JP2008305478A - 光ディスク装置及び液晶静定時間設定方法 - Google Patents

光ディスク装置及び液晶静定時間設定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶素子による収差補正の精度を十分確保しつつ、収差補正に要する時間を短縮する。
【解決手段】収差補正用液晶素子23への電圧印加後の静定時間を、駆動前ステップ量Xbeと、その変化分(つまり駆動させるときの液晶駆動ステップ量X)とに基づいて算出するようにしたことにより、常にそのときどきの位相変化時間に合った静定時間を設定することができ、かくして収差補正用液晶素子23を利用した収差補正の精度を十分確保しつつ、収差補正に要する時間を短縮することができる。
【選択図】図10

Description

本発明は光ディスク装置及び液晶静定時間設定方法に関し、特に液晶素子を利用して収差を補正する機能を有する光ディスク装置に適用して好適なものである。
近年、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc:登録商標)などの光ディスクに対してレーザ光を照射することにより情報を再生又は記録する光ディスク装置が広く普及している。このような光ディスク装置では、光ディスクの傾きや厚さのばらつきなどに起因する収差の影響を低減することが、記録及び再生精度の向上に必須となっている。
そこで従来、複数の領域に分割された所定の電極パターンが形成された透明電極を有する液晶素子をレーザ光の光路中に配置し、透明電極に印加する電圧を領域ごとに制御して液晶の屈折率を変化させ位相差を発生させることで、液晶素子を通過するレーザ光に位相変化を与えて収差を補正するようにした光ディスク装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
ところで、このようにして液晶素子を利用して収差を補正する場合、補正可能な範囲を広くすると共に補正に要する時間を短縮するために、液晶素子で発生させる最大位相差を大きくすると共に、液晶に電圧を印加してから位相変化が完了するまでの時間(これを位相変化時間とも呼ぶ)を短くすることが望ましい。
位相変化時間は、液晶駆動前の印加電圧と液晶駆動時の印加電圧との電位差が所定範囲内であるとすると、例えば図1の特性曲線に示すように、液晶駆動前の印加電圧が高いほど短く印加電圧が低いほど長くなる。
一方、液晶素子で発生する最大位相差は、透明電極の個々の領域に異なる電圧を印加することで生じる電位差が大きいほど大きくなる。実際上、液晶素子に発生する位相量は、図2(A)及び(B)の特性曲線に示すように、印加電圧が所定範囲内(最大値Vmax〜最小値Vminの範囲内)であれば、印加電圧が高いほど小さく印加電圧が低いほど大きくなる。ゆえに、液晶素子で発生する最大位相差を大きくするには、図2(B)に示すように、個々の領域に印加する電圧として、最大値Vmax近傍の高い電圧Vhと、最小値Vmin近傍の低い電圧Vlとを利用する必要がある。
つまり、液晶素子で発生する最大位相差を大きくしようとすると、低い電圧Vlを利用しなければならず、結果として位相変化時間そのものを短くすることは困難であった。
このため、補正に要する時間を短縮するためには、位相変化時間をより正確に求める必要がある。
特開2005−122828公報
ところが、従来の光ディスク装置では、前もって種々の条件下(例えば種々の電圧)で位相変化時間を測定して、測定した位相変化時間のうちの最も長いものを、または測定した位相変化時間のうちの平均時間を、液晶に電圧を印加して位相変化が完了したとみなす待ち時間(すなわち液晶素子の静定時間)に設定して、液晶駆動後に、そのときの条件に依らずこの静定時間分待機するようになされていた。
このため、測定した位相変化時間のうちの最も長いものを静定時間に設定すると、確実に位相変化が完了するまで待機することができるものの、ほとんどのケースで、位相変化完了後も余分に待機することになり、結果として収差補正に要する時間が増加する。一方、測定した位相変化時間の平均時間を静定時間に設定した場合、収差補正に要する時間は短くなるものの、位相変化が完了するまで待機していないケースが発生することになり、結果として収差補正の精度が低下する。
このように、従来の光ディスク装置では、種々の条件により変動する位相変化時間に対して、固定の静定時間を設定しているために、収差補正に要する時間の短縮と、精度の向上とを両立することは困難であった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、液晶素子による収差補正の精度を十分確保しつつ、収差補正に要する時間を短縮することができる光ディスク装置及び静定時間設定方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、レーザ光を光ディスクの記録面に照射した結果得られる反射光を光電変換することにより光電変換信号を得る光学系と、光学系に配される、電極を有する液晶素子と、液晶素子の電極に印加する電圧を制御して液晶素子に位相差を発生させることにより液晶素子を通過するレーザ光に位相変化を与えて収差を補正するよう液晶素子を駆動させる制御部とを設け、制御部が、液晶素子を駆動させたときに待つ静定時間を、液晶素子を駆動させる前に印加されている電圧と駆動させるときに印加する電圧とに基づいて設定するようにした。
このように、液晶素子を駆動させたときに待つ静定時間を、液晶素子を駆動させる前に印加されている電圧と駆動させるときに印加する電圧とに基づいて設定するようにしたことにより、常にそのときどきの液晶素子の位相変化時間に合った静定時間を設定することができる。
本発明によれば、液晶素子を駆動させたときに待つ静定時間を、液晶素子を駆動させる前に印加されている電圧と駆動させるときに印加する電圧とに基づいて設定するようにしたことにより、常にそのときどきの液晶素子の位相変化時間に合った静定時間を設定することができ、かくして液晶素子を利用した収差補正の精度を十分確保しつつ、収差補正に要する時間を短縮することができる光ディスク装置及び静定時間設定方法を実現できる。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)光ディスク装置の構成
図1において、1は光ディスク装置のハードウェア構成を示す。この光ディスク装置1は、内部に光ディスク2を装填し得るようになされている。そして光ディスク装置1には、内部に装填された光ディスク2のデータ記録面と対向するように光ピックアップ3が設けられている。また光ピックアップ3は、スレッド機構部4により光ディスク2の半径方向(これをディスク半径方向とも呼ぶ)へ移動可能に保持されている。
光ディスク装置1は、例えば相変化方式でデータを記録可能な光ディスク2に対してデータを記録し、また当該記録したデータを再生し得るようになされている。この光ディスク装置1においてデータの記録再生に用いられる光ディスク2は、データ記録面に例えば予め一定の線速度で一定の周波数となるようにウォブリング(蛇行)されたグルーブ(案内溝)が形成され、そのグルーブ(及びグルーブ間のランド)がデータ記録用のトラックになる。また光ディスク2は、グルーブのウォブリングに対しADIP(Address In Pre Groove)と呼ばれるデータ記録面内のアドレス情報(これをディスクアドレス情報とも呼ぶ)が埋め込まれている。
この光ディスク装置1において例えばマイクロコンピュータでなるシステムコントローラ5は、外部のAV(Audio Visual)システムAVSから与えられる記録命令や再生命令等の各種命令に応じて装置全体を統括制御すると共に、各種処理を実行する。これによりシステムコントローラ5は、光ディスク装置1に光ディスク2が装填された状態で電源が投入され起動したときや、起動後の動作中に光ディスク装置1に対し光ディスク2が装填されると、立上モードとなる。
この際、サーボ回路6は、システムコントローラ5の制御のもと、スレッド機構部4を駆動して光ピックアップ3を光ディスク2の例えば最内周と対向する位置まで移動させる。またスピンドル駆動回路7は、システムコントローラ5の制御のもと、スピンドルモータ8を駆動することにより光ディスク2を一定速度で回転させる。さらにレーザドライバ9は、光ディスク2が回転すると、システムコントローラ5の制御のもと、レーザ光を連続的に発射させるためのレーザ制御信号を生成し、これを光ピックアップ3に送出する。
光ピックアップ3は、レーザドライバ9からレーザ制御信号が与えられると、そのレーザ制御信号に基づきレーザダイオードからレーザ光を連続的に発射させ、当該発射させたレーザ光を対物レンズで集光させて光ディスク2のデータ記録面に照射する。また光ピックアップ3は、光ディスク2のデータ記録面でレーザ光が反射して得られる反射光を例えば複数の受光素子によって受光して光電変換する。これにより光ピックアップ3は、これら複数の受光素子によりそれぞれ受光した反射光の光量に応じた電流値の信号(これを光電変換信号とも呼ぶ)を生成してマトリクス回路10に送出する。
マトリクス回路10は、光ピックアップ3から複数の受光素子によって生成された光電変換信号が与えられると、これら光電変換信号をそれぞれ電圧値に変換した後、選択的に用いてマトリクス演算処理や増幅処理等を実行する。これによりマトリクス回路10は、これら光電変換信号に基づき、光ディスク2のデータ記録面に対しレーザ光の焦点がどの程度合っているかを示すフォーカスエラー信号を生成する。
またマトリクス回路10は、これら光電変換信号に基づき、光ディスク2のデータ記録面のトラックに対しレーザ光の焦点がどの程度合っているかを示すトラッキングエラー信号を生成する。そしてマトリクス回路10は、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号をサーボ回路6に送出する。
ところでサーボ回路6は、このときシステムコントローラ5の制御のもと、光ディスク2のデータ記録面にレーザ光の焦点が合う位置(これをフォーカス位置とも呼ぶ)を探索するためのフォーカス位置探索信号を生成して、これを光ピックアップ3に送出する。これによりサーボ回路6は、光ピックアップ3において対物レンズを光軸方向に沿って例えば、光ディスク2のデータ記録面に徐々に近づけるように移動させながら、その際にマトリクス回路10から与えられるフォーカスエラー信号に基づき、当該データ記録面にレーザ光の焦点を合せるようにフォーカス引込動作を行う。
そしてサーボ回路6は、このフォーカス引込動作が完了すると、引き続きマトリクス回路10から与えられるフォーカスエラー信号に基づきフォーカス制御信号を生成し、これを光ピックアップ3に送出する。これによりサーボ回路6は、フォーカス制御信号により光ピックアップ3において対物レンズを光軸方向に適宜移動させて光ディスク2のデータ記録面にレーザ光の焦点を合せるようにする。このようにしてサーボ回路6は、光ピックアップ3及びマトリクス回路10と共にフォーカスサーボループを形成し、かくして光ディスク2のデータ記録面に対しレーザ光の焦点を追従させる。
またサーボ回路6は、システムコントローラ5の制御のもと、光ディスク2のデータ記録面においてトラックにレーザ光の照射位置を合せるためのトラック探索信号を生成して、これを光ピックアップ3に送出する。これによりサーボ回路6は、光ピックアップ3において例えば対物レンズをディスク半径方向へ徐々に移動させながら、その際にマトリクス回路10から与えられるトラッキングエラー信号に基づき、当該データ記録面のトラックにレーザ光の照射位置を合せるようにレーザ光のトラック引込動作を行う。
そしてサーボ回路6は、このトラック引込動作が完了すると、引き続きマトリクス回路10から与えられるトラッキングエラー信号に基づきトラッキング制御信号を生成し、これを光ピックアップ3に送出する。これによりサーボ回路6は、トラッキング制御信号により光ピックアップ3において対物レンズをディスク半径方向に適宜移動させて光ディスク2のトラックにレーザ光を照射させる。このようにしてサーボ回路6は、光ピックアップ3及びマトリクス回路10と共にトラッキングサーボループも形成し、かくして光ディスク2のトラックに対しレーザ光の照射位置を追従させる。
さらにマトリクス回路10は、フォーカスの引込処理及びトラックの引込処理が完了すると、光ピックアップ3から与えられる複数の光電変換信号をそれぞれ電圧値に変換した後、選択的に用いてマトリクス演算処理や増幅処理等を実行する。これによりマトリクス回路10は、これら光電変換信号に基づきフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号と共に、光ディスク2に形成されたグルーブのウォブリングの振幅(これをウォブル振幅とも呼ぶ)を示すウォブル信号も生成する。そしてマトリクス回路10は、そのウォブル信号をウォブル回路11に送出する。
ウォブル回路11は、マトリクス回路10から与えられたウォブル信号を復調して、ディスクアドレス情報を検出するためのストリームデータを生成し、これをアドレス生成回路12に送出する。そしてアドレス生成回路12は、ウォブル回路11から与えられたストリームデータをデコード処理し、その結果得られたディスクアドレス情報をシステムコントローラ5に送出する。
これによりシステムコントローラ5は、アドレス生成回路12から与えられるディスクアドレス情報に従い、光ディスク2のデータ記録面においてレーザ光の照射位置を検出することができる。ところでシステムコントローラ5は、このように光ディスク2のデータ記録面におけるレーザ光の照射位置をディスクアドレス情報として検出し得る状態でAVシステムAVSから記録命令が与えられると、立上モードから記録モードに移行する。この際、マトリクス回路10は、ウォブル信号をウォブル回路11と共にアドレス生成回路12にも送出する。
この場合、アドレス生成回路12は、上述したようにディスクアドレス情報を生成しながら、マトリクス回路10から与えられるウォブル信号を用いたPLL(Phased Lock Loop)処理を実行することにより、グルーブのウォブリングの周波数に同期した記録用の動作クロックを生成する。そしてアドレス生成回路12は、かかる記録用の動作クロックを各部に供給する。
これによりスピンドル駆動回路7は、例えばアドレス生成回路12から与えられる記録用の動作クロックをもとに、現在のスピンドルモータ8の回転速度を検出する。またスピンドル駆動回路7は、その回転速度を、予め設定された例えば、光ディスク2を線速度一定(Constant Linear Velocity)で回転させるための規準速度と比較するようにして、スピンドルモータ8の回転速度が基準速度にどの程度合っているかを示すスピンドルエラー信号を生成する。
そしてスピンドル駆動回路7は、かかるスピンドルエラー信号に基づきスピンドル制御信号を生成し、これをスピンドルモータ8に送出する。これによりスピンドル駆動回路7は、スピンドル制御信号によりスピンドルモータ8を回転駆動させ、かくして光ディスク2を線速度一定で回転させる。
この状態でシステムコントローラ5は、AVシステムAVSによりデータ記録用のアドレス情報が指定されると、このときアドレス生成回路12から与えられたディスクアドレス情報(すなわち、その時点における光ディスク2のデータ記録面へのレーザ光の照射位置)をデータ記録用のアドレス情報と比較するようにして適宜、シーク指示信号を生成する。そしてシステムコントローラ5は、かかるシーク指示信号をサーボ回路6に送出する。
サーボ回路6は、システムコントローラ5からシーク指示信号が与えられると、トラッキングサーボループを一時的に解除する。そしてサーボ回路6は、シーク指示信号に基づきシーク制御信号を生成し、これをスレッド機構部4に送出する。これによりサーボ回路6は、シーク制御信号によりスレッド機構部4を駆動して光ピックアップ3をディスク半径方向に沿って複数のトラックを飛び越すようにシークさせる。
因みにシステムコントローラ5は、光ピックアップ3をディスク半径方向へシークさせると、トラックジャンプ指示信号を生成し、これをサーボ回路6に送出する。そしてサーボ回路6は、システムコントローラ5からトラックジャンプ指示信号が与えられると、トラッキングサーボループを解除したまま、そのトラックジャンプ指示信号に基づきジャンプ制御信号を生成し、これをスレッド機構部4に送出する。
これによりサーボ回路6は、ジャンプ制御信号によりスレッド機構部4を駆動して光ピックアップ3をディスク半径方向に沿って僅かに移動させ、かくして光ディスク2においてデータ記録用のトラックにレーザ光の照射位置を引き込むようにする。なおサーボ回路6は、データ記録用のトラックに対しレーザ光の照射位置の引き込みが完了すると、再びトラッキングサーボループを形成する。
このようにしてシステムコントローラ5は、光ディスク2のデータ記録面においてデータ記録用のトラックにレーザ光を照射した状態で、AVシステムAVSから記録対象のデータが与えられると、これをエンコーダ/デコーダ13に取り込む。エンコーダ/デコーダ13は、このときアドレス生成回路12から与えられている記録用の動作クロックに同期して動作する。そしてエンコーダ/デコーダ13は、AVシステムAVSから与えられた記録対象のデータをバッファリングしながら、当該記録対象のデータに対しエラー訂正コード(Error Correcting Code )の付加やインタリーブ、サブコードの付加等のエンコード処理を施し、その結果得られたエンコードデータを変復調回路14に送出する。
変復調回路14も、このときアドレス生成回路12から与えられている記録用の動作クロックに同期して動作する。そして変復調回路14は、エンコーダ/デコーダ13から与えられたエンコードデータに対しランレングスリミテッド符号化処理のような変調処理を施し、その結果得られた変調データをリーダ/ライタ回路15に送出する。
リーダ/ライタ回路15は、変復調回路14から与えられた変調データに対し、光ディスク2における記録層の特性、レーザ光のレーザスポット形状及び記録線速度等に応じたレーザ光の最適な記録用出力の微調整や波形調整等の記録補償処理を施し、その結果得られたレーザ制御信号をレーザドライバ9に送出する。そしてレーザドライバ9は、リーダ/ライタ回路15から与えられたレーザ制御信号を光ピックアップ3に送出する。
光ピックアップ3は、レーザドライバ9から与えられたレーザ制御信号に基づきレーザダイオードからレーザ光を間欠的に発射させ、当該発射させたレーザ光を対物レンズで集光させて光ディスク2のデータ記録面に照射する。これにより光ピックアップ3は、光ディスク2のデータ記録面に対しレーザ光の照射部分にピット(フェイズチェンジマーク)を形成する。このようにしてシステムコントローラ5は、光ディスク2のデータ記録面に対しピットとして記録対象のデータを記録することができる。
因みに光ピックアップ3は、レーザ光の出力監視用の受光素子(これを特に監視用受光素子とも呼ぶ)を有している。このため光ピックアップ3は、光ディスク2のデータ記録面でレーザ光が反射して得られる反射光の一部を監視用受光素子によって受光して光電変換する。これにより光ピックアップ3は、レーザ光の出力監視用の信号(これを出力監視用信号とも呼ぶ)を生成してレーザドライバ9に送出する。
レーザドライバ9は、APC(Auto Power Control)回路を有しており、光ピックアップ3のレーザダイオードを制御しながら、その光ピックアップ3から与えられた出力監視用信号をAPC回路に取り込む。これによりレーザドライバ9は、APC回路により出力監視用信号に基づきレーザ光の出力を監視するようにしてレーザ制御信号の値を適宜調整し、かくしてレーザ光の出力を周囲の温度の変化等によらずに一定の記録用出力となるように制御する。
またサーボ回路6は、光ディスク2のデータ記録面にデータを記録している間、例えばトラッキングエラー信号の低域成分として得られるスレッドエラー信号に基づきスレッド制御信号を生成し、これをスレッド機構部4に送出する。これによりサーボ回路6は、スレッド制御信号によりスレッド機構部4を駆動して光ピックアップ3をディスク半径方向へ徐々に移動させる。このようにしてサーボ回路6は、光ディスク2のデータ記録面に対しトラックに沿って記録対象のデータを記録させ得るようになされている。
一方、立上モードにおいてAVシステムAVSから再生命令が与えられると、システムコントローラ5は、再生モードに移行する。この際、システムコントローラ5は、AVシステムAVSによりデータ再生用のアドレス情報が指定されると、このときアドレス生成回路12から与えられたディスクアドレス情報(すなわち、その時点における光ディスク2のデータ記録面へのレーザ光の照射位置)をデータ再生用のアドレス情報と比較するようにして適宜、シーク指示信号を生成する。
システムコントローラ5は、シーク指示信号を生成すると、上述した記録モード時と同様にサーボ回路6を介して光ピックアップ3をシークさせる。またシステムコントローラ5は、このとき上述と同様にサーボ回路6を介して適宜、光ディスク2においてデータ再生用のトラックにレーザ光の照射位置を引き込むようにする。
またシステムコントローラ5は、このときレーザドライバ9に対し、レーザ光の再生用出力の値を指示する。よってレーザドライバ9は、システムコントローラ5の指示に応じて、再生用出力のレーザ光を連続的に発射させるためのレーザ制御信号を生成し、これを光ピックアップ3に送出する。
これにより光ピックアップ3は、レーザドライバ9から与えられたレーザ制御信号に基づきレーザダイオードから再生用出力のレーザ光を連続的に発射させ、当該発射させたレーザ光を対物レンズで集光させて光ディスク2のデータ記録面に照射する。また光ピックアップ3は、光ディスク2のデータ記録面でレーザ光が反射して得られる反射光を複数の受光素子によって受光して光電変換することにより光電変換信号を生成してマトリクス回路10に送出する。
マトリクス回路10は、光ピックアップ3から複数の光電変換信号が与えられると、これら光電変換信号をそれぞれ電圧値に変換した後、選択的に用いてマトリクス演算処理や増幅処理等を実行する。これによりマトリクス回路10は、これら光電変換信号に基づきフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号及びウォブル信号と共に、再生対象のデータに相当する高周波信号(これをRF信号とも呼ぶ)も生成する。そしてマトリクス回路10は、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号をサーボ回路6に送出し、かつウォブル信号をウォブル回路11に送出すると共に、RF信号をリーダ/ライタ回路15に送出する。
リーダ/ライタ回路15は、マトリクス回路10から与えられたRF信号に対し2値化処理を施し、その結果得られた変調データを変復調回路14に送出する。またリーダ/ライタ回路15は、このときRF信号を用いたPLL処理を実行することにより、再生用の動作クロックを生成する。そしてリーダ/ライタ回路15は、かかる再生用の動作クロックを各部に供給する。
変復調回路14は、このときリーダ/ライタ回路15から与えられている再生用の動作クロックに同期して動作する。そして変復調回路14は、リーダ/ライタ回路15から与えられた変調データに対し、ランレングスリミテッド復号処理のような復調処理を施し、その結果得られたエンコードデータをエンコーダ/デコーダ13に送出する。
エンコーダ/デコーダ13も、このときリーダ/ライタ回路15から与えられている再生用の動作クロックに同期して動作する。そしてエンコーダ/デコーダ13は、変復調回路14から与えられたエンコードデータをバッファリングしながら、当該エンコードデータに対しエラー検出訂正処理やデインタリーブ等のデコード処理を施して再生対象のデータを生成する。
またエンコーダ/デコーダ13は、AVシステムAVSの指示に応じて、再生対象のデータを所定データ単位分だけ生成する毎に、当該生成した所定データ単位分の再生対象のデータをAVシステムAVSに転送する。このようにしてシステムコントローラ5は、光ディスク2のデータ記録面に記録していたデータを再生することができる。
因みにスピンドル駆動回路7は、この際、例えばリーダ/ライタ回路15から与えられる再生用の動作クロックをもとに、現在のスピンドルモータ8の回転速度を検出する。またスピンドル駆動回路7は、その回転速度を、予め設定された例えば、光ディスク2を線速度一定で回転させるための規準速度と比較するようにして、スピンドルモータ8の回転速度が基準速度にどの程度合っているかを示すスピンドルエラー信号を生成する。
そしてスピンドル駆動回路7は、かかるスピンドルエラー信号に基づきスピンドル制御信号を生成し、これをスピンドルモータ8に送出する。これによりスピンドル駆動回路7は、スピンドル制御信号によりスピンドルモータ8を回転駆動させ、かくして光ディスク2を線速度一定で回転させる。
また光ピックアップ3は、再生モード時にも光ディスク2のデータ記録面でレーザ光が反射して得られる反射光の一部を監視用受光素子によって受光して光電変換し、その結果得られた出力監視用信号を生成してレーザドライバ9に送出する。そしてレーザドライバ9は、レーザダイオードを制御しながら、光ピックアップ3から与えられた出力監視用信号をAPC回路に取り込む。これによりレーザドライバ9は、APC回路により出力監視用信号に基づきレーザ光の出力を監視するようにしてレーザ制御信号の値を適宜調整し、かくしてレーザ光の出力を周囲の温度の変化等によらずに一定の再生用出力となるように制御する。
さらにサーボ回路6は、光ディスク2のデータ記録面に再生用出力のレーザ光が照射されている間、例えばトラッキングエラー信号の低域成分として得られるスレッドエラー信号に基づきスレッド制御信号を生成し、これをスレッド機構部4に送出する。これによりサーボ回路6は、スレッド制御信号によりスレッド機構部4を駆動して光ピックアップ3をディスク半径方向へ徐々に移動させる。このようにしてサーボ回路6は、光ディスク2のデータ記録面からトラックに沿って再生対象のデータを再生させ得るようになされている。
次いで、図4を用いて光ピックアップ3の構成について詳しく説明する。この光ピックアップ3は、レーザダイオード20を有し、当該レーザダイオード20にレーザドライバ9から与えられるレーザ制御信号を取り込んでいる。そして光ピックアップ3は、レーザダイオード20から発射したレーザ光L1を、コリメータレンズ21に通して平行光にした後、ビームスプリッタ22、及び収差補正用の液晶素子(これを収差補正用液晶素子とも呼ぶ)23に順次通し、さらに対物レンズ24で集光させて光ディスク2のデータ記録面に照射させる。
また光ピックアップ3は、光ディスク2のデータ記録面でレーザ光L1が反射して得られる反射光L2を、対物レンズ24及び収差補正用液晶素子23に順次通してビームスプリッタ22で反射させた後、コリメータレンズ25で集光して受光部26に設けられた複数の受光素子で受光する。そして光ピックアップ3は、受光部26の複数の受光素子で反射光L2を光電変換し、その結果得られる光電変換信号をマトリクス回路10に送出している。
ここで、対物レンズ24は、2軸アクチュエータ28により光軸方向及びディスク半径方向へ移動可能に保持されている。そして対物レンズ24は、2軸アクチュエータ28により光軸方向へ適宜移動すると、これに応じて光ディスク2のデータ記録面にレーザ光L1の焦点を合せることができる。さらに対物レンズ24は、2軸アクチュエータ28によりディスク半径方向へ適宜移動すると、これに応じて光ディスク2のデータ記録面においてトラックへレーザ光L1の照射位置を合せることができる。
また、収差補正用液晶素子23は、例えば、対向する2枚のガラス基板と、この2枚のガラス基板のそれぞれの内表面(つまり対向面)に配された1対の透明電極と、1対の透明電極の間に配向膜を介して封入された液晶とで構成され、1対の透明電極のうちの一方に複数の領域に分割された所定の電極パターンが形成されている。そして、収差補正用液晶素子23は、透明電極の領域ごとに印加される電圧に応じて、液晶の屈折率が変化して位相差を発生することにより、収差補正用液晶素子23を通過するレーザ光L1に位相変化を与えて収差を補正し得るようになされている。
実際上、この収差補正用液晶素子23には、補正する収差に応じた電極パターンが1対の透明電極のうちの一方に形成されるようになされ、この実施例では、例えば、図5に示すように、光ディスク2のラジアル(半径)方向のチルトに起因するコマ収差の補正に対応する電極パターンが形成されている。
すなわち、この透明電極30には、通過するレーザ光L1のスポットLSとほぼ同形状(つまり円形)の領域を3つの領域に分割した電極パターンが形成されている。具体的に言うと、この電極パターンは、スポットLSとほぼ同形状の円形の領域内に、この円形の領域を左右に二分する仮想の中心線Lを境にして、向き合うように1対の略半円径の領域30A及び30Bが設けられることで、円形の領域を、左側に位置する略半円径の領域(左側半円領域とも呼ぶ)30Aと、右側に位置する半円径の領域(右側半円領域とも呼ぶ)30Bとそれ以外の部分でなる領域(他部分領域とも呼ぶ)30Cとの3つの領域に分割するようになされている。
そして、この収差補正用液晶素子23は、透明電極30の電極パターンの左右方向が、光ディスク2のラジアル方向に対応するような向き(つまり、左側半円領域30Aが通過するレーザ光L1の光軸から見て光ディスク2の内周側、右側半円領域30Bが外周側となるような向き)で配置され、透明電極30の他部分領域30Cに印加される電圧を基準として、左側半円領域(これを内周側領域とも呼ぶ)30Aと、右側半円領域(これを外周側領域とも呼ぶ)30Bとのそれぞれに、電位差が生じるように電圧が印加されると、液晶の屈折率が変化して位相差を発生することで、収差を補正し得るようになされている。
次に、図6を用いて上述したサーボ回路6の内部構成について説明する。かかるサーボ回路6は、内部にDSP(Digital Signal Processor)40が設けられている。サーボ回路6は、マトリクス回路10からアナログのフォーカスエラー信号が与えられると、DSP40の前段で、そのフォーカスエラー信号を、アナログ/デジタル変換器41を介してデジタルのフォーカスエラーデータとして当該DSP40に送出する。
DSP40は、フォーカスエラーデータを、加算器42を介してフォーカスサーボ演算部43に取り込む。そしてDSP40は、フォーカスサーボ演算部43においてフォーカスエラーデータを用い位相補償等のフィルタリングやループゲイン処理等の所定の演算を行ってフォーカス制御データを生成する。
サーボ回路6は、DSP40においてデジタルのフォーカス制御データが生成されると、当該DSP40の後段で、そのフォーカス制御データを、デジタル/アナログ変換器44を介してアナログのフォーカス制御信号としてフォーカスドライバ45に送出する。これによりサーボ回路6は、フォーカスドライバ45からフォーカス制御信号を光ピックアップ3の2軸アクチュエータ28(図4)に送出して駆動する。このようにしてサーボ回路6は、対物レンズ24(図4)を光軸方向へ移動させ、かくして光ディスク2のデータ記録面にレーザ光L1の焦点を追従させる。
またサーボ回路6は、マトリクス回路10からアナログのトラッキングエラー信号が与えられると、DSP40の前段で、そのトラッキングエラー信号を、アナログ/デジタル変換器46を介してデジタルのトラッキングエラーデータとして当該DSP40に送出する。DSP40は、トラッキングエラーデータをトラッキングサーボ演算部47に取り込む。そしてDSP40は、トラッキングサーボ演算部47においてトラッキングエラーデータを用い位相補償等のフィルタリングやループゲイン処理等の所定の演算を行ってトラッキング制御データを生成する。
サーボ回路6は、DSP40においてデジタルのトラッキング制御データが生成されると、当該DSP40の後段で、そのトラッキング制御データを、デジタル/アナログ変換器48を介してアナログのトラッキング制御信号としてトラッキングドライバ49に送出する。これによりサーボ回路6は、トラッキングドライバ49からトラッキング制御信号を光ピックアップ3の2軸アクチュエータ28に送出して駆動する。このようにしてサーボ回路6は、対物レンズ24をディスク半径方向へ移動させ、かくして光ディスク2のデータ記録面においてトラックのレーザ光L1の照射位置を追従させる。
さらにサーボ回路6のDSP30には、収差補正用液晶素子23の駆動電圧(つまり透明電極に印加する電圧)を設定する液晶駆動電圧設定部50が設けられている。そしてシステムコントローラ5は、例えば立上モード時に実行するコマ収差補正処理(後述する)の結果として得られた、コマ収差を補正し得るよう収差補正用液晶素子23を駆動させる駆動データをDSP40の液晶駆動電圧設定部50に送出する。
液晶駆動電圧設定部50は、収差補正用液晶素子23の駆動電圧をこの駆動データに対応する電圧に設定して、この駆動電圧を示す駆動電圧データを、DSP30の後段のデジタル/アナログ変換器51に送出する。そしてサーボ回路6は、駆動電圧データを、デジタル/アナログ変換器51を介してアナログの駆動電圧信号として液晶ドライバ52に送出する。液晶ドライバ52は、この駆動電圧信号に応じた駆動電圧を収差補正用液晶素子23の透明電極に印加することで、コマ収差を補正し得るよう収差補正用液晶素子23を駆動する。このようにして収差補正用液晶素子23を駆動することにより、サーボ回路6は、コマ収差を補正し得るようになされている。
またサーボ回路6のDSP40には、トラッキングエラー信号に生じる誤差を補正するための補正値(以下、これをフォーカスバイアスと呼ぶ)を記憶するフォーカスバイアス記憶部53も設けられている。そしてシステムコントローラ5は、例えば上述した立上モード時にアナログのフォーカスバイアスを求め、これをデジタル化してDSP40のフォーカスバイアス記憶部53に送出し記憶している。
よってDSP40は、実際には光ディスク2のデータ記録面にレーザ光L1が照射されるとき、フォーカスバイアス記憶部53からフォーカスバイアスを読み出す。そしてDSP40は、そのフォーカスバイアスを加算器42に送出することにより、当該加算器42においてフォーカスエラーデータにフォーカスバイアスを加算し、その結果結果をフォーカスサーボ演算部43に送出している。
これによりDSP40は、フォーカスサーボ演算部43において、単にフォーカスエラーデータを用いてフォーカス制御データを演算するわけではなく、そのフォーカスエラーデータを、フォーカスバイアスを加算し誤差を補正したうえで用いてフォーカス制御データを演算している。従ってサーボ回路6は、このようにDSP40においてフォーカスバイアスにより誤差を補正したフォーカスエラーデータに基づいて得たフォーカス制御データをフォーカス制御信号として光ピックアップ3の2軸アクチュエータ28に供給している。
これによりサーボ回路6は、フォーカスエラー信号の誤差をフォーカスバイアスにより補正した状態でフォーカスサーボループを形成することができる。よってサーボ回路6は、かかるフォーカスサーボループにより、光ディスク2のデータ記録面にレーザ光L1の焦点を的確に追従させ得るようになされている。
(2)コマ収差補正処理
次に、上述した収差補正用液晶素子23を用いたコマ収差補正処理について説明する。実際にシステムコントローラ5は、立上モード時において、コマ収差補正処理を実行する。
このとき、マトリクス回路10は、光ディスク2のデータ記録面においてトラックにレーザ光が照射されていることにより、システムコントローラ5の制御のもと、光ピックアップ3から与えられる複数の光電変換信号に基づきフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号及びウォブル信号と共に、RF信号(すなわち、光ディスク2に記録されているデータに相当する高周波信号)も生成する。そしてマトリクス回路10は、そのRF信号をリーダ/ライタ回路15に送出する。
リーダ/ライタ回路15は、マトリクス回路10からRF信号が与えられると、そのRF信号に生じているジッタ(すなわち、変動成分)を測定する。ここでRF信号に生じているジッタは、RF信号が表現する情報の遷移の時間的なずれを表す物理量である。そしてリーダ/ライタ回路15は、このようにジッタを測定すると、当該測定したジッタをジッタ測定信号としてシステムコントローラ5に送出する。
そしてシステムコントローラ5は、収差補正用液晶素子23を駆動させる駆動データに示す、収差補正用液晶素子23の駆動電圧に対応する液晶駆動ステップ量(詳しくは後述する)を変化させサーボ回路6に送出する。サーボ回路6は、このときDSP40の液晶駆動電圧設定部50により収差補正用液晶素子23の駆動電圧をこの駆動データが示す液晶駆動ステップ量に対応する電圧に設定する。そしてサーボ回路6は、設定したその駆動電圧をDSP40の液晶ドライバ52により光ピックアップ3の収差補正用液晶素子23に印加することで収差補正用液晶素子23を駆動させる。
このようにしてシステムコントローラ5は、駆動データに示す液晶駆動ステップ量を変化させて収差補正用液晶素子23の駆動電圧を変化させながら、リーダ/ライタ回路15から与えられるジッタ測定信号が示すジッタの値を監視し、当該ジッタの値が最小になったときの液晶駆動ステップ量を検出する。そしてシステムコントローラ5は、このときに検出した液晶駆動ステップ量を、コマ収差を補正できる位相差を発生する液晶駆動ステップ量(これを収差補正ステップ量とも呼ぶ)と認識して、この収差補正ステップ量を示す駆動データをサーボ回路6に送出する。
この結果、サーボ回路6は、以後、DSP30により駆動データが示す収差補正ステップ量に基づいて収差補正用液晶素子23を駆動させることで、収差補正用液晶素子23でコマ収差を補正する。
このように、システムコントローラ5は、収差補正処理を実行することでコマ収差を補正し得るよう収差補正用液晶素子23を駆動させる駆動データ(液晶駆動ステップ量)を得て、この駆動データに基づいて収差補正用液晶素子23を駆動させることで、以後、コマ収差を補正し得るようになされている。
ところで、収差補正用液晶素子23で発生する位相差は、透明電極30の内周側領域30Aへの印加電圧と外周側領域30Bへの印加電圧との電位差により決まる。実際上、これら内周側領域30Aと外周側領域30Bとのそれぞれに発生する位相量は、図7(A)の右下がりの特性曲線に示すように、印加電圧が所定範囲内(最大値Vmax〜最小値Vminの範囲内)であれば、印加電圧が高いほど小さく印加電圧が低いほど大きくなる。
ゆえに、透明電極30で発生可能な位相差(つまり位相量の差)をできる限り大きくするには、内周側領域30Aへの印加電圧と外周側領域30Bへの印加電圧とに、最大値Vmax近傍の高い電圧Vhから、最小値Vmin近傍の低い電圧Vlまでの範囲の電圧を利用する必要があり、実際上、ここでは、このような範囲の電圧を利用するようになされている。
すなわち、収差補正用液晶素子23では、例えば、内周側領域30Aに対して最小値Vmin近傍の低い電圧Vlを印加(最大位相量Phが発生)すると共に、外周側領域30Bに対して最大値Vmax近傍の高い電圧Vhを印加(最小位相量Plが発生)した場合に、またはその逆の場合に、発生する位相差の絶対値が最大(最大位相量Ph−最小位相量Pl)となる。ここで、他部分領域30Cには、最大位相量Phと最小位相量Plとの中間となる位相量(最大位相量Ph+最小位相量Pl/2)が発生する場合の電圧Vs(ただし最大電圧値Vmax+最小電圧値Vmin/2ではない)が常に印加されるようになされており、この電圧Vsが各領域30A〜30Cに電圧を印加するうえでの基準電圧となる。
したがって、収差補正用液晶素子23は、基準電圧Vsを基準として、内周側領域30Aと外周側領域30Bとに電位差が生じるように電圧が印加されることで、位相差を発生し得るようになされている。
また、収差補正用液晶素子23を駆動させるうえで、システムコントローラ5側では、位相量に対して非線形に変化する電圧Vを用いるのではなく、図7(B)に示すように位相量に対して線形に変化する液晶駆動ステップ量Xを用いて収差補正用液晶素子23の駆動を制御するようになされている。
この液晶駆動ステップ量Xは、位相量に対して非線形に変化する電圧Vを、位相量に対して線形に変化する量に変換したものであり、最大位相量Phが発生する場合の電圧Vlが最小液晶駆動ステップ量Xlに対応し、最小位相量Plが発生する場合の電圧Vhが最大液晶駆動ステップ量Xhに対応し、さらに最大位相量Phから最小位相量Plまでの位相量に対応する電圧Vが、最小液晶駆動ステップ量Xlから最大液晶駆動ステップ量Xhまで直線的に変化する液晶駆動ステップ量Xに対応するものである。
またこの場合、最大位相量Phと最小位相量Plとの中間となる位相量(最大位相量Ph+最小位相量Pl/2)が発生する場合の基準電圧Vsが、最大液晶駆動ステップ量Xhと最小液晶駆動ステップ量Xlとの中間となる液晶駆動ステップ量(これを基準液晶駆動ステップ量とも呼ぶ)Xsに対応する。
そして、システムコントローラ5は、基準液晶駆動ステップ量Xsを基準にして、収差補正用液晶素子23で所望の位相差が得られるように、内周側領域30Aに印加する電圧Vを示す液晶駆動ステップ量Xa(例えばXa<Xs)と、外周側領域30Bに印加する電圧Vを示す液晶駆動ステップ量Xb(例えばXb>Xs)とを設定する。
ここで、液晶駆動ステップ量Xは位相量に対して線形に変化することから、基準液晶駆動ステップ量Xsと液晶駆動ステップ量Xaとの差分値|Xs−Xa|と、基準液晶駆動ステップ量Xsと液晶駆動ステップ量Xbとの差分値|Xs−Xb|は常に等しく、この差分値が大きいほど収差補正用液晶素子23で発生する位相差が大きくなる。そして、システムコントローラ5側では、この差分値を、位相差発生ステップ量Yとして用いるようになされている。
つまり、この位相差発生ステップ量Yは、図8に示すように、位相差に対して線形に変化する量であり、システムコントローラ5は、この位相差発生ステップ量Yを用いて収差補正用液晶素子23で発生させる位相差を制御するようになされている。実際上、例えば、この位相差発生ステップ量Yが0であれば、収差補正用液晶素子23で発生する位相差は0となり、この位相差発生ステップ量Yが最大位相差発生ステップ量Ym(例えば、内周側領域30Aでの差分値|Xs−Xl|と、外周側領域30Bでの差分値|Xs−Xh|)であれば、位相差が最大(最大位相量Ph−最小位相量Pl)となる。
また、位相差と位相差発生ステップ量Yとが取り得る範囲は、+の範囲(位相差が0〜(Ph−Pl)で位相差発生ステップ量Yが0〜Ymの範囲)にくわえて、−の範囲(位相差が0〜−(Ph−Pl)で位相差発生ステップ量Yが0〜−Ymの範囲)があり、−の範囲でも符号が異なるだけで、位相差と位相差発生ステップ量Yとの関係は同一である。
具体的に言うと、例えば、内周側領域30Aに印加する電圧Vを低くすると共に外周側領域30Bに印加する電圧Vを高くして位相差(これを+の位相差とする)を発生させる場合に、+の位相差発生ステップ量Yが用いられ、一方で内周側領域30Aに印加する電圧Vを高くすると共に外周側領域30Bに印加する電圧Vを低くして位相差(これを−の位相差とする)を発生させる場合に、−の位相差発生ステップ量Yが用いられる。
つまり、システムコントローラ5は、内周側領域30Aに印加する電圧Vを低くすると共に外周側領域30Bに印加する電圧Vを高くして+の位相差を発生させる場合には、内周側領域30Aに対する液晶駆動ステップ量XaをXs−Yに設定すると共に、外周側領域30Bに対する液晶駆動ステップ量XbをXs+Yに設定し、一方で内周側領域30Aに印加する電圧Vを高くすると共に外周側領域30Bに印加する電圧Vを低くして−の位相差を発生させる場合には、内周側領域30Aに対する液晶駆動ステップ量XaをXs+Yに設定すると共に、外周側領域30Bに対する液晶駆動ステップ量XbをXs−Yに設定するようになされている。
ここで、+の位相差は、光ディスク2のチルト量が0度である場合を基準にして+方向の角度である場合に生じるコマ収差の補正に対応する位相差である。ゆえに、+の位相差の最大値(Ph−Pl)が、許容可能なチルト量の+方向の最大値(ここでは+1.0度とする)に対応する。一方で、−の位相差は、光ディスク2のチルト量が−方向の角度である場合に生じるコマ収差の補正に対応する位相差である。ゆえに、−の位相差の最小値(−(Ph−Pl))が許容可能なチルト量の−方向の最大値(ここでは−1.0度とする)に対応する。
ゆえに、収差補正用液晶素子23では、光ディスク2のチルト量が±1.0度の範囲であれば、コマ収差を補正することができるようになされている。
そして、システムコントローラ5は、液晶駆動ステップ量Xa及びXbを変化させて(つまり位相差発生ステップ量Yを変化させて)収差補正用液晶素子23で発生させる位相差を+方向または−方向に変化させながら、ジッタの値を監視して、ジッタの値が最小になったときの液晶駆動ステップ量Xa及びXbを検出する。
具体的に言うと、システムコントローラ5は、まず光ディスクのチルト量が0度である場合に対応する位相差を発生するよう収差補正用液晶素子23を駆動させる。ここで、チルト量が0度の場合には、コマ収差が発生しないので、位相差が0となるよう駆動させればよい。ゆえに、このときシステムコントローラ5は、液晶駆動ステップ量XaをXs、液晶駆動ステップ量XbをXsに設定して、これらを示す駆動データをサーボ回路6に送出する。
サーボ回路6は、DSP40の液晶駆動電圧設定部50により収差液晶補正素子23の駆動電圧をこの駆動データが示す液晶駆動ステップ量Xa及びXbに対応する電圧に設定する。この結果、図9(A)に示すように、収差補正用液晶素子23の内周側領域30Aには、液晶駆動ステップ量Xa(この場合Xs)に対応する基準電圧Vsが印加され、外周側領域30Bには、液晶駆動ステップ量Xb(この場合Xs)に対応する基準電圧Vsが印加される。そして他部分領域30Cには基準電圧Vsが印加されるよう規定されていることから、この場合、内周側領域30Aと、外周側領域30Bと、他部分領域30Cとの全てに同じ基準電圧Vsが印加されることから、収差補正用液晶素子23で発生する位相差が0となる。
ここで、システムコントローラ5は、ジッタの値を取得する。そして、システムコントローラ5は、次に、光ディスクのチルト量が−Z度(例えば−0.25度)の場合に対応する−の位相差を発生するよう収差補正用液晶素子23を駆動させる。すなわち、このときシステムコントローラ5は、液晶駆動ステップ量XaをXs+Y1、液晶駆動ステップ量XbをXs−Y1に設定して、これらを示す駆動データをサーボ回路6に送出する。
サーボ回路6は、DSP40の液晶駆動電圧設定部50により収差液晶補正素子23の駆動電圧をこの駆動データが示す液晶駆動ステップ量Xa及びXbに対応する電圧に設定する。この結果、図9(B)に示すように、収差補正用液晶素子23の内周側領域30Aには、液晶駆動ステップ量Xa(この場合Xs+Y1)に対応する電圧(Vs+V1)が印加され、外周側領域30Bには、液晶駆動ステップ量Xb(この場合Xs−Y1)に対応する電圧(Vs−V2)が印加される。そして他部分領域30Cには基準電圧Vsが印加されるよう規定されていることから、この場合、内周側領域30Aに印加される電圧の方が外周側領域30Bに印加される電圧より高くなり、収差補正用液晶素子23で発生する位相差が−の位相差となる。
ここで、システムコントローラ5は、ジッタの値を取得する。そして、システムコントローラ5は、次に、光ディスクのチルト量が+Z度(例えば+0.25度)の場合に対応する+の位相差を発生するよう収差補正用液晶素子23を駆動させる。すなわち、このときシステムコントローラ5は、液晶駆動ステップ量XaをXs−Y1、液晶駆動ステップ量XbをXs+Y1に設定して、これらを示す駆動データをサーボ回路6に送出する。
サーボ回路6は、DSP40の液晶駆動電圧設定部50により収差液晶補正素子23の駆動電圧をこの駆動データが示す液晶駆動ステップ量Xa及びXbに対応する電圧に設定する。この結果、図9(C)に示すように、収差補正用液晶素子23の内周側領域30Aには、液晶駆動ステップ量Xa(この場合Xs−Y1)に対応する電圧(Vs−V2)が印加され、外周側領域30Bには、液晶駆動ステップ量Xb(この場合Xs+Y1)に対応する電圧(Vs+V1)が印加される。そして他部分領域30Cには基準電圧Vsが印加されるよう規定されていることから、この場合、内周側領域30Aに印加される電圧の方が外周側領域30Bに印加される電圧より低くなり、収差補正用液晶素子23で発生する位相差が+の位相差となる。
ここで、システムコントローラ5は、ジッタの値を取得する。そして、システムコントローラ5は、ここまでに得られたジッタの値を参照して、チルト量を0度としたときに得られたジッタの値が最小であれば、そのときの液晶駆動ステップ量Xa及び液晶駆動ステップ量Xbを採用する。
また、チルト量を−0.25度としたときに得られたジッタの値が最小であれば、システムコントローラ5は、少なくともチルト量が−0.25度よりも−方向の角度であると認識して、さらにチルト量が−0.25度−Z度(つまり−0.5度)の場合に対応する−の位相差を発生するよう収差補正用液晶素子23を駆動させて、このときのジッタの値を取得する。そして、ここまでに得られたジッタの値のうち、チルト量を−0.25度としたときに得られたジッタの値が最小であれば、そのときの液晶駆動ステップ量Xa(この場合Xs+Y1及び液晶駆動ステップ量Xb(この場合Xs−Y1)を採用する。
また、チルト量を−0.5度としたときに得られたジッタの値が最小であれば、システムコントローラ5は、少なくともチルト量が−0.5度よりも−方向の角度であると認識して、さらにチルト量が−0.5度−Z度(つまり−0.75度)の場合に対応する−の位相差を発生するよう収差補正用液晶素子23を駆動させて、このときのジッタの値を取得する。
このようにして、システムコントローラ5は、チルト量が−方向の角度であるならば、収差補正用液晶素子23で発生する位相差を−方向に変化させながら、ジッタの値が最小になったとき(つまり収差補正用液晶素子23で発生する位相差によりコマ収差が補正されたとき)の液晶駆動ステップ量X(Xa及びXb)を検出するようになされている。
これに対して、チルト量を+0.25度としたときに得られたジッタの値が最小であれば、システムコントローラ5は、少なくともチルト量が+0.25度よりも+方向の角度であると認識して、さらにチルト量が+0.25度+Z度(つまり+0.5度)の場合に対応する+の位相差を発生するよう収差補正用液晶素子23を駆動させて、このときのジッタの値を取得する。そして、ここまでに得られたジッタの値のうち、チルト量を+0.25度としたときに得られたジッタの値が最小であれば、そのときの液晶駆動ステップ量Xa(この場合Xs−Y1)及び液晶駆動ステップ量Xb(この場合Xs+Y1)を採用する。
また、チルト量を+0.5度としたときに得られたジッタの値が最小であれば、システムコントローラ5は、少なくともチルト量が+0.5度よりも+方向の角度であると認識して、さらにチルト量が+0.5度+Z度(つまり+0.75度)の場合に対応する+の位相差を発生するよう収差補正用液晶素子23を駆動させて、このときのジッタの値を取得する。
このようにして、システムコントローラ5は、チルト量が+方向の角度であるならば、収差補正用液晶素子23で発生する位相差を+方向に変化させながら、ジッタの値が最小になったとき(つまり収差補正用液晶素子23で発生する位相差によりコマ収差が補正されたとき)の液晶駆動ステップ量X(Xa及びXb)を検出するようになされている。
このようにして、システムコントローラ5は、コマ収差を補正するよう収差補正用液晶素子23を駆動させるための液晶駆動ステップ量X(Xa及びXb)を検出するようになされ、この検出した液晶駆動ステップ量X(Xa及びXb)をサーボ回路6に送出することにより、収差補正用液晶素子23でコマ収差を補正し得るようになされている。
ところで、収差補正用液晶素子23では、液晶に電圧が印加されてから位相変化が完了するまでに時間を要する。この時間を位相変化時間と呼び、この位相変化時間は、図1の特性曲線に示したように、液晶駆動前の印加電圧が高いほど短く印加電圧が低いほど長くなる(ただし、液晶駆動前の印加電圧と液晶駆動後の印加電圧との電位差が所定範囲内である場合に限る)。
ここで、収差補正処理での収差補正の精度を低下させることなく収差補正処理に要する時間を短くするためには、収差補正用液晶素子23の位相変化が完了したとみなす静定時間を、位相変化時間に正確に合わせる必要がある。実際上、収差補正処理では、上述したように、少なくとも3回以上、液晶駆動ステップ量X(Xa及びXb)を変化させて収差補正用液晶素子23を駆動させる必要があるため、静定時間を位相変化時間に正確に合わせることがより重要となる。
そこで、この実施例では、あらかじめ収差補正用液晶素子23を用いて液晶駆動ステップ量Xを上述した収差補正処理と同様の変化分で変化させながら、液晶駆動前の印加電圧Vに対応する液晶駆動前の液晶駆動ステップ量(これを駆動前ステップ量とも呼ぶ)Xbeごとに位相変化時間を測定し、その結果得られた駆動前ステップ量Xbeと位相変化時間との関係(駆動前ステップ量Xbeが小さいほど位相変化時間が長い)を表す特性曲線に近似する、図10に示すような、駆動前ステップ量Xbeを変数とする関数f(Xbe)を求め、その関数f(Xbe)の係数を例えばシステムコントローラ5の内部メモリに記憶させておく。そして、システムコントローラ2は、内部メモリに記憶された係数でなる関数f(Xbe)に基づき、駆動前ステップ量Xbeから位相変化時間を予測して、その位相変化時間に静定時間を設定するようになされている。
ここで、あらかじめ収差補正用液晶素子23を用いて液晶駆動ステップ量Xを上述した収差補正処理と同様の変化分で変化させる場合が、液晶駆動前の印加電圧Vに対応する液晶駆動前の液晶駆動ステップ量(これを駆動前ステップ量とも呼ぶ)Xbeに対して、2つ以上ある場合は、複数の液晶駆動ステップ量Xの位相変化時間が最も長いものを採用し、特性曲線の近似を行うようにする。実際上、例えば、0度、−0.25度、+0.25度の順に測定後の駆動前ステップ量Xbeは、+0.25度に対応したステップ量であり、次回の変化後の液晶駆動ステップ量(つまり液晶駆動させるときの印加電圧Vに対応する液晶駆動ステップ量であり、これを目標駆動ステップ量とも呼ぶ)Xafは、0度が最もジッタが低い場合Xafは0度相当のステップ量、−0.25度が最もジッタが低い場合Xafはー0.5度相当のステップ量、+0.25度が最もジッタが低い場合Xafは+0.5度相当のステップ量となり、ひとつのXbeに対して3パターンのXafが存在することになる。
かくして、システムコントローラ5では、収差補正用液晶素子23の静定時間を位相変化時間に正確に合わせることができるので、収差補正処理での収差補正の精度を低下させることなく収差補正処理に要する時間を短くすることができる。
ちなみに、システムコントローラ5は、収差補正処理を実行する場合、上述したように、内周側領域30Aに印加する電圧を示す液晶駆動ステップ量Xaと、外周側領域30Bに印加する電圧を示す液晶駆動ステップ量Xbとにより収差補正用液晶素子23を駆動させるようになされているので、液晶駆動前の液晶駆動ステップ量Xa及びXbのうちの値が小さい方(つまり位相変化時間が長い方)を、駆動前ステップ量Xbeとして、静定時間を設定するようになされている。
(3)コマ収差補正処理手順
次に、上述したコマ収差補正処理の手順について、図11及び図12に示すフローチャートを用いて詳しく説明する。ちなみに、このコマ収差補正処理手順は、システムコントローラ5が、内部メモリに記憶されているプログラムにしたがって実行する処理である。
システムコントローラ5は、例えば、電源投入後に立上モードに移行すると、コマ収差補正処理手順RT1を開始して、ステップSP1(図11)に移る。ステップSP1においてシステムコントローラ5は、このときリーダ/ライタ回路15から与えられるジッタ測定信号からジッタの値を取得して、次のステップSP2に移る。なお、電源投入直後の収差補正用液晶素子23は、内周側領域30A及び外周側領域30Bに基準電圧Vsが印加されて、チルト量が0度である場合に対応する位相差を発生するよう駆動させられている。
ステップSP2においてシステムコントローラ5は、このときの収差補正用液晶素子23に対する駆動前ステップ量Xbe(つまりチルト量が0度である場合に対応する位相差を発生するよう収差補正用液晶素子23を駆動させた液晶駆動ステップ量X)から位相変化時間を計算し、その位相変化時間に静定時間を設定して、次のステップSP3に移る。
ステップSP3においてシステムコントローラ5は、光ディスク2のチルト量が−Z度である場合に対応する位相差を発生するよう収差補正用液晶素子23を駆動させると共に、静定時間のカウントを開始して、次のステップSP4に移る。
ステップSP4においてシステムコントローラ5は、静定時間が経過するまで待ち受け、静定時間が経過すると、収差補正用液晶素子23での位相変化が完了したと認識して、次のステップSP5に移る。ステップSP5においてシステムコントローラ5は、このときリーダ/ライタ回路15から与えられるジッタ測定信号からジッタの値を取得して、次のステップSP6に移る。
ステップSP6においてシステムコントローラ5は、このときの収差補正用液晶素子23に対する駆動前ステップ量Xbe(つまりステップSP3で収差補正用液晶素子23を駆動させた液晶駆動ステップ量X)から位相変化時間を計算し、その位相変化時間に静定時間を設定して、次のステップSP7に移る。
ステップSP7においてシステムコントローラ5は、光ディスク2のチルト量が+Z度である場合に対応する位相差を発生するよう収差補正用液晶素子23を駆動させると共に、静定時間のカウントを開始して、次のステップSP8に移る。
ステップSP8においてシステムコントローラ5は、静定時間が経過するまで待ち受け、静定時間が経過すると、収差補正用液晶素子23での位相変化が完了したと認識して、次のステップSP9に移る。ステップSP9においてシステムコントローラ5は、このときリーダ/ライタ回路15から与えられるジッタ測定信号からジッタの値を取得して、次のステップSP10(図12)に移る。
ステップSP10においてシステムコントローラ5は、ここまでに得られた3つのジッタの値を、チルト量の順(この場合、−Z度、0度、+Z度の順)に並べて、次のステップSP11に移る。ステップSP11においてシステムコントローラ5は、チルト量の順に並べた3つのジッタの値のうち、中央のジッタの値(この場合、0度のときのジッタの値)が最小であるかどうを判定する。
このステップSP11で肯定結果を得ると、このときシステムコントローラ5は、ステップSP12に移り、中央のジッタの値が得られたチルト量(この場合、0度)に対応する位相差を発生するよう収差補正用液晶素子23を駆動させればコマ収差を補正することができると判断して、このチルト量に対応する位相差を発生するよう収差補正用液晶素子23を駆動させて、この収差補正処理手順RT1を終了する。
これに対して、上述のステップSP11で否定結果を得ると、このときシステムコントローラ5は、ステップSP13に移る。ステップSP13においてシステムコントローラ5は、チルト量の順に並べた3つのジッタの値のうち、+方向のジッタの値(この場合、+Z度のときのジッタの値)が最小であるかどうを判定する。
このステップSP13で肯定結果を得ると、このときシステムコントローラ5は、ステップSP14に移り、このときの収差補正用液晶素子23に対する駆動前ステップ量Xbe(つまり収差補正用液晶素子23を前回駆動させたときの液晶駆動ステップ量X)から位相変化時間を計算し、その位相変化時間に静定時間を設定して、次のステップSP15に移る。
ステップSP15においてシステムコントローラ5は、光ディスク2の+方向のチルト量がさらに+Z度(この場合、+2Z度)である場合に対応する位相差を発生するよう収差補正用液晶素子23を駆動させると共に、静定時間のカウントを開始して、次のステップSP16に移る。
ステップSP16においてシステムコントローラ5は、静定時間が経過するまで待ち受け、静定時間が経過すると、収差補正用液晶素子23での位相変化が完了したと認識して、次のステップSP17に移る。ステップSP17においてシステムコントローラ5は、このときリーダ/ライタ回路15から与えられるジッタ測定信号からジッタの値を取得して、次のステップSP18に移る。
ステップSP18においてシステムコントローラ5は、ここまでに得られた4つのジッタの値(この場合、−Z度のときの値と、0度のときの値と、+Z度のときの値と、+2Zのときの値)のうち、ステップSP18でのチルト量(+2Z度)から最も離れたチルト量のときのジッタの値(この場合、−Z度のときの値)を削除して、再びステップSP10に戻る。
ステップSP10に戻ったシステムコントローラ5は、ここまでに得られた3つのジッタの値を、チルト量の順(この場合、0度、+Z度、+2Z度の順)に並べて、次のステップSP11に移り、チルト量の順に並べた3つのジッタの値のうち、中央のジッタの値(この場合、+Z度のときのジッタの値)が最小であるかどうを判定する。そして、システムコントローラ5は、このステップSP11で肯定結果が得られるまで、ステップSP13〜SP18までの処理を、チルト量を+方向に変化させながら繰り返す。
これに対して、上述のステップSP13で否定結果を得ると、このときシステムコントローラ5は、ステップSP19に移り、このときの収差補正用液晶素子23に対する駆動前ステップ量Xbe(つまり収差補正用液晶素子23を前回駆動させたときの液晶駆動ステップ量X)から位相変化時間を計算し、その位相変化時間に静定時間を設定して、次のステップSP20に移る。
ステップSP20においてシステムコントローラ5は、光ディスク2の−方向のチルト量がさらに−Z度(この場合、−2Z度)である場合に対応する位相差を発生するよう収差補正用液晶素子23を駆動させると共に、静定時間のカウントを開始して、次のステップSP21に移る。
ステップSP21においてシステムコントローラ5は、静定時間が経過するまで待ち受け、静定時間が経過すると、収差補正用液晶素子23での位相変化が完了したと認識して、次のステップSP22に移る。ステップSP22においてシステムコントローラ5は、このときリーダ/ライタ回路15から与えられるジッタ測定信号からジッタの値を取得して、次のステップSP23に移る。
ステップSP23においてシステムコントローラ5は、ここまでに得られた4つのジッタの値(この場合、−2Z度のときの値と、−Z度のときの値と、0度のときの値と、+Z度のときの値)のうち、ステップSP20でのチルト量(−2Z度)から最も離れたチルト量のときのジッタの値(この場合、+Z度のときの値)を削除して、再びステップSP10に戻る。
ステップSP10に戻ったシステムコントローラ5は、ここまでに得られた3つのジッタの値を、チルト量の順(この場合、−2Z度、−Z度、0度の順)に並べて、次のステップSP11に移り、チルト量の順に並べた3つのジッタの値のうち、中央のジッタの値(この場合、−Z度のときのジッタの値)が最小であるかどうを判定する。そして、システムコントローラ5は、このステップSP11で肯定結果が得られるまで、ステップSP13〜SP23までの処理を、チルト量を−方向に変化させながら繰り返す。
このような収差補正処理手順RT1にしたがって、システムコントローラ5は、立上モード時に、コマ収差を補正するよう収差補正液晶素子23を駆動させるようになされている。
(4)動作及び効果
以上の構成において光ディスク装置2では、液晶駆動ステップ量Xを上述した収差補正処理と同様の変化分で変化させながら、液晶駆動前の印加電圧Vに対応する駆動前ステップ量Xbeごとに位相変化時間を測定し、その結果得られた駆動前ステップ量Xbeと位相変化時間との関係を表す特性曲線に近似する、駆動前ステップ量Xbeを変数とする関数f(Xbe)を求め、その関数f(Xbe)の係数を例えばシステムコントローラ5の内部メモリに記憶させておく。
そして、光ディスク装置2のシステムコントローラ5は、収差補正処理時に、内部メモリに記憶された係数でなる関数f(Xbe)に基づき、収差補正用液晶素子23に対する駆動前ステップ量Xbeから位相変化時間を予測して、その位相変化時間に静定時間を設定する。
こうすることで、システムコントローラ5では、収差補正用液晶素子23の静定時間を位相変化時間に正確に合わせることができるので、収差補正処理での収差補正の精度を低下させることなく収差補正処理に要する時間を短くすることができる。
以上の構成によれば、収差補正用液晶素子23への電圧印加後の静定時間を、駆動前ステップ量Xbeと、その変化分(つまり駆動させたときの液晶駆動ステップ量X)とに基づいて算出するようにしたことにより、常にそのときどきの位相変化時間に合った静定時間を設定することができ、かくして収差補正用液晶素子23を利用した収差補正の精度を十分確保しつつ、収差補正に要する時間を短縮することができる。
(5)他の実施の形態
なお上述の実施の形態では、あらかじめ収差補正用液晶素子23を用いて液晶駆動ステップ量Xを上述した収差補正処理と同様の変化分で変化させながら、液晶駆動前の印加電圧Vに対応する駆動前ステップ量Xbeごとに位相変化時間を測定し、その結果得られた駆動前ステップ量Xbeと位相変化時間との関係を表す特性曲線に近似する1の関数f(Xbe)を求めて、その係数を記憶させておくようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、図13(A)に示すように、駆動前ステップ量Xbeと位相変化時間との関係を表す特性曲線を、駆動前ステップ量XbeがX1以下の範囲、駆動前ステップ量XbeがX1〜X2の範囲、駆動前ステップ量XbeがX2以上の範囲とに区分して、駆動前ステップ量XbeがX1以下の範囲の部分に近似する関数f1(Xbe)と、駆動前ステップ量XbeがX1〜X2の範囲の部分に近似する関数f2(Xbe)と、駆動前ステップ量XbeがX2以上の範囲の部分に近似するf3(Xbe)とを求めて、それぞれの係数を記憶させておくようにしてもよい。
この場合、システムコントローラ5は、関数f1(Xbe)、f2(Xbe)、f3(Xbe)のうちの駆動前ステップ量Xbeがその範囲に含まれる関数の係数を読み出して、その係数でなる関数に基づき、駆動前ステップ量Xbeから位相変化時間を予測して、静定時間を設定するようにすればよい。
このようにすれば、駆動前ステップ量Xbeと位相変化時間との関係を表す特性曲線を1の関数f(Xbe)で近似する場合よりも、より正確に位相変化時間に合った静定時間を設定することができる。
また、これに限らず、あらかじめ収差補正用液晶素子23を用いて液晶駆動前の印加電圧Vに対応する駆動前ステップ量Xbeを収差補正処理と同様の変化分で変化させながら位相変化時間を測定して、駆動前ステップ量Xbeごとの位相変化時間を示す表データを記憶ささせておくようにしてもよい。
すなわち、図13(B)に示すように、駆動前ステップ量XbeがX1のときの位相変化時間tがt1、駆動前ステップ量XbeがX2のときの位相変化時間tがt2、駆動前ステップ量XbeがX3のときの位相変化時間tがt3、駆動前ステップ量XbeがXnのときの位相変化時間tがtnであることを示す表データを記憶させる。
この場合、システムコントローラ5は、駆動前ステップ量Xbeに対応する位相変化時間tを表データから取得して、静定時間を設定するようにすればよい。
このようにすれば、駆動前ステップ量Xbeと位相変化時間との関係を表す特性曲線を近似する関数f(Xbe)に基づいて静定時間を設定する場合よりも、容易に位相変化時間に合った静定時間を設定することができる。
また上述の実施の形態では、ひとつの駆動前ステップ量Xbeにたいして複数の目標駆動ステップ量Xafがある場合でも、複数あるXafのパターンの最大位相変化時間を用いるようにしたが、さらに精度よく静定時間を設定するには、静定時間計算処理が複雑になるが、駆動前ステップ量Xbeと目標駆動ステップ量Xafの2つ情報から、静定時間を決定する必要がある。
この場合、あらかじめ収差補正用液晶素子23を用いて液晶駆動ステップ量Xを変化させながら、そのときどきの駆動前ステップ量Xbe及び目標駆動ステップ量Xafでの位相変化時間を測定し、その結果に基づいて駆動前ステップ量Xbeと目標駆動ステップ量Xafとを変数とする関数f(Xbe、Xaf)を求めて、その係数を記憶させておく。
そしてシステムコントローラ5が、その係数を読み出して、その係数でなる関数f(Xbe、Xaf)に基づき、駆動前ステップ量Xbeと目標駆動ステップ量Xafから位相変化時間を予測して、静定時間を設定するようにすればよい。
このようにすれば、液晶駆動ステップ量Xの変化分が変動する場合でも、位相変化時間に合った静定時間を設定することができる。
また、これに限らず、あらかじめ収差補正用液晶素子23を用いて液晶駆動ステップ量Xを変化させながら、そのときどきの駆動前ステップ量Xbe及び目標駆動ステップ量Xafでの位相変化時間を測定し、駆動前ステップ量Xbeと目標駆動ステップ量Xとの差分ごとに、駆動前ステップ量Xbeと位相変化時間との関係を表す特性曲線に近似する関数f(Xbe)を求めて、その係数を記憶させておくようにしてもよい。
この場合、システムコントローラ5は、駆動前ステップ量Xbeと目標駆動ステップ量Xとの差分に対応する係数を読み出して、その係数でなる関数f(Xbe)に基づき、駆動前ステップ量Xbeから位相変化時間を予測して、静定時間を設定するようにすればよい。
さらに、液晶は温度によっても、その位相変化時間が変化することから、温度を位相変化時間を予測するときの要素として用いるようにしてもよい。この場合、あらかじめ収差補正用液晶素子23を用いて液晶駆動ステップ量Xと温度Tとを変化させながら、そのときどきの駆動前ステップ量Xbe、目標駆動ステップ量Xaf及び温度Tでの位相変化時間を測定し、その結果に基づいて駆動前ステップ量Xbeと目標駆動ステップ量Xafと温度Tとを変数とする関数f(Xbe、Xaf、T)を求めて、その係数を記憶させておく。
そしてシステムコントローラ5が、液晶駆動時に、その係数を読み出して、その係数でなる関数f(Xbe、Xaf、T)に基づき、駆動前ステップ量Xbeと目標駆動ステップ量Xafと温度Tから位相変化時間を予測して、静定時間を設定するようにすればよい。このようにすれば、より正確に位相変化時間に合った静定時間を設定することができる。
ちなみに、この場合、例えば、収差補正用液晶素子23に温度センサを設けて、システムコントローラ5が、この温度センサから得られる測定結果より温度Tを得るようにすればよい。
また、これに限らず、あらかじめ収差補正用液晶素子23を用いて液晶駆動ステップ量Xと温度Tとを変化させながら、そのときどきの駆動前ステップ量Xbe、目標駆動ステップ量Xaf及び温度Tでの位相変化時間を測定し、駆動前ステップ量Xbeと目標駆動ステップ量Xとの差分及び温度Tごとに、駆動前ステップ量Xbeと位相変化時間との関係を表す特性曲線に近似する関数f(Xbe)を求めて、その係数を記憶させておくようにしてもよい。
この場合、システムコントローラ5は、駆動前ステップ量Xbeと目標駆動ステップ量Xとの差分及び温度Tに対応する係数を読み出して、その係数でなる関数f(Xbe)に基づき、駆動前ステップ量Xbeから位相変化時間を予測して、静定時間を設定するようにすればよい。
さらに上述の実施の形態では、駆動前ステップ量Xbeから位相変化時間を予測して静定時間を設定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、駆動前ステップ量Xbeが基準液晶駆動ステップ量Xs±位相差発生ステップ量Yであることから、液晶駆動前の位相差発生ステップ量Ybeから位相差変化時間を予測して静定時間を設定するようにしてもよいし、液晶駆動前の位相差発生ステップ量Ybeと液晶駆動させるときの液晶駆動ステップ量Yafと、温度Tとから位相差変化時間を予測して静定時間を設定するようにしてもよい。
さらに上述の実施の形態では、システムコントローラ5が、液晶駆動ステップ量Xにより収差補正用液晶素子23の駆動を制御するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、印加電圧Vにより収差補正用液晶素子23の駆動を制御するようにしてもよい。この場合、駆動前ステップ量Xbeの代わりに、駆動前の印加電圧Vから位相変化時間を予測して静定時間を設定するようにすればよい。
具体的に言うと、あらかじめ収差補正用液晶素子23を用いて印加電圧Vを収差補正処理と同様の変化分で変化させながら、液晶駆動前の印加電圧Vごとに位相変化時間を測定し、その結果得られた液晶駆動前の印加電圧Vと位相変化時間との関係を表す特性曲線に近似する1の関数f(V)を求めて、その係数を記憶させておくようにする。
そしてシステムコントローラ5が、液晶駆動時に、その係数を読み出して、その係数でなる関数f(V)に基づき、液晶駆動前の印加電圧Vから位相変化時間を予測して、静定時間を設定するようにすればよい。
さらに、駆動前ステップ量Xbeと目標駆動ステップ量Xafと温度Tとを用いた場合と同様にして、液晶駆動前の印加電圧Vと液晶駆動させるときの印加電圧Vと温度Tとから位相変化時間を予測して、静定時間を設定するようにしてもよい。
さらに上述の実施の形態では、光ディスク装置2に、コマ収差を補正可能な収差補正用液晶素子23を設けた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、コマ収差以外の収差(例えば、球面収差、非点収差、フォーカスバイアスに係わる収差)を補正可能な収差補正用液晶素子23を設けるようにしてもよい。
この場合、補正する収差に応じた電極パターンが1対の透明電極のうちの一方に形成された収差補正用液晶素子23を用いればよい。さらに、1対の透明電極のうちの他方に、一方の電極パターンで補正する収差とは異なる収差に対応する電極パターンを形成するようにしてもよく。このようにすれば、1つの収差補正用液晶素子23で複数の収差を補正することができるようになる。
さらに上述の実施の形態では、立上モード時に収差補正処理を実行するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他のモード時に実行するようにしてもよい。
さらに上述の実施の形態では、液晶電圧設定部50、デジタル/アナログ変換器51、液晶ドライバ52がサーボ回路6内に設けられている場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これらがサーボ回路6外に設けられていてもよい。
さらに上述の実施の形態で説明した収差補正処理は、一例であり、静定時間の設定以外の部分については、異なっていてもよい。
さらに上述した実施の形態では、光ディスク2のチルト量が±1.0度の範囲である場合のコマ収差を補正可能な収差補正用液晶素子23を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、光ディスク2のチルト量が±1.0度を超える範囲である場合のコマ収差を補正可能な収差補正用液晶素子23を用いるようにしてもよい。
さらに本発明は、上述した実施の形態及びここまで説明した他の実施の形態に限定されるものではなく、上述した実施の形態及びここまで説明した他の実施の形態の一部または全部を任意に組み合わせた形態、もしくは一部を抽出した形態にもその適用範囲が及ぶものである。
さらに上述した実施の形態では、光学系としての光ピックアップ3と、光学系に配される液晶素子としての収差補正用液晶素子23と、液晶素子の駆動を制御する制御部としてシステムコントローラ5などにより、光ディスク装置1を構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の構成を用いてもよい。
さらに上述した実施の形態では、収差補正処理を実行するためのプログラムを、システムコントローラ5の内部メモリにあらかじめ記憶しておくようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、このプログラムを例えば光ディスク2などの記録媒体に記録しておき、このプログラムを記録媒体から読み出してシステムコントローラ5の内部メモリにインストールするようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態及びここまで説明した他の実施の形態では、光ディスク2に対してデータの記録/再生を行う光ディスク装置1に本発明を適用した場合について述べたが、実際上、本発明は、再生専用の光ディスク装置1や、光ディスク装置1を有する、パーソナルコンピュータ、オーディオプレイヤ、DVDレコーダ、BDレコーダなど、この他種々の装置に広く適用することができる。
本発明は、収差補正用の液晶素子を有する光ディスク装置に広く利用できる。
位相変化時間と駆動前印加電圧との関係を示すグラフである。 位相量と印加電圧との関係を示すグラフである。 光ディスク装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 光ピックアップの構成を示す略線図である。 透明電極の電極パターンを示す略線図である。 サーボ回路の構成を示すブロック図である。 位相量と印加電圧及び液晶駆動ステップ量との関係を示すグラフである。 位相差と位相差発生ステップ量との関係を示すグラフである。 各領域に対する液晶駆動ステップ量と印加電圧との説明に供する略線図である。 駆動前ステップ量を変数とする関数を示すグラフである。 収差補正処理手順を示すフローチャートである。 図11の収差補正処理手順を示すフローチャートに続くフローチャートである。 他の実施の形態による駆動前ステップ量を変数とする関数及び駆動前ステップ量に対する位相変化時間を示すグラフである。
符号の説明
1……光ディスク装置、3……光ピックアップ、5……システムコントローラ、6……サーボ回路、23……収差補正用液晶素子、50……液晶駆動電圧設定部、52……液晶ドライバ。

Claims (7)

  1. レーザ光を光ディスクの記録面に照射した結果得られる反射光を光電変換することにより光電変換信号を得る光学系と、
    上記光学系に配される、電極を有する液晶素子と、
    上記液晶素子の電極に印加する電圧を制御して上記液晶素子に位相差を発生させることにより上記液晶素子を通過するレーザ光に位相差を与えて収差を補正するよう上記液晶素子を駆動させる制御部と
    を具え、
    上記制御部は、
    上記液晶素子を駆動させたときに待つ静定時間を、上記液晶素子を駆動させる前に印加されている電圧と駆動させるときに印加する電圧とに基づいて設定する
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  2. 上記液晶素子の温度を計測する温度センサを具え、
    上記制御部は、
    上記液晶素子を駆動させたときの静定時間を、上記液晶素子を駆動させる前に印加されている電圧と駆動させるときに印加する電圧と上記温度センサから得られる上記液晶素子の温度とに基づいて設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  3. 上記制御部は、
    上記電圧を変換してなる、上記液晶素子の駆動ステップ量を示す液晶駆動ステップ量により上記液晶素子の駆動を制御するようになされ、上記液晶素子を駆動させたときの静定時間を、上記液晶素子を駆動させる前に印加されている電圧に対応する液晶駆動ステップ量と駆動させるときに印加する電圧に対応する液晶駆動ステップ量とに基づいて設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  4. 上記液晶素子の温度を計測する温度センサを具え、
    上記制御部は、
    上記液晶素子を駆動させたときの静定時間を、上記液晶素子を駆動させる前に印加されている電圧に対応する液晶駆動ステップ量と駆動させるときに印加する電圧に対応する液晶駆動ステップ量と上記温度センサから得られる上記液晶素子の温度とに基づいて設定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の光ディスク装置。
  5. 上記液晶素子で発生する位相差は、上記電極に印加される電圧に応じて変化し、
    上記制御部は、
    上記静定時間を、上記液晶素子を駆動させる前に発生している位相差を示す位相差発生ステップ量と駆動時に発生させる位相差を示す位相差発生ステップ量とに基づいて設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  6. 上記液晶素子の温度を計測する温度センサを具え、
    上記制御部は、
    上記液晶素子を駆動させたときの静定時間を、上記液晶素子を駆動させる前に発生している位相差を示す位相差発生ステップ量と駆動時に発生させる位相差を示す位相差発生ステップ量と上記温度センサから得られる上記液晶素子の温度とに基づいて設定する
    ことを特徴とする請求項5に記載の光ディスク装置。
  7. レーザ光を光ディスクの記録面に照射した結果得られる反射光を光電変換することにより光電変換信号を得る光学系に配される、電極を有する液晶素子を、当該電極に印加する電圧を制御して位相差を発生させることにより上記液晶素子を通過するレーザ光に位相差を与えて収差を補正するよう駆動させたときに待つ静定時間を、上記液晶素子を駆動させる前に印加されている電圧と駆動させるときに印加する電圧とに基づいて設定する
    ことを特徴とする液晶静定時間設定方法。
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