JP2008290475A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高価な防水仕様を施すことなく、制御装置への水滴の浸入を抑制することが可能な電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】ステアリング軸と、ステアリング軸の外側に設けられるステアリングコラム2と、ステアリング軸に補助操舵トルクを付与する電動モータ20と、電動モータ20を制御する制御装置30と、を備え、ステアリングコラム2の少なくとも一部が制御装置30よりも上方に配置されてなる電動パワーステアリング装置である。ステアリングコラム2を伝って下方へ移動する水滴を遮断する水滴遮断部材40を制御装置30に取り付ける。
【選択図】図2
【解決手段】ステアリング軸と、ステアリング軸の外側に設けられるステアリングコラム2と、ステアリング軸に補助操舵トルクを付与する電動モータ20と、電動モータ20を制御する制御装置30と、を備え、ステアリングコラム2の少なくとも一部が制御装置30よりも上方に配置されてなる電動パワーステアリング装置である。ステアリングコラム2を伝って下方へ移動する水滴を遮断する水滴遮断部材40を制御装置30に取り付ける。
【選択図】図2
Description
本発明は、電動パワーステアリング装置に関する。
従来より、自動車用操舵系において、油圧式や電動式のパワーステアリング装置が提案され、実用化されている。現在においては、ステアリングホイールに印加された操舵トルクに応じて、電動モータで補助操舵トルクを発生し、この補助操舵トルクを所定の操舵機構の出力軸に伝達する電動パワーステアリング装置の開発が進められている。例えばコラムタイプの電動パワーステアリング装置においては、ステアリングコラムの一部が減速ギアボックスで構成され、この減速ギアボックスに電動モータが取り付けられ、この電動モータがECU(制御装置)により制御されている。
ところで、ステアリングコラムを車室外に配置するタイプの電動パワーステアリング装置においては、高価な防水仕様のECU(ケース内部に水滴が入り込まないような構造設計や防水コーティングが施されたもの)を採用している。一方、ステアリングコラムを車室内に配置するタイプの電動パワーステアリング装置においては、比較的安価な非防水仕様のECUを採用する一方、ECUより上方側のステアリングコラムを伝ってくる水滴を堰き止める構造等を採用することにより、間接的に防水を図っていた(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開2003−63426号公報
特開2006−103567号公報
しかし、電動パワーステアリング装置が取り付けられるダッシュボード近傍には、エアコン等が配置されるため、結露等により水滴が発生し、その水滴がステアリングコラムを伝ってECUの内部に浸入して誤動作を招く可能性がある。このような問題は、前記した特許文献1及び2に記載された技術を採用しても充分に解決できないおそれがある。一方、防水仕様のECUを採用すると、装置が高価となってしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高価な防水仕様を施すことなく、制御装置への水滴の浸入を抑制することが可能な電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリング軸と、ステアリング軸の外側に設けられるステアリングコラムと、ステアリング軸に補助操舵トルクを付与する電動モータと、電動モータを制御する制御装置と、を備え、ステアリングコラムの少なくとも一部が制御装置よりも上方に配置されてなる電動パワーステアリング装置であって、ステアリングコラムを伝って下方へ移動する水滴を遮断する水滴遮断部材が制御装置に取り付けられてなるものである。
かかる構成を採用すると、制御装置に水滴遮断部材が取り付けられるため、結露等により水滴が生じ、この水滴がステアリングコラムを伝って下方へ移動した場合においても、水滴が制御装置に浸入することを抑制することができる。従って、制御装置の誤動作の発生を抑制することができる。また、非防水仕様の制御装置に対して水滴遮断部材を設置することができるため、コストを大幅に抑えながら容易に水滴を遮断することが可能となる。
前記電動パワーステアリング装置において、ステアリング軸に対して略垂直な第一の面と、鉛直方向略上方を向くように配置された第二の面と、を有する制御装置を採用するとともに、制御装置の少なくとも第一の面及び第二の面を遮蔽する水滴遮断部材を採用することができる。
また、前記電動パワーステアリング装置において、略平坦な壁部を有する水滴遮断部材を採用することが好ましい。
かかる構成を採用すると、水滴遮断部材に到達した水滴を、略平坦な壁部を伝わせて速やかに外部に排出することができる。
また、前記電動パワーステアリング装置において、耐熱性を有する材料(例えば耐熱性樹脂材料)により構成されてなる水滴遮断部材を採用することが好ましい。
また、前記電動パワーステアリング装置において、耐熱性を有する両面テープにより水滴遮断部材を制御装置に取り付けることができる。また、ねじ留めやかしめにより水滴遮断部材を制御装置に固定することもできる。
また、前記電動パワーステアリング装置において、各種部品への接続部を有する制御装置を採用するとともに、制御装置の接続部をも遮蔽するように構成された水滴遮断部材を採用することができる。
かかる構成を採用すると、制御装置の接続部への水滴の浸入を抑制することが可能となる。
また、前記電動パワーステアリング装置において、制御装置と電動モータとを接続するバスバーを備えることができる。かかる場合において、バスバーをも遮蔽するように構成された水滴遮断部材を採用することができる。
かかる構成を採用すると、制御装置と電動モータとを接続するバスバーへの水滴の浸入を抑制することが可能となる。
本発明によれば、高価な防水仕様を施すことなく、制御装置への水滴の浸入を抑制することができる電動パワーステアリング装置を提供することが可能となる。
以下、図を用いて、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成について説明する。
まず、図1を用いて、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成の概要を説明する。
電動パワーステアリング装置は、ハンドル1に接続された図示されていないステアリング軸、このステアリング軸の外側に設けられたステアリングコラム2、ステアリング軸に補助操舵トルクを付与する電動モータ20、電動モータ20を制御するECU(制御装置)30等を備えている。
ステアリングコラム2の内部に配置されるステアリング軸は、ユニバーサルジョイント4a・4b及びピニオンラック機構5等を介して、走行車両のタイヤロッド6に連結されている。ステアリング軸には、ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられている。また、電動モータ20は、減速ギア3を介してステアリング軸に接続されている。
電動モータ20を制御するECU30には、バッテリ14からイグニションキー11及びリレー13を経て電力が供給される。ECU30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクT及び車速センサ12で検出された車速Vに基づいて、アシスト指令の操舵補助指令値の演算を行ない、演算された操舵補助指令値に基づいて電動モータ20に供給する電流を制御する。
次に、図2及び図3を用いて、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置のECU30の近傍部分の構成について説明する。
電動パワーステアリング装置のステアリングコラム2は、図2に示すように、ハンドル側の部分がタイヤ側の部分よりも鉛直方向上方に位置するように斜めに傾斜した姿勢で車室内に配置される。電動モータ20及びECU30は、ステアリングコラム2の下部に一体的に固定されている。このため、ステアリングコラム2の上部はECU30よりも鉛直方向上方に配置されることとなり、ステアリングコラム2の上部に水滴が付着した場合には、この水滴がステアリングコラム2を伝って下方のECU30側へ移動することとなる。電動モータ20は、バスバー21を介してECU30に接続されている。また、ECU30は、各種電子部品とのコネクタ部31を有している。
ECU30は、図2に示すように、略直方体形状のケースに収納されている。ECU30のケースは、ステアリング軸に対して略垂直な面30a(第一の面)と、鉛直方向略上方を向くように配置された面30b(第二の面)と、を有している。本実施形態においては、ECU30のケースの面30aが、図3に示すような水滴遮断部材40の壁部40aにより各々遮蔽されている。このような水滴遮断部材40により、ステアリングコラム2を伝って下方へ移動する水滴がECU30のケース内に浸入することを抑制することができる。
また、本実施形態においては、チルト機構等の搭載によってステアリング軸の角度が変更されることを想定して、ECU30のケースの複数の面を遮蔽する水滴遮断部材40を採用している。すなわち、水滴遮断部材40は、図3に示すように、ステアリング軸に対して略垂直な面30aを遮蔽する壁部40aと、鉛直方向略上方を向くように配置された面30bを遮蔽するとともにバスバー21及びコネクタ部31を遮蔽する壁部40bと、を有している。壁部40a及び壁部40bは、双方とも略平坦なものとされ、遮蔽対象であるECU30のケースの形状に合わせて略垂直に接続されて、断面L字状の水滴遮断部材40を構成している。壁部40bは、図2に示すように、ECU30のケースの側面とともにコネクタ部31及びバスバー21を遮蔽可能な面積を有している。
水滴遮断部材40は、耐熱性を有する材料で構成することとする。耐熱性を有する材料は、特に限定されるものではなく、使用温度範囲に応じて適当なものを選択することができる。例えば、軽量で耐熱性に優れる樹脂材料で水滴遮断部材40を構成することができる。水滴遮断部材40をECU30に取り付ける際には、従来から採用されている取付部材を設置スペースに応じて適宜選択して採用することができる。例えば、耐熱性を有する両面テープ、かしめ、ねじ留め等により、水滴遮断部材40をECU30のケースに固定することができる。
以上説明した実施形態に係る電動パワーステアリング装置においては、ECU30に水滴遮断部材40が取り付けられるため、結露等により水滴が生じ、この水滴がステアリングコラム2を伝って下方へ移動した場合においても、水滴がECU30に浸入することを抑制することができる。従って、ECU30の誤動作の発生を抑制することができる。また、非防水仕様のECU30に対して水滴遮断部材40を設置することが可能であるため、コストを大幅に抑えながら容易に水滴を遮断することができる。
また、以上説明した実施形態に係る電動パワーステアリング装置においては、略平坦な壁部40a・40bを有する水滴遮断部材40を採用しているため、水滴遮断部材40に到達した水滴を、略平坦な壁部40a・40bを伝わせて速やかに外部に排出することができる。
また、以上説明した実施形態に係る電動パワーステアリング装置においては、ECU30のコネクタ部31や、ECU30と電動モータ20とを接続するバスバー21をも遮蔽するように構成された水滴遮断部材40を採用しているので、コネクタ部31やバスバー21への水滴の浸入をも抑制することが可能となる。
なお、以上の実施形態においては、断面L字状の水滴遮断部材40を採用した例を示したが、水滴遮断部材の形状は、適宜変更することができる。例えば、図4及び図5に示すように、ECU30のケースのさらに他の面を水滴から保護すべく、壁部40a・40bに加えてこれらと直交する壁部40cを設けることができる。また、図6(A)、(B)に示すように、ECU30のコネクタ部31の取り付け位置に応じて、水滴遮断部材の壁部の取り付け位置や面積を変更してもよい。
2…ステアリングコラム、20…電動モータ、21…バスバー、30…ECU(制御装置)、30a…ステアリング軸に対して略垂直な面(第一の面)、30b…鉛直方向略上方を向くように配置された面(第二の面)、31…コネクタ部(接続部)、40…水滴遮断部材、40a・40b…壁部。
Claims (10)
- ステアリング軸と、前記ステアリング軸の外側に設けられるステアリングコラムと、前記ステアリング軸に補助操舵トルクを付与する電動モータと、前記電動モータを制御する制御装置と、を備え、前記ステアリングコラムの少なくとも一部が前記制御装置よりも上方に配置されてなる電動パワーステアリング装置であって、
前記ステアリングコラムを伝って下方へ移動する水滴を遮断する水滴遮断部材が前記制御装置に取り付けられてなる、
電動パワーステアリング装置。 - 前記制御装置は、
前記ステアリング軸に対して略垂直な第一の面と、鉛直方向略上方を向くように配置された第二の面と、を有し、
前記水滴遮断部材は、
前記制御装置の少なくとも前記第一の面及び前記第二の面を遮蔽するものである、
請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記水滴遮断部材は、
略平坦な壁部を有するものである、
請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記水滴遮断部材は、
耐熱性を有する材料により構成されてなるものである、
請求項1から3の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記水滴遮断部材は、
耐熱性樹脂材料により構成されてなるものである、
請求項4に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記水滴遮断部材は、
耐熱性を有する両面テープにより前記制御装置に取り付けられるものである、
請求項1から5の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記水滴遮断部材は、
ねじ留めにより前記制御装置に固定されるものである、
請求項1から5の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記水滴遮断部材は、
かしめにより前記制御装置に固定されるものである、
請求項1から5の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記制御装置は、
各種部品への接続部を有し、
前記水滴遮断部材は、
前記制御装置の前記接続部をも遮蔽するように構成されてなるものである、
請求項1から8の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記制御装置と前記電動モータとを接続するバスバーを備え、
前記水滴遮断部材は、
前記バスバーをも遮蔽するように構成されてなるものである、
請求項1から9の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007135198A JP2008290475A (ja) | 2007-05-22 | 2007-05-22 | 電動パワーステアリング装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9706672B2 (en) | 2013-02-20 | 2017-07-11 | Mitsubishi Electric Corporation | Vehicle-mounted electronic control device |
WO2020009198A1 (ja) * | 2018-07-06 | 2020-01-09 | 日本精工株式会社 | 電子制御ユニット及びステアリング装置 |
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2007
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WO2020009198A1 (ja) * | 2018-07-06 | 2020-01-09 | 日本精工株式会社 | 電子制御ユニット及びステアリング装置 |
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