JP2008501024A - 混合コクリスタルおよびそれを含んでなる製薬学的組成物 - Google Patents

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Abstract

モダフィニル、コハク酸およびフマル酸を含んでなる混合コクリスタルが記述される。該混合コクリスタルを含んでなる製薬学的組成物、該混合コクリスタルの製造方法、および該混合コクリスタルの使用方法がまた記述される。

Description

本出願は、2004年5月28日提出の米国暫定特許出願第60/575,247号の優先権の特典を請求するものであり、この内容は引用によって完全に本明細書に組み入れられている。
本発明は、コクリスタル(co−crystal)APIを含有する組成物、そのようなAPIを含んでなる製薬学的組成物およびその製造方法に関する。
製薬学的組成物における活性製薬成分(active pharmaceutical
ingredient)(API)は、種々の異なる形態物において製造することができる。そのようなAPIは、化学的誘導体または塩を含む種々の異なる化学的形態を有するように製造することができる。また、そのようなAPIは異なる物理的形態を有するように製造することができる。例えば、APIは非品質であってもよく、種々の結晶性多形を有してもよく、あるいは種々の溶媒和状態または水和状態で存在してもよい。APIの形態を変えることによって、その物理的性質を変えることが可能である。例えば、より高い熱力学的に安定な多形が、より低い熱力学的に安定な多形よりも溶解度が低いように、結晶性多形は、典型的には、互いに異なる溶解度を有する。また、製薬学的多形は、貯蔵期間、生物学的利用能、形態(morphology)、蒸気圧、密度、色彩および圧縮率のような性質において異なるであろう。したがって、APIの結晶状態の改変は、その物理的性質を調節する多くの方法の1つである。
特に経口調合物として改良された性質を有するこれらのAPIの新形態物を有することは得策であろう。具体的には、増強された水性溶解度と安定性を含む、有意に改良された性質を表すAPIの改良された形態物を確認することが望ましい。さらに、製薬学的調合物の加工し易さ(processability)または製造を改良することは望ましい。例えば、APIの針状結晶様形態または晶癖(habits)は、非均一混合物が得られるように、APIが他の物質と混合される組成物においてさえ凝集を惹起する。また、水におけるAPI含有製薬学的組成物の溶解速度を増大し、経口投与される組成物の生物学的利用能を増大し、そして治療効果へのより迅速な開始を提供することが望ましい。また、被験者に投与された場合、現在既知の形態物におけるAPIの等価量に較べて、より早く最高血漿レベルに到達し、より長く継続する治療学的血漿濃度と、より高い全体的な曝露を有するAPIの形態物を得ることが望ましい。
第1の実施態様では、本発明は、
(a)API;
(b)第1のコクリスタル形成物(former);および
(c)該第1のコクリスタル形成物と同形置換できる(isomorphically substitutable)第2のコクリスタル形成物:
を含んでなる、混合コクリスタルを提供する。
その他の実施態様では、本発明は、コクリスタルが式:[API][CCF1−x[CCF(この場合、0≦X≦1)によって表すことができる混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、コクリスタルが式:[API][CCF1−x[CCF(この場合、0≦X≦1)によって表すことができる混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、コクリスタルが式:[API][CCF1−x[CCF(この場合、0≦X≦1、かつYは正の0でない整数である)によって表すことができる混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様
では、本発明は、コクリスタルが式:[API][CCF2−x[CCF(この場合、0≦X≦2)によって表すことができる混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、コクリスタルが式:[API][CCF3−x[CCF(この場合、0≦X≦3)によって表すことができる混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、コクリスタルが式:[API][CCF2−x[CCF(この場合0≦X≦2)によって表すことができる混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、コクリスタルが、該第1のコクリスタル形成物と同形置換できる第3のコクリスタル形成物をさらに含有する混合コクリスタルを提供する。
その他の実施態様では、本発明は、第1および第2のコクリスタル形成物が、アセトヒドロキサム酸、グリコール酸およびグリシンからなる群から選ばれる混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、第1および第2のコクリスタル形成物が、シュウ酸およびアラニンからなる群から選ばれる混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、第1および第2のコクリスタル形成物が、システイン、ジメチルグリシンおよびセリンからなる群から選ばれる混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、第1および第2のコクリスタル形成物が、スレオニンおよびバリンからなる群から選ばれる混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、第1および第2のコクリスタル形成物が、アスパラギン、アスパラギン酸、ロイシン、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、イソロイシン、フマル酸およびマレイン酸からなる群から選ばれる混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、第1および第2のコクリスタル形成物が、リジン、アルギニン、キシリトール、グルクロン酸、グルタミン酸、N−メチルグルカミン、グルタミン、グルタル酸、ガラクタル酸およびグルコン酸からなる群から選ばれる混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、第1および第2のコクリスタル形成物が、クエン酸およびトリス(tris)からなる群から選ばれる混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、第1および第2のコクリスタル形成物が、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸およびビタミンK5からなる群から選ばれる混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、第1および第2のコクリスタル形成物が、アデニン、サッカリン、アロプリノール(allopurinol)およびカフェインからなる群から選ばれる混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、第1および第2のコクリスタル形成物が、クリシン、ゲニステイン、ケルセチンおよびイプリフラボン(ipriflavone)からなる群から選ばれる混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、第1および第2のコクリスタル形成物が、トリプトファンおよびクレミゾール(clemizole)からなる群から選ばれる混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、第1および第2のコクリスタル形成物が、4−アミノピリジン、安息香酸、マンデル酸、ニコチンアミド、ニコチン酸、ベンゼンスルホン酸およびベンズアミドからなる群から選ばれる混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、第1および第2のコクリスタル形成物が、p−トルエンスルホン酸、4−アミノ安息香酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、ヒドロキノン、4−エトキシフェニル尿素およびサリチル酸からなる群から選ばれる混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、第1および第2のコクリスタル形成物が、ピリドキサミンおよびピリドキシンからなる群から選ばれる混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、第1および第2のコクリスタル形成物が、ゲンチジン酸および4−アミノサリチル酸からなる群から選ばれる混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、第1および第2のコクリスタル形成物が、オロト酸およびアスコルビン酸からなる群から選ばれる混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、第1および第2のコクリスタル形成物が、フェニルアラニン、チロシン、ケイ皮酸、馬尿酸、プロカイン、レスベラトロール(resveratrol)およびトリプトファンからなる群から選ばれる混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、第1およ
び第2のコクリスタル形成物が、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸および酒石酸からなる群から選ばれる混合コクリスタルを提供する。
その他の実施態様では、本発明は、第1および第2のコクリスタル形成物が鏡像異性体である混合コクリスタルを提供する。
その他の実施態様では、本発明は、第1および第2のコクリスタル形成物がコクリスタル全体に均一に分布される混合コクリスタルを提供する。
その他の実施態様では、本発明は、第1および第2のコクリスタル形成物が等モル量において存在する混合コクリスタルを提供する。
その他の実施態様では、本発明は、第1のコクリスタル形成物が第2のコクリスタル形成物よりも高いモル量において存在する混合コクリスタルを提供する。
その他の実施態様では、本発明は、第2のコクリスタル形成物が第1のコクリスタル形成物よりも高いモル量において存在する混合コクリスタルを提供する。
その他の実施態様では、本発明は、コクリスタルが示差走査熱量測定により検出される1つの融点を現す混合コクリスタルを提供する。
その他の実施態様では、本発明は、コクリスタルが親(parent)コクリスタルのそれに較べて少なくとも1つのPXRDピークの2θ角におけるシフトを現す混合コクリスタルを提供する。
その他の実施態様では、本発明は、その融点が全親コクリスタルに対して中間である混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、その溶解度が全親コクリスタルに対して中間である混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、その溶解が全親コクリスタルに対して中間である混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、その生物学的利用能が全親コクリスタルに対して中間である混合コクリスタルを提供する。
その他の実施態様では、本発明は、APIがモダフィニル(modafinil)であり、第1のコクリスタル形成物がコハク酸であり、そして第2のコクリスタル形成物がフマル酸である混合コクリスタルを提供する。
その他の実施態様では、本発明は、コクリスタルが式:
[API][CCF0.9[CCF0.1によって表すことができる混合コクリスタルを提供する。
その他の実施態様では、本発明は、コクリスタルが式:
[API][CCF0.8[CCF0.2によって表すことができる混合コクリスタルを提供する。
その他の実施態様では、本発明は、コクリスタルが式:
[API][CCF0.7[CCF0.3によって表すことができる混合コクリスタルを提供する。
その他の実施態様では、本発明は、コクリスタルが式:
[API][CCF0.6[CCF0.4によって表すことができる混合コク
リスタルを提供する。
その他の実施態様では、本発明は、コクリスタルが式:
[API][CCF0.5[CCF0.5によって表すことができる混合コクリスタルを提供する。
その他の実施態様では、本発明は、コクリスタルが式:
[API][CCF0.4[CCF0.6によって表すことができる混合コクリスタルを提供する。
その他の実施態様では、本発明は、コクリスタルが式:
[API][CCF0.3[CCF0.7によって表すことができる混合コクリスタルを提供する。
その他の実施態様では、本発明は、コクリスタルが式:
[API][CCF0.2[CCF0.8によって表すことができる混合コクリスタルを提供する。
その他の実施態様では、本発明は、コクリスタルが式:
[API][CCF0.1[CCF0.9によって表すことができる混合コクリスタルを提供する。
その他の実施態様では、本発明は、混合コクリスタルを含んでなる製薬学的組成物を提供する。その他の実施態様では、本発明は、希釈剤、賦形剤または担体をさらに含んでなる製薬学的組成物を提供する。
その他の実施態様では、本発明は、
APIを提供し;
(a)第1のコクリスタル形成物を提供し;
(b)該第1のコクリスタル形成物と同一構造(isostructural)である第2のコクリスタル形成物を提供し;
(c)固相を形成するような晶出条件下で、APIを第1および第2のコクリスタル形成物とともに、摩砕するか、加熱するか、同時昇華(co−subliming)するか、同時融解(co−melting)するかまたは溶液において接触させ;そして
(d)場合によっては、それによって形成された混合コクリスタルを単離すること
を含む、混合コクリスタルの製造方法を提供する。
その他の実施態様では、本発明は、APIおよび2種以上の同形置換できるコクリスタル形成物を含んでなる混合コクリスタルを製造することを含む、固体の関心事である化学的または物理的性質を調節する方法を提供する。
その他の実施態様では、本発明は、
(a)各々の親コクリスタルについて関心事である化学的または物理的性質を測定し;
(b)関心事である化学的または物理的性質の所望の調節をもたらすであろう各コクリスタル形成物のモル分率を決定し;そして
(c)段階(b)で決定された各コクリスタル形成物のモル分率を有する混合コクリスタルを製造すること
を含む、混合コクリスタルの関心事である化学的または物理的性質を調節する方法を提供する。
その他の実施態様では、本発明は、治療効果を必要とする哺乳動物に該混合コクリスタルを投与することを含む、混合コクリスタルを使用する方法を提供する。
その他の実施態様では、本発明は混合コクリスタルを含有する薬物を提供する。その他の実施態様では、本発明は、希釈剤、添加物または担体をさらに含有する薬物を提供する。
本明細書で使用される用語「コクリスタル」は、各々が独特の物理的特性、例えば構造、融点および融解熱を含有する、室温で2種以上の独特な固体からなる結晶性材料を意味するが、但しここで、具体的に述べれば、API(活性製薬成分)は室温で液体であってもよい。本発明のコクリスタルはAPIにH−結合(H−bonded)されたコクリスタル形成物を含有する。コクリスタル形成物は、APIに直接H−結合されてもよく、またはAPIに結合されている付加的分子にH−結合されてもよい。付加的分子は、APIにH−結合されても、またはAPIにイオン結合もしくは共有結合されてもよい。付加的分子は、また異なるAPIであってもよい。コクリスタル形成化合物をさらに含有しないAPI化合物の溶媒和物は、本発明によるコクリスタルではない。しかしながら、コクリスタルは結晶格子中に1種以上の溶媒和物分子を含んでもよい。すなわち、コクリスタルの溶媒和物、または溶媒もしくは室温で液体である化合物をさらに含有するコクリスタルは、本発明中に包含されるが、1種のみの固体および1種以上の液体(室温で)構成される(comprised of)結晶性材料は本発明には包含されないが、但し、具体的に述べられた液体APIは前述された例外である。また、コクリスタルは、コクリスタル形成物とAPIの塩との間のコクリスタルであってもよいが、APIおよび本発明のコクリスタル形成物は水素結合をとおして一緒に構築または結合される。また、pi−スタッキング、ゲスト・ホスト複合体化およびファンデルワールス相互作用を含む、他の様式分子認識(modes of molecular recognition)が存在してもよい。上記相互作用の中で、水素結合がコクリスタルの形成における顕著な相互作用であり、(および本発明により要求される相互作用)、これによって非共有結合が、部分の1つの水素結合ドナーと他の水素結合アクセプターとの間に形成される。水素結合は数種の異なる分子間立体配置をもたらすことができる。例えば、水素結合は、二量体、直鎖または環状構造をもたらすことができる。これらの立体配置は、さらに、伸長された(二次元)水素結合ネットワークおよび分離されたトリアド(triad)をもたらすことができる。また他の実施態様は、コクリスタル形成物が第2のAPIであるコクリスタルを提供する。その他の実施態様では、コクリスタル形成物はAPIではない。その他の実施態様では、コクリスタルは2種のコクリスタル形成物を含有する。また、APIが、コクリスタル形成化合物によって形成される結合格子の領域における「ゲスト」分子であり、その結果、包接複合体を形成するコクリスタルが形成されてもよい。本発明の目的では、コクリスタルの形態におけるAPIの化学的および物理的性質は、異なる形態物における同じAPIである参照化合物と比較できる。参照化合物は、遊離形態物、またはより具体的には、遊離酸、遊離塩基もしくは双性イオン;塩、より具体的には、無機塩基付加塩、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、アルミニウム塩、または有機塩基付加塩、または無機酸付加塩、例えばHBr,HCl、硫酸、硝酸またはリン酸付加塩、または有機酸付加塩、例えば酢酸、プロピオン酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ステアリン酸もしくは乳酸付加塩;遊離形態物または塩の無水物もしくは水和物、より具体的には、例えば半水和物、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物、五水和物;または遊離形態物もしくは塩の溶媒和物として特定されてもよい。また参照化合物は、結晶性もしくは非晶質として特定されてもよい。
用語「製薬学的コクリスタル」は、少なくとも1種の成分がAPIであるコクリスタルを指定するために使用することができる。用語「コクリスタル」は、API含有および非API含有コクリスタルの両方を包含する広範な用語である。それ自体、API含有コクリスタルは、本発明による「コクリスタル」もしくは「製薬学的コクリスタル」いずれを指してもよい。
本発明によれば、コクリスタルはAPIの酸付加塩もしくは塩基付加塩を含んでもよい。酸付加塩は、限定されるものではないが、無機酸、例えば塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸およびリン酸、ならびに有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、o−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ショウノウスルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸(glucoheptonic acid)、4,4’−メチレンビス(3−ヒドロキシ−2−エン−1−カルボン酸)、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert−ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタル酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸およびムコン酸を含む。
塩基付加塩は、限定されるものではないが、無機塩基、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウムおよびマグネシウム塩、および有機塩基、例えば第1級、第2級および第3級アミン(例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリ(イソプロピル)アミン、トリ(n−プロピル)アミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、トロメタミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、N−アルキルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、モルホリンおよびN−エチルピペリジン)を含む。
コクリスタル形成物に対するAPIの比率は、本発明により化学量論的でもまた非化学量論的であってもよい。例えば、API:コクリスタルの1:1,1:1.5および1:2比が許容できる。
驚くべきことに、APIおよび選ばれたコクリスタル形成化合物がコクリスタルを形成できる場合、得られるコクリスタルが、遊離形態物(遊離酸、遊離塩基および双性イオン、水和物、溶媒和物などを含む)またはその酸もしくは塩基塩におけるAPIに比較して、特に、溶解度、溶解、生物学的利用能、安定性、Cmax、Tmax、加工の容易さ、より長く継続する治療学的血漿濃度、吸湿性、非晶質化合物の結晶化、形態多様性(多形性および晶癖を含む)における低下、形態または晶癖における変化、などに関して、APIの改良された性質を惹起することが見い出された。例えば、APIのコクリスタル形態物は、元のAPIが水において不溶性または難溶性である場合に特に有利である。さらに、APIに与えられたコクリスタルの性質は、また、APIの生物学的利用能が改良でき、そしてAPIの血漿濃度および/または血清濃度が改良できるので有用である。このことは経口的に投与される調合物にとって特に有利である。さらに、APIの用量応答(dose response)は、例えば、最高の到達可能な応答を増大し、そして/または1投薬相当に対する生物活性の増強によるAPIの力価を増大することによって、改良することができる。
したがって、第1の態様では、本発明は、APIおよびコクリスタル形成化合物が晶出条件下で液相から、または例えば、摩砕または加熱をとおして固相から、コクリスタル化できるような、APIおよびコクリスタル形成化合物のコクリスタルを含んでなる製薬学的組成物を提供する。その他の態様では、APIは、エーテル、チオエーテル、アルコール、チオール、アルデヒド、ケトン、チオケトン、硝酸エステル、リン酸エステル、チオリン酸エステル、エステル、チオエステル、硫酸エステル、カルボン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、スルホン酸、アミド、第1級アミン、第2級アミン、アンモニア、第3級アミン、sp2アミン、チオシアネート、シアナミド、オキシム、ニトリル、ジアゾ、オルガノハライド、ニトロ、S−複素環式環、チオフェン、N−複素環式環、ピロール、O−複素環式環、フラン、エポキシド、ペルオキシド、ヒドロキサム酸、イミダゾールおよびピリジンから選ばれる少なくとも1個の官能基を有し、そしてコクリスタル形成化合物は、エーテル、チオエーテル、アルコール、チオール、アルデヒド、ケトン、チオケトン、硝酸エステル、リン酸エステル、チオリン酸エステル、エステル、チオエステル、硫酸エステル、カルボン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、スルホン酸、アミド、第1級アミン、第2級アミン、アンモニア、第3級アミン、sp2アミン、チオシアネート、シアナミド、オキシム、ニトリル、ジアゾ、オルガノハライド、ニトロ、S−複素環式環、チオフェン、N−複素環式環、ピロール、O−複素環式環、フラン、エポキシド、ペルオキシド、ヒドロキサム酸、イミダゾールおよびピリジンから選ばれる少なくとも1個の官能基、または本明細書の表における官能基から選ばれる少なくとも1個の官能基を有し、その結果APIおよびコクリスタル形成化合物が晶出条件下で液相からコクリスタル化できる。
本発明のコクリスタルは、APIおよびコクリスタル形成化合物が水素結合をとおして一緒に結合される場合に、形成される。また、pi−スタッキングおよびファンデルワールス相互作用を含む他の非共有相互作用が存在してもよい。
その他の実施態様では、コクリスタル形成物およびAPIのpK値における差異は2未満である。他の実施態様では、コクリスタル形成物およびAPIのpK値における差異は3未満、4未満、5未満、2〜3、3〜4、または4〜5である。
その他の実施態様では、コクリスタルは1個以上のコクリスタル形成物を含有する。例えば、2,3,4,5またはそれ以上のコクリスタル形成物はAPIとともにコクリスタル中に組み入れられる。2個以上のコクリスタル形成物およびAPIを含有するコクリスタルは水素結合を介して一緒に結合される。1つの実施態様では、組み入れられるコクリスタル形成物はAPI分子に水素結合される。その他の実施態様では、コクリスタル形成物は、API分子または組み入れられるコクリスタル形成物のいずれかに水素結合される。
さらなる実施態様では、数個のコクリスタル形成物が、可能性のあるコクリスタル種についてのAPIのスクリーニングを容易にするために、単一のコンパートメントまたはキット中に含有されてもよい。コクリスタルのキットは、表IおよびIIにおけるコクリスタル形成物の1,2,4,8,16,24,32,40,48,96,384,512,1024,1536またはそれ以上または中間整数量を含有できる。コクリスタル形成物は固形形態および個々の反応バイアルの配列において存在するので、個々のコクリスタル形成物が、1つ以上の結晶化法によって1種以上のAPIを用いて試験することができるか、あるいは多数のコクリスタル形成物が、1つ以上の結晶化法によって1種以上の化合物に対して試験することができる。結晶化法は、限定されるものではないが、融解再晶出、摩砕、粉砕、静置、蒸発による溶液からのコクリスタル形成、溶液からの熱誘導の結晶化、アンチ溶媒(anti−solvent)の添加による溶液からのコクリスタル形成、蒸気拡散による溶液からのコクリスタル形成、抜き取り(drown−out)による溶液からのコクリスタル形成、上記技術のいずれかの組み合わせによる溶液からのコクリスタル形成、同時昇華によるコクリスタル形成、クヌーセンセル(Kundsen cell)装置を用いる昇華によるコクリスタル形成、溶媒蒸気の存在下で所望のコクリスタル成分の静置によるコクリスタル形成、溶媒または溶媒混合液中での所望のコクリスタル成分のスラリー変換によるコクリスタル形成、または添加物、核、晶出促進剤、沈殿剤、化学的安定剤または抗酸化剤の存在下で上記技術のいずれかの組み合わせによるコクリスタル形成を含む。コクリスタル化キットは、単独でも、またはより大きい結晶化実験の部分としても使用することができる。例えば、キットは、単一コクリスタル形成物単一ウエル(well)キット、単一コクリスタル形成物多数ウエルキット、多数コクリスタル形成物単一ウエルキットまたは多数コクリスタル形成物多数ウエルキットとして構成することができる。
さらなる実施態様では、APIは、2003年9月11日提出の米国特許出願第10/660,202号の表IVのAPIから選ばれる。さらなる実施態様では、コクリスタル形成物と相互作用する特定のAPIの官能基は指定される。コクリスタル形成物の特定の官能基、特定のコクリスタル形成物、または特定のAPIと相互作用する特定の官能基または特定のコクリスタル形成物もまた指定されるであろう。
本発明による各方法では、APIとコクリスタル形成化合物とを接触させることが必要である。これは2種の固体を一緒に摩砕すること、または1種または両成分を融解し、それを再晶出させることを伴ってもよい。これはまた、APIを溶解し、そしてコクリスタル形成物を添加するか、またはコクリスタル形成物を溶解し、そしてAPIを添加するかいずれを伴ってもよい。晶出条件はAPIおよびコクリスタル形成化合物に適用される。これは、溶液の性質、例えばpHまたは温度を変えることを伴ってもよく、そして、通常溶媒の除去、典型的には溶液の乾燥による溶質の濃縮を必要としてもよい。溶媒除去は、APIとコクリスタル形成物両方の濃度の継時的な増大をもたらし、結晶化を促進する。いかなる結晶であれ含有する固相が形成されると、これが本明細書に記述されるように試験できる。
そのような工程段階の結果として得られたコクリスタルは、慣用の手段によって製薬学的組成物中に容易に組み込むことができる。一般に製薬学的組成物は以下においてさらに詳細に議論され、そして製薬学的に許容できる希釈剤、賦形剤または担体をさらに含有してもよい。
さらなる態様では、本発明は、
(1)エーテル、チオエーテル、アルコール、チオール、アルデヒド、ケトン、チオケトン、硝酸エステル、リン酸エステル、チオリン酸エステル、エステル、チオエステル、硫酸エステル、カルボン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、スルホン酸、アミド、第1級アミン、第2級アミン、アンモニア、第3級アミン、sp2アミン、チオシアネート、シアナミド、オキシム、ニトリル、ジアゾ、オルガノハライド、ニトロ、S−複素環式環、チオフェン、N−複素環式環、ピロール、O−複素環式環、フラン、エポキシド、ペルオキシド、ヒドロキサム酸、イミダゾールおよびピリジンから選ばれる少なくとも1個の官能基を有するAPIを提供し;
(2)エーテル、チオエーテル、アルコール、チオール、アルデヒド、ケトン、チオケトン、硝酸エステル、リン酸エステル、チオリン酸エステル、エステル、チオエステル、硫酸エステル、カルボン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、スルホン酸、アミド、第1級アミン、第2級アミン、アンモニア、第3級アミン、sp2アミン、チオシアネート、シアナミド、オキシム、ニトリル、ジアゾ、オルガノハライド、ニトロ、S−複素環式環、チオフェン、N−複素環式環、ピロール、O−複素環式環、フラン、エポキシド、ペルオキシド、ヒドロキサム酸、イミダゾールおよびピリジンから選ばれる少なくとも1個の官能基を有するコクリスタル形成物を提供し;
(3)晶出条件下でAPIをコクリスタル形成化合物とともに摩砕するか、加熱するかまたは溶液中で接触させ;
(4)それによって形成されたコクリスタルを単離し;そして
(5)コクリスタルを製薬学的組成物中に組み入れること
を含む、製薬学的組成物の製造方法を提供する。
なおさらなる態様では、本発明は、
(1)固相を形成するような晶出条件下で、APIをコクリスタル形成化合物とともに摩砕するか、加熱するかまたは溶液中で接触させ;
(2)APIおよびコクリスタル形成化合物を含んでなるコクリスタルを単離し;そして(3)コクリスタルを製薬学的組成物中に組み入れること
を含む、製薬学的組成物の製造方法を提供する。
APIおよびコクリスタル形成化合物のコクリスタルの存在についての固相のアッセイは、当該技術分野において既知の慣用法によって実施されてもよい。例えば、粉末X線回折技術を用いてコクリスタルの存在を調査することが便利であり、日常的である。これは、真のコクリスタルが形成されたか否かを確認するために、API、コクリスタル形成化合物および推定されるコクリスタルのスペクトルを比較することによって実施されてもよい。類似の方式で使用される他の技術は、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)およびRaman分光法を含む。単結晶X線回折はコクリスタルの構造を同定するのに特に有用である。
さらなる態様では、本発明は、したがって、
(1)(i)API化合物、および(ii)コクリスタル形成化合物を提供し;そして(2)APIおよびコクリスタル形成化合物の各組み合わせを、
(a)固相を形成するような晶出条件下で、APIをコクリスタル形成化合物とともに摩砕するか、加熱するかまたは溶液中で接触させ;そして
(b)APIおよびコクリスタル形成化合物を含んでなるコクリスタルを単離する、段階に懸けることによって、APIとコクリスタル形成化合物とのコクリスタルについてスクリーニングすること
を含む、コクリスタル化合物のスクリーニング方法を提供する。
また他の実施態様は、
(1)少なくとも1種のAPIおよびコクリスタル形成化合物がその多数として提供される場合、(i)APIまたは多数の異なるAPI、および(ii)コクリスタル形成化合物または多数の異なるコクリスタル形成化合物を提供し;そして
(2)APIおよびコクリスタル形成化合物の各組み合わせを、
(a)固相を形成するような晶出条件下で、APIをコクリスタル形成化合物とともに摩砕するか、加熱するかまたは溶液中で接触させ;そして
(b)APIおよびコクリスタル形成化合物を含んでなるコクリスタルを単離する、段階に懸けることによって、APIとコクリスタル形成化合物とのコクリスタルについてスクリーニングすること
を含む、コクリスタル化合物のスクリーニング方法に当てられる。
本明細書で定義されるように、混合コクリスタルは、3種以上の別個の化学的実体を含有するコクリスタルであって、この場合、2種以上の化学的実体は、コクリスタルの結晶学的非対称単位または単位胞において本質的に同じ空間を占め、そして1つの化学的実体を第2の化学的実体と無作為様式で交換することによって全体のコクリスタルをとおして分散される。同一構造性(isostructurality)は十分に類似する単位胞パラメーターとして定義できる。また、原子の位置の高度の内部重複が同一構造性を示す
ことができる。1つの実施態様では、1対の鏡像異性体は同一構造であると考えられる。その他の実施態様では、同一構造性は、同一の原子立体配置をもつ分子に限定できる。その他の実施態様では、同一構造性は、表現pi=abs[(a+b+c)/(a’+b’+c’)]−1によって記述することができ、この場合、piは0に等しいかまたは0に近い(a,bおよびcは1つの結晶格子の単位胞パラメーターであり、a’,b’およびc’は他の結晶格子の単位胞パラメーターである)。
表現はActa Crystallographica 1999,B55,1099−1108から採用される。その他の実施態様では、同一構造性は−0.5≦pi≦0.5として定義される。その他の実施態様では、同一構造性は−0.25≦pi≦0.25として定義される。その他の実施態様では、同一構造性は−0.1≦pi≦0.1として定義される。その他の実施態様では、同一構造性は−0.05≦pi≦0.05として定義される。その他の実施態様では、同一構造性は−0.01≦pi≦0.01として定義される。混合コクリスタルは、1個以上のコクリスタル成分の同形置換物を組み入れる。同形構造は、原子立体配置において変わり得るが、同じ官能基の幾何学的位置(geometry)および相互作用を保持する。コクリスタル格子内のコクリスタル形成物の同形置換または交換は、同じ分子間相互作用を必要とし、これが存在している全体的な結晶構造に関与している。このことを達成するために、同形コクリスタル形成物は、同じまたは類似の官能基および幾何学的位置を含有しなければならない。したがって、親コクリスタル構造は、その後の混合コクリスタルにおいて数個の同形コクリスタル形成物のいずれか1つによって保持される。その他の実施態様では、同一構造性のコクリスタル形成物は、結晶構造を変えることなく混合コクリスタル格子内で交換することができる。その他の実施態様では、同形コクリスタル形成物は、結晶構造を変えることなく混合コクリスタル格子内で交換することができる。同形(isomorphism)は、その他の化合物、塩またはコクリスタルのそれに類似する形態物において結晶化する能力として定義できる。特定の非限定例として、モダフィニルおよびコハク酸を含んでなるコクリスタルは、同一構造性のコクリスタル形成物、例えばフマル酸の存在下で同形置換を受けることができる。この場合、モダフィニル、コハク酸およびフマル酸を含んでなる混合製薬学的コクリスタルは、コハク酸分子の一部がフマル酸によって置換された場合に生じる。一般に、混合コクリスタルの非限定例は、表現[API][CCF1−x[CCFで記述され、この場合、第1のコクリスタル形成物(CCF)が第2のコクリスタル形成物(CCF)によって同形置換を受けている。混合コクリスタルは、限定されるものではないが、[API][CCF1−X[CCF(この場合0≦X≦1)、[API][CCF1−X[CCF(この場合0≦X≦1)、[API][CCF1−X[CCF(この場合0≦X≦1およびYは正の0ではない整数である)、[API][CCF2−X[CCF(この場合0≦X≦2)、[API][CCF3−X[CCF(この場合0≦X≦3)および[API][CCF2−X[CCF(この場合0≦X≦2)を含む、多くの理論量(stoichiometry)のいずれか1つを有してもよい。実施例1では、コクリスタルの成分がモダフィニル、コハク酸およびフマル酸である混合製薬学的コクリスタルが記述される。コハク酸およびフマル酸は同形置換可能であり、そしてコクリスタルの分子間構造を有意に変えることなくコクリスタル格子内で交換することができる。
その他の実施態様では、混合コクリスタルは、
API;
(d)第1のコクリスタル形成物;および
(e)該第1のコクリスタルと同形置換可能である第2のコクリスタル形成物:
を含有する。
混合コクリスタルの性質は、参照材料としての1種以上の親コクリスタルの性質に比較することができる。親コクリスタルは、本質的に、APIおよび関連する混合コクリスタルの1種のみのコクリスタル形成物からなるコクリスタルとして定義される。例えば、モダフィニル、コハク酸およびフマル酸を含んでなる混合コクリスタルは、2種の親コクリスタル:モダフィニル:コハク酸コクリスタルおよびモダフィニル:フマル酸コクリスタルを有する。
混合コクリスタルは3種以上の化学的実体を含有してもよく、そして2種以上の同形置換可能な種を含んでもよい。さらに、そのような混合コクリスタルはモダフィニルの混合コクリスタルに限定されないが、2003年9月11日提出の米国特許出願第10/660,202号の表IVに列挙されたものを含む、多くのAPIの1種以上を含有してもよく、該表IVは引用によって完全に本明細書に組み入れられている。2003年9月11日提出の米国特許出願第10/660,202号の表I、IIおよびIIIはまた、引用によって完全に組み入れられている。該米国特許出願の該表I,IIおよびIIIは、コクリスタル形成物、および両APIおよびコクリスタル形成物のH結合する官能基(ドナーおよびアクセプター)のリストを含む。
その他の実施態様では、混合コクリスタルにおけるコクリスタル形成物は、コクリスタル全体に均一に分布される。コクリスタル形成物は等モル量または他のモル量において存在してもよい。例えば、混合コクリスタルに存在する全コクリスタル形成物に関して1種のコクリスタル形成物のモル分率は、約0.001,0.005,0.01,0,05,0.10,0.15,0.20,0.25,0.30,0.35,0.40,0.45,0.50,0.55,0.60,0.65,0.70,0.75,0.80,0.85,0.9,0.95,0.99,0.995,0.999またはすべての中間の値であってもよい。
その他の実施態様では、混合コクリスタルは示差走査熱量測定(DSC)により検出されるような1つの融点を示す。DSCは特性決定するために使用され、そして2種以上の別々なコクリスタルの混合物から混合コクリスタルを区別できる。DSCおよびPXRDは、結晶構造全体の均一性を示すために使用されてもよい。
その他の実施態様では、混合コクリスタルは、1種以上の親コクリスタルのPXRD回折図に関して1個以上のPXRDピークのピークシフトを示す。
その他の実施態様では、混合コクリスタルは、親コクリスタルのそれに相応している物理的および化学的性質を表す。これらの物理的および化学的性質は、限定されるものではないが、融点、溶解度、溶解、生物学的利用能、吸湿性などを含む。その他の実施態様では、混合コクリスタルは、親コクリスタルに関して混合コクリスタル組成物において直線的に依存する物理的および化学的性質を表す。例えば、理論量が[API][CCF0.9[CCF0.1であるモダフィニル(API)、コハク酸(CCF)およびフマル酸(CCF)を含んでなる混合コクリスタルは、親コクリスタル モダフィニル:コハク酸のそれに密接に関係した物理的および化学的性質を表す。しかしながら、理論量が[API][CCF0.1[CCF0.9であるモダフィニル(API)、コハク酸(CCF)およびフマル酸(CCF)を含んでなる混合コクリスタルは、親コクリスタル モダフィニル:フマル酸のそれに密接に関係した物理的および化学的性質を表す。
その他の実施態様では、本発明は、APIおよび2種以上のコクリスタル形成物を含んでなる混合コクリスタルを製造することを含む、固体の関心事である化学的および物理的性質を調節する方法を含む。
その他の実施態様では、本発明は、
(d)各親コクリスタルについて関心事である化学的および物理的性質を測定し;
(e)関心事である化学的および物理的性質の所望の調節をもたらすであろう各コクリスタル形成物のモル分率を決定し;そして
(f)段階(b)において決定された各コクリスタル形成物のモル分率をもつ混合コクリスタルを製造すること
を含む、混合コクリスタルの興味ある化学的および物理的性質を調節する方法を含む。
その他の実施態様では、本発明は混合コクリスタルを含んでなる製薬学的組成物を提供する。その他の実施態様では、製薬学的組成物は希釈剤、賦形剤または担体をさらに含有する。
その他の実施態様では、本発明は、
(e)APIを提供し;
(f)第1のコクリスタル形成物を提供し;
(g)該第1のコクリスタル形成物と同形置換可能である第2のコクリスタル形成物を提供し;
(h)固相を形成するような晶出条件下で、APIを第1および第2コクリスタル形成物とともに、摩砕するか、加熱するか、同時昇華するか、同時融解するかまたは溶液において接触させ;そして
(i)場合によっては、それによって形成された混合コクリスタルを単離すること
を含む、混合コクリスタルの製造方法を含む。
その他の実施態様では、同形置換可能なコクリスタル形成物が、アセトヒドロキサム酸、グリコール酸およびグリシンからなる群から選ばれる。その他の実施態様では、同形置換可能なコクリスタル形成物が、シュウ酸およびアラニンからなる群から選ばれる。その他の実施態様では、同形置換可能なコクリスタル形成物が、システイン、ジメチルグリシンおよびセリンからなる群から選ばれる。その他の実施態様では、同形置換可能なコクリスタル形成物が、スレオニンおよびバリンからなる群から選ばれる。その他の実施態様では、同形置換可能なコクリスタル形成物が、アスパラギン、アスパラギン酸、ロイシン、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、イソロイシン、フマル酸およびマレイン酸からなる群から選ばれる。その他の実施態様では、同形置換可能なコクリスタル形成物が、リジン、アルギニン、キシリトール、グルクロン酸、グルタミン酸、N−メチルグルカミン、グルタミン、グルタル酸、ガラクタル酸およびグルコン酸からなる群から選ばれる。その他の実施態様では、同形置換可能なコクリスタル形成物が、クエン酸およびトリスからなる群から選ばれる。その他の実施態様では、同形置換可能なコクリスタル形成物が、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸およびビタミンK5からなる群から選ばれる。その他の実施態様では、同形置換可能なコクリスタル形成物が、アデニン、サッカリン、アロプリノール(allopurinol)およびカフェインからなる群から選ばれる。その他の実施態様では、同形置換可能なコクリスタル形成物が、クリシン、ゲニステイン、ケルセチンおよびイプリフラボン(ipriflavone)からなる群から選ばれる。その他の実施態様では、同形置換可能なコクリスタル形成物が、トリプトファンおよびクレミゾール(clemizole)からなる群から選ばれる。その他の実施態様では、同形置換可能なコクリスタル形成物が、4−アミノピリジン、安息香酸、マンデル酸、ニコチンアミド、ニコチン酸、ベンゼンスルホン酸およびベンズアミドからなる群から選ばれる。その他の実施態様では、同形置換可能なコクリスタル形成物が、p−トルエンスルホン酸、4−アミノ安息香酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、ヒドロキノン、4−エトキシフェニル尿素およびサリチル酸からなる群から選ばれる。その他の実施態様では、同形置換可能なコクリスタル形成物が、ピリドキサミンおよびピリドキシンからなる群から選ばれる。その他の実施態様では、同形置換可能なコクリスタル形成物が、ゲンチジン酸および4−アミノサリチル酸からなる群から選ばれる。その他の実施態様では、同形置換可能なコクリスタル形成物が、オロト酸およびアスコルビン酸からなる群から選ばれる。その他の実施態様では、同形置換可能なコクリスタル形成物が、フェニルアラニン、チロシン、ケイ皮酸、馬尿酸、プロカイン、レスベラトロール(resveratrol)およびトリプトファンからなる群から選ばれる。その他の実施態様では、同形置換可能なコクリスタル形成物が、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸および酒石酸からなる群から選ばれる。
その他の実施態様では、鏡像異性体コクリスタル形成物を含んでなる混合コクリスタルは、本発明から特に排除することができる。
その他の実施態様では、本発明は、モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、本発明は、モダフィニル:コハク酸およびモダフィニル:フマル酸親コクリスタルを提供する。その他の実施態様では、1:0.1:0.9モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルが提供される。その他の実施態様では、1:0.2:0.8モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルが提供される。その他の実施態様では、1:0.3:0.7モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルが提供される。その他の実施態様では、1:0.4:0.6モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルが提供される。その他の実施態様では、1:0.5:0.5モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルが提供される。その他の実施態様では、1:0.6:0.4モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルが提供される。その他の実施態様では、1:0.7:0.3モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルが提供される。その他の実施態様では、1:0.8:0.2モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルが提供される。その他の実施態様では、1:0.9:0.1モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルが提供される。その他の実施態様では、1:0.1:0.9モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルが提供されるが、この場合、そのPXRD回折図は、図16において示されたものと実質的に同じである。その他の実施態様では、1:0.2:0.8モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルが提供されるが、この場合、そのPXRD回折図は、図15において示されたものと実質的に同じである。その他の実施態様では、1:0.3:0.7モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルが提供されるが、この場合、そのPXRD回折図は、図14において示されたものと実質的に同じである。その他の実施態様では、1:0.4:0.6モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルが提供されるが、この場合、そのPXRD回折図は、図13において示されたものと実質的に同じである。その他の実施態様では、1:0.5:0.5モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルが提供されるが、この場合、そのPXRD回折図は、図12において示されたものと実質的に同じである。その他の実施態様では、1:0.6:0.4モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルが提供されるが、この場合、そのPXRD回折図は、図11において示されたものと実質的に同じである。その他の実施態様では、1:0.7:0.3モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルが提供されるが、この場合、そのPXRD回折図は、図10において示されたものと実質的に同じである。その他の実施態様では、1:0.8:0.2モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルが提供されるが、この場合、そのPXRD回折図は、図9において示されたものと実質的に同じである。その他の実施態様では、1:0.9:0.1モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルが提供されるが、この場合、そのPXRD回折図は、図8において示されたものと実質的に同じである。
溶解度の調節
さらなる態様では、方法が、
(1)APIおよびコクリスタル形成化合物のコクリスタルを形成するような晶出条件下
で、APIをコクリスタル形成化合物とともに、摩砕するか、加熱するかまたは溶液において接触させ;そして
(2)APIおよびコクリスタル形成化合物を含んでなるコクリスタルを単離すること
を含む、APIの溶解度を調節する方法を提供する。
1つの実施態様では、APIの溶解度は、水性溶解度が増大するように調節される。APIの溶解度は、APIの飽和溶液におけるAPIの量のクロマトグラフィー(例えば、HPLC)または分光法による決定、例えばUV分光法、IR分光法、Raman分光法、定量質量分光法またはガスクロマトグラフィーのようないかなる慣用手段によって測定されてもよい。
本発明のその他の態様では、APIは低い水性溶解度を有してもよい。典型的には、本出願における低水性溶解度は、37℃で測定された場合、10mg/ml未満かまたはそれに等しいか、または5mg/mlもしくは1mg/ml未満かまたはそれに等しい、水における溶解度を有する化合物を指す。低水性溶解度は、37℃で測定された場合、900,800,700,600,500,400,300,200,150,100,90,80,70,60,50,40,30,20μg/ml、またはさらに10,5もしくは1μg/ml、またはさらに900,800,700,600,500,400,300,200,150,100,90,80,70,60,50,40,30,20または10ng/ml未満かまたはそれに等しいか、または10ng/ml未満として、さらに具体的に定義できる。また、水性溶解度は、500,400,300,200,150,100,75,50または25mg/ml未満として指定することができる。本発明の実施態様としては、溶解度は、参照形態物(例えば、結晶性または非晶質遊離酸、遊離塩基または双性イオン、水和物または溶媒和物)またはその塩のコクリスタルを作成することによって、2,3,4,5,7,10,15,20,25,50,75,100,200,300,500,750,1000,5000または10,000倍増大することができる。さらに水性溶解度は、水よりむしろ擬似胃液(SGF)または擬似腸液(SIF)において測定されてもよい。本発明のSGF(未希釈)は、水中でTritonX−100 1g/LおよびNaCl 2g/Lを合わせ、そして20mMHClによりpHを調節して最終pH=1.7をもつ溶液を得ることによって作成される(SIFは0.68%一塩基性リン酸カリウム、1%パンクレアチン、および水酸化ナトリウムを含みその最終溶液のpHは7.5である)。また、使用される溶媒のpHは、1,1.1,1.2,1.3,1.4,1.5,1.6,1.7,1.8,1.9,2,2.1,2.2,2.3,2.4,2.5,2.6,2.7,2.8,2.9,3,3.5,4,4.5,5,5.5,6,6.5,7,7.5,8,8.5,9,9.5,10,10.5,11,11.5または12、または連続する値の間のすべてのpHとして指定されてもよい。
実施態様の例は、参照形態物よりも少なくとも5倍増大される、37℃でpH7.0における水性溶解度をもつコクリスタル組成物、参照形態物よりも少なくとも5倍増大される、SGFにおける溶解度をもつコクリスタル組成物、参照形態物よりも少なくとも5倍増大される、SIFにおける溶解度をもつコクリスタル組成物を含む。
溶解の調節
本発明のその他の態様では、APIの溶解プロフィルが、水性における溶解速度、または擬似胃液または擬似腸液または1種もしくは多種の溶媒における溶解速度が増大されることによって調節される。溶解速度は、API固体が溶解媒質に溶解する速度である。吸収速度が溶解速度よりも速いAPI(例えば、ステロイド)では、吸収過程において速度を制約する段階は、しばしば溶解速度である。吸収部位における制約される滞留時間のために、それらが腸の吸収部位から移動される前に溶解されていないAPIは無駄になると考えられる。したがって、溶解速度は、難溶性であるAPIの性能に大きな影響を及ぼす
。この因子のために、固形投薬形態物におけるAPIの溶解速度は、API製造工程において使用される重要な日常的品質管理パラメーターである。
溶解速度=KS(C−C)
式中、Kは溶解速度定数であり、Sは表面積であり、Cは見掛け溶解度であり、そしてCは溶解媒質におけるAPIの濃度である。
急速なAPIの吸収では、C−CはCにほぼ等しい。
APIの溶解速度は当該技術分野において既知の慣用手段によって測定されてもよい。
参照形態物(例えば、遊離形態物または塩)に比較した、コクリスタルの溶解速度における増大は、同じ溶液における参照形態物(例えば、遊離形態物または塩形態物)よりも、例えば、10,20,30,40,50,60,70,80,90もしくは100%、または2,3,4,5,6,7,8,9,10,15,20,25,30,40,50,75,100,125,150,175,200,250,300,350,400,500,1000,10,000もしくは100,000倍大きいとして指定されてもよい。溶解速度が測定される条件は、先に議論されたとおりである。溶解における増大は、平衡溶解度に達する前に組成物が過飽和のまま留まる時間としてさらに指定されてもよい。
前記実施態様の例は、参照形態物より少なくとも5倍増大される、37℃でpH7.0の水性溶液における溶解速度をもつコクリスタル組成物、参照形態物より少なくとも5倍増大される、SGFにおける溶解速度をもつコクリスタル組成物、参照形態物より少なくとも5倍増大される、SIFにおける溶解速度をもつコクリスタル組成物を含む。
生物学的利用能の調節
本発明の方法は、より大きい溶解度、溶解および生物学的利用能を有する製薬学的API調合物を作成するために使用される。生物学的利用能は、AUCにおける増大、Tmax(ピークの血液血清レベルに達する時間)までの時間の減少、またはCmaxの増大によって改良することができる。本発明は、中性形態物または塩のみ(参照形態物)に比べてAPIのより高い血漿濃度をもたらすことができる。
AUCは、API投与後の時間に対するAPIの血漿濃度(濃度の対数ではない)のプロット下の面積である。面積は、便利には「台形ルール」によって決定される:データポイントが直線セグメントによって連結され、垂線が横座標から各データポイントまで立てられ、そしてそのように構築された三角形および台形の面積の合計が算出される。最終測定濃度(時間tにおけるC)が0ではない場合、tから無限時間までのAUCはC/kelとして評価される。
AUCは、APIの生物学的利用能を評価する際およびAPIの総クリアランス(Cl)を評価する際に特別の用途を有する。単回の静脈内投薬後、一次消失(elimination)速度論に従うシングル・コンパートメント・システム(single compartment systems)では、AUC=D/Cl(式中、Dは用量である);あるいはまた、AUC=C/kel(式中、kelはAPI消失速度定数である)である。静脈内以外の経路については、そのようなシステムでは、AUC=F・D/Cl(式中、FはAPIの絶対生物学的利用能である)である。
かくして、さらなる態様では、本発明は、方法が、
(1)APIおよびコクリスタル形成化合物のコクリスタルを形成するような晶出条件下で、APIをコクリスタル形成化合物とともに、摩砕するか、加熱するかまたは溶液において接触させ;そして
(2)APIおよびコクリスタル形成化合物を含んでなるコクリスタルを単離すること
を含む、コクリスタルとしてその正常かつ有効な用量範囲において投与された場合に参照形態物に較べてAUCが増大されるか、Tmaxまでの時間が減少されるかまたはCmaxが増大される、APIの生物学的利用能を調節する方法を提供する。
前記実施態様の例は、参照形態物に較べて少なくとも10%減少されるTmaxまでの時間をもつコクリスタル組成物、参照形態物よりも少なくとも20%減少されるTmaxまでの時間をもつコクリスタル組成物、参照形態物よりも少なくとも40%減少されるTmaxまでの時間をもつコクリスタル組成物、参照形態物よりも少なくとも50%減少されるTmaxまでの時間をもつコクリスタル組成物、参照形態物よりも少なくとも60%減少されるTmaxをもつコクリスタル組成物、参照形態物よりも少なくとも70%減少されるTmaxをもつコクリスタル組成物、参照形態物よりも少なくとも80%減少されるTmaxをもつコクリスタル組成物、参照形態物よりも少なくとも90%減少されるTmaxをもつコクリスタル組成物、参照形態物よりも少なくとも20%増大されるCmaxをもつコクリスタル組成物、参照形態物よりも少なくとも30%増大されるCmaxをもつコクリスタル組成物、参照形態物よりも少なくとも40%増大されるCmaxをもつコクリスタル組成物、参照形態物よりも少なくとも50%増大されるCmaxをもつコクリスタル組成物、参照形態物よりも少なくとも60%増大されるCmaxをもつコクリスタル組成物、参照形態物よりも少なくとも70%増大されるCmaxをもつコクリスタル組成物、参照形態物よりも少なくとも80%増大されるCmaxをもつコクリスタル組成物、少なくとも2倍、3倍、5倍、7.5倍、10倍、25倍、50倍もしくは100倍増大されるCmaxをもつコクリスタル組成物、参照形態物よりも少なくとも10%増大されるAUCをもつコクリスタル組成物、参照形態物よりも少なくとも20%増大されるAUCをもつコクリスタル組成物、参照形態物よりも少なくとも30%増大されるAUCをもつコクリスタル組成物、参照形態物よりも少なくとも40%増大されるAUCをもつコクリスタル組成物、参照形態物よりも少なくとも50%増大されるAUCをもつコクリスタル組成物、参照形態物よりも少なくとも60%増大されるAUCをもつコクリスタル組成物、参照形態物よりも少なくとも70%増大されるAUCをもつコクリスタル組成物、参照形態物よりも少なくとも80%増大されるAUCをもつコクリスタル組成物、または少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍もしくは10倍増大されるAUCをもつコクリスタル組成物を含む。他の例は、参照形態物が結晶性である場合、参照形態物が無定形である場合、参照形態物が無水結晶性ナトリウム塩である場合、または参照形態物が無水結晶性HCl塩である場合を含む。
用量応答の調節
さらなる態様では、本発明は、方法が、
(1)APIおよびコクリスタル形成化合物のコクリスタルを形成するような晶出条件下で、APIをコクリスタル形成化合物と溶液において接触させ;そして
(2)APIおよびコクリスタル形成化合物を含んでなるコクリスタルを単離すること
を含む、APIの用量応答を改良する方法を提供する。
用量応答は、応答の大きさと応答を誘導する用量との間の定量的関係であり、そして当該技術分野において既知の慣用手段によって測定されてもよい。API−細胞系について用量(独立した変量)に対する効果(依存した変量)に関係する曲線が「用量−応答曲線」である。典型的には、用量−応答曲線は、与えられたAPIの用量(mg/kg)に対してプロットされたAPIに対して測定された応答である。また、用量応答曲線は、与えられたAPIの用量に対するAUCの曲線であってもよい。
本発明の1つの実施態様では、本発明のコクリスタルは、対応する参照形態物よりも増大された用量応答曲線(increased dose response curve
)またはより直線的な用量応答曲線(more linear dose response curve)を有する。
増大された安定性
なおさらなる態様では、本発明は、
(1)APIおよびコクリスタル形成化合物のコクリスタルを形成するような晶出条件下で、製薬学的塩をコクリスタル形成化合物とともに、摩砕するか、加熱するかまたは溶液において接触させ;そして
(2)APIおよびコクリスタル形成化合物を含んでなるコクリスタルを単離すること
を含む、APIの安定性(その遊離形態物またはその塩のような参照形態物に比べて)を改良する方法を提供する。
その他の実施態様では、APIまたは活性製薬成分(API)およびAPIを含んでなる調合物を含有する本発明の組成物は、製薬学的使用のために適当に安定である。その他の実施態様では、本発明のAPIまたはその調合物は、30℃で2年間貯蔵された場合、0.2%未満のいずれかの分解物が形成されるように安定である。用語「分解物(degradant)」は、本明細書では、ただ1種類の化学反応の生成物を指す。例えば、本発明の目的のために、1分子を2生成物に分解する加水分解が生じる場合、それは単分解物と考える。その他の実施態様では、40℃で2年間貯蔵された場合、0.2%未満のいずれかの分解物が形成される。あるいはまた、30℃で3ヶ月間貯蔵された場合、0.2%もしくは0.15%、または0.1%未満のいずれかの分解物が形成されるか、あるいは40℃で3カ月間貯蔵された場合、0.2%もしくは0.15%、または0.1%未満のいずれかの分解物が形成される。さらにあるいは、60℃で4週間貯蔵された場合、0.2%もしくは0.15%、または0.1%未満のいずれか1つの分解物が形成される。相対湿度(RH)は、周囲(RH)、75%(RH)または1〜99%のいずれかの1整数として指定されてもよい。
塩形成困難(difficult to salt)または塩形成不可能な(unsaltable)化合物
なおさらなる態様では、本発明は、方法が、
(1)APIおよびコクリスタル形成化合物のコクリスタルを形成するような晶出条件下で、APIをコクリスタル形成化合物とともに、摩砕するか、加熱するかまたは溶液において接触させ;そして
(2)APIおよびコクリスタル形成化合物を含んでなるコクリスタルを単離すること
を含む、塩形成不可能または塩形成困難なAPIのコクリスタルを作成する方法を提供する。
塩形成困難な化合物は、pKa<3をもつ塩基またはpKa>10をもつ酸を含む。双性イオンはまた、本発明による塩形成困難または塩形成不可能な化合物である。
吸湿性の低下
なおさらなる態様では、本発明は、方法が、
(1)APIおよびコクリスタル形成化合物のコクリスタルを形成するような晶出条件下で、APIをコクリスタル形成化合物とともに、摩砕するか、加熱するかまたは溶液において接触させ;そして
(2)APIおよびコクリスタル形成化合物を含んでなるコクリスタルを単離すること
を含む、APIの吸湿性を低下させる方法を提供する。
本発明の一態様は、無定形または結晶性の、遊離形態物または塩(ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムのような金属塩を含む)またはその他の参照化
合物よりも低い吸湿性であるAPIのコクリスタルを含んでなる製薬学的組成物を提供する。吸湿性は動的蒸気収着分析によって検査でき、この場合、化合物の5〜50mgがCahn微量天秤から懸垂される。分析される化合物は、非吸湿性の皿に置かれ、その重量が、同一材料からなり、かつほとんど同一のサイズ、型および重量を有する空の皿に較べて測定されるべきである。理想的には、プラチナの皿が使用されるべきである。皿は小部屋に懸垂され、ここには、制御された既知の相対湿度(%RH)を有する気体、例えば空気または窒素が平衡基準が満たされるまで流動される。典型的な平衡基準は、一定湿度と温度において3分にわたる0.01%未満の重量変化を含む。相対湿度は、40℃において一定重量(3分に<0.01%の変化)まで窒素下で乾燥されたサンプルについて測定されるべきであり、そうすることが、材料を脱溶媒和(de−solvate)しないか、または無定形化合物に変換しないであろう。1つの態様では、乾燥化合物の吸湿性は、5%RHの増分(increments)で5から95%までRHを増大し、次いで5%の増分(increments)で95から5%までRHを減少して、湿度収着等温線を生成することによって調査できる。サンプル重量は、%RHにおける各変化間で平衡化させるべきである。化合物が75%RH以上95%RH以下で潮解するか、または無定形になる場合、実験は新鮮なサンプルを用いて繰り返されるべきであり、サイクリングのための相対湿度は、5〜95%RHの代わりに5〜75%RHまたは10〜75%RHに狭めるべきである。サンプルが形態の安定性を欠くので試験前に乾燥することができない場合は、サンプルは10〜75%RHまたは5〜95%RHのいずれか2つの完全な湿度サイクルを用いて検討されるべきであり、そしてもし最初のサイクルの終了時に有意な重量損があるならば第2のサイクルの結果が使用されるべきである。
吸湿性は種々のパラメーターを用いて定義することができる。本発明の目的では、非吸湿性分子は、10〜75%RH(25℃における相対湿度)の間で循環される場合、25℃において1.0%または0.5%以上の重量を得るか失うかしてはならない。本非吸湿性分子は、例えば、25℃において5〜95%RHの間で循環される場合、1.0%または0.5%以上の重量、または10〜75%RHの間でその重量の0.25%以上を得るか失うかしてはならない。その他の実施態様では、非吸湿性分子は、5〜95%RHの間で循環される場合、その重量の0.25%以上を得るか失うかしないであろう。
あるいはまた、本発明の目的では、吸湿性は、Callaghan et al.,”Equilibrium moisture content of pharmaceutical excipients”,in Api Dev.Ind.Pharm.,Vol.8,pp.335−369(1982)のパラメーターを用いて定義できる。
クラス1:非吸湿性 相対湿度90%未満では、本質的に水分増加は起きない。
クラス2:やや吸湿性 相対湿度80%未満では、本質的に水分増加は起きない。
クラス3:中度の吸湿性 相対湿度60%未満で1週間の貯蔵後、水分含量は5%
以上増加しない。
クラス4:非常に吸湿性 40〜50%の低い相対湿度で、水分含量増加が起きる。
あるいはまた、本発明の目的では、吸湿性は、European Pharmacopeia Technical Guide(1999,p.86)のパラメーターを用いて定義されてもよく、これは、25℃で24時間、80%RHにおける貯蔵後に静置法(static method)に基づく吸湿性を定義している:
わずかに吸湿性: 質量における増加は2%m/m未満であり、そして0.2%m/
mに等しいかまたはそれを超える。
吸湿性: 質量における増加は15%m/m未満であり、そして0.2%m
/mに等しいかまたはそれを超える。
非常に吸湿性: 質量における増加は15%m/mに等しいかまたはそれを超える。
潮解: 十分な水分を吸収して液体を形成する。
本発明のコクリスタルは、クラス1、クラス2もしくはクラス3にあるか、またはわずかに吸湿性、吸湿性もしくは非常に吸湿性であるとして説明されてもよい。また、本発明のコクリスタルは、吸湿性を低下するそれらの能力に基づいて説明されてもよい。かくして、本発明のコクリスタルは参照化合物よりも低い吸湿性であり得る。参照化合物は、遊離形態物(遊離酸、遊離塩基、水和物、溶媒和物など)または塩(例えば、特にナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウムまたはマグネシウムのような金属塩)として指定されてもよい。さらに、本発明には、10〜75%RHの間で循環される場合、25℃において1.0%より大の重量を得るか失うかしないコクリスタルが含まれ、この場合、参照化合物は同じ条件下で1.0%より大の重量を得るかまたは失う。さらに、本発明には、10〜75%RHの間で循環される場合、25℃において0.5%より大の重量を得るか失うかしないコクリスタルが含まれ、この場合、参照化合物は同じ条件下で0.5%より大または1.0%より大の重量を得るかまたは失う。さらに、本発明には、5〜95%RHの間で循環される場合、25℃において1.0%より大の重量を得るか失うかしないコクリスタルが含まれ、この場合、参照化合物は同じ条件下で1.0%より大の重量を得るかまたは失う。さらに、本発明には、5〜95%RHの間で循環される場合、25℃において0.5%より大の重量を得るか失うかしないコクリスタルが含まれ、この場合、参照化合物は同じ条件下で0.5%より大または1.0%より大の重量を得るかまたは失う。さらに、本発明には、5〜95%RHの間で循環される場合、25℃において0.25%より大の重量を得るか失うかしないコクリスタルが含まれ、この場合、参照化合物は同じ条件下で0.5%より大または1.0%より大の重量を得るかまたは失う。
さらに、本発明には、参照化合物よりも少なくとも1クラス低いか、または参照化合物よりも少なくとも2クラス低い吸湿性(Callaghan et al.による)を有するコクリスタルが含まれる。クラス2参照化合物のクラス1コクリスタル、クラス3参照化合物のクラス2コクリスタル、クラス4参照化合物のクラス3コクリスタル、クラス3参照化合物のクラス1コクリスタル、クラス4参照化合物のクラス1コクリスタル、またはクラス4参照化合物のクラス2コクリスタルが含まれる。
さらに、本発明には、参照化合物よりも少なくとも1クラス低いか、または参照化合物よりも少なくとも2クラス低い吸湿性(European Pharmacopeia Technical Guideによる)を有するコクリスタルが含まれる。非限定例は、吸湿性参照化合物のわずかに吸湿性コクリスタル、非常に吸湿性参照化合物の吸湿性コクリスタル、潮解性参照化合物の非常に吸湿性コクリスタル、非常に吸湿性参照化合物のわずかに吸湿性コクリスタル、潮解性参照化合物のわずかに吸湿性コクリスタルおよび潮解性参照化合物の吸湿性コクリスタルを含む。
無定形化合物の結晶化
さらなる態様では、本発明は、
(1)APIおよびコクリスタル形成化合物のコクリスタルを形成するような晶出条件下で、APIをコクリスタル形成化合物とともに、摩砕するか、加熱するかまたは溶液において接触させ;そして
(2)APIおよびコクリスタル形成化合物を含んでなるコクリスタルを単離すること
を含む、無定形化合物を結晶化する方法を提供する。
無定形化合物は、当該技術分野における日常的方法を用いて結晶化しない化合物を含む。
形態多様性の減少
なおさらなる実施態様では、本発明は、
(1)APIおよびコクリスタル形成化合物のコクリスタルを形成するような晶出条件下で、APIをコクリスタル形成化合物とともに、摩砕するか、加熱するかまたは溶液において接触させ;そして
(2)APIおよびコクリスタル形成化合物を含んでなるコクリスタルを単離すること
を含む、APIの形態多様性を低下させる方法を提供する。
本発明の目的では、コクリスタルの形態数は、当該技術分野における日常的方法を用いて作成できる参照化合物の形態物(例えば、APIの遊離形態物または塩)の数と比較される。
形態の調節
なおさらなる態様では、本発明は、
(1)APIおよびコクリスタル形成化合物のコクリスタルを形成するような晶出条件下で、APIをコクリスタル形成化合物とともに、摩砕するか、加熱するかまたは溶液において接触させ;そして
(2)APIおよびコクリスタル形成化合物を含んでなるコクリスタルを単離すること
を含む、APIの形態を調節する方法を提供する。
一実施態様では、コクリスタル形成物と製薬(pharmaceutical)の2種の間の相互作用、例えばH−結合が、APIの官能基とコクリスタル形成物の対応する相互作用基との間で生じる場合に、コクリスタルは、コクリスタル形成物および製薬を含有するか、またはそれらからなる。さらなる実施態様では、コクリスタルは、対応する相互作用基をもつコクリスタル形成物およびAPIを含有する。本発明の態様では、第1の分子上のH結合アクセプターと第2の分子上のH結合ドナーを有するコクリスタルのみが本発明に包含されるが、ここで第1および第2分子がそれぞれコクリスタル形成物およびAPIか、またはそれぞれAPIおよびコクリスタル形成物かいずれかである。
その他の実施態様では、各々コクリスタル形成物およびAPIは、1個のH結合ドナー/アクセプターのみを有する。その他の態様では、APIの分子量は、2000,1500,1000,750,500,350,200または150ダルトン未満である。その他の実施態様では、APIの分子量は、100〜200,200〜300,300〜400,400〜500,500〜600,600〜700,700〜800,800〜900,900〜1000,1000〜1200,1200〜1400,1400〜1600,1600〜1800または1800〜2000amuの間にある。また、前記分子量をもつAPIが、特に本発明から除外されてもよい。
その他の実施態様では、ペプチド、タンパク質、核酸または他の生物学的APIは本発明から除外される。その他の実施態様では、すべての製薬学的に許容できないコクリスタル形成物は本発明から除外される。その他の実施態様では、有機金属APIは本発明から除外される。また、当該技術分野において現在既知のいずれかのAPIが特に本発明から除外されてもよい。例えば、カルバマゼピン、イトラコナゾール、ナブメトーン、フルオキセチン、アセトアミノフェンおよびテオフィリンは、各々特に本発明から除外される。その他の実施態様では、APIは塩ではなく、非金属塩ではなく、または金属塩、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウムまたはマグネシウムではない。その他の実施態様では、APIは塩であり、非金属塩であり、または金属塩、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウムまたはマグネシウムである。1つの実施態様では、APIはハロゲンを含有しない。1つの実施態様では、APIはハロゲンを含有する。
その他の実施態様では、いずれか1種以上のAPIが本発明から特に除外されてもよい。また当該技術分野において現在既知のいずれかのAPIが特に本発明から除外されてもよい。
本発明の製薬学的組成物において使用される賦形剤は、固体、半固体、液体またはそれらの組み合わせ物であってもよい。賦形剤を含有する本発明の組成物は、APIまたは治療剤とともに賦形剤を混合することを含む、いずれか既知の薬学技術によって製造できる。本発明の製薬学的組成物は、1用量単位当たり所望量のAPIを含有し、そして経口投与を意図する場合、例えば、錠剤、カプレット剤(caplet)、丸剤、硬質または軟質カプセル剤、ロゼンジ、カシェ剤、分配可能な散剤、顆粒剤、懸濁剤、エリキシル剤、分散剤、液剤またはそのような投与に合理的に適応されたいずれか他の形態物の形態で存在してもよい。非経口投与を意図する場合、それは、例えば、懸濁剤または経皮パッチ剤の形態で存在してもよい。肛門内投与を意図する場合、それは、例えば、坐剤の形態で存在してもよい。現在、各々が予定された量のAPIを含有する分離した用量単位、例えば錠剤またはカプセル剤が好適である。
その他の実施態様では、経皮パッチ剤に適さないpHをもつAPIは、適当なコクリスタル形成物とともにコクリスタル化されて、経皮パッチ剤としての使用に適当なレベルにそのpHを調節することができる。その他の実施態様では、APIのpHレベルは、適当なコクリスタル形成物とのコクリスタル化を介して経皮パッチ剤における使用のために最適化することができる。
本発明の製薬学的組成物を製造するために使用できる賦形剤の非限定例は次のとおりである。
本発明の製薬学的組成物は、場合によっては、賦形剤として1種以上の製薬学的に許容できる担体または希釈剤を含有する。適当な担体または希釈剤は、具体的には、限定されるものではないが、個々でもまたは組み合わせでも、無水ラクトースおよびラクトース1水和物を含むラクトース;直接圧縮できる澱粉および加水分解澱粉(例えば、CelutabTMおよびEmdexTM)を含む澱粉;マンニトール;ソルビトール;キシリトール;デキストロース(例えば、CereloseTM2000)およびデキストロース1水和物;二塩基性リン酸カルシウム2水和物;スクロースに基づく希釈剤;精製粉末砂糖;一塩基性硫酸カルシウム1水和物;硫酸カルシウム2水和物;粒状乳酸カルシウム3水和物;デキストレート;イノシトール;加水分解された穀類固形物;アミロース;微結晶セルロース、α−および無定形セルロースの食品級給源(food grade sources)(例えば、RexcelJ)、粉末セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含むセルロース;炭酸カルシウム;グリシン;ベントナイト;ブロックコポリマー;ポリビニルピロリドン;等々を含む。そのような担体または希釈剤は、存在する場合は、組成物の総重量の総量約5%〜約99%、約10%〜約85%または約20%〜約80%に相当する。選ばれる1種以上の担体または希釈剤は、場合によっては、適当な流動性および錠剤が所望される場合は、圧縮性を示す。
ラクトース、マンニトール、二塩基性リン酸ナトリウムおよび微結晶セルロース(特にAvicel PH微結晶セルロース、例えばAvicel PH 101)は、個々でもまたは組み合わせでも、場合はよっては希釈剤である。これらの希釈剤は、本明細書に
記述される多くのコクリスタルと化学的に適合する。粒子外の(extragranular)微結晶セルロース(すなわち、造粒組成物に添加される微結晶セルロース)の使用は、堅さ(錠剤の)および/または崩壊時間を改良するために使用できる。ラクトース、特にラクトース1水和物が使用できる。ラクトースは、典型的には、比較的低い希釈剤コストにおいて、コクリスタルの適当な放出速度、安定性、圧縮前流動性および/または乾燥性を有する組成物を提供する。それは、造粒における高密度化(湿潤造粒が使用される)を目的とし、そして混合物の流動性および錠剤の性質を改良する高密度基質を提供する。
本発明の製薬学的組成物は、場合はよっては、特に錠剤調合物のための賦形剤として1種以上の製薬学的に許容できる崩壊剤を含有する。適当な崩壊剤は、限定されるものではないが、個々でもまたは組み合わせでも、ナトリウム澱粉グリコレート(例えば、PenWestのExplotabTM)および前糊化コーンスターチ(例えば、National StarchのNationalTM1551およびChemical Company,NationalTM1550およびColorconTM1500)を含むスターチ、クレイ(例えば、R.T.VanderbiltのVeegumTMHV)、精製セルロース、微結晶セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびナトリウムカルボキシメチルセルロースのようなセルロース、クロスカルメロースナトリウム(例えば、FMCのAc−Di−SolTM),アルギン酸塩、クロスポビドン、および寒天、グアガム、ローカストビーン、ペクチンおよびトラガカントガムのようなガム類を含む。
崩壊剤は、組成物の製造中のいずれの適当な段階、特に造粒前または圧縮前の滑沢化段階中において添加されてもよい。そのような崩壊剤は、存在する場合は、組成物の総重量の総量約0.2%〜約30%、約0.2%〜約10%または約0.2%〜約5%に相当する。
クロスカルメロースナトリウムは、錠剤またはカプセル剤の崩壊のための崩壊剤として使用でき、そして存在する場合は、組成物の総重量の約0.2%〜約10%、約0.2%〜約7%または約0.2%〜約5%に相当してもよい。クロスカルメロースナトリウムは、本発明の造粒された製薬学的組成物に対してより優れた粒子内崩壊性能を与える。
本発明の製薬学的組成物は、場合はよっては、特に錠剤調合物のために賦形剤として1種以上の製薬学的に許容できる結合剤または接着剤を含有する。適当な結合剤および接着剤は、打錠される粉末に十分な凝集を与えて、通常の加工操作、例えば分粒、滑沢化、圧縮および包装を可能にするが、錠剤が崩壊し、そして組成物が摂取の際に吸収されるのをなお可能にする。そのような結合剤は、また、塩が溶液中に溶解された場合に本発明のコクリスタルの晶出または再晶出を防止または阻害するであろう。適当な結合剤および接着剤は、限定されるものではないが、個々でもまたは組み合わせれも、アラビヤゴム、トラガカントゴム;スクロース;ゼラチン;グルコース;澱粉、例えば限定されるものではないが、前糊化澱粉(例えば、NationalTM1511およびNationalTM1500);セルロース、例えば、限定されるものではないが、メチルセルロースおよびカルメロースナトリウム(例えば、TyloseTM);アルギン酸およびアルギン酸の塩;ケイ酸マグネシウムアルミニウム;PEG;グアガム;多糖酸;ベントナイト;ポビドン、例えば、ポビドンK−15、K−30およびK−29/32;ポリメタクリレート;HPMC;ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、AqualonのKlucelTM);およびエチルセルロース(例えば、the Dow Chemical CompanyのEthocelTM)を含む。そのような結合剤および/または接着剤は、存在する場合は、製薬学的組成物の総重量の、総量で約0.5%〜約25%、約0.75%〜約15%または約1%〜約10%に相当する。
多くの結合剤は、アミド、エステル、エーテル、アルコールまたはケトン基を含有する高分子であり、そしてそれだけで、本発明の製薬学的組成物に包含できる。例えば、ポビドンK−30のようなポリビニルピロリドン。高分子結合剤は、種々の分子量、架橋度および重合体段階を有する。高分子結合剤は、また共重合体、例えば、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシド単位の混合物を含有するブロックコポリマーであってもよい。与えられたポリマーにおけるこれらの単位の比率の変化は、性質おける性能に影響を与える。ブロック単位の種々の組成物をもつブロックコポリマーの例は、Poloxamer188およびPoloxamer237(BASF Corporation)である。
本発明の製薬学的組成物は、場合によっては、賦形剤として1種以上の製薬学的に許容できる湿潤剤を含有する。そのような湿潤剤は、場合によっては、水との密接な結合において、組成物の生物学的利用能を改良すると考えられる状態においてコクリスタルを維持するために選ばれる。またそのような湿潤剤は、コクリスタルを可溶化するか、またはその溶解度を増強するのに有用である。
本発明の製薬学的組成物において湿潤剤として使用できる界面活性剤の非限定例は、第4級アンモニウム化合物、例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、例えば、nonoxynol 9、nonoxynol 10、およびdegrees Ctoxynol 9、poloxamers(ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレン・ブロックコポリマー)、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリドおよび油(oils)、例えば、ポリオキシエチレン(8)カプリル酸/カプリン酸モノ−およびジグリセリド(例えば、GatteforsseのLabrasolTM)、ポリオキシエチレン(35)ひまし油およびポリオキシエチレン(40)水素化ひまし油;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えばポリオキシエチレン(20)セトステアリル(cetostearyl)エーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、例えばポリオキシエチレン(40)ステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、例えばポリソルベート20およびポリソルベート80(例えば、ICIのTweenTM80)プロピレングリコール脂肪酸エステル、例えばプロピレングリコールラウレート(例えば、GattefosseのLauroglycolTM)、ラウリル硫酸ナトリウム、脂肪酸およびその塩、例えばオレイン酸、オレイン酸ナトリウムおよびオレイン酸トリエタノールアミン、脂肪酸グリセリルエステル、例えばモノステアリン酸グリセリル、ソルビタンエステル、例えばモノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタンおよびモノステアリン酸ソルビタン、tyloxapol、およびそれらの混合物を含む。そのような湿潤剤は、存在する場合は、製薬学的組成物の総重量の、総量で約0.25%〜約15%、約0.4%〜約10%または約0.5%〜約5%に相当する。
陰イオン界面活性剤である湿潤剤が使用されてもよい。例えば、ラウリル硫酸ナトリウム。ラウリル硫酸ナトリウムは、存在する場合は、製薬学的組成物の総重量の、約0.25%〜約7%、約0.4%〜約4%または約0.5%〜約2%に相当する。
本発明の製薬学的組成物は、場合によっては、賦形剤として1種以上の製薬学的に許容できる滑沢剤(抗被着剤および/またはグライダント(glidants)を含む)を含有する。適当な滑沢剤は、限定されるものではないが、個々でもまたは組み合わせでも、グリセリルベハペート(例えば、GattefosseのCompritolTM888);ステアリン酸およびステアリン酸マグネシウム、カルシウムおよびナトリウムを含むその塩;水素化植物油(例えば、AbitecのSterotexTM);コロイド状シリカ;タルク;ろう;ホウ酸;安息香酸ナトリウム;酢酸ナトリウム;フマル酸ナトリウム;塩化ナトリウム;DL−ロイシン;PEG(例えば、Dow Chemical CompanyのCarbowaxTM4000およびCarbowaxTM6000);オレイン酸ナトリウム;ラウリル硫酸ナトリウム;およびラウリル硫酸マグネシウムを含む。そのような滑沢剤は、存在する場合は、製薬学的組成物の総重量の、総量で約0.1%〜約10%、約0.2%〜約8%または約0.25%〜約5%に相当する。
ステアリン酸マグネシウムは、例えば、錠剤調合物の圧縮中に装置と造粒混合物の間の摩擦を低下させるために使用される滑沢剤である。
適当な抗被着剤は、限定されるものではないが、タルク、コーンスターチ、DL−ロイシン、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸金属塩を含む。タルクは、例えば、混合物における静電気を低下させるために使用される抗被着剤またはグライダントである。タルクは、存在する場合は、製薬学的組成物の総重量の、約0.1%〜約10%、約0.25%〜約5%または約0.5%〜約2%に相当する。
グライダントは、固形調合物の粉末流動を促進するために使用されてもよい。適当なグライダントは、限定されるものではないが、コロイド状二酸化ケイ素、澱粉、タルク、三塩基性リン酸カルシウム、粉末セルロースおよびマグネシウムトリシリケートを含む。コロイド状二酸化ケイ素は適当な滑り剤である。
着色剤、着香剤および甘味剤のような他の賦形剤は製薬学的技術において既知であり、本発明の製薬学的組成物において使用されてもよい。錠剤は、例えば、腸溶性コーティングで被覆されてもまたは被覆されなくてもよい。本発明の組成物は、さらに、例えば、緩衝化剤を含有できる。
場合によっては、1種以上の起泡剤が、崩壊剤として、そして/または本発明の製薬学的組成物の官能特性を増進するために使用されてもよい。投薬形態物の崩壊を促進するために本発明の製薬学的組成物中に存在する場合、1種以上の起泡剤は、場合によっては、製薬学的組成物の重量で、約30%〜約75%、約45%〜約70%または約60%の総量で存在する。
本発明のその他の実施態様によれば、投薬形態物の崩壊を促進するのに有効な量より少量で固形投薬形態物において存在する起泡剤は、水性媒質におけるAPIの改良された分散を提供する。理論に制約されなければ、起泡剤は胃腸管における投薬形態物からのAPIの分散を促進するのに有効であり、それによって吸収および治療効果の迅速な開始を増進することが考えられる。崩壊を増進するためではなく、胃腸内分散を促進するために本発明の製薬学的組成物において存在する場合、起泡剤は、場合によっては、製薬学的組成物の重量で、約1%〜約20%、約2.5%〜約15%または約5%〜約10%の量で存在する。
本明細書の「起泡剤」は、一緒にまたは個々に作用して、水との接触でガスを放出する1種以上の化合物を含んでなる作用物質である。放出されるガスは一般に酸素、またはもっとも普通には二酸化炭素である。起泡剤は、水の存在下で反応して二酸化炭素ガスを生成する酸および塩基を含有してもよい。場合によっては、塩基は、炭酸または重炭酸アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含み、そして酸は脂肪族カルボン酸を含む。
本発明において有用な起泡剤の成分として適当な塩基の非限定例は、炭酸塩(例えば、炭酸カルシウム)、重炭酸塩(例えば、重炭酸ナトリウム)、セスキ炭酸塩およびそれらの混合物を含む。
本発明において有用な起泡剤および/または固体有機酸の成分として適当な酸の非限定例は、クエン酸、酒石酸(D−,L−またはD/L−酒石酸として)、リンゴ酸(D−,L−またはD/L−リンゴ酸として)、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、コハク酸、そのような酸の酸無水物、そのような酸の酸塩およびそれらの混合物を含む。
本発明のその他の実施態様では、起泡剤が酸および塩基を含有する場合、酸対塩基の重量比は、約1:100〜約100:1、約1:50〜約50:1、または約1:10〜約10:1である。本発明のさらなる実施態様では、起泡剤が酸および塩基を含有する場合、酸対塩基の比はほぼ化学量論的である。
APIを可溶化する賦形剤は、典型的には、親水性および疎水性領域の両方を有するか、または両親媒性であるか、または両親媒性領域を有してもよい。両親媒性または部分両親媒性賦形剤の1つの種類は、両親媒性ポリマーを含有するか、または両親媒性ポリマーである。特定の両親媒性ポリマーは、ポリアルキレングリコールであり、これは通常、エチレングリコールおよび/またはプロピレングリコール・サブユニットからなる。そのようなポリアルキレングリコールは、それらの末端においてカルボン酸、エステル、酸無水物または他の適当な部分によってエステル化できる。そのような賦形剤の例は、ポロキサマー(エチレングリコールとプロピレングリコールの対称ブロックコポリマー;例えば、ポロキサマー237)、トコフェロールのポリアルキレングリコール化エステル(二官能または多官能カルボン酸;例えば、d−α−トコフェロールポリエチレングリコール−1000スクシネート)、およびマクロゴル(macrogol)グリセリド(油のアルコーリシスおよびポリアルキレングリコールのエステル化によって形成されてモノ−、ジ−およびトリ−グリセリドおよびモノ−およびジ−エステルの混合物を生成する;例えば、ステアリルマクロゴル−32グリセリド)を含む。そのような製薬学的組成物は有利には経口的に投与される。
本発明の製薬学的組成物は、コクリスタルの重量で、約10%〜約50%、約25%〜約50%、約30%〜約45%または約30%〜約35%;水性溶液、擬似胃液または擬似腸液において結晶化を阻害する賦形剤の重量で、約10%〜約50%、約25%〜約50%、約30%〜約45%または約30%〜約35%;および結合剤の重量で、約5%〜約50%、約10%〜約40%、約15%〜約35%または約30%〜約35%を含有してもよい。1つの例では、コクリスタル対結晶化を阻害する添加物対結合剤の重量比は約1対1対1である。
本発明の固形投薬形態物は、本明細書に記述される方法に限定されないすべての適当な方法によって製造することができる。
具体的に説明される方法は、(a)本発明のAPIと1種以上の賦形剤とを混合して混合物を形成する段階、および(b)混合物を打錠するかまたは被包化して、それぞれ錠剤またはカプセル剤を形成する段階を含む。
その他の方法では、固形投薬形態物は、(a)本発明のAPIと1種以上の賦形剤とを混合して混合物を形成する段階、(b)混合物を造粒して顆粒剤を形成する段階、および(c)混合物を打錠するかまたは被包化して、それぞれ錠剤またはカプセル剤を形成する段階を含む。段階(b)は、当該技術分野において既知の乾式または湿式造粒技術によって達成されてもよいが、場合によっては乾式造粒段階であってもよい。本発明の塩は、有利には、約1μm〜約100μm、約5μm〜約50μm、または約10μm〜約25μmの粒子を形成するように造粒される。1種以上の希釈剤、1種以上の崩壊剤および1種以上の結合剤が、場合によっては、例えば混合段階において添加され、湿潤剤が、場合によっては、例えば造粒段階において添加されてもよく、そして1種以上の崩壊剤が、場合
によっては、造粒後、打錠または被包化前に添加される。滑沢剤は、場合によっては打錠前に添加される。混合および造粒は低いか高いせん断下で独立して実施できる。場合によっては、API含量において均一な顆粒、容易に崩壊する顆粒、重量変化がカプセル充填または打錠中に確実に制御できるよう十分容易に流動する顆粒、そしてバッチが選ばれた装置において加工でき、個々の用量が特定のカプセルまたは錠剤成形型に適合するように全体で十分に密度の大きい顆粒を形成する方法が選ばれる。
あるいは別の実施態様では、固形投薬形態物は、APIが1種以上の噴霧可能な液体、場合によっては非プロトン性(例えば、非水性または非アルコール性)の噴霧可能な液体中に1種以上の賦形剤とともに懸濁され、次いで、温風の流れの上で急速に噴霧乾燥される、噴霧乾燥段階を含む方法によって製造される。
いずれかの上記具体的に説明される方法から得られる顆粒または噴霧乾燥粉末は、錠剤を製造するために圧縮または成形されるか、またはカプセル剤を製造するために被包化される。当該技術分野において既知の慣用の打錠および被包化技術が使用できる。
本発明の錠剤組成物のための賦形剤は、標準崩壊アッセイにおいて約30分未満、約25分以下、約20分以下、または約15分以下の崩壊時間を提供するように選ぶことができる。
モダフィニルならびに多くの他のAPIの形態物は、制御または遅延放出手段によって投与できる。制御放出製薬学的生産物は、非制御放出対応物によって達成される以上に薬物治療を改良するという共通目的を有する。理想的には、医学的処置における任意に設計された制御放出調製物の使用は、最少量の時間において症状を治癒または制御するために使用される最小の薬物物質を特徴とする。制御放出調合物の利点は、1)延長された薬物の活性;2)減少された投薬頻度;3)増大された患者のコンプライアンス;4)より少ない総薬物の使用;5)局所的または全身的副作用における低下;6)薬物蓄積の最小化;7)血液レベルの変動における低下;8)処置効果における改善;9)薬物活性の強化または損失の低下;および10)疾患または症状の制御速度における改善を含む。(Kim,Cherng−ju,Controlled Release Dosage Form Design,2 Technomic Publishing,Lancaster,Pa.:2000)。本発明では、肝臓および脂質粒子生成部位の比較的高い標的化が制御放出の利点であろう。
慣用の投薬形態物は、一般に、調合物からの迅速または即時薬物放出を与える。薬物の薬理学および薬物動態学によれば、慣用投薬形態物の使用は、患者の血液および他の組織における薬物濃度に広い変動を惹起することがある。これらの変動は、用量頻度、作用の開始、効果の持続、治療血液レベルの維持、毒性、副作用など、のような多数のパラメーターに強く影響することがある。有利には、制御放出調合物は、薬物の作用開始、作用の持続、治療枠内の血漿レベル、およびピーク血液レベルを制御するために使用できる。特に、制御−または長期放出投薬形態物または調合物は、用量以下の薬物(すなわち、最小治療レベル以下に進むこと)ならびに毒性レベルを超える薬物の両方から起き得る潜在的な副作用と安全の懸念を最小にしながら、薬物の最大効力が確実に達成されるために使用できる。
ほとんどの制御放出調合物は、所望の治療効果が直ちに生じる薬物(有効成分)の量を最初に放出し、そして残りの量の薬物を徐々にかつ持続的に放出して長時間にわたってこの治療または予防効果のレベルを維持するように設計される。体内にこの薬物の一定レベルを維持するために、薬物は、代謝され、そして体から排出される薬物の量を置換できる速度で投薬形態物から放出されねばならない。有効成分の制御放出は、限定されるもので
はないが、pH、イオン強度、浸透圧、温度、酵素、水および他の生理学的状態または化合物を含む種々の条件によって促進することができる。
種々の既知の制御または長期放出投薬形態物、調合物およびデバイスは、本発明の組成物の使用のために適合されてもよい。例は、限定されるものではないが、米国特許第3,845,770号;同第3,916,899号;同第3,536,809号;同第3,598,123号;同第4,008,719号;同第5,674,533号;同第5,059,595号;同第5,591,767号;同第5,120,548号;同第5,073,543号;同第5,639,476号;同第5,354,556号;同第5,733,566号および同第6,365,185B1号に記述されるものを含み;これらの各々は引用によって本明細書に組み入れられている。これらの投薬形態物は、種々の割合で所望の放出プロフィルを与えるために、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル、透過性膜、浸透性システム(例えばOROSTM(Alza Corporation,Mountain View,Calif.USA))、多層コーティング、ミクロ粒子、リポソームまたはミクロスフェアまたはそれらの組み合わせ物を用いて、1種以上の有効成分の緩慢または制御された放出を提供するように使用できる。
本発明の1つの実施態様は、製薬学的組成物または投薬形態物が制御放出のために調合される、APIおよび1種以上の製薬学的に許容できる賦形剤または希釈剤を含有する単位投薬形態物を包含する。特定の投薬形態物は浸透性薬物送達システムを利用する。
また時間制御放出投薬形態物として機能する遅延放出投薬形態物の例が、米国特許第5,366,738号に記述されていて、本明細書に引用によって完全に組み入れられている。米国特許第5,366,738号に記述された制御放出薬物送達デバイスは、ゲル押し出しモジュール(GEM)送達デバイスとして既知である。GEMデバイスは、
(A)(i)治療学的に有効な量の有益な作用物質;および
(ii)水和によってゼラチン状の顕微鏡的粒子を形成するポリマー:
を含んでなる混合物から調製される圧縮されたコア:および
(B)コアを取り囲み、それに接着する、ポリマーおよび可塑剤を含んでなる水不溶性、水不透過性ポリマーコーティングであって、コア表面の約1〜約75%を露出する多数の形成された開口部を有するコーティング;
を含んでなる、製薬学的薬物のような有益な作用物質を含有する分散物の制御されたインシトゥ生成と放出のための薬物送達デバイスであって、デバイスからの有益な作用物質の放出速度が開口部の数とサイズの関数であるデバイスである。
GEMデバイスでは、圧縮されたコア内のポリマーは、ナトリウムポリアクリレート、カルボキシポリメチレンおよび製薬学的に許容できるその塩、例えばナトリウム塩のような材料から選ばれ、この場合、カルボキシポリメチレンは、スクロースまたはペンタエリトリトールのアリルエーテルと架橋されたアクリル酸から製造され、そして例えば、それは、スクロースまたはペンタエリトリトールのアリルエーテルと架橋されたアクリル酸から製造されたカルボキシポリメチレンおよび製薬学的に許容できるその塩から選ばれる。しばしば、CARBOPOLTM974Pおよび製薬学的に許容できるその塩、特にナトリウム塩が、圧縮されたコア内のポリマーとして使用される。さらに、圧縮されたコアは、また、1種以上のポリマー水和調節剤、抗酸化剤、滑沢剤、充填剤および賦形剤を含有してもよい。任意のサブコーティングが、製造工程を助けるために水不溶性コーティングの適用前に圧縮されたコアに適用されてもよい。サブコーティングは、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含んでもよい。さらなるコーティングは、美的または機能的目的のために適用されてもよい。
水不溶性、水不透過性ポリマーコーティングは、例えば、(1)塩化ポリビニル、酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロース、エチルセルロースおよびこれらのポリマーの組み合わせ物から選ばれるポリマー;および(2)フタル酸ジエチル、セバシン酸ジブチルおよびクエン酸トリエチルから選ばれる可塑剤;を含む。例えば、ポリマーコーティングは、酪酸酢酸セルロースおよびクエン酸トリエチルを含む。GEMデバイスは浸透性薬物送達デバイスとしては機能せず、それ故、デバイスの放出機能は、形成された開口部をとおして体内の外部環境から圧縮されたコアの内部環境への流体の通過に依存する。ポリマーコーティングを説明するために使用される用語「水不溶性、水不透過性」は、本質的に水不溶性および水不透過性であるコーティングを定義し、ポリマーコーティングが体内の外部環境から圧縮されたコアの内部環境へコーティングをとおして水の通過を最小限許すか全く通過させないことを意味するが、薬物が体内でGEMデバイスから放出されている期間の、穴を開けられた開口部をとおして起きる流体の通過を意味しない。水不溶性、水不透過性ポリマーコーティングを通過するいずれか最小量の水は、実質的ではなく、そしてGEMデバイスの機能、すなわち、開口部をとおしての薬物の放出速度には有意には寄与しない。むしろ、GEMデバイスからのAPIの放出速度は、主としてデバイス上の開口部の数と大きさの関数である。
形のよい美的に満足のいく最終製品では、着色剤、ろうなどを含有する外側の仕上げ皮膜が、最終的にGEM送達デバイスに適用されてもよい。またGEMデバイスは、さらなる仕上げコーティングの適用前後に、腸溶性となるようにコートされてもよい。腸溶性コーティングを欠く場合でも、GEMデバイスの圧縮されたコア内部から外へAPIを運ぶポリマーの押し出しは、胃の酸性pHにおいては実質的な程度まで起きず、したがって、APIの実質的な放出は胃では起きないであろう。GEM送達デバイスのさらなる詳細および例は、米国特許第5,366,738号において記述されている。
さらに本発明は、モダフィニルの混合コクリスタルを含んでなる薬物または製薬学的組成物およびそれを製造する方法を提供する。典型的には、薬物または製薬学的組成物は、さらに1種以上の製薬学的に許容できる担体、希釈剤または賦形剤を含有する。
本発明による方法は、それによって製造されるモダフィニルコクリスタルが薬物または製薬学的組成物中に組み入れられるさらなる1つ以上の段階を各々含有してもよい。
本発明のなおさらなる態様では、方法は、睡眠発作を伴う過度の日中の眠気、多発性硬化症に関連する疲労、不妊症、摂食障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、パーキンソン病、失禁、睡眠時無呼吸または筋病を罹患している被験者、例えばヒト被験者を処置するために提供され、この場合、モダフィニルが該障害のために有効な活性製薬物である。本方法は、モダフィニルを含んでなる混合コクリスタルの治療学的に有効な量を被験者に投与することを含む。
本発明は、ここに、付随する図面を引用して実施例の方法によって、さらに詳細に記述されるであろう。
実施例
コクリスタルの製造のための一般的方法
a)CrystalMaxプラットフォームを用いる高処理能結晶化
CrystalMaxTMは、APIおよびAPI候補物の多形、塩およびコクリスタルの迅速生成、同定および特性決定の可能な一連の自動化された統合高処理能機械ステーションを含有する。作業進行票の作成およびコンビナトリアル(combinatrial)混合物の設計は、専売の設計ソフトウエアInFormTMを用いて実施される。典型的には、APIまたはAPI候補物が有機溶媒からチューブ中に分配され、そして窒素
気流下で乾燥される。塩および/またはコクリスタル形成物がまた分配され、そして同じ方式で乾燥されてもよい。水および有機溶媒は多チャネルディスペンサーを用いてコンビナトリアルに分配されてもよい。次に、96チューブの列における各チューブは、溶媒の蒸発を避けるためにコンビナトリアル分配の15秒以内に密閉される。次いで、混合液は、2時間70℃に加熱し、続いて5℃までの1℃/分の冷却傾斜によって過飽和にさせられる。次いで、光学的チェックが結晶および/または固体材料を検出するために実施される。チューブ中に固体が同定された場合、それが吸引および乾燥により単離される。次いで、ラマンスペクトルが固体について得られ、そしてスペクトルパターンのクラスター分類が、専売のソフトウエア(QFormTM)を用いて実施される。
b)溶液からの結晶化
コクリスタルは、溶媒に別々の成分を溶解し、そして1つの成分を他の成分に添加することによって得られてもよい。次いで、コクリスタルは、溶媒混合液を徐々に蒸発されながら沈殿または晶出されてもよい。また、コクリスタルは、同じ溶媒または溶媒の混合液中に成分を溶解することによって得られてもよい。
c)融成物からの結晶化
コクリスタルは、コクリスタル成分を一緒に融解し、そして再晶出を起こさせることによって得られてもよい。若干の場合には、アンチソルベント(anti−solvent)が添加されて結晶化を促進してもよい。
d)熱検鏡法(thermal microscopy)
コクリスタルは、スライドグラス上で比較的高い融解成分を融解し、そしてそれを結晶化させることによって得られてもよい。次いで、第2の成分が融解され、そしてまた再晶出させられる。コクリスタルは、元の成分の共晶バンドの間に分離された相/バンドとして形成されてもよい。
e)混合および/または摩砕
コクリスタルは、固体状態で2種以上の成分を一緒に混合または摩砕することによって得られてもよい。
分析方法
DSC分析のための手順
サンプルのDSC分析は、Q1000示差走査熱量測定器(TA Instruments,New Castle,DE,U.S.A.)を用いて実施されたが、これはAdvantage for QW−Series,version 1.0.0.78,Thermal Advantage Rerease 2.0(2001 TA Instruments−Water LLC)を使用する。さらに、使用された分析ソフトウエアはUniversal Analysis 2000 for Windows95/95/2000/NT,Version 3.1E;Build 3.1.0.40((2001 TA Instruments−Water LLC)であった。
DSC分析では、使用されたパージガスは乾燥窒素であり、参照材料は、クリンプ(crimp)された空のアルミニウムパンであり、そしてサンプルパージは50mL/分であった。
サンプルのDSC分析は、クリンプされたパンクロージャー(closure)をもつアルミニウムパンにサンプル≦2mgを置くことによって実施された。出発温度は典型的には10℃/分の加熱速度をもつ20℃であり、そして終了温度は300℃であった。別に指示しない限り、全ての記録された転移は定められた+/−1.0℃としてである。
PXRD分析のための手順
サンプルの粉末X線回折(PXRD)パターンは、D/Max Rapid,Contact(Rigaku/MSC,The Woodlands,TX,U.S.A.)を用いて得られたが、これは、その対照としてソフトウエアRINT Rapid Contact Software,Rigaku Rapid/XRD,version 1.0.0(1999 Rigaku Co.)を使用する。さらに、使用された分析ソフトウエアは、RINT Rapid display software、version 1.18(Rigaku/MSC)およびJADE XRD Pattern Processing,version 5.0および6.0(1995−2002,Materials Data,Inc.)であった。
PXRD分析では、取得パラメーターは次のとおりであった:線源(source)は、1.5406ÅにおけるK線をもつCuであった;x−yステージは手動であった;コリメーターサイズは0.3mmであった;毛細管(Charles Supper Company,Natick,MA,U.S.A.)は0.3mmIDであった;反射方式が使用された;X線管へのパワーは46kVであった;X線管への電流は40mAであった;ω軸は1°/分の速度で0〜5°の範囲において振動していた;φ軸は2°/秒の速度で360°の角度において回転していた;0.3mmコリメーター;収集時間は60分であった;温度は室温であった;そしてヒーターは使用しなかった。サンプルは、ホウ素に富むガラス毛細管においてX線源に提示された。
さらに、分析パラメーターは次のとおりであった:インテグレーション2θ範囲は2〜60°であった;インテグレーションχ範囲は0〜360°であった;χセグメントの数は1であった;使用されたステップサイズは0.02であった;インテグレーションユーティリティはシリント(cylint)であった;標準化が使用された;ダークカウントは8であった;ωオフセットは180であった;そしてχおよびφオフセットは0であった。
またPXRD回折はBruker AXS D8 Discover X−ray Diffractometerにより取得された。この装置はGADDSTM(General Area Diffraction Detection System)、システム校正にしたがって15.05cmの距離におけるBruker AXS HI−STAR Area Detector、銅線源(Cu/Kα1.54056オングストローム)、自動x−y−zステージおよび0.5コリメーターを備えていた。サンプルはペレット形に圧縮され、そしてx−y−zステージ上に載せられた。回折図は、サンプルを定常的に留めながら反射方式において、周囲条件(25℃)下で40kVおよび40mAのパワー設定において取得された。露出時間は各サンプルについて変えられ、そして特定された。得られた回折図は、面積検出器の幾何学的針刺し形歪みを説明するために空間リマッピング(remapping)手順にかけられて、それから、ビンノーマライズのノーマライゼーションセットを伴う(with normalization set to bin normalize) 0.02°のステップサイズにおいて−118.8から−61.8°までのχ、および2.1〜37°の2θに沿って積分された。
ピーク強度が、例えば結晶性不純物によりサンプル毎で変化できるので、回折図におけるピークの相対強度がPXRDパターンの限定を必ずしも必要としない。さらに、各ピークの角度は約+/−0.1°、好ましくは+/−0.05変わり得る。全パターンまたはほとんどのパターンピークもまた、校正、設定および他の装置毎およびオペレーター毎の変動における差異により、約+/−0.1°〜約+/−0.2°でシフトしてもよい。図、実施例および本明細書の他の場所でのすべての記録されたPXRDピークは、約±0.1°2θの誤差を含んで記録されている。
表および図を含む本明細書でのPXRDデータでは、本発明の各組成物は、いずれか1個、いずれか2個、いずれか3個、いずれか4個、いずれか5個、いずれか6個、いずれか7個、またはいずれか8個以上の2θ角のピークを特徴とするであろう。またいずれか1、2、3、4、5または6個のDSC転移が、本発明の組成物を特性決定するために使用されてもよい。また、PXRDピークおよびDSC転移の種々の組み合わせ物が組成物を特性決定するために使用されてもよい。
モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタル
摩砕実験がステンレススチールの粉砕装置(Wig−L−Bugコンテナー)において実施されて、モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルにおけるフマル酸含量の変化の影響を決定する。[モダフィニル]:[コハク酸]:[フマル酸]の標的モル比は[2]:[1−X]:[X]であって、Xは、フマル酸のモル分率であり、そして0.1の増分において0.0から1.0まで変化された。サンプルはアセトン(容量で40パーセント)の存在下で摩砕され、次いで、空気中で乾燥させた。PXRDによる分析は、0.9および1.0フマル酸モル分率サンプルを除いて、全サンプルについて、コクリスタルへの完全変換が見られたことを示した。さらなる0.9および1.0フマル酸サンプルが秤量され、次いで、摩砕中の粉末の損失を防ぐためにパラフィルムで密閉しながら湿式摩砕(アセトンを用いて)された。0.9フマル酸モル分率サンプルのPXRD分析は、さらなる変換を示したがモダフィニル形態物2(form 2)ピークが残った(モダフィニル出発材料はほとんどの形態物2と若干の形態物1(form 1)の混合物である)。1.0フマル酸モル分率サンプルの分析は、乾燥後もコクリスタルの形成をなお示さなかった。サンプルは再び66%v/vアセトンとともに湿式摩砕され、そして形態物1へのモダフィニルの変換とともにコクリスタルの形成をもたらした。混合モダフィニル:コハク酸:フマル酸コクリスタル(0.0〜1.0フマル酸モル分率)がPXRDおよびDSCによって分析された。
混合コクリスタルは、混合コクリスタルにおいて存在するコクリスタル形成物の総量の(フマル酸)モル分率に関してまたは百分率において表されてもよい。例えば、[モダフィニル]:[コハク酸]0.9:[フマル酸]0.1の化学量論は、0.1フマル酸モル分率を有するとして、または10%フマル酸混合コクリスタルとして記述されてもよい。
Figure 2008501024
Figure 2008501024
図1は、モダフィニル:コハク酸コクリスタル、モダフィニル:フマル酸コクリスタルおよび9種混合コクリスタル(0.1の増分で0.1〜0.9フマル酸モル分率)の重ね合わせた11個のPXRD回折図を示す。図1において、一番上の回折図は親コクリスタルモダフィニル:フマル酸であり、そして一番下の回折図は親コクリスタルモダフィニル:コハク酸である。中間の回折図は0.1モル分率の増分における混合モダフィニル:コハク酸:フマル酸コクリスタルのものである。図2は、モダフィニル:コハク酸コクリスタル、モダフィニル:フマル酸コクリスタルおよび9種混合コクリスタル(0.1の増分における0.1〜0.9フマル酸モル分率)の重ね合わせた11個のDSCサーモグラムを示す。図2において、一番上のサーモグラムは親コクリスタルモダフィニル:フマル酸であり、そして一番下のサーモグラムは親コクリスタルモダフィニル:コハク酸である。中間のサーモグラムは0.1モル分率の増分における混合モダフィニル:コハク酸:フマル酸コクリスタルのものである。
Figure 2008501024
図3は、モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルのモル%フマル酸の関数としての融点、融解熱およびピーク温度を示す。図4は、フマル酸のモル%が増大するにつれて、17.9°2θの近くに見いだされるモダフィニル:コハク酸PXRDピークのピーク位置におけるシフトを示す。図5は、フマル酸のモル%が増大するにつれて、6個のモダフィニル:コハク酸PXRDピーク(A=15.87,B=17.99,C=18.75,D=19.95,E=21.35およびF=21.95°2θ)の標準化されたピーク位置を示す。図6は、標識された図5からの興味ある6個のピーク(A〜F)をもつモダフィニル:コハク酸のPXRD回折図を示す。
図7〜17は、前記9種のモダフィニル混合コクリスタルのPXRD回折図を示す。1:1モダフィニル:コハク酸コクリスタルは、限定されるものではないが、5.35,9.81,10.78,15.82,16.27,17.89,18.71,19.79,21.22,21.81,23.17,24.83,25.67,26.59,27.07,30.02,30.89および35.34°2θ(Bruker,収集)を含む、図7におけるピークのいずれか1個、いずれか2個、いずれか3個、いずれか4個、いずれか5個、またはいずれか6個以上を特徴とするであろう。1:0.9:0.1モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルは、限定されるものではないが、5.35,9.81,10.77,15.32,15.81,16.27,17.90,18.74,19.81,20.06,21.23,21.82,23.18,24.79,24.99,25.66,26.61,27.07,28.39,30.01,30.91,31.07,33.08,33.80および35.39°2θ(Bruker,収集)を含む、図8におけるピークのいずれか1個、いずれか2個、いずれか3個、いずれか4個、いずれか5個、またはいずれか6個以上を特徴とするであろう。1:0.8:0.2モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルは、限定されるものではないが、5.36,9.82,10.77,15.30,15.82,16.27,17.89,18.73,19.82,21.19,21.81,23.12,23.79,25.01,25.69,26.64,27.08,29.99,30.93,33.76および35.29°2θ(Bruker,収集)を含む、図9におけるピークのいずれか1個、いずれか2個、いずれか3個、いずれか4個、いずれか5個、またはいずれか6個以上を特徴とするであろう。1:0.7:0.3モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルは、限定されるものではないが、5.37,9.81,10.78,15.30,15.80,16.28,17.87,18.73,19.83,21.18,21.83,23
.14,23.82,24.80,25.04,25.71,26.63,27.10,30.01,30.99,33.12,33.78および35.32°2θ(Bruker,収集)を含む、図10におけるピークのいずれか1個、いずれか2個、いずれか3個、いずれか4個、いずれか5個、またはいずれか6個以上を特徴とするであろう。1:0.6:0.4モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルは、限定されるものではないが、5.36,9.83,10.79,15.32,15.78,16.29,17.86,18.71,19.85,21.16,21.85,23.18,23.81,24.81,25.74,26.65,27.11,28.42,30.01,31.04,33.14,33.81および35.30°2θ(Bruker,収集)を含む、図11におけるピークのいずれか1個、いずれか2個、いずれか3個、いずれか4個、いずれか5個、またはいずれか6個以上を特徴とするであろう。1:0.5:0.5モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルは、限定されるものではないが、5.37,9.83,10.81,15.32,15.76,16.29,17.83,18.71,19.85,20.04,21.16,21.86,23.19,23.80,24.81,25.01,25.69,26.66,27.08,28.43,29.26,30.00,31.04および33.79°2θ(Bruker,収集)を含む、図12におけるピークのいずれか1個、いずれか2個、いずれか3個、いずれか4個、いずれか5個、またはいずれか6個以上を特徴とするであろう。1:0.4:0.6モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルは、限定されるものではないが、5.37,9.83,10.79,15.32,15.73,16.31,17.83,18.71,19.85,20.18,21.11,21.85,23.14,23.85,24.80,25.04,25.73,26.64,27.14,29.24,29.95,31.02,33.16,33.79および35.19°2θ(Bruker,収集)を含む、図13におけるピークのいずれか1個、いずれか2個、いずれか3個、いずれか4個、いずれか5個、またはいずれか6個以上を特徴とするであろう。1:0.3:0.7モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルは、限定されるものではないが、5.38,9.86,10.81,14.10,15.36,15.73,16.32,17.81,18.70,19.89,20.97,21.89,23.20,24.94,25.72,26.67,27.13,28.47,29.99,31.06,33.16,33.82および35.05°2θ(Bruker,収集)を含む、図14におけるピークのいずれか1個、いずれか2個、いずれか3個、いずれか4個、いずれか5個、またはいずれか6個以上を特徴とするであろう。1:0.2:0.8モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルは、限定されるものではないが、5.38,9.85,10.82,15.69,16.33,17.79,18.73,19.90,20.08,21.12,21.89,23.24,24.82,25.03,25.74,26.68,27.16,28.60,30.02,31.07,33.87および35.10°2θ(Bruker,収集)を含む、図15におけるピークのいずれか1個、いずれか2個、いずれか3個、いずれか4個、いずれか5個、またはいずれか6個以上を特徴とするであろう。1:0.1:0.9モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルは、限定されるものではないが、5.37,8.92,9.85,10.81,12.77,15.66,16.31,17.73,18.72,19.18,19.90,20.22,21.09,21.91,23.07,23.80,24.73,25.03,25.77,26.67,27.15,28.53,29.95,31.06および35.10°2θ(Bruker,収集)を含む、図16におけるピークのいずれか1個、いずれか2個、いずれか3個、いずれか4個、いずれか5個、またはいずれか6個以上を特徴とするであろう。1:1モダフィニル:フマル酸コクリスタル(形態物1)は、限定されるものではないが、5.37,9.85,10.83,15.68,16.35,17.74,18.69,19.92,21.09,21.89,23.07,23.79,24.73,25.02,25.76,26.73,27.14,28.53,31.01,33.22および35.05°2θ(Bruker,収集)を含む、図17におけるピークのいずれか1個、いずれか2個、いずれか3個、いずれか4個、いずれか5個、またはいずれか6個以上を特徴とするであろう。
(比較)
モダフィニル:コハク酸およびモダフィニル:フマル酸コクリスタル
図18は、モダフィニル:コハク酸のPXRD回折図を示す。図19は、モダフィニル:フマル酸(形態物1)のPXRD回折図を示す。
図1は、モダフィニル:コハク酸コクリスタル、モダフィニル:フマル酸コクリスタルおよび9種の混合コクリスタル(0.1の増分における0.1〜0.9フマル酸モル分率)の重ね合わせた11のPXRD回折図を示す。 図2は、モダフィニル:コハク酸コクリスタル、モダフィニル:フマル酸コクリスタルおよび9種の混合コクリスタル(0.1の増分における0.1〜0.9フマル酸モル分率)の重ね合わせた11のDSCサーモグラムを示す。 図3は、モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルについてモル%フマル酸の関数としての融点、融解熱およびピーク温度を示す。 図4は、フマル酸のモル%が増加するにつれて、17.9°の2θ近辺に見いだされるモダフィニル:コハク酸PXRDピークのピーク位置におけるシフトを示す。 図5は、フマル酸のモル%が増加するにつれて、6個のモダフィニル:コハク酸PXRDピーク(15.8,17.9,18.8,19.8,21.2および21.8°の2θ)の標準化された(normalized)ピーク位置を示す。 図6は、標識された図5からの関心事である6個のピーク(A〜F)をもつモダフィニル:コハク酸のPXRD回折図を示す。 図7は、モダフィニル:コハク酸コクリスタルのPXRD回折図を示す。 図8は、1:0.9:0.1モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルのPXRD回折図を示す。 図9は、1:0.8:0.2モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルのPXRD回折図を示す。 図10は、1:0.7:0.3モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルのPXRD回折図を示す。 図11は、1:0.6:0.4モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルのPXRD回折図を示す。 図12は、1:0.5:0.5モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルのPXRD回折図を示す。 図13は、1:0.4:0.6モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルのPXRD回折図を示す。 図14は、1:0.3:0.7モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルのPXRD回折図を示す。 図15は、1:0.2:0.8モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルのPXRD回折図を示す。 図16は、1:0.1:0.9モダフィニル:コハク酸:フマル酸混合コクリスタルのPXRD回折図を示す。 図17は、1:1モダフィニル:フマル酸コクリスタルのPXRD回折図を示す。 図18は、モダフィニル:コハク酸のPXRD回折図を示す。 図19は、モダフィニル:フマル酸(形態物I(form1))のPXRD回折図を示す。

Claims (5)

  1. (a)モダフィニル;
    (b)コハク酸;および
    (c)フマル酸
    を含んでなる、混合コクリスタル。
  2. 混合コクリスタルが、[モダフィニル][コハク酸]0.9[フマル酸]0.1、[モダフィニル][コハク酸]0.8[フマル酸]0.2、[モダフィニル][コハク酸]0.7[フマル酸]0.3、[モダフィニル][コハク酸]0.6[フマル酸]0.4、[モダフィニル][コハク酸]0.5[フマル酸]0.5、[モダフィニル][コハク酸]0.4[フマル酸]0.6、[モダフィニル][コハク酸]0.3[フマル酸]0.7、[モダフィニル][コハク酸]0.2[フマル酸]0.8および[モダフィニル][コハク酸]0.1[フマル酸]0.9:からなる群から選ばれる式によって表すことができる、請求項1に記載の混合コクリスタル。
  3. 請求項1の混合コクリスタルを含んでなる製薬学的組成物。
  4. 希釈剤、賦形剤または担体をさらに含んでなる請求項3の製薬学的組成物。
  5. (a)モダフィニルを提供し;
    (b)コハク酸を提供し;
    (c)フマル酸を提供し:
    (d)固相を形成するような晶出条件下で、モダフィニルをコハク酸およびフマル酸とともに、摩砕するか、加熱するか、同時昇華(co−subliming)するか、同時融解(co−melting)するかまたは溶液において接触させ;そして
    (e)場合によっては、それによって形成された混合コクリスタルを単離すること
    を含む、混合コクリスタルの製造方法。
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