JP2008298487A - 走査型プローブ顕微鏡及びその探針相対位置測定方法 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡及びその探針相対位置測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の探針間の相対位置を迅速かつ正確に認識すること。
【解決手段】試料Wが載置されるステージ2と、試料に対向して設けられ、前記ステージ2に対して相対的に移動可能である3つ以上の探針31、32、33、34と、前記試料Wの表面と探針との相互作用による物理量を検出する検出部6と、前記検出部6からの検出信号を受け付けて、前記試料Wの表面画像を生成する画像生成部73と、前記各探針31、32、33、34の相互の隣接に関する情報である位置関係情報を受け付ける受付部4と、前記画像生成部73により得られた各探針31、32、33、34に基づく表面画像を取得し、それら各表面画像を前記位置関係情報に基づいて照合して、前記各探針間の相対位置を算出する相対位置算出部76と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、走査型プローブ顕微鏡(SPM)に関し、特に複数のプローブ(探針)を備えた、いわゆる走査型マルチプローブ顕微鏡(MPSPM)の探針間の相対位置測定及び相対位置制御に関するものである。
この種の走査型プローブ顕微鏡(SPM)には、例えば特許文献1に示すように、トンネル電流を検出して試料の表面形状等を測定する走査型トンネル顕微鏡(STM)等がある。このような顕微鏡を用いることにより測定試料の原子レベルの観測が可能となっている。
また、例えば特許文献2に示すように、近時では複数の探針(例えば、2つ)を有する走査型トンネル顕微鏡が用いられるようになっている。この顕微鏡を用いることにより、試料の表面形状の観測だけでなく、測定試料の特性、例えば電気抵抗等を計測することが可能となっている。
そして、電気抵抗等の計測の前段階において、各探針を測定試料の位置へ移動させる必要があるが、従来は光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用いて行うようにしている。
しかしながら、光学顕微鏡又は電子顕微鏡では、原子レベルの十分な分解能を得ることができず、探針の絶対位置及び探針間の相互の位置関係(特に探針の先端部分の位置関係)の認識が不十分である。そのため、電気抵抗等を計測するときに、各探針間の位置調節が正確ではないことから、計測結果も高精度とは言えないという問題がある。
更に、3つ以上の探針の相互の相対位置を測定する場合は、作業が著しく煩雑になり多大な時間を要してしまうという欠点も有する。
特開2000−136994号公報 特開平7−134137号公報
そこで本発明は、上記問題点を一挙に解決するためになされたものであり、複数の探針間の相対位置を正確かつ迅速に認識できることをその主たる所期課題とするものである。
すなわち本発明に係る走査型プローブ顕微鏡は、試料が載置されるステージと、試料に対向して設けられ、前記ステージに対して相対的に移動可能である3つ以上の探針と、前記試料の表面と探針との相互作用による物理量を検出する検出部と、前記検出部からの検出信号を受け付けて、前記試料の表面画像を生成する画像生成部と、前記各探針の相互の隣接に関する情報である位置関係情報を受け付ける受付部と、前記画像生成部により得られた各探針に基づく表面画像を取得し、それら各表面画像を前記位置関係情報に基づいて照合して、前記各探針間の相対位置を算出する相対位置算出部と、を備えることを特徴とする。ここで、「隣接に関する情報」とは、人間が視覚を通して得た情報や、機械が画像を通して得た情報等をいう。
このようなものであれば、3つ以上ある探針に基づく表面画像を前記位置関係情報に基づいて照合することにより、各探針の相対位置を次々に連鎖的に決定することができるので、全ての探針の組み合わせについて相互の相対位置を測定する必要が無くなり、探針間の相対位置を迅速に測定することが可能となる。更に、実際の試料を用いて各探針間の相対位置を算出すれば、探針を測定試料へ正確に移動させることができ、試料の物理的、化学的又は機械的特性を正確に測定することができるようになる。
具体的な相対位置の算出方法としては、前記相対位置算出部が、前記各表面画像における共通部分を抽出し、その抽出した共通部分が一致するように各表面画像を重ね合わせることにより、前記各探針間の相対位置を算出するものであることが考えられる。
このような相対位置算出部は、例えば前記位置関連情報が、各探針が互いに隣接しているか否かについての情報である場合、以下のようなアルゴリズムを実施するものである。すなわち、開始点とする探針hに基づく表面画像と前記探針hの第1の隣接探針iに基づく表面画像とで第1のパターンマッチングを行ない、当該第1のパターンマッチングが失敗した場合は、前記探針hに基づく表面画像と前記探針hの第2の隣接探針jに基づく表面画像とで第2のパターンマッチングを行ない、当該第1のパターンマッチングが成功した場合は、前記探針iに基づく表面画像と前記探針iの第1の隣接探針kに基づく表面画像とで第2のパターンマッチングを行なうようなアルゴリズムが実施される。
このようなアルゴリズムを実施することにより、3つ以上ある探針の全てが互いに近接していなくとも、いずれかの探針と相互の相対位置を測定することが可能な範囲内に位置してさえいれば、各探針の相対位置を次々に連鎖的に決定することができる。
また、本発明に係る走査型プローブ顕微鏡の探針の相対位置測定方法は、試料が載置されるステージと、試料に対向して設けられ、前記ステージに対して相対的に移動可能である3つ以上の探針と、前記試料の表面と探針との相互作用による物理量を検出する検出部と、前記検出部からの検出信号を受け付けて、前記試料の表面画像を生成する画像生成部と、前記各探針の相互の隣接に関する情報である位置関係情報を受け付ける受付部と、を備えた走査型プローブ顕微鏡の探針相対位置測定方法であって、前記画像生成部により得られた各探針に基づく表面画像を前記位置関係情報に基づいて照合して、前記各探針間の相対位置を算出することを特徴とする。
このように構成した本発明によれば、全ての探針の組み合わせについて、相互の相対位置を測定する必要が無くなるので、探針間の相対位置を迅速に測定することが可能となる。更に、実際の試料を用いて各探針間の相対位置を算出すれば、探針を測定試料へ正確に移動させることができ、試料の物理的、化学的又は機械的特性を正確に測定することができるようになる。
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡(SPM)1は、検出対象である物理量がトンネル電流である走査型トンネル顕微鏡(STM)であり、大気中に設置されて用いられるものである。その構成は、図1に示すように、水平に試料Wが載置されるステージ2と、試料Wに対向して設けられ、XY方向及び垂直なZ方向に移動可能である複数の探針31、32、33、34と、前記探針31、32、33、34をステージ2に平行なXY方向及び垂直なZ方向に移動させる探針移動機構4と、前記ステージ2をXY方向に移動させるステージ移動機構5と、前記探針31、32、33、34の流れるトンネル電流を検出する電流検出部6と、電流検出部6からの電流信号を受け付けて、その電流信号に基づいて探針移動機構4を制御するとともに試料Wの表面画像であるSTM像を生成等する情報処理装置7と、を備えている。なお、本実施形態では、バイアス制御部(図示しない)により、各探針31、32、33、34に印加される電圧は、試料Wに対して−2.0[V]となるように制御されている。また、本実施形態における試料Wはシリコン(Si)上に被膜された白金(Pt)膜である。
以下各部について説明する。
探針31、32、33、34は、タングステン(W)又は白金イリジウム(Pt−Ir)等から形成されている。
探針移動機構4は、探針31、32、33、34を保持するとともに、当該探針31、32、33、34をXYZ方向に移動させるものである。具体的には、図3に示すように、XY方向制御部71により制御されて探針31、32、33、34をXY方向に走査させるとともに、Z方向制御部72によりフィードバック制御されて探針31、32、33、34をZ方向に移動させるものである。その構成はピエゾ微動素子を用いたものであり、XY方向制御部71及びZ方向制御部72により印加される電圧値が制御されることにより探針31、32、33、34を移動する。
ステージ移動機構5は、後述するステージ位置制御部75により制御されるものであり、ステージ2をXY方向に移動させるものである。その構成はピエゾ微動素子を用いたものであり、ステージ位置制御部75により印加される電圧が制御されることによりステージ2を移動させる。
検出部としての電流検出部6は、図1及び図3に示すように、探針31、32、33、34をXY方向に移動したときに、試料Wの表面と各探針31、32、33、34との相互作用によるZ方向に依存した物理量であるトンネル電流を検出して、その検出信号をZ方向制御部72に出力するものである。
情報処理装置7は、図2に示すように、CPU701の他に、メモリ702、入出力チャンネル703、キーボード等の入力手段704、ディスプレイ等の出力手段705等を備えた汎用乃至専用のものであり、入出力チャンネル703にはA/Dコンバータ706、D/Aコンバータ707、増幅器(図示しない)等のアナログ−デジタル変換回路が接続されている。
そして、CPU701及びその周辺機器が、前記メモリ702の所定領域に格納されたプログラムに従って協働動作することにより、この情報処理装置7は、図3に示すように、XY方向制御部71、Z方向制御部72、画像生成部73等として機能する。なお、この情報処理装置7は、物理的に一体である必要はなく、有線又は無線により複数の機器に分割されていても構わない。
各機能部71〜73について説明する。
XY方向制御部71は、各探針31、32、33、34をXY方向に走査するように探針移動機構4を制御するものである。具体的には探針移動機構4を構成するX方向及びY方向のピエゾ微動素子に印加する電圧値を調整するものである。また、各探針31、32、33、34のXY方向の位置データ(例えば初期位置からの変位)を画像生成部73に出力するものである。
Z方向制御部72は、電流検出部6からの検出信号を受け付けて、その検出信号に基づいて、試料Wの表面と探針31、32、33、34との間のトンネル電流が一定(例えばIref=300[pA])となるように、探針31、32、33、34のZ方向の高さをフィードバック制御するものである。具体的には探針移動機構4を構成するZ方向のピエゾ微動素子に印加する電圧値を調整するものである。また、各探針31、32、33、34のZ方向の位置データ(例えば初期位置からの変位)を画像生成部73に出力するものである。
画像生成部73は、XY方向制御部71からXY方向の位置データ若しくは後述するステージ位置制御部75からのステージ位置データと、更にZ方向制御部72からZ方向の位置データを取得して、試料Wの表面画像であるSTM像を生成するものである。そして、その画像データをディスプレイ705に出力及び/又は後述する相対位置算出部76に出力するものである。
そして、本実施形態における情報処理装置7は、受付部74、ステージ位置制御部75及び相対位置算出部76を更に備えている。
受付部74は、各探針の位置関係情報として各探針31、32、33、34が互いに隣接しているか否かについての情報を受け付けるものである。
本実施形態では具体的に受付部74は、予め光学顕微鏡を用いて互いに近接するように配置した各探針31、32、33、34の位置関係についてオペレータが視認した情報(各探針31、32、33、34が互いに隣接しているか否かについてオペレータが判断した情報)である位置関係情報を受け付ける。
ステージ位置制御部75は、ステージ移動機構5を制御するものであり、具体的には、ステージ移動機構5を構成するピエゾ微動素子に印加する電圧値を制御するものである。
本実施形態では、物理的特性等の計測の前段階において、ステージ2を動かし、初期位置(ステージ2を動かす前の位置)からXY方向に所定範囲内でラスタースキャン方式で走査する。例えば走査領域が5000nm×5000nmとなるようにステージ移動機構5を制御する。より具体的には、例えばステージ2を初期位置からX方向に−2500nm〜2500nmの範囲及びY方向に−2500nm〜2500nmの範囲内で走査するようにステージ移動機構5を制御する。このようにステージ2を動かすと各探針31、32、33、34による画像を同時に取得することができる。そして、所定範囲の走査が終了したら、ステージ2を初期位置に戻すように制御する。これにより、生成された各STM像の中心に各探針31、32、33、34の先端部分が位置していることになる。
相対位置算出部76は、画像生成部73により得られた各探針31、32、33、34に基づくSTM像を取得し、それら各画像のうち、互いに隣接する探針に基づくSTM像を選択して照合し、各探針31、32、33、34間の相対位置を算出するものである。
具体的に相対位置算出部76は、物理的特性等の計測の前段階において、各探針31、32、33、34を試料Wに対して走査させることにより得られた、各探針31、32、33、34のSTM像を画像生成部73から取得し、その4つのSTM像のうち互いに隣接する探針のSTM像を2枚ずつ選択してパターンマッチングする。
画像の照合の1つであるパターンマッチングの方法としては、例えばそれぞれのSTM像中に共通して現れる部分を認識してその部分が重なるように2枚のSTM像を重ね合わせる。
より詳細には、図4に示すように、探針32と探針34とのSTM像中に共通して現れる特徴的な部分A、Bの輪郭を例えばエッジ検出により抽出する。そして図5に示すように、2枚の表面画像のA、Bが一致するように各STM像を重ね合わせる。各STM像の中心部分には探針32、34が位置しているので、これにより探針32、34の相対距離を認識することができる。なお、図5において、各STM像を重ね合わせて照合することにより、探針32と探針34との相対距離が、〜430[nm]であることがわかる。
次に、本実施形態における走査型プローブ顕微鏡1を用いた物理的特性等の計測までの手順を図6のフローチャートを参照して説明する。
まずオペレータが試料Wをステージ2上に載置する(ステップS1)。
そして、オペレータは図示しない光学顕微鏡で視認しながら図示しない粗動機構を用いて、パターンマッチングが可能な範囲であるミリメートルからマイクロメートルスケールの範囲で各探針31、32、33、34をそれぞれ位置調節して、各探針31、32、33、34同士をXY方向に近づける。同時に図示しない粗動機構を用いてZ方向に各探針31、32、33、34をそれぞれ位置調節して、その先端部分を試料W表面に近づける(ステップS2)。
次に、オペレータが各探針31、32、33、34の位置を光学顕微鏡を用いて視認して、いずれの探針が互いに隣接しているか否かの情報(位置関係情報)を得る。そして、オペレータがキーボード等の入力手段704により情報処理装置7に位置関係情報を入力すると、受付部74が当該情報を受信する(ステップS3)。
更に、オペレータがキーボード等の入力手段704により情報処理装置7に入力信号を入力することにより、XY方向制御部71が各探針31、32、33、34のXY方向の位置を変化させずに、ステージ位置制御部75がステージ2を移動することにより試料Wを走査して(ステップS4)、画像生成部73が4探針31、32、33、34同時にSTM像を生成する(ステップS5)。
次いで、相対位置算出部76が画像生成部73から前記STM像を示す画像データを取得する(ステップS6)。相対位置算出部76はそれらのSTM像のうち互いに隣接する探針のSTM像を選び出し(ステップS7)、選び出されたSTM像を照合して共通する部分を見つけ、その共通部分が一致するようにSTM像を重ね合わせて(ステップS8)、一致することを確認すると(ステップS9)、各探針31、32、33、34間の相対位置を算出する(ステップS10)。そして、ステップS7〜ステップS10の操作を繰り返す。
各探針31、32、33、34の隣接関係には、図7に例示するように、複数の異なった態様が考えられる。図7において、実線は互いに隣接しているとオペレータが判断したことを示す。図7(a)に示す例では、探針31は探針32、34と隣接するが探針33とは隣接しない。探針32は探針31、33と隣接するが探針34とは隣接しない。探針33は探針32、34と隣接するが探針31とは隣接しない。探針34は探針33、31と隣接するが探針32とは隣接しない。図7(b)に示す例では、探針31、32、33、34のいずれもが残りの3本の探針と隣接している。
相対位置算出部76が画像生成部73から全ての探針のSTM像を示す画像データを取得すると(ステップS6)、相対位置算出部76において、以下のようなアルゴリズムが実施される(ステップS7〜ステップS10)。探針31を開始点とする場合、まず、探針31のSTM像と探針31の第1の隣接探針(以下探針iという)のSTM像とが選択され(ステップS7)、パターンマッチングが行なわれる(ステップS8)。そして、パターンマッチングが失敗した場合は(ステップS9)、探針31の第2の隣接探針(以下探針jという)のSTM像が選択され(ステップS7)、再度パターンマッチングが行なわれる(ステップS8)。一方、パターンマッチングが成功して(ステップS9)、探針31と探針iとの相対位置が得られた場合は(ステップS10)、次いで、探針iのSTM像と探針iの第1の隣接探針(以下探針kという)のSTM像とが選択され(ステップS7)、新たにパターンマッチングが行なわれる(ステップS8)。隣接する探針がない場合は、パターンマッチングが成功していない探針が選択され、その隣接する探針とパターンマッチングが行なわれる。このようなパターンマッチングを繰り返して、順次探針の相対位置が決定される。
探針が図7(b)に示すような隣接関係を有していた場合のこのような実施形態における探針の相対的な位置決定の結果の具体例を図8に示す。図8において、各種線は隣接関係にあることを示し、二重線はパターンマッチングが成功したことを、破線はパターンマッチングが失敗したことを示す。探針31からパターンマッチングを開始する場合、探針31のSTM像とそれと隣接する探針32のSTM像とのパターンマッチングが行われ、成功したので探針32の相対位置が把握される。次いで探針32のSTM像とそれと隣接する探針33のSTM像とのパターンマッチングが行われ、失敗したので次の隣接探針に進んで、探針32のSTM像と探針34のSTM像とのパターンマッチングが行われる。探針32のSTM像と探針34のSTM像とのパターンマッチングが成功したので探針34の相対位置が把握される。次いで探針34のSTM像と探針33のSTM像とのパターンマッチングが行われ、成功したので探針33の相対位置が把握される。そして探針33に隣接する全ての探針の位置が把握されたので、アルゴリズムが終了する。この結果、全ての探針の組み合わせごとにパターンマッチングを行なうと6回のパターンマッチングが必要であったところ、4回のパターンマッチングによって全ての探針の相対位置を決定することができた。
パターンマッチング後、オペレータが入力した測定目的に応じて、XY方向制御部71が、試料Wの所定位置に各探針31、32、33、34を移動させる(ステップS11)。このとき、各探針31、32、33、34の相対位置を保ちながら、1つずつ所定位置に移動させても良いし、各探針31、32、33、34の相対位置を保つことなくそれぞれ独立して所定位置に移動させても良い。
そして、上記のステップの後、物理的、化学的又は機械的特性等の計測を開始する(ステップS12)。
また、各探針31、32、33、34の絶対位置を得るためには、例えばアルゴリズムを実施する際に開始点とした探針の絶対位置を基準とし、これに各探針31、32、33、34の相対位置を加え合わせることにより、各探針31、32、33、34の絶対位置を算出することができる。
このように構成した本実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡1によれば、複数ある探針31、32、33、34のうち互いに隣接する探針に基づく表面画像同士のみを照合することにより、複数ある探針のうち優先順位の高い位置関係にある探針に基づく表面画像同士から順に照合することができ、各探針31、32、33、34の相対位置を次々に連鎖的に決定することができるので、全ての探針の組み合わせについて相互の相対位置を測定する必要が無くなり、探針間の相対位置を迅速に測定することが可能となる。また、複数ある探針31、32、33、34の全てが互いに近接していなくとも、いずれかの探針と相互の相対位置を測定することが可能な範囲内に位置してさえいれば、各探針31、32、33、34の相対位置を次々に連鎖的に決定することができる。
また、原子レベルの分解能を有するSTM像を用いて、探針31、32、33、34間の相対位置を算出しているので、複数の探針31、32、33、34間の相対位置を正確に認識することができる。
加えて、実際の試料Wを用いて各探針31、32、33、34間の相対位置を算出すれば、正確に探針31、32、33、34を移動させることができ、試料Wの物理的又は化学的特性を正確に測定することができるようになる。特に、探針31、32、33、34の正確な位置調節が要求されるカーボンナノチューブ(CNT)、ナノワイヤ又は単分子膜等の物理的特性等の計測に好適に用いることができる。また、大気中に設置して用いるものであるので真空装置等が必要なく装置の小型化等を実現することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
パターンマッチングが成功するには少なくとも2つの画像同士が共通部分を持っていなくてはいけない。しかし、画像は、10〜100μm四方の正方形の範囲を示すものであることが多く、本実施形態のステップS2のように粗動機構を用いても、共通部分を有するように探針同士を近づけるのは困難である。このため、オペレータが光学顕微鏡を用いて視認しながら各探針の位置を調節して近接させる際に、他の探針から離れた位置に配置される探針が生じることがあり、このような場合は、パターンマッチングに成功した探針の相対位置は情報処理装置7に設けた相対位置記憶部に記憶させておき、パターンマッチングに失敗したものについてはオペレータの光学顕微鏡を用いた探針の位置調節からやり直しても良く(ただし、パターンマッチングに成功した探針間の相対位置は変化させないようにする。)、このような一連の工程を複数回繰り返しても良い。
前記実施形態における走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、検出対象となる物理量がトンネル電流である走査型トンネル電流顕微鏡(STM)であったが、その他にも、原子間力を検出する原子間力顕微鏡(AFM)、近接場光を検出する近接場光学顕微鏡(SNOM)、磁力を検出する磁気力顕微鏡(MFM)、摩擦力を検出する摩擦力顕微鏡(FFM)、超音波を検出する走査型近接場超音波顕微鏡(SNAM)、イオン伝導を検出する走査型イオン顕微鏡(SICM)等であっても良い。なお、例えば近接場光学顕微鏡(SNOM)においては近接場プローブが探針、光検出部が検出部に相当する。
また、前記実施形態における走査型プローブ顕微鏡は、これらの各種走査型プローブ顕微鏡の複合型であってもよく、その場合探針(プローブ)としては異なる種類のものが複数並存していても良い。
また、前記実施形態では、探針が4つであったが、3つであっても良いし、5つ以上であっても良い。
また、位置関係情報は、前記実施形態においては各探針が互いに隣接しているか否かの二者択一的な情報であったが、更に多段階に順位をつけるようなものであっても良い。
更に前記実施形態では、走査型トンネル顕微鏡を大気中に設置して用いるものであったが、その他にも真空中に設置して用いるものであってもよい。
前記実施形態では各探針31、32、33、34を固定してステージ2を移動することにより試料Wを走査したが、これとは反対に、ステージ2を固定し各探針31、32、33、34を移動させても良く、その場合は情報処理装置7が各探針31、32、33、34の移動経過を記憶しておくことが必要である。なお、前記実施形態のようにステージ2を移動させると、探針間の相対位置を保ったまま試料W表面を走査できるので、探針同士の接触を避けることができる。
前記実施形態の受付部は、オペレータからの位置関係情報を受け付けるものであったが、これに限られない。SPMの構造によっては位置関係情報の少なくとも一部が決まっているものがある。この位置関係情報を例えば情報処理装置7に予め記憶させておき、受付部に受け付けさせるようにしても良い。更に、オペレータからの位置関係情報を受け付け、これらの位置関係情報から1つの位置関係情報を生成するようにする等、2つの位置関係情報を組み合わせて用いるようにしても良い。
その他、前述した実施形態や変形実施形態の一部又は全部を適宜組み合わせてよいし、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
本発明の一実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡の模式的構成図である。 同実施形態における情報処理装置の機器構成図である。 同実施形態における情報処理装置の機能構成図である。 各探針のSTM像を示す図である。 パターンマッチングをした後のSTM像及び各探針の相対位置を示す図である。 同実施形態における相対位置算出手順を含む計測手順を示すフローチャートである。 各探針が互いに隣接しているか否かを示す近隣接グラフの1例である。 相対位置算出部で実施される探針の位置決定の具体例を示す近隣接グラフである。
符号の説明
W・・・試料
1・・・走査型プローブ顕微鏡(走査型トンネル顕微鏡)
2・・・ステージ
31、32、33、34・・・探針
4・・・探針移動機構
5・・・ステージ移動機構
6・・・電流検出部
7・・・情報処理装置
71・・・XY方向制御部
72・・・Z方向制御部
73・・・画像生成部
74・・・受付部
75・・・相対位置算出部

Claims (4)

  1. 試料が載置されるステージと、
    試料に対向して設けられ、前記ステージに対して相対的に移動可能である3つ以上の探針と、
    前記試料の表面と探針との相互作用による物理量を検出する検出部と、
    前記検出部からの検出信号を受け付けて、前記試料の表面画像を生成する画像生成部と、
    前記各探針の相互の隣接に関する情報である位置関係情報を受け付ける受付部と、
    前記画像生成部により得られた各探針に基づく表面画像を取得し、それら各表面画像を前記位置関係情報に基づいて照合して、前記各探針間の相対位置を算出する相対位置算出部と、を備えることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  2. 前記相対位置算出部が、前記各表面画像における共通部分を抽出し、その抽出した共通部分が一致するように各表面画像を重ね合わせることにより、前記各探針間の相対位置を算出するものである請求項1記載の走査型プローブ顕微鏡。
  3. 前記相対位置算出部が、開始点とする探針hに基づく表面画像と前記探針hの第1の隣接探針iに基づく表面画像とで第1のパターンマッチングを行ない、
    当該第1のパターンマッチングが失敗した場合は、前記探針hに基づく表面画像と前記探針hの第2の隣接探針jに基づく表面画像とで第2のパターンマッチングを行ない、
    当該第1のパターンマッチングが成功した場合は、前記探針iに基づく表面画像と前記探針iの第1の隣接探針kに基づく表面画像とで第2のパターンマッチングを行なうものである請求項1又は2記載の走査型プローブ顕微鏡。
  4. 試料が載置されるステージと、試料に対向して設けられ、前記ステージに対して相対的に移動可能である3つ以上の探針と、前記試料の表面と探針との相互作用による物理量を検出する検出部と、前記検出部からの検出信号を受け付けて、前記試料の表面画像を生成する画像生成部と、前記各探針の相互の隣接に関する情報である位置関係情報を受け付ける受付部と、を備えた走査型プローブ顕微鏡の探針相対位置測定方法であって、
    前記画像生成部により得られた各探針に基づく表面画像を前記位置関係情報に基づいて照合して、前記各探針間の相対位置を算出する走査型プローブ顕微鏡の探針相対位置測定方法。
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