JP2008504993A - インクジェット記録素子 - Google Patents

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Abstract

本発明は長時間にわたって光及びオゾンに対して良好な安定性を有するインクジェット記録素子に関する。当該記録素子は支持体、及び少なくとも一のインク受け層を有し、当該インク受け層は水溶性結合剤、及び少なくとも一の繊維質アルミノケイ酸塩高分子を有する。当該少なくとも一の繊維質アルミノケイ酸塩高分子は、アルミニウムハロゲン化物、及びシリコンアルコキシドの制御された加水分解、並びに、シラノール基の存在下で繊維質アルミノケイ酸塩高分子を生成するのに十分な時間の熱処理からなる調製方法によって得ることが可能である。

Description

本発明はインクジェット記録素子に関する。
デジタル写真撮影は数年で急速に成長し、今や一般人も効率が良く、かつ手頃な値段のデジタルカメラを購入できる。従って、人々は単純なコンピュータ又はそれに付随するプリンタから可能な限り最高品質の写真プリントが生成できるようにしようとしている。
特に個人用オフィスオートメーションに接続する多くのプリンタは、インクジェットプリント技術を使用している。インクジェットプリント技術には二の主要な群がある。それは、連続ジェット方式、及びドロップ・オン・デマンド方式である。
連続ジェット方式は単純なシステムである。加圧インク(3×105[Pa])が、液滴流に変換されるように一以上のノズルを通り抜ける。最も規則的な大きさ、及び滴下物間の間隔を得るため、インクと接する圧電性結晶をたとえば高周波(最大1MHzまで)交流(AC)電力の供給で使用することによって、規則的な圧力パルスが送信される。単一ノズルを使用してメッセージが印刷できるように、どの滴下物も個別的に制御、及び案内されなくてはならない。個別的制御、及び案内には、静電エネルギーが利用される。滴下物が形成される場所のインクジェット周辺に電極が設けられる。ジェットは誘導によって帯電し、そこでどの滴下物も電荷を有し、その値は印加電圧に依存する。滴下物は続いて、互いに反対符号で帯電する二の偏向板間を通過し、所与の方向に進行する。移動の大きさは各偏向板が有する電荷に比例する。他の滴下物が紙に到達するのを防ぐため、そのような他の滴下物は帯電されないままにする。そうすることで、支持体に向かう代わりに、偏向されることなく経路をそのまま進行し、直接容器へ向かう。それに続いてインクはフィルタを通り、再利用される。
もう1つのインクジェットプリンタのカテゴリーはドロップ・オン・デマンド(DOD)方式である。この方式はオフィスオートメーションで使用されるインクジェットプリンタの基礎となっている。この方法では、インクカートリッジ内の圧力は一定に保持されず、文字が形成されなければならないときに圧力が印加される。一の広く知られたシステムでは、12の開口ノズルからなる列が存在し、各開口ノズルは圧電性結晶によって活性化される。ヘッド内に含まれるインクはパルスとして与えられる。圧電性素子は電圧によって収縮し、体積が減少することで、ノズルの滴下物を押し出す。素子が初期の形状に戻るとき、素子は新たな印刷に必要となるインクをインク容器に供給する。よって、滴下物を偏向させずに済むように、ノズル列はカラム状マトリックスを生成するように用いられる。このシステムの一の変化型は、各ノズル後方にある圧電性結晶を、小さな加熱素子に置き換えられたものである。溶媒蒸気の気泡生成に続き、滴下物が引き出される。容積が増大することによって滴下物の排出が可能となる。最終的には、周辺温度でインクが固体となるパルスインクジェットシステムとなる。よってインクが液化し、印刷可能となるように、プリントヘッドは加熱されなければならない。これにより、従来システムよりも広範囲の製品において急速乾燥が可能となる。
今は優れた品質の写真像を生成することができる新たな“インクジェット”プリンタが存在する。しかし、質の悪い印刷紙が使用される場合、これらのインクジェットプリンタは良好な画質の像を供給することができない。印刷紙の選択は取得される像の画質にとって基本となることである。印刷紙は次の特性を併せ持たなくてはならない。それは、高画質印刷像、印刷後の急速乾燥、良好な経時染料保持、滑らかな見かけ、及び高い光沢である。
一般に印刷紙は、要求される特性に従って一以上の層でコーティングされた支持体を有する。たとえば、基本付着層(primary attachment layer)、吸収層、インク染料定着層、及び、記録素子の光沢を供する保護層すなわち表面層を支持体に塗布することが可能である。吸収層は像生成後、水ベースのインク組成物の液体部分を吸収する。液体の除去によって、表面上にインクが拡がってしまう危険性が減少する。インク染料定着層はプリント点の大きさの増大を促進させ、かつ画質を低下させる過剰インクを防止しながら、良好な彩度が得られるように、紙の主成分である繊維への染料損失を防ぐ。吸収層、及び定着層はまた、吸収と定着の両方の機能を保証する単一のインク受領層を構成する。保護層は、指紋、及びプリンタ供給ローラの圧力かぶりに対する保護を保証するように設計されている。インク受け層は大抵の場合、結合剤、受領剤(receiving agent)、及び様々な添加物を有する。受領剤の目的は、印刷紙に染料を定着させることである。最もよく知られた無機受領剤はコロイド状シリカ、又はベーマイトである。たとえば特許文献1及び特許文献2はインクジェットプリント用の材料について説明している。そのような材料は、グレース社(Grace Corporation)から販売されている無機受領剤ルドックス(Ludox)(商標)CL(コロイド状シリカ)、又はサソール(Sasol)社から販売されている無機受領剤ディスパル(Dispal)(商標)(コロイド状ベーマイト)としてインク受領層に含まれる。しかし、そのような無機受領剤を含むインク受領層を有する印刷紙は、長時間では悪い像安定性を有するだろう。そのような悪い像安定性は、色濃度損失によって明らかとなる。
欧州特許出願公開第976571号明細書 欧州特許出願公開第1162076号明細書 国際公開第96/13459号パンフレット "Research Dislosure"、(英国)、partIIA、第36544号、1994年9月 仏国特許出願公開第9203653号明細書 米国特許公開第4122041号明細書 米国特許公開第6027702号明細書
写真画質、印刷速度、及び色安定性における市場の新たな要求を満たすため、上述の特性、より詳細には良好な経時染料保持特性、を有する新たなインクジェット記録素子を提供することが必要である。
本発明に従った新たなインクジェット記録素子は支持体、及び少なくとも一のインク受領層を有し、当該インク受領層が少なくとも一の水溶性結合剤、及び、80モルパーセントより大きな、化学式AlxSiyOzで表される繊維質アルミノシリケートを有する、Si及びAlに基づく一の高分子-無機材料を有することを特徴とする。ただし比x:yは1〜3でzは2〜6である。そのような高分子材料は次の工程を有する調製方法によって得ることができる。
a) pHを4〜6.5に保ち、Al濃度を5×10-4[mol/l]〜1×10-2[mol/l]に保ち、及びAl/Siモル比を1〜3に保ちながらアルミニウムアルコキシドとシリコンアルコキシドとの混合物、又はアルミニウム先駆体とシリコン先駆体との混合物を水性アルカリで処理する工程;
b)工程a)で得られた混合物を、シラノール基の存在下で、高分子-無機材料を生成する反応が完了するのに十分な時間だけ、水の沸点よりも低い温度で加熱する工程;及び、
c)工程a)及び工程b)の間に生成された副生成物が反応媒体から除去される工程;
本発明はまた、上述の高分子-無機材料をインクジェット記録素子のインク受領層中の受領剤として利用することにも関する。当該インク受領層はまた、少なくとも一の水溶性結合剤を有する。
本発明に従ったインクジェット記録素子は、市場で入手できるインクジェット記録素子と比較して、経時染料保持特性が改善された。特に、本発明に従った記録素子上に印刷された像はオゾン及び光に対して良好な色安定性を有する。
本発明に従ったインクジェット素子はまず支持体を有する。この支持体は所望の使用に従って選択される。支持体は、透明又は不透明な熱可塑性膜で、特に、ポリエチレンテレフタレート又はポリメチルメタクリル酸のようなポリエステルを主成分とする膜、セルロースエステル、セルローストリアセテート又はセルロースジアセテートのようなセルロース誘導体、ポリアクリル酸、ポリイミド、ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリスルホン、ポリエステルイミド、塩化ポリビニールのようなビニール高分子、及び上記の混合物であって良い。本発明で使用される支持体はまた紙であっても良く、その両面はポリエチレン層で被覆されていて良い。紙パルプを有する支持体の両面がポリエチレンでコーティングされているとき、それは合成樹脂コート紙(RC紙)と呼ばれ、様々なブランド名で販売されている。この型の支持体は特にインクジェット記録素子を構成するのに好適である。使用される支持体の面は非常に薄いゼラチン又は他の組成物の層でコーティングされることで支持体上での第1層の架橋を保証して良い。
支持体上でのインクジェット受領層の架橋を改善するため、支持体表面はまた、インクジェット受領層の塗布前に、コロナ放電による前処理がなされた。
本発明に従ったインクジェット記録素子は続いて少なくとも一層のインク受領層を有する。この層は少なくとも一の水溶性結合剤を有する。当該水溶性結合剤は、ポリビニルアルコール、ポリ(ビニルピロリドン)、ゼラチン、セルロースエステル、ポリ(オキサゾリン)、ポリ(ビニルアセトアミド)、部分的に水と反応することで加水分解されたポリ(ビニルアセテート/ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(アクリルアミド)、スルホン酸若しくはリン酸化ポリスチレン及びポリエステル、カゼイン、ゼイン、アルブミン、キチン、デキストラン、ペクチン、コラーゲン誘導体、寒天、グアー、カラギーナン、トラガカント、キタンサン他のような親水性高分子であって良い。ゼラチン又はポリビニルアルコールを使用するのが好ましい。ゼラチンは写真の分野では従来から使用されている。そのようなゼラチンについては非特許文献1で説明されている。ゼラチンはSKW社から入手可能で、ポリビニルアルコールは日本合成株式会社から入手可能である。
本発明に従うと、インク受領層は、受領剤として、80モルパーセントより大きな、化学式AlxSiyOzで表される繊維質アルミノシリケートを有する、Si及びAlに基づく一の高分子-無機材料を有することを特徴とする。ただし比x:yは1〜3でzは2〜6である。一の実施例に従うと、高分子材料は98モルパーセントより大きな上記化学式で表される繊維質アルミノシリケートを有する。そのような繊維質アルミノシリケート高分子は次の工程を有する調製方法によって得ることができる。
a) pHを4〜6.5に保ち、Al濃度を5×10-4[mol/l]〜1×10-2[mol/l]に保ち、及びAl/Siモル比を1〜3に保ちながらアルミニウムアルコキシドとシリコンアルコキシドとの混合物、又はアルミニウム先駆体とシリコン先駆体との混合物を水性アルカリで処理する工程;
b)工程a)で得られた混合物を、シラノール基の存在下で、高分子-無機材料を生成する反応が完了するのに十分な時間だけ、水の沸点よりも低い温度で加熱する工程;及び、
c)工程a)及び工程b)の間に生成された副生成物を反応媒体から除去する工程;
本発明で使用される繊維質アルミノシリケート高分子、及びその調製方法については特許文献3で説明されている。このアルミノシリケート高分子は均一繊維質構造及び、均一のAl/Siモル比を特徴とする組成を有する。
特許文献3で説明されている一の実施例に従うと、Al先駆体及びSi先駆体の混合物は、 (i)アルミニウム塩、アルミニウムアルコキシド及びアルミニウムハロゲン化アルコキシドからなる群から選択される一の化合物、及び(ii)シリコンアルコキシド及びシリコンクロロアルコキシドからなる群から選択される少なくとも一の化合物、の加水分解の生成物であって良い。アルミニウム塩はハロゲン化物(たとえば塩化物又は臭化物)、ペルハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩又はカルボン酸塩であって良い。
Al先駆体及びSi先駆体の混合物は、Alハロゲン化物及びシリコンアルコキシドを水媒体中で混ぜるとその場で生成される。シリコン化合物のアルコキシドラジカルは、メソキシド、エトキシド、n-プロポキシド又はi-プロポキシドのように、1〜5の炭素原子を含むのが好ましい。テトラメチルオルトケイ酸塩又はテトラエチルオルトケイ酸塩が用いられるのが好ましい。
アルミニウム塩及びシリコンアルコキシドの制御された加水分解によって、混合先駆体化合物が生成され、その化合物は上述の工程(a)で使用されて良い。
制御された加水分解は、シリコンアルコキシドを新たに調製されたアルミニウム塩水溶液にゆっくりと加えることで実行される。実際には、純粋なアルコキシド又はアルコール溶液中のアルコキシドは、少しずつ塩化アルミニウム、ペル塩素酸塩アルミニウム等の水溶液に加えられる。アルコキシドの添加は室温で、塩化アルミニウム、ペル塩素酸塩アルミニウム等を有する溶液を用い、緩やかに攪拌しながら行われる。アルコキシドの添加は室温で、10-3M〜10-2Mで、有利には5×10-3M〜7×10-3Mのアルミニウム濃度を有する溶液を用い、緩やかに攪拌しながら行われる。この方法は、たとえば特許文献4又は特許文献5で説明されている従来のゾルゲル法の応用である。
本発明で使用される繊維質アルミノシリケート高分子の調製方法における工程a)に従うと、先駆体、又はアルミニウムアルコキシド及びシリコンアルコキシドの混合物が水溶液又は水-アルコール溶液中のアルカリと接する。工程a)は、pHを4〜6.5、好適には4.5〜5.5に維持しながら実行されなければならず、最適pHは使用される化合物に依存する。pHが4未満の場合、アルカリの作用によってアルミナ水和物が不可逆的に生成される。その一方で、pHが6.5よりも大きな場合では、シリカゲルが不可逆的に生成される。
アルカリは、10-2M〜10-4M、好適には5×10-3M〜5×10-4Mの濃度を有するNaOH又はKOH水溶液であることが好ましい。アルカリ溶液は、0.1[mmoles/hour]〜100[mmoles/hour]、有利には1[mmoles/hour]〜10[mmoles/hour]の速度でアルコキシド又は先駆体に加えられる。加えられるアルカリの総量はモル単位で、アルミニウム量の2〜3倍、好適には2.3〜2.5倍である。アルミニウム濃度は、5×10-4[mol/l]〜1×10-2[mol/l]に維持され、Al/Siモル比は1〜3で、好適には1.5〜2.5に維持される。
アルカリ添加後、本発明に有用な繊維質アルミノシリケート高分子の調製方法における工程b)は、シラノール基の存在下で、設定温度条件で前の工程a)で生成された混合物を、縮合反応が完了するまで加熱する工程からなる。一の実施例に従うと、工程b)では、加熱は70℃から98℃の温度で実行される。縮合反応は、透析法によって、この媒体がもはやアルカリに起因するイオン、つまりNa+又はK+イオン以外のすべてのイオンを含んでいないことが確認できたときに完了したものとみなされる。
本発明に有用な繊維質アルミノシリケート高分子の調製方法における重要な特徴は、この加熱工程が、表面シラノール基SiOHを有する、たとえば好適には分かれた状態のシラノール基の存在下で実行されることである。
実行された試験は、接触可能な、つまり基板表面上に存在するシラノール基(SiOH)の数が基板表面積1μm2につき少なくとも約四であるとき、上述の工程b)の反応が進展し、均一な繊維構造を有するシリカ-アルミン酸塩を生成することを特に示す。基板表面積1μm2あたりのシラノール基の数は反応中に含まれるAlを比で表す数に対応する。つまり、シラノール数は約2.25×1010未満で、有利には1.0×1010である。
本発明に有用な繊維質アルミノシリケート高分子の調製方法における工程c)は、工程a)及び工程b)の最中に生成された、工程a)において使用されたアルカリに基本的には起因する残留イオンのような副生成物を反応媒体から除去する工程からなる。残留イオンは、洗浄、透析法又は限外濾過法(ultrafiltration)によって除去可能である。工程c)から生じる繊維質アルミノシリケート高分子は、凍結乾燥によってその溶液から分離する、又は遠心分離によって濃縮することが可能である。
開始生成物で計算されたAl:Siの原子比は1〜3で、1.5〜2.5が好ましい。最終生成物では、Al:Si原子比は程度の差はあるが同一の値の範囲である。
本発明に有用な繊維質アルミノシリケート高分子の調製方法の操作条件が用いられないとき、最大60モルパーセントまでのアルミナ水和物(ベーマイト)を有する不均一な生成物が凝集された状態で得られる。
本発明で使用される繊維質アルミノシリケート高分子中に存在するSiの一部は、Ti、Zr又はSnを含む類から選択される金属に置き換えて良い。そのような高分子については特許文献6で説明されている。この高分子の調製方法は上述の方法と同一である。ただし、Ti、Zr及びSn(のハロゲン化物又はアルコキシド)からなる群から選択される金属の加水分解可能な化合物が、加水分解可能なAl及びSi化合物へ添加されること、及びその混合物は制御されたpHで加水分解するという事実は除く。その結果生じた生成物は、シラノール基が存在下にて100℃未満の温度で加熱される。
インク受領層は、乾燥状態でのインク受領層の全質量と比較して、質量比5%〜95%の繊維質アルミノシリケート高分子を有する。
支持体上にコーティングされることで上述の記録素子を構成することが意図されたコーティング組成物を生成するため、水溶性結合剤が水中で希釈されることで粘性を調節し、及びコーティングを促進する。そこで組成物は水溶液、又は全ての必要な成分を含む分散体の状態を有する。
組成物はまた、そのコーティング特性を改善するサーファクタントをも有して良い。組成物は、ブレード法、ナイフ法又はカーテンコーティング法のような任意の適切なコーティング方法に従って支持体上で層を形成して良い。組成物は湿った状態において、約20μm〜300μmで、好適には100μm〜300μmで、好適には200μmの厚さで塗布される。インク受領層を形成する組成物は支持体両面に塗布されて良い。インク受領層でコーティングされた支持体背面に静電防止層又は曲がり防止層を供することもまた可能である。
本発明に従ったインクジェット記録素子は、上述のインク受領層に加え、上述のように備えられている、又は当該インク受領層の下に設けられる、別な機能を有する他の層を有して良い。他の層のみならずインク受領層も、像の特性を改善する当業者に知られた他の添加物すべてを有して良い。そのような添加物には、UV線吸収材、光沢剤、酸化防止剤、可塑剤などがある。
本発明に従ったインクジェット記録素子によって、プリントされた像は良好な経時染料保持特性を有する。このことはオゾン及び光に対する安定性によって示される。本発明に従った記録素子は、この方法のために開発されたすべてのインクだけではなく、如何なる型のインクジェットプリンタに使用しても良い。
上述の高分子-無機材料をインクジェット記録素子のインク受領層中の受領剤として利用することで、光及びオゾンに対して安定な像を当該素子上にプリントされた状態で得ることが可能となる。
次の例は本発明の例示だが、この例示は本発明の範囲を限定するものではない。
1)高分子-無機アルミノシリケート材料の調製
本発明で使用される繊維質アルミノシリケート高分子が調製される。そのようなアルミノシリケート高分子については特許文献3で説明されている。
83.5ミリモルのテトラメトキシシリコンSi(OMe)4が5000mlの浸透水に添加された。混合物は室温で1時間攪拌され、この溶液は、5000mlの浸透水中の156ミリモルの三塩化アルミニウムAlCl3・6H2O溶液に添加された。
混合物は勢いよく1時間攪拌され、pHが4.5になるまで、その無色溶液に1MのNaOH溶液が加えられた。夜通し攪拌することで、濁った溶液が得られた。pHは1MのNaOHによって6.8に調節された。3200rpmで20分間遠心分離させることでゲルが得られた。
1Mの塩酸と2Mの酢酸の50:50混合物25cm3で溶解させることで、白色ゲルが再生した。溶液の容積は最大5リットルだった。
上記で得られた溶液は11リットルの浸透水で希釈され、95℃〜100℃の温度で5日間ガラス容器中にて加熱された。加熱後に生じた生成物は、オスモニクス(登録商標)から販売されている、カットオフ値20000の限外濾過膜を使用し、流速550ml/minで限外濾過することで濾過された。高い粘性を有し、1.8のAl/Siモル比を有する綺麗な溶液が得られた。
2)支持体上でコーティングされるインク受領層を構成するコーティング組成物の調製
水溶性結合剤として、浸透水で9%に希釈されたポリビニルアルコール(日本合成化学株式会社から販売されているゴーセノール(Gohsenol)(商標)GH23)が用いられた。組成物Aは受領剤として、1)で述べられた合成に従って調製された繊維質アルミノシリケート高分子を有する。
コーティング組成物Aは、次の物質を混合することで得られる。
84.9gの浸透水
13.5gの繊維質アルミノシリケート高分子(乾燥物)
1.6gの9%ポリビニルアルコール(乾燥物)
比較のため、受領剤としてプロラボ(Prolabo)社から販売されている硫酸カルシウム二水和物を有するコーティング組成物Bが調製された。
コーティング組成物Bは、次の物質を混合することで得られる。
87.7gの浸透水
10.7gの硫酸カルシウム(乾燥物)
1.6gの9%ポリビニルアルコール(乾燥物)
3)インクジェット記録素子の調製
調製を行うため、合成樹脂コート紙型の支持体がコーティング機上に設けられ、最初に非常に薄いゼラチン層がコーティングされ、コーティング機は真空に保持された。この支持体は、ブレード法を用い、2)に従って調製された組成物でコーティングされた。湿った状態での厚さは200μmだった。続いて周辺温度(21℃)で放置して乾燥させた。
その結果生成された記録素子は、表1に示された例に対応する。表1は、インク受領層に使用された受領剤を与える。
Figure 2008504993
4)経時染料保持特性の評価
経時染料保持特性を評価するため、オゾン及び光に曝露することによる染料減衰試験が、生成された記録素子の各々について実行された。試験を実行するため、コダックPPM200プリンタ及び関連インク、エプソンSP890プリンタ及び関連インク、並びにヒューレットパッカードHP5550プリンタ及び関連インクを使用して、4色(ブラック、イエロー、シアン及びマゼンタ)を有するターゲットが各記録素子上にプリントされた。ターゲットは、様々な色の強度を測定するグレタグマクベス(GretagMacbeth)社のスペクトロリノ(Spectrolino)分光光度計を用いて解析された。続いて例1及び例2の記録素子を、制御されたオゾン雰囲気(60ppb)の暗い部屋内に3週間置いた。例1及び例2に従った他の記録素子は50キロルクスの光に3週間曝露された。光に曝露する実験のため、プリントされたターゲットは厚さ6mmで、使用されるネオン管(オスラム(Osram)社、ルミラックス(Lumilux)(登録商標)FQ80W/840クールホワイト)の発光スペクトルに対して完全に透明のプレキシガラス(Plexiglas)(登録商標)シートの下に置いた。そのように置くことにより、大気による酸化現象は最小限になる。
図1は、コダックPPM200プリンタを使用してプリントし、オゾンに曝露されて3週間後の例1及び例2のターゲットにおける4色の最大色濃度を観察した結果から得られた、濃度損失の比率(%)を表している。文字K、C、M及びYはそれぞれ、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローを表している。
図2は、エプソンSP890プリンタを使用してプリントし、オゾンに曝露されて3週間後の例1及び例2のターゲットにおける4色の最大色濃度を観察した結果から得られた、濃度損失の比率(%)を表している。
図3は、ヒューレットパッカードHP5550プリンタを使用してプリントし、オゾンに曝露されて3週間後の例1及び例2のターゲットにおける4色の最大色濃度を観察した結果から得られた、濃度損失の比率(%)を表している。
図4は、コダックPPM200プリンタを使用してプリントし、光に曝露されて3週間後の例1及び例2のターゲットにおける4色の最大色濃度を観察した結果から得られた、濃度損失の比率(%)を表している。
図5は、エプソンSP890プリンタを使用してプリントし、光に曝露されて3週間後の例1及び例2のターゲットにおける4色の最大色濃度を観察した結果から得られた、濃度損失の比率(%)を表している。
図6は、ヒューレットパッカードHP5550プリンタを使用してプリントし、光に曝露されて3週間後の例1及び例2のターゲットにおける4色の最大色濃度を観察した結果から得られた、濃度損失の比率(%)を表している。
本発明に従った記録素子が非常に良好な経時染料保持特性を有することが分かるだろう。
オゾンに曝したときの、比較用記録素子、及び本発明に従った記録素子の色濃度損失の割合(%)を表している。 オゾンに曝したときの、比較用記録素子、及び本発明に従った記録素子の色濃度損失の割合(%)を表している。 オゾンに曝したときの、比較用記録素子、及び本発明に従った記録素子の色濃度損失の割合(%)を表している。 光に曝したときの、比較用記録素子、及び本発明に従った記録素子の色濃度損失の割合(%)を表している。 光に曝したときの、比較用記録素子、及び本発明に従った記録素子の色濃度損失の割合(%)を表している。 光に曝したときの、比較用記録素子、及び本発明に従った記録素子の色濃度損失の割合(%)を表している。

Claims (15)

  1. 支持体及び少なくとも一のインク受領層を有するインクジェット記録素子であって、
    前記インク受領層が少なくとも一の水溶性結合剤、並びにSi及びAlに基づく一の高分子-無機材料を有し、
    前記高分子-無機材料は、80モルパーセントより大きな、化学式AlxSiyOzで表される繊維質アルミシリケートを有し、かつ、
    比x:yが1〜3で、zは2〜6である、記録素子。
  2. 前記高分子-無機材料が、
    a)pHを4〜6.5に保ち、Al濃度を5×10-4[mol/l]〜1×10-2[mol/l]に保ち、及びAl/Siモル比を1〜3に保ちながらアルミニウムアルコキシドとシリコンアルコキシドとの混合物、又はアルミニウム先駆体とシリコン先駆体との混合物を水性アルカリで処理する工程;
    b)工程a)で得られた混合物を、シラノール基が存在下で、前記高分子-無機材料を生成する反応が完了するのに十分な時間だけ、水の沸点よりも低い温度で加熱する工程;及び、
    c)工程a)及び工程b)の間に生成された副生成物が反応媒体から除去される工程;
    を有する調製方法によって得ることができる、請求項1に記載の記録素子。
  3. 前記Siの一部が、Ti、Zr及びSnで構成される群から選択される金属によって置換される、請求項1に記載の記録素子。
  4. 前記アルミノシリケート高分子を調製する工程a)の前記アルカリが、NaOH及びKOHで構成される群から選択される、請求項1に記載の記録素子。
  5. 工程b)で使用されるシラノール基の量がAl原子とシラノール基との比に対応し、
    前記シラノール基の数が2.25×1010未満である、請求項1に記載の記録素子。
  6. 工程b)で使用されるシラノール基の量がAl原子とシラノール基との比に対応し、
    前記シラノール基の数が1.0×1010未満である、請求項1に記載の記録素子。
  7. 前記Al/Siモル比が1.5〜2.5である、請求項1に記載の記録素子。
  8. 工程a)において、前記pHが4.5〜5.5である、請求項1に記載の記録素子。
  9. 工程b)において、前記の加熱が70℃〜98℃である、請求項1に記載の記録素子。
  10. Al先駆体及びSi先駆体の前記混合物が、
    (i)アルミニウム塩、アルミニウムアルコキシド及びアルミニウムハロゲン化アルコキシドで構成される群から選択される一の化合物、及び、
    (ii)シリコンアルコキシド及びシリコンクロロアルコキシドで構成される群から選択される少なくとも一の化合物、
    の加水分解の生成物である、請求項1に記載の記録素子。
  11. Al先駆体及びSi先駆体の前記混合物が、(i)アルミニウムハロゲン化物、及び(ii)シリコンアルコキシドの加水分解の生成物である、請求項10に記載の記録素子。
  12. 前記シリコンアルコキシドが、テトラメチルオルトケイ酸塩又はテトラエチルオルトケイ酸塩である、請求項11に記載の記録素子。
  13. 前記インク受領層が、前記乾燥状態の受領層の全質量と比較して、質量にして5%〜95%の前記高分子-無機材料を有する、請求項1に記載の記録素子。
  14. 前記水溶性結合剤がゼラチン又はポリビニルアルコールである、請求項1に記載の記録素子。
  15. Si及びAlに基づき、
    80モルパーセントより大きな、化学式AlxSiyOzで表される繊維質アルミノシリケートを有し、かつ、
    比x:yが1〜3で、zは2〜6である、高分子-無機材料の使用。
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