JP2008296133A - 排水の処理方法及び処理機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この排水の処理方法は、汚染物質が混在する排水1をミスト状にして気流5を及ぼすことによりミスト中の水分を気化させるようにした。またこの排水の処理機構は、汚染物質が混在する排水1をミスト状にする手段2と、排水ミスト4に気流5を及ぼす手段3とを具備し、前記排水ミスト4に気流5を及ぼすことによりミスト中の水分を気化させるようにした。汚染物質が混在する排水ミストに気流を及ぼすことによりミスト中の水分を気化させるようにしたので、排水をミスト状にすることによりミスト粒子として気化効率を向上させ且つ気流により前記ミスト粒子の気化効率を更に向上させることができ、生物処理方式とは異なりCOD値やBOD値の多寡に左右されずに処理を行うことができる。
【選択図】図1
Description
この提案には、次の内容が記載されている。
すなわち、従来から排水等に含まれている不純物の浄化を行うべく好気性微生物を利用した活性汚泥処理装置が普及している。活性汚泥処理装置は、曝気槽および沈殿槽などの固液分離手段から構成され、好気性微生物の代謝活動を利用し、主として排水等に含まれる有機物を分解処理するもので、有機物の一部はCO2とH2Oに分解されるとともに、その一部は好気性微生物自身の代謝活動や自己増殖に使われる。
このような活性汚泥法で処理できるCOD値は高くて約500ppm程度以下までであり、これ以上のCOD値の場合は前工程で希釈しておく必要がある。例えば、排水のCOD値が約10,000ppmの場合は約20倍に希釈してから活性汚泥処理を行う。
しかし、前記活性汚泥法では約10,000ppm以下程度の排水までは希釈をすることによりある程度安定した処理が行えるというものの、100,000ppmとかそれ以上のCOD値の場合は200倍希釈を行う必要があり、高濃度すぎて実際上処理が困難であるという問題があった。すなわちCOD値が100,000ppmの排水100リットルを処理するためには全体が20,000リットルつまり20トンになるまで希釈を行わなくてはならず、これではとても現実的とは言いがたい。
(1)〔A〕この発明の排水の処理方法は、汚染物質が混在する排水をミスト状にして気流を及ぼすことによりミスト中の水分を気化させるようにしたことを特徴とする。
〔B〕この発明の排水の処理機構は、汚染物質が混在する排水をミスト状にする手段と、排水ミストに気流を及ぼす手段とを具備し、前記排水ミストに気流を及ぼすことによりミスト中の水分を気化させるようにしたことを特徴とする。
(2)この排水の処理方法・処理機構は、汚染物質が混在する排水ミストに気流を及ぼすことによりミスト中の水分を気化させるようにしたので、排水をミスト状にすることによりミスト粒子として気化効率を向上させ且つ気流により前記ミスト粒子の気化効率を更に向上させることができ、生物処理方式とは異なりCOD値やBOD値の多寡に左右されずに処理を行うことができる。
また排水ミストに気流を及ぼすようにしたことにより、処理雰囲気中の湿気を気流で強制的に排出して雰囲気湿度の経時的な漸増を抑制し、経時的に気化効率が低下してくることを回避することができるという利点がある。処理雰囲気の湿度は排水ミストの気化に大きな影響を及ぼす。
ここでミスト中の水分を気化させた際、及ぼした気流を例えばバグ・フィルターその他の各種フィルターや電気集塵機で捕集し、大気中に固体分を放散させないようにすることが好ましい。また、及ぼした気流をベルトコンベアに導いて分離した固体分をネットベルトに付着させて回収したり、及ぼした気流をサイクロン機構に供給して固体分を分離して回収することもできる。
前記排水として、梅調味加工排液(CODが10万ppmを越えることが多い)や焼酎の製造過程でできる焼酎滓などが例示できる。また、うどんを茹でる際の茹で汁や食べ残しのお汁、各種工場の化学排水などを例示することができる。前記排水が梅調味加工廃液の場合、汚染物質として例えば食塩や蜂蜜成分などが溶解している。蜂蜜成分は、ブドウ糖、果糖のほか各種ビタミン、ミネラル、アミノ酸等を含んでいる。前記ブドウ糖は常温常圧で白色の粉末状の結晶であり、前記果糖は白色の結晶である。
排水をミスト状にする手段として種々の方法を採用することができるが、排水をノズルでミスト状に噴射する方式や、超音波振動子を利用する方式、吸上げエジェクト方式、不織布等に含浸させて蒸発させる所謂濡れ壁方式などを例示することができる。また、排水に圧力をかけてオリフィスからミスト状に噴出させる方式や、鉄板などに激突させてミスト状に散布する方式、排水流にコンプレッサーでエアを吹き付けて細分化して分散させる方式などを採用することができる。
前記排水ミストの粒径はさまざまな排水の内容に応じて気化可能な範囲にあればよいが、20μm以下、好適には10μm程度に設定することができる。このような粒径とすると気流中でミスト粒子が凝集し難く液化し難い状況となり、ドライな状態として気化せしめることができる。
前記気流として例えば空気流を用いることができ、ブロワー等で発生させた空気流によって排水ミストを上流側から押したり、逆に下流側から引いたりすることができる。
(3)前記排水ミストに対し上方乃至斜め上方に向けて気流を及ぼすようにしてもよい。
このように構成すると、上方乃至斜め上方に向かう気流中の排水ミストは下向きの重力加速度を受けて流速が減速されることとなり、この減速された分処理雰囲気を形成するケーシングの端面に至るまでの滞留時間を長くとって水分の気化効率を向上させることができる。排水ミストがケーシングに当接すると、液戻りしてしまう傾向が高まってしまうのである。
すなわち、排水ミストが下方に向けて気流を及ぼされた場合にはミストの下降方向の流速が重力加速度によって加速されケーシングの下端面へ速く到達して液戻りし易いものとなるが、上方乃至斜め上方に向けて気流を及ぼすようにすると処理雰囲気中の滞留時間を大きくとってケーシングへの到達を遅らせることができ水分の気化効率に優れる。
また、前記のように上方乃至斜め上方に向かう気流中で排水ミストの流速が減速され処理雰囲気内の滞留時間を稼ぐことができるので、処理雰囲気の大きさ(特に高さ)を抑えて嵩低くすることができる。
(4)前記排水をノズルから噴霧することによりミスト状にすると共に、前記ノズルのオリフィス内に変位が可能な可動部材を内在させるようにしてもよい。
このように構成すると、排水中に小さな固形のゴミが混在していてオリフィスに挟まったとしても、可動部材が変位すること或いは変位させることにより前記ゴミを排出させることが出来る。ここで前記可動部材は、例えば軸心に沿って進退させたり軸心から揺動させたりする態様で変位させることが出来る。例えば前記可動部材を針状体とし、その前後端を膨大或いは屈曲乃至湾曲せしめてオリフィスからの抜け止め状態を担保させることができる。
(5)前記排水を電気分解してからミスト状にするようにしてもよい。このように構成すると、電解酸化により排水中の汚染物質のうちの幾らかの割合が二酸化炭素等に分解されてからミスト状とされるので、気流を及ぼした際の固体分の生成を削減することができる。電気分解するための電極として白金電極、セラミック電極等各種の電極を用いることができる。
(6)前記排水をミスト状にして気流を及ぼす処理雰囲気の温度が20〜60℃に、湿度が30〜70%となるように制御するようにしてもよい。このような常温で所定の湿度の条件下で処理すると排水ミストが液体に戻ることを抑制することができる。また、排水から分離された固形分を常温処理で変性させずに回収してその再利用を図ることができる。
前記排水をミスト状にする雰囲気の気流の温度が30〜60℃となるように制御してもよい。例えば、気流を及ぼす手段に温風を供給することができる。このように構成すると、処理雰囲気での液戻りを抑制することができる。また、降雨時などのように元々湿度が高い状況であっても液戻りを抑制して処理を行うことが可能となる。
前記排水自体を例えば40〜80℃程度に昇温させてからミスト状にするようにしてもよい。このように構成すると、排水ミストの気化を促進して固体分の分離効率を向上させることが出来る。
(7)前記排水ミストから固体分が分離されてから気化した水分を再び液化するようにしてもよい。このように構成すると、当初の汚染物質が混在する排水から固体分(汚染物質)が分離・低減されて清浄化された水を回収することができ、回収水の清浄度に応じた適切な用途への再利用が可能となる。
(8) 前記排水に可溶で且つ水よりも低沸点の溶剤を添加して処理するようにしたこととしてもよい。このように構成すると、排水の気化が促進されることにより固体分の分離効率が向上することとなる。排水に可溶で且つ水よりも低沸点の溶剤は少量添加するだけでも分離効率の向上が見られる。前記溶剤としてイソプロピルアルコール(IPA)やエタノールなどを例示することができる。
この発明の排水の処理機構・処理方法はCOD値やBOD値が高濃度である排水に特に有用であるが、COD値が低濃度であるものに対しても好適に処理を行うことができる。
生物処理方式とは異なりCOD値やBOD値の多寡に左右されずに処理を行うことができるので、COD値等が仮に高濃度であったとしても処理を行うことができる排水処理方法及び処理機構を提供することができる。
排水として梅調味加工排液を処理した。この梅調味加工廃液は、汚染物質として食塩や蜂蜜成分などが溶解している。蜂蜜成分はブドウ糖、果糖のほか各種ビタミン、ミネラル、アミノ酸等を含んでいる。前記ブドウ糖は常温常圧で白色の粉末状の結晶であり、前記果糖は白色の結晶である。また焼酎の製造過程でできる焼酎滓、うどんを茹でる際の茹で汁や食べ残しのお汁、各種工場の化学排水などの各種排水を処理できる。
図1に示すように、この排水の処理機構は、水溶性の汚染物質(食塩や蜂蜜成分等)が混在(溶解)する排水1(COD値が12万ppmで食塩濃度が6〜7%の梅調味加工排液)をミスト状にする手段2
(エジェクタノズル)と、排水ミスト4に気流5(空気流)を及ぼす手段3 (ブロワー)とを具備し、前記排水ミスト4に気流5を及ぼすことによりミスト中の水分を気化させるようにしている。前記ブロワー3はモータMによりファンを回転させる構造である。
そして、梅調味加工排液の排水ミスト4中の水分を気化させた際及ぼした気流5を隣接する回収ボックス6内へと導くようにしている。回収ボックス6内で、排水ミスト4を有する気流5は振動ネット7へと吹き付けられ、気化水分9が蒸発して分離された固体分8(食塩、蜂蜜成分のブドウ糖や果糖の結晶)は下方に落下させるようにしている。一方、排水ミスト4から蒸発した気化水分9は回収ボックス6の上方の排気口10から排出される。
排水1をミスト状にする手段2として種々の方法を採用することができるが、排水をエジェクト方式でミスト状に噴射する方式を用いた。他に超音波振動子を利用する方式、1流体式や2流体式のノズル方式、不織布等に含浸させて蒸発させる所謂濡れ壁方式などを例示することができる。また、鉄板などに激突させてミスト状に散布する方式、排水流にコンプレッサーでエアを吹き付けて細分化して分散させる方式などを採用することができる。
排水ミスト4には、ケーシング11内で気流5を及ぼすようにしている。前記ケーシング11は縦90cm×横90cm×高さ180cmで四周に板材を有する直方体状の形状として、その下方にブロワー3の開口部を設け、ケーシング11の上方に気流5の排出口12を設けている。ブロワー3はケーシング11の上方に向けて気流5を噴出するような向きで設置し、そのすぐ上側にエジェクタノズル2を配設している。エジェクタノズル2からの噴出方向も上向きとしている。前記ケーシング11の下部は受け台13に固定している。なおケーシング11の形状は、直方体状の他に直径30〜100cmなどの中空の円筒状その他として実施することもできる。
前記気流5として空気流を用い、ブロワー3で発生させた空気流によって、エジェクタノズル2から排水ミスト4を上に向けて押すようにしている。なお、逆に下流側からブロワーで引くこともできる。こうして、ブロワー3による気流中で前記排水1をエジェクタノズル2から噴霧することによりミスト状にした。前記排水ミスト4の粒径はさまざまな排水1の内容に応じて気流中で気化可能な範囲にあればよいが、10μm程度となるようなエジェクタノズル(大阪市平野区長吉長原東のGES社製を使用、他にスプレーイングシステムスジャパン社製やいけうち社製などのノズルを使用できる)を選択した。
このエジェクタノズル2 (GES社製)はT字管の横からコンプレッサー(図示せず)のエアを供給し、下側からポンプPで排水1を供給してエジェクタ方式で上向きに噴出する構造としている。10μm程度の粒径とすると気流5中でミスト粒子が凝集し難く液化し難い状況となり、ドライな状態として気化せしめることができる。
前記エジェクタノズル2のオリフィス(内径1.6mmφ)内には、変位が可能な可動部材(外径1.0mmφ)を内在(内装)させてある。前記可動部材(図示せず)は、軸心に沿って進退させたり軸心から揺動させたりする態様での変位が可能である。前記可動部材として具体的には針金状体が用いられ、その前後端が屈曲せしめられてオリフィスからの抜け止め状態が担保されている。
この排水の処理方法は、汚染物質(食塩や蜂蜜成分等)が混在する排水1(梅調味加工排液)を粒径10μm程度のミスト状にして空気流5を及ぼすことによりミスト中の水分を気化させるようにしている。
この排水の処理方法・処理機構によると、汚染物質(食塩や蜂蜜成分等)が混在(溶解)する排水ミスト4に気流5を及ぼすことにより各ミスト中の水分を気化させるようにしたので、排水1をミスト状にすることによって(1)ミスト粒子(蜂蜜成分のブドウ糖や果糖の結晶や食塩等が溶解している)として表面積を飛躍的に増大せしめて気化効率を向上させ、(2)且つ気化した水分を気流5により即座にミスト周囲から離脱せしめて前記ミスト粒子の気化効率を更に向上させることができ、生物処理方式とは異なりCOD値やBOD値の多寡に左右されずに処理を行うことができ、COD値等が仮に高濃度であったとしても処理を行うことができるという利点がある。また生物処理方式のような汚泥が出ず、排水1から乾燥した状態で固体分8を取り出すことができるという大きな利点がある。汚泥はかなり含水しており産業廃棄物としての扱いが非常に問題があるものである。
(3) さらに排水ミスト4に気流5を及ぼすようにしたことにより、処理雰囲気中の湿気を気流5で強制的に排出して雰囲気湿度の経時的な漸増を抑制し、経時的に気化効率が低下してくることを回避することができるという利点がある。処理雰囲気の湿度は排水ミスト4の気化に大きな影響を及ぼす。例えば前記排水1をミスト状にする雰囲気の湿度が70%以下好ましくは60%以下となるように気流5の量や温度を制御すると、排水1をミストにした場合の結露を抑制してミストが液体に戻ることを抑制しミストの気化効率を高めることができる。また、前記排水1をミスト状にする雰囲気の温度が40〜90℃となるようにヒーター等で制御(ケーシング11を加熱)すると、結露すなわち液戻りを抑制してミストの気化効率を高めることができる。なお、前記排水1を例えば40〜80℃程度に昇温させてからミスト状にすると、排水ミスト4の気化を促進して固体分8の分離効率を向上させることが出来る。
さらに、ミスト中の水分を気化させた際、及ぼした気流5を回収ボックス6内に導いて分離した固体分8を回収するようにしており、大気中に固体分8を放散させないクリーンな処理を行うことができる。
その上、前記エジェクタノズル2のオリフィス内に変位が可能な可動部材を内在させるようにしており、排水1中に小さな固形のゴミが混在していてオリフィスに挟まったとしても、可動部材が変位すること或いは変位させることにより前記ゴミを排出させることが出来るという利点がある。
上述のように処理することにより、COD値が12万ppmで食塩濃度が6〜7%の梅調味加工排液10kgから、約2kg弱の固体分8(食塩、及び蜂蜜成分のブドウ糖や果糖の結晶と考えられる)が回収されることとなる。回収された固体分8は汚泥ではなく乾燥した状態であり、種々の用途に再利用されることが期待できる。例えば清浄雰囲気下で処理することにより、食品用途に再利用することが期待できる。
〔実施例1〕
既述の直方体状のケーシング11内で梅調味加工排液をエジェクタノズル2から粒径10μm程度のミスト状に噴霧し(90cc/分)、これにブロワー3から気流5を及ぼすことにより排水ミスト4中の水分を気化させた。エジェクタノズル2には排水1を0.50kg/cm2で供給し、エアを2kg/cm2で供給した。ケーシング11への入口風量は82m3/分、出口(回収ボックス6の吹き込み口14)風量は63m3/分であった。回収ボックス6の吹き込み口14で測定した湿度は68%、温度は24℃であった。その結果、ケーシング11内で噴霧した排水ミスト4は約93%が気化した(ケーシング11内から約7%の排水1が採取された)。そして、回収ボックス6から固体分8が回収された。この固体分8を舐めるとしょっぱい味がしており、食塩が含まれていることが把握された。
〔実施例2〕
既述の直方体状のケーシング11内で梅調味加工排液をエジェクタノズル2から粒径10μm程度のミスト状に噴霧し(80cc/分)、これにブロワー3から気流5を及ぼすことにより排水ミスト4中の水分を気化させた。エジェクタノズル2には排水1を0.45kg/cm2で供給し、エアを2kg/cm2で供給した。ケーシング11への入口風量は81m3/分、出口(回収ボックス6の吹き込み口14)風量は62m3/分であった。回収ボックス6の吹き込み口14で測定した湿度は63%、温度は24℃であった。その結果、ケーシング11内で噴霧した排水ミスト4は液戻りせずにほぼ全量が気化した(ケーシング11内には結露や排水1による液溜まりはなかった)。そして、回収ボックス6が回収された。この固体分8を舐めるとしょっぱい味がしており、食塩が含まれていることが把握された。
〔実施例3〕
既述の直方体状のケーシング11内で梅調味加工排液をエジェクタノズル2から粒径10μm程度のミスト状に噴霧し(64cc/分)、これにブロワー3から気流5を及ぼすことにより排水ミスト4中の水分を気化させた。エジェクタノズル2には排水1を0.40kg/cm2で供給し、エアを2kg/cm2で供給した。ケーシング11への入口風量は41m3/分、出口(回収ボックス6の吹き込み口14)風量は30m3/分であった。回収ボックス6の吹き込み口14で測定した湿度は69%、温度は25℃であった。その結果、ケーシング11内で噴霧した排水ミスト4は液戻りせずにほぼ全量が気化した(ケーシング11内には結露や排水1による液溜まりはなかった)。そして、回収ボックス6から固体分8が回収された。この固体分8を舐めるとしょっぱい味がしており、食塩が含まれていることが把握された。
実施形態1と異なる点を説明する。
図2に示すように、この実施形態では、梅調味加工排液の排水ミスト4中の水分を気化させた際及ぼした気流5を隣接する回収ボックス6内へと導くようにしている。回収ボックス6内で、排水ミスト4を有する気流5はネットベルトを有し回転駆動されるベルトコンベア15へと吹き付けられ、気化水分9が蒸発して分離された固体分8(食塩、蜂蜜成分のブドウ糖や果糖の結晶)はベルトコンベア15を介して下方に落下させるようにしている。一方、排水ミスト4から蒸発した気化水分9は回収ボックス6の上方の排気口10から排出される。
実施形態1と異なる点を説明する。
この実施形態では、梅調味加工排液に可溶で且つ水よりも低沸点の溶剤を添加(排水1の約1〜20%)して処理するようにしている。前記溶剤としてイソプロピルアルコール(IPA)、エタノールをそれぞれ用いた。このようにすると、排水1の気化が促進されることにより固体分8の分離効率が向上するという利点がある。また、排水1に可溶で且つ水よりも低沸点の溶剤は少量添加するだけでも分離効率の向上が見られる。
実施形態1と異なる点を説明する。
この実施形態では、梅調味加工排液を電気分解(図示せず)してから、ミスト状にして気流5を及ぼすことによりミスト中の水分を気化させるようにした。このようにすると、電解酸化により排水1中の汚染物質のうちの幾らかの割合が二酸化炭素等に分解されてからミスト状とされるので、気流5を及ぼした際の固体分8の生成を削減することができる。なお、電気分解するための電極として白金電極、セラミック電極等各種の電極を用いることができる。
実施形態1と異なる点を説明する。
図3に示すように、この実施形態では及ぼした気流5をサイクロン機構16に供給して固体分8を分離して回収するようにしている。
このサイクロン機構16では、上方の吹き込み口14から気流5を内周面に沿って回転するように吹き込むようにしている。前記気流5はサイクロン機構の上方から内周面に沿って下方へ向かう旋回流17を形成し、その中心域から上方へと向かう上昇流18となり上端の排気口10から気化分が排出される。サイクロン機構16の下方には排水ミスト4から水分が蒸発した固形分8(食塩や蜂蜜に含まれるブドウ糖や果糖の結晶粉末)が分離されて落下し回収される。
このように、汚染物質(蜂蜜成分等)を含有(溶解)する排水ミスト4を含む気流5をサイクロン機構の旋回流中で気化させつつ分離した固体分8は下方に移行させ、気化分は上方から排出させることができる。ここで、固体分8が分離される態様として、上記のように排水ミスト4中に溶解していた汚染成分(蜂蜜成分等)が気化に伴って析出する場合の他に、排水ミスト4中に混在していた微小固体が気化に伴って分離される場合を例示できる。
なお、サイクロン機構の上端の排気口10から排出する気化分に臭気がある場合は、上端面に空気清浄用電解水注入口(図示せず)を形成して旋回流中に電解水を上から噴霧するようにしてもよい。
実施形態1と異なる点を説明する。
図4に示すように、この実施形態では、汚染物質が混在する排水1をミスト状にして気流5を及ぼすことによりミスト中の水分を気化させるようにし、これをコンテナ型とした回収ボックス6に供給するようにしている。この回収ボックス6内では3枚の回収ネット19により気流5から固体分8を回収するようにしており、また2枚の邪魔板20により排水ミスト4が排出される方向に移行することを抑制している。回収ボックス6の後端の排気口10ではモータMによりファンFを外方に向けて駆動し蒸発した気化水分9を排出している。
このコンテナ型の回収ボックス6は、ケーシング11から送り出される気流5が一定時間滞留させる容積に設定していてバッファのような作用を有しており、この滞留している間に排水ミスト4から水分が蒸発して固体分8が分離されボックス内に落下・回収されることとなる。
この実施形態では、複雑な機構を設けることなしにシンプルな構造で固体分8を回収することができるという利点がある。
さらに、この排水の処理機構・処理方法は、例えば排水が梅加工調味廃液の場合これ含有される固形分として食塩や蜂蜜に含まれるブドウ糖や果糖の結晶粉末を分離回収することができる。すなわち、固形分(食塩や蜂蜜に含まれるブドウ糖や果糖の結晶粉末)の回収機構・方法として適用することができる。
2 ミスト状にする手段
3 気流を及ぼす手段
4 排水ミスト
5 気流
Claims (5)
- 汚染物質が混在する排水(1)をミスト状にして気流(5)を及ぼすことによりミスト中の水分を気化させるようにしたことを特徴とする排水の処理方法。
- 汚染物質が混在する排水(1)をミスト状にする手段(2)と、排水ミスト(4)に気流(5)を及ぼす手段(3)とを具備し、前記排水ミスト(4)に気流(5)を及ぼすことによりミスト中の水分を気化させるようにしたことを特徴とする排水の処理機構。
- 前記排水ミスト(4)に対し上方乃至斜め上方に向けて気流(5)を及ぼすようにした請求項2記載の排水の処理機構。
- 前記排水(1)をノズルから噴霧することによりミスト状にすると共に、前記ノズルのオリフィス内に変位が可能な可動部材を内在させるようにした請求項2又は3記載の排水の処理機構。
- 前記排水(1)を電気分解してからミスト状にするようにした請求項2乃至4のいずれかに記載の排水の処理機構。
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