JP2008298475A - 車両走行支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 運転者の技量に応じたルートを求め、このルートを用いることによって運転者の技量に応じた走行支援を行うことができる車両走行支援装置を提供する。
【解決手段】 データベース読込部9は、目的地設定部8で設定された起点PSから終点PGまでのすべてのルートにおける危険度Rallを取得する。通常危険度算出部10は、地図データベース7に記憶されているすべての危険度から通常危険度θを算出する。フィルタ部11は、起点PSから終点PGまでのすべてのルートのうち、危険度Rallの中から通常危険度θ以下の危険度のみのルートを抽出する。最適経路探索部12は、通常危険度θ以下の危険度のみのルートから最適経路を探索する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自車両における衝突の危険度に基づいて自車両の走行を支援する車両走行支援装置に関する。
自車両の走行支援を行うにあたり、自車の経路を算出しこの経路に基づいて自車両の走行支援を行う走行支援装置がある。このような走行支援装置などにおける経路を求める装置として、従来、たとえば特許文献1に開示された経路探索装置がある。この経路探索装置は、道路網データにおける道路区間に対して、この道路区間を通過する際にかかる疲労度または危険度が割り当てられており、この疲労度または危険度を使って経路探索の開始地点から終了地点へと至る最適経路を探索するというものである。
特開2004−12247号公報
しかし、上記特許文献1に開示された経路探索装置では、地図や統計データに基づいて道路区間における疲労度または危険度を考慮して経路(ルート)を探索しており、たとえば運転者の個々の危険度などについては考慮されていない。このため、運転者の運転技術や運転行動といった技量に差があり、たとえば運転者個々の運転での危険度に差がある場合でも、一律に経路探索を行ってしまい、運転者の運転技術や運転行動といった技量の差に応じた経路を求めることができない。したがって、この経路探索装置を用いた場合には、運転者の技量に応じた経路を求めることが困難で有り、適切な走行支援を行うことが困難となるという問題があった。
そこで、本発明の課題は、運転者の技量に応じたルートを求め、このルートを用いることによって運転者の技量に応じた走行支援を行うことができる車両走行支援装置を提供することにある。
上記課題を解決した本発明に係る車両走行支援装置は、自車両の走行を支援する走行支援装置において、自車両が走行する走行路におけるルートの危険度を評価する危険度評価手段と、危険度の評価結果に基づいて、自車両の走行ルートを取得するルート取得手段と、を備え、ルート取得手段は、走行路におけるルートのうち、評価された危険度が所定の上限値を超えるルートを切断して、自車両の走行ルートを取得するものである。
本発明に係る車両走行支援装置においては、自車両が走行する走行路におけるルートの危険度が所定の上限値を超えるルートを切断して、自車両の走行ルートを取得している。このため、運転者が危険となるルートを避けてルートを取得することができるので、運転者の技量に応じたルートを求めることができ、このルートを用いることによって運転者の技量に応じた走行支援を行うことができる。
また、上記課題を解決した本発明に係る車両走行支援装置は、自車両の走行を支援する走行支援装置において、自車両が走行する走行路におけるルートの危険度を評価する危険度評価手段と、危険度の評価結果に基づいて、自車両の走行ルートを取得するルート取得手段と、を備え、ルート取得手段は、走行路におけるルートのうち、評価された危険度が所定の下限値以下となるルートの危険度を共通として、自車両の走行ルートを取得するものである。
本発明に係る車両走行支援装置においては、自車両が走行する走行路におけるルートの危険度が所定の下限値以下となるルートの危険度を共通としている。このため、運転者として許容できる危険度の範囲では、その範囲内で差をつけることなくルートを取得することができる。したがって、運転者の技量に応じたルートを求め、このルートを用いることによって運転者の技量に応じた走行支援を行うことができる。また、運転者が許容できる範囲内で、たとえば距離や時間といった他の要素に応じたルートの取得をすることができるので、距離や時間としての効率を向上させた走行支援を行うことができる。
本発明に係る車両走行支援装置によれば、運転者の技量に応じたルートを求め、このルートを用いることによって運転者の技量に応じた走行支援を行うことができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図示の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。
図1は、本発明における第1の実施形態に係る走行支援装置の構成を示すブロック構成図、図2は危険度地図作成部のブロック構成図、図3は衝突確率算出部のブロック構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る走行支援装置は、危険度地図作成部1、障害物センサ2、障害物抽出部3、自車両センサ4、位置センサ5、タイマ6、および地図データベース7を備えている。また、走行支援装置は、目的地設定部8、データベース読込部9、通常危険度算出部10、フィルタ部11、最適経路探索部12、および走行支援部13を備えている。
危険度地図作成部1は、電子制御する自動車デバイスのコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、および入出力インターフェイスなどを備えて構成されている。危険度地図作成部1は、図2に示すように、衝突確率算出部20、データベース読込部21、統計処理部22、およびデータベース書込部23を備えている。また、危険度地図作成部1には、障害物センサ2が障害物抽出部3を介して接続されているとともに、自車両センサ4が接続されている。さらに、危険度地図作成部1には、位置センサ5、タイマ6、地図データベース7が接続されている。
障害物センサ2は、ミリ波レーダセンサ、レーザレーダセンサ、画像センサなどを備えて構成されており、自車両の周囲にある他車両や通行人等の障害物を検出する。障害物センサ2は、検出した障害物に関する情報を含む障害物関連情報を障害物抽出部3に送信する。
障害物抽出部3は、障害物センサ2から送信された障害物関連情報から障害物を抽出し、障害物の位置や移動速度などの障害物情報として危険度地図作成部1における衝突確率算出部20に出力する。障害物抽出部3は、たとえば障害物センサ2がミリ波レーダセンサやレーザレーダセンサである場合には、障害物から反射される反射波の波長等に基づいて障害物を検出する。また、障害物センサ2が画像センサである場合には、撮像された画像中から障害物として、たとえば他車両をパターンマッチングなどの手法によって抽出する。
自車両センサ4は、速度センサ、ヨーレートセンサなどを備えて構成されており、自車両の走行状態に関する情報を検出している。自車両センサ4は、検出した自車両の走行状態に関する自車両走行状態情報を危険度地図作成部1における衝突確率算出部20に送信する。ここでの自車両の走行状態情報としては、たとえば自車両の速度やヨーレートなどがある。
位置センサ5は、自車両の位置を検出し、検出した自車両の現在位置(x,y)をデータベース読込部9および危険度地図作成部1におけるデータベース読込部21に送信する。位置センサ5としては、GPS(Global Positioning System)装置やオドメトリ装置などを用いることができる。位置センサ5としてオドメトリ装置を用いる場合には、原点をたとえば運転者の自宅駐車場などに固定する。
タイマ6は、時刻を計測しており、計測した時刻tを危険度地図作成部1におけるデータベース読込部21に送信する。ここで、位置センサ5としてGPS装置を用いた場合には、このGPS装置をタイマ6として用いることができる。
危険度地図作成部1における衝突確率算出部20は、図3に示すように、障害物情報一時記憶部31、障害物可能進路算出部32、自車両進路記録部33、自車両進路読出部34、自車両位置読出部35、自車両可能進路算出部36、実現進路衝突確率算出部37、最善自車両進路衝突確率算出部38、および自車両危険度算出部39を備えている。
障害物情報一時記憶部31は、予め定められた所定時間、たとえば5秒間に障害物抽出部3から送信された障害物情報を記憶している。障害物可能進路算出部32は、障害物情報一時記憶部31に記憶された過去5秒間の障害物情報を読み出し、この5秒間の障害物情報に基づいて、以後の一定時間の間における障害物が移動すると予測される進路を複数本算出して取得する。なお、過去5秒間に代えて、適宜の時間(たとえば3秒〜10秒の間の時間)とすることができる。障害物可能進路算出部32は、算出した障害物の進路に関する障害物進路情報を実現進路衝突確率算出部37および最善自車両進路衝突確率算出部38に出力する。
自車両進路記録部33は、自車両センサ4から送信された自車両の走行状態情報に基づいて、自車両の進路の履歴を記録する。自車両進路読出部34は、自車両進路記録部33に記録される自車両の履歴を予め定められた所定時間、たとえば5秒間分の自車両の進路の履歴を読み出す。ここでの予め定められた所定時間は、障害物情報一時記憶部31に記憶される障害物情報の時間と共通する。自車両進路読出部34は、読み出した自車両の進路の履歴に基づいて、自車両が実際にとった進路である実現進路に関する実現進路情報を実現進路衝突確率算出部37に出力する。
自車両位置読出部35は、自車両進路記録部33に記録される自車両の履歴を予め定められた所定時間、たとえば5秒間分の自車両の位置を読み出し、自車両の位置に関する自車両位置情報を自車両可能進路算出部36に出力する。自車両可能進路算出部36は、自車両位置読出部35から出力された自車両位置情報に基づいて、自車両が位置していると記録されている位置から、自車両が移動可能となる可能進路を複数本算出して取得する。自車両可能進路算出部36は、算出した自車両の可能進路に関する自車両可能進路情報を最善自車両進路衝突確率算出部38に出力する。
実現進路衝突確率算出部37は、障害物可能進路算出部32から出力された障害物進路情報および自車両進路読出部34から出力された実現進路情報に基づいて、過去5秒間の間に自車両が実現進路において障害物に衝突する可能性があった実現進路衝突確率を算出して取得する。実現進路衝突確率算出部37は、算出した実現進路衝突確率に関する実現進路衝突確率情報を自車両危険度算出部39に出力する。
最善自車両進路衝突確率算出部38は、障害物可能進路算出部32から出力された障害物進路情報および自車両可能進路算出部36から出力された自車両可能進路情報に基づいて、自車両と他車両との衝突確率が最小となる最善自車両進路を算出する。また、最善自車両進路衝突確率算出部38は、算出した最善自車両進路に基づいて、過去5秒間の間に自車両が最善自車両進路において障害物に衝突する可能性があった最善自車両進路衝突確率を算出して取得する。最善自車両進路衝突確率算出部38は、算出した最善自車両進路衝突確率に基づく最善自車両進路衝突確率情報を自車両危険度算出部39に出力する。
自車両危険度算出部39は、実現進路衝突確率算出部37から出力された実現進路衝突確率情報と最善自車両進路衝突確率算出部38から出力された最善自車両進路衝突確率情報との乖離度に基づいて、自車両の危険度を算出する。ここでの危険度としては、たとえば実現進路衝突確率情報に基づく実現進路衝突確率と、最善自車両進路衝突確率情報に基づく最善自車両進路衝突確率との乖離度とすることができる。また、この乖離度は、両者の比とすることができる。自車両危険度算出部39は、算出した危険度に基づく自車両危険度Rcurを統計処理部22に出力する。
また、図1および図2に示す地図データベース7には、自動車の走行路となる道路に関する道路情報が記憶されている。また、地図データベース7は、道路情報の任意の各地点(x,y)において時刻tに取得された危険度を記憶危険度Rdb(x,y,t)として書込み可能とされている。地図データベース7は、記憶危険度Rdb(x,y,t)を複数の地点および時刻に対応して記憶している。地図データベース7に記憶された記憶危険度Rdb(x,y,z)は予め設定されていてもよいし、自車両の危険度から自動的に構築またはアップデートする構成としてもよい。
前記記憶危険度Rdb(x,y,z)の自動構築、アップデートの一態様は以下の通りである。図2に示すデータベース読込部21は、位置センサ5から送信される位置(x,y)および時刻tを地図データベース7に記憶された地図情報に参照し、自車両の現在・時刻の記憶危険度Rdb(x,y,t)を取得する。データベース読込部21は、これらの自車両の現在位置(x,y)および現在時刻tにおける危険度に基づく記憶危険度Rdb(x,y,t)を統計処理部22に出力する。
統計処理部22は、データベース読込部21から出力される記憶危険度Rdb(x,y,t)に基づく記憶危険度および衝突確率算出部20における自車両危険度算出部39から出力される自車両危険度情報に基づく自車両危険度Rcurを用いて統計処理を施す。ここでの統計処理として、統計処理部22では、データベース読込部21から出力される自車両の記憶危険度Rdb(x,y,t)に対して衝突確率算出部20から出力された自車両危険度を積算し、積算危険度Rnew(x,y,t)を算出する。統計処理部22は、算出した記憶危険度Rdb(x,y,t)および自車両の現在位置(x,y)と現在時刻tに基づく積算危険度Rnew(x,y,t)をデータベース書込部23に出力する。
データベース書込部23は、統計処理部22から出力される積算危険度Rnew(x,y,t)を地図データベース7に書き込む。地図データベース7は、データベース書込部23によって書き込まれた積算危険度Rnew(x,y,t)をその位置および時刻における記憶危険度Rdbとして記憶する。
目的地設定部8は、運転席に設けられた図示しないスイッチに対する運転者の操作に基づいて目的地を設定する。目的地設定部8は、設定した目的地の位置(xg,yg)をデータベース読込部9に送信する。
データベース読込部9は、位置センサ5から送信される自車両の現在の位置(x,y)および目的地設定部8から送信される目的地の位置(xg,yg)を地図データベース7に記憶された地図情報に参照する。データベース読込部9は、自車両の現在の位置(x,y)から目的地(xg,yg)に到達可能となるルートにおけるすべての位置の危険度Rall(xg,yg,x,y)を記憶危険度Rdbの中から検索する。データベース読込部9は、検索した危険度Rall(xg,yg,x,y)およびこの危険度に対するルートをフィルタ部11に出力する。
通常危険度算出部10は、地図データベース7に記憶されている記憶危険度Rdbをすべて読み込み、すべての記憶危険度Rdbに対して統計処理を施して通常危険度θを算出する。通常危険度算出部10は、算出した通常危険度θをフィルタ部11に出力する。
フィルタ部11は、データベース読込部9から出力されたすべての危険度Rallと通常危険度θとを比較し、危険度Rallの中から通常危険度θ以下の危険度のみを抽出する。フィルタ部11は、抽出した危険度およびこの危険度に対応するルートを最適経路探索部12に出力する。
最適経路探索部12は、フィルタ部11から出力された危険度およびこれらの危険度に対応するルートに基づいて、自車両の現在位置から目的地に到達するまでのルートの最適経路(最適ルート)を探索する。最適経路探索部12は、探索した最適経路を走行支援部13に出力する。
走行支援部13は、最適経路探索部12から出力された最適経路に基づいて、運転者に対する走行支援を行う。走行支援としては、最適経路に沿って運転をナビゲートする表示を行ったり、音声案内を行ったりすることができる。また、自動運転の場合には、最適経路に沿った運転を行うことができる。
次に、本実施形態に係る走行支援装置の処理手順について説明する。ここで、図4は、走行支援装置の処理手順を示すフローチャートである。
図4に示すように、本実施形態に係る走行支援装置では、危険度地図作成部1において、危険度地図を作成する(S1)。危険度地図の作成は、図5に示すフローチャートに沿って行われる。図5に示すように、危険度地図を作成する際には、まず位置センサ5から送信された自車両の現在位置(x,y)を取得する(S11)。次に、およびタイマ6から送信された現在時刻tを取得する(S11)。自車両の現在位置(x,y)および現在時刻tを取得したら、取得した現在位置・時刻(x,y,t)を地図データベース7に参照して、自車両の現在位置および現在時刻に対応する記憶危険度Rdb(x,y,t)を読み込む(S12)。ここで、現在位置・時刻(x,y,t)を地図情報に参照するにあたり、自車両の現在位置・時刻に対応する記憶危険度Rdb(x,y,t)が存在することは稀である。このため、現在の自車両の位置における記憶危険度Rdb(x,y,t)が存在しない場合には、自車両の現在位置・時刻(x,y,t)にもっとも近い地点に記憶されている記憶危険度Rdbを取得する。また、自車両の現在位置・時刻(x,y,t)からもっとも近い地点と、自車両の現在位置・時刻(x,y,t)との離間距離が所定のしきい値を超える場合には、現在の自車両の位置に近い所定数の地点にそれぞれ記憶されている記憶危険度を所定数、たとえば2個〜5個のうち任意数(n=2〜5)の記憶危険度を読み込む。
自車両の現在位置および現在時刻に対応する記憶危険度Rdb(x,y,t)を読み込んだら、自車両危険度Rcurを算出する(S13)。自車両危険度Rcurの算出は、図6に示す手順に沿って行われる。図6は、自車両危険度を算出する手順を示すフローチャートである。図6に示すように、自車両危険度Rcurを算出する際には、障害物抽出部3において、障害物センサ2から送信される障害物関連情報に基づいて、自車両の周囲における障害物を抽出する(S21)。ここでは、障害物として他車両を抽出する。また、複数の他車両が含まれていた場合には、これらの複数の他車両のすべてを抽出する。
障害物としての他車両を抽出したら、抽出した他車両に関する他車両情報を障害物情報一時記憶部31に記憶し、障害物情報一時記憶部31に記憶された過去5秒間の他車両情報に基づいて、障害物可能進路算出部32において他車両が移動可能となる可能進路を他車両ごとに時間および空間から構成される時空間上の軌跡として算出する(S22)。ここで、他車両が移動可能となる可能進路としては、ある到達点を規定して、この到達点までの可能進路を算出するのではなく、他車両が移動する所定の移動時間が経過するまでの進路を求める。一般的に、自車両が走行する道路では、事前に安全が保障される場所はないため、自車両と他車両との衝突可能性を判断するためには、自車両と他車両との到達点を求めても、衝突を確実に回避することができるとはいえない。
たとえば、図7に示すように、3車線の道路Rにおいて、第1車線r1を自車両Mが走行し、第2車線r2を第1他車両H1が走行し、第3車線を第2他車両H2が走行しているとする。このとき、自車両Mが第2,第3車線r2、r3をそれぞれ走行する他車両H1,H2との衝突を避けるためには、自車両Mが位置Q1,Q2,Q3にそれぞれ到達するように走行することが好適と考えられる。ところが、第2他車両H2が進路を第2車線r2に変更するように進路B3をとった場合には、第1他車両H1が第2他車両H2との衝突を避けるために進路B2をとり、第1車線r1に進入してくることが考えられる。この場合には、自車両Mが位置Q1,Q2,Q3にそれぞれ到達するように走行すると、第1他車両H1と衝突する危険性が生じるものである。
そこで、自車両および他車両について到達する位置を予め定めるのではなく、その都度自車両および他車両の進路を予測するようにしている。その都度自車両および他車両の進路を予測することにより、たとえば図8に示すような進路B1を自車両の進路とすることができるので、自車両Mが走行する際の危険を的確に回避して安全性を確保することができる。
なお、他車両が移動する所定の移動時間が経過するまでを規定することに代えて、他車両が走行する走行距離が所定の距離に到達するまで他車両の可能進路を求める態様とすることもできる。この場合、他車両の速度(または自車両の速度)に応じて所定距離を適宜変更させることができる。
他車両の可能進路は、他車両ごとに、次のようにして算出される。他車両を識別するカウンタkの値を1とするとともに、同じ他車両に対する可能進路生成回数を示すカウンタnの値を1とする初期化処理を行う。続いて、障害物センサ2から送信され他車両関連情報から抽出された他車両情報に基づく他車両の位置および移動状態(速度および移動方向)を初期状態とする。
続いて、その後の一定時間Δtの間において想定される他車両の挙動として、選択可能な複数の挙動の中から、各挙動に予め付与された挙動選択確率にしたがって一つの挙動を選択する。1つの挙動を選択する際の挙動選択確率は、たとえば選択可能な挙動の集合の要素と所定の乱数とを対応付けることによって定義される。この意味で、挙動ごとに異なる挙動選択確率を付与してもよいし、挙動の集合の全要素に対して等しい確率を付与してもよい。また、挙動選択確率を他車両の位置や走行状態、周囲の道路環境に依存させる態様とすることもできる。
このような挙動選択確率に基づく一定時間Δtの間において想定される他車両の挙動の選択を繰り返して行い、他車両が移動する所定の移動時間となる時間までの他車両の挙動を選択する。こうして選択された他車両の挙動によって、他車両の可能進路を1本算出することができる。
他車両の可能進路を1本算出したら、同様の手順によって他車両の可能進路を複数(N本)算出する。同様の手順を用いた場合でも、各挙動に予め付与された挙動選択確率にしたがって一つの挙動を選択することから、ほとんどの場合に、異なる可能進路が算出される。ここで算出する可能進路の数は、予め決定しておき、たとえば1000本(N=1000)とすることができる。もちろん、他の複数の可能進路を算出する態様とすることもでき、たとえば数百〜数万本の間の数とすることができる。こうして算出された可能進路を他車両の予測進路とする。
さらに、抽出された他車両が複数ある場合には、それらの複数の他車両について、それぞれ可能進路を算出する。
他車両の可能進路の算出が済んだら、自車両進路読出部34において、自車両進路記録部33に記録されている自車両の過去5秒間の進路を読み出す(S23)。自車両進路読出部34は、読み出した過去5秒間の自車両の実現進路に関する実現進路情報を実現進路衝突確率算出部37に出力する。
続いて、自車両位置読出部35において、自車両進路記録部33に記録されている自車両の過去5秒間における自車両の位置を読み出す。それから、自車両可能進路算出部36において、過去5秒間における自車両の位置に基づいて、その位置から自車両が移動することが可能となる可能進路を複数本算出する(S24)。自車両の可能進路は、他車両の可能進路と同様の算出手順によって、時間および空間から構成される時空間上の軌跡として算出する。自車両可能進路算出部36は、自車両の可能進路を取得したら、自車両可能進路情報として最善自車両進路衝突確率算出部38に出力する。
こうして、自車両の可能進路の算出が済んだら、実現進路衝突確率算出部37において、自車両進路読出部34から出力された実現進路情報に基づいて、自車両が移動した実現進路を算出する(S25)。それから、実現進路衝突確率算出部37において、自車両が他車両との衝突を許容していた実現進路衝突確率を算出する(S26)。ここでは、障害物可能進路算出部32から出力された障害物進路情報に基づく過去5秒間における複数の他車両の予測進路と、ステップS25で求めた実現進路とを比較し、過去5秒間において、自車両が許容していた衝突確率を算出する。
いま、ステップS22およびステップS23で求めた他車両の予測進路および自車両の実現進路の例を図9に示す三次元空間によって現す。図9における三次元空間では、x軸およびy軸によって示されるxy平面に車両の位置を示し、t軸を時間軸として設定している。したがって、他車両および自車両の予測進路は(x,y,t)座標で示すことができ、自車両および他車両の各進路をxy平面に投影して得られる軌跡が、自車両が実際に走行した進路、および他車両が走行すると予測された予測進路の道路上の走行軌跡となる。
このようにして、予測した自車両および他車両の予測進路を図9に示す空間に表すことにより、三次元時空間の所定の範囲内に存在する複数の車両(自車両および他車両)がとりうる予測進路の集合からなる時空間環境が形成される。図9に示す時空間環境Env(M,H)は、自車両Mの実現進路および他車両Hの予測進路の集合であり、自車両Mの実現進路{M(n1)}および他車両Hの予測進路集合{H(n2)}からなる。より具体的には、時空間環境(M,H)は、自車両Mおよび他車両Hが高速道路のような平坦かつ直線状の道路Rを+y軸方向に向かって移動している場合の時空間環境を示すものである。ここでは、他車両の予測進路を求めるにあたり、自車両Mと他車両Hとの相関は考慮せずに自車両Mと他車両Hごとに独立して予測進路を求めているため、両者の予測進路が時空間上で交差することもある。
こうして、自車両Mの実現進路および他車両Hの予測進路を求めたら、自車両Mと他車両Hとが衝突していたことを自車両Mが許容していた確率を求める。いま、自車両Mの実現進路と他車両Hの予測進路が交差する場合には、自車両Mと他車両Hとが衝突することとなるが、自車両Mおよび他車両Hの予測進路は所定の挙動選択確率基づいて求められるものである。したがって、複数の他車両Hの予測進路のうち、自車両Mの予測進路と交差するものの数によって自車両Mと他車両Hとの衝突確率とすることができる。たとえば、他車両Hの予測進路を1000本算出した場合、そのうちの5本が自車両Mの予測進路と交差する場合には、0.5%の衝突確率(衝突可能性)Pがあるとして算出することができる。逆にいうと、残りの99.5%が自車両Mと他車両Hとが衝突しない確率(非衝突可能性)とすることができる。
また、他車両Hとして、複数の他車両が抽出されている場合には、複数の他車両のうち少なくとも1台と衝突することを許容する衝突確率Pは下記(1)式によって求めることができる。
Figure 2008298475
ここで、k:抽出された他車両の数
k:k番目の車両と衝突する確率
このように、他車両Hの予測進路を複数算出して、この複数の予測進路を用いて自車両Mと他車両Hとの衝突可能性を予測することにより、他車両が取りえる進路を広く計算していることになる。したがって、交差点などの分岐がある場所で事故などが発生した場合のように、他車両の進路に大きな進路の変更がある場合も考慮に入れて衝突確率を算出することができる。
こうして自車両と他車両との衝突確率を求めたら、最善自車両進路衝突確率算出部38において、自車両が移動することが可能となる可能進路のうち、他車両との衝突確率が最も低い進路である最善自車両進路を選択する(S27)。最善自車両進路衝突確率算出部38では、障害物可能進路算出部32から出力された障害物進路情報に基づく複数の他車両の予測進路と、自車両可能進路算出部36から出力される自車両可能進路情報に基づく複数の自車両の可能進路とを比較することにより最善自車両進路を選択する。
いま、ステップS22で求めた他車両の予測進路およびステップS24で求めた自車両の実現進路の例を図10に示す三次元空間によって現す。図10に示す時空間環境Env(M,H)は、自車両Mの可能進路および他車両Hの予測進路の集合であり、自車両Mの可能進路集合{M(n1)}および他車両Hの予測進路集合{H(n2)}からなる。
これらの自車両Mの可能進路集合および他車両Hの予測進路集合から、各自車両の可能進路を自車両Mが移動した際のそれぞれについて、自車両Mが他車両Hと衝突していたことを自車両Mが許容していた確率を求める。自車両Mが他車両Hと衝突していたことを自車両Mが許容していた衝突確率Pは、上記(1)式によって求めることができる。
こうして、自車両Mの複数の可能進路についてそれぞれ衝突確率Pを求めたら、最も衝突確率が低い可能進路を最善自車両進路として選択する。また、最善自車両進路衝突確率算出部38は、選択した最善自車両進路における衝突確率を最善自車両進路衝突確率として算出し、最善自車両進路衝突確率情報として自車両危険度算出部39に出力する。
実現進路衝突確率を算出したら、自車両危険度算出部39において、自車両危険度を算出する(S28)。自車両危険度算出部39では、実現進路衝突確率算出部37から出力された実現進路衝突確率情報に基づく実現進路衝突確率と、最善自車両進路衝突確率算出部38から出力された最善自車両進路衝突確率との乖離度に基づいて、自車両危険度Rcurを算出する。ここでの自車両危険度Rcurは、実現進路衝突確率と最善自車両進路衝突確率との比によって求められ、実現進路衝突確率と最善自車両進路衝突確率との比が1に近いほど自車両危険度Rcurが低いことになる。こうして、自車両危険度Rcurを算出する。
図5に示すフローに戻り、衝突確率算出部20において自車両危険度Rcurを算出したら、統計処理部22において積算危険度Rnew(x,y,t)を算出する(S14)。積算危険度Rnew(x,y,t)は、データベース読込部21から出力された記憶危険度Rdb(x,y,t)に対して、衝突確率算出部20から出力された自車両危険度Rcurを積算する下記(2)式を用いて算出される。
Rnew=αRcur+(1−α)Rdb ・・・(2)
ここで、α:α<1となる任意の定数
また、ステップS12において、複数の記憶危険度Rdbを取得した場合には、自車両の現在位置・時刻(x,y,t)からもっとも近い地点と、自車両の現在位置・時刻(x,y,t)との離間距離が所定のしきい値を超えていることになる。この場合には、自車両危険度Rcurをそのまま積算危険度Rnew(x,y,t)とする。こうして、積算危険度Rnew(x,y,t)を算出して、危険度を評価する。
また、自車両の現在位置・時刻(x,y,t)からもっとも近い地点と、自車両の現在位置・時刻(x,y,t)との離間距離が所定のしきい値を超えており、たとえば4個の記憶危険度Rdb1〜Rdb4を読み込んだ場合には、自車両危険度Rcurを追加すると同時に、4個の記憶危険度Rdb1〜Rdb4についての積算を行う。この積算の際の積算量は、自車両危険度Rcurと記憶危険度Rdb1〜Rdb4のそれぞれの離間距離の絶対差に応じて求められる。
たとえば、図11に示すように、自車両危険度Rcurに近い位置に第2記憶危険度Rdb2および第3記憶危険度Rdb3があり、第2記憶危険度Rdb2より遠い位置に第1記憶危険度Rdb1があり、第3記憶危険度Rdb3より遠い位置に第4記憶危険度Rdb4があったとする。この場合、たとえば下記(3)式に基づいて、第1〜第4積算危険度Rnew1〜Rnew4を算出することができる。
Rnewn=βRcur+(1−β)Rdbn ・・・(3)
ここで、n:1〜4の整数
β:自車両の現在位置・時刻(x,y,t)から遠いほど減少する1未満の係数
したがって、図11に示すように、この例では、第2記憶危険度Rdb2から第2積算危険度Rnew2への増加割合が、第1記憶危険度Rdb1から第1積算危険度Rnew1への増加割合が大きくされている。同様に、第3記憶危険度Rdb3から第3積算危険度Rnew3への増加割合が、第4記憶危険度Rdb4から第4積算危険度Rnew4への増加割合が大きくされている。こうして、複数の記憶危険度Rdbを取得した場合には、自車両の現在位置・時刻(x,y,t)からもっとも近い地点と、自車両の現在位置・時刻(x,y,t)との離間距離が所定のしきい値を超えている場合には、その周囲の記憶危険度Rdb1〜Rdb4についての積算危険度Rnew1〜Rnew4を算出して危険度を評価する。
こうして積算危険度Rnewまたは積算危険度Rnew1〜Rnew4を算出したら、データベース書込部23は、算出した積算危険度Rnewまたは積算危険度Rnew1〜Rnew4を地図データベース7に書き込む(S15)。このような積算危険度Rnewの書き込みにより、地図データベース7における記憶危険度Rdbの評価が蓄積され、危険度地図が作成される。なお、記憶危険度Rdbの作成方法はこれに限るものではなく、各道路上の位置の危険度が表現されていればよい。
記憶危険度Rallは、たとえば次のようにして算出することができる。自車両の現在位置(x,y)から目的地の位置(xg,yg)に至る複数(m個)のルート上の複数(n個)の位置を求める。たとえば、ルート1のルート上の位置(x1i,x1i)、ルートmのルート上の位置は(xmi,xmi)は、下記のようになる。
(x1i,x1i)={(x11,x11)(x12,y12)…(x1n1,y1n1)}
(xmi,xmi)={(xm1,xm1)(xm2,ym2)…(xmnm,ymnm)}
以後、説明の簡略化のためのルートを表す添字は省略する。たとえば、ルート上の位置(x,yi)に、通過時間tを追加した(x,yi,ti)を地図データベース7に参照して、ルート上の位置と通過時刻に対応する記憶危険度Rdb(x,yi,ti)を読み込む。たとえば、通過時刻tは現在位置(x,y)からルート上の位置(xi,yi)までの道程距離をある一定速度(たとえば一般道30km/h、高速道路80km/hのような固定値や道路に定められた法廷速度)で除算することによって求めることができる。
ここで、ルート上の位置・通過時刻に対応する記憶危険度Rdb(x,yi,ti)が存在することが稀な場合、たとえば交通量が少ない場合か初期状態にある場合もある。このため、ルート上の位置・通過時刻に対応する記憶危険度Rdb(x,yi,ti)が存在しない場合には、ルート上の位置・通過時刻にもっとも近い地点に記憶されている記憶危険度Rdbを取得する。また、ルート上の位置・通過時刻(x,y,t)からもっとも近い地点と、ルート上の位置・通過時刻(x,y,t)との離間距離が所定のしきい値を超える場合には、ルート上の位置・通過時刻に近い所定数の地点のそれぞれに記憶されている所定数(たとえば2〜5個)の危険度を読み込む。ルート上の位置・通過時刻に対応する記憶危険度Rdb(x,yi,ti)を読み込んだら、全ルートの記憶危険度Rallを算出する。全ルートの記憶危険度Rallの算出は、次の手順に沿って行われる。各ルート(1,2,…,m)について、当該ルート上のすべての記憶危険度Rdb(x,yi,ti)の平均値を求め、この平均値をもって当該ルートの記憶危険度とする。ここで挙げた平均値は実現手段の一例であり、中央値や最頻値、最小値、最大値、平均値+2σで当該ルートの記憶危険度とすることもできる。全ルートについて前述の方法で記憶危険度を算出することにより、算出した記憶危険度を全ルートの記憶危険度Rallとすることができる。
図4に示すフローに戻り、危険度地図の作成が済んだら、データベース読込部9において、位置センサ5から送信された自車両の現在の位置(x,y)および目的地設定部8から送信された目的地の位置(xg,yg)を取得する(S2)。続いて、データベース読込部9において、自車両の現在の位置(x,y)と目的地の位置(xg,yg)を地図データベース7に参照し、自車両の現在の位置(x,y)と目的地の位置(xg,yg)との間における全ルートの記憶危険度Rallを読み込む(S3)。
記憶危険度の読み込みが済んだら、通常危険度算出部10において、地図データベース7に記憶された全危険度を読み出し、これらの全危険度に基づいて通常危険度θを算出する(S4)。通常危険度θの算出は、たとえば以下のようにして行われる。まず、地図データベース7内のすべての危険度から平均と分散σとを求める。ここで求めた、平均と分散σから平均+3σを求め、この値を通常危険度θとすることができる。
通常危険度を算出したら、フィルタ部11において、記憶危険度Rallと通常危険度θとを比較し、記憶危険度のうち、通常危険度以下となる記憶危険度を抽出する(S5)。たとえば、図12に示すように、車両が通行するルートの起点PSから終点PGまでの走行路に、危険度が評価されているルートが10本存在する場合について考える。ここで、PS−P1間のルートRu1の危険度が「1」、P1−P2間のルートRu2の危険度が「6」、P2−PG間のルートRu3の危険度が「1」、PS−P3間のルートRu4の危険度が「4」、P1−P3間のルートRu5の危険度が「3」、P3−P4間のルートRu6の危険度が「4」、P4−P2間のルートRu7の危険度が「3」、P1−P4間のルートRu8の危険度が「2」、P3−P2間のルートRu9危険度が「6」、P4−PG間のルートRu10の危険度が「6」であったとする。また、通常危険度θが「4」であったとする。この場合には、図13に示すように、ルートRu2,Ru9,Ru10の危険度が「6」であり、通常危険度の「4」を超える値となっている。
フィルタ部11では、通常危険度θを上限値とし、記憶危険度Rallのうち、通常危険度を超える記憶危険度となっているルートを除外し、記憶危険度が通常危険度以下のルートおよびそのルートの記憶危険度を最適経路探索部12に出力する。図12に示す例では、ルートRu1,Ru3,Ru4,Ru5,Ru6,Ru7,Ru8についてのルートおよびそのルートの危険度を出力する。
最適経路探索部12では、フィルタ部11から出力されたルートおよびそのルートの記憶危険度に基づいて最適経路を探索する(S6)。ここで用いられるルートとしては、その危険度が通常危険度以下のルートとされていることから、通常危険度を超える危険度となっているルートについては切断されたルートが探索される。図12に示す例では、起点PSから終点PGに至るまで、危険度が「4」を超えるルートRu2,Ru9,Ru10が切断されてルートが探索される。最適経路としては、たとえば距離最短経路を求めることができる。距離最短経路を算出する方法としては、たとえば任意のルートの距離を求め、ダイクストラ法を用いることができる。こうして、距離最短経路を算出する。同様の方法で時間最小ルートや料金最小ルートを算出することもできる。距離最短経路を算出することによって最適経路を求めたら、最適経路に基づく走行支援を行う(S7)。こうして走行支援装置による処理を終了する。
このように、本実施形態に係る走行支援装置では、自車両が走行する走行路におけるルートの危険度が所定の上限値を超えるルートを切断して、自車両の走行ルートを取得している。このため、運転者が危険となるルートを避けてルートを取得することができるので、運転者の技量に応じたルートを求め、このルートを用いることによって運転者の技量に応じた走行支援を行うことができる。また、通常危険度を超える危険度となっているルートについては切断されたルートが探索される。このため、最適経路を探索する際の探索時間を短縮させることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態に係る走行支援装置は、上記第1の実施形態と比較して、装置構成は上記第1の実施形態と同様であり、フィルタ部11における処理が主に異なる。以下、フィルタ部11における処理を中心として本実施形態について説明する。
本実施形態に係る走行支援装置におけるフィルタ部11は、データベース読込部9から出力されたすべての危険度Rallと通常危険度θとを比較し、危険度Rallの中から通常危険度θ以下の危険度Rallを抽出する。ここで抽出された危険度について、通常危険度θと共通の危険度を付与する。フィルタ部11は、抽出した危険度およびこの危険度に対応するルートを最適経路探索部12に出力する。その他の点については上記第1の実施形態と同様である。
本実施形態に係る走行支援装置におけるフィルタ部11では、通常危険度θを下限値とし、通常危険度θ以下の危険度Rallについて、通常危険度θと共通の危険度を付与する。たとえば、図12に示す例の場合には、図14(a)に示すように、ルートRu2,Ru9,Ru10の危険度が通常危険度の「4」を超える値となっており、その他のルートRu1,Ru3,Ru4,Ru5,Ru6,Ru7,Ru8については通常危険度以下の危険度となっている。このルートRu1,Ru3,Ru4,Ru5,Ru6,Ru7,Ru8についての危険度を図14(b)に示すように、通常危険度θに共通化する。
このように、通常危険度以下となる危険度のルートにおける危険度を共通とすることにより、運転者として許容できる危険度の範囲では、その範囲内で差をつけることなくルートを取得することができる。したがって、運転者の技量に応じたルートを求め、このルートを用いることによって運転者の技量に応じた走行支援を行うことができる。また、運転者が許容できる範囲内で、たとえば距離や時間といった他の要素に応じたルートの取得をすることができるので、距離や時間としての効率を向上させた走行支援を行うことができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記第1の実施形態では通常危険度を上限値とし、第2の実施形態では通常危険度を下限値としているが、両実施形態における上限値および下限値は、その他の値とすることもできる。また、上記各実施形態では、しきい値として通常危険度θを求めて、通常危険度θを超える危険度のルートを切断したり、通常危険度以下の危険度を共通化したりしているが、通常危険度ではなく、運転者がしきい値となる危険度を設定する態様とすることもできる。この場合、たとえば運転者が操作しうる位置に危険度設定つまみなどを設ける態様とすることができる。このように危険度のしきい値を設定可能とすることにより、運転者に応じた危険度での最適経路を探索することができる。
また、上記実施形態では、衝突確率算出部20において自車両危険度を求めているが、他の態様によって自車両危険度を求めることもできる。さらに、上記実施形態では、データベース読込部21において、自車両の現在位置(x,y)からもっとも近い地点と、自車両の現在位置(x,y)との離間距離が所定のしきい値以下である場合には、自車両の現在位置(x,y)からもっとも近い地点の記憶危険度Rdbを取得するが、さらにその周囲の複数の記憶危険度Rdbを取得することもできる。この場合、自車両の現在位置(x,y)からもっとも近い地点と、自車両の現在位置(x,y)との離間距離が所定のしきい値を超える場合と同様、周囲の複数の記憶危険度についても、積算危険度を求めて、書き換える態様とすることができる。
また、上記実施形態では、自車両を運転する運転者が特定されている場合に好適な例について説明したが、たとえば複数の運転者が想定される車両については、運転者に応じた地図データベースを作成することもできる。さらに、上記実施形態では、地図データベースを自車両に設けているが、たとえば自車両を離れた基地局や他車両などに地図データベースを設置し、車々間通信などの通信手段によって自車両と他車両や基地局とを結んで危険度を取得する態様とすることもできる。この場合、他車両などとの情報交換を行って危険度を算出することもできる。また、上記各実施形態では、障害物として他車両を想定しているが、たとえば通行人などの生物を想定することもできる。
走行支援装置の構成を示すブロック構成図である。 危険度地図作成部の構成を示すブロック構成図である。 衝突確率算出部の構成を示すブロック構成図である。 走行制御装置の処理手順を示すフローチャートである。 危険度地図作成部の処理手順を示すフローチャートである。 衝突確率算出部の処理手順を示すフローチャートである。 自車両と他車両との走行状態を模式的に示す模式図である。 自車両がとりうる走行進路を模式的に示す模式図である。 自車両の予測進路が1本の時空間環境の構成を示すグラフである。 自車両の予測進路が複数本の時空間環境の構成を示すグラフである。 自車両の位置における自車両危険度とその周囲の位置における記憶危険度との関係を示すグラフである。 起点PSから終点PGまでの経路の例を示す説明図である。 通常危険度と記憶危険度との関係を示すグラフである。 (a)は通常危険度と記憶危険度との関係を示すグラフ、(b)は通常危険度以下の危険度を共通書いた状態を示すグラフである。
符号の説明
1…危険度地図作成部、2…障害物センサ、3…障害物抽出部、4…自車両センサ、5…位置センサ、6…タイマ、7…地図データベース、8…目的地設定部、9…データベース読込部、10…通常危険度算出部、11…フィルタ部、12…最適経路探索部、13…走行支援部、21…データベース読込部、22…統計処理部、23…データベース書込部、31…障害物情報一時記憶部、32…障害物可能進路算出部、33…自車両進路記録部、34…自車両進路読出部、35…自車両位置読出部、36…自車両可能進路算出部、37…実現進路衝突確率算出部、38…最善自車両進路衝突確率算出部、39…自車両危険度算出部、Rcur…自車両危険度、Rdb…記憶危険度、Rnew…積算危険度、Env…時空間環境、θ…通常危険度、H,H1,H2…他車両、M…自車両。

Claims (2)

  1. 自車両の走行を支援する走行支援装置において、
    前記自車両が走行する走行路におけるルートの危険度を評価する危険度評価手段と、
    前記危険度の評価結果に基づいて、前記自車両の走行ルートを取得するルート取得手段と、を備え、
    前記ルート取得手段は、前記走行路におけるルートのうち、評価された危険度が所定の上限値を超えるルートを切断して、前記自車両の走行ルートを取得することを特徴とする車両走行支援装置。
  2. 自車両の走行を支援する走行支援装置において、
    前記自車両が走行する走行路におけるルートの危険度を評価する危険度評価手段と、
    前記危険度の評価結果に基づいて、前記自車両の走行ルートを取得するルート取得手段と、を備え、
    前記ルート取得手段は、前記走行路におけるルートのうち、評価された危険度が所定の下限値以下となるルートの危険度を共通として、前記自車両の走行ルートを取得することを特徴とする車両走行支援装置。
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