JP2008298538A - 土壌汚染物質溶出試験方法および土壌汚染物質溶出促進装置 - Google Patents

土壌汚染物質溶出試験方法および土壌汚染物質溶出促進装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便な方法で短期間に長期安定性を評価し得る土壌汚染物質溶出試験方法を提供することを一の課題とする。
【解決手段】土壌汚染物質が含有されている固体試料から前記土壌汚染物質を水中に溶出させる溶出試験を実施することにより前記固体試料からの土壌汚染物質溶出量を測定する土壌汚染物質溶出試験方法であって、前記溶出試験前に、酸化性気体濃度が22体積%以上の混合気体の雰囲気下で前記固体試料を養生することを特徴とする土壌汚染物質溶出試験方法による。
【選択図】 図1

Description

本発明は、土壌汚染物質溶出試験方法および土壌汚染物質溶出促進装置に関する。
従来、カドミニウム、鉛、水銀などの重金属やシアン、ハロゲン化物などの土壌汚染物質を含有している汚染土壌の処理方法としては、土壌の入れ替えが主として行われている。しかし、この土壌の入れ替えは、工期が長くかかり、多大なコストがかかるという問題を有している。そのため、近年、汚染物質を含有する土壌に対してその場で汚染物質を固化させたり、不溶化させたりする方法が検討されている。この固化処理とは、汚染土壌にセメントなどの固化材を混合して物理的および化学的に汚染物質を安定化させる方法である(下記特許文献1参照)。
また、不溶化とは汚染土壌に各種薬剤を添加して土壌汚染物質を水に溶けにくい物質に変えて安定化させるものである。
ところで、「平成3年環境省告示第46号」では、カドミニウム、鉛、水銀などの重金属やシアン、ハロゲン化物などの土壌汚染物質に関して、土壌からの溶出量の基準値が設けられている。また、この「平成3年環境省告示第46号」では、その溶出量を求めるための方法も規定されており、純水に僅かに塩酸を加えてpH調整した水と汚染土壌とを混合して汚染土壌から土壌汚染物質を水中に溶出させる溶出試験を実施することなどが規定されている。
そして、この溶出試験は、土壌が定められた基準値を満足するかどうか(処理を必要とするかどうか)の判定のみならず、汚染土壌に対する固化処理や不溶化処理の効果を評価する方法としても広く用いられており、固化処理や不溶化処理される前の汚染土壌や固化処理、不溶化処理された後の土壌、セメントあるいはコンクリートなどの種々の固体試料に対する評価試験として広く用いられている。
また、固化処理や不溶化処理などの効果に対する長期安定性を評価する場合には、固化処理、不溶化処理された後の土壌を恒温室で常温(20℃)で養生させた後に上記のような溶出試験が実施されて養生期間と溶出量との関係が求められたりしている。
この恒温室での養生による長期安定性の評価では、長期の養生期間が必要となるため、短期に評価を行うことができる促進試験が求められている。
例えば、近年、汚染土壌がセメントにより固化処理されたセメント固化体を、水没、乾燥を繰り返してセメント固化体からの土壌汚染物質の溶出を促進させる方法が検討されている。しかし、この方法では、恒温室で養生させる場合に比べて短期間に長期安定性の評価が実施できる反面、水没過程で水中に溶出される土壌汚染物質の量をその都度測定し、最終的には水中に溶出される土壌汚染物質の量を合計する必要がある。すなわち、各水没過程で固体試料から水中に溶出される土壌汚染物質の量をその都度測定しなければならず評価のための手間を増大させるという問題を生じる。
すなわち、従来の土壌汚染物質溶出試験方法においては、簡便な方法で短期間に長期安定性を評価することが困難であるという問題を有している。
特開2005−162895号公報
本発明は上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、簡便な方法で短期間に長期安定性を評価し得る土壌汚染物質溶出試験方法を提供することを一の課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明は、土壌汚染物質が含有されている固体試料から前記土壌汚染物質を水中に溶出させる溶出試験を実施することにより、前記固体試料からの土壌汚染物質溶出量を測定する土壌汚染物質溶出試験方法であって、前記溶出試験前に、酸化性気体濃度が22体積%以上の混合気体の雰囲気下で前記固体試料を養生することを特徴とする土壌汚染物質溶出試験方法を提供する。
本発明の土壌汚染物質溶出試験方法においては、好ましくは、前記酸化性気体として酸素を用いて実施する。
また、本発明の土壌汚染物質溶出試験方法においては、より好ましくは、前記固体試料を乾燥させる乾燥過程と、前記固体試料を加湿する湿潤過程とを、前記溶出試験前に少なくとも1回ずつ実施する。
さらに、より好ましくは、前記固体試料を温度が20〜60℃で、相対湿度が0〜50%の雰囲気条件とすることにより前記乾燥過程を実施し、且つ、前記固体試料を温度が0〜60℃で、相対湿度が70〜100%の雰囲気条件とすることにより前記湿潤過程を実施する。
さらに、本発明は、土壌汚染物質が含有され、該土壌汚染物質を水中に溶出させる溶出試験が実施される固体試料に対して、前記溶出試験前に、土壌汚染物質の溶出を促進させる土壌汚染物質溶出促進装置であって、前記固体試料の置かれている雰囲気を一定の酸化性気体濃度の混合気体となるように制御する気体濃度調整機構が備えられていることを特徴とする土壌汚染物質溶出促進装置を提供する。
本発明に係る土壌汚染物質溶出試験方法によれば、土壌汚染物質が含有されている固体試料に対し、前記固体試料の溶出試験前に、酸化性気体濃度が22体積%以上の混合気体の雰囲気下で前記固体試料を養生することから、水没、乾燥を繰り返して実施する場合のように、水没過程で水中に溶出される土壌汚染物質の量をその都度測定するような手間を必要とせず、例えば、処理された土壌に対して上記のような乾燥過程と湿潤過程とを実施した後に「平成3年環境省告示第46号」等に規定の溶出試験を1回実施するだけで土壌の長期安定性評価を実施し得る。
しかも、水没、乾燥を繰り返して実施する場合と同様に土壌汚染物質の溶出を恒温室で養生させる場合に比べて促進させることができる。
よって、本発明によれば、土壌汚染物質溶出試験方法の手間を増大させずに汚染土壌等の長期安定性を短期間に評価することが困難であるという問題を解消でき、土壌汚染物質溶出試験方法を簡便で短期間での長期安定性の評価を可能なものとし得る。
本発明に係る土壌汚染物質溶出試験方法においては、土壌汚染物質が含有されている固体試料に対して、前記固体試料の溶出試験前に、酸化性気体濃度が22体積%以上の混合気体の雰囲気下で前記固体試料を養生した後に「平成3年環境省告示第46号」等に規定の溶出試験を1回実施することにより、前記固体試料からの土壌汚染物質溶出量を測定する。
前記混合気体中の酸化性気体濃度は、前記固体試料からの前記土壌汚染物質の溶出促進のため、22体積%以上であることが必要である。酸化性気体濃度が22体積%以上の混合気体の雰囲気下で前記固体試料を養生すると、汚染土壌中に含有・吸着等され不溶化処理により固定化された汚染物質が、酸化により汚染土壌から解離し、水に溶解することが考えられる。斯かる理由により、前記土壌汚染物質の溶出が促進されることと推察される。よって、酸化性気体濃度が22体積%未満の雰囲気下では、汚染物質の溶出促進が不十分となるおそれがある。酸化性気体濃度は高濃度の方が好ましく、25〜60体積%、さらには、30〜60体積%が好ましい。酸化性気体濃度が25体積%以上であると、養生時間を短縮でき、30体積%以上であるとさらに養生時間を短縮できる利点がある。なお、推察される酸化による溶出促進を考慮すると、60体積%超では溶出促進効果に差がなくなるため、酸化性気体濃度を必要以上に高くする必要はない。
前記酸化性気体としては、例えば、酸素、オゾン、二酸化窒素などの窒素酸化物等が挙げられ、好ましくは、酸素が挙げられる。酸素は人体に対する毒性が他の酸化性気体より低いため、土壌汚染物質溶出試験を好適に実施できる。
本発明の固体試料としては、土壌汚染物質が含有されている汚染土壌、該汚染土壌が固化処理や不溶化処理された処理土壌、セメントまたはコンクリートなどの種々の固体試料を使用できる。土壌としては、砂質土、関東ローム、有機質土などあらゆるものが適用可能である。また、測定の対象となる土壌汚染物質としては、主として六価クロム、鉛、砒素、カドミウム、水銀、セレン等の重金属類が挙げられ、その他にもフッ素、ホウ素、シアン等が挙げられる。
また、前記養生において、酸化性気体濃度が22体積%以上の混合気体の雰囲気下における温度、相対湿度は特に限定されるものではないが、例えば、温度が0〜60℃、相対湿度が0〜100%の範囲で可能である。前記養生の時間は、通常、1〜14日程度である。なお、酸化性気体と混合される気体は、例えば、窒素、ヘリウム、二酸化炭素、空気等である。
本発明に係る土壌汚染物質溶出試験方法においては、好ましくは、前記固体試料を乾燥させる乾燥過程と、前記固体試料を加湿する湿潤過程とが少なくとも1回ずつ実施される。さらに好ましくは、前記乾燥過程と前記湿潤過程とが交互に、連続して、繰り返し実施される。
ここで、前記乾燥過程と前記湿潤過程とは、例えば、雰囲気条件を変化させた気中に固体試料を保持して実施することができる。また、前記乾燥過程は前記湿潤過程よりも高温雰囲気下とすることが好ましい。具体的には、前記乾燥過程は、前記固体試料を温度が20〜60℃で、相対湿度が0〜50%の雰囲気条件とすることにより実施し、しかも、前記湿潤過程は、前記固体試料を温度が0〜60℃で、相対湿度が70〜100%の雰囲気条件とすることにより実施することがより好ましい。
前記乾燥過程の雰囲気温度が20〜60℃であることが好ましいのは、20℃以上の温度では固体試料の乾燥速度が高くなり、前記乾燥過程と前記湿潤過程との繰り返し数を増加させることなく試験が効率的に行われるという利点があり、一方、60℃以下の温度では固体試料の劣化を抑制できるという利点があるためである。
また、前記湿潤過程の雰囲気温度が0〜60℃であることが好ましいのは、0℃以上の温度では水の凍結が生じず湿潤効果を容易に得られる利点があるからであり、一方、60℃以下の温度では、固体試料の劣化を抑制できるという利点があるためである。
次に、本発明の土壌汚染物質溶出試験方法に用いる土壌汚染物質溶出促進装置の実施形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1は、本発明に係る土壌汚染物質溶出促進装置の一実施形態の断面図である。図1に示す如く、本実施形態の土壌汚染物質溶出促進装置1は、固体試料Aを収容しうる胴部10と、底面部20と、蓋部30とを有する装置本体2と、前記装置本体2に酸化性気体を含有した混合気体を供給して装置本体2内の気体を排出させるための外気供給装置4とが備えられている。
前記蓋部30には、装置本体2内外を連通させる貫通孔が二箇所に形成されている。前記蓋部30に形成された貫通孔の一方は、酸化性気体を含有した混合気体を装置本体2内へ流入させるための外気流入孔31とされ、他方は前記外気流入孔31から装置本体2内に流入された混合気体により、装置本体2内の気体を装置本体2外に排出させるべく形成された排気孔32とされている。
前記外気供給装置4は、酸化性気体を含有した混合気体をこの装置本体2内に流入させて装置本体2内の気体を排気孔32から排出させるべく、外気流入孔31に挿通される外気流入管45と、排気孔32に接続される排気管46とを有しており、この外気流入管45にはさらに酸化性気体を含有した混合気体を装置本体2内に流入させるためのファン(図示せず)が設けられている。また、この排気管46には弁47が取り付けられておりこの弁47の開度により装置本体2を流通する気体の量を調整し得るように構成されている。
なお、前記外気供給装置4によって酸化性気体を含有した混合気体を装置本体2内に流入させる際、あらかじめ酸化性気体を混合した混合気体を流入させることが可能であり、また、別途、前記外気流入管45を設けて、酸化性気体と他の気体とを別々に流入させることも可能である。また、あらかじめ所望の温度に調節した前記混合気体を装置本体2内に流入させることもできる。
また、酸化性気体センサー50による酸化性気体濃度の測定を実施しつつ、外気流入管45から流入する、酸化性気体を含有した混合気体の量と、前記排気管46から排出される装置本体2内の気体の量とを制御することにより、装置本体2内の酸化性気体濃度を調節することもできる。酸化性気体センサー50としては、具体的には、例えば、酸素センサーを挙げることができる。
本実施形態のように、土壌汚染物質溶出促進装置は、固体試料からの土壌汚染物質の溶出を促進するため、温度可変機構と調湿機構とを備えていることが好ましい。本実施形態の土壌汚染物質溶出促進装置は、土壌汚染物質溶出促進の調湿機構として、装置本体2に水を供給するための水供給装置3と、装置本体2内の気体を加温させるためのヒーター5と、装置本体2内の気体を攪拌して装置本体2内の温湿度に偏りが生じることを抑制させるための攪拌ファン6と、装置本体2内の気体の温湿度を測定するための温湿度センサー7とを備えている。
具体的には、前記装置本体2の胴部10は上下に開口された竪型円筒形状に形成されており、前記底部20はこの胴部10の円筒よりも径大な外縁を有する円板形状に形成されており、該円板形状上面側は底部20の外縁よりもわずかに径小な円形領域21を上面側に向かって突出させている。この上面側に向かって突出している円形領域21は、中央部に向かって傾斜した緩やかなすり鉢形状が上面側に形成されており、この円形領域21(以下「傾斜領域」ともいう)は外周縁が前記胴部10の内周と略同径に形成されている。
前記蓋部30も胴部10の円筒よりも径大な円板形状に形成されている。
そして、前記装置本体2は前記底部20の傾斜領域21に前記胴部10を外嵌させた状態で前記胴部10の下方の開口部が前記底部20により閉塞されており、前記蓋部30により前記胴部10の上方の開口部が閉塞されている。
また、前記装置本体2内には、固体試料Aを前記胴部10の上下方向略中央部において保持すべく固体試料載置部40が形成されており、該固体試料載置部40は前記胴部10円筒形状に比べはるかに細く円筒形状の略半分程度の長さの棒状体に形成された脚部41と前記胴部10の円筒内周よりも径小でしかも多数の貫通孔が形成された円板形状に形成されている円板部42とを有し、複数の前記脚部41が前記底部20の傾斜領域21上に立脚され、該脚部41の上端に前記円板部42が載置された状態で装置本体2内に収容されている。
前記胴部10には、上記のように前記固体試料載置部40を装置本体2内に収容したときに円板部42が位置する個所よりも下方となる位置において装置本体2内外を連通させる貫通孔11が形成されており、前記底部20にも、傾斜領域21中央部に装置本体2内外を連通させる貫通孔22が形成されている。
前記水供給装置3は、胴部10に形成された貫通孔11から装置本体2内に水を流入させるべく水貯留槽35と水循環ポンプ36とを有している。そして、この水貯留槽35から水循環ポンプ36を通り、胴部10に形成された貫通孔11(以下「水流入孔」ともいう)から装置本体2内に流入された水が底部20に形成された貫通孔22(以下「水排出孔」ともいう)から水貯留槽35に還流されるべく水循環経路Wが形成されている。また、この水貯留槽35は、土壌汚染物質溶出促進装置において装置本体2よりも低位に配され、水排出孔22から水貯留槽35にいたる部分の水循環経路Wには電磁弁37が設けられており、装置本体2内に流入された水を、前記電磁弁37を閉状態にすることにより装置本体2内に水を貯留し、前記電磁弁37を開状態にすることにより装置本体2内に流入された水を水貯留槽35に自然流下させうるように構成されている。
本発明の土壌汚染物質溶出試験方法の手順について具体的に説明する。先ず、装置本体2から前記蓋部30を取り外した状態で、土壌汚染物質が含有されている固体試料Aを前記固体試料載置部40の円板部42上に載置して前記蓋部30を取り付ける。次に、前記外気流入管45を通して、所望の酸化性気体濃度の混合気体を装置本体2に導入する。同時に、排気管46に取り付けられた弁47の開放程度を調節することにより、装置本体2内に前記混合気体を充満させる。そして、所定時間、所定温度、所定の相対湿度で養生し、固体試料Aからの土壌汚染物質の溶出を促進させる。上記手順の間、前記外気流入管45を通して所望濃度の酸化性気体の混合気体を装置本体2へと流入させ続けることが可能であり、また、前記混合気体の供給を適宜止めることも可能である。
前記養生の際、好ましくは、前記固体試料を乾燥させる乾燥過程と、前記固体試料を加湿する湿潤過程とが少なくとも1回ずつ実施される。これにより固体試料Aからの土壌汚染物質の溶出を促進させる。また、より好ましくは、前記調湿機構により装置本体2の雰囲気条件を温度が20〜60℃で相対湿度が0〜50%の状態と、温度が0〜60℃で相対湿度が70〜100%の状態とに変化させて乾燥過程と湿潤過程とを交互に複数回実施する。このような過程により固体試料Aからの土壌汚染物質の溶出をより促進させる。
例えば、前記乾燥過程は、装置本体2内をヒーター5で加温しつつ外気供給装置4で空気と酸素とを混合した混合空気を装置本体2内に流入させることにより実施することができ、このとき温湿度センサー7による温湿度測定を実施しつつヒーター5の加熱状況や前記混合空気の流入量を調整することにより乾燥過程を所望の条件とすることができる。
また例えば、前記湿潤過程は、水供給装置3で装置本体2内に水を供給して装置本体2内に水を貯留させることにより湿潤過程を所望の条件とすることができる。また、このとき乾燥過程と同様に温湿度センサー7による温湿度測定を実施しつつ、ヒーター5での加熱や前記混合空気の流入により、装置本体2内の雰囲気条件を調整することもできる。
この乾燥過程と湿潤過程とは、用いる固体試料の種類や固体試料に含有されている土壌汚染物質の種類や量にもよるが、例えば、それぞれ数時間程度の期間とすることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(模擬汚染土壌の作製)
砂質土(千葉県成田産)に対し重クロム酸カリウム(キシダ化学社製、特級)を加えて砂質土の乾燥重量1kgあたりに六価クロム(この場合、全クロムと同等)が50mg含有された模擬汚染土壌を作製した。
(固体試料の調整)
上記の模擬汚染土壌に対し、六価クロムの不溶処理に一般に用いられている硫酸第一鉄(7水和物:キシダ化学社製、特級)を加えて不溶化処理を行い溶出試験に用いる固体試料を作製した。このとき硫酸第一鉄を模擬汚染土壌の砂質土の乾燥重量1kgあたりに50mgの添加量となるように模擬汚染土壌に添加して不溶化処理を行った。その後、該固体試料を5日間風乾した。
(初期状態の確認)
模擬汚染土壌につき、「平成3年環境省告示第46号」に準じ、水に溶出した全クロム量を測定した。その結果、0.20mg/Lの値を得た。
(土壌汚染物質溶出試験)
(比較例1)
酸素濃度が21体積%の空気を用い、20℃、70%RHで7日間、28日間養生した固体試料について、「平成3年環境省告示第46号」に準じ、水に溶出した全クロム量を測定した。結果を表1に示す。
(実施例1)
酸素濃度が25体積%の混合空気を用い、20℃、70%RHで7日間養生した固体試料について、比較例1と同様に、水に溶出した全クロム量を測定した。結果を表1に示す。
(実施例2)
酸素濃度が30体積%の混合空気を用い、乾燥過程(40℃、20%RH)と湿潤過程(20℃、90%RH)とが3時間交替で実施される工程を、4サイクル(1日間)実施した固体試料と、12サイクル(3日間)実施した固体試料とについて、比較例1と同様に、水に溶出した全クロム量を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2008298538
表1から、本発明の土壌汚染物質溶出試験方法が実施された場合においては、養生中の雰囲気における酸素濃度が高いほど全クロムの溶出が促進されていることが認められる。例えば表1で、比較例1と実施例1とを7日間後において比較した場合、比較例1より養生中の酸素濃度が高い実施例1の方で、溶出した土壌汚染物質の濃度が高い。このことから、土壌汚染物質の溶出量には酸素の濃度依存性があり、固体試料の養生において雰囲気中に存在する酸素は、固体試料からの土壌汚染物質の溶出を促進していると考えられる。また、表1で実施例1と実施例2とを比較した場合、7日後より短期間の3日後や1日後において、実施例1より実施例2の方で土壌汚染物質の濃度が高い。このことから、酸素濃度が高く、かつ、乾燥過程と湿潤過程とを繰り返す工程を実施する方が固体試料からの土壌汚染物質の溶出を促進すると考えられる。
土壌汚染物質溶出促進装置を示した断面図。
符号の説明
1:土壌汚染物質溶出促進装置、2:装置本体、3:水供給装置、4:外気供給装置、5:ヒーター、6:攪拌ファン、7:温湿度センサー、50:酸化性気体センサー、A:固体試料

Claims (5)

  1. 土壌汚染物質が含有されている固体試料から前記土壌汚染物質を水中に溶出させる溶出試験を実施することにより、前記固体試料からの土壌汚染物質溶出量を測定する土壌汚染物質溶出試験方法であって、
    前記溶出試験前に、酸化性気体濃度が22体積%以上の混合気体の雰囲気下で前記固体試料を養生することを特徴とする土壌汚染物質溶出試験方法。
  2. 前記酸化性気体が酸素である請求項1記載の土壌汚染物質溶出試験方法。
  3. 前記固体試料を前記混合気体の雰囲気下で養生する間に、該固体試料を乾燥させる乾燥過程と、前記固体試料を加湿する湿潤過程とが少なくとも1回ずつ実施される請求項1又は請求項2記載の土壌汚染物質溶出試験方法。
  4. 前記固体試料を温度が20℃〜60℃で、相対湿度が0〜50%の雰囲気条件とすることにより前記乾燥過程を実施し、且つ、前記固体試料を温度が0〜60℃で、相対湿度が70〜100%の雰囲気条件とすることにより前記湿潤過程を実施する請求項3記載の土壌汚染物質溶出試験方法。
  5. 土壌汚染物質が含有され、該土壌汚染物質を水中に溶出させる溶出試験が実施される固体試料に対して、前記溶出試験前に、土壌汚染物質の溶出を促進させる土壌汚染物質溶出促進装置であって、
    前記固体試料の置かれている雰囲気を所定の酸化性気体濃度の混合気体となるように制御する気体濃度調整機構が備えられていることを特徴とする土壌汚染物質溶出促進装置。
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