JP2008283457A - データ転送回路、固体撮像素子、およびカメラシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】データ出力部への転送線上の配線遅延による影響を低減でき、データ出力部におけるデータの取り込みを的確かつ高精度に行うことが可能で、ひいては走査の高速化を図ることが可能なデータ転送回路、固体撮像素子、およびカメラシステムを提供する。
【解決手段】列走査回路13は、供給される駆動クロックに同期して選択信号を対応する保持回路に出力する複数の選択信号生成部131−0〜131−nと、マスタクロックを伝搬し、駆動クロックとして複数の選択信号生成部に供給するクロック供給線LMCK1,LCMCK等と、を含み、データ出力回路17−0〜17−nは、第1の取り込みクロックSACK1に同期して検出データを取り込み出力する第1のデータ同期回路172−0〜172−nと、第2の取り込みクロックSACK2に同期して第1のデータ同期回路の出力データを取り込む第2のデータ同期回路173−0〜173−nと、を含む。
【選択図】図6
【解決手段】列走査回路13は、供給される駆動クロックに同期して選択信号を対応する保持回路に出力する複数の選択信号生成部131−0〜131−nと、マスタクロックを伝搬し、駆動クロックとして複数の選択信号生成部に供給するクロック供給線LMCK1,LCMCK等と、を含み、データ出力回路17−0〜17−nは、第1の取り込みクロックSACK1に同期して検出データを取り込み出力する第1のデータ同期回路172−0〜172−nと、第2の取り込みクロックSACK2に同期して第1のデータ同期回路の出力データを取り込む第2のデータ同期回路173−0〜173−nと、を含む。
【選択図】図6
Description
本発明は、データ転送回路、CMOSイメージセンサに代表される固体撮像素子、およびカメラシステムに関するものである。
近年、CCDに代わる固体撮像素子(イメージセンサ)として、CMOSイメージセンサが注目を集めている。
これは、CCD画素の製造に専用プロセスを必要とし、また、その動作には複数の電源電圧が必要であり、さらに複数の周辺ICを組み合わせて動作させる必要があるため、システムが非常に複雑化するといった処々の問題を、CMOSイメージセンサが克服しているからである。
これは、CCD画素の製造に専用プロセスを必要とし、また、その動作には複数の電源電圧が必要であり、さらに複数の周辺ICを組み合わせて動作させる必要があるため、システムが非常に複雑化するといった処々の問題を、CMOSイメージセンサが克服しているからである。
CMOSイメージセンサは、その製造には一般的なCMOS型集積回路と同様の製造プロセスを用いることが可能であり、また単一電源での駆動が可能、さらにCMOSプロセスを用いたアナログ回路や論理回路を同一チップ内に混在させることができるため、周辺ICの数を減らす事ができるといった、大きなメリットを複数持ち合わせている。
CCDの出力回路は、浮遊拡散層(FD:Floating Diffusion)を有するFDアンプを用いた1チャネル(ch)出力が主流である。
これに対して、CMOSイメージセンサは各画素毎にFDアンプを持ち合わせており、その出力は、画素アレイの中のある一行を選択し、それらを同時に列方向へと読み出すような列並列出力型が主流である。
これは、画素内に配置されたFDアンプでは十分な駆動能力を得ることは難しく、したがってデータレートを下げることが必要で、並列処理が有利とされているからである。
これに対して、CMOSイメージセンサは各画素毎にFDアンプを持ち合わせており、その出力は、画素アレイの中のある一行を選択し、それらを同時に列方向へと読み出すような列並列出力型が主流である。
これは、画素内に配置されたFDアンプでは十分な駆動能力を得ることは難しく、したがってデータレートを下げることが必要で、並列処理が有利とされているからである。
この列並列出力型CMOSイメージセンサの信号出力回路については実に様々なものが提案されているが、その最も進んだ形態のひとつが列毎にアナログ−デジタル変換装置(以下、ADC(Analog digital converter)と略す)を備え、デジタル信号として画素信号を取り出すタイプである。
このような列並列型のADCを搭載したCMOSイメージセンサは、たとえば非特許文献1や特許文献1に開示されている。
図1は、列並列ADC搭載固体撮像素子(CMOSイメージセンサ)の構成例を示すブロック図である。
この固体撮像素子1は、撮像部としての画素アレイ部2、行走査回路3、列走査回路4、タイミング制御回路5、ADC群6、デジタル−アナログ変換装置(以下、DAC (Digital - Analog converter)と略す)7、カウンタ8、およびセンスアンプ回路(S/A)を含むデータ出力回路9を有する。
画素アレイ部2は、フォトダイオードと画素内アンプとを含む単位画素2−1がマトリックス状(行列状)に配置されて構成される。
また、固体撮像素子1においては、画素アレイ部2の信号を順次読み出すための制御回路として、内部クロックを生成するタイミング制御回路5、行アドレスや行走査を制御する行走査回路3、そして列アドレスや列走査を制御する列走査回路4が配置される。
また、固体撮像素子1においては、画素アレイ部2の信号を順次読み出すための制御回路として、内部クロックを生成するタイミング制御回路5、行アドレスや行走査を制御する行走査回路3、そして列アドレスや列走査を制御する列走査回路4が配置される。
ADC群6は、DAC7により生成される参照電圧を階段状に変化させたランプ波形RAMPと、行線H0、H1…毎に単位画素2−1から列線V0、V1…を経由し得られるアナログ信号とを比較する比較器6−1と、比較時間をカウントするカウンタ8のカウント結果を保持するメモリ装置6−2とからなるADCが複数配列されている。
ADC群6は、nビットデジタル信号変換機能を有し、各列線V0、V1…毎に配置され、列並列ADCブロック6−3が構成される。
各メモリ装置62の出力は、2nビット幅の水平転送線6−4に接続されている。
そして、それぞれの水平転送線6−4に対応した2n個のセンス回路、データ出力回路9および出力回路が配置される。
ADC群6は、nビットデジタル信号変換機能を有し、各列線V0、V1…毎に配置され、列並列ADCブロック6−3が構成される。
各メモリ装置62の出力は、2nビット幅の水平転送線6−4に接続されている。
そして、それぞれの水平転送線6−4に対応した2n個のセンス回路、データ出力回路9および出力回路が配置される。
ここで、固体撮像素子(CMOSイメージセンサ)1の動作を、図2のタイミングチャートと図1のブロック図とに関連付けて説明する。
任意の行Hxの単位画素2−1から列線V0、V1…への1回目の読み出しが安定した後、DAC7により比較器6−1に対して、参照電圧を時間変化させた階段状のランプ波形RAMPを入力し、任意の列線Vxの電圧との比較を比較器6−1にて行う。
ランプ波形RAMPの階段波入力と並行して、カウンタ8で1回目のカウントがなされる。
ここで、RAMPとVxの電圧が等しくなったとき比較器6−1の出力は反転し、同時にメモリ装置6−2に比較期間に応じたカウントが保持される。この1回目の読み出し時は、単位画素2−1のリセット成分ΔVを読み出しており、リセット成分ΔV内には、単位画素2−1毎にばらつく雑音がオフセットとして含まれている。
しかし、このリセット成分ΔVのばらつきは一般に小さく、またリセットレベルは全画素共通なため、任意の列線Vxの出力はおおよそ既知である。
したがって、1回目のリセット成分ΔV読み出し時には、ランプ波形(RAMP)電圧を調整することにより比較期間を短くすることが可能である。この例では7ビット分のカウント期間(128クロック)でΔVの比較を行っている。
ランプ波形RAMPの階段波入力と並行して、カウンタ8で1回目のカウントがなされる。
ここで、RAMPとVxの電圧が等しくなったとき比較器6−1の出力は反転し、同時にメモリ装置6−2に比較期間に応じたカウントが保持される。この1回目の読み出し時は、単位画素2−1のリセット成分ΔVを読み出しており、リセット成分ΔV内には、単位画素2−1毎にばらつく雑音がオフセットとして含まれている。
しかし、このリセット成分ΔVのばらつきは一般に小さく、またリセットレベルは全画素共通なため、任意の列線Vxの出力はおおよそ既知である。
したがって、1回目のリセット成分ΔV読み出し時には、ランプ波形(RAMP)電圧を調整することにより比較期間を短くすることが可能である。この例では7ビット分のカウント期間(128クロック)でΔVの比較を行っている。
2回目の読み出しは、リセット成分ΔVに加え単位画素2−1毎の入射光量に応じた信号成分を読み出し、1回目の読み出しと同様の動作を行う。
すなわち、任意の行Hxの単位画素2−1から列線V0、V1…への2回目の読み出しが安定した後、DAC7により比較器6−1に対して、参照電圧を時間変化させた階段状のランプ波形RAMPを入力し、任意の列線Vxの電圧との比較を比較器6−1にて行う。
ランプ波形RAMPの階段波入力と並行して、カウンタ8で2回目のカウントがなされる。
ここで、RAMPとVxの電圧が等しくなったとき比較器6−1の出力は反転し、同時にメモリ装置6−2内に比較期間に応じたカウントが保持される。
この時、1回目のカウントと2回目のカウントとでは、メモリ装置6−2内の異なった場所に保持される。
以上のAD変換期間終了後、列走査回路4により、メモリ装置6−2に保持された1回目と2回目のそれぞれnビットのデジタル信号が2n本の水平転送線6−4を経て、データ出力回路9で検出され、順次減算回路で、(2回目の信号)−(1回目の信号)がなされた後、外部に出力され、その後、順次行毎に同様の動作が繰り返され、2次元画像が生成される。
W. Yang等 (W. Yang et. Al., "An Integrated 800x600 CMOS Image System," ISSCC Digest of Technical Papers, pp. 304-305、 Feb., 1999) 特開2005−323331号公報
すなわち、任意の行Hxの単位画素2−1から列線V0、V1…への2回目の読み出しが安定した後、DAC7により比較器6−1に対して、参照電圧を時間変化させた階段状のランプ波形RAMPを入力し、任意の列線Vxの電圧との比較を比較器6−1にて行う。
ランプ波形RAMPの階段波入力と並行して、カウンタ8で2回目のカウントがなされる。
ここで、RAMPとVxの電圧が等しくなったとき比較器6−1の出力は反転し、同時にメモリ装置6−2内に比較期間に応じたカウントが保持される。
この時、1回目のカウントと2回目のカウントとでは、メモリ装置6−2内の異なった場所に保持される。
以上のAD変換期間終了後、列走査回路4により、メモリ装置6−2に保持された1回目と2回目のそれぞれnビットのデジタル信号が2n本の水平転送線6−4を経て、データ出力回路9で検出され、順次減算回路で、(2回目の信号)−(1回目の信号)がなされた後、外部に出力され、その後、順次行毎に同様の動作が繰り返され、2次元画像が生成される。
W. Yang等 (W. Yang et. Al., "An Integrated 800x600 CMOS Image System," ISSCC Digest of Technical Papers, pp. 304-305、 Feb., 1999)
上述したような固体撮像素子(CMOSイメージセンサ)では、列並列読み出し方式を採用しているため、行方向の走査(垂直走査)は非常に低速だが、列方向の走査(水平走査)は、1H(水平走査)時間内に1行分のデータをすべて読みきらなければならないため、非常に高速となる。
ところが、上述したような固体撮像素子(CMOSイメージセンサ)では、水平転送線は、非常に長く、たとえば7mm程度の長さが有り、寄生容量や、寄生抵抗等により、センス回路に近い側と遠い側で検知時間にバラツキが発生する。
一般的に、広範囲に配置されている各カラムのカウンタラッチの各データを、データ転送線を用いてシリアル読み出しする際、センスアンプ回路を含むデータ出力回路9のデータラッチタイミングに対し、全ての箇所からのデータ読み出しを同時に行う。
この場合、データ出力回路は近い箇所からのデータと遠い箇所からのデータを常に同じタイミングでラッチする必要がある。
しかし、ポイントが非常に広範囲にわたる場合、配線遅延が大きすぎると同じタイミングでのラッチが困難となる。転送速度(クロック周波数)が大きくなる程、この配線遅延の影響は大きい。
この場合、データ出力回路は近い箇所からのデータと遠い箇所からのデータを常に同じタイミングでラッチする必要がある。
しかし、ポイントが非常に広範囲にわたる場合、配線遅延が大きすぎると同じタイミングでのラッチが困難となる。転送速度(クロック周波数)が大きくなる程、この配線遅延の影響は大きい。
近年、イメージセンサは多画素、高速化だけでなく、1眼レフカメラ市場の拡大にともない、イメージセンサの大型化もかなり進んでおり、この配線遅延による影響は、イメージセンサの列(水平)走査高速化の妨げとなっている。
本発明は、データ出力回路への転送線上の配線遅延による影響を低減でき、データ出力回路におけるデータの取り込みを的確かつ高精度に行うことが可能で、ひいては走査の高速化を図ることが可能なデータ転送回路、固体撮像素子、およびカメラシステムを提供することにある。
本発明の第1の観点のデータ転送回路は、データを転送する複数の転送線と、上記転送線を転送されたデータを検出し、取り込みクロックに同期して検出データを取り込む複数のデータ出力部と、入力レベルに対応したデータを保持し、選択信号に応答して上記データを対応する上記転送線に転送する、並列に配置された複数の保持部と、少なくともマスタクロックを供給するクロック供給部と、駆動クロックに同期して上記選択信号を生成し、上記保持部に出力する走査部と、を有し、上記転送線は、上記保持部の並列配置方向に配線され、当該方向に配置された対応する上記データ出力部に接続され、上記走査部は、上記保持部の並列配置に対応して配置され、供給される駆動クロックに同期して上記選択信号を対応する保持部に出力する複数の選択信号生成部と、マスタクロックを伝搬し、駆動クロックとして上記複数の選択信号生成部に供給するクロック供給線と、を含み、上記データ出力部は、上記取り込みクロックに同期して上記検出データを取り込み出力する第1の取り込み部と、上記取り込みクロックに同期して上記第1の取り込み部の出力データを取り込む第2の取り込み部と、を含む。
本発明の第2の観点の固体撮像素子は、光電変換を行う複数の画素が行列状に配列された撮像部と、データを転送する複数の転送線と、上記転送線を転送されたデータを検出し、取り込みクロックに同期して検出データを取り込む複数のデータ出力部と、入力レベルに対応したデータを保持し、選択信号に応答して上記データを対応する上記転送線に転送する、並列に配置された複数の保持部と、少なくともマスタクロックを供給するクロック供給部と、駆動クロックに同期して上記選択信号を生成し、上記保持部に出力する走査部と、を有し、上記転送線は、上記保持部の並列配置方向に配線され、当該方向に配置された対応する上記データ出力部に接続され、上記走査部は、上記保持部の並列配置に対応して配置され、供給される駆動クロックに同期して上記選択信号を対応する保持部に出力する複数の選択信号生成部と、マスタクロックを伝搬し、駆動クロックとして上記複数の選択信号生成部に供給するクロック供給線と、を含み、上記データ出力部は、上記取り込みクロックに同期して上記検出データを取り込み出力する第1の取り込み部と、上記取り込みクロックに同期して上記第1の取り込み部の出力データを取り込む第2の取り込み部と、を含む。
本発明の第3の観点のカメラシステムは、固体撮像素子と、上記撮像素子に被写体像を結像する光学系と、上記撮像素子の出力画像信号を処理する信号処理回路と、を有し、上記固体撮像素子は、データを転送する複数の転送線と、上記転送線を転送されたデータを検出し、取り込みクロックに同期して検出データを取り込む複数のデータ出力部と、入力レベルに対応したデータを保持し、選択信号に応答して上記データを対応する上記転送線に転送する、並列に配置された複数の保持部と、少なくともマスタクロックを供給するクロック供給部と、駆動クロックに同期して上記選択信号を生成し、上記保持部に出力する走査部と、を有し、上記転送線は、上記保持部の並列配置方向に配線され、当該方向に配置された対応する上記データ出力部に接続され、上記走査部は、上記保持部の並列配置に対応して配置され、供給される駆動クロックに同期して上記選択信号を対応する保持部に出力する複数の選択信号生成部と、マスタクロックを伝搬し、駆動クロックとして上記複数の選択信号生成部に供給するクロック供給線と、を含み、上記データ出力部は、上記取り込みクロックに同期して上記検出データを取り込み出力する第1の取り込み部と、上記取り込みクロックに同期して上記第1の取り込み部の出力データを取り込む第2の取り込み部と、を含む。
好適には、上記第1の取り込み部は、第1の取り込みクロックに同期して上記検出データを取り込み、上記第2の取り込み部は、第2の取り込みクロックに同期して上記第1の取り込み部の出力データを取り込む。
好適には、上記走査部は、上記駆動クロックを伝搬する駆動クロック供給線が上記転送線と同方向に配線され、上記駆動クロック供給線を伝搬したクロックが上記第1の取り込みクロックとして上記複数のデータ出力部に供給される。
好適には、上記走査部は、上記マスタクロックが供給されるクロック供給線が上記第1の取り込みクロックが伝搬する駆動クロック供給線により遅延の小さいクロック供給線が分岐され、上記分岐クロック供給線を伝搬したマスタクロックが上記第2の取り込みクロックとして上記複数のデータ出力部に供給される。
本発明によれば、走査部において、クロック供給線をマスタクロックが伝搬され、駆動クロックとして各選択信号生成部に分配される。
各選択信号生成部においては、供給される駆動クロックに同期して選択信号が生成され、対応する保持部に出力される。
これにより、保持部から対応する転送線にデータが出力され、データ出力部に転送される。
データ出力部においては、第1の取り込み部で取り込みクロックに同期して検出データが取り込まれる。そして、第2の取り込み部で、第1の取り込み部の出力データが取り込みクロックに同期して再度取り込まれる。
各選択信号生成部においては、供給される駆動クロックに同期して選択信号が生成され、対応する保持部に出力される。
これにより、保持部から対応する転送線にデータが出力され、データ出力部に転送される。
データ出力部においては、第1の取り込み部で取り込みクロックに同期して検出データが取り込まれる。そして、第2の取り込み部で、第1の取り込み部の出力データが取り込みクロックに同期して再度取り込まれる。
本発明によれば、データ出力部への転送線上の配線遅延による影響を低減できる。
よって、データ出力部におけるデータの取り込みを的確かつ高精度に行うことができる。
よって、データ出力部におけるデータの取り込みを的確かつ高精度に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に関連付けて説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係るデータ転送回路を含む列並列ADC搭載固体撮像素子(CMOSイメージセンサ)の構成例を示すブロック図である。図4は、図3のADC、固体撮像素子のデータ転送系のより具体的な構成例を示す図である。
この固体撮像素子10は、撮像部としての画素アレイ部11、行走査回路12、列走査回路13、タイミング制御回路14、ADC群15、DAC16、および複数のセンスアンプ(S/A)回路171を含むデータ出力回路(データ検出回路)17を有する。
画素アレイ部11は、フォトダイオードと画素内アンプとを含む単位画素111がM行N列のマトリックス状(行列状)に配置されて構成される。
また、固体撮像素子10においては、画素アレイ部11の信号を順次読み出すための制御回路として、内部クロックを生成するタイミング制御回路14、行アドレスや行走査を制御する行走査回路12、そして列アドレスや列走査を制御する列走査回路13が配置される。
また、固体撮像素子10においては、画素アレイ部11の信号を順次読み出すための制御回路として、内部クロックを生成するタイミング制御回路14、行アドレスや行走査を制御する行走査回路12、そして列アドレスや列走査を制御する列走査回路13が配置される。
ADC群15は、DAC16により生成される参照電圧を階段状に変化させたランプ波形RAMPと、行線H0、H1…毎に単位画素111から列線V0、V1…を経由し得られるアナログ信号とを比較する画素配列の各列に対応して設けられた(n+1)個の比較器(REF)151と、比較器151の出力を受けてアップダウンカウントを行う非同期アップ/ダウンカウンタ(以下、カウンタラッチという)152とからなるADC15Aが画素配列の各列に対応して各列線V0、V1…毎に配置され、列並列ADCブロック153が構成される。
各カウンタラッチ152の出力は、データ転送線154に接続されている。このデータ転送線154には、データ出力回路17のセンスアンプ回路の入力が接続されている。
各カウンタラッチ152の出力は、データ転送線154に接続されている。このデータ転送線154には、データ出力回路17のセンスアンプ回路の入力が接続されている。
保持回路としての機能を有するカウンタラッチ152は、初期時にはダウンカウント状態に有り、リセットカウントを行い、対応する比較器151の出力COMPOUTiが反転すると、ダウンカウント動作を停止し、カウント値を保持する。
このとき、カウンタラッチ152の初期値は、AD変換の階調の任意の値、たとえば、0とする。このリセットカウント期間は、単位画素111のリセット成分ΔVを読み出している。
カウンタラッチ152は、その後、アップカウント状態にし、入射光量に対応したデータカウントを行い、対応する比較器151の出力COMPOUTiが反転すると、比較期間に応じたカウント値を保持する。
カウンタラッチ152に保持されたカウンタ値は、列走査回路13により走査され、デジタル信号として、データ転送線154を経てセンスアンプ回路171に入力される。
このとき、カウンタラッチ152の初期値は、AD変換の階調の任意の値、たとえば、0とする。このリセットカウント期間は、単位画素111のリセット成分ΔVを読み出している。
カウンタラッチ152は、その後、アップカウント状態にし、入射光量に対応したデータカウントを行い、対応する比較器151の出力COMPOUTiが反転すると、比較期間に応じたカウント値を保持する。
カウンタラッチ152に保持されたカウンタ値は、列走査回路13により走査され、デジタル信号として、データ転送線154を経てセンスアンプ回路171に入力される。
列走査回路13は、たとえばスタートパルスSTRTおよびマスタクロックMCKが供給されることで活性化され、マスタクロックMCKに応じた(MCKを基準とする)駆動クロックCLKに同期して対応する選択線SELを駆動して、カウンタラッチ152のラッチデータのデータ転送線154に読み出させる。
ここで、図3のADC、固体撮像素子のデータ転送系のより具体的な構成例について図4等に関連付けて説明する。
カウンタラッチ152−0〜152−nは、たとえば図4に示すように、カウンタCNT/ラッチLTC/ドライブDRVトランジスタ(Tr)が、1ビット分(10bit、12bit等)並んで構成される。そして、ADC15Aとして(n+1)列並んで配置される。
データ転送時は、列走査回路13によって、選択線SEL0〜SELnを通して特定の列が順次選択される。
列走査回路13は、スタートパルスにより、スタート位置が選ばれ、シフトレジスタ等で構成されることにより、順次選択される。
選択された列のドライブトランジスタTrの情報(1or0)の情報は、データ転送線154に読み出され、データ出力回路17のセンスアンプ回路171によって検出され、出力データ処理回路20に出力される。
データ転送時は、列走査回路13によって、選択線SEL0〜SELnを通して特定の列が順次選択される。
列走査回路13は、スタートパルスにより、スタート位置が選ばれ、シフトレジスタ等で構成されることにより、順次選択される。
選択された列のドライブトランジスタTrの情報(1or0)の情報は、データ転送線154に読み出され、データ出力回路17のセンスアンプ回路171によって検出され、出力データ処理回路20に出力される。
図5は、本実施形態に係るカウンタラッチ内のドライブトランジスタの具体例を示す回路図である。
ドライブトランジスタDRVTrは、図5に示すように、所定電位(たとえば接地電位)とデータ転送線154との間に直列に接続された、たとえばnチャネルMOS(NMOS)からなるセレクトトランジスタNT1と、NMOSからなるデータトランジスタNT2により構成されている。そして、セレクトトランジスタNT1のゲートが列走査回路13により駆動される選択線SEL0〜SELnに接続され、データトランジスタNT2のゲートがラッチLTCの出力に接続されている。
ドライブトランジスタDRVTrは、図5に示すように、所定電位(たとえば接地電位)とデータ転送線154との間に直列に接続された、たとえばnチャネルMOS(NMOS)からなるセレクトトランジスタNT1と、NMOSからなるデータトランジスタNT2により構成されている。そして、セレクトトランジスタNT1のゲートが列走査回路13により駆動される選択線SEL0〜SELnに接続され、データトランジスタNT2のゲートがラッチLTCの出力に接続されている。
列走査回路13の出力により駆動される選択線SEL0〜SELnにより、データ転送線(S/Aバス)154に接続され、ラッチデータにより決まるトランジスタNT2の状態をデータ検出回路であるセンスアンプ回路171で読み出す。
ラッチデータが1のときは、電流パスができ、電流が流れる。また、ラッチデータが0のときは電流パスが遮断され電流が流れない。
ラッチデータが1のときは、電流パスができ、電流が流れる。また、ラッチデータが0のときは電流パスが遮断され電流が流れない。
本実施形態に係るデータ転送系においては、カウンタラッチ152のラッチデータのデータ転送線154への読み出し、データ転送線154を転送されたデータの検出取り込みは、出力データ処理回路20のデータ入力段に配置されるクロック供給回路21によるマスタクロックMCKに基づく取り込むクロックSACKに同期して2段階で行われる。
そして、本実施形態においては、センスアンプ回路171から見て、駆動クロックCLKの遅延とデータ転送線(データバス)154上のデータの遅延をキャンセルすることが可能に構成されている。
以下、この駆動クロックCLKの遅延とデータの遅延をキャンセル可能なデータ転送系の構成について説明する。
そして、本実施形態においては、センスアンプ回路171から見て、駆動クロックCLKの遅延とデータ転送線(データバス)154上のデータの遅延をキャンセルすることが可能に構成されている。
以下、この駆動クロックCLKの遅延とデータの遅延をキャンセル可能なデータ転送系の構成について説明する。
<データ転送系の構成例>
図6は、本実施形態に係るデータ転送系の構成例を示す図である。
図6は、本実施形態に係るデータ転送系の構成例を示す図である。
本実施形態のデータ転送系30における列走査回路13は、基本的にシフトレジスタ131を構成し、マスタクロックMCKに基づく駆動クロックCLKに同期してスタートパルスSTRTを順次シフトして、選択線SEL0〜SELnを駆動する選択信号HSEL0〜HSELnを生成して出力する、たとえばフリップフロップからなる選択信号生成部としてのラッチ131−0〜131−nを有している。
図6の列走査回路13においては、駆動クロックCLKが並列に配置されたラッチ131−0〜131−nに均等に伝達されるように、マスタクロックMCKのマスタクロック供給線(配線)LMCK1が、並列に配置されたラッチ131−0〜131−nの配列方向の略中央部に配線されている。
さらに、マスタクロック供給線LMCKに1バッファ132を介して駆動クロックCLKの駆動クロック供給線(配線)LCLK1が接続され、この駆動クロック供給線LCLK1がラッチ131−0〜131−nの配列方向に配線されている。
そして、駆動クロック供給線LCLK1の各ラッチ131−1〜131-nのクロック入力端の近傍から、列線の配線方向(駆動クロック供給線の配線方向に直交する方向)に、駆動クロック分配線LCLK2−0〜LCLK2−nが配線されている。
また、マスタクロック供給線LMCK1に並行して、スタートパルスSTRTの供給線LSTRTが列走査回路13のデータ出力回路17-0〜17-nのデータ入力端(センスアンプ回路171の入力端)の最近端から最遠端まで配線され、さらに列線の配線方向(駆動クロック供給線の配線方向に直交する方向)に配線されて、その端部がラッチ131−0のデータ入力端に接続されている。
さらに、マスタクロック供給線LMCKに1バッファ132を介して駆動クロックCLKの駆動クロック供給線(配線)LCLK1が接続され、この駆動クロック供給線LCLK1がラッチ131−0〜131−nの配列方向に配線されている。
そして、駆動クロック供給線LCLK1の各ラッチ131−1〜131-nのクロック入力端の近傍から、列線の配線方向(駆動クロック供給線の配線方向に直交する方向)に、駆動クロック分配線LCLK2−0〜LCLK2−nが配線されている。
また、マスタクロック供給線LMCK1に並行して、スタートパルスSTRTの供給線LSTRTが列走査回路13のデータ出力回路17-0〜17-nのデータ入力端(センスアンプ回路171の入力端)の最近端から最遠端まで配線され、さらに列線の配線方向(駆動クロック供給線の配線方向に直交する方向)に配線されて、その端部がラッチ131−0のデータ入力端に接続されている。
また、図6のデータ転送系30においては、駆動クロック供給線LCLK1の最終端である駆動クロック分配線LCLK2−nとの接続端部がラッチ131−0〜131−nの併設方向(行線の配線方向)であってクロック供給回路21の配置側に延設され、列線の配線方向(駆動クロック供給線の配線方向に直交する方向)に配線され、位相(遅延)調整部22−1を介して第1の取り込みクロックSACK1が生成されるように構成されている。
さらに、図6のデータ転送系30においては、マスタクロック供給線LMCK1の途中からバッファBFを介して分岐され、この分岐マスタクロック供給線LBMCKを伝搬したマスタクロックBMCKを位相(遅延)調整部22−2に入力させて、第2の取り込みクロックSACK2が生成されるように構成されている。
さらに、図6のデータ転送系30においては、マスタクロック供給線LMCK1の途中からバッファBFを介して分岐され、この分岐マスタクロック供給線LBMCKを伝搬したマスタクロックBMCKを位相(遅延)調整部22−2に入力させて、第2の取り込みクロックSACK2が生成されるように構成されている。
分岐マスタクロック供給線LBMCKは、第1の取り込みクロックSACK1を生成するための駆動クロック供給線LCLK1より短く遅延が小さい。
データ出力回路17−0〜17−nは、各データ転送線154−0〜154−nの端部が接続され、その転送されたデータを増幅し読み出す(検出する)センスアンプ回路171−0〜171−n、センスアンプ回路171−0〜171−nの出力を第1の取り込みクロックSACKに同期して取り込む第1の取り込み部としての第1のデータ同期回路(FF1)172−0〜172−n、および第2の取り込みクロックSACK2に同期して取り込み出力データ処理回路20の出力する第1のデータ同期回路(FF2)173−0〜173−nを有している。
なお、第1および第2のデータ同期回路172−0〜172−n,173−0〜173−nは、たとえばフリップフロップからなるデータラッチにより構成される。
なお、第1および第2のデータ同期回路172−0〜172−n,173−0〜173−nは、たとえばフリップフロップからなるデータラッチにより構成される。
図6のデータ転送系30においては、クロック供給回路21から供給されるマスタクロックMCKが取り込みクロック供給部を形成する位相調整部22を介して取り込みクロックSACKとして各データ出力回路17−0〜17−nに供給されるように構成されている。
したがって、図6のデータ転送系30におけるデータ出力回路17−0〜17−nのデータ同期回路172−0〜172−nは位相調整部22を介した取り込むクロックSACKに同期してセンスアンプ回路171−0〜171−nの出力をラッチする。
位相調整部22は、マスタクロックMCKの列走査回路13内における伝搬遅延、駆動クロックCKLによる選択線SEL0〜SELnの駆動に伴うカウンタラッチ152−0〜152−nからのデータ転送線154−0〜154−nへの読み出し転送処理を考慮して、的確なデータ取り込みが行えるように、マスタクロックMCKの位相を調整する(遅延調整する)。
したがって、図6のデータ転送系30におけるデータ出力回路17−0〜17−nのデータ同期回路172−0〜172−nは位相調整部22を介した取り込むクロックSACKに同期してセンスアンプ回路171−0〜171−nの出力をラッチする。
位相調整部22は、マスタクロックMCKの列走査回路13内における伝搬遅延、駆動クロックCKLによる選択線SEL0〜SELnの駆動に伴うカウンタラッチ152−0〜152−nからのデータ転送線154−0〜154−nへの読み出し転送処理を考慮して、的確なデータ取り込みが行えるように、マスタクロックMCKの位相を調整する(遅延調整する)。
図7は、図6のデータ転送系のタイミングチャートである。
図6のデータ転送系30においては、図7に示すように、まず、列(水平)走査を行うシフトレジスタ131は、クロック供給回路21により供給されるマスタクロックMCKに応じた駆動クロックCLKに同期して動作し、多少の遅れをもって選択線SEL0,SEL1,・・・,SELnによりカウンタラッチ(データ記憶部)152が順に選択されていく。
カウンタラッチ152が選択されると、データ転送線154−0〜154−n上にデータが転送され、データ出力回路17−0〜17−nのセンスアンプ回路171−0〜171−nによって、増幅され、AMPOUT[n:0]として読み出される。
この読み出し信号AMPOUT[n:0]は、最終的にはマスタクロックMCKを位相調整部22−1で位相調整された(遅延された)第1の取り込みクロックSACKにより同期化し、データ同期回路172−0〜172−nに取り込まれる。
データ同期回路172−0〜172−nの取り込まれたデータは第2の取り込みクロックSACK2によりデータ同期回路173−0〜173−nに再度取り込まれて、出力データ処理回路20へと送られる。
図6のデータ転送系30においては、図7に示すように、まず、列(水平)走査を行うシフトレジスタ131は、クロック供給回路21により供給されるマスタクロックMCKに応じた駆動クロックCLKに同期して動作し、多少の遅れをもって選択線SEL0,SEL1,・・・,SELnによりカウンタラッチ(データ記憶部)152が順に選択されていく。
カウンタラッチ152が選択されると、データ転送線154−0〜154−n上にデータが転送され、データ出力回路17−0〜17−nのセンスアンプ回路171−0〜171−nによって、増幅され、AMPOUT[n:0]として読み出される。
この読み出し信号AMPOUT[n:0]は、最終的にはマスタクロックMCKを位相調整部22−1で位相調整された(遅延された)第1の取り込みクロックSACKにより同期化し、データ同期回路172−0〜172−nに取り込まれる。
データ同期回路172−0〜172−nの取り込まれたデータは第2の取り込みクロックSACK2によりデータ同期回路173−0〜173−nに再度取り込まれて、出力データ処理回路20へと送られる。
本データ転送系30は、図6のようにセンスアンプ回路171−0〜171−nの出力後をデータ同期回路172−0〜172−n,173−0〜173−n(FF1とFF2)に2段化とし、前段のFF1の第1の取り込みクロックSACK1をデータクロックCLKと途中まで同じ経路で通し、後段のラッチFF2の第2の取り込みクロッククロックSACK2も途中まで同じ経路を通すが、後段FF2の第2の取り込みクロックSACK2はなるべくデジタル回路のクロックのタイミングに前段FF1のクロックよりも近づけるようにする(そのため、第2の取り込みクロックSACK2を生成するための分岐線は経路を短くする)ことが特徴である。
以下、本データ転送系30をシミュレーション結果に関連付けて考察する。
図8は、本実施形態に係るデータ転送系のスロー(slow)条件時のシミュレーション結果を示す図である。
図8において、最下段の2つのX1,X2の波形がセンスアンプ回路の出力である。ハイレベルの期間が信号の出力期間でそれぞれ、X1で示す波形が近端側(near側)のデータ、X2で示す波形が遠端側(far側)のデータである。
下から二段目の波形のY1とY2の波形はFFラッチの前段、後段のクロック波形で、Y1が前段、Y2が後段となっている。
この波形で、X1とX2波形のハイレベルレベル期間のAndの期間でFFラッチのデータを取り込めばnear側、far側の共にFFラッチにデータを取り込める。
本実施形態でセンスアンプ出力データを取るタイミングは、前段FFであるデータ同期回路172−0〜172−n用の第1の取り込みクロックSACK1がデータクロックパスと経路を途中まで同じパスで通っているので、トランジスタTrばらつきが生じた際に遅延量がデータクロック(駆動クロックCLK)と同じレベルで変動するので図中Aで示すタイミングとなり、スローt条件であってもnear側データ、far側データ、共に前段FFラッチであるデータ同期回路172−0〜172−nにデータを取り込めることがわかる。
下から二段目の波形のY1とY2の波形はFFラッチの前段、後段のクロック波形で、Y1が前段、Y2が後段となっている。
この波形で、X1とX2波形のハイレベルレベル期間のAndの期間でFFラッチのデータを取り込めばnear側、far側の共にFFラッチにデータを取り込める。
本実施形態でセンスアンプ出力データを取るタイミングは、前段FFであるデータ同期回路172−0〜172−n用の第1の取り込みクロックSACK1がデータクロックパスと経路を途中まで同じパスで通っているので、トランジスタTrばらつきが生じた際に遅延量がデータクロック(駆動クロックCLK)と同じレベルで変動するので図中Aで示すタイミングとなり、スローt条件であってもnear側データ、far側データ、共に前段FFラッチであるデータ同期回路172−0〜172−nにデータを取り込めることがわかる。
前段FFラッチであるデータ同期回路172−0〜172−nの出力波形は上から2段目のZ1で示す波形であり、後段のFFラッチであるデータ同期回路173−0〜173−nはこの波形出力期間中にデータを取る必要がある。
後段のFFラッチであるデータ同期回路173−0〜173−nのデータ取り込みタイミングは図中Bで示すタイミングであり、前段のFFラッチであるデータ同期回路172−0〜172−nの出力波形を取得できていることがわかる。
後段のFFラッチであるデータ同期回路173−0〜173−nのデータ取り込みタイミングは図中Bで示すタイミングであり、前段のFFラッチであるデータ同期回路172−0〜172−nの出力波形を取得できていることがわかる。
また、図8の最上段の波形はデジタル回路が出力した直後のFFラッチクロック波形(=デジタル回路内部クロック)であり、前段のFFラッチであるデータ同期回路172−0〜172−nの第1の取り込みクロックSACK2はデジタル回路出力直後のクロックより大幅に遅延をしているが、後段のFFラッチであるデータ同期回路173−0〜173−nの第2の取り込みクロックSACK2は前段よりもラッチクロックパスが短い分、遅延量が減る。
後段のFFラッチであるデータ同期回路173−0〜173−nのタイミングがデジタル回路のクロックタイミングに近くになるパスを通ることにより、後段のFFラッチであるデータ同期回路173−0〜173−nの取り込みタイミングは、トランジスタTrのばらつきの影響を前段のFFラッチであるデータ同期回路172−0〜172−nの取り込みタイミングほどトランジスタTrばらつきの影響を受けず、トランジスタTrばらつきが出てもデジタル回路での取り込みミスを防ぐことができる。デジタル回路である出力データ処理回路20からみて取り込みデータの遅延バラツキが小さく見え、FF1段よりもデジタル回路の制約条件範囲を狭めることができる。
後段のFFラッチであるデータ同期回路173−0〜173−nのタイミングがデジタル回路のクロックタイミングに近くになるパスを通ることにより、後段のFFラッチであるデータ同期回路173−0〜173−nの取り込みタイミングは、トランジスタTrのばらつきの影響を前段のFFラッチであるデータ同期回路172−0〜172−nの取り込みタイミングほどトランジスタTrばらつきの影響を受けず、トランジスタTrばらつきが出てもデジタル回路での取り込みミスを防ぐことができる。デジタル回路である出力データ処理回路20からみて取り込みデータの遅延バラツキが小さく見え、FF1段よりもデジタル回路の制約条件範囲を狭めることができる。
図9は、本実施形態に係るデータ転送系のティピカル(typical)条件時のシミュレーション結果を示す図である。
図9からもわかるように、当然、ティピカル条件でも問題なくデータを取り込めていることがわかる。
また、スロー条件でもデータ取得に失敗しないことにより、トランジスタTrの製造バラツキ、温度特性によってデータ取り込み失敗することがなくなり、歩留まりをあげることができる。
また、スロー条件でもデータ取得に失敗しないことにより、トランジスタTrの製造バラツキ、温度特性によってデータ取り込み失敗することがなくなり、歩留まりをあげることができる。
次に、本実施形態に係る固体撮像素子(CMOSイメージセンサ)10の動作を、図10のタイミングチャートと図3のブロック図とに関連付けて説明する。
任意の行Hxの単位画素111から列線V0、V1、…への1回目の読み出しが安定した後、DAC16の出力から、参照電圧の基づくランプ波形RAMPを出力する。この参照電圧の基づくランプ波形RAMPは、比較器151の基準電圧REFとして、階段状の波形として入力される。そして、各比較器151において、任意の列線Vxの電圧との比較が行われる。
このとき、カウンタラッチ152は、ダウンカウント状態に有り、リセットカウントを行う。基準電圧REFとVxの電圧が等しくなったとき、比較器151の出力COMPOUTiは反転し、ダウンカウント動作は停止し、カウントが保持される。
このとき、カウンタラッチ152の初期値は、AD変換の階調の任意の値、たとえば、0とする。このリセットカウント期間は、単位画素111のリセット成分ΔVを読み出している。
このとき、カウンタラッチ152は、ダウンカウント状態に有り、リセットカウントを行う。基準電圧REFとVxの電圧が等しくなったとき、比較器151の出力COMPOUTiは反転し、ダウンカウント動作は停止し、カウントが保持される。
このとき、カウンタラッチ152の初期値は、AD変換の階調の任意の値、たとえば、0とする。このリセットカウント期間は、単位画素111のリセット成分ΔVを読み出している。
その後、入射光量に応じて列線V0、V1、…が安定した後、データカウント期間として、ランプ波形RAMPは、基準電圧REFとして入力され、任意の列線V0、V1、…の電圧との比較が比較器151にて行われる。
階段波であるランプ波形RAMPの入力と並行して、カウンタラッチ152にて、それぞれアップカウントがなされる。基準電圧REFと、Vxが等しくなったとき比較器151の出力COMPOUTiは反転し、比較期間に応じたカウントが保持される。
カウンタラッチ152に保持されたカウンタ値は、列走査回路13により走査され、デジタル信号として、データ転送線154を経てデータ出力回路17のセンスアンプ回路171に入力され、順次デジタル値を検知し、出力される。
階段波であるランプ波形RAMPの入力と並行して、カウンタラッチ152にて、それぞれアップカウントがなされる。基準電圧REFと、Vxが等しくなったとき比較器151の出力COMPOUTiは反転し、比較期間に応じたカウントが保持される。
カウンタラッチ152に保持されたカウンタ値は、列走査回路13により走査され、デジタル信号として、データ転送線154を経てデータ出力回路17のセンスアンプ回路171に入力され、順次デジタル値を検知し、出力される。
以上説明したように、本実施形態によれば、光電変換を行う複数の画素が行列状に配列された画素アレイ部11と、デジタルデータを転送する複数のデータ転送線154−0〜164−nと、データ転送線154に接続されたデータ出力回路17−0〜17−nと、対応するデータ転送線154に接続され、画素アレイ部11の列線を通して読み出されるアナログ入力レベルに対応したデジタル値を保持しデジタル値をデータ転送線154に転送する複数のカウンタラッチ152−0〜152−nと、複数の保持回路を駆動クロックに同期した選択信号により選択する列走査回路13と、を有し、基本的に、列走査回路13は、保持回路の並列配置に対応して配置され、供給される駆動クロックに同期して選択信号を対応する保持回路に出力する複数の選択信号生成部131−0〜131−nと、マスタクロックを伝搬し、駆動クロックとして複数の選択信号生成部に供給するクロック供給線LMCK1,LCMCK,LCLK1と、を含み、データ出力回路17−0〜17−nは、第1の取り込みクロックSACK1に同期して検出データを取り込み出力する第1のデータ同期回路(第1の取り込み部)172−0〜172−nと、第2の取り込みクロックSACK2に同期して第1のデータ同期回路172−0〜172−nの出力データを取り込む第2のデータ同期回路(第2の取り込み部)173−0〜173−nと、を含むことから、以下の効果を得ることができる。
すなわち、撮像部のデータの水平転送時において、高速化の妨げとなっていたデータのスキュー成分のうち、データの転送距離に起因した位置依存成分を除去することができ、イメージセンサの更なる高速化、あるいは大型化に貢献することができる。
また、データとクロックを同様の転送線上を転送するため、チップ間やウエハ間のプロセスばらつきの影響を相対的に吸収しやすい構成となり、歩留まりの向上を図ることができる。また、データ同期化の取り込みマージンを拡大することができるため、設計が容易となり、設計期間、工数の削減をも実現することができる。
また、データとクロックを同様の転送線上を転送するため、チップ間やウエハ間のプロセスばらつきの影響を相対的に吸収しやすい構成となり、歩留まりの向上を図ることができる。また、データ同期化の取り込みマージンを拡大することができるため、設計が容易となり、設計期間、工数の削減をも実現することができる。
このような効果を有する固体撮像素子は、デジタルカメラやビデオカメラの撮像デバイスとして適用することができる。
図11は、本発明の実施形態に係る固体撮像素子が適用されるカメラシステムの構成の一例を示す図である。
本カメラシステム40は、図11に示すように、本実施形態に係る固体撮像素子10が適用可能な撮像デバイス41と、この撮像デバイス41の画素領域に入射光を導く(被写体像を結像する)光学系、たとえば入射光(像光)を撮像面上に結像させるレンズ42と、撮像デバイス41を駆動する駆動回路(DRV)43と、撮像デバイス41の出力信号を処理する信号処理回路(PRC)44と、を有する。
駆動回路43は、撮像デバイス41内の回路を駆動するスタートパルスやクロックパルスを含む各種のタイミング信号を生成するタイミングジェネレータ(図示せず)を有し、所定のタイミング信号で撮像デバイス41を駆動する。
また、信号処理回路44は、撮像デバイス41の出力信号に対してCDS(Correlated Double Sampling;相関二重サンプリング)などの信号処理を施す。
信号処理回路44で処理された画像信号は、たとえばメモリなどの記録媒体に記録される。記録媒体に記録された画像情報は、プリンタなどによってハードコピーされる。また、信号処理回路44で処理された画像信号を液晶ディスプレイ等からなるモニターに動画として映し出される。
信号処理回路44で処理された画像信号は、たとえばメモリなどの記録媒体に記録される。記録媒体に記録された画像情報は、プリンタなどによってハードコピーされる。また、信号処理回路44で処理された画像信号を液晶ディスプレイ等からなるモニターに動画として映し出される。
上述したように、デジタルスチルカメラ等の撮像装置において、撮像デバイス31として、先述した撮像素子10を搭載することで、高精度なカメラが実現できる。
10・・・固体撮像素子、11・・・画素アレイ部、12・・・行走査回路、13・・・列走査回路、131・・・シフトレジスタ、131−0〜131−n・・・ラッチ、14・・・タイミング制御回路、15・・・ADC群、151・・・比較器、152・・・非同期アップ/ダウンカウンタ、153・・・列並列ACブロック、154,154−0〜154−n・・・データ転送線、16・・・DAC、17・・・データ出力回路、171,171−0〜171−n・・・センスアンプ(S/A)回路、172−0〜172−n・・・第1のデータ同期回路(FF1ラッチ)、173−0〜173−n・・・第2のデータ同期回路(FF2ラッチ)、20・・・出力データ処理回路、21・・・クロック供給回路、22-1,22−2・・・位相調整部、30・・・データ転送系、40・・・カメラシステム、41・・・撮像デバイス、42・・・駆動回路、43・・・レンズ、44・・・信号処理回路。
Claims (12)
- データを転送する複数の転送線と、
上記転送線を転送されたデータを検出し、取り込みクロックに同期して検出データを取り込む複数のデータ出力部と、
入力レベルに対応したデータを保持し、選択信号に応答して上記データを対応する上記転送線に転送する、並列に配置された複数の保持部と、
少なくともマスタクロックを供給するクロック供給部と、
駆動クロックに同期して上記選択信号を生成し、上記保持部に出力する走査部と、を有し、
上記転送線は、
上記保持部の並列配置方向に配線され、当該方向に配置された対応する上記データ出力部に接続され、
上記走査部は、
上記保持部の並列配置に対応して配置され、供給される駆動クロックに同期して上記選択信号を対応する保持部に出力する複数の選択信号生成部と、
マスタクロックを伝搬し、駆動クロックとして上記複数の選択信号生成部に供給するクロック供給線と、を含み、
上記データ出力部は、
上記取り込みクロックに同期して上記検出データを取り込み出力する第1の取り込み部と、
上記取り込みクロックに同期して上記第1の取り込み部の出力データを取り込む第2の取り込み部と、を含む
データ転送回路。 - 上記第1の取り込み部は、
第1の取り込みクロックに同期して上記検出データを取り込み、
上記第2の取り込み部は、
第2の取り込みクロックに同期して上記第1の取り込み部の出力データを取り込む
請求項1記載のデータ転送回路。 - 上記走査部は、
上記駆動クロックを伝搬する駆動クロック供給線が上記転送線と同方向に配線され、
上記駆動クロック供給線を伝搬したクロックが上記第1の取り込みクロックとして上記複数のデータ出力部に供給される
請求項2記載のデータ転送回路。 - 上記走査部は、
上記マスタクロックが供給されるクロック供給線が上記第1の取り込みクロックが伝搬する駆動クロック供給線により遅延の小さいクロック供給線が分岐され、
上記分岐クロック供給線を伝搬したマスタクロックが上記第2の取り込みクロックとして上記複数のデータ出力部に供給される
請求項3記載のデータ転送回路。 - 光電変換を行う複数の画素が行列状に配列された撮像部と、
データを転送する複数の転送線と、
上記転送線を転送されたデータを検出し、取り込みクロックに同期して検出データを取り込む複数のデータ出力部と、
入力レベルに対応したデータを保持し、選択信号に応答して上記データを対応する上記転送線に転送する、並列に配置された複数の保持部と、
少なくともマスタクロックを供給するクロック供給部と、
駆動クロックに同期して上記選択信号を生成し、上記保持部に出力する走査部と、を有し、
上記転送線は、
上記保持部の並列配置方向に配線され、当該方向に配置された対応する上記データ出力部に接続され、
上記走査部は、
上記保持部の並列配置に対応して配置され、供給される駆動クロックに同期して上記選択信号を対応する保持部に出力する複数の選択信号生成部と、
マスタクロックを伝搬し、駆動クロックとして上記複数の選択信号生成部に供給するクロック供給線と、を含み、
上記データ出力部は、
上記取り込みクロックに同期して上記検出データを取り込み出力する第1の取り込み部と、
上記取り込みクロックに同期して上記第1の取り込み部の出力データを取り込む第2の取り込み部と、を含む
固体撮像素子。 - 上記第1の取り込み部は、
第1の取り込みクロックに同期して上記検出データを取り込み、
上記第2の取り込み部は、
第2の取り込みクロックに同期して上記第1の取り込み部の出力データを取り込む
請求項5記載の固体撮像素子。 - 上記走査部は、
上記駆動クロックを伝搬する駆動クロック供給線が上記転送線と同方向に配線され、
上記駆動クロック供給線を伝搬したクロックが上記第1の取り込みクロックとして上記複数のデータ出力部に供給される
請求項6記載の固体撮像素子。 - 上記走査部は、
上記マスタクロックが供給されるクロック供給線が上記第1の取り込みクロックが伝搬する駆動クロック供給線により遅延の小さいクロック供給線が分岐され、
上記分岐クロック供給線を伝搬したマスタクロックが上記第2の取り込みクロックとして上記複数のデータ出力部に供給される
請求項7記載の固体撮像素子。 - 固体撮像素子と、
上記撮像素子に被写体像を結像する光学系と、
上記撮像素子の出力画像信号を処理する信号処理回路と、を有し、
上記固体撮像素子は、
データを転送する複数の転送線と、
上記転送線を転送されたデータを検出し、取り込みクロックに同期して検出データを取り込む複数のデータ出力部と、
入力レベルに対応したデータを保持し、選択信号に応答して上記データを対応する上記転送線に転送する、並列に配置された複数の保持部と、
少なくともマスタクロックを供給するクロック供給部と、
駆動クロックに同期して上記選択信号を生成し、上記保持部に出力する走査部と、を有し、
上記転送線は、
上記保持部の並列配置方向に配線され、当該方向に配置された対応する上記データ出力部に接続され、
上記走査部は、
上記保持部の並列配置に対応して配置され、供給される駆動クロックに同期して上記選択信号を対応する保持部に出力する複数の選択信号生成部と、
マスタクロックを伝搬し、駆動クロックとして上記複数の選択信号生成部に供給するクロック供給線と、を含み、
上記データ出力部は、
上記取り込みクロックに同期して上記検出データを取り込み出力する第1の取り込み部と、
上記取り込みクロックに同期して上記第1の取り込み部の出力データを取り込む第2の取り込み部と、を含む
カメラシステム。 - 上記第1の取り込み部は、
第1の取り込みクロックに同期して上記検出データを取り込み、
上記第2の取り込み部は、
第2の取り込みクロックに同期して上記第1の取り込み部の出力データを取り込む
請求項9記載のカメラシステム。 - 上記走査部は、
上記駆動クロックを伝搬する駆動クロック供給線が上記転送線と同方向に配線され、
上記駆動クロック供給線を伝搬したクロックが上記第1の取り込みクロックとして上記複数のデータ出力部に供給される
請求項10記載のカメラシステム。 - 上記走査部は、
上記マスタクロックが供給されるクロック供給線が上記第1の取り込みクロックが伝搬する駆動クロック供給線により遅延の小さいクロック供給線が分岐され、
上記分岐クロック供給線を伝搬したマスタクロックが上記第2の取り込みクロックとして上記複数のデータ出力部に供給される
請求項11記載のカメラシステム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2007125742A JP2008283457A (ja) | 2007-05-10 | 2007-05-10 | データ転送回路、固体撮像素子、およびカメラシステム |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007125742A JP2008283457A (ja) | 2007-05-10 | 2007-05-10 | データ転送回路、固体撮像素子、およびカメラシステム |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010130364A (ja) * | 2008-11-27 | 2010-06-10 | Sony Corp | タイミング調整回路、固体撮像素子、およびカメラシステム |
CN102202187A (zh) * | 2010-03-24 | 2011-09-28 | 株式会社东芝 | 固体摄像装置 |
US8723998B2 (en) | 2011-07-15 | 2014-05-13 | Renesas Electronics Corporation | Solid-state image pickup device |
-
2007
- 2007-05-10 JP JP2007125742A patent/JP2008283457A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2011205248A (ja) * | 2010-03-24 | 2011-10-13 | Toshiba Corp | 固体撮像装置 |
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