JP2008305558A - プラズマ生成装置およびそれに用いられる反応室 - Google Patents

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Abstract

【課題】内部でプラズマが発生する反応室の劣化し易い部分を保護し、かつ、メンテナンスを効率よく行うことができる技術を提供する。
【解決手段】プラズマ生成装置は、原料の流入口および反応生成物の流出口を有した反応室内の周囲に併設された高周波コイル4に電流を流すことで反応室内に誘導結合プラズマを生成するものであって、反応室が、外側に配される主チャンバ11と、主チャンバ11の内側に配されると共に主チャンバ11から取り外し可能な副チャンバ12とを備えた二重構造チャンバ5Aであり、二重構造チャンバ5Aの流出口の配管40側において、高周波コイル4の巻線に対応した位置にファラデーシールドとして接地電極13を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、反応室内に誘導結合プラズマを生成するプラズマ生成装置およびそれに用いられる反応室に関する。
従来、半導体の製造工程で使用されるエッチャーやアッシャーとして、真空が保持された反応室(以下、チャンバという)で高密度の誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)を生成するプラズマ生成装置が知られている。
このチャンバの内壁は、プラズマの照射によって劣化する。そのため、チャンバの内壁を金属材料に代えてガラス状カーボン材で形成することで、チャンバの内壁を保護する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−340894号公報(段落0014〜0017、図1)
しかしながら、チャンバで生成されるプラズマは、エネルギーが非常に高いので、チャンバの後段に向かってジェットのように噴出し、チャンバの内壁が、特に流出口の開口近傍において削られ易くなっている。一方、特許文献1に開示された技術は、チャンバの内壁を肉厚一定のガラス状カーボン材で形成するので、流出口近傍が劣化し易くなる。また、チャンバの内壁の保護策を行うと共に、チャンバの交換等のメンテナンスを効率よく行うことも要望されている。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、内部でプラズマが発生する反応室(チャンバ)の劣化し易い部分を保護し、かつ、メンテナンスを効率よく行うことができる技術を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために創案されたものであり、まず、請求項1に記載のプラズマ生成装置は、原料の流入口および反応生成物の流出口を有した反応室内の周囲に併設された高周波コイルに電流を流すことで前記反応室内に誘導結合プラズマを生成するプラズマ生成装置であって、前記反応室は、外側に配される主チャンバと、前記主チャンバの内側に配されると共に前記主チャンバから取り外し可能な副チャンバとを備えた二重構造であり、前記反応室の流出口側において、前記高周波コイルの巻線に対応した位置にファラデーシールドを有することを特徴とする。
かかる構成によれば、プラズマ生成装置は、反応室が二重構造であって内側の副チャンバが取り外し可能なので、プラズマの照射によって劣化した副チャンバのみを交換すれば半永久的に反応室を使用することが可能である。また、反応室の流出口側において巻線に対応した位置にファラデーシールドを有するので、反応室内で生成されたプラズマ中の電子やイオンは、ファラデーシールドによって電気的な振動が防止される。ここで、巻線の直下にファラデーシールドを有することが好ましい。このファラデーシールドによってプラズマ中の電子やイオンの電気的な振動が防止されるため、反応室の流出口側でファラデーシールドから離れた位置の内壁に対する電子やイオンの打撃が低減される。つまり、劣化し易い部分を保護することができる。その結果、反応室の交換頻度を低減させることができ、メンテナンスを効率よく行うことができる。
また、請求項2に記載のプラズマ生成装置は、請求項1に記載のプラズマ生成装置において、前記反応室が、前記ファラデーシールドとして、前記主チャンバと前記副チャンバとの間に接地電極を有することを特徴とする。
かかる構成によれば、プラズマ生成装置は、反応室の主チャンバと副チャンバとの間に備えられた接地電極が副チャンバに保護されてプラズマ照射を受けないので、ファラデーシールドとしての接地電極が劣化しない。ここで、副チャンバは、例えば、石英やチタン酸アルミニウム系等の熱膨張率が低く耐熱衝撃性に優れた材料で形成される。
また、請求項3に記載のプラズマ生成装置は、請求項1または請求項2に記載のプラズマ生成装置において、前記反応室の前記主チャンバと前記副チャンバとが、電気伝導性のない放熱材料で接着されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、プラズマ生成装置は、副チャンバが、主チャンバに対して放熱材料で接着されているので、プラズマ照射による熱衝撃で割れることを防止できる。ここで、放熱材料は、例えば、シリコングリス等の熱抵抗の小さい材料である。
また、請求項4に記載のプラズマ生成装置は、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のプラズマ生成装置において、前記主チャンバの流入口側の端部および流出口側の端部をそれぞれ固定する電気伝導性のある2つの主チャンバ固定部材と、前記副チャンバの流入口側の端部および流出口側の端部のうち少なくとも流出口側の端部を前記主チャンバに固定する電気伝導性のある副チャンバ固定部材と、を備え、前記副チャンバ固定部材が、Oリング装着用溝を外周面に有した第1円環部と、前記第1円環部の円環の中心軸方向両側にそれぞれ隣接した2つの第2円環部とを備えたセンターリングであり、前記センターリングが、前記第1円環部に隣接する一方の第2円環部が、内周面の周縁の少なくとも一部に、円環の中心軸に平行な方向に突起部を備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、プラズマ生成装置は、副チャンバ固定部材が突起部によって、副チャンバを主チャンバに固定することができる。また、副チャンバ固定部材が少なくとも流出口側の端部に接続される突起部を有したセンターリングなので、このセンターリング以外に別の部材を設ける必要がなくなる。
また、請求項5に記載の反応室は、原料の流入口および反応生成物の流出口を有した反応室内の周囲に併設された高周波コイルに電流を流すことで前記反応室内に誘導結合プラズマを生成するプラズマ生成装置に用いられる反応室であって、外側に配される主チャンバと、前記主チャンバの内側に配されると共に前記主チャンバから取り外し可能な副チャンバとを備え、前記主チャンバと前記副チャンバとが、電気伝導性のない放熱材料で接着されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、反応室が2重構造であって内側の副チャンバが取り外し可能なので、プラズマの照射によって劣化した副チャンバのみを交換すれば半永久的に反応室を使用することが可能である。したがって、反応室のメンテナンスを効率よく行うことができる。また、副チャンバは、主チャンバに対して放熱材料で接着されているので、プラズマ照射による熱や衝撃で割れることを防止できる。
また、請求項6に記載の反応室は、請求項5に記載の反応室において、前記主チャンバと前記副チャンバとの間の流出口側に接地電極を有することを特徴とする。
かかる構成によれば、反応室は、主チャンバと副チャンバとの間に備えられたファラデーシールドとしての接地電極が副チャンバに保護されてプラズマ照射を受けないので劣化しない。また、反応室内で生成されるプラズマ中の電子やイオンが接地電極のファラデーシールドによって電気的な振動が低減されるため、反応室の流出口側で接地電極から離れた位置の内壁に対する電子やイオンの打撃が低減される。つまり、反応室の劣化し易い部分を保護することができる。
本発明によれば、プラズマ生成装置は、反応室の劣化し易い部分が保護される。また、反応室のメンテナンスを効率よく行うことができる。その結果、プラズマ生成装置や反応室に要する生産コストが低減される。また、メンテナンスを容易に行うことで反応室の内壁を正常な状態に保ち易くすることができる。その結果、プラズマ生成装置の安定化が図られる。
以下、本発明の実施形態に係るプラズマ生成装置およびそれに用いられる反応室を実施するための最良の形態(以下「実施形態」という)について図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
[プラズマ生成装置の構成]
図1は、本発明の第1実施形態に係る反応室を含むプラズマ生成装置を模式的に示す構成図である。プラズマ生成装置1は、誘導結合プラズマ(以下、単にプラズマともいう)を生成するものであり、図1に示すように、変換アダプタ2と、高周波電源ユニット3と、高周波コイル4と、二重構造チャンバ(反応室)5とを主たる構成要素として備えている。
変換アダプタ2は、交流電源を直流電源に変換し、高周波電源ユニット3に供給するものである。
高周波電源ユニット3は、図示しない高周波電源とマッチングボックスとを備え、この高周波電源からマッチングボックスを介して高周波コイル4と接続され、高周波コイル4に流される電流の制御を行うものである。
高周波コイル4は、当該高周波コイル4に高周波電流を流すことで電磁誘導によって生じる磁場により、二重構造チャンバ5内に誘導結合プラズマを発生させる。この高周波コイル4は、二重構造チャンバ5の外周面から所定距離離間した位置に、二重構造チャンバ5の上流から下流に向かって二重構造チャンバ5の外周面上に沿って螺旋状に巻き付けられている。この高周波コイル4は例えば銅製の管であり、管の内部には、冷却水を挿通させる冷却路6(図2参照)が形成されている。
二重構造チャンバ5は、円筒状であり、図2に示すように、外側に配される主チャンバ11と、主チャンバ11の内側に配される副チャンバ12とを備えている。図2は、図1に示した二重構造チャンバを模式的に示す断面図である。この図2では、図1に示した二重構造チャンバ5を略90°右転した状態で図1のA−A線断面図を示している。
主チャンバ11は、外周に高周波コイル4が巻き付けられており、半永久的に使用される。本実施形態では、主チャンバ11をアルミナ(Al23)セラミックチューブで構成した。
副チャンバ12は、主チャンバ11から取り外し可能に構成されている。本実施形態では、石英(SiO2)管で構成した。石英は、アルミナよりも誘電率が低いので、副チャンバ12をアルミナで構成した場合と比較して、プラズマ出力に関して性能が向上する。また、二重構造チャンバ5に流入するガスの種類を増加させることも可能である。
主チャンバ11と副チャンバ12とは、熱抵抗が低く電気伝導性のない放熱材料で接着されている。放熱材料は、例えば、シリコングリスである。なお、放熱材料として、例えば、熱伝導性両面テープ、マイカ(雲母)、シリコーンゴム、合成樹脂、シリコン樹脂、テフロン(登録商標)などを用いてもよい。
二重構造チャンバ5の両端には、二重構造チャンバ5をプラズマ生成装置1内に固定するために、それぞれ2つのエンドプレート(主チャンバ固定部材)21が配設されている。ここで、エンドプレート21は、例えば、アルミニウム(Al)から構成される。そして、二重構造チャンバ5とエンドプレート21との隙間には、Oリング22と、環状のスペーサ23,24とが配設される。
スペーサ23は、Oリング22に隣接して配設されており、主チャンバ11および副チャンバ12に接している。スペーサ24は、スペーサ23に隣接して配設されており、センターリング50の第2円環部52bの外周面に接している。スペーサ23,24は、例えば、アルミニウム(Al)から構成される。なお、二重構造チャンバ5とエンドプレート21との隙間に配するスペーサの個数は、1以上であればよく、配管40側にだけ設けるようにしてもよい。
二重構造チャンバ5の前段および後段には、それぞれ、配管(第1配管)30および配管(第2配管)40が接続される。二重構造チャンバ5と配管30とは、センターリング(第1センターリング)50と、センターリング用Oリング60とによって、真空を保持して接続される。なお、図5では、説明の都合上、センターリング(第1センターリング)50を側面図で示し、センターリング用Oリング60を断面図で示した。なお、Oリング22は、センターリング用Oリング60よりも耐プラズマ性の強度の大きいものを使用することが好ましい。
また、二重構造チャンバ5と配管40とは、センターリング(第2センターリング)50と、センターリング用Oリング60とによって、真空を保持して接続される。このセンターリング(第2センターリング)50は、二重構造チャンバ5の流出口側において、高周波コイル4の巻線に対応した位置に、ファラデーシールドとしての突起部53を有している。この突起部53は、巻線直下に相当する位置に配されることが好ましい。センターリング50は、スペーサ23,24を介してエンドプレート21のグランドと同電位にあり、活性なイオン種を捕獲可能に構成されている。これによって、イオン種をグランドに落とすことによってプラズマに追従しないようにすることができる。なお、図5では、説明の都合上、センターリング(第2センターリング)50およびセンターリング用Oリング60を断面図で示した。
<センターリング>
次に、図3を参照して、センターリングについて説明する。図3は、図2に示したセンターリングの構成図であって、(a)は斜視図、(b)は(a)のB−B線の一部断面斜視図をそれぞれ示している。
センターリング50は、真空を保持して2つの配管の中心軸を位置合わせして接続するものであり、第1円環部51と、この第1円環部51の円環の中心軸方向両側にそれぞれ隣接した2つの第2円環部52(52a,52b)と、突起部53とを備えている。
第1円環部51の外周面には、Oリング装着用溝54が形成されている。なお、Oリング装着用溝54の上部両側の突端は面取りされている。一方の第2円環部52bは、外径が他方の第2円環部52aと等しく、かつ、内径が他方の第2円環部52aより小さく形成されている。突起部53は、一方の第2円環部52bの内周面の全周縁に、円環の中心軸に平行な方向に突出している。また、円環の中心軸に平行な方向における突起部53の長さは全周縁に亘って等しく形成されている。
センターリング50は、非対称な形状で突起部53を有するために、突起部53を配管に接続すると、接続された配管の内側が突起部53によって固定されて保護されることとなる。そこで、二重構造チャンバ5に対して、突起部53側を接続することによって、接続された二重構造チャンバ5の副チャンバ12を主チャンバ11に固定できる。なお、このような用途から、突起部53は、センターリング50の一方の第2円環部52bにだけ配設される。
図3に示したセンターリング50は、電気伝導性を有し、基材を鉄系またはニッケル系の合金として構成される。本実施形態では、センターリング50は、オーステナイト系ステンレス鋼(例えばSUS304)で構成した。また、マルテンサイト系ステンレス鋼を用いてもよい。さらに、センターリング50は、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)から選択される少なくとも1つの金属を含む合金から構成されるようにしてもよい。これによって、単体の金属で構成される場合と比較して耐熱性が高くなり、プラズマの照射に対する耐久性が向上する。
また、本実施形態では、センターリング50の表面全体には、マグネシウム(Mg)とアルミニウム(Al)を含むアルマイト皮膜が形成されている。これにより、センターリング50のプラズマに対する耐食性や耐摩耗性が向上する。なお、MgとAlを含む皮膜は、必ずしもセンターリング50の表面全体に形成する必要はなく、少なくとも突起部53のプラズマに直接晒される側(内側)に形成されていればよい。また、皮膜は、MgとAlの一方だけ含むようにしてもよい。
前記した構成によれば、センターリング50の突起部53が二重構造チャンバ(反応室)5に接続される。これにより、接続された二重構造チャンバ5の内壁が突起部53によって固定され、かつ、プラズマから保護されることとなる。特に、図1に示した突起部53の形状によって、接続される二重構造チャンバ5の内壁の断面視全体を固定して保護することが可能となる。また、このセンターリング50は、二重構造チャンバ(反応室)5に対して容易に交換することができる。
なお、図2に示したプラズマ生成装置1は、二重構造チャンバ5の配管30側と配管40側とに、図3に示したセンターリング50を使用するものとしたが、これに限定されず、二重構造チャンバ5と配管40との間にだけ、センターリング50を使用して、二重構造チャンバ5と配管30との間には突起部53のない従来公知のセンターリングを使用するようにしてもよい。
[プラズマ生成装置の動作]
次に、図1に示したプラズマ生成装置1の動作を説明する(適宜図2およびは図3参照)。プラズマ生成装置1は、二重構造チャンバ5の外周面に巡らせた高周波コイル4への通電で生じる電磁誘導により、二重構造チャンバ5内に誘導結合プラズマを生成する。
また、二重構造チャンバ5がアルミナセラミックチューブおよび石英管で構成され、センターリング50が電気伝導性を有しているため、二重構造チャンバ5内に発生したプラズマ中の陽イオンは、センターリング50に集まり易くなる。このため、二重構造チャンバ5の副チャンバ12の内壁の流出口近傍や流入口近傍に、プラズマ中の陽イオンが打撃を与え易い状態が生じる。ところが、センターリング50は突起部53を備えているため、突起部53の内側で、プラズマ中の陽イオンによる打撃を防御することが可能となる。しかも、センターリング50は、突起部53の内側に集まったプラズマのエネルギーを低下させることができるので、プラズマ中の陽イオンによる打撃の程度を和らげることができる。
また、センターリング50に仮に突起部53がなければ、二重構造チャンバ5と、金属製のエンドプレート21との僅かな隙間に、プラズマ中の陽イオンが突進してきてしまい、Oリング22およびエンドプレート21にダメージを与えてしまうこととなる。しかしながら、センターリング50によれば、プラズマ中の陽イオンが二重構造チャンバ5とエンドプレート21との僅かな隙間に突進してきても突起部53によって防御することができるので、プラズマ中の陽イオンの打撃によるOリング22およびエンドプレート21のダメージを低減することができる。その結果、Oリング22およびエンドプレート21の耐用期間を従来よりも長くすることが可能となる。
第1実施形態によれば、二重構造チャンバ5が二重構造であって内側の副チャンバ12が外側の主チャンバ11から取り外し可能なので、プラズマの照射によって劣化した副チャンバ12のみを交換すれば半永久的に二重構造チャンバ5を使用することができる。また、二重構造チャンバ5の流出口側において高周波コイル4の巻線に対応した位置にファラデーシールドとしてのセンターリング50を有するので、二重構造チャンバ5内で生成された誘導結合プラズマ中の電子やイオンがセンターリング50で捕獲される。そのため、二重構造チャンバ5の流出口側でセンターリング50から離れた位置の内壁に対する電子やイオンの打撃が低減される。つまり、劣化し易い部分を保護することができる。その結果、二重構造チャンバ5の交換頻度を低減させることができる。また、メンテナンスによって、二重構造チャンバ5内部における堆積物形成による汚染の防止、チャンバ内部のプラズマ出力の変動の低減、および、チャンバ内部の化学反応特性の変化の低減を可能とするので、プラズマ生成装置の性能を安定化できる。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る二重構造チャンバを模式的に示す断面図である。図4に示した二重構造チャンバ5Aは、主チャンバ11と副チャンバ12との間に接地電極13を備えている点を除いて、図2に示した二重構造チャンバ5と同様な構成であり、また、二重構造チャンバ5Aを含むプラズマ生成装置の構成は、図1に示したものと同様なので、図1および図2に示したものと同じ構成には同じ符号を付して説明を省略する。
接地電極13は、二重構造チャンバ5Aの流出口側において、高周波コイル4の巻線に対応した位置に、ファラデーシールドとして設けられている。この接地電極13は、金属や合金等の所定の電気伝導体であり、スペーサ23,24およびエンドプレート21を介してグラウンドに落とされている。ここで、接地電極13の長さは、図4に示すように、副チャンバ12の長さの半分より若干短いものに限定されるものではなく、例えば、もっと短くてもよいし、副チャンバ12の長さと同じような長さであってもよい。この接地電極13の長さは、例えば、プラズマ生成装置のプラズマ生成時のプロセスや圧力等によって適宜変更設計できる。なお、図4では、主チャンバ11と副チャンバ12との間の隙間を誇張して示している。二重構造チャンバ5Aは、主チャンバ11が、例えば、アルミナ(Al23)セラミックチューブで構成され、副チャンバ12が、例えば、チタン酸アルミニウムで構成されている。
ここで、主チャンバ11と副チャンバ12との間にファラデーシールドを設ける効果について、一般的なファラデーシールドの設置位置と比較するために図5を参照して説明する。図5は、ファラデーシールドを設ける位置を変更した例を示す断面図であって、(a)は、ファラデーシールドをチャンバの外側に設けた場合、(b)は、ファラデーシールドをチャンバの内側に設けた場合をそれぞれ示している。図5の断面図は、コイルの一断面の近傍を拡大し、シールドや絶縁膜の厚みを誇張して示している。
まず、図5(a)に示すように、仮に、金属からなるシールド101をチャンバ105の外側に設けた場合を想定する。なお、チャンバ105は二重化されているものとする。この場合、シールド101には、絶縁処理を施す必要があり、シールド101のコイル104側には絶縁膜102が設けられ、シールド101のチャンバ105側には絶縁膜103が設けられる。一般に、コイル104に、例えば13.56MHzで発振する高周波電流を流してプラズマを発生させると、約1000V程度の高電圧となる。したがって、絶縁膜102,103が薄い場合には、絶縁破壊を起こす可能性があり、薄い絶縁膜102,103は、シールド101に使用することができない。また、このような構成とすると、仮にコイル104の内部に水を流して冷却を行ったとしても、流れる水は、シールド101(および絶縁膜102,103)を介して間接的にチャンバ105を冷却する構造となってしまうため、冷却効率が悪く、最悪の場合には、チャンバ105が割れて破壊する恐れがある。さらに、チャンバ105の材質としても、形状変化が小さく熱膨張率の低い材料である石英程度しか使えないという制約を受けることとなる。
次に、図5(b)に示すように、仮に、金属からなるシールド101をチャンバ105の内側に設けた場合を想定する。なお、チャンバ105は二重化されているものとする。この場合、シールド101は、絶縁処理を施さなくても一応機能するが、プラズマに直接さらされるため、絶縁処理を施しておく方がよい。この場合、シールド101のプラズマ発生側には絶縁膜102が設けられ、シールド101のチャンバ105側には絶縁膜103が設けられる。ここで、仮に絶縁膜102が設けられずにシールド101がプラズマ中にさらされると、例えばフッ素系プラズマ下などでは、シールド101がかなり削れてしまい、メンテナンス期間が非常に短くなってしまう。また、絶縁処理を施す場合に、シールド101表面の絶縁膜としては、樹脂を用いることが不可であり、セラミックのコーティングや陽極酸化などで絶縁処理を行わなければならない。そのため、絶縁膜102,103の厚みには制限がある。したがって、第2実施形態の二重構造チャンバ5Aに比較してメンテンス周期を改善することは困難である。
第2実施形態によれば、二重構造チャンバ5Aの主チャンバ11と副チャンバ12との間に備えられた接地電極13が副チャンバ12に保護されてプラズマ照射を受けないので、ファラデーシールドとしての接地電極13が劣化しない。また、二重構造チャンバ5A内で生成されたプラズマ中の電子やイオンの電気的な振動を、ファラデーシールドによって事前に防止する。つまり、電気的な振動が生じないようにする。これによって、副チャンバ12の内壁面へのスパッタ効果を低減できる。そのため、二重構造チャンバ5の流出口側での内壁に対する電子やイオンの排気の打撃が低減される。つまり、劣化し易い部分を保護することができる。その結果、二重構造チャンバ5の交換頻度を低減させることができる。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態には限定されない。例えば、各実施形態では、プラズマ生成装置1は、二重構造チャンバ5(5A)が異種の材料で構成されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、同種の材料で構成されていてもよい。例えば、主チャンバ11および副チャンバ12をアルミナ(Al23)で構成してもよい。この場合でも、主チャンバ11と副チャンバ12とをシリコングリス等の放熱材料を介して接着することで、副チャンバ12が割れることを防止することができる。なお、図面に示した構成要素等の厚みや長さは、明確に説明するために誇張して示してある。
本発明の第1実施形態に係る二重構造チャンバを含むプラズマ生成装置を模式的に示す構成図である。 図1に示した二重構造チャンバを模式的に示す断面図である。 図2に示したセンターリングの構成図であって、(a)は斜視図、(b)は(a)のB−B線の一部断面斜視図をそれぞれ示している。 第2実施形態に係る二重構造チャンバを模式的に示す断面図である。 ファラデーシールドを設ける位置を変更した例を示す断面図であって、(a)は、ファラデーシールドをチャンバの外側に設けた場合、(b)は、ファラデーシールドをチャンバの内側に設けた場合をそれぞれ示している。
符号の説明
1 プラズマ生成装置
2 変換アダプタ
3 高周波電源ユニット
4 高周波コイル
5,5A 二重構造チャンバ(反応室)
6 冷却路
11 主チャンバ
12 副チャンバ
13 接地電極
21 エンドプレート(主チャンバ固定部材)
22 Oリング
23 スペーサ
24 スペーサ
30 配管(第1配管)
40 配管(第2配管)
50 センターリング(副チャンバ固定部材)
51 第1円環部
52(52a,52b) 第2円環部
53 突起部
54 Oリング装着用溝
60 センターリング用Oリング

Claims (6)

  1. 原料の流入口および反応生成物の流出口を有した反応炉内の周囲に併設された高周波コイルに電流を流すことで前記反応炉内に誘導結合プラズマを生成するプラズマ生成装置であって、
    前記反応炉は、外側に配される主チャンバと、前記主チャンバの内側に配されると共に前記主チャンバから取り外し可能な副チャンバとを備えた二重構造であり、
    前記反応炉の流出口側において、前記高周波コイルの巻線に対応した位置にファラデーシールドを有することを特徴とするプラズマ生成装置。
  2. 前記反応炉は、
    前記ファラデーシールドとして、前記主チャンバと前記副チャンバとの間に接地電極を有することを特徴とする請求項1に記載のプラズマ生成装置。
  3. 前記反応炉の前記主チャンバと前記副チャンバとは、電気伝導性のない放熱材料で接着されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラズマ生成装置。
  4. 前記主チャンバの流入口側の端部および流出口側の端部をそれぞれ固定する電気伝導性のある2つの主チャンバ固定部材と、
    前記副チャンバの流入口側の端部および流出口側の端部のうち少なくとも流出口側の端部を前記主チャンバに固定する電気伝導性のある副チャンバ固定部材と、
    を備え、
    前記副チャンバ固定部材は、
    Oリング装着用溝を外周面に有した第1円環部と、前記第1円環部の円環の中心軸方向両側にそれぞれ隣接した2つの第2円環部とを備えたセンターリングであり、
    前記センターリングは、前記第1円環部に隣接する一方の第2円環部が、内周面の周縁の少なくとも一部に、円環の中心軸に平行な方向に突起部を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のプラズマ生成装置。
  5. 原料の流入口および反応生成物の流出口を有した反応炉内の周囲に併設された高周波コイルに電流を流すことで前記反応炉内に誘導結合プラズマを生成するプラズマ生成装置に用いられる反応炉であって、
    外側に配される主チャンバと、
    前記主チャンバの内側に配されると共に前記主チャンバから取り外し可能な副チャンバとを備え、
    前記主チャンバと前記副チャンバとが、電気伝導性のない放熱材料で接着されていることを特徴とする反応炉。
  6. 前記主チャンバと前記副チャンバとの間の流出口側に接地電極を有することを特徴とする請求項5に記載の反応炉。
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