JP2008284660A - インパクト工具 - Google Patents

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裕人 稲川
Junichi Kamimura
淳一 上村
Toshinori Yasutomi
俊徳 安富
Takahiro Murakami
卓宏 村上
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Abstract

【課題】緩衝材の脱落を防いで高い作動安定性を確保することができるインパクト工具を提供すること。
【解決手段】モータによって回転駆動されるスピンドルに回転打撃機構を装着し、該回転打撃機構によって発生する回転打撃力をハンマからアンビルを経て先端工具に間欠的に伝達することによって該先端工具に回転打撃力を与える工具であって、前記アンビルを軸方向に2分割して2つの分割片3B(,3A)とし、両分割片3B(,3A)間の軸方向隙間に複数のゴムダンパ(緩衝材)12を周方向に配設して成るインパクト工具において、前記ゴムダンパ12に係合して該ゴムダンパ12の径方向外方への移動を規制する係合手段(アンビル3の分割片3Aに形成された穴17と、該穴17に嵌合するようゴムダンパ12に形成された突起18)を設ける。
【選択図】図6

Description

本発明は、回転打撃力を発生してネジ締め等の所要の作業を行うためのインパクト工具に関するものである。
電動工具の一形態としてのインパクト工具は、モータを駆動源として回転打撃力を発生して先端工具を回転させつつ、これに打撃力を間欠的に与えてネジ締め等の作業を行うものであるが、反動が小さく締付能力が高い等の特長を有しているため、現在、広く用いられている。しかし、回転打撃力を発生する回転打撃機構を備えているために作業時の騒音が大きく、この騒音が問題となっている。
図10に従来から使用されている一般的なインパクト工具を示す。
図10はインパクト工具の側断面図であり、図示のインパクト工具は、バッテリ1を電源とし、モータ2を駆動源として回転打撃機構を駆動し、アンビル3に回転と打撃を与えることによって先端工具である不図示のビットに回転打撃力を間欠的に伝達してネジ締め等の作業を行うものである。
上記モータ2は、ハウジング4の胴体部4A内に収容されており、ハウジング4の胴体部4Aから下方に一体に延びるハンドル部4Bの上部には、前記バッテリ1からモータ2への給電をON/OFFしてモータ2を起動/停止させるスイッチ5が設けられている。
而して、ハンマケース6に内蔵された回転打撃機構においては、モータ2の出力軸(モータ軸)2aの回転は遊星ギヤ機構7を経て減速されてスピンドル8に伝達され、該スピンドル8が所定の速度で回転駆動される。ここで、スピンドル8とハンマ9とはカム機構によって連結されており、このカム機構は、スピンドル8の外周面に形成されたV字状のスピンドルカム溝8a及びハンマ9の内周面に形成されたV字状のハンマカム溝9a及びこれらのカム溝8a,9aに係合するボール10で構成されている。
又、ハンマ9は、スプリング11によって常に先端方向(図10の右方)に付勢されており、制止時にはボール10とカム溝8a,9aとの係合によってアンビル3の端面とは隙間を隔てた位置にある。そして、ハンマ9とアンビル3の相対向する回転平面上の2箇所には不図示の凸部がそれぞれ対称的に形成されている。
而して、前述のようにスピンドル8が回転駆動されると、その回転は前記カム機構を介してハンマ9に伝達され、ハンマ9が半回転しないうちに、該ハンマ9の凸部9bがアンビル3の凸部3aに係合してアンビル3を回転させるが、そのときの係合反力によってハンマ9とスピンドル8との間に相対回転が生ずると、ハンマ9はカム機構のスピンドルカム溝9aに沿ってスプリング11を圧縮しながらモータ2側へと後退を始める。
そして、ハンマ9の後退動によって該ハンマ9の凸部9bがアンビル3の凸部3aを乗り越えて両者の係合が解除されると、ハンマ9は、スピンドル8の回転力に加え、スプリング11に蓄積されていた弾性エネルギーとカム機構の作用によって回転方向及び前方に急速に加速されつつ、スプリング11の付勢力によって前方へ移動し、その凸部9bがアンビル3の凸部3aに再び係合して一体に回転し始める。このとき、強力な回転打撃力がアンビル3に加えられるため、該アンビル3に装着されたビットを介してネジに回転打撃力が伝達される。
以後、同様の動作が繰り返されてビットからネジに回転打撃力が間欠的に繰り返し伝達され、該ネジが木材等の被締結部材にネジ込まれる。
ところで、斯かるインパクト工具を用いたネジ締め作業においては、ハンマ9は回転運動と同時に前後運動も行うため、これらの運動が振動源となり、アンビル3とビット及びネジを介して被締結部材が軸方向に加振されて大きな騒音を発生する。
ここで、インパクト工具を用いた作業時の騒音のうち、締結対象からの騒音エネルギーは大きな割合を占めることが分かっており、騒音低減のためには締結対象に伝わる加振力を小さく抑える必要があり、そのための対策が種々検討されてきた。
例えば、特許文献1には、図11〜図13に示すような構成が提案されている。
即ち、図11は特許文献1において提案されたインパクト工具の回転打撃機構部の側断面図、図12は図11のC部拡大詳細図、図13(a),(b)は図11のD−D線断面図であり、これらの図においては図10において示したものと同一要素には同一符号を付している。
図示のインパクト工具は、アンビル3に緩衝機構を設けたことを特徴としている。ここで、緩衝機構は、回転方向及び軸方向に対して緩衝機能を果たし、且つ、設定値以上の回転トルクを直接伝達するものであって、具体的には、アンビル3を軸方向に2分割して2つの分割片3A,3Bとし、両分割片3A,3B間の軸方向隙間に緩衝材としてのゴムダンパ12(12a,12b,12c,12d)を介設することによって構成されている。
ところで、図13(a)に示すように、アンビル3の分割片3A,3Bの相対向する端面には2つの爪3c,3fがそれぞれ形成されており、分割片3Aの爪3cと分割片3Bの爪3fとは周方向に交互に配されている。そして、周方向に隣接する爪3c,3f間に形成される計4つの空間に円柱状のゴムダンパ12a〜12dがそれぞれ配置されている。
又、アンビル3の分割片3Bは軸受メタル15によって回転可能に支持され、その先端部にはビット13が着脱可能に装着されている。そして、分割片3Aの外端面に形成された凸部3aに係脱される凸部9bを備えたハンマ9は、スプリング11によってアンビル2側(先端方向)に常時付勢されている。尚、その他の構成は図10に示したインパクト工具のそれと同じである。
斯かるインパクト工具においてアンビル3に回転打撃力が作用しない無負荷状態においては、ゴムダンパ12a〜12dの存在によってアンビル3の分割片3A,3B同士は周方向にも軸方向にも直接接触していない。
而して、負荷状態においてスピンドル8が回転駆動されると、その回転はカム機構を介してハンマ9に伝達され、ハンマ9は、半回転しないうちにその凸部9bがアンビル3の分割片3Aの凸部3aに係合して該分割片3Aを回転させる。
そして、ハンマ9の凸部9bとアンビル3の分割片3Aの凸部3aとの係合に伴う反力(係合反力)によってハンマ9とスピンドル8との間に相対回転が生ずると、ハンマ9は、カム機構のスピンドルカム溝8aに沿ってスプリング11を圧縮しながらモータ2側(図11及び図12の左側)へと後退を始める。
上記ハンマ9の後退動によって該ハンマ9の凸部9bがアンビル3の分割片3Aの凸部3aを乗り越えて両者の係合が解除されると、ハンマ9は、スピンドル8の回転力に加え、スプリング11に蓄積された弾性エネルギーとカム機構の作用によって回転方向及び前方に急速に加速されつつ、スプリング11の付勢力によって前方へと移動し、その凸部9bがアンビル3Aの凸部3aに再び係合してアンビル3を回転させ始める。このとき、強力な回転打撃力がアンビル3に加えられるが、この回転打撃力によるダンパ12a〜12dの弾性変形によって打撃振動が吸収されて減衰され、被締結部材が発する騒音が低く抑えられる。
即ち、アンビル3の一方の分割片3Aに図13(b)の矢印方向(反時計方向)のトルクが加わると、そのトルクが小さい間はアンビル3の分割片3A,3Bの各爪3c,3fの間には周方向隙間が形成されているため、トルクは一方の分割片3Aからゴムダンパ12a,12cを経て他方の分割片3Bに伝達される。このとき、相対向する2つのゴムダンパ12a,12cが弾性変形してトルクを伝達する。
そして、トルクが或る値を越えて大きくなると、アンビル3の分割片3A,3Bの各爪3c,3f同士が直接接触(金属接触)し、トルクは一方の分割片3Aからゴムダンパ12a〜12dを経ないで他方の分割片3Bへと直接伝達される。従って、伝達トルクを低減させることなく、低騒音化を図ることができる。
特開2006−289545号公報
ところで、アンビル3においては、一方の分割片3Aに図13(b)の矢印方向(反時計方向)のトルクが加わると、相対向する2つのゴムダンパ12a,12cが圧縮荷重によって弾性変形するのに対して、他の2つのゴムダンパ12b,12dには圧縮荷重が作用せず、これらのゴムダンパ12b,12dを保持する爪3c,3f間の隙間が図示のように広がるため、遠心力によってゴムダンパ12b,12dがその隙間から脱落し、当該インパクト工具の作動安定性が阻害される可能性があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、緩衝材のアンビルからの脱落を防いで高い作動安定性を確保することができるピンドルからアンビルに伝達される振動を吸収して騒音を低減させることができるインパクト工具を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、モータによって回転駆動されるスピンドルに回転打撃機構を装着し、該回転打撃機構によって発生する回転打撃力をハンマからアンビルを経て先端工具に間欠的に伝達することによって該先端工具に回転打撃力を与える工具であって、前記アンビルを軸方向に2分割して2つの分割片とし、両分割片間の軸方向隙間に複数の緩衝材を周方向に配設して成るインパクト工具において、前記緩衝材に係合して該緩衝材の径方向外方への移動を規制する係合手段を設けたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記係合手段を、前記アンビルの少なくとも一方の分割片に形成された穴又は突起と、該穴又は突起に嵌合するよう前記緩衝材に形成された突起又は穴とで構成したことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記係合手段を、前記アンビルの 少なくとも一方の分割片の前記緩衝材を収容する部分の外周部に形成された突起で構成したことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、係合手段によって緩衝材の径方向外方への移動を規制するようにしたため、アンビルの回転中に緩衝材に径方向外方の遠心力が作用して該緩衝材がアンビルから脱落することがなく、インパクト工具に高い作動安定性が確保される。
請求項2記載の発明によれば、アンビルの少なくとも一方の分割片に形成された穴又は突起と、該穴又は突起に緩衝材の突起又は穴を嵌合させることによって緩衝材の径方向外方への移動が規制されるため、該緩衝材のアンビルからの脱落が防がれてインパクト工具に高い作動安定性が確保される。
請求項3記載の発明によれば、アンビルの少なくとも一方の分割片の緩衝材を収容する部分の外周部に形成された突起によって緩衝材の径方向外方への移動が規制されるため、該緩衝材のアンビルからの脱落が防がれてインパクト工具に高い作動安定性が確保される。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
<実施の形態1>
図1は本発明の実施の形態1に係るインパクト工具の回転打撃機構部の側断面図、図2は図1のA部拡大詳細図、図3(a),(b)は図1のB−B線断面図、図4及び図5は同インパクト工具の回転打撃機構部の分解斜視図、図6(a),(b)はアンビルの一方の分割片とゴムダンパの分解斜視図である。
本実施の形態に係るインパクト工具は、バッテリ1を電源とし、モータ2を駆動源とするコードレスの手持ち式工具であって、その構成は一部を除き図10〜図13に示した従来のインパクト工具のそれと同じである。従って、以下の説明では図10〜図13に示したものと同一要素には同一符号を付し、それらについての再度の説明は省略する。
本発明は、緩衝材であるゴムダンパ12(12a〜12d)に係合して該ゴムダンパ12(12a〜12d)の径方向外方への移動を規制する係合手段を設けたことを特徴としており、本実施の形態では、図6(a),(b)に示すように、アンビル3の一方の分割片3Bの端面(軸方向においてゴムダンパ12a〜12dが当接する端面)に計4つの穴17を形成し、4つのゴムダンパ12a〜12dの端面(軸方向において分割片12Bの端面に当接する面)に突起18をそれぞれ一体に突設し、これらの突起18をアンビル3の分割片3Bに形成された前記穴17にそれぞれ嵌合させることによってゴムダンパ12a〜12dの径方向外方への移動を規制するようにしている。
ところで、図4及び図5に示すように、アンビル3の一方の分割片3Aは、略円板状に成形され、その中心部には円孔3bが形成されている。そして、この分割片3Aのハンマ9側の端面には、図4に示すように、中心を通る直線状の凸部3aが一体に形成されており、ハンマ9の一端面(分割片3Aに対向する端面)には、図5に示すように、2つの扇状の凸部9bが周方向に角度180°隔てた対称位置に一体に形成されており、これらの凸部9bと分割片3Aに形成された前記凸部3aとは後述のように半回転毎に間欠的に係脱する。
又、分割片3Aの他方の端面(他方の分割片3Bに対向する端面)には、図3〜図5に示すように、2つの爪3cが周方向に角度180°隔てた対称位置に一体に形成されている。尚、ハンマ9の中心部には円孔9cが貫設されている。
他方の分割片3Bは、図4及び図5に示すように、中空状の軸部3dの一端部に円板状のフランジ部3eを軸直角方向に一体に形成して構成され、フランジ部3eの端面(分割片3Aに対向する端面)には、図3及び図4に示すように、分割片3A側の爪3cと同様の2つの爪3fが周方向に180°隔てた対称位置に一体に形成されている。
又、図3〜図5に示すように、4つのゴムダンパ12(12a〜12d)は周方向に隣接する2つが互いに連結されており、ゴムダンパ12(12a〜12d)は、図1及び図2に示すように、アンビル3の分割片3A,3B間に介設されている。ここで、図3(a)に示すように、アンビル3の分割片3A,3Bの相対向する端面に形成された各2つの爪3cと3fとは周方向に交互に配されており、周方向に隣接する爪3cと爪3fの間に形成される空間に各ゴムダンパ12a〜12dがそれぞれ配置されている。
而して、アンビル3は、図1に示すように、その分割片3Bの軸部3dが軸受メタル15によって回転可能に支承されてハンマケース6内に収納されているが、分割片3Bのフランジ部3eの端面には、間にゴムダンパ12a〜12dを介在させて、他方の分割片3Aが、それらの爪3c,3f同士が周方向に交互に配置されるように組み付けられ、分割片3Aは、その中心に形成された円孔3bに挿通するスピンドル8の先端部によって分割片3Aに対して相対回転及び軸方向移動可能に支持されている。そして、スピンドル8とアンビル3の分割片3Aとの間にリング状の弾性体14が介設されている。
ここで、弾性体14には、ゴム又は樹脂を鋼材等の金属で挟み込んで成る金属製ダンパ、バネ性を有する波型ワッシャや皿バネ等の金属製バネ等が使用されるが、その軸方向のバネ定数はゴムダンパ12の軸方向のバネ定数よりも大きく設定されている。
又、図1に示すように、アンビル3の分割片3Bの軸部3dには先端工具であるビット13が脱着可能に装着されており、分割片3Aの外端面に形成された凸部3aに係脱される凸部9bを備えたハンマ9は、スプリング11によってアンビル3側(先端方向)に常時付勢されている。
而して、アンビル3に回転打撃力が作用しない無負荷状態においては、図3(a)に示すように、両分割3A,3B片の爪3cと3fとの間には周方向隙間が形成されるとともに、両分割片3A,3B間には軸方向隙間が形成されている。従って、無負荷時には、アンビル3の分割片3A,3Bは周方向にも軸方向にも直接接触していない。
次に、以上の構成を有するインパクト工具の作用について説明する。
回転打撃機構部においてはモータ2の出力軸(モータ軸)2aの回転は、遊星ギヤ機構7を経て減速されてスピンドル8に伝達され、該スピンドル8が所定の速度で回転駆動される。このように、スピンドル8が回転駆動されると、その回転はカム機構を介してハンマ9に伝達され、ハンマ9は、半回転しないうちにその凸部9bがアンビル3の分割片3Aの凸部3aに係合して該分割片3Aを回転させる。
そして、ハンマ9の凸部9bとアンビル3の分割片3Aの凸部3aとの係合に伴う反力(係合反力)によってハンマ9とスピンドル8との間に相対回転が生ずると、ハンマ9は、カム機構のスピンドルカム溝8aに沿ってスプリング11を圧縮しながらモータ2側へと後退を始める。
このハンマ9の後退動に該ハンマ9の凸部9bがアンビル3の分割片3Aの凸部3aを乗り越えて両者の係合が解除されると、ハンマ9は、スピンドル8の回転力に加え、スプリング11に蓄積された弾性エネルギーとカム機構の作用によって回転方向及び前方に急速に加速されつつ、スプリング11の付勢力によって前方へと移動し、その凸部9bがアンビル3の分割片3Aの凸部3aに再び係合してアンビル3を回転させ始める。このとき、強力な回転打撃力がアンビル3に加えられるが、アンビル3は、2つの分割片3A,3Bの間にゴムダンパ12a〜12dを介在させて構成され、両分割片3A,3Bの間には軸方向隙間が形成されているため、打撃力によるゴムダンパ12a〜12dの軸方向の弾性変形によって打撃振動が吸収されて減衰される。
又、スピンドル8とアンビル3の分割片3Aとの間には弾性体14が介設されているため、ハンマ9からスピンドル8を経由してアンビル3の分割片3Aへと伝達される振動が弾性体14によって吸収され、ビット13に伝達される振動とこれに伴って発生する騒音が低く抑えられる。そして、本実施の形態では、弾性体14の軸方向のバネ定数をゴムダンパ12の軸方向のバネ定数よりも大きく設定したため、ハンマ9とアンビル3のトルク伝達位置が大きく変化することがなく、適正なトルクの伝達が可能となる。又、スピンドル8とアンビル3との接触が防がれて両者の寿命向上が図られるとともに、ゴムダンパ12の軸方向の伸縮量が小さく抑えられ、該ゴムダンパ12の劣化が防がれてその耐久性が高められる。
而して、アンビル3の一方の分割片3Aに図3(b)の矢印方向(反時計方向)のトルクが加わると、そのトルクが小さい間はアンビル3の分割片3A,3Bの各爪3c,3fの間には周方向隙間が形成されているため、トルクは一方の分割片3Aから2つのゴムダンパ12a,12cを経て他方の分割片3Bに伝達される。このとき、相対向する2つのゴムダンパ12a,12cに圧縮荷重が作用するため、これらのゴムダンパ12a,12cが弾性変形してトルクを伝達するのに対して、他の2つのゴムダンパ12b,12dには圧縮荷重が作用せず、これらのゴムダンパ12b,12dを保持する爪12c,12d間の隙間が図示のように広がる。このため、従来は遠心力によってゴムダンパ12b,12dが隙間から脱落し、当該インパクト工具の作動安定性が阻害される可能性があったことは前述の通りである。
然るに、本実施の形態では、図6(a),(b)に示すように、アンビル3の一方の分割片3Bの端面に計4つの穴17を形成し、4つのゴムダンパ12a〜12dの各端面に突起18をそれぞれ一体に突設し、これらの突起18をアンビル3の分割片3Bに形成された前記穴17にそれぞれ嵌合させることによってゴムダンパ12a〜12dの径方向外方への移動を規制するようにしたため、アンビル3の回転中にゴムダンパ12a〜12dに径方向外方の遠心力が作用しても、これらのゴムダンパ12a〜12d(特に、ゴムダンパ12b,12d)が隙間から脱落することがなく、当該インパクト工具に高い作動安定性が確保されて振動と騒音が効果的に低減される。
そして、トルクが或る値を越えて大きくなると、アンビル3の分割片3A,3Bの各爪3c,3f同士が直接接触(金属接触)し、トルクは一方の分割片3Aからゴムダンパ12a〜12dを経ないで他方の分割片3Bへと直接伝達される。
以後、同様の作用が繰り返されてビット13からネジ16に回転打撃力が間欠的に繰り返し伝達され、ネジ16が木材等の被締結部材にネジ込まれる。
尚、本実施の形態では、図6(a),(b)に示すように、アンビル3の一方の分割片3Bの端面に計4つの穴17を形成し、4つのゴムダンパ12a〜12dの端面に突起18をそれぞれ一体に突設し、これらの突起18をアンビル3Aの分割片3Bの穴17にそれぞれ嵌合させることによってゴムダンパ12a〜12dの径方向外方への移動を規制するようにしたが、図7(a),(b)に示すように、逆にアンビル3の一方の分割片3Bの端面に計4つの突起18を形成し、4つのゴムダンパ12a〜12dの端面に穴17をそれぞれ一体に突設し、これらの穴17にアンビル3の前記突起18をそれぞれ嵌合させることによってゴムダンパ12a〜12dの径方向外方への移動を規制するようにしても良い。又、他方のアンビル3Aとゴムダンパ12a〜12d或いは両分割片12A,12Bとゴムダンパ12a〜12dに係合手段としての突起18と穴17を形成しても、前記と同様の効果が得られる。
又、アンビル3の分割片3B又はゴムダンパ12a〜12dに形成される穴17は貫通孔でも良く、その形状は円形、楕円形、多角形でも良いが、ゴムダンパ12a〜12dの許容歪を考慮すると円形又は楕円形が望ましい。
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2を図8(a),(b)に基づいて説明する。
図8(a),(b)はアンビルの一方の分割片とゴムダンパの分解斜視図であり、本実施の形態に係るインパクト工具の構成は一部を除き図10〜図13に示した従来のインパクト工具のそれと同じである。従って、以下の説明では図10〜図13に示したものと同一要素には同一符号を付し、それらについての再度の説明は省略する。
本発明は、緩衝材であるゴムダンパ12(12a〜12d)に係合して該ゴムダンパ12(12a〜12d)の径方向外方への移動を規制する係合手段として、アンビル3の一方の分割片3Bのゴムダンパ12a〜12dを収容する部分の外周部に一体に突設された突起19で構成し、この突起19によってゴムダンパ12(12a〜12d)の径方向外方への移動を規制するようにしたことを特徴としている。尚、アンビル3の分割片3Bの各爪3cの外周部には、ゴムダンパ12(12a〜12d)の過大な変形を防ぐためのストッパ20が一体に形成されている。
而して、本実施の形態においては、アンビル3の回転中にゴムダンパ12(12a〜12d)に径方向外方の遠心力が作用しても、ゴムダンパ12(12a〜12d)の径方向外方への移動はアンビル3の分割片3Bに突設された突起19によって規制されるため、圧縮荷重が作用しない2つのゴムダンパ12b,12dが分割片3A,3Bの爪3c,3f間の広がった隙間から脱落することがなく、当該インパクト工具に高い作動安定性が確保されて振動と騒音が効果的に低減される。
尚、図9(a)に示すようにアンビル3の分割片3Bの爪3f間に突起19を形成したり、図9(b)に示すように分割片3Bの爪3fに連なるように突起19を形成しても良い。又、本実施の形態では、アンビル3の一方の分割片3Bに突起19を形成したが、他方の分割片3A或いは両分割片3A,3Bに同様の突起19を形成しても前記と同様の効果が得られる。
本発明は、回転打撃力を発生して所要の作業を行うためのハンマドリル、インパクトドライバ等のインパクト工具に適用することができる。
本発明の実施の形態1に係るインパクト工具の回転打撃機構部の側断面図である。 図1のA部拡大詳細図である。 (a),(b)は図1のB−B線断面図である。 本発明の実施の形態1に係るインパクト工具の回転打撃機構部の分解斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るインパクト工具の回転打撃機構部の分解斜視図である。 (a),(b)は本発明の実施の形態1に係るインパクト工具のアンビルの一方の分割片とゴムダンパの分解斜視図である。 (a),(b)本発明の実施の形態1に係るインパクト工具のアンビルの一方の分割片とゴムダンパの変形例を示す分解斜視図である。 (a),(b)は本発明の実施の形態2に係るインパクト工具のアンビルの一方の分割片とゴムダンパの分解斜視図である。 (a),(b)は本発明の実施の形態2に係るインパクト工具のアンビルの一方の分割片とゴムダンパの変形例を示す分解斜視図である。 従来のインパクト工具の側断面図である。 従来のインパクト工具の回転打撃機構部の側断面図である。 図11のC部拡大詳細図である。 (a),(b)は図11のD−D線断面図である。
符号の説明
1 バッテリ
2 モータ
2a モータの出力軸(モータ軸)
3 アンビル
3A,3B アンビルの分割片
3a アンビルの凸部
3b アンビルの円孔
3c アンビルの爪
3d アンビルの軸部
3e アンビルのフランジ部
3f アンビルの爪
4 ハウジング
4A ハウジングの胴体部
4B ハウジングのハンドル部
5 スイッチ
6 ハンマケース
7 遊星ギヤ機構
8 スピンドル
8a スピンドルカム溝
9 ハンマ
9a ハンマカム軸
10 ボール
11 スプリング
12a〜12d ゴムダンパ(緩衝材)
13 ビット(先端工具)
14 弾性体
15 軸受メタル
16 ネジ
17 穴(係合手段)
18,19 突起(係合手段)
20 ストッパ

Claims (3)

  1. モータによって回転駆動されるスピンドルに回転打撃機構を装着し、該回転打撃機構によって発生する回転打撃力をハンマからアンビルを経て先端工具に間欠的に伝達することによって該先端工具に回転打撃力を与える工具であって、前記アンビルを軸方向に2分割して2つの分割片とし、両分割片間の軸方向隙間に複数の緩衝材を周方向に配設して成るインパクト工具において、
    前記緩衝材に係合して該緩衝材の径方向外方への移動を規制する係合手段を設けたことを特徴とするインパクト工具。
  2. 前記係合手段を、前記アンビルの少なくとも一方の分割片に形成された穴又は突起と、該穴又は突起に嵌合するよう前記緩衝材に形成された突起又は穴とで構成したことを特徴とする請求項1記載のインパクト工具。
  3. 前記係合手段を、前記アンビルの少なくとも一方の分割片の前記緩衝材を収容する部分の外周部に形成された突起とで構成したことを特徴とする請求項1記載のインパクト工具。
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