JP2008300116A - イオン注入装置及びイオン注入方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】イオンビームを照射している最中にイオンビームが停止した場合でも、未照射部分に容易にイオンビームを照射する。
【解決手段】被処理物1を第1の移動方向に移動させている最中にイオンビーム8の出力が停止した場合に、イオンビーム8を停止したまま、イオンビーム8が照射されない退避位置まで被処理物1を第1の移動方向に移動させ、退避位置でイオンビーム8を再出力し、第1の移動方向とは逆方向の第2の移動方向に被処理物1を移動させて、再出力したイオンビーム8を被処理物1に照射し、イオンビーム8が最初に停止した時点におけるイオンビーム8の照射領域と、再出力したイオンビーム8の照射領域とが、少なくとも一部重複し、且つ重複照射領域の、被処理物1の移動方向の長さが、イオンビーム8の断面の、被処理物1の移動方向の寸法を超えないように、再出力したイオンビーム8の出力を停止する。
【選択図】図3
【解決手段】被処理物1を第1の移動方向に移動させている最中にイオンビーム8の出力が停止した場合に、イオンビーム8を停止したまま、イオンビーム8が照射されない退避位置まで被処理物1を第1の移動方向に移動させ、退避位置でイオンビーム8を再出力し、第1の移動方向とは逆方向の第2の移動方向に被処理物1を移動させて、再出力したイオンビーム8を被処理物1に照射し、イオンビーム8が最初に停止した時点におけるイオンビーム8の照射領域と、再出力したイオンビーム8の照射領域とが、少なくとも一部重複し、且つ重複照射領域の、被処理物1の移動方向の長さが、イオンビーム8の断面の、被処理物1の移動方向の寸法を超えないように、再出力したイオンビーム8の出力を停止する。
【選択図】図3
Description
本発明は、被処理物にイオンビームを照射することにより、被処理物にイオンを注入するイオン注入装置及びイオン注入方法に関する。
例えば液晶ディスプレイや半導体装置の製造において、液晶ガラス基板や半導体基板にリン(P)やボロン(B)などの不純物を注入するために、イオン注入装置が用いられる。
図5にイオン注入装置の従来例を示す。このイオン注入装置50は、内部に供給された材料ガスをプラズマ化し、このプラズマからイオンビーム53を引き出すイオン源51と、このイオン源51よりもイオンビーム53の進行方向の下流側に設置され被処理物54を収容する処理容器52とを備えている。
図5にイオン注入装置の従来例を示す。このイオン注入装置50は、内部に供給された材料ガスをプラズマ化し、このプラズマからイオンビーム53を引き出すイオン源51と、このイオン源51よりもイオンビーム53の進行方向の下流側に設置され被処理物54を収容する処理容器52とを備えている。
処理容器52には、ガラス基板等の被処理物54を載せてイオンビーム53を横切る方向(図で左右方向)に移動可能な移動ステージ55が設置されており、移動ステージ55が移動することにより被処理物54の表面全体にイオンビーム53を照射することができる。
なお、イオン注入装置に関する先行技術文献としては、下記特許文献1及び2が例示される。
イオン注入装置50において被処理物54にイオンビーム53を照射している最中に、何らかの原因でイオンビーム53が停止する場合がある。このため、イオンビーム53が途中で停止した場合、イオンビーム53が照射された部分と照射されていない部分(未照射部分)をもつ被処理物となってしまう。このような被処理物は、異常な被処理物として廃棄される。なお、イオンビームが停止した位置から再度イオンビームを出力して照射することも考えられるが、イオンビームを所望の出力まで上げるには、ある程度の時間を要するため、停止位置にて再出力する方法ではイオンの注入量を制御することが困難である。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、イオンビームを照射している最中にイオンビームが停止した場合でも、未照射部分に容易にイオンビームを照射することができるイオン注入装置及びイオン注入方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明のイオン注入装置及びイオン注入方法は、以下の手段を採用する。
本発明のイオン注入装置は、イオンビームを出力するビーム出力手段と、被処理物を、前記イオンビームを横切る方向に相対的に移動させる走査手段と、前記イオンビームの出力状態を検知するためのビーム検知手段と、前記ビーム出力手段及び前記走査手段を制御する制御装置と、を備え、該制御装置は、前記ビーム検知手段からの信号に基づいて前記イオンビームの出力状態を監視し、前記イオンビームに対して前記被処理物を第1の移動方向に移動させている最中に前記イオンビームの出力が停止したことを検知した場合に、前記ビーム出力手段及び前記走査手段を制御することにより、イオンビームを停止したまま、イオンビームが照射されない退避位置まで前記被処理物を前記第1の移動方向に移動させ、前記退避位置でイオンビームを再出力し、前記第1の移動方向とは逆方向の第2の移動方向に前記被処理物を移動させて、再出力したイオンビームを前記被処理物に照射し、前記イオンビームが最初に停止した時点におけるイオンビームの照射領域と、再出力した前記イオンビームの照射領域とが、少なくとも一部重複し、且つ重複照射領域の、前記被処理物の移動方向の長さが、前記イオンビームの断面の、前記被処理物の移動方向の寸法を超えないように、再出力した前記イオンビームの出力を停止する、ことを特徴とする。
また、本発明のイオン注入方法は、イオンビームを出力し、該イオンビームの出力状態を検知しながら、被処理物を、前記イオンビームを横切る第1の移動方向に相対的に移動させ、前記イオンビームに対して前記被処理物を第1の移動方向に移動させている最中に該イオンビームの出力が停止した場合に、イオンビームを停止したまま、イオンビームが照射されない退避位置まで前記被処理物を前記第1の移動方向に移動させ、前記退避位置でイオンビームを再出力し、前記第1の移動方向とは逆方向の第2の移動方向に前記被処理物を移動させて、再出力したイオンビームを前記被処理物に照射し、前記イオンビームが最初に停止した時点におけるイオンビームの照射領域と、再出力した前記イオンビームの照射領域とが、少なくとも一部重複し、且つ重複照射領域の、前記被処理物の移動方向の長さが、前記イオンビームの断面の、前記被処理物の移動方向の寸法を超えないように、再出力した前記イオンビームの出力を停止する、ことを特徴とする。
また、本発明のイオン注入方法は、イオンビームを出力し、該イオンビームの出力状態を検知しながら、被処理物を、前記イオンビームを横切る第1の移動方向に相対的に移動させ、前記イオンビームに対して前記被処理物を第1の移動方向に移動させている最中に該イオンビームの出力が停止した場合に、イオンビームを停止したまま、イオンビームが照射されない退避位置まで前記被処理物を前記第1の移動方向に移動させ、前記退避位置でイオンビームを再出力し、前記第1の移動方向とは逆方向の第2の移動方向に前記被処理物を移動させて、再出力したイオンビームを前記被処理物に照射し、前記イオンビームが最初に停止した時点におけるイオンビームの照射領域と、再出力した前記イオンビームの照射領域とが、少なくとも一部重複し、且つ重複照射領域の、前記被処理物の移動方向の長さが、前記イオンビームの断面の、前記被処理物の移動方向の寸法を超えないように、再出力した前記イオンビームの出力を停止する、ことを特徴とする。
上記装置及び方法によれば、イオンビームに対して被処理物を第1の移動方向に移動させている最中にイオンビームの出力が停止した場合に、イオンビームを停止したまま、イオンビームが照射されない退避位置まで被処理物を第1の移動方向に移動させ、退避位置でイオンビームを再出力し、第1の移動方向とは逆方向の第2の移動方向に被処理物を移動させて、再出力したイオンビームを被処理物に照射するので、イオンビームの照射量を一定に制御しながら、未照射部分に対して容易にイオンビームを照射することができる。
また、イオンビームが最初に停止した時点におけるイオンビームの照射領域と、再出力したイオンビームの照射領域とが、少なくとも一部重複するように再出力したイオンビームの出力を停止するので、未照射部分を残さずにイオンビームを照射することができる。さらに、重複照射領域の、被処理物の移動方向の長さが、イオンビームの断面の、被処理物の移動方向の寸法を超えないように、再出力したイオンビームの出力を停止するので、イオンを過剰に注入することを防止することができる。
また、イオンビームが最初に停止した時点におけるイオンビームの照射領域と、再出力したイオンビームの照射領域とが、少なくとも一部重複するように再出力したイオンビームの出力を停止するので、未照射部分を残さずにイオンビームを照射することができる。さらに、重複照射領域の、被処理物の移動方向の長さが、イオンビームの断面の、被処理物の移動方向の寸法を超えないように、再出力したイオンビームの出力を停止するので、イオンを過剰に注入することを防止することができる。
また、上記のイオン注入装置において、前記制御装置は、前記ビーム出力手段に対して、前記重複照射領域の、前記被処理物の移動方向の長さが、前記イオンビームの断面の、前記被処理物の移動方向の寸法と一致するように、再出力した前記イオンビームの出力を停止する制御を行う。
また、上記のイオン注入方法において、前記重複照射領域の、前記被処理物の移動方向の長さが、前記イオンビームの断面の、前記被処理物の移動方向の寸法と一致するように、再出力した前記イオンビームの出力を停止する。
また、上記のイオン注入方法において、前記重複照射領域の、前記被処理物の移動方向の長さが、前記イオンビームの断面の、前記被処理物の移動方向の寸法と一致するように、再出力した前記イオンビームの出力を停止する。
このように、上記の重複照射領域の、被処理物の移動方向の長さが、イオンビームの断面の、被処理物の移動方向の寸法と一致するように、再出力したイオンビームの出力を停止するので、重複照射領域における第1の移動方向のときのイオンの注入量と第2の移動方向のときのイオンの注入量の総和が、非重複照射領域のイオン注入量と同じになる。したがって、イオンを被処理物にムラなく注入することができる。
本発明によれば、イオンビームを照射している最中にイオンビームが停止した場合でも、未照射部分に容易にイオンビームを照射することができる、という優れた効果が得られる。
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1及び図2は、本発明の実施形態にかかるイオン注入装置10の概略図である。図2は、図1のイオン注入装置をX方向から見た図である。
イオン注入装置10は、内部で発生させたプラズマ7からイオンビーム8を引き出すイオン源12と、このイオン源12よりもイオンビーム8の進行方向の下流側に設置され被処理物1を収容する処理容器14とを備えている。
イオン注入装置10は、内部で発生させたプラズマ7からイオンビーム8を引き出すイオン源12と、このイオン源12よりもイオンビーム8の進行方向の下流側に設置され被処理物1を収容する処理容器14とを備えている。
イオン源12は、この例では、図示しない永久磁石によってプラズマ生成容器13の内部にプラズマ7を閉じ込めるためのカスプ磁場を形成するバケット型イオン源であり、内部でプラズマ7を発生させるプラズマ生成容器13と、プラズマ生成容器13の内部に設置された1以上のフィラメント3と、処理容器14側に設けられた引出し電極系6とを有する。
なお、イオン源12は、バケット型イオン源に限られず、他の形式のイオン源、例えば、カスプ磁場を用いない無磁場型イオン源や単一のマグネットコイルを用いるカウフマン型イオン源等であってもよい。
なお、イオン源12は、バケット型イオン源に限られず、他の形式のイオン源、例えば、カスプ磁場を用いない無磁場型イオン源や単一のマグネットコイルを用いるカウフマン型イオン源等であってもよい。
フィラメント3には、フィラメント電源17が接続されており、このフィラメント電源17からフィラメント3に対して、フィラメント3を加熱するための電流を流すことができる。
引出し電極系6には、加速用電源18が接続されており、この加速用電源18により、引出し電極系6に対してイオンを引き出して加速するための所定の電圧を印加する。
なお、フィラメント電源17及び加速用電源18は、後述する制御装置20によって制御される。
引出し電極系6には、加速用電源18が接続されており、この加速用電源18により、引出し電極系6に対してイオンを引き出して加速するための所定の電圧を印加する。
なお、フィラメント電源17及び加速用電源18は、後述する制御装置20によって制御される。
このように構成されたイオン源12においては、フィラメント3から熱電子を放出し、プラズマ生成容器13の内部で熱電子を材料ガスの分子に衝突させてプラズマ7を発生させ、引出し電極系6により、発生したプラズマ7からイオンビーム8を引き出すとともに所定のエネルギーまで加速する。図1及び図2において、イオンビーム8は、長軸方向がY方向と一致する断面長方形状を呈しており、その長軸方向寸法は、被処理物1の短軸方向寸法(Y方向寸法)よりも長い。なお、上記の材料ガスは、例えば、水素で希釈したフォスフィン(PH3)やジボラン(B2H6)等である。
本実施形態では、上記のイオン源12、フィラメント電源17及び加速用電源18により、本発明における「ビーム出力手段」が構成されている。
本実施形態では、上記のイオン源12、フィラメント電源17及び加速用電源18により、本発明における「ビーム出力手段」が構成されている。
処理容器14には、ガラス基板等の被処理物1を載せてイオンビーム8を横切る方向(図のX方向)に移動可能な移動ステージ5が設置されており、移動ステージ5が移動することにより被処理物1の表面全体にイオンビーム8を照射することができる。移動ステージ5は、後述する制御装置20によって、その駆動が制御される。
このように、本実施形態では、イオンビーム8の位置を固定し、被処理物1を移動させることにより、被処理物1を、イオンビーム8を横切る方向に相対的に移動させる。このように、本実施形態では、上記の移動ステージ5により、本発明における「走査手段」が構成されている。
このように、本実施形態では、イオンビーム8の位置を固定し、被処理物1を移動させることにより、被処理物1を、イオンビーム8を横切る方向に相対的に移動させる。このように、本実施形態では、上記の移動ステージ5により、本発明における「走査手段」が構成されている。
なお、被処理物1の位置を固定し、イオンビーム8の照射位置を移動させることにより、被処理物1を、イオンビーム8を横切る方向に相対的に移動させるようにしてもよい。この場合、イオンビーム8の照射位置を移動させる手段により、本発明における「走査手段」が構成される。
図1に示したイオン注入装置10は、非質量分離型であり、プラズマ生成容器13と処理容器14とが隣接して配置され、両者が相互に内部空間が連通するように連結されている。プラズマ生成容器13と処理容器14の内部は、処理容器14に接続された図示しない真空排気装置によって一括して真空に排気される。なお、イオン注入装置10は、質量分離型でもよく、この場合、プラズマ生成容器13と処理容器14の間にイオンビーム8の経路を囲む隔壁が配置され、相互に内部空間が連通するように、プラズマ生成容器13、処理容器14および上記の隔壁が連結される。
またこのイオン注入装置10は、イオンビーム8の出力状態を検知するためのビーム検知手段として、ドーズモニタ16を備えている。ドーズモニタ16は、例えばファラデーカップからなり、被処理物1に対するイオンビーム8の照射を遮らず且つイオンビーム8が入射する位置に配置され、入射したイオンビーム8のビーム電流を計測する。ドーズモニタ16からの信号は後述する制御装置20に送信される。ドーズモニタ16の電流値を監視することにより、何らかの原因によりイオンビーム8が停止した場合には、瞬時にその状態を検知することができる。また、ドーズモニタ16で計測した電流値と被処理物1に入射する部分のイオンビーム8の電流値との間には一定の相関関係があるため、ドーズモニタ16で計測した電流値から、被処理物1に入射する電流量(イオン注入量)を割り出すことができる。
なお、上記のビーム検知手段は、フィラメント電源17や加速用電源18の異常・停止等、イオンビーム8の停止の原因となる要因を検知することができる他の手段であってもよい。
なお、上記のビーム検知手段は、フィラメント電源17や加速用電源18の異常・停止等、イオンビーム8の停止の原因となる要因を検知することができる他の手段であってもよい。
イオン注入装置10は、さらに、ビーム出力手段及び走査手段を制御する制御装置20を備えている。本実施形態では、制御装置20は、フィラメント電源17及び加速用電源18を制御することにより、イオンビーム8の出力を制御し、移動ステージ5を制御することにより、被処理物1に対するイオンビーム8の照射位置及び走査速度を制御する。
また、制御装置20は、ビーム検知手段からの信号に基づいてイオンビーム8の出力状態を監視し、イオンビーム8に対して被処理物1を第1の移動方向に移動させている最中にイオンビーム8の出力が停止したことを検知した場合に、ビーム出力手段及び走査手段を制御することにより、イオンビーム8を停止したまま、イオンビーム8が照射されない退避位置まで被処理物1を第1の移動方向に移動させ、退避位置でイオンビーム8を再出力し、第1の移動方向とは逆方向の第2の移動方向に被処理物1を移動させて、再出力したイオンビーム8を被処理物1に照射し、イオンビーム8が最初に停止した時点におけるイオンビーム8の照射領域と、再出力したイオンビーム8の照射領域とが、少なくとも一部重複し、且つ重複照射領域の、被処理物1の移動方向の長さが、イオンビーム8の断面の、被処理物1の移動方向の寸法を超えないように、再出力したイオンビーム8の出力を停止する。
以下、図3を参照し、制御装置20による上記の制御によって実現されるイオン注入方法について具体的に説明する。図3において、被処理物1に施した濃淡はイオンビーム8の照射状態を示しており、その濃淡とイオンビーム8の照射状態の対応関係は、図中右上に示す通りである。
図3(A)に示すように、まず、イオンビーム8を出力して、被処理物1を所定の方向(図で右方向)に一定速度で移動させる。このときのイオンビーム8に対する被処理物1の相対的な移動方向を「第1の移動方向」とする。そして、図1(A)に示す位置までイオンビーム8を照射したときに、何らかの異常の発生によりイオンビーム8が停止したとする。このとき制御装置20は、イオンビーム8が停止した時点における被処理物1上の照射位置を記憶する。本実施形態において具体的には、制御装置20は、移動ステージ5に搭載された駆動モータのエンコーダからの回転角信号に基づいて算出される移動ステージ5の位置を記憶する。なお、移動ステージ5の位置の検出は、上記のエンコーダの回転角信号に限られない。例えば、移動ステージ5の特定位置の通過をリミットスイッチで検出し、リミットスイッチの作動時刻と移動ステージ5の移動速度から、移動ステージ5の位置を算出してもよい。また、上記のエンコーダからの信号に基づく位置と、リミットスイッチからの信号に基づく位置を併用し、移動ステージ5の位置を算出してもよい。
次に、イオンビーム8を停止したまま、イオンビーム8が照射されない退避位置まで被処理物1を上記の第1の移動方向に移動させる。そして、図3(B)に示すように、退避位置でイオンビーム8を再出力し、図3(C)に示すように、前回のビーム照射を開始した端部とは逆側の端部から、前回の移動方向(第1の移動方向)とは逆方向である第2の移動方向に一定速度で被処理物1を移動させて、被処理物1にイオンビーム8を照射する。このときの被処理物1の第1の移動方向への移動速度と、第2の移動方向への移動速度は同じである。
そして、図3(D)に示すように、イオンビーム8が停止した時点におけるイオンビーム8の照射領域と、再出力したイオンビーム8の照射領域とが、少なくとも一部重複し、且つ重複照射領域の、被処理物1の移動方向の長さが、イオンビーム8の断面の、被処理物1の移動方向の寸法(図3で左右方向寸法/図1ではイオンビーム8の断面の短軸方向寸法)を超えないように、再出力したイオンビーム8の出力を停止する。このときのイオンビーム8の出力を停止するタイミングは、上記において記憶した、イオンビーム8が停止した時点における被処理物1上の照射位置に基づいて求める。また、このイオンビーム8の停止は瞬時に行なう。
図4(A)及び(B)に、上述したイオン注入方法を適用した被処理物1についての、重複照射領域周辺の被処理物1上の位置とイオン注入量との関係を示す。図4(A)は、イオンビーム8が最初に停止した時点におけるイオンビーム8の照射領域と、再出力したイオンビーム8の照射領域とが一部重複するタイミングでイオンビーム8の出力を停止した場合の図である。図4(B)は、重複照射領域の、被処理物1の移動方向の長さが、イオンビーム8の断面の、被処理物1の移動方向の寸法と一致するタイミングでイオンビーム8の出力を停止した場合の図である。
図4において、符号Aは上記の第1の移動方向に被処理物1を移動させてイオンビーム8を照射したとき(図3(A))のイオン注入量の分布を示し、符号Bは上記の第2の移動方向に被処理物1を移動させてイオンビーム8を照射したとき(図3(C))のイオン注入量の分布を示している。このように、イオンビーム8が途中で停止した場合、被処理物1の移動方向の上流側ほどイオン注入量が少ない。なお、分布A及び分布Bにおける傾斜範囲の長さがイオンビームの断面の、被処理物1の移動方向の寸法に相当する。
符号Cは、第1の移動方向によるイオンビーム8の照射と、第2の移動方向によるイオンビーム8の照射が終了した後の、各位置における総イオン注入量の分布を示している。すなわち、分布Cは、分布Aと分布Bの総和である。
符号Cは、第1の移動方向によるイオンビーム8の照射と、第2の移動方向によるイオンビーム8の照射が終了した後の、各位置における総イオン注入量の分布を示している。すなわち、分布Cは、分布Aと分布Bの総和である。
上述した本発明の上記装置及び方法によれば、イオンビーム8に対して被処理物1を第1の移動方向に移動させている最中にイオンビーム8の出力が停止した場合に、イオンビーム8を停止したまま、イオンビーム8が照射されない退避位置まで被処理物1を第1の移動方向に移動させ、退避位置でイオンビーム8を再出力し、第1の移動方向とは逆方向の第2の移動方向に被処理物1を移動させて、再出力したイオンビーム8を被処理物1に照射するので、イオンビーム8の照射量を一定に制御しながら、未照射部分に対して容易にイオンビーム8を照射することができる。また、イオンビーム8が最初に停止した時点におけるイオンビーム8の照射領域と、再出力したイオンビーム8の照射領域とが、少なくとも一部重複するように再出力したイオンビーム8の出力を停止するので、未照射部分を残さずにイオンビーム8を照射することができる。さらに、重複照射領域の、被処理物1の移動方向の長さが、イオンビーム8の断面の、被処理物1の移動方向の寸法を超えないように、再出力したイオンビーム8の出力を停止するので、イオンを過剰に注入することを防止することができる。
また、図4(B)に示すように、重複照射領域の、被処理物1の移動方向の長さが、イオンビーム8の断面の、被処理物1の移動方向の寸法と一致するように、再出力したイオンビーム8の出力を停止すれば、重複照射領域における第1の移動方向のときのイオンの注入量と第2の移動方向のときのイオンの注入量の総和が、非重複照射領域(分布A及び分布Bのそれぞれのフラット部分)のイオン注入量と同じになる。したがって、イオンを被処理物1にムラなく注入することができる。
なお、上記において、本発明の実施形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1 被処理物
3 フィラメント
5 移動ステージ
6 引出し電極系
7 プラズマ
8 イオンビーム
10 イオン注入装置
12 イオン源
13 プラズマ生成容器
14 処理容器
16 ドーズモニタ(ビーム検知手段)
17 フィラメント電源
18 加速用電源
20 制御装置
3 フィラメント
5 移動ステージ
6 引出し電極系
7 プラズマ
8 イオンビーム
10 イオン注入装置
12 イオン源
13 プラズマ生成容器
14 処理容器
16 ドーズモニタ(ビーム検知手段)
17 フィラメント電源
18 加速用電源
20 制御装置
Claims (4)
- イオンビームを出力するビーム出力手段と、
被処理物を、前記イオンビームを横切る方向に相対的に移動させる走査手段と、
前記イオンビームの出力状態を検知するためのビーム検知手段と、
前記ビーム出力手段及び前記走査手段を制御する制御装置と、を備え、
該制御装置は、前記ビーム検知手段からの信号に基づいて前記イオンビームの出力状態を監視し、前記イオンビームに対して前記被処理物を第1の移動方向に移動させている最中に前記イオンビームの出力が停止したことを検知した場合に、前記ビーム出力手段及び前記走査手段を制御することにより、イオンビームを停止したまま、イオンビームが照射されない退避位置まで前記被処理物を前記第1の移動方向に移動させ、前記退避位置でイオンビームを再出力し、前記第1の移動方向とは逆方向の第2の移動方向に前記被処理物を移動させて、再出力したイオンビームを前記被処理物に照射し、前記イオンビームが最初に停止した時点におけるイオンビームの照射領域と、再出力した前記イオンビームの照射領域とが、少なくとも一部重複し、且つ重複照射領域の、前記被処理物の移動方向の長さが、前記イオンビームの断面の、前記被処理物の移動方向の寸法を超えないように、再出力した前記イオンビームの出力を停止する、ことを特徴とするイオン注入装置。 - 前記制御装置は、前記ビーム出力手段に対して、前記重複照射領域の、前記被処理物の移動方向の長さが、前記イオンビームの断面の、前記被処理物の移動方向の寸法と一致するように、再出力した前記イオンビームの出力を停止する制御を行う、請求項1記載のイオン注入装置。
- イオンビームを出力し、該イオンビームの出力状態を検知しながら、被処理物を、前記イオンビームを横切る第1の移動方向に相対的に移動させ、
前記イオンビームに対して前記被処理物を第1の移動方向に移動させている最中に該イオンビームの出力が停止した場合に、イオンビームを停止したまま、イオンビームが照射されない退避位置まで前記被処理物を前記第1の移動方向に移動させ、前記退避位置でイオンビームを再出力し、前記第1の移動方向とは逆方向の第2の移動方向に前記被処理物を移動させて、再出力したイオンビームを前記被処理物に照射し、前記イオンビームが最初に停止した時点におけるイオンビームの照射領域と、再出力した前記イオンビームの照射領域とが、少なくとも一部重複し、且つ重複照射領域の、前記被処理物の移動方向の長さが、前記イオンビームの断面の、前記被処理物の移動方向の寸法を超えないように、再出力した前記イオンビームの出力を停止する、ことを特徴とするイオン注入方法。 - 前記重複照射領域における前記被処理物の移動方向の長さが、前記イオンビームの断面における前記被処理物の移動方向の寸法と一致するように、再出力した前記イオンビームの出力を停止する、請求項3記載のイオン注入方法。
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