JP2008306757A - 弾性表面波装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】弾性表面波装置の電気的性質や絶縁抵抗の劣化を起こさず、すだれ状電極の静電破壊を防止することができる弾性表面波装置を提供する。
【解決手段】すだれ状電極2と弾性表面波基板1の端面との間に、すだれ状電極2と電気的に独立した複数の薄膜電極7を配置し、少なくとも1つの隣合う薄膜電極7,7間が、薄膜電極7とすだれ状電極2との間の間隔より狭く形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】すだれ状電極2と弾性表面波基板1の端面との間に、すだれ状電極2と電気的に独立した複数の薄膜電極7を配置し、少なくとも1つの隣合う薄膜電極7,7間が、薄膜電極7とすだれ状電極2との間の間隔より狭く形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、弾性表面波装置、特に無線通信機などに用いる比較的高い周波数領域で使用される弾性表面波装置に関する。
弾性表面波装置はその製造工程において、圧電性基板をパッケージに接着する際の加熱やキャップを溶接する際の温度上昇等により、すだれ状電極が静電破懐することがある。これは圧電性基板の持つ焦電性によるもので、これを防止するため、例えば特開平6−224682号公報に記載されているような提案がある。
この提案は入出力電極の一部に静電破懐犠牲用電極を設け、これを積極的に静電破懐させることによって、入出力電極の励振部を消失させないようにしたものである。
また、焦電性により生じる自発分極の電荷は、基板表面が短絡されていない自由表面で蓄積されるため、圧電性基板の表面はできる限り薄膜電極で覆うことが有効であることも良く知られている。
しかしながら、上記公報の静電破懐犠牲用電極は、入出力電極の一部に設けているため、特に高周波で用いられる場合、この静電破懐犠牲用電極の持つ静電容量により、周波数特性が劣化してしまう不具合が生じる。
また、静電気によって静電破懐犠牲用電極が溶断する際、静電破懐犠牲用電極間に溶けた電極材料が付着し、絶縁抵抗値が低下するという不具合を生じる。さらに、溶けた電極材料によって、稀に静電破懐犠牲用電極間が短絡することがある。このとき、入出力電極の何れかが短絡することになるため、高周波信号が通過しないという極めて重大な欠陥が生じることとなる。また、圧電性基板の表面をできる限り薄膜電極で覆った場合でも、すだれ状電極の静電破懐を防止できない場合がある。
図5に従来の弾性表面波装置を模式的に示す。圧電性基板1上に入力及び出力すだれ状電極2が形成されている。これらの電極は、共通電極6を介して入力用ワイヤボンディングパッド3、及び出力用ワイヤボンディングパッド4に接続される。また、それぞれのすだれ状電極2には、接地用ボンディングパッド5が設けられている。これらの電極とチップ端面の間には、自発分極による電荷を短絡する目的の薄膜電極7i,7jが設けられている。
この薄膜電極7は、圧電性基板1の端面まで形成されている訳ではなく、切断用空白部(ダイシングマージン)9を有している。この理由は、ウェハを切断して圧電性基板1を切り出すときの破片によってすだれ状電極2が短絡することを防ぐためである。
特開平6−224682号公報
特開平4−170811号公報
特開平9−8595号公報
このような構造の弾性表面波装置では、薄膜電極7により自発分極の電荷量を抑えることができる効果があるものの、依然としてすだれ状電極2が静電破壊を起こしてしまう。この理由は、圧電性基板1の中で最も広い自由表面である切断用空白部9に生じる自発分極の電荷が、薄膜電極7i,7jを通してすだれ状電極2に放電されるためである。
これを防止するため、図6のように、薄膜電極7i,7jを、すだれ状電極2と間隔S2,S3を設けて電気的に接続しない構成とすることが考えられるが、数kVにも及ぶ高い静電気のため、間隔S2,S3の絶縁を破り、静電破壊を起こしてしまう。また、間隔S2,S3を十分大きくしておけば絶縁を破ることはないが、間隔S2,S3の部分で自由表面が広くなり、当初の目的を達成できないこととなる。
そこで本発明は、弾性表面波装置の電気的性質や絶縁抵抗の劣化を起こさず、すだれ状電極の静電破壊を防止することができる弾性表面波装置を提供することを目的とするものである。
この目的を達成するため本発明は、すだれ状電極と弾性表面波基板端面との間に、すだれ状電極と電気的に独立した複数の薄膜電極を配置し、かつ、少なくとも1つの隣合う薄膜電極間が、薄膜電極とすだれ状電極との間の間隔より狭く形成されていることを特徴とするものである。
以上説明したように、本発明によれば、弾性表面波装置の電気的性能や絶縁抵抗の劣化を起こさず、すだれ状電極の静電破壊を防止することができる。
上記構成とすれば、自発分極を最も起こしやすい切断用空白部に発生した静電気が、すだれ状電極に印加されず、薄膜電極間で放電するため、入出力のすだれ状電極の破壊を起こさず保護できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に第1の実施形態の電極構成図を示す。圧電性基板1として64°回転Y軸カットX軸伝搬ニオブ酸リチウムを用いる。すだれ状電極2、入力用ワイヤボンディングパッド3、出力用ワイヤボンディングパッド4、接地用ワイヤボンディングパッド5、共通電極6、薄膜電極7a,7b,7c,7dが図のごとく設けてある。
薄膜電極7a,7b,7c,7dは、すだれ状電極2、入力用ワイヤボンディングパッド3、出力用ワイヤボンディングパッド4、接地用ワイヤボンディングパッド5、共通電極6の何れにも接続しておらず、電気的に独立している。また、薄膜電極7aと7b,薄膜電極7cと7dの間隔S1は5μmとし、薄膜電極7a,7b,7c,7dとすだれ状電極2の間隔S2,S3は共に30μmとした。切断用空白部9の幅は100μmである。
次に本発明の静電破壊防止メカニズムについて説明する。圧電性基板1の中で自発分極による電荷の発生は一様でなく、最も広い自由表面である切断用空白部が最も多くなる。ここで発生した電荷は、温度変化が緩やかな場合などは徐々に空気中のイオンと結合し放電されるが、電荷の発生が急激な場合などでは近傍の金属部分で放電される。
本実施形態では、間隔S1が間隔S2,S3よりも十分狭くなっているので、静電気は、選択的に薄膜電極7aと7b、薄膜電極7cと7dの電極間で放電し、すだれ状電極2には静電破壊が発生することはない。
このように、静電気による放電を積極的に生ぜしめる薄膜電極7a,7b,7c,7dは、すだれ状電極2及びこれに接続する部位に対して電気的に独立しているので、装置の高周波性能、絶縁抵抗性能に影響を与えることはない。
次に、図2を用いて本発明の第2の実施形態を説明する。図2は図1に対して薄膜電極7aと7b、薄膜電極7cと7dの間に、放電用すだれ電極8を設けた構造としている。その他の部分は本発明の第1の実施形態と同一である。放電用すだれ電極8の線幅及び間隔は、それぞれすだれ状電極2と同一の1.0μm,0.7μmとした。電極対数は3対とした。
本実施形態においては、放電用すだれ電極8を設けているので、静電気による放電がよりスムーズに行われる。即ち、すだれ状電極2と同様の構成としているので、比較的低い帯電電圧でも放電用すだれ電極8で放電することができ、すだれ状電極2の保護効果が高い。
本実施例でも、薄膜電極7及び放電用すだれ電極8は、すだれ状電極2及びこれに接続する部位に対して電気的に独立しているので、装置の高周波性能、絶縁抵抗性能に影響を与えることがないことは明らかである。
また、ここでは放電用すだれ電極8の線幅及び間隔はそれぞれすだれ状電極2と同一としているが、すだれ状電極2よりも小さくしてもよいことは明らかであり、また、例えすだれ状電極2よりも大きくしても、電極の交差長さを小さくしておけば、同様の効果が得られる。さらに、すだれ状の形状でなくとも先端の尖ったくさび型の形状などでもよい。
次に、図3を用いて本発明の第3の実施形態を説明する。図3は図1に対して薄膜電極7a,7b,7c,7dを分割して、薄膜電極7e,7f,7g,7hを付加したものであり、その他の部分は本発明の第1の実施形態と同一である。
本実施形態においては、すだれ状電極2と切断用空白部9の間に、2種類の薄膜電極を設けていることを特徴としており、切断用空白部9で発生した電荷は、薄膜電極7a,7b,7c,7d,7e,7f,7g,7hで放電するため、より静電破壊の抑制効果が高い。
即ち、例えば薄膜電極7a,7bの間で放電し切れなかった場合でも、さらに薄膜電極7aと7e、薄膜電極7bと7fの間で放電させることによってすだれ状電極2の保護効果を高めるものである。さらに、この分割数を増やすことによって効果が高まることは明らかである。
次に、図4を用いて本発明の第4の実施形態を説明する。図4は図1に対して薄膜電極7e,7f,7g,7hを付加したものであり、その他の部分は本発明の第1の実施形態と同一である。
本実施形態においても、第3の実施形態と同様に、すだれ状電極2と切断用空白部9の間に、2種類の薄膜電極を設けているが、圧電性基板1の端に近い部分に薄膜電極7e,7f,7g,7hを付加したことを特徴としている。動作は第3の実施形態と同様であるが、本実施形態の場合、静電気による放電は、すだれ状電極2から十分離れた圧電性基板1の端部に近い部分で生じることになるため、放電により溶断した電極材料が再付着しても、圧電性基板1の端部に溜まり、すだれ状電極2に悪影響を及ぼすことはない。
次に、図7を用いて本発明の第5の実施形態を説明する。図7は図1に対してパッケージ10、ボンディングワイヤ13を付加したものであり、その他の部分は本発明の第1の実施形態と同一である。
本実施形態において、圧電性基板1は熱硬化型または光硬化型接着剤(図示せず)によりパッケージ10に固定されている。パッケージ10との電気的接続は、入力端子12aと入力用ワイヤボンディングパッド3をボンディングワイヤ13で接続し、出力端子12bと出力用ボンディングパッド4をボンディングワイヤ13で接続している。同様に、接地端子11と接地用ボンディングパッド5をボンディングワイヤ13で接続し、さらに薄膜電極7a,7b,7c,7dをボンディングワイヤ13で接地端子11に接続している。
本実施形態によれば、薄膜電極7a,7b,7c,7dは電気的に浮いておらず、電位を安定させているため、高周波領域でも安定した性能が得られるという効果がある。
この場合でもすだれ状電極2の入力用ボンディングパッド3、出力用ボンディングパッド4と薄膜電極7a,7b,7c,7dは接続されず電気的に独立しているので、前記第1の実施形態と同様に静電破壊を抑止する効果を損なうことがなく、また電気的性能の劣化がないことは明らかである。なお、圧電性基板1とパッケージ10の接続はボンディングワイヤ13に限らず、例えばバンプなどでもよい。
1:圧電性基板、2:すだれ状電極、3:入力用ワイヤボンディングパッド、4:出力用ワイヤボンディングパッド、5:接地用ワイヤボンディングパッド、6:共通電極、7a,7b,7c,7d,7e,7f,7g,7h,7i,7j:薄膜電極、8:放電用すだれ状電極、9:切断用空白部、10:パッケージ、11:接地端子、12a:入力端子、12b:出力端子、13:ボンディングワイヤ。
Claims (1)
- 弾性表面波基板上に、複数のすだれ状電極を有する多電極型の弾性表面波装置において、
前記すだれ状電極と弾性表面波基板の端面との間に、すだれ状電極と電気的に独立した複数の薄膜電極を配置し、かつ、少なくとも1つの隣合う薄膜電極間が、薄膜電極とすだれ状電極との間の間隔より狭く形成されていることを特徴とする弾性表面波装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008194993A JP2008306757A (ja) | 2008-07-29 | 2008-07-29 | 弾性表面波装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008194993A JP2008306757A (ja) | 2008-07-29 | 2008-07-29 | 弾性表面波装置 |
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH04170811A (ja) * | 1990-11-05 | 1992-06-18 | Fujitsu Ltd | 弾性表面波デバイス |
JPH06224682A (ja) * | 1993-01-22 | 1994-08-12 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 弾性表面波装置 |
JPH098595A (ja) * | 1995-06-20 | 1997-01-10 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 弾性表面波装置及びその製造方法 |
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