JP2008294945A - 撮像装置、撮像装置の自動制御方法および撮像装置の自動制御プログラム - Google Patents

撮像装置、撮像装置の自動制御方法および撮像装置の自動制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】回路規模の制約のために限定された積分語長のままでも、撮像センサの検波枠内の情報から得られる評価値(積分値)の精度低下を防ぐことができるようにする。
【解決手段】前処理回路131(1)、131(2)、131(3)により抽出した評価対象データについて、シフト部321(1)、321(2)、321(3)により、検波枠の大きさに応じたビット数分左ビットシフトし、加算回路322(1)、322(2)、322(3)において、ディザ情報を加算した後、さらに切り捨て部324(1)、324(2)、324(3)において予め決められたビット数分下位ビットを切り捨て、これを積分演算部133(1)、133(2)、133(3)において積分する構成とし、検波枠の大きさに応じて評価対象データのビット数を適切に制限できるようにする。
【選択図】図7

Description

この発明は、例えば、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話に搭載されているデジタルカメラ、PDA(Personal Digital Assistant)等と呼ばれる携帯情報端末や電子手帳に搭載されているデジタルカメラ、監視用デジタルカメラ等の、撮像素子を使用した装置、この装置で用いられる方法、プログラムに関する。
デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ等においては、自動露光調整を行うためのAE(Automatic Exposure)制御、自動ホワイトバランス調整を行うためのAWB(Automatic White Balance)制御、自動合焦を行うためのAF(Automatic Focus)制御の各自動制御処理が行われている。AE制御としては例えば特許文献1に開示されているように、輝度の累積度数を求め、これを解析することにより、順光、逆光、過順光の程度を検出し、これらに応じて露光補正を適正に設定する方式が知られている。
また、AWB制御としては例えば特許文献2に開示されているように、撮像素子からの色信号の利得を制御する利得制御手段を設け、この利得制御手段からの信号から被写体の色を検出し、この検出した被写体の色に基づいて、利得制御手段における色信号の利得制御を行うようにする方式が知られている。
また、AF制御としては例えば特許文献3に開示されているように、被写体画像の水平、垂直方向の高周波成分を高精度に検出し、高周波成分の値がピーク値を得るようにレンズを移動させることにより、高速でかつ精度の高い合焦を得られるようにする方式が知られている。
なお、上記の特許文献1〜特許文献3のそれぞれは、以下に示す通りである。
特開平4−271331号公報 特開平3−79190号公報 特開2006−195023号公報
ところで、カメラの高機能化によりAE/AWB/AF等の自動制御を行うための評価値(積分値)を得るための検波枠(撮像センサの有効画素領域に設定するようにされる評価値の取得のためのエリア)の個数が増えており、さらに撮像素子の高画素化も進んでいるため、大きい面積の検波枠を設定すると、評価値(積分値)の語長が大きくなり、回路規模の増大やコストアップを招いてしまうという問題がある。
また、限られたハードウェア資産、限られた回路規模の中で、大きい面積の検波枠を設定した場合は、やむを得ず、評価値(積分値)のビット切り捨てに代表される積分語長の削減を行うことになり、有効ビット語長を削ることによる評価値の精度低下を生じさせてしまう。これは、すなわち、AE制御、AWB制御、AF制御の性能が劣化する問題につながる。
以上のことに鑑み、この発明は、撮像素子の高画素化が進み、高機能化に伴って検波枠を多く持つようになっても、回路規模の制約のために限定された積分語長のままでも、撮像センサの検波枠内の情報から得られる評価値(積分値)の精度低下を防ぐことができるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の撮像装置は、
撮像センサ面の有効画素領域内に設定される検波枠内の撮像データから所定の自動制御のための評価値を算出するための評価対象データを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された前記評価対象データについて、前記検波枠の大きさに応じて決められるビット数分、左ビットシフト処理するシフト手段と、
前記シフト手段により左ビットシフト処理された前記評価対象データに対して、所定のディザ情報を加算する加算手段と、
前記加算手段により前記ディザ情報が加算された前記評価対象データについて、予め決められるビット数分、下位ビットを切り捨てる切り捨て手段と、
前記切り捨て手段により下位ビットが切り捨てられた前記評価対象データを前記検波枠において積分して所定の自動制御のための評価値として用いる積分値を算出する積分手段と、
前記積分手段からの前記積分値にしたがって、所定の自動制御を行うようにする自動制御手段と
を備えることを特徴とする。
この請求項1に記載の発明の撮像装置によれば、抽出手段により、撮像センサ面の有効画素領域内に設定される検波枠内の撮像データから所定の自動制御のための評価対象データが抽出され、この抽出された評価対象データが、シフト手段によって、検波枠の大きさに応じて決められるビット数分、左ビットシフト処理される。
この後、左ビットシフトされた評価対象データに対して、加算手段によってディザ情報が加算され、このディザ情報が加算された評価対象データについて、切り捨て手段によって、予め決められたビット数分の下位ビットが切り捨てられ、ビット数が制限された積分対象の評価対象データが形成される。この積分対象の評価対象データが、積分手段によって検波枠において積分処理され、自動制御のための評価値として用いる積分値が算出され、ここで算出された積分値が用いられて、自動制御手段によって所定の移動制御が行われる。
このように、抽出手段により抽出された評価対象データは、検波枠の大きさに応じたビット数分左ビットシフトされると共に、ディザ情報が加算され、さらに予め決められたビット数分下位ビットを切り捨てる構成としているので、検波枠の大きさに応じて評価対象データのビット数を適切に制限できるようにすると共に、評価対象データのビット数を制限しても、ディザ情報を加算しておくことにより、評価対象データを平滑化し、下位ビットの切り捨ての影響を最小限に抑えることができるようにされる。
これにより、回路規模の制約のために限定された積分語長のままでも、撮像センサ(撮像素子)の検波枠内の情報から得られる評価値(積分値)の精度低下を防ぐことができるようにされる。
この発明は、撮像素子の高画素化が進み、高機能化に伴って検波枠を多く持つようになっても、回路規模を増大させたり、コストアップを招いたりすることなく、かつ、評価値(積分値)のビット切り捨てに代表される積分語長の削減をも行うことなく、AE制御、AWB制御、AF制御のための評価値を適切に得て、精度よくAE制御、AWB制御、AF制御を行うことができる。
以下、図を参照しながら、この発明の装置、方法、プログラムの一実施の形態が適用されたカメラシステムについて説明する。なお、以下に説明する実施の形態のカメラシステムは、例えば、主に静止画像を撮影するデジタルスチルカメラや主に動画像を撮影するビデオカメラとして実現されるものである。
[カメラシステムの構成例について]
図1は、この実施の形態のカメラシステムの構成例を説明するためのブロック図である。図1に示すように、この実施の形態のカメラシステムは、大きく分けると、撮像レンズ10、撮像素子11、図示しないCDS(Correlated Double Sampling:2重相関サンプリング)回路やAGC(Automatic Gain Control)回路やA/D(Analog/Digital)変換器を含む撮像回路12、信号処理回路14、TG(Timing Generator)回路18を含む撮影系と、積分回路13、AE演算・制御回路15、AWB演算・制御回路16、AF演算・制御回路17を含む検波制御系と、表示素子やそのコントロール回路等を備えた表示系19と、記録媒体ドライバやそのコントロール回路等を備えた記録系20とから構成されるものである。
ここで、表示系19が備える表示素子は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機ELパネル(Organic Electroluminescence Panel)、CRT(Cathode Ray Tube)などの種々のものを用いることが可能であるが、この実施の形態においては、LCDが用いられたものとして説明する。
また、記録系20も、磁気テープ、DVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスク、ハードディスク、フラッシュメモリなどの半導体メモリなど、種々の記録媒体を用いることができるものであるが、この実施の形態のカメラシステムにおいて記録系20は、例えばDVD等の光ディスクが着脱可能に構成されたものとして説明する。
まず、図1を参照しながら、この実施の形態のカメラシステムの全体構成について説明する。撮像レンズ10は、撮像レンズ(対物レンズ)、露光調整機構、合焦調整機構等を含み、被写体の画像を撮像素子のセンサ面に結像させるようにする部分である。撮像素子11は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像センサからなるものであり、撮像レンズを通じて自己のセンサ面に結像するようにされた画像を電気信号として取り込んで、これを後段の撮像回路12に供給するものである。
撮像回路12は、上述もしたように、CDS回路、AGC回路、A/D変換器等を含み、撮像素子からの撮像信号をデジタルデータとして取り込むようにするものである。撮像回路12からの出力信号(デジタル撮像データ)は、積分回路13と、信号処理回路14に供給される。
積分回路13は、詳しくは後述もするが、所定の検波枠内のデジタル撮像データを積分処理することにより、後段のAE演算・制御回路15、AWB演算・制御回路16、AF演算・制御回路17のそれぞれ毎に、それぞれの制御のために用いる処理対象の画像についての評価値である積分値を算出し、これを目的とする回路部に供給する。
また、TG回路18は、撮像素子11、AE演算・制御回路15、AWB演算・制御回路16、AF演算・制御回路17等の各部に供給する駆動タイミング信号等の種々のタイミング信号を形成し、これを必要とする各部に供給する。
AE演算・制御回路15はTG回路18からのタイミング信号に同期して、記録系20で画像記録を行う際に適正な明るさおよび露光量になるように撮像レンズ10のレンズ絞り値を制御する信号を生成し、これを撮像レンズ10に供給したり、また、電子シャッタスピードを制御する信号を生成し、これをTG回路18に供給し、TG回路18において調整した後に撮像素子11に供給するようにしたりする。また、AE演算・制御回路15は、撮像回路12内のAGC回路のゲイン制御や積分回路13のAE制御に関わる部分の積分動作の制御も行うため、それぞれに供給する制御信号を形成し、これらを撮像回路12、積分回路13に供給する。
AWB演算・制御回路16はTG回路18からのタイミング信号に同期して、記録系20で画像記録を行う際に適正なホワイトバランスになるように信号処理回路14のR(赤)信号ゲインおよびB(青)信号ゲインを制御する制御信号を形成し、これらを信号処理回路14に供給する。また、AWB演算・制御回路16は、積分回路13のAWB制御に関わる部分の積分動作の制御も行うため、積分回路13に供給する制御信号を形成し、これを積分回路13に供給する。
AF演算・制御回路17はTG回路18からのタイミング信号に同期して、記録系20で画像記録を行う際に適正な合焦となるように撮像レンズ10のフォーカスを制御する制御信号を形成し、これを撮像レンズ10に供給する。また、AF演算・制御回路17は、積分回路13のAF制御に関わる部分の積分動作の制御も行うため、積分回路13に供給する制御信号を形成し、これを積分回路13に供給する。
このように、AE演算・制御回路15、AWB演算・制御回路16、AF演算・制御回路17は、積分回路13からの各回路用の評価値である積分値に基づいて、AE制御信号、AWB制御信号、AF制御信号等を形成し、これを目的とする回路部分に供給することにより、露光、ホワイトバランス、合焦を適切に制御して、被写体の画像を適切に撮影して、その撮像データを得ることができるようにしている。
信号処理回路14は、後述するAWB演算・制御回路16からの制御信号に基づいて、撮像回路からの撮像データに対してAWB調整(自動ホワイトバランス調整)等の処理を行って、出力用の画像データを形成し、これを表示系19、記録系20に供給する。
表示系19は、上述もしたように、例えば表示素子としてLCDを備えると共に、そのコントロール回路を備えたものであり、信号処理回路14からの画像データからLCDに画像を表示するための表示用の画像信号を形成し、これをLCDに供給することによって、信号処理回路14からの画像データに応じた画像をLCDの表示画面に表示する。
また、記録系20は、上述もしたように、記録媒体として光ディスクが着脱可能にされた媒体ドライバを備えており、信号処理回路14からのデジタル撮像データを、装填されている光ディスクに記録することができるものである。
なお、この実施の形態においては、説明を簡単にするため、再生系についての説明は省略したが、記録系20の機能により光ディスクに記録された撮像データを読み出して、表示系19に供給して再生したり、外部の表示装置や記録再生装置に対して出力するようにしたりすることもできるものである。
[撮像時の動作(処理)について]
次に、図1に示したこの実施の形態のカメラシステムにおいての撮影時の動作について説明する。以下においては、説明を簡単にするため、まず、撮影系の動作について説明した後に、検波制御系の動作について説明する。なお、撮影系の動作の説明においては、表示系19、記録系20の動作の動作についても含めて説明する。
[撮影系の動作について]
CCD等の撮像素子11の前面には原色フィルタ(図示せず)が装着され、被写体の光像は撮像レンズ10及び原色フィルタを経て、撮像素子11の撮像面に入射される。原色フィルタは、赤、緑及び青のフィルタ部がモザイク状に配列された光学フィルタである。また、この原色フィルタの代わりに、イエロー、シアン、マゼンタ及びグリーンのフィルタ部がモザイク状に配列された補色系光学フィルタを用いてもよい。
撮像素子11は、撮像レンズ10を経て入射される被写体の光像に光電変換を施して撮像信号(電荷)を生成する。この生成された撮像信号はラスタスキャン方式で出力される。出力された撮像信号は、撮像回路12に供給されて、CDS回路によるノイズ除去、AGC回路によるゲイン調整が行われた後、A/D変換器に供給されて、アナログ撮像信号がデジタル撮像信号(デジタル撮像データ)に変換される。
信号処理回路14は、撮像回路12から出力されたデジタル撮像データに対し、ガンマ処理、色分離処理、4:2:2の比率によるYUV変換などの信号処理を施して、輝度信号データ及びクロマ信号データからなる画像データを作成する。
信号処理回路14からの画像データは、上述もしたように、LCD等の表示素子を備えた表示系19に供給されて、当該表示素子の表示画面に当該画像データに応じた画像が表示するようにされる。また、信号処理回路14からの画像データは、上述もしたように、記録系20にも供給されて、記録系20の記録媒体ドライバに装填されている記録媒体に記録される。
[検波制御系の動作について]
次に、積分回路13を中心とする検波制御系の動作について説明する。上述もしたが、撮影系の撮像回路12から出力されたデジタル撮像データ(デジタル映像信号)は、撮影系の信号処理回路14に供給されると共に、検波制御系の積分回路13にも供給される。この積分回路13は、1画面分におけるR(赤)、G(緑)、及びB(青)の3色の色情報検出エリア部分のデジタル信号を積分し、AE系/AWB系/AF系毎に以下に説明する処理を行う。
すなわち、この実施の形態のカメラシステムにおいては、R(赤)用、G(緑)用、及びB(青)用の3個の検波枠(色情報軽視エリア)が設けられると共に、後述もするように、AE系/AWB系/AF系の3つの処理部分を備えたものである。
そして、この実施の形態のカメラシステムのAE系は、被写体の輝度レベル情報に対応した自動露光制御を行うための自動露光制御積分値の信号を生成し、この信号をAE演算/制御回路15に供給する。AWB系は、被写体の色情報に対応した自動ホワイトバランス制御を行うための自動ホワイトバランス制御積分値の信号を生成し、この信号をAWB演算/制御回路16に供給する。AF系は、被写体の測距情報に対応した自動合焦制御を行うための自動合焦制御積分値の信号を生成し、この信号をAF演算/制御回路17に供給する。
そして、上述もしたように、AE演算・制御回路15が積分回路13からの積分値に基づいて、撮像レンズ10、撮像素子11、撮像回路12を制御し、AWB演算・制御部16が積分回路13からの積分値に基づいて、信号処理回路14を制御し、また、AF演算・制御部17が、積分回路13からの積分値に基づいて、撮像レンズ10を制御して、露光、ホワイトバランス、合焦を適切に制御し、被写体の画像を撮影して、その画像データを適切に取得し、記録媒体に記録するなどのことができるようにしている。
なお、上述もしたように、AE系、AWB系、AF系のそれぞれにおいて、積分値を算出するために用いられる撮像データにおける情報検出エリア(検波エリア)は、高機能化に伴って複数個用いられることが多くなって来ている。
[検波エリアを決める検波枠の設定について]
次に、積分回路13において行われる検波枠の設定について説明する。積分回路13は、1画面分におけるR(赤)、G(緑)、及びB(青)のAE/AWB/AF各情報検波エリア部分のデジタル信号を積分する際、検波エリアを決めるための基準となる検波枠を設定する。図2は、検波枠の設定例を説明するための図である。
図2Aは、撮像素子11の被写体の画像が結像されるセンサ面11Mの領域について説明するための図である。センサ面11Rは、図2Aに示すように、被写体の画像が実際に結像するようにされる有効画素領域11Rと、その周囲に設けられ、画像が結像することのないいわゆるオプティカルブラック領域11OPとからなっている。
そして、図2Bに示す検波枠設定例は、センサ面11Mの有効画素領域11Rにおいて、最大サイズの検波枠(通常検波枠)11Aを設定した場合を示している。この例の通常検波枠11Aの面積は、例えば、3872(ピクセル長)× 2592(ライン長)となるものである。
この場合、積分の対象となる入力信号(積分入力信号)のビット語長が10ビットの場合、その検波枠の面積での積分ビットの語長は、
2の34乗 > 10277093376 = 2の10乗×3872×2592…(1)のように、34ビットになる。
一方、図2Cに示す検波枠設定例は、センサ面11Mの有効画素領域11Rにおいて、200万画素サイズの検波枠(中央重点検波枠)11Bを設定した場合を示している。この例の中央重点検波枠11Bの面積は、例えば、1632(ピクセル長)× 1224(ライン長)となるものである。
そして、積分入力信号のビット語長が10ビットの場合、その検波枠の面積での積分ビットの語長は、
2の31乗 > 2045509632 = 2の10乗×1632×1224 …(2)のように、31ビットになる。
このように、検波枠の積分ビット語長は、上述した(1)式、(2)式からも明らかなように、
積分入力ビット語長分の2のべき乗 × ピクセル長 × ライン長 …(3)
なる式によって求めることが出来る。なお、この実施の形態においては、上記の(3)式に示したように、ピクセル長はピクセル表記でのサイズを示しているが、回路仕様によっては、クロック表記でのサイズであるクロック長で示される場合もある。
このような検波枠の設定は、ユーザーによって選択することができる。例えば、高精度にAE制御、AWB制御、AF制御を行うようにしたい場合には、図2Bに示した通常検波枠11Aを用いるように選択し、また、画像の中央部分の状態に応じて精度よく迅速にAE制御、AWB制御、AF制御を行うようにしたい場合には、図2Cに示した中央重点検波枠11Bを用いるように選択することが可能である。
なお、検波枠には、図2Bに示した通常検波枠11A、図2Cに示した中央重点検波枠11B以外にも、より小さい面積の検波枠であるスポット検波枠を用いるように選択することも可能である。スポット検波枠は、画像の例えば中心部分の比較的に小さい面積(例えば、中央重点検波枠の数分の1程度の面積)のものであり、重要な被写体の画像を画像の中心部分に据えて撮影する場合などにおいては、精度よく迅速にAE制御、AWB制御、AF制御を行うようにすることが可能である。
また、検波枠の選択は、例えば、周囲の明るさなどの条件にしたがって、カメラシステムの図示しない制御部が自動的に選択するなどのことも可能である。
そして、図2Bに示した通常検波枠11Aや図2Cに示した中央重点検波枠11Bが複数個集まったエリアが検波エリアとなる。具体的には、上述もしたように、R(赤)信号用の検波枠、G(緑)信号用の検波枠、B(青)信号用の検波枠などと言うように、各色信号に応じた3個の検波枠が用いられる場合には、3つのそれぞれの信号に対応する3つの検波枠からなる検波エリアが設定されることになる。
[検波枠に応じた積分ビット語長の設定について]
次に、積分回路13において行われる、1画面分におけるR(赤)、G(緑)、及びB(青)のAE/AWB/AFの各情報検出部分(検波枠部分)のデジタル信号を積分する際の、積分ビットの語長を決める場合の具体例について説明する。
ここでは、撮像回路12から出力されるデジタル撮像データ(デジタル映像信号)の有効ビット語長を10ビットとし、検波枠として、図2Bに示した通常検波枠11Aを設定した場合であって、通常検波枠11Aのサイズ(水平ピクセル長×垂直ライン長)が、3872ピクセル×2592ラインである場合を例にして説明する。
この場合1画面分の積分の必要ビット語長は、
2の10乗×3872×2592 < 2の34乗 …(4)
であることから、34ビットになる。
1画面分の積分の個数をn(nは1以上の整数)個増やすとなると、メモリの必要ビットは34×nビット増えることになり、回路規模、製品コストが増大することになる。多分割の測光/測色/測距の場合は1画面分の面積を分割個数で割るため、それほどメモリの必要ビット数は急激に増えない。しかし、多分割ではない通常検波枠の個数を高機能化によって増やす場合は前述のように回路規模、製品コストが問題になる。
[従来の積分ビット語長のハンドリングについて]
このような場合、有効ビット長を短くすることが考えられる。例えば、デジタル撮像データ(デジタル映像信号)の有効ビット長を10ビットとし、下位4ビットを切り捨てることを考える。この場合、有効ビットは6ビットになり、1000万画素の例として考えると、積分ビット語長は、2の6乗×3872×2592 < 2の30乗となり、通常検波枠の個数を増やすほど、メモリの必要ビットを節約出来るようになる。
しかし、この場合は、丸め込みの量子化の誤差が問題になる。図3に、10ビットデータの下位4ビットを切り捨てる場合の例を示す。図3Aに示す10ビットデータを、図3Bに示すように下位4ビットを切り捨てる場合を考える。この場合、元の第0ビットから第3ビット(下位4ビット分)の0〜15だけ誤差が出ることになる。そして、図3Bに示すように、4ビット切り捨てた後は、第3ビットの重みが誤差の大きさと同等と見なすことも出来る。図3に示した例は、切り捨てるビット数を4ビットとしているが、4ビット以外の切り捨てビット数に関しても同様の考えがあてはまる。
図4は、図3を用いて説明した10ビットのデジタル撮像データを6ビットに丸めたものを1024個積分する場合について説明するための図である。すなわち、図4Aに示すように、10ビットのデジタル撮像データについて、図4Bに示すように、下位4ビットを切り捨てて6ビットに丸めるようにした上で、この6ビットに丸めた撮像データを1024個分積分するようにする。
ここで、6ビットの撮像データの1個当たりの誤差をσ(シグマ)とする。1個あたりの誤差=σのデータをN=1024個分の積分をした場合、合計の誤差は、σ×√N=32σになるので、図4Cに示すように、第4ビットの位置が32σの位置になることを示している。そのため、32σの位置の次のビットからの11ビットが積分データとして信用できる範囲になる。
図5は、6ビットに丸めた撮像データを1024個積分する場合の様子を説明するための図である。図5Aに示すように、10ビットで表現される撮像データを図5Bに示すように、下位4ビットを切り捨てて、6ビットに丸めるようにしたものを、1024個積分することを考える。
1024個の積分を行うということは、2の10乗個の積分を行うことになり、図5Cに示すように、32σ分の5ビットが誤差に喰われ、残りの5ビットだけ精度が上がる。この場合、図5Cに示したように、6ビットのデータを1024個積分した結果の16ビット積分値のうち、上位11ビットが信用出来る値となる。
このように、下位数ビットを切り捨てることにより、撮像データを丸めて、これを積分するようにした場合には、精度が劣化してしまい、カメラシステムとしての高機能化に十分に対応することができないことになる。
そこで、この実施の形態のカメラシステムにおいては、所定ビット長の撮像データについて、まず、切り捨てるビット数に応じて左ビットシフトを行った上で、誤差を低減させるために、切り捨てるビット数に応じたディザ情報(乱数)を加算し、この後、予め決められる下位数ビット分のデータを切り捨てるようにする。これにより、積分ビット語長を短くして、メモリの必要ビット数を増やすことがないようにして、回路規模、製品コストの増大を防止することができると共に、求めるべき評価値である積分値の精度を落とすことなく算出できるようにしている。
なお、左ビットシフトするビット数は、図2を用いて説明した撮像センサ面の有効画素領域に設定される検波枠の大きさ(面積)に応じて決められることになる。
[この発明のカメラシステムにおける積分ビット語長のハンドリングについて]
次に、この実施の形態の積分回路13で行われる積分ビット語長のハンドリング処理について具体的に説明する。ここでは、説明を簡単にするため、10ビットで表現される撮像データを16個積分する場合を例にして説明する。
図6は、この実施の形態のカメラシステムの積分回路13において行われる積分処理について説明するための図であり、4ビット切り捨て/四捨五入後に4ビット切り捨て/乱数を加えた後に4ビット切り捨ての3方式の結果を比較するための図である。図6Aは、積分対象の16個の10ビットのデータを示している。図6Aにおいて、16個に分けられたそれぞれのブロックが10ビットのデータであるが、その値は説明を簡単にするために10進法で表現している。
すなわち、図6Aにおいて、値「127」は、本来は、「0001111111」というように、10ビットで2進表現されているものであり、値「120」は、本来は「0001111000」のように、10ビットで2進表現されているものである。
そして、図6Aに示した16個のデータ(撮像データ)を積分すると(加算処理すると)、合計値して示しているように、その値は「2011」となる。この値「2011」は、図6Aに示す16個の10ビットのデータをそのまま積分した場合に得られる積分値である。
しかし、上述もしたように、10ビットで表現される検波枠の撮像データの積分個数を増やすと、メモリの必要ビットが増え、回路規模、製品コストが増大してしまう。そこで、図6Aに示した16個の10ビットのデータのそれぞれの下位4ビットのデータを切り捨てて、6ビットのデータにすることを考える。
図6Bは、図6Aに示した16個の10ビットのデータそれぞれにおいて、下位4ビットを切り捨てて、6ビットのデータを形成した場合を示している。すなわち、図6Aにおいて、値「127」は、10ビットの2進表現で示せば「0001111111」であるが、この下位4ビットを切り捨てた場合には、「000111」となり、これを10進表現すれば、値「7」ということになる。
同様に、値「120」は、これを10ビットの2進表現で示せば「0001111000」であるが、この下位4ビットを切り捨てた場合には、「000111」となり、これを10進表現に直せば、結果として値「127」の場合と同様に値「7」となる。このようにして、図6Aに示した10ビットのデータを6ビットにしたものが、図6Bに示したデータとなる。
そして、図6Bに示した16個の6ビットのデータを積分するとその結果の値(合計値)は、値「116」となる。この値「116」を2進表現で表せば、「1110100」となり、これを切り捨てたビット分、すなわち4ビット分左シフトするとそのデータは、「11101000000」となる。この2進表現された積分値「11101000000」を10進表現に直すと、値「1856」となり、図6Aに示した10ビットデータの本来の積分値「2011」との差分が「155」も発生することが分かる。
そこで、図6Aに示した16個の10ビットのデータのそれぞれについて、第1ビットのデータ(下位2ビット目のデータ)を四捨五入した後に、下位4ビットを切り捨てることを考える。ここで、四捨五入の意味は、第1ビットのデータが「1」であれば切り上げるし、「0」であれば切り捨てることを意味する。
このように、図6Aに示した16個の10ビットのデータのそれぞれについて、第1ビットのデータを四捨五入した後に、下位4ビットを切り捨てると、そのそれぞれの値は、図6Cに示すものとなる。この図6Cに示した16個の6ビットのデータを積分すると、その結果の値は、値「121」となる。
この値「121」を2進表現で表せば、「1111001」となり、これを4ビット分左シフトするとそのデータは、「11110010000」となる。この左シフトした2進データを10進表現に直すと、値「1936」となり、図6Aに示した10ビットデータの本来の積分値「2011」とは、差分が「75」となり、図6Bに示した単に下位4ビットを切り捨てた場合比べて改善されていることが分かる。しかし、差分としてはまだ大きな値である。
そこで、さらに、元のデータに対して乱数(ディザ情報)を加算して元のデータ自体を平滑化した後に、下位4ビットを切り捨てることを考える。ここでは、乱数として、図6Dに示すように値「0」〜値「15」を取り得るものを用いるものとする。そして、図6Aに示した本来の10ビットのデータに対して、図6Dに示した乱数を加算した後に、下位4ビットを切り捨てることにより、図6Eに示すように6ビットのデータを得る。
この図6Eに示した16個の6ビットのデータを積分すると、その結果の値は、値「126」となる。この値「126」を2進表現で表せば、「1111110」となり、これを4ビット分左シフトするとそのデータは、「11111100000」となる。この左シフトした2進データを10進表現に直すと、値「2016」となり、図6Aに示した10ビットデータの本来の積分値「2011」とは、差分が「5」となる。
このように、図6Bに示した単に下位4ビットを切り捨てた6ビットのデータの積分値を左4ビットシフトして得た値、図6Cに示した四捨五入後に下位4ビットを切り捨てた6ビットのデータの積分値を左ビットシフトして得た値のそれぞれと、図6Aに示した10ビットの元のデータの積分値との差分は、それぞれ値「155」と値「75」であり、比較的に大きい値となる。
これに対して、図6Eに示した値0〜値15の乱数を加えた後に下位4ビットを切り捨てたデータの積分値を左ビットシフトして得た値と、図6Aに示した10ビットの元のデータの積分値との差分は、値「5」と非常に小さくなり、乱数を加えることによって、4ビット切り捨てによる粗いデータの階調が平滑化され、誤差が小さくなることがわかる。
そこで、この実施の形態のカメラシステムの積分回路13においては、AE演算・制御回路15、AWB演算・制御回路16、AF演算・制御回路17のそれぞれに供給する評価値である積分値を、図6D、図6Eを用いて説明したように、乱数(ディザ情報)を加算して平滑化した後に、下位ビットを切り捨てることにより有効ビット語長を制限し、メモリの必要ビット数の増大を回避することができるようにしている。
また、図6を用いて説明した例の場合には、ディザ情報を加算して、下位ビットを切り捨てた後に左ビットシフトを行うようにしたが、この実施の形態のカメラシステムの積分回路13においては、検波枠の大きさを考慮して、適切に有効ビット語長を制御するために、評価対象データ(撮像データ)に対してディザ情報(乱数)を加算する前に、検波枠の大きさに応じたビット数分の左ビットシフト処理を行うようにしている。
[積分回路13の構成例について]
図7は、図1に示したこの実施の形態のカメラシステムの積分回路13の構成例を説明するためのブロック図である。上述もしたように、積分回路13は、AE演算・制御回路15用の積分値を演算する第1の系統と、AWB演算・制御回路16用の積分値を演算する第2の系統と、AF演算・制御回路17用の積分値を演算する第3の系統の3つの系統を有するものである。
図7に示すように、各系統毎に、前処理部131、ビット処理部132、積分演算部133を備えると共に、ビット処理部132は、シフト部321、加算部322、ディザ回路323、切り捨て部324を備えている。なお、図7において、AE用の第1の系統の各部の参照符号には(1)を付加し、AWB用の第2の系統の各部の参照符号には(2)を付加し、AF用の第3の系統の各部には(3)を付加し、各系統毎に区別することができるようにしている。
そして、第1の系統のAE用前処理部131(1)は、これに供給される撮像データから輝度レベル情報を分離し、これをビット処理部132(1)のシフト部321(1)に供給する。シフト部321(1)は、用いる検波枠の大きさに応じて有効ビット語長を最大限稼げるように、処理対象データの左シフト処理を行った後に、当該処理後のデータを加算回路322(1)に供給する。ディザ回路323(1)は、乱数を発生させる乱数発生器であり、所定ビット数の乱数を発生させて、これを加算回路322(1)に供給する。
加算回路322(1)は、シフト部321(1)からのデータに対して、ディザ回路323(1)からの乱数(ディザ情報)を加算し、これを切り捨て部324(1)に供給する。切り捨て部324(1)は、これに供給される所定ビット長のデータについて、その下位部分の所定ビット数のデータを切り捨てる処理を行い、処理後のデータを積分演算部133(1)に供給する。積分演算部133(1)は、予め決められた検波枠において、自己に供給される評価対象データを積分する処理を行って積分値を算出し、これを対応するAE演算・制御部15に供給する。
同様に、第2の系統のAWB用前処理部131(2)は、これに供給される撮像データから色情報を抽出し、これをビット処理部132(2)のシフト部321(2)に供給する。シフト部321(2)は、用いる検波枠の大きさに応じて有効ビット語長を最大限稼げるように、処理対象データの左シフト処理を行った後に、当該処理後のデータを加算回路322(2)に供給する。ディザ回路323(2)は、乱数を発生させる乱数発生器であり、所定ビット数の乱数を発生させて、これを加算回路322(2)に供給する。
加算回路322(2)は、シフト部321(2)からのデータに対して、ディザ回路323(2)からの乱数(ディザ情報)を加算し、これを切り捨て部324(2)に供給する。切り捨て部324(2)は、これに供給される所定ビット長のデータについて、その下位部分の所定ビット数のデータを切り捨てる処理を行い、処理後のデータを積分演算部133(2)に供給する。積分演算部133(2)は、予め決められた検波枠において、自己に供給される評価対象データを積分する処理を行って積分値を算出し、これを対応するAWB演算・制御部16に供給する。
同様に、第3の系統のAF用前処理回路131(3)は、これに供給される撮像データから測距情報(例えば撮像データ中の所定周波数以上の高周波成分の割合を示すデータ等のAF制御に必要な情報)を抽出し、これをビット処理部321(3)のシフト部321(3)に供給する。シフト部321(3)は、用いる検波枠の大きさに応じて有効ビット語長を最大限稼げるように、処理対象データの左シフト処理を行った後に、当該処理後のデータを加算回路322(3)に供給する。ディザ回路323(3)は、乱数を発生させる乱数発生器であり、所定ビット数の乱数を発生させて、これを加算回路322(3)に供給する。
加算回路322(3)は、シフト部321(3)からのデータに対して、ディザ回路323(3)からの乱数(ディザ情報)を加算し、これを切り捨て部324(3)に供給する。切り捨て部324(3)は、これに供給される所定ビット長のデータについて、その下位部分の所定ビット数のデータを切り捨てる処理を行い、処理後のデータを積分演算部133(3)に供給する。積分演算部133(3)は、予め決められた検波枠において、自己に供給される評価対象データを積分する処理を行って積分値を算出し、これを対応するAF演算・制御部17に供給する。
このようにして、この実施の形態のカメラシステムの積分回路13は、AE演算・制御回路15、AWB演算・制御回路16、AF演算・制御回路17の各回路に供給すべき撮像データについての評価値である積分値を算出し、これを対応する各演算・制御回路に供給して、AE制御、AWB制御、AF制御を適切に行うことができるようにしている。
なお、図7においては説明を簡単にするため、各系統の処理を制御するために、AE演算・制御回路15、AWB演算・制御回路16、AF演算・制御回路17のそれぞれから供給される制御信号については省略している。
また、ディザ回路323(1)、323(2)、323(3)のそれぞれは、乱数を発生させるものであり、M系列による乱数を発生させるものや、ハッシュ関数による乱数を発生させるものや、その他の手法により乱数を発生させるものなど、種々のものを用いることが可能である。ディザ回路323(1)、323(2)、323(3)においては、同じ乱数を発生させるように構成することもできるし、また、各制御に応じて、系統毎に異なる乱数を発生させるようにしてもよい。
また、図6を用いて説明した例においては、用いる乱数は、0〜15の値をとるものを用いるようにしたが、これに限るものではない。例えば、0〜31の範囲の値を取るような乱数を用いるようにすることももちろん可能である。
[ビット処理部132においての処理の概要について]
次に、積分回路13のビット処理部132(1)、132(2)、132(3)で行われる処理について詳細に説明する。なお、ビット処理部132(1)、132(2)、132(3)のそれぞれは、図7に示したように同様に構成されるものであり、また、処理対象データが異なるだけで、その処理内容は同じである。このためため、以下においては、ビット処理部132(1)、132(2)、132(3)のそれぞれで行われる処理を、これらの処理部を総称するビット処理部132の処理として説明する。
また、以下においては説明を簡単にするため、評価対象の元々のデータの有効ビット長は、図6Aに示した場合と同様に10ビットであり、ディザ情報としては、図6Dに示した場合と同様に0〜15までの値を取るものであり、下位ビットの切り捨ては4ビットを切り捨てる場合を例にして説明する。なお、左ビットシフトを何ビット分させるかは、検波枠の大きさに応じて、0ビットから4ビットの範囲で切り捨てるビット数を決めることができるようにしている。
図8Aは、図7に示した積分回路13のビット処理部132(1)、132(2)、132(3)の構成と動作について説明するためのブロック図であり、図8Bは、シフト部321において行われるシフト処理について説明するための図である。図8Aに示すように、ビット処理部132のシフト部321には、評価対象の10ビットのデータが供給される。なお、評価対象の10ビットのデータは、上述もしたように、撮像データから抽出されるデータであって、AE用には輝度レベル情報が、AWB用には色情報が、また、AF用には測距情報がそれぞれ供給されることになる。
シフト部321は、上述もしたように、これに供給されたデータについて、用いる検波枠の大きさに基づいて決まるビット数分、左シフトして下位ビットに「0(ゼロ)」を補う処理を行う。この例の場合には、図8Bに示すように、0ビット分シフトする場合(シフトなしの場合)、1ビット分シフトする場合、2ビット分シフトする場合、3ビット分シフトする場合、4ビット分シフトする場合の5つのパターンのビットシフトを行うことができるようにしている。
すなわち、どれだけ左ビットシフトさせるかを示すパラメータnは、0〜4までの値を取るものであり、このパラメータnは、検波枠の大きさ(検波枠サイズ)に基づいて特定することができるものである。
そして、この例の場合には、詳しくは後述もするが、検波枠サイズが大きいほど、ビットシフトのビット数を少なくして有効ビット語長を短くすることによって、メモリの必要ビット数を大きくしなくても対応できるようにし、検波枠サイズが小さいほどビットシフトのビット数を多くして有効ビット語長を長くすることによって、必要以上に有効ビット語長を制約してしまうことが無いようにしている。
そして、シフト部321において、10ビット語長のデータ(検波信号)に対して、検波枠サイズに応じてnビット分の左ビットシフトを施した後、その左ビットシフトされたデータの下位4ビットに、ディザ回路(乱数発生器)323からの0〜15の乱数4ビットを加算回路322において付加し、その後に、切り捨て部324において、乱数が加算されたデータの下位4ビットを切り捨てることにより、後段の積分演算部133に供給するデータを形成している。
このビット処理部132が、この実施の形態のカメラシステムに適用された本発明の重要なポイントになっており、限定された積分ビット語長の範囲内で、精度が劣化しない積分値を得られる回路を構成している。
[シフト部321でのビットシフトの詳細について]
図9、図10は、図8に示したシフト部321で行われるビットシフト処理の詳細を説明するための図である。そして、図9Aは、パラメータn=0の場合を、図9Bは、パラメータn=1の場合を、図9Cは、パラメータn=2の場合を、図10Aは、パラメータn=3の場合を、図10Bは、パラメータn=4の場合をそれぞれ示している。また、図9、図10において、図中の「>>4」という記載は、下位4ビットを切り捨てることを意味している。
図9Aに示すように、パラメータn=0の場合には、左ビットシフトは行われないようにされる。したがって、この場合には、元の10ビット語長のデータに4ビット語長の乱数データが加算された後に、下位4ビットのデータが切り捨てられるので、桁上がりを考慮すると7ビット語長のデータ(有効ビット語長が7ビットのデータ)になる。したがって、元のデータよりも3ビット分有効ビット語長を短くすることができるので、検波枠サイズが大きく、検波枠エリアが大きい場合においても、メモリの必要ビット数を増やすことなく、撮像データの評価値である積分値を求めることができるようにされる。
また、図9Bに示すように、パラメータn=1の場合には、元の10ビット語長のデータが1ビット左シフトされ、これに4ビット語長の乱数データが加算された後に、下位4ビットが切り捨てられるので、桁上がりを考慮すると8ビット語長のデータ(有効ビット語長が8ビットのデータ)になる。したがって、元のデータよりも2ビット分有効ビット語長を短くすることができるので、この場合においても、検波枠サイズが比較的に大きく、検波枠エリアも比較的に大きい場合において、メモリの必要ビット数を増やすことなく、撮像データの評価値である積分値を求めることができるようにされる。
また、図9Cに示すように、パラメータn=2の場合には、元の10ビット語長のデータが2ビット左シフトされ、4ビット語長の乱数データが加算された後に、下位4ビットが切り捨てられるので、桁上がりを考慮すると9ビット語長のデータ(有効ビット語長が8ビットのデータ)になる。したがって、元のデータよりも1ビット分有効ビット語長を短くすることができる。この場合には、メモリに若干の余裕を持たせて積分処理を行うようにしたい場合において有効である。
また、図10Aに示すように、パラメータn=3の場合には、元の10ビット語長のデータが3ビット左シフトされ、4ビット語長の乱数データが加算された後に、下位4ビットが切り捨てられるので、桁上がりを考慮すると10ビット語長のデータ(有効ビット語長が10ビットのデータ)になる。したがって、この場合には、有効ビット語長は、元のデータの語長と同じであるので、検波枠が比較的に小さく、メモリの必要ビット数が増大しない場合においては、精度を落とすことなく積分値を算出することができるようにされる。
また、図10Bに示すように、パラメータn=4の場合には、元の10ビット語長のデータが4ビット左シフトされ、4ビット語長の乱数データが加算されるものの、下位4ビットのデータがそのまま切り捨てられるので、元の10ビット語長のデータをそのまま再現出来る。これは、左ビットシフト後のデータの下位4ビットに0〜15の乱数4ビットを付加して下位4ビットを切り捨てる回路そのものをOFF(スルー設定)に出来るようにした場合と等価である。したがって、この場合にも、有効ビット語長は、元のデータの語長と同じであるので、検波枠が比較的に小さく、メモリの必要ビット数が増大しない場合においては、精度を落とすことなく積分値を算出することができるようにされる。
このように、この実施の形態のカメラシステムの積分回路13においては、パラメータnを調整することにより、検波枠サイズが特定され、この特定された検波枠サイズに応じて、評価対象の輝度レベル信号、色信号、測距情報等の有効ビット語長(有効ビット幅)を適切に調整することができるようにしている。
[検波枠に応じた有効ビット語長の調整のまとめ]
図11は、検波枠に応じた有効ビット語長の調整の具体例について説明するための図である。図11においては、撮像素子11のセンササイズが1000万画素であり、回路規模の制約上、積分ビット語長を31ビットに限定した場合の例について説明するための図である。
そして、検波枠を図2Bに示した通常検波枠(最大サイズ:3872ピクセル長×2592ライン長)を用いる場合を考える。この場合には、パラメータnの値を「0(ゼロ)」にすることで、図11Aに示すように、積分入力ビット語長は7ビットになり、図11Aの(1)式に示すように、積分ビット語長を31ビットに収めることができる。すなわち、積分値を31ビット以内で表現することができるようにされる。
また、検波枠を図2Cに示した中央重点検波枠(200万画素サイズ:1632ピクセル長×1224ライン長)を用いる場合を考える。この場合には、パラメータnの値を「3」にすることで、図11Bに示すように、積分入力ビット語長は10ビットになり、図11Bの(2)式に示すように、積分ビット語長を31ビットに収めることができる。すなわち、積分値を31ビット以内で表現することができるようにされる。
なお、図示しないが、中央重点検波枠(200万画素サイズ)以下の検波枠サイズの検波枠を用いる場合には、パラメータnの値を4(スルー設定)にすることで、元の10ビット語長のデータのままでも、積分ビット語長31ビットに収めるようにすることができ、有効ビット語長を十分に活用し、精度よく積分値を算出することが出来る。
このように、検波枠を大きくする程、データの有効ビット語長を小さくとり、逆に、検波枠を小さくする程、データの有効ビット語長を大きくとることで、限定されたビット語長以内の積分ビット語長に収めるようにすることができ、積分演算処理に関しオーバーフローの心配もないので、オーバーフローリミッタを実装しなくて済み、回路規模を大きくすることもないという利点がある。
換言すれば、カメラシステムをスポット測光モード等にする時は検波枠が小さくなるので、データの有効ビット語長を大きくとって検波データを積分することができるようにされる。逆に、通常撮影モード時で検波枠を全画面一杯に設定したい場合は検波枠を大きく設定し、データの有効ビット語長を小さくとるようにして検波データを積分することにより、ハードウェア資産の限られた積分ビット語長に収まる範囲内で精度の高い積分値を得ることができるようになる。
このように、積分ビット語長と検波枠の大きさ(面積)が決まっていれば、上述した(1)式〜(4)式に示したように、元データの有効ビット語長も決まり、これに応じて図7に示したシフト部321(1)、321(2)、321(3)のそれぞれにおいて、何ビット分左ビットシフトさせるかも決められる。具体的には、上述した(1)式等にも示したように、評価対象データの有効ビット語長の2のべき乗に検波枠の面積を掛けて得られる総ビット語長が、所定の値に限定された積分ビット語長の範囲内になるように、左シフトさせるビット数を定めることになる。
また、逆に、評価対象データの有効ビット語長の2のべき乗に前記検波枠の面積を掛けて得られる総ビット語長が、所定の値に限定された積分ビット語長の範囲内になるように、評価対象データの有効ビット語長と検波枠の面積との組み合わせを調整し、評価対象データの有効ビット語長と検波枠とを決定した後に、この決定した評価対象データの有効ビット語長に応じて、左シフトさせるビット数を定めるようにしてもよい。
このように、この実施の形態のカメラシステムにおいては、積分ビット語長が、予め決められる範囲内に収まるように、評価対象データの有効ビット数や検波枠の大きさ(面積)に基づいて、評価対象データの左ビットシフトするビット数を定めることができることができる。
そして、上述もしたように、評価対象データを左ビットシフトすると共に、ディザ情報を加算し、さらに予め決められたビット数分下位ビットを切り捨てることにより、評価対象データの制度を落とすことなく、評価対象データのビット数を制限することができるようにされる。
したがって、検波枠が大きくなったり、また、検波枠の個数が多くなったりしても、メモリの必要ビット数を増やすこともないし、回路規模を大きくすることもない。また、評価対象データのビット数を制限しても、評価値としての積分値の精度を大きく劣化させることも無く、適切にAE、AWB、AFの各制御を適切に行うのに十分な各制御のための評価値(積分値)を得ることができる。
[この発明による自動制御方法について]
上述した実施の形態の説明からも分かるように、カメラシステムの積分回路13と、AE演算・制御部15、AWB演算・制御部16、AF演算・制御部17とのそれぞれが協働することにより行われる一連の処理が、この発明による撮像装置の自動制御方法になる。すなわち、図7を用いて説明した積分回路13において、各前処理部131(1)、131(2)、131(3)で行われる処理が、抽出工程においての評価対象データの抽出処理である。
また、シフト部321(1)、321(2)、321(3)で行われる処理が、シフト工程における左ビットシフト処理であり、加算回路322(1)、322(2)、323(3)で行われる処理が、加算工程におけるディザ情報の加算処理であり、切り捨て部324(1)、324(2)、324(3)における切り捨て処理が、切り捨て工程における下位ビットの切り捨て処理である。
また、積分演算部133(1)、133(2)、133(3)における、評価対象データの積分処理が、積分工程における積分処理であり、AE演算・制御部15、AWB演算・制御部16、AF演算・制御部17のそれぞれにおいて、対応する積分演算部133(1)、133(2)、133(3)からの積分値に応じて行われる自動制御処理が、自動制御工程における自動制御処理である。
なお、カメラシステムに置ける自動制御方法においても、目的とする自動制御の種類に応じて、複数系統設けることが可能であるし、また、実行する自動制御に応じて、評価対象データに加算するディザ情報を変えることももちろん可能である。また、積分ビット語長が、所定の範囲内になるように、シフト工程における左ビットシフトさせるビット数を変えることもできるし、評価対象データの有効ビット語長と検波枠を決定した後に、これに応じて左ビットシフトさせるビット数を決めるようにすることもできる。
[この発明による自動制御プログラムについて]
また、図1に示したカメラシステムにおいて、積分回路13、AE演算・制御回路15、AWB演算・制御回路16、AF演算・制御回路17の機能を、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリが、CPUバスを通じて接続されて形成されたマイクロコンピュータによって実現することもできる。
この場合、積分回路13、AE演算・制御回路15、AWB演算・制御回路16、AF演算・制御回路17の機能は、当該マイクロコンピュータで実行されるソフトウエア(プログラム)によって実現される。すなわち、カメラシステムの積分回路13と、AE演算・制御部15、AWB演算・制御部16、AF演算・制御部17と各機能をソフトウエアによって実現することができる。
具体的には、撮像装置に搭載されるコンピュータに、当該撮像装置に設けられている撮像センサ面の有効画素領域内に設定される検波枠内の撮像データから所定の自動制御のための評価値を算出するための評価対象データを抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにおいて抽出した前記評価対象データについて、前記検波枠の大きさに応じて決められるビット数分、左ビットシフト処理するシフトステップと、前記シフトステップにおいて左ビットシフト処理した前記評価対象データに対して、所定のディザ情報を加算する加算ステップと、前記加算ステップにおいて前記ディザ情報を加算した前記評価対象データについて、予め決められるビット数分、下位ビットを切り捨てる切り捨てステップと、前記切り捨てステップにおいて下位ビットが切り捨てられた前記評価対象データを前記検波枠において積分して所定の自動制御のための評価値として用いる積分値を算出する積分ステップと、前記積分ステップにおいて算出した前記積分値にしたがって、当該撮像装置に設けられている所定の自動制御機能に対して自動制御を行うようにする自動制御ステップと
を実行する自動制御プログラムを構成することができる。
この場合、図7を用いて説明した積分回路13において、各前処理部131(1)、131(2)、131(3)で行われる処理が、抽出ステップにおいての評価対象データの抽出処理である。
また、シフト部321(1)、321(2)、321(3)で行われる処理が、シフトステップにおける左ビットシフト処理であり、加算回路322(1)、322(2)、323(3)で行われる処理が、加算ステップにおけるディザ情報の加算処理であり、切り捨て部324(1)、324(2)、324(3)における切り捨て処理が、切り捨てステップにおける下位ビットの切り捨て処理である。
また、積分演算部133(1)、133(2)、133(3)における、評価対象データの積分処理が、積分ステップにおける積分処理であり、AE演算・制御部15、AWB演算・制御部16、AF演算・制御部17のそれぞれにおいて、対応する積分演算部133(1)、133(2)、133(3)からの積分値に応じて行われる自動制御処理が、自動制御ステップにおける自動制御処理である。
なお、カメラシステムにおける自動制御プログラムにおいても、目的とする自動制御の種類に応じて、複数系統設けることが可能であるし、また、実行する自動制御に応じて、評価対象データに加算するディザ情報を変えることももちろん可能である。また、積分ビット語長が、所定の範囲内になるように、シフト工程における左ビットシフトさせるビット数を変えることもできるし、評価対象データの有効ビット語長と検波枠を決定した後に、これに応じて左ビットシフトさせるビット数を決めるようにすることもできる。
[その他]
なお、上述した実施の形態においては、積分対象の元データのビット数を10ビットとして説明したが、これに限るものではない。積分対象の元データのビット数は、8ビット、6ビットのように10ビット以下の場合であっても対応可能であるし、12ビット、14ビット、16ビット、32ビットのように、10ビット以上の場合であっても対応可能である。
また、上述した実施の形態においては、切り捨てるビット数は、下位4ビットである場合を例にして説明したが、これに限るものではない。切り捨てるビット数は、元データのビット数に応じて、下位3ビット、下位2ビットのように、4ビット以下のビット数とすることもできるし、下位5ビット、下位6ビットのように、4ビットよりも大きなビット数とすることも可能である。
また、上述した実施の形態においては、積分対象データに加算する乱数(ディザ情報)は、0〜15の範囲の値をとるものとして説明したが、これに限るものではない。種々の値を取る適宜の乱数を用いるようにすることが可能である。
要は、積分演算の前段において、(1)左ビットシフト処理、(2)乱数(ディザ情報)加算処理、(3)下位ビット切り捨て処理の順で処理して、積分対象のデータを形成するようにすれば、元データのビット数、左シフトするビット数、加算する乱数、切り捨てるビット数などは、カメラシステムのスペックに応じて適宜の値を選択するようにすることが可能である。
また、上述した実施の形態のカメラシステムは、デジタルスチルカメラやビデオカメラに適用可能なものとして説明したが、これに限るものではない。携帯電話に搭載されているデジタルカメラ、PDA等と呼ばれる携帯情報端末や電子手帳に搭載されているデジタルカメラ、監視用デジタルカメラ等の撮像素子を使用した種々の装置にこの発明を適用することができる。
すなわち、この発明は、撮像素子を使用した撮像装置において、検波に必要な各処理を施した後、検波信号を積分回路に入力する手前で、検波信号を所定の左ビットシフト量で左ビットシフトし、ディザ信号(乱数データ)を付加した後に所定のビット切り捨てを行う。そうすることで、ハードウェアの制約があるOPD(Optical Detector:撮像素子からの信号検波)の評価値(積分値)の語長を大きくすることなしに、限定された語長のままで、OPDの評価値(積分値)の精度低下を防ぐことができる。
換言すれば、撮像素子の高画素化が進み、検波枠を多く持つようになっても、回路規模の制約上で限定された積分ビット語長において、積分有効ビット語長分の2のべき乗を検波枠の面積で掛けた総ビット語長が所定の値に限定された積分ビット語長の範囲内に収まるようにするために、通常動作モードのように検波枠を大きくとる程、積分入力ビット語長を小さくとり、スポット測光モードのように検波枠を小さくとる程、積分入力ビット語長を大きくとるように、積分有効ビット語長と検波枠の面積の組み合わせを調整することにより、限られた積分ビット語長に収まる範囲内で精度が損なわれない積分値が得られ、これを用いて適切に、AE、AWB、AFの各自動制御を適切に行うようにすることができる。すなわち、用いる検波枠が異なるモードに応じて、元データの有効ビット語長を調整するようにし、適切に自動制御のための積分値を得るようにすることができる。
また、上述の実施の形態においては、図2を用いて説明したように、通常検波枠(図2B)、中央重点検波枠(図2C)、また、図示しなかったが、中央重点検波枠よりもさらに小さな検波枠であるスポット検波枠を用いる場合を説明したが、これに限るものではない。他の種々の大きさの検波枠を用いる場合にも同様に適用可能である。
また、各撮像装置によって、用いる撮像素子の有効画素領域の大きさも異なるので、各撮像装置毎に、適切な積分有効ビット語長を定めることにより、この発明を適用することができる。
この発明の一実施の形態を適用したカメラシステムを説明するためのブロック図である。 撮像素子のセンサ面と有効画素領域と検波枠とについて説明する図である。 10ビット語長の検波信号を4ビット切り捨てる場合の例を説明するための図である。 4ビット切り捨てた検波信号を1024個積分する場合の例を説明するための図である。 6ビットに丸めた検波信号を1024個積分する場合様子を説明するための図である。 4ビット切り捨て/四捨五入後に4ビット切り捨て/乱数を加えた後に4ビット切り捨ての3方式の結果を比較して説明するための図である。 図1に示したこの実施の形態のカメラシステムの積分回路13の構成例を説明するためのブロック図である。 図7に示したビット処理部の構成と動作を説明するための図である。 シフト部321で行われるビットシフト処理の詳細を説明するための図である。 シフト部321で行われるビットシフト処理の詳細を説明するための図である。 検波枠に応じた有効ビット語長の調整の具体例について説明するための図である。
符号の説明
10…撮像レンズ、11…撮像素子、12…撮像回路、13…積分回路、131(1)…AE用前処理部、131(2)…AWB用前処理部、131(3)…AF用前処理部、132(1)、132(2)、132(3)…ビット処理部、321(1)、321(2)、321(3)…シフト部、322(1)、322(2)、322(3)…加算回路、323(1)、323(2)、323(3)…ディザ回路、324(1)、324(2)、324(3)…切り捨て部、133(1)、133(2)、133(3)…積分演算部、14…信号処理回路、15…AE演算・制御回路、16…AWB演算・制御回路、17…AF演算・制御回路、18…TG(タイミング生成)、19…表示系(LCD等)回路、20…記録系回路

Claims (15)

  1. 撮像センサ面の有効画素領域内に設定される検波枠内の撮像データから所定の自動制御のための評価値を算出するための評価対象データを抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段によって抽出された前記評価対象データについて、前記検波枠の大きさに応じて決められるビット数分、左ビットシフト処理するシフト手段と、
    前記シフト手段により左ビットシフト処理された前記評価対象データに対して、所定のディザ情報を加算する加算手段と、
    前記加算手段により前記ディザ情報が加算された前記評価対象データについて、予め決められたビット数分、下位ビットを切り捨てる切り捨て手段と、
    前記切り捨て手段により下位ビットが切り捨てられた前記評価対象データを前記検波枠において積分して所定の自動制御のための評価値として用いる積分値を算出する積分手段と、
    前記積分手段からの前記積分値にしたがって、所定の自動制御を行うようにする自動制御手段と
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 請求項1に記載の撮像装置であって、
    前記所定の自動制御は、自動露光制御、自動ホワイトバランス制御、自動合焦制御の内の1つ以上であり、
    前記抽出手段と、前記シフト手段と、前記加算手段と、前記切り捨て手段と、前記積分手段と、前記自動制御手段とは、実行する自動制御毎に設けられることを特徴とする撮像装置。
  3. 請求項2に記載の撮像装置であって、
    実行する自動制御毎に設けられる前記加算手段においては、実行する自動制御毎に異なるディザ情報を加算することを特徴とする撮像装置。
  4. 請求項1に記載の撮像装置であって、
    前記シフト手段においては、前記評価対象データの有効ビット語長の2のべき乗に前記検波枠の面積を掛けて得られる総ビット語長が、所定の値に限定された積分ビット語長の範囲内になるように、左シフトさせるビット数を定めることにより、前記評価対象データの有効ビット語長を制御することを特徴とする撮像装置。
  5. 請求項1に記載の撮像装置であって、
    前記評価対象データの有効ビット語長の2のべき乗に前記検波枠の面積を掛けて得られる総ビット語長が、所定の値に限定された積分ビット語長の範囲内になるように、前記評価対象データの有効ビット語長と前記検波枠の面積との組み合わせを調整し、前記評価対象データの有効ビット語長と前記検波枠とを決定する決定手段を備え、
    前記シフト手段においては、前記決定手段によって決定された前記評価対象データの有効ビット語長に応じて、左シフトさせるビット数を定めることを特徴とする撮像装置。
  6. 撮像センサ面の有効画素領域内に設定される検波枠内の撮像データから所定の自動制御のための評価値を算出するための評価対象データを抽出する抽出工程と、
    前記抽出工程において抽出した前記評価対象データについて、前記検波枠の大きさに応じて決められるビット数分、左ビットシフト処理するシフト工程と、
    前記シフト工程において左ビットシフト処理した前記評価対象データに対して、所定のディザ情報を加算する加算工程と、
    前記加算工程において前記ディザ情報を加算した前記評価対象データについて、予め決められるビット数分、下位ビットを切り捨てる切り捨て工程と、
    前記切り捨て工程において下位ビットが切り捨てられた前記評価対象データを前記検波枠において積分して所定の自動制御のための評価値として用いる積分値を算出する積分工程と、
    前記積分工程において算出した前記積分値にしたがって、所定の自動制御を行うようにする自動制御工程と
    を有することを特徴とする撮像装置の自動制御方法。
  7. 請求項6に記載の撮像装置の自動制御方法であって、
    前記所定の自動制御は、自動露光制御、自動ホワイトバランス制御、自動合焦制御の内の1つ以上であり、
    前記抽出工程と、前記シフト工程と、前記加算工程と、前記切り捨て工程と、前記積分工程と、前記自動制御工程とは、実行する自動制御毎に設けられることを特徴とする撮像装置の自動制御方法。
  8. 請求項7に記載の撮像装置の自動制御方法であって、
    実行する自動制御毎に設けられる前記加算工程においては、実行する自動制御毎に異なるディザ情報を加算することを特徴とする撮像装置の自動制御方法。
  9. 請求項6に記載の撮像装置の自動制御方法であって、
    前記シフト工程においては、前記評価対象データの有効ビット語長の2のべき乗に前記検波枠の面積を掛けて得られる総ビット語長が、所定の値に限定された積分ビット語長の範囲内になるように、左シフトさせるビット数を定めることにより、前記評価対象データの有効ビット語長を制御することを特徴とする撮像装置の自動制御方法。
  10. 請求項6に記載の撮像装置の自動制御方法であって、
    前記評価対象データの有効ビット語長の2のべき乗に前記検波枠の面積を掛けて得られる総ビット語長が、所定の値に限定された積分ビット語長の範囲内になるように、前記評価対象データの有効ビット語長と前記検波枠の面積との組み合わせを調整し、前記評価対象データの有効ビット語長と前記検波枠とを決定する決定工程を有し、
    前記シフト工程においては、前記決定工程において決定した前記評価対象データの有効ビット語長に応じて、左シフトさせるビット数を定めることを特徴とする撮像装置の自動制御方法。
  11. 撮像装置に搭載されるコンピュータに、
    当該撮像装置に設けられている撮像センサ面の有効画素領域内に設定される検波枠内の撮像データから所定の自動制御のための評価値を算出するための評価対象データを抽出する抽出ステップと、
    前記抽出ステップにおいて抽出した前記評価対象データについて、前記検波枠の大きさに応じて決められるビット数分、左ビットシフト処理するシフトステップと、
    前記シフトステップにおいて左ビットシフト処理した前記評価対象データに対して、所定のディザ情報を加算する加算ステップと、
    前記加算ステップにおいて前記ディザ情報を加算した前記評価対象データについて、予め決められるビット数分、下位ビットを切り捨てる切り捨てステップと、
    前記切り捨てステップにおいて下位ビットが切り捨てられた前記評価対象データを前記検波枠において積分して所定の自動制御のための評価値として用いる積分値を算出する積分ステップと、
    前記積分ステップにおいて算出した前記積分値にしたがって、当該撮像装置に設けられている所定の自動制御機能に対して自動制御を行うようにする自動制御ステップと
    を実行することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な撮像装置の自動制御プログラム。
  12. 請求項11に記載の撮像装置の自動制御プログラムであって、
    前記所定の自動制御は、自動露光制御、自動ホワイトバランス制御、自動合焦制御の内の1つ以上であり、
    前記抽出ステップと、前記シフトステップと、前記加算ステップと、前記切り捨てステップと、前記積分ステップと、前記自動制御ステップとは、実行する自動制御毎に設けられることを特徴とする撮像装置の自動制御プログラム。
  13. 請求項12に記載の撮像装置の自動制御プログラムであって、
    実行する自動制御毎に設けられる前記加算ステップにおいては、実行する自動制御毎に異なるディザ情報を加算することを特徴とする撮像装置の自動制御プログラム。
  14. 請求項11に記載の撮像装置の自動制御プログラムであって、
    前記シフトステップにおいては、前記評価対象データの有効ビット語長の2のべき乗に前記検波枠の面積を掛けて得られる総ビット語長が、所定の値に限定された積分ビット語長の範囲内になるように、左シフトさせるビット数、切り捨てるビット数を定めることにより、前記評価対象データの有効ビット語長を制御することを特徴とする撮像装置の自動制御プログラム。
  15. 請求項11に記載の撮像装置の自動制御プログラムであって、
    前記評価対象データの有効ビット語長の2のべき乗に前記検波枠の面積を掛けて得られる総ビット語長が、所定の値に限定された積分ビット語長の範囲内になるように、前記評価対象データの有効ビット語長と前記検波枠の面積との組み合わせを調整し、前記評価対象データの有効ビット語長と前記検波枠とを決定する決定ステップを実行し、
    前記シフトステップにおいては、前記決定ステップにおいて決定した前記評価対象データの有効ビット語長に応じて、左シフトさせるビット数を定めることを特徴とする撮像装置の自動制御プログラム。
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