JP2008502716A - 香料親和性で費用効果性の制汗剤活性物 - Google Patents

香料親和性で費用効果性の制汗剤活性物 Download PDF

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Abstract

安定で有効なアミノ酸および多価アルコールを含まない濃縮アルミニウムジルコニウム塩水溶液の費用効果的な製造方法を提供する。アミノ酸の不存在、低鉄分含有量および低痕跡量金属不純物レベルは、香料との適合性を改良し、製品変色およびおそらくは着衣汚染の可能性を有意に最少化する。また、当該新規なアルミニウムジルコニウム活性物は、汗中に存在する無臭プレカーサーの生体形質転換により脇窩悪臭の原因となる微生物叢の増殖を維持する脇の下領域への鉄分寄与も最小限にする。本発明の収れん性複合体は、溶液中でまたは乾燥粉末形で得ることができる。結果として、該複合体は、広範囲の通常の制汗剤剤形のいずれにおいても満足に使用し得る。
【選択図】 なし

Description

発明の詳細な説明
(技術分野)
本発明は、新規な組成物、並びに活性な制汗剤物質と一般的にみなされておりFDA OTC最終モノグラフにおいてカテゴリーIとして包含される香料親和性アルミニウムジルコニウム塩(aluminum zirconium salt)の製造方法に関する。
(背景技術)
制汗剤および脱臭剤市場は、消費者ニーズに合った多種多様な製品を提供している。制汗剤の物理的形状は、極めて多様である。それらの製品としては、エアゾール類、ポンプスプレー類、絞り出しスプレー類、クリーム類、ロールオン類、懸濁液ロールオン類、脱臭剤スティック類、透明ゲル類、軟質固形物類等がある。最終製剤の種々の物理的形状は、制汗剤活性物(antiperspirant actives)が所望の結果を達成するためのある種の特定の化学的もしくは物理的特性またはその双方を満たすことを必要とする。消費者階層の多くにおいて、欲求は、香気および湿潤性の長期持続性の調節である。また、消費者は、制汗剤が適用時の優れた感覚性およびある種の審美性を有することも求めている。
そのような種々の個別的な嗜好製品についての理由は、製造業者が売上げの総占有率を増大させるために市場細分化に益々依存していることおよび今日の消費者は洗練された期待を有することである。例えば、透明性は、消費者が透明性を皮膚および着衣上での見苦しい白色残留物のないことと関連付けるので、パーソナルケア産業において市場力を保っている。これらの状況を考慮すれば、個々の銘柄の成長は、第一に製品改良を成し遂げなければならないことが明白である。このことは、製品審美性もしくは制汗性またはその双方のいずれかを改良することによって達成し得る。そのような改良の見込みは、新たな活性物の開発およびその特定の製剤要求を満たす改良のための推進力を与えている。
制汗剤製品群は、適合性のある香気の開発に取り組む場合に、独創的(審美性)および技術的意味合いにおいておそらく最も要求が厳しいものである。(Hoffman, H.M. and Ansari, R., Fragrancing of Antiperspirant Products, Reheis Report 11, 1983)。
香気は、制汗剤および脱臭剤魅力の重要な部分である。調査(1) (Cult of Personality, Soap, Perfumery & Cosmetics, July 2001, pp. 18-21)によれば、全消費者の半数は、制汗剤考案品を購入する場合の重要な選択理由として香気を挙げている。若年消費者は、とりわけ、香気に影響を受ける。
香気は、脱臭剤および制汗剤のようなパーソナルケア製品において重要な役割を果たす。香気は、消費者の興味を引き付け、初回購買を刺激し、ブランドロイヤリティーを保持し、製品がその効能を果たし且つ全体的信頼感および個別的新鮮さを与えるという知覚を発信する。
香気は、あらゆる新製品の開発において極めて重要であり、香気は制汗剤製品の特性には寄与しないものの、まさにその性質により、製品性能の消費者期待感に影響を与え得る。成功する香気は、製品特性と同調しなければならない。その初期反響、継続する印象、性能および安定性は、調和した商業的に魅力ある製品を確保するのに決定的である。即ち、香料および製品双方の化学的および物理的特性並びに可能性ある相互作用の良好な理解は、市場に導入する透明制汗剤スティックのような成功する制汗剤にとって不可欠である。例えば、ある状況においては、制汗剤におけるゲル化剤としてのジベンジリデンソルビトールは、酸性制汗剤の存在下では分解し、ベンズアルデヒドの放出により、保存時にとりわけ目立つあまり愉快でないチェーリー・アーモンド臭を発生することが見出された。それ以来、このゲル化剤の不安定性並びに如何にしてこのゲル化剤を安定化させると同時に混入させた香料の有効性も保持させ得るかという問題に対処する幾つかの試みがなされている。
Nicoll (Nicoll, S., Fragrance Stability in Three Cosmetic Applications, C&T, Vol. 114, No. 7, July 1999, pp. 5963)において特記されているように、香料を製品基剤に添加する場合、以下の反応のいずれかか生じ得る:
・製品は変色する、
・放出臭が製品中で発生する、
・香気は短命であるか時間とともに消失する、
・香料は、その基剤との混合能力を初期においてまたは次第に弱める。
多くの反応は、金属イオンが製品中に存在する場合に生じ得る。これらの金属は、香料成分と混合したとき、高着色酸化物を生成させ、製品の変色をもたらす。色は、全く苛立たしくあり得る問題の1つである。多くの場合、変色は顕著ではあり得ないが、目に見える変化は強い消費者反応を引出す、例えば、製品が見栄えしない場合、製品は良好ではあり得ない。変色は、多くの要因によって生じ得る、例えば、柑橘およびフルーツ香料は、酸化またはエステル類の加水分解により、制汗剤活性物によって着色する。酸化は、鉄または他の物質によってさらに触媒される。
制汗剤と脱臭剤は2つの異なる製品群であるけれども、これらは、一緒にグループ化されている。実際には、上記の2つは、作用方式および配合において全く異なり、異なる技術的検討事項を必要とする。これらの差異は、これらの製品を香気付けするときに程遠い意味合いを有する。
脱臭剤の機能は、本質的に、腋臭を香気によって隠蔽し且つ汗臭い匂いの原因となる細菌増殖を抑制することである。多くの場合、脱臭剤として販売されている製品は、単に、香料と殺菌剤とのアルコール溶液をベースとし得る。香料に対する媒質は、通常穏やかであり、香料業者は、香気付与のための原材料の選択において審美性について大いに集中し得る。一方、制汗剤の香気付けは極めて異なり、制汗剤における快楽嗜好性香気は挑戦的である。
制汗剤は、エクリン発汗作用を抑制し、それによって湿気を低減させる;アルミニウム塩およびアルミニウムジルコニウム複合体、即ち、制汗剤の活性成分は、抗菌活性を有することも知られており、従って、アポクリン汗分解の原因となり悪臭性の脂肪酸および他の稀発性窒素質化合物をもたらす細菌の増殖を抑制しなければならない。残存し得る悪臭問題は、何であれ、香料によって対処することを前提とする。その場合、制汗剤は脱臭剤ともなり、香気付けは、製品の消費者受容性を決定するのに不可欠の要因となる。
大多数の制汗剤は、アルミニウムクロロハイドレートまたは2:1〜10:1のAl/Zr比および0.9:1〜2.1:1の金属対塩化物比を有するAl/Zr生成物を、最終製品剤形に応じて微細化(micronized)乾燥粉末形または溶液中で使用している。これらの製剤は、全て酸性条件下で作用し(例えば、アルミニウムクロロハイドレートの20%(質量/質量)溶液は、およそ4.0のpHを有する)、基剤中で多くの香料を不安定なものにする。金属/アニオン比が低下するにつれ、製品は、より有効となり、より酸性となり、香料とはあまり適合性のないものとなる。酸性を補うためには、通常大量のグリシンを使用するが、これは製品をより費用高にする。また、酸性は、グリシンのような第一級アミン源がおそらく香料中に存在するアルデヒドと反応して製品に色の影響を与えるイミン類を形成するので、香料との適合性に影響を有する。この不安定性は、匂いの変化をもたらし、経時的に最終製剤の変色を誘発させる。
香料は天然および合成起源の芳香物質ブレンドの複雑な混合物であるので、存在する全ての成分が安定であり且つ媒質のpHによって誘発される分解性変化および存在する金属によって触媒される他の変化がないように確実にすることは、極めて困難である。一般に、天然油は回避することが推奨されている;何故ならば、天然油は、種々の官能性を有する多数の化学物を常に含有し、一旦基剤中に混入された個々の成分の挙動を予測することをほぼ不可能にするからである。HoffmanおよびAnsariによれば、これに対する例外は、おそらくは、パチョリ(Patchouly)、セダー(Cedarwood)およびビャクダン(Sandalwood)系の木質複合体であろう。もう1つの重要な点は、アルミニウムおよびジルコニウム塩が不純物として鉄分をほぼ恒常的に含有し、これがフェノール官能性を担持する香料物質と複合体化し、重大な変色問題をもたらすことである。換言すれば、制汗剤基剤は、香料原材料の使用に著しい制約を課している。アルデヒド香料はこの市場区分を支配していることに注目されたい;おそらく、その理由は、多くのアルデヒド類がベース媒質中でかなり安定であることであろう。市場において見出される他の既知タイプの殆どは、こぐ僅かに安定なだけである。
香料産業は、安定であり且つ消費者受容性を有する香料を含む制汗剤製剤を提供しているものの、消費者は、新たな香気を望んでおり、増大さえしている。
最も広く使用されているアルミニウムジルコニウム制汗剤は、アルミニウムジルコニウム水性系のゲル化を回避するための緩衝剤としてグリシンのような第一級アミノ酸を通常含有している。制汗剤活性物中に存在する第一級アミン源は、香料中に存在するアルデヒド類と反応して、通常高度に着色するシッフ塩基を形成し得る。この変色は、とりわけ変色が光または熱暴露により通常触媒されることから、問題であり得る。
要するに、制汗剤基剤は、酸性でカチオン性であり、多くの香料成分の分解を触媒して匂い変化および変色をもたらし得る金属イオンを含有していると言える。香料調製においては、制汗剤製品のpHは、重要な役割を果たす。制汗剤は典型的に3.5〜4.5のpH範囲にあり、香料はそれより低いpHにおいてはより不安定である。多くの香料物質は、制汗剤中で使用するアルミニウムおよびアルミニウムジルコニウム活性物と反応する。このことは、香料の匂いの変化または製品の変色に至り得る。イミン類は、アルデヒドが第一級アミンと反応したときに形成されて水分子を放出する。アルミニウムジルコニウム複合体中に存在する一般的な成分であるグリシンは、第一級アミン源であり、香料と反応して発色し得る。
鉄分は、USP級制汗剤活性物中に、不純物として、溶液における50ppmから粉末における125ppmまでのかなりの高レベルで通常存在する。制汗剤製品のピンク発色は、通常、金属相互作用、主として鉄分に直接帰着する。Mn、Cu、Co、CrまたはNiのような他の金属は、これらの金属が有意量で存在する場合に発色を生じ得る。
脇窩悪臭がアポクリン汗および皮脂中に存在する無臭プレカーサーの脇窩微生物叢により生体形質転換によって生じることは、良く確立されている。これに対して、脱臭剤は、通常、殺菌剤を含有する。しかしながら、細菌の初期死滅後、生存細胞が増殖して、脇窩臭の同時発生が起こる。長期持続効果は、細菌増殖が殺菌剤の制御放出によるような長期間抑制された場合しか達成され得ない。もう1つの方法は、L. AndrewおよびStephen Makinによって提案されているような、栄養枯渇、主として鉄分Fe(III)の枯渇により細菌増殖を抑制することである(Iron Sequestration on Skin: a new route to improved deodorancy, 22nd IFSCC Congress, Edinburgh 2002)。この刊行物および“Deodorant Compositions Comprising A Transition Metal Chelator and A Silicon Fluid”と題したWO 03/007903A号の特許公開の内容は、参考としてその全体を本明細書に合体させる。報告された研究に基づけば、その示唆は、鉄分Fe(III)の枯渇が細菌増殖に対して最も顕著な効果を有するということである。
しかしながら、制汗剤による鉄分寄与の低減は有益であるものの、その低減は、皮膚由来の2つの鉄源、即ち、汗中の鉄分の損失および落屑上皮細胞中の鉄分の損失が存在するので、全ての微生物叢において鉄分を枯渇させないことを認識すべきである。後者は、単一個人においておそらくはかなり一定しており汗損失量に依存しないが、汗鉄分の損失は著しく変動する。種々の研究が皮膚を介しての鉄分および他の痕跡量金属の損失に関して文献に報告されている。汗において報告された鉄分濃度値は、汗を如何にして収集したか、使用する分析方法、および汗を熱応力下で或いは室温において収集したかどうか等によって著しく変動する。下記の文献は、皮膚を介しての痕跡量金属の損失に有用な洞察を提供している。とりわけ興味あるのは、脇の下領域内の無細胞汗中の鉄分である。Brune, M、Magnusson, B、Persson, HおよびHallberg, Lは、Iron Losses in Sweatと題した論文において、11名の健常人における全身無細胞汗中の鉄分の損失についての知見を報告している(Journal of American Clinical Nutrition, Vol. 43, March 1986, pp. 438-443)。この研究においては、皮膚の極めて注意深い清浄化手順とサウナにおける汗の繰返しの連続サンプリング期間による新たな試験設計を使用している。その目的は、落屑細胞由来の鉄分および皮膚汚染鉄分からの影響を最小限にしての汗鉄分損失の定常状態を得ることであった。鉄分損失は、汗喪失容量に直接関連し、汗1リットル当り22.5±2.29μgの鉄分と算出している。これらの知見は、鉄分が汗の生理学的構成成分であること、および細胞リッチの汗の鉄分含有量は、無細胞汗と比較して、約5倍高いことを示唆している。
Green等 (Body Iron Excretion in Man, A Collaborative Study, American Journal of Medicine, Vol. 45, 1968, pp. 336-53) は、大量汗喪失を有するクリーニング作業者における汗鉄分損失を報告している。汗鉄分損失の算出は、数年間に亘る55Feの比活性度の低下速度に基づいていた。この研究により算出された発汗(全身からの)に基づく平均の余分な鉄分損失は、約0.1mg/日であった。
Gilletteは、Inspired to Perspire, Gillette Uncovers Sweatと題するそのウェブページにおいて、専門家からの汗についての次のような幾つかの知見を報告している:(1) 室温での1時間内の脇の下からの平均発汗量は、200mgに等しい;(2) 情感ストレス中の室温での1時間内の脇の下からの平均発汗量は、700mgに等しい;(3) 脇の下は、身体の最高汗産生領域である;(4) 男性は、女性よりもはるかに高い発汗速度を有する;(5) 制汗剤および脱臭剤の使用率は、年齢群によって変動する;(6) 男性は制汗剤または脱臭剤を1週間に平均7.9回、女性は1週間に8.3回使用する;(7) 若い男性および女性は、他のいずれの群よりも頻繁に制汗剤および脱臭剤を使用する(例えば、女性の13〜17歳は10.3回/週使用し、男性の15〜17歳は9.8回/週使用する;(8) 男性および女性の90%以上が脱臭剤または制汗剤を使用する。従って、平均で、制汗剤は、少なくとも1回/日使用されるものと想定するのが無難である。
Brune等によって測定されたような無細胞汗中の鉄分濃度の情報およびGilletteにより報告された脇の下からの平均発汗量を使用すると、脇の下領域内の無細胞汗による鉄分寄与は、0.108μg/日と計算される。
典型的なUSP級制汗剤粉末の最高鉄分含有量は125ppmであり得、脇の下当りの1回の適用毎の制汗剤製品の平均使用量は約0.4±0.05gmである。2003年6月にFDAが発行した最終OTCモノグラフによれば、制汗剤製剤中のアルミニウムジルコニウム活性物の最高無水固形分含有量は、20%であり得る。即ち、Al/Zr制汗剤塩による脇の下への最大鉄分寄与は、約28.8μg/日であり得る。Al/Zr活性物中で70ppmの鉄分含有量を想定すると、鉄分寄与は、約16μg/日であり得る。
脇の下領域における汗および落屑による鉄分寄与の正確な量は未知であるけれども、上述の算出数値は、関与する鉄分量並びに活性物の鉄分含有量の低減が制汗剤製品の脱臭性の改善を助長するのかまたはしないのかに関してある種の展望を提供する。活性物由来の鉄分が微生物叢に対して容易に利用し得るかどうかは、鉄分がオカリナスエット(ocarina sweat)に中に存在する鉄運搬体タンパク質移送に由来するときは未知である。制汗剤による鉄分寄与は有意であるようなので、その値の低減は、活性物由来の鉄分が脇窩微生物叢に対する栄養として利用可能であると想定して、最終製品の脱臭性を改善するものと仮定する。
即ち、当該目的は、低痕跡量金属不純物を含み、低鉄分でグリシンを含まず少なくとも現在使用されている製品と有効性において同等であるアルミニウムジルコニウム活性物を製造することである。
従って、香料適合性を改良するには、第一級アミンを含まず、鉄分含有量が低いか鉄分を含まず、さらに極めて低いMn、Co、Cr、CuおよびNiレベルを有するアルミニウムジルコニウム活性物を有することが好ましい。
制汗剤市場は種々の製品で溢れておりまた上記は制汗剤活性物および最終製剤に多くの種々の条件を課するので、また、ほぼ全ての剤形の制汗剤製品が香気付けされているので、種々の製品剤形中の種々の活性物の香料との適合性は極めて重要であり、全ての製品マーケッティング担当者の強敵は変色である。
従来技術特許に関しては、アルミニウムジルコニウム制汗剤塩は、およそ1954年以来公知であり;多くの特許が、これらの塩を製造する方法および組成物について発行されている。本発明との関連において引用する特許文献は、米国特許第2,814,585号 (Daley)、米国特許第2,854,382号 (Grad)、GB 第1,353,916号 (Bolich)、GB 第2,075,289号 (Mackles)、米国特許第3,979,510号 (Rubino)、米国特許4,017,599号 (Rubino)、米国特許第4,331,609号 (Orr)、米国特許第4,775,528号 (Callaghan)、米国特許第4,871,525号 (Giovenniello)、米国特許第4,900,534号 (Inward)、米国特許第5,225,187号 (Carmody)、米国特許第5,296,623号 (Katsoulis)、米国特許第5,33,751号 (Curtin)、米国特許第5,718,876号 (Parekh)、米国特許第6,066,314号 (Tang)、米国特許第6,375,937号 (Chopra)、米国特許第6,436,381号 (Carrillo) 等である。
これらのアルミニウムジルコニウム制汗剤塩の幾つかは、増強された有効性を有すると説明されており、このことは、これらの制汗剤が通常の制汗剤塩よりも大きい発汗低減をもたらすことを意味する。増強された有効塩は、該塩をサイズ排除クロマトグラフィー、典型的にはHPLCによって分析するときに同定し得る種々のアルミニウムピークと参照することにより通常の制汗剤塩類と典型的に区別される。HPLCクロマトグラフィーのピーク問題に関するさらなる考察については、2004年3月24日に出願された同時係属出願第10/807,996号を参照されたい。
引用した全ての特許の共通した局面は、これらの特許が、塩基性ハロゲン化アルミニウムとオキシ塩化ジルコニウム(ZrOCl2)またはヒドロキシ塩化ジルコニウム(ZrO(OH)Cl)溶液のようなジルコニウム塩とを組合せてより有効なアルミニウムジルコニウム制汗剤を調製するときに、ほぼ天然アミノ酸またはアミノ酸塩を使用してゲル化を回避し且つ酸性度を低下させていることである。最近の特許の幾つかにおいては、例えば、米国特許第6,066,314号は、質量基準でジルコニウム対アミノ酸の1:1.2〜1.5の量でグリシンを含有するアルミニウムジルコニウム塩へのグリシンの事後添加を開示している。あるとすれば、最低限の付随的有効性の増大が期待される。しかしながら、製品は、より費用高である。また、米国特許第6,375,937号は、0.9〜1.2:1範囲の金属対塩化物モル比と1.3:1よりも大きい、とりわけ1.4:1よりも大きいグリシン対ジルコニウムモル比を有するアルミニウムジルコニウム塩を含む。そのような過剰量のグリシンは、製品コストを有意に増大させ、おそらくは、製品を香料との適合性の低いものにする。米国特許第2,814,585号においては、Daleyは、アルミニウムジルコニウム制汗剤組成物中の高濃度のアミノ酸が組成物の有効性に対して有害な効果を有することを開示している(第3欄、50〜70行)。さらにまた、そのような大量のアミノ酸を含有する制汗剤組成物は、マーケッティングの見地から経済的に魅力はない。
従って、本発明の目的は、如何なるアミノ酸もしくはアミノ酸塩または他の緩衝剤も含ませる必要のない、OTCモノグラフに包含される範囲全体に亘るアルミニウムジルコニウム制汗剤塩の製造方法を開発することである。
米国特許第4,775,528号、第5,114,705号、第5,225,187号、第5,486,347号、第5,589,196号、第5,955,064号、第5,939,057号、第6,066,314号、第6,074,632号、第6,451,296 B1号;並びに、EP 0633203 A1号およびWO 01/56539号は、グリシンと多価アルコールの双方または多価アルコールのみを含有するアルミニウムジルコニウム制汗剤組成物を開示している。多価アルコールのみを含有する製剤に関しては、従来技術は、安定で有効な制汗剤が、グリシンを削減し、グリシンを多価アルコールと置換えることによって得られることを示唆している。アルミニウムジルコニウム中でグリシンを多価アルコールに置換えることにより有効な制汗剤が得られるものの、この置換えは、制汗剤活性物に望ましくない粘着性をもたらす傾向も有し、この種の製剤は限られた製品用途しか有さない。
即ち、グリシンおよび多価アルコールを含まない安定で有効なアルミニウムジルコニウム活性物を含むことが極めて望ましい。
米国特許第2,906,668号においては、Beekmanは、2〜10範囲のアルミニウム対ジルコニウム原子比を有するアルミニウム/ジルコニウム複合体の製造方法を開示している;しかしながら、引用した実施例の双方において、ゲルが生じ、加熱によって不透明または混濁液体に変化した。ゲル化はジルコニウム種の重合に基づくもので、この重合は、製品を有効性の低いものにする。Daleyは、米国特許第2,814,585号において、ゲルが限られた制汗剤特性しか有さないことが判明し実用的見地から有用ではないとみなされることから、制汗剤製剤のゲル化防止は極めて重要であることを開示している。
米国特許第3,405,153号においては、Jonesは、オキシ塩化ジルコニウムを高温クロロ水酸化アルミニウムに添加することによるアルミニウム-ジルコニウム複合体の製造方法を開示しており、形成されたゲルは、長時間の加熱および撹拌並びに還流によって本質的に溶解し、混濁状溶液を得たと説明している。従って、該複合体は、上記米国特許第2,906,668号における制約と同じ制約を被る。
米国特許出願第10/625,038号においては、アミノ酸および多価アルコールを含まないアルミニウムジルコニウム塩の製造方法を開示しているが、該方法は、2003年6月に発行されたOTC最終モノグラフ下にFDAにより承認されたアルミニウムジルコニウム塩の全てを製造することはできない。このことは、添付図面によって実証される。図1の陰影領域によってカバーされる生成物しか、該米国特許出願において記載されている系を使用しては製造できない。上記米国特許出願の方法を使用して製造し得る特定の生成物には、約2〜6のAl/Zr原子比および約0.9〜1.25の金属/塩化物原子比を有するアルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレート;約6〜約10のAl/Zr原子比および約0.9〜約1.5の金属/塩化物原子比を有するアルミニウムジルコニウムオクタクロロハイドレート;および約6〜10のAl/Zr原子比および約1.51〜約1.65の金属/塩化物原子比を有するアルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレートがある。本発明の新規な方法によれば、2003年6月に発行されたFDA OTC最終モノグラフ下のアルミニウムジルコニウム生成物、即ち、添付図面に包含される生成物の全てを製造し得ることを見出している。2つの最も広く使用されるアルミニウムジルコニウム制汗剤は、アルミニウムジルコニウムトリクロロヒドレックス(3〜6のAL/Zr比および1.51〜2の金属対塩化物比を有する)およびアルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレックス(3〜5範囲のAL/Zr比および1.35〜1.5の金属対塩化物比を有する)であり、これに対して、米国特許出願第10/625,038号の方法は、極めて限られた用途しか有さないことに留意することが重要である。また、該米国特許出願は、鉄分および痕跡量金属(Co、Cr、Ni、MnおよびCu)レベルを厳密に制御して香料との発色を最小限にしている本発明の新規な製品によって達成された発色問題(香料適合性)に対処していない。香料は、高めの金属対塩化物比のアルミニウムジルコニウム生成物によってより安定で且つ適合性があるが、そのような生成物は、図1に示されるような米国特許出願第10/625,038号の方法によっては製造できない。要するに、本発明の新規な方法は、アミノ酸または多価アルコールを混入させることなくOTC最終モノグラフの範囲内に属し;費用効果性であり;最終製品の変色の可能性を最低限にし;香料とより適合性であり;そして、脇の下領域への鉄分寄与を低減することによって脱臭性を改善する全範囲の極めて低鉄分のアルミニウムジルコニウム制汗剤の調製を容易にする点で特異的である。
米国特許出願公報第2003/0138389 A1号は、乾燥基準で20ppm未満の鉄分含有量を有し、高鉄分製品(80ppm)と比較して低鉄分製品(10ppm)において改良された有効性と脱臭性を有する、アルミニウムクロロハイドレートを含む脱臭剤制汗剤を開示している。該米国特許の開示は、参考としてその全体を本明細書に合体させる。この出願において、低鉄分無グリシンアルミニウムジルコニウム製品における発色または香料適合性に対処する或いはより費用効果的な無アミノ酸アルミニウムジルコニウム製品の製造に関する開示は含まれていない。
米国特許第6,451,296 B1号は、HPLCバンドIV (またはピーク5)によって測定されるような低分子量アルミニウム種がより有効性の製品をもたらすことを開示している。しかしながら、第6,451,296 B1号は、反応期において高濃度の多価アルコールを使用してジルコニウム種の重合を回避することを教示し、香料とより適合性がある低鉄分低痕跡量金属で無グリシン且つ費用効果性のアルミニウムジルコニウム塩を如何にして製造するかは教示していないことに留意することが重要である。また、この特許の製品は、粘着性である性向を有し、限られた用途しか有さない。Carrillo等の米国特許第6,436,381号においては、改良された有効性は、ピーク5 (またはバンドIV)を有する低金属対塩化物(0.9:1〜1:1)のアルミニウムジルコニウム生成物に関連している。米国特許第6,436,381号の開示は、1.1よりも高い範囲の金属/塩化物比に亘っての無グリシンアルミニウムジルコニウム塩を包含していない。本発明の必須のプロセスパラメーターおよび組成は、該米国特許において使用するそれらの範囲外である。
上記の参照従来技術において、本発明の、即ち、アミノ酸もしくはアミノ酸塩または多価アルコールを含まず、極めて低い痕跡量金属(Co、Cr、Ni、MnおよびCu)不純物レベル(2ppm未満、好ましくは1ppm未満)を有し、且つ香料親和性であり、極めて費用効果性で極めて有効である低鉄分(30ppm未満、好ましくは20ppm未満、より好ましくは10ppm未満、最も好ましくは5ppm未満)のアルミニウムジルコニウム制汗剤塩の製造方法を開示または教示しているものはない。ジルコニウムおよびアミノ酸またはアミノ酸塩はいずれのアルミニウムジルコニウム制汗剤活性物中の最も費用高な成分であるので、グリシンおよび/またはその塩を削減し有効性を犠牲にすることなくAl/Zr比を3.5〜4から7〜8に増大させることは、本発明の新規な製品をマーケティングの見地から最も費用効果性で且つ魅力的にしている。増強された有効性塩の有効性に匹敵する有効性を所望する場合、その有効性は、塩基性塩化アルミニウムの濃度を約15〜20質量%に低め、Al/Zr比を7〜8から3〜4範囲に低めることによって達成し得る。高度に酸性のZrOCl2またはZrO(OH)Clの添加は、アルミニウム種の解重合を生じて、高濃度のピークII、IIIIおよびIVのアルミニウム種をもたらす。
(発明の開示)
本発明は、通常のアルミニウム活性物よりも有効に湿りを停止させる独特の能力を有するアルミニウムジルコニウム活性物に関する。この種の制汗剤は、制汗剤市場を支配するようになってきている。そのためには、最終製品の特異的な審美性を改善する制汗剤活性物が現在使用されている製品と少なくとも同等の有効性をも有し、且つ該活性物の製造方法が経済的であることが重要である。
従って、本発明の目的は、アミノ酸またはアミノ酸塩を含まず、さらに多価アルコールを含まず、それによって香料適合性を改良し且つ策定者により新規で良好な香気を考え出す幅広い選択を提供する最終OCTモノグラフの全範囲に亘るAl/Zr制汗剤塩を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、香料との改良された適合性を有し;製品変色の可能性を最低限にし;おそらくは布地汚染を低減させ;アポクリン汗および皮脂中に存在する無臭プレカーサーの生体形質転換によって脇窩悪臭の原因となる微生物叢の増殖が生じる脇の下領域への鉄分寄与を最低限にする、極めて低い鉄分含有量を有するアルミニウムジルコニウム制汗剤製品を製造することである。
本発明のさらなる目的は、現在普及している通常のアルミニウムジルコニウム製品の有効性と少なくとも同等の有効性を有するがより低コストの新規なアルミニウムジルコニウム制汗剤製品を提供することである。
本発明のさらなる目的は、各々2ppm未満、好ましくは1ppm未満レベルで存在するクロム、ニッケルおよびコバルト、並びに約30ppm未満、好ましくは20ppm未満、より好ましくは10ppm未満、最も好ましくは5ppm未満の鉄分含有量を有する制汗剤製品を製造することである。
(発明を実施するための最良の形態)
高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して、アルミニウムジルコニウム種の巨大分子分布を特性決定する。使用する特定の方法論の詳細については、2004年3月24日に出願された同時係属米国特許出願第10/807,996号を参照されたい。
用語“金属/塩化物”比は、本明細書においては、“金属/ハロゲン化物”比または“金属/アニオン”比と互換的に使用し、金属は(Al+Zr)または(Al+Zr+Hf)を称し、比率は常に原子比を称する。
制汗剤塩の質量パーセントは、本明細書においては、無水固形分のパーセント(%A.S.)として示し、如何なる結合水も除外することに留意することが重要である。このパーセントは、下記の等式(USP 27)に従って算出する:
Al/Zr塩中の%A.S. = Al ({26.98y + 92.37 + 17.01 [3y + 4 (y + 1)/z] + 35.43 (y + 1)/z}/26.98y)
上記式中、Alは、アルミニウムのパーセントであり;yは、アルミニウム/ジルコニウム原子比であり;zは、アルミニウム+ジルコニウム/塩化物原子比であり;26.98は、アルミニウムの原子量であり;92.97は、2%のハフニウム含有量について補正したジルコニウムの原子量であり;17.01は、ヒドロキサイドイオン(OH)の分子量であり;35.453は、塩素Clの原子量である。
塩基性塩化アルミニウム塩のパーセントA.S. = Al {[26.98x + 17.01(3 x-1) + 35.453]/26.98x}であり、式中、xは、アルミニウム/塩化物原子比である。
本発明の新規な方法に従って製造したアルミニウムジルコニウムハロゲン化物は、0.9:1〜2:1、好ましくは1.2:1〜1.7:1の金属対塩化物比および2:1〜10:1、好ましくは5.5:1〜8.5:1の範囲、最も好ましくは7.5〜8.5のアルミニウム対ジルコニウム比を有して、約3.5のAl/Zr原子比および約1.35の金属対塩化物比を有するアルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレックスの有効性と統計的に有意差のない有効性を維持しながらコストを節減するものとして特性決定される。
本発明の方法は、2つの成分、即ち、低痕跡量金属(Co、Cr、Ni、MnおよびCu)不純物を含み且つ実験式:Al2(OH)6-x1 Yx1・nH2O (式中、Yは、Cl、BrまたはIであり;nは、約0.8〜4であり;0 < x1 < 6である)で示される低鉄分塩基性ハロゲン化アルミニウム溶液と、次の一般実験式:ZrO(OH)2-nz Bzを有する群から選ばれ、10ppm未満、より好ましくは5ppm未満の鉄分含有量を有し、上記式中、zが0.9〜2で変動し得、nがBの原子価であり、2-nzが0より大であるかまたは0に等しく、Bがハライド(halide)からなる群から選ばれるジルコニウム化合物とを反応させることを含む。
上記ジルコニウム塩の代替物としてまたは上記ジルコニウム塩と一緒に、下記の実験式で示される塩基性炭酸ジルコニウムも使用し得る:
[ZrO(OH)(CO3)0.5・nH2O]または[Zr2(OH)4(CO3)2・nH2O]
しかしながら、そのような炭酸塩は、化学構造に関しては正確なものとして解釈すべきではなく、単にモル比の指針とみなすべきであり、nは、等価のZrO2含有量をこの生成物における任意の特定濃度にするのに必要な水の量を示す;例えば、約40%のZrO2含有量においては、nは、約8.7であろう。
塩基性ハロゲン化アルミニウムは、多くの方法によって製造し得る。第1の好ましい方法は、米国特許第5,908,616号 (Parekh)に開示されている方法であり、即ち、(a) アルミニウム粉末、(b) ハロゲン化アルミニウム溶液および(c) 水を約85℃よりも高い温度で反応させる。もう1つの方法は、標準のアルミニウムクロロハイドレートをAlCl3またはHClと混合し、約室温(RT)から約還流温度で、約0.5時間〜約2時間の範囲であり得る時間反応させることを含む。得られた溶液をリガンドカラムにより処理して、30ppm未満、好ましくは20ppm未満、より好ましくは10ppm未満、最も好ましくは5ppm未満の鉄分濃度を得る。
一般に、当該技術において通常使用する任意の標準塩基性ハロゲン化アルミニウムを本発明方法において使用し得る。そのような溶液は、一般に、約15%〜40%の無水固形分濃度を有する。しかしながら、当業者にとっては、適切な濃度の選択は、所望する特定製品の物理的および化学的性質に依存するものであることは明白であろう。標準塩基性塩化アルミニウムは、利用し得る方法を使用して、鉄分含有量を、30ppm未満、好ましくは20ppm未満、より好ましくは10ppm未満、最も適切には5ppm未満に低減し得る。
ジルコニウム複合体は、低鉄分オキシ塩化ジルコニウムの水中溶液または塩基性炭酸ジルコニウムを塩酸またはオキシ塩化ジルコニウムと約60℃〜70℃の昇温下で混合することによって得ることのできるハロゲン化ジルコニウム複合体のいずれかであり得る。透明溶液が形成された時点で、溶液を冷却し濾過する。極めて低い塩基性を有するハロゲン化アルミニウム溶液と一緒に、実験式[ZrO(OH)(CO3)0.5・nH2O]または[Zr2(OH)4(CO3)2・nH2O]を有する塩基性炭酸ジルコニウムの水性スラリーを使用することも可能であり得る。そのような化合物は、化学構造に関しては正確なものとして解釈すべきではなく、還流条件下での溶液が混濁状または不透明にならないような調整された割合のモル比への指針とみなすべきである。
上記2つの成分は、約105℃±5℃の還流温度で、ジルコニウム化合物、即ち、ジルコニウム塩の厳密にモニターした添加速度で反応させて、反応期中に混濁物の形成またはゲル化を回避する。混濁物が生成する場合、ジルコニウム化合物の添加を反応溶液が透明にまるまで停止し、透明になった時点で、ジルコニウム化合物の制御された添加を再開する。ジルコニウム化合物の添加終了後、溶液を、さらに30〜90分間還流させる。生成物を必要に応じて透明ゲルまたは低残留物制汗剤用に使用すべき場合は、適切な有機溶媒を添加して、望ましい量の水分を蒸発または蒸留により置換する。最終溶液を冷却し、濾過する。最終溶液は、スプレー乾燥のような任意の工業的乾燥方法を使用して乾燥させ得る。得られた乾燥粉末は、微細化し、篩分けし、空気分級して、所望の粒径および/または形状分布を得ることができる。使用するアトマイザーのタイプは、所望する粒形、粒径および密度の関数である。即ち、以下の細分化装置のいずれか1つをスプレー乾燥において使用し得る:CSCディスク、2本流体ノズル、1本流体ノズル、多孔質金属ディスクまたはドリル加工有孔ディスク。
塩基性塩化アルミニウムおよびジルコニウム塩溶液の濃度は、変動させて、最終溶液中でアルミニウムジルコニウム塩の所望無水固形分濃度を達成し得る。低めの濃度(約10%〜約20%)は、増強された有効性活性物のアルミニウム種と同様な高めの濃度の解重合アルミニウム種をもたらすが、それらのアルミニウム種は、水溶液中では安定でない可能性がある。そのような希溶液は、約10〜24時間の時間枠内で乾燥させることによって安定化させ得る。
鉄分含有量および他の痕跡量金属不純物レベル(trace metal impurity level)は、幾つかの利用可能な方法によって低減させ得る。1つのそのような方法は、分子認識または“ホスト・ゲスト”化学と称する原理に基づく。この方法は、ゲストを認識しゲストに結合するように設計した1群の化合物(ホスト)を使用することにある。沈降、イオン交換および溶媒抽出のような古典的分離技術とは対照的に、IBC (IBC Advanced Technologies社、ユタ州アメリカンフォーク)によって開発された分子認識法(MRT)は、これらの種が同様な電荷、形状または他の属性を有する場合でさえも、特定の元素に対する数桁の親和性および選択性の増大を示す。分子認識法は、シリカゲルのような固形支持体に化学的に結合する有機リガンドを使用する高選択性の非イオン交換法である。その装置は、モジュール形式で構築し得る固定床カラム中に充填したリガンド物質からなる。上記リガンドカラムにより塩基性塩化アルミニウムを処理することによって、鉄分濃度の10ppm未満への低減が得られる。リガンドカラムは、希HClで溶出することによって再生させる。処理溶液中の鉄分濃度は、処理する溶液の塩基度およびカラムのエージングによって1ppm未満から20ppm未満で変動し得る。更なる低減は、複数のカラムを直列で使用することによって達成し得る。5/6塩基性塩化アルミニウム溶液(一般に、アルミニウムクロロハイドレートまたはACHとして知られている)の鉄分含有量は、1回の操作において約97ppmから1ppmに低減し、同じカラムで1週間後に行なった操作においては、低減は15ppm未満であった。
下記の表IおよびIIは、5/6塩基性塩化アルミニウム溶液を使用して約1週間の間隔をおいて行なった2回の試験操作の結果を示す。結果は、溶液の鉄分含有量の有意の低減(約85〜99%)を示している。これらの表において認められるように、鉄分含有量を除いて、HPLCまたは化学分析における有意の変化はなかった。

表I
リガンド処理前後の50%ACH溶液の化学分析
Figure 2008502716

表II
% HPLC*ピーク面積
Figure 2008502716
*使用したHPLCカラムは、Maxil RP2であった。
アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレックスおよびトリクロロヒドレックスの数種のサンプルを、ニュージャージー州バークリーハイツのReheis社から入手し得るスプレー乾燥塩基性塩化アルミニウム溶液およびヒドロキシ塩化ジルコニウム溶液を使用して調製した。得られた粉末をPb、Ni、Co、CrおよびHgについて詳細に分析したところ、これら金属のそれぞれのppmでの濃度は、≦ 1.0、≦ 1、≦ 0.2、≦ 2および検出されず(ND)であった。
制汗剤中の鉄分および他の痕跡量金属不純物の大部分は、主として、全ての制汗剤活性物の基本構成要素である塩基性塩化アルミニウム溶液の製造において使用するアルミニウム金属および塩化アルミニウムまたはHClに起因する。痕跡量金属不純物の上記低めの望ましい値は、原材料の品質の調整および/またはリガンドカラムによる処理によって達成された。
塩基性塩化アルミニウム(BAC)粉末(Microdry ACHおよびRE-301 SUF)およびアルミニウムジルコニウム粉末(RezalR 36GPおよびReachR AZP908)のサンプルを、未処理およびリガンド処理BAC溶液を使用して調製し、微細化した。ΔYB値を処理および未処理サンプルにおいて測定した(Macbeth色分光光度計を使用して)。結果は、下記に示すように、粉末の黄呈色の有意の改良を示していた。
Figure 2008502716

Reach-301、Microdry ACH、Rezal 36GPおよびReach AZP-908は、アルミニウムセスキクロロハイドレート、5/6塩基性アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレックスおよび活性化アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレックスに対するニュージャージー州バークリーハイツのReheis社におけるReheis社ブランド名である。
(実施例)
以下の実施例は、低鉄分無グリシンアルミニウムジルコニウム活性物を製造するのに使用する新規な方法を具体的に説明するが、その詳細を、特許請求の範囲に記載したものを除き、限定として解釈すべきではない。
実施例1
1.80:1のA//Cl原子比および29.54%の無水固形分含有量を有する7917gmの塩基性塩化アルミニウム溶液(%Al 9.03、%Cl 6.59)を還流温度に加熱し、3084gmのオキシ塩化ジルコニウム(ZOC)溶液(%Zr 9.45、%Cl 7.35)をゆっくり添加して反応溶液の透明性を3時間に亘って維持し、溶液を、ZOCの添加終了後、1時間還流させた。溶液を濾過し、分析した。約5100gmの溶液を115.6℃(240°F)の出口温度でスプレー乾燥させた。溶液および粉末の化学分析は、下記のとおりであった:
溶液:%Al 6.32、%Zr 2.58、%Cl 7.11、Al/Zr原子比 8.44、鉄分 18 ppm、M/Cl原子比 1.31、15%(質量/質量)溶液のpH 3.60、%A.S. 26.44。
粉末:%Al 19.0、%Zr 7.85、%Cl 19.99、Al/Zr原子比 8.34、鉄分 49 ppm、M/Cl原子比 1.40、%A.S. 78.93。微細化粉末は、97.56%が10μ未満である粒径を有していた。
実施例2
金属/塩化物比を1.62に目標とした以外は、実施例1におけるのと同じ手順を追試してアルミニウムジルコニウムペンタ塩を調製した。1.95:1のAl/Cl原子比を有する8670gmの塩基性塩化アルミニウム溶液(%Al 9.99、%Cl 6.49、無水固形分含有量 31.31%)を還流させ、1670gmのヒドロキシ塩化ジルコニウム(ZHC)溶液(%Zr 18.24、%Cl 12.95、Cl/Zr原子比 1.86)を3.25時間に亘って添加し、最終溶液をさらに1時間還流させた。最終溶液をスプレー乾燥させ、微細化した。溶液および粉末の化学分析は、下記のとおりであった:
溶液:%Al 7.99、%Zr 2.82、%Cl 7.14、Al/Zr原子比 9.75、M/Cl原子比 1.62、%A.S.含有量 31.7%、鉄分 23 ppm。
粉末:%Al 20.7、%Zr 7.32、%Cl 18.0、Al/Zr原子比 9.74、M/Cl原子比 1.66、無水固形分含有量 81.9%、鉄分 40 ppm。
実施例1のアルミニウムジルコニウムオクタ塩を、標準の高温室手法を使用して、懸濁液ロールオン製剤中の最も広く使用されているアルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレックスに対しての制汗剤有効性について試験した。標準高温室手法においては、ヒトボランティアを熱応力に供し、制汗剤製品の適用有りおよび無しでの熱応力下での発汗生成物の重量測定を行なった。データを、Murphy and Levine (T.D. Murphy, et al., Analysis of Antiperspirant Efficacy Test Results, Journal of the Society of Cosmetic Chemists, Vol. 42, May 1991, pp. 167-197) によって開示された共分散法の分析に供し、パーセント発汗低減能力について比較した。制汗性試験は、FDAガイドラインに適合する“調製高温室重量測定試験(Controlled Hot Room Gravimetric Test)”を使用する外部独立研究所によって行なった。
無水懸濁液ロールオンは、無水基準で約20%(質量基準で約20%)のアルミニウムジルコニウム塩濃度を使用して調製し、他の成分のおおよその濃度は、Dow Corning 245 70.5%、Bentone 38 2.70%、SDA Alcohol 40 (95%アルコール + 5%水) 1.8%であった。
比較として使用したアルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレックス粉末は、以下の化学分析値を有していた:%Al 14.8、%Zr 14.5、%Cl 18.36、%グリシン 11.7、Al/Zr原子比 3.52およびM/Cl原子比 1.36、%A.S. 77.46。
有効性試験は37名の女性対象者に基づき、8.44のAl/Zr比を有しグリシンを含まないアルミニウムジルコニウムオクタクロロハイドレートと3.52のAl/Zr比を有しグリシンを含むアルミニウムジルコニウムテトラヒドレックス間で発汗低減において統計的有意差なかった(p = 0.127)。何ら理論によって拘束するものではないが、約6.5〜7.5範囲のAl/Zr比および約1.20〜1.25の金属/塩化物比を有する無グリシンオクタ塩は、約3.5のAl/Zr比および約1.35〜1.40の金属/塩化物比を有するテトラ塩(現在最も広く使用されている)と数値的におよそ同じ発汗低減をもたらすものと想定する。有害発症は、対象者において観察されなかった。オクタおよびテトラ塩の発汗低減値は、それぞれ、48%および52%であった。この試験結果により、無アミノ酸費用効果性アルミニウムジルコニウム塩は有効性を犠牲にすることなく製造し得ることが確立された。
制汗剤中の香料がその酸性特性および高遷移金属濃度、とりわけFe、Cr、Co、Mn、CuおよびNiにより、経時的に変色し得ることは知られている。また、グリシンが香料中に存在するアルデヒドとのシッフ塩基反応を開始させることも知られている。従って、本発明の新規製品と通常のアルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレックスをこれらの香料との発色能力について比較するため、実験室試験を、9社の異なる供給業者(Quest社、Flavor & Fragrance Specialties社、Shaw & Mudge Company社、Firminich社、Noville社、Bell社、Drom社、Harmann & Reimer社およびTakasago社)からの14種の香料により、実施例1、2からのサンプルおよび有効性試験において使用したAl/Zrテトラクロロヒドレックスを使用して実施した。香料分散液は、次のようにして調製した:0.75%の香料、1.0%のArlasolve 200、20%の制汗剤活性物(無水基準で)、適量のDI水。各サンプルを45℃で4週間保存し、色合について目視によりさらにまたMacbeth色分光光度計を使用して分析した。アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレックスを、実施例1および2のアルミニウムジルコニウムペンタおよびオクタ塩に対して比較した。色合は、14種の香料および3種の活性物全てにおいてΔYB (黄色青色)およびΔRG (赤色緑色)として測定した。これらの測定の結果は、下記の表IIIに示している。
試験した全ての香料における平均ΔYBおよびΔRG値はオクタおよびペンタ塩においてはほぼ同様であるが、これらの値は、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレックスの値よりも有意に低い。換言すれば、本発明の低鉄分の無グリシンで且つ高めのAl/Zr比の活性物は、通常の製品と有効性において匹敵するのみならず、より香料親和性で且つ低めのAl/Zr原子比を有する通常のアルミニウムジルコニウムグリシン複合体ほど強くは発色しないようである。ΔYBの低減は約45%であり、ΔRGにおいては約39%である。
要約すると、9社の異なる供給業者からの14種の香料(表IIIに示しているような)による試験に基づき、低痕跡量金属不純物を含む無アミノ酸低鉄分ペンタおよびオクタ塩は、45℃で4週間の保存エージング後に、テトラ塩よりも低い変色を生じると言うことができる。色合評価は、目視および計器により行なった。






表III
香料適合性試験
Figure 2008502716
オクタ塩はテトラまたはペンタ塩よりも酸性であり、本発明の両方の塩はグリシンを含有しないので、これら塩の累積刺激潜在力を、現時点で広く使用されている制汗剤製品への14日間上皮接触を使用して比較した。合計28名の男女対象者をこの試験のために選定し、試験を独立の研究所により実施した。使用する方法は、下記のとおりであった:
肩甲骨間の上背を処理領域として使用した。各試験物質のおよそ0.2ml (接触表面を覆うのに十分な量)を固定用包帯の1.9cm×1.9cm (3/4”×3/4”)の吸収性パッド部分に適用した。その後、これらを適切な処理部位に適用し、隠蔽パッチを形成した。
各試験物質を上記適切な処理部位に月曜から金曜日に適用し、14連続日の直接皮膚接触を維持した。金曜日に適用したパッチは、次の月曜日までその位置に維持した。試験部位の評価は、各パッチ適用前に実施した。
試験を観察して評価点“3”を示した場合、この部位への試験物質の適用を中断し、観察された点数“3”は、残存試験日数を記録した。
下記の採点法を使用した:
0:観察し得る皮膚反応なし;
+:辛うじて認識し得るまたは斑点状の紅斑;
1:試験部位の大部分に及ぶ軽微な紅斑;
2:中度の紅斑、軽微な浮腫存在の可能性;
3:著しい紅斑、浮腫の可能性;
4:重篤な紅斑、浮腫の可能性、小水疱形成、水疱および/または潰瘍。
試験において選定した化合物は、アルミニウムジルコニウムオクタクロロハイドレートおよびペンタクロロハイドレート塩溶液、50%アルミニウムクロロハイドレート溶液、対照としての活性化アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレックス溶液であった。各サンプルの化学分析は、下記の表IVに示している。




表IV
Figure 2008502716

刺激性試験用のアルミニウムジルコニウム塩溶液は、23%無水固形分に基づく50%ACH溶液を除いて、全て20%無水固形分濃度をベースに調製した。
14日間累積刺激パッチ試験の結果は、下記の表Vに要約している。

表V
Figure 2008502716

累積刺激試験は、試験物質間の小さな差異にほぼ感受性である。結果は、グリシンを含まないオクタおよびペンタ塩が、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレックスおよびアルミニウムクロロハイドレート(ACH)のような最も広く使用されている化合物よりも高い刺激潜在力を示していないことを示している。
上述したように、種々の剤形の最終製剤は、種々の化学的および物理的性質を有する制汗剤活性物を必要とする。透明ゲルエマルジョンにおいては、特定の審美的およびある種の溶解性条件を達成するために特定の屈折率を有する活性物を含み、少なめの水を含むことが望ましい。また、使用する有機溶媒は、最終製剤に“粘着性”を与えないことが望ましい。以下の実施例は、低または無粘着性透明ゲルまたは透明スティック用の無アミノ酸Al/Zr活性物の調製を示す。スプレー乾燥生成物は、低または無残流物不透明制汗剤スティックにおいて使用し得る。
実施例3
11.8%のAl、9.11%のCl、1.7のAl:Cl原子比および38.86の無水固形分含有量の化学分析値を有する2500gmの塩基性塩化アルミニウム(BAC)水溶液を、三口丸底フラスコ中で、温度制御用のレオスタットを備えた加熱用マントルを使用して加熱した。フラスコに、還流コンデンサー、ジルコニウム塩溶液を制御された速度で添加するためのセパレータ付加漏斗を装備し、オーバーヘッド撹拌装置を装着した。BAC溶液を還流温度に加熱した。22.7%のZr、11.58%のCl、1.33のCl/Zr原子比の化学組成を有する1300gmのヒドロキシ塩化ジルコニウム(ZHC)溶液(オキシ塩化ジルコニル(ZOC)を塩基性炭酸ジルコニウムと60℃で反応させることによって調製した)を、上記添加漏斗を使用して4時間に亘って滴下によって添加した。ZHC溶液添加速度は、溶液が添加時全体に亘って透明なままであるように制御した。ZHC添加終了時に、1100gmのジプロピレングリコール(Dow Chemical社により供給されるDPG)を添加し、600gmの水分を1.5時間に亘って留別した。溶液を室温に冷却し、濾別して、明晰溶液を得た。最終溶液の化学分析値および幾つかの物理的性質は、下記のとおりである:
%Al 6.95、%Zr 6.91、%Cl 8.92、pH 15%(質量/質量)solution 3.76、%DPG 25.94、%A.S. 36.7、Al/Zr原子比 3.47、M/Cl原子比 1.32、粘度 248cps、21℃でのRI 1.4513。
この無水溶液は、透明ゲルエマルジョンおよび低もしくは無残流物または透明スティック製剤において使用するのに適している。
実施例4,5および6
実施例3の同じ器具組立ておよび手順を、下記の表VIに示す異なる有機溶媒の使用および成分化学分析以外は、実施例4,5および6において追従した。

表VI
Figure 2008502716
実施例4、5および6における化学分析、HPLCの結果および物理的性質は、下記の表VIIに示している。




















表VII
Figure 2008502716
*粘度は、ブルックフィールド粘度計スピンドル#2を30または60rpmで使用して測定し、読取りを5分後に行った。RIは、Leica屈折計モデル#10500を使用して測定した。
通常の増強制汗剤塩は、通常、水溶液中で急速にピーク比を喪失するであろう。即ち、増強有効性活性物の安定性は、通常、バンドIII/IIピーク面積(またはピーク4/ピーク3ピーク面積)比の分解度合によって測定する。安定化または安定とは、バンドIII/IIピーク面積比が、幾分分解し得るものの、非増強塩ほど低い点までに早急に分解しないことを意味する。従来技術の論評は、既知の増強有効性塩が約0.5以上のHPLCバンドIII/II面積比を有するのに対し、通常の非増強制汗剤塩は約0.2以下の面積を有することを示している。(米国特許第6,436,381 B1号、第1欄40〜50行を参照されたい)。
本発明の新規な方法によって調製したアルミニウムジルコニウム塩溶液の安定性をチェックするために、実施例4、5および6において調製したサンプルのHPLCを初期および約55日後にモニターし、バンドIII/II比を比較した。結果は、下記の表VIIIに示している。各生成物は、ほぼ2ヶ月間に亘って良好な安定性を示した。

表VIII
%HPLCピーク面積
Figure 2008502716
*室温で約2ヶ月間エージング
本発明を特定の実施態様に関連して説明してきたが、本発明をそれに限定するものではない。使用する組成および割合に対する種々の変更は、本発明の利益を依然として得ながら可能である。即ち、本発明は、特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
FDA OTC最終モノグラフ内に包含されるアルミニウムジルコニウム生成物の包括的な領域を図式的に示す。

Claims (31)

  1. 下記の工程を含むことを特徴とする、2ppm未満の痕跡量不純物レベルの各金属(Co、Cr、Ni、Mn、Cu)を有し且つ約25%〜約35%の無水固形分含有量を有する安定な低鉄分無アミノ酸アルミニウムジルコニウム水性制汗剤組成物の製造方法:
    (i) 30PPM未満の鉄分含有量を有し且つ約44%を含む値までの無水固形分含有量を有し、一般実験式:Al2(OH)(6-x)Yx・nH2O (式中、Yは、Cl、BrまたはIであり;0 ≦ x ≦ 6であり;nは、約0.8〜4である)で示される低鉄分塩基性ハロゲン化アルミニウム化合物の水溶液を還流温度で加熱する工程;
    (ii) 前記還流下の化合物を、無アミノ酸ジルコニウム化合物と、還流溶液を実質的に透明に維持するような速度で混合し、前記ジルコニウム化合物が、(a) 一般式:ZrO(OH)2-nz Bz (zは、0.8〜2で変動し得;nは、Bの原子価であり;2-nzは、0より大であるかまたは0に等しく;Bは、ハライドまたはニトラートからなる群から選ばれる)を有する化合物、および(b) 式:[ZrO(OH)(CO3)0.5・nH2O]および[Zr2(OH)4(CO3)2・nH2O]を有する化合物から選ばれる工程;
    (iii) 混合溶液を、ジルコニウム化合物の添加終了後、約1〜2時間還流させる工程;
    (iv) 前記溶液を室温に冷却する工程;および、
    (v) 前記溶液を濾過して、制汗剤塩の透明水溶液を得る工程。
  2. 前記低塩基性ハロゲン化アルミニウム化合物が、20ppm未満の鉄分含有量を有する、請求項1記載の方法。
  3. 前記低塩基性ハロゲン化アルミニウム化合物が、10ppm未満の鉄分含有量を有する、請求項1記載の方法。
  4. 前記低塩基性ハロゲン化アルミニウム化合物が、5ppm未満の鉄分含有量を有する、請求項1記載の方法。
  5. 工程(iv)前の前記還流した実質的に透明な反応生成物を、二価または多価アルコール、低分子量ポリエチレングリコール(600未満の分子量を有する)またはグリセリン、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる極性溶媒と混合し、蒸留または蒸発により過剰の水を除去して、少なくとも30%のアルミニウムジルコニウム塩の無水固形分含有量と有機溶媒を有する最終水性制汗剤溶液を得る、請求項1記載の方法。
  6. 前記塩基性ハロゲン化アルミニウムが低鉄分塩基性塩化アルミニウムであり、前記ジルコニウム化合物が低鉄分オキシ塩化ジルコニウムである、請求項1記載の方法。
  7. 前記低鉄分塩基性ハロゲン化アルミニウムが塩基性塩化アルミニウムであり、前記ジルコニウム化合物がヒドロキシ塩化ジルコニウムである、請求項5記載の方法。
  8. 塩基性ハロゲン化アルミニウム溶液をリガンドカラムまたは等価の技術によって処理して鉄含有分を所望値に低減する、請求項1記載の方法。
  9. 痕跡量金属不純物レベルの各金属Ni、Cr、Co、Mn、Cuが、2ppm未満、好ましくは1ppm未満である、請求項1記載の方法。
  10. 前記アルミニウムジルコニウム制汗剤活性物Al/Zr比が約2:1〜約10:1であり、金属対塩化物比が約0.9:1〜2:1である、請求項1記載の方法。
  11. Al/Zr比が3:1〜7:1であり、金属対塩化物比が1.25:1〜1.45:1である、請求項1記載の方法に従って製造された制汗剤組成物。
  12. Al/Zr比が3:1〜7:1であり、金属対塩化物比が1.5:1〜1.8:1である、請求項1記載の方法に従って製造された制汗剤組成物。
  13. 前記極性有機溶媒を、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(600未満の分子量を有する)、トリプロピレングリコール、プロピレングリコール、メトキシプロパノール、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルおよびグリセリン、およびこれらの混合物から選択する、請求項5記載の方法。
  14. 前記極性有機溶媒が、少なくとも3個〜約12個の炭素原子および少なくとも2個のヒドロキシ基を有する多価アルコールであり、5〜50質量%の濃度で存在する、請求項5記載の方法。
  15. 工程(v)によって得られた濾過溶液をスプレー乾燥させる、請求項1記載の方法。
  16. 工程(v)の濾過溶液をスプレー乾燥させる、請求項5記載の方法。
  17. 乾燥生成物を、約1〜15μmの平均粒径を有するように微細化する、請求項15記載の方法。
  18. 乾燥生成物を、約1〜15μmの平均粒径を有するように微細化する、請求項16記載の方法。
  19. 乾燥粉末が、105℃に2時間保ったときの乾燥時に、5質量%〜20質量%の損失を有する、請求項15記載の方法に従って製造された生成物。
  20. 乾燥粉末が、105℃に2時間保ったときの乾燥時に、5質量%〜20質量%の損失を有する、請求項16記載の方法に従って製造された生成物。
  21. 生成物の臨界湿度が、約5%〜20%である、請求項15記載の方法に従って製造された生成物。
  22. 生成物の臨界湿度が、約5%〜20%である、請求項16記載の方法に従って製造された生成物。
  23. 前記活性成分溶液を、請求項1記載の方法によって製造する、制汗剤“ロールオン”または“透明ゲル”製剤。
  24. 前記活性成分溶液を、請求項5記載の方法によって製造する、制汗剤“ロールオン”または“透明ゲル”製剤。
  25. 前記活性成分溶液を、請求項17記載の方法によって製造する、無水制汗剤“ロールオン”または“透明ゲル”製剤。
  26. 前記活性成分溶液を、請求項18記載の方法によって製造する、無水制汗剤“ロールオン”または“透明ゲル”製剤。
  27. 前記無水固形分濃度が少なくとも10%で20%よりも高くなく、溶液を24時間未満でスプレー乾燥させる、請求項1記載の方法に従って製造された制汗剤活性物。
  28. 前記無水固形分濃度が少なくとも10%で20%よりも高くなく、溶液を24時間未満でスプレー乾燥させる、請求項5記載の方法に従って製造された制汗剤活性物。
  29. バンドIII/IIピーク面積比が少なくとも0.4であり、バンドIVピーク面積が少なくとも30%である、請求項28記載の方法に従って製造された制汗剤活性物。
  30. 請求項16記載の制汗剤粉末を請求項13記載の有機溶媒中に溶解させることによって得られた透明無水制汗剤溶液。
  31. 請求項16記載の制汗剤粉末を請求項14記載の有機溶媒中に溶解させることによって得られた透明無水制汗剤溶液。
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