JP2008292316A - 通信システム、車載機及び路側機 - Google Patents

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Abstract

【課題】移動する自車の走行位置を精度良く特定することができる通信システム、車載機及び路側機を提供する。
【解決手段】車載機20は、自車が光ビーコン10との通信領域Rに進入したと判定した場合、測位用の信号を路側機30へ送信する。路側機30は、各受信部31、32、33で測位用の信号を受信し、受信した信号の到達時間差を算出する。路側機30は、予め記憶してある各受信部31、32、33の位置及び算出した到達時間差に基づいて、車載機20の位置情報を算出し、算出した位置情報を測位結果として車載機20へ送信する。車載機20は、測位用の信号を送信した時点から測位結果である自車の位置情報を受信するまでの間の自車の走行距離、走行方位などに基づいて、測位結果を補正して自車位置を特定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、道路を走行する車両の位置を高精度に特定することができる通信システム、該通信システムを構成する車載機及び路側機に関する。
従来、電波を放射する移動体などの未知局と称される電波源の位置を検出するシステムが開発されている。例えば、電波源が発射した電波を複数のセンサ局で受信し、各センサ局は受信した電波にフーリエ変換を施して複素周波数成分を抽出し、抽出した複素周波数成分をセンタ局へ送信する。センタ局は、各センサ局から送信された複素周波数成分間の複素共役積を算定し、各センサ局間の到達時間差を算定して電波源の位置を検出する位置検出システムが提案されている(特許文献1参照)。
特許第3739078号公報
しかしながら、特許文献1のシステムにあっては、電波源の位置を検出する際、電波源が停止していることを前提として位置を検出するため、電波源が移動している場合には、検出した位置に大きな誤差が生じるという問題があった。また、電波源の位置を検出した場合でも、検出結果を電波源に通知する方法は開示されておらず、移動する車両に電波源を搭載したとしても、車両の位置は、センタ局で確認することができるだけである。このため、車両の位置をその車両で検出することができるシステムが望まれていた。
特に円滑な交通を実現し、あるいは交通事故を未然に防止するためには、道路を走行する各車両において、自車の位置を逐一特定し、特定した位置に応じた走行制御を的確に実現することが必要である。また、できるだけ多くの車両で自車位置を特定するためには、自車位置を特定するために搭載する機能は、できるだけ簡便な構成で、かつ安価な装置で実現されることが望ましい。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、移動する自車の走行位置を精度良く特定することができる通信システム、該通信システムを構成する車載機及び路側機を提供することを目的とする。
第1発明に係る通信システムは、車載機と、該車載機が送信した信号を受信する複数の受信部を有する路側機とを備える通信システムであって、前記路側機は、前記受信部の受信地点情報を記憶するための記憶手段と、車載機が送信した信号の各受信部への到達時間差を算出する到達時間差算出手段と、該到達時間差算出手段で算出した到達時間差及び各受信地点情報に基づいて、前記車載機の位置情報を生成する位置情報生成手段と、該位置情報生成手段で生成した位置情報を前記車載機へ送信する位置情報送信手段とを備え、前記車載機は、前記位置情報を受信する位置情報受信手段と、該位置情報受信手段で受信した位置情報及び該位置情報を受信した受信時点と前記信号を送信した送信時点との時間差に基づいて自車位置を特定する特定手段とを備えることを特徴とする。
第2発明に係る通信システムは、車載機と、該車載機が送信した信号を受信する複数の受信部を有する路側機とを備える通信システムであって、前記路側機は、前記受信部の受信地点情報を記憶するための記憶手段と、車載機が送信した信号の各受信部への到達時間差を算出する到達時間差算出手段と、該到達時間差算出手段で算出した到達時間差及び各受信地点情報に基づいて、前記車載機の位置情報を生成する位置情報生成手段と、該位置情報生成手段で生成した位置情報を前記車載機へ送信する位置情報送信手段とを備え、前記車載機は、前記位置情報を受信する位置情報受信手段と、自車の走行距離を測定する測定手段と、前記位置情報受信手段で受信した位置情報及び前記測定手段で測定した走行距離に基づいて、自車位置を特定する特定手段とを備えることを特徴とする。
第3発明に係る通信システムは、第2発明において、前記測定手段は、ジャイロセンサ、加速度センサ、地磁気センサ、車輪速センサのうち、少なくとも1つにより構成してあることを特徴とする。
第4発明に係る通信システムは、第1発明又は第2発明において、車載機は、所定の第1地点で信号を送信するようにしてあり、前記路側機は、前記受信部それぞれで受信時点を計時する複数の計時手段と、前記第1地点の位置情報を記憶するための記憶手段と、前記第1地点の位置情報及び受信地点情報並びに前記第1地点で前記車載機が送信した信号の各受信部への到達時間差に基づいて、計時のずれを算出する計時ずれ算出手段とを備え、前記位置情報生成手段は、前記第1地点と異なる第2地点で前記車載機が送信した信号の各受信部への到達時間差及び前記計時ずれ算出手段で算出した計時ずれ並びに前記受信地点情報に基づいて、前記車載機の位置情報を生成するように構成してあることを特徴とする。
第5発明に係る通信システムは、第4発明において、車載機は、前記第1地点で信号を送信する場合、該第1地点で送信した信号であることを示す識別子を送信するように構成してあることを特徴とする。
第6発明に係る通信システムは、第1発明又は第2発明において、車載機は、自車が通過する通過地点の位置情報を取得する通過地点情報取得手段と、前記通過地点で該通過地点の位置情報を含む信号を送信するようにしてあり、前記路側機は、前記受信部それぞれで受信時点を計時する複数の計時手段と、前記通過地点の位置情報を受信する受信手段と、前記通過地点の位置情報及び受信地点情報並びに前記通過地点で前記車載機が送信した信号の各受信部への到達時間差に基づいて、計時のずれを算出する計時ずれ算出手段とを備え、前記位置情報生成手段は、前記通過地点と異なる第2地点で前記車載機が送信した信号の各受信部への到達時間差及び前記計時ずれ算出手段で算出した計時ずれ並びに前記受信地点情報に基づいて、前記車載機の位置情報を生成するように構成してあることを特徴とする。
第7発明に係る通信システムは、第6発明において、車載機は、前記通過地点で送信する該通過地点の位置情報の信頼性を示す信頼情報を前記路側機へ送信するようにしてあり、前記路側機は、前記信頼性に応じて、前記車載機の位置情報の生成を停止する停止手段を備えることを特徴とする。
第8発明に係る通信システムは、第1発明又は第2発明において、車載機は、自車が所定の領域内に存在することを示す情報を取得する取得手段を備え、前記領域内に存在すると判定した場合、信号を送信するように構成してあることを特徴とする。
第9発明に係る通信システムは、第8発明において、車載機は、前記領域外に存在すると判定した場合、信号の送信を停止する停止手段を備えることを特徴とする。
第10発明に係る通信システムは、第1発明又は第2発明において、前記路側機は、車載機が所定の領域内に存在することを示す情報を取得する取得手段を備え、車載機が前記領域外に存在すると判定した場合、該車載機の位置情報の生成又は送信を停止する停止手段を備えることを特徴とする。
第11発明に係る通信システムは、第1発明又は第2発明において、車載機は、車両が所定の領域内に存在する場合のみ有効な暫定識別情報を取得する暫定識別情報取得手段を備え、該暫定識別情報取得手段で取得した暫定識別情報を付加して信号を送信するようにしてあり、前記到達時間差算出手段は、同じ暫定識別情報が付加された信号の各受信部への到達時間差を算出するように構成してあることを特徴とする。
第12発明に係る通信システムは、第11発明において、前記暫定識別情報を車載機へ送信する光ビーコンを備えることを特徴とする。
第13発明に係る通信システムは、第1発明又は第2発明において、前記位置情報送信手段は、送信の都度、複数の車載機の位置情報を送信するように構成してあることを特徴とする。
第14発明に係る通信システムは、第1発明又は第2発明において、前記路側機は、前記位置情報生成手段で生成した位置情報に基づいて、車載機の移動距離を算出する算出手段を備え、前記位置情報送信手段は、車載機が所定の距離を移動した場合、位置情報を前記車載機へ送信するように構成してあることを特徴とする。
第15発明に係る通信システムは、第1発明又は第2発明において、前記車載機は、道路情報を取得する道路情報取得手段を備え、前記特定手段は、前記道路情報取得手段で取得した道路情報に基づいて自車位置を特定するように構成してあることを特徴とする。
第16発明に係る通信システムは、第1発明又は第2発明において、前記路側機は、前記受信部それぞれで受信時点を計時する複数の計時手段と、各計時手段での計時を同期させる同期手段とを備えることを特徴とする。
第17発明に係る通信システムは、第16発明において、車載機は、所定の地点で同期用の信号を送信するようにしてあり、前記路側機は、前記地点の位置情報を記憶するための記憶手段を備え、前記到達時間差算出手段は、前記車載機が送信した同期用の信号の各受信部への到達時間差を算出するようにしてあり、前記同期手段は、前記地点の位置情報、及び前記同期用の信号の到達時間差に基づいて、計時を同期させるように構成してあることを特徴とする。
第18発明に係る車載機は、所定の信号を送信して自車位置を特定する車載機であって、前記信号に基づいて生成された自車の位置情報を受信する位置情報受信手段と、該位置情報受信手段で受信した位置情報及び該位置情報を受信した受信時点と前記信号を送信した送信時点との時間差に基づいて自車位置を特定する特定手段とを備えることを特徴とする。
第19発明に係る車載機は、所定の信号を送信して自車位置を特定する車載機であって、前記信号に基づいて生成された自車の位置情報を受信する位置情報受信手段と、自車の走行距離を測定する測定手段と、前記位置情報受信手段で受信した位置情報及び前記測定手段で測定した走行距離に基づいて、自車位置を特定する特定手段とを備えることを特徴とする。
第20発明に係る路側機は、信号を受信する複数の受信部を備える路側機であって、前記受信部の受信地点情報を記憶するための記憶手段と、所定の信号の各受信部への到達時間差を算出する到達時間差算出手段と、該到達時間差算出手段で算出した到達時間差及び各受信地点情報に基づいて、前記信号の送信地点の位置情報を生成する位置情報生成手段と、該位置情報生成手段で生成した位置情報を出力する出力手段と、前記位置情報に応じて、前記出力手段の出力を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
第1発明、第18発明及び第20発明にあっては、路側機は、車載機が送信した信号(測位用の信号)を複数(例えば、3つ)の受信部で受信する。なお、各受信部それぞれは異なる受信地点に設けてある。路側機は、各受信部で受信した信号の到達時間差を算出する。路側機は、予め定められた受信地点情報及び算出した到達時間差に基づいて、車載機の位置情報を生成(算出)し、生成した車載機の位置情報をその車載機へ送信する。
例えば、車載機が送信した信号が第1受信部に到達した時点(受信した時点)と第2受信部に到達した時点(受信した時点)との到達時間差をt21とする。到達時間差に信号の伝播速度を積算すれば第1受信部からの距離と第2受信部からの距離との距離差が求められる。すなわち、車載機、各受信部の高さが一致している場合(例えば、路面からの高さとして、1m、1.5mなど)、車載機の位置は、第1受信部及び第2受信部の位置を焦点とする双曲線上にある。また、車載機が送信した信号が第1受信部に到達した時点(又は受信した時点)と第3受信部に到達した時点(又は受信した時点)との到達時間差をt31とすると、同様にして、車載機の位置は、第1受信部及び第3受信部の位置を焦点とする双曲線上にある。最終的に車載機の位置は、2つの双曲線の交点として特定することができる。
車載機は、路側機が送信した該車載機の位置情報を受信し、位置情報を受信した受信時点と測位用の信号を送信した送信時点との時間差に基づいて自車位置を特定する。すなわち、測位結果である車載機の位置は、車載機が測位用の信号を送信した時点での自車位置であり、測位結果を受信するまでの間に自車の位置は変化する。従って、車載機が測位用の信号を送信した時点から測位結果である自車の位置情報を受信するまでの間の自車の走行距離、走行方位などに基づいて、測位結果を補正して自車位置を特定する。これにより、車載機で信号の到達時間差を算出するような複雑な処理機能を備える必要がなく、受信した測位結果を単に走行距離、走行方位に基づいて補正することにより移動中の自車位置を精度良く特定することができ、簡便かつ安価な構成により自車位置を求めることができる。また、上述の処理を繰り返すことより、移動する自車の位置を逐一特定することが可能となる。
第2発明及び第19発明にあっては、路側機は、車載機が送信した信号(測位用の信号)を複数(例えば、3つ)の受信部で受信する。なお、各受信部それぞれは異なる受信地点に設けてある。路側機は、各受信部で受信した信号の到達時間差を算出する。路側機は、予め定められた受信地点情報及び算出した到達時間差に基づいて、車載機の位置情報を生成(算出)し、生成した車載機の位置情報をその車載機へ送信する。
例えば、車載機が送信した信号が第1受信部に到達した時点(受信した時点)と第2受信部に到達した時点(受信した時点)との到達時間差をt21とする。到達時間差に信号の伝播速度を積算すれば第1受信部からの距離と第2受信部からの距離との距離差が求められる。すなわち、車載機、各受信部の高さが一致している場合(例えば、路面からの高さとして、1m、1.5mなど)、車載機の位置は、第1受信部及び第2受信部の位置を焦点とする双曲線上にある。また、車載機が送信した信号が第1受信部に到達した時点(又は受信した時点)と第3受信部に到達した時点(又は受信した時点)との到達時間差をt31とすると、同様にして、車載機の位置は、第1受信部及び第3受信部の位置を焦点とする双曲線上にある。最終的に車載機の位置は、2つの双曲線の交点として特定することができる。
車載機は、路側機が送信した該車載機の位置情報を受信する。車載機は、受信した位置情報と、測位用の信号を送信した時点から位置情報を受信した時点までの間に走行した走行距離とに基づいて、自車位置を特定する。これにより、車載機で信号の到達時間差を算出するような複雑な処理機能を備える必要がなく、受信した測位結果を単に走行距離に基づいて補正することにより移動中の自車位置を精度良く特定することができ、簡便かつ安価な構成により自車位置を求めることができる。また、上述の処理を繰り返すことより、移動する自車の位置を逐一特定することが可能となる。
第3発明にあっては、ジャイロセンサ、加速度センサ、地磁気センサ、車輪速センサのうち、少なくとも1つにより走行距離を測定する。
第4発明にあっては、車載機は、予め位置情報が決定されている所定の第1地点で信号を送信する。例えば、光ビーコンとの通信地点を第1地点とすることができる。路側機は、第1地点の位置情報、各受信地点情報、及び第1地点で車載機が送信した信号の各受信部への到達時間差に基づいて、各受信部の計時ずれ(例えば、時刻のずれ)を算出する。例えば、第1地点から第1受信部までの距離をLa1、第1地点から第2受信部までの距離をLa2、第1受信部及び第2受信部への到達時間差をta12、第1受信部と第2受信部との時刻ずれをΔt12、電波の伝播速度をαとすると、ta12−Δt12=(La1−La2)/αという式が成り立つ。他の受信部間についても、同様な式が成り立ち、これらの式に基づいて、時刻ずれを算出することができる。路側機は、第1地点と異なる第2地点で車載機が送信した信号の各受信部への到達時間差、算出した時刻ずれ、及び各受信地点情報に基づいて、車載機の位置情報を生成する。これにより、路側機の各受信部の時刻が同期していない場合であっても、車載機の位置を精度良く求めることが可能となる。
第5発明にあっては、車載機は、所定の第1地点で信号を送信する場合、第1地点で送信した信号であることを示す識別子(例えば、識別フラグ、識別ビットなど)を送信する。この場合、例えば、路側機は、車載機から送信された信号に識別子が含まれている場合にのみ位置情報を生成するようにすれば、所定の第1地点から送信された信号に基づいて測位をすることができ、測位結果の信頼性を向上させることができる。
第6発明にあっては、車載機は、自車が通過する通過地点の位置情報を取得し、その通過地点で取得した通過地点の位置情報を含む信号を送信する。位置情報は、例えば、GPS受信機により信頼性が高い位置情報を取得することができるときがある。また、位置情報は、光ビーコン直下で信号を送信することができない場合において、光ビーコンを通過した直後に信号を送信することができるとき、光ビーコンとの交信地点とその交信地点からの走行距離に基づいて、自車が通過する通過地点の位置情報を取得することができる。これにより、車載機は、位置情報の信頼性が高い地点(通過地点)の位置情報を取得する。なお、この場合、車載機は、車両の暫定識別情報などを送信することができる。路側機は、通過地点の位置情報、各受信地点情報、及び通過地点で車載機が送信した信号の各受信部への到達時間差に基づいて、各受信部の計時ずれ(例えば、時刻のずれ)を算出する。例えば、通過地点から第1受信部までの距離をLa1、通過地点から第2受信部までの距離をLa2、第1受信部及び第2受信部への到達時間差をta12、第1受信部と第2受信部との時刻ずれをΔt12、電波の伝播速度をαとすると、ta12−Δt12=(La1−La2)/αという式が成り立つ。他の受信部間についても、同様な式が成り立ち、これらの式に基づいて、時刻ずれを算出することができる。路側機は、通過地点と異なる第2地点で車載機が送信した信号の各受信部への到達時間差、算出した時刻ずれ、及び各受信地点情報に基づいて、車載機の位置情報を生成する。すなわち、上述の通過地点で信頼性の高い位置情報を取得することで、その地点を基点として、その後の走行地点(第2地点)の位置は相対測位により求める。これにより、ある地点(例えば、通過地点)で一旦精度の高い位置情報を取得すれば、その後の走行状態では、精度の高い情報を取得することができなくても、精度の高い位置を測位し続けることができる。また、路側機の各受信部の時刻が同期していない場合であっても、また、所定の第1地点で信号を送信することができない場合であっても、車載機の位置を精度良く求めることが可能となる。
第7発明にあっては、車載機は、通過地点で送信する該通過地点の位置情報の信頼性を示す信頼情報を路側機へ送信する。路側機は、受信した信頼情報で示される信頼性が高い場合には、車載機の位置情報を生成し、信頼性が低い場合には、車載機の位置情報の生成を停止する。これにより、通過地点で取得する該通過地点の信頼性の高い位置情報に基づいて、車載機の位置情報を生成することができる。
第8発明にあっては、車載機は、自車が所定の領域内に存在することを示す情報を取得する。所定の領域は予め設定しておくことができ、例えば、自車位置の測位を行うことができる領域である。また、情報の取得は、例えば、光ビーコンとの間の路車間通信により行うことができる。車載機は、所定の領域内に存在すると判定した場合、信号を送信する。これにより、車載機から測位用の信号が不用意に送信されることを防止して通信トラフィック量を低減することができる。
第9発明にあっては、車載機は、所定の領域外に存在すると判定した場合、信号の送信を停止する。これにより、車載機から測位用の信号が不用意に送信されることを防止して通信トラフィック量を低減することができる。
第10発明にあっては、路側機は、車載機が所定の領域内に存在することを示す情報を取得する。所定の領域は予め設定しておくことができ、例えば、自車位置の測位を行うことができる領域である。また、上述の情報は、例えば、光ビーコンなどの路車間通信を通じて取得することができる。路側機は、車載機が所定の領域外に存在すると判定した場合、その車載機の位置情報の生成又は送信を停止する。これにより、路側機は、所定の領域内に存在する車載機にだけ測位結果を送信すればよく、通信トラフィック量を低減することができる。また、路側機は、必要な車載機に対してだけ測位処理を行えばよく、路側機での不要な処理を低減することができる。
第11発明にあっては、車載機の通過を感知することができる感知装置(例えば、路側機、感知器など)は、車載機が所定の領域内に存在すると判定した場合、所定の領域内でのみ有効な暫定識別情報を車載機へ送信する。車載機は、暫定識別情報を取得し、取得した暫定識別情報を付加して測位用の信号を送信する。路側機は、同じ暫定識別情報が付加された信号の各受信部への到達時間差を算出する。これにより、測位用の信号を送信して測位要求を行う車載機が同時に多数存在する場合であっても、個々の車載機を識別して測位結果をそれぞれの車載機へ送信することができる。また、車載機の識別に所定の領域内でのみ有効な暫定的な識別情報を用いることにより、すべての車載機に固有の識別情報を予め設定しておくという非現実的な処置を行う必要がなく、また、一旦設定された固有の識別情報が盗用されるなどのセキュリティ面における脆弱性も回避することが可能となる。
第12発明にあっては、光ビーコンで暫定識別情報を送信することにより、所定の領域を多数の車両が同時に移動する場合でも、個々の車両に搭載した車載機との間で確実に情報の送受信を行うことができる。
第13発明にあっては、路側機は、測位結果である車載機の位置情報を送信する場合、送信の都度、複数の車載機の位置情報を送信する。これにより、1回の通信で多数の車載機の位置情報をまとめて送信して、通信トラフィック量を低減することができる。
第14発明にあっては、路側機は、前回生成した位置情報と今回生成した位置情報とに基づいて、車載機の移動距離を算出する。なお、車載機の特定には、車載機の暫定識別情報を用いることができる。車載機が所定の距離を移動した場合には、位置情報を前記車載機へ送信する。すなわち、車載機が所定の距離を移動していない場合には、位置情報を前記車載機へ送信しない。これにより、車両が低速度で走行しているような場合には、車両の走行距離も短いため、自車位置の特定を頻繁に行うことを防止して通信トラフィックを軽減することができる。
第15発明にあっては、車載機は、道路情報を取得し、取得した道路情報に基づいて自車位置を特定する。この場合、2つの受信部を備えることにより、自車位置を特定することができる。すなわち、2つの受信部への信号の到達時間差に基づいて、車載機の位置を1つの双曲線上に特定することができ、さらに地図データベースなどから、道路形状情報を取得して、双曲線と道路が交差する位置を自車の位置として特定することもできる。
第16発明にあっては、路側機は、受信部それぞれで受信時点の計時を同期させる。同期の方法は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星が送信した信号(例えば、約10MHzの基準発振周波数の信号)を各受信部で受信し、受信した信号に基づいて計時の周期を決定する。あるいは、一の受信部から他の受信部へ所定周期(周波数)の周期調整信号を送信する。他の受信部は、周期調整信号を受信し、受信した周期調整信号に基づいて、基準周期信号の周期(周波数)を調整する。各受信部は、同期した基準周期信号に基づいて計時の周期を決定する。これにより、受信部間の時刻を同期(一致)させる。これにより、車載機が送信した信号の到達時間差を精度良く算出することができ、自車位置を精度良く特定することができる。
第17発明にあっては、車載機は、所定の地点で同期用の信号を送信する。所定の地点は、例えば、光ビーコンとの間の路車間通信を行う通信地点とすることができる。路側機は、所定の地点の位置情報を記憶してあり、車載機が送信した同期用の信号を受信し、各受信部の到達時間差を算出する。路側機は、算出した到達時間差及び所定の地点の位置情報に基づいて、各受信部の計時を同期させる。例えば、所定の地点と2つの受信部の受信地点との距離により2つの受信部の到達時間差が300nsである場合に、実際に受信した同期用の信号の到達時間差が350nsであるときは、一方の受信部の時刻が50nsずれていることが判明する。一方の受信部の時刻を50nsだけ補正することで両受信部の時刻を一致(同期)させることができる。これにより、車載機が送信した信号の到達時間差を精度良く算出することができ、自車位置を精度良く特定することができる。
本発明にあっては、車載機で信号の到達時間差を算出するような複雑な処理機能を備える必要がなく、簡便かつ安価な構成により移動中の自車位置を精度良く特定することができる。
以下、本発明を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る通信システムの概要を示す模式図である。本発明に係る通信システムは、特に、路車間通信システムとして実現することができ、光ビーコン10、車両に搭載された車載機20、車載機20が送信する測位用の信号を受信する第1受信部31、第2受信部32、第3受信部33を有する路側機30などを備えている。図1に示すように、路側機30の各受信部31、32、33は、道路付近の所定の位置に離隔して設置されている。また、光ビーコン10は、投受光器を備えた通信部11を通じて、道路上の所定の通信領域Rにおいて、車載機20と通信可能に設置してある。
本発明に係る通信システムでは、車載機20は、自車が光ビーコン10との通信領域Rに進入することで道路上の測位領域M(例えば、移動中の自車の位置を特定することができるサービス領域)に存在すると判定した場合、測位用の信号を各受信部31、32、33へ送信する。路側機30は、各受信部31、32、33で測位用の信号を受信し、受信した信号の到達時間差(受信時間差)を算出する。路側機30は、予め各受信部31、32、33の設置位置、すなわち、信号の受信地点情報を記憶してあり、各受信部31、32、33の受信地点及び算出した到達時間差に基づいて、車載機20の位置情報を算出(生成)し、算出した位置情報を測位結果として車載機20へ送信する。車載機20は、測位用の信号を送信した時点から測位結果である自車の位置情報を受信するまでの間の自車の走行距離、走行方位などに基づいて、測位結果を補正して自車位置を特定する。さらに自車が走行した場合、車載機20は、同様にして自車の位置を繰り返し特定するものである。なお、図1において、道路は1車線のみ示しているが、道路の車線数は1車線に限定されるものではなく、各車線に対して光ビーコン10の投受光器を配置することにより、複数の車線を有する道路であっても、本発明を適用することができる。以下詳細に説明する。
図2は本発明に係る通信システムの構成を示すブロック図である。光ビーコン10は、投受光器を備え、車載機20との通信機能を有する通信部11、光ビーコン10の動作を制御する制御部12、中央装置40との通信機能を備える端末通信部13、車載機20との通信領域Rに関する位置情報及び第1受信部31、第2受信部32、第3受信部33に関する位置情報を記憶する記憶部14などを備えている。光ビーコン10の記憶部14に記憶する各種情報は、中央装置40から受信することができる。なお、記憶部14に記憶する各種情報は、光ビーコン10を設置する際に、記憶部14に予め記憶することもできる。
車載機20は、赤外線を利用して光ビーコン10との通信機能を有する第1通信部21、路側機30との通信機能を有する第2通信部22、車載機20の動作を制御する制御部23、記憶部24、表示部25、操作部26、インタフェース部27などを備えている。また、インタフェース部27には、ジャイロセンサ50、車速センサ60を接続してあり、インタフェース部27は、車両の走行方位、車両速度を示す信号を取得し、取得した走行方位情報、車両速度情報を制御部23へ出力する。なお、車載機20は、GPS(Global Positioning System)受信機能、地図データベース(いずれも不図示)などを備えることもできる。
第1通信部21は、光ビーコン10から送信されるダウンリンク情報を受信するとともに、光ビーコン10に対してアップリンク情報を送信する。
図3は光ビーコン10と車載機20との間の双方向通信を説明する説明図である。図3に示すように、車載機20が光ビーコン10と通信可能な通信領域Rは、自車Cの進行方向上流側の領域R1と下流側の領域R2とに分けられている。領域R1は、光ビーコン10から車載機20に対してダウンリンク情報を送信することができるとともに、車載機20から光ビーコン10に対してアップリンク情報を送信することができる領域である。一方、領域R2は、光ビーコン10から車載機20に対してダウンリンク情報を送信することができる領域である。
光ビーコン10は、例えば、車線通知情報を含むダウンリンク情報を道路上の通信領域Rに対して所定のダウンリンク周期で繰り返し送信する。車載機20を搭載した自車Cが通信領域R内に進入した場合、第1通信部21は、ダウンリンク情報を受信し、受信したダウンリンク情報を制御部23へ出力する。制御部23は、第1通信部21を通じて、ダウンリンク情報を受信することで自車Cが通信領域R内に存在していることを判定する。
車載機20は、ダウンリンク情報を受信した場合、第1通信部21を通じて光ビーコン10に対して、アップリンク情報を所定のアップリンク周期で繰り返し送信する。
光ビーコン10は、車載機20からアップリンク情報を受信した場合、ダウンリンクの切替を行い、その車載機20に対して付与する暫定IDを含むダウンリンク切替後のダウンリンク情報を車載機20に対して送信する。暫定IDは、個々の車載機20を識別するためのものであり、車載機20が測位領域M内に存在する間、有効なものとして使用される。なお、暫定IDは、光ビーコン10から送信することもできるが、路側機30、他の無線機などから送信するようにすることもできる。
また、光ビーコン10は、路側機30からの指令により、路側機30の各受信部31、32、33の時刻を同期させるための同期用信号の送信要求をダウンリンク情報に含めて車載機20へ送信する。
第1通信部21は、ダウンリンク切替後のダウンリンク情報を受信し、受信したダウンリンク情報を制御部23へ出力する。
制御部23は、車載機20が通信領域R内に存在する(進入した)と判定した場合、自車位置の特定(測位)を行うため、第2通信部22を通じて測位用の信号を送信する。また、制御部23は、同期用信号の送信要求を受信した場合、第2通信部22を通じて同期用の信号を送信する。
第2通信部22は、例えば、VHF/UHF帯の周波数帯域の電波を路側機30に対して送信する。第2通信部22は、基準クロック信号を生成する水晶発振器、基準クロック信号に基づいて動作する時計、タイマ、又はカウンタ等の計時機構、搬送波生成回路、変調回路等(不図示)を備え、基準クロック信号に基づいて所定の信号(例えば、周波数が10kHz程度の矩形波信号)を生成する。第2通信部22は、生成した信号に基づいて搬送波(例えば、周波数が100MHz程度、200MHz程度、あるいは700MHz程度など)を周波数変調し、アンテナ(不図示)を通じて変調後の搬送波を送信する。また、第2通信部22は、信号を送信した送信時点を制御部23へ出力する。
また、第2通信部22は、復調回路を備え、路側機30が送信した電波を受信し、受信した電波を復調して元の信号を抽出する。第2通信部22は、抽出した信号に基づいて、信号の受信時点を算出し、算出した受信時点を制御部23へ出力する。なお、車載機20が使用する周波数帯域は、一例であって、VHF/UHF帯に限定されるものではなく、他の周波数帯域でもよい。例えば、自動車専用として割り当てられている5.8GHz帯を使用してもよく、また、携帯電話、PHS等で使用する周波数帯域を使用することも可能である。
制御部23は、第2通信部22を通じて、路側機30が送信した自車の位置情報(測位結果)を受信し、位置情報を受信した受信時点と測位用の信号を送信した送信時点との時間差に基づいて自車位置を特定する。すなわち、測位結果である自車位置は、車載機20が測位用の信号を送信した時点での自車位置であり、測位結果を受信するまでの間に自車の位置は変化する。従って、車載機20が測位用の信号を送信した時点から測位結果である自車の位置情報を受信するまでの間の自車の走行距離、走行方位などに基づいて、測位結果を補正して自車位置を特定する。
路側機30は、車載機20が送信した測位用の信号を受信する第1受信部31、第2受信部32、第3受信部33、車載機20へ測位結果を送信する送信部34、路側機30全体の動作を制御する制御部35、所定の情報を記憶する記憶部36などを備えている。
第1受信部31は、基準クロック信号を生成する水晶発振器、基準クロック信号に基づいて動作する時計、タイマ、又はカウンタ等の計時機構、復調回路などを備え、車載機20が送信した電波を受信し、受信した電波を復調して元の信号を抽出する。第1受信部31は、抽出した信号に基づいて、信号の受信時点を算出し、算出した受信時点を制御部35へ出力する。なお、所定の時間内に、複数回にわたって受信時点を算出した上で、これらの平均値又は中央値等を用いることもできる。このような方法によれば、ノイズ等による影響を低減し、安定した受信時点を得ることができる。なお、信号の受信時点の算出は、信号波形の立ち上がり部分のみならず、立ち下り部分で算出することもできる。
第2受信部32、第3受信部33は、第1受信部31と同様の構成を有し、車載機20が送信した電波を復調して元の信号を抽出し、抽出した信号に基づいて、信号の受信時点を算出し、算出した受信時点を制御部35へ出力する。
また、第1受信部31は、制御部35の指令又は所定の時間間隔により、基準クロック信号を第2受信部32、第3受信部33へ送信する。第2受信部32、第3受信部33それぞれは、送信された基準クロック信号及び第1受信部31から第2受信部32及び第3受信部33までの基準クロック信号の伝播時間に基づいて、時計、タイマ、又はカウンタ等の計時機構を補正する。これにより、各受信部31、32、33における時刻を一致(同期)させる。
制御部35は、各受信部31、32、33で算出した信号の受信時点に基づいて、各受信部31、32、33での信号の到達時間差(受信時間差)を算出する。制御部35は、算出した到達時間差、各受信部31、32、33の位置情報に基づいて、車載機20の位置情報を算出し、送信部34を通じて、算出した位置情報(測位結果)を車載機20へ送信する。
送信部34は、例えば、VHF/UHF帯の周波数帯域の電波を車載機20に対して送信する。送信部34は、基準クロック信号を生成する水晶発振器、搬送波生成回路、変調回路等(不図示)を備え、基準クロック信号に基づいて所定の信号(例えば、周波数が10kHz程度の矩形波信号)を生成する。送信部34は、制御部35の制御のもと、生成した信号に基づいて搬送波(例えば、周波数が100MHz程度、200MHz程度、あるいは700MHz程度など)を周波数変調し、アンテナ(不図示)を通じて変調後の搬送波を送信する。なお、路側機30が使用する周波数帯域は、一例であって、VHF/UHF帯に限定されるものではなく、他の周波数帯域でもよい。例えば、自動車専用として割り当てられている5.8GHz帯を使用してもよく、また、携帯電話、PHS等で使用する周波数帯域を使用することも可能である。
図4は信号の到達時間差の算出例を示す説明図である。図4は、車載機20が送信した信号を第1受信部31、第2受信部32で受信した信号波形を模式的に示すものである。図4に示すように、例えば、車載機20から第1受信部31までの距離が、車載機20から第2受信部32までの距離より短いとすると、車載機20が送信した信号は、第1受信部31に先に到達し、第2受信部32にはΔT1だけ遅れて信号が到達する。以下、到達時間差ΔT1に基づいて、車載機20の位置を算出する方法について説明する。
図5は信号の到達時間差に基づいて車載機20の位置を算出する例を示す説明図である。図5に示すように、第1受信部31、第2受信部32を通る直線をx軸とし、第1受信部31、第2受信部32の中点を通りx軸に垂直な直線をy軸とする。xy座標において、第1受信部31のx座標を(a2 +b2 )の2分の1乗とし、第2受信部32のx座標を(a2 +b2 )の2分の1乗に−1を積算した値とする。この場合、車載機20から第1受信部31までの距離と第2受信部32までの距離との距離差が一定である位置は、式(1)で表すことができる。これは、第1受信部31、第2受信部32の位置を焦点とする双曲面である。なお、この場合、車載機20、第1受信部31、第2受信部32の高さは一致しているものとする。
Figure 2008292316
すなわち、図5に示すように、例えば、到達時間差がΔT1である場合、ΔT1に基づいて、車載機20の位置から第1受信部31までの距離と、車載機20の位置から第2受信部32までの距離との距離差を算出することができ、車載機20の位置は、図中ΔT1で示す双曲面上にある。車載機20、第1受信部31及び第2受信部32の路面からの高さが一致している場合、車載機20の位置は、双曲線上に特定することができる。例えば、車載機20等の高さを予め決定しておくことで車載機20の位置を双曲線上に特定することができる。
次に具体的な数値例を用いて説明する。第1受信部31、第2受信部32が20m離隔して設置されているとする。第1受信部31で受信した信号が、第2受信部32で受信した信号よりも20ナノ秒早く到達したとすると、到達時間差は20ナノ秒となる。信号の伝播速度を光速とすると、第1受信部31から車載機20までの距離は、第2受信部32から車載機20までの距離よりも6m短くなる。
車載機20の位置を(x、y)とすると、車載機20の位置は、式(2)で表される曲線上にある。式(2)を演算すると式(3)を導くことができ、車載機20は、式(3)で表される双曲線上にあることになる。
同様に、第1受信部31、第3受信部33を通る直線をx軸とし、第1受信部31、第3受信部33の中点を通りx軸に垂直な直線をy軸とすると、車載機20の位置は、第1受信部31までの距離と第3受信部33までの距離との距離差が一定である位置、すなわち第1受信部31、第3受信部33の位置を焦点とする双曲線上にある。最終的に、車載機20の位置は、2つの双曲線の交点として特定することができる。
表示部25は、ヘッドアップディスプレイ、カーナビゲーションシステム又は監視モニタなどの液晶表示パネルであり、運転者に対して、各種交通情報を表示することができる。例えば、交差点又は停止線までの距離、交差点を安全に走行できない場合の警告等を表示する。
操作部26は、各種操作パネルを備え、運転者と車載機20とのユーザインタフェースとして機能する。例えば、操作部26は、運転者の操作により車載機20の動作の開始又は停止の操作を受け付ける。
図6は信号に含まれるデータ構造の例を示す説明図である。図6(a)は車載機20が送信する測位用の信号(同期用の信号も含む)に含まれるデータ構造例であり、図6(b)は路側機30が送信する測位結果を示す信号に含まれるデータ構造例である。図6(a)に示すように、車載機20が送信する信号は、例えば、測位用信号として使用するプリアンブルとデータ領域とで構成され、データ領域には、測位要求を示す測位要求フラグ、個々の車載機20を識別するための暫定ID、所定の第1地点から送信した信号であることを示すフラグなどの情報を含む。路側機30は、車載機20から送信された信号に前記フラグが含まれている場合にのみ位置情報を生成するようにすれば、所定の第1地点から送信された信号に基づいて測位をすることができ、測位結果の信頼性を向上させることができる。
また、路側機30の各受信部31、32、33の時刻を同期させるための同期用の信号の場合、データ領域には、同期用の信号であることを示す同期フラグ、信号の送信地点が光ビーコンの通信領域Rであることを示す送信地点情報、車載機20のアンテナの高さに関する情報などを含む。これにより、路側機30は、同期用の信号を受信した場合、光ビーコン10の通信領域R、アンテナの高さに基づいて、同期用の信号の送信地点を特定することができる。
路側機30が送信する測位結果を示す信号は、プリアンブルとデータ領域とで構成され、データ領域には、暫定ID毎に測位結果である車載機の位置情報が複数含まれている。これにより、1回の通信で多数の車載機の位置情報をまとめて送信することができ、通信トラフィック量を低減することができる。
図7は信号の受信時点を求める例を示す説明図である。図7(a)の上段は車載機20から受信した信号の例を模式的に示し、下段は路側機30が予め記憶している相関処理(パターンマッチング)を行うためのレプリカ信号である。図7(a)に示すように、路側機30で受信した信号及びレプリカ信号を所定の時間間隔でサンプリングし、波形とレプリカ信号の波形が一致する場合、図7(b)に示すように両信号の相関値が鋭いピークを示す。図7(b)に示すように、制御部35は、相関値の鋭いピークが取れた時点で、信号の受信時点を求める。なお、マルチパスによる遅延波の影響がある場合、相関は図7(c)のようにピークが2つ以上生じる。
図8は路側機30の各受信部31、32、33の時刻を同期させる方法を示す説明図である。光ビーコン10の通信領域Rに存在する車載機20が送信した同期用の信号を各受信部31、32、33で受信し、受信した信号の到達時間差に基づいて、時刻ずれを修正する。図8(a)は、各受信部31、32、33の時刻が同期している場合の相関値を示す。例えば、同期用の信号を送信した地点(位置が既知)から第1受信部31、第2受信部32、第3受信部33までの距離が、それぞれ45m、15m、135mであるとすると、第1受信部31と第2受信部32との到達時間差は100nsとなり、第1受信部31と第3受信部33との到達時間差は300nsとなる。
図8(b)に示すように、実際に受信した同期用の信号に基づいて到達時間差を算出した結果、仮に第1受信部31と第2受信部32との到達時間差は100nsとなり、第1受信部31と第3受信部33との到達時間差は350nsとなった場合には、第3受信部33の時刻が進んでいることが判明するので、第3受信部33の時刻を50ns遅らせるように補正すれば、第3受信部33の時刻を第1受信部31及び第2受信部32の時刻に同期(一致)させることができる。
また、各受信部31、32、33の時刻がすべて同期していない場合でも、車載機20が送信した同期用の信号と、その後に送信した測位用の信号との到達時間差の差分を求めることにより、各受信部31、32、33の時刻が同期していない場合でも、車載機20の位置を求めることができる。以下、車載機の位置を特定する例を説明する。
図9は車載機20の位置を特定する例を示す説明図であり、図10は車載機20の処理手順を示すフローチャートであり、図11は路側機30の処理手順を示すフローチャートである。図9に示すように、車載機20は、光ビーコン10との通信領域R内の地点A(Xa、Ya、Za)で同期用の信号を送信し、その後地点B(Xb、Yb、Zb)で測位用の信号(測位要求信号)を送信する。その後、地点Cで路側機30から測位結果を受信するとする。また、第1受信部31の設置位置の座標を(X1、Y1、Z1)、第2受信部32の設置位置の座標を(X2、Y2、Z2)、第3受信部33の設置位置の座標を(X3、Y3、Z3)とする。また、地点Aと第1受信部31との距離をLa1、地点Aと第2受信部32との距離をLa2、地点Aと第3受信部33との距離をLa3とする。まず、図10に従って、車載機20の処理について説明する。
車載機20は、自車が所定の通信領域R内にあるか否かを判定し(S11)、通信領域R内にない場合(S11でNO)、ステップS11の処理を続け、自車が通信領域R内に存在するまで待機する。通信領域R内に自車が存在すると判定した場合(S11でYES)、車載機20は、通信領域R内の地点Aにおいて同期用の信号を送信する(S12)。
同期用の信号を送信した後、所定の時間経過後に、車載機20は、地点Bにおいて測位要求信号(測位用の信号)を送信し(S13)、測位結果を受信したか否かを判定する(S14)。測位結果を受信していない場合(S14でNO)、車載機20は、ステップS14の処理を続け、測位結果を受信するまで待機する。
地点Cで測位結果を受信した場合(S14でYES)、車載機20は、測位要求信号の送信時刻(送信時点)と測位結果の受信時刻(受信時点)の時間差を取得し(S15)、取得した時間差の間の走行方位、走行距離を算出する(S16)。なお、車載機20は、測位結果を受信する場合、信号に複数の暫定IDが含まれるときには、自分の暫定IDに対応する測位結果のみを抽出する。
車載機20は、算出した走行方位、走行距離に基づいて、測位結果を補正する(S17)。これにより、測位要求を送信した後、測位結果を受信するまでの時間差があり、この間に自車位置が移動したとしても、測位結果を有効に活用して自車位置(地点Cの位置)を特定することができる。
車載機20は、所定時間経過したか否かを判定し(S18)、所定時間経過していない場合(S18でNO)、ステップS13以降の処理を続ける。所定時間経過した場合(S18でYES)、車載機20は、処理を終了する。車載機20は、処理を終了することにより、光ビーコン10から受信した暫定IDを無効化(破棄)する。所定時間は、車載機20が測位領域Mに存在するか否かを判定するために予め設定したものであり、測位領域Mの道路上の距離、車両の平均速度などに応じて決定することができる。
なお、測位領域M内に存在するか否かは、所定時間の経過により判定する方式に限定されるものではない。例えば、光ビーコン10との通信領域Rからの走行距離を時々刻々の車両位置から算出し、その走行距離が通信領域Rから測位領域Mの終端(例えば、停止線、交差点から200m超えた地点など)までの距離を越えたか否かで判定することもできる。また、車両の位置が測位領域Mの終端の位置に一致したか否かで判定することもできる。また、測位領域Mの終端に設置された光ビーコンを通過したか否かで判定することもできる。さらに、光ビーコン10との送受信による判定だけでなく、車載機20から受信した信号に基づいて測位した車載機20の位置と測位領域Mとを比較して、測位領域M内に存在するか否かを判定することもできる。これにより、車載機20から測位用の信号が不用意に送信されることを防止して通信トラフィック量を低減することができる。
また、路側機30は、車載機20が測位領域M外に存在すると判定した場合、その車載機20の位置情報の生成を停止する。なお、路側機30は、車載機20が測位領域M外に存在すると判定した場合、その車載機20の位置情報の送信を停止してもよい。これにより、路側機30は、測位領域M内に存在する車載機20にだけ測位結果を送信すればよく、通信トラフィック量を低減することができる。また、路側機30は、必要な車載機に対してだけ測位処理を行えばよく、路側機30での不要な処理を低減することができる。
次に図11に従って、路側機30の処理について説明する。路側機30は、同期用信号を受信したか否かを判定し(S31)、同期用信号を受信していない場合(S31でNO)、ステップS31の処理を続け、同期用信号を受信するまで待機する。車載機20が地点Aにおいて送信した同期用信号を受信した場合(S31でYES)、路側機30は、同期用信号の到達時間差を算出する(S32)。
この場合、第1受信部31及び第2受信部32で受信した同期用信号の到達時間差をta12、第2受信部32及び第3受信部33で受信した同期用信号の到達時間差をta23、第3受信部33及び第1受信部31で受信した同期用信号の到達時間差をta31とする。
路側機30は、測位要求信号(測位用の信号)を受信したか否かを判定し(S33)、測位要求信号を受信していない場合(S33でNO)、ステップS33の処理を続け、測位要求信号を受信するまで待機する。車載機20が地点Bにおいて送信した測位要求信号を受信した場合(S33でYES)、路側機30は、測位要求信号の到達時間差を算出する(S34)。
この場合、第1受信部31及び第2受信部32で受信した測位要求信号の到達時間差をtb12、第2受信部32及び第3受信部33で受信した測位要求信号の到達時間差をtb23、第3受信部33及び第1受信部31で受信した測位要求信号の到達時間差をtb31とする。
路側機30は、各受信部の時刻ずれを算出済であるか否かを判定し(S35)、算出済みでない場合(S35でNO)、時刻ずれを算出する(S36)。第1受信部31及び第2受信部32での時刻ずれをΔt12、第2受信部32及び第3受信部33での時刻ずれをΔt23、第3受信部33及び第1受信部31での時刻ずれをΔt31とすると、時刻ずれは、式(4)を演算することにより算出することができる。ここで、αは電波の伝播速度である。
Figure 2008292316
路側機30は、車載機20の位置、すなわち、地点Bの位置を算出する(S37)。地点Bの位置を(Xb、Yb、Zb)とすると、Zbは既知として、式(5)、式(6)から地点Bの位置を求めることができる。各受信部の時刻ずれを算出済みである場合(S35でYES)、路側機30は、ステップS37の処理を行う。
路側機30は、他の暫定IDの有無を判定し(S38)、他の暫定IDがある場合(S38でYES)、ステップS34以降の処理を続ける。他の暫定IDがない場合(S38でNO)、路側機30は、測位結果を車載機20へ送信する(S39)。路側機30は、処理終了指示の有無を判定し(S40)、終了指示がない場合(S40でNO)、ステップS33以降の処理を続ける。終了指示がある場合(S40でYES)、路側機30は、処理を終了する。
路側機30は、同期用信号、測位要求信号を受信する際、信号に含まれる暫定IDの有無を判定し、暫定IDがある場合には、上述の処理を行い、受信した信号に暫定IDが含まれていない場合、その信号を受信しない。これにより、路側機30は、測位領域M内に存在する車載機20にだけ測位結果を送信すればよく、通信トラフィック量を低減することができる。また、路側機30は、必要な車載機20に対してだけ測位処理を行えばよく、路側機30での不要な処理を低減することができる。
以上説明したように、本発明にあっては、車載機で信号の到達時間差を算出するような複雑な処理機能を備える必要がなく、受信した測位結果を単に走行距離、走行方位に基づいて補正することにより移動中の自車位置を精度良く特定することができ、簡便かつ安価な構成により自車位置を求めることができる。また、上述の処理を繰り返すことより、移動する自車の位置を逐一特定することが可能となる。
また、路側機の各受信部の時刻が同期していない場合であっても、車載機の位置を精度良く求めることが可能となる。また、車載機から測位用の信号が不用意に送信されることを防止して通信トラフィック量を低減することができる。また、路側機は、所定の領域内に存在する車載機にだけ測位結果を送信すればよく、通信トラフィック量を低減することができる。また、また、路側機は、必要な車載機に対してだけ測位処理を行えばよく、路側機での不要な処理を低減することができる。
また、測位用の信号を送信して測位要求を行う車載機が同時に多数存在する場合であっても、個々の車載機を識別して測位結果をそれぞれの車載機へ送信することができる。また、車載機の識別に所定の領域内でのみ有効な暫定的な識別情報を用いることにより、すべての車載機に固有の識別情報を予め設定しておくという非現実的な処置を行う必要がなく、また、一旦設定された固有の識別情報が盗用されるなどのセキュリティ面における脆弱性も防ぐことが可能となる。また、所定の領域を多数の車両が同時に移動する場合でも、個々の車両に搭載した車載機との間で確実に情報の送受信を行うことができる。また、1回の通信で多数の車載機の位置情報をまとめて送信して、通信トラフィック量を低減することができる。
上述の実施の形態では、第1受信部から基準クロック信号を送信して各受信部での時刻を同期させる構成であったが、これに限定されるものではなく、GPS等を含むGNSS(Global Navigation Satellite System)衛星が送信する信号を各受信部で受信し、受信した信号から基準発振周波数(例えば、約10MHz)の信号を抽出し、抽出した基準発振周波数の信号に基づいて、基準クロック信号の周期(周波数)を調整し、各受信部の時刻を同期させることもできる。
上述の実施の形態において、車載機が送信する信号の波形は、矩形波形に限定されるものではなく、正弦波形であってもよい。この場合、各受信部は、位相検出器(不図示)を備え、車載機が送信した信号を受信し、受信した信号を位相検出器へ出力する。位相検出器は、各信号の位相差を検出し、これにより、簡便な構成で信号の到達時間差ΔTを算出することができる。
上述の実施の形態では、車載機が信号を変調して送信し、各受信部では復調して元の信号を抽出し、信号の到達時間差を算出する構成であったが、これに限定されるものではなく、車載機で、信号を直交周波数多重方式の周波数が異なる搬送波に割り当て、信号が割り当てられた搬送波を送信する。例えば、送信する信号に逆フーリエ変換して周波数の異なる少なくとも1つのサブキャリア(搬送波)に変換し、変換した信号をDA変換して車載機から路側機へ送信する。路側機の各受信部は、送信された搬送波をAD変換し、変換後の信号をレプリカ信号とパターンマッチングすることで相関を求めて信号の到達時間差を算出することができる。これにより、他の帯域における通信との干渉を少なくしつつ周波数帯の利用効率を向上させることができる。
上述の実施の形態では、路側機は3つの受信部を備える構成であったが、これに限定されるものではなく、受信部を2つ備える構成でもよい。この場合、2つの受信部への信号の到達時間差に基づいて、車載機の位置を1つの双曲線上に特定することができ、さらに地図データベースなどから、道路形状情報を取得して、双曲線と道路が交差する位置を自車の位置として特定することもできる。
上述の実施の形態では、路側機に各受信部を含む構成であったが、各受信部を別個の受信装置として構成することもできる。また、路側機の送信部は、各受信部のいずれかに統合させることもできる。
上述の実施の形態では、車速センサにより車両の速度を取得する構成であったが、車載機が送信した信号の周波数成分と各受信部で受信した信号で抽出した周波数成分とによりドップラー効果を利用して車両の速度を算出することもできる。
上述の実施の形態では、所定の第1地点(地点A)で車載機20が信号を送信し、路側機30で信号の到達時間差を算出する構成であったが、所定の第1地点で車載機20が信号を送信できない事態も起こり得る。このような場合には、車載機20は、自車が通過する通過地点の位置情報を取得し、その通過地点で取得した通過地点の位置情報を含む信号を送信する。位置情報は、例えば、GPS受信機(不図示)により信頼性が高い位置情報を取得することができるときがある。また、位置情報は、光ビーコン10直下で信号を送信することができない場合において、光ビーコン10を通過した直後に信号を送信することができるとき、光ビーコン10との交信地点とその交信地点からの走行距離に基づいて、自車が通過する通過地点の位置情報を取得することができる。例えば、光ビーコン10から交信地点の位置情報を取得した後、10ミリ秒経過した時点で信号を送信する場合において、車速が36km/hであるときは、車両は10cmしか移動しておらず、車両の位置は十分信頼性が高いと考えられる。通過地点は、位置を光ビーコンとの交信地点から10cmずらした地点とすることができる。この場合、車載機20は、送信する位置情報が信頼性の高いものであることを示す情報(フラグ、ビットなど)、車両の暫定ID(暫定識別情報)などを送信することができる。路側機30は、通過地点の位置情報、各受信地点情報、及び通過地点で車載機20が送信した信号の各受信部31〜33への到達時間差に基づいて、各受信部31〜33の計時ずれ(例えば、時刻のずれ)を算出する。例えば、通過地点から第1受信部31までの距離をLa1、通過地点から第2受信部32までの距離をLa2、第1受信部31及び第2受信部32への到達時間差をta12、第1受信部31と第2受信部32との時刻ずれをΔt12、電波の伝播速度をαとすると、ta12−Δt12=(La1−La2)/αという式が成り立つ。他の受信部間についても、同様な式が成り立ち、これらの式に基づいて、時刻ずれを算出することができる。路側機30は、通過地点と異なる第2地点で車載機20が送信した信号の各受信部への到達時間差、算出した時刻ずれ、及び各受信地点情報に基づいて、車載機20の位置情報を生成する。すなわち、上述の通過地点で信頼性の高い位置情報を取得することで、その地点を基点として、その後の走行地点(第2地点)の位置は相対測位により求める。これにより、ある地点(例えば、通過地点)で一旦精度の高い位置情報を取得すれば、その後の走行状態では、精度の高い情報を取得することができなくても、精度の高い位置を測位し続けることができる。これにより、路側機30の各受信部31〜33の時刻が同期していない場合であっても、車載機20の位置を精度良く求めることが可能となる。なお、上述の場合において、車載機20は、通過地点で送信する該通過地点の位置情報の信頼性を示す信頼情報を路側機30へ送信することもできる。路側機30は、受信した信頼情報で示される信頼性が高い場合には、車載機20の位置情報を生成し、信頼性が低い場合には、車載機20の位置情報の生成を停止することができる。これにより、通過地点で取得する該通過地点の信頼性の高い位置情報に基づいて、車載機20の位置情報を生成することができる。
上述の実施の形態では、車載機20は、測位要求信号の送信時刻と測位結果の受信時刻の時間差に基づいて走行距離を算出して自車位置を特定する構成であったが、ジャイロセンサ、加速度センサ、地磁気センサ、車輪速センサのうち、少なくとも1つを備えておき、測位要求信号の送信時刻から測位結果の受信時刻までの間に走行した距離を測定し、測位結果である位置情報と走行距離とに基づいて自車位置を特定することもできる。
上述の実施の形態において、路側機30は、前回生成した位置情報と今回生成した位置情報とに基づいて、車載機20の移動距離を算出し、車載機20が所定の距離を移動した場合には、位置情報を車載機20へ送信し、車載機20が所定の距離を移動していない場合には、位置情報を車載機20へ送信しないようにすることもできる。この場合、車載機20の特定には、車載機20の暫定IDなどを用いることができる。これにより、車両が低速度で走行しているような場合には、車両の走行距離も短いため、自車位置の特定を頻繁に行うことを防止して通信トラフィックを軽減することができる。
開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明に係る通信システムの概要を示す模式図である。 本発明に係る通信システムの構成を示すブロック図である。 光ビーコンと車載機との間の双方向通信を説明する説明図である。 信号の到達時間差の算出例を示す説明図である。 信号の到達時間差に基づいて車載機の位置を算出する例を示す説明図である。 信号に含まれるデータ構造の例を示す説明図である。 信号の受信時点を求める例を示す説明図である。 路側機の各受信部の時刻を同期させる方法を示す説明図である。 車載機の位置を特定する例を示す説明図である。 車載機の処理手順を示すフローチャートである。 路側機の処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10 光ビーコン
11 通信部
12 制御部
13 端末通信部
14 記憶部
20 車載機
21 第1通信部
22 第2通信部
23 制御部
24 記憶部
25 表示部
26 操作部
27 インタフェース部
30 路側機
31 第1受信部
32 第2受信部
33 第3受信部
34 送信部
35 制御部
36 記憶部
50 ジャイロセンサ
60 車速センサ

Claims (20)

  1. 車載機と、該車載機が送信した信号を受信する複数の受信部を有する路側機とを備える通信システムであって、
    前記路側機は、
    前記受信部の受信地点情報を記憶するための記憶手段と、
    車載機が送信した信号の各受信部への到達時間差を算出する到達時間差算出手段と、
    該到達時間差算出手段で算出した到達時間差及び各受信地点情報に基づいて、前記車載機の位置情報を生成する位置情報生成手段と、
    該位置情報生成手段で生成した位置情報を前記車載機へ送信する位置情報送信手段と
    を備え、
    前記車載機は、
    前記位置情報を受信する位置情報受信手段と、
    該位置情報受信手段で受信した位置情報及び該位置情報を受信した受信時点と前記信号を送信した送信時点との時間差に基づいて自車位置を特定する特定手段と
    を備えることを特徴とする通信システム。
  2. 車載機と、該車載機が送信した信号を受信する複数の受信部を有する路側機とを備える通信システムであって、
    前記路側機は、
    前記受信部の受信地点情報を記憶するための記憶手段と、
    車載機が送信した信号の各受信部への到達時間差を算出する到達時間差算出手段と、
    該到達時間差算出手段で算出した到達時間差及び各受信地点情報に基づいて、前記車載機の位置情報を生成する位置情報生成手段と、
    該位置情報生成手段で生成した位置情報を前記車載機へ送信する位置情報送信手段と
    を備え、
    前記車載機は、
    前記位置情報を受信する位置情報受信手段と、
    自車の走行距離を測定する測定手段と、
    前記位置情報受信手段で受信した位置情報及び前記測定手段で測定した走行距離に基づいて、自車位置を特定する特定手段と
    を備えることを特徴とする通信システム。
  3. 前記測定手段は、
    ジャイロセンサ、加速度センサ、地磁気センサ、車輪速センサのうち、少なくとも1つにより構成してあることを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
  4. 車載機は、
    所定の第1地点で信号を送信するようにしてあり、
    前記路側機は、
    前記受信部それぞれで受信時点を計時する複数の計時手段と、
    前記第1地点の位置情報を記憶するための記憶手段と、
    前記第1地点の位置情報及び受信地点情報並びに前記第1地点で前記車載機が送信した信号の各受信部への到達時間差に基づいて、計時のずれを算出する計時ずれ算出手段と
    を備え、
    前記位置情報生成手段は、
    前記第1地点と異なる第2地点で前記車載機が送信した信号の各受信部への到達時間差及び前記計時ずれ算出手段で算出した計時ずれ並びに前記受信地点情報に基づいて、前記車載機の位置情報を生成するように構成してあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信システム。
  5. 車載機は、
    前記第1地点で信号を送信する場合、該第1地点で送信した信号であることを示す識別子を送信するように構成してあることを特徴とする請求項4に記載の通信システム。
  6. 車載機は、
    自車が通過する通過地点の位置情報を取得する通過地点情報取得手段と、
    前記通過地点で該通過地点の位置情報を含む信号を送信するようにしてあり、
    前記路側機は、
    前記受信部それぞれで受信時点を計時する複数の計時手段と、
    前記通過地点の位置情報を受信する受信手段と、
    前記通過地点の位置情報及び受信地点情報並びに前記通過地点で前記車載機が送信した信号の各受信部への到達時間差に基づいて、計時のずれを算出する計時ずれ算出手段と
    を備え、
    前記位置情報生成手段は、
    前記通過地点と異なる第2地点で前記車載機が送信した信号の各受信部への到達時間差及び前記計時ずれ算出手段で算出した計時ずれ並びに前記受信地点情報に基づいて、前記車載機の位置情報を生成するように構成してあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信システム。
  7. 車載機は、
    前記通過地点で送信する該通過地点の位置情報の信頼性を示す信頼情報を前記路側機へ送信するようにしてあり、
    前記路側機は、
    前記信頼性に応じて、前記車載機の位置情報の生成を停止する停止手段を備えることを特徴とする請求項6に記載の通信システム。
  8. 車載機は、
    自車が所定の領域内に存在することを示す情報を取得する取得手段を備え、
    前記領域内に存在すると判定した場合、信号を送信するように構成してあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信システム。
  9. 車載機は、
    前記領域外に存在すると判定した場合、信号の送信を停止する停止手段を備えることを特徴とする請求項8に記載の通信システム。
  10. 前記路側機は、
    車載機が所定の領域内に存在することを示す情報を取得する取得手段を備え、
    車載機が前記領域外に存在すると判定した場合、該車載機の位置情報の生成又は送信を停止する停止手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信システム。
  11. 車載機は、
    車両が所定の領域内に存在する場合のみ有効な暫定識別情報を取得する暫定識別情報取得手段を備え、
    該暫定識別情報取得手段で取得した暫定識別情報を付加して信号を送信するようにしてあり、
    前記到達時間差算出手段は、
    同じ暫定識別情報が付加された信号の各受信部への到達時間差を算出するように構成してあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信システム。
  12. 前記暫定識別情報を車載機へ送信する光ビーコンを備えることを特徴とする請求項11に記載の通信システム。
  13. 前記位置情報送信手段は、
    送信の都度、複数の車載機の位置情報を送信するように構成してあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信システム。
  14. 前記路側機は、
    前記位置情報生成手段で生成した位置情報に基づいて、車載機の移動距離を算出する算出手段を備え、
    前記位置情報送信手段は、車載機が所定の距離を移動した場合、位置情報を前記車載機へ送信するように構成してあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信システム。
  15. 前記車載機は、
    道路情報を取得する道路情報取得手段を備え、
    前記特定手段は、
    前記道路情報取得手段で取得した道路情報に基づいて自車位置を特定するように構成してあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信システム。
  16. 前記路側機は、
    前記受信部それぞれで受信時点を計時する複数の計時手段と、
    各計時手段での計時を同期させる同期手段と
    を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信システム。
  17. 車載機は、
    所定の地点で同期用の信号を送信するようにしてあり、
    前記路側機は、
    前記地点の位置情報を記憶するための記憶手段を備え、
    前記到達時間差算出手段は、
    前記車載機が送信した同期用の信号の各受信部への到達時間差を算出するようにしてあり、
    前記同期手段は、
    前記地点の位置情報、及び前記同期用の信号の到達時間差に基づいて、計時を同期させるように構成してあることを特徴とする請求項16に記載の通信システム。
  18. 所定の信号を送信して自車位置を特定する車載機であって、
    前記信号に基づいて生成された自車の位置情報を受信する位置情報受信手段と、
    該位置情報受信手段で受信した位置情報及び該位置情報を受信した受信時点と前記信号を送信した送信時点との時間差に基づいて自車位置を特定する特定手段と
    を備えることを特徴とする車載機。
  19. 所定の信号を送信して自車位置を特定する車載機であって、
    前記信号に基づいて生成された自車の位置情報を受信する位置情報受信手段と、
    自車の走行距離を測定する測定手段と、
    前記位置情報受信手段で受信した位置情報及び前記測定手段で測定した走行距離に基づいて、自車位置を特定する特定手段と
    を備えることを特徴とする車載機。
  20. 信号を受信する複数の受信部を備える路側機であって、
    前記受信部の受信地点情報を記憶するための記憶手段と、
    所定の信号の各受信部への到達時間差を算出する到達時間差算出手段と、
    該到達時間差算出手段で算出した到達時間差及び各受信地点情報に基づいて、前記信号の送信地点の位置情報を生成する位置情報生成手段と、
    該位置情報生成手段で生成した位置情報を出力する出力手段と、
    前記位置情報に応じて、前記出力手段の出力を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする路側機。
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