JP2008296135A - 酸素同位体の濃縮装置および濃縮方法 - Google Patents

酸素同位体の濃縮装置および濃縮方法 Download PDF

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Abstract

【課題】酸素同位体濃縮装置に用いられる波長可変型レーザ光源からのレーザ光の波長を固定化する際に、このレーザ光源からのレーザ光を無駄にすることなく光分解反応に用いて濃縮効率を高め、さらに、複数の波長可変型レーザ光源を用いた場合でも、波長制御手段を増やす必要がないようにする。
【解決手段】光反応セル16内の酸素化合物にレーザ光を照射して濃縮目的の酸素同位体を含む酸素化合物を選択的に光分解する光分解手段を有し、この光分解手段が、波長可変型レーザ光源5と、この波長可変型レーザ光源からのレーザ光が照射される前記光反応セル16と、この光反応セル16を透過したレーザ光を受光してその波長を検出し、波長可変型レーザ光源からのレーザ光の波長を目的とする波長に制御する波長制御装置26を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、酸素同位体の濃縮装置および濃縮方法に関し、オゾンなどの分子内に酸素原子を有する酸素化合物にレーザ光を照射して、濃縮目的の酸素同位体を含む酸素化合物を選択的に光分解して、17O、18Oを高濃度に濃縮できるようにしたものである。
17Oは、酸素同位体のうち、唯一核スピンを有するため、その標識化合物を用いた構造解析や医療分野でのトレーサとして利用されている。18Oは、PET(陽電子放射断層撮影法)診断薬の原料としての需要がある。
ところで、17Oの天然存在率は0.037atom%であり、18Oのそれは0.204atom%と非常に小さい。
酸素同位体の濃縮方法には、光化学反応を利用した方法があり、特開2004−261776号公報には、酸素をオゾナイザーに送ってオゾンとし、このオゾンを分離したのち、分離後のオゾンにレーザ光を照射して17Oまたは18Oを含むオゾンアイソトポマーを選択的に光分解し、生成した酸素中に17Oまたは18Oを濃縮する方法が開示されている。
また、特開2005−81321号公報には、有機過酸化物などの過酸化物を含むガスにレーザ光を照射し、分子内に特定の酸素同位体を含む過酸化物を選択的に分解し、分解生成物中に酸素同位体を濃縮する方法が開示されている。
ところで、このようにオゾンなどの分子内に酸素原子を含む酸素化合物にレーザ光を照射して目的としている酸素同位体が含まれている酸素化合物を選択的に光分解するものでは、アイソトポマーの特定吸収波長に完全に一致する波長の単一縦モードレーザ光を照射する必要があり、照射するレーザ光の波長を0.001nm単位で定めなくてはならず、波長安定度の極めて高いレーザ光源を用いる必要がある。
また、光分解の対象となる酸素化合物の化学種が異なると、これを光分解するためのレーザ光の波長も異なるので、波長可変型レーザ光源を用いることが好ましい。
さらに、光分解される酸素化合物の量は照射されるレーザ光の強さに比例するので、光源から出射されるレーザ光を無駄なく光分解反応に用いる必要もある。
一方、波長可変型レーザ光源からのレーザ光の波長を安定化させるための波長固定方法として、特許第3694379号公報には、同位体分離等において使用するレーザ光の周波数(波長)を安定化させる方法として、以下の方法を提案している。
あらかじめ目的とする波長へ粗調された波長可変レーザ光をミラーで分岐し、その一部を光変調手段で変調させることによってサイドバンドを発生させる。サイドバンドのいずれかをファブリー・ペロー・共振器にロックし、この状態で変調周波数を可変することにより、分岐前のレーザ光の発振波長を目的とする原子・分子の共鳴周波数に安定化する方法である。
また、特表2005−503028号公報では、波長分割多重(WDM)システムにおける多区域ダイオードレーザの波長を固定する方法として以下の方法を提案している。
波長可変レーザ光をフォトカプラで分岐し、その一部、例えば5%を光波長ロッカーに導入する。光波長ロッカーでは、ファブリー・ペロー・エタロン伝達有無でのパワーが測定され、両者の和、差、乗算のような簡単な信号を波長誤差信号としてフィードバックすることにより波長可変型レーザの発振波長を固定する。
さらに、(株)応用光電研究室から発売されている波長ロッカーは以下の原理に基づく。
光源からの出力をファイバカプラで分岐し、分岐された光は波長ロッカーのコリメータで平行ビームにされる。平行ビームはハーフミラーで2つに分岐され、一方は誘電体多層膜フィルタ(エタロン)を通ってシグナル用フォトダイオードに、他方はリファレンス用フォトダイオードに入射する。誘電体多層膜フィルタはある波長帯域のみを透過させるバンドパスフィルタであり、このフィルタの透過特性のスロープを利用して、光源の波長がドリフトしたときの波長の変化方向を認識することができる。
つまり、光源の波長がフィルタの最大透過率から離れる方向にドリフトするとフィルタの透過特性によりシグナル用フォトダイオードの出力が減少し、逆に最大透過率に近づく方向にドリフトするとシグナル用フォトダイオードの出力が増加する。このシグナル用フォトダイオードの出力の増減によって光源の波長のドリフトを認識して、シグナル用フォトダイオードの出力が一定となるように光源の波長を制御し、安定化させる。
これらの波長固定方法では、波長可変型レーザ光源から出射されたレーザ光の一部を分岐して波長制御手段に送り、目的とする波長との差を求め、この差に基づいてレーザ光源の波長を固定するものである。
この波長固定方法を酸素同位体濃縮装置のレーザ光源に適用した場合には、レーザ光源から出射されたレーザ光の一部が光分解反応に使用されず、無駄となって濃縮効率が低下する。また、複数のレーザ光源を用いる場合には、それぞれのレーザ光源について波長制御手段が必要となり、設備コストも高くなる。
特開2005−283333号公報 特開2004−261776号公報 特許第3694379号公報 特表2005−503028号公報 (株)応用光電研究室 テクニカルレポート
よって、本発明における課題は、酸素同位体濃縮装置に用いられる波長可変型レーザ光源からのレーザ光の波長を固定化する際に、このレーザ光源からのレーザ光を無駄にすることなく光分解反応に用いることができるようにすることにある。
さらに、複数の波長可変型レーザ光源を用いた場合でも、波長制御手段を増やす必要がないようにすることにある。
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、光反応セル内の酸素化合物にレーザ光を照射して濃縮目的の酸素同位体を含む酸素化合物を選択的に光分解する光分解手段を有する酸素同位体の濃縮装置であって、
前記光分解手段が、波長可変型レーザ光源と、この波長可変型レーザ光源からのレーザ光が照射される前記光反応セルと、この光反応セルを透過したレーザ光を受光してその波長を検出し、波長可変型レーザ光源からのレーザ光の波長を目的とする波長に制御する波長制御装置を備えることを特徴とする酸素同位体の濃縮装置である。
請求項2にかかる発明は、前記光分解手段が、1以上の波長可変型レーザ光源を備え、前記光反応セルから出射された1以上のレーザ光から任意の1のレーザ光を取り出して、前記波長制御装置に送る光スイッチを備えることを特徴とする請求項1記載の酸素同位体の濃縮装置である。
請求項3にかかる発明は、前記光スイッチからの任意の1のレーザ光の光強度を計測するパワーメータをさらに備えたことを特徴とする請求項2記載の酸素同位体の濃縮装置である。
請求項4にかかる発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の酸素同位体の濃縮装置を用い、光反応セル内の酸素化合物のアイソトポマーに波長安定度が0.002nm以下であるレーザ光を照射し、前記アイソトポマーを光分解することを特徴とする酸素同位体の濃縮方法である。
本発明によれば、光反応セルを透過したレーザ光を使って、波長を固定するようにしているので、波長可変型レーザ光源からのレーザ光を無駄なく光分解反応に用いることができ、化合物の分解が良好となり、同位体の濃縮効率が上がる。
また、光スイッチを備えることで、1個の波長制御装置により複数の波長可変型レーザ光源の波長を固定することができる。
さらに、パワーメータを設けることで、波長可変型レーザ光源自体の異常や、光伝送路の光軸のずれなどを検出することができる。
図1は、本発明の酸素同位体濃縮装置の一例を示すもので、この例では酸素化合物としてオゾンを光分解するものを示す。
経路1から供給され、経路2から循環する酸素と合流した原料酸素は、オゾナイザー3での無声放電によってその一部がオゾンとされる。
オゾンのアイソトポマー(同位体を含む分子種)には、酸素同位体の種類及びその組み合わせから、161616O、161617O、161716O、161618O、161816O、161717O、171617O、161718O、171618O、161817O、171717O、161818O、181618O、171718O、171817O、171818O、181718O、181818Oの18種類が存在する。
オゾナイザー3からのオゾン・酸素混合ガスは、熱交換器4で冷却された後、経路6から第1蒸留塔7の中段に導入される。このオゾン・酸素混合ガスは、第1蒸留塔7上部の凝縮器8で生成した還流液と、第1蒸留塔7下部のリボイラー9で生成した上昇ガスとによって蒸留され、第1蒸留塔7の上部に酸素ガスが、第1蒸留塔7の底部に液化オゾンがそれぞれ分離する。
第1蒸留塔7上部から経路10に抜き出された酸素は、一部が凝縮器8に分岐され、残部は経路11を通ってバッファタンク12に一時貯留された後、ブロワー13で圧縮されて経路2からオゾナイザー3に循環導入される。
第1蒸留塔7の底部から経路14に抜き出されたオゾンは、一部がリボイラー9に分岐し、残部は弁15を通ってガス状で光反応セル16に導入される。このオゾンの中の特定のアイソトポマーは、波長可変型レーザ光源5から照射されるレーザ光によって酸素に分解され、分解した酸素と未分解のオゾンとからなるオゾン・酸素混合ガスが経路17から弁18を通して導出される。光反応セル16を通過したレーザ光は、波長制御装置26に送られる。
光反応セル16内は、特定のオゾンのアイソトポマーの分解を安定した状態で効率よく行えるようにするため、13kPa以下の圧力に減圧するとともに、100〜250Kの範囲に冷却されるようになっている。圧力及び温度は、オゾンの分解状況に応じて適当に設定することが可能であり、オゾンが液化又は固化しない範囲で、少なくとも光反応セル16の両側の弁15、18間を所定圧力及び所定温度に維持することが好ましい。
経路17のオゾン・酸素混合ガスは、熱交換器19で冷却された後、第2蒸留塔20の中段に導入され、前記第1蒸留塔7と同様に、凝縮器21からの還流液と、リボイラー22からの上昇ガスによって蒸留され、塔下部にオゾンが分離し、塔上部に特定の同位体酸素を含む酸素ガスが濃縮される。
濃縮された特定同位体含有酸素ガスは、第2蒸留塔20の上部から経路23に抜き出されて一部が凝縮器21に分岐した後、経路24から製品として回収される。
第2蒸留塔20の底部から抜き出されたオゾンは、一部がリボイラー22に分岐した後、熱交換器19を経て経路25に取り出される。
経路25のオゾンは、通常は、触媒等を用いたオゾン分解手段で酸素に分解されて排出される。また、この経路25のオゾンを、前記光反応セル16とは別に設けた第2オゾン分解手段としての第2の光反応セルに導入し、光反応セル16で分解したものとは別のアイソトポマーを分解し、分解により生成した同位体含有酸素を第2酸素分離手段としての蒸留塔等を使用してオゾンから分離濃縮することもできる。
なお、各蒸留塔の操作条件は、任意であるが、光反応セル16に酸素が侵入すると同位体含有酸素ガスの濃度が低下するので、できるだけ酸素を含まない状態のオゾンを得られるようにすることが好ましい。また、凝縮器に供給する寒冷源や、リボイラーに供給する加熱源には、適当な温度の窒素やアルゴンを使用することができる。
さらに、光反応セル16の冷却にも、適当な温度の窒素やアルゴンを使用でき、光反応セル16を含む系内の減圧には、光反応セル16より下流側の適当な経路に真空ポンプを設置したり、液化窒素等により液化減圧したりすることによって行うことができる。また、各機器の材質は、オゾンに対する反応性や触媒作用の無いものを選定すればよく、通常は、ガラスやフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン)等を用いることが好ましい。
図2は、前記光反応セル16、レーザ光源5および波長制御装置26から構成される光分解手段の具体的な構成を示すものである。
図2において、符号31は光反応セルを示す。この光反応セル31は、ステンレス鋼などの金属からなる中空筒状の胴部31aと、この胴部31aの両端面を閉じる石英ガラスなどの透明材料からなる入射窓31bおよび出射窓31cとから構成され、胴部31aには、オゾンと酸素ガスとの混合ガスが流入する入口31dと同じく混合ガスが流出する出口31eが設けられている。
この光反応セル31は、レーザ光が1回だけ通過する単光路セルであっても、複数回通過する多重反射セルでもよい。
この光反応セル31の入射窓31b側の側方には、2基の波長可変型レーザ光源32、32が並んで設けられている。波長可変型レーザ光源32には、外部共振型レーザ、分布帰還型(DFB)レーザ、分布反射型(DBR)レーザなどの波長が可変できるタイプの半導体レーザが用いられる。
各波長可変型レーザ光源32から出射されたレーザ光は、コリメートレンズ33、33を介して集束されて光反応セル31の入射窓31bを透過して内部に入射され、内部に存在する前記混合ガスに照射されるように構成されている。
前記波長可変型レーザ光源32については、この例では2基設置しているが、これに限られることはなく、3基以上としてもよい。また、すべての波長可変型レーザ光源32からのレーザ光を同一波長として同時に光反応セル31に入射することで、トータルの入射光量を大きくし、オゾンアイソトポマーの分解量を増加させ、酸素同位体の濃縮効率を向上させることができる。この観点からは、高出力の波長可変型レーザ光源32を用いることが良く、さらには出来るだけ多くの波長可変型レーザ光源32を設置することが望ましい。
また、複数の波長可変型レーザ光源32、32・・を2以上のグループに分け、そのグループ毎にレーザ光の波長を異ならせ、波長の異なる2以上のレーザ光を光反応セル31に入射して、1基の光反応セル31中で、オゾンの異なる2以上のアイソトポマーを光分解させることも可能である。
光反応セル31の出射窓31cを透過したレーザ光は、コリメートレンズ34、34を通り、グレイデッドインデックス型光ファイバ35、35の一端に光結合されるようになっている。グレイデッドインデックス型光ファイバ35、35の他端は光スイッチ36の入力端子にそれぞれ接続されており、グレイデッドインデックス型光ファイバ35、35に導波されたレーザ光が光スイッチ36に入力されるようになっている。
この光スイッチ36は、入力端子数が2で出力端子数が2である2×2タイプのスイッチである。光スイッチ36の第1の出力端子にはグレイデッドインデックス型光ファイバ37の一端が接続され、その他端は波長計38に接続されている。また、光スイッチ36の第2の出力端子にはグレイデッドインデックス型光ファイバ39の一端が接続され、その他端はパワーメータ40に接続されている。
前記波長計38は、入力されたレーザ光の波長を測定してその値を電気信号(以下、波長信号とする)として出力するものである。
波長測定には、He−Neレーザを基準光源としたマイケルソン干渉計やフィゾー干渉計を用いる方法、エタロンやファブリー・ペロー共振器による方法、ガスセルの透過強度を元にした波長測定方法などが用いられ、これらのいずれでも良い。
前記パワーメータ40は、入力されたレーザ光の強度を測定する計器であって、その強度が大きく変化した場合などには、波長可変型レーザ光源32、32あるいは光伝送路(光反応セル31、コリメートレンズ33、34、グレイデッドインデックス型光ファイバ35、37で構成される)に異常があることを検知することができる。
前記波長計38からの波長信号はコンピュータ41に入力される。コンピュータ41には制御プログラムが内蔵されており、この制御プログラムにより、コンピュータ41に波長信号が入力されると、この信号に基づいて波長可変型レーザ光源31の発振波長を制御する波長制御パラメータを調整する指令信号を出力し、波長計38で計測された波長を目標波長に合致させるようにする。
コンピュータ41から出力される指令信号は、前記波長可変型レーザ光源32、32に帰還(フィードバック)され、この波長可変型レーザ光源32、32の発振波長の波長制御パラメータを調整し、発振波長を目標波長に合致させて波長固定を行う。
前記波長制御パラメータとしては、波長可変型レーザ光源32が外部共振型レーザでは、グレーティング角度あるいはこのグレーティング角度を可変とするためのアクチュエータとしてのピエゾ素子への印加電圧値、レーザへの注入電流値、レーザの周囲温度であり、波長可変型レーザ光源32が分布帰還型(DFB)レーザ、分布反射型(DBR)レーザなどの半導体レーザでは、レーザへの注入電流値、レーザの周囲温度であり、これらパラメータの1種または2種以上を組み合わせて調整し、波長を合致させる。
この例では、波長計38とコンピュータ41で波長制御装置26が構成されている。
なお、波長可変型レーザ光源32を1基用いるものでも良く、この場合にはコリメータレンズ、グレイデッドインデックス型光ファイバもこれに応じて1個または1本とし、光スイッチ36を経由せず、グレイデッドインデックス型光ファイバ35の他端を直接波長計38に接続してもよい。また、光スイッチを経由させて、波長測定とパワー測定を光スイッチで切り替えて行っても良い。
さらに、波長可変型レーザ光源32を3基以上設けた場合には、光スイッチ36として入力端子数が3個以上のものを用いることができる。光スイッチ36としては、パワーメータ40による測定が必要ない場合、出力端子数が1個であるN×1タイプのものでもよい。グレイデッドインデックス型光ファイバ以外にシングルモード型光ファイバを用いることもできる。
この例にあっては、その波長可変型レーザ光源32からのレーザ光の波長を以下のように制御して固定する。
(1)2基の波長可変レーザ光源32、32からのレーザ光をそれぞれコリメートレンズ33、33で拡がりを抑制し、前記混合ガスが流通する光反応セル31を透過させる。
(2)光反応セル31からの透過光をそれぞれコリメートレンズ34、34で集光し、グレイデッドインデックス型光ファイバ35、35に結合する。
(3)レーザ光が結合された2本のグレイデッドインデックス型光ファイバ35、35を光スイッチ36の入力端子に接続する。光スイッチ36を操作して一方の光源のレーザ光を波長計38に出力し、他方の光源のレーザ光はパワーメータ40に出力する。
(4)一方の光源の波長を測定し、目標波長となるように一方の光源の波長制御パラメータを手動調整し、保持する。
(5)光スイッチ36を切り替え、(4)と同様、他方の光源が目標波長となるように他方の光源の波長制御パラメータを手動調整し、保持する。
(6)光スイッチ36を切り替え、一方の光源の波長が測定できるようにし、波長計測定値と目標波長が一致するように、波長制御パラメータをコンピュータ41で自動制御することで、一方の光源の波長をロックする。この間、他方の光源は(5)で調整した波長制御パラメータのまま保持しておく。また光スイッチ36のもう一方の出力で他方の光源の光パワーを測定する。
(7)一定時間が経過したら、光スイッチ36を切り替え、他方の光源の波長が測定できるようにし、(6)と同様波長計測定値と目標波長が一致するように、波長制御パラメータをコンピュータ41で自動制御することで、他方の光源の波長をロックする。この間、一方の光源は(6)で最後に設定した波長制御パラメータのまま、次回回ってくるまで保持し、光パワーを測定しておく。
(8)以降、(6)(7)と同様の操作を繰り返し、2基の波長可変型レーザ光源32、32の波長を順次制御し固定すると共に光パワーを測定する。
この例にあっては、光反応セル31の入口31dからオゾンと酸素の混合ガスを導入し、その内部に所定時間滞留させつつ、波長可変型レーザ光源32からの波長が固定された波長一定のレーザ光をこの混合ガスに照射して光反応セル31内で目的のオゾンアイソトポマーを選択的に光分解する。そののち、混合ガスは光反応セル31の出口31eから流出し、図1に示す経路17を通り、第2蒸留塔20に送られる。
なお、混合ガスを光反応セル31内に貯留してレーザ光を照射してもよく、流通させながら照射してもよい。
このような酸素同位体濃縮装置にあっては、波長可変型レーザ光源からのレーザ光の波長を極めて高い波長安定度で固定することができ、目標波長に対して波長偏差を0.002nm以内に抑えることが出来る。このため、目的とするオゾンアイソトポマーだけを的確に光分解することができ、レーザ光の利用効率が上がる。
また、波長可変型レーザ光源32を用いているので、目的とするオゾンアイソトポマーが異なっても、容易にレーザの発振波長を変更することができ、しかも高い波長安定度でアイソトポマーに照射することができる。
さらに、波長制御のために、波長可変型レーザ光源32からのレーザ光を光反応セル31に入射する前に分岐して波長制御装置26に送るものではなく、波長可変型レーザ光源からのレーザ光のすべてを光反応セル31に入射していので、波長可変型レーザ光源からのレーザ光を無駄なく光反応セル31に入射して光分解に供給することができる。
従来では、波長制御のために波長可変型レーザ光源からのレーザ光の約5%が分岐され用いられていたが、この5%の無駄がなくなる。この利点は、特に多数の波長可変型レーザ光源32を用いるものではさらに大きくなる。
また、パワーメータ40を用いて光反応セル31を透過したレーザ光の強度を監視しているので、波長可変型レーザ光源32自体の異常や、光伝送路の光軸ずれなどの異常を検知することができる。
本発明の酸素同位体の濃縮方法は、前述の濃縮装置を用い、その光反応セル16(31)にオゾン等の酸素化合物を導入し、これに波長可変型レーザ光源5(32)からの波長安定度が0.002nm以下であるレーザ光を照射して、酸素化合物のアイソトポマーを光分解する方法である。
この方法では、したがって、波長可変型レーザ光源からのレーザ光を無駄なく光分解に用いることができるととも目標とするアイソトポマーの吸収波長に合致する波長のレーザ光を照射できるので、効率的に目標とするアイソトポマーを光分解でき、結果的に濃縮効率を高めることができる。
以下、具体例を示す。
図2に示した構成において、2基の波長可変型レーザ光源32には、外部共振型半導体レーザA、Bを用い、波長計38には、マイケルソン干渉計を用いて、波長制御を行った。波長制御パラメータには、外部共振型半導体レーザの注入電流と、グレーティングの角度を可変とするためのピエゾ素子への印加電圧の2種を採用した。
波長制御の手順は、前述の通りである。
結果を図3のグラフに示す。
図3のグラフにおいて、横軸は経過時間(分)を示し、左縦軸は波長計38による波長測定値を示し、右縦軸は波長制御された外部共振型半導体レーザの波長値を示している。波長値は、いずれも1nm以下の小数点以下の値で示している。
図3に示したように、2つの外部共振器型レーザA、Bを順次切り替え、1台の波長計38で波長を所望値の0.002nm以内に制御でき、固定できることがわかる。
また、外部共振器型レーザは、主にピエゾ素子印加電圧、周囲温度、注入電流によって波長が変化することが知られているが、一方の外部共振型半導体レーザの波長を測定している間、他方の外部共振型半導体レーザの波長制御パラメータを一定にしておけば、波長が大きくずれないことがわかる。
図4は、外部共振型半導体レーザの波長制御を行わない場合の波長変動状況を示すグラフである。このものでは、注入電流、周囲温度、ピエゾ素子への印加電圧を一定に保ち、環境温度を自然変動させたときのデータである。
図4のグラフから、波長制御しない場合には、短時間では波長は安定しているが、環境温度の変動に起因して全体としては、約0.02nmの範囲で変動していることがわかる。
本発明の酸素同位体濃度測定装置の例を示す構成図である。 本発明の酸素同位体濃度測定装置の要部を示す構成図である。 本発明における波長可変型レーザ光源の波長制御の結果を示すグラフである。 波長可変型レーザ光源の波長制御を行わなかった場合の結果を示すグラフである。
符号の説明
16(31)・・・光反応セル、5(32)・・・波長可変型レーザ光源、26・・・波長制御装置、38・・・波長計、41・・・コンピュータ

Claims (4)

  1. 光反応セル内の酸素化合物にレーザ光を照射して濃縮目的の酸素同位体を含む酸素化合物を選択的に光分解する光分解手段を有する酸素同位体の濃縮装置であって、
    前記光分解手段が、波長可変型レーザ光源と、この波長可変型レーザ光源からのレーザ光が照射される前記光反応セルと、この光反応セルを透過したレーザ光を受光してその波長を検出し、波長可変型レーザ光源からのレーザ光の波長を目的とする波長に制御する波長制御装置を備えることを特徴とする酸素同位体の濃縮装置。
  2. 前記光分解手段が、1以上の波長可変型レーザ光源を備え、前記光反応セルから出射された1以上のレーザ光から任意の1のレーザ光を取り出して、前記波長制御装置に送る光スイッチをさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の酸素同位体の濃縮装置。
  3. 前記光スイッチからの任意の1のレーザ光の光強度を計測するパワーメータをさらに備えたことを特徴とする請求項2記載の酸素同位体の濃縮装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の酸素同位体の濃縮装置を用い、光反応セル内の酸素化合物のアイソトポマーに波長安定度が0.002nm以下であるレーザ光を照射し、前記アイソトポマーを光分解することを特徴とする酸素同位体の濃縮方法。
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