにかかる電圧バイアスであり、前記方法は、
前記外部電圧バイアスに対する決定された電圧範囲を少なくとも第1および第2の電圧範囲に分割するステップと、
前記第1および第2の電圧範囲に対して、前記電圧範囲の最大値および最小値に対応する前記有効な1電子のハミルトニアンの最大および最小の無矛盾解を決定するステップと、
前記外部電圧が変化したときに、前記有効な1電子のハミルトニアンに対する近似無矛盾解の第1の外挿的表現を取得するステップであって、前記第1の外挿的表現は、前記第1の電圧範囲に対する前記決定された最大および最小の無矛盾解、および前記第1の電圧範囲の最大および最小電圧値に基づくものである、ステップと、
前記外部電圧が変化したときに、前記有効な1電子のハミルトニアンに対する前記近似無矛盾解の第2の外挿的表現を取得するステップであって、前記第2の外挿的表現は、前記第2の電圧範囲に対する前記決定された最大および最小の無矛盾解、および前記第2の電圧範囲の最大および最小電圧値に基づくものである、ステップと、
前記取得した第1の外挿的表現を使用して、前記第1の電圧範囲の前記最大および最小電圧によって与えられる、前記電圧の範囲内の複数の異なる前記印加電圧バイアスの値に対する前記2つのプローブ間の前記電流を決定するステップと、
前記取得した第2の外挿的表現を使用して、前記第2の電圧範囲の前記最大および最小電圧によって与えられる、前記電圧の範囲内の複数の異なる前記印加電圧バイアスの値に対する前記2つのプローブ間の前記電流を決定するステップと、を含む。ここで、得られた第1および第2の外挿的表現は、それぞれ第1および第2の線形表現とすることが可能である。また、本発明の前記方法の一実施態様において、前記決定された電圧範囲は、少なくとも3つの電圧範囲に分割され、前記方法は、
前記第3の電圧範囲に対して、前記第3の電圧範囲の最大値および最小値に対応する前記有効な1電子のハミルトニアンの最大および最小の無矛盾解を決定するステップと、
前記外部電圧が変化したときに、前記有効な1電子のハミルトニアンに対する前記近似無矛盾解の第3の外挿的表現を取得するステップであって、前記第3の外挿的表現は、前記第3の電圧範囲に対する前記決定された最大および最小の無矛盾解、および前記第3の電圧範囲の最大および最小電圧値に基づくものである、ステップと、
前記取得した第3の線形外挿法を使用して、前記第3の電圧範囲の前記最大および最小電圧によって与えられる、前記電圧の範囲内の複数の異なる前記印加電圧バイアスの値に対する前記2つのプローブ間の前記電流を決定するステップと、をさらに含む。ここでまた、得られた第3の外挿的表現は、第3の線形の外挿的表現とすることが可能である。

本発明の方法はまた、前記モデル化される系が2プローブ系である一実施態様にも対応し、前記選択された関数は、前記有効な1電子のハミルトニアンであり、前記外部パラメータは、前記系の2つのプローブにかかる電圧バイアスであり、第1および第2の無矛盾解は、それぞれ前記外部電圧バイアスの選択された第1および第2の値に対する前記有効な1電子のハミルトニアンに対して決定され、前記第2の値は前記電圧バイアスの前記選択された第1の値よりも高く、それによって、前記外部電圧バイアスが変化したときに、前記有効な1電子のハミルトニアンのための前記近似無矛盾解に対して第1の外挿的表現が取得され、前記方法は、
aaaa)前記範囲内の複数の異なる前記印加電圧バイアスの値に対して、前記2つのプローブ間の前記電流を決定するために、前記外部電圧バイアスの最小値および最大値を有する電圧の範囲を選択するステップと、
bbbb)無矛盾ループ計算を用いて、前記外部電圧バイアスの前記選択された最大値のための前記有効な1電子のハミルトニアンに対する最大無矛盾解を決定するステップと、
cccc)前記対応する決定された最大無矛盾解に基づいて、前記電圧バイアスの前記最大値に対する前記系の前記2つのプローブ間の前記電流を決定するステップと、
dddd)前記取得された第1の外挿的表現に基づいて、前記電圧バイアスの前記選択された最大値に対する前記系の前記2つのプローブ間の前記電流を決定するステップと、
eeee)ステップcccc)とdddd)で決定された前記電流値を比較するステップと、をさらに含み、それらが所与の数値的精度の範囲内で等しい場合は、
ffff)前記外部電圧バイアスが変化したときに、前記有効な1電子のハミルトニアンに対する近似無矛盾解のための外挿的表現を使用して、前記選択された第1の電圧値および前記最大電圧値によって与えられる、前記電圧の範囲内の複数の異なる前記印加電圧バイアスの値に対する前記系の前記2つのプローブ間の前記電流を決定するステップと、を含む。ここで、得られた第1の外挿的表現は、第1の線形の外挿的表現とすることが可能であり、線形外挿法を、前記外部電圧バイアスが変化したときに、前記有効な1電子のハミルトニアンに対する前記近似無矛盾解を表現するために、ステップffff)で使用することが可能である。好適な一実施態様において、前記有効な1電子のハミルトニアンのための前記近似無矛盾解に対して最大外挿的表現が取得され、前記最大外挿的表現は、前記決定された第1および最大無矛盾解、前記第1の電圧バイアス、および前記電圧バイアスの最大値に基づくものであり、前記最大外挿的表現は、ステップffff)において電流を決定するときに使用される。最大外挿的表現は、最大線形の外挿的表現とすることが可能である。また、ステップeeee)において、ステップcccc)およびdddd)において決定された前記電流値が、前記所与の数値的精度の範囲内で等しくない場合は、前記方法は、
gggg)前記第1の値と以前の最大値との間の前記外部電圧バイアスの新しい最大値を選択するステップと、
hhhh)ステップcccc)およびステップdddd)において、前記決定された電流の値が、前記所与の数値的精度の範囲内で等しくなるまで、ステップbbbb)〜hhhh)を繰り返すステップと、をさらに含むことが好ましい。本発明の一実施態様によれば、前記方法は、
iiii)無矛盾ループ計算を用いて、前記外部電圧バイアスの前記選択された最小値のための前記有効な1電子のハミルトニアンに対する最小無矛盾解を決定するステップと、
jjjj)前記対応する決定された最小無矛盾解に基づいて、前記電圧バイアスの前記最小値に対する前記系の前記2つのプローブ間の前記電流を決定するステップと、
kkkk)前記取得された第1の外挿的表現に基づいて、前記電圧バイアスの前記選択された最小値に対する前記系の前記2つのプローブ間の前記電流を決定するステップと、
llll)ステップjjjj)およびkkkk)で決定された前記電流を比較するステップと、をさらに含むことが可能であり、それらが所与の数値的精度の範囲内で等しい場合は、
mmmm)前記外部電圧バイアスが変化したときに、前記有効な1電子のハミルトニアンに対する近似無矛盾解のための外挿的表現を使用して、前記選択された第1の電圧値および前記最小電圧値によって与えられる、前記電圧の範囲内の複数の異なる前記印加電圧バイアスの値に対する前記系の前記2つのプローブ間の前記電流を決定するステップを含む。ここで、線形外挿法を、前記外部電圧バイアスが変化したときに、前記有効な1電子のハミルトニアンに対する前記近似無矛盾解を表現するために、ステップmmmm)で使用することが可能である。ここでまた、本発明の好適な実施態様において、最小外挿的表現は、前記有効な1電子のハミルトニアンのための前記近似無矛盾解に対して取得され、前記最小外挿的表現は、前記決定された第1および最小無矛盾解、前記第1の電圧バイアス、および前記電圧バイアスの最小値に基づくものであり、前記最小外挿的表現は、ステップmmmm)において電流を決定するときに使用される。ここで、最小外挿的表現は、最小線形の外挿的表現とすることが可能である。また、ステップllll)において、ステップjjjj)およびkkkk)において決定された前記電流値が、前記所与の数値的精度の範囲内で等くない場合は、前記方法は、
nnnn)前記第1の値と以前の最小値との間の前記外部電圧バイアスの新しい最小値を選択するステップと、
oooo)ステップiiii)〜ステップoooo)において、前記決定された電流の値が、前記所与の数値的精度の範囲内で等しくなるまで、ステップjjjj)およびkkkk)を繰り返すステップと、をさらに含むことが好ましい。
本発明によれば、1つ以上の外部パラメータの値の変化に基づいて、近似無矛盾解または無矛盾解の変化を表現するために外挿解析を使用するコンピュータシステムであって、前記無矛盾解は、少なくとも2つのプローブまたは電極を有するナノスケール系のモデルで使用され、前記モデルは、有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数および/または有効な1電子のハミルトニアンの無矛盾決定を含む電子構造計算に基づき、前記コンピュータシステムは、
無矛盾ループ計算を用いて、第1の外部パラメータの第1の値に対する選択された関数の第1の無矛盾解を決定するための手段と、
無矛盾ループ計算を用いて、前記第1の選択された外部パラメータの第2の値に対する前記選択された関数の第2の無矛盾解を決定するための手段であって、前記第1の選択された外部パラメータの前記第2の値は、前記第1の選択された外部パラメータの前記第1の値とは異なる、手段と、
少なくとも前記決定された第1および第2の無矛盾解および前記第1の選択された外部パラメータの前記第1および第2の値に基づく外挿法を用いて、前記第1の選択された外部パラメータのうちの少なくとも1つの選択された値に対する前記選択された関数のための、近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化を表現するための手段と、を備えるコンピュータシステムを提供する。ここで、前記近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化を表現するための前記手段は、線形外挿法を用いて当該の解を表現するように構成することが可能である。
無矛盾ループ計算を用いて、前記第1の選択された外部パラメータの第3の値に対する前記選択された関数の第3の無矛盾解を決定するための手段であって、前記第1の選択された外部パラメータの前記第3の値は、前記第1の選択された外部パラメータの前記第1および第2の値とは異なる、手段をさらに備えることが可能である。ここで、前記第1の選択された外部パラメータのうちの少なくとも1つの選択された値に対する前記選択された関数の前記近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化を表現するための前記手段は、前記決定された第1、第2、および第3の無矛盾解および前記第1の選択された外部パラメータの前記第1、第2、および第3の値に基づく外挿法を用いて、当該の解を表現するように構成することが可能である。ここで、前記近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化を表現するための前記手段は、二次外挿法を用いて当該の解を表現するように構成されることが好ましい。
本発明の前記コンピュータシステムの一実施態様に関して、前記ナノスケール系は、2プローブ系であり、前記外部パラメータは、前記2つのプローブおよび電極にかかる電圧バイアスUであり、前記2プローブ系は、干渉領域を介して互いに接続された、2つの実質的に半無限のプローブまたは電極を有するようにモデル化される。
本発明の前記コンピュータシステムはまた、前記ナノスケール系は、3つのプローブまたは電極を備えた3プローブ系であり、前記外部パラメータは、第1の選択されたパラメータおよび前記第1の選択されたパラメータと同じタイプである第2の選択されたパラメータである、一実施態様にも対応する。ここで、前記ナノスケール系は、3つのプローブまたは電極を備えた3プローブ系であり、前記外部パラメータは、前記電極の第1および第2の電極にかかる第1の電圧バイアスU1、および、第3および前記第1の電極にかかる第2の電圧バイアスU2であり、前記3プローブ系は、干渉領域を介して互いに接続された、3つの実質的に半無限の電極を有するようにモデル化されることが好ましい。
ここでまた、前記モデル化されているナノスケール系が3プローブ系である場合、本発明の前記コンピュータシステムは、
無矛盾ループ計算を用いて、前記第2の選択された外部パラメータの第1の値に対する前記選択された関数の第4の無矛盾解を決定するための手段と、無矛盾ループ計算を用いて、前記第2の選択された外部パラメータの第2の値に対する前記選択された関数の第5の無矛盾解を決定するための手段であって、前記第2の選択された外部パラメータの前記第2の値は、前記第2の選択された外部パラメータの前記第1の値とは異なる、手段と、をさらに含むことが可能であり、
前記近似無矛盾解または前記選択された関数に対する前記無矛盾解の変化を表現するための前記手段は、前記第1の選択された外部パラメータの前記第1および第2の値とともに前記決定された第1および第2の無矛盾解に基づき、さらに前記第2の選択された外部パラメータの前記第1および第2の値とともに前記決定された第4および第5の無矛盾解に基づく外挿法を用いて、前記第1の選択された外部パラメータの前記選択された値および前記第2の選択された外部パラメータの選択された値に対する前記近似無矛盾解を表現するように構成される。ここで、前記近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化を表現するための前記手段は、線形外挿法を用いて、当該の解を表現するように構成することが可能である。
3プローブ系をモデリングするための上述のコンピュータシステムは、
無矛盾ループ計算を用いて、前記第2の選択された外部パラメータの第3の値に対する前記選択された関数の第6の無矛盾解を決定するための手段であって、前記第2の選択された外部パラメータの前記第3の値は、前記第2の選択された外部パラメータの前記第1および第2の値とは異なる、手段をさらに備えることが可能である。ここで、前記近似無矛盾解または前記選択された関数に対する前記無矛盾解を表現するための前記手段は、少なくとも、前記第1の選択された外部パラメータの前記第1、第2、および第3の値とともに前記決定された第1、第2、および第3の無矛盾解に基づき、さらに少なくとも、前記第2のセンタ外部パラメータの前記第1、第2、および第3の値とともに前記決定された第4、第5、および第6の無矛盾解に基づく外挿法を用いて、前記第1の選択された外部パラメータの前記選択された値および前記第2の選択された外部パラメータの前記選択された値に対する前記近似無矛盾解を表現するように構成することが可能である。ここで、前記近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化を表現するための前記手段は、二次外挿法を用いて当該の解を表現するように構成することが可能である。
前記3プローブ系に提供される本発明の前記システムに関して、前記第2の選択された外部パラメータの前記第1の値は、前記第1の選択された外部パラメータの前記第1の値に等しくすることが可能である。
また、本発明の前記コンピュータシステムに関して、前記選択された関数は、前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数、前記有効な1電子のハミルトニアン、および前記電子密度によって表現される関数から選択されることが好ましい。ここでまた、前記選択された関数は、有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数または有効な1電子のハミルトニアンであり、前記無矛盾ループ計算は、密度関数理論DFTまたはハートリーフォック理論に基づくものであることが好ましい。
本発明の一実施態様によれば、無矛盾ループ計算に基づいて、無矛盾ループ計算を行うための手段をさらに備えるコンピュータシステムであって、
a)前記ナノスケール系のモデルの選択された領域に対する電子密度の値を選択するステップと、
b)前記選択された電子密度および前記外部パラメータの選択された値に対する前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数を決定するステップと、
c)前記決定された有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数に対応する電子密度の値を計算するステップと、
d)前記電子密度の前記選択された値と前記電子密度の前記計算値とを比較するステップと、を含み、前記電子密度の前記選択された値および前記計算値が、所与の数値的精度の範囲内で等しい場合は、
e)前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数の前記無矛盾解として、前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数の前記解を定義するステップを含み、等しくない場合は、
f)前記電子密度の新しい値を選択し、前記電子密度の前記選択された値および前記電子密度の前記計算値が、前記所与の数値的精度の範囲内で等しくなるまで、ステップb)〜f)を繰り返すステップを含む、ループ計算に基づくものである。ここで、前記無矛盾ループ計算を行うための前記手段は、前記系の前記プローブまたは電極に対する前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数の前記無矛盾解を決定するように構成することが可能である。
前記無矛盾ループ計算を行うための前記手段は、前記系の前記プローブまたは電極に対する前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数の前記無矛盾解を決定するように構成することが可能である実施態様に関して、前記コンピュータシステムは、前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数に対する前記対応する決定された無矛盾解に基づいて、前記プローブまたは電極領域のそれぞれに対するグリーン関数を決定するための手段をさらに備えることが好ましい。
本発明のコンピュータシステムの一実施態様において、前記選択された関数は、前記系の干渉領域に対する前記有効な1電子のハミルトニアンであり、前記系の前記干渉領域の前記有効な1電子のハミルトニアンの第2の無矛盾解を決定するための前記手段は、前記第1の選択された外部パラメータの所与の値において、前記干渉領域に対する前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数に対して対応する無矛盾解を計算するステップを含むことによって、前記決定するステップを行うように構成される。ここで、前記有効な1電子のハミルトニアンの第2の無矛盾解の決定するための前記手段は、
aa)系の干渉領域に対する電子密度の値を選択するステップと、
bb)前記選択された外部パラメータの所与の値に対する前記選択された電子密度の前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数を決定するステップと、
cc)ステップb)で決定された前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数に基づいて、前記干渉領域に対する前記有効な1電子のハミルトニアンの解を決定するステップと、
dd)前記有効な1電子のハミルトニアンのステップc)で決定された前記解に基づいて、前記干渉領域に対するグリーン関数の解を決定するステップと、
ee)前記干渉領域に対する前記決定されたグリーン関数に対応する電子密度の値を計算するステップと、
ff)前記電子密度の前記選択された値と前記電子密度の前記計算値とを比較するステップと、を含み、前記電子密度の前記選択された値および前記計算値が、所与の数値的精度の範囲内で等しい場合は、
gg)前記有効な1電子のハミルトニアンの前記無矛盾解として、前記有効な1電子のハミルトニアンの前記解を定義するステップを含み、等しくない場合は、
hh)前記電子密度の新しい値を選択し、前記電子密度の前記選択された値および前記電子密度の前記計算値が、前記所与の数値的精度の範囲内で等しくなるまで、ステップbb)〜hh)を繰り返すステップを含む、ループ計算に基づいて、前記決定を行うように構成される。
本発明の前記コンピュータシステムはまた、前記選択された関数は、前記有効な1電子のハミルトニアンであり、前記外部パラメータは、前記系の2つのプローブにかかる電圧バイアスであり、第1および第2の無矛盾解を決定するための手段は、それぞれ前記外部電圧バイアスの選択された第1および第2の値に対する前記有効な1電子のハミルトニアンに対して前記決定を行うように構成され、外挿法解析を用いて近似無矛盾解を表現するための前記手段は、外挿的表現を、前記外部電圧バイアスが変化したときに、前記有効な1電子のハミルトニアンのための前記近似無矛盾解に対して取得するように構成され、前記コンピュータシステムは、前記取得した外挿的表現を使用して、複数の異なる前記印加電圧バイアスの値に対する前記系の2つのプローブ間の電流を決定する手段であって、前記近似無矛盾解または前記有効な1電子のハミルトニアンに対する前記無矛盾解における変化を表現するための手段をさらに含む、一実施態様に対応する。ここで、得られた外挿的表現は、線形の外挿的表現とすることが可能である。前記電流を決定するための前記手段は、前記外部電圧バイアスの所与の範囲に対して、および前記外部電圧バイアスの所与の電圧ステップに対して前記電流を決定するように構成することが可能であり、前記電流を決定するための手段は、
aaa)前記最低電圧に対する前記電流を、前記外部電圧バイアスの前記所与の範囲内で決定するステップと、
bbb)前記所与の電圧ステップによって前記電圧バイアスを増加させるステップと、
ccc)前記新しい増加された電圧バイアスに対する前記電流を決定するステップと、
ddd)前記新しい増加された電圧バイアスが、前記電圧バイアスの前記所与の範囲内の最高電圧より高くなるまでステップbbb)およびccc)を繰り返すステップと、のループを使用して前記決定を行うように構成することが可能である。
また、本発明の前記コンピュータシステムの一実施態様において、前記モデル化される系が2プローブ系であり、前記選択された関数は、前記有効な1電子のハミルトニアンであり、前記外部パラメータは、前記系の2つのプローブにかかる電圧バイアスであり、前記コンピュータシステムは、
前記外部電圧バイアスに対する決定された電圧範囲を少なくとも第1および第2の電圧範囲に分割するための手段と、
前記第1および第2の電圧範囲に対して、前記電圧範囲の最大値および最小値に対応する前記有効な1電子のハミルトニアンの最大および最小の無矛盾解を決定するための手段と、
前記外部電圧が変化したときに、前記有効な1電子のハミルトニアンに対する近似無矛盾解の第1の外挿的表現を取得するための手段であって、前記第1の外挿的表現は、前記第1の電圧範囲に対する前記決定された最大および最小の無矛盾解、および前記第1の電圧範囲の最大および最小電圧値に基づくものである、手段と、
前記外部電圧が変化したときに、前記有効な1電子のハミルトニアンに対する前記近似無矛盾解の第2の外挿的表現を取得するための手段であって、前記第2の外挿的表現は、前記第2の電圧範囲に対する前記決定された最大および最小の無矛盾解、および前記第2の電圧範囲の最大および最小電圧値に基づくものである、手段と、
前記取得した第1の外挿的表現を使用して、前記第1の電圧範囲の前記最大および最小電圧によって与えられる、前記電圧の範囲内の複数の異なる前記印加電圧バイアスの値に対する前記2つのプローブ間の前記電流を決定するための手段と、
前記取得した第2の外挿的表現を使用して、前記第2の電圧範囲の前記最大および最小電圧によって与えられる、前記電圧の範囲内の複数の異なる前記印加電圧バイアスの値に対する前記2つのプローブ間の前記電流を決定するための手段と、を備える。ここで、得られた第1および第2の外挿的表現は、それぞれ第1および第2の線形の外挿的表現とすることが可能である。
本発明の他の目的、特徴、および利点は、添付図面とともに、下記に述べる発明を実施するための最良の形態から容易に明らかになろう。
背景理論
原子スケールモデリングの目的は、系内の個々の原子の記述から、分子および物質の特性を計算することである。原子は、電荷Zを有するイオンコア、およびこの電荷を補うのに等しい数の電子から構成される。イオンの位置および電荷に対して、
Figure 2008506203
およびZμを使用する。ここで、μはイオンのラベル1...Nであり、Nはイオンの数である。電子の位置は
Figure 2008506203
、i=1...nによって与えられ、nは電子の数である。
通常、イオンを古典的粒子として処理することで良好に近似する。イオンのポテンシャルエネルギ、
Figure 2008506203
は、次式から、電子系のエネルギE0に依存する。
Figure 2008506203
ここで、eは電子電荷である。電子は、量子粒子として記述しなければならず、また電子エネルギの計算は、シュレーディンガーの波動方程式本体を解くことが必要である。
Figure 2008506203
式2では、
Figure 2008506203
はハミルトニアン本体であり、Ψは電子の波動関数本体である。ハミルトニアン本体、
Figure 2008506203
上の「帽子(^)」は、その量が量子力学の演算子であることを表す。式3の第1項は電子の運動エネルギ、
Figure 2008506203
である。ここで、hは、プランク定数、mは電子質量、および
Figure 2008506203
Figure 2008506203
に関するグラジエントである。第2項は静電的電子−イオン間引力であり、最後の項は静電的電子−電子間反発力である。
最後の項では、異なる電子を結合させて、電子間の相関運動を引き起こす。この複雑化によって、シュレーディンガー方程式本体の正確な解は、単一の電子を有する系に対してのみ可能となる。したがって、近似には、それがシュレーディンガー方程式本体を実用的な可解モデルに縮小できることが必要とされる。複数の良好な手法では、電子構造を記述するために有効な1電子のハミルトニアンを使用し、1電子のハミルトニアン内に、有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数を介して電子−電子間の相互作用を含めている。
電子構造計算のための密度関数法
本発明は、有効な1電子のハミルトニアンを有する電子を記述する、電子構造法とともに使用することができる。DFTおよびHF理論は、当該の方法の例である。これらの方法では、電子は、他の電子によって設定される、有効な1電子のポテンシャルにおいて移動する非干渉性粒子と記述される。有効な1電子のポテンシャルは、他の電子の平均位置に依存し、無矛盾的に決定される必要がある。
Figure 2008506203
式4では、
Figure 2008506203
の項は運動エネルギを表し、
Figure 2008506203
の項は有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数を表し、
Figure 2008506203
の項は1電子のハミルトニアンを表す。有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数は、電子密度nに依存する。運動エネルギは、単純な微分演算子によって引き起こされるので、密度には依存しない。これは、有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数およびハミルトニアンが、密度の関数と同じ変化を有し、有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数の無矛盾の変化を決定したいときに、ハミルトニアンの無矛盾の変化を特定することに相当する。さらに、無矛盾解に関して、電子密度と有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数との間に1対1の関係があるので、無矛盾の電子密度、ハミルトニアン、または有効な1電子のポテンシャルは、同等である。
DFTでは、有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数は、次式で与えられる。
Figure 2008506203
第1項は、イオンコアからの静電ポテンシャルエネルギによって与えられる、イオンポテンシャルエネルギ関数である。
Figure 2008506203
したがって、nに依存しない。第2項は、交換相関ポテンシャルエネルギ関数である。
Figure 2008506203
これは、密度およびそのグラジエントのローカルな関数である。第3項は、ハートリーのポテンシャルエネルギ関数であるが、これは、電子密度からの静電ポテンシャルエネルギであり、ポアソン方程式から計算することができる。
Figure 2008506203
ポアソン方程式は、二次微分方程式であり、その解を決めるために、境界条件が必要である。孤立系に関して、境界条件は、ポテンシャルエネルギ関数が漸近的にゼロに向かうものであり、周期系では、境界条件は、ポテンシャルエネルギ関数が周期的なものである。当該の条件に対して、ポアソン方程式の解は直接的であり、Vは、標準的な数値計算ソフトウェアパッケージから得ることができる。外部電圧Uを有する系に関して、系の別の部分においてハートリーポテンシャルを解く。この状況は、26ページで詳述する。
したがって、密度から有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数が得られ、それによってハミルトニアンを得ることができる。次のステップでは、ハミルトニアンから電子密度を計算する。これは、全ての占有された1電子の固有状態を合計することによって得られる。
Figure 2008506203
単一の化学ポテンシャルを有する系に関して、占有された固有状態は、化学ポテンシャル以下のエネルギを有する状態である。外部電圧Uが印加された系に関して、2つの化学ポテンシャルがあり、その状況はより複雑である。この状況は、25ページで述べる。
図1のフローチャートは、式を解くために必要な無矛盾ループを示す。系は、原子Rμの位置(イオンの座標)、および印加電圧U、温度T、および圧力Pのような外部パラメータによって定義される(102)。最初に、系の電子密度の任意の推測を行う(104)。その密度から、式5を使用して、有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数を構成することができる(106)。有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数は、式4を介してハミルトニアンを定義する(108)。ハミルトニアンから、式9および10に示されるように、全ての占有された1電子の固有状態を合計することによって、系の電子密度を計算することができる。新しい密度が、有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数を構成するために使用した密度に等しい(特定の数値的精度の範囲内で)場合に(112)、無矛盾解が得られ(114)、116で終了する。入出力間の電子密度が異なる場合、予め算出した電子密度に基づいて、新しい改善した推測を行う。最も簡単なバージョンでは、この新しい推測は、2つの電子密度と混合パラメータβを線形に組み合わせることによって得られる(110)。
閉鎖および周期的系へのDFTの適用
最初に、周期的および閉じた系に対して、式9がどのようにして最も一般的に解かれるのかを示す。閉鎖系は、有限数の原子を有する系である。周期系は、周期構造内に無限数の原子が配置される系である。これらの系に関して、式9は、通常、標準的な線形代数パッケージによって解くことができる、行列固有値問題に変換される。この変換は、基底関数
Figure 2008506203
の線形結合として、波動関数Ψαを表すことによって得られる。基底関数φには多くの異なる選択肢が存在し、最も一般的なもののいくつかは、平面波または原子波動関数に類似した形状の原子ベースの関数である。基準関数を使用して、式9は、次のように変換される。
Figure 2008506203
記号
Figure 2008506203
は、ハミルトニアン行列を示し、
Figure 2008506203
はオーバーラップ行列を示す。文字上の「横棒」は、その量が行列であることを示す。
分子的な系に関して、ハミルトニアン行列は有限であり、標準的な線形代数パッケージによって対角化することができる。周期構造に関しては、系の一部をモデル化するだけでよく、繰り返したときに、全体の構造を生成する。したがって、また、ハミルトニアン行列は有限となり、解は直接的となる。
電圧を印加した開放系へのDFTの適用
本発明の適用範囲は、2つ(またはそれ以上)の半無限の電極が、ナノスケールの干渉領域と組み合わせられた系である。当該の系を2プローブ系と称する。ナノスケール干渉領域は、粒子を電極と交換することができるので、2プローブ系は、オープン量子機械系である。左右の電極は、明確な化学ポテンシャルμおよびμを有する電子貯蔵部である。化学ポテンシャル間の差異は、
Figure 2008506203
であり、電圧バイアス(U)を定義し、系に印加される。開放系に関して、ハミルトニアン行列は無限であり、1電子の固有状態を得るための式11における単純な対角化技術を適用することはできない。その代わりとして、以下の項に記述する非平衡グリーン関数フォーマリズムを使用して電子密度を決定する。2プローブ系の例を図2および3に示す。図2の系は、フェニルジチオール分子に結合させた2つの半無限の金の電極から構成される。干渉領域22は、分子および電極の最初の2つの層から構成されている。領域21および23は、左右の電極領域を示す。領域24および26は、電極内の1電子レベルの占有を示す。印加電圧によって、右電極26の化学ポテンシャルは左電極24よりも高い。
図3は、半無限の金線に結合させた半無限のカーボンナノチューブを示す図である。干渉領域32は、ナノチューブの頂部および金線の第1の層によって与えられる。左電極31は半無限の金線から構成され、右電極33は半無限のカーボンナノチューブから構成される。左電極領域34および右電極領域36における電子密度は、無矛盾のバルク計算から得られる。これらの密度は、無矛盾的に算出した干渉領域35の2つのプローブ密度に適合する。
スクリーニング近似
第1のステップでは、開放系を、独立して解くことができる3つの部分系に変換する。図3aは、金線と結合させたカーボンナノチューブを示す図である。金線およびカーボンナノチューブは、金属である。半無限の電極の金属性により、干渉領域による摂動は、電極に数オングストロームしか伝播しない。これは、電子密度を示す図3bに示される。ナノチューブから金の接触点へ数オングストロームの原子間距離を移動するときに、電子密度は周期的であり、バルク電子密度に類似することがわかる。したがって、電子密度および有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数を、電極領域の値が電極バルクの値に類似する、干渉領域および電極領域に分割することができる。これを、スクリーニング近似と称する。
有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数は、ローカルな演算子であるので、ハミルトニアン演算子はまた、電極および干渉領域に分割することもできる。したがって、有限の範囲を有する基底系においてハミルトニアン演算子を展開する場合、ハミルトニアン行列を次式のように分割することができる。
Figure 2008506203
ここで、
Figure 2008506203
Figure 2008506203
および
Figure 2008506203
は、左電極、干渉領域、および右電極のハミルトニアン行列をそれぞれ示し、
Figure 2008506203
および
Figure 2008506203
は、干渉領域および電極を伴う行列要素である。干渉領域のサイズは、左右の電極間に結合がない、すなわち、HLR=HRL=0であることに留意されたい。
グリーン関数を使用した電子密度の計算
以下、電子密度が、グリーン関数のフォーマリズム内でどのように得られるのかを示す。このために、スペクトル密度
Figure 2008506203
および電子密度演算子
Figure 2008506203
を導く。スペクトル密度はエネルギ分解電子密度であり、総電子密度は全てのエネルギにわたってスペクトル密度を積分することによって得られる。
Figure 2008506203
式17では、関数δ(x)は、ディラックのデルタ関数である。(遅延)グリーン関数は、次式で定義される。
Figure 2008506203
ここで、δは、極小の正の数字であり、iは、複合底である。グリーン関数は、次式によってスペクトル密度と相関される。
Figure 2008506203
ここで、
Figure 2008506203
は、
Figure 2008506203
の虚数部分である。基底関数において演算子を展開することで、式19を行列方程式に変換する。
Figure 2008506203
グリーン関数から、スペクトル密度行列を得ることができる。
Figure 2008506203
したがって、次式から電子密度を得ることができる。
Figure 2008506203
Figure 2008506203
これで、電子密度の計算は、式21の行列反転、および式24のエネルギ積分に縮小される。しかし、開放系を有しているので、式21の行列は無限である。スクリーニング近似によって、電極領域においてバルク電子密度を使用することができるので、干渉領域における電子密度を計算するだけでよい。式24から、基底関数がローカライズされるので、干渉領域のグリーン関数行列、および数層の電極を計算するだけでよいことがわかる。
自己エネルギ項を介して電極領域を考慮する
この項では、同じサイズの行列を逆にすることによって、干渉領域
Figure 2008506203
のグリーン関数行列をどのように計算できるのかを示す。この結果を得るためには、結合要素
Figure 2008506203
および
Figure 2008506203
において摂動理論を使用する。非摂動グリーン関数Gは、
Figure 2008506203
を設定して、この場合、式21がブロック対角であることを用いて計算する。
Figure 2008506203
Figure 2008506203
摂動
Figure 2008506203
および
Figure 2008506203
を元に戻すことで、ダイソンの方程式からグリーン関数を見つける。
Figure 2008506203
ここで、項
Figure 2008506203
および
Figure 2008506203
を、電極の自己エネルギと称する。ダイソンの方程式内の項を配置し直すことで、次式に到達する。
Figure 2008506203
電極のグリーン関数の計算
自己エネルギを決定するために、電極の非摂動グリーン関数
Figure 2008506203
を計算する必要がある。電極のハミルトニアンは半無限であるので、グリーン関数は、単純な行列反転によって得ることができない。しかし、電極ハミルトニアンが周期的である場合に、電極グリーン関数を計算するための非常に効率的なアルゴリズムが存在する。そのうちの1つを以下に示す。電極ハミルトニアンを周期的ブロック
Figure 2008506203
と表すこととし、ここで、各ブロックのサイズは、隣接するブロックが相互に作用するだけのものであり、すなわち次式となる。
Figure 2008506203
各ブロックのハミルトニアン
Figure 2008506203
および結合行列
Figure 2008506203
は、電極系のバルク計算から得られる。帰納を使用して、グリーン関数に対する一連の近似を構築する。
Figure 2008506203
式33、34、および35では、量
Figure 2008506203
は、グリーン関数へのn次の近似である。エラー
Figure 2008506203
は1/nと同程度に減少し、ここで、nは、ステップ数である。この不十分な収束度によって、このアルゴリズムで適切な精度を得るには通常1000以上のステップが必要である。グリーン関数は、Lopez−Sancho、J.Phys.F14、1205(1984)に記述される方法の変形を使用することによってより少ないステップで得ることができる。このアルゴリズムの変形によって、電極グリーン関数の計算には数ステップだけでよく、この部分に必要な計算のリソースは、
Figure 2008506203
の計算に必要なリソースと比較して、通常無視できるものである。
複合の輪郭を使用したスペクトル密度の積分
Figure 2008506203
を得るために式31で必要な全ての要素があるので、電子密度行列は次式で表される。
Figure 2008506203
グリーン関数は実軸に沿って急激に変化し、実際の系に関して、積分の正確な決定には、しばしば実軸に沿って5000以上のエネルギ点を必要とする。より効率的な方法を見いだすために、グリーン関数が分析的関数であることを用いて、複素平面内の輪郭に沿った積分を行うことができる。複素平面において、グリーン関数は、非常にスムーズである。これを図4に示す。図4aには、積分の2つの等価線、輪郭Cおよび実軸線Rを示す。図4bは、輪郭C(破線)および図4aの実軸線R(実線)に沿ったスペクトル密度の変化を示す図である。関数はRに沿ってより急激に変化し、同じ精度を得るためには、Cに沿うよりもRに沿ったほうが、実質的により多くの点が必要である。一般に、閉曲線積分の使用により、因子100によって積分点の数が減じられる。
外部電圧バイアスを有する2プローブ系に対する電子密度
これまで、系が単一の化学ポテンシャル(すなわちμ=μ)を有することを用いてきた。しかし、外部電圧Uを印加した場合、2つの電極は、式15によって結び付けられる異なる化学ポテンシャルを有する。図2は、系の設定を示す。エネルギ軸は、2つの領域に分けることができ、両化学ポテンシャル以下のエネルギ範囲を平衡領域と称し、2つの化学ポテンシャル間のエネルギ範囲を非平衡領域または電圧ウィンドウと称する。電子密度行列を2つの部分に分割する。
Figure 2008506203
ここで
Figure 2008506203
は、平衡領域内のエネルギを有する電子の電子密度行列であり、
Figure 2008506203
は、非平衡領域内のエネルギを有する電子の電子密度行列である。
Figure 2008506203
は、外部電圧Uによる、付加的な密度であると言える。
Figure 2008506203
は、前項に記述した手法によって計算されるので、次式のようになる。
Figure 2008506203
ここでは、μ<μとみなす。
非平衡領域では、電子は、右貯蔵部から注入されるだけである。したがって、スペクトル密度行列を左または右電極から生じる電子状態に分割する必要があるが、右電極の電子密度を高めるだけである。電子密度のこの分割は、非平衡グリーン関数理論において達成され、次式のように表すことが可能である。
Figure 2008506203
この式の基礎は、HaugおよびA.P.JauhoのQuantum kinetics in transport and optics of semiconductors、(Springer−Verlag、Berlin、1996)、またはBrandbyge Phys.Rev.B65、165401(2002)に見出すことができる。したがって、系に印加される外部電圧のある状態を含む、2プローブ系の電子密度を計算するための方法に対する記述を有することになる。
2プローブ系における有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数の計算
前項では、グリーン関数手法を使用して、ハミルトニアンから電子密度を計算する方法を示した。無矛盾サイクルを完了するために、電子密度からハミルトニアンを計算する必要があり、これは、有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数
Figure 2008506203
を計算することを意味するものである。DFTの範囲内で、有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数は、式5で与えられる。2プローブ系に関して、干渉領域および電極領域に対して別々にポアソン方程式(式8)を解く必要がある。電極のハートリーポテンシャルエネルギ関数は、周期系において使用されるものと同じ手法で得られ、この場合、繰り返し構造は、式32でHL1L1を定義し、右電極HR1R1に対応するセルを定義するために使用する電極である。これで、これらの電極ハートリーポテンシャルエネルギ関数は、干渉領域のハートリーポテンシャルエネルギ関数に境界条件を与える。しかし、電極はバルク系であり、これは、それらのハートリーポテンシャルエネルギ関数に任意定数を加えることができ、それでも有効な解を得ることができる。この任意定数を定めるために、各電極ハートリーポテンシャルエネルギ関数をその電極の化学ポテンシャルと関連付けて、式15を使用して左右の化学ポテンシャルを関連付ける。したがって、これで電極にハートリーポテンシャルが定められ、それらは、z方向に沿ったポアソン方程式の境界条件を定義する。xおよびy方向では、周期的境界条件を使用する。これらの境界条件によって、干渉領域のハートリーポテンシャルエネルギ関数は、Taylor、Phys.Rev.B63、245407(2001)に記述されているような、マルチグリッド手法によって得ることができる。
グリーン関数から得られる電子輸送係数および電流
無矛盾サイクルの終了後に、系の輸送特性を計算することができる。接触子を介した非線形電流Iは、次式で得られる。
Figure 2008506203
ここで
Figure 2008506203
は、伝導量子である。この式の基礎は、H.HaugのQuantum kinetics in transport and optics of semiconductors(Springer−Verlag、Berlin、1996)に記述される。
2プローブ系の無矛盾アルゴリズム
図5は、式15に示される左右の電極間に印加される電圧により、ナノスケールのデバイスを介した、左電極から右電極への電流の2プローブ計算に必要なステップを示す図である。最初に、イオンの位置、および印加電圧および温度のような外部パラメータを指定することによって系を定義する(202)。次に、スクリーニング近似を使用して、系のジオメトリを相互作用領域および電極領域に分ける(204)。電子密度および有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数は、電極領域内のそれらのバルク値に近づくはずである。通常、これは金属面の第3の層における原子周辺の場合となるので、干渉領域内の金属面の最初の2つの層を含むには十分である。図1のフローチャートを使用して、分離された電極領域に対する無矛盾の有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数を計算する(206)。無矛盾の有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数から、式4、12、および33〜36を使用して、電極のグリーン関数を構成し、式29および30を使用して電極の自己エネルギを構成する(208)。これらの最初の計算を、2プローブ計算への入力として使用する。したがって、電極領域の無矛盾密度を計算しているので、干渉領域の無矛盾密度を計算するだけでよい。干渉領域に対する電子密度の最初の推測から始めて(210)、図1のフローチャートに類似した無矛盾ループを行う。最初に、式5〜8を使用して、干渉領域の有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数を計算する(212)。有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数から、式4および12を使用して、ハミルトニアンを得ること、および式31を使用して、グリーン関数を得ることができる(214)。そのグリーン関数から、式23、38、39、および40を使用して電子密度を計算することができ、それによって、無矛盾サイクルを終了する(218)。新しい電子密度が、(特定の数値的制度の範囲内で)有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数の構成に使用される電子密度と異なる場合(220)、予め算出した密度に基づいて、新しい改善した推測を行う。最も簡単なバージョンでは、この新しい推測は、2つの電子密度と混合パラメータβを線形に混合することによって得られる(216)。入出力密度が等しい場合は、電子密度の無矛盾値が得られているので、有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数、ハミルトニアン、およびグリーン関数も得られる(222)。このグリーン関数から、式41を使用して、電流を計算することができる(224)。電流を計算した後に、アルゴリズムを終了する(226)。
プロシージャは、TranSIESTAおよびMcDCALソフトウェアにより実行した。これらのソフトウェアの更なる説明および実行の詳細は、Brandbyge Phys.Rev.B65、165401(2002)、およびTaylor Phys.Rev.B63、245407(2001)に見出すことができる。ナノスケールのデバイスの電流電圧特性(I−U曲線)を得るためには、各電圧Uに対する無矛盾計算を行う必要がある。これを、図6のフローチャートに示す。系のジオメトリ、電圧区間UおよびU、およびステップサイズΔUを入力する(302)。初期電圧をUに設定する(304)。図5のフローチャート2におけるステップに従い、電圧Uでの有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数の無矛盾計算を行い、無矛盾のポテンシャルエネルギ関数を使用して電流を計算する(306)。該ステップサイズで電圧を上昇させ(308)、新しい電圧が特定の電圧区間の範囲内にある場合は、新しい無矛盾計算を行い(310)、そうでなければ終了する(312)。
例:金の表面と結合させたDTPのI−U特性の計算
これで、TranSIESTAソフトウェアを使用して、図2に示されるジオメトリのI−U特性の計算結果が示されることになる。計算は図6のフローチャート3に従い、図9内の点は計算の結果を示す。同様のI−U特性が、Stokbro Computational Materials Science 27、151(2003)により得られた。
図7に、印加電圧による無矛盾の有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数の変化を示す。有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数の値は、左電極に始まり、DTB分子の2つの硫黄原子の中央を通って、右電極で終わる直線に沿って示される。右電極では、印加電圧によって、有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数が下方にシフトされる。主な特徴は、有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数が、電極領域においてフラットであること、および主な電圧降下が分子領域内で生じていることである。
図7aの曲線は、全て類似した形状である。図7bでは、印加電圧により曲線をリスケールしており、リスケールした有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数はほぼ同一であることがわる。この見解は、有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数の変化が、印加電圧による単純な変化を有することを示すものとして、本発明の基礎を形成する。
2つの電圧点を使用した線形内挿
アルゴリズムの1つのバージョンでは、有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数は、電圧ゼロUにおいて、わずかな有限電圧UΔに対して計算される。これらのデータは、一般電圧に外挿するために用いられる。一般電圧Uに対する有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数は、単純な線形外挿法によって得られる。
Figure 2008506203
ハミルトニアンは、次式によって有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数に関連付けられる。
Figure 2008506203
これは、同じスケーリング関係をハミルトニアンに加えることを意味するものである。したがって、一般電圧のハミルトニアンは、次式によって近似することができる。
Figure 2008506203
ここで
Figure 2008506203
および
Figure 2008506203
は、UおよびUΔでの無矛盾ハミルトニアンである。
大部分の電子構造法では、ハミルトニアンは、基底系{φ}において展開され、以下の行列によって表される。
Figure 2008506203
この場合、線形内挿式が、ハミルトニアン行列要素に適用される。
ハミルトニアンから、印加電圧による電流を含む、系の全ての特性を計算することができる。電流は、最初に式31を使用してグリーン関数を計算し、そのグリーン関数から式41を使用して電流を計算することによって得られる。式44、31、および41を組み合わせて、それをマッピングMとして表すことが可能であり、
Figure 2008506203
Figure 2008506203
、およびUを利用して、電圧Uでの電流Iが得られる。マッピングを次式のように表す。
Figure 2008506203
内挿式を使用したI−U特性の計算を、図8のフローチャート4にまとめる。系のジオメトリ、電圧区間U、U、ステップサイズΔ、および電圧U、UΔを入力し、内挿に使用する無矛盾ハミルトニアンを計算する(402)。図5のフローチャート2を使用して、電圧Uに対する無矛盾の有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数、およびハミルトニアンを計算する(404)。電圧UΔに対する無矛盾計算を行う(406)。図9のフローチャート5を使用して、UおよびUΔでの無矛盾結果を有する式46を使用した電圧区間U、Uに対するI−U曲線を計算し、電流に対する近似を求める(408)。410で終了する。
I−U曲線の計算は、図9のフローチャート5に従う。電圧区間U、U、ステップサイズΔ、および2つの電圧UおよびUΔに対する無矛盾ハミルトニアンを入力する(502)。初期電圧をU:=Uに設定する(504)。UおよびUΔでの無矛盾結果を有する式46を使用して、Uでの電流に対する近似を求める(506)。該ステップサイズで電圧を上昇させ(508)、新しい電圧が特定の電圧区間の範囲内にある場合は、I−U曲線の計算を継続し(510)、そうでなければ終了する(512)。
計算の標準的なパラメータには、U=0ボルト、およびUΔ=0.4ボルトを選択する。比較的低い電圧の値を選択することが計算的には最も効率的である。これは、無矛盾計算は、点の数が電圧の大きさに比例する積分を伴う、式40の非平衡密度の計算により、高い電圧において計算的に厳しいからである。
I−U曲線の電圧の範囲に対する標準的な値は、U=−2.0ボルト、およびU=2.0ボルトである。高電圧では、電界が小ナノスケールのデバイスに対して非常に高くなり、当該の電圧は、デバイスの電気的破壊により、実験的に測定が困難である。
図10では、式46を使用した電流の計算結果と、完全な無矛盾解を比較している。「一次:1.order」で示される線は、式46で得られた結果を示し、「SCF」で示される線は、無矛盾計算によって得られた結果を示す。式46で得られた結果は、V=0.0ボルトおよびV=0.4ボルトでの計算だけしか計算には使用しなかったが、V<2.0ボルトに対する完全な無矛盾計算と非常によく一致している。
I−U特性を計算するための適応グリッド法
前項では、2つの電圧UおよびUΔでの無矛盾ハミルトニアンを使用した一般電圧に、ハミルトニアンを外挿するために、2点の内挿式を使用した。ここで、このスキームを改善するための系統的な方法を提案する。その方法は、選択された電圧点での更なる無矛盾計算の実行に基づくものであり、これらの電圧点で無矛盾ハミルトニアンを使用して、改善した内挿式を作成する。この方法によって、無矛盾的に算出されたI−U特性の方へ収束する、一連のI−U曲線が形成される。
これは、区間[U、U]におけるI−U特性を計算することを目標とする。図11のフローチャート6は、計算の際に伴われるステップを示す。最初のステップは、図8のフローチャート4に類似している。しかし、この新しいアルゴリズムでは、更なる無矛盾計算を行うことによって近似を改善する。ここでは、新しい電圧点を、図12および13のフローチャート7および8に示されるアルゴリズムによって選択することが可能である。系のジオメトリ、電圧区間U、U、ステップサイズΔU、および内挿電圧U、UΔを入力する(602)。図5のフローチャート2を使用して、電圧Uに対する無矛盾の有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数、およびハミルトニアンを計算する(604)。電圧UΔに対する無矛盾計算を行う(606)。図13のフローチャート8を使用して、UおよびUΔでの無矛盾結果を有する式46を使用した電圧区間U、Uに対するI−U曲線を計算し、電流に対する近似を求める(608)。図12のフローチャート7を使用して、UおよびUΔでの無矛盾結果を有する式46を使用した電圧区間U、Uに対するI−U曲線を計算し、電流に対する近似を求める(610)。612で終了する。
図12および13のフローチャート7および8は、区間を再分割するためのアルゴリズムを示す。該区間は、内挿および無矛盾的に算出された電流が、δで示される特定の精度の範囲内で合致するまで再分割される。フローチャート7および8は類似したものである。フローチャート7は、無矛盾ハミルトニアンが、I−U曲線を求める電圧区間の最低電圧Uを公知であることを前提としているが、フローチャート8は、無矛盾ハミルトニアンが、電圧区間の最高電圧Uを公知であることを前提としている。フローチャート7に関して、帰納ステップへの入力は、電圧区間U、U、および端点Uおよび任意の電圧点Uでの無矛盾ハミルトニアンである(702)。次に、電圧区間での最高電圧Uでの無矛盾計算を行う(704)。内挿式、式46および式31、41の無矛盾ハミルトニアンから電流を計算する(706)。内挿された電流が、無矛盾電流とδ以上異なる場合は(708)、区間{U、U}および{U、U}にさらに再分割する。ここで、U:=(U+U)/2である(714)。このアルゴリズムは、再帰的に区間{U、U}と称する(716)。区間{U、U}に関して、第1の電圧点の代わりに、最後の電圧点でのハミルトニアンを知っており、フローチャート8に示されるわずかに変更したアルゴリズムを使用する(718)。プロシージャは、新しいグリッド点に対する無矛盾的に算出した電流が、所定の精度δの範囲内の内挿値と合致するまで継続される。所定の精度が得られれば、部分区間{U、U}のI−U特性を計算するために、式46を問題なく使用することができる(710)。712で帰納的アルゴリズムを終了する。
図13のフローチャート8は、図12のフローチャート7のアルゴリズムをわずかに変更したものであり、無矛盾ハミルトニアンの入力は、Uの代わりにUにおいて計算される点だけが異なる。ここでは、フローチャート7と比較したときのフローチャート8における差異について述べる。HSCF[U]の代わりにHSCF[U]を入力する(802)。Uの代わりにUにおいて無矛盾計算を行う(804)。Uにおいて電流を計算し(806)、Uで計算した電流を比較する(808)。残りのアルゴリズムは、フローチャート7のアルゴリズムと同様である。
一般に、このプロシージャは、電圧ウィンドウを通じて不規則に配信されるグリッド点をもたらすことに留意されたい。グリッド点は、線形内挿式が、無矛盾ポテンシャルエネルギ関数の変化の不十分な描写を与える領域において最も高密度になる。したがって、アルゴリズムは、グリッド点の適応性のある形成をもたらす。
高次近似の使用
前項に記述した方法に関して、近似の解を、更なる無矛盾計算を行うことによって、系統的に改善した。2つ以上の無矛盾計算が行われるとき、高次内挿式を使用することが可能である。例えば、U、U、およびUでの無矛盾計算は、有効なポテンシャル
Figure 2008506203
に対して、以下のように二次外挿式を得るために組み合わせることができる。
Figure 2008506203
類似した二次外挿式を、ハミルトニアンに使用されることができる、
Figure 2008506203
図10の「二次:2.order」で示される線は、0.0ボルトおよび0.4ボルトでの無矛盾計算から得られた二次外挿式を使用した結果を示す。上述のものは、nバイアスに対して(n−1)次外挿式を使用するように、容易に一般化することができる。
マルチプローブ系への一般化
アルゴリズムは、マルチプローブ系に一般化することができる。すなわち、2つ以上の電極が存在する。以下、電極をさらに1つ含み、電極UL3間の印加電圧を介して、左電極の化学ポテンシャルに、この電極の化学ポテンシャルμを関連付けられると仮定する。
Figure 2008506203
これで、変数UL3およびULRにおける二次元の内挿式に式44を一般化することができる。ULRは、左右の電極間の電圧の差である。内挿式においてUの値に対して同じ無矛盾ハミルトニアンを使用することができるので、
Figure 2008506203
の選択には都合がよい。この場合、
Figure 2008506203
であり、ここで、
Figure 2008506203
および
Figure 2008506203
は、それぞれ左電極−電極3におけるわずかな電圧の上昇、および左電極−右電極の電圧におけるわずかな電圧の上昇である。無矛盾ハミルトニアン
Figure 2008506203
は、
Figure 2008506203
に対して計算され、
Figure 2008506203
は、
Figure 2008506203
に対して計算される。
電子またはイオンの温度を使用するための一般化
これまで、全ての積分は、その化学ポテンシャルでの定められた積分境界によって表されているので、電子の温度はゼロであると暗黙に仮定している。有限の電子温度を含むために、式18、24、37、39、40、41における積分を次式のように変えなければならない。
Figure 2008506203
ここで、Tは温度であり、Kはボルツマン定数であり、fはフェルミ関数である。
Figure 2008506203
左右に電極に対するフェルミ関数において、異なる値のTを使用することによって、左右の電極に対する異なる温度の使用へ、これを容易に一般化することができる。
本発明は、本願明細書に特に図と共に記載されたものに制限されるものではなく、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更を行えることは、当業者には明らかである。
密度関数理論の無矛盾ループにおける計算ステップを示すフローチャート(フローチャート1)の図である。 金の表面が外部電圧源に接続され、電極が異なる化学ポテンシャルμおよびμを有する、2つの金(111)の表面と結合させたベンゼン−ジチオール分子を示す図である。 干渉領域の外部にあるときに、電子密度が電極の容積密度によって与えられる、金の表面と結合させたカーボンナノチューブの無矛盾電子密度を示す図である。 図4aは、グリーン関数G(z)の積分に使用することができる、等価実軸(R)および複合の輪郭(C)を示す図である。図4bは、図4aの輪郭C(破線)および図4aの実軸R(実線)に沿ったスペクトル密度の変化
Figure 2008506203
を示す図である。
グリーン関数手法を使用して、電圧Uが印加された2プローブ系の無矛盾の有効なポテンシャルエネルギ関数を計算するために必要なステップ、および無矛盾の有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数から電流Iを計算することができるステップを示すフローチャート(フローチャート2)の図である。 2プローブ系のI−U特性の無矛盾計算に必要なステップを示すフローチャート(フローチャート3)の図である。 図7aは、図2に示される系の、異なる値の印加電圧に対して計算される、無矛盾の有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数を示す図である。図7bは、印加電圧によってリスケールした無矛盾の有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数を示す図である。 電流電圧特性I−Uを計算するために、本発明の一実施態様による、線形の外挿的表現を使用するときに伴われるステップを示すフローチャート(フローチャート4)の図である。 I−U特性を計算するために、本発明の一実施態様による、内挿式または線形の外挿的表現をどのように使用できるのかを示すフローチャート(フローチャート5)の図である。 「SCF」で示される線が無矛盾計算によって得られる結果であり、「一次:1.order」で示される線が図8に示されるスキームを使用して得られる結果を示し、「二次:2.order」で示される線が二次近似である、図2に示される系のI(U)の計算結果を示す図である。 電流電圧(I−U)特性を計算するために、本発明の一実施態様による、適応グリッドアルゴリズムの使用を示すフローチャート(フローチャート6)の図である。 図11のフローチャート6によって使用される帰納的フローチャートであるフローチャート(フローチャート7)の図である。 図11のフローチャート6によって使用される帰納的フローチャートであるフローチャート(フローチャート8)の図である。

Claims (56)

  1. 1つ以上の外部パラメータの値の変化に基づいて、近似無矛盾解または無矛盾解の変化を表現するために外挿解析を使用する方法であって、前記無矛盾解は、少なくとも2つのプローブまたは電極を有する系のモデルで使用され、前記モデルは、有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数および/または有効な1電子のハミルトニアンの無矛盾決定を含む電子構造計算に基づき、前記方法は、
    無矛盾ループ計算を用いて、第1の外部パラメータの第1の値に対する選択された関数の第1の無矛盾解を決定するステップと、
    無矛盾ループ計算を用いて、前記第1の選択された外部パラメータの第2の値に対する前記選択された関数の第2の無矛盾解を決定するステップであって、前記第1の選択された外部パラメータの前記第2の値は、前記第1の選択された外部パラメータの前記第1の値とは異なる、ステップと、
    少なくとも前記決定された第1および第2の無矛盾解および前記第1の選択された外部パラメータの前記第1および第2の値に基づく外挿法を用いて、前記第1の選択された外部パラメータの少なくとも1つの選択された値に対する、前記選択された関数の近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化を表現するステップと、
    を含む方法。
  2. 前記近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化は、線形外挿法を用いて表現される、請求項1に記載の方法。
  3. 無矛盾ループ計算を用いて、前記第1の選択された外部パラメータの第3の値に対して前記選択された関数の第3の無矛盾解が決定され、前記第1の選択された外部パラメータの前記第3の値は、前記第1の選択された外部パラメータの前記第1および第2の値とは異なり、
    前記第1の選択された外部パラメータの少なくとも1つの選択された値に対する、前記選択された関数の前記近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化は、少なくとも前記決定された第1、第2、および第3の無矛盾解および前記第1の選択された外部パラメータの前記第1、第2、および第3の値に基づく外挿法を用いて表現される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化は、二次外挿法を用いて表現される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記モデル化される系は、ナノスケールのデバイスか、またはナノスケールのデバイスを備える系である、請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載の方法。
  6. 前記系の前記モデリングは、前記プローブまたは電極への入力として前記外部パラメータの1つ以上を提供することを含む、請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載の方法。
  7. 前記系は、2プローブ系であり、前記外部パラメータは、前記2つのプローブおよび電極にかかる電圧バイアスUであり、前記2プローブ系は、干渉領域を介して互いに接続された、2つの実質的に半無限のプローブまたは電極を有するようにモデル化される、請求項1〜6のうちのいずれか1つに記載の方法。
  8. 前記系は、3つのプローブまたは電極を備えた3プローブ系であり、前記外部パラメータは、第1の選択されたパラメータおよび前記第1の選択されたパラメータと同じタイプの第2の選択されたパラメータである、請求項1〜6のうちのいずれか1つに記載の方法。
  9. 前記系は、3つのプローブまたは電極を備えた3プローブ系であり、前記外部パラメータは、前記電極の第1および第2の電極にかかる第1の電圧バイアスU1、および、第3および前記第1の電極にかかる第2の電圧バイアスU2であり、前記3プローブ系は、干渉領域を介して互いに接続された、3つの実質的に半無限の電極を有するようにモデル化される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記方法は、
    無矛盾ループ計算を用いて、前記第2の選択された外部パラメータの第1の値に対する前記選択された関数の第4の無矛盾解を決定するステップと、
    無矛盾ループ計算を用いて、前記第2の選択された外部パラメータの第2の値に対する前記選択された関数の第5の無矛盾解を決定するステップであって、前記第2の選択された外部パラメータの前記第2の値は、前記第2の選択された外部パラメータの前記第1の値とは異なる、ステップと、をさらに含み、
    前記近似無矛盾解または前記選択された関数に対する前記無矛盾解の変化を表現するステップは、少なくとも、前記第1の選択された外部パラメータの前記第1および第2の値とともに前記決定された第1および第2の無矛盾解に基づき、さらに少なくとも、前記第2の選択された外部パラメータの前記第1および第2の値とともに前記決定された第4および第5の無矛盾解に基づく外挿法を用いて、前記第1の選択された外部パラメータの前記選択された値および前記第2の選択された外部パラメータの選択された値に対して表現される、請求項8または9に記載の方法。
  11. 前記近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化は、線形外挿法を用いて表現される、請求項10に記載の方法。
  12. 無矛盾ループ計算を用いて、前記第2の選択された外部パラメータの第3の値に対して前記選択された関数の第6の無矛盾解が決定され、前記第2の選択された外部パラメータの前記第3の値は、前記第2の選択された外部パラメータの前記第1および第2の値とは異なり、
    前記近似無矛盾解または前記選択された関数に対する前記無矛盾解を表現する前記ステップは、少なくとも、前記第1の選択された外部パラメータの前記第1、第2、および第3の値とともに前記決定された第1、第2、および第3の無矛盾解に基づき、さらに少なくとも、前記第2の選択された外部パラメータの前記第1、第2、および第3の値とともに前記決定された第4、第5、および第6の無矛盾解に基づく外挿法を用いて、前記第1の選択された外部パラメータの前記選択された値および前記第2の選択された外部パラメータの前記選択された値に対して表現される、請求項3または10に記載の方法。
  13. 前記近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化は、二次外挿法を用いて表現される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記第2の選択された外部パラメータの前記第1の値は、前記第1の選択された外部パラメータの前記第1の値に等しい、請求項10〜13のうちのいずれか1つに記載の方法。
  15. 前記選択された関数は、前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数、前記有効な1電子のハミルトニアン、および前記電子密度によって表現される関数から選択される、請求項1〜14のうちのいずれか1つに記載の方法。
  16. 前記選択された関数は、有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数または有効な1電子のハミルトニアンであり、前記無矛盾ループ計算は、密度関数理論DFTまたはハートリーフォック理論HFに基づくものである、請求項15に記載の方法。
  17. 前記無矛盾ループ計算は、
    a)前記系のモデルの選択された領域に対する電子密度の値を選択するステップと、
    b)前記選択された電子密度および前記外部パラメータの選択された値に対する前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数を決定するステップと、
    c)前記決定された有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数に対応する電子密度の値を計算するステップと、
    d)前記電子密度の前記選択された値と前記電子密度の前記計算値とを比較するステップと、を含み、前記電子密度の前記選択された値および前記計算値が、所与の数値的精度の範囲内で等しい場合は、
    e)前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数の前記無矛盾解として、前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数の解を定義するステップを含み、等しくない場合は、
    f)前記電子密度の新しい値を選択し、前記電子密度の前記選択された値および前記電子密度の前記計算値が、前記所与の数値的精度の範囲内で等しくなるまで、ステップb)〜f)を繰り返すステップを含む、ループ計算に基づくものである、請求項1〜16のうちのいずれか1つに記載の方法。
  18. 前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数の前記無矛盾解は、前記系の前記プローブまたは電極に対して決定される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記選択された関数は、前記系の干渉領域に対する前記有効な1電子のハミルトニアンであり、前記系の前記干渉領域の前記有効な1電子のハミルトニアンの第2の無矛盾解の決定は、前記第1の選択された外部パラメータの所与の値において、前記干渉領域に対する前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数に対して対応する無矛盾解を計算するステップを含む、請求項16〜18のうちのいずれか1つに記載の方法。
  20. 前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数に対する前記対応する決定された無矛盾解に基づいて、前記プローブまたは電極領域のそれぞれに対するグリーン関数を構成または決定する、請求項18または19に記載の方法。
  21. 前記有効な1電子のハミルトニアンの第2の無矛盾解の決定は、
    aa)系の干渉領域に対する電子密度の値を選択するステップと、
    bb)前記選択された外部パラメータの所与の値に対する前記選択された電子密度の前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数を決定するステップと、
    cc)ステップbb)で決定された前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数に基づいて、前記干渉領域に対する前記有効な1電子のハミルトニアンの解を決定するステップと、
    dd)前記有効な1電子のハミルトニアンのステップcc)で決定された前記解に基づいて、前記干渉領域に対するグリーン関数の解を決定するステップと、
    ee)前記干渉領域のための前記決定されたグリーン関数に対応する電子密度の値を計算するステップと、
    ff)前記電子密度の前記選択された値と前記電子密度の前記計算値とを比較するステップと、を含み、前記電子密度の前記選択された値および前記計算値が、所与の数値的精度の範囲内で等しい場合は、
    gg)前記有効な1電子のハミルトニアンの前記無矛盾解として、前記有効な1電子のハミルトニアンの解を定義するステップを含み、等しくない場合は、
    hh)前記電子密度の新しい値を選択し、前記電子密度の前記選択された値および前記電子密度の前記計算値が、前記所与の数値的精度の範囲内で等しくなるまで、ステップbb)〜hh)を繰り返すステップを含む、ループ計算に基づくものである、請求項19または20に記載の方法。
  22. 前記選択された関数は、行列の各要素が、対応する外挿的表現を用いて表現される、近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化を有する関数である、ハミルトニアン行列によって表現される、前記有効な1電子のハミルトニアンである、請求項1〜21のうちのいずれか1つに記載の方法。
  23. 前記選択された関数は、前記有効な1電子のハミルトニアンであり、前記外部パラメータは、前記系の2つのプローブにかかる電圧バイアスであり、第1および第2の無矛盾解は、それぞれ前記外部電圧バイアスの選択された第1および第2の値に対する前記有効な1電子のハミルトニアンに対して決定され、それによって、前記外部電圧バイアスが変化したときに、前記有効な1電子のハミルトニアンのための前記近似無矛盾解に対して外挿的表現が取得され、前記方法は、
    前記近似無矛盾解または前記有効な1電子のハミルトニアンに対する前記無矛盾解における変化を表現する、前記取得した外挿的表現を使用して、複数の異なる前記印加電圧バイアスの値に対する前記系の2つのプローブ間の電流を決定するステップをさらに含む、請求項7〜22のうちのいずれか1つに記載の方法。
  24. 前記電流は、前記外部電圧バイアスの所与の範囲に対して、および前記外部電圧バイアスの所与の電圧ステップに対して決定される、請求項23に記載の方法。
  25. 前記電流は、
    aaa)最低電圧に対する前記電流を、前記外部電圧バイアスの前記所与の範囲内で決定するステップと、
    bbb)前記所与の電圧ステップによって前記電圧バイアスを増加させるステップと、
    ccc)新たな前記増加された電圧バイアスに対する前記電流を決定するステップと、
    ddd)新たな前記増加された電圧バイアスが、前記電圧バイアスの前記所与の範囲内の最高電圧より高くなるまでステップbbb)およびccc)を繰り返すステップと、のループを使用して決定される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記選択された関数は、前記有効な1電子のハミルトニアンであり、前記外部パラメータは、前記系の2つのプローブにかかる電圧バイアスであり、前記方法は、
    前記外部電圧バイアスに対する決定された電圧範囲を少なくとも第1および第2の電圧範囲に分割するステップと、
    前記第1および第2の電圧範囲に対して、前記電圧範囲の最大値および最小値に対応する前記有効な1電子のハミルトニアンの最大および最小の無矛盾解を決定するステップと、
    前記外部電圧が変化したときに、前記有効な1電子のハミルトニアンに対する近似無矛盾解の第1の外挿的表現を取得するステップであって、前記第1の外挿的表現は、前記第1の電圧範囲に対する前記決定された最大および最小の無矛盾解、および前記第1の電圧範囲の最大および最小電圧値に基づくものである、ステップと、
    前記外部電圧が変化したときに、前記有効な1電子のハミルトニアンに対する前記近似無矛盾解の第2の外挿的表現を取得するステップであって、前記第2の外挿的表現は、前記第2の電圧範囲に対する前記決定された最大および最小の無矛盾解、および前記第2の電圧範囲の最大および最小電圧値に基づくものである、ステップと、
    前記取得した第1の外挿的表現を使用して、前記第1の電圧範囲の前記最大および最小電圧によって与えられる、前記電圧の範囲内の複数の異なる前記印加電圧バイアスの値に対する前記2つのプローブ間の前記電流を決定するステップと、
    前記取得した第2の外挿的表現を使用して、前記第2の電圧範囲の前記最大および最小電圧によって与えられる、前記電圧の範囲内の複数の異なる前記印加電圧バイアスの値に対する前記2つのプローブ間の前記電流を決定するステップと、を含む、請求項7〜22のうちのいずれか1つに記載の方法。
  27. 前記決定された電圧範囲は、少なくとも3つの電圧範囲に分割され、前記方法は、
    前記第3の電圧範囲に対して、前記第3の電圧範囲の最大値および最小値に対応する前記有効な1電子のハミルトニアンの最大および最小の無矛盾解を決定するステップと、
    前記外部電圧バイアスが変化したときに、前記有効な1電子のハミルトニアンに対する前記近似無矛盾解の第3の外挿的表現を取得するステップであって、前記第3の外挿的表現は、前記第3の電圧範囲に対する前記決定された最大および最小の無矛盾解、および前記第3の電圧範囲の最大および最小電圧値に基づくものである、ステップと、
    前記取得した第3の線形外挿法を使用して、前記第3の電圧範囲の前記最大および最小電圧によって与えられる、前記電圧の範囲内の複数の異なる前記印加電圧バイアスの値に対する前記2つのプローブ間の前記電流を決定するステップと、をさらに含む、請求項26に記載の方法。
  28. 前記選択された関数は、前記有効な1電子のハミルトニアンであり、前記外部パラメータは、前記系の2つのプローブにかかる電圧バイアスであり、第1および第2の無矛盾解は、それぞれ前記外部電圧バイアスの選択された第1および第2の値に対する前記有効な1電子のハミルトニアンに対して決定され、前記第2の値は前記電圧バイアスの前記選択された第1の値よりも高く、それによって、前記外部電圧バイアスが変化したときに、前記有効な1電子のハミルトニアンのための前記近似無矛盾解に対して第1の外挿的表現が取得され、前記方法は、
    aaaa)前記範囲内の複数の異なる前記印加電圧バイアスの値に対して、前記2つのプローブ間の前記電流を決定するために、前記外部電圧バイアスの最小値および最大値を有する電圧の範囲を選択するステップと、
    bbbb)無矛盾ループ計算を用いて、前記外部電圧バイアスの前記選択された最大値のための前記有効な1電子のハミルトニアンに対する最大無矛盾解を決定するステップと、
    cccc)前記対応する決定された最大無矛盾解に基づいて、前記電圧バイアスの前記最大値に対する前記系の前記2つのプローブ間の前記電流を決定するステップと、
    dddd)前記取得された第1の外挿的表現に基づいて、前記電圧バイアスの前記選択された最大値に対する前記系の前記2つのプローブ間の前記電流を決定するステップと、
    eeee)ステップcccc)とdddd)で決定された前記電流値を比較するステップと、をさらに含み、それらが所与の数値的精度の範囲内で等しい場合は、
    ffff)前記外部電圧バイアスが変化したときに、前記有効な1電子のハミルトニアンに対する近似無矛盾解のための外挿的表現を使用して、前記選択された第1の電圧値および前記最大電圧値によって与えられる、前記電圧の範囲内の複数の異なる前記印加電圧バイアスの値に対する前記系の前記2つのプローブ間の前記電流を決定するステップと、を含む、請求項7〜22のうちのいずれか1つに記載の方法。
  29. 前記有効な1電子のハミルトニアンの前記近似無矛盾解に対して最大外挿的表現が取得され、前記最大外挿的表現は、前記決定された第1および最大無矛盾解、前記第1の電圧バイアス、および前記電圧バイアスの最大値に基づくものであり、前記最大外挿的表現は、ステップffff)において電流を決定するときに使用される、請求項23に記載の方法。
  30. ステップeeee)において、ステップcccc)およびdddd)において決定された前記電流値が、前記所与の数値的精度の範囲内で等しくない場合は、
    gggg)前記第1の値と以前の最大値との間の前記外部電圧バイアスの新しい最大値を選択するステップと、
    hhhh)ステップcccc)およびステップdddd)において、前記決定された電流の値が、前記所与の数値的精度の範囲内で等しくなるまで、ステップbbbb)〜hhhh)を繰り返すステップと、を含む、請求項28または29に記載の方法。
  31. 前記方法は、
    iiii)無矛盾ループ計算を用いて、前記外部電圧バイアスの前記選択された最小値のための前記有効な1電子のハミルトニアンに対する最小無矛盾解を決定するステップと、
    jjjj)前記対応する決定された最小無矛盾解に基づいて、前記電圧バイアスの前記最小値に対する前記系の前記2つのプローブ間の前記電流を決定するステップと、
    kkkk)前記取得された第1の外挿的表現に基づいて、前記電圧バイアスの前記選択された最小値に対する前記系の前記2つのプローブ間の前記電流を決定するステップと、
    llll)ステップjjjj)およびkkkk)で決定された前記電流を比較するステップと、をさらに含み、それらが所与の数値的精度の範囲内で等しい場合は、
    mmmm)前記外部電圧バイアスが変化したときに、前記有効な1電子のハミルトニアンに対する近似無矛盾解のための外挿的表現を使用して、前記選択された第1の電圧値および前記最小電圧値によって与えられる、前記電圧の範囲内の複数の異なる前記印加電圧バイアスの値に対する前記系の前記2つのプローブ間の前記電流を決定するステップを含む、請求項28〜30のうちのいずれか1つに記載の方法。
  32. 最小外挿的表現は、前記有効な1電子のハミルトニアンのための前記近似無矛盾解に対して取得され、前記最小外挿的表現は、前記決定された第1および最小無矛盾解、前記第1の電圧バイアス、および前記電圧バイアスの最小値に基づくものであり、前記最小外挿的表現は、ステップmmmm)において電流を決定するときに使用される、請求項31に記載の方法。
  33. ステップllll)において、ステップjjjj)およびkkkk)において決定された前記電流値が、前記所与の数値的精度の範囲内で等しくない場合は、
    nnnn)前記第1の値と以前の最小値との間の前記外部電圧バイアスの新しい最小値を選択するステップと、
    oooo)ステップiiii)〜ステップoooo)において、前記決定された電流の値が、前記所与の数値的精度の範囲内で等しくなるまで、ステップjjjj)およびkkkk)を繰り返すステップと、を含む、請求項31または32に記載の方法。
  34. 1つ以上の外部パラメータの値の変化に基づいて、近似無矛盾解または無矛盾解の変化を表現するために外挿解析を使用するコンピュータシステムであって、前記無矛盾解は、少なくとも2つのプローブまたは電極を有するナノスケール系のモデルで使用され、前記モデルは、有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数および/または有効な1電子のハミルトニアンの無矛盾決定を含む電子構造計算に基づき、前記コンピュータシステムは、
    無矛盾ループ計算を用いて、第1の外部パラメータの第1の値に対する選択された関数の第1の無矛盾解を決定するための手段と、
    無矛盾ループ計算を用いて、前記第1の選択された外部パラメータの第2の値に対する前記選択された関数の第2の無矛盾解を決定するための手段であって、前記第1の選択された外部パラメータの前記第2の値は、前記第1の選択された外部パラメータの前記第1の値とは異なる、手段と、
    少なくとも前記決定された第1および第2の無矛盾解および前記第1の選択された外部パラメータの前記第1および第2の値に基づく外挿法を用いて、前記第1の選択された外部パラメータのうちの少なくとも1つの選択された値に対する前記選択された関数のための、近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化を表現するための手段と、を備えるコンピュータシステム。
  35. 前記近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化を表現するための前記手段は、線形外挿法を用いて当該の解を表現するように構成される、請求項34に記載のコンピュータシステム。
  36. 前記システムは、
    無矛盾ループ計算を用いて、前記第1の選択された外部パラメータの第3の値に対する前記選択された関数の第3の無矛盾解を決定するための手段であって、前記第1の選択された外部パラメータの前記第3の値は、前記第1の選択された外部パラメータの前記第1および第2の値とは異なる、手段をさらに備え、
    前記第1の選択された外部パラメータのうちの少なくとも1つの選択された値に対する前記選択された関数の前記近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化を表現するための前記手段は、前記決定された第1、第2、および第3の無矛盾解および前記第1の選択された外部パラメータの前記第1、第2、および第3の値に基づく外挿法を用いて、当該の解を表現するように構成される、請求項34に記載のコンピュータシステム。
  37. 前記近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化を表現するための前記手段は、二次外挿法を用いて当該の解を表現するように構成される、請求項36に記載のコンピュータシステム。
  38. 前記ナノスケール系は、2プローブ系であり、前記外部パラメータは、前記2つのプローブおよび電極にかかる電圧バイアスUであり、前記2プローブ系は、干渉領域を介して互いに接続された、2つの実質的に半無限のプローブまたは電極を有するようにモデル化される、請求項34〜37のうちのいずれか1つに記載のコンピュータシステム。
  39. 前記ナノスケール系は、3つのプローブまたは電極を備えた3プローブ系であり、前記外部パラメータは、第1の選択されたパラメータおよび前記第1の選択されたパラメータと同じタイプの第2の選択されたパラメータである、請求項34〜37のうちのいずれか1つに記載のコンピュータシステム。
  40. 前記ナノスケール系は、3つのプローブまたは電極を備えた3プローブ系であり、前記外部パラメータは、前記電極の第1および第2の電極にかかる第1の電圧バイアスU1、および、第3および前記第1の電極にかかる第2の電圧バイアスU2であり、前記3プローブ系は、干渉領域を介して互いに接続された、3つの実質的に半無限の電極を有するようにモデル化される、請求項39に記載のコンピュータシステム。
  41. 前記コンピュータシステムは、
    無矛盾ループ計算を用いて、前記第2の選択された外部パラメータの第1の値に対する前記選択された関数の第4の無矛盾解を決定するための手段と、
    無矛盾ループ計算を用いて、前記第2の選択された外部パラメータの第2の値に対する前記選択された関数の第5の無矛盾解を決定するための手段であって、前記第2の選択された外部パラメータの前記第2の値は、前記第2の選択された外部パラメータの前記第1の値とは異なる、手段と、をさらに含み、
    前記近似無矛盾解または前記選択された関数に対する前記無矛盾解の変化を表現するための前記手段は、前記第1の選択された外部パラメータの前記第1および第2の値とともに前記決定された第1および第2の無矛盾解に基づき、さらに前記第2の選択された外部パラメータの前記第1および第2の値とともに前記決定された第4および第5の無矛盾解に基づく外挿法を用いて、前記第1の選択された外部パラメータの前記選択された値および前記第2の選択された外部パラメータの選択された値に対する前記近似無矛盾解を表現するように構成される、請求項39または40に記載のコンピュータシステム。
  42. 前記近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化を表現するための前記手段は、線形外挿法を用いて、当該の解を表現するように構成される、請求項41に記載のコンピュータシステム。
  43. 前記システムは、
    無矛盾ループ計算を用いて、前記第2の選択された外部パラメータの第3の値に対する前記選択された関数の第6の無矛盾解を決定するための手段であって、前記第2の選択された外部パラメータの前記第3の値は、前記第2の選択された外部パラメータの前記第1および第2の値とは異なる、手段をさらに備え、
    前記近似無矛盾解または前記選択された関数に対する前記無矛盾解を表現するための前記手段は、少なくとも、前記第1の選択された外部パラメータの前記第1、第2、および第3の値とともに前記決定された第1、第2、および第3の無矛盾解に基づき、さらに少なくとも、前記第2のセンタ外部パラメータの前記第1、第2、および第3の値とともに前記決定された第4、第5、および第6の無矛盾解に基づく外挿法を用いて、前記第1の選択された外部パラメータの前記選択された値および前記第2の選択された外部パラメータの前記選択された値に対する前記近似無矛盾解を表現するように構成される、請求項36または41に記載のコンピュータシステム。
  44. 前記近似無矛盾解または前記無矛盾解の変化を表現するための前記手段は、二次外挿法を用いて当該の解を表現するように構成される、請求項43に記載のコンピュータシステム。
  45. 前記第2の選択された外部パラメータの前記第1の値は、前記第1の選択された外部パラメータの前記第1の値に等しい、請求項41〜44のうちのいずれか1つに記載のコンピュータシステム。
  46. 前記選択された関数は、前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数、前記有効な1電子のハミルトニアン、および前記電子密度によって表現される関数から選択される、請求項34〜45のうちのいずれか1つに記載のコンピュータシステム。
  47. 前記選択された関数は、有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数または有効な1電子のハミルトニアンであり、前記無矛盾ループ計算は、密度関数理論DFTまたはハートリーフォック理論に基づくものである、請求項46に記載のコンピュータシステム。
  48. 無矛盾ループ計算に基づいて、無矛盾ループ計算を行うための手段をさらに備え、
    a)前記ナノスケールシステムのモデルの選択された領域に対する電子密度の値を選択するステップと、
    b)前記選択された電子密度および前記外部パラメータの選択された値に対する前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数を決定するステップと、
    c)前記決定された有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数に対応する電子密度の値を計算するステップと、
    d)前記電子密度の前記選択された値と前記電子密度の前記計算値とを比較するステップと、を含み、前記電子密度の前記選択された値および前記計算値が、所与の数値的精度の範囲内で等しい場合は、
    e)前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数の前記無矛盾解として、前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数の前記解を定義するステップを含み、等しくない場合は、
    f)前記電子密度の新しい値を選択し、前記電子密度の前記選択された値および前記電子密度の前記計算値が、前記所与の数値的精度の範囲内で等しくなるまで、ステップb)〜f)を繰り返すステップを含む、ループ計算に基づくものである、請求項34〜47のうちのいずれか1つに記載のコンピュータシステム。
  49. 前記無矛盾ループ計算を行うための前記手段は、前記系の前記プローブまたは電極に対する前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数の前記無矛盾解を決定するように構成される、請求項48に記載のコンピュータシステム。
  50. 前記選択された関数は、前記系の干渉領域に対する前記有効な1電子のハミルトニアンであり、前記系の前記干渉領域の前記有効な1電子のハミルトニアンの第2の無矛盾解を決定するための前記手段は、前記第1の選択された外部パラメータの所与の値において、前記干渉領域に対する前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数に対して対応する無矛盾解を計算するステップを含むことによって、前記決定するステップを行うように構成される、請求項47〜49のうちのいずれか1つに記載のコンピュータシステム。
  51. 前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数に対する前記対応する決定された無矛盾解に基づいて、前記プローブまたは電極領域のそれぞれに対するグリーン関数を決定するための手段をさらに備える、請求項49または50に記載のコンピュータシステム。
  52. 前記有効な1電子のハミルトニアンの第2の無矛盾解の決定のための前記手段は、
    aa)系の干渉領域に対する電子密度の値を選択するステップと、
    bb)前記選択された外部パラメータの所与の値に対する前記選択された電子密度の前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数を決定するステップと、
    cc)ステップb)で決定された前記有効な1電子のポテンシャルエネルギ関数に基づいて、前記干渉領域に対する前記有効な1電子のハミルトニアンの解を決定するステップと、
    dd)前記有効な1電子のハミルトニアンのステップc)で決定された前記解に基づいて、前記干渉領域に対するグリーン関数の解を決定するステップと、
    ee)前記干渉領域に対する前記決定されたグリーン関数に対応する電子密度の値を計算するステップと、
    ff)前記電子密度の前記選択された値と前記電子密度の前記計算値とを比較するステップと、を含み、前記電子密度の前記選択された値および前記計算値が、所与の数値的精度の範囲内で等しい場合は、
    gg)前記有効な1電子のハミルトニアンの前記無矛盾解として、前記有効な1電子のハミルトニアンの前記解を定義するステップを含み、等しくない場合は、
    hh)前記電子密度の新しい値を選択し、前記電子密度の前記選択された値および前記電子密度の前記計算値が、前記所与の数値的精度の範囲内で等しくなるまで、ステップbb)〜hh)を繰り返すステップを含む、ループ計算に基づいて、前記決定を行うように構成される、請求項50または51に記載のコンピュータシステム。
  53. 前記選択された関数は、前記有効な1電子のハミルトニアンであり、前記外部パラメータは、前記系の2つのプローブにかかる電圧バイアスであり、第1および第2の無矛盾解を決定するための手段は、それぞれ前記外部電圧バイアスの選択された第1および第2の値に対する前記有効な1電子のハミルトニアンに対して前記決定を行うように構成され、外挿法解析を用いて近似無矛盾解を表現するための前記手段は、外挿的表現を、前記外部電圧バイアスが変化したときに、前記有効な1電子のハミルトニアンのための前記近似無矛盾解に対して取得するように構成され、前記コンピュータシステムは、
    前記取得した外挿的表現を使用して、複数の異なる前記印加電圧バイアスの値に対する前記系の2つのプローブ間の電流を決定する手段であって、前記近似無矛盾解または前記有効な1電子のハミルトニアンに対する前記無矛盾解における変化を表現するための手段をさらに含む、請求項38〜52のうちのいずれか1つに記載のコンピュータシステム。
  54. 前記電流を決定するための前記手段は、前記外部電圧バイアスの所与の範囲に対して、および前記外部電圧バイアスの所与の電圧ステップに対して前記電流を決定するように構成される、請求項53に記載のコンピュータシステム。
  55. 前記電流を決定するための手段は、
    aaa)前記最低電圧に対する前記電流を、前記外部電圧バイアスの前記所与の範囲内で決定するステップと、
    bbb)前記所与の電圧ステップによって前記電圧バイアスを増加させるステップと、
    ccc)前記新しい増加された電圧バイアスに対する前記電流を決定するステップと、
    ddd)前記新しい増加された電圧バイアスが、前記電圧バイアスの前記所与の範囲内の最高電圧より高くなるまでステップbbb)およびccc)を繰り返すステップと、のループを使用して前記決定を行うように構成される、請求項54に記載のコンピュータシステム。
  56. 前記選択された関数は、前記有効な1電子のハミルトニアンであり、前記外部パラメータは、前記系の2つのプローブにかかる電圧バイアスであり、前記コンピュータシステムは、
    前記外部電圧バイアスに対する決定された電圧範囲を少なくとも第1および第2の電圧範囲に分割するための手段と、
    前記第1および第2の電圧範囲に対して、前記電圧範囲の最大値および最小値に対応する前記有効な1電子のハミルトニアンの最大および最小の無矛盾解を決定するための手段と、
    前記外部電圧が変化したときに、前記有効な1電子のハミルトニアンに対する近似無矛盾解の第1の外挿的表現を取得するための手段であって、前記第1の外挿的表現は、前記第1の電圧範囲に対する前記決定された最大および最小の無矛盾解、および前記第1の電圧範囲の最大および最小電圧値に基づくものである、手段と、
    前記外部電圧が変化したときに、前記有効な1電子のハミルトニアンに対する前記近似無矛盾解の第2の外挿的表現を取得するための手段であって、前記第2の外挿的表現は、前記第2の電圧範囲に対する前記決定された最大および最小の無矛盾解、および前記第2の電圧範囲の最大および最小電圧値に基づくものである、手段と、
    前記取得した第1の外挿的表現を使用して、前記第1の電圧範囲の前記最大および最小電圧によって与えられる、前記電圧の範囲内の複数の異なる前記印加電圧バイアスの値に対する前記2つのプローブ間の前記電流を決定するための手段と、
    前記取得した第2の外挿的表現を使用して、前記第2の電圧範囲の前記最大および最小電圧によって与えられる、前記電圧の範囲内の複数の異なる前記印加電圧バイアスの値に対する前記2つのプローブ間の前記電流を決定するための手段と、を備える、請求項38〜52のうちのいずれか1つに記載のコンピュータシステム。
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