JP2008306135A - 結晶シリコン素子 - Google Patents

結晶シリコン素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2008306135A
JP2008306135A JP2007154344A JP2007154344A JP2008306135A JP 2008306135 A JP2008306135 A JP 2008306135A JP 2007154344 A JP2007154344 A JP 2007154344A JP 2007154344 A JP2007154344 A JP 2007154344A JP 2008306135 A JP2008306135 A JP 2008306135A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon
crystalline silicon
thin film
single crystal
nano
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007154344A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Honma
秀男 本間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Maxell Ltd filed Critical Hitachi Maxell Ltd
Priority to JP2007154344A priority Critical patent/JP2008306135A/ja
Priority to PCT/JP2008/058961 priority patent/WO2008152878A1/ja
Publication of JP2008306135A publication Critical patent/JP2008306135A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/12Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces
    • H05B33/14Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces characterised by the chemical or physical composition or the arrangement of the electroluminescent material, or by the simultaneous addition of the electroluminescent material in or onto the light source
    • H05B33/145Arrangements of the electroluminescent material

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Led Devices (AREA)

Abstract

【課題】所望の波長を持つ光を高効率で引き出せる結晶シリコン素子を得ることができる。
【解決手段】一対の表面を持つ単結晶シリコン基板10と、単結晶シリコン基板10の一方の主表面に形成された複数個の結晶シリコン15と、結晶シリコン15上に形成されたシリコン薄膜18と、単結晶シリコン基板10の他表面側に位置する金属電極20と、金属電極20とともに一対の電極を形成し、シリコン薄膜18上に位置する透明電極19と、結晶シリコン15の側面を取り囲むシリコン酸化膜16を有する結晶シリコン素子。
【選択図】図1

Description

本発明は、結晶シリコン素子に関し、より詳しくは、ナノ結晶シリコンから構成された発光素子等の結晶シリコン素子に関する。
電流制御素子が真空管から固体半導体に置き換わったように、近年、照明素子も蛍光管からIII−V属化合物半導体等の固体発光素子に急速に置き換わりつつある。今後も発光素子の固体化の進展は疑う余地が無い。
しかし、現在主流であるGa系化合物半導体では、高価なサファイヤ基板への低欠陥エピタキシャル成長が必要である。また、pn接合や量子井戸構造を形成することが必要となる。そのために、発光素子の構造を、Al、P、In、N等を含む複雑な多層膜構造にしなければならない等の点で、安価な素子の提供が難しい。
かかる課題に対し、地球上に最も豊富に存在する材料であるシリコン(Si)を用いて、安価な発光素子を得る試みがなされている。Siは、間接遷移型であり発光効率が低く、さらにバンドギャップが近赤外領域にあるため、可視光の発光材料としては不向きであると考えられてきた。
しかし、例えば、陽極酸化によって形成したポーラスSiから可視発光が得られることが報告され、それ以後、ナノサイズの結晶Si(以下、ナノSiと略す)が可視発光素子の有力候補として注目されるようになった(例えば、非特許文献1参照)。
ナノSiによる発光現象は、Si結晶をナノサイズに縮小して起こる量子閉じ込め効果(バンドギャップの拡大)と考えられている。ナノSi発光素子の具現化には、発光効率を実用レベルに高めることが不可欠である。このためには、ナノSi内部あるいは表面でのキャリアの非発光中心の低減(再結合効率の向上)と、ナノSiへのキャリア注入の低損失化(注入効率の向上)が最大の課題となる。
前述のような陽極酸化法を用いたポーラスSiは、特異な酸化作用によってSi表面をポーラス状に侵食するものである。そのため、結晶自体の品質は比較的良いが、表面積が非常に大きく、発光特性の不安定性(再結合効率の低下)が指摘されている。さらに、形状を制御することができないので、発光波長も制御できない問題がある。
これら問題点を解決する手段として、これまでいくつかの方法が提案されている。例えば、イオン注入法、スパッタリング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等を用いて、基板上に粒状Si結晶を形成し、さらにこの粒状Si結晶をシリコン酸化物(SiO)等の安定な材料中に埋め込む工夫がなされている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
アプライド・フィジックス・レターズ(Appl.Phys.Lett.)、1990年、57巻、1046頁 特開平8−17577号公報 特開2004−296781号公報 特開平8−307011号公報
しかしながら、上述した従来の方法は、何れもSiあるいはSi化合物を注入または堆積させて形成するものであることから、ナノSiの形は粒状等に制御できるものの、依然として表面積が大きく結晶性にも課題があり、再結合効率を十分に高めることができなかった。またシリコン酸化物(SiO)等を介してキャリア(電子、正孔)を注入する構造のため、注入効率が低かった。従って、高効率の発光素子の実現は困難であった。
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、キャリアの再結合効率と注入効率を向上させることにより、所望の波長を持つ光を高効率で引き出せる結晶シリコン素子を提供することにある。
かかる目的のもと、本発明者等は、発光効率を実用的に高めるには、ナノSiの表面積を少なくするとともに、その周囲構造の選定が極めて重要であることを見出した。即ち、ナノSiにキャリア注入する界面は、キャリアに対する障壁が低く尚且つ非発光中心となる準位がないこと、そして、それ以外の界面は、キャリアに対する障壁が高く、尚且つ非発光中心となる準位が少ないことが発光効率の向上に不可欠である。
本発明者等は、鋭意検討の結果、この周囲構造として、ナノSiにキャリア注入する領域をナノSiと同一部材のシリコンとし、それ以外の領域をシリコン酸化膜とする構造が最適であることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成した。
即ち、本発明が適用される結晶シリコン素子は、一対の表面を持つ単結晶シリコン基板と、単結晶シリコン基板の一方の主表面に形成された複数個の結晶シリコンと、結晶シリコン上に形成されたシリコン薄膜と、単結晶シリコン基板の他表面側に位置する金属電極と、金属電極とともに一対の電極を形成し、シリコン薄膜上に位置する透明電極と、結晶シリコンの側面を取り囲むシリコン酸化膜とを備えて構成される。
従来のように粒状ナノSiがシリコン酸化物中に埋もれた構造ではなく、例えば、円柱状の結晶シリコンを使用し、この結晶シリコンの上面および底面をこれと同一部材のシリコンで挟み込み、側面をシリコン酸化膜で取り囲む構造とする。これにより、キャリアの再結合効率と注入効率が従来に比べて優れ、発光効率を格段に向上させることができる。
更に、結晶シリコンの側面は、安定性の高い絶縁体(バンドギャップが大きい)であるシリコン酸化膜で覆われているので、界面での非発光中心となる再結合が少ない。よって、量子閉じ込め効果も大きくできる。
ここで、結晶シリコンおよび単結晶シリコン基板は、第1導電型であり、シリコン薄膜は、第2導電型であることが好ましい。
結晶シリコンの上面が反対導電型のシリコン薄膜に接続(pn接合)されるので、透明電極からシリコン薄膜を介して結晶シリコンに注入される少数キャリアは、非発光中心となる再結合が極めて少なく高効率で安定した注入が得られる。
また、結晶シリコンおよび単結晶シリコン基板は、同一の結晶軸を有してホモ接続することが更に好ましい。
発光層となる結晶シリコンが、その底面が同一導電型の単結晶シリコン基板とホモ接続されると、金属電極から単結晶シリコン基板を介して結晶シリコンへ供給される多数キャリアに仕事関数の差による障壁は無い。そのため、非発光中心となる界面準位も存在しなくなる。
更に、単結晶シリコン基板と金属電極とはオーミック接続し、シリコン薄膜と透明電極とはオーミック接続することが好ましい。
一方、シリコン薄膜は、複数個の結晶シリコンの上面を接続する一体の薄膜である。このようにすれば、透明電極との接触面積が大きいので接触抵抗を十分に小さくできる。即ち、結晶シリコンに透明電極が直に接する場合に比べて一層発光効率を高めることができる。
このシリコン薄膜は、多結晶または非晶質であるのが好ましいが、抵抗率と光吸収が小さくできる多結晶の方がより好ましい。
またシリコン薄膜の厚みは、結晶シリコンから発する光の吸収を低減する観点から100nm以下が好ましい。
そして、結晶シリコンは、結晶シリコンとシリコン薄膜とが接する領域で、第2導電型に置換されているのが好ましい。
シリコン薄膜はできるだけ低抵抗(高不純物濃度)層であることが望ましいが、加えて、シリコン薄膜に添加される不純物を結晶シリコンに染み出させることで、第2導電型に置換させ、pn接合面を結晶シリコンの内部に設けるようにした方が望ましい。
この場合、注入される少数キャリアの再結合が結晶シリコン内部で起こるようになるので、シリコン薄膜内あるいは結晶シリコンとの界面で生じる非発光中心となる再結合がより減少し、一層の発光効率向上と安定化が図れる。
また更に、結晶シリコンは、直径が4nm以下であって、高さが直径の2倍〜50倍の円柱形状であることが好ましい。
結晶シリコンの高さが直径の2倍より低い場合には、十分な量子閉じ込め効果が発現しにくくなる。一方、結晶シリコンが過度に高い場合には、単結晶シリコン基板から結晶シリコンに流れ込む多数キャリアが再結合領域に移動する抵抗成分が増大するため発光効率の低下を招きやすくなる。
上記のような構成の結晶シリコン素子は、可視領域の単色光を発光させるサイズに制御されたことを特徴とすることができ、少なくとも3原色を含む光を発するサイズに混在させた形状を有することを特徴とすれば、高効率の白色発光素子が実現できる点で優れている。
本発明によれば、所望の波長を持つ光を高効率で引き出せる結晶シリコン素子を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、発明の実施形態)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。また、使用する図面は本実施の形態を説明するためのものであり、実際の大きさを表すものではない。
図1は、本実施の形態に係る結晶シリコン素子を説明するための部分断面図である。
また、図2は、図1に示した結晶シリコン素子の部分鳥瞰図である。
なお、この図2では、結晶シリコン素子の構成の理解を助けるために、透明電極とシリコン薄膜の一部を切り抜いた状態で示している。
図1および図2に示した結晶シリコン素子は、一対の表面を持つ単結晶からなるp型の単結晶シリコン基板10(図1では、「単結晶Si基板」と表示した。)と、この単結晶シリコン基板10の一方の表面(主表面)側に、これと同一導電型の略垂直に立つ複数個のナノSi柱(結晶シリコン)15が形成されている。
ナノSi柱15は、単結晶シリコン基板10と直に接してホモ接合を形成して、単結晶シリコン基板10の主表面に対して略垂直な円筒状の柱状突起の形態を成している。また、単結晶シリコン基板10の主表面には、ナノSi柱15の上面以外の領域にシリコン酸化膜16と絶縁膜17が形成されている。また、ナノSi柱15の上面と接するように設けられた多結晶シリコンからなるn型のシリコン薄膜18が形成されている。更にシリコン薄膜18にオーミック接続された透明電極(例えば、ITO)19が設けられている。単結晶シリコン基板10の他方の表面(他表面)側には、単結晶シリコン基板10とオーミック接続されるように金属電極(例えば、アルミニウム)20が形成されている。
このように構成される結晶シリコン素子は、透明電極19を陰極、金属電極20を陽極として通電することで、高効率の発光素子として動作する。
図3は、図1および図2に示した結晶シリコン素子の動作原理を説明するためのバンド構造とキャリアの流れを示す説明図である。
図3に示すように、透明電極19からシリコン薄膜18を経由してナノSi柱15に注入した電子と、金属電極20(図1参照)から単結晶シリコン基板10を経由してナノSi柱15に注入した正孔は、ナノSi柱15の中で再結合中心に捕獲されて発光する。
結晶シリコン素子を本実施の形態のような構成とすることで、キャリアの再結合効率と注入効率が従来に比べて優れるので発光効率を格段に向上せさることができる。即ち、ナノSi柱15の底面は、同じ材料および導電型である単結晶シリコン基板10と接続されるので、金属電極20から単結晶シリコン基板10を経由してナノSi柱15へ供給される多数キャリアに仕事関数の差による障壁は無い。そのため、非発光中心となる界面準位も存在しなくなる。
更にナノSi柱15の上面は、反対導電型のシリコン薄膜18に接続(pn接合)されるので、透明電極19からシリコン薄膜18を経由してナノSi柱15に注入される少数キャリアは、非発光中心となる再結合が極めて少なく高効率で安定した注入が得られる。一方、ナノSi柱15の側面は、安定性の高い絶縁体(バンドギャップが大きい)であるシリコン酸化膜16で覆われているので、量子閉じ込め効果が発現し易く界面での非発光中心となる再結合も少ない。
また、シリコン薄膜18は、複数個のナノSi柱15の上面を接続する一体の薄膜となっているので、透明電極19との接触面積が大きく、接触抵抗を十分に小さくできる。
更に、ナノSi柱15は後述のように極めて結晶性のよい単結晶シリコン基板10から作り込まれたものであるから、殆ど欠陥のない結晶性を持つことができる。
以上のような理由によって、本実施の形態における結晶シリコン素子は、従来にない極めて高い効率の発光素子として動作する。
図4は、図1および図2で示した結晶シリコン素子の変形例を示す部分断面図である。
ここでは、説明の重複を避けるため、図1に示す例とは異なる部分を説明する。
図1に示した結晶シリコン素子では、ナノSi柱15がp型、シリコン薄膜18がn型であって、それらの界面でpn接合を形成するものであった。
一方、図4に示す結晶シリコン素子では、シリコン薄膜18に添加するn型不純物をナノSi柱15に染み出させることで、pn接合面をナノSi柱15の内部に設けるようにした。換言すれば、ナノSi柱15の上面部にn型導電層21を設けるようにしている。
この形態において、注入される少数キャリアの再結合がナノSi柱15の内部で起こるようになるので、シリコン薄膜18の内部あるいはナノSi柱15との界面で生じる非発光中心となる再結合がより減少し、一層の発光効率向上と安定化が図れる。なお、p型、n型の位置関係が逆であっても構わないのは勿論である。
シリコン薄膜18に添加される不純物(通常、砒素あるいは燐)はシリコン薄膜18が縮退(金属伝導様態)する程の高濃度であることが望ましい。また、シリコン薄膜18は、非晶質であっても構わないが、抵抗率と光吸収が小さくできる多結晶の方が望ましい。更に、シリコン薄膜18の厚みは、ナノSi柱15から発する光の吸収を低減する観点から100nm以下が好ましく、30nm以下が更に好ましい。
一方、ナノSi柱15は、その直径が量子閉じ込め効果が発現する4nm以下であって、高さが直径の2倍〜50倍に構成することが望ましい。ナノSi柱15の高さが直径の2倍より低い場合には、十分な量子閉じ込め効果が発現しにくくなる。一方、ナノSi柱15が過度に高い場合には、単結晶シリコン基板10からナノSi柱15に流れ込む多数キャリアが再結合領域に移動する抵抗成分が増大するため発光効率の低下を招きやすくなる。
更に、シリコン酸化膜16の厚さは、通常5nm〜50nmであって、10nm〜30nmが望ましい。
次に、本実施の形態が適用される結晶シリコン素子の製造方法について説明する。
図5は、本実施の形態に係る結晶シリコン素子の製造方法を示す部分断面図であり、製造工程順に製造方法が示されている。
ここでは、まず(100)面から成る一対の表面を持つp型単結晶シリコン基板10を用意し、一方の表面(主表面)側にスピンコートによりブロック共重合体(例えばポリスチレン(PS)とポリメチルメタクリレート(PMMA)の共重合体)から成る薄膜ポリマー11を約25nmの厚みで塗布した後、220℃で3時間ベーキング処理することで、PS層11aの薄膜中に球状のPMMA層11bを有する相分離構造を形成する。
例えば、PSとPMMAがそれぞれ約90,000、約20,000の分子量から成る共重合ポリマーを用いた場合では、ピッチが約40nmで、球状のPMMA層11bの直径が約20nmから成る六回対称の相分離構造となった。ピッチおよび球体の直径はブロック共重合ポリマーの分子量およびその比率を調整することにより様々なサイズに制御できる。(図5(a))。
次に、PSとPMMAのエッチング速度差を利用した酸素ガスを用いた反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching;RIE)法により、薄膜ポリマー11の表面にナノサイズで6回対称の平面パターンを持つ細孔12が形成できる。これは、酸素のプラズマ中では、PMMA層11bがPS層11aよりも3〜5倍エッチング速度が速いことによる。(図5(b))。
次に、無機系SOG(Spin on Glass)をスピンコートによって塗布し、所定のベークを施すことで無機材から成る無機膜13aを形成する。SOGの粘度を適当に選択することによって、細孔が埋まって平坦化された無機膜13aを形成することができる(図5(c))。
次に、RIE法を用いて無機膜13aの表面を軽くエッチング(エッチバック)することにより、細孔12にのみ残した無機膜13bを形成する。次に、RIE法を用いてエッチングし、無機膜13aで覆われていない領域のPS層11aを除去して開口部14aを形成する(図5(d))。
次に、無機膜13bをマスクとして、単結晶シリコン基板10の上層部(例えば100nmの深さ)を、RIE法を用いてドライエッチングし、円筒状突起部(ナノSi柱15)と溝部14bとを形成する(図5(e))。
その後、例えばフッ酸系水溶液などでウェット処理して無機膜13bを除去した後、850℃の酸化性雰囲気中で熱処理することにより、溝部14bの底部およびナノSi柱15の表面にシリコン酸化膜16を設ける。この時、シリコン酸化膜16を所望厚みにすることにより、ナノSi柱15の直径を約2.5nmに制御した。
次に、無機系SOG(Spin on Glass)をスピンコートによって塗布し、所定のベークを施した後に、全面をエッチバックすることで無機材から成る絶縁膜17を形成するとともに、ナノSi柱15の上面を露出させる(図5(f))。
次に、燐が添加された多結晶シリコンを通常のCVD法によって堆積することにより、厚みが約30nmのn型シリコン薄膜18を形成する(図5(g))。
最後に、ナノSi柱15が設けられた主表面側に酸化インジウム系化合物からなる透明電極(ITO)19を形成し、他表面側にアルミニウムからなる金属電極20を形成して(図5(h))、図1に示すような結晶シリコン素子を得ることができる。
以上のような工程で作製した結晶シリコン素子のナノSi柱15のサイズは、直径約2.5nm、高さ約80nmであった。また、金属電極20を陽極、透明電極19を陰極として通電した時、ピーク波長が約540nmの緑色の発光を確認できた。
尚、ナノSi柱15は、ブロック共重合ポリマーの相分離によって得られる直径の揃った細孔12をエッチングマスクの原型として加工すること、およびその後の酸化工程によって直径の微細化を制御するので、大きさの均一性に優れた結晶シリコン素子が形成できる。このため、従来技術に比較して発光波長の制御性が格段に優れている。実験によれば、サイズのばらつきを5%以下に抑えることができた。
また、ナノSi柱15を取り囲むシリコン酸化膜16は、透明電極19との電気的絶縁分離を果たすと共に、ナノSi柱15の機械的強度を強化する効果もある。よって、波長の制御性に優れた高効率発光素子を高い歩留で安価に提供することができる。
尚、透明電極19はITOを例示したが、可視光に対して透明性を維持し電気導電性を有するものであれば、特に制限はない。また、金属電極20はアルミニウムを例示したが、電気導電性に優れ単結晶シリコン基板とオーミック接続できる材料であれば、特に制限はない。
更に、以上の実施の形態は単結晶シリコン基板10にp導電型を用いる例を示したが、n導電型であってもよい。この場合には、シリコン薄膜18はp型となり、陰極と陽極の関係も逆になる。
また、無機膜13bを形成するための無機系SOGは、シリコンエッチングのマスクとして機能するものであれば制限はないが、チタン(Ti)系メタロキサンポリマーが望ましい。この結果形成される無機膜13bは酸化チタン(TiO)が望ましい。
更に、ナノSi柱15を形成するための反応性イオンエッチングは、所望アスペクト比を持つSi柱が形成できるものであれば制限はないが、上記マスク材との組み合わせにおいて六フッ化硫黄(SF)ガスを用いた低温(−120〜−140℃)エッチングが適している。
以上、詳述したように、本実施の形態によれば、所望の可視光を高効率で引き出せる結晶シリコン素子を安価に提供できる。
尚、図1、図2、図4に示した実施の形態では、ナノSi柱15を用いた発光素子を例示したが、同一の構成で発電素子(光起電力素子)に応用することもできる。即ち、透明電極側からナノSiに光を照射するとキャリア(電子・正孔対)が生成し、一対の電極から電力を取り出すことができる。特に、可視光〜紫外光に対して高感度な発電素子が実現できる。
また、本実施の形態が適用される結晶シリコン素子は、通常のIC製造に幾つかの製造工程を付加するだけで、容易かつ任意形状にて形成することができる。そこで、制御回路、増幅回路、メモリ回路、保護回路等と組み合わせて1チップ化してもよい。
即ち、各種回路と結晶シリコンを同一基板状でIC化することにより、様々な機能付加および機能向上、あるいは低コスト化を図ることができる。その応用は、発光素子や発電素子に留まらず、レーザー、レーダー、通信、メモリ、センサあるいは電子エミッタやディスプレイ等が挙げられる。
本実施の形態に係る結晶シリコン素子を説明するための部分断面図である。 図1に示した結晶シリコン素子の部分鳥瞰図である。 図1および図2に示した結晶シリコン素子の動作原理を説明するためのバンド構造とキャリアの流れを示す説明図である。 図1および図2で示した結晶シリコン素子の変形例を示す部分断面図である。 本実施の形態に係る結晶シリコン素子の製造方法を示す部分断面図である。
符号の説明
10…単結晶シリコン基板、15…結晶シリコン(ナノSi柱)、16…シリコン酸化膜、17…絶縁膜、18…シリコン薄膜、19…透明電極、20…金属電極、21…n型導電層

Claims (8)

  1. 一対の表面を持つ単結晶シリコン基板と、
    前記単結晶シリコン基板の一方の主表面に形成された複数個の結晶シリコンと、
    前記結晶シリコン上に形成されたシリコン薄膜と、
    前記単結晶シリコン基板の他表面側に位置する金属電極と、
    前記金属電極とともに一対の電極を形成し、前記シリコン薄膜上に位置する透明電極と、
    前記結晶シリコンの側面を取り囲むシリコン酸化膜と、
    を有することを特徴とする結晶シリコン素子。
  2. 前記結晶シリコンおよび前記単結晶シリコン基板は、第1導電型であり、前記シリコン薄膜は、第2導電型であることを特徴とする請求項1に記載の結晶シリコン素子。
  3. 前記結晶シリコンおよび前記単結晶シリコン基板は、同一の結晶軸を有してホモ接続することを特徴とする請求項1に記載の結晶シリコン素子。
  4. 前記単結晶シリコン基板と前記金属電極とはオーミック接続し、前記シリコン薄膜と前記透明電極とはオーミック接続することを特徴とする請求項1に記載の結晶シリコン素子。
  5. 前記シリコン薄膜は、多結晶または非晶質であることを特徴とする請求項1に記載の結晶シリコン素子。
  6. 前記シリコン薄膜は、厚さが100nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の結晶シリコン素子。
  7. 前記結晶シリコンは、当該結晶シリコンと前記シリコン薄膜とが接する領域で、第2導電型に置換されていることを特徴とする請求項1に記載の結晶シリコン素子。
  8. 前記結晶シリコンは、直径4nm以下であり、かつ高さが直径の2倍〜50倍の円柱形状であることを特徴とする請求項1に記載の結晶シリコン素子。
JP2007154344A 2007-06-11 2007-06-11 結晶シリコン素子 Pending JP2008306135A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007154344A JP2008306135A (ja) 2007-06-11 2007-06-11 結晶シリコン素子
PCT/JP2008/058961 WO2008152878A1 (ja) 2007-06-11 2008-05-15 結晶シリコン素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007154344A JP2008306135A (ja) 2007-06-11 2007-06-11 結晶シリコン素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008306135A true JP2008306135A (ja) 2008-12-18

Family

ID=40129491

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007154344A Pending JP2008306135A (ja) 2007-06-11 2007-06-11 結晶シリコン素子

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2008306135A (ja)
WO (1) WO2008152878A1 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0555627A (ja) * 1991-08-27 1993-03-05 Nippondenso Co Ltd 注入形発光素子
WO2007018076A1 (ja) * 2005-08-05 2007-02-15 Hitachi Maxell, Ltd. 結晶シリコン素子、およびその製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06283754A (ja) * 1993-03-25 1994-10-07 Nippon Steel Corp 発光素子
JP4071360B2 (ja) * 1997-08-29 2008-04-02 株式会社東芝 半導体装置
JP4508021B2 (ja) * 2005-07-19 2010-07-21 パナソニック電工株式会社 半導体発光素子の製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0555627A (ja) * 1991-08-27 1993-03-05 Nippondenso Co Ltd 注入形発光素子
WO2007018076A1 (ja) * 2005-08-05 2007-02-15 Hitachi Maxell, Ltd. 結晶シリコン素子、およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2008152878A1 (ja) 2008-12-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106299050B (zh) 一种深紫外半导体发光二极管及其制备方法
JP4205075B2 (ja) ナノワイヤー発光素子及びその製造方法
KR101258583B1 (ko) 나노 로드 발광 소자 및 그 제조 방법
US8878231B2 (en) Light emission device and manufacturing method thereof
JP5624723B2 (ja) 固体発光デバイス用のピクセル構造
TW201214754A (en) Light emitting element and production method for same, production method for light-emitting device, illumination device, backlight, display device, and diode
JP2002359398A (ja) 発光素子及びこれを適用したディスプレー装置
US8232560B2 (en) Light-emitting diode in semiconductor material
KR20180018659A (ko) 전달이 없는 마이크로엘이디 디스플레이
US11730005B2 (en) Nanoscale light emitting diode, and methods of making same
US20100090230A1 (en) Crystal silicon element and method for fabricating same
JP2008130712A (ja) 3端子型結晶シリコン素子
US7320897B2 (en) Electroluminescence device with nanotip diodes
CN113809207A (zh) 一种Micro-LED制备方法
CN111446335A (zh) 一种发光二极管及其制备方法
CN112510130A (zh) 一种倒装结构蓝光Mico-LED芯片设计制造方法
KR20100130990A (ko) 광전자 발광 구조
CN102369605B (zh) 发光二极管元件及其制造方法
JP2007043016A (ja) 結晶シリコン素子、およびその製造方法
US11870008B2 (en) Nanorod light-emitting device and method of manufacturing the same
JP2008053422A (ja) 結晶シリコン素子及び結晶シリコン素子の製造方法
CN103715339A (zh) 一种氮化镓基发光二极管及其制备方法
JP2008306135A (ja) 結晶シリコン素子
JP2007043006A (ja) 結晶シリコン素子、およびその製造方法
JP2010251650A (ja) エレクトロルミネッセンス素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120807

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20121204