JP2008283479A - 可逆的透かしデータ挿入方法、プログラム、装置および画像処理システム - Google Patents

可逆的透かしデータ挿入方法、プログラム、装置および画像処理システム Download PDF

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Abstract

【課題】用途に応じて、元画像が認識可能な程度あるいはノイズ除去の困難さを調整可能に可視透かしを入れる。
【解決手段】データ挿入部15は、図示しないキーボードやマウスなどの手動操作装置の指定に基づき、あるいは、擬似的に生成した乱数に基づき、除算結果値の得られたブロックの中からノイズデータ挿入部分とする特定のブロックおよび特定の係数位置を決定する。データ挿入部15は、ノイズデータの解除に必要なデータである解除用データの挿入位置を決定する。データ挿入部15は、決定されたノイズデータ挿入ブロックにおけるノイズデータ挿入位置、決定された解除用データ挿入ブロックにおける解除用データの挿入位置に、それぞれ、ノイズデータを加算し、また解除用データのビットを埋め込む。
【選択図】 図1

Description

本発明は圧縮符号化すべき画像データにノイズデータを埋め込むことで、復号側での画像データの不正利用防止を可能にする技術に関する。
特許文献1では、入力された画像データをJPEG2000の非可逆モードに従い圧縮符号化する圧縮符号化手段に対して、この圧縮符号化手段による離散ウェーブレット変換処理後に量子化された離散ウェーブレット変換係数の一部の指定された領域のデータを、パスワード入力に基づき再置換可能にダミー画像データに置換して元のデータを見えなくするダミー画像置換手段を設けることで、入力された画像データをJPEG2000の非可逆モードに従い圧縮符号化する場合であっても、量子化処理の後は可逆的な処理となるので、その直前のデータである離散ウェーブレット変換処理後に量子化された離散ウェーブレット変換係数に置換処理を施してもそのダミー画像データも可逆的に完全に復号させることで、復号に際しては完全にダミー画像データの影響をなくすことが可能となる。
特許文献2では、画像記憶部は、送られてきた可視マークが埋め込まれた可視マーキング画像データを記憶し、マーキング処理部は、この可視マーキング画像から可視マークを除去し、さらに、一体不可分の処理により、同時並行的に非可視マークを埋め込んで、オリジナル画像データと視覚上変わらない非可視マーキングデータを生成する。断片画像生成部は、それぞれ一部に変更が加えられているが、交互に表示した場合に、オリジナル画像と同じに見えるn種類の断片画像データを生成する。画像表示部は、これらの断片画像データを時間間隔Tiで表示し、見本画像データとして利用者に示す。
JPEG(Joint Photographic Experts Group)圧縮では、オリジナル画像データを離散コサイン変換(DCT)し、ビット配分を決定して量子化を行う。ベースライン方式の場合、量子化データをハフマン符号化により符号化して符号化データを得る。
この圧縮符号化された画像データに対して任意のデータを付加する技術として、ステガノグラフィ(Steganography)がある。ステガノグラフィは、付加情報(メッセージや画像など)を画像等に対して直接、重畳する処理を実行するものであり、例えば、画像情報の各画素の値を示すビット情報の最下位ビットにデータを入れたり、あるいはマクロブロックの量子化されたY成分のDCT係数を変更したり、あるいは量子化されたDCT係数の和をある値で割った余りで挿入データを表すなど、様々な態様のものがある。データの挿入により画質劣化が生じることがあるが、これを防止する技術としては、例えば、画像を埋め込む場所をDCT係数の最高周波数の位置にするものがある(特許文献3)。
特開2004−228876号公報 特開2000−184177号公報 特開2002−330279号公報
特許文献1はJPEG2000を使う手法であり、最も普及しているJPEGでは利用できない。
特許文献2はハフマン符号表を画像データに偽装しているため、不自然なデータが本来の画像データの後ろに含まれてしまうので、可視透かしを除去するキーとなるデータを発見される可能性が高い。また、この手法では、元の画像が全く見えなくなってしまうので、画像の内容を全く知ることができない。そのため、特定の画像を探したくても、探しにくい。さらに、元の画像が見えるように透かしに画像を使う手法も言及されているが、透かし用の画像データ自身を拡張マーカに入れるなど、ファイルサイズの増加が問題となる。
特許文献3のようにすると、EOB(End of Block)符号が消滅するため、符号化効率が低下し、JPEGファイルが非常に大きくなる。
本発明は、JPEG形式の画像に、元画像が認識可能なように可視透かしを入れることを目的とする。また、本発明は、可視透かしの挿入の際、ファイルサイズの増大を可及的に抑えることを目的とする。また、本発明は、用途に応じて、元画像が認識可能な程度あるいはノイズ除去の困難さを調整可能に可視透かしを入れることを目的とする。
本発明に係る可逆的透かしデータ挿入方法は、所望の画像へ挿入すべき透かしデータを決定するステップと、画像の圧縮符号化単位となるべきブロックを画像に設定するステップと、透かしデータを挿入すべきブロックである透かしデータ挿入ブロックを設定するステップと、ブロック毎に離散コサイン変換(DCT)係数を算出するステップと、ブロック毎に算出された離散コサイン変換係数の内、EOB(End of Block)以外のDCT係数位置の中から、透かしデータを埋め込むべき1以上のDCT係数位置である透かしデータ挿入位置を、透かしデータ挿入ブロックの各々について決定するステップと、透かしデータ挿入ブロックの各々における透かしデータ挿入位置および透かしデータの値を示すデータである解除用データを作成するステップと、解除用データを挿入すべきブロックである解除用データ挿入ブロックを設定するステップと、解除用データ挿入ブロックのDCT係数の内、ジグザグスキャン順に沿ったEOB以降の高周波数側のDCT係数位置の中から、解除用データを埋め込むべき1以上のDCT係数位置である解除用データ挿入位置を、解除用データ挿入ブロックの各々について決定するステップと、透かしデータ挿入ブロックの各々について決定された透かしデータ挿入位置のDCT係数の各々を対応する量子化幅で除算した値である除算結果値を丸めた値である量子化代表値に、透かしデータを加算することで、画像に透かしデータを挿入するステップと、解除用データ挿入ブロックの各々について決定された解除用データ挿入位置のDCT係数の各々を対応する量子化幅で除算した値である除算結果値を丸めた値である零の量子化代表値を、解除用データを構成するビットに応じた正または負の符号を有する零以外の値に変更することで、画像に解除用データを挿入するステップと、を含む。
この発明によると、各ブロックのDCT係数に透かしデータを埋め込むことができる。埋め込む位置と値は任意に設定できるから、画像のノイズの顕在度とノイズ解析の困難度を変化させることができる。また、透かしデータの位置と値を示す解除用データも画像に埋め込むから、復号側で画像からその解除用データを識別し、ノイズを除去することができる。
透かしデータは透かしデータ挿入位置ごとに無作為に決定されてもよい。
こうすると、透かしデータが位置ごとにランダムになり、透かしデータの不正な解析や解除が困難になる。
透かしデータは透かしデータ挿入位置の全てについて同一の値に決定されてもよい。
こうすると、画像のノイズが規則な模様となって現れ、画像の視認性がある程度確保される。
画像に設定された全てのブロックの特定のDCT係数位置の範囲を透かしデータ挿入位置に決定するステップをさらに含んでもよい。
画像に設定された全てのブロックの特定のDCT係数位置の範囲から無作為に選出された1以上のDCT係数位置を透かしデータ挿入位置に決定するステップをさらに含んでもよい。
こうすると、画像のノイズが不規則な模様となって現れる。
画像に設定された全てのブロックの特定のDCT係数位置の範囲における特定の1以上のDCT係数位置を透かしデータ挿入位置に決定するステップをさらに含んでもよい。
特定のDCT係数位置の範囲はEOBよりも低周波数側に存在することが好ましい。
こうすると、EOBの位置が透かしデータの挿入により高周波数側に移動したり、あるいはEOB自体が消滅することを防げ、画像ファイルが長大化するのを防げる。
解除用データ挿入ブロックを設定するステップは、EOBがジグザグスキャン順に沿った最高周波数位置以外の位置に存在するブロックである第1のEOB存在ブロックを解除用データ挿入ブロックに設定するステップを含み、画像に解除用データを挿入するステップは、第1のEOB存在ブロックの各々について、EOBを、解除用データを構成するビットに応じて+1または−1に変更するステップを含んでもよい。
こうすると、EOB自体が消滅することを防げ、画像ファイルが長大化するのを防げる。
解除用データ挿入ブロックを設定するステップは、画像に設定された全てのブロックにおけるDCT係数のうち絶対値が最大となるDCT係数を特定するステップと、特定されたDCT係数の値をZとしたとき、EOBがジグザグスキャン順に沿った最高周波数位置に存在するブロックである第2のEOB存在ブロックを解除用データ挿入ブロックに設定するステップと、を含み、画像に解除用データを挿入するステップは、第2のEOB存在ブロックの各々について、EOBを、解除用データを構成するビットに応じて|Z|+1または−(|Z|+1)に変更することで、画像に解除用データを挿入するステップを含んでもよい。
こうすると、最高周波数位置にEOBが存在した場合でも、解除用データを挿入でき、かつ、その値|Z|+1または−(|Z|+1)を他のブロックの値と大小比較することで、EOBに解除用データが挿入されていたことを復号側で識別できる。
透かしデータ挿入ブロックを包含する近傍領域ブロックを設定するステップと、近傍領域ブロックにおけるDCT係数を近傍領域ブロックの識別データを構成するビットに変更することで、近傍領域ブロックに近傍領域ブロックの識別データを挿入するステップと、をさらに含んでもよい。
こうすると、ブロックのノイズで文字、ロゴ、メッセージなどの可読符号を表現する際、ノイズのない領域とノイズのある領域とを区別するのが容易になる。
近傍領域ブロックに近傍領域ブロックの識別データを挿入するステップは、近傍領域ブロックの内、最高周波数位置以外の位置にEOBが存在するブロックについては、EOBを、識別データを構成するビットに応じて+1または−1に変更するステップと、近傍領域ブロックの内、最高周波数位置にEOBが存在するブロックについては、画像に設定された全てのブロックにおけるDCT係数のうち絶対値が最大となるDCT係数を特定し、絶対値が最大となるDCT係数をZとしたとき、EOBを、識別データのビットに応じて|Z|+1または−(|Z|+1)に変更するステップと、近傍領域ブロックの内、EOBが存在しないブロックについては、識別データを挿入するための予備ブロックを近傍領域ブロック以外のブロックに設定し、予備ブロックのEOBを、識別データを構成するビットに応じて+1もしくは−1に変更するかまたは|Z|+1もしくは−(|Z|+1)に変更するステップと、をさらに含んでもよい。
このように、識別データを、近傍領域ブロック自身に、あるいはそれ以外の予備領域に挿入、近傍領域とそれ以外の領域を復号側で識別させることができる。
なお、識別データを埋め込むブロックと、解除用データを埋め込むブロックとは、競合しないようにすることが好ましい。
すなわち、解除用データ挿入ブロックを設定するステップは、近傍領域ブロック以外のブロックを解除用データ挿入ブロックに設定することが好ましい。
上記の可逆的透かしデータ挿入方法をコンピュータに実行させるプログラムも本発明に含まれる。
本発明に係る可逆的透かしデータ挿入装置は、所望の画像へ挿入すべき透かしデータを決定する透かしデータ決定部と、画像の圧縮符号化単位となるべきブロックを画像に設定するブロック設定部と、透かしデータを挿入すべきブロックである透かしデータ挿入ブロックを設定する透かしデータ挿入ブロック設定部と、ブロック毎に離散コサイン変換(DCT)係数を算出するDCT係数算出部と、ブロック毎に算出された離散コサイン変換係数の内、EOB(End of Block)以外のDCT係数位置の中から、透かしデータを埋め込むべき1以上のDCT係数位置である透かしデータ挿入位置を、透かしデータ挿入ブロックの各々について決定する透かしデータ挿入位置決定部と、透かしデータ挿入ブロックの各々における透かしデータ挿入位置および透かしデータの値を示すデータである解除用データを作成する解除用データ作成部と、解除用データを挿入すべきブロックである解除用データ挿入ブロックを設定する解除用データ挿入ブロック設定部と、解除用データ挿入ブロックのDCT係数の内、ジグザグスキャン順に沿ったEOB以降の高周波数側のDCT係数位置の中から、解除用データを埋め込むべき1以上のDCT係数位置である解除用データ挿入位置を、解除用データ挿入ブロックの各々について決定する解除用データ挿入位置決定部と、透かしデータ挿入ブロックの各々について決定された透かしデータ挿入位置のDCT係数の各々を対応する量子化幅で除算した値である除算結果値を丸めた値である量子化代表値に、透かしデータを加算することで、画像に透かしデータを挿入する透かしデータ挿入部と、解除用データ挿入ブロックの各々について決定された解除用データ挿入位置のDCT係数の各々を対応する量子化幅で除算した値である除算結果値を丸めた値である零の量子化代表値を、解除用データを構成するビットに応じた正または負の符号を有する零以外の値に変更することで、画像に解除用データを挿入する解除用データ挿入部と、を含む。
本発明に係る画像処理システムは、上記に記載の可逆的透かしデータ挿入装置と、可逆的透かしデータ挿入装置から出力された、透かしデータおよび解除用データの挿入された画像を入力する入力部と、解除用データに基づき、透かしデータの埋め込まれたブロックおよびDCT係数位置ならびにDCT係数位置における透かしデータの値を特定する透かしデータ特定部と、データ挿入位置特定部の特定した各ブロックの各挿入位置における透かしデータの値に基づき、透かしデータ挿入位置における透かしデータ挿入前のDCT係数を復元するとともに、解除用データ挿入位置における解除用データ挿入前のDCT係数を復元するDCT係数復元部と、を備える。
この発明によると、各ブロックのDCT係数に透かしデータを埋め込むことができる。埋め込む位置と値は任意に設定できるから、画像のノイズの顕在度とノイズ解析の困難度を変化させることができる。また、透かしデータの位置と値を示す解除用データも画像に埋め込むから、復号側で画像からその解除用データを識別し、ノイズを除去することができる。
以下、添付した図面を参照し本発明の好ましい実施の形態を説明する。
<第1実施形態>
図1は本発明の好ましい実施形態に係るノイズデータ埋込装置付き画像圧縮符号化装置のブロック図である。詳細は省略するが、本実施形態で述べる画像圧縮符号化装置の各ブロックはマイコンその他の演算装置のプログラム制御によっても実現可能である。
画像データ作成部11は、デジタルスチルカメラに内蔵されたアナログフロントエンドやパソコンのメディアリーダといった画像出力部10から出力された被写体像を表すRGBの各色毎の画像信号を入力し、これを、3×3行列による線形変換により、輝度を表す輝度信号(Y)、「青み」成分を表す色差信号(U)及び「赤み」成分を表す色差信号(V)に変換し、このYUV画像データをDCT処理部12に出力する。
YUVの色空間への変換には例えば、Y=0.2990R+0.5870G+0.1140B U=−0.1687R−0.3313G+0.5000B+128 V=0.5000R−0.4187G−0.0813B+128という変換式を用いることができる。
なお、白黒画像はU=V=0として考えればよく、本発明はカラー画像、白黒画像の両方に適用できる。
DCT処理部12は、画像データ作成部11から入力された画像データを8×8要素からなる複数のブロック(ここでは説明の便宜上64個のブロックとするが、何個でも可)に分割するブロック化を行い、ブロック毎にDCT(離散コサイン変換)を行う。DCT処理部12は、DCT係数を格納した8×8のテーブル形式のDCT係数テーブルをブロック毎に作成し、量子化部13に出力する。以下、ブロック毎に作成された8×8のテーブル形式のDCT係数を、単にブロックという。
量子化部13は、DCT処理部12から出力されたブロック毎の各DCT係数を、量子化表の対応する区間幅Q(量子化幅あるいは量子化ステップと呼ばれる)で割る。
データ挿入部15は、図示しないキーボードやマウスなどの手動操作装置の指定に基づき、あるいは、擬似的に生成した乱数に基づき、除算結果値の得られたブロックの中からノイズデータ挿入ブロックとする特定のブロックおよび各ノイズデータ挿入ブロックにおけるノイズデータ挿入位置とする特定の係数位置を決定する。
図2〜5は、ノイズデータ挿入位置とする特定のブロック・特定の係数位置の4パターンを例示列挙している。
図2は、符号化部14によるジグザグ符号化順のm=63番目の位置を除く特定のDCT係数位置k(ここではk=8)を、全てのブロックについてのノイズデータ挿入位置としていることを示す。kは8である必要はなく、その他の位置でもよい。なお、EOB以降にノイズデータを挿入すると、ゼロランレングスが短くなり、符号化効率が低下するから、EOBよりも前に挿入するのが好ましい。この点については図5を用いて後述する。
図2の場合、埋め込むノイズデータの実際の値は、どのブロックについても一律同じ値であるか、ブロックごとに擬似的に生成した乱数とする。
図3は、4×4のブロックB(1)〜B(16)で構成される画像につき、最高周波数位置を除く特定の係数位置候補N(Nは符号化部14によるジグザグ符号化順に沿ったDCT係数位置のパラメータであり、N=0、1、2、4)の中から、擬似的に発生した乱数に基づき、当該候補内におけるノイズデータ挿入位置とすべき係数位置nを、ブロックごとにランダムに決定していることを示す。ブロックごとの挿入係数位置は、候補に属すれば単数でも複数でもよい。
図3の場合、埋め込むノイズデータの実際の値は、全ブロック一律同じ値であるか、ブロックごとあるいは挿入係数位置ごとにランダムに決められた値とする。
ブロックごとに挿入位置がランダムに決められることで、ノイズの挿入位置の特定が困難になり、不正なノイズ解除を効果的に防げる。
図4では一例として、係数位置候補N=0、1、2、4と設定されており、この候補内でnがランダムに決定される。例えば、ブロックB(1)では、n=0がノイズデータ挿入位置に決定されており、ブロックB(2)では、n=1がノイズデータ挿入位置に決定されており、ブロックB(3)では、n=2がノイズデータ挿入位置に決定されており、ブロックB(2)では、n=4がノイズデータ挿入位置に決定されている。
ノイズデータ挿入位置となる係数位置は単数である必然性はなく、例えばブロックB(6)では、係数位置n=1および2がノイズデータ挿入位置に決定されている。
また、上記の係数位置候補の全組み合わせ(例えば、0と1、0と1と4などであり、そのパターン総数は、4!=24となる)を、挿入パターンとして予め記憶しておき、乱数に従って所望の挿入パターンをブロックごとにランダムに選択し、選択した挿入パターンの挿入係数位置にノイズデータを埋め込んでもよい。
挿入位置がランダムに決められることで、ノイズの挿入位置の特定が困難になり、不正なノイズ解除を効果的に防げる。
図4では、ノイズデータ挿入位置となる係数位置範囲0〜7の全てをノイズデータ挿入位置に決定している。
図4の場合、埋め込むノイズデータの実際の値は、一律同じ値であるか、ランダムに決められた値とする。
図5では、EOB(エンドオブブロック、ブロック内の後続の量子化代表値は全てゼロであるという意味のコード)の位置を上限とし、EOBを超えない低周波数側の範囲に属する係数位置の全部または一部を挿入係数位置に決定している。
EOBはブロックによってその位置が変動するから、EOBにノイズデータを埋め込むと、そのノイズデータ挿入位置の特定が困難になるため、これは回避される。また、EOBよりも前にノイズデータを挿入すると、ゼロランレングスが短くならず、符号化効率が低下しないため好ましい。
さらに、例えば、空や白壁のような変化の少ないのっぺりとしたブロックの場合、EOB位置は低周波数側に位置するから、この場合のノイズデータ挿入による画質変化は小さく、逆に、例えば、被写体や文字のエッジ部分のような変化の大きいブロックの場合、EOB位置は高周波数側に位置するから、この場合のノイズデータ挿入による画質変化は大きくなり、画像の重要部分に対して特に強いノイズを加えることができる。
図5の場合、埋め込むノイズデータの実際の値は、一律同じ値であるか、ランダムに決められた値とする。
再び図1を参照すると、データ挿入部15は、データ挿入ブロックの挿入位置にある量子化代表値に、ノイズデータを加算して埋め込む。
具体的には、データ挿入部15は、ノイズデータ挿入ブロックのうち、ノイズデータを埋め込むべき係数位置であるk番目(符号化部14によるジグザグ符号化順のm番目のこと)のDCT係数D(L,k)に対応する除算結果値D(L,k)/Q(L,k)を、予め設定した丸め方向(切り上げ、切捨てまたは四捨五入)に丸めた値であるオリジナルの量子化代表値R1(L,k)に、正または負の整数であるノイズデータを加算することで、ノイズデータの挿入が行われた量子化代表値R2(L, k)を得る。
例えば、図24(a)に示すような、あるノイズデータ挿入ブロックのEOBより低周波数側の係数位置k=0〜11のオリジナル量子化代表値R1(6、3、4、1、5、2、1、2、2、0、1、1)に対し、図24(b)のような、各係数位置k=0〜11に対応するノイズ「10」を加算することで、図24(c)のような、ノイズ挿入後の量子化代表値R2を得る。
詳細は省略するが、U・V成分にも、Y成分と同様にしてデータ挿入ができるのはいうまでもない。
データ挿入部15は、ノイズデータの解除に必要なデータである解除用データの挿入ブロックおよび当該解除用データ挿入ブロックにおける解除用データを挿入するDCT係数位置を、所定の方式により決定し、決定されたブロックの解除用データの挿入位置lに、解除用データのデータビットを埋め込む。解除用データは、どのブロックのどの係数位置にどのような値のノイズが挿入されているかを示すビット列である。解除用データは、M−系列などを用いて予めランダム化(暗号化)されている。
図6および図7は、解除用データの挿入方式を示す。ここでは、画像の各ブロックのEOBの位置に基づき、当該ブロックにおける解除用データのビットの挿入位置lと挿入する値を決めていく。
図6は、ノイズの挿入されたブロックに解除用データも挿入する形態である。図6(a)に示すように、あるブロックについて、当該ブロックの最高周波数位置(m=63)にEOBが存在しない場合、当該ブロックへの解除用データの挿入は行わない。これは、本実施形態では、EOBにより解除用データとノイズデータの挿入位置が区別されるためである。
図6(b)に示すように、あるブロックについて、当該ブロックの最高周波数位置にEOBが存在する場合、まず、画像中の全ブロックにおける最高周波数位置(m=63)のDCT係数の量子化代表値をサーチし、全ブロックの全DCT係数値のうち絶対値が最大となる量子化代表値を特定し、その値をZとする。そして、当該ブロックの最高周波数位置のEOBを、解除用データのビットが「0」であれば「|Z|+1」に、解除用データのビットが「1」であれば「−(|Z|+1)」に変更することで、解除用データの1ビットを当該ブロックの最高周波数位置l=63に挿入する。あるいは、解除用データのビットが「0」であれば「−(|Z|+1)」に、解除用データのビットが「1」であれば「|Z|+1」に変更してもよい。要するに、解除用データのビットの「0」あるいは「1」と、|Z|+1に付加される正負の符号「|Z|+1」あるいは「−(|Z|+1)」との対応関係が1対1であればどちらでもよい。なお、これにより当該ブロックのEOBは消滅するため、解除用データの挿入に必要があるときに限り、本方式を採用することが好ましい。
図6(c)に示すように、あるブロックについて、当該ブロックの最高周波数位置以外の位置lにEOBが存在する場合、当該ブロックの最高周波数位置のEOBを、解除用データのビットが「0」であれば「1」に、解除用データのビットが「1」であれば「−1」に変更することで、解除用データの1ビットを当該ブロックの最高周波数位置に挿入する。なお、これにより当該ブロックのEOBは1つ分高周波数側に移動する。
ただし、解除用データのビットが「0」であれば「−1」に、解除用データのビットが「1」であれば「+1」に変更してもよい。要するに、ビットの「0」あるいは「1」と正負の符号「+1」あるいは「−1」と対応関係が1対1であればどちらでもよい。
図7は、ノイズの挿入されているブロックおよび当該ブロックを囲む近傍領域以外に解除用データのビットを挿入する形態である。これは、図8のように、ノイズの挿入されたブロックで文字、ロゴ、メッセージなどの可読符号を表現する際に有用である。
まず、図7(a)に示すような、可読符号を挿入するブロックの指定を受け付け、指定された可読符号挿入ブロックおよびそれを囲む近傍領域(図中の矩形領域T)を決定する。かつ、矩形領域Tにノイズデータが挿入されたことを示すマーキングデータを挿入できない場合に備え、矩形領域T以外の任意の1または数個のブロックをマーキングデータの予備格納領域Sに決定する。予備格納領域Sは、画像の周辺部分であることが好ましい。
次に、図7(b)〜(d)のいずれかの方式で、矩形領域T内のブロックまたは予備格納領域Sのブロックに、ノイズデータが挿入されたブロックであるか否かを識別するマーキングデータを挿入する。
すなわち、図7(b)に示すように、矩形領域T内のあるブロックについて、当該ブロックの最高周波数位置(m=63)にEOBが存在しない場合、当該ブロックへのマーキングデータの挿入は行わない。その代わり、当該ブロックにノイズデータが挿入されたことを示すマーキングデータは、矩形領域Tとは別の予備格納領域SのブロックのEOB位置に挿入する。マーキングデータの挿入の影響を極力避けるため、予備格納領域Sは画像端部に設けるとよい。そのデータ挿入方式は、図6(a)〜(c)と同様にするが、この場合、解除用データの挿入と競合する可能性があるため、予備格納領域Sには、解除用データを挿入しないものとする。つまり、予備格納領域Sを設定した場合、解除用データ挿入ブロックは、予備格納領域S以外のブロックの中から決定される。
図7(c)に示すように、矩形領域T内のあるブロックについて、当該ブロックの最高周波数位置にEOBが存在する場合、まず、画像中の全ブロックにおける最高周波数位置(m=63)のDCT係数の量子化代表値をサーチし、全ブロックの全DCT係数値のうち絶対値が最大となる量子化代表値を特定し、その値をZとする。そして、当該ブロックの最高周波数位置のEOBを、マーキングデータのビットが「0」であれば「|Z|+1」に、マーキングデータのビットが「0」であれば「−(|Z|+1)」に変更することで、マーキングデータの1ビットを当該ブロックの最高周波数位置に挿入する。なお、これにより当該ブロックのEOBは消滅する。あるいは、マーキングデータのビットが「0」であれば「−(|Z|+1)」に、マーキングデータのビットが「0」であれば「|Z|+1」に変更してもよい。要するに、ビットの「0」あるいは「1」と|Z|+1に付加される正負の符号「|Z|+1」あるいは「−(|Z|+1)」との対応関係が1対1であればどちらでもよい。
図7(d)に示すように、あるブロックについて、当該ブロックの最高周波数位置以外の位置にEOBが存在する場合、当該ブロックの最高周波数位置のEOBを、マーキングデータのビットが「0」であれば「1」に、マーキングデータのビットが「1」であれば「−1」に変更することで、マーキングデータの1ビットを当該ブロックの最高周波数位置に挿入する。なお、これにより当該ブロックのEOBは1つ分高周波数側に移動する。
ただし、マーキングデータのビットが「0」であれば「−1」に、マーキングデータのビットが「0」であれば「+1」に変更してもよい。要するに、ビットの「0」あるいは「1」と正負の符号「+1」あるいは「−1」と対応関係が1対1であればどちらでもよい。
データ挿入部15は、ノイズデータも解除用データもマーキングデータも埋め込まないDCT係数D(L,n)(Lは0以上63以下の任意の整数であり、かつn≠k、l)に対応する除算結果値D(L,n)/Q(L,n)については、その値の少数以下の桁を、四捨五入・切捨て・切り上げなどの丸め演算で丸めることで、データを埋め込まないオリジナルのDCT係数の量子化代表値R1(L,n)を決定する。
データ挿入部15は、このようにして決定されたDCT係数の量子化代表値R1およびR2を格納した8×8のテーブル形式の量子化データテーブルを全てのブロックについて作成し、符号化部14に出力する。
符号化部14は、データ挿入部15から出力されたブロック毎の量子化データテーブルをハフマン符号表などを用いてエントロピー符号化し、ビットストリームを出力する。この際、最高周波数の係数位置まで連続するゼロの量子化代表値の列の長さ(ゼロランレングス)を考慮した符号化を行なうことにより、ビット数が効果的に低減される。
符号化データにはEOB(エンドオブブロック)のコードが付加される。ここで、EOBとは、ブロック内の後続の量子化代表値は全てゼロであるという意味のコードである。
DCTを行って得られるDCT係数テーブルにおいては、左上に画質の劣化が顕在化しやすい低い空間周波数のDCT係数が配置され、右下に向かうほど画質の劣化が顕在化しにくい高い空間周波数のDCT係数が配置される。
符号化部14によって符号化されたデータは、外部記録媒体やネットワークなどに出力される。
このようにしてデータを埋め込んだ画像データを、JPEGファイルとして出力し、画像を必要とするユーザに提供する。
画像の提供を受けたユーザ側では、パソコンなどでJPEGファイルを復号化し、その画像を表示させる。
図9〜21は、図2〜5のようにして決定されたノイズデータ挿入位置に、固定あるいはランダムの値のノイズが挿入された場合における、復号化画像の一例を示している。
図9は、各ブロックの係数位置m=1に、固定の値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す。この場合、規則的な縦縞のパターンが現れる。これは、いずれのブロックにおいても、同じ位置に同じノイズが挿入されているからである。また、パターンが縦縞になるのは、ノイズを挿入する位置が、各ブロックのX方向(水平方向)に偏っているからである。
図10は、各ブロックの係数位置m=10に、固定の値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す。この場合、規則的な横縞のパターンが現れる。パターンが横縞になるのは、ノイズを挿入する位置が、各ブロックのY方向(垂直方向)に偏っているからである。
図11は、各ブロックの係数位置m=39に、固定の値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す。この場合、格子状の規則的なパターンが現れる。これは、係数位置がX方向・Y方向にも偏っておらず、均等だからである。
図12は、各ブロックの係数位置m=1に、ランダムな値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す。この場合、Y方向(垂直方向)に沿った不規則なパターンが現れる。パターンがは、いずれのブロックにおいても、同じ位置にノイズが挿入されているからである。また、Y方向(垂直方向)に沿っているのは、ノイズを挿入する位置が、どのブロックも同じだからである。しかし、各ブロックに挿入されるノイズの値はランダムであるため、規則的な縞模様にはならない。
図13は、各ブロックの係数位置m=10に、ランダムな値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す。この場合、X方向(水平方向)に沿った不規則なパターンが現れる。
図14は、各ブロックの係数位置m=39に、ランダムな値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す。この場合、格子上の不規則なパターンが現れる。
図15は、各ブロックの係数位置候補N=0、1、2、4の内でのランダムな位置に固定値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す。各ブロックでのノイズ挿入位置は異なるため、規則的なパターンは生じないが、ノイズの値は同じであるため、ノイズの強さは同じである。
図16は、各ブロックの係数位置候補N=0、1、2、4の内でのランダムな位置にランダムな値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す。各ブロックでのノイズ挿入位置は異なるため、規則的なパターンは生じず、かつ、ノイズの値はランダムであるため、各ブロックで顕在化するノイズの強さも異なる。
図17は、各ブロックの係数位置範囲N=0〜10のにランダムな値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す。各ブロックでのノイズ挿入位置は同じ範囲であるため、規則的なブロック状のパターンが生じるが、ノイズの値はランダムであるため、各ブロックで顕在化するノイズの強さも異なる。
図18は、各ブロックの係数位置範囲N=53〜63にランダムな値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す。各ブロックでのノイズ挿入位置は同じ範囲であるため、規則的なブロック状のパターンが生じるが、ノイズの値はランダムであるため、各ブロックで顕在化するノイズの強さも異なる。
図19は、特定文字「FFSF」のパターンに相当する特定位置のブロックの係数位置範囲N=0〜30にランダムな値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す。特定位置のブロックにノイズが挿入されるため、ノイズの顕在化したブロックにより文字が表現されるが、ノイズの値はランダムであるため、文字を構成する各ブロックのノイズの強さは異なる。
図20は、特定文字「FFSF」のパターンに相当する特定位置のブロックの係数位置範囲N=30〜60にランダムな値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す。
図21は、各ブロックの係数位置範囲N=0〜EOBにランダムな値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す。各ブロックでのノイズ挿入位置はEOBまでであり、EOBに依存するため、不規則なブロック状のパターンが生じるが、ノイズの値はランダムであるため、各ブロックで顕在化するノイズの強さも異なる。
図22(a)〜(d)は、それぞれ、図2〜図5の方式で各画像にノイズを挿入したことによるファイルサイズの増加割合を示す。
<第2実施形態>
図23は、本発明の好ましい実施形態に係るノイズ除去装置付き画像復号化装置102のブロック図である。詳細は省略するが、本実施形態で述べる装置の各ブロックはマイコンその他の演算装置のプログラム制御によっても実現可能である。
入力部20は、第1実施形態に係る画像圧縮符号化装置101の出力部15から出力された画像データを、復号化部21に入力する。入力部20は、メディアリーダやネットワークアダプタなどで構成することができる。
復号化部21は、エントロピー符号化部14の出力した符号化画像データのDCT係数D(m)をジグザグ順序に従ってエントロピー復号化する。
復号化部21は、各ブロックのマーキングデータに基づき、解除用データの挿入されているブロックを識別する。そして、解除用データの挿入された各ブロックから、解除用データのデータビットを取得し、このデータビットから解除用データを復元する。
具体的には、復号化部21は、任意の1ブロックについて、まずEOBの有無を判別し、EOBがあれば、EOBの1つ低周波数側の位置に解除用データビットが挿入されていると判断する(図6(c)参照)。そして、当該EOBの1つ低周波数側の位置mの係数の量子化代表値R(m)の符号が正であれば解除用データビット0が挿入されており、量子化代表値R(m)の符号が負であれば解除用データビット1が挿入されていることを識別する。
EOBがなければ、全ブロックの係数値の絶対値の最大値をMAXとして、当該ブロックm=63の値の絶対値Kとを比較し、K=MAX+1であれば、m=63の係数に解除用データビットが埋め込まれていると判断する(図6(b)参照)。そして、当該係数が正であれば解除用データビット「0」が、当該係数が負であれば解除用データビット「1」が埋め込まれていると識別する。
このように、図6の方式に従い、各ブロックについて、解除用データビットの挿入の有無を判別し、挿入されたデータビットを識別し、識別された各ビットを統合し、解除用データを復元する。ランダム化された解除用データを復元するための鍵情報は、別途復号化部21に入力されているものとする。
復号化部21は、復元した解除用データから、ノイズ挿入ブロック、ノイズ挿入係数位置および埋め込まれたノイズ値を特定する。
また、復号化部21は、特定された位置における特定されたノイズ値を、各係数位置の量子化代表値R2から差し引き、ノイズ挿入前のオリジナルの量子化代表値R1に復元する。また、解除用データビットあるいはマーキングデータが埋め込まれていると識別された係数位置の量子化代表値を、全て「0」に戻すことで、解除用データあるいはマーキングデータ挿入前のEOBを復元する。後は、復元された量子化代表値を逆DCT変換し、画像データを復元する。復元された画像データは、ディスプレイなどの表示部22に表示される。
つまり、複合側で解除用データの特定ができれば、ノイズを解除したオリジナル画像の再生が可能である。
画像圧縮符号化装置101と画像復号化装置102とは、ノイズデータの挿入と解除をそれぞれ行うシステムを構成するが、これらの装置は、同一ユーザが保有するのではなく、例えば、画像圧縮符号化装置101は画像コンテンツの提供者、画像復号化装置102は画像のエンドユーザが保有する。
上記の復号化部21の機能は、パソコンその他のコンピュータで実行されるプログラムによっても実現でき、画像コンテンツの提供者が、正式なエンドユーザのみに、上記の復号化部21を実現するプログラムを配布して、ノイズの除去された画像を閲覧できるようにするとよい。
ノイズデータ埋込装置付き画像圧縮符号化装置のブロック図 全てのブロックの特定のDCT係数位置k(k=7)を、ノイズデータ挿入位置としていることを示す図 4×4のブロックB(1)〜B(16)で構成される画像につき、擬似的に発生した乱数に基づき、当該候補内におけるノイズデータ挿入位置とすべき係数位置nがランダムに決定されていることを示す図 係数位置候補内でノイズデータ挿入位置とすべき係数位置nがランダムに決定決定されていることを示す図 EOBを超えない低周波数側の範囲に属する係数位置の全部または一部を挿入係数位置に決定されてことを示す図 ノイズの挿入されたブロックに解除用データのビットも挿入する形態を示す図 ノイズの挿入されているブロックおよび当該ブロックを囲む近傍領域以外に解除用データのビットを挿入する形態を示す図 ノイズの挿入されたブロックで文字、ロゴ、メッセージなどの可読符号を表現する形態を示す図 各ブロックの係数位置m=1に、固定の値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す図 各ブロックの係数位置m=10に、固定の値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す図 各ブロックの係数位置m=39に、固定の値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す図 各ブロックの係数位置m=1に、ランダムな値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す図 各ブロックの係数位置m=10に、ランダムな値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す図 各ブロックの係数位置m=39に、ランダムな値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す図 各ブロックの係数位置候補N=0、1、2、4の内でのランダムな位置に固定値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す図 各ブロックの係数位置候補N=0、1、2、4の内でのランダムな位置にランダムな値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す図 各ブロックの係数位置範囲N=0〜10のにランダムな値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す図 各ブロックの係数位置範囲N=53〜63にランダムな値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す図 特定文字「FFSF」のパターンに相当する特定位置のブロックの係数位置範囲N=0〜30にランダムな値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す図 特定文字「FFSF」のパターンに相当する特定位置のブロックの係数位置範囲N=30〜60にランダムな値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す図 各ブロックの係数位置範囲N=0〜EOBにランダムな値のノイズを挿入した場合における復号化画像の一例を示す図 図2〜図5の方式で各画像にノイズを挿入したことによるファイルサイズの増加割合を示す図 ノイズ除去装置付き画像復号化装置のブロック図 ノイズ加算の一例を示す図
符号の説明
12:DCT処理部、13:量子化部、14:符号化部、15:データ挿入部

Claims (15)

  1. 所望の画像へ挿入すべき透かしデータを決定するステップと、
    前記画像の圧縮符号化単位となるべきブロックを前記画像に設定するステップと、
    前記透かしデータを挿入すべきブロックである透かしデータ挿入ブロックを設定するステップと、
    前記ブロック毎に離散コサイン変換(DCT)係数を算出するステップと、
    前記ブロック毎に算出された離散コサイン変換係数の内、EOB(End of Block)以外のDCT係数位置の中から、前記透かしデータを埋め込むべき1以上のDCT係数位置である透かしデータ挿入位置を、前記透かしデータ挿入ブロックの各々について決定するステップと、
    前記透かしデータ挿入ブロックの各々における前記透かしデータ挿入位置および前記透かしデータの値を示すデータである解除用データを作成するステップと、
    前記解除用データを挿入すべきブロックである解除用データ挿入ブロックを設定するステップと、
    前記解除用データ挿入ブロックのDCT係数の内、ジグザグスキャン順に沿った前記EOB以降の高周波数側のDCT係数位置の中から、前記解除用データを埋め込むべき1以上のDCT係数位置である解除用データ挿入位置を、前記解除用データ挿入ブロックの各々について決定するステップと、
    前記透かしデータ挿入ブロックの各々について決定された前記透かしデータ挿入位置のDCT係数の各々を対応する量子化幅で除算した値である除算結果値を丸めた値である量子化代表値に、前記透かしデータを加算することで、前記画像に前記透かしデータを挿入するステップと、
    前記解除用データ挿入ブロックの各々について決定された前記解除用データ挿入位置のDCT係数の各々を対応する量子化幅で除算した値である除算結果値を丸めた値である零の量子化代表値を、前記解除用データを構成するビットに応じた正または負の符号を有する零以外の値に変更することで、前記画像に前記解除用データを挿入するステップと、
    を含む可逆的透かしデータ挿入方法。
  2. 前記透かしデータは前記透かしデータ挿入位置ごとに無作為に決定される請求項1に記載の可逆的透かしデータ挿入方法。
  3. 前記透かしデータは前記透かしデータ挿入位置の全てについて同一の値に決定される請求項1に記載の可逆的透かしデータ挿入方法。
  4. 前記画像に設定された全てのブロックの特定のDCT係数位置の範囲を前記透かしデータ挿入位置に決定するステップをさらに含む請求項1〜3のいずれかに記載の可逆的透かしデータ挿入方法。
  5. 前記画像に設定された全てのブロックの特定のDCT係数位置の範囲から無作為に選出された1以上のDCT係数位置を前記透かしデータ挿入位置に決定するステップをさらに含む請求項4に記載の可逆的透かしデータ挿入方法。
  6. 前記画像に設定された全てのブロックの特定のDCT係数位置の範囲における特定の1以上のDCT係数位置を透かしデータ挿入位置に決定するステップをさらに含む請求項4に記載の可逆的透かしデータ挿入方法。
  7. 前記特定のDCT係数位置の範囲は前記EOBよりも低周波数側に存在する請求項4〜6のいずれかに記載の可逆的透かしデータ挿入方法。
  8. 前記解除用データ挿入ブロックを設定するステップは、前記EOBがジグザグスキャン順に沿った最高周波数位置以外の位置に存在するブロックである第1のEOB存在ブロックを前記解除用データ挿入ブロックに設定するステップを含み、
    前記画像に前記解除用データを挿入するステップは、前記第1のEOB存在ブロックの各々について、前記EOBを、前記解除用データを構成するビットに応じて+1または−1に変更するステップを含む請求項1〜7のいずれかに記載の可逆的透かしデータ挿入方法。
  9. 前記解除用データ挿入ブロックを設定するステップは、
    前記画像に設定された全てのブロックにおけるDCT係数のうち絶対値が最大となるDCT係数を特定するステップと、
    特定されたDCT係数の値をZとしたとき、前記EOBがジグザグスキャン順に沿った最高周波数位置に存在するブロックである第2のEOB存在ブロックを前記解除用データ挿入ブロックに設定するステップと、
    を含み、
    前記画像に前記解除用データを挿入するステップは、前記第2のEOB存在ブロックの各々について、前記EOBを、前記解除用データを構成するビットに応じて|Z|+1または−(|Z|+1)に変更することで、前記画像に前記解除用データを挿入するステップを含む請求項8に記載の可逆的透かしデータ挿入方法。
  10. 前記透かしデータ挿入ブロックを包含する近傍領域ブロックを設定するステップと、
    前記近傍領域ブロックにおけるDCT係数を前記近傍領域ブロックの識別データを構成するビットに変更することで、前記近傍領域ブロックに前記近傍領域ブロックの識別データを挿入するステップと、
    をさらに含む請求項10に記載の可逆的透かしデータ挿入方法。
  11. 前記近傍領域ブロックに前記近傍領域ブロックの識別データを挿入するステップは、
    前記近傍領域ブロックの内、最高周波数位置以外の位置にEOBが存在するブロックについては、前記EOBを、前記識別データを構成するビットに応じて+1または−1に変更するステップと、
    前記近傍領域ブロックの内、最高周波数位置にEOBが存在するブロックについては、前記画像に設定された全てのブロックにおけるDCT係数のうち絶対値が最大となるDCT係数を特定し、前記絶対値が最大となるDCT係数をZとしたとき、前記EOBを、前記識別データのビットに応じて|Z|+1または−(|Z|+1)に変更するステップと、
    前記近傍領域ブロックの内、EOBが存在しないブロックについては、前記識別データを挿入するための予備ブロックを前記近傍領域ブロック以外のブロックに設定し、前記予備ブロックのEOBを、前記識別データを構成するビットに応じて+1もしくは−1に変更するかまたは|Z|+1もしくは−(|Z|+1)に変更するステップと、
    をさらに含む請求項10に記載の可逆的透かしデータ挿入方法。
  12. 前記解除用データ挿入ブロックを設定するステップは、前記近傍領域ブロック以外のブロックを前記解除用データ挿入ブロックに設定する請求項10または11に記載の可逆的透かしデータ挿入方法。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の可逆的透かしデータ挿入方法をコンピュータに実行させるプログラム。
  14. 所望の画像へ挿入すべき透かしデータを決定する透かしデータ決定部と、
    前記画像の圧縮符号化単位となるべきブロックを前記画像に設定するブロック設定部と、
    前記透かしデータを挿入すべきブロックである透かしデータ挿入ブロックを設定する透かしデータ挿入ブロック設定部と、
    前記ブロック毎に離散コサイン変換(DCT)係数を算出するDCT係数算出部と、
    前記ブロック毎に算出された離散コサイン変換係数の内、EOB(End of Block)以外のDCT係数位置の中から、前記透かしデータを埋め込むべき1以上のDCT係数位置である透かしデータ挿入位置を、前記透かしデータ挿入ブロックの各々について決定する透かしデータ挿入位置決定部と、
    前記透かしデータ挿入ブロックの各々における前記透かしデータ挿入位置および前記透かしデータの値を示すデータである解除用データを作成する解除用データ作成部と、
    前記解除用データを挿入すべきブロックである解除用データ挿入ブロックを設定する解除用データ挿入ブロック設定部と、
    前記解除用データ挿入ブロックのDCT係数の内、ジグザグスキャン順に沿った前記EOB以降の高周波数側のDCT係数位置の中から、前記解除用データを埋め込むべき1以上のDCT係数位置である解除用データ挿入位置を、解除用データ挿入ブロックの各々について決定する解除用データ挿入位置決定部と、
    前記透かしデータ挿入ブロックの各々について決定された前記透かしデータ挿入位置のDCT係数の各々を対応する量子化幅で除算した値である除算結果値を丸めた値である量子化代表値に、前記透かしデータを加算することで、前記画像に前記透かしデータを挿入する透かしデータ挿入部と、
    前記解除用データ挿入ブロックの各々について決定された前記解除用データ挿入位置のDCT係数の各々を対応する量子化幅で除算した値である除算結果値を丸めた値である零の量子化代表値を、前記解除用データを構成するビットに応じた正または負の符号を有する零以外の値に変更することで、前記画像に前記解除用データを挿入する解除用データ挿入部と、
    を含む可逆的透かしデータ挿入装置。
  15. 請求項14に記載の可逆的透かしデータ挿入装置と、
    前記可逆的透かしデータ挿入装置から出力された、前記透かしデータおよび前記解除用データの挿入された画像を入力する入力部と、
    前記解除用データに基づき、前記透かしデータの埋め込まれたブロックおよびDCT係数位置ならびに前記DCT係数位置における透かしデータの値を特定する前記透かしデータ特定部と、
    前記データ挿入位置特定部の特定した各ブロックの各挿入位置における透かしデータの値に基づき、前記透かしデータ挿入位置における前記透かしデータ挿入前のDCT係数を復元するとともに、前記解除用データ挿入位置における前記解除用データ挿入前のDCT係数を復元するDCT係数復元部と、
    を備える画像処理システム。
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