JP2008500808A - 収量が向上した植物及び該植物を作出する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、サイクリンD3タンパク質をコードする核酸woシュートで選択的に発現させることができるプロモーターの制御下にある該核酸を植物に導入することにより、植物の収量を向上する方法に関する。また本発明は、シュートでサイクリンD3タンパク質をコードする核酸を選択的に発現させることができるプロモーターの制御下にある該核酸を含むトランスジェニック植物に関し、該植物は、対応する野生型植物と比べて収量が向上する。また本発明は、本発明の方法に有用な構築物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、一般的に分子生物学の分野に関し、対応する野生型植物の植物収量と比較して、植物収量を向上させる方法に関する。より具体的には、本発明は、サイクリンD3をコードする核酸を植物に導入することにより収量を増加させる方法に関し、前記核酸は、シュート(shoot)で選択的に発現されるプロモーターの制御下にある。また本発明は、シュートで選択的に発現されるプロモーターの制御下にある、単離されたサイクリンD3核酸を含む植物に関し、その植物は、対応する野生型植物と比較して増加した収量を有する。また本発明は、本発明による方法に使用する構築物に関する。
世界の人口は増加の一途を辿り、農業に利用できる耕作地の供給が次第に減少しているために、研究は農業の効率を上げる方向に向かっている。従来の農作物の手法及び園芸改良では、望ましい性質を有する植物を特定するために選抜育種技術を利用する。しかしながら、このような選抜育種技術はいくつか欠点があり、すなわちこれらの技術は、一般的に大きな労働力を必要とし、また、しばしば、親植物から伝えられる望ましい特性をいつももたらすとは限らない異種の遺伝的要素を含む植物が生じる。分子生物学の進歩により、人間は動物及び植物の生殖質を改変できるようになった。植物の遺伝子工学は、(一般的にはDNAまたはRNAの形の)遺伝物質の単離及び操作と、次の、遺伝物質の植物への導入を必要とする。このような技術は、経済的、作物学的、または園芸学的に様々に改良された特徴を有する農作物または植物を作出する力を持っている。具体的な経済的利益の形質は収量である。収量は、通常、農作物から得られる、測定可能な生産物の実利的な値と定義される。これは量及び/又は質の点から定義されうる。収量は幾つかの因子、例えば器官、植物構造(例えば枝の数)、採種などの数及び大きさなどに直接依存する。根の発達、栄養摂取及びストレス耐性も収量の決定における重要な因子である。農作物の収量は、上記因子の1つを最適化することにより増加することができ、植物の生来の成長メカニズムを改変することにより行うことができる。
植物の生来の成長機序は、「細胞周期」と総称して知られる、非常に秩序のある順番を有する事象にある。細胞周期の進行は、全ての多細胞性生物の成長と発達において基本的なことであり、細胞増殖に非常に重要である。細胞周期の主な構成要素は酵母、哺乳動物及び植物に高度に保存されている。細胞周期は、一般的に、G0−G1−S−G2−Mの連続した期に分けられる。DNA複製又は合成は、一般的に、S期(「S」はDNA合成(DNA synthesis)である)中に起こり、染色体の有糸分裂分離はM期(「M」は有糸分裂(Mitosis)である)中に起こり、ギャップ期、すなわちG1(DNA複製前の細胞成長の期間)及びG2(DNA複製後、分裂のために細胞が準備している期間)が間に存在する。細胞分裂は、細胞質分裂、すなわちM期の最終ステップ後に完了する。細胞周期を終え、静止した細胞は、G0期に入るといわれる。この期の細胞を刺激してG1期の細胞周期に再び入れることができる。G1、G2及びG0の「G」は「ギャップ(gap)」を表す。細胞周期のプロセスが終了して、細胞分裂中に各娘細胞は親ゲノムの完全なコピーを受け取ることができる。
細胞分裂は、2つの主要な細胞周期事象、すなわちDNA合成の開始と有糸分裂の開始により制御される。これらの鍵となる各事象へのそれぞれの移行は、(DNA複製及び分裂に関連する)特定のタンパク質複合体により表されるチェックポイントによって制御される。G1/S境界でのDNA合成に必要な遺伝子の発現は、哺乳動物細胞及び植物細胞の転写因子のE2Fファミリーによって調節される(La Thangue, 1994; Mullerら, 2001; De Veylderら, 2002)。細胞周期への移行は、シグナルを1つにまとめて細胞周期遺伝子の転写を活性化できるE2F/Rb複合体により、調節/誘発される。細胞周期の異なる期の間の移行、及びそれによる細胞周期の進行は、一般的にサイクリン依存性キナーゼ(CDK)と呼ばれる、異なるヘテロ二量体のセリン/スレオニンプロテインキナーゼの形成と活性化により駆動される。これらのキナーゼの活性の必要条件は、特定のサイクリンとの物理的結合であり、活性化のタイミングはサイクリンの発現に大きく依存している。サイクリンの結合は、その結合するCDKのN末端ローブのコンフォメーション変化を誘発し、複合体の局在化と基質特異性に寄与する。単量体のCDKは、サイクリンと結合すると活性化されて、その結果キナーゼ活性を有する。サイクリンタンパク質のレベルは、細胞周期中に変動し、そのためCDK活性化のタイミングを決定する際の重要な因子を表す。細胞周期中のサイクリンとCDKを含むこれらの複合体の周期的な活性化は、細胞周期の移行(チェックポイント)の一時的な調節をメディエートする。
サイクリンは、有糸分裂サイクリン(高等真核生物ではA型及びB型サイクリン、出芽酵母ではCLBと命名された)及びG1−特異的サイクリン(哺乳動物ではD型サイクリン、出芽酵母ではCLNと命名された)に分類することができる。H型サイクリンはCAK(CDK−活性化キナーゼ)の活性を調節する。植物で知られているサイクリンの4つの型の全てが、それらのヒトのカウンターパートとの類似性によってほとんど同定された。シロイヌナズナでは、10個のA型、9個のB型、10個のD型及び1個のH型サイクリンが記載されている(Vandepoeleら,2002)。
10個のD型サイクリンは、A型及びB型サイクリンと対照的に、7つのサブクラス、即ちD1〜D7に細分され、互いに、高い配列類似性が欠如している。D3及びD4サブクラスのみが異なるメンバー、それぞれ3つと2つのメンバーを有する。D3型サイクリンの重複性は、1つのD3型サイクリンのノックアウトによる突然変異表現型を観察できない説明として、以前に提案された(Swaminathanら、2000)。その2つのD3型サイクリンは、最近の分節重複を介して結合しており、これらは機能的に重複していることを示唆する。同様の仮説がD4型サイクリンに適用できると考えられ、これは、3つのうちの2つが重複したブロックに位置するからである。
A型及びB型サイクリンと比べて、D型サイクリンに見られる非常に大きな多様性は、発生シグナル及び環境信号を細胞周期の中へ統合することにおけるD型サイクリンの仮想的役割を反映しているのかもしれない。例えば、D3型サイクリンは、サイトカイニン及びブラシノステロイドなどの植物ホルモンに対する応答を示すが、CYCD2及びCYCD4はG1期の初めに活性化されて、糖利用性に対して反応する(概説についてはStals及びInze,2001を参照されたい)。
タバコのCYCD2;1遺伝子の過剰発現は、形態学的変化もなく、細胞分裂を増進させ、全体的な植物成長速度を上げることが報告された(Cockcroftら,2000)。
CaMV 35Sプロモーターの制御下にあるシロイヌナズナのCYCD3;1遺伝子の過剰発現は、子葉が大きく、最終的な植物の大きさが非常に小さく、発達の歪んだ植物にさせることが報告された。細胞レベルでは、細胞はG1期から押し進められて、分裂組織領域と、細胞分裂が通常無いか或いは制限される領域との両方で、異所性の細胞分裂が生じる。この細胞数の増加は、細胞の大きさの縮小とつながっている(Dewitteら、2003)。
植物の細胞周期にもっと的確に影響を与え、それにより植物の様々な成長の特徴をもっと的確に改変する能力は、農作物の増収、品種改良、観賞植物の生産、樹芸学(aboriculture)、園芸学、林学、バイオリアクター(医薬、抗体またはワクチンなどの物質の生物工学的な生産、または有機性廃棄物の生物変換)に使用する藻類の生産及びこのような他の分野で、多くの適用があるであろう。
本発明の目的は、植物におけるサイクリンD3の先行技術の発現に関する問題の幾つかを解決することである。
サイクリンD3をコードする核酸を、シュート(shoot;苗条)で前記核酸を選択的に発現させることができるプロモーターの制御下で、植物に導入することにより、収量が向上した植物が得られることを見出した。従って、本発明では、サイクリンD3をコードする核酸をシュートで選択的に発現させることができるプロモーターの制御下にある該核酸を、植物に導入することを含む、植物の収量を向上させる方法を提供する。
本明細書で定義される用語「収量の増加」は、対応する野生型植物と各々比較して、以下のいずれか1つ以上についての増加を意味する。(i)植物の1箇所以上の地上(収穫可能な)部分のバイオマスの増加(重量)、(ii)種子の収量の増加(種子のバイオマス(種子重量)の増加により生じてもよいし、植物体ごと又はそれぞれの種子を基準とした種子重量の増加でもよいし、種子重量の増加が、種子の長さ及び/又は種子の幅及び/又は種子の面積などの種子の寸法が変化したことによるものでもよい)、(iii)(充実した(filled))種子の数の増加、(vi)種子の大きさ(size)の増加(種子の組成に影響があってもよい)、(v)種子の体積(volume)の増加(種子の組成に影響があってもよい)、(vi)収穫指数の増加(全バイオマスに対する、種子などの収穫可能な部分の収量の比率として表される)、及び(vii)千粒重(TKW)の増加(数えた充実した種子数及びその全重量から外挿される)。千粒重の増加は、種子の大きさの増大及び/又は種子の密度によるものでもよい。
例えばトウモロコシでは、収量の増加は、以下の1つ以上により表すことができる。ヘクタール又はエーカーあたりの植物数の増加、植物あたりの穂(ear)の数の増加、列の数、列あたりの穀粒数、穀粒重量、千粒重、穂の長さ/直径などの増加。例えばイネでは、収量の増加は、以下の1つ以上の増加により表すことができる。ヘクタール又はエーカーあたりの植物の数、植物当たりの穂首(panicle)の数、穂首あたりの小穂の数、穂首あたりの花の数、種子の充填率の増加、千粒重の増加など。また、収量の増加は構造の改変により起こりうるし、または構造の改変の結果として起こりうる。
本発明の好ましい特徴によると、本発明の方法を行うことにより、対応する野生型植物と各々比べて、少なくとも以下の1つにより表される、収量が向上した植物が得られる。地上面積の増加、全種子数の増加、(充実した)種子の数の増加、種子重量の増加、及び収穫指数の増加。従って、本発明では、植物の収量、特に種子の収量を増加する方法が提供され、この方法は、サイクリンD3をコードする核酸をシュートで選択的に発現させることができるプロモーターの制御下にある該核酸を、植物に導入することを含む。
本発明の方法を行うことにより、(サイクリンD3遺伝子をシュートで選択的に発現させることができるプロモーターの制御下にある該核酸が導入された)植物が非ストレス条件下にあっても、または植物が対照植物と比べて様々なストレスにさらされていても、植物の収量が向上する。一般的に植物は、ストレスにさらされると、もっとゆっくりとした成長で応答する。強いストレス条件では、植物は完全に成長を停止することもある。一方、軽度のストレスは、本明細書において、植物がストレスにさらされても完全に成長を止めた植物が生じないストレスであると定義される。農作業(灌漑、施肥、農薬処理)の進歩により、栽培される作物は強いストレスにあまり遭遇しなくなる。その結果、しばしば、軽度のストレスにより誘発された成長の障害が、農業にとって望ましくない特性となる。軽度のストレスは、植物がさらされる可能性のある一般的なストレスである。これらのストレスは、植物がさらされる毎日の生物的及び/又は非生物的(環境)ストレスでありうる。一般的な非生物的または環境ストレスとして、不規則な高温又は低温/凍結温度により起こる温度ストレス、塩分ストレス、水分ストレス(渇水又は過剰水)が挙げられる。また、非生物的ストレスは、薬剤によっても起こる。生物的ストレスは、一般的に、細菌、ウイルス、真菌及び昆虫などの感染因子によって生じるストレスである。
更に有利なことに、本発明の方法はどんな植物でも行うことができる。本明細書において使用される用語「植物」は、植物全体、植物の原種及びその後代、及び植物部分を包含し、種子、シュート、茎、葉、根(塊茎を含む)、植物細胞、組織及び器官を含み、上記のそれぞれは目的の遺伝子を含むことが好ましい。また、用語「植物」は、懸濁培養物、胚、分裂組織領域、カルス組織、配偶体、胞子体、花粉及び小胞子を包含し、上記のそれぞれは目的の遺伝子を含むことが好ましい。
本発明の方法で特に有用な植物には、緑色植物(Viridiplantae)スーパーファミリーに属する全ての植物、具体的には以下の植物を含むリストから選択される、飼料または飼い葉用マメ科植物、観賞植物、食用作物、樹木または低木を含む、単子葉植物及び双子葉植物が挙げられる:アカシア(Acacia spp.)、カエデ(Acer spp.)アクティニディア(Actinidia spp.)、トチノキ(Aesculus spp.)、アガチス・アウストラリス(Agathis australis)、アルビジア・アマラ(Albizia amara)、アルソフィラ・トリカラー(Alsophila tricolor)、メリケンカルカヤ(Andropogon spp.)、ラッカセイ(Arachis spp.)、アレカ・カテチュ(Areca catechu)、アステリア・フラグランス(Astelia fragrans)、アストラガルス・シサー(Astragalus cicer)、バイキアエア・プルリジュガ(Baikiaea plurijuga)、カバノキ(Betula spp.)、アブラナ(Brassica spp.)、ブルグイエラ・ジムノルヒザ(Bruguiera gymnorrhiza)、ブルケア・アフリカーナ(Burkea africana)、ブテア・フロンドーサ(Butea frondosa)、カダバ・ファリノーサ(Cadaba farinosa)、ネムノキ(Calliandra spp.)、カメリア・シネンシス(Camellia sinensis)、カンナ・インディカ(Canna indica)、トウガラシ(Capsicum spp.)、桂皮(Cassia spp.)、セントロエマ・プベスケンス(Centroema pubescens)、ボケ(Chaenomeles spp.)、キンナモムム・カシア(Cinnamomum cassia)、コフィア・アラビカ(Coffea arabica)、コロフォスペルムム・モパネ(Colophospermum mopane)、コロニリア・バリア(Coronillia varia)、コトネアスター・セロティナ(Cotoneaster serotina)、クルタエグス(Crtaegus spp.)、キュウリ(Cucumis spp.)、クプレッサス(Cupressus spp.)、サイアセア・デアルバータ(Cyathea dealbata)、サイドニア・オブロンガ(Cydonia oblonga)、クリプトメリア・ジャポニカ(Cryptomeria japonica)、キンボポゴン(Cymbopogon spp.)、シンシア・ディアルバータ(Cynthea dealbata)、キドニア・オブロンガ(Cydonia oblonga)、ダルベルジア・モネタリア(Dalbergia monetaria)、ダバリア・ディバリカータ(Davallia divaricata)、デスモディウム(Desmodium spp.)、ディクソニア・スクアローサ(Dicksonia squarosa)、ディヘテロポゴン・アンプレクテンス(Diheteropogon amplectens)、ディオクレア(Dioclea spp.)、ドリコス(Dolichos spp.)、ドリクニウム・レクタム(Dorycnium rectum)、エチノクロア・ピラミダリス(Echinochloa pyramidalis)、エラルティア(Ehrartia spp.)、エレウシン・コラカナ(Eleusine coracana)、エラグレスティス(Eragrestis spp.)、エリスリナ(Erythrina spp.)、ユーカリ(Eucalyptus spp.)、ユークレア・シンペリー(Euclea schimperi)、ユーラリア・ビローサ(Eulalia villosa)、ファゴピルム(Fagopyrum spp.)、フェイジョア・セロウィアナ(Feijoa sellowiana)、イチゴ(Fragaria spp.)、フレミンジア(Flemingia spp.)、フレイシネチア・バンクシイ(Freycinetia banksii)、ゲラニウム・ツンベルギイ(Geranium thunbergii)、ギンゴ・ビロバ(Ginkgo biloba)、グリシン・ジャバニカ(Glycine javanica)、グリリシディア(Gliricidia spp.)、ゴシピウム・ヒルスツム(Gossypium hirsutum)、グレビレア(Grevillea spp.)、グイボウルティア・コレオスペルマ(Guibourtia coleosperma)、ヘディサルム(Hedysarum spp.)、ヘマルチア・アルティッシマ(Hemarthia altissima)、ヘテロポゴン・コントルツス(Heteropogon contortus)、ホルデウム・ブルガレ(Hordeum vulgare)、ヒパーレニア・ルファ(Hyparrhenia rufa)、ヒペリクム・エレクツム(Hypericum erectum)、ヒペルセリア・ディソルタ(Hyperthelia dissoluta)、インディゴ・インカルナータ(Indigo incarnata)、アイリス(Iris spp.)、レプタルレナ・ピロリフォリア(Leptarrhena pyrolifolia)、レスペディザ(Lespediza spp.)、レチュカ(Lettuca spp.)、レウカエナ・レウコセファラ(Leucaena leucocephala)、ロウデチア・シンプレクス(Loudetia simplex)、ロトヌス・バイネシイ(Lotonus bainesii)、ハス(Lotus spp.)、マクロチローマ・アキシラレ(Macrotyloma axillare)、リンゴ(Malus spp.)、マニホット・エスクレンタ(Manihot esculenta)、メディカゴ・サティバ(Medicago sativa)、メタセコイア・グリプトストロボイデス(Metasequoia glyptostroboides)、ムサ・サピエンツム(Musa sapientum)、ニコチアヌム(Nicotianum spp.)、オノブリョチス(Onobrychis spp.)、オルニトプス(Ornithopus spp.)、イネ(Oryza spp.)、ペルトフォルム・アフリカヌム(Peltophorum africanum)、ペニセツム(Pennisetum spp.)、ペルセア・グラテッシマ(Persea gratissima)、ペチュニア(Petunia spp.)、ファセオルス(Phaseolus spp.)、フェニックス・カナリエンシス(Phoenix canariensis)、フォルミウム・クッキアヌム(Phormium cookianum)、フォチニア(Photinia spp.)、ピセア・グラウカ(Picea glauca)、ピヌス(Pinus spp.)ピスム・サティブム(Pisum sativum)、ポドカルプス・トタラ(Podocarpus totara)ポゴナルスリア・フレッキイ(Pogonarthria fleckii)、ポゴナルスリア・セクアルローサ(Pogonarthria squarrosa)、ハコヤナギ(Populus spp.)、プロソピス・シネラリア(Prosopis cineraria)、シュードツガ・メンジエシイ(Pseudotsuga menziesii)、プテロロビウム・ステラツム(Pterolobium stellatum)、パイラス・コミュニス(Pyrus communis)、クエルクス(Quercus spp.)、ラフィオレプシス・アンベルラタ(Rhaphiolepsis umbellata)、ロパロスチリス・サピダ(Rhopalostylis sapida)、ルス・ナタレンシス(Rhus natalensis)、リベス・グロッスラリア(Ribes grossularia)、スグリ(Ribes spp.)、ロビニア・シュードアカシア(Robinia pseudoacacia)、バラ(Rosa spp.)、キイチゴ(Rubus spp.)、ヤナギ(Salix spp.)、スキザクリウム・サングイネウム(Schyzachyrium sanguineum)、スシアドピティス・ヴァティシラタ(Sciadopitys verticillata)、セコイア・セムペルビレンス(Sequoia sempervirens)、セコイアデンドロン・ギガンテウム(Sequoiadendron giganteum)、ソルガム・バイカラー(Sorghum bicolor)、ホウレンソウ(Spinacia spp.)、スポロボルス・フィムブリアツス(Sporobolus fimbriatus)、スチブルス・アロペクロイデス(Stiburus alopecuroides)、スチロサントス・フミリス(Stylosanthos humilis)、タデハギ(Tadehagi spp.)、タキソディウム・ディスチクム(Taxodium distichum)、テメダ・トリアンドラ(Themeda triandra)、トリフォリウム(Trifolium spp.)、コムギ(Triticum spp.)、ツガ・ヘテロフィラ(Tsuga heterophylla)、スノキ(Vaccinium spp.)、ビシア(Vicia spp.)ビティス・ビニフェラ(Vitis vinifera)、ワトソニア・ピラミダタ(Watsonia pyramidata)、ザンテデスキア・アエチオピカ(Zantedeschia aethiopica)、トウモロコシ(Zea mays)、アマランス、チョウセンアザミ、アスパラガス、ブロッコリー、芽キャベツ、キャベツ、キャノーラ、ニンジン、カリフラワー、セロリ、コラードの葉(collard greens)、亜麻、ケール、レンティル、ナタネ、オクラ、タマネギ、ジャガイモ、イネ、ダイズ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ヒマワリ、トマト、スカッシュ、茶及び藻類など。本発明の特に好ましい実施形態では、植物は、ダイズ、ヒマワリ、キャノーラ、アルファルファ、ナタネ、綿、トマト、ジャガイモまたはタバコなどの農作物植物である。更に好ましくは、植物は、サトウキビなどの単子葉植物である。より好ましくは、植物は、イネ、トウモロコシ、コムギ、オオムギ、ミレット、ライムギ、オートムギまたはソルガムなどの穀物である。
サイクリンD3は種々の方法を用いて同定することができる。例えば、照会するタンパク質配列を、翻訳されたシロイヌナズナの核酸配列データベースに対して、(例えば、ギャップ開始ペナルティー及びギャップ伸張ペナルティーのブラストデフォルトパラメーターを使って)ブラストサーチできる。照会する配列がサイクリンD3である場合、ブラストからの最初のヒットはシロイヌナズナのサイクリンD3であろう。サイクリンD3を同定する別の方法は、例えばVector NTI suite(InforMax,Bethesda,MD)のAlignX programを使って、照会する配列と公知のサイクリンD3タンパク質配列を整列比較することによる。そして複数のアラインメントは、ギャップ開始ペナルティー10及びギャップ伸張ペナルティー0.01で行われてもよい。また、幾つかの保存領域の位置を改善するために、アラインメントのわずかな手作業の編集が必要となることもある。照会する配列がサイクリンD3であれば、公知のサイクリンD3配列と整列比較する。
本明細書で定義される「サイクリンD3」配列は、サイクリン又はサイクリンDの系統樹、例えば図1に示されるような系統樹の作成に使用される場合、サイクリンD3(他のD型サイクリン、例えばD1、D2、D4、D5、D6及びD7ではない)を含むグループに該当するアミノ酸配列をいう。本明細書においてサイクリンD3をコードする核酸についての言及は、上に定義されたサイクリンD3アミノ酸をコードする核酸に言及する。
当業者であれば、GCG、EBIまたはCLUSTALパッケージなどの、前記の如き系統樹を作成するための公知技術及びソフトウエアを使って、デフォルト・パラメーターを用いて、問題のアミノ酸配列が上述の定義の範囲内にあるかどうかを容易に決定できるであろう。このような系統樹を構築するときに、サイクリンD3グループに群をなす配列は、「サイクリンD3」の定義の範囲内にあると考えられる。このような配列をコードする核酸は、本発明の方法を行うのに有用である。
一般的に、サイクリンD3は、植物のCDK及びRbと結合し、それらを活性化する能力を有する。更に、サイクリンD3は以下の1つ以上、好ましくは全てを含んでもよい。(i)サイクリンボックス、(ii)最初の40個程度のアミノ酸内にあるLxCxEモチーフ(ほとんどのサイクリンDが有する特徴である)、及び(iii)図2に示されるボックスによって同定される、1つ以上、好ましくは全ての保存領域(図2に示されるように、ボックス内の1個のミスマッチは許容される)。
サイクリンD3の上述の定義に該当するサイクリンD3をコードする核酸の例を、以下の表1に挙げる。表に示したサイクリンD3をコードする核酸は、本発明の方法を行うのに有用であり、換言すれば、これらの核酸のどれか1つを、シュートでその核酸を選択的に発現させることができるプロモーターの制御下に導入して発現させることにより、対応する野生型植物と比べて収量の向上した植物を得るのに有用である。サイクリンD3をコードする核酸は、好ましくは、配列番号1で表される核酸、又は以下に説明される配列番号1の機能的変異体である。
Figure 2008500808
本発明では、シュートでサイクリンD3の核酸の発現を増強または増加させることが認められる。遺伝子又は遺伝子産物の発現を増強又は増加させる方法は、当該技術分野で十分に記載されており、例えばプロモーターにより作動される過剰発現、転写エンハンサー又は翻訳エンハンサーの使用が挙げられる。
サイクリンD3をコードする核酸は、シュートで前記核酸を選択的に発現させることができるプロモーターと機能的に結合される。このようなプロモーターの例は、β−エクパンシンプロモーターと同等の発現プロフィールを有するプロモーターである。本発明の適用可能性は、配列番号1で表されるサイクリンD3に限定されないこと、また本発明の適用可能性は、本発明の方法のβ−エクスパンシンプロモーターの使用に限定されないことを明確にしておく。
サイクリンD3をコードする核酸はどんな源に由来するものでもよい。サイクリンD3をコードする核酸/遺伝子は、酵母または菌類などの微生物源、または植物、藻類または動物(ヒトを含む)源から単離できる。この核酸は、人為的な操作を経て、組成物及び/又はゲノム環境におけるその天然形から改変されてもよい。核酸は、好ましくは相同な核酸であり、即ち導入する植物種と同じ植物種から得られた核酸でもよいし、異なる植物種から得られた核酸でもよい。核酸は双子葉植物種、好ましくはアブラナ科(Brassicaceae)、より好ましくはシロイヌナズナから単離される。より好ましくは、シロイヌナズナから単離されたサイクリンD3をコードする核酸は、D3型サイクリン、例えばサイクリンD3;1、サイクリンD3;2またはサイクリンD3;3である。最も好ましくは、サイクリンD3は、シロイヌナズナ由来のサイクリンD3;3であり、特に、配列番号1で表される核酸配列及び配列番号2で表されるアミノ酸配列である。
配列番号1で表される配列は、シロイヌナズナ由来のサイクリンD3;3を示し、配列番号2は対応するアミノ酸配列である。有利なことに、本発明の適用可能性は、配列番号1で表されるシロイヌナズナ由来のサイクリンD3;3の使用に限定されない。また、本発明による方法は、サイクリンD3をコードする核酸の機能的変異体を用いて、またはコードされたポリペプチドの機能的変異体を用いて行うことができる。本発明の方法に特に有用なのは、配列番号1で表される核酸の機能的変異体、または配列番号2で表されるアミノ酸の機能的変異体である。
本明細書で定義される「機能的変異体」は、植物のCDKと結合し、それを活性化する能力を保持したサイクリンD3である(例えばHealyら(2001, J. Biol. Chem. 276(10): 7041−7047)を参照されたい)。また機能的変異体は、ほとんどの場合、CLN(酵母のD型サイクリンの用語)を欠損した酵母の突然変異体を相補する。例えばSwaminathanら(2000, Plant Phys 124: 1658−1667)、特に1663頁を参照されたい。機能的変異体は、サイクリン又はサイクリンDの系統樹、例えば図1に示される系統樹の作成に使用される場合、サイクリンD3(他のD型サイクリン、例えばサイクリンD1、D2、D4、D5、D6及びD7ではない)を含むグループに該当するアミノ酸配列であるという意味で、サイクリンD3である。本明細書でサイクリンD3をコードする核酸についての言及は、上に定義されたサイクリンD3アミノ酸をコードする核酸に言及する。さらに、機能的変異体は、以下の1つ以上、好ましくは全てを含んでもよい。(i)サイクリンボックス、(ii)最初の40個程度のアミノ酸内のLxCxEモチーフ(ほとんどのサイクリンDが有する特徴である);及び(iii)図2に示されるボックスにより同定される、1つ以上、好ましくは全ての保存領域(図2に示されるように、ボックス内の1個のミスマッチは許容される)。更にまた、当業者であれば、特定のサイクリンD3が機能的な変異体であるかどうか(植物の収量を向上できるかどうかという意味)、以下の実施例のセクションで説明される配列を、機能について調べる変異体と単純に置換することにより、容易に決定することができる。
本発明による方法を行うのに有用な、適切な機能的変異体の核酸及びアミノ酸配列には、
(i)サイクリンD3をコードする核酸の一部、好ましくは配列番号1で表されるサイクリンD3をコードする核酸の一部、
(ii)サイクリンD3をコードする核酸の選択的スプライス変異体、好ましくは配列番号1で表されるサイクリンD3をコードする核酸の選択的スプライス変異体、
(iii)サイクリンD3をコードする核酸の対立遺伝子変異体、好ましくは配列番号1で表されるサイクリンD3をコードする核酸の対立遺伝子変異体、及び
サイクリンD3アミノ酸配列のホモログ、誘導体及び活性フラグメント、好ましくは配列番号2の配列で表されるサイクリンD3、が含まれる。
完全長のサイクリンD3をコードするDNA配列の使用は、本発明による方法を行うための必要条件でないことは、当業者に明らかであろう。本発明の方法は、サイクリンD3をコードするDNA/核酸の機能的部分、特に配列番号1で表されるサイクリンD3をコードする核酸の機能的部分を使用して、有利に行うことができる。部分(一部)とは、元の(大きな)DNA分子に由来し又は調製されたDNA断片(piece)をいう。例えば、部分は、当該技術分野で周知の技術を用いて、配列番号1の核酸配列に1つ以上の欠失を作ることにより調製できる。
従って、本発明によれば、配列番号1で表される核酸の機能的部分を植物に導入することを含む、植物の収量を向上する方法が提供され、機能的部分は、シュートでその機能的部分を選択的に発現できるプロモーターの制御下にある。
本発明の方法に有用な別の機能的変異体は、サイクリンD3をコードする核酸の選択的スプライス変異体、特に配列番号1で表されるサイクリンD3をコードする核酸の選択的スプライス変異体である。本明細書で使用される用語「選択的スプライス変異体」は、選択されたイントロン及び/又はエキソンが切除され、置換されまたは付加された核酸配列の変異体を包含する。このような変異体は、おそらくタンパク質の生物学的活性が影響を受けていない変異体であり、このような影響を受けないことは、タンパク質の機能的セグメントを選択的に保持することにより達成することができる。このようなスプライス変異体は天然に見出すことができ、また人為的に作れる。このようなスプライス変異体を作製する方法は当該技術分野において周知である。
従って、本発明はまた、サイクリンD3をコードする核酸の選択的スプライス変異体、特に配列番号1の配列で表されるサイクリンD3をコードする核酸の選択的スプライス変異体を植物に導入することを含む、植物の収量を向上させる方法を提供し、選択的スプライス変異体は、シュートでスプライス変異体を選択的に発現させることができるプロモーターの制御下にある。
本発明の方法に有用な別の変異体は、サイクリンD3をコードする核酸の対立遺伝子変異体、特に配列番号1で表されるサイクリンD3をコードする核酸の対立遺伝子変異体である。対立遺伝子変異体は天然に存在し、これらの天然の対立遺伝子の使用は本発明の方法に包含される。対立遺伝子変異体は、小さい挿入/欠失多型(INDEL)だけでなく一塩基多型(SNP)も包含する。INDELのサイズは通常100bp以下である。SNP及びINDELは、ほとんどの生物の天然の多型性株において、最大組の配列変異体を形成する。
従って、本発明はまた、サイクリンD3をコードする核酸の対立遺伝子変異体、特に配列番号1で表されるサイクリンD3をコードする核酸の対立遺伝子変異体を植物に導入することを含む、植物の収量を向上する方法を提供し、対立遺伝子変異体は、シュートで前記対立遺伝子変異体を選択的に発現させることができるプロモーターの制御下にある。
更に有利なことに、本発明による方法は、サイクリンD3のホモログ、誘導体又は活性フラグメント、好ましくは、配列番号2で表されるサイクリンD3のホモログ、誘導体または活性フラグメントを使って行ってもよい。配列番号2で表されるアミノ酸のホモログ、誘導体、または活性なフラグメントをコードする核酸は、当業者に周知の日常的な技術を使って容易に決定することができる。
タンパク質の「ホモログ」は、問題の未改変のタンパク質に対して、アミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入を有し、そのホモログが由来する未改変のタンパク質と同様の生物学的及び機能的活性を有する、ペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質及び酵素を包含する。このようなホモログを作製するため、タンパク質のアミノ酸を、類似の性質(例えばα−らせん構造またはβ−シート構造を形成するかまたは壊す、類似の疎水性、親水性、抗原性、性向)を持つ他のアミノ酸と置換することができる。保存的置換の表は当該技術分野で周知である(例えばCreighton(1984)Proteins.W.H.Freeman and Companyを参照されたい)。
本発明による方法に有用なホモログは、機能的変異体の定義、即ち、植物のCDKと結合して、それを活性化する能力があり、上で定義されたサイクリンD3であるという定義に該当する。更に、ホモログは、配列番号2で表されるアミノ酸配列に対して、好適な順で増加して、少なくとも30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%の配列同一性を有する点で特徴的である(サイクリンD3は互いに低い同一性%を有しているが、それでも配列番号2に対する30%の同一性は他のサイクリンD3を同定するのに十分であることを示す図3を参照されたい)。更に、ホモログは、以下の1つ以上、好ましくは全てを含んでもよい:(i)サイクリンボックス、(ii)最初の40個程度のアミノ酸にあるLxCxEモチーフ(ほとんどのサイクリンDが有する特徴である)、及び(iii)図2に示されるボックスにより同定される保存領域の1つ以上、好ましくは全て(図2に示されるように、ボックス内の1個のミスマッチは許容される)。
また、用語「ホモログ」には、2つの特別な相同性形態が包含され、それらの形態はオーソロガス配列及びパラロガス配列を含み、それらの配列は遺伝子の先祖の関係を説明するのに使用される進化概念を包含する。用語「パラロガス」は、パラロガス遺伝子に導く種のゲノム内にある遺伝子重複に関する。用語「オーソロガス」は、先祖の関係に起因する異なる生物の相同な遺伝子に関する。
例えば、単子葉植物種におけるオーソロガスは、いわゆる相互のブラストサーチを行うことにより容易に見つけることができる。これは、例えばhttp://www.ncbi.nlm.nih.govで見ることができる、公開され入手可能なNCBIデータベースなどの配列データベースに対して、問題の配列(例えば配列番号1または配列番号2)をブラストすることを含む最初のブラストにより行うことができる。もしイネのオーソロガスを探すとすれば、問題の配列を、例えばNCBIで入手可能なイネ(Oryza sativa)の日本晴の28,469の完全長cDNAクローンに対してブラストする。BLASTnはヌクレオチドから開始する場合、またはTBLASTXはタンパク質から開始する場合に使用でき、スタンダードデフォルト値(エクスペクテーション10、アラインメント50)を用いる。ブラスト結果をフィルターにかけてもよい。そして、フィルターにかけた結果またはフィルターにかけていない結果のいずれかの完全長配列を、問題の配列(配列番号1または2)に対してブラストに戻す(即ち、2回目のブラストを行う)。次に、1回目及び2回目のブラストの結果を比較する。大ファミリーの場合、ClustalWを使用して、クラスター化の視覚化に役立つ近縁関係結合樹(neighbour joining tree)を作成する。
ホモログはタンパク質の「置換変異体」の形態でもよく、即ち、アミノ酸配列の少なくとも1つの残基が除去されて、その場所に異なる残基が挿入される。アミノ酸置換は典型的に1つの残基の置換であるが、ポリペプチド上にある機能的な束縛に応じて群集化していてもよい。挿入は通常、約1〜10アミノ酸残基のオーダーであり、欠失は約1〜20残基の範囲である。好ましくは、アミノ酸置換は保存的アミノ酸置換を含む。
またホモログは、タンパク質の「挿入変異体」の形態、即ち、1つ以上のアミノ酸残基がタンパク質の所定の部位に導入されていてもよい。挿入は、1個又は複数のアミノ酸の配列内挿入だけでなく、アミノ末端及び/又はカルボキシ末端融合も含んでもよい。一般的に、アミノ酸配列内の挿入は、アミノ−またはカルボキシ−末端融合よりも小さい、即ち約1〜10残基のオーダーである。アミノ−またはカルボキシ−末端融合タンパク質又はペプチドの例として、酵母ツーハイブリッドシステムに使用される転写活性化因子の結合ドメイン又は活性化ドメイン、ファージコートタンパク質、(ヒスチジン)6−タグ、グルタチオンS−トランスフェラーゼ−タグ、プロテインA、マルトース−結合タンパク質、ジヒドロ葉酸還元酵素、タグ−100エピトープ、c−mycエピトープ、FLAG(登録商標)−エピトープ、lacZ、CMP(カルモジュリン−結合タンパク質)、HAエピトープ、プロテインCエピトープ及びVSVエピトープが挙げられる。
タンパク質の「欠失変異体」の形態のホモログは、タンパク質から1つ以上のアミノ酸の除去を特徴とする。
タンパク質のアミノ酸変異体は、当該技術分野で周知のペプチド合成技術、例えば固相ペプチド合成などを使って、または組換えDNA操作により、容易に作製できる。タンパク質の置換、挿入または欠失変異体を作るためのDNA配列の操作の方法は、当該技術分野で周知である。例えば、DNAの所定の部位に置換突然変異を作る技術は当業者に周知であり、M13突然変異誘発、T7−Gen in vitro突然変異誘発(USB, Cleveland, OH)、クイックチェンジ部位特異的突然変異誘発(Stratagene, San Diego, CA)、PCR−仲介部位特異的突然変異誘発法または他の部位特異的突然変異プロトコルが挙げられる。
「誘導体」としては、天然型タンパク質のアミノ酸配列、例えば配列番号2で表されるアミノ酸配列と比較して、天然及び非天然アミノ酸残基の置換、欠失または付加を含み得る、ペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質および酵素が挙げられる。タンパク質の「誘導体」は、天然型ポリペプチドのアミノ酸配列と比較して、天然の、変化された、グリコシル化された、アシル化された、又は非天然の、アミノ酸残基を含みうるペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質及び酵素を包含する。また、誘導体は、その誘導体が由来するアミノ酸配列と比較して1つ以上の非アミノ酸置換を含んでもよく、例えば、アミノ酸配列と共有結合的に又は非共有結合的に結合したレポーター分子又は他のリガンド、例えば結合してその検出を容易にするレポーター分子、及び天然タンパク質のアミノ酸配列と比較して非天然のアミノ酸残基を含んでもよい。
サイクリンD3タンパク質の「活性フラグメント」は、タンパク質の少なくとも5つの連続したアミノ酸残基を包含し、残基は、天然のタンパク質と類似の生物活性及び/又は機能的活性を保持する。あらゆる場合において、「ホモログ、誘導体及び活性フラグメント」は、上に定義された「機能的変異体」の定義に該当する。
サイクリンD3のホモログの検索及び同定の方法は十分に当業者の領域内にある。比較のための配列のアラインメントの方法は、当該技術分野で周知であり、そのような方法として、GAP、BESTFIT、BLAST、FASTA、(vector NTIの)ALIGN X及びTFASTAが挙げられる。GAPはNeedlemanとWunsch(J. Mol. Biol. 48: 443−453, 1970)のアルゴリズムを使用し、マッチする数を最大にし、ギャップの数を最小にする2つの完全な配列のアラインメントを見つける。BLASTアルゴリズムは配列の同一性のパーセントを計算し、これらの2つの配列間の類似性の統計学的分析を行う。BLAST分析を行うソフトウエアはNational Centre for Biotechnology Informationを通して公開され入手可能である。本発明の方法に使用するのに適切なホモログ、すなわち、配列番号2で表されるアミノ酸配列と少なくとも30%の配列同一性を有するホモログは、完全長サイクリンD3タンパク質配列を取得し、データのプレアラインメントを必要しない、所定のデータセットで配列の各ペア間の類似性及び同一性を計算するMatGAT(Matrix Global Alignment Tool)などの類似性/同一性の行列ジェネレーターを使って、同定することができる。プログラムは、Myers及びMillerのグローバルアラインメントアルゴリズム(ギャップ開始ペナルティー12及びギャップ伸張ペナルティー2を使用)を用いて、一連のペアのアラインメントを行う。そして、例えば行列をスコアするBlosum 60を使って類似性及び同一性を計算し、それからその結果を距離行列にする。
従って、本発明はまた、サイクリンD3のホモログ、誘導体または活性フラグメント、例えば配列番号2で表されるサイクリンD3のホモログ、誘導体または活性フラグメントをコードする核酸を植物に導入することを含む、植物の収量を向上する方法を提供し、ホモログ、誘導体または活性フラグメントは、シュートで前記核酸を選択的に発現させることができるプロモーターの制御下にある。
また本発明は、本発明による方法に有用な前記ヌクレオチド配列の導入及び/又は発現を容易にする遺伝子構築物及びベクターを提供する。
従って、
(i)サイクリンD3をコードする核酸又はその機能的変異体、好ましくは配列番号1で表されるサイクリンD3をコードする核酸またはその機能的変異体(上に定義される)(ここで、核酸は、サイクリンD3ポリペプチド又はその機能的変異体、好ましくは配列番号2で表されるサイクリンD3ポリペプチドまたはその機能的変異体をコードする。)、
(ii)シュートで、好ましくは栄養(地上)シュートの細胞増殖域で、(i)の核酸を選択的に発現させることができるプロモーター、及び任意に、
(iii)転写終結配列、
を含む遺伝子構築物が提供される。
本発明による方法に有用な構築物は、当業者に周知の組換えDNA技術を用いて構築することができる。市販された、植物に形質転換するのに適切で、形質転換された細胞で目的の遺伝子を発現させるのに適切なベクターに、遺伝子構築物を挿入することができる。
植物は、目的の配列(すなわち、サイクリンD3をコードする核酸またはその機能的変異体(上に定義される))、例えば配列番号1で表されるサイクリンD3をコードする核酸またはその機能的変異体(上に定義される)を含むベクターで形質転換される。目的の配列は、シュートで目的の配列を選択的に発現できるプロモーターと機能的に結合される。用語「調節要素」、「制御配列」及び「プロモーター」は本明細書においてすべて交換可能に用いられ、連結された配列の発現を行うことが可能な調節核酸配列を指す広い意味で取られるべきである。前述した用語に包含されるのは、古典的な真核生物のゲノム遺伝子由来の転写調節配列(CCAATボックス配列の有無にかかわらず、正確な転写開始に必要とされるTATAボックスを含む)、及び発生的及び/又は外的刺激に対する応答において、或いは組織特異的な方法において遺伝子の発現を変化させる、追加の調節要素(即ち上流活性化配列、エンハンサー及びサイレンサー)である。また上記用語に含まれるのは、古典的な原核生物遺伝子の転写調節配列であり、この場合、−35ボックス配列及び/又は−10ボックス転写調節配列を含んでもよい。また、用語「調節要素」は、細胞、組織または器官で核酸分子を発現させ、発現を活性化または増強する合成融合分子または誘導体を包含する。本明細書で使用される用語「機能的に結合された」は、プロモーター配列及び目的の遺伝子の間の機能的な結合をいい、それによりプロモーター配列は目的の遺伝子の転写を開始することができる。
サイクリンD3をコードする核酸またはその変異体、例えば配列番号1で表されるサイクリンD3をコードする核酸またはその変異体は、シュートで前記核酸を選択的に発現させることができるプロモーターと機能的に結合される。好ましくは、シュートで前記核酸を選択的に発現させることができるプロモーターは、例えば図5に示す、β−エクスパンシンプロモーターと同等の発現プロフィールを有する。当業者であれば、日常的な技術を用いて、β−エクスパンシンプロモーターと同等の発現プロフィールを有するプロモーターを容易に同定できるであろう。より具体的には、シュートで前記核酸を選択的に発現させることができるプロモーターは、シュートの細胞増殖域で、特に栄養(地上)シュートで、発現を作動できるプロモーターである。最も好ましくは、シュートで前記核酸を選択的に発現させることができるプロモーターは、β−エクスパンシンプロモーター(配列番号3)である。
また任意に、1つ以上のターミネーター配列を、植物に導入された構築物に使用してもよい。用語「ターミネーター」は、一次転写産物の3’プロセシング及びポリアデニル化、並びに転写の終結を示唆する、転写単位の末端のDNA配列である制御配列を包含する。追加の調節要素は、翻訳エンハンサーだけでなく転写エンハンサーも含んでもよい。当業者であれば、本発明の実施で使用するのに適切でありうるターミネーター及びエンハンサー配列を認識しているであろう。このような配列は当業者に知られており、または容易に得ることができるであろう。
更に、本発明の遺伝子構築物は、特定の細胞タイプにおいて維持及び/又は複製に必要とされる複製配列の開始点を含んでもよい。1つの例は、遺伝子構築物がエピソームの遺伝子エレメント(例えばプラスミドまたはコスミド分子)として細菌細胞に維持されることが必要とされる場合である。複製の好ましい開始点は、f1−ori及びcolE1であるが、これに限定されない。
遺伝子構築物は、任意に、選択マーカー遺伝子を含んでもよい。本明細書で使用される用語「選択マーカー遺伝子」として、目的の核酸構築物でトランスフェクトされた、或いは形質転換された細胞の同定及び/又は選択を容易にするように発現される、細胞の表現型を付与する遺伝子が挙げられる。適切なマーカーは、抗生物質抵抗性または除草剤抵抗性を付与するマーカー、新しい代謝特性を導入するマーカー、或いは可視選択できるようにするマーカーから選択することができる。選択マーカー遺伝子の例として、抗生物質に対する抵抗性を与える遺伝子(例えばネオマイシン及びカナマイシンをリン酸化するnptII、またはハイグロマイシンをリン酸化するhpt)、除草剤に対して耐性を与える遺伝子(たとえばBastaに対する耐性を与えるbar、グリホセートに対する耐性を与えるaroAまたはgox)、または代謝特性を与える遺伝子(例えば植物が単一炭素源としてマンノースを使用できるようにするmanA)が挙げられる。可視マーカー遺伝子は、色(例えばβ−グルクロニダーゼ、GUS)、発光(例えばルシフェラーゼ)または蛍光(緑色蛍光タンパク質、GFP及びその誘導体)の形成をもたらす。
また本発明は、本発明による方法で得ることができる植物を包含する。従って本発明は、本発明による方法で得ることができる植物を提供し、植物は、シュートで核酸を選択的に発現させることができるプロモーターと機能的に結合した、サイクリンD3をコードする核酸またはその機能的変異体を含む。
また本発明は、収量が向上したトランスジェニック植物の作出方法を提供し、サイクリンD3をコードする核酸またはその機能的変異体、好ましくは配列番号1で表されるサイクリンD3をコードする核酸またはその機能的変異体(上で定義される)の植物への導入を含み、核酸は、シュートで前記核酸を選択的に発現させることができるプロモーターと機能的に結合される。
より具体的には、本発明は、対応する野生型植物と比較して収量が向上したトランスジェニック植物の作出方法を提供し、その方法は、
(i)サイクリンD3をコードする核酸またはその機能的変異体、好ましくは配列番号1で表されるサイクリンD3をコードする核酸またはその機能的変異体を、植物または植物細胞に導入すること(ここで、前記核酸またはその機能的変異体は、サイクリンD3ポリペプチドまたはその機能的変異体をコードし、前記ポリペプチドは好ましくは配列番号2で表されるか又はその変異体であり、前記核酸またはその機能的変異体は、シュートで、好ましくは栄養(地上)シュートの細胞増殖域で、前記核酸を選択的に発現させることができるプロモーターの制御下にある。)、
(ii)再生及び成熟した植物の成長を促進する条件下で植物細胞を培養すること、
を含む。
核酸または機能的変異体は、植物細胞または植物自体に直接導入してもよい(組織、器官または植物の他の部分への導入を含む)。本発明の好ましい特徴によれば、核酸は形質転換により植物に好ましく導入される。
用語「植物への導入」は、主に、問題の特定の核酸(サイクリンD3をコードする核酸またはその機能的変異体)で植物を形質転換することをいうが、その用語はまた、問題の特定の核酸が植物に導入される他の方法、例えば育種方法もいう。育種方法は当業者に周知である。
本明細書で言及される用語「形質転換」は、宿主細胞への外来性のポリヌクレオチドの移入を包含し、移入に用いられる方法によらない。器官形成または胚形成のいずれによってもよく、次のクローン増殖が可能な植物組織は、本発明の遺伝子構築物で形質転換され、それから完全な植物体に再生できる。選択される具体的な組織は、形質転換されるその特定の種に用いることができ、かつ最も適しているクローン増殖システムに応じて変わるであろう。例えば標的となる組織として、葉片、花粉、胚、子葉、胚軸、大配偶体、カルス組織、現存の分裂組織(たとえば頂端分裂組織、腋芽分裂組織及び根分裂組織)及び誘発された分裂組織(たとえば子葉分裂組織及び胚軸分裂組織)が挙げられる。ポリヌクレオチドは、宿主細胞に過渡的に又は安定して導入することができ、ゲノムに組み込まれずに、例えばプラスミドとして、維持され得る。あるいは、宿主ゲノムに組み込まれてもよい。得られた形質転換植物細胞は、次に、当業者に公知の方法で形質転換植物に再生するのに使用することができる。
植物種の形質転換は、今や完全に日常的な技術である。幾つかの形質転換の方法のいずれも、適切な始祖細胞に目的の遺伝子を導入するのに有利に使用できる。形質転換の方法として、リポソーム、エレクトロポレーション、遊離DNAの取り込みを増やす化学物質、植物への直接のDNA注入、パーティクルガンボンバードメント、ウイルスまたは花粉を使った形質転換、及びマイクロプロジェクションの使用が挙げられる。方法は、プロトプラストのカルシウム/ポリエチレングリコール方法(Krens, F.A.ら、1882, Nature 296, 72−74; Negrutiu I.ら、1987,6月、 Plant Mol. Biol. 8, 363−373);プロトプラストのエレクトロポレーション(Shillito R.D.ら、1985 Bio/Technol 3, 1099−1102);植物材料へのマイクロインジェクション(Crossway A.ら、1986, Mol. Gen Genet 202, 179−185);DNAまたはRNAコートパーティクルボンバードメント(Klein T.M.ら、 1987, Nature 327, 70);(非組み込みの)ウイルスの感染などから選択することができる。サイクリンD3をコードする核酸またはその機能的変異体を発現するトランスジェニックイネ植物は、好ましくは、例えば以下のいずれかに説明される、イネの形質転換の周知の方法のいずれかを用いたアグロバクテリウムを介した形質転換を経由して作出される:公開欧州特許出願 EP 1198985 A1、Aldemita及びHodges (Planta, 199, 612−617, 1996); Chanら、(Plant Mol. Biol. 22 (3) 491−506, 1993)、Hieiら(Plant J. 6 (2) 271−282, 1994)(これらの開示は、あたかも完全に記載されていたかのように本明細書に参照により組み込まれる)。トウモロコシの形質転換の場合、好ましい方法は、Ishidaら(Nat. Biotechnol. 1996 Jun; 14(6): 745−50)、またはFrameら(Plant Physiol. 2002 May; 129(1): 13−22)のいずれかに記載されており、これらの開示は、あたかも完全に記載されていたかのように本明細書に参照により組み込まれる。
一般的に形質転換後は、植物細胞または細胞グループは、目的の遺伝子と同時に移入された、植物で発現可能な遺伝子によりコードされる1つ以上のマーカーの存在について選択され、続いて形質転換された材料は完全な植物体に再生される。
DNAの移入及び再生後、推定的に形質転換された植物を例えばサザン法を使って、目的の遺伝子の存在、コピー数及び/又はゲノム組織について評価することができる。それとは別に又は追加して、新たに導入されたDNAの発現レベルをノザン及び/又はウエスタン分析を使ってモニターすることができ、これらの技術はともに当業者に周知である。
作出された形質転換植物は、様々な方法、例えばクローン増殖または古典的な育種方法で増殖することができる。例えば、第1世代(またはT1)のトランスジェニック植物を自家受粉させて、均一の第2世代(またはT2)形質転換体を作ることができ、更にT2植物を古典的な育種技術によって増やすことができる。
作出された形質転換生物は多様な形をとることができる。例えば形質転換生物は、形質転換細胞と非形質転換細胞のキメラ、クローン形質転換体(例えば発現カセットを含むように形質転換された全ての細胞)、形質転換組織と非形質転換組織の移植片(例えば植物において、非形質転換の枝と接ぎ木された台木)でもよい。
また、本発明による方法は、サイクリンD3をコードする核酸またはその機能的変異体を植物に導入することなく、行うこともできる。これは、シュートで選択的に前記遺伝子が発現できるように、好ましくはサイクリンD3をコードする遺伝子の遺伝子座に、遺伝子改変を導入することにより達成することができる。本明細書で定義された遺伝子座はゲノム領域を意味するととられ、目的の遺伝子及びそのコード領域の10KB上流または下流を含む。
遺伝子改変は、例えば以下の方法の1つ(あるいは複数)により導入することができる。T−DNA活性化、ティリング(TILLING)、突然変異誘発法、相同的組換え、または上で述べた、植物(細胞)でのサイクリンD3をコードする核酸またはその機能的変異体の導入と発現(前記核酸は、シュートで前記核酸を選択的に発現させることができるプロモーターの制御下にある)。
T−DNAアクチベーションタギング(Hayashiら、Science(1992)1350−1353)は、プロモーターが標的遺伝子の発現を指令するような配置で目的の遺伝子又は遺伝子のコード領域の10KB上流または下流のゲノム領域に、プロモーターを通常含んでいるT−DNA(翻訳エンハンサーまたはイントロンを含んでもよい)を挿入することを含む。一般的に、それ自体が持つ天然プロモーターによる標的遺伝子の調節が破壊されて、その遺伝子は新しく導入されたプロモーターの制御の支配下に入る。一般的に、プロモーターはT−DNAに組み込まれる。このT−DNAは、例えばアグロバクテリウム感染を介して植物ゲノムにランダムに挿入され、挿入されたT−DNAに近い遺伝子の過剰発現を誘導する。作出されたトランスジェニック植物は、導入されたプロモーターに近い遺伝子の過剰発現のために、優性の表現型を示す。収量の向上を達成するため、導入すべきプロモーターは、シュートで選択的に発現させることができるプロモーターであればよい。
また、遺伝子改変は、ティリング(Targeted Induced Local Lesions IN Genomes)の技術を使って、サイクリンD3をコードする核酸/遺伝子の遺伝子座に導入することもできる。これは、サイクリンD3の生物活性を示すことができる、サイクリンD3をコードする核酸を突然変異させた変異体を、作製及び/又は同定して最終的に単離するのに有用な突然変異誘発技術である。また、ティリングはこのような突然変異体を有する植物の選択を可能にする。これらの突然変異体は、天然型の遺伝子により示されるサイクリンD3活性よりも高い活性を示すこともある。ティリングは、高密度の突然変異誘発とハイスループットスクリーニング法を組合わせる。一般的に、ティリングのステップは以下のとおりである。(a)EMS突然変異誘発(Redei及びKoncz,1992;Feldmannら、1994;Lightner及びCaspar,1998)、(b)DNA調製及び個体のプール、(c)目的の領域のPCR増幅、(d)へテロ二本鎖の形成を可能にする変性及びアニーリング、(e)DHPLC(プールのヘテロ二本鎖の存在はクロマトグラムで余分なピークとして検出される)、(f)突然変異個体の同定、及び(g)突然変異PCR生成物の配列決定。ティリング法は当該技術分野で周知である(McCallum Nat Biotechnol.2000 Apr;18(4):455−7,reviewed by Stemple 2004(TILLING−a high−throughput harvest for functional genomics. Nat Rev Genet.2004 Feb;5(2):145−50.))。
突然変異誘発法は、サイクリンD3をコードする核酸の変異体を作製するのに使用できる。突然変異体を作製する方法は、当該技術分野で周知である。
T−DNA活性化、ティリング及び部位特異的突然変異法は新規の対立遺伝子及びサイクリンD3変異体を作製することができる技術の例である。
相同的組換えは、選択した核酸を、ゲノム内の、確定済みの選択された位置に導入することを可能にする。相同的組換えは、酵母又はニセツリガネゴケなどの下等生物について生物科学で日常的に使用される標準的な技術である。植物で相同的組換えを行う方法は、モデル植物について(Offringaら、Extrachromosomal homologous recombination and gene targeting in plant cells after Agrobacterium−mediated transformation. 1990 EMBO J. 1990 Oct; 9(10):3077−84)だけでなく、作物、例えばイネについても(Terada R, Urawa H, Inagaki Y, Tsugane K, Iida S. Efficient gene targeting by homologous recombination in rice. Nat Biotechnol. 2002. Iida及びTerada: A tale of two integrations, transgene and T−DNA: gene targeting by homologous recombination in rice. Curr Opin Biotechnol. 2004 Apr; 15(2):132−8)説明されている。標的となる核酸(サイクリンD3をコードする核酸またはその変異体(上で定義される)でもよい)は、サイクリンD3をコードする遺伝子の遺伝子座を標的にする必要はなく、例えば高発現の領域に導入してもよい。標的となる核酸は、内在性遺伝子を置換するために使用される改良された対立遺伝子でもよいし、または内因性遺伝子に加えて導入してもよい。
本発明は、明確に、あらゆる植物細胞、または本明細書で説明されたいずれかの方法で作出されたあらゆる植物、全ての植物部分及びその栄養繁殖体にまで拡張する。本発明は更に、上述のいずれかの方法で作出された、最初に形質転換又はトランスフェクトされた細胞、組織、器官または全植物体の後代を包含するよう拡張するが、ただ必要なのは、後代が、本発明の方法により親で作られたものと同じ遺伝子型及び/又は表現型の特徴を示すことである。また、本発明は、シュートでサイクリンD3をコードする核酸を発現させることができるプロモーターと機能的に結合された、単離されたサイクリンD3をコードする核酸を含む宿主細胞も含む。本発明による好ましい宿主細胞は植物細胞である。また本発明は、収穫可能な部分、例えば種子、葉、果実、花、茎栽培物(stem culture)、根茎、塊茎、及び鱗茎に拡張するが、これらに限定されない。
また本発明は、サイクリンD3をコードする核酸の使用及びサイクリンD3ポリペプチドの使用を包含する。
もちろんこのような使用は、植物の収量の向上における、特に地上面積の増加、全種子数の増加、(充実した)種子の数の増加、種子重量の増加、収穫指数の増加などにおける、シュートでサイクリンD3をコードする核酸を選択的に発現させることができるプロモーターと機能的に結合した、該核酸の使用に関する。サイクリンD3をコードする核酸またはその機能的変異体は、上に定義したとおりである。好ましくは、配列番号1で表される核酸、または上に定義された機能的変異体である。
また、サイクリンD3をコードする核酸及びサイクリンD3ポリペプチドは、育種計画に使用することも考えられる。サイクリンD3は、配列番号1で表される核酸またはその機能的変異体(上に定義される)でもよく、またはサイクリンD3は、配列番号2で表されるアミノ酸またはその機能的変異体(上に定義される)でもよい。例えば、サイクリンD3をコードする核酸またはその機能的変異体は、好ましくは1つ以上の関連するファミリーメンバーと一緒に染色体(またはその一部)上に存在してもよい。このような育種計画の例では、植物でサイクリンD3タンパク質と遺伝子的に結合できるDNAマーカーを同定し、遺伝子は、サイクリンD3タンパク質自体をコードする遺伝子、またはサイクリンD3タンパク質をコードする遺伝子の発現に及び/又はサイクリンD3タンパク質自体の活性に、直接または間接的に影響を与えることができる遺伝子でもよい。そしてそのDNAマーカーを、育種計画において、対応する野生型植物と比較して収量が向上した植物を選択するのに使用できる。
また、サイクリンD3の対立遺伝子変異体は、従来の育種計画、例えばマーカーを補助に用いる育種にも使用できる。このような育種計画は、時々、植物を突然変異誘発処理して、植物に対立遺伝子変異を導入することを必要とする。1つの適切な変異誘発方法はEMS突然変異誘発法である。そして、例えばPCRにより対立遺伝子変異体の同定を行う。この後、問題の配列の優れた対立遺伝子変異体を選択するための選択工程が続き、その対立遺伝子変異体は対応する野生型植物と比べて植物に向上した収量をもたらす。一般的に、選択は、問題の配列の異なる対立遺伝子変異体、例えば配列番号1の異なる対立遺伝子変異体を含む植物で収量をモニタリングすることによって行われる。収量のモニタリングは、温室または農場で行うことができる。更に、任意の工程として、優れた対立遺伝子変異体が同定された植物と別の植物との異種交配が挙げられる。これは、例えば目的の表現型特性の組み合わせを作製するのに使用できよう。
また、サイクリンD3をコードする核酸及びサイクリンD3ポリペプチドは成長調節剤として使用することが考えられる。サイクリンD3は配列番号1で表される核酸またはその機能的変異体(上で定義される)でもよく、またはサイクリンD3は配列番号2で表されるアミノ酸またはその機能的変異体(上で定義される)でもよい。これらのサイクリンD3は植物の収量の向上に有用であるので、サイクリンD3は有用な成長調節剤、例えば除草剤または成長促進剤などになるだろう。従って、本発明は、成長調節剤として使用するため、サイクリンD3を適切な担体、希釈剤または賦形剤と一緒に含む組成物を提供する。
本発明による方法は、上で説明したように、収量が向上した植物をもたらす。これらの有利な特徴は、他の経済的に有利な特性、例えば更に収量を増強する特性、様々なストレスに対する耐性、様々な構成的な特徴を改変する特性、及び/又は生化学的及び/又は生理学的特徴が組合わされてもよい。
図面の説明:
本発明を添付の図を参照して説明する(後述の図面の簡単な説明を参照のこと)。
本発明を以下の実施例を参照して説明するが、説明のみを目的とする。
DNA操作:特に明記しない限り、組換えDNA技術はSambrook(2001) Molecular Cloning:a laboratory manual,3rd Edition Cold Spring Harbor Laboratory Press,CSH,New York、またはAusubelら(1994),Volumes 1及び2,Current Protocols in Molecular Biology,Current Protocolsに記載される標準的なプロトコルに従って行う。標準的な材料と植物分子研究の方法は、R.D.D. CroyのPlant Molecular Biology Labfase(1993)、BIOS Scientific Publications Ltd(UK)及びBlackwell Scientific Publications(UK)出版に説明されている。
実施例1:遺伝子クローニング
シロイヌナズナのサイクリンD3;3(内部参照CDS0018)を、シロイヌナズナシードリングcDNAライブラリー(Invitrogen,Paisley,英国)をテンプレートとして用いてPCRで増幅した。苗(seedling)から抽出したRNAを逆転写後、cDNAをpCMV Sport 6.0にクローニングした。バンクの平均挿入サイズは1.5kbであり、クローンの最初の数は1.59×10cfuであった。最初の力価は9.6×10cfu/mlと測定され、最初の増幅後は6×1011cfu/mlと測定された。プラスミド抽出後、テンプレート200ngを50μlのPCRミックスに使用した。プライマーは、prm0360(センス、開始コドンは太字、AttB1部位はイタリックで示す。)
Figure 2008500808
及びprm0361(リバース、相補的、停止コドンは太字、AttB2部位はイタリックで示す。)
Figure 2008500808
であり、これらはGateway組換えのAttB部位を含み、PCR増幅に使用した。PCRはHifi Taq DNAポリメラーゼを使って標準的な条件で行った。1086bpのPCRフラグメントを増幅して、また標準的な方法を用いて精製した。次に、Gateway用語による「エントリークローン」p0443を作製するため、PCRフラグメントをin vivoでpDONR201プラスミドを用いて組換える間に、Gatewayの手順の最初のステップのBP反応を行なった。プラスミドpDONR201はGateway(登録商標)技術の一部として、Invitrogenから購入した。
実施例2:ベクターの構築
続いて、エントリークローンp0433を、p3169(イネ形質転換に使用されるディスティネーションベクター)とのLR反応に使用した。このベクターは、T−DNAボーダー内に機能的エレメントとして、植物選択マーカーと、植物スクリーナブルマーカーと、及びエントリークローンにすでにクローニングされた目的の配列を有するLR in vivo組換え用のGatewayカセットとを含む。栄養(地上)シュートの増殖域での発現のためのβ−エクスパンシンプロモーターをGatewayカセットの上流に配置する。
LR組換えステップ後、得られた発現ベクター(図4参照)をアグロバクテリウム株LBA4404に形質転換し、続いてイネ植物に形質転換した。形質転換されたイネ植物は成長することができ、次に実施例3に説明するパラメーターについて試験した。
実施例3:評価及び結果
約15〜20の独立したT0イネ形質転換体を作出した。初代の形質転換体を成長させてT1種子を収穫するため、組織培養チャンバーから温室に移した。T1後代が3:1で導入遺伝子の存在/不存在に分離した、5つの事象が保持された。これらの各事象について、導入遺伝子(ヘテロ−及びホモ−接合体)を含む約10本のT1苗、及び導入遺伝子を欠く(無接合体(nullizygote))約10本のT1苗を、可視マーカーの発現をモニタリングすることにより選択した。更に、最も良好なT1の事象について、T1世代と同じ方法でT2世代で評価したが、1事象あたりもっと多くの個体を用いた。
統計学的分析:t−テスト及びF−テスト
2つのファクターANOVA(変異体の分析)を、植物の表現型の特性を全体的に評価するため、統計学的モデルとして使用した。F−テストを、本発明の遺伝子で形質転換した全ての事象の全ての植物を測定する全てのパラメーターについて行った。F−テストは、全ての形質転換事象にわたって遺伝子の効果をチェックするため、及びグローバルな遺伝子効果としても知られる遺伝子の全体的な効果を証明するために行った。真のグローバルな遺伝子効果についての有意性の閾値は、F−テストについて5%確率レベルにセットした。有意なF−テスト値は遺伝子の効果を示し、表現型の違いを起こしている遺伝子の存在または位置のみだけではないことを意味する。
3.1 栄養繁殖測定:
選択したT1植物(導入遺伝子を有する約10本、及び導入遺伝子を有しない約10本)を温室に移した。各植物に固有のバーコードラベルを貼り、表現型のデータを対応する植物と明確にリンクさせた。選択したT1植物を、直径10cmのポットに入った土で以下の環境設定で育てた。明期=11.5時間、日光の強さ=30,000lux以上、日中の温度=28℃以上、夜間の温度=22℃、相対湿度=60−70℃。トランスジェニック植物及び対応する無接合体をランダムな位置で隣接させて育てた。播種期から成熟期まで、各植物を、何度かデジタル画像キャビネットに通過させて画像化した。各タイムポイントで、デジタル画像(2048x1536ピクセル、1600万色)を少なくとも6つの異なる角度から各植物を撮影した。以下に説明するパラメーターを、画像分析ソフトウエアを使って、自動化された方法で全ての植物の全てのデジタル画像から得た。
3.1.1 地上の植物面積
植物の地上面積を、バックグラウンドと区別される地上の植物部分からピクセルの全数を数えることにより決定した。この値を、同じ時点で異なる角度から撮った写真を平均化し、検量により平方mmで表した物理的表面値に変換した。実験は、この方法で測定した地上の植物面積は地上の植物部分のバイオマスと相関することを示す。T1及びT2の評価の結果を以下の表1に示す。トランスジェニック植物及び対応する無接合体(nullizygote)間の差のパーセンテージを示す。FテストのP値は、T1及びT2の評価の両方において有意であり、地上面積の導入遺伝子の存在の全体的な影響を示した。
Figure 2008500808
3.2 種子関連パラメーターの測定
成熟した最初の穂(panicle)を収穫し、袋に詰め、バーコードを貼付し、それから37℃のオーブンで3日間乾燥した。次に、穂を脱穀し、全ての種子を集めて数えた。充実した殻を、送風機を使って空の殻と分けた。空の殻を捨て、残った画分を再び数えた。充実した殻を化学天秤で重量測定した。この手順により、以下に説明する種子関連パラメーターのセットが得られた。
3.2.1 種子の全数
植物当たりの全種子数を、植物から収穫した殻の数を数えて計測した。T1及びT2の評価の結果を以下の表2に示す。トランスジェニック植物及び対応する無接合体間の差のパーセンテージを示す。FテストのP値は、T1及びT2の評価の両方において有意であり、導入遺伝子の存在が生産された種子の全数に有意な影響を与えることを示した。
Figure 2008500808
3.2.2 充実した種子の数
充実した種子の数を、分離ステップ後に残った充実した殻の数を数えて測定した。T1及びT2の評価の結果を以下の表4に示す。トランスジェニック植物及び対応する無接合体間の差のパーセンテージを示す。FテストのP値は、T1及びT2の評価の両方において有意であり、導入遺伝子の存在が生産された充実した種子の数を有意に増加させることを示した。
Figure 2008500808
3.2.3 全種子重量
種子の全収量を、植物から収穫した充実した殻の全てを重量測定することにより計測した。T1及びT2の評価の結果を、以下の表5に示す。トランスジェニック植物及び対応する無接合体間の差のパーセンテージを示す。FテストのP値は、T1及びT2の評価の両方において有意であり、導入遺伝子の存在は種子重量を有意に増加させることを示した。
Figure 2008500808
3.2.4 植物の収穫指数
本発明における収穫指数は、全種子収量と地上面積(mm)間の比率として定義され、ファクター10を乗じる。T1及びT2の評価の結果を以下の表6に示す。トランスジェニック植物及び対応する無接合体の差のパーセンテージを示す。FテストのP値は、T1及びT2の評価の両方において有意であり、導入遺伝子の存在は収穫指数を有意に増加させることを示した。
Figure 2008500808
実施例4:比較データ pオレオシン::サイクリンD3;3
上記構築物を含む植物を作製し、pβ−エクスパンシン::サイクリンD3;3について上記に説明した同じ手順を使って評価した。T1の評価の結果を以下の表7〜9に示す。トランスジェニック植物及び対応する無接合体間の差のパーセンテージを各テーブルに示す。FテストのP値も示す。
Figure 2008500808
FテストのP値は有意であり、このプロモーターにより作動される導入遺伝子の発現が地上面積を有意に減少させることを示した。
Figure 2008500808
この結果は、トランスジェニック植物の種子の全重量が、対応する無接合体の全種子重量よりも軽かったことを示す。
Figure 2008500808
この結果は、トランスジェニック植物の充実した種子の数が、対応する無接合体の充実した種子の数よりも少なかったことを示す。
実施例5:β−エクスパンシンプロモーターにより作動されるGUS発現
β−エクスパンシンプロモーターを、「BP組換え反応」を用いるGatewayTMシステム(Life Technologies)のpDONR201エントリープラスミドにクローニングした。クローニングされた挿入物の同一性及び塩基対組成を、配列決定により確認し、更に、得られたプラスミドを、制限酵素で消化して試験を行った。
次に、レポーター遺伝子の前にプロモーターをクローニングするため、各エントリークローンを、ディスティネーションベクターを用いる「LR組換え反応」(GatewayTM)に使用した。このディスティネーションベクターを、大腸菌(Escherichia coli)のβ−グルクロニダーゼ(GUS)遺伝子とプロモーターが、GUS遺伝子の前のGateway組換えカセットの置換を介して機能的に結合するように設計した。得られたレポーターベクターは、GUSと機能的に結合したプロモーターを含み、次に、アグロバクテリウム株LBA4044に形質転換し、それから標準的な形質転換技術を用いてイネ植物に形質転換した。
形質転換イネ植物を形質転換細胞から作製した。植物の成長は、通常の条件下で行った。
試験を行う植物又は植物の部分を、90%の氷冷アセトンで覆い、4℃で30分間インキュベートした。トリスバッファー[1Lの再蒸留水に、15.76gのTrizma HCl(Sigma T3253)+2.922gのNaCl、NaOHでpH7.0に調整]で5分間、3回洗浄した後、材料を、トリス/フェリシアネート(ferricyanate)/X−Gluc液[9.8mlのトリスバッファー+0.2mlのフェリシアネート原液(10mlのトリスバッファーに0.33gのフェリシアン化カリウム(Potassium ferricyanate)(Sigma P3667))+0.2mlのX−Gluc原液(500μlのDMSOに26.1mgのX−Gluc(Europa Bioproducts ML 113A)]で覆った。減圧浸潤を15〜30分適用した。植物または植物の部分を、青色の発色が現れるまで、37℃で16時間までインキュベートした。サンプルをトリスバッファーで5分間、3回洗浄した。葉緑素を、連続して50%、70%及び90%のエタノールで(各30分間)抽出した。
ClustalW及びデフォルト値を使い、平均距離系統樹のコンピュータ計算を行って作製されたマルチプルアラインメントを示す。サイクリンD3クラスターを示す。 公知のサイクリンD3タンパク質配列のアラインメントを示す。配列を、Vector NTI suite (InforMax, Bethesda, MD)のAlignXプログラムを用いて整列比較した。マルチプルアラインメントをギャップ開始ペナルティー10及びギャップ伸張ペナルティー0.01で行った。また、軽微な手動による編集を、幾つかの保存領域をよりよい位置にする必要がある場合に行った。示したラインは、サイクリンD3が他のサイクリンと分かれることを示す。サイクリンD3に特異的な多くのモチーフをボックスで囲ってある。 公知のサイクリンD3タンパク質配列のアラインメントを示す。配列を、Vector NTI suite (InforMax, Bethesda, MD)のAlignXプログラムを用いて整列比較した。マルチプルアラインメントをギャップ開始ペナルティー10及びギャップ伸張ペナルティー0.01で行った。また、軽微な手動による編集を、幾つかの保存領域をよりよい位置にする必要がある場合に行った。示したラインは、サイクリンD3が他のサイクリンと分かれることを示す。サイクリンD3に特異的な多くのモチーフをボックスで囲ってある。 公知のサイクリンD3タンパク質配列のアラインメントを示す。配列を、Vector NTI suite (InforMax, Bethesda, MD)のAlignXプログラムを用いて整列比較した。マルチプルアラインメントをギャップ開始ペナルティー10及びギャップ伸張ペナルティー0.01で行った。また、軽微な手動による編集を、幾つかの保存領域をよりよい位置にする必要がある場合に行った。示したラインは、サイクリンD3が他のサイクリンと分かれることを示す。サイクリンD3に特異的な多くのモチーフをボックスで囲ってある。 公知のサイクリンD3タンパク質配列のアラインメントを示す。配列を、Vector NTI suite (InforMax, Bethesda, MD)のAlignXプログラムを用いて整列比較した。マルチプルアラインメントをギャップ開始ペナルティー10及びギャップ伸張ペナルティー0.01で行った。また、軽微な手動による編集を、幾つかの保存領域をよりよい位置にする必要がある場合に行った。示したラインは、サイクリンD3が他のサイクリンと分かれることを示す。サイクリンD3に特異的な多くのモチーフをボックスで囲ってある。 公知のサイクリンD3タンパク質配列のアラインメントを示す。配列を、Vector NTI suite (InforMax, Bethesda, MD)のAlignXプログラムを用いて整列比較した。マルチプルアラインメントをギャップ開始ペナルティー10及びギャップ伸張ペナルティー0.01で行った。また、軽微な手動による編集を、幾つかの保存領域をよりよい位置にする必要がある場合に行った。示したラインは、サイクリンD3が他のサイクリンと分かれることを示す。サイクリンD3に特異的な多くのモチーフをボックスで囲ってある。 データのプレアラインメントを必要とすることなく所定のデータセットで配列の各ペア間の類似性及び同一性を計算する、MatGAT (Matrix Global Alignment Tool)を使って作製された、類似性/同一性の行列を示す。このプログラムは、MyersとMillerのグローバルアラインメントアルゴリズム(ギャップ開始ペナルティー12、及びギャップ開始ペナルティー2)を使って一連のペアのアラインメントを行う。そして、例えば行列をスコアするBlosum 60を用いて、類似性及び同一性を計算し、次にその結果を距離行列にする。配列類似性を分割線の下半分に示し、配列同一性を分割線の上半分に示す。配列番号2の配列を、行列において番号5として示す。配列番号2の配列と少なくとも30%の配列同一性を有する配列はサイクリンD3を包含する。 β−エクスパンシンプロモーターの制御下にある、シロイヌナズナサイクリンD3;3遺伝子の、イネ(Oryza sativa)の発現用バイナリーベクターを示す。 β−エクスパンシンプロモーターにより作動されるGUS発現の写真を示す。「C植物」の写真は、約5cmの大きさになったときのGUS染色されたイネ植物である。「B植物」の写真は、約10cmの大きさになったときのGUS染色されたイネ植物である。また、同程度の発現プロフィールを持つプロモーターは、本発明の方法に有用でありうる。 本発明による方法を行うのに有用な配列の例の詳細を示す。 本発明による方法を行うのに有用な配列の例の詳細を示す。

Claims (23)

  1. サイクリンD3をコードする核酸をシュートで選択的に発現させることができるプロモーターの制御下にある該核酸を、植物に導入することを含む、植物の収量を向上させる方法。
  2. 収量の向上が、種子の収量の増加である、請求項1に記載の方法。
  3. 収量の向上が、植物の地上面積の増加である、請求項1に記載の方法。
  4. 種子の収量の増加が、(i)種子のバイオマスの増加、(ii)(充実した)種子の数の増加、(iii)種子の大きさの増加、(iv)種子の体積の増加、(v)収穫指数の増加、及び(vi)千粒重の増加、からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
  5. サイクリンD3をコードする核酸が植物から得られる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. サイクリンD3をコードする核酸またはその機能的変異体を植物に導入することを含み、核酸またはその機能的変異体が、
    (i)サイクリンD3をコードする核酸の一部、
    (ii)サイクリンD3をコードする核酸の選択的スプライス変異体、
    (iii)サイクリンD3をコードする核酸の対立遺伝子変異体、及び
    (iv)サイクリンD3アミノ酸のホモログ、誘導体及び活性フラグメント、
    から選択され、
    (i)〜(iv)の機能的変異体は、植物のCDKと結合して活性化し得る、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. シュートで前記核酸を選択的に発現できるプロモーターが、β−エクスパンシンプロモーターと同等の発現プロフィールを有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 対応する野生型植物と比べて収量が向上したトランスジェニック植物を作出する方法であって、
    (i)サイクリンD3をコードする核酸またはその変異体、好ましくは配列番号1で表されるサイクリンD3をコードする核酸又はその機能的変異体を、植物又は植物細胞に導入すること、ここで、前記核酸又はその機能的変異体は、サイクリンD3ポリペプチド又はその機能的変異体をコードし、前記ポリペプチドは、好ましくは配列番号2で表されるか又はその機能的変異体であり、前記核酸又はその機能的変異体は、シュート、特に栄養(地上)シュートの細胞増殖域で、前記核酸を選択的に発現させることができるプロモーターと機能的に結合されている、
    (ii)植物細胞を、再生及び成熟した植物の成長を促進する条件下で培養すること、
    を含む方法。
  9. 収量の向上が、種子の収量の増加である、請求項8に記載の方法。
  10. 収量の増加が、地上面積の増加を含み、及び種子の収量の増加が、(i)種子のバイオマスの増加、(ii)(充実した)種子の数の増加、(iii)種子の大きさの増加、(iv)種子の体積の増加、(v)収穫指数の増加、及び(iv)千粒重の増加、から選択される、請求項8または9に記載の方法。
  11. シュートで選択的に遺伝子を発現させることができるように、サイクリンD3ポリペプチド又はその機能的変異体をコードする遺伝子の遺伝子座において、遺伝子改変を植物に導入することを含む、植物の収量、特に種子の収量を向上させる方法。
  12. 遺伝子改変が、突然変異誘発、相同的組換え、ティリング及びT−DNA活性化の1つ以上により行われる、請求項11に記載の方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法によって得られる植物。
  14. (i)サイクリンD3をコードする核酸又はその機能的変異体、好ましくは配列番号1で表されるサイクリンD3をコードする核酸またはその機能的変異体、ここで、前記核酸は、サイクリンD3ポリペプチド又はその機能的変異体、好ましくは配列番号2で表されるサイクリンD3ポリペプチド又はその機能的変異体をコードする、
    (ii)シュートで、特に栄養(地上)シュートの細胞増殖域で、(i)の核酸を選択的に発現させることができるプロモーター、及び任意に、
    (iii)転写終結配列、
    を含む構築物。
  15. プロモーターが、β−エクスパンシンプロモーターと同等の発現プロフィールを有する、請求項14に記載の構築物。
  16. 請求項14または15に記載の構築物で形質転換された植物。
  17. サイクリンD3またはその機能的変異体をコードする核酸を、シュートで選択的に前記核酸を発現させることができるプロモーターの制御下に含むことを特徴とする、対応する野生型植物と比べて収量が向上したトランスジェニック植物。
  18. サトウキビなどの単子葉植物、又はイネ、トウモロコシ、コムギ、オオムギ、ミレット、ライムギ、オートムギまたはソルガムなどの穀類である、請求項13、16または16に記載のトランスジェニック植物。
  19. 請求項13、16〜18のいずれか1項に記載のトランスジェニック植物の収穫可能な部分。
  20. 種子である、請求項19に記載の収穫可能な部分。
  21. 収量の向上、特に種子の収量の増加におけるサイクリンD3をコードする単離された核酸の使用であって、該核酸は、シュートで該核酸を選択的に発現させることができるプロモーターと機能的に結合される、使用。
  22. 種子の収量が、(i)種子のバイオマスの増加、(ii)(充実した)種子の数の増加、(iii)種子の大きさの増加、及び(iv)種子の体積の増加、(v)収穫指数の増加、及び(vi)千粒重の増加、のいずれか1つ以上を含む、請求項21の使用。
  23. サイクリンD3をコードする核酸が、配列番号1で表される核酸またはその機能的変異体であり、またはサイクリンD3が、配列番号2で表されるアミノ酸またはその機能的変異体である、請求項21または22に記載の使用。
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