JP2008301764A - 非ヒト霊長動物の感作方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アレルギー性喘息あるいはアレルギー性鼻炎のモデル動物の迅速な提供が求められている。
【解決手段】本発明により、アレルギー性喘息モデル動物またはアレルギー性鼻炎モデル動物を短期間で作製することができる。本発明により得られるアレルギー性喘息あるいは鼻炎モデル動物は、アレルギー性喘息あるいはアレルギー性鼻炎の予防・治療薬のスクリーニング・評価等に有用である。
【選択図】なし
【解決手段】本発明により、アレルギー性喘息モデル動物またはアレルギー性鼻炎モデル動物を短期間で作製することができる。本発明により得られるアレルギー性喘息あるいは鼻炎モデル動物は、アレルギー性喘息あるいはアレルギー性鼻炎の予防・治療薬のスクリーニング・評価等に有用である。
【選択図】なし
Description
本発明は、非ヒト霊長動物の感作方法及びアレルギー性喘息またはアレルギー性鼻炎モデル非ヒト霊長動物の作製方法に関する。
通常、アレルギー反応とはアレルゲンによって惹起されるI型アレルギー反応を指すことが多く、アレルギー性疾患の代表的なものはアレルギー性喘息あるいはアレルギー性鼻炎である。
アレルギー性喘息は気道の炎症と発作性の気流制限による呼吸困難を特徴とする。気流制限は軽度のものから致死的な高度のものまで存在する。近年、先進国での喘息の発症率は増加の一途をたどっており、今後社会的に大きな問題になる疾患の1つとされている。
アレルギー性喘息は気道の炎症と発作性の気流制限による呼吸困難を特徴とする。気流制限は軽度のものから致死的な高度のものまで存在する。近年、先進国での喘息の発症率は増加の一途をたどっており、今後社会的に大きな問題になる疾患の1つとされている。
アレルギー性鼻炎は鼻内掻痒感、くしゃみ、粘膜蒼白化、鼻汁、鼻閉が主症状であり、代表的なものにスギ花粉症に伴う鼻炎がある。アレルギー性鼻炎は死に至る病ではないが、患者にとっては非常に不愉快な症状である。先進国の罹患率は10〜20%と高い。
アレルギー性疾患の治療には、対症療法として抗ヒスタミン薬、抗アレルギー剤、ステロイド剤、さらには免疫抑制剤等が使われている。根治療法としては減感作療法があるが、副作用としてアナフィラキシーが起こること、また治療期間が数年に及ぶこと等から、新たな治療薬が望まれている。
アレルギー性疾患の治療には、対症療法として抗ヒスタミン薬、抗アレルギー剤、ステロイド剤、さらには免疫抑制剤等が使われている。根治療法としては減感作療法があるが、副作用としてアナフィラキシーが起こること、また治療期間が数年に及ぶこと等から、新たな治療薬が望まれている。
アレルギー性喘息あるいはアレルギー性鼻炎の新たな治療薬を開発するには、アレルギー性喘息あるいはアレルギー性鼻炎モデル動物を用いた治療薬のスクリーニングが重要である。主要抗原により免疫応答が惹起され、ヒトに類似したアレルギー病態を備えたモデル動物は、抗原特異的なアレルギーの治療法および治療薬開発の際に必要であり、また、アレルギーの発症、緩解・治療等の機序解明に有用である。
アレルギー性喘息モデル動物に関しては、例えばダニアレルゲンを抗原としてアカゲザルに筋肉および鼻腔内投与することにより作製されたモデルザルが知られている(非特許文献1)。またダニアレルゲンを皮下投与することにより誘発されるアレルギー性喘息をカニクイザルに発現させる方法が知られている(非特許文献2)。
アレルギー性鼻炎モデル動物に関しては、スギ粗抗原をアカゲザルに皮下投与することにより作製されたアレルギー性鼻炎モデルザルが知られている(非特許文献3)。またスギ花粉抗原を皮下投与することにより誘発されるアレルギー性鼻炎をマーモセットに発現させるアレルギー性鼻炎モデル動物の作製方法が知られている(非特許文献4)。
アレルギー性鼻炎モデル動物に関しては、スギ粗抗原をアカゲザルに皮下投与することにより作製されたアレルギー性鼻炎モデルザルが知られている(非特許文献3)。またスギ花粉抗原を皮下投与することにより誘発されるアレルギー性鼻炎をマーモセットに発現させるアレルギー性鼻炎モデル動物の作製方法が知られている(非特許文献4)。
しかしながら、これらの方法はアレルギー性喘息あるいはアレルギー性鼻炎のモデル動物を作製するまでに少なくとも6ヵ月以上という、非常に長い期間を必要とする。
American Journal of Pathology, 158: 333-341, 2001. Journal of Applied Physiology 96: 1433-1444, 2004. International archives of allergy and applied immunology, 93: 83-88, 1990. アレルギー,48巻,1086, 1999年
American Journal of Pathology, 158: 333-341, 2001. Journal of Applied Physiology 96: 1433-1444, 2004. International archives of allergy and applied immunology, 93: 83-88, 1990. アレルギー,48巻,1086, 1999年
本発明は、アレルギー性喘息あるいはアレルギー性鼻炎に対する予防・治療作用を有する化合物のスクリーニング等において有用なモデル動物を短期間で作製する方法を提供する。
本発明者らは、新たなアレルギー性喘息あるいはアレルギー性鼻炎モデル動物を作製することを検討した結果、従来の半分以下の期間で効率的に作製する方法を見出した
すなわち本発明は、以下の(1)〜(25)に関する。
(1)3〜14日間に1回の頻度で2回以上アレルゲンを投与した後に、同種のアレルゲンを2回以上気管内投与することを特徴とする、非ヒト霊長動物の感作方法。
(2)3〜14日間に1回の頻度で2回以上アレルゲンを投与した後、同種のアレルゲンを2回以上気管内投与する前、あるいは同種のアレルゲンを2回以上気管内投与する期間中に、同種のアレルゲンを1回以上投与する、(1)に記載の方法。
(3)アレルゲンの投与を10週間以内に行う、(1)または(2)に記載の方法。
(4)アレルゲンの合計投与回数が8回以下である、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の方法。
(5)3〜14日間に1回の頻度で2回以上投与するアレルゲンの投与量が非ヒト霊長動物の体重1kgあたり1〜100mg/回である、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の方法。
(6)2回以上気管内投与する同種のアレルゲンの投与量が非ヒト霊長動物の体重1kgあたり1μg〜10mg/回である、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の方法。
(7)3〜14日間に1回の頻度で2回以上アレルゲンを投与した後、同種のアレルゲンを2回以上気管内投与する前、あるいは同種のアレルゲンを2回以上気管内投与する期間中に1回以上投与する同種のアレルゲンの投与量が非ヒト霊長動物の体重1kgあたり0.1〜10mg/回である、(2)〜(6)のいずれか1項に記載の方法。
(8)アレルゲンの気管内以外の投与部位が腹腔、筋肉または皮下である、(1)〜(7)のいずれか1項に記載の方法。
(9)アレルゲンを2以上の部位に投与する、(8)に記載の方法。
(10)(1)〜(9)のいずれか1項に記載の感作方法により得られた非ヒト霊長動物にさらに同種のアレルゲンを投与する、アレルギー性喘息非ヒト霊長動物の作製方法。
(11)3〜14日間に1回の頻度で2回以上アレルゲンを腹腔、筋肉または皮下に投与することを特徴とする、非ヒト霊長動物の感作方法。
(12)アレルゲンを2以上の部位に投与する、(11)に記載の方法。
(13)アレルゲンの投与を3週間以内に行う、(11)または(12)に記載の方法。
(14)アレルゲンの合計投与回数が5回以下である、(11)〜(13)のいずれか1項に記載の方法。
(15)アレルゲンの投与量が非ヒト霊長動物の体重1kgあたり1〜100mg/回である、(11)〜(14)のいずれか1項に記載の方法。
(16)1週間に4回以上の頻度でアレルゲンを鼻腔内投与することを特徴とする、非ヒト霊長動物の感作方法。
(17)アレルゲンの投与を3週間以内に行う、(16)に記載の方法。
(18)アレルゲンの合計投与回数が7回以上30回以下である、(16)または(17)に記載の方法。
(19)アレルゲンの投与量が非ヒト霊長動物の1鼻腔あたり1〜100μg/回である、(16)〜(18)のいずれか1項に記載の方法。
(20)(11)〜(19)のいずれか1項に記載の感作方法により得られた非ヒト霊長動物にさらに同種のアレルゲンを投与する、アレルギー性鼻炎非ヒト霊長動物の作製方法。
(21)非ヒト霊長動物がサルである、(1)〜(20)のいずれか1項に記載の方法。
(22)サルがカニクイザル、アカゲザルあるいはニホンザルである、(21)に記載の方法。
(23)アレルゲンがアスカリス、ダニあるいはスギ花粉アレルゲンである、(1)〜(22)のいずれか1項に記載の方法。
(24)アスカリス、ダニあるいはスギ花粉アレルゲンが水酸化アルミニウムに吸着させたアスカリス、ダニあるいはスギ花粉アレルゲンである、(23)に記載の方法。
(25)(1)〜(24)のいずれか1項に記載の方法で得られた非ヒト霊長動物。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(25)に関する。
(1)3〜14日間に1回の頻度で2回以上アレルゲンを投与した後に、同種のアレルゲンを2回以上気管内投与することを特徴とする、非ヒト霊長動物の感作方法。
(2)3〜14日間に1回の頻度で2回以上アレルゲンを投与した後、同種のアレルゲンを2回以上気管内投与する前、あるいは同種のアレルゲンを2回以上気管内投与する期間中に、同種のアレルゲンを1回以上投与する、(1)に記載の方法。
(3)アレルゲンの投与を10週間以内に行う、(1)または(2)に記載の方法。
(4)アレルゲンの合計投与回数が8回以下である、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の方法。
(5)3〜14日間に1回の頻度で2回以上投与するアレルゲンの投与量が非ヒト霊長動物の体重1kgあたり1〜100mg/回である、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の方法。
(6)2回以上気管内投与する同種のアレルゲンの投与量が非ヒト霊長動物の体重1kgあたり1μg〜10mg/回である、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の方法。
(7)3〜14日間に1回の頻度で2回以上アレルゲンを投与した後、同種のアレルゲンを2回以上気管内投与する前、あるいは同種のアレルゲンを2回以上気管内投与する期間中に1回以上投与する同種のアレルゲンの投与量が非ヒト霊長動物の体重1kgあたり0.1〜10mg/回である、(2)〜(6)のいずれか1項に記載の方法。
(8)アレルゲンの気管内以外の投与部位が腹腔、筋肉または皮下である、(1)〜(7)のいずれか1項に記載の方法。
(9)アレルゲンを2以上の部位に投与する、(8)に記載の方法。
(10)(1)〜(9)のいずれか1項に記載の感作方法により得られた非ヒト霊長動物にさらに同種のアレルゲンを投与する、アレルギー性喘息非ヒト霊長動物の作製方法。
(11)3〜14日間に1回の頻度で2回以上アレルゲンを腹腔、筋肉または皮下に投与することを特徴とする、非ヒト霊長動物の感作方法。
(12)アレルゲンを2以上の部位に投与する、(11)に記載の方法。
(13)アレルゲンの投与を3週間以内に行う、(11)または(12)に記載の方法。
(14)アレルゲンの合計投与回数が5回以下である、(11)〜(13)のいずれか1項に記載の方法。
(15)アレルゲンの投与量が非ヒト霊長動物の体重1kgあたり1〜100mg/回である、(11)〜(14)のいずれか1項に記載の方法。
(16)1週間に4回以上の頻度でアレルゲンを鼻腔内投与することを特徴とする、非ヒト霊長動物の感作方法。
(17)アレルゲンの投与を3週間以内に行う、(16)に記載の方法。
(18)アレルゲンの合計投与回数が7回以上30回以下である、(16)または(17)に記載の方法。
(19)アレルゲンの投与量が非ヒト霊長動物の1鼻腔あたり1〜100μg/回である、(16)〜(18)のいずれか1項に記載の方法。
(20)(11)〜(19)のいずれか1項に記載の感作方法により得られた非ヒト霊長動物にさらに同種のアレルゲンを投与する、アレルギー性鼻炎非ヒト霊長動物の作製方法。
(21)非ヒト霊長動物がサルである、(1)〜(20)のいずれか1項に記載の方法。
(22)サルがカニクイザル、アカゲザルあるいはニホンザルである、(21)に記載の方法。
(23)アレルゲンがアスカリス、ダニあるいはスギ花粉アレルゲンである、(1)〜(22)のいずれか1項に記載の方法。
(24)アスカリス、ダニあるいはスギ花粉アレルゲンが水酸化アルミニウムに吸着させたアスカリス、ダニあるいはスギ花粉アレルゲンである、(23)に記載の方法。
(25)(1)〜(24)のいずれか1項に記載の方法で得られた非ヒト霊長動物。
本発明により、非ヒト霊長動物の感作を短期間に行うことができ、アレルギー性喘息モデル動物およびアレルギー性鼻炎モデル動物を短期間で作製することができる。本発明により得られるアレルギー性喘息あるいはアレルギー性鼻炎モデル動物は、アレルギー性喘息あるいはアレルギー性鼻炎の予防・治療のための治療薬の開発等に有用である。
本発明で用いられる非ヒト霊長動物としては、非ヒト霊長動物であれば特に制限はないが、サル、マーモセット等があげられる。非ヒト霊長動物の週齢、体重等については特に制限はない。
サルとしては、カニクイザル、アカゲザルあるいはニホンザルが好ましく用いられる。
本発明で用いられるアレルゲンとしては、動物にアレルギーを惹起させるものであれば特に制限はないが、例えばアスカリスアレルゲン、ダニアレルゲン、スギ花粉アレルゲン等があげられる。
サルとしては、カニクイザル、アカゲザルあるいはニホンザルが好ましく用いられる。
本発明で用いられるアレルゲンとしては、動物にアレルギーを惹起させるものであれば特に制限はないが、例えばアスカリスアレルゲン、ダニアレルゲン、スギ花粉アレルゲン等があげられる。
本発明においてアスカリスアレルゲン(Gundel RH. et al.; J Appl Physiol. 68(2), 779-786, 1990, Doyle WJ. et al.; Journal of Allergy and Clinical Immunology. 83(1), 304, 1989)は、アスカリス虫体あるいはアスカリスアレルゲンの固形、粒状、ゲル状、液状、溶媒に懸濁または溶解したもの、水酸化アルミニウム等の吸着剤に吸着させたもの、ジニトロフェニル(DNP)等のハプテンとの結合体、エアロゾル状等どのような形態でもよいが、水酸化アルミニウム等の吸着剤に吸着させたものが好ましく用いられる。
本発明においてダニアレルゲン(Schelegle ES. et al.; American Journal of Pathology, 158, 333-341, 2001, J Appl Physiol. 91, 1029-1034, 2001)は、ダニ(Dermatophagoides pterobyssinus(Dp)、Dermatophagoides farinae(Df))虫体あるいはダニアレルゲンの固形、粒状、ゲル状、液状、溶媒に懸濁または溶解したもの、水酸化アルミニウム等の吸着剤に吸着させたもの、ジニトロフェニル(DNP)等のハプテンとの結合体、エアロゾル状等どのような形態でもよいが、水酸化アルミニウム等の吸着剤に吸着させたものが好ましく用いられる。
本発明においてダニアレルゲン(Schelegle ES. et al.; American Journal of Pathology, 158, 333-341, 2001, J Appl Physiol. 91, 1029-1034, 2001)は、ダニ(Dermatophagoides pterobyssinus(Dp)、Dermatophagoides farinae(Df))虫体あるいはダニアレルゲンの固形、粒状、ゲル状、液状、溶媒に懸濁または溶解したもの、水酸化アルミニウム等の吸着剤に吸着させたもの、ジニトロフェニル(DNP)等のハプテンとの結合体、エアロゾル状等どのような形態でもよいが、水酸化アルミニウム等の吸着剤に吸着させたものが好ましく用いられる。
本発明においてスギ花粉アレルゲン(特開2004-275183、特開2004-275184)は、スギ花粉あるいはスギ花粉アレルゲン(Cryj1、Cryj2)の固形、粒状、ゲル状、液状、溶媒に懸濁または溶解したもの、水酸化アルミニウム等の吸着剤に吸着させたもの、ジニトロフェニル(DNP)等のハプテンとの結合体、エアロゾル状等どのような形態でもよいが、水酸化アルミニウム等の吸着剤に吸着させたものが好ましく用いられる。
本発明におけるアレルギー性喘息モデル非ヒト霊長動物の作製において、まずアレルゲンの感作として、(a)麻酔もしくは非麻酔下で、アレルゲンを通常3〜14日の投与間隔を置いて2回以上投与する。アレルゲンの投与間隔は通常3〜14日であるが、より好ましくは5〜10日、さらに好ましくは6〜8日、特に好ましくは7日である。アレルゲンの投与回数は2〜5回であり、好ましくは2〜4回、より好ましくは3回である。アレルゲンの投与量は1回につき動物個体の体重1kgあたり1〜100mgであり、好ましくは10〜50mg、より好ましくは15〜40mg、さらに好ましくは18〜25mg、特に好ましくは約20mgである。アレルゲンの投与部位は気管内、腹腔、皮下あるいは筋肉内等、投与可能な部位であればいずれの部位でもよいが、腹腔、皮下あるいは筋肉内への投与が好ましく、腹腔、皮下あるいは筋肉内の2以上の部位へ投与することがより好ましい。
(a)に引き続き追加感作として、(b)麻酔もしくは非麻酔下で、同種のアレルゲンを適当な間隔をおいて2回以上気管内投与する。投与間隔は3〜42日であり、より好ましくは7〜35日、さらに好ましくは14〜28日、特に好ましくは21日である。投与方法としては特に制限はないが、ネブライザを用いた吸入方法があげられる。具体的な方法としては、以下の方法があげられる。超音波式ネブライザで霧化したアレルゲンを人工呼吸器(30回転/分)にて気管チューブを介して吸入させる。吸入量は1回につき動物個体の体重1kgあたり1μg〜10mgであり、好ましくは5μg〜5mg、より好ましくは500μg〜1mgである。
さらに(b)とは別の追加感作として、麻酔もしくは非麻酔下で、(a)と(b)の間あるいは(b)の工程中に同種のアレルゲンを1回以上投与してもよい。アレルゲンの投与量は1回につき動物個体の体重1kgあたり0.1〜10mgであり、好ましくは0.5〜8mg、より好ましくは0.8〜5mg、さらに好ましくは1〜3mg、特に好ましくは2mgである。アレルゲンの投与回数は通常1〜3回であり、好ましくは1〜2回であり、より好ましくは1回である。アレルゲンの投与部位は気管内、腹腔、皮下あるいは筋肉内等、投与可能な部位であればいずれの部位でもよいが、腹腔、皮下あるいは筋肉内への投与が好ましく、腹腔、皮下あるいは筋肉内の2以上の部位へ投与することがより好ましい。
(a)に引き続き追加感作として、(b)麻酔もしくは非麻酔下で、同種のアレルゲンを適当な間隔をおいて2回以上気管内投与する。投与間隔は3〜42日であり、より好ましくは7〜35日、さらに好ましくは14〜28日、特に好ましくは21日である。投与方法としては特に制限はないが、ネブライザを用いた吸入方法があげられる。具体的な方法としては、以下の方法があげられる。超音波式ネブライザで霧化したアレルゲンを人工呼吸器(30回転/分)にて気管チューブを介して吸入させる。吸入量は1回につき動物個体の体重1kgあたり1μg〜10mgであり、好ましくは5μg〜5mg、より好ましくは500μg〜1mgである。
さらに(b)とは別の追加感作として、麻酔もしくは非麻酔下で、(a)と(b)の間あるいは(b)の工程中に同種のアレルゲンを1回以上投与してもよい。アレルゲンの投与量は1回につき動物個体の体重1kgあたり0.1〜10mgであり、好ましくは0.5〜8mg、より好ましくは0.8〜5mg、さらに好ましくは1〜3mg、特に好ましくは2mgである。アレルゲンの投与回数は通常1〜3回であり、好ましくは1〜2回であり、より好ましくは1回である。アレルゲンの投与部位は気管内、腹腔、皮下あるいは筋肉内等、投与可能な部位であればいずれの部位でもよいが、腹腔、皮下あるいは筋肉内への投与が好ましく、腹腔、皮下あるいは筋肉内の2以上の部位へ投与することがより好ましい。
本発明におけるアレルギー性喘息モデル動物の作製において、以上の過程を経ることにより、短期間、例えば約8〜10週間でアレルゲンによる感作を終了することができる。上記の感作方法により得られた非ヒト霊長動物に同種のアレルゲンを投与することにより、アレルギー性喘息モデル非ヒト霊長動物を作製することができる。同種のアレルゲンの投与によるアレルギー反応の惹起は、感作が終了してから1〜6週間後に行うことが好ましく、2〜5週間後に行うことがより好ましい。すなわち本発明により、アレルギー性喘息モデル非ヒト霊長動物の作製を9〜16週間、好ましくは10〜15週間で完了することができる。
本発明におけるアレルギー性鼻炎モデル動物の作製において、まずアレルゲンの感作法としては、全身感作法と局所感作法の2種類の方法があげられる。全身感作法としては鼻腔以外の部位にアレルゲンを投与する方法があげられ、局所感作法としては鼻腔にアレルゲンを投与する方法があげられる。
本発明において全身感作法では、麻酔もしくは非麻酔下で、アレルゲンを通常3〜14日の間隔を置いて2回以上投与する。アレルゲンの投与間隔は通常3〜14日であるが、好ましくは2〜10日、より好ましくは7日である。アレルゲンの投与量は1回につき動物個体の体重1kgあたり1〜100mgであり、好ましくは2〜50mg、より好ましくは5〜25mg、さらに好ましくは8〜20mg、特に好ましくは約10mgである。アレルゲンの合計投与回数は2〜5回であり、好ましくは2〜4回であり、より好ましくは3回である。アレルゲンの投与部位は気管内、腹腔、皮下あるいは筋肉内等、投与可能な部位であればいずれの部位でもよいが、腹腔、皮下あるいは筋肉内への投与が好ましく、腹腔、皮下あるいは筋肉内の2以上の部位へ投与することがより好ましい。
本発明において全身感作法では、麻酔もしくは非麻酔下で、アレルゲンを通常3〜14日の間隔を置いて2回以上投与する。アレルゲンの投与間隔は通常3〜14日であるが、好ましくは2〜10日、より好ましくは7日である。アレルゲンの投与量は1回につき動物個体の体重1kgあたり1〜100mgであり、好ましくは2〜50mg、より好ましくは5〜25mg、さらに好ましくは8〜20mg、特に好ましくは約10mgである。アレルゲンの合計投与回数は2〜5回であり、好ましくは2〜4回であり、より好ましくは3回である。アレルゲンの投与部位は気管内、腹腔、皮下あるいは筋肉内等、投与可能な部位であればいずれの部位でもよいが、腹腔、皮下あるいは筋肉内への投与が好ましく、腹腔、皮下あるいは筋肉内の2以上の部位へ投与することがより好ましい。
本発明において局所感作法では、麻酔もしくは非麻酔下で、アレルゲンを1週間に4回以上の頻度で鼻腔内投与する。アレルゲンの投与量は1回につき動物個体の1鼻腔あたり1〜100μgであり、好ましくは2〜50μg、より好ましくは3〜40μg、さらに好ましくは5〜20μg、特に好ましくは10μgである。アレルゲンの投与頻度は1週間あたり4〜10回であり、好ましくは4〜8回であり、より好ましくは4〜7回であり、さらに好ましくは5回である。アレルゲンの合計投与回数は7〜30回であり、好ましくは7〜25回、より好ましくは7〜20回、さらに好ましくは8〜12回であり、特に好ましくは10回である。アレルゲンの投与方法は点鼻あるいは噴霧等鼻腔内投与可能な方法であればいずれでもよいが、点鼻投与が好ましい。
本発明におけるアレルギー性鼻炎モデル動物の作製において、以上の過程を経ることにより、短期間、例えば約2〜3週間でアレルゲンによる感作を終了することができる。上記の感作方法により得られた非ヒト霊長動物に同種のアレルゲンを投与することにより、アレルギー性鼻炎モデル非ヒト霊長動物を作製することができる。同種のアレルゲンの投与によるアレルギー反応の惹起は、感作が終了してから1〜3週間後に行うことが好ましく、1〜2週間後に行うことがより好ましい。すなわち本発明において、アレルギー性鼻炎モデル動物の作製を3〜6週間、好ましくは3〜5週間で完了することができる。
本発明において、動物がアレルゲンにより感作されたか否かは、例えば血中のアレルゲン特異的抗体の抗体価を測定することにより調べることができる。抗体価の測定方法としては、抗体価を測定できる方法であればいずれの方法でも良いが、ELISA法が好ましく用いられる。
本発明により作製されるアレルギー性喘息モデル非ヒト霊長動物は、(1)血液中の免疫グロブリン・化学伝達物質・補体成分等の濃度や白血球相の測定、(2)好塩基球・組織肥満細胞のヒスタミン遊離能測定、(3)T細胞・B細胞の反応性試験、(4)白血球の遊離能測定試験、(5)気管支肺胞洗浄液中の細胞相・化学伝達物質測定、(6)抗原・アセチルコリンアナログ・ヒスタミン・ロイコトリエン等の吸入による気道収縮反応惹起試験、(7)気道粘膜等の抗原刺激によるアレルギー性炎症惹起試験等に用いることができる。
本発明により作製されるアレルギー性喘息モデル非ヒト霊長動物は、(1)血液中の免疫グロブリン・化学伝達物質・補体成分等の濃度や白血球相の測定、(2)好塩基球・組織肥満細胞のヒスタミン遊離能測定、(3)T細胞・B細胞の反応性試験、(4)白血球の遊離能測定試験、(5)気管支肺胞洗浄液中の細胞相・化学伝達物質測定、(6)抗原・アセチルコリンアナログ・ヒスタミン・ロイコトリエン等の吸入による気道収縮反応惹起試験、(7)気道粘膜等の抗原刺激によるアレルギー性炎症惹起試験等に用いることができる。
本発明により作製されるアレルギー性鼻炎モデル非ヒト霊長動物は、(1)血液中の免疫グロブリン・化学伝達物質・補体成分等の濃度や白血球相の測定、(2)好塩基球・組織肥満細胞のヒスタミン遊離能測定、(3)T細胞・B細胞の反応性試験、(4)白血球の遊離能測定試験、(5)鼻腔洗浄液中の細胞相・化学伝達物質測定、(6)抗原・アセチルコリンアナログ・ヒスタミン・ロイコトリエン等の吸入による鼻腔収縮反応惹起試験、(7)鼻粘膜等の抗原刺激によるアレルギー性炎症惹起試験等に用いることができる。
本発明により作製されるアレルギー性喘息モデル動物またはアレルギー性鼻炎モデル動物は、アレルギー性喘息または鼻炎の予防・治療作用を有する化合物のスクリーニングや評価にも用いることができる。
例えば被験物質を本発明のアレルギー性喘息動物に投与し、気道過敏性、即時型喘息反応、気道内炎症細胞浸潤、IgE抗体価およびサイトカイン産生等を指標にその被験物質の治療効果を調べることができる。また被験物質を本発明のアレルギー性鼻炎動物に投与し、鼻汁あるいは鼻閉等を指標にその被験物質の治療効果を調べることができる。
例えば被験物質を本発明のアレルギー性喘息動物に投与し、気道過敏性、即時型喘息反応、気道内炎症細胞浸潤、IgE抗体価およびサイトカイン産生等を指標にその被験物質の治療効果を調べることができる。また被験物質を本発明のアレルギー性鼻炎動物に投与し、鼻汁あるいは鼻閉等を指標にその被験物質の治療効果を調べることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
DNP(ジニトロフェニル)アスカリスの感作および追加感作による喘息モデルの作製
(1)感作
約4〜6歳齢の雄性カニクイザル(Siconbrec Inc.から購入)12頭に、DNP(ジニトロフェニル)化後に水酸化アルミニウムゲル(100mg/mL)を吸着させたアスカリスアレルゲン(以下DNPアスカリスという)を麻酔下にて、図1に示す通り1週間間隔で3回、腹腔および筋肉内に総量として体重1kgあたり20mg/回の用量で投与した。
(2)追加感作
図1に示す通り感作終了から3週間後に、DNPアスカリス(40〜4000 μg/mL)を3週間間隔で2回、吸入により気管内投与した。さらに、1回目の気管内投与から1週間後に、DNPアスカリスを筋肉内に体重1kgあたり2mgの用量で投与した。
(1)感作
約4〜6歳齢の雄性カニクイザル(Siconbrec Inc.から購入)12頭に、DNP(ジニトロフェニル)化後に水酸化アルミニウムゲル(100mg/mL)を吸着させたアスカリスアレルゲン(以下DNPアスカリスという)を麻酔下にて、図1に示す通り1週間間隔で3回、腹腔および筋肉内に総量として体重1kgあたり20mg/回の用量で投与した。
(2)追加感作
図1に示す通り感作終了から3週間後に、DNPアスカリス(40〜4000 μg/mL)を3週間間隔で2回、吸入により気管内投与した。さらに、1回目の気管内投与から1週間後に、DNPアスカリスを筋肉内に体重1kgあたり2mgの用量で投与した。
血中抗体の測定
感作1週間後、血中抗体価を測定するために、無麻酔下でサルの後肢伏在静脈から採血を行い、血清中のDNPアスカリス特異的IgE抗体価を以下の手順でELISA法により測定した。
なお以下の記載において、PBSはリン酸緩衝生理食塩液(Phosphate Buffered Saline)、BSAはウシ血清アルブミン(Bovine Serum Albumin)、TMBは発色基質液(Tetramethylbenzidine)をそれぞれ示す。
(1)コーティング
PBSで1μg/mLに希釈した抗ヒトIgE抗体および10μg/mLに希釈したDNPアスカリスをそれぞれカラム1およびカラム2に50 μL/wellとなるように添加した。プレートがDNPアスカリスおよび抗ヒトIgE抗体溶液で覆われるように振盪させ、4℃で一夜静置した。各ウェルを300μLのPBS/Tween(0.05%(v/v) Tween-20/PBS)で3回洗浄した。
(2)ブロッキング
プレートを1ウェルあたり300μLのブロッキングバッファー(1%(w/v)BSA/PBS)でブロック後、プレートをカバーし、室温で1時間静置した。プレートを1ウェルあたり300μLのPBS/Tween(0.05%(v/v) Tween-20/PBS)で3回洗浄した。
(3)標準物質および被験物質の添加
ヒトIgE(Human IgE Calibrator, Bethyl Laboratories社製)を前記ブロッキングバッファーで25、10、5、2.5、1、0.5、0.25ng/mLに希釈した。各希釈液50μLにブロッキングバッファーを100μL加え、さらにPBSを等量加えたSephadex G25M(PD−10, Amersham Biosciences社製)を攪拌しながら200μL加え、室温で4時間静置した。この混液を約1,500×gで3分間遠心ろ過したものを標準物質とした。
感作1週間後、血中抗体価を測定するために、無麻酔下でサルの後肢伏在静脈から採血を行い、血清中のDNPアスカリス特異的IgE抗体価を以下の手順でELISA法により測定した。
なお以下の記載において、PBSはリン酸緩衝生理食塩液(Phosphate Buffered Saline)、BSAはウシ血清アルブミン(Bovine Serum Albumin)、TMBは発色基質液(Tetramethylbenzidine)をそれぞれ示す。
(1)コーティング
PBSで1μg/mLに希釈した抗ヒトIgE抗体および10μg/mLに希釈したDNPアスカリスをそれぞれカラム1およびカラム2に50 μL/wellとなるように添加した。プレートがDNPアスカリスおよび抗ヒトIgE抗体溶液で覆われるように振盪させ、4℃で一夜静置した。各ウェルを300μLのPBS/Tween(0.05%(v/v) Tween-20/PBS)で3回洗浄した。
(2)ブロッキング
プレートを1ウェルあたり300μLのブロッキングバッファー(1%(w/v)BSA/PBS)でブロック後、プレートをカバーし、室温で1時間静置した。プレートを1ウェルあたり300μLのPBS/Tween(0.05%(v/v) Tween-20/PBS)で3回洗浄した。
(3)標準物質および被験物質の添加
ヒトIgE(Human IgE Calibrator, Bethyl Laboratories社製)を前記ブロッキングバッファーで25、10、5、2.5、1、0.5、0.25ng/mLに希釈した。各希釈液50μLにブロッキングバッファーを100μL加え、さらにPBSを等量加えたSephadex G25M(PD−10, Amersham Biosciences社製)を攪拌しながら200μL加え、室温で4時間静置した。この混液を約1,500×gで3分間遠心ろ過したものを標準物質とした。
血清50μLにブロッキングバッファーを100μL加え、PBSを等量加えたProtein G Sephaloseを攪拌しながら200μL加え、室温で4時間静置した。これを約1,500×gで3分間遠心ろ過したものを被験物質とした。
カラム1には標準物質、カラム2には被験物質を1ウェルあたり50μLずつ添加した。プレートをカバーし、4℃で一夜静置した後、ブロッキングバッファーで5回洗浄した。
(4)検出抗体の添加
ペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgE(Goat Anti-Human IgE, Biosource社製)をブロッキングバッファーで1000倍に希釈し、プレートに各ウェルあたり50μLずつ添加した。プレートをカバーし、室温で1時間静置後、ブロッキングバッファーで5回洗浄した。
カラム1には標準物質、カラム2には被験物質を1ウェルあたり50μLずつ添加した。プレートをカバーし、4℃で一夜静置した後、ブロッキングバッファーで5回洗浄した。
(4)検出抗体の添加
ペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgE(Goat Anti-Human IgE, Biosource社製)をブロッキングバッファーで1000倍に希釈し、プレートに各ウェルあたり50μLずつ添加した。プレートをカバーし、室温で1時間静置後、ブロッキングバッファーで5回洗浄した。
1ウェルあたり50μLずつのTMBを添加し、室温で30分間静置させた。1ウェルあたり50μLずつ1mol/L硫酸を添加し、呈色反応を終止した。450nmの吸光度を測定することにより、DNPアスカリス特異的IgE抗体価を測定した。その結果を図2に示す。
図2に示すように、実施例1でDNPアスカリスに感作させたサルは、血清中のDNPアスカリス特異的IgE抗体価が高く維持されていた。
図2に示すように、実施例1でDNPアスカリスに感作させたサルは、血清中のDNPアスカリス特異的IgE抗体価が高く維持されていた。
末梢血CCR4陽性細胞数の測定
感作から1週間後、無麻酔下でサルの後肢伏在静脈から血液を採取し、フローサイトメーターにより末梢血中のCCR4陽性Th2細胞数を以下の手順で測定した。
(1)測定サンプルの調製
PE標識抗ヒトCCR4(Becton Dickinson社製)、PE標識mouse IgG1(Becton Dickinson社製)、FITC標識抗ヒトCD4(Becton Dickinson社製)をチューブに分注し、末梢血または対照細胞を1ウェルあたり100μLずつ添加し、撹拌した。室温・暗所にて30分間静置した。超純水で希釈したFACS lysing solution(Becton Dickinson社製)を2mL添加し、撹拌した後、室温・暗所にて12分間静置した。430×g、4℃で5分間遠心分離後、上清を除去して細胞塊をほぐし、Washing Buffer(1%(w/v)BSA、0.05%(w/v)アジ化ナトリウム、0.02%(w/v)EDTA/PBS)を2mL添加し、撹拌した後430×g、4℃で5分間遠心分離後、上清を除去して細胞塊をほぐした。再度、同工程を繰り返した。Dilution Buffer(1%(w/v)BSA、0.05%(w/v)アジ化ナトリウム)を500μL添加した後、撹拌し、氷中遮光下で静置し、6時間以内に以下の測定に供した。
(2)測定
細胞浮遊液をナイロンメッシュでろ過した後、EPICS XL-MCL(Beckman Coulter社製)を用いてCCR4陽性細胞数を測定した結果を図3に示す。なお、ソフトウェアはSystem 2 ver.3.0(Beckman Coulter社製)を用い、FS(前方散乱光)、SS(側方散乱光)、FL1Log(FITCの蛍光を検出)、FL2Log(PEの蛍光を検出)の4種のパラメーターを設定した。
感作から1週間後、無麻酔下でサルの後肢伏在静脈から血液を採取し、フローサイトメーターにより末梢血中のCCR4陽性Th2細胞数を以下の手順で測定した。
(1)測定サンプルの調製
PE標識抗ヒトCCR4(Becton Dickinson社製)、PE標識mouse IgG1(Becton Dickinson社製)、FITC標識抗ヒトCD4(Becton Dickinson社製)をチューブに分注し、末梢血または対照細胞を1ウェルあたり100μLずつ添加し、撹拌した。室温・暗所にて30分間静置した。超純水で希釈したFACS lysing solution(Becton Dickinson社製)を2mL添加し、撹拌した後、室温・暗所にて12分間静置した。430×g、4℃で5分間遠心分離後、上清を除去して細胞塊をほぐし、Washing Buffer(1%(w/v)BSA、0.05%(w/v)アジ化ナトリウム、0.02%(w/v)EDTA/PBS)を2mL添加し、撹拌した後430×g、4℃で5分間遠心分離後、上清を除去して細胞塊をほぐした。再度、同工程を繰り返した。Dilution Buffer(1%(w/v)BSA、0.05%(w/v)アジ化ナトリウム)を500μL添加した後、撹拌し、氷中遮光下で静置し、6時間以内に以下の測定に供した。
(2)測定
細胞浮遊液をナイロンメッシュでろ過した後、EPICS XL-MCL(Beckman Coulter社製)を用いてCCR4陽性細胞数を測定した結果を図3に示す。なお、ソフトウェアはSystem 2 ver.3.0(Beckman Coulter社製)を用い、FS(前方散乱光)、SS(側方散乱光)、FL1Log(FITCの蛍光を検出)、FL2Log(PEの蛍光を検出)の4種のパラメーターを設定した。
図3に示すように、実施例1でDNPアスカリスに感作させたサルは、末梢血CCR4陽性Th2細胞数が増加していた。
末梢血サイトカイン産生
感作から1週間後、末梢血サイトカイン産生を測定するために、無麻酔下でサルの後肢伏在静脈から採血した血液を刺激剤と共に培養し、培養上清中のIL−4、IL−5、IFN−γをELISA法により以下の手順で測定した。
なお以下の記載において、FBSはウシ胎児血清(Fetal Bovine Serum)、PMAはPhorbol 12-Myristate 13-Acetate、INMはIONOMYCINをそれぞれ示す。
(1)培地調製
刺激剤無添加の培地(-)は、RPMI 1640(9容)、ペニシリン・ストレプトマイシン液(0.1容)、FBS(1容)で調製した。刺激剤添加の培地(+)は、5mLの培地(-)に0.1mg/mL PMAを2.5μLと0.5mg/mL INMを 10μL添加して調製した。
(2)末梢血培養
末梢血をプレートの各ウェルに0.5mLずつ添加し、その上から培地(-)あるいは培地(+)を添加して軽く攪拌した。プレートはCO2インキュベーター(5%CO2、37℃)内で24時間培養した。
(3)測定
各ウェルより血球ごと培地を回収し、7,800×g、4℃で5分間遠心分離した。上清中のIL−4、IL−5、IFN−γをELISAキットにて測定した。培地(+)から培地(-)を差し引いた値をサイトカイン産生量とし、その結果を図4に示す。
感作から1週間後、末梢血サイトカイン産生を測定するために、無麻酔下でサルの後肢伏在静脈から採血した血液を刺激剤と共に培養し、培養上清中のIL−4、IL−5、IFN−γをELISA法により以下の手順で測定した。
なお以下の記載において、FBSはウシ胎児血清(Fetal Bovine Serum)、PMAはPhorbol 12-Myristate 13-Acetate、INMはIONOMYCINをそれぞれ示す。
(1)培地調製
刺激剤無添加の培地(-)は、RPMI 1640(9容)、ペニシリン・ストレプトマイシン液(0.1容)、FBS(1容)で調製した。刺激剤添加の培地(+)は、5mLの培地(-)に0.1mg/mL PMAを2.5μLと0.5mg/mL INMを 10μL添加して調製した。
(2)末梢血培養
末梢血をプレートの各ウェルに0.5mLずつ添加し、その上から培地(-)あるいは培地(+)を添加して軽く攪拌した。プレートはCO2インキュベーター(5%CO2、37℃)内で24時間培養した。
(3)測定
各ウェルより血球ごと培地を回収し、7,800×g、4℃で5分間遠心分離した。上清中のIL−4、IL−5、IFN−γをELISAキットにて測定した。培地(+)から培地(-)を差し引いた値をサイトカイン産生量とし、その結果を図4に示す。
図4に示すように、実施例1でDNPアスカリスに感作させたサルは、末梢血からのTh2サイトカインであるIL−4およびIL−5の産生が増加していた。一方、Th1サイトカインであるINF−γの産生は逆に減少していた。
スキンテスト
追加感作から5週間後、皮膚反応にて感作状態を確認した。サルの胸部にDNPアスカリスを麻酔下にて皮内投与し、投与20分後に投与部位の腫脹の直径(縦横)を計測した。その結果を図5に示す。感作は、腫脹の縦横の何れかの直径が15mm以上で陽性と判定した。
追加感作から5週間後、皮膚反応にて感作状態を確認した。サルの胸部にDNPアスカリスを麻酔下にて皮内投与し、投与20分後に投与部位の腫脹の直径(縦横)を計測した。その結果を図5に示す。感作は、腫脹の縦横の何れかの直径が15mm以上で陽性と判定した。
図5に示すように、実施例1でDNPアスカリスに感作させたサルは、皮内投与したDNPアスカリスに対して陽性反応を示した。
気道過敏性
追加感作から5週間後、気道のアレルゲンに対する応答性を確認するために、アレルゲン吸入前後にメサコリン吸入における呼吸機能を測定し、以下の手順でアレルゲン誘発気道過敏性を評価した。
(1)呼吸機能測定
メサコリン吸入における呼吸機能測定は、実施例1の筋肉内投与2回目終了から5週間後に実施した。麻酔下のサルにメサコリンを低濃度(0.03〜100mg/mL)から順に吸入させ、メサコリン吸入前の気道抵抗を50%上昇させるメサコリン濃度(PC50)を算出した。メサコリン吸入における呼吸機能測定の1週間後にDNPアスカリス(濃度: 40〜4000 μg/mL)を気道内投与した。投与翌日に前記の呼吸機能測定を再度行い、PC50を算出した。
(2)評価
アレルゲン投与後のPC50(PostPC50)を投与前のPC50(PrePC50)で除した値(%:PostPC50/PrePC50)からアレルゲン誘発気道過敏性を評価した。その結果を図6に示す。
追加感作から5週間後、気道のアレルゲンに対する応答性を確認するために、アレルゲン吸入前後にメサコリン吸入における呼吸機能を測定し、以下の手順でアレルゲン誘発気道過敏性を評価した。
(1)呼吸機能測定
メサコリン吸入における呼吸機能測定は、実施例1の筋肉内投与2回目終了から5週間後に実施した。麻酔下のサルにメサコリンを低濃度(0.03〜100mg/mL)から順に吸入させ、メサコリン吸入前の気道抵抗を50%上昇させるメサコリン濃度(PC50)を算出した。メサコリン吸入における呼吸機能測定の1週間後にDNPアスカリス(濃度: 40〜4000 μg/mL)を気道内投与した。投与翌日に前記の呼吸機能測定を再度行い、PC50を算出した。
(2)評価
アレルゲン投与後のPC50(PostPC50)を投与前のPC50(PrePC50)で除した値(%:PostPC50/PrePC50)からアレルゲン誘発気道過敏性を評価した。その結果を図6に示す。
図6に示すように、実施例1でDNPアスカリスに感作させたサルは、アレルゲンの気道内投与により気道過敏性の亢進を誘発することができた。
気道内細胞浸潤
追加感作から5週間後、気道のアレルゲンに対する応答性を確認するために、以下の手順でアレルゲン投与前後に気管支肺胞洗浄を行い、アレルゲン誘発炎症細胞浸潤について評価した。
(1)肺胞の洗浄
気道内細胞浸潤の評価は、実施例6の呼吸機能測定と同日に行った。呼吸機能測定終了後、麻酔下にて気管支内視鏡を右肺気管支に挿入し、PBSを15mL注入し、洗浄した後、可能な限り回収した。
(2)塗沫標本の作製
回収した気管支肺胞洗浄液(Bronchoalveolar Lavage Fluid: BALF)を190×g、4℃で10 分間遠心分離し、上清を除き、PBSを1mL添加し攪拌した。この懸濁液150μLを300rpmで3分間サイトスピンにかけて塗沫標本を作製し、標本を染色した。
(3)細胞分類
約300個の細胞をカウントし、マクロファージ、好酸球、好中球、リンパ球の細胞分類を行い、総細胞数に各細胞の割合を乗じ、BALF 1mL中の細胞数を算出した。その結果を図7に示す。
追加感作から5週間後、気道のアレルゲンに対する応答性を確認するために、以下の手順でアレルゲン投与前後に気管支肺胞洗浄を行い、アレルゲン誘発炎症細胞浸潤について評価した。
(1)肺胞の洗浄
気道内細胞浸潤の評価は、実施例6の呼吸機能測定と同日に行った。呼吸機能測定終了後、麻酔下にて気管支内視鏡を右肺気管支に挿入し、PBSを15mL注入し、洗浄した後、可能な限り回収した。
(2)塗沫標本の作製
回収した気管支肺胞洗浄液(Bronchoalveolar Lavage Fluid: BALF)を190×g、4℃で10 分間遠心分離し、上清を除き、PBSを1mL添加し攪拌した。この懸濁液150μLを300rpmで3分間サイトスピンにかけて塗沫標本を作製し、標本を染色した。
(3)細胞分類
約300個の細胞をカウントし、マクロファージ、好酸球、好中球、リンパ球の細胞分類を行い、総細胞数に各細胞の割合を乗じ、BALF 1mL中の細胞数を算出した。その結果を図7に示す。
図7に示すように、実施例1でDNPアスカリスに感作させたサルは、アレルゲンの気道内投与により、主として好酸球からなる前記炎症細胞の浸潤を誘発することができた。
即時型喘息反応
追加感作から6週間後、気道のアレルゲンに対する応答性を確認するために、麻酔下にて即時型喘息反応を測定した。アレルゲン投与直後に認められる気道抵抗の上昇を即時型喘息反応とした。その結果を図8に示す。
図8に示すように、実施例1でDNPアスカリスに感作させたサルは、アレルゲンの気道内投与により即時型喘息反応を誘発することができた。
追加感作から6週間後、気道のアレルゲンに対する応答性を確認するために、麻酔下にて即時型喘息反応を測定した。アレルゲン投与直後に認められる気道抵抗の上昇を即時型喘息反応とした。その結果を図8に示す。
図8に示すように、実施例1でDNPアスカリスに感作させたサルは、アレルゲンの気道内投与により即時型喘息反応を誘発することができた。
鼻炎モデルの作製におけるダニアレルゲンの全身感作
約4歳齢の雄性カニクイザル(Siconbrec Inc.から購入)3頭に水酸化アルミニウムゲル(100mg/mL)を吸着させたダニアレルゲン(Df and Dp equal parts mixture)を麻酔下にて、図9に示す通り1週間間隔で3回、腹腔、筋肉および皮下に総量として体重1kgあたり10mg/回の用量で投与した。
約4歳齢の雄性カニクイザル(Siconbrec Inc.から購入)3頭に水酸化アルミニウムゲル(100mg/mL)を吸着させたダニアレルゲン(Df and Dp equal parts mixture)を麻酔下にて、図9に示す通り1週間間隔で3回、腹腔、筋肉および皮下に総量として体重1kgあたり10mg/回の用量で投与した。
全身感作により作製した鼻炎モデルの鼻閉、鼻汁および粘膜蒼白化
感作終了から2週間後に、麻酔下にてダニアレルゲン(500 μg/mL)をネブライザを用いて1鼻腔あたり1分間、合計100〜500μL程度を鼻腔内噴霧し、噴霧後5分、15分および30分後に鼻腔鏡にて鼻腔内を観察した。その結果を図10に示す。
図10に示すように、実施例9でダニアレルゲンに全身感作させたサルは、アレルゲンの鼻腔内投与により鼻閉、鼻汁および粘膜蒼白化を誘発させることができた。
感作終了から2週間後に、麻酔下にてダニアレルゲン(500 μg/mL)をネブライザを用いて1鼻腔あたり1分間、合計100〜500μL程度を鼻腔内噴霧し、噴霧後5分、15分および30分後に鼻腔鏡にて鼻腔内を観察した。その結果を図10に示す。
図10に示すように、実施例9でダニアレルゲンに全身感作させたサルは、アレルゲンの鼻腔内投与により鼻閉、鼻汁および粘膜蒼白化を誘発させることができた。
鼻炎モデルの作製におけるスギ花粉アレルゲンの局所感作
約4歳齢の雄性カニクイザル(Siconbrec Inc.から購入)2頭に水酸化アルミニウムゲル(100mg/mL)を吸着させたスギ花粉を1鼻腔あたり10μgを麻酔下で、図11に示す通り1回/日、5回/週で2週間(計10回)点鼻した。
約4歳齢の雄性カニクイザル(Siconbrec Inc.から購入)2頭に水酸化アルミニウムゲル(100mg/mL)を吸着させたスギ花粉を1鼻腔あたり10μgを麻酔下で、図11に示す通り1回/日、5回/週で2週間(計10回)点鼻した。
局所感作により作製した鼻炎モデルの鼻掻き
鼻腔内噴霧終了から1週間後に、無麻酔下にてスギ花粉を1鼻腔あたり10mg鼻腔内噴霧し、噴霧後60分間の鼻掻き回数を計測した。その結果を図12に示す。
図12に示すように、実施例11でスギ花粉アレルゲンに感作させたサルは、アレルゲンの鼻腔内投与により鼻掻き(鼻内掻痒感)を誘発させることができた。
鼻腔内噴霧終了から1週間後に、無麻酔下にてスギ花粉を1鼻腔あたり10mg鼻腔内噴霧し、噴霧後60分間の鼻掻き回数を計測した。その結果を図12に示す。
図12に示すように、実施例11でスギ花粉アレルゲンに感作させたサルは、アレルゲンの鼻腔内投与により鼻掻き(鼻内掻痒感)を誘発させることができた。
局所感作により作製した鼻炎モデルの鼻閉および鼻汁
鼻腔内噴霧終了から1週間後に、麻酔下にてスギ花粉アレルゲンを1鼻腔あたり10mg鼻腔内噴霧し、噴霧後5分、15分および30分後に鼻腔鏡にて鼻腔内を観察した。
実施例11でスギ花粉アレルゲンに感作させたサルは、アレルゲンの鼻腔内投与により鼻閉(図13A)および鼻汁(図13B)を誘発させることができた。
鼻腔内噴霧終了から1週間後に、麻酔下にてスギ花粉アレルゲンを1鼻腔あたり10mg鼻腔内噴霧し、噴霧後5分、15分および30分後に鼻腔鏡にて鼻腔内を観察した。
実施例11でスギ花粉アレルゲンに感作させたサルは、アレルゲンの鼻腔内投与により鼻閉(図13A)および鼻汁(図13B)を誘発させることができた。
本発明により、非ヒト霊長動物のアレルゲンへの感作を短期間で行うことができ、アレルギー性喘息モデル動物およびアレルギー性鼻炎モデル動物を短期間で作製することができる。本発明により得られるアレルギー性喘息あるいはアレルギー性鼻炎モデル動物は、アレルギー性喘息あるいはアレルギー性鼻炎の予防・治療薬のスクリーニング、評価等に有用である。
Claims (25)
- 3〜14日間に1回の頻度で2回以上アレルゲンを投与した後に、同種のアレルゲンを2回以上気管内投与することを特徴とする、非ヒト霊長動物の感作方法。
- 3〜14日間に1回の頻度で2回以上アレルゲンを投与した後、同種のアレルゲンを2回以上気管内投与する前、あるいは同種のアレルゲンを2回以上気管内投与する期間中に、同種のアレルゲンを1回以上投与する、請求項1に記載の方法。
- アレルゲンの投与を10週間以内に行う、請求項1または2に記載の方法。
- アレルゲンの合計投与回数が8回以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 3〜14日間に1回の頻度で2回以上投与するアレルゲンの投与量が非ヒト霊長動物の体重1kgあたり1〜100mg/回である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 2回以上気管内投与する同種のアレルゲンの投与量が非ヒト霊長動物の体重1kgあたり1μg〜10mg/回である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 3〜14日間に1回の頻度で2回以上アレルゲンを投与した後、同種のアレルゲンを2回以上気管内投与する前、あるいは同種のアレルゲンを2回以上気管内投与する期間中に1回以上投与する同種のアレルゲンの投与量が非ヒト霊長動物の体重1kgあたり0.1〜10mg/回である、請求項2〜6のいずれか1項に記載の方法。
- アレルゲンの気管内以外の投与部位が腹腔、筋肉または皮下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- アレルゲンを2以上の部位に投与する、請求項8に記載の方法。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の感作方法により得られた非ヒト霊長動物にさらに同種のアレルゲンを投与する、アレルギー性喘息非ヒト霊長動物の作製方法。
- 3〜14日間に1回の頻度で2回以上アレルゲンを腹腔、筋肉または皮下に投与することを特徴とする、非ヒト霊長動物の感作方法。
- アレルゲンを2以上の部位に投与する、請求項11に記載の方法。
- アレルゲンの投与を3週間以内に行う、請求項11または12に記載の方法。
- アレルゲンの合計投与回数が5回以下である、請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法。
- アレルゲンの投与量が非ヒト霊長動物の体重1kgあたり1〜100mg/回である、請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法。
- 1週間に4回以上の頻度でアレルゲンを鼻腔内投与することを特徴とする、非ヒト霊長動物の感作方法。
- アレルゲンの投与を3週間以内に行う、請求項16に記載の方法。
- アレルゲンの合計投与回数が7回以上30回以下である、請求項16または17に記載の方法。
- アレルゲンの投与量が非ヒト霊長動物の1鼻腔あたり1〜100μg/回である、請求項16〜18のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項11〜19のいずれか1項に記載の感作方法により得られた非ヒト霊長動物にさらに同種のアレルゲンを投与する、アレルギー性鼻炎非ヒト霊長動物の作製方法。
- 非ヒト霊長動物がサルである、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
- サルがカニクイザル、アカゲザルあるいはニホンザルである、請求項21に記載の方法。
- アレルゲンがアスカリス、ダニあるいはスギ花粉アレルゲンである、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
- アスカリス、ダニあるいはスギ花粉アレルゲンが水酸化アルミニウムに吸着させたアスカリス、ダニあるいはスギ花粉アレルゲンである、請求項23に記載の方法。
- 請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法で得られた非ヒト霊長動物。
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---|---|---|---|
JP2007152202A JP2008301764A (ja) | 2007-06-08 | 2007-06-08 | 非ヒト霊長動物の感作方法 |
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JP2007152202A JP2008301764A (ja) | 2007-06-08 | 2007-06-08 | 非ヒト霊長動物の感作方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107913407A (zh) * | 2017-12-11 | 2018-04-17 | 中国医学科学院北京协和医院 | 一种葎草花粉致敏的小鼠哮喘模型的构建方法 |
-
2007
- 2007-06-08 JP JP2007152202A patent/JP2008301764A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107913407A (zh) * | 2017-12-11 | 2018-04-17 | 中国医学科学院北京协和医院 | 一种葎草花粉致敏的小鼠哮喘模型的构建方法 |
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