JP2008283284A - Ad変換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】回路面積の縮小し、低消費電流動作を実現するAD変換器を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のAD変換器100は、電圧比較器110を構成するインバータの反転しきい値電圧をAD変換器100の基準電圧と等しくなるように設定することにより、従来基準電圧発生回路を備える必要性を排除し、微細化に起因した誤差補正端子数を低減して、回路面積の縮小し、低消費電流動作を実現する。
【選択図】図10

Description

本発明は、AD変換器に関する。
図1、図2を参照して従来のAD変換器におけるAD変換動作について説明する。図1は、従来のAD変換器10を説明する第一の図である。AD変換器10は、電圧比較器列11、基準電圧発生回路12およびエンコーダー回路13によって構成される。
電圧比較器列11は、AD変換器10の分解能に対応した数の電圧比較器14が配列されて構成されている。電圧比較器列11において、各電圧比較器14により、入力電圧Vinと、基準電圧発生回路12で生成された複数の基準電圧Vrefとが一斉に比較される。
基準電圧発生回路12は、抵抗Rが直列接続されて構成されている。基準電圧発生回路12は、抵抗Rの各々の接続ノードにおいて発生する複数の異なる電圧値をそれぞれ基準電圧Vrefとし各電圧比較器14へ供給する。
図2は、従来のAD変換器10を説明する第二の図である。AD変換器10は、図2に示すように、電圧比較器列11の各電圧比較器14のうち、入力電圧Vinと最も近い基準電圧Vrefが与えられている電圧比較器14を境にして、基準電圧Vrefが入力電圧以上の電圧比較器14は全て論理"0"レベル(以下、Lレベル)を出力する。また基準電圧Vrefが入力電圧よりも低い電圧比較器14はすべて"1"レベル(以下、Hレベル)を出力する。エンコーダー回路13ではAD変換器10の電圧比較器出力をバイナリーデーターに変換し出力する。以上のようにして、AD変換器10はAD変換動作を実現する。
ここでAD変換器10に使用される電圧比較器14について説明する。図3は、AD変換器10に使用される電圧比較器14を示す図である。
電圧比較器14は、図3に示すように、差動増幅器で構成される。一般に比較器列における各比較では1段の増幅段では十分な利得が得られないため、2段程度の増幅段を設け、さらに後段にラッチ回路を設ける場合が多い。AD変換器10では分解能の数だけ電圧比較器14が必要となるため、AD変換器10の分解能の上昇に伴い回路規模、消費電力が増大してしまう。
また、近年のLSI(Large Scale Integration)の微細化、低電源電圧化に起因する誤差がAD変換器10の設計に制限を与えている。そのLSIの微細化、低電源電圧化に伴う誤差を補正しつつ高速動作が可能な並列型AD変換器に、インバータチョッパ電圧比較器を用いた並列型AD変換器がある。
インバータチョッパ電圧比較器を用いた並列型AD変換器では、電圧比較を行う毎にキャリブレーションを行うことで、微細CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)におけるトランジスタのしきい値電圧のばらつき等に起因する電圧比較器の誤差を回避している。このためインバータチョッパ電圧比較器を用いた並列型AD変換器では、高速かつ高精度なAD変換動作を実現できる。
また、インバータチョッパ電圧比較器を用いた並列型AD変換器はCMOSインバータを基本構成としているので、微細化に伴う低電源電圧化に対しても、図3に示す差動増幅器で構成した電圧比較器14を用いるAD変換器10よりも優位である。しかしながらインバータチョッパ電圧比較器を用いた並列型AD変換器では、電圧比較器は電圧比較期間はCMOSインバータとして動作するため貫通電流はほとんど無いが、サンプルホールド期間では貫通電流が発生する。サンプルホールド期間は電圧比較サイクルの半周期を占めているため、この消費電流は無視できない。以上のように、従来の並列型AD変換器では、微細化に起因した誤差の補正、高速動作、低消費電力動作を同時に実現することが困難であった。
これらの問題を克服する並列型AD変換器としてインバータを用いた並列型AD変換器が提案された。以下に図4を参照してインバータを用いた並列型インバータAD変換器について説明する。図4は、インバータAD変換器10Aの基本回路図である。
AD変換器10Aは、7個の電圧比較器14Aからなる電圧比較器列11A、エンコーダー回路13とから構成される。図5は、電圧比較器14Aを示す図である。電圧比較器14Aは、CMOSインバータCで構成される。
電圧比較器14Aの端子は、入力端子Aと電圧比較結果を出力する出力端子Bからなる。図6は、電圧比較器14Aを構成するCMOSインバータCの入出力特性を示す図である。CMOSインバータCは入力が反転しきい値電圧Vthよりも小さいときは電源電圧Vddを出力し、反転しきい値電圧よりも大きいときは接地電圧GNDを出力する。
AD変換器10Aでは、CMOSインバータCで構成される電圧比較器14Aを使用するため、CMOSインバータCの反転しきい値電圧とAD変換器10Aの基準電圧を等しく設定する必要がある。
CMOSインバータCの反転しきい値電圧をAD変換器10Aの基準電圧に等しく設定する方法を述べる。理想的なMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を使用したCMOSインバータCの反転しきい値電圧は次式で表される。
Figure 2008283284
Figure 2008283284
ここで、VDDは電源電圧、VthP、VthNはそれぞれCMOSインバータCを構成するpチャネルMOSFET(以下PMOS)、nチャネルMOSFET(以下NMOS)のしきい値電圧、WP、LPはそれぞれCMOSインバータCを構成するPMOSのチャネル幅、チャネル長、WN、LNはそれぞれCMOSインバータCを構成するNMOSのチャネル幅、チャネル長を表す。PMOSとNMOSのチャネル長を等しくすれば、CMOSインバータCを構成するPMOSとNMOSのチャネル幅の比率を変化させることでCMOSインバータCの反転しきい値電圧を制御することができる。
しかし、実際の微細CMOSデバイスでは、ショートチャネル効果の影響でCMOSインバータCの反転しきい値電圧は(数1)で表される理想式とは異なる値となる。さらに、温度変化や製造プロセスのばらつき、又は動作時の供給電源電圧のばらつきによってMOSFETのしきい値電圧(VthP、VthN)がばらつき、その結果CMOSインバータCの反転しきい値電圧もばらついてしまう。従って、CMOSインバータCを構成するPMOSとNMOSのチャネル幅の比率を変化させることだけでCMOSインバータCの反転しきい値電圧を並列型AD変換器10Aの基準電圧と完全に等しくすることは困難である。
そこで、微細化、動作環境に起因した誤差の補正を行うために、AD変換器10BにはCMOSインバータCのしきい値電圧を補正する基準電圧補正部を備える。図7は、基準電圧補正部を備える並列型AD変換器10Bを示す図である。
図7に示すAD変換器10Bは、7個の電圧比較器14Bからなる電圧比較器列11B、基準電圧検出部15、基準電圧補正部16、エンコーダー回路13とから構成される。
図8は、電圧比較器14Bの基本回路図である。電圧比較器14BはCMOSインバータDで構成される。電圧比較器14Bの入出力端子は、入力端子A、電圧比較結果を出力する出力端子B、電圧比較器14Bを構成するCMOSインバータDのNMOSの基板端子CTL_N、CMOSインバータDのPMOSの基板端子CTL_Pからなる。
AD変換器10Bでは、まず設計段階でCMOSインバータDを構成するNMOSとPMOSのチャネル幅の比率を変化させ、粗い反転しきい値電圧ステップを持つCMOSインバータ列を構成する。CMOSインバータDの反転しきい値電圧と、AD変換器10Bの基準電圧との正確な一致は、AD変換器10BにおいてAD変換動作を行う前、またはAD変換動作中にキャリブレーションを行うことで実現する。
以下にキャリブレーション方法について説明する。キャリブレーションはMOSFETの基板バイアス効果を利用して実現する。MOSFETの基板バイアス効果とは、ゲート、ドレイン、ソース、基板の4端子デバイスのMOSFETにおいて、ソース・基板間の電位差に応じてMOSFETのしきい値電圧が変動することである。ソース・基板間が同電位の場合からソース・基板間に電位差VSBを与えた場合のMOSFETのしきい値電圧の変動ΔVthは次のように表される。
Figure 2008283284
ここで、εsはシリコンの誘電率、qは単位電荷、Nは基板の不純物密度、Coxは単位面積あたりの酸化膜容量、ΨBは基板の不純物密度で決まる定数(フェルミポテンシャル)、VSBはソース・基板間電位差である。
従って、NMOSのソース・基板間に正の電圧VSBを与えるとNMOSのしきい値電圧が減少し、CMOSインバータDのしきい値電圧が減少する。一方、PMOSのソース・基板間に負の電圧VSBを与えるとPMOSのしきい値電圧が増加(PMOSのしきい値電圧は負なので絶対値としては減少)し、CMOSインバータDのしきい値電圧が増加する。
この様子を図9に示す。図9は、基板バイアスを説明する図である。AD変換器10Bでは、以上で述べた基板バイアス効果の原理を用いてCMOSインバータDの反転しきい値電圧のキャリブレーションを行う。
以上から各電圧比較器14Bを構成するCMOSインバータDの反転しきい値電圧とAD変換器10Bの基準電圧を正確に一致することができる。また、以上の特徴からAD変換器10Bは微細化、動作環境に起因した誤差の補正、高速動作、低消費電流動作を同時に実現できる。
しかしながら従来のしきい値電圧を補正するAD変換器10Bでは、しきい値電圧を補正するために、CMOSインバータの基板バイアス効果を用いているため、各電圧比較器それぞれに2本の制御信号端子が必要となり、制御端子数が増える。制御端子数が増えると、制御端子数に比例して制御信号発生ブロックの回路面積と消費電力が増大する。
本発明は、上記事情を鑑みて、これを解決すべくなされたものであり、制御端子数を減らして回路面積の縮小し、低消費電流動作を実現するAD変換器を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記の目的を達成するために、以下の如き構成を採用した。
本発明は、入力アナログ信号と動作点電圧との差分を増幅する複数の増幅器を有する増幅器列と、前記増幅器の動作点電圧を検出する動作点電圧検出手段と、前記増幅器列から複数の前記増幅器を選択する増幅器選択手段とを有し、前記複数の増幅器における各動作点電圧が異なり、前記入力アナログ信号の電圧範囲が前記各動作点電圧の最小値から最大値までの範囲に含まれるAD変換器であって、前記増幅器は、電流源とMOSトランジスタとが、電源と接地との間で直列に接続されており、前記MOSトランジスタのゲート端子に前記入力アナログ信号が入力される構成とした。
係る構成によれば、制御端子数を減らして回路面積の縮小し、低消費電流動作を実現するAD変換器を提供することができる。
また本発明のAD変換器は、前記電流源が抵抗である構成としても良い。
また本発明のAD変換器は、前記動作点電圧を補正する動作点電圧補正信号を出力する動作点電圧補正手段を有し、前記動作点電圧補正信号は、前記MOSトランジスタの基板端子に入力される構成としても良い。
本発明は、入力アナログ信号と動作点電圧との差分を増幅する複数の増幅器を有する増幅器列と、前記増幅器の動作点電圧を検出する動作点電圧検出手段と、前記増幅器列から複数の前記増幅器を選択する増幅器選択手段と、前記動作点電圧を補正する動作点電圧補正信号を出力する動作点電圧補正手段とを有し、前記複数の増幅器における各動作点電圧が異なり、前記入力アナログ信号の電圧範囲が前記各動作点電圧の最小値から最大値までの範囲に含まれるAD変換器であって、前記増幅器は、2つのMOSトランジスタが電源と接地との間で直列に接続されており、方のMOSトランジスタにおいて、ゲート端子に前記入力アナログ信号が入力され、基板端子に前記動作点電圧補正信号が入力される構成とした。
係る構成によれば、制御端子数を減らして回路面積の縮小し、低消費電流動作を実現するAD変換器を提供することができる。
また、前記増幅器は、一方のMOSトランジスタのゲート端子に前記入力アナログ信号が入力され、他方のトランジスタのゲート端子に前記動作点電圧補正信号が入力される構成としても良い。
本発明によれば、制御端子数を減らして回路面積の縮小し、低消費電流動作を実現するAD変換器を提供することができる。
本発明のAD変換器は、電圧比較器の反転しきい値電圧をAD変換器の基準電圧と等しくなるように設定することにより、基準電圧発生回路を備える必要性を排除し、微細化に起因した誤差補正端子数を低減して、回路面積の縮小し、低消費電流動作を実現する。
(第一の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の第一の実施形態について説明する。図10は、第一の実施形態のAD変換器100の回路構成図である。
本実施形態のAD変換器100は、N(7以上の整数)個の電圧比較器110からなる電圧比較器列120、基準電圧検出部130、電圧比較器選択部140、エンコーダー回路150から構成される。
電圧比較器110は、入力電圧(入力アナログ信号)と動作点電圧との差分を増幅する。尚以下の説明では、動作点電圧を反転しきい値電圧と呼ぶ。電圧比較器列120は、N(7以上の整数)個の電圧比較器110から構成されている。基準電圧検出部130は、各電圧比較器110に設定された反転しきい値電圧を、基準電圧として検出する。電圧比較選択部140は、AD変換動作に用いる電圧比較器110を選択する。
以下に本実施形態のAD変換器100におけるAD変換動作を説明する。
本実施形態のAD変換器100では、入力端子Vin1にアナログ信号が入力され、電圧比較器列120において各電圧比較器110に入力される。各電圧比較器110には、AD変換器100の後述する反転しきい値電圧が設定されている。電圧比較器110において、基準電圧より入力電圧が小さい電圧比較器110からHレベルが出力され、基準電圧より入力電圧が大きい電圧比較器110からLレベルが出力される。電圧比較器110から出力されたデータはエンコーダー回路150に入力され、バイナリーのディジタルデータに変換される。AD変換器100では、このようにしてAD変換動作が実現される。
ここで本実施形態の電圧比較器110について説明する。図11は、第一の実施形態の電圧比較器110の回路図である。
電圧比較器110は、抵抗負荷インバータ111で構成される。図12は、抵抗負荷インバータ111の入出力特性を示す図である。
抵抗負荷インバータ111は、入力電圧Vinが駆動MOSトランジスタ112のしきい値電圧以下のときはVddを出力する。また抵抗負荷インバータ111は、入力電圧Vinが駆動MOSトランジスタ112のしきい値電圧を超えて駆動MOSトランジスタ112に電流が流れると、電源電圧Vddから電流値と負荷113に応じて電圧降下した電圧値を出力する。
本実施形態では、抵抗負荷インバータ111の出力が、0.5Vddとなる入力電圧Vinを抵抗負荷インバータ111の反転しきい値電圧とした。
以下に、各電圧比較器110に設定された反転しきい値電圧について説明する。ここで本実施形態のAD変換器100では、電圧比較器110として抵抗負荷インバータ111を使用するため、抵抗負荷インバータ111の反転しきい値電圧を基準電圧とAD変換器100の基準電圧とを等しく設定する必要がある。
抵抗負荷インバータ111の出力電圧Voutは負荷と駆動電流の積に比例する。従って、しきい値電圧は駆動MOSトランジスタ112の電流駆動力と負荷113の値によって決まる。駆動MOSトランジスタ112の電流値は駆動MOSトランジスタ112のチャネル幅WN、チャネル長LNによって決まる。
つまり、本実施形態において駆動MOSトランジスタ112のチャネル長LN、チャネル幅WN、負荷113である抵抗Rの値を調整することにより、抵抗負荷インバータ111の反転しきい値電圧をAD変換器100の基準電圧と等しく設定することができる。
さらに本実施形態のAD変換器100は、AD変換器100の分解能以上の電圧比較器110を備えるものとした。電圧比較器110は、それぞれ異なるしきい値電圧を持つ。そのためAD変換器100においてAD変換動作を行う前、またはAD変換動作中にキャリブレーションを行いAD変換に用いる電圧比較器110を電圧比較器選択部140により選択する。
本実施形態のキャリブレーション動作を説明する。キャリブレーション動作は、入力端子Vin1よりAD変換器100のダイナミックレンジを横切るスイープ信号を入力し、電圧比較器110を構成する抵抗負荷インバータ111の反転しきい値電圧を基準電圧検出部130により検出する。基準電圧検出部130での検出結果データは電圧比較器選択部140に送られる。電圧比較器選択部140では所望のAD変換の基準電圧に適している電圧比較器110を選択する。
本実施形態のAD変換器100では、電圧比較器選択部140により選択された電圧比較器110を用いて、AD変換動作を行う。
このように、本実施形態によれば、電圧比較器110のしきい値電圧がAD変換器100の基準電圧と等しくなるように設定されているため、一般のAD変換器に備えられている基準電圧発生回路を備える必要がない。よって本実施形態によれば、基準電圧発生回路を備えるための制御端子を減らして回路面積の縮小し、低消費電流動作を実現するAD変換器を提供することができる。
また本実施形態によれば、キャリブレーションにより、電圧比較器110に予め設定された反転しきい値電圧をAD変換動作の前、またはその最中に補正することができる。このため、電圧比較器110Aを構成するトランジスタの微細化に起因する誤差、使用環境による誤差を低減し、高精度のAD変換を実現することができる。
(第二の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の第二の実施形態について説明する。第二の実施形態のAD変換器100Aは、電圧比較器110Aの構成と、基準電圧補正部160を有する点とが第一の実施形態のAD変換器100と異なる。よって本実施形態の以下の説明では、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには第一の実施形態の説明で使用した符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
図13は、第二の実施形態のAD変換器100Aの回路図である。本実施形態のAD変換器100Aは、N(7以上の整数)個の電圧比較器110Aからなる電圧比較器列120A、基準電圧検出部130、電圧比較器選択部140、エンコーダー回路150、基準電圧補正部160により構成される。
基準電圧補正部160は、電圧比較器110Aの反転しきい値電圧を補正する補正信号を出力する。
図14は、第二の実施形態の電圧比較器110Aの回路図である。電圧比較器110Aは、駆動MOSトランジスタ114にエンハンスメント型(Enhancement type)NMOSトランジスタを用い、負荷MOSトランジスタ115にデプレッション型(Depletion type)NMOSトランジスタを用いるEDインバータ116により構成される。図15は、EDインバータ116の入出力特性を示す図である。
EDインバータ116は、入力電圧Vinが反転しきい値電圧Vthよりも小さいときはHレベルを出力し、入力電圧Vinが反転しきい値電圧Vthよりも大きいときはLレベルを出力する。本実施形態においても第一の実施形態と同様に、EDインバータ116を電圧比較器110Aとして使用するため、EDインバータ116の反転しきい値電圧VthとAD変換器100Aの基準電圧とを等しい値に設定する必要がある。
以下に、EDインバータ116の反転しきい値電圧VthをAD変換器100Aの基準電圧と等しい値に設定する方法を述べる。理想的なMOSFETを使用したEDインバータ116の反転しきい値電圧は次式で表される。
Figure 2008283284
Figure 2008283284
ここでVthnは駆動MOSトランジスタ114のしきい値電圧、Vthdは負荷MOSトランジスタ115のしきい値電圧、WN、LNはそれぞれ駆動MOSトランジスタ114のチャネル幅、チャネル長、WD、LDはそれぞれ負荷MOSトランジスタ115のチャネル幅、チャネル長を表す。EDインバータ116では、駆動MOSトランジスタ114及び負荷MOSトランジスタ115のチャネル長LN及びLDを等しくすれば、それぞれのチャネル幅WN及びWDの比率を変化させることで、反転しきい値電圧を所望の値に制御することができる。
本実施形態ではこの原理を用いて電圧比較器110Aを構成するEDインバータ116の反転しきい値電圧とAD変換器100Aの基準電圧とを等しく設定する。
しかし、実際の微細CMOSデバイスでは、ショートチャネル効果の影響によりインバータの反転しきい値電圧は(数4)で表される理想式とは異なる値となる。さらに、温度変化や、製造プロセスのばらつき、又は動作時の供給電源電圧のばらつきによってMOSFETのしきい値電圧(Vthn,Vthd)がばらつき、その結果、インバータの反転しきい値電圧もばらついてしまう。従って、駆動MOSトランジスタ114と負荷MOSトランジスタ115のチャネル幅の比率を変化させることだけでEDインバータ116の反転しきい値電圧をAD変換器100Aの基準電圧と完全に等しくすることは困難である。
そこで本実施形態では、まず設計段階でEDインバータ116を構成する駆動MOSトランジスタ114と負荷MOSトランジスタ115のチャネル幅の比率を変化させ、粗い反転しきい値電圧ステップを持つ電圧比較列を構成する。EDインバータ116の反転しきい値電圧とAD変換器100Aの基準電圧との正確な一致は、AD変換器100AによるAD変換動作を行う前、またはAD変換動作中にキャリブレーションを行うことで実現する。
以下に、キャリブレーションについて説明する。キャリブレーションはMOSFETの基板バイアス効果を利用して実現する。
NMOSトランジスタでは、ソース・基板間に正の電圧VBSを与えると、NMOSトランジスタのしきい値電圧が減少し、(数4)からEDインバータ116のしきい値電圧が減少する。本実施形態ではこの基板バイアス効果の原理を用いてEDインバータ116の反転しきい値電圧のキャリブレーションを行う。
入力端子Vin1に、AD変換器110Aのダイナミックレンジを横切るようなスイープ電圧を入力し、基準電圧検出部130によりEDインバータ116の反転しきい値電圧を検出する。基準電圧検出部130により検出された反転しきい値電圧は、基準電圧補正部160に送られる。基準電圧補正部160では、EDインバータ116の反転しきい値電圧とAD変換器100Aの基準電圧とが等しくなるような基板バイアス信号を各電圧比較器110Aに入力する。
本実施形態では、以上のようにして、各電圧比較器110Aを構成するEDインバータ116の反転しきい値電圧とAD変換器100Aの基準電圧とを正確に一致させることができる。
また、キャリブレーションを行うことなく、EDインバータ116の反転しきい値電圧と、AD変換器100Aの基準電圧との誤差を補正することも可能である。例えば、基準電圧補正部160に温度検出部(図示せず)を内蔵していても良い。この場合基準電圧補正部160は、図示しない温度検出部により検出された温度データに基づき温度変化に対応した基板バイアス信号を発生し、各電圧比較器110Aに入力する。その結果、電圧比較器110Aの温度変化による反転しきい値電圧の変動を補正することができる。同様に基準電圧補正部160は、電源電圧の変動を検出する電源電圧検出部(図示せず)を内蔵していても良い。この場合基準電圧補正部160は、電源電圧による電圧比較器110Aの反転しきい値電圧の変動を補正することが可能となる。
また本実施形態によれば、AD変換器100Aの電圧比較器110Aにおける反転しきい値電圧が、AD変換器100Aの基準電圧と等しくなるように設定されるため、従来のAD変換器に備えられている基準電圧発生回路を備える必要がない。よって本実施形態では、基準電圧発生回路を備えるために必要となる制御端子が不要となるので、制御端子数を減らして回路面積の縮小し、低消費電流動作を実現するAD変換器を提供することができる。
また本実施形態によれば、キャリブレーションにより、電圧比較器110Aに予め設定された反転しきい値電圧をAD変換動作の前、またはその最中に補正することができる。このため、電圧比較器110Aを構成するトランジスタの微細化に起因する誤差、使用環境による誤差を低減し、高精度のAD変換を実現することができる。
(第三の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の第三の実施形態について説明する。第三の実施形態は、第二の実施形態の変形であり、電圧比較器110Bの構成が第二の実施形態と相違する。よって本実施形態の以下の説明では、第二の実施形態と同様の機能構成を有するものには第二の実施形態の説明で使用した符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
図16は、第三の実施形態のAD変換器100Bの回路図である。本実施形態のAD変換器100Bは、N(7以上の整数)個の電圧比較器110Bからなる電圧比較器列120B、基準電圧検出部130、電圧比較器選択部140、エンコーダー回路150、基準電圧補正部160により構成される。
図17は、第三の実施形態の電圧比較器110Bの回路図である。電圧比較器110Bは、駆動MOSトランジスタ117及び負荷MOSトランジスタ118にエンハンスメント型(Enhancement type)NMOSトランジスタを用いるEEインバータ119により構成される。
EEインバータ119では、駆動MOSトランジスタ117のゲートに入力電圧Vinを入力し、負荷MOSトランジスタ118のゲートには電流値をコントロールするための一定バイアスVctrlを入力する。図18は、EEインバータ119の入出力特性を示す図である。
EEインバータ119の反転しきい値電圧は明確に定式化できないが、EEインバータ119もEDインバータ116同様に駆動MOSトランジスタ117及び負荷MOSトランジスタ118のチャネル幅の比率を変えることにより変化させることができる。
本実施形態のAD変換器100Bでは、分解能の数以上の個数のそれぞれ異なる反転しきい値電圧を持つ電圧比較器110Bを備えている。そのため、AD変換動作を行う前、またはAD変換動作中に、AD変換動作に用いる電圧比較器110Bを選択するキャリブレーション(第1のキャリブレーション)を行う。
さらに本実施形態では、微細CMOSデバイスに見られるショートチャネル効果による誤差、温度変化、製造プロセスによる誤差を取り除くために、負荷MOSトランジスタ118の駆動力を調整するキャリブレーション(第2のキャリブレーション)を行う。
以下に本実施形態のキャリブレーション動作を説明する。
第1のキャリブレーション動作では、始めに入力端子Vin1にAD変換器100Bのダイナミックレンジを横切るスイープ信号を入力し、各電圧比較器110Bを構成するEEインバータ119の反転しきい値電圧を基準電圧検出部130により検出する。基準電圧検出部130により検出された反転しきい値電圧は、電圧比較器選択部140に送られる。電圧比較器選択部140では所望のAD変換の基準電圧に適している電圧比較器110Bを選択する。
第2のキャリブレーション動作では、基準電圧検出部130により検出されたEEインバータ119が基準電圧補正部160へ送られる。基準電圧補正部160ではEEインバータ119の反転しきい値電圧とAD変換器100Bの基準電圧とが等しくなるような電圧を各電圧比較器100Bの負荷MOSトランジスタ118のゲートに入力する。
本実施形態では、以上のようにして、各電圧比較器110Bを構成するEEインバータ113の反転しきい値電圧とAD変換器100Bの基準電圧とを正確に一致させることができる。
このように本実施形態によれば、AD変換器100Bの電圧比較器110Bにおける反転しきい値電圧が、AD変換器100Bの基準電圧と等しくなるように設定されるため、従来のAD変換器に備えられている基準電圧発生回路を備える必要がない。よって本実施形態では、基準電圧発生回路を備えるために必要な制御端子が不要となるので、制御端子数を減らして回路面積の縮小し、低消費電流動作を実現するAD変換器を提供することができる。
また本実施形態によれば、キャリブレーションにより、電圧比較器110Bに予め設定された基準電圧をAD変換動作の前、またはその最中に補正することができる。よって電圧比較器100Bを構成するトランジスタの微細化に起因する誤差、使用環境による誤差を低減し、高精度のAD変換を実現することができる。
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態にあげた形状、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
従来のAD変換器10を説明する第一の図である。 従来のAD変換器10を説明する第二の図である。 AD変換器10に使用される電圧比較14を示す図である。 インバータAD変換器10Aの基本回路図である。 電圧比較器14Aを示す図である。 電圧比較器14Aを構成するCMOSインバータの入出力特性を示す図である。 基準電圧補正部を備えるインバータAD変換器10Bを示す図である。 電圧比較器14Bの基本回路図である。 基板バイアスを説明する図である。 第一の実施形態のAD変換器100の回路構成図である。 第一の実施形態の電圧比較器110の回路図である。 抵抗負荷インバータ111の入出力特性を示す図である。 第二の実施形態のAD変換器100Aの回路図である。 第二の実施形態の電圧比較器110Aの回路図である。 EDインバータ116の入出力特性を示す図である。 第三の実施形態のAD変換器100Bの回路図である。 第三の実施形態の電圧比較器110Bの回路図である。 EEインバータ119の入出力特性を示す図である。
符号の説明
100、100A、100B AD変換器
110、110A、110B 電圧比較器
111 抵抗負荷インバータ
112、114、117 駆動MOSトランジスタ
113 負荷
115、118 負荷MOSトランジスタ
116 EDインバータ
119 EEインバータ
120、120A、120B 電圧比較器列
130 基準電圧検出部
140 電圧比較選択部
150 エンコーダー回路
160 基準電圧補正部

Claims (5)

  1. 入力アナログ信号と動作点電圧との差分を増幅する複数の増幅器を有する増幅器列と、前記増幅器の動作点電圧を検出する動作点電圧検出手段と、前記増幅器列から複数の前記増幅器を選択する増幅器選択手段とを有し、
    前記複数の増幅器における各動作点電圧が異なり、前記入力アナログ信号の電圧範囲が前記各動作点電圧の最小値から最大値までの範囲に含まれるAD変換器であって、
    前記増幅器は、電流源とMOSトランジスタとが、電源と接地との間で直列に接続されており、前記MOSトランジスタのゲート端子に前記入力アナログ信号が入力される構成であることを特徴とするAD変換器。
  2. 前記電流源が抵抗であることを特徴とする請求項1記載のAD変換器。
  3. 前記動作点電圧を補正する動作点電圧補正信号を出力する動作点電圧補正手段を有し、
    前記動作点電圧補正信号は、前記MOSトランジスタの基板端子に入力されることを特徴とする請求項1又は2記載のAD変換器。
  4. 入力アナログ信号と動作点電圧との差分を増幅する複数の増幅器を有する増幅器列と、前記増幅器の動作点電圧を検出する動作点電圧検出手段と、前記増幅器列から複数の前記増幅器を選択する増幅器選択手段と、前記動作点電圧を補正する動作点電圧補正信号を出力する動作点電圧補正手段とを有し、
    前記複数の増幅器における各動作点電圧が異なり、前記入力アナログ信号の電圧範囲が前記各動作点電圧の最小値から最大値までの範囲に含まれるAD変換器であって、
    前記増幅器は、2つのMOSトランジスタが電源と接地との間で直列に接続されており、
    一方のMOSトランジスタにおいて、ゲート端子に前記入力アナログ信号が入力され、基板端子に前記動作点電圧補正信号が入力される構成であることを特徴とするAD変換器。
  5. 前記増幅器は、一方のMOSトランジスタのゲート端子に前記入力アナログ信号が入力され、他方のトランジスタのゲート端子に前記動作点電圧補正信号が入力される構成であることを特徴とする請求項4に記載のAD変換器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102571100A (zh) * 2012-01-05 2012-07-11 福州大学 基于set/mos混合结构的8-3编码器
FR3013505A1 (fr) * 2013-11-20 2015-05-22 St Microelectronics Crolles 2 Procede de conversion d'un signal analogique en un signal numerique et convertisseur analogique/numerique correspondant

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