JP2008309309A - 流体制御用電磁弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この発明に係る流体制御用電磁弁は、信号処理回路部は、相対移動に伴う位置検出コイル41と遮蔽体42とが重なる面積の変化に応じて変化する位置検出コイル41のインピーダンスからセンサ出力電圧を出力し、このセンサ出力電圧の値からバルブの位置が検出される流体制御用電磁弁であって、前記信号処理回路部は、温度補正抵抗体50の温度変化に基づく抵抗値の変化を補正電圧として取り出し、この補正電圧を用いて前記センサ出力電圧の温度補正をするようになっている。
【選択図】図3
Description
このバルブ位置検出手段は、磁束を発生する位置検出コイル、バルブの移動に連動し位置検出コイルに対して相対移動し、位置検出コイルの磁束を遮蔽することができる遮蔽体を有しており、位置検出コイルと遮蔽体との重なり面積の変化に応じて変化する位置検出コイルのインピーダンスに基づく電圧をセンサ出力信号としており、このセンサ出力をソレノイドへの励磁電流にフィードバックすることで、バルブの開度を制御している。
また、例えば温度補正センサ自身の特性ばらつきや、温度に対して非線形な特性を持つ場合には、温度補正への誤差が生じやすいという問題点もある。
さらに、流路内に配置された位置検出コイルから離れた部位に温度補正センサが設置された場合には、温度補正センサ及び位置検出コイルのそれぞれが検知する検知温度が異なり、温度補正の精度が低下するという問題点もある。
図1はこの発明の実施の形態1の流体制御用電磁弁(以下、電磁弁と略称する)を示す断面図、図2は図1のII−II線に沿った矢視断面図、図3は図1の要部を切り欠いた斜視図である。
この電磁弁は、電磁吸引力を発生させるソレノイド部1と、このソレノイド部1と一体に設けられ、電磁吸引力によりボディ3の内壁面に形成されたシート部18に接離するバルブ10を有する弁部2と、バルブ10の位置を検出するバルブ位置検出手段40とを備えている。
ボビン22は、ターミナル23を有するコネクタ24とともに樹脂により一体化されている。
位置検出コイル41及び温度補正抵抗体50を含む、信号処理回路部は、位置検出コイル41とバルブ10の上下動に伴い移動する遮蔽体42とが重なる面積の変化に応じて変化する位置検出コイル41のインピーダンスからセンサ出力電圧を出力するようになっており、このセンサ出力電圧の値からバルブ10の位置が検出される。
環状部材44の内側では、円筒形状の遮蔽体42がボディ3の軸線と同軸線でバルブ10に固定されている。遮蔽体42は、例えば銅系、アルミニウム系またはオーステナイト系ステンレス鋼で構成されている。
位置検出コイル41は、図4に示すように、周方向に4等分に分離されたコイル部41a〜41dを有している。
各コイル部41a〜41dは、図5及び図6に示すように、隣接した同士で互いに逆電流が流れるように、導線45を一筆書きで巻回して構成され、かつスルーホールを通じて2層構造であり、各コイル部41a〜41dで発生する磁束の方向は、図4の矢印で示すように半径方向で互いに逆向きとなる。
温度補正抵抗体50も、位置検出コイル41と同様に導線45を一筆書きで巻回して構成され、かつスルーホールを通じて2層構造である。
この温度補正抵抗体50は、図7に示すように、固定抵抗体51とともに、温度補正回路62であるブリッジ回路を構成している。
位置検出コイル41及び温度補正抵抗体50を除く、上記信号処理回路部の各構成要素は、下流側ボディ部3bの外周面の凹部33に装着された信号処理基板43に搭載されている。この信号処理基板43上はエポキシ系樹脂からなる絶縁樹脂34で覆われ、また絶縁樹脂34は蓋35で覆われている。
信号処理基板43は、バルブ位置検出用コネクタ47を通じてエンジン制御ユニット(図示せず)と電気的に接続されている。
ソレノイドコイル5に通電される前までは、バルブ10は、スプリング20及びベローズ12の合力により、シート部18に当接している。
図示しないエンジン制御ユニットを通じてソレノイドコイル5に通電されると、コア4、ヨーク6及びプランジャ7により構成された磁気回路に磁力線が流れ、コア4にはプランジャ7を反シート部18に吸引する電流値に比例した力が発生する。このため、プランジャ7は、コア4に磁気吸引され、プランジャ7及びパイプ9と一体のバルブ10は、磁気吸引力と、スプリング20及びベローズ12の合力による反力との釣り合い位置までリフトして保持され、この結果バルブ10はシート部18から離間する。
一方、シリンダ(図示せず)作動によるエンジン(図示せず)側からの負圧吸引によって、吸気管内部には圧力差が発生し、吸気管内の空気は、ヨーク6、環状部材44、及び遮蔽体42それぞれの外側、流出口28を通ってエンジン側に流れる。
一方、位置検出コイル41には、エンジン制御ユニットからの電流が供給され、数MHzの交番磁束が径方向に向かって発生しているので、遮蔽体42は、交番磁束の中を移動するが、このとき遮蔽体42の表層には、位置検出コイル41の磁束とは逆方向の磁束が生じる渦電流が発生する。
位置検出コイル41では、この渦電流により、上記交番磁束が影響を受けるので、位置検出コイル41のインピーダンスが変化する。
インピーダンスの変化量は、遮蔽体42と位置検出コイル41とが重なる面積に比例するので、面積とバルブ10のリフト量とは比例関係であり、位置結果としてバルブ10の位置に比例している。
インピーダンスの変化量は、信号処理回路部でセンサ出力電圧に変換され、このセンサ出力電圧は、エンジン制御ユニットに送られる。
図9は、バルブ10のリフト量とセンサ出力電圧との関係を示しており、バルブ10のリフト量とセンサ出力電圧とは比例関係にある。
従って、信号処理回路部では、温度補正回路62からは温度補正抵抗体50の抵抗値変化を補正電圧として出力し、この温度補正信号と検波整流回路63からの信号とを加算演算し、増幅回路64で増幅してセンサ出力電圧として出力する。
同じ温度係数に基づいて抵抗値が変化するので、温度補正が容易であり、温度補正の精度が向上する。
また、温度補正抵抗体50の抵抗値は、銅箔の、厚み、幅及び長さを調整することで、簡単に調整することができる。
また、ベローズ12の外周側には、外周側に空気が流れる環状部材44及び遮蔽体42が設けられているので、空気が蛇腹形状のベローズ12の外周面に衝突するようなことはなく、空気は円滑に流れる。
また、位置検出コイル41は、2層構造であり、それだけ限られたスペースに導線45の長さを長くすることができ、位置検出コイル41で発生する磁束量を増大させることができる。
また、温度補正抵抗体50も2層構造であり、それだけ限られたスペースに導線45の長さを長くすることができ、温度補正抵抗体50の抵抗値を増大させることができる。
なお、層数については、3層以上であってもよい。
また、上記実施の形態では、制御対象は空気流量であったが、勿論このものに限定されるものではなく、例えばバルブの開口面積、圧力であってもよい。
また、温度補正抵抗体50及び位置検出コイル41は、必ずしも同じ銅箔の導体45で構成する必要性はなく、例えば温度補正抵抗体50をアルミニウム箔、銀等の導体で構成してもよい。
また、環状部材44をバルブ10に設け、遮蔽体42をソレノイド部1に設けるようにしてもよいし、また環状部材44の外側に遮蔽体42を設けるようにしてもよい。この場合には、当然環状部材44の外周壁面に位置検出コイル41及び温度補正抵抗体50が設けられる。
Claims (8)
- 流体が流れる配管内部に配置される、電磁吸引力を発生させるソレノイド部と、
このソレノイド部と一体に設けられ、前記電磁吸引力により前記配管の内壁面に形成されたシート部に接離するバルブを有する弁部と、
前記バルブの位置を検出するバルブ位置検出手段とを備え、
前記バルブ位置検出手段は、磁束を発生させる位置検出コイル及びこの位置検出コイルの近傍に設けられ温度変化に応じて抵抗値が変化する温度補正抵抗体を含む信号処理回路部と、前記位置検出コイルと対向して設けられ、前記磁束を遮蔽するとともに前記バルブの移動に連動して位置検出コイルに対して相対移動する遮蔽体とを有し、
前記信号処理回路部は、前記相対移動に伴う前記位置検出コイルと前記遮蔽体とが重なる面積の変化に応じて変化する前記位置検出コイルのインピーダンスからセンサ出力電圧を出力し、このセンサ出力電圧の値から前記バルブの位置が検出される流体制御用電磁弁であって、
前記信号処理回路部は、前記温度補正抵抗体の温度変化に基づく抵抗値の変化を補正電圧として取り出し、この補正電圧を用いて前記センサ出力電圧の温度補正をするようになっていることを特徴とする流体制御用電磁弁。 - 前記検出コイル及び前記温度補正抵抗体が壁面に設けられた環状部材、及び前記遮蔽体は、前記配管と同心で配置されているとともに、前記環状部材及び前記遮蔽体の一方が前記弁部に設けられ、前記環状部材及び前記遮蔽体の他方が、前記ソレノイド部または前記配管に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の流体制御用電磁弁。
- 前記バルブと前記ソレノイド部との間には、前記バルブの上流側と下流側との間で連通して圧力差を相殺する容積室を有するベローズが設けられており、前記ベローズの外周側に前記環状部材及び前記遮蔽体が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の流体制御用電磁弁。
- 前記位置検出コイル及び前記温度補正抵抗体は、同一物性で構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の流体制御用電磁弁。
- 前記温度補正抵抗体の前記抵抗値は、導体の、厚み、幅及び長さにより調整されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の流体制御用電磁弁。
- 前記位置検出コイル及び前記温度補正抵抗体は、多層導体プリントパターンで構成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の流体制御用電磁弁。
- 前記多層導体プリントパターンは、多層フレキシブルプリント基板に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の流体制御用電磁弁。
- 前記配管は、前記流体である空気をエンジンに導く吸気管であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の流体制御用電磁弁。
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