JP2008285115A - 航空機組立品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐久性が向上するとともに良好な耐雷性を備え得る航空機組立品を提供する。
【解決手段】 繊維で強化された外板用樹脂材料を主たる要素として構成された外板5と、この外板5を内側から支持する構造材7と、これら外板5と構造材7とを結合するファスナ3とを備えている航空機組立品1であって、少なくともファスナ3の頭部17を覆うように設置された絶縁性を有する絶縁体層23と、少なくとも絶縁体層23を覆うように設置され、導電性を有する銅の粉末を含有する導電層用樹脂材料で形成された導電体層25と、を備えていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 繊維で強化された外板用樹脂材料を主たる要素として構成された外板5と、この外板5を内側から支持する構造材7と、これら外板5と構造材7とを結合するファスナ3とを備えている航空機組立品1であって、少なくともファスナ3の頭部17を覆うように設置された絶縁性を有する絶縁体層23と、少なくとも絶縁体層23を覆うように設置され、導電性を有する銅の粉末を含有する導電層用樹脂材料で形成された導電体層25と、を備えていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、航空機組立品およびその製造方法に関するものである。
航空機の機体(外板)材料は、軽量で、高強度で、耐久性を備えているものが求められており、近年繊維で強化された樹脂材料(複合材料)の使用が増加している。
この複合材料としては、たとえば、炭素繊維をエポキシ樹脂などで固めた炭素繊維強化樹脂(CFRP)、ガラス繊維をエポキシ樹脂などで固めたガラス繊維強化樹脂(GFRP)がよく用いられている。
これらの複合材料は、金属に比べて落雷に対する抵抗力が小さいという問題がある。また、外板を内部の構造材に取付けるファスナが金属製(たとえば、チタン合金)であるため、落雷がファスナを通って内部で、たとえば、火花を発生する恐れがある。
この複合材料としては、たとえば、炭素繊維をエポキシ樹脂などで固めた炭素繊維強化樹脂(CFRP)、ガラス繊維をエポキシ樹脂などで固めたガラス繊維強化樹脂(GFRP)がよく用いられている。
これらの複合材料は、金属に比べて落雷に対する抵抗力が小さいという問題がある。また、外板を内部の構造材に取付けるファスナが金属製(たとえば、チタン合金)であるため、落雷がファスナを通って内部で、たとえば、火花を発生する恐れがある。
このため、外板に複合材料を用いる場合には、耐雷性を考慮した構造とすること、特に、ファスナに雷が通るのを防止する構造とすることが求められている。
このような、耐雷性の構造として、たとえば、特許文献1および特許文献2に記載されたものがある。
特許文献1に示されるものは、ファスナの頭部の外側端に絶縁性のキャップを装着しているものであり、このようにファスナの構造を工夫して雷の通過を防止するものは多く提案されている。
特許文献2に示されるものは、ファスナの頭部の周囲に金属製のストラップ(導電層)を取り付け、頭部の上方に絶縁層を設置し、落雷を外板面に逃がすものである。
このような、耐雷性の構造として、たとえば、特許文献1および特許文献2に記載されたものがある。
特許文献1に示されるものは、ファスナの頭部の外側端に絶縁性のキャップを装着しているものであり、このようにファスナの構造を工夫して雷の通過を防止するものは多く提案されている。
特許文献2に示されるものは、ファスナの頭部の周囲に金属製のストラップ(導電層)を取り付け、頭部の上方に絶縁層を設置し、落雷を外板面に逃がすものである。
特許文献1に示されたものは、ファスナの構造が複雑となり、かつ、それに伴い多数あるファスナの取り付けに時間を要するという問題がある。
また、外板の表面に絶縁性のキャップが位置することとなり、落雷による雷撃電流を外板の表面に沿って流そうとした場合、雷撃電流がこれら絶縁性のキャップを迂回して流れなければならず、雷撃電流の流れが阻害されてしまうといった問題がある。
また、特許文献2に示されたものは、絶縁層が塗装膜によって保持されているので、取付強度が十分とは言えず、耐久性に問題がある。そして、導電層とファスナとの絶縁を確実にする必要がある。
また、外板の表面に絶縁性のキャップが位置することとなり、落雷による雷撃電流を外板の表面に沿って流そうとした場合、雷撃電流がこれら絶縁性のキャップを迂回して流れなければならず、雷撃電流の流れが阻害されてしまうといった問題がある。
また、特許文献2に示されたものは、絶縁層が塗装膜によって保持されているので、取付強度が十分とは言えず、耐久性に問題がある。そして、導電層とファスナとの絶縁を確実にする必要がある。
特許文献2には、ファスナを覆う絶縁層(ガラス繊維)を設けるに当って、それを覆うように導電層(アルミニウム)を設けるものの記載がある。
しかしながら、ガラス繊維およびアルミニウムを外板に強固に接着するのが難しいので、耐久性に問題がある。
また、たとえば、溶射を用いると接着強度は増加するが、この場合には溶射による高熱が外板に加わるので、外板自体の強度が劣化する恐れがあるという問題がある。
しかしながら、ガラス繊維およびアルミニウムを外板に強固に接着するのが難しいので、耐久性に問題がある。
また、たとえば、溶射を用いると接着強度は増加するが、この場合には溶射による高熱が外板に加わるので、外板自体の強度が劣化する恐れがあるという問題がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、耐久性が向上するとともに良好な耐雷性を備え得る航空機組立品およびその製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明による航空機組立品は、繊維で強化された第一の樹脂材料を主たる要素として構成された外板と、この外板を内側から支持する構造材と、これら外板と構造材とを結合するファスナとを備えている航空機組立品であって、少なくとも前記ファスナの頭部を覆うように設置された絶縁性を有する絶縁体層と、少なくとも該絶縁体層を覆うように設置され、導電性を有する導電材を含有する第三の樹脂材料で形成された導電体層と、を備えていることを特徴とする。
本発明による航空機組立品は、繊維で強化された第一の樹脂材料を主たる要素として構成された外板と、この外板を内側から支持する構造材と、これら外板と構造材とを結合するファスナとを備えている航空機組立品であって、少なくとも前記ファスナの頭部を覆うように設置された絶縁性を有する絶縁体層と、少なくとも該絶縁体層を覆うように設置され、導電性を有する導電材を含有する第三の樹脂材料で形成された導電体層と、を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、外板および導電体層がそれぞれ樹脂材料で形成されているので、相互の密着性を向上させることができる。これにより、最外層の導電体層が外板に強く保持されるので、耐雷構造の耐久性を向上させることができる。
また、導電体層とファスナとの間には、絶縁体層が配置されているので、仮に、導電体層に雷が直撃したとしても絶縁体層がファスナ本体の方へ流れようとする雷撃電流を完全に遮断して、導電体層に雷撃電流を安全に逃がすことができる。そして、最外層に導電体層が備えられているので、雷撃電流を滑らかに流すことができる。
なお、絶縁体層は、1個のファスナの頭部に設けるようにしてもよいし、その周辺を含めて覆うように設けるようにしてもよいし、複数のファスナに対してそれらをまとめて覆うように設置するようにしてもよい。複数のファスナをまとめて覆うようにすると、施工がより簡単となる。
なお、また、絶縁体層としては、たとえば、絶縁性を有する有機化合物あるいはセラミックスとされることが望ましい。
また、導電体層とファスナとの間には、絶縁体層が配置されているので、仮に、導電体層に雷が直撃したとしても絶縁体層がファスナ本体の方へ流れようとする雷撃電流を完全に遮断して、導電体層に雷撃電流を安全に逃がすことができる。そして、最外層に導電体層が備えられているので、雷撃電流を滑らかに流すことができる。
なお、絶縁体層は、1個のファスナの頭部に設けるようにしてもよいし、その周辺を含めて覆うように設けるようにしてもよいし、複数のファスナに対してそれらをまとめて覆うように設置するようにしてもよい。複数のファスナをまとめて覆うようにすると、施工がより簡単となる。
なお、また、絶縁体層としては、たとえば、絶縁性を有する有機化合物あるいはセラミックスとされることが望ましい。
また、上記発明では、前記絶縁層は、絶縁性を有する第三の樹脂材料で形成されていることが望ましい。
このようにすると、絶縁層と、外板および導電体層との密着性が向上するので、耐雷構造の耐久性を一層向上させることができる。
このようにすると、絶縁層と、外板および導電体層との密着性が向上するので、耐雷構造の耐久性を一層向上させることができる。
また、本発明による航空機組立品では、前記第二の樹脂材料および/または前記第三の樹脂材料は熱硬化性樹脂であり、ペースト状で塗布され、硬化する程度の温度によって焼成させられていることを特徴とする。
このように第二の樹脂材料および/または第三の樹脂材料は熱硬化性樹脂であり、ペースト状で塗布され、硬化する程度の温度によって焼成させられているので、施工時に外板を構成する第一の樹脂に対して高熱が作用することはない。このため、第一の樹脂が熱によって劣化することがないので、外板の強度が劣化することを防止することができる。
また、本発明による航空機組立品では、前記第二の樹脂材料および前記第三の樹脂材料は同じ種類の樹脂であることを特徴とする。
このように第二の樹脂材料および第三の樹脂材料は同じ種類の樹脂であるので、相互に馴染みやすくなり、密着性を一層向上させることができる。
なお、第一の樹脂材料の種類を合わせるようにするとより密着性を向上させることができる。
なお、第一の樹脂材料の種類を合わせるようにするとより密着性を向上させることができる。
本発明による航空機組立品の製造方法は、繊維で強化された第一の樹脂材料を主たる要素として構成された外板と、この外板を内側から支持する構造材と、これら外板と構造材とを結合するファスナとを備えている航空機組立品の製造方法であって、絶縁体層を、少なくとも前記ファスナの頭部を覆うように設置し、導電性を有する導電材を含有する第二の樹脂材料で形成された導電体層を、少なくとも前記絶縁体層を覆うように設置することを特徴とする。
本発明によれば、第一の樹脂材料で構成された外板を覆って第二の樹脂材料で形成される導電体層が形成されるので、相互に密着した耐雷構造を形成することができる。これにより、最外層の導電体層が外板に強く保持されるので、耐雷構造の耐久性を向上させることができる。
また、この耐雷構造では、導電体層とファスナとの間には、絶縁体層が配置されているので、仮に、導電体層に雷が直撃したとしても絶縁体層がファスナ本体の方へ流れようとする雷撃電流を完全に遮断して、導電体層に雷撃電流を安全に逃がすことができる。そして、最外層に導電体層が備えられているので、雷撃電流を滑らかに流すことができる。
なお、絶縁体層は、1個のファスナの頭部に設けるようにしてもよいし、その周辺を含めて覆うように設けるようにしてもよいし、複数のファスナに対してそれらをまとめて覆うように設置するようにしてもよい。複数のファスナをまとめて覆うようにすると、施工がより簡単となる。
また、この耐雷構造では、導電体層とファスナとの間には、絶縁体層が配置されているので、仮に、導電体層に雷が直撃したとしても絶縁体層がファスナ本体の方へ流れようとする雷撃電流を完全に遮断して、導電体層に雷撃電流を安全に逃がすことができる。そして、最外層に導電体層が備えられているので、雷撃電流を滑らかに流すことができる。
なお、絶縁体層は、1個のファスナの頭部に設けるようにしてもよいし、その周辺を含めて覆うように設けるようにしてもよいし、複数のファスナに対してそれらをまとめて覆うように設置するようにしてもよい。複数のファスナをまとめて覆うようにすると、施工がより簡単となる。
また、上記発明では、前記絶縁層は、絶縁性を有する第三の樹脂材料で形成されていることが望ましい。
このようにすると、絶縁層と、外板および導電体層との密着性が向上するので、耐雷構造の耐久性を一層向上させることができる。
このようにすると、絶縁層と、外板および導電体層との密着性が向上するので、耐雷構造の耐久性を一層向上させることができる。
また、本発明による航空機組立品の製造方法では、前記第二の樹脂材料および/または前記第三の樹脂材料は熱硬化性樹脂であり、ペースト状で塗布され、硬化する程度の温度によって焼成されることを特徴とする。
このように第二の樹脂材料および/または第三の樹脂材料は熱硬化性樹脂であり、ペースト状で塗布され、硬化する程度の温度によって焼成させられているので、施工時に外板を構成する第一の樹脂に対して高熱が作用することはない。このため、第一の樹脂が熱によって劣化することがないので、外板の強度が劣化することを防止することができる。
また、本発明による航空機組立品の製造方法では、前記第二の樹脂材料および前記第三の樹脂材料はそれぞれペースト状で塗布された後で、一体として焼成されることを特徴とする。
本発明によれば、焼成工程が1回で済むので、その分製造時間が短縮できるし、製造コストを安価にすることができる。
本発明によれば、外板、絶縁体層および導電体層がそれぞれ樹脂材料で形成されているので、耐雷構造の耐久性を向上させることができる。
また、導電体層とファスナとの間には、絶縁体層が配置されているので、仮に、導電体層に雷が直撃したとしても導電体層に雷撃電流を安全に逃がすことができる。
また、導電体層とファスナとの間には、絶縁体層が配置されているので、仮に、導電体層に雷が直撃したとしても導電体層に雷撃電流を安全に逃がすことができる。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
〔第一実施形態〕
以下、本発明による耐雷構造を備えた航空機組立品、たとえば、主翼、胴体の第一実施形態を、図1を参照しながら説明する。
図1は、ファスナ3により外板5と構造材7とが結合された状態を示す航空機組立品1の縦断面図である。
航空機組立品(例えば、主翼組立品、尾翼組立品、胴体組立品等)1は、図1に示すように外板5と、構造材(例えば、リブ、ストリンガ等)7とが、ファスナ3によって結合されて組み立てられる。
〔第一実施形態〕
以下、本発明による耐雷構造を備えた航空機組立品、たとえば、主翼、胴体の第一実施形態を、図1を参照しながら説明する。
図1は、ファスナ3により外板5と構造材7とが結合された状態を示す航空機組立品1の縦断面図である。
航空機組立品(例えば、主翼組立品、尾翼組立品、胴体組立品等)1は、図1に示すように外板5と、構造材(例えば、リブ、ストリンガ等)7とが、ファスナ3によって結合されて組み立てられる。
外板5の本体9は、主として導電性(アルミニウムの1/100〜1/1000程度の導電性)を有する外板用樹脂材料(第一の樹脂材料)で形成されている。
外板用樹脂材料は、たとえば、炭素繊維をエポキシ樹脂で固めた炭素繊維強化樹脂(CFRP)とされている。
本体9の内側面(組み立て後、内側に位置する面)全体には、絶縁性を有する樹脂材料(たとえば、ガラス繊維をエポキシ樹脂で固定したガラス繊維強化樹脂(GFRP))で形成された内側絶縁層11が形成されている。
外板用樹脂材料は、たとえば、炭素繊維をエポキシ樹脂で固めた炭素繊維強化樹脂(CFRP)とされている。
本体9の内側面(組み立て後、内側に位置する面)全体には、絶縁性を有する樹脂材料(たとえば、ガラス繊維をエポキシ樹脂で固定したガラス繊維強化樹脂(GFRP))で形成された内側絶縁層11が形成されている。
構造材7は、たとえば、アルミ合金やチタン材、またはCFRPからなり、内側絶縁層11の内面(組み立て後、内側に位置する面)上の所定位置に配置されている。
内側絶縁層11の裏面上に構造材7が配置された構造物の所定位置には、それぞれこれら外板5および構造材7を板厚方向に貫通するとともに、ファスナ3を受け入れることができる複数の孔13が掘設されている。
内側絶縁層11の裏面上に構造材7が配置された構造物の所定位置には、それぞれこれら外板5および構造材7を板厚方向に貫通するとともに、ファスナ3を受け入れることができる複数の孔13が掘設されている。
ファスナ3は、たとえば、チタン(Ti−6Al−4V:アニール材)やインコネル等の合金で一体に形成されている。
ファスナ3は、円柱形状の軸部(シャンク:Shank)15、および軸部15の一端側に設けられ、軸部15から遠ざかるにつれて拡径する略円錐台形状の頭部(フラッシュ・ヘッド:Flush Head)17が設けられている。軸部15の頭部17に対して反対側には、後述するカラー(ナット)の雌ネジ部と螺合する雄ネジ部19が形成されている。
頭部17の最大外径は軸部15の外径の例えば2倍程度以上の寸法となるように形成されている。
ファスナ3は、円柱形状の軸部(シャンク:Shank)15、および軸部15の一端側に設けられ、軸部15から遠ざかるにつれて拡径する略円錐台形状の頭部(フラッシュ・ヘッド:Flush Head)17が設けられている。軸部15の頭部17に対して反対側には、後述するカラー(ナット)の雌ネジ部と螺合する雄ネジ部19が形成されている。
頭部17の最大外径は軸部15の外径の例えば2倍程度以上の寸法となるように形成されている。
ファスナ3は外板5および構造材7に設けられた孔13に挿入される。この挿入状態で、雄ネジ部19は構造材7の内面から内側に突出し、たとえば、チタンやインコネル等の合金を用いて作製されたカラー(ナット)21が締結される。
また、雄ネジ部19にカラー21が締結された状態で、頭部17の外端面は本体9の外側面と略面一になるようになっている。
また、雄ネジ部19にカラー21が締結された状態で、頭部17の外端面は本体9の外側面と略面一になるようになっている。
この状態で、外板5およびファスナ3の外側面(組み立て後、外側に位置する面)には耐雷構造2が形成される。
耐雷構造2は、絶縁体層23と、導電体層25とで形成されている。
絶縁体層23は、絶縁層用樹脂材料(第三の樹脂材料)で形成されている。
なお、絶縁体層23としては、たとえば、絶縁性を有する有機化合物あるいはセラミックスで形成されるようにしてもよい。
絶縁樹脂材料としては、熱硬化性で、絶縁性を有する樹脂、たとえば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等が用いられる。本実施形態ではフェノール樹脂が用いられている。
絶縁体層23は、ファスナ3の頭部17およびその周辺を覆うように形成されている。
絶縁体層23は、ファスナ3の1個毎に1層設けるようにしてもよいし、複数のファスナ3に対して1層設けるようにしてもよい。
耐雷構造2は、絶縁体層23と、導電体層25とで形成されている。
絶縁体層23は、絶縁層用樹脂材料(第三の樹脂材料)で形成されている。
なお、絶縁体層23としては、たとえば、絶縁性を有する有機化合物あるいはセラミックスで形成されるようにしてもよい。
絶縁樹脂材料としては、熱硬化性で、絶縁性を有する樹脂、たとえば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等が用いられる。本実施形態ではフェノール樹脂が用いられている。
絶縁体層23は、ファスナ3の頭部17およびその周辺を覆うように形成されている。
絶縁体層23は、ファスナ3の1個毎に1層設けるようにしてもよいし、複数のファスナ3に対して1層設けるようにしてもよい。
絶縁体層23は、その厚さが、たとえば、1.0mmとされており、MIL−STD−1757A−Zone1の雷撃試験電圧(約40kv)に対しても十分な絶縁耐力を有するように構成されている。絶縁体層23としてフェノール樹脂を使用した場合、フェノール樹脂の絶縁耐力は安全サイドで見積っても50kv/mmであるから、板厚1.0mmでMIL−STD−1757A−Zone1の雷撃試験電圧(約40kv)を受けたとしても十分な絶縁耐力を有することとなる。
なお、より絶縁性の高い樹脂材料、たとえばポリイミド樹脂を用いれば、絶縁体層の厚さを薄くすることができ、ファスナ周囲の盛り上がりを少なくするとともに、重量も軽減することができる。
なお、より絶縁性の高い樹脂材料、たとえばポリイミド樹脂を用いれば、絶縁体層の厚さを薄くすることができ、ファスナ周囲の盛り上がりを少なくするとともに、重量も軽減することができる。
導電体層25は、銅(導電材)の粉末を含有する導電層用樹脂材料(第二の樹脂材料)で形成されている。
導電層用樹脂材料としては、熱硬化性の樹脂、たとえば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、等が用いられる。本実施形態ではフェノール樹脂が用いられている。
導電材としては、銅以外にも、銀、金、アルミニウム等を用いてもよい。これらの20℃における抵抗値(単位:μΩ・cm)は、銅が1.70、銀が1.61、金が2.20、アルミニウムが2.74である。
導電層用樹脂材料としては、熱硬化性の樹脂、たとえば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、等が用いられる。本実施形態ではフェノール樹脂が用いられている。
導電材としては、銅以外にも、銀、金、アルミニウム等を用いてもよい。これらの20℃における抵抗値(単位:μΩ・cm)は、銅が1.70、銀が1.61、金が2.20、アルミニウムが2.74である。
導電体層25は、絶縁体層23を覆い、外板5の外側面の略全域に亘り形成されている。なお、導電体層25は、絶縁体層23を覆うことは必要であるが、外板5の外側面の略全域に亘り設ける必要はない。
導電体層25は、絶縁体層23を覆う部分が、他の部分に対して外側に突出するようになっているが、絶縁体層23の厚さは、たとえば、0.2mm程度とされており、また、導電体層25の表面には、最終的に塗装(ペイント)が施されることとなるため、塗装後における外板5の表面は略面一な状態となる。
なお、要すれば、スプレー法等により絶縁体層を施工する際に、導電体層端部の厚さを徐々に薄くすることにより、容易に段差の発生を防ぐこともできる。
導電体層25は、絶縁体層23を覆う部分が、他の部分に対して外側に突出するようになっているが、絶縁体層23の厚さは、たとえば、0.2mm程度とされており、また、導電体層25の表面には、最終的に塗装(ペイント)が施されることとなるため、塗装後における外板5の表面は略面一な状態となる。
なお、要すれば、スプレー法等により絶縁体層を施工する際に、導電体層端部の厚さを徐々に薄くすることにより、容易に段差の発生を防ぐこともできる。
以上説明した航空機組立品1における耐雷構造2は、以下の手順で製造される。
(1)外板5と構造体7とをファスナ3によって結合し、航空機組立品1を組み立てる。
(2)フェノール樹脂の粉末を溶媒と混合し、絶縁層用樹脂材料のペーストを作成する。
(3)絶縁層用樹脂材料のペーストを、外板5におけるファスナ3の頭部17およびその周辺を覆う所定位置に塗布する。
(4)銅粉末およびフェノール樹脂の粉末を溶媒と混合し、導電層用樹脂材料のペーストを作成する。
(5)導電層用樹脂材料のペーストを、絶縁層用樹脂材料のペーストを覆い、外板5の略全域に亘り塗布する。
(6)フェノール樹脂が硬化する温度で塗布したペーストを焼成し、フェノール樹脂を硬化させる。この焼成温度は、航空機組立品1に悪影響を及ぼさない程度の温度、たとえば、80℃以下、好ましくは60℃程度とされる。
(1)外板5と構造体7とをファスナ3によって結合し、航空機組立品1を組み立てる。
(2)フェノール樹脂の粉末を溶媒と混合し、絶縁層用樹脂材料のペーストを作成する。
(3)絶縁層用樹脂材料のペーストを、外板5におけるファスナ3の頭部17およびその周辺を覆う所定位置に塗布する。
(4)銅粉末およびフェノール樹脂の粉末を溶媒と混合し、導電層用樹脂材料のペーストを作成する。
(5)導電層用樹脂材料のペーストを、絶縁層用樹脂材料のペーストを覆い、外板5の略全域に亘り塗布する。
(6)フェノール樹脂が硬化する温度で塗布したペーストを焼成し、フェノール樹脂を硬化させる。この焼成温度は、航空機組立品1に悪影響を及ぼさない程度の温度、たとえば、80℃以下、好ましくは60℃程度とされる。
なお、本実施形態では、絶縁層用樹脂材料のペーストおよび導電層用樹脂材料のペーストを塗布した後で、それらを同時に焼成するようにしているが、たとえば、焼成条件が異なる等で一緒に行なえない場合等では、絶縁体層23の焼成と、導電体層25の焼成とを別個に行ってもよい。
本実施形態のように、絶縁層用樹脂材料のペーストおよび導電層用樹脂材料のペーストの焼成を同時に行うようにすれば、焼成工程が1回減るので、その分製造時間が短縮できるし、製造コストを安価にすることができる。
本実施形態のように、絶縁層用樹脂材料のペーストおよび導電層用樹脂材料のペーストの焼成を同時に行うようにすれば、焼成工程が1回減るので、その分製造時間が短縮できるし、製造コストを安価にすることができる。
このようにして製造された航空機組立品1では、外板5の本体9、絶縁体層23および導電体層25がそれぞれ樹脂材料で形成されているので、相互の密着性を向上させることができる。これにより、耐雷構造2の耐久性を向上させることができる。
また、絶縁層用樹脂材料および導電層用樹脂材料はともにフェノール樹脂なので、相互に馴染みやすくなり、密着性を一層向上させることができる。
絶縁層用樹脂材料および導電層用樹脂材料をエポキシ樹脂とすれば、外板5の本体9と絶縁体層23および導電体層25との密着性を向上させることができるので、密着性を一層向上させることができる。
また、絶縁層用樹脂材料および導電層用樹脂材料はともにフェノール樹脂なので、相互に馴染みやすくなり、密着性を一層向上させることができる。
絶縁層用樹脂材料および導電層用樹脂材料をエポキシ樹脂とすれば、外板5の本体9と絶縁体層23および導電体層25との密着性を向上させることができるので、密着性を一層向上させることができる。
また、導電体層25とファスナ3の頭部17との間には、絶縁体層23が配置されているので、仮に、導電体層25に雷が直撃したとしても絶縁体層23がファスナ3の方へ流れようとする雷撃電流を完全に遮断して、導電体層25に雷撃電流を安全に逃がすことができる。
そして、最外層に導電体層25が連続的に設けられているので、導電体層25に沿って雷撃電流を滑らかに流すことができる。
そして、最外層に導電体層25が連続的に設けられているので、導電体層25に沿って雷撃電流を滑らかに流すことができる。
絶縁層用樹脂材料のペーストおよび導電層用樹脂材料のペーストは、航空機組立品1に悪影響を及ぼさない程度の温度、たとえば、80℃以下、好ましくは60℃程度によって焼成させられているので、焼成時に外板5の本体9を構成する外板樹脂材料に対して高熱が作用することはない。このため、外板樹脂材料が熱によって劣化することがないので、外板5の強度が劣化することを防止することができる。
〔第二実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態に係る航空機組立品1について、図2を用いて説明する。
本実施形態は、基本的な構成は第一実施形態のものと同じで、絶縁体層23の構成が異なるだけであるので、ここではこの異なる部分について主として説明し、前述した第一実施形態と同じ部分については重複した説明を省略する。
なお、第一実施形態と同じ部材には同じ符号を付している。
次に、本発明の第二実施形態に係る航空機組立品1について、図2を用いて説明する。
本実施形態は、基本的な構成は第一実施形態のものと同じで、絶縁体層23の構成が異なるだけであるので、ここではこの異なる部分について主として説明し、前述した第一実施形態と同じ部分については重複した説明を省略する。
なお、第一実施形態と同じ部材には同じ符号を付している。
本実施形態では、絶縁体層23は、その外径が頭部17の外径と略同じ寸法となるように形成された円盤状の部材であり、たとえば、ガラス繊維をエポキシ樹脂などで固めたガ
ラス繊維強化樹脂(GFRP)を用いて作成されている。
絶縁体層23は、硬化する前(プリプレグ状態)のガラス布を積層して、エポキシ樹脂を用いて含浸させた後、加熱硬化させて作成する。
絶縁体層23は、その板厚が、たとえば、1.0mmとされており、MIL−STD−1757A−Zone1の雷撃試験電圧(約40kv)に対しても十分な絶縁耐力を有するように構成されている。絶縁体層23としてGFRPを使用した場合、GFRPの絶縁耐力は安全サイドで見積っても40kV/mmであるから、板厚1.0mmでMIL−STD−1757A−Zone1の雷撃試験電圧(約40kv)を受けたとしても十分な絶縁耐力を有することとなる。
なお、絶縁体層23としては、たとえば、絶縁性を有する有機化合物あるいはセラミックスで形成されるようにしてもよい。
ラス繊維強化樹脂(GFRP)を用いて作成されている。
絶縁体層23は、硬化する前(プリプレグ状態)のガラス布を積層して、エポキシ樹脂を用いて含浸させた後、加熱硬化させて作成する。
絶縁体層23は、その板厚が、たとえば、1.0mmとされており、MIL−STD−1757A−Zone1の雷撃試験電圧(約40kv)に対しても十分な絶縁耐力を有するように構成されている。絶縁体層23としてGFRPを使用した場合、GFRPの絶縁耐力は安全サイドで見積っても40kV/mmであるから、板厚1.0mmでMIL−STD−1757A−Zone1の雷撃試験電圧(約40kv)を受けたとしても十分な絶縁耐力を有することとなる。
なお、絶縁体層23としては、たとえば、絶縁性を有する有機化合物あるいはセラミックスで形成されるようにしてもよい。
以上説明した航空機組立品1における耐雷構造2は、以下の手順で製造される。
(1)ファスナ3の頭部17に絶縁体層23を取付ける。すなわち、ファスナ3の頭部17の一端面(表面)に投射材粒子(たとえば、金属、セラミックス、ガラス等の硬質粒子で、平均粒径が200μm以下のもの(より好ましくは10μm以上100μm以下のもの))を投射して、頭部17の表面を粗面化させるための前処理を行う(このような処理は一般に「ショットブラスト」とも呼ばれる)。なお、ショットブラストの代わりに、サンドペーパー等を用いて頭部17の表面を粗面化させることもできる。
頭部17の一端面上に接着剤(エポキシ系接着剤(たとえば、Hysoi−Dexter社製のエポキシ系接着剤EA9396))を塗布した後、その上に絶縁体層23を載せ、接着剤を硬化させることにより絶縁体層23を頭部17に固定する。
絶縁体層23としては、主に樹脂系の材料を用いるが、より絶縁性の高い樹脂材料、たとえばポリイミド樹脂を用いれば、ファスナー3の頭部17に接着する絶縁体層23の厚さを薄くすることができ、ファスナー穴の深さを浅くすることが可能となる。
(2)外板5と構造体7とを絶縁体層23をファスナ3によって結合し、航空機組立品1を組み立てる。
(3)銅粉末およびフェノール樹脂の粉末を溶媒と混合し、導電層用樹脂材料のペーストを作成する。
(4)導電層用樹脂材料のペーストを、ファスナ3部分を含めた外板5の略全域に亘り塗布する。
(5)フェノール樹脂が硬化する温度、で塗布したペーストを焼成し、フェノール樹脂を硬化させる。
(1)ファスナ3の頭部17に絶縁体層23を取付ける。すなわち、ファスナ3の頭部17の一端面(表面)に投射材粒子(たとえば、金属、セラミックス、ガラス等の硬質粒子で、平均粒径が200μm以下のもの(より好ましくは10μm以上100μm以下のもの))を投射して、頭部17の表面を粗面化させるための前処理を行う(このような処理は一般に「ショットブラスト」とも呼ばれる)。なお、ショットブラストの代わりに、サンドペーパー等を用いて頭部17の表面を粗面化させることもできる。
頭部17の一端面上に接着剤(エポキシ系接着剤(たとえば、Hysoi−Dexter社製のエポキシ系接着剤EA9396))を塗布した後、その上に絶縁体層23を載せ、接着剤を硬化させることにより絶縁体層23を頭部17に固定する。
絶縁体層23としては、主に樹脂系の材料を用いるが、より絶縁性の高い樹脂材料、たとえばポリイミド樹脂を用いれば、ファスナー3の頭部17に接着する絶縁体層23の厚さを薄くすることができ、ファスナー穴の深さを浅くすることが可能となる。
(2)外板5と構造体7とを絶縁体層23をファスナ3によって結合し、航空機組立品1を組み立てる。
(3)銅粉末およびフェノール樹脂の粉末を溶媒と混合し、導電層用樹脂材料のペーストを作成する。
(4)導電層用樹脂材料のペーストを、ファスナ3部分を含めた外板5の略全域に亘り塗布する。
(5)フェノール樹脂が硬化する温度、で塗布したペーストを焼成し、フェノール樹脂を硬化させる。
このようにして製造された航空機組立品1では、外板5の本体9、絶縁体層23および導電体層25がそれぞれ樹脂材料で形成されているので、相互の密着性を向上させることができる。これにより、耐雷構造2の耐久性を向上させることができる。
また、導電体層25とファスナ3の頭部17との間には、絶縁体層23が配置されているので、仮に、導電体層25に雷が直撃したとしても絶縁体層23がファスナ3の方へ流れようとする雷撃電流を完全に遮断して、導電体層25に雷撃電流を安全に逃がすことができる。
そして、最外層に導電体層25が連続的に設けられているので、導電体層25に沿って雷撃電流を滑らかに流すことができる。
また、導電体層25とファスナ3の頭部17との間には、絶縁体層23が配置されているので、仮に、導電体層25に雷が直撃したとしても絶縁体層23がファスナ3の方へ流れようとする雷撃電流を完全に遮断して、導電体層25に雷撃電流を安全に逃がすことができる。
そして、最外層に導電体層25が連続的に設けられているので、導電体層25に沿って雷撃電流を滑らかに流すことができる。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
1 航空機組立品
2 耐雷構造
3 ファスナ
5 外板
7 構造材
9 本体
17 頭部
23 絶縁体層
25 導電体層
2 耐雷構造
3 ファスナ
5 外板
7 構造材
9 本体
17 頭部
23 絶縁体層
25 導電体層
Claims (8)
- 繊維で強化された第一の樹脂材料を主たる要素として構成された外板と、この外板を内側から支持する構造材と、これら外板と構造材とを結合するファスナとを備えている航空機組立品であって、
少なくとも前記ファスナの頭部を覆うように設置された絶縁性を有する絶縁体層と、
少なくとも該絶縁体層を覆うように設置され、導電性を有する導電材を含有する第二の樹脂材料で形成された導電体層と、を備えていることを特徴とする航空機組立品。 - 前記絶縁層は、絶縁性を有する第三の樹脂材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載された航空機組立品。
- 前記第二の樹脂材料および/または前記第三の樹脂材料は熱硬化性樹脂であり、ペースト状で塗布され、硬化する程度の温度によって焼成させられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された航空機組立品。
- 前記第二の樹脂材料および前記第三の樹脂材料は同じ種類の樹脂であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載された航空機組立品。
- 繊維で強化された第一の樹脂材料を主たる要素として構成された外板と、この外板を内側から支持する構造材と、これら外板と構造材とを結合するファスナとを備えている航空機組立品の製造方法であって、
少なくとも前記ファスナの頭部を覆うように絶縁性を有する絶縁体層を設置し、
導電性を有する導電材を含有する第二の樹脂材料で形成された導電体層を、少なくとも前記絶縁体層を覆うように設置することを特徴とする航空機組立品の製造方法。 - 前記絶縁層は、絶縁性を有する第三の樹脂材料で形成されることを特徴とする請求項5に記載された航空機組立品の製造方法。
- 前記第二の樹脂材料および/または前記第三の樹脂材料は熱硬化性樹脂であり、ペースト状で塗布され、硬化する程度の温度によって焼成されることを特徴とする請求項5または請求項6に記載された航空機組立品の製造方法。
- 前記第二の樹脂材料および前記第三の樹脂材料はそれぞれペースト状で塗布された後で、一体として焼成されることを特徴とする請求項7に記載された航空機組立品の製造方法。
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