発明の詳細な説明
本発明は、抗生物質(antibiotic compound)、特に、置換オキサゾリジノン環を含む抗生物質に関する。本発明はさらに、その製造プロセス、その製造で有用な中間体、治療薬としてのその使用、及びこれらを含む医薬組成物に関する。
国際微生物団体は、抗生物質抵抗性が強まると、現在利用可能な抗菌剤の効果がなくなるだろうと、大きな懸念を示し続けている。通常、病原菌は、グラム陽性またはグラム陰性病原体に分類できる。このグラム陽性及びグラム陰性病原体の両方に有効性をもつ抗生物質は、通常、広範囲の活性をもつものと見なされている。本発明の化合物はグラム陽性菌と特定のグラム陰性菌の両方に対して有効な薬剤と見なされている。
グラム陽性菌、たとえばブドウ球菌、腸球菌、連鎖球菌及びミコバクテリアは、取り扱いが困難で且つ一旦確立されると、院内環境から撲滅するのが困難な耐性菌を発達させてしまうので、特に重要である。これらの株の例としては、メシチリン耐性ブドウ球菌(methicillin resistant staphylococcus:MRSA)、メシチリン耐性コアグラーゼ陰性球菌(methicillin resistant coagulase negative staphylococci:MRCNS)、ペニシリン耐性肺炎連鎖球菌(penicillin resistant Streptococcus pneumoniae)及び多剤耐性エンテロコッカス・ファシウム(multiply resistant Enterococcus faecium)がある。
そのような耐性グラム陽性菌の処置で主に臨床的に有効な抗生物質はバンコマイシンである。バンコマイシンは糖ペプチドであり、腎毒性を含む種々の毒性を伴う。そして最も重要なのは、バンコマイシン及び他の糖ペプチドに耐性の抗菌耐性も現れていることである。この耐性はどんどん増加し、グラム陽性菌の処置においてこれらの薬効をますます損なわせることとなる。インフルエンザ菌及びカタル球菌(M.catarrhalis)などの特定のグラム陰性株によっても生じる上気道感染の処置に使用されるβ-ラクタム、キノロン及びマクロライドなどの薬剤に対しての耐性が増加している。
オキサゾリジノン環を含む特定の抗生物質は、当業界で評価されてきた(たとえば、Walter A.Gregoryら、J.Med.Chem.1990年、33巻、2569-2578頁及び1989年、32(8)巻、1673-81頁;Chung-Ho Parkら、J.Med.Chem.1992年、35巻、1156-1165頁)。抗菌剤に対する抗菌耐性は、たとえば、(i)細菌の活性結合部位の進化が、これまで活性だった活性基(pharmacophore)を効かなくしたり、不必要にしたりする、及び/または(ii)所定の活性基を化学的に失活させる手段が進化する、及び/または(iii)流出経路(efflux pathway)の進化によって発展するかもしれない。従って、好ましい医薬プロフィールをもつ新規抗菌剤、特に有用な活性及び物理化学的特性をもつ化合物に対する需要が現在も存在する。
医薬化合物の(溶解性及び生体利用効率などの)物理化学的特性は、通常、化合物の種々の置換基の極性と、分子量(高分子量であると、通常、同じ極性でも溶解性及び生体利用効率が低下する)などの因子との均衡であると理解されている。分子の剛性(rigidity)/柔軟性(flexibility)は、溶解性などの物理的特性に影響を与える。
PCT国際特許出願国際公開第WO01/94342号(Dong A.Pharm.Co.Ltd)は、オキサゾリジノン環に結合したメチルアセトアミド側鎖をもつピリジルまたはピリミジル-フェニル-オキサゾリジノン化合物について記載する。この特許出願で例示された化合物の大部分は、前記ピリジル若しくはピリミジル環に結合した置換ピペラジン環を含んでいるか、またはピペラジンではなく、ピペリジン、オキサジアゾール若しくはテトラゾールなどの他の複素環を含んでいる。
本出願人は、有用な抗菌活性をもつ、オキサゾリジノン環にトリアゾール置換基、及びピリジル環に直接結合した非環式置換基を保持するピリジル-フェニル-オキサゾリジノン化合物の新規群を発見した。
本発明の化合物は、通常、優れた物理的及び/または薬物動態学的特性、たとえば溶解性及び生体利用効率を有する。
さらに、本発明の化合物は、通常、特に低いモノ-アミンオキシダーゼA阻害性(mono-amine oxidase-A inhibition)を有する。
従って、本発明は、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩若しくはプロドラッグを提供する:
式中、R1は、水素、ハロゲン、シアノ、メチル、シアノメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メチルチオ及び(2-4C)アルキニルから選択され;
R2及びR3は独立して、水素、フルオロ、クロロ及びトリフルオロメチルから選択され;
R4は-C(O)R5であるか;または
R4は、-C(H)=N-OR8、-C(R5)=N-OH及び-C(R5)=N-OR8から選択され;
R5は、(1-6C)アルキル(ヒドロキシ、カルボキシ、(1-4C)アルコキシ、HET-1及びNR6R7から独立して選択される1または2個の置換基で置換される)であるか;または
R5は(3-6C)シクロアルキル(ヒドロキシ、カルボキシ、(1-4C)アルコキシ及びNR6R7から選択される1個の置換基で場合により置換される)であるか;または
R5はHET-1であり;
R6及びR7は独立して、水素、メチル、シクロプロピル(場合によりメチルで置換される)、カルボキシメチル及び(2-4C)アルキル(場合により、アミノ、(1-4C)アルキルアミノ、ジ-(1-4C)アルキルアミノ、カルボキシ、(1-4C)アルコキシ及びヒドロキシから選択される置換基で置換される)から選択されるか;または
R6とR7は、これらが結合している窒素と一緒になって、O、N及びSから独立して選択される(結合しているN原子に加えて)さらに1個のヘテロ原子を場合により含む、4、5若しくは6員の、飽和若しくは部分不飽和のヘテロサイクリル環を形成する、ここで−CH2-基は、場合により-C(O)-により置換されていてもよく、ここで前記環の中の硫黄原子は場合により酸化されてS(O)若しくはS(O)2基となっていてもよく;この環は場合により、利用可能な炭素または窒素原子上で場合により1若しくは2個の(1-4C)アルキル基により置換されている(但し、R6とR7が結合している窒素原子はこれによって四級化されない)か;または
R6とR7は、これらが結合している窒素と一緒になってイミダゾール環を形成し、この環は、場合により1若しくは2個の(1-4C)アルキル(ここで、(1-4C)アルキル基は、場合によりメトキシ若しくはエトキシにより置換されている)により利用可能な炭素原子上で置換されている;
R8は(1-6C)アルキル(場合によりヒドロキシ、カルボキシ、(1-4C)アルコキシ及びNR6R7から独立して選択される1若しくは2個の置換基により置換される)であり;
HET-1は、O、N及びSから独立して選択される1若しくは2個のヘテロ原子を含む、4、5若しくは6員の飽和若しくは部分不飽和のヘテロサイクリル環であり、ここで-CH2-基は、場合により-C(O)-により置換され、ここで前記環の硫黄原子は場合により酸化されてS(O)若しくはS(O)2基となっていてもよく;この環は、場合により利用可能な炭素または窒素原子上で1若しくは2個の(1-4C)アルキルにより置換されている(但し、この窒素原子はこれによって四級化されない)。
本発明のさらなる側面において、上記定義の式(I)の化合物を提供し、式中、R6及びR7はこれらが結合している窒素と一緒になって、イミダゾール環を形成し、この環は利用可能な炭素原子上で、1または2個の(1-4C)アルキルで場合により置換されており;及び
HET-1は、5-または6-員の飽和若しくは部分不飽和のヘテロサイクリル環である。
もう一つの側面では、本発明は、上記定義の式(I)の化合物または医薬的に許容可能な塩に関する。
もう一つの側面では、本発明は、上記定義の式(I)の化合物またはそのプロドラッグに関する。式(I)の化合物のプロドラッグの好適な例としては、式(I)の化合物のin-vivo加水分解可能なエステルがある。従って、もう一つの側面では、本発明は、上記定義の式(I)の化合物またはそのin-vivo加水分解可能なエステルに関する。
本明細書で定義されているように(たとえばHET-1の定義)、O、N及びSから独立して選択される(これらのヘテロ原子の一つが結合しているN原子であるにしろ、ないにしろ)1または2個のヘテロ原子を含む4、5または6員の飽和若しくは部分不飽和ヘテロサイクリル環は、O-O結合も、O-S結合もS-S結合も含まない。
任意選択の置換基が「0、1、2または3個の」基から選択される場合、この定義は、全ての基が特定の基の一つから選択されるか、または特定の基の二つ以上から選択されることを含む。同様の約束を「0、1または2個」の基及び「1または2個」の基から選択される置換基に適用する。
本明細書中、「アルキル」なる用語は、直鎖及び分岐構造を含む。たとえば、(1-4C)アルキルは、プロピル及びイソプロピルを含む。しかし、プロピルなどの個々のアルキル基を参照する場合には、直鎖形のみとし、イソプロピルなどの個々の分岐鎖アルキル基を参照する場合には、分岐鎖形のみとする。同様の約束を他の基にも適用し、たとえばハロ(1-4C)アルキルは1-ブロモエチル及び2-ブロモエチルを含む。本明細書において、「アルケニル」及び「シクロアルケニル」なる用語は、全ての位置及び幾何異性体を含む。
本明細書では、(1-4C)アルコキシ-(1-4C)アルコキシ-(1-4C)アルキルなどの二つ以上の官能基を含む基を記載するのに、組み合わせ用語を使用する。そのような用語は、それぞれの成分に関して当業者によって理解される意味に従って判断される。たとえば、(1-4C)アルコキシ-(1-4C)アルコキシ-(1-4C)アルキルは、メトキシメトキシメチル、エトキシメトキシプロピル及びプロポキシエトキシメチルを含む。
基を定義する場合、二つ以上の基によって場合により置換され、そのような置換が化学的に安定な化合物を形成するようなものである基を定義すると理解されよう。たとえば、トリフルオロメチル基は認められるが、トリヒドロキシメチル基は認められない。任意選択の置換基を定義する場合には、この約束を適用する。
本明細書中で引用された特定の置換基及び基の特別且つ好適な値を述べる。これらの値は、上記または以下に開示の定義及び態様のいずれにも適切な場合に使用することができる。疑問を回避するために、記載されたそれぞれの種類は、本発明の特別且つ独立した側面を表す。
(1-4C)アルキルの例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル及びt-ブチルが挙げられ;(2-4C)アルキルの例としては、エチル、プロピル、イソプロピル及びt-ブチルが挙げられ;(1-6C)アルキルの例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t-ブチル、ペンチル及びヘキシルが挙げられ;(3-6C)アルキルの例としては、プロピル、イソプロピル、t-ブチル、ペンチル及びヘキシルが挙げられ;ヒドロキシ(1-4C)アルキルの例としては、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシエチル及び3-ヒドロキシプロピルが挙げられ;ヒドロキシ(2-4C)アルキルの例としては、1-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、1-ヒドロキシイソプロピル及び2-ヒドロキシイソプロピルが挙げられ;(1-4C)アルコキシカルボニルの例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル及びプロポキシカルボニルが挙げられ;(2-4C)アルケニルの例としては、アリル及びビニルが挙げられ;(2-4C)アルキニルの例としては、エチニル及び2-プロピニルが挙げられ;(1-4C)アルカノイルの例としては、ホルミル、アセチル及びプロピオニルが挙げられ;(1-4C)アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ及びプロポキシが挙げられ;(1-6C)アルコキシ及び(1-10C)アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ及びペントキシが挙げられ;(1-4C)アルキルチオの例としては、メチルチオ及びエチルチオが挙げられ;(1-4C)アルキルアミノの例としては、メチルアミノ、エチルアミノ及びプロピルアミノが挙げられ;ジ-((1-4C)アルキル)アミノの例としては、ジメチルアミノ、N-エチル-N-メチルアミノ、ジエチルアミノ、N-メチル-N-プロピルアミノ及びジプロピルアミノが挙げられ;ハロ基の例としては、フルオロ、クロロ及びブロモが挙げられ;(1-4C)アルコキシ-(1-4C)アルコキシ及び(1-6C)アルコキシ-(1-6C)アルコキシの例としては、メトキシメトキシ、2-メトキシエトキシ、2-エトキシエトキシ及び3-メトキシプロポキシが挙げられ;(1-4C)アルカノイルアミノ及び(1-6C)アルカノイルアミノの例としては、ホルムアミド、アセトアミド及びプロピオニルアミノが挙げられ;(1-4C)アルキルS(O)q-(式中、qは0、1または2である)の例としては、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メチルスルホニル及びエチルスルホニルが挙げられ;ヒドロキシ-(2-4C)アルコキシの例としては、2-ヒドロキシエトキシ及び3-ヒドロキシプロポキシが挙げられ;(1-6C)アルコキシ-(1-6C)アルキル及び(1-4C)アルコキシ(1-4C)アルキルの例としては、メトキシメチル、エトキシメチル及びプロポキシエチルが挙げられ;(1-4C)アルキルカルバモイルの例としては、メチルカルバモイル及びエチルカルバモイルが挙げられ;ジ((1-4C)アルキル)カルバモイルの例としては、ジ(メチル)カルバモイル及びジ(エチル)カルバモイルが挙げられ;ハロ基の例としては、フルオロ、クロロ及びブロモが挙げられ;ハロ(1-4C)アルキルの例としては、ハロメチル、1-ハロエチル、2-ハロエチル、及び3-ハロプロピルが挙げられ;ジハロ(1-4C)アルキルの例としては、ジフルオロメチル及びジクロロメチルが挙げられ;トリハロ(1-4C)アルキルの例としては、トリフルオロメチルが挙げられ;アミノ(1-4C)アルキルの例としては、アミノメチル、1-アミノエチル、2-アミノエチル及び3-アミノプロピルが挙げられ;シアノ(1-4C)アルキルの例としては、シアノメチル、1-シアノエチル、2-シアノエチル及び3-シアノプロピルが挙げられ;(1-4C)アルカノイルオキシの例としては、アセトキシ、プロパノイルオキシが挙げられ;(1-6C)アルカノイルオキシの例としては、アセトキシ、プロパノイルオキシ及びtert-ブタノイルオキシが挙げられ;(1-4C)アルキルアミノカルボニルの例としては、メチルアミノカルボニル及びエチルアミノカルボニルが挙げられ;ジ((1-4C)アルキル)アミノカルボニルの例としては、ジメチルアミノカルボニル及びジエチルアミノカルボニルが挙げられる。
任意選択の置換基が列記される場合、そのような置換基は、他に記載しない限り、ジェミナル二置換ではないのが好ましい。どこにも記載がなければ、特定の基についての好適な任意選択の置換基は、本明細書中の同様の基について記載した通りである。
好適な医薬的に許容可能な塩としては、酸付加塩、たとえばメタンスルホン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩及び(あまり好ましくないが)臭化水素酸塩が挙げられる。リン酸や硫酸と形成した塩も好適である。別の側面では、好適な塩は、塩基性塩、たとえばナトリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウム若しくはマグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、有機アミン塩、たとえばトリエチルアミン、モルホリン、N-メチルピペリジン、N-エチルピペリジン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N-ジベンジルエチルアミン、トリス-(2-ヒドロキシエチル)アミン、N-メチルd-グルカミン及びアミノ酸、たとえばリシンである。帯電した官能基の数及びカチオンまたはアニオンの価数に依存して、二つ以上のカチオンまたはアニオンであってもよい。好ましい医薬的に許容可能な塩はナトリウム塩である。
しかしながら、製造時に塩を単離し易くするため、選択した溶媒で溶解性の低い塩は、医薬的に許容可能であろうとなかろうと、好ましい。
本発明の化合物は、ヒトまたは動物の体内で分解して本発明の化合物を与えるプロドラッグの形状で投与することができる。プロドラッグは、親化合物の物理的及び/または薬物動態学的プロフィールを変えたり、改善するために使用することができ、親化合物が誘導体を形成してプロドラッグを形成し得る好適な基または置換基を含むときに、形成することができる。プロドラッグの例としては、本発明の化合物のin-vivo加水分解可能なエステルまたはその医薬的に許容可能な塩が挙げられる。プロドラッグのさらなる例としては、本発明の化合物のin-vivo加水分解可能なアミドまたはその医薬的に許容可能な塩が挙げられる。
プロドラッグの種々の形態は当業界で公知である。たとえば以下のものがある。
a) Design of Prodrugs、H.Bundgaard編(Elsevier、1985)及びMethods in Enzymology、第42巻、309-396頁、K.Widderら編(Academic Press、1985年);
b) A Textbook of Drug Design and Development、Krogsgaard-Larsen及びH.Bundgaard編、第5章、“Design and Application of Prodrugs”、H.Bundgaard、113-191頁(1991年);
c) H.Bundgaard、Advanced Drug Delivery Reviews、8巻、1-38頁(1992年);
d) H.Bundgaardら、Journal of Pharmaceutical Sciences、77巻、285頁(1988年);及び
e) N.Kakeyaら、Chem Pharm Bull、32巻、692頁(1984年)。
ピリジンまたはトリアゾール誘導体に関する好適なプロドラッグとしては、アシルオキシメチルピリジニウムまたはトリアゾリウム塩、たとえばハライドが挙げられ、たとえば以下のもの:
のようなプロドラッグが挙げられる(参照文献:T.Yamazakiら、第42回、Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy、San Diego、2002年;抄録F820)。
ヒドロキシル基の好適なプロドラッグは、式:RCOOC(R,R’)OCO-{式中、Rは(1-4C)アルキルであり、R’は(1-4C)アルキルまたはHである}のアセタール-カーボネートエステルのアシルエステルである。さらに好適なプロドラッグは、カーボネート及びカルバメートエステル:RCOO-及びRNHCOO-である。
カルボキシまたはヒドロキシ基を含む本発明の化合物のin-vivo加水分解可能なエステルまたは医薬的に許容可能な塩は、たとえば、ヒトまたは動物の体内で加水分解して親アルコールを生成する医薬的に許容可能なエステルである。
カルボキシに関し好適な医薬的に許容可能なエステルとしては、(1-6C)アルコキシメチルエステル、たとえばメトキシメチル、(1-6C)アルカノイルオキシメチルエステル、たとえばピバロイルオキシメチル、フタリジルエステル、(3-8C)シクロアルコキシカルボニルオキシ(1-6C)アルキルエステル、たとえば1-シクロヘキシルカルボニルオキシエチル;1,3-ジオキソラン-2-オニルメチルエステル、たとえば5-メチル-1,3-ジオキソラン-2-イルメチル;及び(1-6C)アルコキシカルボニルオキシエチルエステル、たとえば1-メトキシカルボニルオキシエチルが挙げられ、本発明の化合物の任意のカルボキシ基で形成することができる。
単数または複数のヒドロキシ基を含む本発明の化合物のin-vivo加水分解可能なエステルまたは医薬的に許容可能な塩としては、無機エステル、たとえばホスフェートエステル(ホスホラミド環式エステルを含む)及びα-アシルオキシアルキルエーテル及び、エステルのin-vivo加水分解の結果、(単数または複数の)親のヒドロキシ基を形成するエーテル及び関連化合物が挙げられる。α-アシルオキシアルキルエーテルの例としては、アセトキシメトキシ及び2,2-ジメチルプロピオニルオキシメトキシが挙げられる。ヒドロキシに関してin-vivo加水分解可能なエステルを形成する基の選択としては、(1-10C)アルカノイル(たとえば(1-4C)アルカノイル)、ベンゾイル、フェニルアセチル及び置換ベンゾイル及びフェニルアセチル、(1-10C)アルコキシカルボニル(アルキルカーボネートエステルを与える)、ジ-(1-4C)アルキルカルバモイル及びN-(ジ-(1-4C)アルキルアミノエチル)-N-(1-4C)アルキルカルバモイル(カルバメートを与える)、ジ-(1-4C)アルキルアミノアセチル、カルボキシ(2-5C)アルキルカルボニル及びカルボキシアセチルが挙げられる。フェニルアセチル及びベンゾイル上の環置換基の例としては、クロロメチルまたはアミノメチル、(1-4C)アルキルアミノメチル及びジ-((1-4C)アルキル)アミノメチル、並びにメチレン結合基を介して環窒素原子からベンゾイル環の3-または4-位置に結合したモルホリノまたはピペラジノが挙げられる。他の興味深いin-vivo加水分解可能なエステルとしては、たとえば、RAC(O)O(1-6C)アルキル-CO-(式中、RAはたとえば、場合により置換されたベンジルオキシ-(1-4C)アルキル、または場合により置換されたフェニルが挙げられ;そのようなエステルのフェニル基上の好適な置換基としては、たとえば4-(1-4C)ピペラジノ-(1-4C)アルキル、ピペラジノ-(1-4C)アルキル及びモルホリノ-(1-4C)アルキルが挙げられる。
さらに好適なin-vivo加水分解可能なエステルは、アミノ酸から形成されたものである。たとえば、化合物のヒドロキシ基とアミノ酸のカルボン酸との反応により形成したエステルである。本明細書中で、「アミノ酸」なる用語によって、本出願人は、天然または、非天然(non-naturally occurring)の全てのα-または他のアミノ置換酸及び、置換によって形成したようなその誘導体(たとえば、アミノ基の窒素上のアルキル化による)を意味する。天然または非天然アミノ酸の使用は、本発明の特別且つ独立した側面を表す。好適なα-アミノ酸及びその誘導体の例としては、バリン、ロイシン、イソロイシン、N-メチルイソロイシン、N-tert-ブチル-イソロイシン、リシン、グリシン、N-メチルグリシン、N,N-ジメチルグリシン、アラニン、グルアミン(gluamine)、アスパラギン、プロリン及びフェニルアラニンがある。一つの態様において、好ましいアミノ酸は、天然α-アミノ酸及びそのN-アルキル化誘導体である。
中性及び/または塩基性側鎖を持つアミノ酸の使用は、本発明の特別で独立した側面を表す。
式(I)の化合物の好適なin-vivo加水分解可能なエステルを、以下に記載する。たとえば、1,2-ジオールを環化して式(PD1)の環式エステルまたは式(PD2)のピロホスフェートを形成することができるか、1,3-ジオールを環化して、式(PD3)の環式エステルを形成することができる。
式(I)の化合物のエステル{式中、(PD1)、(PD2)及び(PD3)中のHO-官能基は、(1-4C)アルキル、フェニルまたはベンジルで保護されている}は、そのようなプロドラッグの製造用の有用な中間体である。
さらにin-vivo加水分解可能なエステルとしては、ホスホルアミドエステル、さらに本発明の化合物{全ての遊離ヒドロキシ基は独立して、式(PD4):
のホスホリル(npdは1である)またはホスホフィリル(npdは0である)エステルを形成する}が挙げられる。
疑問を回避するために、ホスホノは-P(O)(OH)2であり;(1-4C)アルコキシ(ヒドロキシ)-ホスホリルは-O-P(O)(OH)2のモノ-(1-4C)アルコキシ誘導体であり;及びジ-(1-4C)アルコキシホスホリルは、-O-P(O)(OH)2のジ-(1-4C)アルコキシ誘導体である。
そのようなエステルを製造するために有用な中間体としては、式(PD4)の単数または複数の基を含む化合物が挙げられる{ここで、(PD1)の-OH基の一方または両方とも、独立して(1-4C)アルキル(そのような化合物もそれ自体、重要な化合物でもある)、フェニル若しくはフェニル-(1-4C)アルキル(そのようなフェニル基は、場合により(1-4C)アルキル、ニトロ、ハロ及び(1-4C)アルコキシ)から独立して選択される1または2個の基により置換されている)によって保護されている}。
従って、(PD1)、(PD2)、(PD3)及び(PD4)などの基を含むプロドラッグは、好適な単数または複数個のヒドロキシ基を含む本発明の化合物と、好適に保護されたリン酸化試薬(たとえばクロロまたはジアルキルアミノ離脱基を含む)との反応、続く酸化(必要により)及び脱保護によって製造することができる。
他の好適なプロドラッグとしては、ホスホノオキシメチルエーテル及びその塩、たとえば:
などのR-OHのプロドラッグが挙げられる。
本発明の化合物が複数の遊離ヒドロキシ基を含むとき、プロドラッグ官能基に転換されていないこのような基は、(たとえば、t-ブチル-ジメチルシリル基を使用して)保護し、後で脱保護することができる。また、酵素的な方法を使用して、アルコール官能基を選択的にリン酸化または脱リン酸化することができる。
アミノ基のプロドラッグの例としては、in-vivo加水分解可能なアミドまたはその医薬的に許容可能な塩が挙げられる。好適なin-vivo加水分解可能な基としては、N-カルボメトキシ及びN-アセチルが挙げられる。そのようなアミドは、アミノ(またはアルキルアミノ)基と、活性化アシル誘導体、たとえば活性化エステル若しくは酸クロリド、たとえば(1-6C)アルカノイルクロリド(たとえばtBuCOClまたはアセチルクロリド)、またはその置換誘導体との反応により形成することができる。
カルボキシ基を含む式(I)の化合物のin-vivo加水分解可能なアミドの好適な値は、たとえばN-C1-6アルキルまたはN,N-ジ-C1-6アルキルアミド、たとえばN-メチル、N-エチル、N-プロピル、N,N-ジメチル、N-エチル-N-メチルまたはN,N-ジエチルアミドがある。アミンまたはカルボキシ基を含む式(I)の化合物のin-vivo加水分解可能なアミドのさらに好適な値は、本明細書中、in-vivo加水分解可能なエステルに関して定義及び記載したようなアミノ酸との反応によって形成したin-vivo加水分解可能なアミドである。
in-vivo加水分解可能なエステルまたはアミドの医薬的に許容可能な塩を形成できる場合には、これは慣用法によって達成される。従って、たとえば式(PD1)、(PD2)、(PD3)及び/または(PD4)の基を含む化合物は、(部分的または完全に)イオン化して、好適な数の対イオンを持つ塩を形成することができる。従って、たとえば、本発明の化合物のin-vivo加水分解可能なエステルプロドラッグが二つの(PD4)基を含む場合、分子全体では4つのHO-P-官能基が存在し、そのそれぞれが好適な塩を形成することができる(すなわち、分子全体が、たとえば一-、二-、三-または四ナトリウム塩を形成することができる)。
一つの態様において、本発明の好適なプロドラッグは、in-vivo加水分解可能なエステル、たとえば(1-4C)アルキルエステル;(1-4C)アルコキシ、(1-4C)アルコキシ(1-4C)アルコキシ、カルボキシ、(1-4C)アルキルエステル、アミノ、(1-4C)アルキルアミノ、ジ(1-4C)アルキルアミノ、トリ(1-4C)アルキルアミノ(従って四級化窒素原子を含む)、アミノカルボニル、カルバメート、アミドまたはヘテロサイクリル基で置換された(1-4C)アルキルエステル(たとえばR4またはR5のヒドロキシ基と、メトキシ酢酸、メトキシプロピオン酸、アジピン酸モノメチルエステル、4-ジメチルアミノブタン酸、2-メチルアミノブタン酸、5-アミノペンタン酸、β-アラニン、N,N-ジエチルアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、N-メチルイソロイシン、N-tert-ブチル-イソロイシン、リシン、グリシン、N,N-ジメチルグリシン、アラニン、サルコシン、グルタミン、アスパラギン、プロリン、フェニルアラニン、ニコチン酸、ニコチン酸-N-オキシド、ピリミジン-カルボン酸(たとえばピリミジン-5-カルボン酸)、ピラジン-カルボン酸(たとえばピラジン-2-カルボン酸)、またはピペリジン-4-カルボン酸との反応により形成したエステル);(3-6C)シクロアルキルエステル(場合により(1-4C)アルコキシカルボニル、アルコキシ若しくはカルボキシ基により置換された);カーボネート(たとえば、(1-4C)アルキルカーボネート及び、(1-4C)アルコキシ若しくはジ(1-4C)アルキル)アミノにより置換されたカーボネート);サルフェート;リン酸塩及びリン酸エステル;及びカルバメート(たとえば、実施例10参照のこと);並びにその医薬的に許容可能な塩である。
さらに好適なプロドラッグは、R4またはR5のヒドロキシ基と、カーボネート、特にアルコキシ置換アルキルカーボネート(たとえばメトキシプロピルカーボネート)との反応により形成したものである。
さらに好適なプロドラッグは、R4またはR5のヒドロキシ基と、メトキシ酢酸、メトキシプロピオン酸、アジピン酸モノメチルエステル、4-ジメチルアミノブタン酸、2-メチルアミノブタン酸、5-アミノペンタン酸、β-アラニン、N,N-ジエチルアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、N-メチルイソロイシン、N-tert-ブチル-イソロイシン、リシン、グリシン、N,N-ジメチルグリシン、アラニン、サルコシン、グルタミン、アスパラギン、プロリン、フェニルアラニン、ニコチン酸、ニコチン酸-N-オキシド、ピリミジン-5-カルボン酸、ピラジン-2-カルボン酸、またはピペリジン-4-カルボン酸、2-カルボキシ-シクロヘキサン-1-カルボン酸;並びにその医薬的に許容可能な塩との反応により形成したエステルである。
本発明の特別な化合物は、アミノ酸から形成したin-vivo加水分解可能なエステル及びその医薬的に許容可能な塩である。
本発明の特別な化合物は、4-ジメチルアミノブタン酸、2-メチルアミノブタン酸、5-アミノペンタン酸、β-アラニン、N,N-ジエチルアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、N-メチルイソロイシン、N-tert-ブチル-イソロイシン、リシン、グリシン、N,N-ジメチルグリシン、アラニン、サルコシン、グルタミン、アスパラギン、プロリン、フェニルアラニンから形成したin-vivo加水分解可能なエステル;及びその医薬的に許容可能な塩である。
本発明の特別な化合物は、バリン、ロイシン、イソロイシン、N-メチルイソロイシン、N-tert-ブチル-イソロイシン、リシン、グリシン、N,N-ジメチルグリシン、アラニン、サルコシン、グルタミン、アスパラギン、プロリン、フェニルアラニンから形成したin-vivo加水分解可能なエステル;及びその医薬的に許容可能な塩である。
本発明の化合物は、オキサゾリジノン環のC-5位置にキラル中心をもつ。医薬的に活性なジアステレオマーは、(5R)配置の式(Ia):
のものである。
本発明は、純粋なジアステレオマーまたはその混合物、たとえばラセミ混合物を含む。鏡像異性体の混合物を使用する場合、同量の医薬的に活性な鏡像異性体と同じ効果を得るためには、(鏡像異性体の割合に依存して)多くの量が必要であろう。
さらに、本発明の幾つかの化合物は、他に不斉中心をもつことができる。本発明は、抗菌活性をもつ、そのような光学異性体及びジアステレオマー、及びラセミ混合物を包含すると理解すべきである。光学活性形(たとえば、再結晶法、不斉合成、酵素的分割、生体内変換またはクロマトグラフィー分離による、ラセミ形の分割)の製造法及び、以下に記載の抗菌活性の測定法は当業界で公知である。
本発明は、抗菌活性を保有する本発明の化合物全ての互変形に関する。
本発明の特定の化合物は、たとえば水和形などの溶媒和形並びに非溶媒和形で存在できると考えられる。本発明は、抗菌活性を保有するそのような全ての溶媒和形を包含するものと理解すべきである。
本発明の特定の化合物は、多形を示す可能性があり、本発明は、抗菌活性を保有するそのような全ての形を包含するものと理解すべきである。
上記の如く、本出願人はインフルエンザ菌、カタル球菌(M.catarrhalis)、マイコプラズマ及びクラミジア株などのグラム陰性病原菌に対する活性とともに、今日広く使用される抗生物質に対して耐性であることが公知の有機体を含めて広範なグラム陰性病原菌に対して優れた活性をもつ一連の化合物を発見した。以下の化合物は、好ましい医薬的及び/または物理的及び/または薬物動態学的特性をもつ。
理論的な考えに拘束されたくはないが、ピリジン環に柔軟な置換基を含めると、化合物の溶解性に有利であると考えられる。たとえば、pH7.4のリン酸緩衝液では、参照例4は35.1μMの平衡溶解度であり、参照例5は<7.1μMの平衡溶解度である。対照的に実施例1では1453μM(HCl塩として)の水平衡溶解度(equilibrium aqueous solubility)である。溶解度などのパラメーターは、当業界で公知の全ての好適な方法に従って測定できると考えられよう。
本発明の一態様では、式(I)の化合物を提供し、もう一つの態様では、式(I)の化合物の医薬的に許容可能な塩を提供し、さらに別の態様では、式(I)の化合物のin-vivo加水分解可能なエステルを提供し、さらなる態様では、式(I)の化合物のin-vivo加水分解可能なエステルの医薬的に許容可能な塩を提供する。さらなる側面では、式(I)の化合物のin-vivo加水分解可能なアミドを提供する。
一つの側面では、R1は、水素、ハロゲン、シアノ、メチル、シアノメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、エチニル及びプロピニルから選択される。
別の側面では、R1は、水素、クロロ、ブロモ、メチル及びフルオロメチルから選択される。
別の側面では、R1は水素である。
別の側面では、R2及びR3は、独立して水素またはフルオロである。
別の側面では、R2及びR3は両方とも水素である。
別の側面では、R2とR3のうち、一方は水素であり、他方はフッ素である。
一側面では、R4は、−C(O)R5である。
別の側面では、R4は、−C(H)=N-OR8である。この側面の一態様において、R8は、(1-6C)アルキル(ヒドロキシ、カルボキシ、(1-4C)アルコキシ及びNR6R7から独立して選択される1または2個の置換基で置換される)である。この側面のもう一つの態様では、R8は(3-6C)アルキルである(ヒドロキシ、カルボキシ、(1-4C)アルコキシ及びNR6R7から独立して選択される1または2個の置換基で置換される)。この側面のもう一つの態様では、R8は(1-4C)アルキルである(ヒドロキシ、カルボキシ、(1-4C)アルコキシ及びNR6R7から独立して選択される1または2個の置換基で置換される)。
もう一つの側面では、R4は−C(R5)=N-OHである。この側面の態様は、本明細書中の任意の側面または態様で与えられるR5の任意の値を含む。
もう一つの側面では、R4は−C(R5)=N-OR8である。この側面の態様は、本明細書中の任意の側面または態様で与えられるR8の任意の値を含む。
一側面において、R5は(1-6C)アルキル(ヒドロキシ、カルボキシ、(1-4C)アルコキシ、HET-1、及びNR6R7から独立して選択される1または2個の置換基で置換される)である。
もう一つの側面において、R5は(3-6C)アルキル(ヒドロキシ、カルボキシ、(1-4C)アルコキシ、HET-1、及びNR6R7から独立して選択される1または2個の置換基で置換される)である。
もう一つの側面において、R5は(1-4C)アルキル(ヒドロキシ、カルボキシ、(1-4C)アルコキシ、HET-1、及びNR6R7から独立して選択される1または2個の置換基で置換される)である。
この側面において、R5はヒドロキシメチルでないのが好ましい。
R5の(1-6C)アルキル基の置換基としてのHET-1の好適な値は、モルホリン、ピペラジン、N-メチルピペラジン、チオモルホリン(及びその誘導体、但し硫黄は、S(O)またはS(O)2基に酸化される)、ピペリジン、ピロリジン及びテトラヒドロピリジンである。R5の(1-6C)アルキル基の置換基としてのHET-1のさらに好適な値は、アゼチジンである。一態様において、R5の(1-6C)アルキル基の置換基としてのHET-1の好適な値はピペリジン及びアゼチジンである。
一側面において、R5は(1-6C)アルキル(ヒドロキシ、カルボキシ、(1-4C)アルコキシ及びNR6R7から独立して選択される1または2個の置換基で置換される)である。
もう一つの側面において、R5は(3-6C)シクロアルキル(ヒドロキシ、カルボキシ、(1-4C)アルコキシ及びNR6R7から選択される1または2個の置換基で場合により置換される)である。
もう一つの側面において、R5はHET-1である。HET-1としてのR5の好適な値は、モルホリン、ピペラジン、N-メチルピペラジン、チオモルホリン(及びその誘導体、ここで硫黄はS(O)またはS(O)2基に酸化される)、ピペリジン、ピロリジン及びテトラヒドロピリジンである。HET-1としてのR5のさらに好適な値は、アゼチジンである。一側面において、HET-1としてのR5はピペリジン及びアゼチジンから選択される。
さらなる側面において、R5は、NR6R7で置換された(1-6C)アルキルである。さらなる側面において、R5は、モルホリン、ピペラジン、N-メチルピペラジン、チオモルホリン(またはその誘導体、ここで硫黄はS(O)またはS(O)2基に酸化される)、ピペリジン、ピロリジン、テトラヒドロピリジンまたはイミダゾール(場合により1または2個のメチル基により置換される)で置換された(1-6C)アルキルである。さらなる側面において、R5は、モルホリン、イミダゾール、メチルイミダゾールまたはジメチルイミダゾールで置換された(1-6C)アルキルである。
さらなる側面において、R5は、NR6R7で置換された(1-6C)アルキルであり、ここでNR6R7は、モルホリン、ピペラジン、N-メチルピペラジン、イミダゾール、メチルイミダゾール、ジメチルイミダゾール、プロピルイミダゾール、エチルイミダゾール及びメトキシメチルイミダゾールから選択される。
さらなる側面において、R5は、モルホリン、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、4-メチルイミダゾール、2,5-ジメチルイミダゾール、2,4-ジメチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-n-プロピルイミダゾール、2-イソプロピルイミダゾール、または2-メトキシメチルイミダゾールで置換された(1-6C)アルキルである。
一側面において、R6及びR7は、独立して、水素、メチル、シクロプロピル(場合によりメチルで置換される)、カルボキシメチル及び(2-4C)アルキル(場合により、アミノ、(1-4C)アルキルアミノ、ジ-(1-4C)アルキルアミノ、カルボキシ、(1-4C)アルコキシ及びヒドロキシから独立して選択される1または2個の置換基で置換される)から選択される。
一側面において、R6及びR7は独立して、水素、メチル、カルボキシメチル及び(2-4C)アルキル(アミノ、(1-4C)アルキルアミノ、ジ-(1-4C)アルキルアミノ、カルボキシ、(1-4C)アルコキシ及びヒドロキシから独立して選択される1または2個の置換基で場合により置換される)から選択される。
もう一つの側面において、R6及びR7は独立して、水素及び(1-6C)アルキルから選択される。
もう一つの側面において、もう一つの側面において、R6及びR7は、水素、メチル、カルボキシメチル及び(2-4C)アルキル(アミノ、(1-4C)アルキルアミノ、ジ-(1-4C)アルキルアミノ、カルボキシ及びヒドロキシから独立して選択される1または2個の置換基で場合により置換される)から独立して選択される。
もう一つの側面において、R6及びR7は、水素、メチル及び(2-4C)アルキル(アミノ、(1-4C)アルキルアミノ、ジ-(1-4C)アルキルアミノ及びヒドロキシから独立して選択される1または2個の置換基で場合により置換される)から独立して選択される。
もう一つの側面において、R6及びR7は独立して水素、メチル、及び(2-4C)アルキル(場合により1または2個のヒドロキシで置換される)から選択される。
もう一つの側面において、R6及びR7は、これらが結合している窒素と一緒になって、場合により(結合N原子に加えて)O、N及びSから独立して選択されるさらに1個のヘテロ原子を場合により含む4、5または6員の、飽和または部分不飽和ヘテロサイクリル環を形成し、ここで−CH2−基は、場合により−C(O)−により置換され、環の硫黄原子は場合によりS(O)またはS(O)2基に酸化される;この環は、場合により利用可能な炭素または窒素原子上で、1または2個の(1-4C)アルキル基により置換される(但し、R5とR6に結合している窒素原子は、これによって四級化されない)。
これらが結合している窒素原子とともにR6及びR7を含むそのような環の好適な例は、アゼチジン、モルホリン、ピペラジン、N-メチルピペラジン、チオモルホリン(及びその誘導体、ここで窒素はS(O)またはS(O)2基に酸化される)、ピペリジン、ピロリジン及びテトラヒドロピリジンである。
もう一つの側面において、これらが結合している窒素と一緒になって、R6及びR7は、イミダゾール、メチルイミダゾールまたはジメチルイミダゾール環、特にメチルイミダゾールまたはジメチルイミダゾール、特にジメチルイミダゾールを形成する。一側面において、これらが結合している窒素と一緒になって、R6及びR7は、2,4-ジメチルイミダゾールを形成する。もう一つの態様において、これらが結合している窒素と一緒になって、R6及びR7は、2,5-ジメチルイミダゾールを形成する。
これらが結合している窒素と一緒にR6及びR7を含むそのような環のさらに好適な値は、モルホリン、ピペラジン、N-メチルピペラジン、及びチオモルホリン(及びその誘導体、ここで硫黄はS(O)またはS(O)2基に酸化される)である。
これらが結合している窒素と一緒にR6及びR7を含むそのような環のさらに好適な値は、モルホリン及びチオモルホリン(及びその誘導体、ここで硫黄はS(O)またはS(O)2基に酸化される)である。
特別な値は、モルホリンである。さらに特別な例はイミダゾールである。さらに特別な例は、メチルイミダゾールである。さらに特別な例は、ジメチルイミダゾールである。
一側面において、R8は(1-4C)アルキル(ヒドロキシ、カルボキシ、(1-4C)アルコキシ及びNR6R7から独立して選択される1または2個の置換基で場合により置換される)である。
本発明の好ましい側面において、式(I)の化合物は、式(Ia)の化合物である。
本発明のさらなる側面において、上記定義の式(Ia)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩若しくはプロドラッグを提供し、ここで:
R1は、水素、クロロ、ブロモ、メチル及びフルオロメチルから選択される;
R2及びR3は独立して水素またはフルオロである;及び
R4は−C(O)R5である。
本発明のさらなる側面において、上記定義の式(Ia)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩若しくはプロドラッグを提供し、ここで:
R1は、水素、クロロ、ブロモ、メチル及びフルオロメチルから選択され;
R2及びR3は独立して水素またはフルオロであり;
R4は−C(O)R5であり;及び
R5は(1-6C)アルキル(ヒドロキシ、カルボキシ、(1-4C)アルコキシ及びNR6R7から独立して選択される1または2個の置換基で置換される)である。
本発明のさらなる側面において、上記定義の式(Ia)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩若しくはプロドラッグを提供し、ここで:
R1は、水素、クロロ、ブロモ、メチル及びフルオロメチルから選択される;
R2及びR3は独立して水素またはフルオロである;
R4は−C(O)R5である;
R5は(1-6C)アルキル(ヒドロキシ、カルボキシ、(1-4C)アルコキシ及びNR6R7から独立して選択される1または2個の置換基で置換される)である;
これらが結合している窒素と一緒になって、R6及びR7は、イミダゾール、メチルイミダゾールまたはジメチルイミダゾール環を形成する。
本発明のさらなる側面において、上記定義の式(Ia)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩若しくはプロドラッグを提供し、ここで:
R1は、水素、クロロ、ブロモ、メチル及びフルオロメチルから選択され;
R2及びR3は独立して水素またはフルオロであり;
R4は−C(O)R5であり;
R5は、NR6R7で置換された(1-6C)アルキルであり;
これらが結合している窒素と一緒になって、R6及びR7は、イミダゾール、メチルイミダゾール、ジメチルイミダゾール、エチルイミダゾール、プロピルイミダゾールまたはメトキシメチルイミダゾール環を形成する。
本発明のさらなる側面において、上記定義の式(Ia)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩若しくはプロドラッグを提供し、ここで:
R1は、水素、クロロ、ブロモ、メチル及びフルオロメチルから選択され;
R2及びR3は独立して水素またはフルオロであり;
R4は−C(O)R5であり;
R5は、NR6R7で置換された(1-6C)アルキルであり;
これらが結合している窒素と一緒になって、R6及びR7は、イミダゾール、メチルイミダゾール、ジメチルイミダゾール、エチルイミダゾールまたはプロピルイミダゾール環を形成する。
本発明のさらなる側面において、上記定義の式(Ia)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩若しくはプロドラッグを提供し、ここで:
R1は、水素、クロロ、ブロモ、メチル及びフルオロメチルから選択され;
R2及びR3は独立して水素またはフルオロであり;
R4は−C(O)R5であり;
R5は、NR6R7で置換された(1-6C)アルキルであり;
これら結合した窒素と一緒になって、R6及びR7は、イミダゾール、メチルイミダゾール、2,4-ジメチルイミダゾール、2,5-ジメチルイミダゾール、エチルイミダゾールまたはプロピルイミダゾール環を形成する。
本発明のさらなる側面において、上記定義の式(Ia)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩若しくはプロドラッグを提供し、ここで:
R1は水素であり;
R2及びR3は独立して水素またはフルオロであり;
R4は−C(O)R5であり;
R5はNR6R7で置換された(1-6C)アルキルであり;
これらが結合した窒素と一緒になって、R6及びR7は、イミダゾール、メチルイミダゾール、2,4-ジメチルイミダゾール、2,5-ジメチルイミダゾール、エチルイミダゾールまたはプロピルイミダゾール環を形成する。
本発明のさらなる側面において、上記定義の式(Ia)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩若しくはプロドラッグを提供し、ここで:
R1は、水素、クロロ、ブロモ、メチル及びフルオロメチルから選択され;
R2及びR3は独立して水素またはフルオロであり;
R4は−C(O)R5であり;及び
R5はHET-1である。
本発明のさらなる側面において、上記定義の式(Ia)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩若しくはプロドラッグを提供し、ここで:
R1は、水素、クロロ、ブロモ、メチル及びフルオロメチルから選択され;
R2及びR3は独立して、水素またはフルオロであり;及び
R4は、−C(H)=N-OR8、−C(R5)=N-OH及び−C(R5)=N-OR8から選択される。
本発明の特別な化合物としては、実施例に記載の個々の化合物が挙げられ、そのそれぞれは、本発明の独立した側面を提供する。本発明のもう一つの側面において、実施例の任意の二つ以上を提供する。
プロセス:
さらなる側面において、本発明は、本発明の化合物またはその医薬的に許容可能な塩若しくはプロドラッグの製造プロセスを提供する。以下の特定のプロセスの間、不都合な反応を防ぐために、特定の置換基による保護が必要であると考えられよう。当業者は、そのような保護が必要なとき、及びそのような保護基を所定の位置に導入し、その後、取り除く方法を理解するだろう。
保護基の例としては、本件に関する多くの一般的なテキストの一つを参照されたい。たとえばProtective Groups in Organic Synthesis’、Theodora Green(発行者:John Wiley & Sons)。保護基は、文献に記載または当該保護基の除去に適当なものとして当業者に理解されている任意の慣用法により除去することができ、そのような方法は、分子の他の場所の基への妨害を最小にしつつ、当該保護基を除去するために選択される。
従って、反応体として、アミノ、カルボキシまたはヒドロキシなどの基を含む場合、本明細書中に記載の反応によっては基を保護することが望ましい。
アミノまたはアルキルアミノ基の好適な保護基は、たとえばアシル基、たとえばアルカノイル基、たとえばアセチル、アルコキシカルボニル基、たとえばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルまたはt-ブトキシカルボニル基、アリールメトキシカルボニル基、たとえばベンジルオキシカルボニル、またはアロイル基、たとえばベンゾイルがある。上記保護基の脱保護条件は、必ずしも保護基の選択によらない。従って、アルカノイル若しくはアルコキシカルボニルなどのアシル基またはアロイル基は、アルカリ金属の水酸化物、たとえば水酸化リチウム若しくはナトリウムなどの好適な塩基との加水分解により除去することができる。あるいは、t-ブトキシカルボニル基などのアシルは、塩酸、硫酸若しくはリン酸またはトリフルオロ酢酸などの好適な酸との処理により除去することができ、ベンジルオキシカルボニル基などのアリールメトキシカルボニル基は、炭素上に担持させたパラジウムなどの触媒上での水素化、またはホウ素トリス(トリフルオロアセテート)などのルイス酸との処理により除去することができる。一級アミノ基の好適な保護基は、たとえば、ジメチルアミノプロピルアミンなどのアルキルアミン、またはヒドラジンとの処理によって除去し得るフタロイル基である。
ヒドロキシ基の好適な保護基は、たとえばアシル基、たとえばアセチル等のアルカノイル基、ベンゾイルなどのアロイル基、またはベンジルなどのアリールメチル基である。上記保護基の脱保護条件は、必ずしも保護基の選択によらない。従って、アルカノイルまたはアロイル基などのアシル基は、たとえばアルカリ金属の水酸化物、たとえば水酸化リチウム若しくはナトリウムなどの好適な塩基との加水分解により除去することができる。あるいは、ベンジル基などのアリールメチル基は、炭素上に担持させたパラジウムなどの触媒上での水素化によって除去することができる。
カルボキシ基の好適な保護基は、たとえばエステル化基、たとえば水酸化ナトリウムなどの塩基との加水分解により除去し得るメチル若しくはエチル基、またはたとえばトリフルオロ酢酸などの有機酸などの酸との処理により除去し得るt-ブチル基、または炭素上に担持させたパラジウムなどの触媒上での水素化によって除去し得るベンジル基がある。保護基として樹脂も使用することができる。
保護基は、当業界で公知の慣用法を使用して合成の任意の都合の良い段階で除去することができる。
本発明の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩若しくはin-vivo加水分解可能なエステルは、化学的に関連する化合物の合成に適用可能なことが公知の任意のプロセスによって製造することができる。本発明の化合物またはその医薬的に許容可能な塩若しくはin-vivo加水分解可能なエステルの製造に使用する際、そのようなプロセスは、本発明のさらなる特徴として提供され、且つ以下の代表的な例によって示される。必要な出発物質は、有機化学の標準的な手順(たとえば、Advanced Organic Chemistry(Wiley-Interscience)、Jerry MarchまたはHouben-Weyl、Methoden der Organischen Chemieを参照されたい)により得ることができる。そのような出発物質の製造は、付記非限定的な実施例に記載されている。あるいは、必要な出発物質は、通常の有機化学者の技量の範囲内である記載のものと類似の手順によって得ることができる。必要な出発物質または関連する化合物(必要な出発物質を形成するために利用し得る)の製造は、その関連するプロセス部分の内容が本明細書中、参照として含まれる、特定の特許出願公開:たとえばPCT国際特許出願国際公開第WO94/13649号;WO98/54161号;WO99/64416号;WO99/64417号;WO00/21960号;WO01/40222号、WO01/94342号;WO03/022824号、JP2003335762号及びWO03/006440号に知見することができる。
特に、本出願人は、本出願人のPCT特許出願公開WO99/64417号及びWO00/21960号について触れる。当該特許出願では、オキサゾリジノン化合物を製造する慣用法について詳細な指針が記載されている。
当業者は、上記参考文献、本明細書の例及び実施例に含まれ、参照された情報を使用し、適合させて必要な出発物質及び生成物を得ることができよう。
従って、本発明は、本発明の化合物またはその医薬的に許容可能な塩若しくはin-vivo加水分解可能なエステルが、プロセス(a)〜(m)(ここで、それぞれの変数は、他に記載しないかぎり、式(I)における定義の通りである);その後、必要により:
i) 全ての保護基を除去する;
ii) プロドラッグ(たとえばin-vivo加水分解可能なエステル)を形成する;及び/または
iii) 医薬的に許容可能な塩を形成することにより製造し得ることも提供し:
ここで前記プロセス(a)〜(m)は以下の通りである(他に記載しない限り、変数は請求項1の定義通りである)。
a) 標準的な化学的方法(たとえば、Comprehensive Organic Functional Group Transformations(Pergamon)、Katritzky、Meth-Cohn & Reesを参照されたい)を使用して本発明のもう一つの化合物に置換基を変性するか、置換基を導入する;たとえば、ヒドロキシ基はフルオロ基に;アシルオキシ基、たとえばアセトキシ基;アミノ基;(結合している窒素原子に隣接する炭素原子以外の炭素上で場合により置換された)窒素を介して結合したヘテロサイクリル基、たとえば場合により置換されたイミダゾール-1-イル基に転換することができる;ヒドロキシ基のそのような転換は、(たとえばアシル化若しくはミツノブ反応により)直接または一つ以上の誘導体(たとえばメシレート若しくはアジド)を介する;アシルオキシ基は、ヒドロキシ基または、ヒドロキシ基(直接またはヒドロキシ基を介して)から得られる基に転換し得る;ハロゲン化アルキル基は、ヒドロキシル基;アミノ基;チオアルキル基;窒素原子を介して結合したヘテロサイクリル基に転換し得る;ヒドロキシル基は、酸化してケト基にすることができる;
b) 式(II)(式中、Xはパラジウム[0]カップリングで有用な離脱基である、たとえば塩化物、臭化物、ヨウ化物、トリフルオロメチルスルホニルオキシ、トリメチルスタニル、トリアルコキシシリル、またはボロン酸残基)と、離脱基Xをもつ化合物IIaの一部とを、ピリジル-フェニル結合がフェニル-Xとピリジル-X結合を置き換えるように反応させる;そのような方法は公知である。たとえばS.P.Stanforth、Catalytic Cross-Coupling Reactions in Biaryl Synthesis、Tetrahedron、54、1998年、263-303頁;J.K.Stille、Angew Chem.Int.Ed.1986年、25巻、509-524頁;N.Miyaura及びA Suzuki、Chem Rev.,1995年、95巻、2457-2483頁;D.Baranano、G.Mann、及びJ.F.Hartwig、Current Org.Chem.,1997年、1巻、287-305頁;S.P.Stanforth、Tetrahedron、54巻、1998年、263-303頁;P.R.Parry、C.Wang、A.S.Batsanov、M.R.Bryce;及びB.Tarbit、J.Org.Chem.、2002年、67巻、7541-7543頁を参照されたい。
離脱基Xは、たとえば二つの分子(II)及び(IIa)において同一または異なっていてもよい:
c)ピリジル-フェニルカルバメート誘導体(III)と、好適に置換したオキシランとの反応によりオキサゾリジノン環を形成する;
このプロセスにおける変形として、カルバメートをイソシアネート若しくはアミンで起き変えるか、及び/またはオキシランを等価試薬:X-CH2CH(場合によりO-保護化)CH2-トリアゾールR1(式中、Xは置換可能な基である)により置き換える。
(d) -COR5としてのR4の場合には、式(IV):
(式中、Xは置換可能な基であり、たとえばクロリド、ブロミド、ヨーダイド、トリフルオロメチルスルホニルオキシであり、及び
Yはハロまたは
である)の化合物と、アシル化剤、たとえば酸クロリドまたはWeinrebアミド、たとえば:
との反応。
e)-COR5としてのR4の場合には、求核試薬との反応によりアルファハロケトンから、式(IIa)の化合物の形成、続く式(II)の化合物との反応、たとえば:
求核試薬は、アルファハロケトンとの反応中で所望の部位特異性を得るために保護することができる、その後、脱保護段階にかける;たとえば以下の通りである。
f)-COR5としてのR4の場合には、アルコール誘導体の酸化;たとえば以下の通りである。
g)オキシムとしてのR4の場合には、アルデヒドまたはケトンと、ヒドロキシルアミンまたはO-アルキル化ヒドロキシルアミン誘導体との反応;たとえば:
h)-COR5としてのR4の場合には、ピリジル-2-シアノ誘導体(V)と、グリニヤール試薬(たとえばR5MgBr)または同様の金属アルキル試薬との反応、続く加水分解による。
i)-COR5としてのR4の場合には、式(IV)のピリジル-2-カルボキシレート誘導体(式中、Xはカルボキシレート誘導体であり、Yはハロである)のアルキル化、続く式(II)の化合物との反応、たとえば以下の通りである。
j)好適に官能基化した中間体からのトリアゾール環(式中、R4-ピリジル-フェニル環系は既に形成されている)の形成、たとえばスキームにより示されるようなものである。
k)アジドを介するアセチレンへの付加環化、たとえば周囲温度、アルコール水溶媒中でCu(I)触媒を使用して、アジドメチルオキサゾリジンと、末端アルキンとの反応により、4-置換1,2,3-トリアゾール(V.V.Rostovtsev、L.G.Green、V.V.Fokin、及びK.B.Sharpless,Angew.Chem.Int.編、2002年、41巻、2596-2599頁)を得る。
l)アミノメチルオキサゾリジンと、1,1-ジハロケトンスルホニルヒドラゾンとの反応(Sakai,Kunihazu;Hida,Nobuko;Kondo,Kiyosi;Bull.Chem.Soc.Jpn.,59巻,1986年,179-183頁;Sakai,Kunikazu;Tsunemoto,Daiei;Kobori,Takeo;Kondo,Kiyoshi;Hido,Noboko,欧州特許EP103840 A2号19840328)。
m)4-ハロとしてのR1に関しては、式(I)の化合物は、アジドメチルオキサゾリジノンとハロビニルスルホニルクロリドとを0℃〜100℃の温度で、クロロホルムまたはジオキサンなどの不活性希釈剤中でまたは溶媒なしで反応させることによっても製造することができる。
全ての保護基の除去、医薬的に許容可能な塩の形成及び/またはin-vivo加水分解可能なエステルまたはアミドの形成は、標準的な方法を使用した通常の化学者の能力の範囲である。さらに、これらの段階の詳細、たとえばin-vivo加水分解可能なエステルプロドラッグの製造は、そのようなエステルにおける上記セクションで提供されている。
本発明の化合物の光学活性形が必要な場合、(たとえば好適な反応段階の非対称性誘導によって形成した)光学活性の出発物質を使用して、上記手順の一つを実施することにより、または標準的な手順を使用して化合物若しくは中間体のラセミ形を分割することにより、または(生成した場合には)ジアステレオ異性体のクロマトグラフィーによる分離によって得ることができる。酵素的な方法も、光学活性化合物及び/または中間体の製造に有用である。
同様に、本発明の化合物の純粋な位置異性体が必要なとき、出発物質として純粋な位置異性体を使用して上記手順の一つを実施することにより、または標準的な手順を使用して位置異性体または中間体の混合物を分割することにより、得ることができる。
式(II)の化合物(式中、Xはヨウ素、錫またはホウ素誘導体である)は、PCT国際特許出願国際公開第WO03/022824号に記載のプロセスに従って製造することができる。
式(II)の化合物(式中、X=Br(式(IIc)である)は、式(II)(式中、X=H(式(IIb)である)の化合物から、臭素酸塩、臭化物及び酸からin-situで生成する臭素を使用して式(IIb)(式中、R2及びR3は独立して、HまたはFであり、Rpは、水素、ハロゲン、シアノ、メチル、シアノメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル及び-Si[(1-4C)アルキル]3から選択される)の化合物の溶液の直接臭素化により製造することができる。
たとえば反応:
に従う臭素酸塩、臭化物及び酸との間の反応によって、反応媒体中で臭素発生させることは、時と共に臭素溶液が劣化することに伴って起こる環境問題に対しても便利な方法であると理解されよう。
好都合には、酸及び臭化物は、臭化水素酸を使用することによって一緒に提供することができる。好適には臭化物を水溶液、たとえば、48重量%の臭化水素酸水溶液などの臭化水素酸水溶液として添加する。そのような溶液の任意の好都合な濃度を使用することができる。
好都合には、臭素酸塩は、臭素酸アルカリ金属塩、たとえば臭素酸カリウムまたは臭素酸ナトリウムである。好適には、臭素酸塩は水溶液として添加する。
式(IIb)の化合物は、任意の好適な有機溶媒中に溶解することができる。これに関して、「好適な」とは、有機溶媒が水と混和可能であり、且つ他の試薬と反応してはならないことを意味する。
好適な溶媒は酢酸である。式(IIb)の化合物は、酢酸などの好適な前記有機溶媒と、水との混合物に溶解することができる。
好都合には、式(IIb)の化合物の溶液に、臭化物の水溶液を添加し、次いで臭素酸塩の溶液を添加する。
酸の存在下における臭素酸塩と臭化物との間の反応は、発熱性である。好都合には、反応混合物の入った容器を、たとえば氷浴中で冷却することができるが、特定の温度に維持するかどうかは、生成物の収率にも品質にも本質的ではない。好都合には、反応混合物の入った容器を、臭素酸塩を添加している間に、反応物の温度が10〜30℃の間になるように氷浴中で冷却する。
好適には、使用する式(IIb)の化合物の量に対して臭素酸塩と臭化物のやや過剰量を使用する。
臭素酸塩の溶液の添加速度は重要ではない。好都合には、反応物の温度が、臭素酸塩を添加する間に10〜20℃に維持されるような速度で添加する。
反応混合物は、反応が完了するまで周囲温度付近で撹拌することができる。通常、反応は完了するのに、臭素酸塩の添加に必要な時間を含め、3〜4時間かかることがある。
反応が完了したあと、生成した全ての過剰量の臭素を除去してから、生成物を単離するのが望ましい。好都合には、これはメタ亜硫酸塩の溶液、たとえばメタ亜硫酸ナトリウムの水溶液を添加することによって実施することができる。十分量のメタ亜硫酸塩を添加して、残存する全ての臭素と反応させる。
生成物は、反応混合物の濾過、またはもう一種の有機溶媒へ溶解し、次いで好適に洗浄した後、蒸発させるなど、慣用手段によって単離することができる。生成物が反応混合物から固化したら、これを(たとえば、約80〜85℃に溶液を加熱することによって)再溶解させ、所定の条件下で再結晶させるのが好都合である。
本発明のさらなる側面に従って、上記定義の如く式(IIb)の化合物から式(IIc)の化合物を形成するプロセスであって、前記プロセスは、式(IIb)の化合物の溶液と、臭素酸アルカリ金属塩と、臭化水素酸での処理を含む、前記プロセスを提供する。
本発明のさらなる側面に従って、上記定義の如く式(IIb)の化合物から式(IIc)の化合物を形成するプロセスであって、以下の:
a) 水と好適な有機溶媒との混合物中の式(IIb)の化合物の溶液を、臭化水素酸水溶液で処理する;及び
b) 臭素酸アルカリ金属塩の水溶液を添加する、
各段階を含む前記プロセスを提供する。
本発明のさらなる側面に従って、上記定義の如く式(IIb)の化合物から式(IIc)の化合物を形成するプロセスであって、以下の:
a) 水と好適な有機溶媒との混合物中の式(IIb)の化合物の溶液を、臭化水素酸水溶液で処理する;
b) 臭素酸アルカリ金属塩の水溶液を添加する;及び
c) メタ亜硫酸ナトリウムの溶液を添加して、全ての過剰量の臭素と反応させる、
各段階を含む、前記プロセスを提供する。
本発明のさらなる側面に従って、上記定義の如く式(IIb)の化合物から式(IIc)の化合物を形成するプロセスであって、以下の:
a) 水と好適な有機溶媒との混合物中の式(IIb)の化合物の溶液を、臭化水素酸水溶液で処理する;
b) 臭素酸アルカリ金属塩の水溶液を添加する;
c) メタ亜硫酸ナトリウムの溶液を添加して、全ての過剰量の臭素と反応させる;
d) 式(IIc)の生成物を単離する、
各段階を含む、前記プロセスを提供する。
本発明のさらなる側面に従って、上記定義の如く式(IIb)の化合物から式(IIc)の化合物を形成するプロセスであって、以下の:
a) 水と好適な有機溶媒との混合物中の式(IIb)の化合物の溶液を、臭化水素酸水溶液で処理する;
b) 臭素酸アルカリ金属塩の水溶液を添加する;
c) メタ亜硫酸ナトリウムの溶液を添加して、全ての過剰量の臭素と反応させる;
d) 全ての固体が溶解するまで段階c)から得られた混合物を加熱し、次いで式(IIc)の化合物が結晶化するまでこの溶液を冷却することによって式(IIc)の生成物を単離する、各段階を含む、前記プロセスを提供する。
本発明のさらなる特徴に従って、治療によってヒトまたは動物の体の処置法で使用するための、本発明の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩若しくはin-vivo加水分解可能なエステルを提供する。
本発明のさらなる特徴に従って、抗菌効果の必要なヒトなどの温血動物において抗菌効果を生み出す方法であって、本発明の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩若しくはin-vivo加水分解可能なエステルの有効量を前記動物に投与することを含む、前記方法を提供する。
また本発明は、薬剤として使用するための本発明の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩若しくはin-vivo加水分解可能なエステル;並びにヒトなどの温血動物において抗菌効果を生み出すために使用する薬剤の製造における、本発明の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩若しくはin-vivo加水分解可能なエステルの使用を提供する。
特に感染を処置する際、ヒトを含む哺乳類の治療(予防を含む)処置のために、本発明の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩若しくはin-vivo加水分解可能なエステル、in-vivo加水分解可能なエステルの医薬的に許容可能な塩(以後、本セクションでは、医薬組成物に関し、「本発明の化合物」という)を使用するために、医薬組成物として標準的な薬務に従って配合する。
従って、もう一つの側面において、本発明は、本発明の化合物、その医薬的に許容可能な塩若しくはin-vivo加水分解可能なエステル(in-vivo加水分解可能なエステルの医薬的に許容可能な塩を含む)と、医薬的に許容可能な希釈剤またはキャリヤを含む、医薬組成物を提供する。
本発明の組成物は、経口用途(たとえば錠剤、ロゼンジ、ハードまたはソフトカプセル、水性または油性懸濁液、エマルション、分散可能な粉末または顆粒、シロップまたはエリキシル)、局所用途(たとえばクリーム、軟膏、ゲル、または水性若しくは油性の溶液若しくは懸濁液)、点眼剤用途、吸入用途(たとえば微粉末または液体エーロゾル)、たとえば吸入投与(たとえば微粉末として)または非経口投与(たとえば、点滴用、皮下、舌下、筋肉内または筋肉内投与用の滅菌の水性または油性溶液として、あるいは直腸投薬用の座薬として)好適な形状にすることができる。
本発明の化合物に加えて、本発明の医薬組成物は、臨床的に有用な抗菌剤(たとえばβ-ラクタム、マクロライド、キノロンまたはアミノグリコシド)及び/または他の抗感染薬(たとえば、抗真菌トリアゾールまたはアンフォテリシン)から選択される一種以上の公知の薬剤を(即ち同時に配合することによって)含むか、または(同時に、逐次にまたは別個に)同時投与(co-administered)することができる。これらは、治療の有効性を広げるために、メロペネムまたはイミペネムなどのカルバペネム類を含むことができる。本発明の化合物は、抗菌剤に対して耐性の細菌とグラム陰性菌に対する活性を改善するために、殺菌/透過性-増加蛋白質(bactericidal/permeability-increasing protein:BPI)産生物または流出ポンプ阻害剤(efflux pump inhibitor)と同時配合または同時投与することもできる。本発明の化合物は、たとえばビタミンB、たとえばビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12及び葉酸などのビタミンと同時配合または同時投与することもできる。本発明の化合物は、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤、特にCOX-2阻害剤を同時配合または同時投与することもできる。
本発明の一つの側面において、本発明の化合物は、グラム陽性菌に対して活性な抗菌剤と同時配合する。
本発明のもう一つの側面において、本発明の化合物は、グラム陰性菌に対して活性な抗菌剤と同時配合する。
本発明のもう一つの側面において、本発明の化合物は、グラム陽性菌に対して活性な抗菌剤と同時投与する。
本発明のもう一つの側面において、本発明の化合物は、グラム陰性菌に対して活性な抗菌剤と同時投与する。
本発明の化合物は、当業者に公知の慣用の医薬賦形剤を使用して慣用法にて得ることができる。従って、経口用途用組成物は、たとえば一種以上の着色剤、甘味料、フレーバー剤及び/または保存料を含むことができる。静脈注射により投与すべき医薬組成物は、好都合には(たとえば安定性を高めるために)好適な殺菌剤、酸化防止剤もしくは還元剤、または好適な金属イオン封鎖剤を含むことができる。
錠剤を形成するための好適な医薬的に許容可能な賦形剤としては、たとえば、不活性希釈剤、たとえばラクトース、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム若しくは炭酸カルシウム、増粒剤及び崩壊剤、たとえばスターチ若しくはアルギン酸(algenic acid);結合剤、例えばスターチ;滑剤、たとえばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸若しくはタルク;防腐剤、たとえばエチル若しくはプロピルp-ヒドロキシベンゾエート、及び酸化防止剤、たとえばアスコルビン酸が挙げられる。錠剤配合物は、胃腸管での崩壊性、続いて活性成分の吸収を改善するために、またはその安定性及び/または外観を改善するために、いずれの場合においても当業界で公知の慣用のコーティング剤及び手順を使用して、コーティングしてもよいし、しなくてもよい。
経口用組成物は、活性成分を不活性固体希釈剤、たとえば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム若しくはカオリンと混合するハードゼラチンカプセル、または活性成分を水若しくは油、たとえばピーナッツ油、液体パラフィン若しくはオリーブオイルと混合するソフトゼラチンカプセルの形状であってもよい。
水性懸濁液は、通常、一種以上の懸濁剤、たとえばナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル-ピロリドン、トラガカントゴム及びアカシアゴム;分散剤若しくは湿潤剤、たとえばレシチンまたは、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(たとえばポリオキシエチレンステアレート)、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、たとえばヘプタデカエチレンオキシセタノール、またはエチレンオキシドと、脂肪酸及びヘキシトールから誘導した部分エステルとの縮合生成物、たとえばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、またはエチレンオキシドと、長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、たとえばヘプタデカエチレンオキシセタノール、またはエチレンオキシドと、脂肪酸とヘキシトールから誘導した部分エステルとの縮合生成物、たとえばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、またはエチレンオキシドと、脂肪酸とヘキシトール無水物とから誘導した部分エステルとの縮合生成物、たとえばポリエチレンソルビタンモノオレエートと一緒に、微粉末形の活性成分を含む。水性懸濁液は、また一種以上の保存剤(たとえばエチル若しくはプロピルp-ヒドロキシベンゾエート、酸化防止剤(たとえばアスコルビン酸)、着色剤、フレーバー剤、及び/または甘味料(たとえばショ糖、サッカリン若しくはアスパルテーム)を含むことができる。
油性懸濁液は、植物油(例えば落花生油、オリーブ油、ごま油若しくはココナツ油)中、または鉱油(たとえば液体パラフィン)中に活性成分を懸濁させることによって製造することもできる。この油性懸濁液は、蜜蝋、硬質パラフィン、またはセチルアルコールなどの増粘剤も含むことができる。上記のような甘味料及びフレーバー剤は、口当たりの良い経口製剤を提供するために添加することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤を添加することによって保存することができる。
水を添加することによって水性懸濁液を製造するのに好適な崩壊性粉末及び粒子は、通常、崩壊剤または湿潤剤、懸濁剤及び一種以上の保存剤と一緒に活性成分を含む。好適な崩壊剤または湿潤剤は、既に上記で列記されている。追加の賦形剤、例えば甘味料、フレーバー剤及び着色剤も配合することができる。
本発明の医薬組成物は、水中油型エマルションの形態であってもよい。この油相は植物油、たとえばオリーブ油若しくは落花生油または、鉱油、たとえば液体パラフィン若しくは、これらの任意のものの混合物であってもよい。好適な乳化剤は、たとえば天然ゴム、たとえばアカシアゴム若しくはトラガカントゴム、天然リン脂質、たとえば大豆、レシチン、脂肪酸とヘキシトール無水物とから誘導したエステルまたは部分エステル(たとえばソルビタンモノオレエート)及び、前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、たとえばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであってもよい。エマルションは、甘味料、フレーバー剤及び防腐剤を含んでもよい。
シロップ及びエリキシルは、甘味料、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、アスパルテームまたはショ糖と一緒に配合することができ、粘滑剤(demulcent)、防腐剤、フレーバー剤及び/または着色剤も含むことができる。
医薬組成物は、滅菌の注射可能な水性または油性懸濁液の形状であってもよく、これは上記の、好適な分散剤または湿潤剤及び懸濁化剤の一種以上を使用して公知手順に従って配合することができる。滅菌の注射可能な製剤は、非毒性の経口的に許容可能な希釈剤または溶媒、たとえば1,3-ブタンジオール中の滅菌の注射可能な溶液または懸濁液であってもよい。溶解性増強剤(solubility enhancing agents)たとえばシクロデキストリンを使用することができる。
吸入投与用組成物は、微粉砕個体または液滴を含むエーロゾルなどの、活性成分を分配するために準備した慣用の加圧エーロゾルの形態であってもよい。慣用のエーロゾル噴射剤、たとえば揮発性フッ化炭化水素または炭化水素を使用することができ、エーロゾル装置は、活性成分の計量分を分配するように都合良く配置されている。
配合物の詳細情報に関しては、Comprehensive Medicinal Chemistryの第5巻、第25.2章(Corwin Hansch;編集局長)、Pergamon Press、1990年を参照されたい。
一回分の投与量を作るのに一種以上の賦形剤と混合する活性成分の量は、処置すべき宿主、及び特定の投与経路に依存して必然的に変動する。たとえば、ヒトに経口投与することが目的の配合物は、たとえば活性成分50mg〜5gと、全組成物の重量の約5〜約98重量パーセントを変動し得る、好適且つ使いやすい量の賦形剤とを調剤する。単位剤形は、通常、活性成分約200mg〜約2gを含む。投与経路及び用量レジメの詳細情報に関してはComprehensive Medicinal Chemistryの第5巻、第25.3章(Corwin Hansch;編集局長)、Pergamon Press、1990年を参照されたい。
本発明の好適な医薬組成物は、単位剤形、たとえば本発明の化合物1mg〜1g、好ましくは100mg〜1gを含む、錠剤またはカプセル形で経口投与するのに好適なものである。本発明の化合物50mg〜800mg、好ましくは100mg〜500mgを含む錠剤またはカプセルが特に好ましい。
もう一つの側面において、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物0.1%w/v〜50%w/v(1mg/ml〜500mg/ml)を含む、注射などの静脈内、皮下または筋肉内注射に好適なものである。
患者はそれぞれ、たとえば一日に、本発明の化合物0.5mgkg-1〜20mgkg-1を静脈内、皮下または筋肉内用量で投与を受けることができ、本組成物は、1日あたり1-4回投与する。別の態様では、本発明の化合物を1日あたり5mgkg-1〜20mgkg-1投与する。静脈内、皮下及び筋肉内投与量は、ボーラス注入法によっても投与することができる。あるいは、静脈内への投与は、一定時間、連続的に輸液することによって実施することができる。あるいは、患者はそれぞれ、一日の非経口投与量にほぼ等しい一日分の経口投与量を受けることができ、本組成物は1日あたり1〜4回投与する。
上記の他の医薬組成物、プロセス、方法及び薬剤製造特徴において、本発明の化合物の別の態様及び好ましい態様も当てはまる。
抗菌活性:
本発明の医薬的に許容可能な化合物は、病原菌に対する活性をふるい分けするのに使用する、標準的なグラム陽性菌に対するin-vivoで広い活性範囲をもつ、有用な抗菌剤である。とりわけ、本発明の医薬的に許容可能な化合物は、ヘモフィリス及びモラキセラ株と一緒に、腸球菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌のメシチリン耐性株並びに、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌に対する活性を示す。特定の化合物の抗菌スペクトル及び効能は、標準的な試験系で測定することができる。
本発明の化合物の(抗菌)特性は、慣用の試験法で、たとえば標準的な方法を使用して温血ほ乳類に化合物を経口及び/または静脈内に投与することによって、in-vivoで実証及び評価することもできる。
以下の結果は、標準的なin-vitro試験系で得られた。活性は、104CFU/スポットの接種で寒天-希釈法によって決定した最小阻害濃度(MIC)に関して記載する。通常、化合物は、0.01〜256μg/mlの範囲で活性である。
ブドウ球菌は、104CFU/スポットの接種、培養温度37℃で24時間を使用し、メシチリン耐性発現用の標準試験条件を使用して、寒天上で実施した。
ブドウ球菌と腸球菌は、5%脱線維素ウマ血液を補った寒天上で、104CFU/スポットの接種、5%二酸化炭素雰囲気中、培養温度37℃で48時間試験した。血液は、試験する微生物の成長に必要である。 好偏性(Fastidious)グラム陰性菌は、ヘミンとNADを補ったMueller-Hintonブロスで試験し、37℃で24時間好気性培養し、ついで5×104CFU/ウエルで接種した。
たとえば、以下の結果は、実施例1の化合物に関して得られた。
モノ-アミンオキシダーゼ(MAO)の阻害は、オキサゾリジノン抗生物質の公知の強い副作用である(たとえばPCT国際特許出願国際公開WO03/072575号を参照されたい)。本発明の化合物は、通常、以下の表に示す、非置換及び他の単純置換ピリジン化合物によって示されるよりも低いレベルのMAO-A阻害を示す。
本発明の化合物のMAO-Aに対する活性は、Biochem. Biophys. Res. Commun.,1991年、181巻、1084-1088頁に記載のように、酵母中で発現されたヒト肝臓酵素をベースとする標準的なin-vitroアッセイを使用して試験した。本発明の化合物は、通常、上記のようなアッセイで測定すると、Ki値>5μMである。実施例1は、Ki値>5μMを示し、実施例2は、Ki値15μMを示した。
本出願人のPCT国際特許出願国際公開WO03/072575号に記載のごとく、4-アルキルトリアゾールをもつ化合物は、類似の非置換トリアゾール化合物よりも低いMAO-A阻害を示すと理解されよう。
以下に記載の特定の中間体及び/または参照例は、本発明の範囲内であり、本発明の特定の特徴として提供する。特別な参照例は、参照例1、2及び3である。
本発明は、以下の実施例によって説明するが、限定するものではない。他に記載しない限り、以下の通りである:
(i)蒸発は真空下でロータリーエバポレーターで実施し、仕上げ手順は、濾過によって残存する固体を除去した後に実施した。
(ii)他に記載しない限り、すなわち不活性雰囲気下で実施しない限り、操作は周囲温度、通常、18-26℃で実施し、空気を除かずに実施した。
(iii)他に記載しない限り、カラムクロマトグラフィーは、Gilson 215Platformを使用して、順相、シリカゲル60、230-400メッシュ上のフラッシュ法、または逆相シリカゲル(C-18、RediSep、Isco、Inc.)上のフラッシュ法、または逆相シリカゲル上のHPLC(たとえばWaters YMC-ODS AQ、C-18)で化合物を精製した。
(iv)収率は、説明のためだけに与えたものであって、必ずしも得られる最大量ではない。
(v)本発明の最終生成物の構造は、通常、NMRと質量分析法[他に記載しない限り、核磁気共鳴スペクトルは、DMSO-d6中、Bruker分光計を使用し、300、400または500MHzで測定した]により確認した。化学シフトは、溶媒に対する内部標準(δスケール)としてテトラメチルシランから下流にppmで報告した。多重ピークは以下のようである:s、一重線;d、二重線;ABまたはdd、二重線の二重線;dt、三重線の二重線;dm、多重線の二重線;t、三重線;m、多重線;br、ブロード。質量分析は、Micromass Quattro Micro質量分析計(ESP)とAgilent 1100MSD装置(APCI)を使用して実施した。光学回転は、Perkin Elmer Polarimeter 341を使用して、20℃で589nmで測定した。
(vi)それぞれの中間体は、次の段階で必要な標準程度まで精製し、帰属した構造が正しいか確認するために詳細にわたってキャラクタリゼーションした。純度はHPLC、LC-MS、TLC、またはNMRによって評価し、同一性は、必要に応じて質量分析及び/またはNMRスペクトルにより測定した。
(vii)以下の略号を使用することができる。
DMFは、N,N-ジメチルホルムアミドである;DMAはN,N-ジメチルアセトアミドである;TLCは、薄層クロマトグラフィーである;HPLCは、高速液体クロマトグラフィーである;NMPは、N-メチルピロリドンである;DMSOは、ジメチルスルホキシドである;CDCl3は、重水素化クロロホルムである;MSは質量分析法である;ESPは電気スプレーである;EIは電子衝撃である;CIは化学イオン化である;APCIは大気圧化学イオン化(atmospheric pressure chemical ionisation)である;EtOAcは酢酸エチルである;MeOHはメタノールである;ホスホリルは(HO)2-P(O)-O-である;ホスフィリルは(HO)2-P-O-である;THFはテトラヒドロフランである;エーテルはジエチルエーテルである;THFはテトラヒドロフランである;TFAはトリフルオロ酢酸である。
(vii)温度は℃で示す。
実施例
実施例1:(5R)-3-{3-フルオロ-4-[6-(1H-イミダゾール-1-イルアセチル)ピリジン-3-イル]フェニル}-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
1-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-(1H-イミダゾール-1-イル)エタノン(中間体8)(195mg,0.73mmol)、(5R)-3-[3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]オキサゾリジン-2-オン(中間体7、284mg,0.73mmol)及び炭酸ナトリウム(233mg,2.2mmol)をDMF/水(5nL,10:1)に溶解/懸濁させた。これを脱気し、窒素でフラッシュし、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(85mg,0.07mmol)を添加した。この反応混合物を75℃に3時間加熱し、室温に冷却し、そして溶媒を蒸発させた。この残渣を、ジクロロメタン/メタノール(10:1)を使用するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製した。このようにして得られた遊離塩基をイソプロパノール/ジクロロメタン(約20mL,1:1)に溶解し、エーテル(1mL,1M)中のHClを添加し、ジクロロメタンを減圧下で殆ど除去した。残渣を濾過により集め、乾燥すると、無色固体、塩酸塩として生成物189mg(59%)が得られた。Mp>230℃(分解)。
MS(ESP):448.15(MH+),C22H18FN7O3。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:3.97(m,1H);4.31(m,1H);4.86(d,2H);5.20(m,1H);6.12(s,2H);7.45(dd,1H);7.62(dd,1H);7.70-7.82(m,5H);8.11-8.20(m,2H);8.29(m,1H);9.05(d,1H);14.62(brs,1H)。
実施例1の中間体は、以下のようにして製造した。
中間体1:酢酸(5R)-3-(3-フルオロ-フェニル)-2-オキソ-オキソリジン-5-イルメチルエステル
(5R)-3-(3-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシメチルオキサゾリジン-2-オン(40g,0.189mol,Upjohn、WO94-13649を参照されたい)を窒素下、乾燥ジクロロメタン(400mL)中で攪拌することにより懸濁させた。トリエチルアミン(21g,0.208mol)と4-ジメチルアミノピリジン(0.6g,4.9mmol)を添加し、続いて無水酢酸(20.3g,0.199mol)を30分で滴下添加し、周囲温度で18時間攪拌し続けた。飽和重炭酸ナトリウム水溶液(250mL)を添加し、有機相を分離し、2%リン酸二水素ナトリウムを添加し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、濾過し、蒸発させると、油状の所望の生成物(49.6g)が得られた。
MS(ESP):254(MH+)、C12H12FNO4。
NMR(300MHz)(CDCl3)δ:2.02(s,3H);3.84(dd,1H);4.16(t,1H);4.25(dd,1H);4.32(dd,1H);4.95(m,1H);6.95(td,1H);7.32(d,1H);7.43(t,1H);7.51(d,1H)。
中間体2:酢酸(5R)-3-(3-フルオロ-4-ヨード-フェニル)-2-オキソ-オキサゾリジン-5-イルメチルエステル
酢酸(5R)-3-(3-フルオロ-フェニル)-2-オキソ-オキサゾリジン-5-イルメチルエステル(中間体1,15.2g,60mmol)をクロロホルム(100mL)とアセトニトリル(100mL)との混合物に窒素下で溶解し、銀トリフルオロ酢酸(16.96g.77mmol)を添加した。ヨウ素(18.07g,71mmol)を30分で少しずつ、激しく攪拌した溶液に添加し、周囲温度で18時間攪拌し続けた。反応が完了するにつれて、さらに銀トリフルオロ酢酸(2.64g,12mmol)を添加し、18時間攪拌し続けた。濾過後、混合物をチオ硫酸ナトリウム溶液(3%,200mL)とジクロロメタン(200mL)に添加し、有機相を分離し、チオ硫酸ナトリウム(200mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(200mL)、塩水(200mL)で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、濾過し、蒸発させた。粗な生成物をイソヘキサン(100mL)に懸濁させ、十分量のジエチルエーテルを添加して、1時間攪拌しながら茶色の不純物を溶解させた。濾過によって、クリーム色固体の所望の生成物(24.3g)が得られた。
MS(ESP):380(MH+)、C12H11FINO4。
NMR(300MHz)(DMSO-d6)δ:2.03(s,3H);3.82(dd,1H);4.15(t,1H);4.24(dd,1H);4.30(dd,1H);4.94(m,1H);7.19(dd,1H);7.55(dd,1H);7.84(t,1H)。
中間体3:(5R)-3-(3-フルオロ-4-ヨードフェニル)-5-ヒドロキシメチルオキサゾリジン-2-オン
酢酸(5R)-3-(3-フルオロ-4-ヨードフェニル)-2-オキソ-オキサゾリジン-5-イルメチルエステル(中間体2,30g,79mmol)をメタノール(800mL)とジクロロメタン(240mL)の混合物中、炭酸カリウム(16.4g,0.119mmol)で、周囲温度で25分間処理し、ついで酢酸(10mL)と水(500mL)を添加して直ちに中和した。沈殿を濾過し、水洗し、ジクロロメタン(1.2L)に溶解し、溶液を飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、乾燥した(硫酸マグネシウム)。濾過及び蒸発によって、所望の生成物が得られた(23g)。
MS(ESP):338(MH+)、C10H9FINO3。
NMR(300MHz)(DMSO-d6)δ:3.53(m,1H);3.67(m,1H);3.82(dd,1H);4.07(t,1H);4.70(m,1H);5.20(t,1H);7.21(dd,1H);7.57(dd,1H);7.81(t,1H)。
中間体4:[(5R)-3-(3-フルオロ-4-ヨードフェニル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-イル]メチルメタンスルホネート
(5R)-3-(3-フルオロ-4-ヨードフェニル)-5-(ヒドロキシメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン(中間体3,25.0g,74.2mmol)を0℃でジクロロメタン(250mL)中で攪拌した。トリエチルアミン(10.5g,104mmol)を添加し、続いてメタンスルホニルクロリド(11.2g,89.0mmol)を添加し、反応物を一晩攪拌してから、ゆっくりと室温に暖めた。黄色溶液を重炭酸ナトリウム溶液で希釈し、化合物をジクロロメタン(3×250mL)を使用して抽出した。有機相を乾燥し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮すると、薄黄色固体状の所望の生成物が得られた(30.3g)。
MS(ESP):416(MH+)、C11H11FINO5S。
1H-NMR(300MHz)(DMSO-d6):3.24(s,3H);3.82(dd,1H);4.17(t,1H);4.43-4.52(m,2H);4.99-5.03(m,1H);7.21(dd,1H);7.55(dd,1H);7.83(t,1H)。
中間体5:(5R)-5-(アジドメチル)-3-(3-フルオロ-4-ヨードフェニル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
[(5R)-3-(3-フルオロ-4-ヨードフェニル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-イル]メチルメタンスルホネート(中間体4,6.14g,14.7mmol)をDMF(50mL)に溶解した。アジ化ナトリウム(1.92g,29.6mmol)を添加し、反応物を75℃で一晩攪拌した。黄色い混合物を半分飽和させた重炭酸ナトリウムに注ぎ、酢酸エチルを使用して抽出した。有機相を水で三回洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮すると、黄色固体状の表記化合物が得られた(4.72g)。
MS(ESP):363(MH+)、C10H8FIN4O2。
1H-NMR(300MHz)(DMSO-d6):3.72-3.82(m,3H);4.14(t,1H);4.89-4.94(m,1H);7.22(dd,1H);7.57(dd,1H);7.83(t,1H)。
中間体6:(5R)-3-(3-フルオロ-4-ヨードフェニル)-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
(5R)-5-(アジドメチル)-3-(3-フルオロ-4-ヨードフェニル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン(中間体5,30.3g,72.9mmol)を、1,4-ジオキサン中で攪拌した。ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2,5-ジエン(40.3g、437mmol)を添加し、反応物を100℃で一晩加熱した。得られた茶色混合物を濾過し、所望の生成物が薄茶色固体状で得られた(14.8g)。
MS(ESP):389(MH+)、C12H10FIN4O2。
1H-NMR(300Mz)(DMSO-d6:3.90(dd,1H);4.23(t,1H);4.84(d,2H);5.11-5.18(m,1H);7.14(dd,1H);7.49(dd,1H);7.76(s,1H);7.82(t,1H);8.17(s,1H)。
中間体7:(5R)-3-[3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
(5R)-3-(3-フルオロ-4-ヨードフェニル)-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン(中間体6,2g,5.15mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン2.62g(10.3mmol)、酢酸カリウム2.5g(25.5mmol)と1,1'-[ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体0.38g(0.52mmol)をDMSO(15mL)に懸濁させた。この混合物を80℃で40分間加熱すると、透明な黒い溶液が得られた。酢酸エチル(150mLl)を添加し、混合物をセライトで濾過し、飽和塩水で洗浄し(2×100mL)、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させた。暗色残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中40-100%酢酸エチル、続いて酢酸エチル中1-5%アセトニトリル)で精製すると、結晶質褐色固体状の生成物が得られた1.97g(98%)。(注-生成物のバンドの前に濃く着色した不純物が溶出し、生成物を得るのに長い時間、溶出しなければならなかった)。
NMR(300Mz)(DMSO-d-6)δ:1.28(s,12H),3.91(dd,1H);4.23(t,1H);4.83(d,2H);5.14(m,1H);7.27(dd,1H);7.37(dd,1H);7.62(t,1H);7.75(s,1H);8.16(s,1H)。
あるいは:
(5R)-3-(3-フルオロ-4-ヨードフェニル)-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン(中間体6,5g,12.9mmol)、ピナコルボラン2.9ml(20mmol)、トリエチルアミン5.4ml(39mmol)及びトランス-ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.92g(1.3mmol)をジオキサン(70mL)に溶解した。混合物を100℃で90分間加熱すると、黒い溶液が得られ、これを濃縮し、酢酸エチルに溶解し、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、1%トリエチルアミンを含むジクロロメタン中0-5%メタノール)で精製すると、薄茶色固体状の生成物が得られた(3.1g)。
中間体8:1-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-(1H-イミダゾール-1-イル)エタノン
2-ブロモ-1-(5-ブロモピリジン-2-イル)エタノン臭化水素酸塩(中間体9,440mg,1.22mmol)を乾燥THF(5mL)に懸濁させて、0℃に冷却した。イミダゾール(330mg,4.85mmol)を添加し、これを激しく1時間攪拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、水洗し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。ジクロロメタン/メタノール(15:1)を使用するシリカゲルのクロマトグラフィーにより、オフホワイト固体状の生成物が得られた。197mgo(61%)。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:5.77(s,2H);6.91(brs,1H);7.13(brs,1H);7.59(s,1H);7.93(dd,1H);8.34(dd,1H);8.96(dd,1H)。
中間体9:2-ブロモ-1-(5-ブロモピリジン-2-イル)エタノン
1-(5-ブロモピリジン-2-イル)エタノン(中間体10,WO98/46605)(5.65g,28.2mmol)をメタノール/酢酸(50mL+70mL)に溶解し、0℃に冷却し、酢酸(8mL)中の30%HBrを添加した。酢酸(10mL)中の臭素(1.45mL,28.3mmol)を滴下添加し、反応混合物を放置して室温に到達させ、ついで70℃に1時間加熱した。これを約50℃に冷却し、さらに酢酸(5mL)とメタノール(15mL)中の臭素(0.4mL)を添加し、これを70℃にさらに30分間加熱した。反応混合物を減圧下で蒸発乾涸させ、残渣をイソプロパノールから結晶させると、薄黄色固体状の生成物の粗な臭化水素酸塩が得られた。3.45g(34%)。
MS(ESP):277.95/279.95/281.94(MH+)、C7H5Br2NO。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:4.96(s,2H);7.93(m,1H);8.29(m,1H);8.87(m,1H);9.19(brs,1H)。
中間体10:1-(5-ブロモピリジン-2-イル)エタノン
WO98/46605を参照されたい。
5-ブロモ-2-シアノピリジン(Markevitch,David Y.;Rapta,Miroslav;Hecker,Scott J.;Renau,Thomas E.;Synth.Commun.;33;19;2003年;3285-3290頁)(8g,43.7mmol)を乾燥THF(200mL)に溶解し、−20℃に冷却した。メチルマグネシウムブロミド(43.7mL,3M)を滴下添加し、温度を−20℃〜−10℃に3時間保持した。反応混合物を−35℃に冷却し、水(15mL)中の濃HCl(4.5mL)を滴下添加した。これを−30℃で10分間攪拌し、ついでリン酸カリウム緩衝液(300mL,1M,pH7)でビーカーに攪拌しながら注いだ。酢酸エチル(300mL)を添加し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、室温で約50mLに濃縮すると、生成物が結晶化した。2.4g、mp=112℃。さらに母液を濃縮し、ジクロロメタン/酢酸エチル(100:1)を使用するシリカゲルのクロマトグラフィーにかけると、さらに生成物が得られた。3.25g。(混合した収率:65%)。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:2.60(s,3H);7.88(dd,1H);8.25(dd,1H);8.86(d,1H)。
実施例2:(5R)-3-{3-フルオロ-4-[6-(4-モルホリン4-イルブタノイル)ピリジン-3-イル]フェニル}-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
1-(5-ブロモピリジン-2-イル)-4-モルホリン4-イルブタン-1-オン、TFA塩(中間体11)(190mg,0.44mmol)、(5R)-3-[3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]オキサゾリジン-2-オン(中間体7)(173mg,0.44mmol)、炭酸ナトリウム(141mg,1.33mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(51mg,0.044mmol)を実施例1の記載通りに反応させると、無色固体状の生成物の塩酸塩が得られた。119mg(54%)。Mp>240℃(分解)。
MS(ESP):495.24(MH+)、C25H27FN6O4。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:2.00-2.12(m,2H);3.00-4.02(m,13H);4.30(m,1H);4.86(m,2H);5.19(m,1H);7.43(m,1H);7.60(m,1H);7.68-7.78(m,2H);8.05(m,1H);8.16-8.22(m,2H);8.91(s,1H);10.57(s,1H)。
実施例4の中間体は、以下のようにして製造した。
中間体11:1-(5-ブロモピリジン-2-イル)-4-モルホリン4-イルブタン-1-オン
3-[(5-ブロモピリジン-2-イル)カルボニル]ジヒドロフラン-2(3H)-オン、ナトリウム塩(G.M.Sanders,M.van Dijk.H.C. van der Plas.Heterocycles.15,1,1981年,213-223頁)(1.05g,3.6mmol)を濃HCl(5mL)中、80℃で1時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)に注いだ。これをジクロロメタン(3×100mL)で抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶液を減圧下で除去した。クロライド中間体とキノリジニウム塩との粗な混合物をモルホリン(3mL)中、85℃で3時間加熱した。ヘキサン/アセトン(5:1)を使用するシリカゲル上のクロマトグラフィー、続いてRediSep C-18(0.1%TFAを含む水中の5-20%アセトニトリル)のクロマトグラフィーにより、無色油状の生成物のトリフルオロ酢酸(TFA)塩が得られた。190mg(12%)。
MS(ESP):313.07/315.07(MH+)、C13H17BrN2O2。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:1.99(m,2H);2.98-3.30(m,6H);3.46(m,2H);3.64(t,2H);3.97(m,2H);7.90(m,1H);8.29(m,1H);8.87(m,1H);9.79(brs,1H)。
実施例3:5-{2-フルオロ-4-[(5R)-2-オキソ-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-3-イル]フェニル}ピリジン-2-カルボアルデヒドO-(tert-ブチル)オキシム
5-{2-フルオロ-4-[(5R)-2-オキソ-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-3-イル]フェニル}ピリジン-2-カルボアルデヒド(参照例2,200mg,0.54mmol)、O-t-ブチルヒドロキシルアミン塩酸塩(89mg,0.71mmol)及び炭酸ナトリウム(35mg,0.33mmol)を参照例3に記載のごとく、但し、反応時間を1時間にして反応させた。これをジクロロメタンで希釈し、水洗し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、エタノール/ヘキサンから結晶化すると、無色固体状の生成物260mgが得られた。Mp=192℃。
MS(ESP):439.23(MH+)、C22H23FN6O3。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:1.34(s,9H);3.95(dd,1H);4.29(dd,1H);4.86(d,2H);5.18(m,1H);7.41(dd,1H);7.58(dd,1H);7.67(dd,1H);7.77(s,1H);7.91(d,1H);8.02(m,1H);8.14(s,1H);8.18(s,1H);8.77(s,1H)。
参照例1:(5R)-3-[4-(6-アセチルピリジン-3-イル)-3-フルオロフェニル]-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
1-(5-ブロモピリジン-2-イル)エタノン(中間体10,2.47g,12.4mmo)、(5R)-3-[3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]オキサゾリジン-2-オン(中間体7,4.0g,10.3mmol)と炭酸ナトリウム(3.98g,37.5mmol)をDMF/水(50mL,10:1)に溶解/懸濁させた。これを脱気し、窒素でフラッシュし、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.2g,1.03mmol)を添加した。これを75℃で3時間加熱し、室温に冷却し、溶媒を蒸発させた。ヘキサン/アセトン(1:1)〜アセトンを使用するシリカゲル上のクロマトグラフィーにかけ、減圧下でジクロロメタンをほとんど除去することによって、メタノール/ジクロロメタン(4:1,50mL)から生成物を沈殿させると、白色固体状の生成物が得られた。1.98g(50%)。Mp>210℃(分解)。
MS(ESP):382.13(MH+)、C19H16FN5O3。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:2.66(s,3H);3.96(dd,1H);4.30(dd,1H);4.86(d,2H);5.19(m,1H);7.43(dd,1H);7.60(dd,1H);7.72(dd,1H);7.76(s,1H);8.03(d,1H);8.17(m,1H);8.18(s,1H);8.90(s,1H)。
参照例2:5-{2-フルオロ-4-[(5R)-2-オキソ-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-3-イル]フェニル}ピリジン-2-カルボアルデヒド
5-ブロモピリジン-2-カルボアルデヒド(X.Wangら、Tetrah.Lett,41巻(2000年)、4335頁)(450mg,2.42mmol)、(5R)-3-[3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]オキサゾリジン-2-オン(中間体7,939mg,2.42mmol)、炭酸ナトリウム(769mg,7.26mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(280mg,0.24mmol)を、溶媒を10mLとして、70℃で10時間加熱した以外には実施例1に記載のごとく反応させた。ヘキサン/アセトン(1:1)を使用するシリカゲルのクロマトグラフィーにより、無色固体状の生成物が得られた。535mg(60%)。Mp>180℃(分解)。
MS(ESP):368.05(MH+)、C18H14FN5O3。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:3.97(dd,1H);4.30(dd,1H);4.86(d,2H);5.19(m,1H);7.45(dd,1H);7.61(dd,1H);7.75(dd,1H);7.77(s,1H);8.02(d,1H);8.18(s,1H);8.23(d,1H);9.01(s,1H);10.02(s,1H)。
参照例3:5-{2-フルオロ-4-[(5R)-2-オキソ-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-3-イル]フェニル}ピリジン-2-カルボアルデヒドオキシム
5-{2-フルオロ-4-[(5R)-2-オキソ-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-3-イル]フェニル}ピリジン-2-カルボアルデヒド(参照例2)(100mg,0.272mmol)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(25mg,0.354mmol)をメタノール/水(1:1.5mL)中で混合し、炭酸ナトリウム(18mg,0.163mmol)を水(1mL)に溶解したものを添加し、混合物を室温で1日攪拌した。さらにヒドロキシルアミン塩酸塩(10mg)を添加し、この混合物をさらに16時間攪拌した。水(5mL)を添加し、沈殿を濾過により集め、水洗し、乾燥した。実施例10に記載のように、ジクロロメタン/メタノール(15:1)を使用するシリカゲルのクロマトグラフィーにかけ、沈殿させると、無色固体状の生成物が得られた。41mg(39%)。Mp>230℃(分解)。
MS(ESP):382.87(MH+)、C18H15FN6O3。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:3.95(dd,1H);4.29(dd,1H);4.85(d,2H);5.18(m,1H);7.41(dd,1H);7.58(dd,1H);7.67(dd、1H);7.77(s,1H);7.87(d,1H);8.00(m,1H);8.12(s,1H);8.18(s,1H);8.75(s,1H);11.76(s,1H)。
参照例4
WO01/94342(Dong A.Pharm.Co.Ltd)実施例139を参照されたい。
参照例5:(5R)-3-(3-フルオロ-4-(6-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)ピリド-3-イル)フェニル)-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
(5R)-3-(3-フルオロ-4-ヨードフェニル)-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン(中間体6,370mg,0.95mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(605mg,2.4mmol)及び酢酸カリウム(326mg,3.3mmol)のジメチルスルホキシド(5mL)中の混合物を脱気し、窒素でフラッシュし、ジクロロ[1,1’]ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロロメタン付加物(69mg,10mol%)で処理した。この混合物を80℃で1.5時間加熱し、室温に冷却し、セライトで濾過し、酢酸エチルで抽出した。有機相を塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾涸させた。非揮発性残渣を、ヘキサン:酢酸エチル(3:2)を使用するシリカゲルのクロマトグラフィーで溶出すると、(5R)-3-(3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,2-オキサゾリジン-2-オンと、対応するボロン酸(210mg,約0.54mmol,57%)が得られ、これをさらに精製することなく使用した。
上記で生成したボロン酸エステルとボロン酸、5-ブロモ-2-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)ピリジン(160mg,0.67mmol)と炭酸カリウム(448mg,3.24mmol)のN,N-ジメチルホルムアミドと水(10mL,7:1)中の混合物を脱気し、窒素でフラッシュし、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(62mg,0.054mmol)で処理した。この混合物を80℃で1.5時間加熱し、室温に冷却し、セライトで冷却し、酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発乾涸させた。非揮発性残渣を、シリカゲルのクロマトグラフィー[酢酸エチル:ヘキサン(3:2)]にかけると、無色アモルファス固体状の生成物が得られた(140mg,61%)。
MS(ESP):422.47(MH+)、C19H16FN9O2。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:3.98(dd,1H);4.31(dd,1H);4.47(s,3H);4.86(m,2H);5.18(m,1H);7.45(m,1H);7.61(m,1H);7.74(m,1H);7.77(brs,1H);8.12-8.27(m,3H);8.93(s,1H)。
この参照例の中間体は以下のようにして製造した。
5-ブロモ-2-テトラゾール-5-イルピリジン
3-ブロモ-6-シアノ-ピリジン(2g,10.9mmol)、アジ化ナトリウム(0.85g,13mmol)、塩化アンモニウム(0.59g,11mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)中の混合物を120℃で1時間加熱した。この反応混合物を酢酸エチル(約100mL)で希釈し、生成物を濾過により単離し、ついで酢酸エチルで洗浄すると、表記化合物が得られた。このオフホワイトアモルファス固体は、さらに精製することなく次段階に使用した。
5-ブロモ-2-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)ピリジン及び5-ブロモ-2-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)ピリジン
5-ブロモ-2-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)ピリジン及び5-ブロモ-2-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)ピリジンは、Dong A Pharmaceuticals(WO01/94342)に記載の手順に従って製造した。
6.5gの未精製5-ブロモ-2-テトラゾール-5-イルピリジン[Dong A Pharmaceuticals(WO01/94342)](約28mmol)と水酸化ナトリウム(9g,125mmol)の乾燥DMF中の混合物を、減圧下で蒸発乾涸させた。乾燥DMF(50mL)中の不揮発性残渣の攪拌溶液を、ヨードメタン(3.0mL,48mmol)と一緒に氷浴温度で滴下して処理した。攪拌した反応混合物を放置して暖め、室温で2時間保持した。この反応混合物を氷水と酢酸エチルとの間で分配した。有機相を水洗し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ついで減圧下で蒸発させると、残渣が得られた。これをジクロロメタン:酢酸エチル(60:1)を使用してシリカゲルのクロマトグラフィーで精製すると、以下のものが得られた:
1.5-ブロモ-2-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)ピリジン(1.397g)、無色固体(TLC:シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル(4:1),Rf:0.3)。1H-NMR(DMSO-d6)(300MHz)δ:4.38(s,3H);8.17(d,1H);8.35(dd,1H);8.96(d,1H);
2.5-ブロモ-2-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)ピリジン(1.07g),無色固体(TLC:シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル(4:1),Rf:0.1)。 1H-NMR(DMSO-d6)(300MHz)δ:4.46(s,3H);8.09(d,1H);8.28(dd,1H);8.88(d,1H)。
nmr HMBC(Heteronuclear Multiple Bond Correlation)実験をベースとする構造帰属でCH3のプロトン対テトラゾール環のC5の長範囲カップリングは、Rf0.3の1-メチル-1H-異性体で観察されたが、Rf0.1の2-メチル-2H-異性体では観察されなかった。5-ブロモ-2-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)ピリジンと称される化合物はRf0.3の異性体であり、5-ブロモ-2-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)ピリジンと称される化合物は、Rf0.1の異性体であった。
実施例4:(5R)-3-(3-フルオロ-4-{6-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)アセチル]ピリジン-3-イル}フェニル)-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
1-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)エタノン(中間体12)(336mg,1.2mmol)、(5R)-3-[3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]オキサゾリジン-2-オン(中間体7,388mg,1.0mmol)、炭酸ナトリウム(300mg,2.8mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(115mg,0.1mmol)を、実施例1に記載のように反応させると、無色固体の塩酸塩として生成物が得られた。276mg(55%)。Mp>240℃(分解)。
MS(ESP):462.29(MH+)、C23H20FN7O3。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:2.55(s,3H);3.97(m,1H);4.31(m,1H);4.87(d,2H);5.20(m,1H);6.05(s,2H);7.46(dd,1H);7.57-7.65(m,3H);7.72-7.80(m,2H);8.13(d,1H);8.19(s,1H);8.27(m,1H);9.03(s,1H);14.48(brs,1H)。
実施例4の中間体は、以下のようにして製造した。
中間体12:1-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)エタノン
2-ブロモ-1-(5-ブロモピリジン-2-イル)エタノン臭化水素酸塩(中間体9,650mg,1.8mmol)を乾燥THF(6mL)に懸濁させ、0℃に冷却した。2-メチルイミダゾール(593mg,7.2mmol)を添加し、混合物を2時間攪拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、水洗し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。ジクロロメタン/メタノール(20:1)を使用するシリカゲルのクロマトグラフィーにかけると、オフホワイト固体状の生成物が得られた。336mg(66%)。
MS(ESP):280.07/282.07(MH+)、C11H10BrN3O。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:2.15(s,3H);5.68(s,2H);6.74(d,1H);7.00(d,1H);7.93(d,1H);8.33(dd,1H);8.96(d,1H)。
実施例5:(5R)-3-(3-フルオロ-4-{6-[(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)アセチル]ピリジン-3-イル}フェニル)-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
1-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)エタノン(中間体13)(170mg,0.607mmol)、(5R)-3-[3-フルオロ-4-(4,4,5,5-tetraメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]オキサゾリジン-2-オン(中間体7,214mg,0.552mmol)、炭酸ナトリウム(175mg,1.65mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(64mg,0.05mmol)を実施例1に記載のように反応させると、無色固体状の塩酸塩として生成物が得られた。155mg(56%)。Mp>217℃(分解)。
MS(ESP):462.29(MH+)、C23H20FN7O3。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:2.32(s,3H);3.97(dd,1H);4.31(dd,1H);4.87(d,2H);5.20(m,1H);6.06(s,2H);7.40-7.49(m,2H);7.62(dd,1H);7.74-7.80(m,2H);8.13(d,1H);8.19(s,1H);8.28(m,1H);8.95(s,1H);9.02(brs,1H);14.57(brs,1H)。
実施例xの中間体は以下のようにして製造した。
中間体13:1-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)エタノン
2-ブロモ-1-(5-ブロモピリジン-2-イル)エタノン臭化水素酸塩(中間体9,1.2g,3.3mmol)を乾燥THF(20mL)に懸濁させ、0℃に冷却した。4-メチルイミダゾール(1.09g,13.3mmol)を添加し、混合物を2時間攪拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、水洗し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。アセトン/ヘキサン(1:1−2:1)を使用してシリカゲルのクロマトグラフィーにかけると、オフホワイト固体状の生成物が得られた。170mg(18%)。(rf=0.29,TLC:アセトン/ヘキサン、1:1;5-メチルイミダゾール類似体も形成した。Rf=0.21)。
MS(ESP):280.07/282.07(MH+)、C11H10BrN3O。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:2.09(s,3H);5.67(s,2H);6.79(s,1H);7.44(s,1H);7.93(d,1H);8.33(dd,1H);8.94(d,1H)。4-及び5-メチルイミダゾール異性体の帰属は、HMBCをベースとした。(異核多重結合相関NMR-実験)。
実施例6:(5R)-3-{3-フルオロ-4-[6-(ピペリジン-4-イルアセチル)ピリジン-3-イル]フェニル}-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
tert-ブチル4-[2-(5-{2-フルオロ-4-[(5R)-2-オキソ-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-3-イル]フェニル}ピリジン-2-イル)-2-オキソエチル]ピペリジン-1-カルボキシレート(中間体14,630mg,1.12mmol)のジオキサン(5mL)中の溶液を、激しく攪拌しながら、ジオキサン中のHCl溶液(4M,5mL)で処理した。この反応物を室温で一晩攪拌し、減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣を水/イソプロパノール(33mL,1:10)から再結晶させると、無色固体状の塩酸塩として生成物が得られた。409mg(73%)。Mp>196℃(分解)。
MS(ESP):465(MH+)、C24H25FN6O3。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:1.45(m,2H);1.83(m,2H);2.19(m,1H);2.88(m,2H);3.16-3.26(m,4H);3.97(dd,1H);4.30(dd,1H);4.87(d,2H);5.20(m,1H);7.43(dd,1H);7.60(dd,1H);7.72(dd,1H);7.77(s,1H);8.05(d,1H);8.16-8.21(m,1H);8.19(s,1H);8.70(m,1H);8.87-8.98(m,1H);8.90(brs,1H)。
実施例6の中間体は以下のようにして製造した。
中間体14:tert-ブチル4-[2-(5-{2-フルオロ-4-[(5R)-2-オキソ-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-3-イル]フェニル}ピリジン-2-イル)-2-オキソエチル]ピペリジン-1-カルボキシレート
tert-ブチル4-[2-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-オキソエチル]ピペリジン-1-カルボキシレート(中間体15)(590mg,1.54mmol)、(5R)-3-[3-フルオロ-4-(4,4,5,5-tetraメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]オキサゾリジン-2-オン(中間体7,598mg,1.54mmol)、炭酸ナトリウム(490mg,4.6mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(178mg,0.154mmol)は実施例1に記載のように反応させた。ヘキサン/アセトン(2:1)を使用するシリカゲルのクロマトグラフィーにかけると、無色固体状の生成物が得られた。691mg(79%)。Mp>140℃。
MS(ESP):565.66(MH+)、C29H33FN6O5。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:1.11(m,2H);1.38(s,9H);1.66(m,2H);2.07(m,1H);2.72(m,2H);3.13(m,2H);3.84-4.00(m,3H);4.30(dd,1H);4.86(d,2H);5.19(m,1H);7.43(dd,1H);7.60(dd,1H);7.72(dd,1H);7.77(s,1H);8.05(d,1H);8.15-8.21(m,1H);8.18(s,1H);8.90(brs,1H)。
中間体15:tert-ブチル4-[2-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-オキソエチル]ピペリジン-1-カルボキシレート
5-ブロモ-2-ヨードピリジン(764mg,2.69mmol)のTHF(10mL)中の溶液を−10℃に冷却し、iPrMgClのTHF(2M,1.35mL,2.63mmol)中の溶液を滴下して処理した。この反応混合物を30分間攪拌し、tert-ブチル4-{2-[メトキシ(メチル)アミノ]-2-オキソエチル}ピペリジン-1-カルボキシレート(中間体16,770mg,2.69mmol)のTHF(5mL)中の溶液をシリンジで添加した。この反応混合物を放置して10℃に2時間で暖め、ついでリン酸カリウム緩衝液(1M,pH7,200mL)に攪拌しながら注いだ。酢酸エチル(150mL)で抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。ヘキサン/酢酸エチル(7:1)を使用するシリカゲルのクロマトグラフィーにかけると、無色固体状の生成物が得られた。591mg(57%)。
MS(ESP):383.47/385.47(MH+)、C17H23BrN2O3。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:1.09(m,2H);1.37(s,9H);1.63(m,2H);2.02(m,1H);2.72(m,2H);3.06(m,2H);3.91(m,2H);7.87(d,1H);8.25(dd,1H);8.85(d,1H)。
中間体16:tert-ブチル4-{2-[メトキシ(メチル)アミノ]-2-オキソエチル}ピペリジン-1-カルボキシレート
boc-(4-カルボキシメチル)-ピペリジン(M.S.Egbertsonら、J.Med.Chem.,37(16),2537-2551頁(1994年))(1g,4.11mmol)とビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(1.05g,4.11mmol)のDMF(4mL)中の溶液に、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(561mg,5.57mmol)、続いて、ジイソプロピルエチルアミン(2.15mL,12.3mmol)を添加した。この反応混合物を30分間攪拌し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、水洗し(2×50mL)、硫酸ナトリウム上で乾燥した。ヘキサン/酢酸エチル(2:1〜1:2)を使用するシリカゲルのクロマトグラフィーにかけると、無色油状の生成物が得られた。770mg(65%)。
MS(ESP):187.25(M-bocH+)、C14H26N2O4。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:1.02(m,2H);1.37(s,9H);1.61(m,2H);1.85(m,1H);2.29(m,2H);2.68(m,2H);3.06(s,3H);3.62(s,3H);3.89(m,2H)。
実施例7:(5R)-3-(3-フルオロ-4-{6-[4-(4-メチルピペリジン-1-イル)ブタノイル]ピリジン-3-イル}フェニル)-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
1-(5-ブロモピリジン-2-イル)-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ブタン-1-オン(中間体17,580mg,1.8mmol)、(5R)-3-[3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]オキサゾリジン-2-オン(中間体7,690mg,1.8mmol)、炭酸ナトリウム(377mg,3.55mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(205mg,0.18mmol)を、実施例1に記載のように、但し、溶媒10mLを使用して反応させた。ジクロロメタン/メタノール(5:1〜3:1)を使用するシリカゲルのクロマトグラフィーにかけると、無色の硬質泡状の生成物が得られた。510mg(57%)。生成物の遊離塩基(310mg,0.61mmol)をイソプロパノール(10mL)に取り出し、HCl(エーテル中1M,2mL)を激しく攪拌しながら添加した。添加15分後、溶媒を減圧下で除去し、残渣を水/イソプロパノール(約30mL,1:15)から結晶化させると、無色固体状の生成物の二塩酸塩が得られた。261mg。mp>240℃。
MS(ESP):508(MH+)、C26H30FN7O3。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:2.09(m,2H);2.82(s,3H);3.13-3.88(m,12H);3.97(dd,1H);4.30(dd,1H);4.86(d,2H);5.19(m,1H);7.43(m,1H);7.60(m,1H);7.73(dd,1H);7.77(s,1H);8.06(d,1H);8.15-8.23(m,2H);8.91(brs,1H)。
実施例7の中間体は以下のようにして製造した。
中間体17:1-(5-ブロモピリジン-2-イル)-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ブタン-1-オン
5-ブロモ-2-ヨードピリジン(927mg,3.27mmol)を、イソプロピルマグネシウムクロリド(THF中2M,1.64mL,3.27mmol)とN-メトキシ-N-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ブタンアミド(中間体18,749mg,3.27mmol)と、中間体15に関して記載のように反応させた。ジクロロメタン/メタノール(10:1〜4:1)を使用するシリカゲルのクロマトグラフィーにかけると、無色油状の生成物が得られた。582mg(55%)。
MS(ESP):326.47/328.47(MH+)、C14H20BrN3O。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:1.80(tt,2H);2.04(s,3H);2.02-2.35(m,10H);3.07(t,2H);7.87(d,1H);8.25(m,1H);8.85(m,1H)。
中間体18:N-メトキシ-N-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ブタンアミド
4-クロロ-N-メトキシ-N-メチル-ブチラミド(V.Selvamuruganら、Synthesis 15,2239-2246,2001年)(1g,6.04mmol)及び1-メチルピペラジン(1.2g,12mmol)をDMSO(2mL)中で混合し、80℃に3時間加熱した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(約100mL)でクエンチし、ジクロロメタンで抽出し(3×100mL)、硫酸ナトリウム上で乾燥した。ジクロロメタン/メタノール(18:1〜3:1)を使用するシリカゲルのクロマトグラフィーにかけると、やや黄色油状の生成物が得られた。749mg(54%)。
MS(ESP):326.47/328.47(MH+)、C11H23N3O2。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:1.63(tt,2H);2.13(s,3H);2.10-2.45(m,10H);3.07(s,3H);3.38(m,2H);3.64(s,3H)。
実施例8:(5R)-3-{3-フルオロ-4-[6-(ピペリジン-4-イルカルボニル)ピリジン-3-イル]フェニル}-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
ベンジル4-[(5-{2-フルオロ-4-[(5R)-2-オキソ-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-3-イル]フェニル}ピリジン-2-イル)カルボニル]ピペリジン-1-カルボキシレート(中間体19,305mg,0.52mmol)をメタノール(10mL,酢酸数滴を含む)中のPd/C(10%,wet)上で、室温、常圧で2時間水素化した。得られた混合物を0.45μM膜を通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。C-18RPシリカ(RediSepカートリッジ使用)上で、水中0-20%アセトニトリル(0.1%TFA含有)を使用してクロマトグラフィーにかけた。生成物を含有する画分をプールし、溶媒を減圧下で除去した。残渣をイソプロパノール(20mL)に取り出し、激しく攪拌しながらHCl(エーテル中1M,0.5mL)を添加した。ヘキサン(10mL)で希釈し、固体を濾過により集め、減圧下、50℃で乾燥すると、無色固体状の生成物の塩酸塩が得られた。71mg(28%)。Mp>275℃(分解)。
MS(ESP):451.27(MH+)、C23H23FN6O3。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:1.79(m,2H);2.04(m,2H);3.10(m,2H);3.97(dd,1H);4.12(m,1H);4.30(dd,1H);4.86(d,2H);5.19(m,1H);7.44(dd,1H);7.60(dd,1H);7.73(dd,1H);7.77(s,1H);8.07(d,1H);8.18(s,1H);8.21(m,1H);8.50(m,1H);8.76(m,1H);8.92(brs,1H);追加の2Hは、溶媒下またはHDOシグナル下である。
実施例8の中間体は以下のようにして製造した。
中間体19:ベンジル4-[(5-{2-フルオロ-4-[(5R)-2-オキソ-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-3-イル]フェニル}ピリジン-2-イル)カルボニル]ピペリジン-1-カルボキシレート
ベンジル4-[(5-ブロモピリジン-2-イル)カルボニル]ピペリジン-1-カルボキシレート(中間体20,250mg,0.62mmol)、(5R)-3-[3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]オキサゾリジン-2-オン(中間体7,241mg,0.62mmol)、炭酸ナトリウム(197mg,1.86mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(72mg,0.06mmol)を実施例1に記載のように反応させた。ヘキサン/アセトン(1:1)を使用するシリカゲルのクロマトグラフィーにかけると、やや黄色の硬質泡状の生成物が得られた。339mg(93%)。
MS(ESP):585.41(MH+)、C31H29FN6O5。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:1.47(m,2H);1.87(m,2H);3.01(m,2H);3.93-4.12(m,4H);4.30(dd,1H);4.86(d,2H);5.08(s,2H);5.19(m,1H);7.28-7.46(m,6H);7.60(dd,1H);7.73(dd,1H);7.77(s,1H);8.06(d,1H);8.15-8.23(m,2H);8.93(brs,1H)。
中間体20:ベンジル4-[(5-ブロモピリジン-2-イル)カルボニル]ピペリジン-1-カルボキシレート
5-ブロモ-2-ヨードピリジン(490mg,1.73mmol)をイソプロピルマグネシウムクロリド(THF中2M,0.86mL,1.73mmol)とベンジル4-{[メトキシ(メチル)アミノ]カルボニル}ピペリジン-1-カルボキシレート(中間体21,529mg,1.73mmol)と中間体15の記載と同様にして反応させた。ヘキサン/酢酸エチル(5:1)を使用してシリカゲルのクロマトグラフィーにかけると、無色固体状の生成物が得られた。252mg(36%)。
MS(ESP):403.19/405.19(MH+)、C19H19BrN2O3。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:1.42(m,2H);1.83(m,2H);2.99(m,2H);3.93(m,1H);4.04(m,2H);5.07(s,2H);7.26-7.40(m,5H);7.90(d,1H);8.28(d,1H);8.88(d,1H)。
中間体21:ベンジル4-{[メトキシ(メチル)アミノ]カルボニル}ピペリジン-1-カルボキシレート
ベンジル4-(クロロカルボニル)ピペリジン-1-カルボキシレート(H.Haradaら、Bioorg. Med. Chem. Lett、12(6)、967-970、2002)(1g,3.55mmol)と、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(346mg,3.55mmol)のジクロロメタン(20mL)中の混合物を−20℃に冷却し、ピリジン(1.15mL,14.2mmol)を添加した。この反応混合物を30分間放置して、室温に到達させ、さらに1時間攪拌した。これをジクロロメタン(100mL)で希釈し、リン酸カリウム緩衝液(1M,pH7,3×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。ヘキサン/酢酸エチル(1:1〜0:1)を使用するシリカゲルのクロマトグラフィーにかけると、無色油状の生成物が得られた。650mg(60%)。
MS(ESP):307.25(MH+)、C16H22N2O4。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:1.40(m,2H);1.66(m,2H);2.80-2.99(m,3H);3.08(s,3H);3.67(s,3H);4.01(m,2H);5.06(s,2H);7.26-7.45(m,5H)。
実施例9:(5R)-3-{4-[6-(アゼチジン-3-イルカルボニル)ピリジン-3-イル]-3-フルオロフェニル}-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
ジオキサン(2mL)中のtert-ブチル3-[(5-{2-フルオロ-4-[(5R)-2-オキソ-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-3-イル]フェニル}ピリジン-2-イル)カルボニル]アゼチジン-1-カルボキシレート(中間体22,220mg,0.42mmol)の溶液を、激しく攪拌しながら、HCl(ジオキサン中4M,2mL)で処理し、これを室温で1時間攪拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。(0.1%TFA含有)水中の0-20%アセトニトリルを使用して、C-18RPシリカ(RediSepカートリッジ使用)上でクロマトグラフィーにかけた。生成物を含む画分をプールし、減圧下で溶媒を除去した。残渣をイソプロパノール(20mL)中に取り出し、HCl(エーテル中1M,0.2mL)を激しく攪拌しながら添加した。沈殿した固体を濾過により集め、減圧下、室温で乾燥すると、緑がかった固体として生成物の塩酸塩が得られた。44mg(23%)。Mp>90℃。(分解)。
MS(ESP):423.25(MH+)、C21H19FN6O3。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:3.97(dd,1H);4.17-4.34(m,5H);4.70(m,1H);4.86(d,2H);5.19(m,1H);7.44(m,1H);7.60(m,1H);7.73(dd,1H);7.77(s,1H);8.11-8.27(m,3H);8.81(m,1H);8.90(brs,1H);9.22(m,1H)。
実施例9の中間体は以下のようにして製造した。
中間体22:tert-ブチル3-[(5-{2-フルオロ-4-[(5R)-2-オキソ-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-3-イル]フェニル}ピリジン-2-イル)カルボニル]アゼチジン-1-カルボキシレート
tert-ブチル3-[(5-ブロモピリジン-2-イル)カルボニル]アゼチジン-1-カルボキシレート(中間体23,447mg,1.31mmol)、(5R)-3-[3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]オキサゾリジン-2-オン(中間体7、509mg,1.31mmol)、炭酸ナトリウム(416mg,3.93mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(151mg,0.13mmol)は、溶媒10mLを使用した以外には、実施例1に記載のようにして反応させた。ヘキサン/アセトン(1:1)を使用するシリカゲルのクロマトグラフィーにかけると、無色硬質泡状の生成物が得られた。500mg(73%)。
MS(ESP):523.37(MH+)、C26H27FN6O5。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:1.37(s,9H);3.93-4.18(m,5H);4.30(dd,1H);4.53(m,1H);4.86(d,2H);5.19(m,1H);7.44(dd,1H);7.60(dd,1H);7.73(dd,1H);7.77(s,1H);8.10(d,1H);8.18(s,1H);8.20(m,1H);8.88(brs,1H)。
中間体23:tert-ブチル3-[(5-ブロモピリジン-2-イル)カルボニル]アゼチジン-1-カルボキシレート
5-ブロモ-2-ヨードピリジン(1.09g,3.85mmol)をイソプロピルマグネシウムクロリド(THF中2M,1.83mL,3.66mmol)とtert-ブチル3-{[メトキシ(メチル)アミノ]カルボニル}アゼチジン-1-カルボキシレート(中間体24,466mg,1.9mmol)と中間体15に関して記載のように、反応させた。ヘキサン/酢酸エチル(7:1)を使用してシリカゲルのクロマトグラフィーにかけると、無色油状の生成物が得られた。447mg(69%)。
MS(ESP):341.11/343.11(MH+)、C14H17BrN2O3。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:1.36(s,9H);3.92-4.14(m,4H);4.44(m,1H);7.93(d,1H);8.28(dd,1H);8.84(d,1H)。
中間体24:tert-ブチル3-{[メトキシ(メチル)アミノ]カルボニル}アゼチジン-1-カルボキシレート
DMF(4mL)中の1-(tert-ブトキシカルボニル)アゼチジン-3-カルボン酸(H.Itaniら、Biorg. Med. Chem. Lett.、12(5),757-762頁,2002年)(0.5g,2.48mmol)とビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(0.633g,2.48mmol)の溶液に、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(339mg,3.48mmol)、続いてジイソプロピルエチルアミン(1.3mL,7.45mmol)を添加した。発熱反応を放置して室温に冷却し、2時間攪拌した。減圧下で過剰量の塩基を除去し、残渣を酢酸エチル(100mL)で希釈し、硫酸カリウム緩衝液(1M,pH7,2×100mL)で洗浄し、水洗し(2×100mL)し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。ヘキサン/アセトン(3:1)を使用するシリカゲルのクロマトグラフィーにかけると、無色固体状の生成物が得られた。470mg(77%)。
MS(ESP):267.23(MNa+)、C11H20N2O4。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:1.36(s,9H);3.10(s,3H);3.61(s,3H);3.68(m,1H);3.83-4.00(m,4H)。
実施例10:(5R)-3-(4-{6-[(2,5-ジメチル-1H-イミダゾール-1-イル)アセチル]ピリジン-3-イル}-3-フルオロフェニル)-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
1-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-(2,5-ジメチル-1H-イミダゾール-1-イル)エタノン(中間体25,985mg,3.35mmol)、(5R)-3-[3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]オキサゾリジン-2-オン(中間体7,1.30g,3.35mmol)、炭酸ナトリウム(887mg,8.37mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(387mg,0.35mmol)を、溶媒を15mL使用して、75℃に6時間加熱した以外には、実施例1に記載のようにして反応させた。ジクロロメタン/エタノール(10:1〜8:1)を使用するシリカゲルのクロマトグラフィーにかけ、メタノールから結晶化させると、無色針状の生成物が得られた。658mg(41%)。Mp:112-115℃。
MS(ESP):476.16(MH+)、C24H22FN7O3。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:2.01(s,3H);2.15(s,3H);3.97(dd,1H);4.31(dd,1H);4.86(d,2H);5.19(m,1H);5.64(s,2H);6.51(s,1H);7.46(dd,1H);7.62(dd,1H);7.75(dd,1H);7.77(s,1H);8.10(d,1H);8.19(s,1H);8.25(m,1H);8.99(brs,1H)。
実施例10の中間体は以下のようにして製造した。
中間体25:1-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-(2,5-ジメチル-1H-イミダゾール-1-イル)エタノン
1-[2-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-オキソエチル]-2,5-ジメチル-3-トリチル-1H-イミダゾール-3-イウムブロミド(中間体26,4.75g,7.7mmol)をジクロロメタン(100mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(15mL)を添加した。混合物を緩やかに還流させながら1.5時間加熱した。これをジクロロメタン(200mL)で希釈し、リン酸カリウム緩衝液(pH7,1M,約600mL)で洗浄し、水性相をジクロロメタンで3回抽出し(3×100mL)、混合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥した。ジクロロメタン/メタノール(20:1)を使用するシリカゲルのクロマトグラフィーにかけると、白色固体状の生成物が得られた。1.938g(77%)。
MS(ESP):294/296(MH+)、C12H12BrN3O。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:1.98(s,3H);2.12(s,3H);5.57(s,2H);6.49(s,1H);7.93(m,1H);8.35(m,1H);8.98(m,1H)。
中間体26:1-[2-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-オキソエチル]-2,5-ジメチル-3-トリチル-1H-イミダゾール-3-イウムブロミド
2,4-ジメチル-1-トリチル-1H-イミダゾール(中間体27,4.5g,13.4mmol)、2-ブロモ-1-(5-ブロモピリジン-2-イル)エタノン(中間体9の遊離塩基,2.5g,9mmol)(遊離塩基は、酢酸エチル中の中間体9の懸濁液を、リン酸カリウム緩衝液(pH7,1M)で処理し、水性相を水洗し、硫酸ナトリウム上で乾燥することにより生成した)、及び2,6-ジ-tert-ブチルピリジン(3mL,13.35mmol)を75℃で1,4-ジオキサン(50mL)中で30分間加熱した。この反応混合物を放置して室温に冷却し、沈殿を濾過により集め、ヘキサン(2×50mL)で洗浄すると、オフホワイト固体状の生成物が得られた。4.75g(86%)。Mp>150℃(分解)。
MS(ESP):535.95/537.95(MH+)、C31H27BrN3O。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:1.82(s,3H);2.21(s,3H);5.95(s,2H);7.07(s,1H);7.12-7.18(m,6H);7.44-7.65(m,9H);7.98(m,1H);8.36(m,1H);8.98(m,1H)。
中間体27:2,4-ジメチル-1-トリチル-1H-イミダゾール
ジクロロメタン(50mL)中のトリチルクロリド(15g,55mmol)の混合物を、室温でジクロロメタン(100mL)とトリエチルアミン(11.3mL,81mmol)の混合物中の2.4-ジメチルイミダゾール(5g,52mol)の溶液に45分で滴下添加した。この混合物を一晩攪拌し、ついでメタノール(4mL)でクエンチし、さらに30分間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をトルエン(600mL)に取り出し、リン酸カリウム緩衝液(pH7,1M,2×200mL)で洗浄し、水洗した(200mL)。有機相をジクロロメタン(200mL)で希釈し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で約100mLに濃縮した。ヘキサン(100mL)を添加し、沈殿物を濾過により集め、ヘキサン(2×50mL)で洗浄すると、無色固体状の生成物が得られた。14.76g(84%)。
1H-NMR(CDCl3)δ:1.62(s,3H);2.16(s,3H);6.40(s,2H);7.10-7.40(m,15H)。
実施例11:(5R)-3-(3-フルオロ-4-{6-[(2-プロピル-1H-イミダゾール-1-イル)アセチル]ピリジン-3-イル}フェニル)-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
1-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-(2-プロピル-1H-イミダゾール-1-イル)エタノン(中間体28,255mg,0.825mmol)、(5R)-3-[3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]オキサゾリジン-2-オン(中間体7,384mg,0.99mmol)、炭酸カリウム(343mg,2.48mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(46mg,0.04mmol)を、反応物を80℃で30分間加熱した以外には、実施例1に記載のように反応させた。ヘキサン/アセトン(1:1〜0:1)を使用するシリカゲルのクロマトグラフィーにかけると、オフホワイト固体状の生成物が得られた。171mg。mp=81℃。
MS(ESP):490(MH+)、C25H24FN7O3。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:0.89(m,3H);1.63-1.70(m,2H);2.88-2.93(m,2H);3.44(m,2H),3.98(m,1H),4.25(s,1H);4.96(m,1H);5.24(s,1H);6.09(s,2H);7.59(m,1H);7.70(m,2H);7.77(m,2H);8.12(s,1H);8.19(m,1H);8.26-8.28(m,1H),9.03(s,1H)。
中間体28:1-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-(2-プロピル-1H-イミダゾール-1-イル)エタノン
2-ブロモ-1-(5-ブロモピリジン-2-イル)エタノン臭化水素酸塩(中間体9,400mg,1.81mmol)を乾燥THF(5mL)に懸濁させ、0℃に冷却した。2-プロピルイミダゾール(487mg,4.4mmol)を添加し、混合物を2時間攪拌した。この反応混合物をジクロロメタンで希釈し、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した。ジクロロメタン/メタノール(20:1)を使用してシリカゲルのクロマトグラフィーにかけると、オフホワイト固体状の生成物が得られた。256mg。
MS(ESP):309(MH+)、C13H14BrN3O。
実施例12:(5R)-3-(3-フルオロ-4-{6-[(2-イソプロピル-1H-イミダゾール-1-イル)アセチル]ピリジン-3-イル}フェニル)-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
1-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-(2-イソプロピル-1H-イミダゾール-1-イル)エタノン(中間体29,255mg,0.825mmoles)、(5R)-3-[3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]オキサゾリジン-2-オン(中間体7,384mg,0.99mmol)、炭酸カリウム(343mg,2.48mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(46mg,0.04mmol)を反応させ、実施例11に記載のように生成物を精製すると、オフホワイト固体状の生成物が得られた。174mg。mp:82-83℃。
MS(ESP):490(MH+)、C25H24FN7O3。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:1.21(m,6H);3.39(m,1H);3.95-4.00(m,1H),4.28(m,1H),4.86(s,2H);5.17-5.20(m,1H);6.13(s,2H);7.45-7.48(dd,1H);7.59(m,1H);7.70(m,2H);7.77(m,2H);8.12(s,1H);8.19(m,1H);8.26-8.28(m,1H),9.03(s,1H)。
中間体29:1-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-(2-イソプロピル-1H-イミダゾール-1-イル)エタノン
2-ブロモ-1-(5-ブロモピリジン-2-イル)エタノン臭化水素酸塩(中間体9,400mg,1.81mmol)と2-イソプロピルイミダゾール(487mg,4.4mmol)を中間体28の記載と同様に反応させると、オフホワイト固体状の生成物が得られた。255mg。
MS(ESP):309(MH+)、C13H14BrN3O。
実施例13:(5R)-3-(4-{6-[(2,4-ジメチル-1H-イミダゾール-1-イル)アセチル]ピリジン-3-イル}-3-フルオロフェニル)-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
1-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-(2,4-ジメチル-1H-イミダゾール-1-イル)エタノン(中間体30,210mg,0.714mmol)、(5R)-3-[3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]オキサゾリジン-2-オン(中間体7,333mg,0.86mmol)、炭酸カリウム(296mg,2.14mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(46mg,0.04mmol)を反応させ、実施例11の記載と同様に生成物を精製すると、オフホワイト固体状の生成物が得られた。105mg。mp:78℃。
MS(ESP):476(MH+)、C24H22FN7O3。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:2.26(s,3H);3.55(s,3H);3.95(m,1H),4.27(m,1H);4.98(m,2H);5.18-5.22(m,1H);5.98(s,2H);7.27(m,1H);7.43-7.64(m,2H);7.76(m,2H);8.10(m,1H);8.19(m,1H);8.26-8.28(m,1H),9.03(s,1H)。
中間体30:1-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-(2,4-ジメチル-1H-イミダゾール-1-イル)エタノン
2-ブロモ-1-(5-ブロモピリジン-2-イル)エタノン臭化水素酸塩(中間体9,400mg,1.81mmol)及び2,4-ジメチルイミダゾール(422mg,4.4mmol)を中間体28に記載のように反応させると、オフホワイト固体状の生成物が得られた。210mg。
MS(ESP):280(MH+)、C11H9BrN3O。
実施例14:(5R)-3-(4-{6-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)アセチル]ピリジン-3-イル}-3-フルオロフェニル)-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
1-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)エタノン(中間体31,237mg,0.806mmoles)、(5R)-3-[3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]オキサゾリジン-2-オン(中間体7,376mg,0.97mmol)、炭酸カリウム(340mg,2.41mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(46mg,0.04mmol)を反応させ、生成物を実施例11の記載と同様に精製すると、オフホワイト固体状の生成物が得られた。174mg。mp:77-79℃。
MS(ESP):476(MH+)、C24H22FN7O3。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:1.21(m,3H);2.89-2.96(m,2H);3.52(m,2H);3.98-3.98(m,1H),4.28(m,1H),4.86(s,2H);5.17-5.20(m,1H);6.08(s,2H);7.42-7.44(dd,1H);7.57-7.72(m,1H);7.76(s,1H);7.98-8.08(m,1H);8.19(s,1H);8.43-8.59(m,1H);8.82(m,2H)。
中間体31:1-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)エタノン
2-ブロモ-1-(5-ブロモピリジン-2-イル)エタノン臭化水素酸塩(中間体9,400mg,1.81mmol)及び2-エチルイミダゾール(427mg,4.4mmol)を中間体28の記載と同様に反応させると、オフホワイト固体状の生成物が得られた。237mg。
MS(電子スプレー):280(MH+)、C11H9BrN3O。
実施例15:(5R)-3-[3-フルオロ-4-(6-{[2-(メトキシメチル)-1H-イミダゾール-1-イル]アセチル}ピリジン-3-イル)フェニル]-5-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
1-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-[2-(メトキシメチル)-1H-イミダゾール-1-イル]エタノン(中間体32,400mg,1.3mmol)、(5R)-3-[3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]オキサゾリジン-2-オン(中間体7,582mg,1.5mmol)、炭酸カリウム(539mg,3.9mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(75mg,0.065mmol)を反応させ、実施例11に記載のように生成物を精製すると、オフホワイト固体状の生成物が得られた。150mg。mp:78-80℃。
MS(電子スプレー):492(M+1)、C24H22FN7O4。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:3.26(s,3H);3.98(m,2H);4.32(s,1H);4.78(s,2H);4.88(m,2H);5.20(s,1H);6.10(s,2H);7.48(m,1H);7.70(m,2H);7.77(m,2H);8.12(s,1H);8.19(m,1H);8.26-8.28(m,1H);9.03(s,1H)。
中間体32:1-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-[2-(メトキシメチル)-1H-イミダゾール-1-イル]エタノン
2-ブロモ-1-(5-ブロモピリジン-2-イル)エタノン臭化水素酸塩(中間体9,795mg,2.21mmol)及び2-(メトキシメチル)イミダゾール(192mg、1.7mmol)を中間体28の記載と同様に反応させると、オフホワイト固体状の生成物が得られた。340mg。
MS(電子スプレー):311(MH+)、C12H12BrN3O2。