JP2008301045A - 結合回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】誘電体基板上の入力側マイクロストリップ線路13および出力側マイクロストリップ線路19と、一端部に入力側マイクロストリップ線路13の一端部と結合する第1の結合部33を形成し、他端部に出力側マイクロストリップ線路19の円弧に沿った部位19aと結合する第2の結合部35を形成し、さらに4分の1波長変成器としての機能するインピーダンス変換部37を形成した回転結合導体31とを備える。回転結合導体31の第2の結合部35は、回転結合導体31の長手方向中心軸線を基準として出力側マイクロストリップ線路19の一端部側に位置する第1の部位の結合面積と他端部側に位置する第2の部位の結合面積とを相違させ、かつ第1の部位および第2の部位の突出長をそれぞれ0.2波長以下に設定した。
【選択図】図1
Description
この従来の結合回路は、回転結合導体の出力側端部におけるλg/4(λgは、回転結合導体上における使用周波数の波長)の部位に、4分の1波長変成器としての負荷インピーダンス回路を設けた構成を有する。この構成によれば、出力側結合部の大きさをλg/4より小さく設定することが可能になるので、回転可能範囲を広くすること、つまり、信号位相の可変範囲を大きくすることができる。また、アレーアンテナの各アンテナ素子への給電部に使用した場合には、出力端子から出力される信号の位相を連続的に変化して、上記アレーアンテナのメインビーム方向を連続的に変化させること、つまり、分配器の機能と移相器の機能を結合した機能を得ることができる(例えば、特許文献1、2参照)。
しかし、上記従来の結合回路は、出力側ストリップ線路の両出力端子に等分の電力が分配されるため、上記アレーアンテナ等に有効に適用することができない等の実用上の不便があった。
この結合回路において、前記第2の結合部は、前記回転結合導体の長手方向中心軸線に対して前記出力側マイクロストリップ線路の一端部側に位置する第1の部位の結合面積と他端部側に位置する第2の部位の結合面積とを、前記所定の分配比が設定されるように互いに相違させ、かつ、前記第1の部位および第2の部位の前記長手方向中心軸線を基準とする突出長をそれぞれ0.2λ(λは、使用周波数の波長)以下に設定している。
この結合回路において、前記複数の第2の結合部は、前記回転結合導体の長手方向中心軸線に対して前記出力側マイクロストリップ線路の一端部側に位置する第1の部位の結合面積と他端部側に位置する第2の部位の結合面積とを、前記所定の分配比が設定されるように互いに相違させ、かつ、前記第1の部位および第2の部位の前記長手方向中心軸線を基準とする突出長をそれぞれ0.2λ(λは、使用周波数の波長)以下に設定している。
(2)出力側マイクロストリップ線路の一端部および他端部から出力される信号の位相を運続的に変化させることができる。
(3) 出力側マイクロストリップ線路の一端部および他端部から出力される信号の位相の変化量を比例させながら同時に変化させることができる。従って、アレーアンテナの各アンテナ素子への給電部に使用することにより、アレーアンテナからの放射のメインビームの方向を連続的に変化することができる。
(4)分配器と移相器を一体化することができるので、構造の簡単化と低コスト化を図ることができる。
(5)回転結合導体の回転範囲が広くとれるので、信号の位相変化範囲を大きくすることができる。
図1は、2GHz帯の周波数に適用し得るように、また、1:1.3の電力分配比が得られるように構成した本実施形態に係る結合回路の分解斜視図である。この結合回路は、誘電体基板1と、この誘電体基板1の中心を通る軸3を介して該誘電体基板1に回転可能に支持された誘電体基板5とを備えている。
誘電体基板1の上面には、入力側線路導体7および出力側線路導体9がそれぞれ金属箔によってプリント形成され、また、該誘電体基板10の下面全域には、金属箔からなる接地導体11がプリント形成されている。
出力側マイクロストリップ線路19は、出力側線路導体9の円弧部位9aにおいて円弧状結合部19aを形成し、かつ、誘電体基板1の前端側に位置した一端部および他端部においてそれぞれ出力端子21および23を形成している。
なお、本実施形態では、出力側マイクロストリップ線路19の円弧状結合部19aの半径が0.35λ(λは、使用周波数の波長である)に設定され、また、上記入力側マイクロストリップ線路13および出力側マイクロストリップ線路19の特性インピーダンスが共に約50Ωに設定されている。
この結合部35は、図4に示す形態で誘電体基板5を誘電体基板1に組付けた場合に、出力側マイクロストリップ線路19の円弧状結合部19a上に位置される。そして、上記左側部位35aおよび上記右側部位35bは、回転結合導体31の長手方向中心軸線から見て、それぞれ出力端子21側および出力端子23側に位置されることになる。
上記結合部35は、円形状、方形状など他の様々な形状を持たせることができ、図3には、円形状に形成した例が示されている。
なお、本実施形態では、上記左側部位35aの結合面積と上記右側部位35bの結合面積との比が約2.8である。
上記幅広部39の形状は、方形に限定されず、例えば図3に示すような円形であっても良い。
なお、本実施形態では、入力側マイクロストリップ線路13および出力側マイクロストリップ線路19に対する回転結合導体31の機械的接触をなくすため、該回転結合導体31が結合する上記両線路13、19の領域の上面(結合部15の上面および結合部19aの上面)を厚さ0.2mm程度の絶縁体被膜で被覆してある。したがって、上記機械的接触に起因した雑音の発生や相互変調の問題を回避することができる。もちろん、上記機械的接触を回避するために、回転結合導体31をフローティングさせて、上記領域の上面と回転結合導体31との間に微小なエアギャップを形成するようにしてもよい。
前記したように、図2に示した結合部35においては、左側部位35aの結合面積が右側部位35bの結合面積よりも大きく設定されているので、出力側マイクロストリップ線路19に対する結合量は、左側部位35aの方が右側部位35bよりも大きい。それ故、左側出力端子21に分配される電力は、右側出力端子23に分配される電力よりも大きくなる。このように、本実施形態に係る結合回路は、左側出力端子21と右側出力端子23に大きさの異なる電力を分配する電力分配器としての機能を有している。
ZOUT、ZINは、通常、50Ωであるので、このままでは整合がとれない。そこで、本実施形態では、前述したように、回転結合導体31に負荷インピーダンス回路37を設け、これによるインピーダンス変換によって整合をとるようにしている。
回転結合導体31の結合部35の長さを上記のように短く設定すれば、上記左側部位35aおよび右側部位35bの結合面積比の調整によって所望の電力分配比(1:1.8以下程度)を実現しながら、回転結合導体31の回転可能範囲を大きくすること、つまり、出力信号の位相可変範囲を大きくすることができる。
図7(a)および(b)は、上記回転角θを0°に設定した場合の左側出力端子21および右側出力端子23での通過損失をそれぞれ示す。
図8は、上記回転角θを変化させた場合の周波数2045MHzでの電力分配比の変化を示す。この図8から明らかなように、本実施形態によれば、θの変化範囲−80°〜80°に対して安定した電力配分比(約1.3)を得ることができる。
図9は、上記回転角θを変化させた場合の周波数2045MHzでの位相変化量を示す。この図9から明らかなように、本実施形態によれば、左側出力端子21および右側出力端子23から出力される信号の位相を同時に連続かつ直線的に変化することが可能である。
図10は、上記回転角θを変化させた場合の周波数2045MHzでの損失を示す。
図11は、回転結合導体31の結合部35における左側部位35aの結合面積(左側出力端子側結合部の面積)と右側部位35bの結合面積(右側出力端子側結合部の面積)の比を変化させた場合の電力分配比の変化を示す。この図9から明らかなように、本実施形態によれば、電力分配比を1:1.8程度まで設定することが可能である。
図12に示す実施形態は、誘電体基板10の上面に入力側マイクロストリップ線路130および出力側マイクロストリップ線路191,192を形成し、入力側マイクロストリップ線路130の円形状結合部150を通る軸30によって誘電体基板50を水平回転可能に支持した構成を有する。
出力側マイクロストリップ線路191および192は、図1に示す出力側マイクロストリップ線路19に対応するものであり、それぞれ異径の円弧状結合部191aおよび192aを備えている。
なお、結合部351、352は、図2に示す結合部35と同様にテーパ状に広がる形状を有している。また、負荷インピーダンス回路371,372は、図2に示した負荷インピーダンス回路37と同様に4分の1波長変成器の機能を有するように構成されている。
そして、本実施形態に係る結合回路よっても、図6〜11に準じた動作特性を得ることができる。
なお、図12、13に示した実施形態では、2つの出力側マイクロストリップ線路191、192を形成しているが、もちろん、3以上の出力側マイクロストリップ線路を形成して、これらに対応する結合要素等を回転結合導体310に形成するように構成することも可能である。
3、30 軸
7 入力側線路導体
9 出力側線路導体
9a
11 接地導体
13、130 入力側マイクロストリップ線路
17、170 入力端子
19、191、192 出力側マイクロストリップ線路
21、23、211、231、212、232 出力端子
31、310 回転結合導体
35、351、352 結合部
37 371,372 インピーダンス変換部
Claims (6)
- 誘電体基板に形成された入力側マイクロストリップ線路と、
前記誘電体基板に形成され、円弧に沿った部位を有する出力側マイクロストリップ線路と、
前記円弧の中心を通る軸によって一端部が回転可能に支持され、その一端部に前記入力側マイクロストリップ線路の一端部と結合する第1の結合部を形成するとともに、その他端部に前記出力側マイクロストリップ線路の前記円弧に沿った部位と結合する第2の結合部をそれぞれ形成し、前記第2の結合部からλg/4(λgは、前記回転結合導体上における使用周波数の波長)だけ前記第1の結合部側に寄った箇所に至る部位に4分の1波長変成器としての機能を有する負荷インピーダンス回路を形成してなる回転結合導体と、を備え、
前記入力側マイクロストリップ線路の他端部から電力を入力し、前記出力側マイクロストリップ線路の一端部および他端部から所定の分配比で分配された電力をそれぞれ出力させる結合回路であって、
前記第2の結合部は、前記回転結合導体の長手方向中心軸線に対して前記出力側マイクロストリップ線路の一端部側に位置する第1の部位の結合面積と他端部側に位置する第2の部位の結合面積とを、前記所定の分配比が設定されるように互いに相違させ、かつ、前記第1の部位および第2の部位の前記長手方向中心軸線を基準とする突出長をそれぞれ0.2λ(λは、使用周波数の波長)以下に設定したことを特徴とする結合回路。 - 前記第2の結合部は、前記回転結合導体の長手方向中心軸線に直角な方向に向ってテーパ状に拡がる形状を有することを特徴とする請求項1に記載の結合回路。
- 前記回転結合導体の第1の結合部および第2の結合部は、それぞれ絶縁体を介して結合させたことを特徴とする請求項1に記載の結合回路。
- 誘電体基板に形成された入力側マイクロストリップ線路と、
前記誘電体基板に形成され、異径かつ同心の複数の円弧に沿った部位をそれぞれ有する複数の出力側マイクロストリップ線路と、
前記各円弧の中心を通る軸によって一端部が回転可能に支持され、その一端部に前記入力側マイクロストリップ線路の一端部と結合する第1の結合部を形成するとともに、その他端部側に前記複数の出力側マイクロストリップ線路の前記円弧に沿った部位とそれぞれ結合する複数の第2の結合部を形成し、前記複数の第2の結合部からλg/4(λgは、前記回転結合導体上における使用周波数の波長)だけ前記第1の結合部側に寄った箇所に至る各部位に4分の1波長変成器としての機能を有する負荷インピーダンス回路をそれぞれ形成してなる回転結合導体と、を備え、
前記入力側マイクロストリップ線路の他端部から電力を入力し、前記複数の出力側マイクロストリップ線路の一端部および他端部から所定の分配比で分配された電力をそれぞれ出力させる結合回路であって、
前記複数の第2の結合部は、前記回転結合導体の長手方向中心軸線に対して前記出力側マイクロストリップ線路の一端部側に位置する第1の部位の結合面積と他端部側に位置する第2の部位の結合面積とを、前記所定の分配比が設定されるように互いに相違させ、かつ、前記第1の部位および第2の部位の前記長手方向中心軸線を基準とする突出長をそれぞれ0.2λ(λは、使用周波数の波長)以下に設定したことを特徴とする結合回路。 - 前記第2の結合部は、前記回転結合導体の長手方向中心軸線に直角な方向に向ってテーパ状に拡がる形状を有することを特徴とする請求項4に記載の結合回路。
- 前記回転結合導体の第1の結合部および複数の第2の結合部は、そいれぞれ絶縁体を介して結合させたことを特徴とする請求項4に記載の結合回路。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007143305A JP2008301045A (ja) | 2007-05-30 | 2007-05-30 | 結合回路 |
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JP2007143305A Pending JP2008301045A (ja) | 2007-05-30 | 2007-05-30 | 結合回路 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012227911A (ja) * | 2011-04-06 | 2012-11-15 | Hitachi Cable Ltd | 電力分配型移相器及び電波送信システム |
JP2013519276A (ja) * | 2010-02-08 | 2013-05-23 | テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) | 可変ビーム特性を有するアンテナ |
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2007
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