JP2008296360A - 管材切断装置、リング材の製造方法及びシンクロナイザーリング素材の製造方法 - Google Patents

管材切断装置、リング材の製造方法及びシンクロナイザーリング素材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回転刃を回転させる回転駆動機構を特別に必要とせず、構成を簡素化して低コスト化を図る。
【解決手段】被切断管が圧入される第一のダイ孔2を表面1aに開口させた固定刃体1と、前記被切断管が圧入される第二のダイ孔21を表面20aに開口させた回転刃体20と、該回転刃体20を収納孔11内に回転自在に収納するとともに、前記第一及び第二のダイ孔のそれぞれの開口端における両刃体の表面を摺動自在に接触させた状態に保持する回転刃ホルダ10と、該回転刃ホルダを前記固定刃体の前記表面の面方向に沿う一方向に摺動させる駆動機構とを備え、前記固定刃体に対する回転刃ホルダの初期位置では、前記固定刃体における第一のダイ孔と回転刃体における第二のダイ孔とが同一軸心上に配置されるとともに、前記回転刃体の第二のダイ孔と前記回転刃ホルダの収納孔との軸心が前記一方向と交差する方向にずれて配置される。
【選択図】図1

Description

本発明は管材切断装置に係り、特に、固定刃体及び回転刃体間に被切断管を架け渡すように貫通させ、回転刃体を偏心回転させて被切断管を切断するものに関する。また本発明は、上記管材切断装置で管素材を切断することによりリング材、シンクロナイザーリング素材等を製造する方法に関する。
従来、長尺の押出管や溶接管等からなる管素材(被切断管)を短尺に切断して、さらに後加工が施される中間素材等や切断した状態で製品とされる機械部品等のリング状のリング材(リング状素材)を製造する場合は、長尺の管素材を切削刃や研削刃を用いて切断していた。例えば、長尺の押出管からなる管素材を切断して自動車などに用いる変速機の部品であるリング状のシンクロナイザーリング鍛造用素材(シンクロナイザーリング素材)を製造する場合は、長尺の管素材を旋盤に固定して回転させ、突切バイトで切断していた。
ところで、上述の切削刃や研削刃で管素材を切断する管材切断装置は、刃物の厚さ分だけ材料の損失が発生するとともに、加工時間が長く生産性が低くなるという欠点を有している。これら欠点を解決する管材切断装置として固定刃及び回転刃を有し、これら固定刃及び回転刃間に管素材を貫通させ、且つ管を内面から拘束する芯金を固定刃側と回転刃側に配置し、回転刃を偏心回転させて管素材を切断する管材切断装置が提案されている(特許文献1〜5参照)。この固定刃及び回転刃を有する管材切断装置は、固定刃及び回転刃間に管素材を貫通させて回転刃を偏心回転させると、管素材は固定刃及び回転刃の当接箇所で剪断作用を受けて切断されるので、切断に伴う材料の損失がなく、しかも、加工時間を短縮できるという特徴を有している。
特開昭53−24192号公報 特開平7−16813号公報 特開昭63−52916号公報 特開平8−90328号公報 特開平8−112716号公報
しかしながら、上記従来の固定刃及び回転刃間に管素材を貫通させ、回転刃を偏心回転させて管素材を切断する管材切断装置は、回転刃を偏心回転させる油圧装置等からなる装置が大掛かりで複雑になるという課題を有していた。特に、回転刃が大きな回転角を必要とするために、大掛かりで複雑な装置が必要となっていた。
さらに、管材の内外径寸法ばらつき、偏肉などに対応した切断装置とするための寸法変化を吸収する機構、加えて良好な切断を得るための剪断力に対抗できる半径方向と軸方向の拘束力を発生する機構などのため、外径側の拘束や芯金の利用など、複雑で大掛かりな装置が必要となっていた。
このため管材においては、切削、研削による切断よりも、機械的な切断装置は、コスト高になり採算性が悪いという課題があった。
本発明は、前記事情に鑑みて提案されたもので、回転刃を回転させるための装置や被切断管の拘束にも特別な装置を必要とせず、構成を簡素化した低コストの管材切断装置、リング材の製造方法及びシンクロナイザーリング素材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の管材切断装置は、被切断管が圧入される第一のダイ孔を表面に開口させた固定刃体と、前記被切断管の先端部が圧入される第二のダイ孔を表面に開口させた回転刃体と、これら固定刃体及び回転刃体の内側でそれぞれ被切断管の内周面を保持するマンドレルと、 前記回転刃体を収納孔内に回転自在に収納するとともに、前記第一及び第二のダイ孔のそれぞれの開口端における両刃体の表面を摺動自在に接触させた状態に保持する回転刃ホルダと、該回転刃ホルダを前記固定刃体の前記表面の面方向に沿う一方向に摺動させる駆動機構とを備え、前記固定刃体に対する回転刃ホルダの初期位置では、前記固定刃体における第一のダイ孔と回転刃体における第二のダイ孔とが同一軸心上に配置されるとともに、前記回転刃体の第二のダイ孔と前記回転刃ホルダの収納孔との軸心が前記一方向と交差する方向にずれて配置されることを特徴とする。
この管材切断装置は、第一のダイ孔及び第二のダイ孔の軸心を同一軸心上に配置した初期位置の状態で、これら両ダイ孔に架け渡すように被切断管を圧入するとともに、内側にマンドレルを用いることにより、被切断管に大きな拘束力を作用させておき、回転刃ホルダを駆動機構によって移動すると、該回転刃ホルダの収納孔内に設けられている回転刃体の第二のダイ孔が収納孔に対して偏心していることから、回転刃ホルダの移動に伴い回転刃体が収納孔内で受動的に回転させられる。この回転刃体の駆動機構による直線移動と、受動的な回転移動とにより、第一のダイ孔及び第二のダイ孔の軸心がずらされ、両ダイ孔の間で被切断管に剪断力を作用させて被切断管を切断する。回転しながらの剪断であるので、剪断個所を被切断管の周方向に徐々にずらしながら切断することになり、比較的小さい力でかつ大きな回転角を必要とせずに切断することができる。
また、前記管材切断装置において、前記固定刃体の第一のダイ孔は被切断管の外径よりも小さく設定され、該第一のダイ孔における切れ刃とは反対側の開口が被切断管の挿入口とされ、該挿入口の周縁が面取り加工されている構成としてもよい。
このような構成とすることにより、ダイ孔への被切断管の圧入によって被切断管に半径方向、軸方向に拘束力が発生し、且つダイ孔の内径を適宜に設定することにより、被切断管の外径を一定にする矯正加工を同時に行うことができる。この場合、被切断管の内径側はマンドレルによって保持され、半径方向、軸方向の拘束力を作用させることができる。
面取り加工は、C面取り、R面取りのいずれでもよい。
さらに、回転刃体の第二のダイ孔が被切断管の外径よりも小さく設定されるようにしてもよい。
また、前記管材切断装置において、前記回転刃体は、前記固定刃体に接触する表面側にフランジが形成され、該フランジが前記回転刃ホルダに収納されている構成としてもよい。
このような構成とすることにより、被切断管の剪断時に回転刃体が軸方向に力を受けても移動することはない。
また、前記管材切断装置において、前記駆動機構により摺動させられた回転刃ホルダを前記初期位置に復帰させるための復帰機構を設けた構成としてもよい。
このような構成とすることにより、被切断管を切断した後は、回転刃ホルダ内の回転刃体が、基準となる初期位置に復帰機構によって自動的に復帰させられることになる。
また、本発明のリング材の製造方法は、前述の管材切断装置を用い、管素材を短尺に切断してリング状のリング材を製造することを特徴とする。
本発明のリング材の製造方法によれば、管素材を簡便に精度よく切断でき、例えば切断後にさらに加工が施される中間素材等や切断した状態で製品とされる機械部品等のリング状のリング材の品質が高められるとともに、製造コストが低減する。
また、本発明のシンクロナイザーリング素材の製造方法は、前述の管材切断装置を用い、管素材を短尺に切断してリング状のシンクロナイザーリング素材を製造することを特徴とする。
本発明のシンクロナイザーリング素材の製造方法によれば、管素材を簡便に精度よく切断でき、例えば自動車等に用いる変速機の部品であるリング状のシンクロナイザーリング素材の品質が高められるとともに、製造コストが低減する。
本発明に係る管材切断装置及びこれを用いたリング材、シンクロナイザーリング素材の製造方法は、駆動機構によって回転刃ホルダを固体刃体に対して摺動させることにより、回転刃ホルダの収納孔内で回転刃体を受動回転させながら固定刃体に摺動させて、被切断管に対する剪断個所を周方向に徐々にずらしながら切断するので、比較的小さい力で無理なく切断することができる。この場合、一方向に往復摺動させるだけで回転運動を生じさせるので、その駆動機構も簡便なものとすることができ、回転刃体を回転させるための特別な回転駆動機構を必要とせず、装置全体を簡素化することができ、低コストの管材切断装置及びこれを用いたリング材、シンクロナイザーリング素材の製造方法とすることができる。
さらに、固定刃体の第一のダイ孔や回転刃体の第二のダイ孔を被切断管の外径よりも小さく設定し、さらに、第一のダイ孔の挿入口部を面取り加工して、被切断管をダイ孔に圧入することにより、被切断管の外表面に肌荒れを起すことなく外径寸法の矯正と剪断面を良好に保つための拘束力を得ることができる。また、内径側には従来公知のマンドレルを利用することによって、新たに特殊な拘束機構を必要とせず、装置全体を簡素化することができる。
以下、本発明の管材切断装置の一実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る管材切断装置のうち、被切断管(後述する図5の符号P参照)の剪断作用に直接関与する構成要素の固定刃体1、回転刃ホルダ10及び回転刃体20を模式的に示した分解斜視図である。
固定刃体1は、鋼製のブロック体からなり、その固定刃体1の一面1a(図1に示す例では固定刃体1の正面であり、本発明の表面に相当する)は、高い滑り性を有する平坦面に形成されている。図示の例では、固定刃体1の一面1aは縦長の長方形に形成されている。そして、この一面1aの中心位置(図1の「O」で示す位置)よりも若干左上側の箇所、すなわち、長方形の一面1aの中心点Oに対して第2象限となる位置を中心Osとして、前記一面1aに直角な円孔からなる第一のダイ孔2が開口されている。この第一のダイ孔2は、その円孔の直径が被切断管Pの外径よりも小さく設定され、被切断管Pが圧入されることにより拘束力が発生されるようになっており、前記一面1aにおける開口端内周縁が切れ刃となっている。また、この第一のダイ孔2における切れ刃とは反対側の開口端にはC面取り、R面取り等の面取り加工が施されており、この開口端が被切断管Pの挿入口1bとされる。
なお、固定刃体1の一面1aの大きさ及びその固定刃体1の厚さは、被切断管Pを剪断するときの力に十分に耐えられるようにそれぞれ決められている。また、この固定刃体1は、管材切断装置の図示しないケーシングに固定して設けられている。この固定刃体1をケーシングに固定する場合、後述する回転刃ホルダ10が固定刃体1の一面1a上において上下方向に自由に移動できるように、固定のためのボルトやクランプ等が回転刃ホルダ10の移動を妨げない位置に配置される。
前記回転刃ホルダ10は、鋼製のブロック体からなり、その回転刃ホルダ10の一面10a(図1に示す例では回転刃ホルダ10の裏面)は、高い滑り性を有する平坦面に形成されている。図示の例では、回転刃ホルダ10の一面10aの形状は正方形で、その一辺の長さは上記固定刃体1の長方形からなる一面1aの短辺と同一に形成されている。そして、この一面10aの中心位置、すなわち、正方形の一面10aの中心点(図1の「O」参照)を通る箇所に、該中心点Oを中心とした円形の孔からなる回転刃体収納孔11が該一面10aに直角に開口されている。この回転刃体収納孔11の直径は、上記第一のダイ孔2の直径よりも十分に大きく設定されている。また、この回転刃ホルダ10の厚さは、被切断管Pを剪断するときの力に十分に耐えられるように決められている。さらに、この回転刃ホルダ10の一面10a側には、回転刃体収納孔11を拡径し、後述する回転刃体20のフランジ20bを軸方向に受ける受圧面10bが形成されている。
この回転刃ホルダ10は、この回転刃ホルダ10の前記一面10aが上記固定刃体1の一面1aと当接し、かつ、その固定刃体1の上下方向にのみ移動ができるように図示しないガイド枠に摺動自在に取り付けられている。すなわち、この回転刃ホルダ10は、図1において、両サイドが平行状のガイド枠によって支持され、そのガイド枠間を上下動できるように構成されている。そして、この回転刃ホルダ10は、油圧シリンダー又は機械プレス等によって前記ガイド枠に沿って移動される構成である。
また、回転刃体20は、前記回転刃ホルダ10に設けられている回転刃体収納孔11に隙間なくかつ回転自在に挿入される大きさに形成されている。すなわち、この回転刃体20は、直径が回転刃体収納孔11の内径よりもわずかに小さく、かつ、高さ(厚さ)が回転刃ホルダ10の厚さに等しい段付円柱形に形成され、その一面20a(図1に示す例では回転刃体20の裏面であり、本発明の表面に相当する)は、高い滑り性を有する平坦面に形成され、この一面20aの側に、被切断管の剪断時に生じる軸方向の力を前記回転刃ホルダ10の受圧面10bとの間で受けるため、フランジ20bが一体に形成されている。
そして、この回転刃体20に、被切断管Pが圧入される円形の第二のダイ孔21が形成されている。この第二のダイ孔21は、その直径が前記固定刃体1に設けられている第一のダイ孔2と同じ大きさで、被切断管Pの外径よりも小さく設定され、被切断管Pが圧入されることにより拘束力が発生されるようになっており、前記一面20aにおける開口端内周縁が切れ刃とされている。
この場合、この第二のダイ孔21の軸心Ocは、回転刃ホルダ10の回転刃体収納孔11(又は回転刃体20の外形)の中心点Oから第2象限に向けて若干ずれた位置に配置されており、その偏心距離Lは、前記固定刃体1における中心点Oと第一のダイ孔2の軸心Osとの間の偏心距離Lと同じに設定されている。したがって、この回転刃体20が回転刃ホルダ10の回転刃体収納孔11に収納されたときは、回転刃体20における第二のダイ孔21の軸心Ocと、固定刃体1における第一のダイ孔2の軸心Osとを一致させ、同一軸心とすることができる構成である。そして、これら両刃体1,20のダイ孔2,21の軸心Oc,Osを一致させることにより、被切断管Pを両ダイ孔2,21間に架け渡した状態に圧入することができるようになっている。
図2(a),(b)は、回転刃ホルダ10内における回転刃体20を初期位置へ自動的に復帰させるための復帰機構の例を示す説明図であり、図示の例では引張りバネ12、ストッパ13及びピン22により復帰機構30が構成されている。
回転刃体20は、後に詳述するが、被切断管Pの切断時、回転刃ホルダ10が図2(a)の状態から図2(b)に示される状態に下方に移動したときに時計方向に受動的に所定角度回転される。そして、切断した後の管体を排出した後、ピン22がストッパ13に当接するまで引張りバネ12によって回転刃体20が戻され、図2(a)に示す固定刃体1と回転刃体20との両ダイ孔2,21の軸心Os,Ocが一致した状態、つまり初期位置に復帰して位置決めすることができるものである。
復帰機構としては、カム、バネ、油圧等を用いたものを利用してもよい。
また、図3(a)に示すように、各ダイ孔2,21内には、これらダイ孔2,21内に圧入される被切断管Pの内周面を保持するためのマンドレル41,42が設けられる。これらマンドレル41,42は、被切断管P内に挿入される筒状部43,44と、該筒状部43,44内に挿入される拡径用芯金45とを備えている。この場合、筒状部43,44の先端部は、例えば複数に縦割り構造とされるなどにより、その壁が半径方向に弾性変形し得る構成とされており、拡径用芯金45を図3(b)の矢印で示すように軸方向に移動させて、該拡径用芯金45のテーパ部46のくさび作用によって筒状部43,44の先端部を拡径することができるようになっている。そして、この筒状部43,44によって被切断管Pを内側から拘束する構成である。
次に、上記の構成からなる管材切断装置によって被切断管Pを切断する動作及びそれによるリング材、シンクロナイザーリング素材の製造方法について説明する。
図2(a)に示す初期位置においては、固定刃体1の第一のダイ孔2と回転刃体20の第二のダイ孔21との軸心Oc,Osが一致しており、図3(a)に示すように両ダイ孔2,21が連通状態となっている。この初期位置において、図3(b)に示すように両ダイ孔2,21に架け渡すように被切断管Pを圧入し、この被切断管Pの内側を前記マンドレル41,42によって拘束する。
そして、この初期位置から回転刃ホルダ10を下方に移動すると、該回転刃ホルダ10に収納されている回転刃体20には、この下方への直線移動と、前述した収納孔11内での回転移動との合成した移動が生じる。
図5には、固定刃体1の第一のダイ孔2の軸心Os、回転刃ホルダ10の収納孔11(つまり該収納孔11内に収納されている回転刃体20)の軸心O、回転刃体20の第二のダイ孔21の軸心Ocの動きをそれぞれ矢印で示している。
まず、軸心Oc(Os)で示した位置が初期位置であり、この初期位置から、回転刃ホルダ10の下方への移動成分だけを捉えると、回転刃ホルダ10が下方に移動することに伴い第二のダイ孔21の軸心Ocも矢印(イ)で示すように下方に移動する。一方、回転刃ホルダ10の軸心Oと第二のダイ孔21の軸心Ocとは偏心していて、第二のダイ孔21内には固定刃体1の第一のダイ孔2に架け渡されるように被切断管Pが圧入状態となっていることから、該第二のダイ孔21に、回転刃ホルダ10の軸心Oを中心として矢印(ロ)で示すように時計回りに回転させようとする力が作用する。この第二のダイ孔21を有する回転刃体20は、回転刃ホルダ10の収納孔11内に回転自在に収納されているから、前記時計回りの力によって矢印(ロ)に示す方向に回転させられる。
この矢印(ロ)で示す回転移動は、回転刃ホルダ10の下方への移動開始から終了までの間になされることになり、該回転刃ホルダ10の軸心がOからO´に移動する間に、回転刃体20の軸心もOcから矢印(イ)及び矢印(ロ)で示す両方向への移動が複合して、結局、Oc´の位置に移動することになる。
この一連の移動により、両ダイ孔2,21に架け渡されるように圧入されていた被切断管Pは、回転刃体20の第二のダイ孔21内に挿入されている部分が、二点鎖線で示すように移動させられ、その間に両ダイ孔2,21の開口端の切れ刃によって剪断される(図4(a)参照)。このとき、回転刃体20が回転しながら被切断管Pを剪断することになるので、剪断個所を被切断管Pの周方向に徐々にずらしながら切断することになり、比較的小さい力で切断することができるとともに、図5に示すようにθ=数°の回転で被切断管Pを切断することが可能になる。
最後に、固定刃体1から回転刃ホルダ10を離した状態とし、図4(b)に示すように、マンドレル41に後方から押し出しストリッパ(図示略)を用いる等により、切断された管体P´を回転刃体20から払い落とすことが行われる。
このように、本実施形態の管材切断装置及びそれによるリング材、シンクロナイザーリング素材の製造方法は、回転刃ホルダ10を駆動機構によって直線的に移動することにより、回転刃ホルダ10内の回転刃体20が受動的に回転させられ、その直線移動と回転移動との複合的な移動によって被切断管Pを切断する構成であるから、比較的小さい力で切断することができるとともに、回転刃体20を回動させるための特別な回転駆動装置を必要とせず、簡素で低コストの管材切断装置及びそれによるリング材、シンクロナイザーリング素材の製造方法とすることができる。
また、本発明に係る管材切断装置及びそれによるリング材、シンクロナイザーリング素材の製造方法は、復帰機構30を用いたときには、回転刃ホルダ10内の固定刃体20が初期位置に自動的に復帰させられるので、第一のダイ孔2及び第二のダイ孔21間に被切断管Pが挿入されていないとき、及びその被切断管Pが切断された後は、第二のダイ孔21を所定位置に簡単に位置させることができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において変更可能である。例えば、上述の例では、上下方向に駆動する構成としたが、上下方向に限らず、図2を90°回転させた水平方向、あるいは斜めの方向に駆動する構成としてもよい。
また、本実施形態で説明した被切断管Pが、例えば長尺の押出管や溶接管等からなる管素材であり、管体P´が、前記管素材を短尺に切断してさらに後加工が施される中間素材等や切断した状態で製品とされる機械部品等のリング状のリング材(リング状素材)であることとしてもよい。また或いは、被切断管Pが、長尺の押出管からなる管素材であり、管体P´が、前記管素材を短尺に切断して製造され、自動車などに用いる変速機の部品のリング状のシンクロナイザーリング鍛造用素材(シンクロナイザーリング素材)であることとしてもよい。また、これらリング材及びシンクロナイザーリング素材は、上記用途に限定されることなく、種々様々な要望、用途に合わせ製造し用いることができる。
以下、本発明の管材切断実験を実施例として説明する。
被切断管は、自動車用変速機に使用されるシンクロナイザーリング用銅合金押し出し管を用いた。固定刃体の第一のダイ孔の径、回転刃体の第二のダイ孔の径は65.50mmであり、固定刃体の第一のダイ孔の被切断管挿入側端部は5mmの半径の面取りにより滑らかに仕上てある。固定刃体の第一のダイ孔、回転刃体の第二のダイ孔の位置を合わせ、油圧プレスにより被切断管を圧入する。さらに、固体刃体、回転刃ホルダをガイド枠に組み込む。その後、固定刃体側のマンドレルの拡径用芯金を挿入する。本実施例では簡便な装置とするため、回転刃体側、固定刃体側の拡管のための芯金の移動は、芯金端部にねじを設け、マンドレル後方端面(切断面とは反対側の端部)でナットによって締め拡管力を得て、被切断管を拘束した。その後、回転刃ホルダを油圧プレスにより移動させ切断を行う。外径およそ65mm、肉厚およそ6mmの銅合金押し出し管の切断では、切断最大荷重はおよそ300kNであった。
切断された管体(n=9個)の寸法測定結果を表1及び表2に示す。表1において、切断幅とは、切断された管体の幅(軸方向長さ)をいい、図4(a)に示される第二のダイ孔21の幅(奥行き寸法)を11.70mmと設定したときの管体の幅である。
なお、各部位は、回転刃体を上から下に向けて移動させる場合に、時計回りで0°位置がA、180°位置がB、270°位置がC、90°位置がDとする。
Figure 2008296360
表1より、第二のダイ孔21の幅11.70mmに対して、切断された管体の幅は、±0.2mm以下の精度で切断されており、「JIS B 0405」の普通公差中級を満足している。
Figure 2008296360
表2より、第二のダイ孔21への圧入による矯正効果により、外径は切断方向とその直交方向でほぼ同じ寸法となり、また、内径寸法においても切断方向とその直交方向の差は0.15mm以下となっている。
これらの表から明らかなように、本装置によれば良好な管体を得ることができる。
以上のように被切断管は、ダイ孔による外面から半径方向と軸方向の拘束力を受け、さらにマンドレルにより内面からも半径方向と軸方向の拘束力を受けるため、さらに回転機構をプレスストロークに伴う受動的な回転機構としているため、従来の大掛かりな装置、機構を必要とせずに、精度よく管材の切断が可能となった。
本発明の一実施形態に係る管材切断装置のうちの固定刃体、回転刃ホルダ及び回転刃体の分解斜視図である。 この実施形態の管材切断装置の正面図であり、回転刃ホルダ内における回転刃体の初期位置への復帰機構の作用を(a)(b)の順に説明した正面図である。 この実施形態の管材切断装置の縦断面図であり、(a)(b)の順で被切断管の取付動作を説明している。 図3に示す状態から被切断管の切断動作を(a)(b)の順で説明する縦断面図である。 両ダイ孔、回転刃ホルダの収納孔の各軸心の動きを示す模式図である。
符号の説明
1 固定刃体
1a 一面(表面)
1b 挿入口
2 第一のダイ孔
10 回転刃ホルダ
10a 一面
11 回転刃体収納孔
12 引張りバネ
13 ストッパ
20 回転刃体
20a 一面(表面)
21 第二のダイ孔
22 ピン
30 復帰機構
41,42 マンドレル
43,44 筒状部
45 芯金
P 被切断管(管素材)
P´ 管体(リング材、シンクロナイザーリング素材)
Os 第一のダイ孔の軸心
Oc 第二のダイ孔の軸心
回転刃体収納孔(又は回転刃体)の軸心

Claims (7)

  1. 被切断管が圧入される第一のダイ孔を表面に開口させた固定刃体と、
    前記被切断管の先端部が圧入される第二のダイ孔を表面に開口させた回転刃体と、
    これら固定刃体及び回転刃体の内側でそれぞれ被切断管の内周面を保持する一組のマンドレルと、
    前記回転刃体を収納孔内に回転自在に収納するとともに、前記第一及び第二のダイ孔のそれぞれの開口端における両刃体の表面を摺動自在に接触させた状態に保持する回転刃ホルダと、
    該回転刃ホルダを前記固定刃体の前記表面の面方向に沿う一方向に摺動させる駆動機構とを備え、
    前記固定刃体に対する回転刃ホルダの初期位置では、前記固定刃体における第一のダイ孔と回転刃体における第二のダイ孔とが同一軸心上に配置されるとともに、前記回転刃体の第二のダイ孔と前記回転刃ホルダの収納孔との軸心が前記一方向と交差する方向にずれて配置されることを特徴とする管材切断装置。
  2. 前記固定刃体の第一のダイ孔は被切断管の外径よりも小さく設定され、該第一のダイ孔における切れ刃とは反対側の開口が被切断管の挿入口とされ、該挿入口の周縁が面取り加工されていることを特徴とする請求項1記載の管材切断装置。
  3. 前記回転刃体の第二のダイ孔は被切断管の外径よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の管材切断装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の管材切断装置において、前記回転刃体は、前記固定刃体に接触する表面側にフランジが形成され、該フランジが前記回転刃ホルダに収納されていることを特徴とする管材切断装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の管材切断装置において、前記駆動機構により摺動させられた回転刃ホルダを前記初期位置に復帰させるための復帰機構を設けたことを特徴とする管材切断装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の管材切断装置を用い、管素材を短尺に切断してリング状のリング材を製造することを特徴とするリング材の製造方法。
  7. 請求項1から5のいずれか一項に記載の管材切断装置を用い、管素材を短尺に切断してリング状のシンクロナイザーリング素材を製造することを特徴とするシンクロナイザーリング素材の製造方法。
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