JP2008305784A - 非水電解質リチウム二次電池の使用方法 - Google Patents

非水電解質リチウム二次電池の使用方法 Download PDF

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裕江 中川
Shuichi Ido
秀一 井土
Shigeru Sano
茂 佐野
Kenichi Takeuchi
健一 竹内
Keiichi Yamamoto
恵一 山本
Hiroo Arai
博男 荒井
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Abstract

【課題】安全性及び電池性能が共に優れている、非水電解質リチウム二次電池を提供すること。
【解決手段】正極1と、負極2と、リチウム塩を含有する非水電解質と、を備えた非水電解質リチウム二次電池において、非水電解質が、常温溶融塩を主成分として含有しており、負極2の負極活物質として、負極2の作動電位を金属リチウムの電位に対して1Vよりも貴とする物質を用いたことを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質及び負極活物質を改良した非水電解質リチウム二次電池の使用方法に関するものである。
近年、高性能化及び小型化が進展している、電子機器用電源、電力貯蔵用電源、電気自動車用電源などの分野では、高エネルギー密度を得ることができる種々の非水電解質リチウム二次電池が注目されている。
ところで、リチウム二次電池では、一般に、正極活物質としてリチウム金属酸化物を用い、負極活物質として、リチウム金属、又はリチウム合金、又はリチウムイオンを吸蔵放出する炭素材料を用い、電解質として、リチウム塩を常温で液体の有機溶媒に溶解してなる電解液が用いられている。電解質の有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、プロピオラクトン、バレロラクトン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、メトキシエトキシエタンなどが用いられている。
しかしながら、上記有機溶媒は、一般に、揮発しやすく、引火性も高いために、可燃性物質に分類されるものであるので、上記有機溶媒を用いた上記リチウム二次電池においては、特に、電力貯蔵用電源、電気自動車用電源などに用いられる比較的大型の上記リチウム二次電池においては、過充電時、過放電時、ショートなどのアブユース時、更には高温環境下において、安全性が低いという問題があった。
そこで、安全性を向上させるために、電解質として、リチウム塩と、四級アンモニウム有機物カチオンを有する常温溶融塩と、を含有した非水電解質を用いたリチウム二次電池が、特開平4−349365号などにおいて提案されている。この常温溶融塩は、常温で液状であるにも拘らず揮発性が殆どなく、しかも、難燃性又は不燃性を有するため、安全性に優れている。
特開平4−349365号公報
しかしながら、このような非水電解質リチウム二次電池では、サイクル特性や充放電効率特性が劣るという問題があった。その原因は、次のように考えられる。即ち、四級アンモニウム有機物カチオンを有する常温溶融塩は、一般に、還元電位が比較的貴である。一方、非水電解質リチウム二次電池における負極の作動電位は、一般に、金属リチウム電位(水溶液の場合−3.045V vs.NHE)と同等であり、非常に卑である。そのため、電池の充電状態における負極活物質中のリチウムによって、四級アンモニウム有機物カチオンや負極活物質そのものが還元分解されてしまい、その結果、サイクル特性や充放電効率特性が低下する。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、安全性及び電池性能が共に優れている、非水電解質リチウム二次電池の使用方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、正極と、負極と、リチウム塩を含有する非水電解質と、を備えた非水電解質リチウム二次電池の、使用方法であって、非水電解質が、常温溶融塩を主成分として含有しており、負極の作動電位が金属リチウムの電位に対して1Vよりも貴であるように使用することを特徴としている。
請求項1記載の発明においては、非水電解質が常温溶融塩を主成分として含有しており、その常温溶融塩が、常温で液状であるにも拘らず揮発性が殆どなく、しかも、難燃性又は不燃性を有している。従って、本発明の非水電解質リチウム二次電池は、過充電時、過放電時、ショートなどのアブユース時、更には高温環境下において、高い安全性を有している。
しかも負極の作動電位金属リチウムの電位に対して1Vよりも貴であるように使用するので、電池の充電状態における負極活物質中のリチウムは、金属リチウムや炭素材料中のリチウムに比較して、活性度が低くなり、電解質などを還元分解する作用が非常に小さくなる。従って、本発明の非水電解質リチウム二次電池の使用方法は、サイクル特性や充放電効率特性が優れている。
正極活物質としては、特に限定されないが、リチウム二次電池に一般に使用されるリチウムイオンを吸蔵放出する各種リチウム金属酸化物、又は金属酸化物が用いられる。例えば、LiCoO、LiNiO、LiFeO、LiNiCo1−y、LiMn、MnO、Vなどが用いられるが、これらに限定されるものではない。これらは、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
非水電解質のリチウム塩としては、リチウム二次電池に一般に使用される広電位領域において安定であるリチウム塩が用いられる。例えば、LiBF、LiPF、LiClO、LiSOCF、LiN(SOCF、LiN(SOCF)(SO)などが用いられるが、これらに限定されるものではない。これらは、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
非水電解質中のリチウムイオンの含有量は、0.1〜3mol/lの範囲であるのが好ましい。0.1mol/l未満であると、電解質抵抗が大きすぎて、電池の充放電効率が低下する。逆に、3mol/lを越えると、非水電解質の融点が上昇し、常温で液状を保つのが困難となる。以上の点から、特に、非水電解質中のリチウムイオンの含有量は、0.5〜2mol/lの範囲であるのが好ましい。
非水電解質は、高分子を複合化させることによって、ゲル状に固体化して用いてもよい。この高分子としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデンなどや、各種アクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、アクリルアミド系モノマー、アリル系モノマー、スチレン系モノマーなどの重合体が、用いられるが、これらに限定されるものではない。これらは、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
或いは、非水電解質には、常温で液状である有機溶媒を添加してもよい。この有機溶媒としては、リチウム二次電池の電解液に一般に用いられる有機溶媒が用いられ、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、プロピオラクトン、バレロラクトン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、メトキシエトキシエタンなどが用いられるが、これらに限定されるものではない。但し、これらの有機溶媒は、上述したように引火性があるため、添加量が多すぎると非水電解質が引火性を帯びて充分な安全性が得られなくなる可能性があるので、多量に用いるのはあまり好ましくない。
或いは、非水電解質には、リチウム二次電池の電解液に一般に添加される難燃性溶媒であるリン酸エステルを添加してもよい。リン酸エステルとしては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリ(トリフルオロメチル)、リン酸トリ(トリフルオロエチル)、リン酸トリ(トリパーフルオロエチル)などが用いられるが、これらに限定されるものではない。これらは、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、常温溶融塩が、式(1)で示される骨格を有するカチオンを有するものである。
Figure 2008305784
請求項2記載の発明によれば、過充電時、過放電時、ショートなどのアブユース時、更には高温環境下において、より高い安全性が得られる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、常温溶融塩が、式(2)で示される骨格を有するイミダゾリウムカチオンを有するものである。
Figure 2008305784
請求項3記載の発明によれば、過充電時、過放電時、ショートなどのアブユース時、更には高温環境下において、より高い安全性が得られ、しかも、非水電解質中のリチウムイオンの移動度が充分に得られる。
常温溶融塩としては、式(1)で示される骨格を有するカチオンを有するものが好ましい。式(1)で示される四級アンモニウム有機物カチオンとしては、イミダゾリウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、アルキルピリジニウムイオンなどが用いられる。特に、式(2)で示される骨格を有するイミダゾリウムカチオンが好ましい。
イミダゾリウムカチオンとしては、ジアルキルイミダゾリウムイオン、トリアルキルイミダゾリウムイオンなどが用いられる。ジアルキルイミダゾリウムイオンとしては、1,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオンなどが用いられ、トリアルキルイミダゾリウムイオンとしては、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムイオン、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムイオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオンなどが用いられる。但し、これらに限定されるものではない。
テトラアルキルアンモニウムイオンとしては、トリメチルエチルアンモニウム、トリメチルプロピルアンモニウム、トリメチルヘキシルアンモニウム、テトラペンチルアンモニウムなどが用いられる。但し、これらに限定されるものではない。
アルキルピリジニウムイオンとしては、N−メチルピリジニウムイオン、N−エチルピリジニウムイオン、N−プロピルピリジニウムイオン、N−ブチルピリジニウムイオン1−エチル−2−メチルピリジニウム、1−ブチル−4−メチルピリジニウム、1−ブチル−2,4−ジメチルピリジニウムなどが用いられる。但し、これらに限定されるものではない。
なお、上記カチオンを有する常温溶融塩は、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、負極活物質が、LiTi5/3−y(LはTi及びOを除く2〜16族の元素、4/3≦x≦7/3、0≦y≦5/3)で表されるスピネル型構造を有する酸化物焼成体である。
請求項4記載の発明によれば、負極の作動電位が金属リチウムの電位に対して約1.5V貴となるので、電池の充電状態における負極活物質中のリチウムによる電解質などを還元分解する作用は、非常に小さくなる。従って、より優れた、サイクル特性や充放電効率特性が得られる。
負極活物質としては、負極の作動電位を金属リチウムの電位に対して1Vよりも貴とする物質であればよく、例えば、WO、MoO、TiS、Li4/3Ti5/3などが用いられる。特に、LiTi5/3−yで表されるスピネル型構造を有する酸化物焼成体が好ましい。ここで、LはTi及びOを除く2〜16族の元素である。また、4/3≦x≦7/3、0≦y≦5/3であるのが好ましい。置換元素Lとしては、Be、B、C、Mg、Al、Si、P、Ca、Sc、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Ba、La、Ta、W、Au、Hg、Pbなどが用いられるが、これらに限定されるものではない。これらは、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
請求項1記載の発明によれば、非水電解質が常温溶融塩を主成分として含有しているので、過充電時、過放電時、ショートなどのアブユース時、更には高温環境下において、高い安全性を発揮できる。
しかも負極の作動電位金属リチウムの電位に対して1Vよりも貴であるように使用するので、優れた、サイクル特性や充放電効率特性を発揮できる。
請求項2記載の発明によれば、過充電時、過放電時、ショートなどのアブユース時、更には高温環境下において、より高い安全性を発揮できる。
請求項3記載の発明によれば、過充電時、過放電時、ショートなどのアブユース時、更には高温環境下において、より高い安全性を発揮でき、しかも、非水電解質中のリチウムイオンの移動度を充分に得ることができる。
請求項4記載の発明によれば、負極の作動電位が金属リチウムの電位に対して約1.5V貴となるので、より優れた、サイクル特性や充放電効率特性を発揮できる。
以下に、本発明の実施形態を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
(実施形態1)
図1は本実施形態の非水電解質リチウム二次電池の断面図である。この電池は、極群4を金属樹脂複合フィルム5で密封して構成されている。極群4は、正極集電体12上に塗布された正極合剤11からなる正極1と、負極集電体22上に塗布された負極合剤21からなる負極2とが、正極合剤11と負極合剤21とを対向させてセパレータ3を介して積層されて、構成されている。正極合剤1は正極活物質であるLiCoOを主成分としている。負極合剤21は負極活物質であるLi4/3Ti5/3を主成分としている。正極集電体12及び負極集電体22はアルミニウム箔からなっている。セパレータ3はポリエチレン製微多孔膜からなっている。極群4には、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン(EMI)とテトラフルオロホウ酸イオン(BF )とからなる常温溶融塩であるEMIBFと、リチウムイオン(Li)と、を含有した非水電解質が含浸されている。そして、極群4は、金属樹脂複合フィルム5で覆われ、金属樹脂複合フィルム5の四方を熱溶着することにより封止されている。この電池を発明電池Aと称する。発明電池Aの設計容量は10mAhである。
上記構成の電池は、次のようにして製造した。
正極1は次のようにして得た。まず、正極活物質であるLiCoOと、導電剤であるアセチレンブラックとを混合した。次に、この混合物に、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンのN−メチル−2−ピロリドン溶液を混合した。こうして、正極合剤11を得た。次に、正極合剤11を、正極集電体12上に塗布し、乾燥した後、厚みが0.1mmとなるようプレスした。こうして、正極1を得た。
一方、負極2は、負極活物質であるLi4/3Ti5/3と、導電剤であるケッチェンブラックとを用いた点以外は、正極1と同じ材料及び方法を採用して、得た。
非水電解質は、EMIとBF からなる常温溶融塩(EMIBF)1リットルに、1モルのLiBFを溶解することによって、得た。
そして、正極1と負極2とをセパレータ3を介して積層して極群4を構成し、極群4を非水電解質中に浸漬することにより、極群4に非水電解質を含浸させ、その後、極群4を、金属樹脂複合フィルム5で覆って四方を熱溶着することにより封止した。こうして、発明電池Aを得た。
(実施形態2)
本実施形態の電池の基本的構成は、図1に示す通りである。
本実施形態の電池は、次のようにして製造した。
非水電解質として、N−ブチルピリジニウムイオン(BPy)とBF とからなる常温溶融塩(BPyBF)1リットルに、1モルのLiBFを溶解したものを用いた点以外は、発明電池Aと同じ材料及び方法を採用して、得た。この電池を発明電池Bと称する。
(実施形態3)
本実施形態の電池の基本的構成は、図1に示す通りである。
本実施形態の電池は、次のようにして製造した。
負極活物質としてLi4/3Ti4/31/3を用いた点以外は、発明電池Aと同じ材料及び方法を採用して、得た。この電池を発明電池Cと称する。
(比較形態1)
非水電解質として、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比1:1で混合してなる混合溶媒1リットルに、1モルのLiBFを溶解したものを用いた点以外は、発明電池Aと同じ材料及び方法を採用して、得た。この電池を比較電池Dと称する。
(比較形態2)
負極活物質としてグラファイトを用いた点以外は、発明電池Aと同じ材料及び方法を採用して、得た。この電池を比較電池Eと称する。
(充放電サイクル試験)
発明電池A、B、C及び比較電池D、Eについて、充放電サイクル試験を行った。試験温度は20℃とした。充電は、電流1mA、発明電池A、B、C及び比較電池Dの終止電圧2.6V、比較電池Eの終止電圧4.1Vで、定電流充電とした。放電は、電流1mA、発明電池A、B、C及び比較電池Dの終止電圧1.2V、比較電池Eの終止電圧2.7Vで、定電流放電とした。電池設計容量との比率(%)を放電容量とした。図2は発明電池A、比較電池Eのサイクル初期の充電カーブを示し、図3は同じく放電カーブを示している。また、図4は発明電池A、B、C及び比較電池D、Eの充放電サイクル特性を示している。
図4から分かるように、比較電池Eでは、充放電初期でも設計容量の略80%の放電容量しか得られず、サイクルが経過すると、放電容量は、急激に低下し、30サイクル目には設計容量の60%を下回った。これに対し、発明電池A、B、C及び比較電池Dでは、充放電初期より設計容量の略100%の放電容量が得られただけでなく、200サイクル経過後も設計容量の80%以上の放電容量が保持された。
(高温保存試験)
発明電池A、B、C及び比較電池D、Eについて、次のような高温保存試験を行った。即ち、まず、上記充放電サイクル試験と同様の条件で初期放電容量を測定した。これを高温保存前の放電容量とする。また、電池厚さも測定した。これを高温保存前の電池厚さとする。次に、上記充電条件で充電した後、100℃で3時間保存した後に室温で21時間保存するという高温保存サイクルを30日間繰り返した。そして、上記充放電サイクル試験と同様の条件で放電容量を測定した。これを高温保存後の放電容量とする。また、電池厚さも測定した。これを高温保存後の電池厚さとする。そして、自己放電率を求めると共に、電池厚さの変化を測定した。なお、自己放電率は式(A)により算出し、電池厚さ変化は式(B)により算出した。表1はその結果を示す。
Figure 2008305784
Figure 2008305784
Figure 2008305784
表1から分かるように、比較電池Dでは、自己放電率が高いだけでなく、電池厚さが大きく変化した。これに対し、発明電池A、B、C及び比較電池Eでは、自己放電率が比較的低いだけでなく、電池厚さの変化も殆ど無かった。
(加熱試験)
発明電池A、B、C及び比較電池D、Eについて、次のような加熱試験を行った。即ち、上記充放電サイクル試験と同様の条件で初期放電容量を測定した。次に、10mAで9時間強制的に過充電した後、ガスバーナーの上方約2cmの位置で燃焼させた。
比較電池Dでは、金属樹脂複合フィルム5が燃焼すると共に、電解質に引火して爆発的な燃焼が起こった。これに対し、発明電池A、B、C及び比較電池Eでは、金属樹脂複合フィルム5は燃焼したが、電解質の燃焼は起こらなかった。
(考察)
上記各試験における上述のような結果が生じたのは、次のような要因が考えられる。
比較電池Eでは、負極活物質として、炭素材料の1つであるグラファイトを用いており、負極の作動電位が金属リチウムの電位に対して1Vよりも貴であるように使用されてはいないので、負極の作動電位は、金属リチウムの電位(水溶液の場合−3.045V vs.NHE)と同等であり、非常に卑である。そのため、電池の充電状態における負極活物質中のリチウムは、活性度が高く、四級アンモニウム有機物カチオンや負極活物質そのものを還元分解してしまう。その結果、サイクル特性や充放電効率特性が低下する。
これに対し、発明電池A、B、C及び比較電池Dでは、負極活物質として、LiTi5/3−yで表されるスピネル型構造を有する酸化物焼成体を用いており、負極の作動電位が金属リチウムの電位に対して1Vよりも貴であるように使用されているので、負極の作動電位は、金属リチウムの電位に対して約1.5V貴となる。そのため、電池の充電状態における負極活物質中のリチウムは、金属リチウムや炭素材料中のリチウムに比較して、活性度が低くなり、電解質などを還元分解する作用が非常に小さくなる。その結果、良好なサイクル特性や充放電効率特性が得られる。
また、比較電池Dでは、非水電解質として、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比1:1で混合してなる混合溶媒1リットルに、1モルのLiBFを溶解したものを用いており、これらの有機溶媒が、揮発しやすく、高温保存によって容易に気体となる。このことが、自己放電率が高いだけでなく、電池厚さが大きく変化することの原因となっていると考えられる。更に、これらの有機溶媒は、引火性が高いので、過充電時、過放電時、ショートなどのアブユース時、更には高温環境下において、安全性を低下させる。
これに対し、発明電池A、B、C及び比較電池Eでは、非水電解液として、EMIBF、BPyBFなどの常温溶融塩を用いており、これらの常温溶融塩が、常温で液状であるにも拘らず揮発性が殆どなく、高温保存によっても気化することが殆どない。このことが、自己放電率が比較的低いだけでなく、電池厚さの変化も殆どないことの原因となっていると考えられる。更に、これらの常温溶融塩は、難燃性又は不燃性を有するので、過充電時、過放電時、ショートなどのアブユース時、更には高温環境下において、安全性を向上させる。
以上のような効果を相乗的に得ることができるので、発明電池A、B、Cは、比較電池D、Eに比較して、良好な安全性及び電池性能を得ることができる。
本発明の非水電解質リチウム二次電池の断面図である。 発明電池A及び比較電池Eの充電カーブを示す図である。 発明電池A及び比較電池Eの放電カーブを示す図である。 発明電池A、B、C及び比較電池D、Eの充放電サイクル特性を示す図である。
符号の説明
1 正極
2 負極
3 セパレータ

Claims (4)

  1. 正極と、負極と、リチウム塩を含有する非水電解質と、を備えた非水電解質リチウム二次電池において、
    非水電解質が、常温溶融塩を主成分として含有しており、
    負極の作動電位が金属リチウムの電位に対して1Vよりも貴である非水電解質リチウム二次電池。
  2. 常温溶融塩が、式(1)で示される骨格を有するカチオンを有するものである請求項1記載の非水電解質リチウム二次電池。
    Figure 2008305784
  3. 常温溶融塩が、式(2)で示される骨格を有するイミダゾリウムカチオンを有するものである請求項2記載の非水電解質リチウム二次電池。
    Figure 2008305784
  4. 負極活物質が、LiTi5/3−y(LはTi及びOを除く2〜16族の元素、4/3≦x≦7/3、0≦y≦5/3)で表されるスピネル型構造を有する酸化物焼成体である請求項1記載の非水電解質リチウム二次電池。
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