JP2008290353A - 熱溶融エポキシを用いた繊維強化プラスチックと他の材料との接着構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い強度を有し、かつリサイクル可能な構造体の提供。
【解決手段】繊維強化された熱溶融エポキシ樹脂と、金属、熱硬化性樹脂又は繊維強化熱硬化性樹脂とが接着積層されてなるハイブリッド積層構造体。
【選択図】なし

Description

本発明は、リサイクル可能、軽量で、かつ高い強度及び耐衝撃性を有するハイブリッド積層構造体及びその製造法に関する。
自動車、各種電気製品、事務機等の多くは、十分な強度及び耐衝撃性が要求されるため、その材料として金属、熱硬化性樹脂、繊維強化熱硬化性樹脂が使用されている。一方、これらの各種成形品に対しては、家電リサイクル法に代表されるように分別リサイクルが義務づけられつつあり、多くの成形品に対して分別リサイクルが推進されている。
しかしながら、これら成形品に用いられる金属や熱硬化性樹脂の強度は高く、破壊しなければリサイクルが困難であった。破壊したプラスチックのリサイクルには、多くのエネルギーを必要とするため、採算面で問題があった。従って、破壊を最小限とし、分別して簡便にリサイクルする手段が望まれていた。一方、リサイクル可能な樹脂として、熱可塑性樹脂の利用が考えられるが、熱可塑性樹脂の強度は低く、高強度及び高耐衝撃性が求められる成形品には使用できなかった。
従って、本発明の目的は、リサイクル可能、軽量で、かつ高強度及び高耐衝撃性を有する構造体を提供することにある。
そこで本発明者は、本来、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂に熱溶融性を付与させた熱溶融エポキシ樹脂に着目して種々検討したところ、繊維強化された熱溶融エポキシ樹脂と、金属、熱硬化性樹脂又は繊維強化熱硬化性樹脂とを接着積層させることにより得られるハイブリッド積層構造体は、軽量で、強度及び耐衝撃性が高く、自動車、電車等の成形材料として有用であり、所定の温度に加熱することにより熱溶融エポキシ樹脂の部分のみが軟化するので、分別リサイクル可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、繊維強化された熱溶融エポキシ樹脂と、金属、熱硬化性樹脂又は繊維強化熱硬化性樹脂とが接着積層されてなるハイブリッド積層構造体を提供するものである。
また、本発明は、繊維強化された熱溶融エポキシ樹脂の片面又は両面に金属、熱硬化性樹脂又は繊維強化熱硬化性樹脂が接着積層されているものである上記のハイブリッド積層構造体を提供するものである。
また本発明は、繊維強化された熱溶融エポキシ樹脂と、金属、熱硬化性樹脂又は繊維強化熱硬化性樹脂とを積層し、常圧又は加圧下に熱溶融エポキシ樹脂が軟化する温度以上に加熱することを特徴とする上記のハイブリッド積層構造体の製造法を提供するものである。
さらに本発明は、繊維強化された熱溶融エポキシ樹脂のプリプレグを、金属、熱硬化性樹脂又は繊維強化熱硬化性樹脂と積層し、常圧又は加圧下に熱溶融エポキシ樹脂が軟化する温度以上に加熱することを特徴とする上記のハイブリッド積層構造体の製造法を提供するものである。
本発明のハイブリッド積層構造体は、軽量で、金属、熱硬化性樹脂又は繊維強化熱硬化性樹脂と同様の強度、耐衝撃性等を保持しており、かつ所定の温度に加熱すれば繊維強化熱溶融エポキシ樹脂部分のみが軟化するので、簡便に分解でき、分別リサイクルが可能である。従って、本発明のハイブリッド積層構造体は、自動車や電車等の車輌の前部、後部、ドア等の車体部材用等として広範囲に利用可能である。
本発明のハイブリッド積層構造体は、繊維強化された熱溶融エポキシ樹脂と、金属、熱硬化性樹脂又は繊維強化熱硬化性樹脂とを接着積層してなるものである。ここで、繊維強化された熱溶融エポキシ樹脂は、マトリックス樹脂として、加熱によって軟化、溶融し得るエポキシ樹脂を用いた繊維強化プラスチックである。ここで繊維としては、ガラス繊維、金属繊維、アラミド繊維及び炭素繊維のいずれも用いることができる。炭素繊維としては、合成長繊維からつくられるポリアクリロニリトル系炭素繊維、石炭タール、ピッチ等からつくられる炭素繊維等が好ましい。
熱溶融エポキシ樹脂としては、熱硬化性樹脂の作業性と強度を維持しながら、熱可塑性樹脂のように熱により軟化、溶融させることができるものであればよく、例えば、平均官能基数1.5〜2.2個のエポキシ樹脂(A)ならびにエポキシ基と反応し得る官能基を2個有するアミン系化合物、フェノール系化合物およびチオール系化合物のうちの少なくとも1種(B)からなるエポキシ樹脂組成物の硬化体が挙げられる。このエポキシ樹脂組成物には、必要により、さらに熱可塑性樹脂(C)、フィラー(D)が含まれていてもよい。
前記エポキシ樹脂組成物に使用されるエポキシ樹脂として平均官能基数1.5〜2.2個、さらには1.8〜2.0個のエポキシ樹脂(A)が使用されるのは、使用後の硬化物を、熱により軟化・溶融させ、任意の形状に冷却・固化させるという簡単な処理をするだけでリサイクルすることができるようにするためである。
前記エポキシ樹脂の官能基の平均値として1.5〜2.2個とは、エポキシ樹脂の主成分(50重量%(以下、%という)以上、さらには80%以上)として2官能エポキシ樹脂を使用し、必要により3官能以上のエポキシ樹脂、1官能の反応性希釈剤を含有し、官能基の平均値が1.5〜2.2個であることをいう。
前記2官能エポキシ樹脂の具体例としては、たとえばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、2官能のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、2官能のナフタレン型エポキシ樹脂、2官能の脂環式エポキシ樹脂、2官能のグリシジルエステル型エポキシ樹脂(たとえばジグリシジルフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート、ダイマー酸ジグリシジルエステルなど)、2官能のグリシジルアミン型エポキシ樹脂(たとえばジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジンなど)、2官能の複素環式エポキシ樹脂、2官能のジアリールスルホン型エポキシ樹脂、ヒドロキノン型エポキシ樹脂(たとえばヒドロキノンジグリシジルエーテル、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテルなど)、2官能のアルキレングリシジルエーテル系化合物(たとえばブタンジオールジグリシジルエーテル、ブテンジオールジグリシジルエーテル、ブチンジオールジグリシジルエーテルなど)、2官能のグリシジル基含有ヒダントイン化合物(たとえば1,3−ジグリシジル−5,5−ジアルキルヒダントイン、1−グリシジル−3−(グリシドキシアルキル)−5,5−ジアルキルヒダントインなど)、2官能のグリシジル基含有シロキサン(たとえば1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,β−ビス(3−グリシドキシプロピル)ポリジメチルシロキサンなど)およびそれらの変性物などが挙げられる。これらのうちでは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が、反応性および作業性の点から好ましい。
また、前記3官能以上のエポキシ樹脂の具体例としては、たとえば3官能以上のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、3官能以上の脂環式エポキシ樹脂、3官能以上のグリシジルエステル型エポキシ樹脂、3官能以上のグリシジルアミン型エポキシ樹脂(たとえばテトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェニルメタン、トリグリシジル−m−アミノフェニルメタン、テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンなど)、3官能以上の複素環式エポキシ樹脂、3官能以上のジアリールスルホン型エポキシ樹脂、3官能以上のアルキレングリシジルエーテル系化合物(たとえばグリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルなど)、3官能以上のグリシジル基含有ヒダントイン化合物、3官能以上のグリシジル基含有シロキサンおよびそれらの変性物などが挙げられる。
前記1官能の反応性希釈剤としては、たとえばtert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、1−(3−グリシドキシプロピル)1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン、N−グリシジル−N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミンなどのモノグリシジル化合物、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのモノ脂環式エポキシ化合物などが挙げられる。
前記エポキシ基と反応し得る官能基を2個有するアミン系化合物、フェノール系化合物およびチオール系化合物のうちの少なくとも1種(B)(化合物(B))は、エポキシ樹脂(A)の硬化剤として使用される成分であり、2官能であるため、付加反応により直鎖状のポリマーが生成する。この結果、熱硬化性樹脂の作業性を維持しながら、熱可塑性樹脂のように熱により軟化・溶融させることができる。
化合物(B)としては、分子量50〜1000、さらには100〜500で、室温で液状または半固状のものが、作業性の点から好ましい。
前記アミン系化合物としては、室温で液状のものが好ましい。前記アミン系化合物の具体例としては、たとえばピペラジン、ドデシルアミン、ベンジルアミン、ジメチルアミノプロピルアミンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記フェノール系化合物としては、溶融時の粘度が低く、結晶性が低く、エポキシ樹脂(A)に硬化剤としての必要量を溶解させたときに結晶化しないものが好ましい。前記フェノール系化合物の具体例としては、たとえばカテコール、レゾルシン、ヒドロキノンなどのベンゼン環を1個有する一核体芳香族ジヒドロキシ化合物類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(ビスフェノールAD)などのビスフェノール類、ジヒドロキシナフタレンなどの縮合環を有する化合物、ジアリルレゾルシン、ジアリルビスフェノールA、トリアリルジヒドロキシビフェニルなどのアリル基を導入した2官能フェノール化合物、ジブチルビスフェノールAなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記チオール系化合物としては、室温で液状のものが好ましい。前記チオール系化合物の具体例としては、たとえばエチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネートなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記アミン系化合物、フェノール系化合物およびチオール系化合物は、単独で用いてもよく2種以上組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂(A)および化合物(B)からなる組成物におけるエポキシ樹脂(A)および化合物(B)の使用割合としては、エポキシ樹脂(A)1当量に対して化合物(B)0.8〜1.2当量、さらには0.9〜1.1当量であるのが、再流動性および耐熱性の点から好ましい。
前記エポキシ樹脂(A)および化合物(B)からなる組成物には、さらに耐衝撃性および軟化・溶融性を改善するために、熱可塑性樹脂(C)を加えてもよい。
熱可塑性樹脂(C)としては、粒子径1〜200μmのパウダー状で通常のフィラーと同様に充填することができ、加熱により軟化・溶融するものを使用することができる。その具体例としては、たとえばポリエチレンパウダー、ポリ塩化ビニルパウダー、熱可塑性ポリウレタンパウダー(TPU)などが挙げられる。これらのうちでは、熱可塑性ポリウレタンパウダー(TPU)が好ましい。
また、前記エポキシ樹脂(A)、化合物(B)、さらに要すれば使用される熱可塑性樹脂(C)からなる組成物には、さらに圧縮強さ、低熱膨張性、切削加工性を改善するために、フィラー(D)を加えてもよい。
フィラー(D)としては、通常のエポキシ樹脂組成物に使用されているフィラーであれば使用することができ、特別な限定はない。その具体例としては、たとえば珪砂、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、酸性白土、珪藻土、カオリン、石英、酸化チタン、シリカ、カーボンブラック、フェノール樹脂マイクロバルーン、ガラスバルーンなどが挙げられる。
前記エポキシ樹脂(A)および化合物(B)からなる組成物100重量部(以下、部という)に対する熱可塑性樹脂(C)の配合量は、粘度の点から、50部以下、さらには30部以下が好ましい。下限は、10部以上が好ましい。
また、前記エポキシ樹脂(A)および化合物(B)からなる組成物100部に対するフィラー(D)の配合量は、300部以下、さらには200部以下が好ましい。下限は、30部以上が好ましい。
前記の組成物には、さらに硬化促進剤、シランカップリング剤、消泡剤のごとき一般にエポキシ樹脂組成物に添加される成分を添加してもよい。
これらの熱溶融エポキシ樹脂を繊維強化するには、前記の繊維に熱溶融エポキシ樹脂組成物を含浸してプリプレグを作製し、これを硬化させることにより製造することができる。ここでプリプレグは、シート状のプリプレグでもストランド状のプリプレグでもよい。プリプレグの硬化にあたっては、例えば熱溶融エポキシ樹脂の硬化温度に加熱すればよい。
このような繊維強化された熱溶融エポキシ樹脂としては、市販品を使用することもできる。市販品としては、例えばFRA HM100(ナガセケムテックス(株))等が使用できる。
当該繊維強化された熱溶融エポキシ樹脂と接着積層するための金属としては、鉄、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、ジュラルミン、チタン等が挙げられる。また熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。また、繊維強化熱硬化性樹脂としては、上記の熱硬化性樹脂をガラス繊維、金属繊維、アラミド繊維、炭素繊維などで硬化したものが挙げられる。
本発明のハイブリッド積層構造体は、繊維強化された熱溶融エポキシ樹脂の片面又は両面に金属、熱硬化性樹脂又は繊維強化熱硬化性樹脂が接着積層されていてもよいが、これらが交互に4層以上積層されていてもよい。また、金属、熱硬化性樹脂及び繊維強化熱硬化性樹脂は、同種のものを組み合せてもよいし、異種のものを組み合せてもよい。なお、本発明のハイブリッド積層構造体の形状は、板状に限定されず、円筒状、角状等であってもよい。車輌の車体部材として利用する場合には、板状が好ましい。
本発明のハイブリッド積層構造体は、繊維強化された熱溶融エポキシ樹脂と、金属、熱硬化性樹脂又は繊維強化熱硬化性樹脂とを積層し、常圧又は加圧下に熱溶融エポキシ樹脂が軟化する温度以上に加熱することにより製造できる。ここで、熱溶融エポキシ樹脂が軟化する温度は、用いる樹脂の種類にもよるが、通常150℃以上、好ましくは150〜200℃であり、時間は10分〜5時間、好ましくは10分〜2時間である。加熱にあたっては、常圧でもよいが、金属等の重さ自体の圧力〜100kg/cm2程度の圧力をかけるのが好ましい。
また、本発明のハイブリッド積層構造体は、繊維強化された熱溶融エポキシ樹脂のプリプレグを、金属、熱硬化性樹脂又は繊維強化熱硬化性樹脂と積層し、常圧又は加圧下に熱溶融エポキシ樹脂が軟化する温度以上に加熱することによっても製造できる。ここで、加熱条件及び圧力条件は、前記と同様である。
本発明のハイブリッド積層構造体は、熱硬化性エポキシ樹脂と他の金属や熱硬化性樹脂との積層構造体と同様な強度、耐衝撃性を有するため、通常の金属や強化プラスチックが使用される部材や成形品として広く使用できる。一方、用いた熱溶融エポキシ樹脂が軟化する温度に加熱すれば、繊維強化された熱溶融エポキシ樹脂層だけが軟化するため容易にその成形品を分解することができる。従って、分別リサイクルが可能になる。
本発明のハイブリッド積層構造体を車輌の車体用部材、例えば自動車のドアの内側に用いれば、側面衝突時により多くのエネルギー吸収が可能となり、車輌の軽量化を促進し省エネ効果を増大させるだけでなく、分別リサイクルを可能とできる。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1
(1)ハイブリッド積層構造体の製造
ハイブリッド積層構造体としては、一般冷延鋼材SPCC(一般用)のスチール材(厚さ0.6mm)とその片面(非衝突面で曲げ変形の場合に引張り応力を受ける面)に炭素繊維で強化された熱溶融エポキシ樹脂のプリプレグを2枚(厚さ:0.4mm)積層し、ホットプレスを用いて、170℃、圧力1.5Mpaで1時間加熱加圧し作製した。作成された積層構造体の寸法は、全長320mm、幅20mm、厚さ1mmである。
(2)強度
小型落錘衝撃試験機を用い、質量は6.53kgの落錘体を自由落下させることによって、ハイブリッド積層構造体に衝撃負荷(衝突速度は5.4km/h)を与えた。構造体の両端を完全固定させるため、両端固定部は50mm冶具により挟み込み固定した。さらに衝撃時の引き抜け防止のため固定部の中心に6mmのピンを通した。
図1に厚さ0.4mmの熱溶融エポキシ樹脂のプリプレグを用いたハイブリッド構造体の衝突直後の荷重−変位線図とスチール材単体の結果を併せて示す。また、表1に衝撃実験の結果をまとめて示す。
Figure 2008290353
ハイブリッド構造体とスチール単体の最大衝撃は共に約3.8kNを示した。次に、ハイブリッド構造体の衝撃吸収エネルギー量は、スチール単体の場合とほぼ同じ値を得ている。また、ハイブリッド構造体の方が少ない変位で衝撃エネルギーを吸収しており、自動車構造に応用する場合に、この少ない変位で衝撃エネルギーを吸収することは大事な特性である。
厚さ0.4mmの熱溶融エポキシ樹脂のプリプレグを用いたハイブリッド構造体(Hybrid)とスチール材単体(Steel)の衝突荷重(Load)と衝撃変位(Displacement)線図を示す。

Claims (7)

  1. 繊維強化された熱溶融エポキシ樹脂と、金属、熱硬化性樹脂又は繊維強化熱硬化性樹脂とが接着積層されてなるハイブリッド積層構造体。
  2. 繊維強化された熱溶融エポキシ樹脂の片面又は両面に金属、熱硬化性樹脂又は繊維強化熱硬化性樹脂が接着積層されているものである請求項1記載のハイブリッド積層構造体。
  3. 熱溶融エポキシ樹脂が、加熱によって軟化、溶融し得るエポキシ樹脂である請求項1又は2記載のハイブリッド積層構造体。
  4. 熱溶融エポキシ樹脂が、平均官能基数1.5〜2.2個のエポキシ樹脂(A)ならびにエポキシ基と反応し得る官能基を2個有するアミン系化合物、フェノール系化合物及びチオール系化合物のうち少なくとも1種(B)からなるエポキシ樹脂組成物の硬化体である請求項1又は2記載のハイブリッド積層構造体。
  5. 車輌の車体部材用である請求項1〜4のいずれか1項記載のハイブリッド積層構造体。
  6. 繊維強化された熱溶融エポキシ樹脂と、金属、熱硬化性樹脂又は繊維強化熱硬化性樹脂とを積層し、常圧又は加圧下に熱溶融エポキシ樹脂が軟化する温度以上に加熱することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のハイブリッド積層構造体の製造法。
  7. 繊維強化された熱溶融エポキシ樹脂のプリプレグを、金属、熱硬化性樹脂又は繊維強化熱硬化性樹脂と積層し、常圧又は加圧下に熱溶融エポキシ樹脂が軟化する温度以上に加熱することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のハイブリッド積層構造体の製造法。
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