JP2008286644A - フレア計測システム、フレア計測方法および該方法を実行するためのプログラム - Google Patents

フレア計測システム、フレア計測方法および該方法を実行するためのプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】コンタクトガラス上で点光源を照射し、それを読み取ったスキャナ画像から照度分布を補正し、更に照射光分布を減じることでフレアの分布を算出し、実際のスキャナ画像からのフレアの分布を算出するにあたって、再照明光の算出を可能にすること。
【解決手段】光源と、光源からの光を反射して原稿を照明する反射板と、原稿設置台とからなる画像読取装置の照明状態を予測するためのフレア計測システムであって、原稿設置台上には格子状のメッシュで区切られた受光面が設置されており、フレア計測システムは、光源または反射板からの照明光に対する原稿設置台からの多重反射光強度を算出し、原稿設置台を透過する1次透過光以外の多次透過光を受光面上のメッシュ毎に積分して受光面におけるメッシュ毎の光強度を計算し、メッシュ毎の光強度によって得られる全メッシュの光強度から多次透過光分布を求めることを特徴とする。
【選択図】図12

Description

本発明は、画像読取装置の照明状態を予測するためのフレア計測システム、フレア計測方法および該方法を実行するためのプログラムに関し、また画像読取装置の照明状態における透過光および再照明現象を評価する技術に関する。
従来の原稿画像読取装置100に使用される照明装置は、例えば図14に示されるような構成を有している。また第1の走行体10の拡大図を図15に示す。
図14に示す画像読取装置は被写体である2次元原稿を1次元撮像素子によって読み取るフラットベッドスキャナの一例である。このような画像読取装置100は、光源の照明ランプ4と、原稿1を設置する原稿設置板であるコンタクトガラス2と、照明ランプ4からの照明光を原稿1の原稿面に反射して照射させるリフレクタ5と、原稿面からの反射光を撮像側に導く第1及び第2の反射部8、11と、反射光を1次元撮像素子9に結像させるレンズ8とを含んで構成されている。また、走行体10は、照明ランプ4、リフレクタ5及び反射部6を搭載して副走査方向に走査される。更に、走行体11も反射部7を搭載して副走査方向に走査される。なお、照明ランプ4は円筒状の発光体であり、たとえばハロゲンランプ、キセノンランプ、蛍光灯などが用いられる。
このような構成を有する画像読取装置100によれば、コンタクトガラス2に設置された原稿1の画像は、反射部8、反射部7に反射されて、レンズ8によって1次元撮像素子9に像を結像する。像は1次元撮像素子9によって光電変換されて画像信号として取り込まれる。走行体10、11が原稿の全面を走査することによって2次元画像を生成する。なお、通常撮像素子として1次元CCDが用いられ、レンズはコンタクトガラス面に対して縮小して撮像素子上に結像(縮小光学系)している。よって、CCDの画像解像度と、スキャナ自身の持つ画像解像度は一致しない。スキャナの画像解像度はDPI(ドット/inch)で表され、300〜800DPI程度である。
走行体10の走行する方向が副走査方向であり、それと垂直な走行体の長手方向が主走査方向である。
このような画像読取装置において、照明ランプ4の開口部14から発した照明光221は、原稿1を載置する原稿設置板であるコンタクトガラス2に直接入射する(直接入射光)か、もしくはリフレクタ5で反射されてから入射する(反射入射光)。コンタクトガラス2は、透明なガラスによって構成され、コンタクトガラス2に入射した入射光(直接入射光と反射入射光)は透過して、原稿面(コンタクトガラス面と接触している面)1に当たる。
また照射光はコンタクトガラス2の両方の界面で多重反射されることが多く、このような複数の多重反射光を含む透過光の一方は原稿面へ行き、残りは再びコンタクトガラス2の下方にさらなる多重反射光となる。この多重反射光にはコンタクトガラス2の下面(原稿と接触する面と対向したコンタクトガラスの面)で反射して下方に戻る反射光も存在する。
コンタクトガラス2を透過して原稿面に到達した光は原稿面1のパターン上で反射され、反射された光は再びコンタクトガラス2を透過した後に、下方へ戻る。その結果、コンタクトガラス2からの多重反射光とコンタクトガラス下面からの反射光および原稿1からの反射光は合成され、下方へ放射される。これらの光を多重反射光13と呼ぶ。
このような多重反射光が存在すると原稿濃度が同一であっても、目的位置(スキャン位置)の周辺の原稿濃度と目的位置の原稿濃度との差が影響して、本来の目的位置の原稿濃度におけるスキャナの読取画像信号が変化してしまう。すなわち照明光が原稿面やコンタクトガラス界面で反射する際に目的位置の原稿への照射光とその周辺位置への照射光とが反射の結果混合しあい反射光に対して多重反射光強度が影響するほど強いと目的位置(スキャン位置)のみの反射光量だけでなく、その周辺位置の原稿濃度あるいは多重反射光量の影響によって、撮像素子に入射する光量が変化する。特にこのような現象であるフレア現象は、原稿濃度が急激に変化する部分で顕著に発生する。
このようなフレア現象は、例えば、再反射光がリフレクタもしくは照明ランプ外壁で反射して、再び原稿を再照明する光学部材からの再反射光の場合に生じる。このような、原稿を再照明する光を再照明光と呼ぶ。
図16に実際にフレア現象が生じた読取画像例を示す。
図16に示すように、黒パターン部21に挟まれた境界部22は、白パターン部23に比べ、暗く読み取られる。白パターン部23は濃度が均一であり、境界部22と白パターン部23とは、本来同じ「白」と読み取られなければならない。しかし図16に示すように、これら2領域は異なる明るさの部として読み取られてしまっており、境界部22は読取画像として劣化しているということになる。この劣化は黒パターン部に挟まれた領域が画像読取装置によって読み込まれたときに、その両側の黒パターン部の影響により、白パターン部が連続している領域を読み取った場合と比較して再反射光量が相対的に減ってしまうためである。
また、この例とは逆に、白パターン部22が近傍に存在する黒パターン部21では、周辺の白パターン部22からの再照明光の影響によって、黒パターン部21の黒レベルが高くなっている(いわゆる白化している)と読み取られてしまう現象も生じている。
そこでスキャナの設計段階においては、原稿面を反射した再照明光が原稿を照明しないように、光学系部品を黒く塗装する、レイアウトを工夫するなどの対応をしているが、再照明光による再照明を完全には除去できず、読取画像品質上の課題となっていた。特に、文字部の周辺が急激に暗くなり、コピー画像などで地汚れが発生して、極端な画像品質劣化を招く場合があった。
このような再照明光分布を計測する手段として、コンタクトガラス上で点光源を照射し、それを読み取ったスキャナ画像から照度分布を補正し、更に照射光分布を減じて再照明光の分布を算出する発明が知られている(特許文献1を参照)。
ここでは実際のスキャナ画像から再照明光の分布を算出しているから、スキャナが存在しない設計段階での再照明光分布を予想することができなかった。
特開2003−50184号公報
この公報(特許文献1)ではコンタクトガラス上で点光源を照射し、それを読み取ったスキャナ画像から照度分布を補正し、更に照射光分布を減じることでフレアの分布を算出しているが、その際に実際のスキャナ画像からフレアの分布を算出している。
本発明は、前記したフレアの分布を求めるにあたって、再照明光を算出すれば、画像読取装置がなくてもフレア分布を再現できる点に鑑みてなされたものであり、画像読取装置の照明光学系構成からフレアのような再照明現象による光強度分布を生成する装置などを設計するための支援可能なフレア計測システム、方法、プログラムおよびこのプログラムを格納した記憶媒体を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、光源と、前記光源からの光を反射して原稿を照明する反射板と、原稿設置台とからなる画像読取装置の照明状態を予測するためのフレア計測システムであって、前記画像読取装置の前記原稿設置台上に格子状のメッシュで区切られた受光面が設置されており、前記フレア計測システムは、前記光源または前記反射板からの照明光に対する前記原稿設置台からの多重反射光強度を算出し、前記稿設置台を透過する1次透過光以外の多次透過光を前記受光面上のメッシュ毎に積分して前記受光面における前記メッシュ毎の光強度を計算し、前記メッシュ毎の光強度によって得られる全メッシュの光強度から多次透過光分布を求めることを特徴とする。
また請求項2に記載の本発明は、光源と、前記光源からの光を反射して原稿を照明する反射板と、原稿設置台とからなる画像読取装置の照明状態を予測するためのフレア計測システムであって、前記画像読取装置のフレア計測システムは、記憶装置と、演算装置と、表示装置とが接続され、前記演算装置により前記多重反射光が算出され、前記稿設置台を透過する1次透過光以外の多次透過光強度を前記受光面上のメッシュ毎に積分して前記受光面における前記メッシュ毎の光強度が計算され、前記メッシュ毎の光強度から得られる全メッシュの光強度から多次透過光分布が求められることを特徴とする。
また請求項3に記載の本発明は、請求項1または2に記載のフレア計測システムにおいて、前記画像読取装置の前記原稿設置台上部の任意の位置に格子状のメッシュで区切られた受光面が設置されており、前記フレア計測システムは前記光源または前記反射板からの照明光に対する原稿設置台内部の多重反射強度を計算し、前記原稿設置台上から反射する多次反射光の光線を追跡し、光源もしくは反射板で再反射し再び原稿設置台を透過した再照明光を前記受光面上のメッシュ毎に積分してメッシュ毎の光強度を計算し、計算された多重反射データ、多次反射光の光線の追跡データおよびメッシュごとの光強度データを用いて全メッシュの光強度から再照明光分布を求めることを特徴とする。
また請求項4に記載の本発明は、請求項3において、前記画像読取装置の前記原稿設置台上部に格子状のメッシュで区切られた受光面が設置されており、前記フレア計測システムは照明光に対して原稿設置台を透過した1次透過光のデータと、前記多次透過光のデータと、前記再照明光のデータとを用いて、前記受光面上のメッシュ毎に積分してメッシュごとの光強度を計算し、前記メッシュごとの光強度により得られる全メッシュの光強度から全要素照明光分布を求めることを特徴とする。
また請求項5に記載の本発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載のフレア計測システムにおいて、前記受光面は、原稿設置台上部の任意の位置に設置され、任意の位置に設置された受光面における多次透過光分布、再照明光分布および全要素照明光分布のうち少なくとも1つを演算することを特徴とするフレア計測システムである。
また請求項6に記載の本発明は、光源と、前記光源からの光を反射して原稿を照明する反射板と、原稿設置台とからなる画像読取装置の照明状態を予測するためのフレア計測システムであって、前記画像読取装置のフレア計測システムは、記憶装置と、演算装置と、表示装置とが接続され、前記演算装置は、前記光源から出射された光線の光強度と方向から光源発光分布を表すデータを算出する光源発光分布計算部と、前記光源からの前記原稿設置台の原稿まで到達する光線の強度と方向とを有する追跡を演算すると共に、前記原稿設置台内での反射及び屈折、原稿面から反射した光線の前記光源または前記反射板から再反射されて前記原稿設置台に戻る再反射計算を行う光線追跡計算部と、前記光線追跡計算部で求められた受光面上の光線をメッシュ毎に積分してメッシュ領域全体の再反射光分布を計算する再反射光分布計算部とを有することを特徴とする。
また請求項7に記載の本発明は、請求項6において、さらに前記記憶装置は、前記光源の形状、位置、前記光源の発光点を含む情報を格納する光源部材データ部と、前記光源から出射する光束の光強度と発光方向のデータを格納する光源発光分布データ部と、前記反射板、前記原稿設置台の形状、光学特性、位置情報を格納する光学部材データ部と、前記多次透過光・再照明光分布計算部および前記光線追跡計算部で計算された多次透過光および再照明光分布のデータを格納する多次透過光・再照明光分布データ部と、を有し、前記光源発光分布計算部は前記光源部材データ部内の光源部材データを用いて光源発光分布データを算出するか、または前記光源発光分布データ部に光源発光分布データの有無を確認し、無い場合には光源発光分布データを算出を実行し、得られた光源発光分布データを用い、有る場合には当該光源発光分布データを用いて前記光源追跡計算部は前記原稿設置台の原稿まで到達する光線の強度と方向とを有する追跡を計算実行し、また前記光源追跡計算部は前記多次透過光・再照明光分布データ部の前記多次透過光・再照明光分布データを用いて前記再反射計算を実行することを特徴とする。
また別の観点から言えば本発明は、光源と、前記光源からの光を反射して原稿を照明する反射板と、原稿設置台と、前記原稿設置台上に格子状のメッシュで区切られた受光面が設置されている画像読取装置の照明状態を予測するためのフレア計測方法であって、前記光源または前記反射板からの照明光に対する前記原稿設置台からの多重反射光強度を算出し、前記稿設置台を透過する1次透過光以外の多次透過光を前記受光面上のメッシュ毎に積分して前記受光面における前記メッシュ毎の光強度を計算し、前記メッシュ毎の光強度によって得られる全メッシュの光強度から多次透過光分布を求めることを特徴とする。
また請求項9に記載の本発明は、光源と、前記光源からの光を反射して原稿を照明する反射板と、原稿設置台と、前記原稿設置台上に格子状のメッシュで区切られた受光面が設置されている画像読取装置の照明状態を予測するためのフレア計測方法であって、前記光源または前記反射板からの照明光に対する原稿設置台内部の多重反射強度を計算し、前記原稿設置台上から反射する多次反射光の光線を追跡し、光源もしくは反射板で再反射し再び原稿設置台を透過した再照明光を前記受光面上のメッシュ毎に積分してメッシュ毎の光強度を計算し、計算された多重反射データ、多次反射光の光線の追跡データおよびメッシュごとの光強度データを用いて全メッシュの光強度から再照明光分布を求めることを特徴とする。
また請求項10に記載の本発明は、光源と、前記光源からの光を反射して原稿を照明する反射板と、原稿設置台と、前記原稿設置台上に格子状のメッシュで区切られた受光面が設置されている画像読取装置の照明状態を予測するためのフレア計測方法であって、照明光に対して原稿設置台を透過した1次透過光のデータと、前記多次透過光のデータと、前記再照明光のデータとを用いて、前記受光面上のメッシュ毎に積分してメッシュごとの光強度を計算し、前記メッシュごとの光強度により得られる全メッシュの光強度から全要素照明光分布を求めることを特徴とする。
また請求項11に記載の本発明は、光源と、前記光源からの光を反射して原稿を照明する反射板と、原稿設置台と、前記原稿設置台上に格子状のメッシュで区切られた受光面が設置されている画像読取装置の照明状態を予測するためのフレア計測方法であって、照明光に対して原稿設置台を透過した1次透過光のデータと、前記多次透過光のデータと、前記再照明光のデータとを用いて、前記受光面上のメッシュ毎に積分してメッシュごとの光強度を計算し、前記メッシュごとの光強度により得られる全メッシュの光強度から全要素照明光分布を求め、前記光源の形状、位置、前記光源の発光点を含む情報を光源部材データとして格納し、前記光源から出射する光束の光強度と発光方向のデータを光源発光分布データとして格納し、前記光源部材データを用いて光源発光分布データを算出するか、または前記光源発光分布データ部に光源発光分布データの有無を確認し、無い場合には光源発光分布データを算出を実行し、得られた光源発光分布データを用い、有る場合には当該光源発光分布データを用いて前記光源追跡計算部は前記原稿設置台の原稿まで到達する光線の強度と方向とを有する追跡を計算実行し、また前記光源追跡計算部は前記多次透過光・再照明光分布データ部の前記多次透過光・再照明光分布データを用いて前記再反射計算を実行することを特徴とする。
また別の観点から言えば本発明は、請求項8乃至11記載のフレア計測方法を請求項1乃至7記載のフレア計測システムまたは演算装置に実行させるためのプログラムである。
本発明によれば、原稿設置台内部の多重反射を計算して、受光面側へ透過する多次透過光と、原稿設置台下方に反射した光線がランプ外面やリフレクタで再反射し、原稿設置台を透過して受光面に達する再照明光を計算して、受光面上での多次透過光分布および再照明光分布を求めているので、設計段階において、画像読取装置が存在しなくてもこれらの分布を予想することが可能となり、試作コストの低減を図ることができる。また、本装置を用いてフレア光の発生を抑えるような光学レイアウトを設計することが可能になるので、画像読取装置の性能向上を図ることができる。
また前記の多次透過光および再照明光に加えて、1次透過光を合成して照度分布を求めているので、全ての光を考慮した全要素照明光分布を計算することが可能となる。ランプから出射する光線本数を揃えることで前記、多次透過光もしくは再照明光と全要素照明光との定量比較が可能となり、フレア成分の寄与率及び割合を推定することが可能となる。
さらに、受光面が任意の位置に設置可能であるので、任意の位置での多次透過光および再照明光分布が計算可能であり、紙浮きなどの現象が生じたときに多次透過光および再照明光の変化を捕らえることでその影響や寄与率を推定でき、フレア光の発生を抑えるような光学レイアウトを設計することが可能になる。
本発明のフレア計測システムは、光源または反射板からの照明光に対する原稿設置台からの多重反射光強度を算出し、前記稿設置台を透過する1次透過光以外の多次透過光を前記受光面上のメッシュ毎に積分して前記受光面における前記メッシュ毎の光強度を計算し、前記メッシュ毎の光強度から得られる全メッシュの光強度から多次透過光分布を求めることを特徴とする。
本発明のフレア計測システム構成例の詳細は後述するが、図12に示すように、記憶装置51、演算装置52および表示装置53から構成されている。記憶装置53には光源部材データ、光源発光分布データ、光学部材データ、多次反射光・再照明光分布データなどを納めた部(光源部材データ部511、光源発光分布データ部512、光学部材データ部513、多次反射光・再照明光分布データ部514)が含まれている。
まず、光源発光分布の算出について説明する。
図1は照明ランプ31の構成を説明するための斜視図である。
照明ランプ内壁の複数の発光点34から様々な方向に発射される。発射される光線の方向はモンテカルロ法を用いてランダムに発射されることになる(モンテカルロ法を用いて得られる)。照明ランプ4の内壁からランダムな方向に出射された光線は、照明ランプ内壁で多重反射する毎にこの光線の方向が変化し内壁の反射率にしたがってこの光線の強度が減衰する。
次に発光点から出射された光線の多重反射による追跡について説明する。
光線の追跡は、発光点から開始される。
図2に示すように、出射点P(Xs, Ys, Zs)からQ(Qx, Qy, Qz)方向に出射した光線が反射点K(Xp, Yp, Zp)で反射するときのKの座標はPK=mとすると以下の式が成り立つ。
Xp = Xs + mQx (1)
Yp = Ys + mQy (2)
Zp = Zs + mQz (3)
Xp2 + Yp2 − r2 = 0 (4)
上記した(4)式に(1)〜(3)式を代入し、整理するとmは以下のようになる。
Figure 2008286644
このとき右辺の分子の項は内面反射(図2において、円筒状の内部における反射)のとき、
Figure 2008286644
となる。
上記(6)、(7)を用いてmを求め、(1)〜(3)式に代入するとK点の座標を求めることができる。
一方、Kで反射された光線は図2に示すように、Q’(qx’,qy’,qz’)方向に反射する。Kでの法線ベクトルE(Ex, Ey, Ez)はリフレクタ面の勾配であるから(4)式をh(Xp, Yp)と置けば、以下のように表される。
E=grad h (8)
反射法則を用いてQ’は以下のように表せる。
Q’=Q−2E(E・Q) (9)
多重反射した光線のうち開口部32に達した光線のみが光源外に出射される。この光源外に出射される光線のうち、あるしきい値以下の強度の光線は計算を中止する。これは照度分布に影響が出ない程度の光線の寄与を省略すれば光線追跡のための計算時間を短縮可能である。このような閾値として初期出射光強度の1%程度の値を閾値と設定することが望ましい。
多重反射計算では光線が光源内を無限に反射するような場合(無限ループ光線)も前記した閾値未満の光強度になる光線に対する計算省略の中に含まれるので無限ループを回避することができる。
図1に示すように照明ランプの開口部32には開口部形状に沿って略等間隔に格子状発光領域33が設置される。各発光点から出射した光線のうち、開口部32の格子状発光領域33に達した領域毎に光線の光強度を加算し、発光方向をベクトル合成する。
開口部32の格子状発光領域33での光束の光強度と発光方向とが、光源の発光分布情報(光源発光分布データ)となる。格子状発光領域33の格子間隔は細かい方が最終照度分布の計算精度が高くなる。
光源の発光分布情報は光源発光分布データ部にファイル化され、光源発光分布データとすることも可能である。光源の種類は1つとし、他の光学部材のレイアウトだけを変更して計算するときにはファイル化された光源の発光分布情報(光源発光分布データ)を用いると速く算出できる。また光源発光分布データとして実験値を用いることも可能であり、実験値も光源発光分布データ部にファイル化しておくことができる。
次に光線2跡を、図3〜6を参照しながら説明する。
図3〜6に光源4から出射した光線とリフレクタ5での反射における光線追跡の例を示す。
まず反射による光線追跡について説明する。
光線の追跡は発光点から開始される。
光源4から出射した光線がリフレクタに当たったときの反射点および反射方向の計算は、光源の光線の出射座標点および方向ベクトルとリフレクタの形状関数から求められる。このとき図3に示すように、光学系のグローバル座標系XYZからリフレクタの原点を中心としたローカル座標系X’Y’Z’への座標変換を行う。このようなローカル座標系において光線追跡を行えばリフレクタの形状が平面あるいは任意の曲面であってもよいので、統一的に計算が実行できる。リフレクタの形状としては、たとえば平面、円筒面、楕円面などが用いられる。
図3に示すように、光源の出射点U(xu,yu,zu) からV(vx,vy,vz)方向に発射した光線のリフレクタ中心のローカル座標系X’Y’Z’への座標変換は、回転・並進行列をRxyz(α,β,γ, kx,ky)とすれば以下のように表すことができる。
[xu’,yu’,zu’]=[R][xu, yu, zu] (10)
[vx’,vy’,vz’]=[R][vx, vy, vz] (11)
点U’(xu’,yu’,zu’) からV’(vx’,vy’,vz’)方向に発射した光線が形状関数 f (x’,y’,z’)=0で表されるリフレクタ面上の点T’(xt’,yt’,zt’) に当たる位置はU’T’=l(エル)とすれば以下の式が成り立つ。
xt’=xu’+l vx’ (12)
yt’=yu’+l vy’ (13)
zt’=zu’+l vz’ (14)
f(xt’,yt’,zt’)=0 (15)
この連立方程式を解き、lを求め、(12)〜(14)式に代入して、T’の座標点を求めることができる。一方、T’で反射された光線はW’(wx’,wy’,wz’)方向に反射する。T’での法線ベクトルG’(gx’,gy’,gz’)はリフレクタ面の勾配であるから(15)式より以下のように表される。
G’=gradf (16)
反射法則によりW’は以下のように表せる。
W’=V’−2G’(G’・V’) (17)
以上のようにしてローカル座標系での反射点および反射方向を求めることができる。これらの計算の終了後、グローバル座標系に戻す。前述の回転・並進行列の逆行列 Rxyz‐1 (α,β,γ, kx, ky)を用いて、反射点T(xt,yt,zt)および反射方向Q(qx,qy,qz)は以下のように計算できる。
[xt, yt, zt ]=[R]-1[xt’, yt’, zt’] (18)
[qx, qy, qz ]=[R]-1[qx’, qy’, qz’] (19)
次に屈折による光線追跡について説明する。図4に示されるように屈折は光線が屈折率の異なるところ、すなわちコンタクトガラス2に入射したときに生じる。光線がコンタクトガラス面に当たる座標はリフレクタによる反射計算で行った計算と同様にして求めることができる。異なるのはコンタクトガラス面での屈折方向であり、たとえば第1面における屈折を考える。入射方向ベクトルをQ(qx,qy,qz) とし、入射角i、屈折角i’、法線ベクトルF(fx,fy,fz) とすれば、スネルの法則を用いて、屈折光ベクトルH(hx,hy,hz) は、以下のようにして求められる。
Figure 2008286644
式(21)中、sign(x) はx の正負によって+1もしくは‐1となる関数(シグネーチャー関数)である。NおよびN’は媒質の屈折率である。
式(20)〜(21)によって、第1面での屈折方向が求まる。同様な演算を実行することにより、第2面での屈折方向も計算できる。
一方、コンタクトガラス2の界面での反射は、前記式(10)〜(19)式と同様にして演算を実行することによって、反射方向を計算することができる。
図5に照明光学系とコンタクトガラス2内での光の多重反射光および透過光に関する説明をするための図を示す。
照明ランプ41から照射された照明光65は、一部は直接コンタクトガラス2に入射し、一部はリフレクタ5により反射されてコンタクトガラス2に入射する。
コンタクトガラス2の両面では、コンタクトガラス2を透過する光は反射せずに透過する一次透過光66と、多重反射した後に透過する多次透過光67に分けられる。
コンタクトガラス2の界面で多重反射する光は図6に示すように表される。
コンタクトガラスのような異なった媒質面へ光が入射される場合、入射角θiによって界面での反射率が異なるという現象が知られている。図6に示すように、屈折率n0の媒質から屈折率n1の媒質への入射の場合、第1面での偏光方向毎の反射率は以下のようなフレネル則で表せる。
Figure 2008286644
ここで扱う光はインコヒーレント光であるので、偏光成分がない。そこで、透過率T1は以下のように計算できる。
T1=1−(Rs1+Rp1)/2 (24)
したがってコンタクトガラス2内での透過光強度It1は入射光強度をI0とすると以下のようになる。
It1=I0×T1 (25)
コンタクトガラス第2面での反射は前記式(22)〜(23)と同様に反射率を計算でき、その値R2は以下のようになる。
R2=(Rs2+Rp2)/2 (26)
第2面の透過率T2は以下のようになる。
T2=1−R2 (27)
よって、第2面を透過する1次透過光強度It2は入射光強度をI0とすると以下のようになる。
It2=I0×T1×T2 (28)
またコンタクトガラス第2面で反射する反射光強度Ir2は入射光強度をI0とすると以下のように表せる。
Ir2=I0(T1・R2) (29)
第2面を反射した光は第1面で再び反射するが、これは第2面での反射と同様に計算できる。
つまり、R2は(26)式と同じなので、第1面で再反射する反射光強度Ir3は以下のようになる。
Ir3=I0(T1・R22) (30)
この光は第2面で一部透過し、その多次透過光強度It4は以下のようになる。
It4=I0(T1・T2・R22) (31)
このように各面での反射光強度を繰り返し計算することで多重反射光、一次透過光、多次透過光の各成分を計算することができる。
コンタクトガラス2上部の位置には格子状のメッシュで区切られた受光面64が設置され、コンタクトガラス2を透過した光線が受光面上の各メッシュ(単位メッシュ)毎に積分される。単位メッシュ毎の光強度を計算し、全メッシュの光強度をメッシュの順番にプロットしていくと、透過光分布を求めることができる。
これらの光は主たる照明光と異なる光でありフレア光の一種である。
図7に、コンタクトガラス2を透過した全要素照明光強度を、各メッシュの位置ごとに順にプロットして作成したものを示す。この図7は副走査断面での照明光強度を示している。
照明ランプ41からの光線本数を図7と同条件で出射した場合に、1次透過光を除いた多次透過光の受光面上での光強度分布を図8に示す。この図に示されるような分布が副走査断面での光強度を示している。
図8に示す光強度分布は照明光強度に比べると非常に小さく、ピーク強度の1%程度であるが、スキャナ画像への影響としては必ずしも無視できる値ではない。
したがってこのような光強度分布をいかに減らしていくかがフレア低減するのに重要となる。
低減を図るには、たとえば照明光学系の光学要素レイアウトの修正、あるいは前記式(22)〜(23)に示したフレネル則からコンタクトガラス2の屈折率を小さくすることで対処することが考えられる。
図9に照明光学系とコンタクトガラス2内での光の多重反射および再照明光について説明するための図を示す。
照明ランプ41から出射された照明光は、一部は直接コンタクトガラス2に入射し、一部はリフレクタ5に反射してコンタクトガラス2に入射する。
コンタクトガラス2内では多重反射が生じ、コンタクトガラス2を透過する光は反射せずに透過する一次透過光86と多重反射した後に下方に透過する多次反射光に分けることができる。
コンタクトガラス2内での屈折は前記式(20)〜(21)と同様にして計算することによって得ることができる。
コンタクトガラス2の界面で多重反射する光は前記した図6を用いて説明したのと同様なモデルで表すことができる。
前記式(22)〜(29)を用いて同様にして多重反射光の光強度を計算し、第2面を反射して第1面を透過する光の透過光強度It3を以下の式を用いて得られる。
It3=I0(T1・T2・R2) (32)
このような計算を繰り返してコンタクトガラス2内の多重反射を計算することができる。
コンタクトガラス2の下方に透過した多次反射光の一部は照明ランプ41の外面で反射して、コンタクトガラス2へ入射し、コンタクトガラス2を透過して受光面84へ抜ける。また一部は照明ランプ41の外面で反射した後、リフレクタ5で反射してコンタクトガラス2へ入射し、コンタクトガラス2を透過して受光面84へ抜けていく。
照明ランプ外面での反射は前記式(1)〜(5)を用いて計算でき、リフレクタでの反射は前記式(10)〜(19)を用いて計算することができる。コンタクトガラス2での屈折は前記式(20)〜(21)と同様である。
これらの光が再照明光87であり、これらの光は主たる照明光とは異なるフレア光の一種である。
コンタクトガラス2上部の任意の位置には格子状のメッシュで区切られた受光面84が設置され、コンタクトガラス2を透過する1次透過光を除いた再照明光の光線が受光面上のこの各メッシュ毎に積分される。
このようにして積分して単位メッシュ毎の光強度を計算し、全メッシュの光強度をそのメッシュの配置の順番にプロットしていくと、再照明光分布が求められる。
照明ランプ41からの光線本数を、図7を得たときと同条件とした場合の再照明光分布の例を図10に示す。図10は副走査断面の分布を示している。
図10と図7とを比較すると、0°近傍における再照明光分布の光強度は小さいことがわかる。しかし、照明光分布と異なった点にピークが存在している。このピーク強度はリフレクタの角度に依存している。図11はこのリフレクタの角度を変えた場合のピーク光強度を示す。図11から、リフレクタ角度が22°〜26°の領域だけピーク強度が下がることがわかる。このようにピーク強度が下がるレイアウトが計算によって見つけることができ、これに基づいてフレア光の低減を図ることが可能である。
また本発明では図5に示すような受光面64は画像読取装置における紙の位置と同じであり、通常、コンタクトガラス2に接触した位置に置かれる。しかしながら紙送り機構などにより紙がコンタクトガラス2から離れる場合も想定し、コンタクトガラス2上部の任意の位置に受光面64設置する必要がある。このようにして任意の位置での多次透過光分布および再照明光分布を求めることもできる。
次に以上の一連の動作を行う本システムの構成図を図12に示す。本システムは記憶装置51、演算装置52および表示装置53から構成されている。記憶装置53には光源部材データ、光源発光分布データ、光学部材データ、多次反射光・再照明光分布データなどを納めた部(光源部材データ部511、光源発光分布データ部512、光学部材データ部513、多次反射光・再照明光分布データ部514)が含まれている。なお図12(A)に示す構成図では表示部は記憶装置51に接続されている構成としているが、表示部(表示装置)53は演算装置に接続されていてもよく、あるいは表示部は演算装置52と記憶装置に接続していても良い。また表示部(表示装置)は、それぞれの記憶装置51および演算装置52に設けられていても良くその数は複数であってもよい。本システムは、それぞれが一体となって機能するようになっていることが好ましく、電気的に接続されていることが好ましい。電気的に接続は、有線、無線のどちらであってもよい。
また、これら記憶装置51、演算装置52および表示装置53は、各装置がコンピュータ機能を有していてもよく、たとえばネットワーク回線を介して接続されている構成としてもよい。
図12(A)に示すシステム構成図において、記憶装置51は、光源部材データ部511と、光源発光分布データ部と、光学部材データ部と、多次透過光・再照明光分布計算部とを有して構成されている。
光源部材データ部には照明ランプ41の形状、位置、照明ランプ内の発光点位置・発光本数などの情報が含まれている。
光源発光分布データ部には光源の開口部の格子状発光領域から出射する光束の光強度と発光方向とのセットから構成されたデータが含まれている。
光学部材データ部には、リフレクタ、コンタクトガラスなどの形状、光学特性、位置情報が含まれている。光学特性としてはリフレクタ5、照明ランプ41では反射率、コンタクトガラス2では屈折率の情報などである。また、この他に受光面の位置、メッシュの格子数、格子の大きさの情報も含まれる。
多次透過光・再照明光分布計算部および光線追跡計算部で計算された多次透過光および再照明光分布の結果は記憶装置内に、多次透過光・再照明光分布データとしてこの部に記憶される。
演算装置には、光源発光分布計算部、光線追跡計算部および多次透過光・再照明光分布計算部が含まれる。
光源発光分布計算部では照明ランプ内壁のさまざまな点(座標点)から、多数の光線が発射され、多重反射計算を行って開口部から出射する光線の光強度と方向から発光分布を表すデータが計算される。光線追跡計算部では照明ランプからの光線発射、原稿面に光線が到達するまでの光線追跡および光強度計算を行う。また、コンタクトガラス2内での内部反射および屈折と、コンタクトガラスから反射して光源の外面もしくはリフレクタで再反射し、再びコンタクトガラスを透過して、受光面上のメッシュ領域に戻ってくる再照明光の光線追跡を行う。多次透過光・再照明光分布計算部では光線追跡計算部で求められた受光面上の光線をメッシュ毎に積分し、メッシュ全体の光強度分布を計算する。計算された光強度分布は記憶装置に送られ、多次透過光・再照明光分布データとして記憶され、表示装置(薄型表示装置、CRTなどを含む)上に表示される。
次に図13に示すフローチャートを用いてフレア計測方法について説明する。この方法が開始されると(スタート)、まず、光学部材の形状、位置情報、光学特性が入力される光学部材データ入力が実行される(ステップS1)。
次いで、前記ステップS1により発光分布データが有るか無いかが判定される(ステップS2)。データがない場合には(ステップS2においてNoの場合)、照明ランプ(光源)から出射した光線の光線追跡計算を実行し、得られた発光分布データを記憶装置の光源発光分布データ部に収納する(ステップS2/No→ステップS9→ステップS10→ステップS4へ)。またデータがある場合(ステップS2においてYesの場合)には、照明ランプからの放射光分布データを読み込み、光線追跡を実行する(ステップS2/Yes→ステップS3→ステップS4へ)。
次に計算種類の分岐を行う(ステップS5)。あらかじめ指定された計算種類により多次透過光、再照明光および全要素照明光に関する光線追跡計算を実行し、受光面上のメッシュ領域に戻ってくる光線の位置および光強度からそれぞれの光強度分布計算(多次透過光分布計算(ステップS6−1)、再照明光分布計算(ステップS6−3)および全要素照明光に関する光線追跡計算(ステップS6−2)を実行する。全計算が終了したかどうかを判定し(ステップS8)、終了していれば(ステップS8においてYesの場合)、フレア光分布を表示装置上に表示し、そうでない場合(ステップS8においてYesの場合)、ステップS4に戻り、以降、前記同様のフローに従って進む。
本発明のフレア計測方法では、また、光源部材データを用いて光源発光分布データを算出するか、または前記光源発光分布データ部に光源発光分布データの有無を確認し、無い場合には光源発光分布データを算出を実行し、得られた光源発光分布データを用い、有る場合には当該光源発光分布データを用いて前記光源追跡計算部は前記原稿設置台の原稿まで到達する光線の強度と方向とを有する追跡を計算実行し、また前記光源追跡計算部は前記多次透過光・再照明光分布データ部の前記多次透過光・再照明光分布データを用いて前記再反射計算を実行している。
これら一連のフレア計測は演算装置内(フレア計測システムの演算装置内、あるいは図12(B)に示す構成の装置(たとえばコンピュータ)にプログラムとして存在する。なお図12(B)に示す演算装置としてのフレア計測装置200では、CPUなどの演算部201と、ハードディスク202と、RAM、ROMなどの各種メモリ203と、DVD、LCDなどの薄型表示部あるいはCRTなどの表示部204と、LAN、WANなどの他のネットワーク208と接続する通信モデムを含む通信部(通信入/出部)205と、キーボード、マウスなどの入力部206と、読取部207とを有している。演算部201と、202〜207とはバス等を介して電気的に接続されている。あるいはコンピュータを複数ネットワークを介して接続して、その1台をホストコンピュータとし、他を従属コンピュータとして、これら一連のフレア計測を、行うようなシステムであっても良い。なおこのようなシステムでは、読取装置(読取部)および入力装置(入力部)は、その中の1台と接続していてもよく、また表示装置(表示部)などもホストコンピュータ等が有するだけとしてもよい。また、図12(A)に示すフレア計測システムにおいて、記憶装置と演算装置とはネットワークを介して接続されていてもよく、また表示部は演算装置に従属するようにしても良い。この演算装置は、前記したホストコンピュータと、それに従属するコンピュータとから構成されていてもよく、記憶装置もホストコンピュータなどと通信回線を介して接続されるように構成されていても良い。また本発明のフレア計測システムで用いられる記憶装置、演算装置を各個別に、あるいは記憶装置と演算装置の1体として、図12(B)に示すようなコンピュータを1つあるいは2以上用いることもできる。
これらのフレア計測システム、コンピュータなどに光線追跡計算などを含むフレア計測を実行させるためのプログラムおよび、コンピュータをフレア計測システムあるいは装置として実現させるためのプログラムは、フロッピー(登録商標)ディスクあるいは光ディスクのような記憶媒体(不揮発性メモリ、揮発性メモリを含む)に一時的あるいは永続的に保存することができる。
光源である照明ランプの構成とこの光源内の発光点からの発光光の進行などを説明するための図である。 照明ランプでの光線の反射を説明する図である。 照明光学系内の光学部材と光線の反射を説明する図である。 コンタクトガラス内の光線の屈折を説明する図である。 照明光学系内の照明光と多次透過光を説明する図である。 コンタクトガラス内の反射・屈折を説明する図である。 全要素照明光強度分布の一例を説明する図である。 多次透過光分布の一例を説明する図である。 照明光学系内の照明光と再照明光を説明する図である。 再照明光分布の一例を説明する図である。 リフレクタ角度による再照明光のピーク強度が変化した例を示す図である。 本システムの構成例を説明するブロック図である。 本システムの動作を示すフローチャートである。 画像読取装置の光学系の配置例を示す図である。 照明光学系の構成配置例を示す図である。 フレア現象を説明する図である。
符号の説明
1 原稿
2 コンタクトガラス
3 撮像領域
4、31、41 光源(照明ランプ)
5 リフレクタ
6、7 第1及び第2の反射部
8 レンズ(撮像素子用画像調製レンズ)
9 1次元撮像素子
10、11 第1及び第2の走行体
14、32 開口部
21 黒パターン部(黒パターン領域)
22 境界部
23 白パターン部(白パターン領域)
33 格子状発光領域
34 発光点
51 記憶装置
100 読取装置
52、200 演算装置(コンピュータ)
201 演算部(CPU)
202 ハードディスク
203 メモリ
53、204 表示部(表示装置)
205 通信部(通信入/出部)
206 入力部
207 読取部(読取装置)
208 ネットワーク

Claims (12)

  1. 光源と、前記光源からの光を反射して原稿を照明する反射板と、原稿設置台とからなる画像読取装置の照明状態を予測するためのフレア計測システムであって、
    前記画像読取装置の前記原稿設置台上に格子状のメッシュで区切られた受光面が設置されており、
    前記フレア計測システムは、前記光源または前記反射板からの照明光に対する前記原稿設置台からの多重反射光強度を算出し、前記稿設置台を透過する1次透過光以外の多次透過光を前記受光面上のメッシュ毎に積分して前記受光面における前記メッシュ毎の光強度を計算し、前記メッシュ毎の光強度によって得られる全メッシュの光強度から多次透過光分布を求めることを特徴とするフレア計測システム。
  2. 光源と、前記光源からの光を反射して原稿を照明する反射板と、原稿設置台とからなる画像読取装置の照明状態を予測するためのフレア計測システムであって、
    前記画像読取装置のフレア計測システムは、記憶装置と、演算装置と、表示装置とが接続され、前記演算装置により前記多重反射光が算出され、前記稿設置台を透過する1次透過光以外の多次透過光強度を前記受光面上のメッシュ毎に積分して前記受光面における前記メッシュ毎の光強度が計算され、前記メッシュ毎の光強度から得られる全メッシュの光強度から多次透過光分布が求められることを特徴とするフレア計測システム。
  3. 請求項1または2に記載のフレア計測システムにおいて、
    前記画像読取装置の前記原稿設置台上部の任意の位置に格子状のメッシュで区切られた受光面が設置されており、前記フレア計測システムは前記光源または前記反射板からの照明光に対する原稿設置台内部の多重反射強度を計算し、前記原稿設置台上から反射する多次反射光の光線を追跡し、光源もしくは反射板で再反射し再び原稿設置台を透過した再照明光を前記受光面上のメッシュ毎に積分してメッシュ毎の光強度を計算し、計算された多重反射データ、多次反射光の光線の追跡データおよびメッシュごとの光強度データを用いて全メッシュの光強度から再照明光分布を求めることを特徴とするフレア計測システム。
  4. 前記画像読取装置の前記原稿設置台上部に格子状のメッシュで区切られた受光面が設置されており、
    前記フレア計測システムは照明光に対して原稿設置台を透過した1次透過光のデータと、前記多次透過光のデータと、前記再照明光のデータとを用いて、前記受光面上のメッシュ毎に積分してメッシュごとの光強度を計算し、前記メッシュごとの光強度により得られる全メッシュの光強度から全要素照明光分布を求めることを特徴とする請求項3に記載のフレア計測システム。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のフレア計測システムにおいて、前記受光面は、原稿設置台上部の任意の位置に設置され、任意の位置に設置された受光面における多次透過光分布、再照明光分布および全要素照明光分布のうち少なくとも1つを演算することを特徴とするフレア計測システム。
  6. 光源と、前記光源からの光を反射して原稿を照明する反射板と、原稿設置台とからなる画像読取装置の照明状態を予測するためのフレア計測システムであって、
    前記画像読取装置のフレア計測システムは、記憶装置と、演算装置と、表示装置とが接続され、
    前記演算装置は、
    前記光源から出射された光線の光強度と方向から光源発光分布を表すデータを算出する光源発光分布計算部と、
    前記光源からの前記原稿設置台の原稿まで到達する光線の強度と方向とを有する追跡を演算すると共に、前記原稿設置台内での反射及び屈折、原稿面から反射した光線の前記光源または前記反射板から再反射されて前記原稿設置台に戻る再反射計算を行う光線追跡計算部と、
    前記光線追跡計算部で求められた受光面上の光線をメッシュ毎に積分してメッシュ領域全体の再反射光分布を計算する再反射光分布計算部と
    を有することを特徴とするフレア計測システム。
  7. さらに前記記憶装置は、
    前記光源の形状、位置、前記光源の発光点を含む情報を格納する光源部材データ部と、
    前記光源から出射する光束の光強度と発光方向のデータを格納する光源発光分布データ部と、
    前記反射板、前記原稿設置台の形状、光学特性、位置情報を格納する光学部材データ部と、
    前記多次透過光・再照明光分布計算部および前記光線追跡計算部で計算された多次透過光および再照明光分布のデータを格納する多次透過光・再照明光分布データ部と、を有し、
    前記光源発光分布計算部は前記光源部材データ部内の光源部材データを用いて光源発光分布データを算出するか、または前記光源発光分布データ部に光源発光分布データの有無を確認し、無い場合には光源発光分布データを算出を実行し、得られた光源発光分布データを用い、有る場合には当該光源発光分布データを用いて前記光源追跡計算部は前記原稿設置台の原稿まで到達する光線の強度と方向とを有する追跡を計算実行し、また前記光源追跡計算部は前記多次透過光・再照明光分布データ部の前記多次透過光・再照明光分布データを用いて前記再反射計算を実行することを特徴とする請求項6記載のフレア計測システム。
  8. 光源と、前記光源からの光を反射して原稿を照明する反射板と、原稿設置台と、前記原稿設置台上に格子状のメッシュで区切られた受光面が設置されている画像読取装置の照明状態を予測するためのフレア計測方法であって、
    前記光源または前記反射板からの照明光に対する前記原稿設置台からの多重反射光強度を算出し、前記稿設置台を透過する1次透過光以外の多次透過光を前記受光面上のメッシュ毎に積分して前記受光面における前記メッシュ毎の光強度を計算し、前記メッシュ毎の光強度によって得られる全メッシュの光強度から多次透過光分布を求めることを特徴とするフレア計測方法。
  9. 光源と、前記光源からの光を反射して原稿を照明する反射板と、原稿設置台と、前記原稿設置台上に格子状のメッシュで区切られた受光面が設置されている画像読取装置の照明状態を予測するためのフレア計測方法であって、
    前記光源または前記反射板からの照明光に対する原稿設置台内部の多重反射強度を計算し、前記原稿設置台上から反射する多次反射光の光線を追跡し、光源もしくは反射板で再反射し再び原稿設置台を透過した再照明光を前記受光面上のメッシュ毎に積分してメッシュ毎の光強度を計算し、計算された多重反射データ、多次反射光の光線の追跡データおよびメッシュごとの光強度データを用いて全メッシュの光強度から再照明光分布を求めることを特徴とするフレア計測方法。
  10. 光源と、前記光源からの光を反射して原稿を照明する反射板と、原稿設置台と、前記原稿設置台上に格子状のメッシュで区切られた受光面が設置されている画像読取装置の照明状態を予測するためのフレア計測方法であって、
    照明光に対して原稿設置台を透過した1次透過光のデータと、前記多次透過光のデータと、前記再照明光のデータとを用いて、前記受光面上のメッシュ毎に積分してメッシュごとの光強度を計算し、前記メッシュごとの光強度により得られる全メッシュの光強度から全要素照明光分布を求めることを特徴とするフレア計測方法。
  11. 光源と、前記光源からの光を反射して原稿を照明する反射板と、原稿設置台と、前記原稿設置台上に格子状のメッシュで区切られた受光面が設置されている画像読取装置の照明状態を予測するためのフレア計測方法であって、
    照明光に対して原稿設置台を透過した1次透過光のデータと、前記多次透過光のデータと、前記再照明光のデータとを用いて、前記受光面上のメッシュ毎に積分してメッシュごとの光強度を計算し、
    前記メッシュごとの光強度により得られる全メッシュの光強度から全要素照明光分布を求め、前記光源の形状、位置、前記光源の発光点を含む情報を光源部材データとして格納し、
    前記光源から出射する光束の光強度と発光方向のデータを光源発光分布データとして格納し、
    前記光源部材データを用いて光源発光分布データを算出するか、または前記光源発光分布データ部に光源発光分布データの有無を確認し、無い場合には光源発光分布データを算出を実行し、得られた光源発光分布データを用い、有る場合には当該光源発光分布データを用いて前記光源追跡計算部は前記原稿設置台の原稿まで到達する光線の強度と方向とを有する追跡を計算実行し、また前記光源追跡計算部は前記多次透過光・再照明光分布データ部の前記多次透過光・再照明光分布データを用いて前記再反射計算を実行することを特徴とするフレア計測方法。
  12. 請求項8乃至11記載のフレア計測方法を請求項1乃至7記載のフレア計測システムまたは演算装置に実行させるためのプログラム。
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