JP2008302044A - 超音波探触子とこれを用いた超音波診断装置および超音波探傷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】側面電極を介した電極層間の導通状態の確保と、正確な圧電振動子配列を簡便に実現できる超音波探触子およびその超音波探触子を用いた超音波診断装置および超音波探傷装置を提供する。
【解決手段】圧電体層2と電極層3が交互に積層され、積層方向に垂直な側面に側面電極6が形成された圧電振動子1を有し、前記側面電極6が前記圧電振動子1が配列する方向に垂直な2つの対向する側面上に形成されている。また、前記圧電振動子1をその上に配列させる背面材8を有し、前記背面材8の前記圧電振動子1を配列させる面上に、前記圧電振動子1の幅が納まる幅の溝12が前記圧電振動子1の配列間隔で形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】圧電体層2と電極層3が交互に積層され、積層方向に垂直な側面に側面電極6が形成された圧電振動子1を有し、前記側面電極6が前記圧電振動子1が配列する方向に垂直な2つの対向する側面上に形成されている。また、前記圧電振動子1をその上に配列させる背面材8を有し、前記背面材8の前記圧電振動子1を配列させる面上に、前記圧電振動子1の幅が納まる幅の溝12が前記圧電振動子1の配列間隔で形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、診断、治療などの医療分野や、非破壊検査などの産業用分野で利用される超音波探触子と、超音波探触子を用いた超音波診断装置及び超音波探傷装置に関する。
細長い短冊状の複数の圧電振動子を一次元配列させたアレイ型超音波探触子が超音波診断装置などに広く用いられている。超音波探触子の高感度化を図るために、短冊状の圧電振動子に積層圧電セラミクスを用いる構成が従来知られている。積層圧電セラミクスを用いる場合、その積層数をnとすると同一周波数を単層で実現した場合に比べて、駆動電圧一定とすると電界がn倍かかるため、送信される音圧もn倍に向上する。
図8に従来知られている超音波探触子の概略図を示す。圧電振動子1は2層の圧電体層2および3層の電極層3を交互に積層した積層体として構成される。2層の圧電体層2は分極軸が対向しており、3層の電極層3のうち、上下層がグランド電極層3b、中央層がシグナル電極層3aとなり、それぞれアース取出電極4と信号リード線5に電気的に接続されている。
グランド電極層3bは側面に回し込んだ側面電極6と電気的に接続されて圧電振動子1下面まで導かれ、アース取出電極4と例えば半田付けや導電性接着剤などにより電気的に接続されている。同様に中央のシグナル電極層3aも側面電極6を通じて圧電振動子1下面に導かれ、信号リード線5と接続されている。圧電振動子1上には超音波を効率よく送受信するための音響整合層7が形成され、圧電振動子1下には圧電振動子配列を保持しかつ、圧電振動子1下に放射される超音波を吸収減衰させるための背面材8がある。一次元アレイ配列形成には、例えばダイシングソーなどの分割加工装置を用いる。分割加工装置によって音響整合層7から背面材8に到達する分割溝を形成することで細長い短冊状の圧電振動子1をアレイ状に形成する(特許文献1参照)。
また、1次元配列アレイだけではなく2次元配列アレイにおいても、積層圧電セラミクスを採用する構成が従来知られている。1次元配列アレイよりも圧電振動子1の大きさが小さくなる2次元配列アレイでは積層圧電セラミクスを採用することで、圧電振動子1の電気的なインピーダンスを下げる効果があり有益である。図9に従来知られている2次元配列アレイ超音波探触子の概略図を示す。図9の圧電振動子1は3層の圧電体層2および4層の電極層3が交互に積層した積層体として構成されている。この場合、4層の電極層3のうち、上から1層目と3層目がグランド電極層3b、2層目と最下層の4層目がシグナル電極層3aとなる。
1次元配列アレイの圧電振動子と同様に細長い短冊状の圧電振動子1(図9(a)に相当)を事前に作成し、長手方向の広い2つの側面上において、その側面上で電気的に接続させたくない電極層3(例えば上から1層目と3層目のグランド電極層3bを接続させたい場合には、2層目のシグナル電極層3a)の端面部分に所定の幅の絶縁層9を設けて、その上から側面電極6を形成することで2層のグランド電極層3bあるいは2層のシグナル電極層3aを電気的に接続させる。側面電極6を施した細長い短冊状の圧電振動子1を、図9b)においてx方向に所定の間隔で整列させた後に、隣接する圧電振動子1間の隙間10を接着剤などの樹脂を用いて充填し固定させた後に、短冊状の圧電振動子1の長手方向に直交する方向、図9(b)においてはx方向に延びる分割溝11を、例えばダイシングソーなどの分割加工装置を用いてy方向に複数形成し充填固定することで、2次元の圧電振動子配列を形成する(下記特許文献2参照)。
特開平1−174199号公報
特開平11−299779号公報
従来の超音波探触子は、回し込んだ側面電極6が細長い短冊状の圧電振動子1の幅の狭い2つの側面に形成されるため、電極の幅も狭く、加工時の加工負荷などの影響で亀裂が入り導通状態が不安定になったり、完全に分断されて断線してしまう可能性もあり、確実な導通状態を確保することが困難である。
また、超音波診断装置などで一般的に用いる周波数数MHzの超音波探触子は、短冊状の圧電振動子1の幅は数十から数百μm程度であり、圧電振動子1と圧電振動子1の間の間隔10は数十μmであり、2次元配列アレイでも同様の寸法となる。
従来の2次元配列アレイの場合に、細長い短冊状の圧電振動子を所定の隙間にて整列させる工程で、数百μm幅の圧電振動子1を数十μmの隙間で配列させることが作業的に困難であり、さらに配列後に素子配列を維持した状態で隙間に接着剤等充填する作業も難しく、作業時に素子がわずかに動いて位置ずれしてしまう可能性もある。素子配列の乱れは、形成する超音波ビームの乱れを招き、分解能の低下や超音波断層画像の画質低下を招いてしまう可能性があり、配列の乱れが激しい場合は隣接素子間が接触してしまい、電気的な短絡や構造的なクロストークの原因にも成りかねない。
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、側面電極を介した電極層間の導通状態の確保と、正確な圧電振動子配列を簡便に実現できる超音波探触子およびその超音波探触子を用いた超音波診断装置および超音波探傷装置を提供するものである。
本発明の超音波探触子は、圧電体層と電極層が交互に積層され、積層方向に垂直な側面に側面電極が形成された圧電振動子を有し、前記側面電極は前記圧電振動子が配列する方向に垂直な2つの対向する側面上に形成されている構成を有している。
この構成により、電極層間の側面電極を介した導通状態を安定確保することができ、圧電特性が安定かつ良好で感度劣化のない圧電振動子を有する超音波探触子を提供することができる。
また、本発明の超音波探触子は、圧電体層と電極層が交互に積層され、積層方向に垂直な側面に側面電極が形成された圧電振動子と、前記圧電振動子をその上に配列させる背面材を有し、前記背面材の前記圧電振動子を配列させる面上に、前記圧電振動子の配列間隔に合わせた繰り返し構造を有する構成である。
この構成により、圧電振動子を所望の配列間隔で正確に配列させることが簡便にでき、さらに配列後の位置ずれを防ぐこともできるため、クロストークを抑え良好な超音波ビーム形成が可能である超音波探触子を提供することができる。
さらに、本発明の超音波探触子は、圧電体層と電極層が交互に積層され、積層方向に垂直な側面に側面電極が形成された圧電振動子と、前記圧電振動子の音響放射面側に位置する音響整合層を有し、前記音響整合層の前記圧電振動子と当接する面上に、前記圧電振動子の配列間隔に合わせた繰り返し構造を有する構成である。
この構成により、圧電振動子を所望の配列間隔で正確に配列させることが簡便にでき、さらに配列後の位置ずれを防ぐこともできるため、クロストークを抑え良好な超音波ビーム形成が可能である超音波探触子を提供することができる。
また、本発明の超音波探触子は、前記音響整合層が導体である構成を有している。
さらに、本発明の超音波探触子は、音響整合層が導体で被覆されていることを特徴とする。
これらにより、圧電振動子のグランド電極から、音響整合層を介して簡便にアース電極を取り出すことが可能である。
また、本発明の超音波探触子は、前記繰り返し構造が、前記圧電振動子の配列間隔で形成された前記圧電振動子の幅が納まる幅の溝であることを特徴とする。
この構成により、圧電振動子を所望の配列間隔で正確に配列させることが簡便にでき、さらに配列後の位置ずれを防ぐこともできるため、クロストークを抑え良好な超音波ビーム形成が可能である超音波探触子を提供することができる。
さらに、本発明の超音波探触子は、前記繰り返し構造が、前記圧電振動子の配列間隔で形成された前記圧電振動子配列の間隙に納まる凸部であることを特徴とする。
この構成により、圧電振動子を所望の配列間隔で正確に配列させることが簡便にでき、さらに配列後の位置ずれを防ぐこともできるため、クロストークを抑え良好な超音波ビーム形成が可能である超音波探触子を提供することができる。
また、本発明の超音波診断装置は、上述した本発明の超音波探触子と、前記超音波探触子と電気的に接続された超音波診断装置本体とを含むことを特徴とする。
この構成により、本発明に係る超音波探触子の長所を活かし、精度の高い超音波診断を行うことができる。
さらに、本発明の超音波探傷装置は、上述した本発明の超音波探触子と、前記超音波探触子と電気的に接続された超音波探傷装置本体とを含むことを特徴とする。
この構成により、本発明に係る超音波探触子の長所を活かし、精度の高い非破壊検査を行うことができる。
本発明に係る超音波探触子は、圧電体層と電極層が交互に積層され、積層方向に垂直な側面に側面電極が形成された圧電振動子を有し、前記側面電極は前記圧電振動子が配列する方向に垂直な2つの対向する側面上に形成されていることにより、電極層間の側面電極を介した導通状態を安定確保することができ、圧電特性が安定かつ良好で感度劣化のない圧電振動子を有する超音波探触子を提供することができる。
また、本発明に係る超音波探触子は、圧電体層と電極層が交互に積層され、積層方向に垂直な側面に側面電極が形成された圧電振動子と、前記圧電振動子をその上に配列させる背面材を有し、前記背面材の前記圧電振動子を配列させる面上に、前記圧電振動子の配列間隔に合わせた繰り返し構造を有することにより、圧電振動子を所望の配列間隔で正確に配列させることが簡便にでき、さらに配列後の位置ずれを防ぐこともできるため、クロストークを抑え良好な超音波ビーム形成が可能である超音波探触子を提供することができる。
さらに、本発明に係る超音波探触子は、圧電体層と電極層が交互に積層され、積層方向に垂直な側面に側面電極が形成された圧電振動子と、前記圧電振動子の音響放射面側に位置する音響整合層を有し、前記音響整合層の前記圧電振動子と当接する面上に、前記圧電振動子の配列間隔に合わせた繰り返し構造を有することにより、圧電振動子を所望の配列間隔で正確に配列させることが簡便にでき、さらに配列後の位置ずれを防ぐこともできるため、クロストークを抑え良好な超音波ビーム形成が可能である超音波探触子を提供することができる。
また、本発明に係る超音波診断装置は、上述した超音波探触子を使用しているため、より正確な診断をすることが可能となる。
さらに、本発明に係る超音波探傷装置は、上述した超音波探触子を使用しているため、より正確な非破壊検査をすることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態に係る超音波探触子について、図面を用いて説明する。
<第一の実施の形態>
本発明の第一の実施の形態に係る超音波探触子を構成する圧電振動子配列の概略図を図1に示す。圧電振動子1がx方向に5つ並んだ場合を示しているが、その数はいくつであっても構わない。
本発明の第一の実施の形態に係る超音波探触子を構成する圧電振動子配列の概略図を図1に示す。圧電振動子1がx方向に5つ並んだ場合を示しているが、その数はいくつであっても構わない。
圧電振動子1は、3層の圧電体層2および4層の電極層3が交互に積層した積層体として構成される。図1では、4層の電極層3のうち、上から1層目と3層目がグランド電極層3b、2層目と最下層の4層目がシグナル電極層3aとなる。3層の圧電体層2と4層の電極層3を積層した細長い短冊状の圧電振動子を事前に作成し、長手方向(図1(a)のy方向)に沿う広い2つの側面上において、電気的に接続させたくない電極層3の端面に所定の幅の絶縁層9を設けて、その上に側面電極6を形成して2層のグランド電極層3bあるいは2層のシグナル電極層3aを電気的に接続させる。
このように圧電振動子の長手方向(図1(a)のy方向)に沿う広い2つの側面上に側面電極6(図1に図番の記載なし)を形成し、2層のグランド電極層3bあるいは2層のシグナル電極層3aを電気的に接続することによって、それ以外の幅の狭い2つの側面(図1(a)のx方向に沿う面)に側面電極6を形成する場合と比較して、2つの電極層3の電気的な接続に寄与する側面電極6の幅は広く、側面電極6全幅にわたる破損や剥離が起こらない限り、部分的な破損や剥離であれば導通が十分確保できる。
ただし、この側面電極6を形成した積層構造の圧電振動子を用いてアレイ型の超音波探触子を構成する場合には、圧電振動子が配列する方向に垂直な側面に側面電極6が存在する構成であり、図9で示したように例えばダイシングソーを用いて1枚の板状積層体を分割して素子配列を形成しようとした場合、分割した溝を形成した結果出現する側面に対して絶縁層9と側面電極6を形成しなければならず、工法的にも作業的にも大変難しい。そのため、予め絶縁層9と側面電極6を形成した細長い短冊状の圧電振動子1を所望の配列間隔で並べてアレイ型の超音波探触子を形成する必要がある。
圧電振動子1下には圧電振動子1を保持するための背面材8がある。背面材8の圧電振動子1と当接する面上に、所望の圧電振動子配列の配列間隔に合わせて、圧電振動子の幅が納まる幅のy方向に伸びる溝12を形成する。側面電極6を施した細長い短冊状の圧電振動子1を所定間隔で整列させる際、背面材8に形成した溝12に圧電振動子1をはめこみ固着させることで所望の配列間隔で整列させることができ、かつその配列間隔を維持することが可能である。背面材8内部に図示しない信号リード線を設けて、溝12の中にその端面を露出させておき、例えば導電性接着剤などで背面材8と圧電振動子1を固着することでシグナル電極と信号線の導通を確保することができる。
なお、図1では圧電振動子が1次元配列した超音波探触子の場合について説明したが、図2のように、図1の1次元配列した圧電振動子を配列方向に垂直な分割溝11を形成して圧電振動子を分割することによって2次元配列を形成することができる。このように圧電振動子を1次元に配列した後に分割することで作成した圧電振動子の2次元配列を有する超音波探触子であっても、本発明を逸脱するものではない。
<第二の実施の形態>
図3に本発明の第二の実施の形態に係る超音波探触子を構成する圧電振動子配列の断面図を示す。圧電振動子1上には超音波を効率よく送受信するための音響整合層7が形成されており、圧電振動子1と当節する面上に背面材8と同様に所望の圧電振動子配列の配列間隔に合わせて、圧電振動子1の幅が納まる幅の溝12を加工する。圧電振動子1を配列させる際、背面材8と音響整合層7双方の溝12に圧電振動子1をはめ込んで固着させることにより、所望の配列間隔で整列させることができ、かつその配列間隔を維持することが可能である。音響整合層7を、例えばグラファイトなどの導電性材料や、表面に例えばスパッタリングなどの成膜方法を用いて例えば金などの導電性を有する金属膜をコーティングしたもので形成することで、音響整合層7を通じてアース電極を容易に取り出すことが可能である。
図3に本発明の第二の実施の形態に係る超音波探触子を構成する圧電振動子配列の断面図を示す。圧電振動子1上には超音波を効率よく送受信するための音響整合層7が形成されており、圧電振動子1と当節する面上に背面材8と同様に所望の圧電振動子配列の配列間隔に合わせて、圧電振動子1の幅が納まる幅の溝12を加工する。圧電振動子1を配列させる際、背面材8と音響整合層7双方の溝12に圧電振動子1をはめ込んで固着させることにより、所望の配列間隔で整列させることができ、かつその配列間隔を維持することが可能である。音響整合層7を、例えばグラファイトなどの導電性材料や、表面に例えばスパッタリングなどの成膜方法を用いて例えば金などの導電性を有する金属膜をコーティングしたもので形成することで、音響整合層7を通じてアース電極を容易に取り出すことが可能である。
なお、超音波探触子の用途上、構造的なクロストークの影響が無視できないような場合には、図4に示すように、圧電振動子配列を形成後に音響整合層7に分割溝11を加工して構造的クロストークを低減させても良い。
また、第一の実施の形態に係る超音波探触子と同様に、圧電振動子1の1次元配列を有する超音波探触子でも、1次元配列を分割することで2次元配列を有する超音波探触子でも、本発明の効果は変わらず、本発明を逸脱するものではない。
また、図3では背面材8と音響整合層7の双方に溝12を形成した場合について説明した。圧電振動子1の上下で溝によって圧電振動子配列が位置決めされるために、より確実な圧電振動子配列を形成することが可能だが、音響整合層7のみに溝12を形成して整列させても良い。この場合は、音響整合層7の溝12を形成した面上に圧電振動子1を整列固着させた後に、背面材8に固着させればよい。
また、図1または図3では、音響整合層7あるいは背面材8に溝12を形成した場合について説明したが、図5に示すように、圧電振動子の長手方向の両端近傍のみや間隔をおいて複数箇所にて位置を拘束できる凸部13を形成しても良く、凸部13をガイドとして正確な圧電振動子1配列の形成と配列の維持は可能である。
凸部13は例えばピンを打ったり、樹脂材料をスクリーン印刷したり、ディスペンス装置で描画させるなどの方法で形成することが可能である。さらに、凸部13を拡張して圧電振動子1と圧電振動子1の間に納まる幅の支持壁を形成すれば、溝を形成することとまったく同じ構造と効果が得られる。この場合は溝を形成する必要がないため、背面材8や音響整合層7を構成する材料が難加工性である場合に有利であり、また背面材8や音響整合層7が柔軟な材料である場合には、より形状維持しやすい材料を用いて支持壁を作成することができ、圧電振動子配列形成に有利である。
なお、第一の実施の形態および第二の実施の形態で説明した圧電振動子1は、電気的に接続したくない電極層3の端面に絶縁層9を形成した上に側面電極6を形成した構成について説明したが、図6に示すように、接続したくない電極層3の端面が圧電振動子1側面に露出しないように、電極層3を予め形成することで、絶縁層9を形成することなく、側面電極6を形成することが可能であり、この構成の圧電振動子1を用いたとしても、本発明を逸脱するものではない。
さらに、第一の実施の形態および第二の実施の形態では、3つの圧電体層2と4つの電極層3からなる積層構造の圧電振動子1の場合について説明したが、圧電体層2と電極層3の数については限定されるものではなく幾つであってもかまわない。
<第三の実施の形態>
次に、本発明に係る超音波診断装置の一例を示す概略図を図6に示す。
次に、本発明に係る超音波診断装置の一例を示す概略図を図6に示す。
図6に示す超音波診断装置は、超音波診断装置本体14と、これと電気的に接続された超音波探触子15とを備えており、超音波探触子15は、第一の実施の形態および第二の実施の形態に係る超音波探触子の構成を備えている。
上述した構成の超音波診断装置の動作について説明する。まず、操作者が、超音波探触子15の超音波送受信面を被検者16の体表面に当てる。この状態で、超音波診断装置本体14から超音波探触子15に電気信号(駆動信号)が送信される。
駆動信号は、超音波探触子15内の圧電振動子において超音波に変換されて、被検者16に送波される。この超音波は被検者16の体内で反射され、反射波の一部が超音波探触子15内の圧電振動子で受波され、電気信号(受信信号)に変換されて、超音波診断装置本体14に入力される。入力された受信信号は、超音波診断装置本体14にて信号処理され、例えば断層画像としてCRTなどの表示装置に出力される。
上述した超音波診断装置において、超音波探触子15としては、第一の実施の形態および第二の実施の形態で説明したような本発明の超音波探触子が使用される。このような超音波診断装置によれば、第一の実施の形態および第二の実施の形態で示した超音波探触子の長所を活かし、精度の高い超音波診断を行うことができる。
<第四の実施の形態>
次に、本発明に係る超音波探傷装置の一例を示す概略図を図7に示す。
次に、本発明に係る超音波探傷装置の一例を示す概略図を図7に示す。
図7に示す超音波探傷装置は、超音波探傷装置本体17と、これと電気的に接続された超音波探触子15とを備えており、超音波探触子15は、第一の実施の形態および第二の実施の形態に係る超音波探触子の構成を備えている。
上述した構成の超音波探傷装置の動作について説明する。まず、操作者が、超音波探触子14の超音波送受信面を被検物18の表面に当てる。この状態で、超音波探傷装置本体17から超音波探触子15に電気信号(駆動信号)が送信される。駆動信号は、超音波探触子15内の圧電振動子において超音波に変換されて、被検物18に送波される。この超音波は被検物18の内部の傷や欠陥で反射され、反射波の一部が超音波探触子15内の圧電振動子で受波され、電気信号(受信信号)に変換されて、超音波探傷装置本体17に入力される。入力された受信信号は、超音波探傷装置本体17にて信号処理され、例えば断層画像としてCRTなどに表示される。
上述した超音波探傷装置において、超音波探触子15としては、第一の実施の形態および第二の実施の形態で説明したような本発明の超音波探触子が使用される。このような超音波探傷装置によれば、第一の実施の形態および第二の実施の形態で示した超音波探触子の長所を活かし、精度の高い非破壊検査を行うことができる。
以上のように、本発明に係る超音波探触子は、圧電体層と電極層が交互に積層され、積層方向に垂直な側面に側面電極が形成された圧電振動子を有し、前記側面電極が前記圧電振動子が配列する方向に垂直な2つの対向する側面上に形成されていることにより、電極層間の側面電極を介した導通状態を安定確保することができ、圧電特性が安定かつ良好で感度劣化のない圧電振動子を有する超音波探触子を提供することができる。
さらに本発明に係る超音波探触子は、圧電体層と電極層が交互に積層され、積層方向に垂直な側面に側面電極が形成された圧電振動子と、前記圧電振動子をその上に配列させる背面材を有し、前記背面材の前記圧電振動子を配列させる面上に、前記圧電振動子の配列間隔に合わせた繰り返し構造を有することにより、圧電振動子を所望の配列間隔で正確に配列させることが簡便にでき、さらに配列後の位置ずれを防ぐこともできるため、クロストークを抑え良好な超音波ビーム形成が可能である超音波探触子を提供することができる。
また、本発明に係る超音波探触子は、圧電体層と電極層が交互に積層され、積層方向に垂直な側面に側面電極が形成された圧電振動子と、前記圧電振動子の音響放射面側に位置する音響整合層を有し、前記音響整合層の前記圧電振動子と当接する面上に、前記圧電振動子の配列間隔に合わせた繰り返し構造を有することにより、圧電振動子を所望の配列間隔で正確に配列させることが簡便にでき、さらに配列後の位置ずれを防ぐこともできるため、クロストークを抑え良好な超音波ビーム形成が可能である超音波探触子を提供することができる。
この超音波探触子を使用した超音波診断装置は、正確な超音波診断を可能とする効果を有し、診断、治療などの医療分野に有用であり、また、この超音波探触子を使用した超音波探傷装置は、非破壊検査などの産業用分野で有用である。
1 圧電振動子
2 圧電体層
3 電極層
3a シグナル電極層
3b グランド電極層
4 アース取出電極
5 信号リード線
6 側面電極
7 音響整合層
8 背面材
9 絶縁層
10 隙間
11 分割溝
12 溝
13 凸部
14 超音波診断装置本体
15 超音波探触子
16 被検者
17 超音波探傷装置本体
18 被検物
2 圧電体層
3 電極層
3a シグナル電極層
3b グランド電極層
4 アース取出電極
5 信号リード線
6 側面電極
7 音響整合層
8 背面材
9 絶縁層
10 隙間
11 分割溝
12 溝
13 凸部
14 超音波診断装置本体
15 超音波探触子
16 被検者
17 超音波探傷装置本体
18 被検物
Claims (9)
- 圧電体層と電極層が交互に積層され、積層方向に垂直な側面に側面電極が形成された圧電振動子を有し、前記側面電極は前記圧電振動子が配列する方向に垂直な2つの対向する側面上に形成されていることを特徴とする超音波探触子。
- 圧電体層と電極層が交互に積層され、積層方向に垂直な側面に側面電極が形成された圧電振動子と、前記圧電振動子をその上に配列させる背面材を有し、前記背面材の前記圧電振動子を配列させる面上に、前記圧電振動子の配列間隔に合わせた繰り返し構造を有することを特徴とする超音波探触子。
- 圧電体層と電極層が交互に積層され、積層方向に垂直な側面に側面電極が形成された圧電振動子と、前記圧電振動子の音響放射面側に位置する音響整合層を有し、前記音響整合層の前記圧電振動子と当接する面上に、前記圧電振動子の配列間隔に合わせた繰り返し構造を有することを特徴とする超音波探触子。
- 前記音響整合層が導体であることを特徴とする請求項3に記載の超音波探触子。
- 前記音響整合層が導体で被覆されていることを特徴とする請求項3に記載の超音波探触子。
- 前記繰り返し構造が、前記圧電振動子の配列間隔で形成された前記圧電振動子の幅が納まる幅の溝であることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の超音波探触子。
- 前記繰り返し構造が、前記圧電振動子の配列間隔で形成された前記圧電振動子配列の間隙に納まる凸部であることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の超音波探触子。
- 請求項1から請求項7のいずれかに記載の超音波探触子と、前記超音波探触子と電気的に接続された超音波診断装置本体とを含む超音波診断装置。
- 請求項1から請求項7のいずれかに記載の超音波探触子と、前記超音波探触子と電気的に接続された超音波探傷装置本体とを含む超音波探傷装置。
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JP2007152312A JP2008302044A (ja) | 2007-06-08 | 2007-06-08 | 超音波探触子とこれを用いた超音波診断装置および超音波探傷装置 |
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