JP2008288509A - 金属用研磨液 - Google Patents

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Abstract

【課題】迅速な銅研磨速度、及び、良好な銅/タンタル研磨選択性を有し、更に、ディッシングが少なく平坦性を向上させることが可能な金属用研磨液を提供すること。
【解決手段】半導体集積回路用基板の製造工程における化学的機械的平坦化に用いられ、(A)有機無機複合粒子、(B)キノリンカルボン酸又はその誘導体、(C)アミノ酸、及び(D)酸化剤を含有することを特徴とする金属用研磨液。主として銅配線の研磨に用いられることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体デバイスの製造に関するものであり、特に、半導体集積回路用基板の製造工程において化学的機械的平坦化に用いる金属用研磨液に関する。
半導体集積回路(以下LSIと記す)で代表される半導体デバイスの開発においては、高集積化・高速化のため、配線の微細化と積層化による高密度化・高集積化が求められている。このための技術として、絶縁性薄膜(SiOなど)や配線に用いられる金属薄膜を研磨し、基板の平滑化や配線形成時の余分な金属薄膜の除去を行う化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下CMPと記す)等の種々の術が用いられてきている。
CMPの一般的な方法は、円形の研磨定盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を研磨液で浸して、パッドに基板(ウエハ)の表面を押しつけ、その裏面から所定の圧力(研磨圧力)を加えた状態で、研磨定盤及び基板の双方を回転させ、発生する機械的摩擦により基板の表面を平坦化するものである。
CMPに用いる金属用研磨溶液は、一般には砥粒(例えば、アルミナ、シリカ)と酸化剤(例えば、過酸化水素、過硫酸)とを含むものであって、酸化剤によって金属表面を酸化し、その酸化皮膜を砥粒で除去することで研磨していると考えられている。
しかしながら、このような固体砥粒を含む研磨液を用いてCMPを行うと、研磨傷(スクラッチ)、研磨面全体が必要以上に研磨される現象(シニング)、研磨金属面が平面状ではなく、中央のみがより深く研磨されて皿状のくぼみを生ずる現象(ディッシング)、金属配線間の絶縁体が必要以上に研磨されたうえ、複数の配線金属面表面が皿状の凹部を形成する現象(エロージョン)などが発生することがある。
このような従来の固体砥粒における問題点を解決するために、砥粒を含まず、過酸化水素/リンゴ酸/ベンゾトリアゾール/ポリアクリル酸アンモニウム及び水からなる研磨液が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法によれば、半導体基体の凸部の金属膜が選択的にCMPされ、凹部に金属膜が残されて所望の導体パターンが得られるものの、従来の固体砥粒を含むよりもはるかに機械的に柔らかい研磨パッドとの摩擦によってCMPが進むため、十分な研磨速度が得難いという問題点を有している。
一方、更なる高性能化を目指し、配線用の金属として、従来汎用のタングステンやアルミニウムに代えて、配線抵抗の低い銅を用いたLSIが開発されるようになった。高密度化を目指す配線の微細化に伴って、銅配線の導電性や電子マイギュレート耐性などの向上が必要となり、それに伴って高純度銅に銀などの第3成分を微量添加した銅合金を用いることも検討されはじめてきている。同時に、これらの高精細で高純度の材料を汚染させることなく高生産性を発揮し得る高速金属研磨手段が求められている。
また、最近は生産性向上のため、LSI製造時のウエハ径を大型化しており、現在は直径200mm以上が汎用されており、300mm以上の大きさでの製造も開始され始めてきた。このような大型化に伴い、ウエハ中心部と周辺部とでの研磨速度の差が大きくなり、面内均一性に対する改善要求が強くなってきている。
銅及び銅合金に対して機械的研磨手段をもたない化学研磨方法としては、溶解作用のみによる化学研磨方法も知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、凸部の金属膜が選択的に化学的機械的に研磨されるCMPに比べ、ディッシングなどの発生による問題が発生しやすく平坦性の確保が課題となっている。
その他にも研磨面の段差平坦化を目的として、研磨パッドの劣化を抑える化学機械研磨用水系分散体(例えば、特許文献3参照。)や、ウエハ表面を修正するのに有用なイミノニ酢酸とその塩から選ばれるキレート剤を含有する加工液(例えば、特許文献4参照。)、α−アミノ酸を含有する化学機械研磨組成物(例えば、特許文献5参照。)などが提案されている。
これらの技術により、銅配線における研磨性能の向上が見られる。通常は、銅配線を高速研磨により実施した後、銅配線のバリア金属としてしばしば用いられるタンタルやその合金類と銅とを精密研磨して、配線近傍の平滑化を行うことが一般的である。このため、銅研磨の終了時において、銅が削れやすく、タンタルが削れにくいという、銅とタンタルとの研磨選択性(以下、適宜、銅/タンタル研磨選択性と称する。)を有する研磨液の実現が望まれているのが現状である。
特開2001−127019号公報 特開昭49−122432号公報 特開2001−279231号公報 特表2002−538284号公報 特開2003−507894号公報
本発明は、LSIの生産性を高めるために、銅金属及び銅合金を原料とする膜のより迅速な研磨を実現するCMPスラリーが求められているという背景に基づいて行われたものである。
そこで、本発明の目的は、迅速な研磨速度、及び、良好な銅/タンタル研磨選択性を有する金属用研磨液を提供することにある。
上記の金属用研磨液に係る問題点について、本発明者が鋭意検討した結果、砥粒とキノリンカルボン酸又はその誘導体とを含有する金属用研磨液を用いることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は下記の通りである。
すなわち、本発明の金属用研磨液は、半導体集積回路用基板の製造工程における化学的機械的平坦化に用いられ、(A)有機無機複合粒子、(B)キノリンカルボン酸又はその誘導体、(C)アミノ酸、及び(D)酸化剤を含有することを特徴とする。
また、本発明の金属用研磨液は、主として銅配線の研磨に用いられることが好ましい態様である。
更に、本発明の金属用研磨液は、(C)アミノ酸として、α−アミノ酸を用いることが好ましい。
半導体集積回路用基板の製造工程における化学的機械的平坦化に、本発明の金属用研磨液を使用することにより、研磨速度、及び銅/タンタル研磨選択性が優れる。
また、このことから、LSIにおける、コロージョン、スクラッチ、シニング、エロージョンなどの研磨の局部的な不均一に伴う欠陥の発生が低レベルに維持することが可能となる。
本発明の金属用研磨液(以下、単に「研磨液」と称する場合がある。)は、本発明の金属用研磨液は、半導体集積回路用基板の製造工程における化学的機械的平坦化に用いられ、(A)有機無機複合粒子、(B)キノリンカルボン酸又はその誘導体、(C)アミノ酸、及び(D)酸化剤を含有することを特徴とする。
まず、本発明の研磨液を構成する(A)〜(D)成分について説明する。
[(A)有機無機複合粒子]
本発明における(A)有機無機複合粒子としては、有機成分と無機成分とが化学的機械的平坦化の際に容易に分離しない程度に一体に形成されていればよく、その種類、構成等は特に限定されない。
本発明における有機無機複合粒子は、例えば、以下の(i)〜(iii)構成を採ることができる。
(i)有機粒子の存在下、金属又はケイ素のアルコキシド化合物(例えば、アルコキシシラン、アルミニウムアルコキシド、チタンアルコキシド等)を重縮合させて得られた有機無機複合粒子。重縮合体は、有機粒子が有する官能基に直接結合されていてもよいし、適当なカップリング剤(例えば、シランカップリング剤等)を介していてもよい。
(ii)ゼータ電位の符号が相異なる有機粒子と無機粒子が、静電力により結合した有機無機複合粒子。ゼータ電位の符号がpHによって変化する場合、有機粒子のゼータ電位の符号と無機粒子のゼータ電位の符号とが異なるpH領域において両者を混合して形成された複合粒子でもよく、両者のゼータ電位の符号が同じpH領域で両者を混合した後、それぞれのゼータ電位の符号とが異なるpH領域に液性を変化させることにより形成された複合粒子であってもよい。
(iii)上記(ii)の複合粒子の存在下で、金属又はケイ素のアルコキシド化合物(例えば、アルコキシシラン、アルミニウムアルコキシド、チタンアルコキシド等)を重縮合させて得られた有機無機複合粒子。
有機無機複合粒子に使用可能な無機成分(無機粒子)としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア等を用いることができる。
また、有機無機複合粒子に使用可能な有機成分(有機粒子)としては、例えば、ポリ塩化ビニル、スチレン(共)重合体、ポリアセタール、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、オレフィン(共)重合体、フェノキシ樹脂、アクリル(共)重合体等を挙げることができる。オレフィン(共)重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。アクリル(共)重合体としては、例えば、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
本発明において、有機無機複合粒子の平均分散粒子径は、好ましくは20〜5,000nmであり、より好ましくは30〜2,000nmであり、更に好ましくは50〜1,000nmである。この範囲の平均分散粒子径とすることにより、良好な被研磨面と研磨速度とのバランスを図ることができる。
本発明における有機無機複合粒子の含有量は、使用する際の金属用研磨液(使用液)の全質量に対して0.005〜1.5質量%であり、好ましくは0.01〜1.0質量%であり、より好ましくは0.05〜0.5質量%である。この範囲の含有量とすることにより、配線部分のディッシング及び基板上の欠陥をともに最小限とすることができる。
[他の砥粒]
本発明の研磨液には、前記(A)有機無機複合粒子に加え、他の砥粒を用いてもよい。
他の砥粒としては、例えば、シリカ(例えば、沈降シリカ、フュームドシリカ、コロイダルシリカ、合成シリカ等)、アルミナ(例えば、フュームドアルミナ等)、有機粒子(例えば、ポリ塩化ビニル、スチレン(共)重合体、ポリアセタール、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン等のオレフィン(共)重合体、フェノキシ樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル(共)重合体等を挙げることができる。)が挙げられる。
シリカ、アルミナの平均粒子径は、5〜1000nmが好ましく、10〜200nmがより好ましい。
また、有機粒子の平均分散粒子径は、好ましくは20〜5,000nmであり、より好ましくは30〜2,000nmであり、更に好ましくは50〜1,000nmである。
この範囲の粒子径とすることにより、良好な被研磨面と研磨速度とのバランスを図ることができる。
本発明において、(A)有機無機複合粒子と他の砥粒とを併用する場合、その組合せとしては、シリカ−有機無機複合粒子、アルミナ−有機無機複合粒子、シリカ−アルミナ−有機無機複合粒子、シリカ−有機粒子−有機無機複合粒子、アルミナ−有機粒子−有機無機複合粒子であり、シリカ−有機無機複合粒子、アルミナ−有機無機複合粒子が特に好ましい。
上記のように、(A)有機無機複合粒子と他の砥粒とを併用する場合、その割合は、質量で、(A)有機無機複合粒子に対して他の砥粒が10倍以下であることが好ましく、2倍以下であることがより好ましく、1倍以下であることが更に好ましい。
[(B)キノリンカルボン酸又はその誘導体]
本発明における(B)キノリンカルボン酸又はその誘導体としては、例えば、キナルジン酸、キヌレン酸、キサンツレン酸、キノリン−2,3−ジカルボン酸、8−ヒドロキシキノリン−2−カルボン酸が挙げられる。好ましくは、キナルジン酸、キノリン−2,3−ジカルボン酸、8−ヒドロキシキノリン−2−カルボン酸であり、より好ましくはキナルジン酸である。
本発明において、(B)キノリンカルボン酸又はその誘導体の添加量は、ディッシング改良の点から、研磨に使用する際の金属用研磨液の0.005〜3.0質量%とすることが好ましく、0.01〜2.0質量%とすることがより好ましく、0.05〜1.0質量%とすることが特に好ましい。
[(C)アミノ酸]
本発明における(C)アミノ酸としては、以下に示す群より選択されるものが適している。
即ち、グリシン、L−アラニン、β−アラニン、L−2−アミノ酪酸、L−ノルバリン、L−バリン、L−ロイシン、L−ノルロイシン、L−イソロイシン、L−アロイソロイシン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、サルコシン、L−オルニチン、L−リシン、タウリン、L−セリン、L−トレオニン、L−アロトレオニン、L−ホモセリン、L−チロシン、3,5−ジヨード−L−チロシン、β−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−L−アラニン、L−チロキシン、4−ヒドロキシ−L−プロリン、L−システィン、L−メチオニン、L−エチオニン、L−ランチオニン、L−シスタチオニン、L−シスチン、L−システィン酸、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、S−(カルボキシメチル)−L−システィン、4−アミノ酪酸、L−アスパラギン、L−グルタミン、アザセリン、L−アルギニン、L−カナバニン、L−シトルリン、δ−ヒドロキシ−L−リシン、クレアチン、L−キヌレニン、L−ヒスチジン、1−メチル−L−ヒスチジン、3−メチル−L−ヒスチジン、エルゴチオネイン、L−トリプトファン、下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物、及びそれらのアンモニウム塩やアルカリ金属塩等が挙げられる。
Figure 2008288509
上記一般式(1)中、Rは、単結合、アルキレン基、又はフェニレン基を表す。R及びRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアリール基を表す。R及びRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルキル基、又はアシル基を表す。但し、Rが単結合のとき、R及びRの少なくともいずれかは水素原子ではない。
一般式(1)におけるRとしてのアルキレン基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、好ましくは炭素数1〜8であり、例えば、メチレン基、エチレン基を挙げることができる。アルキレン基が有していてもよい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子などを挙げることができる。
及びRとしてのアルキル基は、好ましくは炭素数1〜8であり、例えば、メチル基、プロピル基などを挙げることができる。
及びRとしてのシクロアルキル基は、好ましくは炭素数5〜15であり、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基を挙げることができる。
及びRとしてのアルケニル基は、好ましくは炭素数2〜9であり、例えば、ビニル基、プロペニル基、アリル基を挙げることができる。
及びRとしてのアルキニル基は、好ましくは炭素数2〜9であり、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基を挙げることができる。
及びRとしてのアリール基は、好ましくは炭素数6〜15であり、例えば、フェニル基を挙げることができる。これらの基におけるアルキレン鎖中には、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を有していてもよい。R及びRとしての各基が有してもよい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、芳香環(好ましくは炭素数3〜15)、カルボキシル基、アミノ基などを挙げることができる。
及びRとしてのアルキル基は、好ましくは炭素数1〜8であり、例えば、メチル基、エチル基を挙げることができる。アシル基は、好ましくは炭素数2〜9であり、例えば、メチルカルボニル基を挙げることができる。R及びRとしての各基が有してもよい置換基としては、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子を挙げることができる。
一般式(1)において、R及びRのいずれか一方は水素原子でないことが好ましい。
また、一般式(1)において、Rが単結合、R及びRが水素原子であることが特に好ましい。この場合、Rは、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアリール基を表すが、特に水素原子、アルキル基が好ましい。Rは、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルキル基、又はアシル基を表すが、特にはアルキル基が好ましい。Rとしてのアルキル基が有してもよい置換基として、水酸基、カルボキシル基、又はアミノ基が好ましい。Rとしてのアルキル基が有してもよい置換基として、水酸基、又はアミノ基が好ましい。
Figure 2008288509
上記一般式(2)中、Rは単結合、アルキレン基、又はフェニレン基を表す。R及びRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアリール基を表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、又はアルキル基を表す。R10はアルキレン基を表す。但し、R10が−CH−のとき、Rは単結合ではないか、Rが水素原子ではないかの少なくともいずれかである。
一般式(2)におけるR及びR10としてのアルキレン基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、好ましくは炭素数1〜8であり、例えば、メチレン基、エチレン基を挙げることができる。アルキレン基及びフェニレン基が有していてもよい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子などを挙げることができる。
及びRとしてのアルキル基は、好ましくは炭素数1〜8であり、例えば、メチル基、プロピル基などを挙げることができる。
及びRとしてのシクロアルキル基は、好ましくは炭素数5〜15であり、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基を挙げることができる。
及びRとしてのアルケニル基は、好ましくは炭素数2〜9であり、例えば、ビニル基、プロペニル基、アリル基を挙げることができる。
及びRとしてのアルキニル基は、好ましくは炭素数2〜9であり、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基を挙げることができる。
及びRとしてのアリール基は、好ましくは炭素数6〜15であり、例えば、フェニル基を挙げることができる。これらの基におけるアルキレン鎖中には、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を有していてもよい。R及びRとしての各基が有してもよい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、芳香環(好ましくは炭素数3〜15)などを挙げることができる。
としてのアルキル基は、好ましくは炭素数1〜8であり、例えば、メチル基、エチル基を挙げることができる。Rとしてのアシル基は、好ましくは炭素数2〜9であり、例えば、メチルカルボニル基を挙げることができる。これらの基におけるアルキレン鎖中には、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を有していてもよい。Rとしての各基が有してもよい置換基としては、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基を挙げることができる。
一般式(2)において、Rは水素原子でないことが好ましい。
以下に、一般式(1)で表される化合物の具体例(1−1〜1−27)、及び、一般式(2)で表される化合物の具体例(2−1〜2−11)を挙げるが、これらに限定するものではない。
Figure 2008288509
Figure 2008288509
一般式(1)又は(2)で表される化合物は、公知の方法により合成できるが、市販のものを用いてもよい。
特に、アミノ酸としては、α−アミノ酸、一般式(1)で表される化合物、及び一般式(2)で表される化合物を含むアミノ酸誘導体が、実用的なCMP速度を維持しつつ、エッチング速度を効果的に抑制できるという点で好ましい。
より好ましくは、α−アミノ酸であり、特に、グリシン、L−アラニン、アスパラギン、L−ロイシン、β−アラニンが最も好ましい。
本発明における(C)アミノ酸の添加量は、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.0005〜0.5molとすることが好ましく、0.005mol〜0.3molとすることがより好ましく、0.01mol〜0.1molとすることが特に好ましい。即ち、酸の添加量は、エッチングの抑制の点から0.5mol以下が好ましく、充分な効果を得る上で0.0005mol以上が好ましい。
[(D)酸化剤]
本発明の研磨液は、研磨対象の金属を酸化できる化合物(酸化剤)を含有する。(D)酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過硫酸塩が挙げられる。
中でも、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムが好ましく、過酸化水素、過硫酸アンモニウムが特に好ましい。
本発明において、(D)酸化剤の添加量は、研磨に使用する際の研磨液(使用液)の1L中、0.003mol〜8molとすることが好ましく、0.03mol〜6molとすることがより好ましく、0.1mol〜4molとすることが特に好ましい。すなわち、酸化剤の添加量は、金属の酸化が十分で、高いCMP速度を確保する点で0.003mol以上が好ましく、研磨面の荒れ防止の点から8mol以下が好ましい。
また、本発明の研磨液のpHは1〜10が好ましく、(D)酸化剤として過酸化水素を用いた場合にはpHが1〜5であることがより好ましく、また、(D)酸化剤として過硫酸塩を用いた場合にはpHが6〜10がより好ましい。更に、(D)酸化剤として過酸化水素を用いた場合にはpHが2〜5であることが特に好ましく、また、(D)酸化剤として過硫酸塩を用いた場合にはpHが6〜9が特に好ましい。
以下、本発明の研磨液における、(A)〜(D)成分、更に他の砥粒の好ましい組合せと、その際の好ましいpHを示すが、これらに限定されるものではない。
・(A)有機無機複合粒子、他の砥粒:シリカ、(B)キナルジン酸、(C)一般式(1)で表される化合物、(D)過酸化水素、pH2〜5
・(A)有機無機複合粒子、他の砥粒:シリカ、(B)キナルジン酸、(C)一般式(1)で表される化合物、(D)過酸化水素、 pH6〜9
・(A)有機無機複合粒子、他の砥粒:シリカ、(B)キナルジン酸、(C)一般式(1)で表される化合物、(D)過硫酸塩、pH:6〜9
・(A)有機無機複合粒子、他の砥粒:アルミナ、(B)キナルジン酸、(C)アミノ酸、(D)過酸化水素、pH:2〜5
・(A)有機無機複合粒子、他の砥粒:アルミナ、(B)キナルジン酸、(C)アミノ酸、(D)過硫酸塩、pH:6〜9
次に、本発明の研磨液を構成する任意成分について説明する。
本発明の研磨液は、構成成分として、前述の(A)〜(D)成分を含有する他は、その処方に特に制限はなく、本発明の効果を損なわない限りにおいては、公知の研磨液に用いられる化合物を目的に応じて選択して用いることができる。
任意成分としては、例えば、無機酸、不動態膜形成剤、キレート剤、界面活性剤、水溶性ポリマー、及び各種添加剤を挙げることができる。
研磨液には、各成分を2種以上添加してもよい。
[無機酸]
本発明の研磨液には無機酸を含有することができる。ここでの酸は、酸化の促進、pH調整、緩衝剤としての作用を有する。無機酸としては、過塩素酸、硫酸、硝酸、ホウ酸などが挙げられ、無機酸の中では硝酸が好ましい。
無機酸の添加量は、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.0005〜0.5molとすることが好ましく、0.005mol〜0.3molとすることがより好ましく、0.01mol〜0.1molとすることが特に好ましい。即ち、無機酸の添加量は、エッチングの抑制の点から0.5mol以下が好ましく、充分な効果を得る上で0.0005mol以上が好ましい。
〔芳香環を有する化合物(不動態膜形成剤)〕
また、本発明の研磨液には、金属表面に不動態膜を形成し、研磨速度を制御する不動態膜形成剤としての機能を有する化合物、具体的には、芳香環を有する化合物(以下、適宜、「芳香環化合物」と称する。)を併用してもよい。
具体的には、特開2006−261333号公報の段落番号〔0016〕に記載の複素環化合物を用いることができる。
好ましくは、テトラゾール及びその誘導体、1,2,3−トリアゾール及びその誘導体及び1,3,4−トリアゾール及びその誘導体、ベンゾトリアゾール及びその誘導体である。
テトラゾール誘導体において、好ましくは、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシ基、及びカルボキシ基のうち少なくとも1つで置換されたアルキル基を置換基として有するテトラゾール誘導体である。より好ましくは、少なくとも1つのカルボキシ基、又はアミノ基を有するテトラゾール誘導体である。例えば、5−カルボキシー1H−テトラゾール、1H−テトラゾール−5−酢酸、1H−テトラゾールー5−プロピオン酸、5−アミノ−1H−テトラゾールである。
1,2,3−トリアゾール誘導体において、好ましくは、ヒドロキシ基、カルボキシ基、及びアミノ基からなる群より選択された置換基、又は、それらの置換基の少なくとも1つで置換されたアルキル基を置換基として有する1,2,3−トリアゾール誘導体である。より好ましくは、ヒドロキシ基、又は少なくとも1つのヒドロキシ基で置換されたアルキル基を置換基として有する1,2,3−トリアゾール誘導体である。例えば、4−ヒドロキシ−1H−1,2,3−トリアゾール、4−ヒドロキシメチル−1H−1,2,3−トリアゾール、4−1H−1,2,3−トリアゾール、4−ヘキシル−1,2,3−トリアゾールである。
1,2,4−トリアゾール誘導体において、好ましくは、カルボキシル基又はヒドロキシ基が置換したもの、或いは、ヒドロキシ基及びカルボキシ基の少なくとも1つで置換されたアルキル基を置換基として有する1,2,4−トリアゾール誘導体である。より好ましくは、少なくとも1つのカルボキシ基で置換されたアルキル基を置換基として有する1,2,4−トリアゾール誘導体である。例えば、3−ヒドロキシ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジカルボキシ−1,2,4−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール−3−酢酸である。
ベンゾトリアゾール誘導体において、好ましくは、アルキル基、カルボキシル基、アミノ基、少なくとも1つのヒドロキシ基で置換されたアルキル基、又は少なくとも1つのカルボキシ基で置換されたアルキル基を置換基として有するベンゾトリアゾール誘導体である。より好ましくは、アルキル基、カルボキシル基、又は少なくとも1つのヒドロキシ基で置換されたアルキル基を置換基として有するベンゾトリアゾール誘導体である。例えば、5−カルボキシ−ベンゾトリアゾール、1−(2’,3’−ジヒドロキシプロピル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’,3’−ジヒドロキシプロピル)−ベンゾトリアゾール、5−メチル−ベンゾトリアゾールである。
これらの化合物は市販品を使用することもでき、以下の参考文献で合成することもできる。テトラゾール誘導体は、Chemische Berichte,34,3120(1901)、Chemische Berichte,89,2648,(1956)、 Chemische Berichte,34,3120(1901)、 Chemische Berichte,89,2652,(1956)、 Journal of Medicinal Chemistry,29,538−549(1986)、 Carbohydrate Research,73,323−326(1979)、1,2,3−トリアゾール誘導体は、Carbohydrate Research,38,107−115(1974)、Journal of Organic Chemistry,21,190(1956)、1,2,4−トリアゾール誘導体は、Chemistry of Heterocyclic Compounds,16,199(1979)、Chemistry of Heterocyclic Compounds,5,121−122(1969)、Journal of Organic Chemistry,34,3221,3227(1969)、Journal of Organic Chemistry,31,265,272(1966)を参考にして合成することができる。
これらの芳香環化合物の添加量は、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.00001〜5molが好ましく、より好ましくは0.0001〜0.5mol、更に好ましくは0.0005〜0.5molである。
〔キレート剤〕
本発明の研磨液は、混入する多価金属イオンなどの悪影響を低減させるために、必要に応じてキレート剤(すなわち、硬水軟化剤)を含有することが好ましい。
キレート剤としては、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤である汎用の硬水軟化剤やその類縁化合物であり、例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラメチレンスルホン酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸等が挙げられる。
キレート剤は必要に応じて2種以上併用してもよい。
キレート剤の添加量は混入する多価金属イオンなどの金属イオンを封鎖するのに充分な量であればよく、例えば、研磨に使用する際の研磨液(使用液)の1L中、0.0003mol〜0.07molになるように添加する。
〔添加剤〕
また、本発明の研磨液には以下の添加剤を用いてもよい。
即ち、例えば、アンモニア;ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、プロピレンジアミン等のアルキルアミンや、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム及びキトサン等のアミン;ジチゾン、クプロイン(2,2′−ビキノリン)、ネオクプロイン(2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン)、バソクプロイン(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)及びキュペラゾン(ビスシクロヘキサノンオキサリルヒドラゾン)等のイミン;ノニルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、トリアジンチオール、トリアジンジチオール、トリアジントリチオール等のメルカプタン、その他、アントラニル酸、アミノトルイル酸、キナルジン酸などが挙げられる。
これらの中でも、キトサン、エチレンジアミンテトラ酢酸、L−トリプトファン、キュペラゾン、トリアジンジチオールが高いCMP速度と低いエッチング速度を両立する上で好ましい。
これら添加剤の添加量は、研磨に使用する際の研磨液(使用液)の1L中、0.0001mol〜0.5molとすることが好ましく0.001mol〜0.2molとすることがより好ましく、0.005mol〜0.1molとすることが特に好ましい。すなわち、添加剤の添加量は、エッチング抑制の点から0.0001mol以上が好ましく、CMP速度低下防止の点から0.5mol以下が好ましい。
〔界面活性剤及び/又は親水性ポリマー〕
本発明の研磨液は、界面活性剤及び/又は親水性ポリマーを含有することが好ましい。界面活性剤と親水性ポリマーは、いずれも被研磨面の接触角を低下させる作用を有して、均一な研磨を促す作用を有する。用いられる界面活性剤及び/又は親水性ポリマーとしては、以下の群から選ばれたものが好適である。
陰イオン界面活性剤としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩が挙げられ、より具体的には、カルボン酸塩として、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド;スルホン酸塩として、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼン及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩;硫酸エステル塩として、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩;リン酸エステル塩として、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテルリン酸塩を挙げることができる。
陽イオン界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩を挙げることができる。
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、アルキルアミンオキサイドを挙げることができる。
非イオン界面活性剤としては、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型が挙げられ、より具体的には、エーテル型として、ポリオキシエチレンアルキル及びアルキルフェニルエーテル、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル;、エーテルエステル型として、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル;エステル型として、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、プロピレングリコールエステル、ショ糖エステル;含窒素型として、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミド等が例示される。
また、フッ素系界面活性剤を用いることもできる。
更に、その他の界面活性剤、親水性化合物、親水性ポリマー等としては、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、メトキシ酢酸、エトキシ酢酸、3−エトキシプロピオン酸及びアラニンエチルエステル等のエステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルケニルエーテル、アルキルポリエチレングリコール、アルキルポリエチレングリコールアルキルエーテル、アルキルポリエチレングリコールアルケニルエーテル、アルケニルポリエチレングリコール、アルケニルポリエチレングリコールアルキルエーテル、アルケニルポリエチレングリコールアルケニルエーテル、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールアルケニルエーテル、アルキルポリプロピレングリコール、アルキルポリプロピレングリコールアルキルエーテル、アルキルポリプロピレングリコールアルケニルエーテル、アルケニルポリプロピレングリコール、アルケニルポリプロピレングリコールアルキルエーテル及びアルケニルポリプロピレングリコールアルケニルエーテル等のエーテル;アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、カードラン及びプルラン等の多糖類;グリシンアンモニウム塩及びグリシンナトリウム塩等のアミノ酸塩;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、アミノポリアクリルアミド、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸及びその塩;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等のビニル系ポリマー;メチルタウリン酸アンモニウム塩、メチルタウリン酸ナトリウム塩、硫酸メチルナトリウム塩、硫酸エチルアンモニウム塩、硫酸ブチルアンモニウム塩、ビニルスルホン酸ナトリウム塩、1−アリルスルホン酸ナトリウム塩、2−アリルスルホン酸ナトリウム塩、メトキシメチルスルホン酸ナトリウム塩、エトキシメチルスルホン酸アンモニウム塩、3−エトキシプロピルスルホン酸ナトリウム塩、メトキシメチルスルホン酸ナトリウム塩、エトキシメチルスルホン酸アンモニウム塩、3−エトキシプロピルスルホン酸ナトリウム塩及びスルホコハク酸ナトリウム塩等のスルホン酸及びその塩;プロピオンアミド、アクリルアミド、メチル尿素、ニコチンアミド、コハク酸アミド及びスルファニルアミド等のアミド等が挙げられる。
但し、研磨する対象が半導体集積回路用シリコン基板などの場合は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染は望ましくないため、酸若しくはそのアンモニウム塩が望ましい。
研磨する対象がガラス基板等である場合はその限りではない。
界面活性剤及び親水性ポリマーとしては、上記した化合物の中でも、シクロヘキサノール、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリビニルアルコール、コハク酸アミド、ポロビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキル(12〜14)スルホコハク酸二ナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム, スルホコハク酸塩(ジオクチル系)、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ジイソブチルジメチルブチンジオールポリオキシエチレングリコールエーテル、がより好ましい。
界面活性剤及び親水性ポリマーは、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
界面活性剤及び/又は親水性ポリマーの添加量は、総量として、研磨に使用する際の研磨液(使用液)の1L中、0.001〜10gとすることが好ましく、0.01〜5gとすることがより好ましく0.1〜3gとすることが特に好ましい。すなわち、界面活性剤及び/又は親水性ポリマーの添加量は、充分な効果を得る上で、0.001g以上が好ましく、CMP速度の低下防止の点から10g以下が好ましい。
また、これらの界面活性剤及び/又は親水性ポリマーの重量平均分子量としては、500〜100000が好ましく、特には2000〜50000が好ましい。
〔アルカリ剤及び緩衝剤〕
本発明の研磨液は、必要に応じて、pH調整のためにアルカリ剤、更にはpHの変動抑制の点から緩衝剤を含有することができる。
このアルカリ剤や緩衝材としては、特開2006−261333号の段落番号〔0049〕〜〔0053〕に記載のものを使用することができる。
アルカリ剤及び緩衝剤の添加量としては、前述のpHの好ましい範囲に維持される量であればよく、研磨に使用する際の研磨液(使用液)の1L中、0.0001mol〜1.0molとすることが好ましく、0.003mol〜0.5molとすることがより好ましい。
以上、説明した本発明の「研磨液」は、研磨に使用する際の研磨液(すなわち、必要により希釈された研磨液、以下、使用液と称する場合がある。)のみならず、研磨液の濃縮液を含んでいる。濃縮液又は濃縮された研磨液とは、研磨に使用する際の研磨液(使用液)よりも、溶質の濃度が高く調製された研磨液を意味し、研磨に使用する際に、水又は水溶液などで希釈して、研磨に使用されるものである。希釈倍率は、一般的には1〜20体積倍である。
本明細書において「濃縮」及び「濃縮液」とは、使用状態よりも「濃厚」及び「濃厚な液」を意味する慣用表現にしたがって用いており、蒸発などの物理的な濃縮操作を伴う一般的な用語の意味とは異なる用法で用いている。
次に、本発明の研磨液を用いた化学的機械的研磨について以下に説明する。
本発明の研磨液は、半導体集積回路用基板の製造工程において、銅配線を形成するために余分な銅膜を化学的機械的研磨する際に使用される研磨液であることが好ましい。
本発明の研磨液を用いることで、平坦化に優れた銅配線を有する半導体集積回路用基板を得ることができる。
〔ウエハ(研磨対象)〕
本発明の研磨液が研磨する対象は、銅配線を有する半導体集積回路用基板を得るためのウエハであり、銅膜を有する。この銅膜(銅配線)を構成する材料は、銅金属及び/又は銅合金であることが好ましく、特には銅合金が好ましい。更には、銅合金の中でも銀を含有する銅合金が好ましい。銅合金に含有される銀含量は、40質量%以下が好ましく、特には10質量%以下、更には1質量%以下が好ましく、0.00001〜0.1質量%の範囲である銅合金において最も優れた効果を発揮する。
(配線の太さ)
本発明においては、研磨後に得られる半導体集積回路用基板が、例えば、DRAMデバイス系では、ハーフピッチで0.15μm以下であり、更に0.10μm以下であり、特に0.08μm以下である配線を有するものであることが好ましい。一方、MPUデバイス系では、0.12μm以下であり、更に0.09μm以下であり、特に0.07μm以下である配線を有するものであることが好ましい。
このような配線の太さを有するウエハ(研磨対象)に対して、本発明の研磨液は特に優れた効果を発揮する。
(バリア金属)
本発明においては、研磨対象であるウエハは、銅金属及び/又は銅合金からなる銅配線と層間絶縁膜又は基板との間に、銅の拡散を防ぐためのバリア層を有することが好ましい。バリア層としては低抵抗のメタル材料がよく、特に、TiN、TiW、Ta、TaN、W、WNが好ましく、中でもTa、TaNが特に好ましい。
また、層間絶縁膜としては、例えば、SiOが挙げられる。
本発明の研磨液でCMPを行なう対象ウエハは、径が200mm以上であることが好ましく、300mm以上がより好ましい。径が300mm以上である時に、顕著に本発明の効果を発揮する。
<化学的機械的研磨:研磨方法>
本発明の研磨液を用いて、半導体集積回路用基板の製造工程における銅膜の化学的機械的平坦化(化学的機械的研磨)を行う方法は、特に限定されない。
例えば、被研磨面を有する研磨対象であるウエハを保持するホルダーと、研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)研磨定盤と、を有する一般的な研磨装置を使用して、本発明の研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させることで研磨するのが好ましい態様として挙げられる。
本発明の研磨液は、その使用における好ましい態様として、例えば、(1)濃縮液であって、使用する際に水又は水溶液を加えて希釈して使用液とする場合、(2)各成分が次項に述べる水溶液の形態で準備され、これらを混合し、必要により水を加え希釈して使用液とする場合、(3)使用液として調製されている場合が挙げられる。
本発明の研磨液を用いた研磨方法では、本発明の研磨液の使用における好ましい態様について、いずれの場合も適用できる。
本発明の研磨液を用いる研磨方法において使用される研磨用のパッドとしては、特開2006−261333号の段落番号〔0067〕に記載のものを使用することができる。
研磨条件には制限はないが、研磨定盤の回転速度は、ウエハが飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましい。
被研磨面(被研磨膜)を有するウエハ(研磨対象)の研磨パッドへの押しつけ圧力は、5〜500g/cmであることが好ましく、研磨速度のウエハ面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、12〜240g/cmであることがより好ましい。
研磨している間、研磨パッドには研磨液をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。
この研磨液の供給速度は、研磨速度のウエハ面内均一性及びパターンの平坦性を満足するため、10〜1000ml/minが好ましく、170〜800ml/minであることがより好ましい。
研磨終了後のウエハは、流水中で良く洗浄した後、スピンドライヤ等を用いて研磨面上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させる。
本発明において、前記(1)の方法のように、濃縮液を希釈する際には、下記に示す水溶液を用いることができる。水溶液は、予め、酸化剤、有機酸、添加剤、界面活性剤のうち少なくとも1つ以上を含有した水であり、この水溶液中に含有している成分と、希釈される濃縮液中に含有している成分と、を合計した成分が、研磨する際に使用する研磨液、即ち使用液の成分となるようにする。
このように、濃縮液を水溶液で希釈して使用する場合には、溶解しにくい成分を水溶液の形で後から配合することができることから、より濃縮した濃縮液を調製することができる。
また、濃縮液に水又は水溶液を加え希釈する方法としては、濃縮された研磨液を供給する配管と水又は水溶液を供給する配管とを途中で合流させて混合し、混合し希釈された研磨液の使用液を研磨パッドに供給する方法がある。濃縮液と水又は水溶液との混合は、圧力を付した状態で狭い通路を通して液同士を衝突混合する方法、配管中にガラス管などの充填物を詰め液体の流れを分流分離、合流させることを繰り返し行う方法、配管中に動力で回転する羽根を設ける方法など通常に行われている方法を採用することができる。
更に、濃縮液を水又は水溶液などにより希釈しつつ、研磨する方法としては、研磨液を供給する配管と水又は水溶液を供給する配管とを独立に設け、それぞれから所定量の液を研磨パッドに供給し、研磨パッドと被研磨面の相対運動で混合しつつ研磨する方法がある。また、1つの容器に、所定量の濃縮液と水又は水溶液とを入れ混合してから、研磨パッドにその混合した研磨液を供給し、研磨をする方法を用いることもできる。
別の研磨方法としては、研磨液が含有すべき成分を少なくとも2つの構成成分に分けて、それらを使用する際に、水又は水溶液を加え希釈して研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する方法がある。
例えば、酸化剤を構成成分(A)とし、有機酸、添加剤、界面活性剤、及び水を構成成分(B)とし、それらを使用する際に水又は水溶液で、構成成分(A)及び構成成分(B)を希釈して使用することができる。
また、溶解度の低い添加剤を2つの構成成分(A)と(B)に分け、例えば、酸化剤、添加剤、及び界面活性剤を構成成分(A)とし、有機酸、添加剤、界面活性剤、及び水を構成成分(B)とし、それらを使用する際に水又は水溶液を加え、構成成分(A)及び構成成分(B)を希釈して使用する。
上記のような例の場合、構成成分(A)と構成成分(B)と水又は水溶液とをそれぞれ供給する3つの配管が必要であり、希釈混合は、3つの配管を、研磨パッドに供給する1つの配管に結合し、その配管内で混合する方法があり、この場合、2つの配管を結合してから他の1つの配管を結合することも可能である。具体的には、溶解しにくい添加剤を含む構成成分と他の構成成分を混合し、混合経路を長くして溶解時間を確保してから、更に、水又は水溶液の配管を結合する方法である。
その他の混合方法は、上記したように直接に3つの配管をそれぞれ研磨パッドに導き、研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合する方法や、1つの容器に3つの構成成分を混合して、そこから研磨パッドに希釈された研磨液(使用液)を供給する方法がある。
上記した研磨方法において、酸化剤を含む1つの構成成分を40℃以下にし、他の構成成分を室温から100℃の範囲に加温し、1つの構成成分と他の構成成分とを混合する際、又は、水若しくは水溶液を加え希釈する際に、液温を40℃以下とするようにすることができる。この方法は、温度が高いと溶解度が高くなる現象を利用し、研磨液の溶解度の低い原料の溶解度を上げるために好ましい方法である。
上記の他の構成成分を室温から100℃の範囲で加温することで溶解させた原料は、温度が下がると溶液中に析出するため、低温状態の他の構成成分を用いる場合は、予め加温して析出した原料を溶解させる必要がある。これには、加温し、原料が溶解した他の構成成分を送液する手段と、析出物を含む液を攪拌しておき、送液し、配管を加温して溶解させる手段と、を採用することができる。加温した他の構成成分が、酸化剤を含む1つの構成成分の温度を40℃以上に高めると酸化剤が分解する恐れがあるので、この加温した他の構成成分と酸化剤を含む1つの構成成分とを混合した場合、40℃以下となるようにすることが好ましい。
このように、本発明の研磨液を用いる研磨方法においては、研磨液の成分を二分割以上に分割して、研磨面に供給してもよい。この場合、酸化物を含む成分と有機酸を含有する成分とに分割して供給することが好ましい。また、研磨液を濃縮液とし、希釈水を別にして研磨面に供給してもよい。
以下、実施例により本発明を説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
<有機無機複合粒子を含む水分散体の調製>
1)表面処理した有機粒子を含む水分散体の調製
メチルメタクリレ−ト85質量部、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート8質量部、4−ビニルピリジン7質量部、イオン交換水400質量部に、アゾ系重合開始剤2質量部を加え、65℃に加熱攪拌した。この反応混合物をイオン交換水で希釈することにより、アミノ基の陽イオン及びポリエチレングリコール鎖を有する官能基を備えた平均粒子径150nmのポリメチルメタクリレート系粒子を11質量%含む水分散体を得た。重合収率は93%であった。
この水分散体100質量部にメチルトリメトキシシラン1質量部を添加し、45℃に加熱攪拌した。その後、硝酸水溶液でpHを2.0に調整することにより、表面処理した有機粒子を含む水分散体を得た。この水分散体に含まれる表面処理した有機粒子のゼータ電位は+16mVであった。
2)無機粒子(コロイダルシリカ粒子)を含む水分散体の調製
コロイダルシリカ粒子を水中に分散させ、これに1規定水酸化カリウム水溶液を添加してpHを調整することにより、コロイダルシリカ粒子を10質量%含有するpHが8.0の水分散体を得た。
この水分散体に含まれるコロイダルシリカ粒子のゼータ電位は−40mVであった。
3)有機無機複合粒子を含む水分散体の調製
上記1)表面処理した有機粒子を含む水分散体の調製で調製した水分散体100質量部に、上記2)無機粒子(コロイダルシリカ粒子)を含む水分散体の調製で調製した水分散体50質量部を攪拌しながら徐々に添加し、更に、添加後2時間攪拌することにより、ポリメチルメタクリレート系粒子にシリカ粒子が付着した粒子を含む水分散体を得た。
次いで、得られた水分散体にビニルトリエトキシシラン2質量部を添加して1時間攪拌した後、更に、テトラエトキシシラン1質量部を添加した。これを60℃に加熱攪拌した後、冷却することにより、有機無機複合粒子を10質量%含有する水分散体を調製した(平均粒子径185nm)。
この水分散体に含有される有機無機複合粒子を走査型電子顕微鏡で観察したところ、ポリメチルメタクリレート系粒子の表面の85%にシリカ粒子が付着しているものであった。
<実施例1>
下記組成の研磨液を調製し、実施例1の研磨液を得た。この研磨液を、下記の方法により研磨試験を行って評価した。
(研磨液の組成)
・コロイダルシリカ ・・・5g
・(A)前記方法で得られた有機無機複合粒子 ・・・1g
・(B)キナルジン酸 ・・・1g
・(C)L−アラニン ・・・12g
・(D)過酸化水素 ・・・5g
・純水 ・・・全量が1000mlとなる量
研磨液のpHは、アンモニア水と硝酸とを用いることにより、4.5に調整した。
なお、上記過酸化水素、アミノ酸、キナルジン酸、有機無機複合粒子、及びコロイダルシリカの質量は、これらの成分自体の質量を示す。
(研磨試験)
・研磨パッド:IC1400XY+K Groove(ロームアンドハース社)
・研磨機:LGP−612(LapmaSterSFT社)
・押さえ圧力:140hPa
・研磨液供給速度:200ml/min
・銅ブランケットウエハ:厚さ1.4μmの銅膜を形成したウエハ(φ200mm)
・タンタルブランケットウエハ:厚さ1μmのタンタル膜を形成したウエハ(φ200mm)
・パターンウエハ:atdf社製CMP854パターンウエハ(φ200mm)
・研磨パッド/ウエハの回転数:95/120rpm
・定盤温調:20℃
・金属用研磨液の供給時の温度:25℃
(評価方法)
・研磨速度:銅ブランケットウエハ面上の49箇所と、タンタルブランケットウエハ面上の49箇所に対し、金属膜のCMP前後での膜厚さを電気抵抗値から換算して、それぞれの平均研磨速度を求めた。また、求められた研磨速度を、下記の式に導入し、銅とタンタルの研磨速度比(銅/タンタル研磨速度比)を算出した。
(銅/タンタル研磨速度比)=(銅の平均研磨速度)/(タンタルの平均研磨速度)
・ディッシング:パターンウエハに対し、非配線部の銅が完全に研磨されるまでの時間に加えて、該時間の30%に相当する時間研磨し、ラインアンドスペース部(ライン100μm、スペース100μm)のディッシングを触針式段差計で測定した。
上記研磨液を用いてCMPを行って得られた銅研磨速度、銅/タンタル研磨速度比、及びディッシングを下記表1に示す。
<実施例2〜3>
実施例1の研磨液の組成において、他の砥粒(コロイダルシリカ)、(C)成分、(D)成分、及びpHを、適宜、下記表1に記載のように代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜3の研磨液を作製した。
得られた研磨液を用いて、実施例1と同様の方法で、銅研磨速度、銅/タンタル研磨速度比、及びディッシングを求めた。これらの結果を表1に併記する。
<実施例4>
下記組成の研磨液を調製し、実施例4の研磨液を得た。
得られた研磨液を用いて、実施例1と同様の方法で、銅研磨速度、銅/タンタル研磨速度比、及びディッシングを求めた。これらの結果を表1に併記する。
(研磨液の組成)
・コロイダルシリカ ・・・5g
・(A)前記方法で得られた有機無機複合粒子 ・・・1g
・(B)キナルジン酸 ・・・1g
・(C)L−ロイシン ・・・12g
・(D)過酸化水素 ・・・5g
・テトラゾール(不動態膜形成剤) ・・・0.5g
・純水 ・・・全量が1000mlとなる量
研磨液のpHは、アンモニア水と硝酸とを用いることにより、4.5に調整した。
なお、上記過酸化水素、アミノ酸、キナルジン酸、他の成分(テトラゾール)、有機無機複合粒子、及びコロイダルシリカの質量は、これらの成分自体の質量を示す。
<実施例5〜6>
実施例4の研磨液の組成において、他の砥粒(コロイダルシリカ)、(C)成分、及び(D)成分を、適宜、下記表1に示すものに代える、又は、用いずに、更に、pHを下記表1のように調整した以外は、実施例4と同様にして、実施例5〜6の研磨液を作製した。なお、実施例5においては、他の砥粒(コロイダルシリカ)を用いず、その代わりに有機無機複合粒子を計6g用いた。
得られた研磨液を用いて、実施例1と同様の方法で、銅研磨速度、銅/タンタル研磨速度比、及びディッシングを求めた。これらの結果を表1に併記する。
<比較例1〜4>
実施例1の研磨液の組成において、他の砥粒、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及び他の成分を、適宜、下記表1に示すものに代える、又は、用いずに、更に、pHを下記表1のように調整した以外は、実施例1と同様にして、比較例1〜4の研磨液を作製した。
得られた研磨液を用いて、実施例1と同様の方法で、銅研磨速度、銅/タンタル研磨速度比、及びディッシングを求めた。これらの結果を表1に併記する。
Figure 2008288509
表1に示されるように、(A)〜(D)成分を含む研磨液(実施例1〜6)は、(A)〜(D)成分のいずれかが含まれていない研磨液(比較例1〜4)と比較して、銅研磨速度やディッシングに優れ、更に、銅/タンタル研磨速度比に優れていることがわかる。
このような結果から、本発明の研磨液は、主として銅膜(銅配線)の研磨に用いられることが好ましい。

Claims (2)

  1. 半導体集積回路用基板の製造工程における化学的機械的平坦化に用いられ、(A)有機無機複合粒子、(B)キノリンカルボン酸又はその誘導体、(C)アミノ酸、及び(D)酸化剤を含有することを特徴とする金属用研磨液。
  2. 主として銅配線の研磨に用いられることを特徴とする請求項1に記載の金属用研磨液。
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