JP2008295588A - コンドームアプリケータ、及びコンドームユニット - Google Patents

コンドームアプリケータ、及びコンドームユニット Download PDF

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Abstract

【課題】必要最小限の構成要素からなるコンパクトな構造でありながら、非使用時(未使用時、或いは使用前)には収容したコンドームを密封しつつ、使用時にはワンタッチによる簡単な開封作業によって取り出して片手にて陰茎に装着することができるコンドームアプリケータ、及びコンドームユニットを提供する。
【解決手段】開放端縁側からリング状に巻かれたコンドーム30の環状厚肉部31を離脱可能に包囲する環状保持部材2と、環状保持部材により環状厚肉部を包囲した際に該環状厚肉部の内径側に位置するコンドーム先端面の表裏両面と夫々対向配置される包装体10と、を備え、包装体は環状保持部材に接着されている。
【選択図】図1

Description

本発明はアプリケータとしての密封性と、耐久性に優れていながら、男性器に対する装着作業性に優れ、且つ構成が簡易なコンドームアプリケータ、及びコンドームユニットに関する。
コンドームは、開放側端縁から巻き取られてリング状にした状態で包装フィルム内に収納されて販売される。使用時には包装フィルムを破いてコンドームを取り出し、コンドームの表裏を確認して先端部に袋状に突出した精子溜まりを圧縮した状態で、破断させないように慎重な手順にて陰茎に装着する。このような作業は極めて煩わしく、改善が求められていた。
これに対してコンドームを装着する操作性を高めたアプリケータが種々提案されている。
まず、特許文献1には、リング状に巻き付けられたコンドームの厚肉環状部を包囲するリング部材からなるコンドームアプリケータが開示されている。このリング部材は別体構成の容器によって収納されるため、使用に際しては容器からリング部材を取り出してから装着するという煩雑な作業が必要となる。また、コンドーム先端の精子溜まりを指で圧縮しながら陰茎に装着する必要がある点も不便である。
特許文献2にはゴムリングと、ゴムリング内に井桁状に差し渡したガイド棒と、から成るコンドーム装着用リングが開示されている。この装着用リングは別体構成の容器によって収納されるため、使用に際しては容器からリング部材を取り出してから装着するという煩雑な作業が必要となる。また、コンドーム先端の精子溜まりを指で圧縮しながら陰茎に装着する必要がある点も不便である。
特許文献3にもリング状の保持具によってコンドームの環状厚肉部を保持するアプリケータが開示されているが、上記の各従来例と同様の問題点を有している。
次に、特許文献4には、リング状に巻き取られたコンドームの各半体部分を硬質樹脂からなる2つの支持構造体によって夫々支持した状態で包装フィルム内に収納したコンドーム装着器具が開示されている。この2つの支持構造体は、包装フィルム内に密封収納されている場合には対向する端縁間が連結一体化された状態でコンドームの各半体部分を保持している一方で、両支持構造体は連結端縁に沿って分割可能に構成されている。使用時には、包装フィルムの外面から各支持構造体を両手で把持して連結端縁に沿って分割すると同時に包装フィルムを中心線に沿って破断してコンドームを露出させる。両支持構造体を離間させてコンドームを引き延ばして先端面を露出させることにより、陰茎に対して被着することができるようになる。包装フィルムが支持構造体と一体化されているために、包装フィルムから支持構造体により支持されたコンドームを取り出すといった煩雑な手間が不要となっている。
しかし、このコンドーム装着器具は支持構造体の形状が複雑なため射出成形により製造する場合に金型代が高くなり、且つ嵩が大きいという問題がある。また、コンドーム先端の精子溜まりを圧縮しない状態でコンドーム先端面を陰茎に被せてゆく手順を踏むために精子溜まり内に空気が入った状態で装着が完了し、使用中に精子溜まりが破損したり、使用感が良くないという問題があった。
特開平06−14952号公報 特開平10−165433号公報 特表2001−526086 特表2004−522543
特許文献1、2、3のコンドームアプリケータは、アプリケータと包装手段とが別体構成であるため、開封、取出し、装着という各手順を踏む必要があり、装着を完了するまでの操作が面倒であった。また、コンドーム先端の精子溜まりを指で圧縮しながらコンドームを陰茎に被せてゆく手順を踏むと、装着作業性が悪化するという問題があった。
特許文献4のコンドーム装着器具には、支持構造体の形状が複雑で、且つ嵩が大きいという問題と、コンドーム先端の精子溜まりを指で圧縮しながらコンドームを陰茎に被せてゆく手順を踏むと、装着作業性が悪化するという問題があった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、必要最小限の構成要素からなるコンパクトな構造でありながら、非使用時(未使用時、或いは使用前)には収容したコンドームを密封しつつ、使用時にはワンタッチによる簡単な開封作業によって開封、取出して片手にて陰茎に装着することができるコンドームアプリケータ、及びコンドームユニットを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、請求項1の発明に係るコンドームアプリケータは、開放端縁側からリング状に巻かれたコンドームの環状厚肉部を離脱可能に包囲する環状保持部材と、前記環状保持部材により前記環状厚肉部を包囲した際に該環状厚肉部の内径側に位置するコンドーム先端面の表裏両面と夫々対向配置される包装体と、を備え、前記包装体は前記環状保持部材に接着されていることを特徴とする。
この発明によれば、コンドームの環状厚肉部を環状保持部材内に保持した状態で、包装体によってコンドームの上下面側を包囲したので、必要最小限の部品点数により、十分な気密性を確保しつつ、取扱いの容易なアプリケータを実現できる。コンドームの取付けに際しては包装体を除去した環状保持部材を手で把持して陰茎にコンドームを被せてから環状保持部材を除去する手順を踏めばよく、作業性がよい。
請求項2に係る発明は、前記環状保持部材は、少なくとも周方向一箇所に係脱自在に開放する分離部を備えていることを特徴とする。
環状保持部材は分離部によって分離、分解可能であるため、コンドームを陰茎に装着した後における環状保持部材の取り外し作業が容易となる。
請求項3に係る発明は、前記分離部とは異なる他の部位に少なくとも一つのヒンジ部を備え、該ヒンジ部を中心として前記分離部を開放可能に構成されていることを特徴とする。
環状保持部材は、ヒンジ部によって開閉自在に支持されているので、分離部を開放することによって確実に開放することができ、簡易にコンドームを離脱させることができる。
請求項4に係る発明は、前記環状保持部材は、少なくとも周方向二箇所に設けた分離部において複数片に分離可能に構成されていることを特徴とする。
分離部を複数箇所設けることにより環状保持部材を複数片に分割、分解することができる。
請求項5に係る発明は、前記環状保持部材は、その周方向全長に亘ってコンドームの環状厚肉部着脱用のスリットを有した中空体であることを特徴とする。
環状保持部材に設けたスリットを利用してコンドームの環状厚肉部を環状保持部材に装着したり、取り外すことが容易となる。
請求項6に係る発明は、前記包装体は、前記コンドーム先端面の表裏両面と夫々対向した状態で前記環状保持部材に接着される2つの包装片と、両包装片を連結する連結片と、から一体的に構成されていることを特徴とする。
包装体を連結片によって連結された2つの包装片から構成したので、一回の剥離作業によって包装体全体を除去して、速やかにコンドーム装着作業へ移行することができる。
請求項7に係る発明は、前記2つの包装片のうちの一方は、内側にアシストフィルムを配置した状態で前記環状保持部材に接着され、前記包装体を前記環状保持部材から剥離した後においても該アシストフィルムは前記環状保持部材に接着し続けることを特徴とする。
包装片を剥離したとしても、コンドームの片側は依然としてアシストフィルムにより包囲されているため、陰茎にコンドームを被せる際にアシストフィルムがコンドーム先端の精子溜まりを押さえ続けることができる。従って、精子溜まりに気泡が入って膨らむことがなくなり、精子溜まりが破れたり、使用感が悪化することがなくなる。
請求項8に係る発明では、前記包装体は、前記環状保持部材内部のコンドーム先端面の一面と対向した状態で前記環状保持部材に接着される第1の包装片と、他面と対向した状態で前記環状保持部材に接着される第2の包装片と、を備え、前記第1の包装片を剥離除去しても、前記第2の包装片は前記環状保持部材に接着し続けることを特徴とする。
第1の包装片を剥離したとしても、コンドームの片側は依然として第2の包装片により包囲されているため、陰茎にコンドームを被せる際に第2の包装片がコンドーム先端の精子溜まりを押さえ続けることができる。従って、精子溜まりに気泡が入って膨らむことがなくなり、精子溜まりが破れたり、使用感が悪化することがなくなる。
請求項9に係る発明では、前記環状保持部材は、前記コンドームの環状厚肉部の周方向全周を包囲することを特徴とする。
環状保持部材はコンドームの環状厚肉部の全周を包囲することにより確実な保持が可能となる。
請求項10に係る発明では、前記環状保持部材は、複数の前記ヒンジ部と、該各ヒンジ部の近傍に一体化した操作ノブと、を備え、該操作ノブを押圧することにより前記分離部を開放させることを特徴とする。
操作ノブは、ヒンジ部よりも分離部寄り位置に突設し、これを押圧することによりヒンジ部を中心として分離部が開放する。ワンタッチ操作による開放が可能となる。
請求項11に係る発明は、前記環状厚肉部着脱用のスリットは前記環状保持部材の軸方向一面に開口しており、該スリットの内径側端縁がスリット内空所にオーバーハングする突出量は周方向によって一定でないことを特徴とする。
内径側端縁の外径方向への突出量を周方向位置によって異ならせることによってアプリケータを開放した際にそれまで収納していたコンドームを容易に離脱させることが可能となる。
請求項12に係るコンドームユニットは、請求項1乃至11の何れか一項に記載のコンドームアプリケータと、該コンドームアプリケータにより収納されたコンドームと、を備えたことを特徴とする。
以上のように本発明では、開放端縁側からリング状に巻かれたコンドームの環状厚肉部を離脱可能に包囲する環状保持部材と、環状保持部材により環状厚肉部を包囲した際に該環状厚肉部の内径側に位置するコンドーム先端面の表裏両面と夫々対向配置される包装体と、を備え、包装体は環状保持部材に接着されているので、必要最小限の構成要素からなるコンパクトな構造でありながら、非使用時には収容したコンドームを密封しつつ、使用時にはワンタッチによる簡単な開封作業によって取り出して片手にて陰茎に装着することができる。
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係るコンドームユニット(アプリケータと該アプリケータに収納されたコンドーム)を示す外観図、及び縦断面図であり、図2はコンドームの外観図であり、図3(a)は環状保持部材の外観図、(b)(c)(d)及び(e)は径方向断面図であり、図4は包装体の展開図である。
図1に示すように、コンドームアプリケータ(以下、アプリケータ、という)1は、開放端縁側からリング状に巻かれたコンドーム30の環状厚肉部31を離脱可能に包囲する環状保持部材2と、コンドームの環状厚肉部31を包囲した環状保持部材2の内径部に位置するコンドームの先端面32の表裏両面に夫々対向配置されてこれらを密封するシート状の包装体10と、を備えている。
コンドーム30は、図2に示すように開放端縁側から巻き込むことによりリング状に成形されており、周縁部に位置する環状厚肉部31と、環状厚肉部31の内径側にシート状に張設された先端面32と、先端面32に設けられた精子溜まり33と、を有している。
環状保持部材2は、図3(a)に示すように少なくとも周方向一箇所に係脱自在に開放する分離部3を備えており、分離部3は係止部材3a、3bにより着脱自在に構成されている。この例に係る係止部材3aは先端部に係止フックを備えた弾性舌片であり、係止部材3bはこの弾性舌片の係止フックを着脱する係止穴である。また、分離部3とは異なる他の部位(対向部位)にヒンジ部4を備え、ヒンジ部4を中心として分離部3は開放可能となっている。なお、分離部3を複数箇所設けて、環状保持部材2を複数片に分割可能に構成してもよい。
環状保持部材2は図3(b)乃至(e)に示すように内周面全長に亘ってスリット(長穴)5を有した中空体であり、その断面形状はC字状、コ字状、その他任意の中空形状をなしている。環状の空所S内にコンドームの環状厚肉部を収容する。また、環状保持部材2の概略断面形状は、円筒状であっても良いし、多角柱形状であってもよい。環状保持部材2の中空内部にはコンドームの環状厚肉部31を収容すると共に、スリット5からはコンドームのシート状先端面32が内径側に引き出されている。従って、環状保持部材の中空内部にはスリット5を経由してコンドームの環状厚肉部31が着脱可能である。コンドームユニットを組み立てる際にはスリット5から中空内部にコンドームの環状厚肉部31を圧入し、使用時にはヒンジ部4を中心として分離部3にて環状保持部材2を開放してから、スリット5を経由して環状厚肉部31を離脱させることができる。環状保持部材2の中空内部にコンドームの環状厚肉部31を弾性的に圧入した際には、環状厚肉部31(コンドーム全体)が外径方向に拡開した状態で保持するのが好ましく、環状保持部材2は環状厚肉部を保護する役割を果たす。
なお、環状保持部材の平面形状は図示のように円形である必要はなく、矩形、その他の多角形であってもよい。
ヒンジ部4は、例えば環状保持部材2をPP等の樹脂材料から構成した場合には、ヒンジ部に相当する部位だけを薄肉状にして可撓性をもたせるように構成すればよい。なお、環状保持部材2を、少なくとも周方向二箇所に設けた分離部において複数片に分離可能に構成してもよい。また、後述するように環状保持部材2の複数箇所にヒンジ部を設けてもよい。
環状保持部材2は、コンドームの環状厚肉部31の全周を包囲する長さを有することが好ましいが、部分的に包囲しない箇所(開口部等)が存在していてもよい。この場合には環状保持部材2の開口部を包装体10により密閉する。
包装体10は例えばアルミニウムをラミネートした樹脂シートからなり、図4に示すように環状保持部材2の形状に合わせた形状、この例では瓢箪形を有している。包装体10は、環状保持部材2の一面(下面)に内側面の周縁部を接着される円形の第1の包装片11と、環状保持部材2の他面(上面)に内側面の周縁部を接着される円形の第2の包装片12と、両包装片11、12を連結する連結片13と、第1の包装片11の端縁から突出した摘み片14と、から一体的に構成されている。第1の包装片11と第2の包装片12は、環状保持部材2の上下面に夫々接着されることにより環状保持部材2の内径側中空部を気密的に封止して該中空部内に延びるコンドームの先端面32を外気から遮断する。つまり、包装体10は、コンドームの先端面32の一面を被覆する第1の包装片11と、先端面32の他面を被覆する第2の包装片12と、を備えて構成されている。なお、各包装片11、12と、コンドーム先端面32の各面との間は離間していてもよいし、接触していてもよい。
包装体10は、摘み片14を指先により摘んで矢印方向(開放方向)へ力を加えることにより各包装片11、12が環状保持部材2の各被接着面から容易に剥離できるように接着されている。
本発明のコンドームアプリケータ1と、コンドームアプリケータにより収納されたコンドーム30とは、コンドームユニットUを構成している。
このコンドームユニットUは、硬質樹脂等からなり且つ構造がシンプルな環状保持部材2と、一枚の包装体10とから構成された極めてシンプルな構成であるため、金型代を含めた製造コスト、組立て手数を低減することができる。
次に、図5(a)乃至(h)は本発明のコンドームユニットUを構成するコンドームを陰茎に装着する手順を示す図である。
コンドームユニットUを構成する包装体10を剥離するには、まず図5(a)のように一方の手でコンドームユニットUを把持し、次いで(b)のように他方の手の指で包装体10から突出した摘み片14を把持して矢印方向へ引き剥がすことにより、(c)に示すように環状保持部材2と、環状保持部材2により保持されたコンドーム30のみとする。
次いで、環状保持部材2を指で把持した状態で、図5(d)に示すように陰茎Pの先端部に対して環状保持部材2の中央部、即ちコンドーム先端面32の中央部を当接させてから、更に図5(e)(f)に示すように陰茎Pに沿って押し下げて行く。陰茎Pの根元部まで環状保持部材2を押し下げることにより、コンドーム30は陰茎の先端部から根元部までに密着した状態となる。
次いで、図5(g)(h)に示すように陰茎Pの根元部において環状保持部材2の分離部3を破断させてヒンジ部4を支点として開放し、コンドームから離脱させる。
この一連の操作によりコンドームは単独で陰茎を被覆した状態となる。
次に、図6(a)及び(b)は本発明の他の実施形態に係るコンドームユニットの外観図、及び径方向断面図である。
この実施形態に係るコンドームユニットUが前記実施形態に係るコンドームユニットと異なる点は、包装体10の構成にある。
即ち、包装体10を構成する2つの包装片11、12のうちの一方(この例では、上側の包装片12)は、アシストフィルム15を介して環状保持部材2の上面に接着され、包装体10(包装片11、12、連結片13及び摘み片14)を環状保持部材2から剥離した後においてもアシストフィルム15は環状保持部材に接着し続けるように構成されている。つまり、包装体10を剥離してもアシストフィルム15は環状保持部材2の片面側に接着し続けており、別途剥離力を加えない限り環状保持部材から剥離しない構成となっている。
なお、環状保持部材2の片面に接着したアシストフィルム15の外側面上に包装体10を重ねて接着してもよいし、環状保持部材とアシストフィルム15との接着面を回避した位置にて包装体10を接着してもよい。前者の場合には、包装体10を剥離してもアシストフィルムがつられて剥離することがないように使用する接着剤、接着強度等を調整する。
なお、上記実施形態では2つの包装片11、12を一体化した包装体10を使用したが、包装片11、12が分離したタイプの包装体を使用してもよい。前者のタイプの方が包装体を剥離する手間が一度で済むため便利である。
次に、図7(a)乃至(h)は図6のコンドームユニットUを構成するコンドームを陰茎Pに装着する手順を示す図である。
コンドームユニットUを構成する包装体10を剥離するには、まず図7(a)のように一方の手でコンドームユニットUを把持し、次いで(b)のように他方の手の指で包装体10から突出した摘み片14を把持して矢印方向へ引き剥がすことにより、(c)に示すように片面にアシストフィルム15を保持した環状保持部材2と、環状保持部材2により保持されたコンドーム30のみとする。
次いで、環状保持部材2を指で把持した状態で、図7(d)に示すように陰茎Pの先端部に対して環状保持部材2の中央部、即ちコンドーム先端面32の中央部を当接させてから、更に図7(e)(f)に示すように陰茎Pに沿って押し下げて行く。陰茎Pの根元部まで環状保持部材2を押し下げることにより、コンドーム30は陰茎の先端部から根元部までに密着した状態となる。なお、(e)から(f)に至る過程において環状保持部材2の上面側に接着されていたアシストフィルム15はコンドーム先端面32を介して陰茎により押し上げられて突き破られる(或いは、環状保持部材との接着部から剥離する)。つまり、コンドームを陰茎に被せる過程で、先端面32中央部に位置する精子溜まり33がアシストフィルム15の内側面と当接して押し潰された状態となるため、精子溜まりに空気が入る余地がなくなり、(h)のように装着完了時には精子溜まりからは完全に抜気された状態となる。
次いで、図7(g)(h)に示すように陰茎Pの根元部において環状保持部材2の分離部3を破断させてヒンジ部4を支点として開放し、コンドームから離脱させる。
この一連の操作によりコンドームは単独で陰茎を被覆した状態となる。
次に、図8(a)及び(b)は本発明の他の実施形態に係るコンドームユニットの外観図、及び径方向断面図である。
この実施形態に係るコンドームユニットUが前記実施形態に係るコンドームユニットと異なる点は、包装体10の構成にある。
即ち、この実施形態に係る包装体10は、環状保持部材2内部のコンドーム先端面32の一面を被覆する第1の包装片20と、第1の包装片20とは独立してコンドーム先端面の他面を被覆する第2の包装片21と、を備えている。各包装片20、21は別部材であり、夫々個別に環状保持部材2に対して接着保持されている。従って、第1の包装片20を剥離除去しても、第2の包装片21は環状保持部材2に接着し続ける。
図9(a)乃至(h)は図8のコンドームユニットUを構成するコンドームを陰茎Pに装着する手順を示す図である。
コンドームユニットUを構成する包装体10を剥離するには、まず図9(a)のように一方の手でコンドームユニットUを把持し、次いで(b)のように他方の手の指で第1の包装片20から突出した摘み片14を把持して矢印方向へ引き剥がすことにより第1の包装片20のみを剥離して、(c)に示すように環状保持部材2と、環状保持部材2により保持されたコンドーム30と、第2の包装片21のみとする。
次いで、環状保持部材2を指で把持した状態で、図9(d)に示すように陰茎Pの先端部に対して環状保持部材2の中央部、即ちコンドーム先端面32の中央部を当接させてから、更に図9(e)(f)に示すように陰茎Pに沿って押し下げて行く。陰茎Pの根元部まで環状保持部材2を押し下げることにより、コンドーム30は陰茎の先端部から根元部までに密着した状態となる。なお、(e)から(f)に至る過程において環状保持部材2の上面側に接着されていた第2の包装片21はコンドーム先端面32を介して陰茎により押し上げられて突き破られる(或いは、環状保持部材との接着部から剥離する)。つまり、コンドームを陰茎に被せる過程で、先端面32中央部に位置する精子溜まり33が第2の包装片21の内側面と当接して押し潰された状態となるため、精子溜まりに空気が入る余地がなくなり、(h)のように装着完了時には精子溜まりからは完全に抜気された状態となる。
次いで、図9(g)(h)に示すように陰茎Pの根元部において環状保持部材2の分離部3を破断させてヒンジ部4を支点として開放し、コンドーム30から離脱させる。
この一連の操作によりコンドームは単独で陰茎を被覆した状態となる。
図10(a)(b)及び(c)は本発明のコンドームユニット(包装体は不図示)の構成を示す平面図、正面図、及び分解図であり、図11(a)(b)及び(c)はこのコンドームユニットの取扱い手順を示す図である。
この実施形態に係るアプリケータ1は、所定の周方向間隔、この例では180度間隔で配置された二箇所のヒンジ部4の間に一箇所の分離部3を設けて分離部3から開放するように構成している。更に、各ヒンジ部4よりも分離部3側の環状保持部材部分から操作ノブ16をヒンジ部方向へ斜めに突設し、図11(b)に示すように操作ノブ16を指によって同時に内径方向へ押圧することによって各ヒンジ部4よりも分離部側の部分が外径方向へ開放するように構成し、コンドーム30をワンタッチ操作によって離脱させるように構成している(図11(c))。
図11(b)のように両操作ノブ16を同時に内径方向へ押圧すると各ヒンジ部4よりも分離部側の部分が一体的に開放してそれまで保持していたコンドームの環状厚肉部31を離脱させるため、離脱されたコンドーム部分は収縮して原形に復帰する。一方、開放されていない残りの環状保持部材部分によって保持され続けている環状厚肉部31はコンドームに加わる僅かな離脱方向への力によって離脱可能な状態にある。このため、コンドームを離脱方向へ引っ張るだけで環状保持部材から離脱させることができる。
なお、この実施形態に係るアプリケータ1は、環状保持部材2に設けたスリットが内径側ではなく上面又は下面(軸方向面)に配置されている点において上記実施形態と異なっているが、使用する包装体の構造については上記各実施形態の例を流用することができる。
次に、図12(a)及び(b)は本発明のアプリケータの変形例を示す正面斜視図、及びA−A断面図である。
このアプリケータ1は、環状保持部材2の上面(軸方向片面)に設けたスリット5の外側端縁5aを円形に構成する一方で、対向する内径側端縁5bを非円形に構成して、アプリケータの開放時にコンドームの環状厚肉部31を離脱させ易く配慮している。操作ノブ16は2箇所のヒンジ部4に沿った位置に配置されている。ここで非円形とは、スリットの内径側端縁5bがスリット内空所Sにオーバーハングする突出量が周方向によって一定でないことを意味する。このように内径側端縁5bの外径方向への突出量を周方向位置によって異ならせることによってアプリケータを開放した際にそれまで収納していなコンドームを容易に離脱させることが可能となる。
図示した例では、アプリケータの内径側端縁5bは、分離部3を中心とした所定の周方向範囲(45度〜60度)では環状保持部材2の空所Sに大きく庇状にオーバーハングしている一方で、ヒンジ部4の近傍では庇状の部分をなくして(或いは短く)している。更に分離部3と180度対向する領域に位置する内径側端縁5bは庇状の部分がない(或いは短い)。
このようにヒンジ部4の近傍位置にある内径側端縁5bを除去、或いは短くすることによって、環状保持部材2を両ヒンジ部4を中心として外側に開放した時に、アプリケータの中空内部に支持されていたコンドームの環状厚肉部31がヒンジ部近傍位置において中空内部から離脱し易くなる。
次に、図13(a)(b)及び(c)は本発明の他の実施形態に係るアプリケータの構成、及び開放手順を示す平面図である。
このアプリケータ1は、周方向位置を180度異ならせて分離部3とヒンジ部4を一箇所ずつ備えている。
分離部3にはリリーフノブ3c(係止部材)が配置されている。このリリーフノブ3cは、分離部3を構成する2つの端部2A、2Bに跨って配置されており、基部3c−1を一方の端部2A内に設けた支持穴内に埋設する一方で、係止フック部3c−2を他方の端部2Bの端面に形成した係止穴内に差し込んで係止されるように構成している。リリーフノブ3cは基部3c−1の外周面の一部が支持穴から外側へ突出するように弾性的に付勢されており、この状態では係止フック部3c−2は係止穴内に係止されている。基部3c−1の外周面を内径側に押し込むことによって係止フック部3c−2も内径方向へ退避して係止穴内から離脱可能になる。このようにリリーフノブ3cの基部外周面を押し込むだけで分離部は分離し、ヒンジ部4を中心として開放することができる。開放時には操作ノブ16を指により開放方向へ引くことにより、より容易に開放される。
以上説明した本発明の一つの実施形態によれば、コンドーム30の環状厚肉部31を環状保持部材2内に保持した状態で、包装体10によってコンドームの上下面側を包囲したので、必要最小限の部品点数により、十分な気密性を確保しつつ、取扱いの容易なアプリケータを実現できる。しかも、コンドームの取付けに際しては包装体10を除去した環状保持部材を手で把持して陰茎にコンドームを被せてから環状保持部材を除去する手順を踏めばよく、作業性がよい。
環状保持部材2は分離部から分離、分解が可能であるため、コンドームを陰茎に装着した後における環状保持部材の取り外し作業が容易となる。
環状保持部材2は、ヒンジ部4によって開閉自在に支持されているので、分離部3を開放することによって確実に開放することができ、簡易にコンドームを離脱させることができる。
分離部3を複数箇所設けることにより、ヒンジ部4を中心として開放する際に環状保持部材を複数片に分割、分解することができる。
環状保持部材2に設けたスリット5を利用してコンドームの環状厚肉部31を環状保持部材に装着したり、取り外すことが容易となる。
包装体を連結片によって連結された2つの包装片から構成することにより、一回の剥離作業によって包装体全体を除去して、速やかにコンドーム装着作業へ移行することができる。
他の実施形態では、包装片を剥離したとしても、コンドームの片側は依然としてアシストフィルム15により包囲されているため、陰茎にコンドームを被せる際にアシストフィルムがコンドーム先端の精子溜まりを押さえ続けることができる。従って、精子溜まりに気泡が入って膨らむことがなくなり、精子溜まりが破れたり、使用感が悪化することがなくなる。
他の実施形態では、第1の包装片20を剥離したとしても、コンドームの片側は依然として第2の包装片21により包囲されているため、陰茎にコンドームを被せる際に第2の包装片がコンドーム先端の精子溜まりを押さえ続けることができる。従って、精子溜まりに気泡が入って膨らむことがなくなり、精子溜まりが破れたり、使用感が悪化することがなくなる。
(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係るコンドームユニットを示す外観図、及び縦断面図である。 コンドームの外観図である。 (a)は環状保持部材の外観図、(b)(c)(d)及び(e)は径方向断面図である。 包装体の展開図である。 (a)乃至(h)は本発明のコンドームユニットUを構成するコンドームを陰茎に装着する手順を示す図である。 (a)及び(b)は本発明の他の実施形態に係るコンドームユニットの外観図、及び径方向断面図である。 (a)乃至(h)は図6のコンドームユニットを構成するコンドームを陰茎Pに装着する手順を示す図である。 (a)及び(b)は本発明の他の実施形態に係るコンドームユニットの外観図、及び径方向断面図である。 (a)乃至(h)は図8のコンドームユニットを構成するコンドームを陰茎に装着する手順を示す図である。 (a)(b)及び(c)は本発明のコンドームユニットの構成を示す平面図、正面図、及び分解図である。 (a)(b)及び(c)はこのコンドームユニットの取扱い手順を示す図である。 (a)及び(b)は本発明のアプリケータの変形例を示す正面斜視図、及びA−A断面図である。 (a)(b)及び(c)は本発明の他の実施形態に係るアプリケータの構成、及び開放手順を示す平面図である。
符号の説明
1…コンドームアプリケータ、2…環状保持部材、3…分離部、3a…係止部材、3b…係止部材、4…ヒンジ部、5…スリット、10…包装体、11、12…包装片、13…連結片、14…摘み片、15…アシストフィルム、16…操作ノブ、2…環状保持部材、20、21…包装片、30…コンドーム、31…環状厚肉部、32…コンドーム先端面。

Claims (12)

  1. リング状に巻かれたコンドームの環状厚肉部を離脱可能に包囲する環状保持部材と、
    前記環状保持部材により前記コンドームの環状厚肉部を包囲した際に内径側に位置するコンドーム先端面の表裏両面と夫々対向配置される包装体と、を備え、
    前記包装体は前記環状保持部材に接着されていることを特徴とするコンドームアプリケータ。
  2. 前記環状保持部材は、少なくとも周方向一箇所に係脱自在に開放する分離部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のコンドームアプリケータ。
  3. 前記分離部とは異なる他の部位に少なくとも一つのヒンジ部を備え、該ヒンジ部を中心として前記分離部を開放可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載のコンドームアプリケータ。
  4. 前記環状保持部材は、少なくとも周方向二箇所に設けた分離部において複数片に分離可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のコンドームアプリケータ。
  5. 前記環状保持部材は、その周方向全長に亘って形成されたコンドームの環状厚肉部着脱用のスリットと、該スリット内部の空所と、を有していることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のコンドームアプリケータ。
  6. 前記包装体は、前記コンドーム先端面の表裏両面と夫々対向した状態で前記環状保持部材に接着される2つの包装片と、両包装片を連結する連結片と、から構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のコンドームアプリケータ。
  7. 前記2つの包装片のうちの一方は、内側にアシストフィルムを配置した状態で前記環状保持部材に接着され、前記包装体を前記環状保持部材から剥離した後においても該アシストフィルムは前記環状保持部材に接着し続けることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のコンドームアプリケータ。
  8. 前記包装体は、前記環状保持部材内部のコンドーム先端面の一面と対向した状態で前記環状保持部材に接着される第1の包装片と、該コンドーム先端面の他面と対向した状態で前記環状保持部材に接着される第2の包装片と、を備え、
    前記第1の包装片を剥離除去しても、前記第2の包装片は前記環状保持部材に接着し続けることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のコンドームアプリケータ。
  9. 前記環状保持部材は、前記コンドームの環状厚肉部の周方向全周を包囲することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載のコンドームアプリケータ。
  10. 前記環状保持部材は、複数の前記ヒンジ部と、該各ヒンジ部の近傍に一体化した操作ノブと、を備え、該操作ノブを押圧することにより前記各ヒンジ部を中心として前記分離部を開放させることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載のコンドームアプリケータ。
  11. 前記環状厚肉部着脱用のスリットは前記環状保持部材の軸方向一面に開口しており、該スリットの内径側端縁がスリット内空所にオーバーハングする突出量は周方向によって一定でないことを特徴とする請求項5乃至10の何れか一項に記載のコンドームアプリケータ。
  12. 請求項1乃至11の何れか一項に記載のコンドームアプリケータと、該コンドームアプリケータにより収納されたコンドームと、を備えたことを特徴とするコンドームユニット。
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