JP2008309531A - 同期検波信号処理方法および振動ジャイロモジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】同期検波回路に入力される変調されたセンサ出力信号波と同期用信号波の位相を一致させることにより、感度を向上させる。
【解決手段】振動センサと、前記振動センサに電気信号を供給する発振回路と、前記発振回路が出力した励振クロック信号を入力し前記振動センサの出力信号との位相差をデジタル信号処理により算出するマイコン内タイミング処理部と、前記振動センサが出力した信号と、前記発振回路が出力し前記マイコン内タイミング処理部で算出した位相遅れで励振クロック信号とを入力し、前記発振回路が出力した信号に同期させて検波する同期検波回路用スイッチとを備えて構成される。発振回路の励振クロックをマイコンに取り込んで前記出力信号波と同期タイミング調整してから前記同期用信号波として前記同期検波回路に入力させて検波する。
【選択図】図1
【解決手段】振動センサと、前記振動センサに電気信号を供給する発振回路と、前記発振回路が出力した励振クロック信号を入力し前記振動センサの出力信号との位相差をデジタル信号処理により算出するマイコン内タイミング処理部と、前記振動センサが出力した信号と、前記発振回路が出力し前記マイコン内タイミング処理部で算出した位相遅れで励振クロック信号とを入力し、前記発振回路が出力した信号に同期させて検波する同期検波回路用スイッチとを備えて構成される。発振回路の励振クロックをマイコンに取り込んで前記出力信号波と同期タイミング調整してから前記同期用信号波として前記同期検波回路に入力させて検波する。
【選択図】図1
Description
本発明は、同期検波信号処理方法および振動ジャイロモジュールに関するものである。
従来の振動ジャイロは、アナログ信号を出力している。このため振動ジャイロを使用するユーザは、デジタルの出力を必要とする場合、振動ジャイロの後段にアナログ/デジタル(A/D)変換器を接続し、振動ジャイロから出力したアナログ信号をデジタル信号に変換して、利用している。
従来の振動ジャイロの構成は、振動センサ1、この振動センサ1に励起信号を供給する発振回路2、および振動センサ1が出力した信号を検波する同期検波回路3を備えている。この同期検波回路3は、図5に示すように、同期検波回路用スイッチ4と同期検波回路用積分器5を備えている。同期検波回路用スイッチ4は、振動センサ1が出力した信号および同期用の信号を入力し、同期用の信号に基づいて、振動センサ1から入力した信号を検波している。また同期検波回路用積分器5はアナログ回路で構成してあり、同期検波回路用スイッチ4から入力した信号から必要な周波数帯の信号を通過して、これを振動ジャイロの出力にしている。
すなわち振動センサ1が出力する信号には、角速度の検出に必要なスペクトル成分と、不要なスペクトル成分が含まれている。このため同期検波回路3は、振動センサが出力した信号を同期検波回路用スイッチ4で検波した後、この検波した信号(全スペクトル)の中から角速度の検出に必要なスペクトル成分を同期検波回路用積分器5で取り出して、これを振動ジャイロの出力としている。そして同期検波回路3から出力したアナログ信号、すなわち角速度の検出に必要なスペクトル成分は、図5に示すように、A/Dコンバータ6に入力してデジタル信号に変化された後、マイコン部7側に出力され、ここでデジタル処理される。
マイコン部7は、I/Oポート8、外部ハードウェアをコントロールするデバイスドライバ9、アプリケーションソフトの格納部である演算処理部10と前記デバイスドライバとの接続をなすソケット11を有している。演算処理部10では所定の手順にしたがって、デジタル信号処理等を行っている。
このような振動ジャイロモジュールにおける同期検波回路3は、振動センサ1が出力する信号波(発振回路2の励振波によって変調がかけられている)と、振動センサ1用の発振回路2の励振波とを入力させ、両信号を掛け合わせて復調検波するようにしている。
ところで、同期検波回路3に入力する信号波と同期用励振波の二つの信号は必ずしも位相が一致しているわけではない。これは信号出力波と検波用の励振波はアナログ回路で生成されるため、部品等のバラツキに起因して位相がずれたり、あるいは使用環境によって位相がずれることがある。図6に示すように、入力信号波と検波用励振波との間に位相のずれtがあると、ゲインが下がって検出感度が低下してしまう。
このようなことから、同期検波回路に入力する変調された入力信号と、検波用の同期信号との位相のずれを解消すべく、特許文献1に記載のように、検波用の同期信号を移相回路にて位相を調整してから、同期検波回路に入力させるようにした技術が提案されている。
特開平11−142161号公報
ところが、上記従来の同期検波のための移相回路を用いた信号処理方法では、使用される移相器はアナログ回路であって個別特性があり、また、振動子そのものも製造上のバラツキがあるため、必ずしも同じように移相することができないという課題があった。したがって、同期検波回路への入力する信号の位相チュ−ニングがうまくいかない場合は位相が一致しないため、同期検波をしたときの出力の感度が落ちてしまう。感度が落ちることによって、取り出せる信号の量が減少して最終的にそれは同期検波回路のSN比を悪化させてしまう問題を生じていた。
このような事情は振動ジャイロに限らず光電センサを用いた検出装置など検出信号を変調して同期検波する技術的手段に共通である。
このような事情は振動ジャイロに限らず光電センサを用いた検出装置など検出信号を変調して同期検波する技術的手段に共通である。
本発明は、上記従来の問題点に着目し、同期検波回路に入力される変調されたセンサ出力信号波と同期用信号波の位相を一致させることにより、感度を向上させることができるようにした同期検波信号処理方法および振動ジャイロモジュールを提供することを目的とする。
また、位相を一致させるための処理をデジタル信号として処理することでアナログ回路となっている同期検波回路による検波特性を向上させることを目的とする。
本発明はセンサ出力信号と同期信号との位相のずれを、デジタル処理するマイコン側にて行うようにすることで、マイコン側の分解能の高いクロックを利用して位相差を求め、位相差に相当するカウント値をカウントダウンして同期信号の遅延を調整すれば、非常に簡易にして効果的に感度を向上させることができるとの知見に基づいている。
すなわち、本発明に係る同期検波信号処理方法は、センサ出力信号波と同期用信号波とを入力する同期検波回路を用いた同期検波信号処理方法であって、前記センサ出力信号波と同期用信号波との位相差をマイコンによってカウントし、このカウント値だけ一方の前記信号波を遅延させて同期タイミングを合わせて前記同期検波回路に入力させて検波をなすことを特徴とする。
このように構成することにより、センサ出力信号と同期用信号波とが一旦マイコン側に取り込まれてデジタル処理により位相差に相当する遅延タイムがカウントされ、このカウント時間分だけ一方の信号の遅延処理を行い、両信号の同期をとって同期検波回路に入力させることができる。これにより、同期検波回路では位相差のない状態で検波でき、感度を向上させることができる。
また、本発明に係る振動ジャイロモジュールの同期検波信号処理方法は、振動センサからのセンサ出力信号波と同期用信号波とを入力する同期検波回路を有する振動ジャイロモジュールの同期検波信号処理方法であって、発振回路の励振信号波と前記出力信号波との同期タイミングをマイコンにより同期タイミング調整してから前記同期用信号波として前記同期検波回路に入力させて検波することを特徴としている。
このような構成によって、ジャイロセンサから角速度を検出するような場合、ジャイロセンサ出力信号と発振回路の励起信号波が直接同期検波回路に入力されるのではなく、一旦マイコン側にて遅延処理されてから同期検波回路に入力されるので、位相が一致した状態で検波することができる。これによって検出感度を向上させることができる。
上記構成において、前記同期タイミング調整は振動センサのセンサ出力信号波と発振回路の励振信号波とをマイコン側に入力し、両信号の位相差を求めてこの位相差に相当するカウント値をタイマ設定しておき、出力信号波の入力に合わせて設定タイマによるカウント値だけ遅延させて励振信号波を同期入力して検波する構成にできる。
この構成では、キャリブレーションの際に設定タイマのカウント値分だけカウントダウンしてから励起信号を遅延入力させるので、単純な読込により位相調整ができ、感度向上を図ることができる。
更に、前記同期タイミング調整はマイコンに搭載したクロック信号源のクロック信号を用いて調整する構成とすれば、カウントに分解能の高いマイコン搭載クロックによって精度の高い遅延時間処理が可能となる。このため、ジャイロ振動センサの周波数よりも10〜100倍の分解能で位相調整ができ、SN比の改善効果が高くなる。
本発明に係る振動ジャイロモジュールは、振動センサと、前記振動センサに電気信号を供給する発振回路と、前記発振回路が出力した励振信号波を入力し前記振動センサの出力信号との位相差をデジタル信号処理により算出するマイコン内タイミング処理部と、前記振動センサが出力した信号と、前記発振回路が出力し前記マイコン内タイミング処理部で算出した位相遅れで励振信号波とを入力し、前記発振回路が出力した信号に同期させて検波する同期検波回路用スイッチと、を備えたことを特徴とする。
このような構成により、センサ出力信号と発振回路の励起信号波が直接同期検波回路に入力されるのではなく、一旦マイコン側にて遅延処理されてから同期検波回路に入力されるので、位相が一致した状態で検波することができ、これによって検出感度を向上させることができる。
この場合、前記マイコン内タイミング処理部はマイコン搭載クロックを用いたカウンタによって構成するようにすればよい。この構成では、カウンタに分解能の高いマイコン搭載クロックによって精度の高い遅延時間処理が可能となる。このため、ジャイロ振動センサの周波数よりも10〜100倍の分解能で位相調整ができ、SN比の改善効果が高くなる。
本発明に係る振動ジャイロモジュールは、振動ジャイロ部とこの振動ジャイロ部の出力信号を入力して規定のデジタル演算処理をなすマイコン部とを備えた振動ジャイロモジュールであって、前記ジャイロ部は、振動センサと、前記振動センサに電気信号を供給する発振回路とを有するとともに、前記振動センサの出力信号波と同期用信号波とを入力する同期検波回路用スイッチを有し、前記マイコン部は前記発振回路が出力した同期用信号波と前記振動センサの出力信号波との位相差をデジタル信号処理により算出するマイコン内タイミング処理部を有し、このマイコン内タイミング処理部により求めた位相差に合わせて同期用信号波を前記同期検波回路用スイッチに遅延入力させるようにしてなることを特徴とする。
このように構成することにより、センサ出力信号と同期用信号波とが一旦マイコン側に取り込まれてデジタル処理により位相差に相当する遅延タイムがカウントされ、このカウント時間分だけ一方の信号の遅延処理を行い、両信号の同期を取って同期検波回路に入力させることができる。これにより、同期検波回路では位相差のない状態で検波でき、感度を向上させることができる。
以下に、本発明に係る同期検波信号処理方法および振動ジャイロモジュールの実施形態について説明する。
図1は実施形態に係る振動ジャイロモジュールの構成を示すブロック図である。この振動ジャイロモジュール12は、振動ジャイロ部14と、この振動ジャイロ部14の出力信号を入力して規定のデジタル演算処理をなすマイコン部16とを備えている。
図1は実施形態に係る振動ジャイロモジュールの構成を示すブロック図である。この振動ジャイロモジュール12は、振動ジャイロ部14と、この振動ジャイロ部14の出力信号を入力して規定のデジタル演算処理をなすマイコン部16とを備えている。
振動ジャイロ部14は、振動センサ18とこれを励振させる発振回路20を有し、センサ信号を電圧変換するIV変換回路22、差動増幅回路24を備え、かつ、同期検波回路用スイッチ26と同期検波用積分器(ローパスフィルタ)28からなる同期検波回路30を備えており、ADコンバータ32を介して信号をマイコン部16に出力するようにしている。
振動センサ18は角速度を検出する素子であり、水晶を始めとする薄板の圧電材料で形成した圧電ジャイロであればよい。この振動センサ18は、例えば回転軸方向に対して垂直方向に2本の振動腕が基部から平行して延びた構成の駆動部と、2本の駆動腕の中間に位置する基部の部分から振動腕と平行して延びた構成の検出部(各部とも図示せず)を備えている。そして発振回路20は振動センサ18に接続し、前記駆動部に電気信号を供給している。この電気信号が供給されることによって、前記駆動部が2本の振動腕を対称的に屈曲するように励振する。また振動センサ18に角速度が加わった場合、前記駆動部が励振している方向と直交する向きにコリオリ力が働くので、これにより前記検出部が振動して電気信号を出力する。
IV変換回路22は振動センサ18に接続し、前記検出部から出力された電気信号を電流から電圧に変換して出力している。このためIV変換回路22は、前記検出部と1対1に接続している。差動増幅回路24は、IV変換回路22にそれぞれ接続している。そして差動増幅回路24は、各IV変換回路22が出力した信号の差をとり、これを出力している。すなわち差動増幅回路24は、振動センサ18が出力した信号を増幅して出力している。
同期検波回路用スイッチ26は差動増幅回路24および後述するスイッチドライブ回路に接続し、差動増幅回路24から入力したセンサ出力信号波を検波している。
同期検波用積分器(ローパスフィルタ)28は同期検波回路用スイッチ26に接続している。この同期検波用積分器(ローパスフィルタ)28は、同期検波回路用スイッチ26が出力した信号のうち、ある一定周波数以上の周波数帯をカットして出力している。ADコンバータ32は、同期検波用積分器(ローパスフィルタ)28に接続し、入力したアナログ信号をデジタル信号に変換している。
同期検波用積分器(ローパスフィルタ)28は同期検波回路用スイッチ26に接続している。この同期検波用積分器(ローパスフィルタ)28は、同期検波回路用スイッチ26が出力した信号のうち、ある一定周波数以上の周波数帯をカットして出力している。ADコンバータ32は、同期検波用積分器(ローパスフィルタ)28に接続し、入力したアナログ信号をデジタル信号に変換している。
ここで、センサ出力信号波に掛け合わせて同期検波回路30から信号波を出力させるために同期検波回路用スイッチ26に入力する同期用信号波は、発振回路20の励振クロックを(励振信号波)と前記センサ出力信号波とをマイコン部16(マイクロコンピュータ部)に入力してマイコン部16によるデジタル処理により同期タイミング調整された信号波である。このため、マイコン部16は、振動センサ18からのセンサ出力信号波と、発振回路20からの励起信号波との位相のずれを算出し、その結果から例えば励起信号波に対するセンサ出力信号波の遅延時間を求めるようにしている。
両信号波の位相のずれを求めるため、まず、振動ジャイロ部14には前記発振回路20の励起信号波を取り込むNo.1ゼロクロストリガ出口ポート34を設けている。これによりNo.1ゼロクロストリガ出力ポート34から励振信号波のゼロクロスポイントでトリガ信号を出力させるようにしている。同じく前記差動増幅回路24の出力端子側にセンサ出力信号波の供給を受けるNo.2ゼロクロストリガ出口ポート36を設けている。これによりNo.2ゼロクロストリガが出力ポート36からセンサ出力信号波のゼロクロスポイントでトリガ信号を出力させるようにしている。ゼロクロストリガ信号はゼロクロス回路によって構成する。
また、振動ジャイロ部14には、マイコン部16との間の入出力部をなすポートがもう1つ設けられている。これは前記同期検波回路用スイッチ26に同期信号として入力される同期用信号波の入力タイミングを調整するもので、例えば励振信号波のクロック波形の立ち上がりタイミングを基準にして、マイコン部16のデジタル信号処理により求められた上述の位相差分で位相差分だけ遅延させたタイミングにて同期検波回路用スイッチ26を駆動するスイッチドライブ回路38として構成されている。
一方、マイコン部16には、基本的には角速度の検出値であるジャイロ信号(センサ出力信号)を入力させるため、同期検波回路30の出力側にADコンバータ32を接続した構成をと振動ジャイロ部14は備えている。このため、マイコン部16には、入出力(I/O)ポート40、デバイスドライバ42、ソケット44を有し、ソケット44を通じて演算処理部46に検出信号を入力させ、ここに搭載されているアプリケーションソフトに従った演算処理が行われる。
このようなマイコン部16の基本構成において、本実施形態では、上述したNo.1ゼロクロストリガ出口ポート34、No.2ゼロクロストリガ出口ポート36、スイッチドライブ回路38に対応して、それぞれ入出力ポート40、デバイスドライバ42、ソケット44が設けられている。そして、No.1ゼロクロストリガ出口ポート34、No.2ゼロクロストリガ出口ポート36に対応するソケット44からトリガ信号を入力するコントローラ(シーケンサ)48および当該コントローラ48からの制御でタイマ時間を記憶する第1カウンタ50、ストップウォッチ機能をなす第2カウンタ52が設けられておりタイミング処理部を構成している。第1カウンタ50はフラッシュメモリなどの記憶手段によって構成し、第2カウンタ52はマイコンに内蔵したクロック信号源のクロック信号を利用することができる。斯かる構成によって、マイコン部16のコントローラ48は、発振回路20から励起信号波の例えば波形の立下り時がゼロクロスした時点から第2カウンタ52によってクロック信号のクロック数のカウントを開始させ、センサ出力信号波の波形の立下り時がゼロクロスした時点で第2カウンタ52のカウントを停止させる。これが両信号の位相差に基づく遅延時間である。次いでコントローラ48は、位相差に基づく遅延時間を第1カウンタ50であるフラッシュメモリに記憶保存させるのである。キャリブレーション処理を行わせるため、コントローラ48には振動ジャイロ部14の前述したスイッチドライブ回路38にポート接続されているソケット44に第1カウンタ50に記憶保持されているタイマ値を読み込ませ、タイマ時間だけ遅延させてから同期検波回路用スイッチ26に同期信号を入力させるようにしている。
次に、振動ジャイロモジュール10の信号処理方法について説明する。まず振動ジャイロ部14では、発振回路20から振動センサ18に励起信号を供給して、振動センサ18を発振させる。そしてセンサ出力信号はIV変換回路22に入力して、電流の信号から電圧の信号に変換された後、差動増幅回路24に入力する。差動増幅回路24は、IV変換回路22を介して、振動センサ18から入力した2つの電気信号の差をとって増幅し、これを同期検波回路用スイッチ26に出力するようになっている。
ここで、同期検波に際して、センサ出力信号波と検波用の同期信号としての発振回路20による励起信号波との位相のずれを調整するため、次のような処理が行われる。まず、工場出荷時キャリブレーション処理は、まずキャリブレーションモードにして、調整1をスタートする。図2に示しているように、普通同期検波の場合は、発振回路20からの励振信号波がゼロクロスしたことによって発生するNo.1ゼロクロストリガ出口ポート34からトリガ1の信号が到達したことを受けてコントローラ48は、ストップウォッチを起動させる(ステップ100)。次いで、差動増幅回路24から出力されたセンサ出力信号波がゼロクロスしたことによって発生するNo.2ゼロクロストリガ出口ポート36からトリガ2の信号が到達したことを受けてコントローラ48は当該トリガータイミングで第2カウンタ(ストップウォッチ)52を停止する(ステップ110)。停止し終わったらストップウォッチの値を第1カウンタ(タイマ)50に入れてプリセット値にする(ステップ120)。これによって、工場出荷時のキャリブレーションという形で終了する。
次いで、この振動ジャイロモジュール12を使用する場合の処理は図3に示すようなフローで行われる。発振回路20からの励振出力信号のゼロクロスによりトリガ1の信号が発生してコントローラ48に入力されると、第1カウンタ50であるタイマがプリセット値で起動する(ステップ200)。タイマのカウント値を別のレジスタ(データ保護回路)などに記憶させ、外から基準時計(第1カウンタ50)によって、そのカウントごとにタイマのカウント値を一つ一つ減らしていき、タイマのカウント値がゼロになった時点で、出力ポートを経由してスイッチドライブ回路38を介して出力された所望の同期用信号波によって同期検波回路用スイッチ26をオンする(ステップ210)。次いでトリガ1の信号がもう一回コントローラ48に入力すると、トリガ1の信号でタイマがプリセットして起動して(ステップ220)、今度はタイマのカウント値がゼロになった時点で同期検波回路用スイッチ26をオフにする(ステップ230)、という処理を繰り返す。すなわち、1回目で同期検波回路用スイッチをオン、2回目で同期検波回路用スイッチをオフという処理を繰り返して同期検波のタイミングを合わせるようにしている。
このため、振動ジャイロモジュール12は、角速度ゼロの状態の基準動作時に励振信号波の位相とセンサ出力信号波の位相との間にずれが生じていたとしてもセンサ出力信号波を同期検波制御することができる。
このため、振動ジャイロモジュール12は、角速度ゼロの状態の基準動作時に励振信号波の位相とセンサ出力信号波の位相との間にずれが生じていたとしてもセンサ出力信号波を同期検波制御することができる。
また、使用中において漏れ信号が計測された場合には、途中でのキャリブレーションのリセット処理を行う場合がある。この処理を図4に示す。図示のように、この調整2の処理を行う場合には、ジャイロセンサが起動しているかどうかを確認する判別処理(ステップ99)が最初に行われ、動作確認を行ってから図2に示した通常のキャリブレーションと同様の処理(ステップ100〜120)をなせばよい。
このように本実施形態に係る振動ジャイロモジュールの同期検波信号処理方法によれば、予め、変調されたセンサ出力信号を同期検波するに際して、同期信号波と信号波との位相差をマイコン側でデジタル処理にてタイマ値として設定しておき、これを同期検波の都度同期信号を遅延処理するようにしているため、同期検波の感度を簡便に向上させることができる。特に、アナログ回路としての移相回路を用いることがないので、製品のバラツキ等による検波精度の低下を生じさせることがない。
したがって、同期検波回路用スイッチ26は、センサ出力信号と同期した状態で同期用信号波が入力されセンシング信号を検波する。この検波された信号、すなわち同期検波回路用スイッチ26から出力したアナログ信号は、同期検波用積分器(ローパスフィルタ)28に入力し、必要な検波信号を取得してADコンバータ32に入力する。ADコンバータ32は、入力したアナログ信号をデジタル信号に変換してマイコン部16側に出力する。このデジタル信号が、振動ジャイロ部14の出力となる。
この後、マイコン部16はジャイロ信号としてのデジタル信号を入力する。具体的には、マイコン部16は、デバイスドライバ42の制御により、I/Oポート40を介してADコンバータ32からデジタル信号を入力する。そしてデジタル信号は、ソケット44を介して演算処理部46に入力する。この演算処理部46では規定の処理にしたがって角速度の検出に必要なスペクトル成分を取り出している。
12………振動ジャイロモジュール、14………振動ジャイロ部、16………マイコン部、18………振動センサ、20………発振回路、22………IV変換回路、24………差動増幅回路、26………同期検波回路用スイッチ、28………同期検波用積分器、30………同期検波回路、32………ADコンバータ、34………No.1ゼロクロストリガ出口ポート、36………No.2ゼロクロストリガ出口ポート、38………スイッチドライブ回路、40………入出力(I/O)ポート、42………デバイスドライバ、44………ソケット、46………演算処理部、48………コントローラ(シーケンサ)、50………第1カウンタ(タイマ)、52………第2カウンタ(ストップウォッチ)。
Claims (7)
- センサ出力信号波と同期用信号波とを入力する同期検波回路を用いた同期検波信号処理方法であって、
前記センサ出力信号波と同期用信号波との位相差をマイコンによってカウントし、このカウント値だけ一方の前記信号波を遅延させて同期タイミングを合わせて前記同期検波回路に入力させて検波をなすことを特徴とする同期検波信号処理方法。 - 振動センサからのセンサ出力信号波と同期用信号波とを入力する同期検波回路を有する振動ジャイロモジュールの同期検波信号処理方法であって、
発振回路の励振信号波と前記出力信号波との同期タイミングをマイコンにより同期タイミング調整してから前記同期用信号波として前記同期検波回路に入力させて検波することを特徴とする振動ジャイロモジュールの同期検波信号処理方法。 - 前記同期タイミング調整は振動センサのセンサ出力信号波と発振回路の励振信号波とをマイコン側に入力し、両信号の位相差を求めてこの位相差に相当するカウント値をタイマ設定しておき、出力信号波の入力に合わせて設定タイマによるカウント値だけ遅延させて励振信号波を同期入力して検波することを特徴とする請求項2記載の振動ジャイロモジュールの同期検波信号処理方法。
- 前記同期タイミング調整はマイコンに搭載したクロック信号源のクロック信号を用いて調整することを特徴とする請求項2または3記載の振動ジャイロモジュールの同期検波信号処理方法。
- 振動センサと、
前記振動センサに電気信号を供給する発振回路と、
前記発振回路が出力した励振信号波を入力し前記振動センサの出力信号との位相差をデジタル信号処理により算出するマイコン内タイミング処理部と、
前記振動センサが出力した信号と、前記発振回路が出力し前記マイコン内タイミング処理部で算出した位相遅れで励振信号波とを入力し、前記発振回路が出力した信号に同期させて検波する同期検波回路用スイッチと、
を備えたことを特徴とする振動ジャイロモジュール。 - 前記マイコン内タイミング処理部はマイコン搭載クロックを用いたカウンタによって構成されていることを特徴とする請求項5記載の振動ジャイロモジュール。
- 振動ジャイロ部とこの振動ジャイロ部の出力信号を入力して規定のデジタル演算処理をなすマイコン部とを備えた振動ジャイロモジュールであって、
前記ジャイロ部は、振動センサと、前記振動センサに電気信号を供給する発振回路とを有するとともに、前記振動センサの出力信号波と同期用信号波とを入力する同期検波回路用スイッチを有し、
前記マイコン部は前記発振回路が出力した同期用信号波と前記振動センサの出力信号波との位相差をデジタル信号処理により算出するマイコン内タイミング処理部を有し、
このマイコン内タイミング処理部により求めた位相差に合わせて同期用信号波を前記同期検波回路用スイッチに遅延入力させるようにしてなることを特徴とする振動ジャイロモジュール。
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WO2010150736A1 (ja) * | 2009-06-26 | 2010-12-29 | ローム株式会社 | 角速度センサと、それに用いられる同期検波回路 |
CN111998842A (zh) * | 2020-06-30 | 2020-11-27 | 浙江大学 | 一种用于微机械陀螺检测模态接口电路相位延迟的在线实时自动补偿方法和系统 |
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2007
- 2007-06-12 JP JP2007155689A patent/JP2008309531A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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