JP2008309525A - 赤外線検出用膜および赤外線検出装置、ならびに赤外線検出用膜の製造方法 - Google Patents

赤外線検出用膜および赤外線検出装置、ならびに赤外線検出用膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低温プロセスで製造可能であり、誘電ボロメータを実用化するのに充分な大きさのTCDを示す誘電ボロメータ用有機薄膜とこれを用いた赤外線検出装置、および該誘電ボロメータ用有機薄膜の製造方法を提供する。
【解決手段】温度に応じて比誘電率が変化する赤外線検出用膜であって、ビニリデンフルオライド系ポリマーから形成された赤外線検出用膜と、それを有する赤外線検出装置。前記赤外線検出用膜を形成する工程は、ビニリデンフルオライド系ポリマーを有機溶剤を用いて溶液を作成し、基板上に塗布して堆積する工程と、溶液を塗布した基板を加熱処理することによって有機溶媒を蒸発させ、誘電体膜をアニールする後処理工程とを含むことが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、誘電ボロメータ用赤外線検出用膜およびそれを有する熱型赤外線検出装置、ならびに該赤外線検出用膜の製造方法に関する。
赤外線の検出方法には数多くの方式が存在し、大別すると2種類の方式を利用した赤外線検出装置が主流となっている。1つは、固体材料の光電効果によって赤外線吸収を直接電気信号に変換することを利用した量子型赤外線検出器であり、もう1つは、赤外線を赤外線吸収体によって一度熱に変換し、その温度変化を温度による物性の変化が大きい材料によって検出する熱型赤外線検出器である。量子型赤外線検出器は、赤外線吸収による固体の状態間遷移に基づく光電効果を赤外線検出の基本原理としているため、撮像領域は通常液体チッ素などにより冷却する必要がある。一方、熱型赤外線検出器は、赤外線の吸収により発生する熱を利用するため、室温においても赤外線を検出することができる。
近年、防犯やセキュリティー分野において、暗視野においても物体を検知し、さらに画像としてその物体を認識することのできる赤外線検出器および赤外線撮像装置に対するニーズが大きくなっており、とくに、量子型赤外線検出器に比べて小型で安価な熱型赤外線撮像装置の需要は拡大の一途をたどっている。シリコンプロセスで製造され、画素が二次元的に配列された熱型赤外線撮像装置は、周辺回路とワン・チップ化ができるという長所を有し、小型監視カメラや自動車に搭載される暗視カメラなどの画像入力素子として注目されている。
熱型赤外線撮像装置に応用可能な検出原理は多く提案されており、とくに、強誘電体の相転移に伴う分極変化を利用した焦電型赤外線固体撮像装置が実用化されている。たとえば、赤外線検出の強誘電体材料としてチタン酸バリウム・ストロンチウム(Ba1-xSrxTiO3:BST)などのセラミック材料を用いた焦電型赤外線イメージセンサーが「強誘電体素子イメージングシステム」(Ferroelectric Imaging System)と題した特許文献1や、「熱イメージングシステム用のポリイミド熱絶縁メサ」(Polyimide Thermal Isolation Mesa for a Thermal Imaging System)と題した特許文献2に開示されている。
しかし、焦電型赤外線イメージセンサーは、素子に入射する赤外線を変調するためのチョッパを必要とすることや、高い焦電能力を保持するために、強誘電体材料の膜厚が数μm以上必要なことから微細化に不向きであった。また、焦電型赤外線イメージセンサーの製造方法は複雑で、歩留まりの低下が問題となっていた。
前記の課題に対し、近年、強誘電体薄膜の比誘電率の温度変化を利用して赤外線を検知する誘電ボロメータが提案されており、チョッパを必要としないことや微細化に適していることなどの優れた特徴を有しているため、その実用化が期待されている。
誘電ボロメータ用材料に求められる特性としては、比誘電率の温度変化の割合の大きさを表すTCD(Temperature coefficient of dielectric:誘電率温度係数)が大きいことやリーク電流が小さいことなどがある。特に、TCDは赤外線検出器の温度分解能であるNETD(Noise equivalent of temperature difference:等価雑音温度差)を決める最も重要な要素であり、大きなTCDを得ることを目的とした材料物性研究、およびTCDの大きな誘電体薄膜を用いた赤外線検出器の製造方法の研究が盛んに行われている。誘電ボロメータのデバイス構造は、たとえば特許文献3、特許文献4などに開示されており、誘電ボロメータ用誘電体膜に関しては、たとえば特許文献5に示されており、製造方法に関しては、特許文献6で提案されている。
しかし、誘電体薄膜の性能指数であるTCDは、前記いずれの技術を用いた場合も充分な検出能を持つ赤外線検出器を実現するためには小さく、赤外線イメージセンサーの検出素子として、より大きなTCDを示す誘電体材料が求められている。
また、微細化のトレンドや歩留まりなど製造の観点から、誘電ボロメータに用いる誘電体膜は薄ければ薄いほどよく、その厚さは2μm以下であることが望まれている。現在、チタン酸バリウム・ストロンチウム系の材料が誘電ボロメータ用薄膜材料の候補として盛んに研究されているが、感度が低いために実用化の目処は立っていない。このように、所望のTCDを有する材料を得るのが困難である1つの理由を以下に説明する。
一般的に、強誘電体から常誘電体へ相転移する際に誘電率がキュリー点近傍で大きく変化することが知られており、この現象は誘電異常と呼ばれている。誘電ボロメータは強誘電体材料の強誘電体−常誘電体相転移に基づくこの誘電異常を利用しており、バルク固体においては充分に大きいTCDを示す材料が報告されている。しかしながら、強誘電体を薄膜化した場合、誘電異常が小さくなる、すなわち、比誘電率の温度変化の割合が小さくなるという現象が生じる。すなわち、誘電異常はバルクにおいて顕著に見られる現象であり、一般に強誘電体を薄膜化するとキュリー点がシフトし、誘電異常が小さくなり単調な変化を示すようになる。
また、膜厚が厚い場合、比誘電率の温度変化の割合は、ある温度近辺で非常に大きくなり、誘電異常を示す。これに対し、膜厚が薄い場合、比誘電率の温度変化の割合は最も大きいところでも小さく、誘電異常が小さくなる。
このように、誘電体の膜厚を薄くするに従って、誘電異常は著しく小さくなる。そのため、厚さが数μm以下の薄膜は赤外線検出素子の材料としては適しておらず、誘電体のバルク固体や厚膜が誘電ボロメータ素子や焦電素子に用いられている。なお、誘電体膜の薄膜化に伴う誘電異常の減少は、薄膜化効果やサイズ効果として知られているが、詳細なメカニズムは明らかになっていない。
バルク固体や厚膜の材料を誘電ボロメータ用材料として用いることは、低歩留まり化、高コスト化の原因となり、上述のように素子の微細化における大きな障害にもなっている。そのため、誘電ボロメータを利用した赤外線検出器の製作において、大きなTCDを持つ誘電ボロメータ用薄膜材料の開発が必須となっていた。
以上の問題点を解決するために、特許文献7では、強誘電体材料としてBa(Ti1-xSnx)O3(0<x<1)を使用することで、赤外線検出器の感度を向上させ、誘電体膜の薄膜化を可能としている。しかし、特許文献7記載の強誘電体材料はセラミック材料であるため、
(1)誘電体膜の作製工程が高温プロセスなので、デバイス劣化の原因となる
(2)誘電体膜の作製工程が高温プロセスなので、耐熱性の低い基板上に形成できない
(3)複雑な熱処理プロセスが必要となる
といった問題があった。
このように、誘電ボロメータ用薄膜材料としては、種々の無機材料が検討されているが、実用化に充分なTCDを示すものはなく、有機材料については検討すらされていない。
米国特許第4143269号明細書 米国特許第5047644号明細書 特開平11−148868号公報 特開平11−271141号公報 特開平11−271142号公報 特開2002−124708号公報 特開2006−3301号公報
本発明は、低温プロセスで製造可能であり、誘電ボロメータを実用化するのに充分な大きさのTCDを示す誘電ボロメータ用有機薄膜とこれを用いた赤外線検出装置、および該誘電ボロメータ用有機薄膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、温度に応じて比誘電率が変化する赤外線検出用膜であって、ビニリデンフルオライド系ポリマーから形成された赤外線検出用膜に関する。
前記ビニリデンフルオライド系ポリマーは、ビニリデンフルオライド単位50〜80モル%、トリフルオロエチレン単位15〜40モル%および少なくとも1種のこれらと共重合可能なモノマーに由来する単位2〜20モル%を有するポリマーであることが好ましい。
前記赤外線検出用膜は、固体状態のいずれかの温度において、1℃の温度変化に対する比誘電率の変化の割合の絶対値が0.4%以上であることが好ましい。
前記共重合可能なモノマーに由来する単位は、ビニルクロライド単位、クロロジフルオロエチレン単位、1,1−クロロフルオロエチレン単位、クロロトリフルオロエチレン単位、ヘキサフルオロプロピレン単位、ビニリデンクロライド単位、ビニルフルオライド単位およびテトラフルオロエチレン単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
前記共重合可能なモノマーに由来する単位は、クロロトリフルオロエチレン単位、ヘキサフルオロプロピレン単位およびテトラフルオロエチレン単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
前記赤外線検出用膜は、膜厚が2μm以下であることが好ましい。
前記赤外線検出用膜の製造方法は、
(1)ビニリデンフルオライド系ポリマーを有機溶剤に溶解させて溶液を調製し、基板上に塗布して堆積する工程、および
(2)溶液を塗布した基板を加熱処理することによって有機溶剤を蒸発させ、赤外線検出用膜をアニールする後処理工程
を含むことが好ましい。
前記後処理工程は、50〜200℃の温度で行うことが好ましい。
また、本発明は、基板上に設けられた下部電極と、下部電極の上に設けられ、前記赤外線検出用膜と、赤外線検出用膜の上に設けられた上部電極とを有する赤外線検出素子を含む赤外線検出装置に関する。
さらに、本発明は、基板上に設けられた下部電極と、下部電極の上に設けられ、前記製造方法により製造された赤外線検出用膜と、赤外線検出用膜の上に設けられた上部電極とを有する赤外線検出素子を含む赤外線検出装置に関する。
本発明に係る赤外線検出用膜およびそれを有する赤外線検出装置によれば、低温プロセスで製造できることにより、耐熱性の低い基板(樹脂等)やデバイスも用いることができ、比誘電率の温度変化の割合が大きな誘電体薄膜を用いることで、赤外線検出器の感度を向上させることができるため、高画質で高精細の赤外線イメージを撮像することができる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る赤外線検出用膜(赤外線検出素子)は、入射した赤外線によって生じた温度変化によって比誘電率が変化する材料であり、ビニリデンフルオライド系ポリマーからなる誘電ボロメータ用誘電体膜である。
ここで、ビニリデンフルオライド系ポリマーとは、ビニリデンフルオライド単位(VdF単位)を有するポリマーのことをいい、VdF単位を含んでいればとくに制限はないが、たとえば、ビニリデンフルオライド(VdF)ホモポリマー、VdF/トリフルオロエチレン(TrFE)系コポリマー、VdF/TrFE/共重合可能なモノマー系コポリマー、VdF/テトラフルオロエチレン(TFE)系コポリマー、VdF/TFE/共重合可能なモノマー系コポリマー、VdF/クロロトリフルオロエチレン(CTFE)系コポリマー、VdF/CTFE/共重合可能なモノマー系コポリマー、VdF/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)系コポリマー、VdF/HFP/共重合可能なモノマー系コポリマーなどがあげられる。なかでも、誘電率変化の温度依存性の大きさに優れる点から、VdF/TrFE/共重合可能なモノマー系コポリマーが好ましい。
なお、VdF/TrFE/共重合可能なモノマー系コポリマーを使用する場合、ビニリデンフルオライド単位(VdF単位)50〜80モル%、トリフルオロエチレン単位(TrFE単位)15〜40モル%および少なくとも1種のこれらと共重合可能なモノマーに由来する単位2〜20モル%を有するものが好ましい。VdF単位、TrFE単位およびこれらと共重合可能なモノマーに由来する単位の含有率が前記範囲内にあれば、TCDを大きくすることができる。なお、VdF単位、TrFE単位およびこれらと共重合可能なモノマーに由来する単位の好ましい含有率は、VdF単位は55〜75モル%、TrFE単位は17〜40モル%、これらと共重合可能なモノマーに由来する単位2.5〜15モル%である。
ここで、VdF/TrFE/共重合可能なモノマー系コポリマーにおける共重合可能なモノマーに由来する単位としては、VdFやTrFEと共重合可能なモノマーに由来する単位であれば制限はないが、たとえば、クロロジフルオロエチレン単位、1,1−クロロフルオロエチレン単位、クロロトリフルオロエチレン単位(CTFE単位)、ヘキサフルオロプロピレン単位(HFP単位)、ビニリデンクロライド単位(VdC単位)、テトラフルオロエチレン単位(TFE単位)、ビニルフルオライド単位、ビニルクロライド単位、アクリロニトリル単位、アクリルアミド単位、メチルメタクリレート単位、エチルメタクリレート単位、ブチルメタクリレート単位、オクチルメタクリレート単位、2−ヒドロキシエチルアクリレート単位、グリシジルアクリレート単位、アクリル酸単位、無水マレイン酸単位、酢酸ビニル単位、スチレン単位、α−メチルスチレン単位、トリメトキシビニルシラン単位、トリエトキシビニルシラン単位などがあげられ、これらのうち1種のみを含んでいても、2種以上を含んでいてもよい。なかでも、TCDを大きくできる点から、クロロジフルオロエチレン単位、1,1−クロロフルオロエチレン単位、CTFE単位、HFP単位、VdC単位、TFE単位、ビニルフルオライド単位、ビニルクロライド単位が、さらにはCTFE単位、HFP単位、VdC単位、TFE単位が、とくにはCTFE単位、HFP単位が好ましい。
とくに、本実施形態の赤外線検出用膜は、たとえばシリコン基板上に形成された白金(Pt)やアルミニウム(Al)からなる下部電極上に形成され、厚さ2μm以下のビニリデンフルオライド系ポリマーからなる誘電体膜である。そして、本実施形態の赤外線検出用膜の室温(25℃)における強誘電体から常誘電体への相転移に伴うTCDの絶対値は、0.4%以上とすることができる。
本実施形態の赤外線検出用膜は、ビニリデンフルオライド系ポリマーからなる場合、TCDの絶対値が、2μm以下の厚さにも関わらず、0.4%以上という大きな値を示す。上述したように、誘電体膜を薄膜化した場合の誘電異常の減少が、誘電体薄膜を利用した誘電ボロメータ赤外線センサーの実現化を困難なものにしていた最も大きな要因であったが、本実施形態の赤外線検出用膜は、薄膜化しつつも比誘電率の温度変化の割合が大きく保たれているので、感度が高く微細な赤外線検出器を実現できる誘電ボロメータの材料として用いることができる。なお、赤外線検出用膜におけるTCDの絶対値が0.4%以上あれば、赤外線検出器あるいは撮像装置の実用化に耐えられるものである。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態として、ビニリデンフルオライド系ポリマーからなる第1の実施形態に係る赤外線検出用膜を有する誘電ボロメータを備えた固体撮像装置について説明する。本実施形態の固体撮像装置は、入射した赤外線による温度変化に伴う材料の比誘電率の変化を、入射した赤外線の強度の信号として読み出す誘電ボロメータ方式の熱型赤外線撮像装置である。また、本実施形態の固体撮像装置は、第1の実施形態に係る赤外線検出用膜を有する単位画素を備え、その単位画素が1次元あるいは2次元状に配列された構造を持つことを特徴としている。
本実施形態の誘電ボロメータ型赤外線固体撮像装置の構成の一例を示す図面である図1に示すように、本実施形態の固体撮像装置は、撮像領域2が形成された半導体基板(図示せず)と、半導体基板の撮像領域2上に設けられ、2次元状に配列されると共に各々が赤外線を受光する複数の画素1と、第1の方向(図1では縦方向)に配列された画素1を選択するための垂直シフトレジスタ3と、第1の方向とは異なる第2の方向(図1では横方向)に配列された画素1を選択するための水平シフトレジスタ4と、垂直シフトレジスタ3および水平シフトレジスタ4に必要なパルスを供給するタイミング発生回路5と、選択された各画素1からの信号を増幅するオペアンプ6と、センサアレイの列に対応して設けられオペアンプ6からの信号の高周波ノイズを除去するための帯域透過フィルター7と、帯域透過フィルター7からの信号を選択的に出力端子に与えるマルチプレクサ8とを備えている。
撮像領域2においては、各画素1が、赤外線検出部と読み出し回路と参照容量とで構成されている。この構成によって、高感度な熱型赤外線固体撮像装置を得ることができる。
また、本実施形態の固体撮像装置において、画素1内に設けられた読み出し回路(誘電ボロメータ、すなわち赤外線検出装置)の一例を示す図面である図2に示すように、この読み出し回路は、温度に応じて比誘電率が変化するビニリデンフルオライド系ポリマーからなる誘電体膜からなる赤外線検出用膜を含む赤外線検出容量(第1の容量素子)10と、赤外線検出容量10と直列に接続され、赤外線検出容量10と同一組成で厚みが同じビニリデンフルオライド系ポリマーからなる誘電体膜を含む参照容量(第2の容量素子)11とを有している。また、第1の端部13は参照容量11に接続し、第2の端部14は赤外線検出容量10に接続し、さらに、第3の端部15から信号処理用電気回路などに接続する。そして、赤外線検出容量10は基板上に設けられた第1の電極(下部電極)および第2の電極(上部電極)と、第1の電極と第2の電極に挟まれたビニリデンフルオライド系ポリマーからなる誘電体膜とを有し、温度変化に応じて静電容量値が変化する。また、参照容量11は、第3の電極および第4の電極と、第3の電極と第4の電極に挟まれたビニリデンフルオライド系ポリマーからなる誘電体膜とを有している。
また、赤外線検出容量10は周囲から断熱されており、赤外線の入射に伴う温度変化によって容量値が変化する。すなわち、赤外線が入射してビニリデンフルオライド系ポリマーからなる誘電体膜の温度が上がると、ビニリデンフルオライド系ポリマーからなる誘電体膜の比誘電率が下がることにより赤外線検出容量10の容量が小さくなったり、ビニリデンフルオライド系ポリマーからなる誘電体膜の比誘電率が上がることにより赤外線検出容量10の容量が大きくなったりする。一方、参照容量11は基板に設置されており、赤外線の入射に伴う温度変化はほとんどないので、参照容量11の容量変化もほとんどない。
以上のような構成において、第1の端部13と第2の端部14の間に交流電圧を印加して、赤外線検出容量10および参照容量11に交流電圧を印加することで、容量分割された中間ノード12の電位を出力として読み出すことができる。この中間ノード12の電位を読み出すことで、赤外線検出容量10の容量変化を測定することができ、赤外線入射による容量10の温度変化を測定することができる。ここで、中間ノード12は赤外線検出容量10と参照容量11との間にあるものとする。
また、本実施形態の固体撮像装置においては、赤外線検出部(赤外線検出容量10)の温度を一定にすることが望ましい。とくに、赤外線検出部が外気温の変化の影響をそのまま受けないようにする方がセンサーとしてはより好ましい。TCDは温度変化による比誘電率の変化率を表しており、比誘電率が最大になる温度や比誘電率の変化率が小さくなる温度領域ではTCDの絶対値は小さくなる。そのため、赤外線検出材料として用いるためには、適当な温度補償素子によってボロメータ薄膜の温度をTCDの絶対値が最大になるように設定することが求められる。この構成により常に最大のTCDを示す温度において赤外線検出ができるようになり、赤外線検出器の感度は向上する。
このように、本発明の赤外線検出用膜を用いることで、従来よりも高感度でかつ小型化可能な熱型赤外線固体撮像装置および赤外線センサーを実現することができる。より具体的には、本発明の赤外線検出用膜を有する誘電ボロメータを用いれば、小型でかつ室温で使用可能な体温計やサーモグラフィーなどの医療機器、建物内の防犯用センサー、資源探査装置、生産設備の異常監視用カメラなどを実現することができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態として、ビニリデンフルオライド系ポリマーからなる赤外線検出用膜(誘電ボロメータ薄膜すなわち、赤外線検出素子)の作製方法について説明する。本実施形態の方法において、ビニリデンフルオライド系ポリマーからなる誘電体膜の製造方法は、
(1)ビニリデンフルオライド系ポリマーを有機溶剤に溶解させて溶液を調製し、基板上に塗布して堆積する工程と、
(2)溶液を塗布した基板を加熱処理することによって有機溶剤を蒸発させ、誘電体膜をアニールする後処理工程
を含む。
この利点は、主に以下に述べる5点があげられる。
(1)全工程が200℃以下の低温工程で行えるため、デバイス劣化の影響が少ない
(2)全工程が200℃以下の低温工程で行えるため、樹脂基板などの有機材料のような耐熱性の低い基板も使用できる
(3)大面積製膜に適している
(4)無機材料と異なり、何段階にも及ぶ熱処理工程を行なわなくてもよいため、製造方法が非常にシンプルである
(5)複雑な製造装置を使用する必要がないため、製造装置が安価でシンプルである
これらの利点があるため、大きいTCDを有するビニリデンフルオライド系ポリマーからなる誘電体薄膜を安価で比較的容易に作製することができる。
本発明の製造方法は、大きく分けて2つの主工程から構成される。
まず、ビニリデンフルオライド系ポリマーを有機溶剤に溶解させて溶液を調製し、塗布工程によって基板に均一に塗布する。
ここで、ビニリデンフルオライド系ポリマーを溶解させる有機溶剤としては、とくに制限はないが、たとえば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、アセトン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチル−2−ピロリドン、テトラメチルウレア、メチルエチルケトン(MEK)、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、酢酸、ピリジン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、ポリエチレングリコールメチルエーテルアクリレート(PEGMEA)、メチルアミルケトン(MAK)などの1種または2種以上の混合溶剤があげられる。また、ビニリデンフルオライド系ポリマーを有機溶剤に溶解させる際には、有機溶剤の0.1〜50質量%の範囲で溶解させることが好ましい。前記範囲で溶解させることで、均質で、表面凹凸や膜内欠陥のない薄膜が形成できるという利点がある。
なお、図2に示す赤外線検出容量10を形成する場合には、前もって無機または有機の基板上にスパッタなどにより白金、金、アルミニウム、クロム、ニクロム、銅、ニッケルなどの導電性金属からなる下部電極を形成しておき、その下部電極上にビニリデンフルオライド系ポリマーからなる誘電体膜を形成する。
次に、有機溶剤を分解あるいは蒸発させるための後処理工程を行う。
この後処理工程は、溶液を塗布した基板を加熱処理することによって行い、この加熱処理は、常圧下で行っても、0.0013Pa〜9.333kPaの減圧下で行ってもよい。
この一連の工程を行うことで数十nm〜数mm程度の誘電体膜の成膜が可能となるため、溶液濃度と塗布条件を適宜調整することにより所望の膜厚を得ることができる。また、誘電ボロメータ用膜の作製においては、前記に説明した基本的な作製方法に加え、電極の形成を行う工程を必要とする。
前記の各工程において、雰囲気、温度、時間など様々な工程処理条件を設定する必要があり、適切な処理条件を決定することが所望する物性を示す材料を作製する上で最も重要かつ難しいことである。本発明に係る製造方法は、200℃以下の低温プロセスによって誘電体膜を作成することができ、室温において0.4%以上の比較的大きなTCDを示す。
すなわち、本実施形態の製造方法によれば、充分に大きいTCDを示すビニリデンフルオライド系ポリマーからなる誘電体膜を得ることができるので、このビニリデンフルオライド系ポリマーからなる誘電体膜を用いて高感度・高精細・低コストの誘電ボロメータ型赤外線検出器または撮像装置を作製することが可能となる。
次に、本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる例のみに限定されるものではない。
まず、本発明の説明で使用するパラメーターの測定法について説明する。
(1)誘電率測定装置
ヒューレット・パッカード(株)製 インピーダンス/ゲインフェイズアナライザー 4194A
(2)薄膜作製装置
ミカサ(株)製 スピンコーター(SPINCOATER) 1H−D7
(3)電極作成装置
(株)真空デバイス製 VE−2030型真空蒸着装置
(4)膜厚測定
(4−1)ポリマー層測定方法
塗布したポリマーを、先端の鋭利な金属棒(ピンセットや針など)で削り取った。その後それによって生じた段差の部分からポリマー層の膜厚を測定した。
(4−2)測定装置
触針式の膜厚測定装置である「段差・表面あらさ・微細形状測定装置 P−15(KLA−Tencor社製)」を用いて測定した。
実施例1
VDF/TrFE/CTFE系コポリマー(共重合比(モル比):VdF/TrFE/CTFE=56.7/34.5/8.8)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に10重量%で溶解し、一晩25℃で放置しポリマー溶液を調製した。全面アルミニウムを蒸着して下部電極としたAl蒸着シリコン基板上に、スピンコーター(条件:300rpm×3秒→1500rpm×15秒)を用いて調製したポリマー溶液を塗布した。ついで、その基板をあらかじめ110℃の加熱しておいたホットプレート上に3分間固定し、常温常圧下でDMFを蒸散することによって、誘電体膜を形成した。なお、この後処理工程は誘電体膜の結晶化促進も兼ねている。25℃まで誘電体膜付き基板を冷却し、膜厚測定を行なった。膜厚は0.75μmであることがわかった。
その後、アルミニウムを真空蒸着することによって、誘電体膜表面に上部電極を作製しキャパシター構造を形成した。この基板を温度可変ホットプレート上に固定し、1kHzにおける誘電率の温度変化(TCD)測定を行なったところ、TCDは1.3%/K(25℃)という高い値を示した。
本発明の赤外線検出装置は、室温で赤外線を検知できるので、体温計やサーモグラフィーなどの医療機器、建物内の防犯用センサー、資源探査装置など、種々の用途に利用できる。また、本発明の固体撮像装置は、防犯用や工場の異常監視用カメラなど、種々の用途に用いられる。
本発明の第2の実施形態に係る誘電ボロメータ型赤外線固体撮像装置の構成の一例を示す図である。 第2の実施形態に係る固体撮像装置において、画素内に設けられた読み出し回路を概略的に示す図である。
符号の説明
1 画素
2 撮像領域
3 垂直シフトレジスタ
4 水平シフトレジスタ
5 タイミング発生回路
6 オペアンプ
7 帯域透過フィルター
8 マルチプレクサ
10 赤外線検出容量
11 参照容量
12 中間ノード
13 第1の端部
14 第2の端部
15 第3の端部

Claims (10)

  1. 温度に応じて比誘電率が変化する赤外線検出用膜であって、ビニリデンフルオライド系ポリマーから形成された赤外線検出用膜。
  2. ビニリデンフルオライド系ポリマーが、ビニリデンフルオライド単位50〜80モル%、トリフルオロエチレン単位15〜40モル%および少なくとも1種のこれらと共重合可能なモノマーに由来する単位2〜20モル%を有するポリマーである請求項1記載の赤外線検出用膜。
  3. 固体状態のいずれかの温度において、1℃の温度変化に対する比誘電率の変化の割合の絶対値が0.4%以上である請求項1または2記載の赤外線検出用膜。
  4. 共重合可能なモノマーに由来する単位が、ビニルクロライド単位、クロロジフルオロエチレン単位、1,1−クロロフルオロエチレン単位、クロロトリフルオロエチレン単位、ヘキサフルオロプロピレン単位、ビニリデンクロライド単位、ビニルフルオライド単位およびテトラフルオロエチレン単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項2または3記載の赤外線検出用膜。
  5. 共重合可能なモノマーに由来する単位が、クロロトリフルオロエチレン単位、ヘキサフルオロプロピレン単位およびテトラフルオロエチレン単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項2〜4のいずれかに記載の赤外線検出用膜。
  6. 膜厚が2μm以下である請求項1〜5のいずれかに記載の赤外線検出用膜。
  7. (1)ビニリデンフルオライド系ポリマーを有機溶剤に溶解させて溶液を調製し、基板上に塗布して堆積する工程、および
    (2)溶液を塗布した基板を加熱処理することによって有機溶剤を蒸発させ、赤外線検出用膜をアニールする後処理工程
    を含む請求項1〜6のいずれかに記載の赤外線検出用膜の製造方法。
  8. 後処理工程は、50〜200℃の温度で行う請求項7記載の赤外線検出用膜の製造方法。
  9. 基板上に設けられた下部電極と、下部電極の上に設けられ、請求項1〜6のいずれかに記載の赤外線検出用膜と、赤外線検出用膜の上に設けられた上部電極とを有する赤外線検出素子を含む赤外線検出装置。
  10. 基板上に設けられた下部電極と、下部電極の上に設けられ、請求項7または8記載の製造方法により製造された赤外線検出用膜と、赤外線検出用膜の上に設けられた上部電極とを有する赤外線検出素子を含む赤外線検出装置。
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